(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】基板コーティングのためのガスクッション装置および技法
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20240920BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20240920BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20240920BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240920BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240920BHJP
H10K 71/13 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C13/02
B05C9/14
H10K50/10
H10K59/10
H10K71/13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023037153
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2020144660の分割
【原出願日】2015-04-27
【審査請求日】2023-04-07
(32)【優先日】2014-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソウ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン マック
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】コナー エフ. マディガン
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン ラビノビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ナヒッド ハルジー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ブフナー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ルイス
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/154085(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/016369(WO,A1)
【文献】特開2020-202388(JP,A)
【文献】特開2011-146705(JP,A)
【文献】特開2012-170846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00
B05C 13/02
B05C 9/14
H10K 50/10
H10K 59/10
H10K 71/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に材料層を形成するコーティングシステムであって、前記コーティングシステムは、
印刷ゾーンにおいて基板の表面に材料を堆積させるための印刷システムを備える印刷
ゾーンと、
前記基板の表面に堆積した前記材料を処理し、前記材料から固体層を形成する処理シ
ステムを備える処置ゾーンと、
前記印刷ゾーンと前記処置ゾーンとの間に延びる基板搬送装置であって、ガスクッシ
ョンを備える基板搬送装置と、
前記基板に係合し、前記基板を搬送するグリッパと、
前記印刷ゾーンに、基板を配置するための
、エンドエフェクタを有する基板ハンドラを収容する移送モジュールと、を備えるコーティングシステム。
【請求項2】
前記処置ゾーンはガスクッションを備える、請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項3】
前記処置ゾーンの前記ガスクッションは、温度制御されたガス流を備える、請求項1に
記載のコーティングシステム。
【請求項4】
前記基板搬送装置は、前記印刷ゾーンと前記処置ゾーン間の搬送中に、前記基板を浮か
せるように構成される、請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項5】
基板上に材料層を形成するコーティングシステムであって、前記コーティングシステムは、
印刷ゾーンにおいて基板の表面に材料を堆積させるための印刷システムを備える印刷ゾーンと、
前記基板の表面に堆積した前記材料を処理し、前記材料から固体層を形成する処理システムを備える処置ゾーンと、
前記印刷ゾーンと前記処置ゾーンとの間に延びる基板搬送装置であって、ガスクッションを備える基板搬送装置と、
前記基板に係合し、前記基板を搬送するグリッパと、
前記印刷ゾーンに、基板を配置するための基板ハンドラを収容する移送モジュールと、を備え、
前記印刷ゾーンは第1のゾーンであり、基板を保持、待機、焼成、または乾燥するための第2のゾーンをさらに備える、
コーティングシステム。
【請求項6】
前記ガスクッションは、前記印刷ゾーンから前記処置ゾーンまで少なくとも部分的に延
在する、請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項7】
基板上に材料層を形成するコーティングシステムであって、前記コーティングシステムは、
印刷ゾーンにおいて基板の表面に材料を堆積させるための印刷システムを備える印刷ゾーンと、
前記基板の表面に堆積した前記材料を処理し、前記材料から固体層を形成する処理システムを備える処置ゾーンと、
前記印刷ゾーンと前記処置ゾーンとの間に延びる基板搬送装置であって、ガスクッションを備える基板搬送装置と、
前記基板に係合し、前記基板を搬送するグリッパと、
前記印刷ゾーンに、基板を配置するための基板ハンドラを収容する移送モジュールと、を備え、
前記基板ハンドラのためのトラックをさらに備える、
コーティングシステム。
【請求項8】
基板上に材料層を形成するコーティングシステムであって、前記コーティングシステムは、
印刷ゾーンにおいて基板の表面に材料を堆積させるための印刷システムを備える印刷ゾーンと、
前記基板の表面に堆積した前記材料を処理し、前記材料から固体層を形成する処理システムを備える処置ゾーンと、
前記印刷ゾーンと前記処置ゾーンとの間に延びる基板搬送装置であって、ガスクッションを備える基板搬送装置と、
前記基板に係合し、前記基板を搬送するグリッパと、
前記印刷ゾーンに、基板を配置するための基板ハンドラを収容する移送モジュールと、を備え、
前記移送モジュールは、前記コーティングシステムの制御された環境とは独立して、制御された環境を維持する、
コーティングシステム。
【請求項9】
前記移送モジュールと前記印刷ゾーンとの間に、前記移送モジュールと前記処置ゾーン
との間に、またはそれらの両方に配置された1つ以上のゲート弁またはガスカーテンをさ
らに備える、請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項10】
前記移送モジュールに結合された1つ以上のロードロックをさらに備える、請求項1に記載のコーティングシステム。
【請求項11】
コーティングシステムであって、前記コーティングシステムは、
第1の
印刷ゾーン、
第1の印刷システム、
第1の処置システム、基板と係合し前記基板を搬送する第1のグリッパ、およびガスクッションを有する第1の基板支持装置を、備える第1のコーティングユニットであって、前記第1の基板支持装置は少なくとも前記印刷システムと前記処置システムの間に延在する、第1のコーティングユニットと、
第2の印刷ゾーン、
第2の印刷システム、
第2の処置システム、基板と係合し前記基板を搬送する第2のグリッパ、およびガスクッションを有する第2の基板支持装置を、備える第2のコーティングユニットであって、前記第2の基板支持装置は少なくとも、前記第2のコーティングユニットの前記印刷システムと前記処置システムの間に延在する、第2のコーティングユニットと、
前記第1のコーティングユニットおよび前記第2のコーティングユニットに結合された移送モジュールであって、前記第1のコーティングユニットおよび前記第2のコーティングユニットに、基板を配置および回収するための基板ハンドラを収容する移送モジュールと、を備えるコーティングシステム。
【請求項12】
前記印刷システム、および前記処置システムの各々は、ガスクッションを備える、請求項11に記載のコーティングシステム。
【請求項13】
前記移送モジュールに結合された1つ以上のロードロックをさらに備える、請求項11に記載のコーティングシステム。
【請求項14】
前記基板ハンドラのためのトラックをさらに備える、請求項11に記載のコーティングシステム。
【請求項15】
