(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】グラフェン膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 32/19 20170101AFI20240920BHJP
C01B 32/198 20170101ALI20240920BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240920BHJP
H10K 39/32 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
C01B32/19
C01B32/198
H01L27/146 E
H10K39/32
(21)【出願番号】P 2022537093
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(86)【国際出願番号】 CN2020141339
(87)【国際公開番号】W WO2022141179
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】517312490
【氏名又は名称】ヂェァジァン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.866,Yuhangtang Road,Xihu District,Hangzhou, Zhejiang China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ポン リー
(72)【発明者】
【氏名】ツァォ シァォシュェ
(72)【発明者】
【氏名】シェン イン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ チャオ
【審査官】浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-531387(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0079552(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0014778(US,A1)
【文献】国際公開第2013/172792(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第112071978(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0372622(US,A1)
【文献】第21節 塗布型フレキシブル透明導電フィルム用のグラフェン原料の開発,スマートフォン・タッチパネル部材の最新技術便覧 ,高薄 一弘 株式会社技術情報協会,2013年,PP.146-153,ISBN:978-4-86104-484-7
【文献】SUGAWARA, Katsuaki et al.,Selective fabrication of free-standing ABA and ABC trilayer graphene with/without Dirac-cone energy bands,Npg Asia Materials,2018年,Vol.10,e466, pp.1-5,ISSN:1884-4049, DOI:10.1038/am.2017.238
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/182-32/198
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非AB積層のグラフェン構造を含むグラフェン膜であり、前記グラフェン構造は複数のグラフェンユニットを上下に積層してなり、前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、又は二層以上のグラフェンシートがAB積層の方式で積層してなり、上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は、AB積層の前記グラフェンシート間の結合より弱く結合した弱結合であるグラフェン膜の製造方法であり、
溶液から組み立てられた酸化グラフェン膜を熱処理することにより欠陥を修復し、
前記酸化グラフェン膜の厚さは20~120nmであり、溶液組み立てによって気孔率が60%より大きい剛性基板に堆積し、続いて以下の方法によって前記剛性基板から剥離し、
HI蒸気を有する還元室に置いて化学還元を行って酸化グラフェンが基板から自動的に剥離することと、
還元過程において、少なくともHIの濃度が0.3g/L以上であり、かつ、水蒸気の濃度が0.07g/L以下である環境下で10分以上還元し、
前記還元室に連通する蒸発室をさらに用いてヨウ化水素酸を蒸発させ、前記還元室にHI蒸気を入力し、
前記還元室と前記蒸発室は同じ密閉キャビティに位置し、且つ前記蒸発室は前記還元室の下方に位置し、蒸発室は温度が80~120℃の油浴又は水浴に位置し、前記還元室の頂部は凝縮領域を有し、凝縮領域の温度は0~40℃であり、
前記凝縮領域に吸水材料が設けられ、前記吸水材料は、吸水濾紙、高吸水性樹脂等の多孔質強吸水性材料、及び、塩化カルシウム、五酸化二リン等の強吸水性化学品であることを特徴とするグラフェン膜の製造方法。
【請求項2】
非AB積層のグラフェン構造を含むグラフェン膜であり、前記グラフェン構造は複数のグラフェンユニットを上下に積層してなり、前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、又は二層以上のグラフェンシートがAB積層の方式で積層してなり、上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は、AB積層の前記グラフェンシート間の結合より弱く結合した弱結合であるグラフェン膜の製造方法であり、
溶液から組み立てられた酸化グラフェン膜を熱処理することにより欠陥を修復し、
前記酸化グラフェン膜の厚さは20~120nmであり、溶液組み立てによって気孔率が60%より大きい剛性基板に堆積し、続いて以下の方法によって前記剛性基板から剥離し、
HI蒸気を有する還元室に置いて化学還元を行って酸化グラフェンが基板から自動的に剥離することと、
還元過程において、少なくともHIの濃度が0.3g/L以上であり、かつ、水蒸気の濃度が0.07g/L以下である環境下で10分以上還元し、
前記還元室に連通する蒸発室をさらに用いてヨウ化水素酸を蒸発させ、前記還元室にHI蒸気を入力し、
前記還元室及び前記蒸発室は、それぞれ密閉されたキャビティ内に配置され、二つの密閉キャビティは凝縮管によって連通し、前記凝縮管が位置する温度が0~40℃であり、
前記凝縮管は前記蒸発室で蒸発した水蒸気を凝縮し、前記蒸発室に還流することを特徴とするグラフェン膜の製造方法。
【請求項3】
前記蒸発室及び還元室はいずれも温度が80~120℃の油浴又は水浴に位置し、前記還元室の温度が前記蒸発室の温度より低いことを特徴とする請求項
2に記載のグラフェン膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグラフェン機能材料に関し、特に弱結合に基づく強化されたグラフェン構造、グラフェン膜及びデバイス並びにその材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2010年、英マンチェスター大学のAndre Geim教授とKonstantin Novoselov教授の2人が、安定したグラフェンの分離に初めて成功したことでノーベル物理学賞を受賞し、世界中でグラフェン研究がブームになった。グラフェンは優れた電気的性能(室温で電子移動度が2×105cm2/Vsに達することができる)、突出した性能(5000W/mK)、超常の比表面積(2630m2/g)、ヤング率(1100GPa)及び破断強度(125GPa)を有する。グラフェンの優れた導電・熱伝導性能は完全に金属を超え、同時にグラフェンは耐高温・耐腐食の利点を有し、その良好な機械的性能及び比較的低い密度はさらにそれに電熱材料分野で金属に置換する潜在力を備えさせる。
【0003】
酸化グラフェン又はグラフェンナノシートをマクロ的に組み立てるグラフェン膜はナノスケールのグラフェンの主な応用形態であり、一般的な製造方法は吸引濾過法、ブレード塗布法、スピン塗布法、スプレー塗布法及び浸漬塗布法などである。更なる高温処理により、グラフェンの欠陥を補修することができ、グラフェン膜の導電性及び熱伝導性を効果的に向上させることができ、発音、音波検出、光電検出、スマートフォン、スマート携帯ハードウェア、タブレットコンピュータ、ノートパソコン等の携帯電子機器に広く応用することができる。
【0004】
しかし、単層グラフェンは吸光度が非常に低いため、十分な強度の光を吸収することができず、赤外線、テラヘルツ及び他のより低いエネルギー帯域において電磁波に応答しない。そのため、科学研究作業者はグラフェン装置の改質方面において大量の作業を行い、装置の光に対する吸収を向上させる。また、単層グラフェンでは効率的な熱電子蓄積ができず、グラフェンと半導体の障壁を超えることができないため、低エネルギー帯域でグラフェンが顕著に応答しないと考えられている。
【0005】
従来のショットキー接合は金属/半導体構造であるが、金属材料自体の光励起熱電子寿命が極めて低く(0.1ps程度)、ノイズが大きく、従って常温光電子デバイス分野に応用することができない。金属材料に比べ、単層グラフェン熱電子寿命が一桁程度(an order of magnitude)(1ps)向上し、常温ノイズが大幅に抑制されても、グラフェンの優れた透明度はそれが効果的な熱電子蓄積を行うことができず、グラフェンと半導体の障壁を超えることができずに、低エネルギー帯域で、グラフェンは顕著な応答がない。また単層グラフェン膜の転移が困難であり、金属及びポリマーの汚染を完全に除去することができない。効果的な熱電子蓄積のグラフェン膜(AB構造で堆積された多層グラフェン膜)は既に予備的に報告されているが、その熱電子蓄積効率が低く、その原因はAB構造のグラフェン膜電子構造がグラファイト構造に偏重し、その電子状態密度が相対的に低く、高エネルギー状態軌道占有能力が相対的に弱く、そのため検出能力が相対的に低いことである。
【0006】
また、グラフェンの欠陥構造はグラフェン熱電子-フォノン散乱を増加する傾向があり、そのためグラフェン熱電子の緩和時間を向上させるために、高温処理で可能な限り欠陥構造を修復しなければならず、光電子検出部材(photoelectric detectors)の製造難易度を増加させる。しかし、欠陥状態の存在はデバイス温度を上昇させ、応答速度を損なうと同時に熱電子遷移に寄与し、応答度を向上させる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様として、本発明は弱結合に基づく強化されたグラフェン構造を提供し、このようなグラフェン構造は非AB構造の弱結合作用によって電子結合状態密度(joint density of states)を増加させ、光吸収を促進する。同時に非AB構造のグラフェン線形エネルギーバンドを導入し、熱電子遷移を促進し、高エネルギー状態熱電子の占有確率を向上させる。
【0008】
本発明のもう一つの態様として、本発明は弱結合に基づく強化されたグラフェン膜を提供し、それは弱結合作用によって電子結合状態密度を増加させ、光吸収を増加させ、熱電子遷移を促進する。このような構造も製膜プロセスの要求及びコストを低減させ、製膜の成功率を向上させる。
【0009】
本発明の別の態様として、本発明は弱結合に基づく強化されたグラフェン光電デバイスを提供し、例えばグラフェン/シリコンショットキー接合に基づく。グラフェン膜はゼロバンドギャップ(zero band gap)を有するため、長波長低エネルギーの光の吸収を実現することができ、それによりグラフェン/シリコン光電デバイスの応答度を向上させることができる一方、検出範囲は可視及び近赤外から中遠赤外波長帯に拡張し、広域スペクトルの検出を実現する。この考え方は同様に他のグラフェン/半導体ショットキー型光電検出器(例えばグラフェン/ゲルマニウム検出器等)にも応用できる。このグラフェン膜は、他の光電検出器システム(例えば、光導電型検出器、PIN型検出器、アバランシェ型検出器)を導入することも可能であり、その赤外波長域の吸収を強化し、広域スペクトル検出と赤外検出を実現する。光電検出器は現在軍需工業、国防、医療、生物、及び消費電子等の多くの分野に広く応用される。例えば軍事において赤外線光電検出器で偵察とリモートセンシングを行う必要がある。医療検出及び物質分析に用いられる各スペクトル分析装置においても高精度の光電検出器を必要とし、吸収、透過、発光スペクトルを収集し抽出する。現在発展しているスマートホーム分野においては、無線赤外線検出器は設備の接続と相互作用の実現においても重要な役割を果たしている。現在人気の無人運転分野のコア技術であるレーザーレーダーにおいても、高速・高感度の光電検出器はそのコア部品の一つである。家電の場合、イメージングにおいては、このグラフェン膜を用いた光電検出器が広域スペクトルの検出を可能にすることから、マルチスペクトル融合技術を組み合わせて可視画像と赤外画像を融合処理し、画像の細部の強調や解像度の向上を実現することが期待されている。医療分野において、光電検出も広く応用され、例えば、血中酸素の検出はウェアラブル装置における赤外線検出器によってヘモグロビンの赤外光に対する反射を抽出することであり、将来のウェアラブル式乃至埋め込み可能なバイオセンサ分野において、マイクロ光電検出も重要な役割を果たす。
【0010】
本発明の目的は弱結合に基づく強化されたグラフェン構造を提供することであり、それは複数のグラフェンユニットが上下に積層されてなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、又は二層以上のグラフェンシートを積層してなり、かつ前記積層方式はAB積層である。上下二つの隣接するグラフェンユニットは非AB積層構造領域であり、二つのグラフェンユニットの間を弱く結合させる。AB積層領域において、電子雲は一体に融合し、グラフェン膜電子構造はグラファイト構造に偏重し、このような構造ではグラフェン電子フォノン散乱が弱くなり、熱電子の緩和時間が長くなる。非AB積層構造領域では、電子雲が1層ずつ分離し、グラフェン膜電子構造はよりグラフェン構造に傾向し、それにより電子結合状態密度が増加し、光吸収が増加し、熱電子遷移が容易になる。
【0011】
本発明の他の目的は弱結合に基づく強化されたグラフェン構造を提供することであり、それは複数のグラフェンユニットが上下に積層されてなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、または2~9層のグラフェンシートを積層してなり、かつ前記積層方式はAB積層である。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合し、結合状態密度が比較的高く、光吸収が強化される。9層以内のグラフェンシートで構成された構造ユニットによるシートのラップ隙間(lap gap)(垂直方向)は3nm程度に制御することができ、より高い結合状態密度を有する熱電子はトンネリング(tunneling)して影響を受けない。
【0012】
本発明の他の目的は弱結合に基づく強化されたグラフェン構造を提供することであり、それは複数のグラフェンユニットが上下に積層されてなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートである。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。 単層グラフェン電子構造は結合状態密度の増加を効果的に補助でき、光吸収を促進し、熱電子遷移を促進し、高エネルギー状態熱電子の占有確率を増加する。
【0013】
本発明の別の態様として、本発明は弱結合に基づく強化されたグラフェン光電膜(photoelectric film)を提供し、弱結合によって多層グラフェンの光吸収の重畳を実現し、グラフェン膜の光吸収率と熱電子寿命を向上させ、それにより低エネルギー帯域で、熱電子が依然として蓄積できる。
【0014】
本発明の他の目的は弱結合に基づく強化されたグラフェン光電膜を提供することであり、そのうちグラフェン構造を含む。グラフェン構造は複数のグラフェンユニットが上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、又は二層以上のグラフェンシートを積層してなり、かつ前記積層方式はAB積層である。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。前記グラフェン構造におけるグラフェンユニットの積層方向は前記グラフェン膜の厚さ方向に沿う。光はグラフェン膜の表面に照射され、光電子は表面からAB積層領域と非AB積層領域を通過し、AB積層領域において、電子雲は一体に融合し、グラフェン膜電子構造はグラファイト構造に偏重し、熱電子とフォノンの散乱が弱くなり、熱電子の緩和時間が増加する。非AB積層構造領域では、電子雲が1層ずつ分離し、グラフェン膜電子構造はよりグラフェン構造に傾向し、結合状態密度が増加し、光吸収が増加し、熱電子遷移を促進する。
【0015】