前記移送モジュールは、制御された内部環境を維持する、請求項14に記載のコーティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、(1)米国仮特許出願第61/986,868号(2014年4月30日出願、名称「Systems and Methods for the Fabrication of Inkjet Printed Encapsulation Layers」)および(2)米国仮特許出願第62/002,384号(2014年3月23日出願、名称「DISPLAY DEVICE FABRICATION SYSTEMS AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)の各々の優先権の利益を主張し、上記出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
材料層が、電子デバイスの1つ以上の機能もしくは非機能層を提供するため等に、基板上に形成されることができる。1つのアプローチでは、そのようなデバイス上のフィルム層は、限定ではないが、化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着、スパッタリング、電子ビーム蒸着、および熱蒸着を含む、いくつかの技法のうちのいずれかを使用して、部分的に、基板上への一連の薄いフィルムの真空堆積を介して製作されることができる。しかしながら、このような真空処理は、比較的、(1)複雑であり、概して、そのような真空を維持するために、大型真空チャンバおよびポンプサブシステムを伴う;(2)そのようなシステム内の材料の大部分が、概して、堆積チャンバの内部の壁および固定具上に堆積させられ、より多くの材料が、概して、基板上に堆積させられるよりも無駄にされるので、堆積させられる原材料が無駄にされる;および、(3)壁および固定具を開放して、蓄積した無駄な材料を一掃するために、真空堆積ツールの動作を頻繁に停止することを伴う等、維持することが困難である。概して利用可能なシリコンウエハよりも表面積が広い基板の場合、これらの問題は、さらなる課題をもたらす。
【0003】
ある用途では、特定のパターンでフィルムを堆積させることが望ましくあり得る。別のアプローチでは、ブランケットコーティングが、基板を覆って堆積させられることができ、所望のパターン化を達成するために、フォトリソグラフィが考慮されることができる。しかし、種々の用途では、そのようなフォトリソグラフィプロセスは、既存の堆積フィルム層を損傷し得る。真空堆積技法を使用するときに堆積層を直接パターン化するために、いわゆるシャドウマスクが使用されることができる。そのような場合のシャドウマスクは、例えば、金属シートから製造されることができる、堆積領域のための切り抜きを伴う物理的ステンシルを備えている。シャドウマスクは、概して、堆積に先立って、基板に整列させられ、それと近接または接触して配置され、堆積中、定位置で保たれ、次いで、堆積後に除去される。
【0004】
シャドウマスクを用いたそのような直接パターン化は、真空ベースの堆積技法に実質的な複雑性を追加し、概して、基板に対して正確にマスクを取り扱い、位置付けるための追加の機構および固定を伴い、(シャドウマスク上に堆積させられる材料からの無駄により)材料の無駄をさらに増加させ、シャドウマスクを継続的に一掃し、交換する保守の必要性をさらに増加させる。そのような薄いマスクは、広いエリアにわたって機械的に不安定であり、処理されることができる基板の最大サイズを制限し得、したがって、この場合、再度、概して利用可能なシリコンウエハよりも表面積が広い基板に対して、これらの問題は、特に困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本教示による囲まれたコーティングシステムの実施形態は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、OLED照明、有機光起電池、ペロブスカイト太陽電池、プリント回路基板、ならびに有機および無機半導体デバイスまたは回路によって限定されないが、広範囲の技術分野内の種々の装置およびデバイスの製造において、基板のコーティングのために有用であり得る。
【0006】
本発明者らは、とりわけ、印刷技法を使用して、基板の特定の領域を覆って液体インクを堆積させ、液体インクを処置して、液体インクを凝固させて固体層を提供するようにすること(そのような印刷中に少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持すること、液体インクの処置中に少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含む)によって等、大気圧またはその付近における周囲圧力で、固体層が基板上に形成されることができることを認識している。本発明者はまた、とりわけ、このようにして、遅延を短縮すること、例えば、ハンドラによる係合中に基板への機械的損傷を低減させること、もしくは本教示のコーティングシステムの種々の実施形態によって提供される固体層の一様性を高めることのうちの1つ以上のことのため等、いくつかの取り扱いステップが削減され得ることも認識している。本教示のコーティングシステムの実施形態で行われることができる種々のプロセスは、そのような印刷の後および液体インクの処置の前に特定の持続時間にわたって基板を保持すること(行われる種々のプロセス中、少なくとも部分的にガスクッションを使用して、基板を支持し続けることを含む)を含むことができる。
【0007】
広義には、印刷動作は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スロットダイコーティング(パターン化または非パターン化)、もしくはスクリーン印刷等の1つ以上の液体コーティングプロセスを含むことができ、液体インクは、有機材料(例えば、モノマーまたはポリマー)もしくは無機材料のうちの1つ以上のものを含むことができ、キャリア流体を含むことができる。液体インクの処置は、露光(例えば、紫外線、赤外線、もしくは可視光のうちの1つ以上のものを含む)、加熱もしくは冷却、周囲よりも高い圧力もしくは真空のうちの1つ以上のものを含むことができる。そのような処置は、キャリア流体の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥もしくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、もしくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)のうちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するための液体インクの凝固をもたらすことができる。印刷層は、基板を覆ってパターン化またはブランケット被覆されることができ、発光デバイス(例えば、ディスプレイまたは照明パネル)、光吸収デバイス(例えば、光検出器または太陽電池)、プリント回路アセンブリ、または他の電子デバイスもしくは回路を被覆することができるか、またはその一部として含まれることができる。
【0008】
本発明者らは、とりわけ、(処理されている基板上に堆積させられるか、または処理されている基板を備えている、1つ以上の種と最小限に反応性であるか、または非反応性であるガスであって、特定純度レベルを有する、そのようなガスを含む雰囲気を含むような)制御された環境を提供するように構成されるエンクロージャを有する、システムを使用して、印刷技法および他の処理動作を実行できることを認識している。そのような特定の純度レベルはまた、例えば、限定されないが、酸素、オゾン、および水蒸気、ならびに種々の有機溶媒蒸気等の本教示のコーティングシステムの実施形態を使用して製造されるデバイスの種々の材料および構成要素に反応する種の制御された最大不純物濃度を含むこともできる。特定の純度レベルまで種々の反応種を制御することは、製作中に基板上に製作されている材料およびデバイスの劣化を防止し、製作後にそのような材料またはデバイスの劣化を後に引き起こし、加速し、または促進し得る、製作中に基板上に製作されている材料およびデバイスへの不純物の取り込みを低減もしくは防止し、または欠陥を阻止もしくは抑制することができる。制御された環境内で特定の粒子状物質レベルを維持するため等に、粒子状物質制御も提供されることができる。
【0009】
エンクロージャの配列が、個々に維持され制御された環境を有するそれぞれのモジュールを含むことができるか、または、モジュールのうちの1つ以上のものが、制御された環境を他のモジュールと共有することができる。ガス精製、温度制御、溶媒排除、または粒子状物質制御等の設備は、モジュールの間で共有されることができる、もしくは専用の様式で提供されることができる。本教示によるガス精製の種々の実施例は、水蒸気、酸素、オゾン、ならびに有機溶媒蒸気等の種々の反応性大気ガスを含む種々の反応種に対するレベルを、1000ppmまたはそれより低く、例えば、100ppmまたはそれより低く、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持することを含むことができる。
【0010】
電子または光電子デバイス等の種々のデバイスは、1つ以上のフィルム層を提供する処理技法を使用することを含み、有機材料を使用して製造されることができる。有機光電子デバイスは、他のディスプレイ技術と比較して等、増進した電力効率および増進した視覚性能を提供するとともに、それらの比較的薄い平面構造により、体積に関してコンパクトであり得る。そのようなデバイスは、競合技術と異なり、機械的に可撓性(例えば、折り畳み可能または曲げ可能)、もしくは光学的に透明であり得る。有機光電子デバイスの用途は、例えば、一般的照明、バックライト照明源としての使用、または電子発光ディスプレイ内のピクセル光源もしくは他の要素としての使用を含むことができる。有機光電子デバイスの種類の1つは、例えば、小分子、ポリマー、蛍光、またはリン光材料等の電子発光有機材料を使用して光を生成することができる、有機発光ダイオード(OLED)デバイスを含む。
【0011】
実施例では、印刷動作は、有機材料を含む液体インクをインクジェット印刷することを含むことができ、液体インクを処置することは、液体インクを硬化させて固体層を提供するために、紫外線(UV)光等の光に液体インクをさらすことを含むことができる。UV照射を含むような硬化プロセスは、架橋結合反応を誘発し、それによって、パターン化固体層を形成することができる。例えば、パターン化固体層は、基板上に製作される発光デバイスまたは他のデバイスの少なくとも一部を被覆することができる。固体層は、カプセル化構造を形成する層のスタックに含まれるような基板上の特定の領域をカプセル化することができる。
【0012】
本明細書に説明されるシステムおよび技法は、さまざまな異なる基板構成を処理することを支援するように使用されることができる。例えば、フラットパネルディスプレイデバイスは、少なくとも部分的に、本明細書に説明されるシステムまたは技法を使用して製作されることができる。そのようなフラットパネルディスプレイデバイスは、有機発光ダイオード(OLED)フラットパネルディスプレイを含むことができる。いくつかのOLEDフラットパネルディスプレイが、基板上で処理されることができる。「基板」という言葉または「製作されている基板」という語句の使用は、概して、OLEDデバイスを含むことができるような処理中のアセンブリを指す。本明細書の実施例は、特定のパネル幾何学形状またはサイズに制限される必要はない。例えば、そのようなシステムおよび技法は、約37センチメートル(cm)×約47cmの寸法を含む長方形の幾何学形状を有する等、第2世代(「Gen 2」)サイズを有する、基板上のディスプレイデバイスの製作を支援するように使用されることができる。本明細書に説明されるシステムはまた、約61センチメートル(cm)×約72cmの寸法を含む長方形の幾何学形状を有する等、第3.5世代(「Gen 3.5」)基板サイズを有する、基板上のディスプレイデバイスの製作を支援するように等、若干大きい基板幾何学形状に使用されることもできる。本明細書に説明されるシステムはまた、約130cm×150cmの寸法を有する「Gen 5.5」、または約195cm×225cmの寸法を有する「Gen 7」もしくは「Gen 7.5」基板に対応する基板サイズを有する、基板上のディスプレイデバイスの製作を支援するように等、さらに大きい基板幾何学形状に使用されることもできる。例えば、Gen 7またはGen 7.5基板は、8枚の42インチ(対角寸法)または6枚の47インチ(対角寸法)フラットパネルディスプレイにシンギュレートされる(例えば、切断または別様に分離される)ことができる。「Gen 8」基板は、約216×246cmの寸法を含むことができる。「Gen 8.5」基板は、約220cm×250cmの寸法を含むことができ、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルを提供するようにシンギュレートされることができる。
【0013】
本明細書に説明されるシステムおよび技法を使用して、Gen 8.5を超える寸法が支持されることができる。例えば、本明細書に説明されるシステムおよび技法を少なくとも部分的に使用して、約285cm×305cmまたはそれを超える寸法を有する「Gen 10」基板が製作されることができる。本明細書に説明されるパネルサイズは、概して、ガラス基板に適用可能であるが、ディスプレイデバイス製作、具体的には、印刷技法を使用して1つ以上の層を形成することを含むことができる、OLEDディスプレイ製作で使用するために好適な任意の材料の基板に適用されることができる。例えば、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料、例えば、ポリイミドが、使用されることができる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
基板上にコーティングを提供する方法であって、前記方法は、
コーティングシステムに基板を移送することであって、前記コーティングシステムは、前記基板の第1の側における特定の領域内に固体層を提供するように構成され、前記固体層は、前記基板の少なくとも一部を被覆している、ことと、
前記特定の領域と反対側の前記基板の第2の側に提供されているガスクッションを使用して、前記コーティングシステム内で前記基板を支持することと、
前記基板が前記ガスクッションによって支持されている間に、印刷システムを使用して、前記基板の前記特定の領域を覆って液体コーティングを印刷することであって、前記基板は、印刷ゾーン内に位置している、ことと、
前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、前記基板を処置ゾーンに運搬することと、
前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、前記コーティングシステム内で前記液体コーティングを処置することにより、前記特定の領域内において前記基板上に前記固体層を提供することと
を含む、方法。
(項目2)
前記固体層は、カプセル化構造の少なくとも一部を備え、
前記基板は、電子デバイスを備え、前記カプセル化構造は、前記基板上で前記電子デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立されている、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記液体コーティングを処置することは、前記液体コーティングを重合することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記液体コーティングを印刷した後、前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、特定の持続時間にわたって前記基板を保持することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記特定の持続時間にわたって前記基板を保持するために、保持ゾーンに前記基板を運
搬することを含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記ガスクッションを使用して複数の基板を保持および支持するように構成されている保持ゾーンを使用することを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記液体コーティングを処置することは、前記液体コーティングに光を照射することを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記光は、紫外線(UV)光を含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記液体コーティングに光を照射することは、前記液体コーティングを放射で焼き付けることを含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記液体コーティングに光を照射することは、前記液体コーティングを放射で乾燥させることを含む、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記液体コーティングを処置することは、前記基板を赤外線放射にさらすこと、または温度制御されたガス流にさらすことのうちの1つ以上を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記基板の前記第1の側における前記特定の領域は、電子デバイスを備えている前記基板のアクティブ領域と重複し、前記ガスクッションは、前記アクティブ領域と反対側の前記基板の前記第2の側に提供されている、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記基板を運搬することは、前記基板との物理的接触を使用して、前記基板を係合することまたはつかむことを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記ガスクッションは、多孔質セラミック材料の上方で前記基板の前記第2の側を支持するように、前記多孔質セラミック材料を通してガスを推し進めることによって確立されている、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記印刷ゾーン内の前記ガスクッションは、加圧ガス領域と少なくとも部分真空との組み合わせを使用して確立されている、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記ガスクッションを確立するために使用される加圧ガスまたは排気ガスのうちの少なくとも1つは、回収されて再循環させられる、項目15に記載の方法。
(項目17)
基板上にコーティングを提供する方法であって、前記方法は、