本発明はさらに弱結合に基づく強化されたグラフェン光電膜を提供し、そのうち上記グラフェン構造を含む。前記グラフェン構造におけるグラフェンユニットの積層方向は前記グラフェン膜の厚さ方向に沿う。膜全体の非AB構造含有量は5%以上、さらには90%以上である。大量の非AB構造含有量はグラフェン膜内に大量の弱い結合作用領域を存在させ、グラフェン膜全体の電子構造と単層グラフェンを接近させ、結合状態密度を大幅に増加させ、吸収を強化して熱電子遷移を促進し、さらに高エネルギー状態の熱電子数を向上させる。
【0016】
特定の実施例において、グラフェン膜は、0.05以下のID/IGを有する。一般的に、グラフェンにおける欠陥はグラフェンの散乱を増加させ、それによりグラフェン熱電子の緩和時間を低下させるが、グラフェン欠陥はフォノンに対する散乱がより多く水平方向に現れ、垂直方向への影響が比較的小さい。一方、グラフェンユニットの非結合積層による熱電子に対する散乱作用は主に垂直方向を対象としているため、熱電子の散乱への影響がより大きく、決定作用を果たす。簡単に言うと、弱い結合作用の存在は、グラフェン膜の光電効果の欠陥に対する耐性を高めた。
【0017】
ある実施例では、溶液で組み立て(solution assembly)(吸引濾過、スピンコーティング、スプレーコーティング及び塗布法など)得られた酸化グラフェン膜を、熱処理(黒鉛化炉アニール、レーザ加熱アニール、マイクロ波加熱アニールなど)によって欠陥を修復した後、前記弱結合に基づく強化されたグラフェン膜を得る。
【0018】
基板には高温熱処理を適用しないため、一般的には酸化グラフェン膜を基板から剥離してから熱処理する必要がある。本発明の発明者は大量のグラフェン剥離実験において、還元過程においてヨウ化水素酸蒸気の濃度が不十分であり、相対蒸気圧が小さく、HI蒸気がグラフェン膜と基板との接触界面に完全に浸透することができないと発見した。またHI蒸気に水蒸気が介在され、浸潤作用を果たし、HIの高速浸透を阻害する一方、界面を浸潤し、界面分離を抑制する。ヨウ化水素酸の非対称還元及び浸透作用は界面剤の接触面積及び作用力を大幅に減少させ、この微弱な接触界面がイソプロパノール等の溶媒作用で剥離されることができる。しかし水蒸気の浸潤及びHI蒸気圧の不足により、薄膜は基板から分離できない。本願において、我々は細孔を有する剛性基板に対し、グラフェン膜の剥離方法を提供し、HIを調節し及び水分の蒸気圧を制御することにより、HIの非対称還元及び界面浸透作用を強化させ、グラフェン膜と基板を段階的に分離する(
図8)。具体的には、前記酸化グラフェン膜の厚さは20-120nmであり、溶液での組み立てによって気孔率が60%より大きい剛性基板に堆積し、続いて以下の方法によって前記剛性基板から剥離する。すなわち、HI蒸気を有する還元室に置いて化学還元を行って酸化グラフェンが基板から自動的に剥離する。還元過程において、少なくともHIの濃度が0.3g/L以上であり、かつ、水蒸気の濃度が0.07g/L以下である環境下で10分以上還元する。
【0019】
本出願において、低水蒸気含有量のHI蒸気を直接入力してもよく、前記還元室に連通する蒸発室を用いてヨウ化水素酸を蒸発させ、前記還元室にHI蒸気を入力してもよい。
【0020】
ある実施例において、前記還元室と前記蒸発室は同じ密閉キャビティに位置し、且つ前記蒸発室は前記還元室の下方に位置し、蒸発室は温度が80-120℃の油浴又は水浴に位置する。前記還元室の頂部は凝縮領域であり、凝縮領域の温度を0-40℃(通常室温で行うことができる)に制御する。ヨウ化水素酸溶液は蒸発してHI蒸気と水蒸気になり、水蒸気は一方で、頂部で凝縮し、キャビティ内の水蒸気含有量を低下させ、HIの凝縮温度は低く、それは依然として気体状態を保持する。好ましい解決手段として、凝縮領域に吸水材料が設けられ、水蒸気と凝縮水を吸収し、凝縮水が落下した後に再蒸発することを回避する。当分野の一般的な技術手段として、前記吸水材料は以下のとおりである:吸水濾紙、高吸水性樹脂等の多孔質強吸水性材料、及び、塩化カルシウム、五酸化二リン等の強吸水性化学品。
【0021】
製造しやすいために、還元室内に耐HI載置フレームを設け、前記基板を載置するために用い、例えばポリテトラフルオロエチレン網フレーム、透かし彫りガラスフレーム等である。
【0022】
いくつかの実施例では、還元室および蒸発室は、それぞれ密閉されたキャビティ内に配置される。且つ二つの密閉キャビティは凝縮管によって連通する。前記凝縮管は前記蒸発室で蒸発した水蒸気を凝縮し、前記蒸発室に還流する。ヨウ素酸溶液はHI蒸気と水蒸気に蒸発し、水蒸気は凝縮管内に凝縮し、蒸発室に還流する。HIの凝縮温度は低く、それは依然として気体状態を保持する。本分野の一般的な知識として、凝縮管の長さ、傾斜度、位置する凝縮環境等のパラメータを設定することにより、還元室に入る水蒸気含有量を効果的に制御することができる。
【0023】
好ましくは、前記蒸発室及び還元室はいずれも温度が80-120℃の油浴又は水浴に位置し、いくつかのより好ましい解決手段において、前記還元室の温度が前記蒸発室の温度より低く、ヨウ化水素ガスが還元室への急速拡散に有利である。同時に、ヨウ化水素が全て蒸発した後、温度差の存在は両側に圧力差を存在させ、さらに低温領域の還元室に高質量密度のヨウ化水素を分布させる。
【0024】
本願において、基板は陽極酸化アルミニウム、テトラフルオロエチレン濾過膜、ガラス繊維濾過膜等である。
【0025】
固相転移の製造方法に対し、当該気相分離法はより温和であり、薄膜に対していかなる強い引き裂き効果がほとんどなく、固相転移法は逆である。具体的には以下のとおりである。 AAOは脆性材料であり、固相転移剤の操作過程においてAAOに重量負担があり、AAO膜を損傷し又は完全な被覆連続性がなく、固相転移剤剥離の不連続を引き起こし、最終的に完全なグラフェンナノ膜を得ることができない(
図9)。気相還元はこれらの問題がないため、完全な大サイズのグラフェン膜を得ることができる。ミクロ構造では、固相転移法ではグラフェン還元程度が不十分であるため酸化グラフェンとAAO基板との強い接着を引き起こす可能性があり、冷収縮作用で局所的な箇所に孔型の引き裂きを形成する(
図10 A1~A2)。温和な気相転移法ではこの面の問題が存在せず、いかなる引き裂きのない完璧なグラフェン膜を得ることができる(
図10 B~D)。一般的に言えば、固相転移法で分離するとき、実験者の細かい操作が必要であり、操作が不適切で、注意力を集中しないとグラフェンナノ膜を破損しやすく、特に転移剤のコールドグリッピング過程において局所的な孔破損が発生する可能性があり、
図10 A1~A2を参照する。さらに、グラフェン及び基板は部分的に付着したままである。巨視的には、温度又は転移剤の堆積が不均一であるため、局所的な応力分布が不均一であり、固相転移剤の収縮グリップが不均一であり、完全な大サイズのグラフェン膜(
図10 A1)を得ることができない。微視的には、いくつかの極めて小さい接着又は還元が不均一であるため、グリップ過程でこの部分のグラフェンを効果的に剥離することができず、さらに微小孔を形成し、材料の不均一を引き起こし、その応用シーンでの性能安定性に影響を与える。
【0026】
ある実施例において、CVD法で成長したグラフェン薄膜層を積層した後、熱処理(黒鉛化炉アニール、レーザ加熱アニール、マイクロ波加熱アニールなど)を経て緻密な構造を形成し、前記弱結合に基づく強化されたグラフェン膜を得る。
【0027】
ある実施例において、黒鉛化可能な材料を溶液で組み立て、熱処理(黒鉛化炉アニール、レーザ加熱アニール、マイクロ波加熱アニールなど)で黒鉛化させ、前記弱結合に基づく強化されたグラフェン膜を得る。前記黒鉛化可能な材料はポリイミド、ポリアクリロニトリル、及びピッチを含む。
【0028】
ある実施形態において、ガラス化可能な小分子(グルコース、メントール、ナフタレン、アントラセンなど)は、ニッケル系触媒の触媒作用下で、前記弱結合に基づく強化されたグラフェン膜を得る。
【0029】
ある実施例において、酸化グラフェンと非黒鉛化又は低黒鉛化高分子との混合物[例えばピッチ、リグニン、重合や天然の多環芳香族炭化水素等の複数のフェニル環を有する構造体、及びポリアクリロニトリル等の線状共役構造系で、混合質量比が1:6(従来、酸化グラフェンの炭素収率は66%であり、ポリマーを黒鉛化した後の炭素収率は50%以下であった)より小さく、フェニル環構造が多いほど、その最大混合比は小さくなる)]は、溶液で組み立てて熱処理(黒鉛化炉アニール、レーザ加熱アニール、マイクロ波加熱アニールなど)により黒鉛化させて前記弱結合に基づく強化されたグラフェン膜を得る。混合物の特徴は以下のとおりである。グラフェンをテンプレートとし、低黒鉛化又は非黒鉛化高分子を誘導してグラフェン平面に沿って順序立てて黒鉛化を行う。同時に酸化グラフェン表面の官能基はポリイミド、ポリアクリロニトリル等の予備酸化を必要とする高分子に酸素原子を提供することができ、それにより材料予備酸化過程に存在するコアシェル現象を回避し、材料の均一な予備酸化を保証し、さらに高温過程における材料構造の均一性を保証する。なお、この方法はポリマー黒鉛化過程が高配向に対する要求を回避し、ポリマー黒鉛化プロセス条件を低下させる。グラフェンは四原子層の黒鉛化を効果的に触媒することができ、上下各二層である。四層を超えると、高温触媒した後その欠陥が多い。ポリマー共役構造の整合性が弱くなるにつれて、その触媒効果もそれに伴って弱くなる。