基板を囲まれたコーティングシステムに移送することであって、前記囲まれたコーティングシステムは、前記基板の第1の側における特定の領域内に固体層を提供するように構成され、前記固体層は、前記基板上に製作されている電子デバイスの少なくとも一部を被覆している、ことと、
前記特定の領域と反対側の前記基板の第2の側に提供されているガスクッションを使用して、前記囲まれたコーティングシステム内で前記基板を支持することと、
前記基板が前記ガスクッションによって支持されている間に、前記基板の前記特定の領域を覆って液体コーティングを印刷することであって、前記基板は、印刷システムを含む印刷ゾーン内に位置している、ことと、
前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、前記基板を処置ゾーンに運搬することと、
前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、前記処置ゾーン内で前記液体コーティングを処置することにより、前記特定の領域内において前記基板上に前記固
体層を提供することと
を含む、方法。
(項目18)
前記液体コーティングを処置することは、前記固体層を提供するために、前記液体コーティングを焼き付けることまたは乾燥させることのうちの1つ以上を含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記液体コーティングを処置することは、前記基板を赤外線放射にさらすこと、または温度制御されたガス流にさらすことのうちの1つ以上を含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記液体コーティングを処置することは、化学反応を誘発することまたは前記液体コーティングに含まれるキャリア流体を除去することのうちの1つ以上を通して、前記液体コーティングを凝固させることを含む、項目17に記載の方法。
(項目21)
前記固体層は、前記基板上で前記電子デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立されているカプセル化構造の少なくとも一部を備えている、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、前記基板を保持ゾーンに運搬し、特定の持続時間にわたって前記基板を保持することを含む、項目17に記載の方法。
(項目23)
基板上に固体層を提供するためのコーティングシステムであって、前記システムは、
ガスクッションを使用して前記基板を支持するように構成されているプラットフォームであって、前記プラットフォームは、前記プラットフォームに沿って前記基板を運搬するように構成されている、プラットフォームと、
前記基板が前記プラットフォームの印刷ゾーン内に位置している場合、前記基板が前記基板の第1の側と反対側の前記基板の第2の側において前記ガスクッションによって支持されている間に、前記第1の側における特定の領域内に液体コーティングを堆積させるように構成されている印刷システムと、
前記基板が前記プラットフォームの処置ゾーン内に位置している場合、前記基板が前記ガスクッションによって支持されている間に、前記堆積した液体を処置することにより、前記特定の領域内において前記基板上に固体層を提供するように構成されている、処置システムと
を備え、
前記プラットフォームは、前記印刷ゾーン内での印刷動作中および前記処置ゾーン内での処置動作中、前記基板を継続的に支持するように構成されている、コーティングシステム。
(項目24)
前記固体層は、カプセル化構造の少なくとも一部を備え、
前記基板は、電子デバイスを備え、前記カプセル化構造は、前記基板上で前記電子デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目25)
前記処置システムは、光源を含み、前記源は、前記液体コーティングを照射して前記固体層を提供するように構成されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目26)
前記源は、紫外線(UV)源を備えている、項目25に記載のコーティングシステム。
(項目27)
前記源は、赤外線源を備えている、項目25に記載のコーティングシステム。
(項目28)
前記処置システムは、前記液体コーティングを焼き付けることもしくは乾燥させることのうちの1つ以上を行って、前記固体層を提供するように構成されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目29)
前記処置システムは、化学反応を誘発することまたは前記液体コーティングに含まれるキャリア流体を除去することのうちの1つ以上を通して、前記液体コーティングを凝固させるように構成されている、項目28に記載のコーティングシステム。
(項目30)
前記プラットフォームは、前記印刷動作後および前記処置動作前、前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、特定の持続時間にわたって前記基板を保持するように構成されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目31)
前記プラットフォームは、前記印刷ゾーンおよび前記処置ゾーンから分離した保持ゾーンを含み、前記保持ゾーンは、前記ガスクッションを使用して前記基板を支持し続けながら、前記特定の持続時間にわたって前記基板を保持するように構成されている、項目30に記載のコーティングシステム。
(項目32)
前記印刷システム、前記処置システム、および前記プラットフォームを収納するエンクロージャを備え、前記エンクロージャは、大気圧またはその付近において制御された処理環境において、粒子状汚染物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の特定の限界を下回ったままであるように確立されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目33)
前記基板の前記第1の側における前記特定の領域は、電子デバイスを備えている前記基板のアクティブ領域と重複し、前記プラットフォームは、ガスを前記アクティブ領域と反対側の前記基板の前記第2の側に提供するように構成されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目34)
前記プラットフォームは、前記基板との物理的接触を使用して前記基板を係合することまたはつかむことを行って、前記基板を運搬するように構成されている、項目23に記載のコーティングシステム。
(項目35)
前記ガスクッションは、多孔質セラミック材料の上方で前記基板の前記第2の側を支持するように、前記多孔質セラミック材料を通してガスを推し進めることによって確立されている、項目23に記載のコーティングシステム。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、概して、コーティングシステムの少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。
【
図2】
図2は、概して、2つ以上の印刷ゾーンおよび処置ゾーンを含むことができるようなコーティングシステムの少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。
【
図3A】
図3A-3Dは、概して、コーティングシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図3B】
図3A-3Dは、概して、コーティングシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図3C】
図3A-3Dは、概して、コーティングシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図3D】
図3A-3Dは、概して、コーティングシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図4A】
図4Aは、概して、
図1、2、または
図3A-3Dの実施例に示されるシステムを使用することを含むことができるような、基板上にパターン化固体層を形成することを含むことができる方法等の技法を図示する。
【
図4B】
図4Bは、概して、
図1、2、または
図3A-3Dの実施例に示されるシステムを使用することを含むことができるような、有機カプセル化層(OEL)を形成することを含むことができる方法等の技法を図示する。
【
図5】
図5は、概して、基板の種々の領域を描写する実施例を図示する。
【
図6】
図6は、概して、エンクロージャ内で制御された環境を確立または維持するため等に、本明細書に説明される1つ以上の他の実施例の一部もしくは全体に関して使用されることができるガス精製方式の概略図を図示する。
【
図7】
図7は、概して、浮揚運搬システムの一部分として含まれる浮揚制御ゾーンを確立するため等に、1つ以上のガスもしくは空気源を統合および制御するためのシステムの少なくとも一部の実施例を図示する。
【
図8A】
図8Aおよび8Bは、堆積(例えば、印刷)、保持、もしくは処置プロセスのうちの1つ以上のものの間等に基板を支持する加圧ガスクッションと、
図8Cの結果として生じる処理された基板における対応する一様性とを確立することができる、チャック構成の例証的実施例を含む。
【
図8B】