【0030】
本発明はさらにグラフェン・ベースの光電デバイスを提供し、弱結合に基づく強化されたグラフェン膜と半導体基板を含み、前記グラフェン膜は弱結合によって光吸収の重畳を実現し、グラフェン膜の光吸収率を向上させ、それにより低エネルギー帯域において、熱電子が依然として蓄積することができ、高エネルギー状態領域の熱電子はグラフェン/半導体障壁を超えて最終的に収集可能な電気信号を得る。
【0031】
本発明はさらにグラフェン・ベースの光電デバイスを提供し、弱結合に基づく強化されたグラフェン膜と半導体基板を含み、前記グラフェン膜に弱結合に基づく強化されたグラフェン構造を含む。弱結合に基づく強化されたグラフェン構造は複数のグラフェンユニットが上下に積層されてなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、又は二層以上のグラフェンシートを積層してなり、かつ前記積層方式はAB積層である。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。前記グラフェン構造におけるグラフェンユニットの積層方向は前記グラフェン膜の厚さ方向に沿う。光電子は表面からAB積層領域と非AB積層領域を経てから遷移して半導体層に入る。AB積層領域において、電子雲は一体に融合し、グラフェン膜電子構造はグラファイト構造に偏重し、このような構造でグラフェン熱電子の緩和時間が延長される。非AB積層構造領域において、電子雲が1層ずつ分離し、グラフェン膜電子構造はよりグラフェン構造に傾向し、結合状態密度が増加し、赤外領域の光吸収が増加し、それにより熱電子遷移を促進し、より多く及びより高いエネルギー状態の熱電子がグラフェンから半導体へ遷移する。
【0032】
前記グラフェン膜は以下の方法によって半導体基板に載せる。グラフェン膜を半導体基板に置き、グラフェン膜のエッジに高表面張力の溶媒を滴下し、溶媒がグラフェン膜のエッジから内部へ浸透する過程でグラフェン膜のシワを広げる。その後、溶媒を揮発する。
【0033】
本発明において、前記高表面張力の溶媒は脱イオン水、DMF、DMAC、エチレングリコール、プロピレングリコール、о-キシレン、トルエン、酢酸ブチル及びその混合を含む。
【0034】
溶媒を揮発させた後、さらに焼結処理することが好ましい。焼結温度は、400~1000℃であり、グラフェン-半導体界面を構築し、暗電流をさらに低減する。
【0035】
本発明の前記半導体基板は、元素半導体又は化合物半導体から選択することができ、Si、Ge、C、Sn、GaAs、InP、AlGaAs、InGaP、InGaAs、AlInGaP、AlInGaAs、InGaAsP、AlInGaAsP、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、GaP、その合金、及び、それらの誘導体のうちの一種又は多種を含むがこれらに限定されない。
【0036】
本発明の他の目的はグラフェン・ベースの光電デバイスの製造方法を提供することであり、以下の工程を含む:
(1)まず半導体基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内に電極層をスパッタリングする。
(2)多層グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジに有機溶媒を滴下し、有機溶媒はグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0037】
本発明はさらに熱電子がグラフェン膜の垂直伝送方向における熱電子遷移確率を増加する方法を提供し、この方法は少なくとも以下を含む。上記グラフェン膜の垂直伝送方向の非AB構造の数を増加させ、非AB構造の弱い結合作用により熱電子遷移を促進する。
【0038】
本発明はさらに熱電子がグラフェン膜の垂直伝送方向における蓄積を促進する方法を提供し、この方法は少なくとも以下を含む。グラフェン膜の垂直伝送方向の非AB構造の数を増加し、非AB構造の弱い結合作用によって熱電子遷移確率を増加する。グラフェンの垂直方向AB積層構造を制御し、熱電子の緩和時間を延長し、高エネルギー状態領域の熱電子の生成と蓄積を促進する。
【0039】
さらに、当該方法は以下を含む。膜厚が60nm以下の範囲では、膜厚を厚くする。厚さや層数が増すと、光吸収及び熱電子の緩和時間も増加し、発生した熱電子が多くなり、さらに非AB構造の弱い結合によって熱電子遷移確率を増加し、同時にグラフェン結合状態密度を増加し、高エネルギー状態領域の熱電子の生成と蓄積を促進する。厚さが60nmを超えると、厚すぎても熱電子の再結合が増加し、障壁を超えて遷移する熱電子の数が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は実施例1で製造された二つのグラフェン膜のXPSスペクトル図である。
【
図2】
図2は実施例1で製造された二つのグラフェン膜のラマンスペクトル図である。
【
図3】
図3は実施例1で製造された二つのグラフェン膜のTEM図である。
【
図4】
図4は実施例1で製造された二つのグラフェン膜の電子回折図である。
【
図5】
図5は実施例1で製造された二つのグラフェン膜の熱電子の緩和時間図である。
【
図6】
図6は異なる温度で処理後の電子回折図及び対応する電子寿命である。
【
図7】
図7は弱い結合によって多層グラフェンの光吸収の重畳を実現する原理図である。
【
図8】
図8はグラフェン膜と基板との段階的な分離過程図である。
【
図9】
図9は、剛性陽極酸化アルミニウム濾過膜上での吸引濾過によって得られた酸化グラフェン膜(4インチ)である。
【
図10】
図10は分離後の酸化グラフェン膜(4インチ)である。そのうち、A1図は固相転移剤が転移を補助するグラフェンナノ膜である。B1~D1は本願の転移剤なし方法で無破損グラフェンナノ膜(順次実施例2-4)を製造する。A2~D2は対応する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明は、当業者が本発明を実施することができるように、本発明を開示するために使用される。以下の説明における好ましい実施例は、単なる例示であり、当業者には他の明らかな変形が想起される。以下の説明で定義される本発明の基本原理は、他の実施形態、変形形態、改良形態、同等形態、及び本発明の精神と範囲から逸脱しない他の技術的な形態に適用することができる。
【0042】
以下の実施例において、ID/IGのテスト方法は以下のとおりである。薄膜をシリコン基板に転写し、532レーザを光源としてフルパワーでラマン全波長帯域テストを行い、Dピーク、Gピーク及び2Dピークを含むラマンスペクトルを得る。Dピーク及びGピークの面積を定義してそれぞれDピーク及びGピークの強度ID、IGとし、除算してID/IGを得る。
【0043】
以下の実施例において、AB構造含有量のテスト方法は以下のとおりである:Measuring the degree of stacking order in graphite by Raman spectroscopy, Carbon, 2008, 46(2), 272-275。
【0044】
単層グラフェン又は多層のAB積層グラフェンは一組の6個の回折スポットで構成された回折パターンを呈し(同一円周に均一に分布する)、同時にAB積層グラフェンの層数が多いほど、スポットの輝度が高くなる。非AB構造の存在は、回折パターンにおける複数の組の非重複スポットの出現をもたらす。これに基づき、以下の実施例において、製造された薄膜を高解像度TEMの下に置いて電子回折パターンを収集し、回折パターンに基づいて垂直積層構造を測定することができる。一方では、薄膜中の構造単位の数は、回折スポットの組数から計算することができる。他方では、単層グラフェンの回折輝度に対する回折スポットの輝度の比から各構造単位の堆積層数を推定することができる。
【0045】
本発明の前記弱い結合効果はグラフェンシート層間の無秩序積層による電子雲の結合効果を指し、この時にシート間の電子雲は完全な結合効果に達しなく、層間距離は0.334-0、36nmである。AB積層構造でグラフェンシート層間の電子雲の軌道結合強度は最大であり、層間距離は0.334nmであり、強い結合作用と呼ばれる。
【0046】
本発明において、グラフェンユニットは単層グラフェンシートであり、又は2~9層のグラフェンシートを積層してなる。グラフェン膜における垂直方向のグラフェンユニットの数はグラフェン膜の総厚さを測定し、且つ単層グラフェンの厚さで割ることにより算出することができる。同時に、単一のグラフェンユニットにおけるグラフェンシートの層数はラマン分光法によってAB構造含有量を測定し且つ平均法によって得ることができる。
【0047】
実施例1: 弱結合に基づく強化の算出
本実施例は同じ厚さを有する薄膜を製造し、欠陥がいずれも≒0の前提でグラフェン膜の構造変換による熱電子の緩和時間及び光電検出への影響を検証した。製造方法は以下のとおりである:
【0048】
非AB構造グラフェン膜:酸化グラフェンをスピンコートの方法で24nmの薄膜を製造し、毎分10℃の速度で昇温し、2000度まで16時間維持する。非AB構造含有量≒100%、垂直方向のグラフェン構造単位の数は30であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は1である。
【0049】
AB構造グラフェン膜:酸化グラフェンをスピンコートの方法で24nmの薄膜を製造し、毎分10℃の速度で2時間、2800度まで昇温した。
【0050】
図1に示すように、高温焼結を経た後、二つの材料の酸素はいずれも完全に消失し、XPSスペクトルはいずれのОの信号ピークをも検出しない。これに基づき、本発明はラマン分光法を用いて薄膜のsp3構造含有量及び積層形態を特徴づける。
図2に示すように、両者のDピークが見えず、両者sp3構造が存在しないことを説明する。2Dピークは顕著な差を有し、AB構造含有量が高い薄膜2Dピークはより強い非対称性を有する。
【0051】
TEMのテスト結果は、ラマンの結果と完全に一致した。
図3に示すように、AB構造のグラフェン膜の電子回折表面にあって、このグラフェン膜は二つの構造単位のみが積層され、そのうちの一つの構造単位のスポット輝度は第二番目の構造単位より明らかに高く、すなわち二つの構造単位の一つの厚さが極めて厚い、もう一つの原子層数が極めて少なく、両者は非ABの方式で互いに積層される。非AB構造のグラフェン膜はより多くの組数の回折スポットを有し(
図4)、さらに非晶質回折リングを形成し、この薄膜は大量の構造単位が非ABの形式で互いに積層してなることを説明した。
【0052】
以上の構造に基づき、本発明は両者の熱電子の緩和時間をテストした。
図5に示すように、同じ200fsの励起時間で、AB構造を有するグラフェン膜の熱電子の緩和時間は25psに達したが、非AB構造のグラフェン膜の熱電子の緩和時間は10ps以内に維持された。このように、グラフェンユニットの間は弱く結合し、その構造は単層グラフェンユニットにより偏っており、結合状態密度を増加させることができ、さらに高エネルギー状態の熱電子の数を増加させる。
【0053】
上記製造で得られた二種類のグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する:
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0054】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーター(Keithley source meter)を利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧(シリコン端接地)を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続した後、オシロスコープに接続する。取得したテストデータは以下の表1に示される。
【表1】
【0055】
実施例2
工程1:hummer法で得られた酸化グラフェンを、0.5μg/mLの濃度を有する酸化グラフェン水溶液に調製し、気孔率が60%である剛性テトラフルオロエチレン濾過膜を基板として吸引濾過して成膜し、この酸化グラフェン膜の厚さは、100nmであり、面積は80±5cm2である。
【0056】
本実施例は
図11A、および
図11Bに記載の装置を用いて酸化グラフェン膜の剥離を行い、当該装置は筒状キャビテ
ィを含み、キャビテ
ィ内にヨウ化水素酸溶液2が収容され、ヨウ化水素酸溶液の液面上方に、ポリテトラフルオロエチレン網棚
3が固定され、当該筒状キャビティを密封するためのトップカバー4に吸水濾紙5が設けられる。
【0057】
当該筒状キャビティの下部は80℃の水浴1に位置し、ポリテトラフルオロエチレン網棚2に剥離すべきサンプルを配置する。
【0058】
ヨウ化水素酸溶液は加熱下で、HI蒸気と水蒸気に蒸発する。水蒸気は一方で頂部に凝縮し、且つ吸水濾紙に吸収され、キャビティ内の水蒸気含有量を低下させることに達し、HI の凝縮温度は比較的低く、それは依然として気体状態を保っている。
【0059】
本実施例では、筒状キャビティ3の容積は1L、底面積は120cm2である。キャビティ3内のヨウ化水素酸溶液の質量濃度は50%、HI質量含量は0.42g、残りは水(0.42g)である。吸水濾紙(2g)の吸水限界はその質量の60%である。キャビティ3の上部が位置する環境温度は0℃である。
【0060】
上層に一部の水液滴の凝結、吸水紙の吸湿膨張が見られる。サンプリング測定により、吸水濾紙は0.44gの重量を増加し、このとき、ガスサンプリングによる酸性・アルカリ性測定を行い、ヨウ化水素酸の濃度は0.33g/Lのままであった。キャビティ3内の水蒸気含有量は0.07g/L以下であることが分かった。1時間持続した後、さらにガスサンプリングによる酸性・アルカリ性測定を行い、ヨウ化水素酸の濃度は0.32g/Lのままであった。
【0061】
上記サンプリング測定のグラフェン膜に対する影響を回避するために、本実施例は別の同じ装置を設置し、吸水濾紙(2g)のサンプリング及びキャビティ内のガスのサンプリングを行わず、同じ酸化グラフェン膜を直接剥離し、処理時間が4時間であり、4時間後、グラフェンが脱離し、
図10 B1~B2に示す。図から分かるようにヨウ化水素酸の還元作用により、グラフェン膜は応力作用下で基板と完全に脱離し、且つ脱離過程でいかなるマクロ破損及びミクロ孔の出現がない。
【0062】
工程1に従って3つのグラフェン膜を製造する。
工程2:3つのサンプル膜をそれぞれ1600℃、1800℃、2000℃の黒鉛化炉で2時間アニール処理する。
【0063】
ラマン分光法により、そのID/IG及び非AB構造含有量は表2のとおりである。
【0064】
図6に示すように、TEM電子回折による垂直積層構造の測定、および実施例1の分析から以下のことが確認された。三つのグラフェン膜は大量の弱い結合作用のグラフェン構造を含む。複数のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートを不規則に積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0065】
このグラフェン膜の熱電子の緩和時間は、200fsの励起時間で
図6の下欄に示すように、いずれも5psを下回らない。
【0066】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0067】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧(シリコン端接地)を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続した後、オシロスコープに接続する。取得したテストデータは以下の表2に示される。
【表2】
【0068】
実施例3
(1)hummer法で得られた酸化グラフェンを、0.5μg/mLの濃度を有する酸化グラフェン水溶液に調製し、気孔率が80%である剛性陽極酸化アルミニウム濾過膜を基板として吸引濾過して成膜し、この酸化グラフェン膜の厚さは60nmであり、面積は80±5cm2である。
【0069】
本実施例は
図12に記載の装置を用いて酸化グラフェン膜の剥離を行い、この装置は左キャビティ11及び右キャビティ12を含む。キャビティ11とキャビティ12とは傾斜した凝縮管13を介して連通している。キャビティ11及びキャビティ12は両方とも、80℃の水浴14内に配置される。
【0070】
キャビティ11内にヨウ化水素酸溶液が収容され、キャビティ12は剥離すべき酸化グラフェン膜を載置するために用いられる。キャビティ11内のヨウ化水素酸溶液が揮発し、そのうちの水蒸気が凝縮管において凝縮してキャビティ11に還流し、HIの凝縮温度は高く、それが凝縮管13を介してキャビティ12に入力され、キャビティ12の高HI濃度、低水蒸気濃度の環境を構築する。
【0071】
本実施例において、キャビティ11及びキャビティ12の容積は400mLであり、底面積は50cm2である。キャビティ11におけるヨウ化水素酸溶液の含有量は0.5g(HI質量濃度は55%)であり、凝縮管13が位置する環境温度は40℃であり、凝縮管の長さは20cmであり、傾斜角度は30度であり、キャビティ12の高HI濃度、低水蒸気濃度の環境の構築を効果的に保証することができる。