図8Aおよび8Bは、堆積(例えば、印刷)、保持、もしくは処置プロセスのうちの1つ以上のものの間等に基板を支持する加圧ガスクッションと、
図8Cの結果として生じる処理された基板における対応する一様性とを確立することができる、チャック構成の例証的実施例を含む。
【
図8C】
図8Aおよび8Bは、堆積(例えば、印刷)、保持、もしくは処置プロセスのうちの1つ以上のものの間等に基板を支持する加圧ガスクッションと、
図8Cの結果として生じる処理された基板における対応する一様性とを確立することができる、チャック構成の例証的実施例を含む。
【
図9】
図9は、概して、基板上のコーティングを処置する際に使用することができるような、光(例えば、紫外線光)に基板をさらすように構成されることができるような処置システムを図示する、略図の実施例を図示する。
【
図10A】
図10Aおよび10Bは、概して、基板上のコーティングを処置する際に使用することができるような、光源の線形構成を含むことができる処置システムの少なくとも一部の実施例を図示する。
【
図10B】
図10Aおよび10Bは、概して、基板上のコーティングを処置する際に使用することができるような、光源の線形構成を含むことができる処置システムの少なくとも一部の実施例を図示する。
【
図11A】
図11Aおよび11Bは、概して、コーティングシステムの一部として含まれることができるか、またはコーティングシステムによる処理前もしくは後に基板を操作するために使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの一部の図を図示する。
【
図11B】
図11Aおよび11Bは、概して、コーティングシステムの一部として含まれることができるか、またはコーティングシステムによる処理前もしくは後に基板を操作するために使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの一部の図を図示する。
【
図12】
図12は、概して、コーティングシステムの一部として含まれることができるか、またはコーティングシステムによる処理前もしくは後に基板を操作するために使用されることができる、移送モジュールのさらなる実施例を含むようなシステムの一部を図示する。
【
図13A】
図13Aおよび13Bは、概して、基板を処理する際に使用されることができる、基板処理領域の積層構成を含むことができるようなシステムの一部の図を図示する。
【
図13B】
図13Aおよび13Bは、概して、基板を処理する際に使用されることができる、基板処理領域の積層構成を含むことができるようなシステムの一部の図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、概して、コーティングシステム2600の少なくとも一部分の平面図の実施例を図示する。システム2600は、上向きの基板の第1の側等の基板の特定の領域内に固体層を提供するように構成されることができる。固体層は、特定のパターンで形成される等、基板の少なくとも一部を被覆することができる。システム2600は、各々が、第1の側の反対側の基板の第2の側に提供される加圧ガスを使用するガスクッション配列を少なくとも部分的に使用して、基板を支持するように構成されるようなゾーンの配列を含むことができる。例えば、固体層は、基板を覆ってパターン化またはブランケット被覆されることができ、発光デバイス(例えば、ディスプレイまたは照明パネル)、光吸収デバイス(例えば、光検出器または太陽電池)、プリント回路アセンブリ、または他の電子デバイスもしくは回路の一部を被覆することができるか、またはその一部として含まれることができる。
【0016】
コーティングシステム2600は、基板の特定の領域の上に液体コーティングを堆積させるように構成される(例えば、ブランケットまたはパターン化液体コーティングを提供する)インクジェットプリントヘッドを含むことができるような印刷システム2000を含むことができる。例えば、印刷システム2000は、基板上の特定の場所の上へのインク滴の確実な配置のための装置を含むことができる。そのような装置は、プリントヘッドアセンブリ2501、インク送達システム、加圧ガスを提供するプラットフォーム(例えば、浮揚式「テーブル」)等の基板支持装置、ローディングおよびアンローディング装置、ならびにプリントヘッドの管理用の設備のうちの1つ以上のものを含むことができる。
【0017】
図1の例証的実施例では、印刷システム2000は、ライザに取り付けられるようなブリッジ2130を含むことができる。ブリッジは、第1のキャリッジアセンブリ2301および第2のキャリッジアセンブリ2302を支持することができ、そのようなキャリッジは、ブリッジ2130に沿った少なくとも1つの軸(例えば、「X軸」)において移動可能である。第1のキャリッジアセンブリは、本質的に低粒子生成であり得る線形空気ベアリング運動システムを使用して等、ブリッジ2130を横断するプリントヘッドアセンブリ2501の移動を制御することができる。実施例では、第1または第2のキャリッジアセンブリ2301または2302のうちの1つ以上のものは、その上に搭載された垂直(例えば、「Z軸」)移動プレートを有することができる。実施例では、第1および第2のキャリッジアセンブリ2301および2302の各々は、プリントヘッドアセンブリを搬送することができる。
図1に示されるような別の実施例では、第1のキャリッジアセンブリ2301は、プリントヘッドアセンブリ2501を搬送することができ、第2のキャリッジアセンブリ2302は、基板コーティング動作の監視もしくは点検用のカメラ2303等の1つ以上のカメラを搬送することができる。
【0018】
プリントヘッドアセンブリ2501等の各プリントヘッドアセンブリは、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に搭載された複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバイスは、例えば、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体または電子接続を含むことができるが、それらによって限定されず、各プリントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズでインクを放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。例えば、プリントヘッドアセンブリ2501は、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1~約30個のプリントヘッドを含むことができる。プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、例証的実施形態によると、約0.1ピコリットル(pL)~約200pLの液滴体積を放出することができる約16~約2048個のノズルを有することができる。
【0019】
上記のように、印刷動作は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スロットダイコーティング(パターン化または非パターン化)、もしくはスクリーン印刷等の1つ以上の液体コーティングプロセスを含むことができ、液体インクは、有機材料(例えば、モノマーまたはポリマー)もしくは無機材料のうちの1つ以上のものを含むことができ、キャリア流体を含むことができる。液体インクの処置は、露光(例えば、紫外線、赤外線、もしくは可視光のうちの1つ以上のものを含む)、加熱もしくは冷却、周囲よりも高い圧力もしくは真空のうちの1つ以上のものを含むことができる。そのような処置は、キャリア流体の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥もしくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、もしくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)のうちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するために、液体インクの凝固をもたらすことができる。別のアプローチでは、固相材料が、噴射を通して基板上に堆積させるために熱的に蒸発させられることができる。さらに別のアプローチでは、材料が、キャリア液体中に溶解させられるか、または別様に懸濁させられることができ、材料を含む層は、線を形成するようにノズルから基板上に流体状態で連続流を分注すること(いわゆる「ノズル印刷」または「ノズルジェット」)、および線パターン化層を提供するためのキャリアの後続の蒸発によって形成されることができる。
【0020】
領域2100は、(例えば、領域2100に向かった矢印によって示されるように)液体コーティングを印刷する前に、第1のゾーンZ1の領域2100中への基板の配置を可能にするため等に、ハンドラ(例えば、移送ロボット)によってアクセスされることができる。次いで、基板は、少なくとも部分的に、第1のゾーンZ1の領域2100中等で加圧ガスによって支持されることができる。印刷システムは、第1のゾーンZ1の中、印刷動作中または後等に基板の浮揚「飛行高度」をより精密に制御するための加圧ガスおよび真空の組み合わせを提供するような、第2の領域2200を有することができる。圧力のみまたは圧力および真空の組み合わせを使用することのさらなる議論が、以下の
図7の例証的実施例に関して提供される。
【0021】
図1を再び参照すると、基板は、少なくとも部分的に、第1のゾーンZ1内に位置する浮揚式テーブルを使用して、運搬されることができる。そのような運搬は、以下の実施例でさらに議論されるように、ローラもしくはグリッパ(例えば、真空グリッパ)のうちの1つ以上のものの使用を含むような基板の機械的係合によって、増強または別様に促進されることができる。第1、第2、または第3のゾーンZ1、Z2、もしくはZ3のうちの1つ以上のものは、少なくとも部分的にガスクッションを使用して、基板を連続的に支持するように構成されることができる。例えば、印刷動作後に、基板は、矢印を含む曲線によって示される経路に沿って等、第2のゾーンZ2を介して等、処置システム3000の一部として含まれる第3のゾーンZ3に運搬されることができる。そのような運搬は、少なくとも部分的に運搬中、および処置を通して、ガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含むことができる。処置システム3000は、基板上に固体層を提供するために、液体コーティング(例えば、印刷された液体インク)を処置することができる。
【0022】
上記のように、液体インクの処置は、露光(例えば、紫外線、赤外線、もしくは可視光のうちの1つ以上のものを含む)、加熱もしくは冷却、周囲よりも高い圧力もしくは真空のうちの1つ以上のものを含むことができる。そのような処置は、キャリア流体の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥もしくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、もしくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)のうちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するために、液体インクの凝固をもたらすことができる。印刷層は、基板を覆ってパターン化またはブランケット被覆されることができ、発光デバイス(例えば、ディスプレイまたは照明パネル)、光吸収デバイス(例えば、光検出器または太陽電池)、プリント回路アセンブリ、または他の電子デバイスもしくは回路を被覆することができるか、またはその一部として含まれることができる。
【0023】
例えば、処置システム3000は、1つ以上の光源(例えば、源910等の1つ以上の可視光、赤外線、もしくは紫外線源)を含むことができる。源910は、本明細書の他の実施例に関して議論されるように、紫外線発光ダイオードのアレイを含むことができるような「バー」源の線形アレイを含むことができる。基板もしくは源910のうちの1つ以上のものは、基板の特定の領域に対する露光の所望の制御された持続時間または線量を達成するため等に、平行移動させられるか、または走査されることができる。そのような露光は、(例えば、赤外線または可視光を使用して)基板を加熱するために、または化学反応(例えば、架橋結合または化学転換)を引き起こすために使用されることができる。処置は、光を使用することを含む必要はない。例えば、処置システム3000は、基板を加熱または冷却するように、もしくは基板が1つの状態から別の状態に発達するための環境を提供するように構成されることができる。
【0024】
例えば、処置は、加熱を使用して基板を焼き付けること、または乾燥させることを含むことができる。そのような加熱は、(例えば、ガスクッションを使用するか、または他のガス流を確立する)対流駆動型もしくは(例えば、赤外線放射を提供するランプ等の1つ以上の源を使用する)放射駆動型のうちの1つ以上のものであり得る。以下の他の実施例で議論されるように、基板の面にわたり流動するように提供されることができる層流等の基板表面にわたり温度制御されたガス流の制御された適用のうちの1つ以上のものを使用して、もしくは基板を支持するために使用されるガスクッションの一部として提供される温度制御された流動を使用して等、処置ゾーン3000内または他の場所で処置中の基板の温度が制御されることができる。そのような対流技法は、液体コーティングを凝固させて固体層を提供するために、液体コーティングを焼き付けるか、または乾燥させるように基板を処置するために使用されることができる。そのような対流技法は、液体コーティングの焼き付けもしくは乾燥のうちの1つ以上のものを行うために、赤外線ランプを使用することを含むことができるような放射処置と組み合わせられることができる。処置は、焼き付け動作を含むことができるような、基板上の1つ以上の層を高密度化する環境を提供することを含むことができる。別の実施例では、基板の放射処置も含むことができるような処置中、少なくとも部分真空環境が使用されることができる。
【0025】
実施例では、基板は、基板が1つの状態から別の状態に発達することを可能にするため等に、印刷動作の後であるが処置動作の前に、特定の持続時間にわたって(または特定の基準が満たされるまで)保持されることができる。基板を発達させる目的で保持する場合、例えば、基板は、印刷液体層が沈殿または流動することを可能にするよう保持されることができる。上記の実施例の場合、そのような発達中の基板の温度は、基板の面にわたり流動するように提供されることができる層流等の基板表面にわたる温度制御されたガス流の制御された適用を通して制御されることができる。
【0026】
保持は、第1のゾーンZ1の領域2100または2200のいずれか一方の中に位置する基板を用いて行われることができる。例えば、第1の基板は、特定の保持持続時間にわたって印刷動作後に印刷ゾーンZ1内で静止して保たれることができる。しかしながら、基板を第2のゾーンZ2に運搬し、保持ゾーンとして、もしくは1つ以上の他の動作を行うために、第2のゾーンZ2の少なくとも一部を使用することによって等、スループットが高められることができる。例えば、別の基板が、印刷動作のためにシステム2600の第1のゾーンZ1に送達されることができ、第1の基板は、印刷が生じる領域を空けるように第2のゾーンZ2に運搬されることができる。第2のゾーンが細長い場合、一連の基板が、ゾーンZ2を通して、順次、保持または運搬されることができる。第2のゾーンZ2はまた、処置または他の処理を待っている一連の基板を列に並ばせるために、もしくは緩衝するために使用されることができるか(例えば、基板は、特定の持続時間のみにわたって、または1つの状態から別の状態への発達のためだけに、ゾーンZ2内で保持される必要はない)、または、基板を焼き付けることもしくは乾燥させることのうちの1つ以上を含むことができるような処理が、第2のゾーンZ2内で行われることができる。
図2、
図3A、
図3B、
図3C、または
図3Dの実施例に示されるような他の構成も使用されることができる。加えて、または代わりに、第3のゾーンZ3は、印刷後であるが処置前に、特定の持続時間にわたって基板を保持するために使用されることができる。
【0027】
コーティングシステム2600は、大気圧またはその付近において制御された処理環境を提供するため等に、エンクロージャ1010内に位置することができる。そのような制御された処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、オゾン含量、および有機蒸気含量のうちの1つ以上のものの特定の限界を下回ったままであるように確立されることができる。例えば、制御された処理環境は、システム2600を使用して処理されている基板上に堆積させられる種との最小限の反応性が、または無反応性のために特定された窒素、または別のガスもしくはガスの混合物を含むことができる。以下の他の実施形態で説明されるように、そのような制御された処理環境は、システム2600の種々の部分内に含まれるか、またはそれらに連結されるガス精製システムを少なくとも部分的に使用して確立されることができる。制御された環境の粒子状物質レベルもまた、システム2600に連結された、またはシステム2600内に位置する装置を使用して等、制御されることができる。実施例では、エンクロージャ1010は、加圧不活性ガス再循環システムを伴わずに確立された環境を含むことができ、外圧に対してわずかに陽圧の内圧で維持され、任意の漏れがエンクロージャ1010の中で発達するであろう外部ガスまたは空気が内部に進入することから保護するエンクロージャ1010を含むことができる。種々の例証的実施例によると、本教示のエンクロージャ1010およびシステム2600、エンクロージャ1010の内部は、エンクロージャ1010の外部の周辺雰囲気に対して、例えば、少なくとも2mbargの圧力で、例えば、少なくとも4mbargの圧力で、少なくとも6mbargの圧力で、少なくとも8mbargの圧力で、またはより高い圧力で維持されることができる。
【0028】
図2は、概して、2つ以上の印刷ゾーンおよび処置ゾーンを含むことができるようなコーティングシステム2700の少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。
図2は、
図1に関連して上で議論されるシステム2600の構成と同一もしくは類似である構成をそれぞれ有するような、2つ以上のコーティングシステム2600Aまたは2600Bを含むことができる。