【0072】
実験により、5分間加熱した後、ヨウ化水素酸溶液が完全に蒸発し、水蒸気が凝縮管の前部に凝縮してキャビティ11に還流し、凝縮管の後部にいずれの凝縮水も発生せず、水蒸気が右側の還元室に入ることがほとんどないことが分かる。還元室のガスをサンプリングし、酸性・アルカリ性測定を行い、ヨウ化水素酸の濃度は依然として、0.43g/Lを保持する。
【0073】
30分後、右側の蒸発室は蒸発-凝縮還流を保持し、凝縮管の後部にいずれの凝縮水も発生せず、還元室のガスをサンプリングし、酸性・アルカリ性測定を行い、ヨウ化水素酸の濃度は依然として、0.41g/Lを保持する。
【0074】
上記サンプリング測定のグラフェン膜に対する影響を回避するために、本実施例は別の同じ装置を設け、キャビティ内のガスのサンプリングを行わず、同じ酸化グラフェン膜を直接剥離し、1時間還元した後、グラフェンが脱離し、
図10 C1~C2を参照する。図から分かるようにヨウ化水素酸の還元作用下で、グラフェン膜は応力作用下で基板と完全に脱離し、且つ脱離過程でいかなるマクロ破損及びミクロ孔の出現がない。
【0075】
(2)0.5時間、2000℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0076】
ラマン分光法により、そのID/IGは0.05であり、非AB構造含有量≒100%、垂直方向のグラフェン構造単位の数は60であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は1である。
【0077】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の弱い結合作用のグラフェン構造を含む。複数のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートを不規則に積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0078】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0079】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0080】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で1.1mAの光電流信号を測定した。
【0081】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で97μAの光電流信号を測定した。
【0082】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で8.3μAの光電流信号を測定した。
【0083】
実施例4
(1)hummer法で得られた酸化グラフェンを、0.5μg/mLの濃度を有する酸化グラフェン水溶液に調製し、気孔率が80%である剛性陽極酸化アルミニウム濾過膜を基板として吸引濾過して成膜し、この酸化グラフェン膜の厚さは60nmであり、面積は80±5cm2である。
【0084】
本実施例は
図13に記載の装置を用いて酸化グラフェン膜の剥離を行い、この装置は左キャビティ11及び右キャビティ12を含む。左キャビティ11と右キャビティ12とは傾斜した凝縮管13を介して連通している。左キャビティ11は120℃の油浴14内に配置され、右キャビティ12は80℃の水浴14内に配置される。
【0085】
左キャビティ11内にヨウ化水素酸溶液が収容され、右キャビティ12は剥離すべき酸化グラフェン膜を載置するために用いられる。左キャビティ11内のヨウ化水素酸溶液が揮発し、そのうちの水蒸気が凝縮管において凝縮して左キャビティ11に還流し、HIの凝縮温度は高く、それが凝縮管13を介して右キャビティ12に入力され、右キャビティ12の高HI濃度、低水蒸気濃度の環境を構築する。
【0086】
実施例3と同様に、本実施例において、左キャビティ11及び右キャビティ12の容積は400mLであり、底面積は50cm2である。左キャビティ11におけるヨウ化水素酸溶液の含有量は0.3g(HI質量濃度は55%)であり、凝縮管13が位置する環境温度は20℃であり、凝縮管の長さは20cmであり、傾斜角度は30度であり、キャビティ12の高HI濃度、低水蒸気濃度の環境の構築を効果的に保証することができる。
【0087】
実験により、5分間加熱した後、ヨウ化水素酸溶液が完全に蒸発し、水蒸気が凝縮管の前部に凝縮して左キャビティ11に還流し、凝縮管の後部にいずれの凝縮水も発生せず、水蒸気が右側の還元室に入ることがほとんどないことが分かる。還元室のガスをサンプリングし、酸性・アルカリ性測定を行い、ヨウ化水素酸の濃度は依然として、0.33g/Lを保持する。
【0088】
10分後、右側の蒸発室は蒸発-凝縮還流を保持し、凝縮管の後部にいずれの凝縮水も発生せず、還元室のガスをサンプリングし、酸性・アルカリ性測定を行い、ヨウ化水素酸の濃度は依然として、0.30g/Lを保持する。
【0089】
上記サンプリング測定のグラフェン膜に対する影響を回避するために、本実施例は別の同じ装置を設け、キャビティ内のガスのサンプリングを行わず、同じ酸化グラフェン膜を直接剥離し、2時間還元した後、グラフェンが脱離し、
図10 D1~D2を参照する。図から分かるようにヨウ化水素酸の還元作用下で、グラフェン膜は応力作用下で基板と完全に脱離し、且つ脱離過程でいかなるマクロ破損及びミクロ孔の出現がない。
【0090】
(2)12時間、2000℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0091】
ラマン分光法により、そのID/IGは0.03であり、非AB構造含有量≒100%、垂直方向のグラフェン構造単位の数は60であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は1である。
【0092】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の弱い結合作用のグラフェン構造を含む。複数のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートを不規則に積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0093】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0094】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0095】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で1.13mAの光電流信号を測定した。
【0096】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で99μAの光電流信号を測定した。
【0097】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で8.1μAの光電流信号を測定した。
【0098】
実施例5
(1)hummer法で得られた酸化グラフェンを、0.5μg/mLの濃度を有する酸化グラフェン水溶液に調製し、陽極酸化アルミニウムを基板として吸引濾過して成膜し、グラフェン原子層数は120であった。
【0099】
本実施例は従来の固体転移剤を用いて陽極酸化アルミニウムに堆積された酸化グラフェン膜に対して微細転移を行い、複数回試みた後に完成した独立自己支持膜を得る。
【0100】
(2)4時間、2300℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0101】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0(ラマン検出線以下)であり、非AB構造含有量は50%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は60であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は2である。