図2では、基板4000は、第1のコーティングシステム2600AのゾーンZ1Aの中へ輸送されることができ、印刷プロセス中に印刷ゾーンZ1A内で浮揚式テーブルによって提供されるガスクッションを少なくとも部分的に使用して支持される。例えば、ゾーンZ1A内で印刷または処置動作のために定位置に基板4000を配置するため、もしくはゾーンZ3Aから等、そのような動作後に基板を回収するため等、基板4000を操作するために、エンドエフェクタ1420を含むハンドラ2732が使用されることができる。
図2の例証的実施例では、ハンドラ2732は、他の自由度を有することに加えて、トラック2734を横断することができる。
【0029】
基板4000は、種々の輸送技法を使用して、第2のゾーンZ2Aを通して等、浮揚ステージ運搬システムを使用してコーティングシステム2600A内で輸送されることができる。そのような技法は、線形空気ベアリングまたは機械ベアリングシステム、基板を保持するためのグリッパアセンブリ、ローラ等のうちの1つ以上のものを使用することを含むことができる。本明細書で以前に議論されたように、基板4000は、印刷プロセスが完了した後、および処置動作の前等に、特定の保持持続時間にわたって、または他の処理活動の遅延によって決定される持続時間にわたって、保持ゾーン内で保たれることができる。そのような保持動作中、基板4000は、少なくとも部分的にガスクッションを使用して、支持され続けることができる。
【0030】
基板4000は、処置システム3000Aの一部として含まれるような処置ゾーンZ3Aに輸送されることができる。本明細書の他の場所で議論されるように、基板4000は、液体層を凝固させることによって固体層を形成するため等に、種々の技法を使用して処置されることができる。そのような処置は、キャリア流体の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥もしくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、もしくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)のうちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するための液体インクの凝固をもたらすことができる。コーティングシステム2600A内の処理中、基板4000は、印刷、保持、および処置のうちの1つ以上のものを含む処理動作のシーケンス全体の間、少なくとも部分的にガスクッションを使用して支持されることができる。
【0031】
本発明者らは、とりわけ、このようにして、遅延を短縮すること、例えば、ハンドラ2713による係合中に基板への機械的損傷を低減させること、もしくはコーティングシステム2600Aによって提供される固体層(例えば、フィルム層)の一様性を高めることのうちの1つ以上のことのため等に、ロボット(例えば、ハンドラ2732)を含むいくつかの取り扱いステップが削減され得ることを認識している。上記の種々の輸送技法は、製作されている電子デバイスを含む基板のディスプレイ領域またはエリア以外の特定の領域内において基板に接触するように、もしくはそのような領域の反対側で少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持するように等、コーティングシステム2600Aを通して基板を運搬するために使用されることができる。
【0032】
システム2700は、印刷システム2000Bおよび処置システム3000Bとともに、第1、第2、および第3のゾーンZ1B、Z2B、およびZ3Bを含むような、第1のコーティングシステム2600Aと同様に構成されるような第2のコーティングシステム2600Bを含むことができる。第2のコーティングシステム2600Bは、第1のコーティングシステム2600Bと同様に、液体層を印刷し、次いで、液体層を処置して固体層を提供するように構成されることができる。このようにして、第2のコーティングシステム2600Bは、単一の印刷システム2000のみ、または単一のコーティングシステム2600Aもしくは2600Bを有するトポロジと比較して、冗長性もしくは高められたスループットのうちの1つ以上のものを提供することができる。実施例では、第2のコーティングシステム2600Bによって提供される固体層は、(例えば、組成、または基板上の被覆される場所において)第1のコーティングシステムブロック2600Aによって提供される層と異なり得る。
【0033】
システム2700は、第1のコーティングシステムブロック2600Aのための第1のエンクロージャ1010Aおよび第2のコーティングシステムブロック2600Bのためのエンクロージャ1010B等の種々のエンクロージャを含むことができる。エンクロージャの各々は、本明細書の他の実施例に関して議論されるように、制御された環境を有することができる。ハンドラ2732は、同様に制御された環境を有する、移送モジュール1400B内に位置することができる。移送モジュール1400Bの内部環境は、第1または第2のコーティングシステムブロック2600Aまたは2600Bのうちの1つ以上のものとともに共通して維持されるか、別個に維持されることができる。例えば、ハンドラ2732が、第1または第2のコーティングシステムブロック2600Aまたは2600Bから基板を配置もしくは回収する領域内に1つ以上のゲート弁もしくはガスカーテン配列が使用されることができる。
【0034】
システム2700は、パススルーもしくはロードロック配列のうちの1つ以上のものを含むことができる、第1または第2のモジュール1100Aまたは1100B等の1つ以上の他のモジュールを含むことができる。例えば、モジュール1100B(例えば、「出力」モジュール)は、移送モジュール1400B内の第1の環境から、移送モジュール1400Bの環境と異なる別の環境へ(例えば、大気圧またはその付近における圧力から真空環境へ/真空環境から大気圧またはその付近における圧力へ、もしくはガス、湿気、粒子状物質、または他の組成物のうちの1つ以上のもの等の異なる制御された特性を有する大気環境から/へ)基板4000を少なくとも部分的に移行させるように構成されるロードロック配列を含むことができる。同様に、モジュール1100A(例えば、「入力モジュール」)は、ロードロック配列またはパススルー配列を含むことができる。別の移送モジュール1400Aは、モジュール1100Aの中へ基板4000を配置するか、またはモジュール1100Aから基板4000を回収するため等に、ハンドラ1410を含むことができる。第1の処理または保持モジュール1200Aもしくは第2の処理または保持モジュール1200B等の他のモジュールが、含まれることができる。そのような処理または保持モジュール1200Aまたは1200Bは、
図13Aもしくは
図13Bの実施例で例証的に示されるように、基板4000の場所の積層配列を含むことができる。そのような積層配列は、処理の前または後に基板を保持するために、もしくは他の目的で、使用されることができる。例えば、別のモジュールが基板を受け取る準備ができるまで、ある期間にわたって基板を保持すること、または基板が除去されることができるまで、欠陥もしくは損傷基板を保持する場所を提供すること等の基板フロー管理の目的で基板を単純に保持することに加えて、処理または保持モジュールはまた、機能的プロセスフローの一部として、ある期間にわたって基板を保持するために使用されることもできる。
【0035】
第1のモジュール1100Aまたは第2のモジュール1100Bは、真空源またはパージ源、もしくは両方に連結されることができ、かつシステム2700へのインターフェースポートおよび前の環境または次の環境(周囲環境、または別の囲まれた処理モジュールに関連付けられる制御された環境であり得る)へのインターフェースポートを独立して密閉するために構成されることができる。このようにして、第1または第2のモジュール1100Aもしくは1100Bは、モジュール1100Aまたは1100Bの内部環境を内部に密閉し、それをシステム2700の他の部分と互換性がないものと、互換性があるもの(例えば、インターフェースポートを介してシステム2700にさらされたときに、システム2700B内の制御された環境の質を実質的に維持するであろう、ほぼ大気圧における、または大気圧を上回る制御された環境)との間で遷移させることができる。同様に、第1のモジュール1100Aまたは第2のモジュール1100Bは、他の処理に好適な環境(例えば、大気圧またはその付近にあるが、制御された環境と異なる組成を有する、第2の環境、または真空環境)に基板を移送するために使用されることができる。このようにして、第1または第2のモジュール1100Aもしくは1100Bは、システム2700の制御された環境と他の装置との間に移送導管を提供することができる。第1のモジュール1100Aまたは他のモジュールは、恒久的に取り付けられた構成、またはカートもしくは他の輸送可能構成を含むことができる。
【0036】