【0102】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の弱い結合作用のグラフェン構造を含む。複数のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートを不規則に積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0103】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0104】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0105】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で1.3mAの光電流信号を測定した。
【0106】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で122μAの光電流信号を測定した。
【0107】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で10μAの光電流信号を測定した。
【0108】
実施例6
(1)hummer法で得られた酸化グラフェンを、0.5μg/mLの濃度を有する酸化グラフェン水溶液に調製し、陽極酸化アルミニウムを基板として吸引濾過して成膜し、グラフェン原子層数は120であった。
【0109】
本実施例は従来の固体転移剤を用いて陽極酸化アルミニウムに堆積された酸化グラフェン膜に対して微細転移を行い、複数回試みた後に完成した独立自己支持膜を得る。
【0110】
(2)2時間、2800℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0111】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0であり、AB構造含有量は90%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は13であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は9である。
【0112】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0113】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0114】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0115】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で1.1mAの光電流信号を測定した。
【0116】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で113μAの光電流信号を測定した。
【0117】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で9μAの光電流信号を測定した。
【0118】
実施例7
(1)銅基板にCVD法で製造された単層グラフェンは、水素分離法(hydrogen evolution method)で基板を除去し、150のグラフェン原子層数になるまで一層ずつ積層する。
【0119】
(2)12時間、2000℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0120】
ラマン分光法により、そのID/IGは0.003であり、非AB構造含有量≒100%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は150であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は1である。
【0121】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の弱い結合作用のグラフェン構造を含む。複数のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートを不規則に積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0122】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0123】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0124】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で4mAの光電流信号を測定した。
【0125】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で160μAの光電流信号を測定した。
【0126】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で15μAの光電流信号を測定した。
【0127】
実施例8
(1)銅基板にCVD法で製造された単層グラフェンは、水素分離法で基板を除去し、150のグラフェン原子層数になるまで一層ずつ積層する。
【0128】
(2)2時間、2800℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0129】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0であり、AB構造含有量≒50%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は75であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は2である。
【0130】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0131】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0132】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0133】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で3.3mAの光電流信号を測定した。
【0134】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、18ns内で130μAの光電流信号を測定した。
【0135】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、20ns内で14μAの光電流信号を測定した。
【0136】
実施例9
(1)ニッケル基板にCVD法で製造された多層グラフェンは、塩酸と過酸化水素水でエッチングする方法で基板を除去し、180のグラフェン原子層数になるまで一層ずつ積層する。
【0137】
(2)12時間、2000℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0138】
ラマン分光法により、そのID/IGは0.003であり、非AB構造含有量は50%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は90であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は2である。
【0139】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の弱い結合作用のグラフェン構造を含む。複数のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートを不規則に積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0140】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0141】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0142】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で5.0mAの光電流信号を測定した。
【0143】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で190μAの光電流信号を測定した。
【0144】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で17μAの光電流信号を測定した。
【0145】
実施例10
(1)ニッケル基板にCVD法で製造された多層グラフェンは、塩酸と過酸化水素水でエッチングする方法で基板を除去し、180のグラフェン原子層数になるまで一層ずつ積層する。
【0146】
(2)2時間、2800℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0147】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0であり、AB構造含有量は89%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は60であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は3である。
【0148】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0149】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0150】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0151】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で4.1mAの光電流信号を測定した。
【0152】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で120μAの光電流信号を測定した。
【0153】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で11μAの光電流信号を測定した。
【0154】
実施例11
(1)ニッケル基板にCVD法で製造された多層グラフェンは、塩酸と過酸化水素水でエッチングする方法で基板を除去し、銅基板に単層黒鉛で製造された単層グラフェンと、180のグラフェン原子層数になるまで混合して一層ずつ積層する。
【0155】
(2)2時間、2800℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0156】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0であり、AB構造含有量は75%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は60であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は3である。
【0157】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0158】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0159】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0160】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で4.4mAの光電流信号を測定した。
【0161】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で130μAの光電流信号を測定した。
【0162】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で14μAの光電流信号を測定した。
【0163】
実施例12
(1)ニッケル基板にCVD法で製造された多層グラフェンにポリイミド溶液をスピンコートし、100nm厚さの総厚さのポリイミド/グラフェン複合膜を得て、塩酸と過酸化水素水でエッチングする方法で基板を除去する。
【0164】
(2)2時間、2800℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0165】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0であり、AB構造含有量は90%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は14であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は9である。
【0166】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0167】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0168】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0169】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で0.91mAの光電流信号を測定した。
【0170】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で97μAの光電流信号を測定した。
【0171】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で7.3μAの光電流信号を測定した。
【0172】
実施例13
(1)銅基板にCVD法で製造された単層グラフェンに、100nm厚さのポリアクリロニトリルをスピンコートした後、水素分離法で基板を除去する。
【0173】
(2)12時間、2300℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0174】
ラマン分光法により、そのID/IGは0.04であり、非AB構造含有量は50%であり、垂直方向のグラフェン構造単位の数は60であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は2である。
【0175】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0176】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0177】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0178】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で1.21mAの光電流信号を測定した。
【0179】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で109μAの光電流信号を測定した。
【0180】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で9.2μAの光電流信号を測定した。
【0181】
実施例14
(1)陽極酸化アルミニウム表面に単層グラフェンを吸引濾過し、続いて、200nm厚さのピッチと酸化グラフェンとの混合物を吸引濾過した後(混合質量比が1:1)、樟脳転移法(camphor transfer)で基板を除去する。
【0182】
(2)2時間、2800℃の黒鉛化炉でアニール処理する。
【0183】
ラマン分光法により、そのID/IG≒0であり、AB構造含有量は95%である。垂直方向のグラフェン構造単位の数は8であり、単一のグラフェン構造単位におけるグラフェンシートの数は19である。
【0184】
TEM電子回折による垂直積層構造を測定し、このグラフェン膜は大量の強い結合作用のグラフェン構造を含む。少量のグラフェンユニットを上下に積層してなる。前記グラフェンユニットは単層グラフェンシートがAB構造方式で積層してなる。上下二つの隣接するグラフェンユニットの間は弱く結合する。
【0185】
上記製造されたグラフェン膜で以下の工程で光電デバイスを製造する。
(1)まずSi基板に作業窓を設け、作業窓以外に絶縁層をめっきし、続いて絶縁層内にPt電極層をスパッタリングする。
(2)グラフェン膜を先に作業窓に広げ、且つ電極層と接触させ、グラフェン膜のエッジにエチレングリコールを滴下し、エチレングリコールはグラフェン膜のエッジから内部に浸透し、溶媒を揮発し、溶媒の表面張力を利用して膜と半導体との密着を実現し、独立した光電デバイスを得る。
(3)光電デバイスを封入する。リード線は検出信号を出力するために、光電デバイスの電極層、半導体基板にそれぞれ接続される。
【0186】
デバイスの電極と半導体との間にKeithley源メーターを利用して-2V~-1Vの逆バイアス電圧を印加してテストを行う。デバイスは増幅回路に接続された後、オシロスコープに接続され、テストデータを取得することができる。
【0187】
グラフェン層に波長1μm、出力5mWの赤外光を照射し、20ns内で3.1mAの光電流信号を測定した。
【0188】
グラフェン層に波長4μm、出力20mWの赤外光を照射し、25ns内で112μAの光電流信号を測定した。
【0189】
グラフェン層に波長10.6μm、出力50mWの赤外光を照射し、80ns内で12.5μAの光電流信号を測定した。