実施例では、モジュール(例えば、第1モジュール1100Aまたは第2の装填モジュール2700)は、囲まれたシステム2700の内部へのばく露のために装填モジュール(例えば、第1のモジュール1100Aまたは第2のモジュール1100B)の内部領域を準備するために、次いで、非反応性雰囲気を提供されるか、または別様に1つ以上のパージ動作を含むような精製ガス流を使用して、「充填」されることができる。例えば、モジュールのうちの1つ以上のものの内部領域が、システム2700の他の部分によって画定される囲まれた領域内の制御された処理環境の粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、オゾン含量、および有機蒸気含量の特定の限界を超える様式における汚染を回避するために、少なくとも部分的に排出またはパージされることができる。
【0037】
同様に、システム2700による処理後に、処理されている基板は、第1または第2のモジュール1100Aもしくは1100Bの中に配置されることができる。例証として、モジュール(例えば、第1のモジュール1100Aまたは第2のモジュール1100B)は、システム2700内の他の場所の非反応性ガス環境から隔離されることができ、真空条件下での後続の処理のために、または別様に、真空条件、周囲条件、もしくはある他の静的な制御された環境下での他の装置または処理への製作されている基板の輸送のために、排出されるように真空源に連結される。さらなる例証として、第1または第2のモジュール1100Aもしくは1100Bのうちの1つは、囲まれた領域内で、反応性種の濃度を、例えば、1000パーツ・パー・ミリオン以上上昇させることなく、または同様に周囲粒子レベルを特定の量以上上昇させることなく、もしくは基板面積の1平方メートルにつき特定のサイズの特定の数を上回る粒子を基板上に堆積させることなく、基板をシステム2700内の制御された処理環境に提供するように構成されることができる。
【0038】
実施例では、第1のモジュール1100Aは、ポート(例えば、実質的にガス不透過性のシールを有する物理的ゲートを含む)またはガスカーテンによって、他のモジュールに連結されることができる。ポートが開放されていると、第1のモジュール1100Aの内部が、第1の移送モジュール1400Aの中に位置するハンドラによって、アクセスされることができる。ハンドラ1410は、エンドエフェクタを使用して基板を操作するため等に、種々の自由度を有するロボットアセンブリを含むことができる。そのようなエンドエフェクタは、例えば、重力によって基板を支持するように構成されるフォーク、トレイ、またはフレームを含むことができるか、もしくはエンドエフェクタは、上向きまたは下向き構成から1つ以上の他の構成へ基板の向きを変えることを可能にするため等に、基板をしっかりと把持し、締め付け、もしくは別様に保持することができる。エンドエフェクタの部分を作動させるか、または別様に基板を保持するかのいずれかのために、空気圧もしくは真空操作型特徴を含むような他のエンドエフェクタ構成が、使用されることができる。ハンドラを含む移送モジュールのさらなる例証的実施例が、以下で説明される。
【0039】
図1または
図2の実施例に類似する側面を有するが、異なるライン構成または「トポロジ」を有する、他のコーティングシステム構成が使用されることができる。例えば、
図3A-3Dは、概して、コーティングシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
図3Aは、概して、液体層を提供し、固体層を提供するように液体層を処置するため等に、「U」字構成と称されることができるコーティングシステム2800Aを図示する。システム2800Aは、他の実施例のように、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板4000を支持するように構成される浮揚式テーブル装置を含む、第1のゾーンZ1を有するような印刷システム2000を含むことができる。第2のゾーンZ2A-Z2Nは、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含む、印刷動作の前または後に一連の基板を保持するため等に、保持もしくは処理領域5000A-5000Nとして使用されることができる。第3のゾーンZ3を有するような処置システム3000が提供されることができる。
【0040】
一列に並んだ実施例では、基板4000は、第1のモジュール1100Aを通して等、システム2800Aに導入されることができる。基板は、移送モジュール1400B内に位置するようなハンドラ2732によって操作され、印刷動作のためにゾーンZ1内の浮揚式テーブル上に配置されることができる。基板4000は、ゾーンZ1に沿ってゾーンZ2A-Z2Nに運搬され、次いで、処置動作のためにゾーンZ3に運搬されることができる。ゾーンZ1、ゾーンZ2A-Z2N、およびゾーンZ3内の横断または動作中、基板4000は、連続的に支持される等、少なくとも部分的にガスクッションを使用して支持されることができる。上記のように、ガスクッション配列に加えて、他の輸送技法が使用されることができる。少なくとも1つの印刷および処置動作のシーケンスの完了時に、基板は、ハンドラ2734によって回収され、さらなる処理のため等に第2のモジュール1100Bの中に配置されることができる。第2の印刷システムが含まれる場合、
図28Aのトポロジは、「M」字構成を形成するように拡張することができる。1つまたは2つの印刷システム(例えば、印刷システム2000)を含むことは、例証的であり、スループットを高め、冗長性を増加させ、または追加の処理動作を提供するため等に、追加の印刷システムが含まれることができる。
【0041】
図3Bは、概して、システム2800Bの種々の部分への基板の運搬を可能にするように回転することができる回転部分3001(例えば、プラットフォーム、チャンバ、または他の構成)を含むような「部分回転式コンベヤ」構成を含むことができるシステム2800Bを図示する。他の実施例のように、基板4000は、ハンドラ1410が基板4000を回収し、印刷動作のためにそれをゾーンZ1の中に配置する、第1のモジュール1100A等に導入されることができる。次いで、基板4000は、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板4000を支持し続けることを含む、保持または処理領域5000Aもしくは5000B内の保持動作もしくは他の処理のため等に、ゾーンZ2AまたはZ2Bのうちの1つに運搬されることができる。基板4000は、ゾーンZ1に戻るように運搬されることができ、次いで、回転部分3001の回転後に、基板4000は、処置動作のため等に、ゾーンZ3に運搬されることができる。実施例では、基板4000は、ゾーンZ2AまたはZ2B内で保持もしくは他の処理を必要とすることなく、ゾーンZ1からゾーンZ3に直接運搬されることができる。例えば、ゾーンZ2AまたはZ2Bが占有される場合、保持もしくは他の処理は、印刷ゾーンZ1または処置ゾーンZ3内で生じることができる。印刷および処置後、基板は、ハンドラ1410による回収のため等に、ゾーンZ1に沿った場所に戻るように運搬されることができる。基板は、さらなる処理のため等に、モジュール1100Aに戻されるか、または別のモジュール1100Bの中に配置されることができる。他の実施例では、他の浮揚式テーブル運搬構造が、ゾーンZ1に向かう以外の他の方向に半径方向に延び得る。
【0042】
図3Cは、概して、移送モジュール1400Cの周囲で半径方向に位置する点においてシステム2800Cの種々の部分と接続する移送モジュール1400Cを含むことができるような「円弧」トポロジを図示する。例えば、基板4000は、第1のモジュール1100Aを介して等、システム2800Cに導入されることができる。ハンドラ1410は、印刷システム2000を使用する印刷動作のため等に、第1のモジュール1100Aから基板4000を回収し、それをゾーンZ1の中に配置することができる。次いで、基板4000は、ゾーンZ2A内の領域5000Aに運搬されることができ、特定の持続時間にわたってゾーンZ2A内で静止したままであるか、または特定の持続時間にわたって領域5000A-5000Nを含むゾーンZ2A-Z2Nを横断する。基板4000は、処置領域3000中で処置され、次いで、モジュール1100A内またはモジュール1100B等の出力モジュール内に戻るように配置するため等に、ハンドラ1410によって回収されることができる。
【0043】
図3Dは、概して、基板4000上に固体コーティングを提供することにおいて使用されることができるシステム2800Dの少なくとも一部の図のさらなる実施例を図示する。システム2800Dは、システムの少なくとも一部のための積層構成を含むことができる。
図3A、
図3B、および
図3Cの実施例は、概して、単一の基板高度を図示する(例えば、基板が、実質的に基板自体の平面内で動作から動作へ横方向に運搬される)が、そのような実施例は、積層構成を有する1つ以上の部分を含むような、本明細書に説明される他の実施例と組み合わせられることができる。システム2800Dは、移送モジュール1400Bに連結されるような入力モジュール等のモジュール1100Aを含むことができる。移送モジュール1400Bは、システム2800Dの他の部分にアクセスするためにトラック2734を横断することができるようなハンドラ2732を含むことができる。移送モジュール1400Bは、モジュール1100B(例えば、出力モジュール)等のシステム2800の他の部分、または保持もしくは処理モジュール1200Aまたは保持もしくは処理モジュール1200B等の1つ以上の他のモジュールに連結されることができる。
【0044】
ハンドラ2732は、基板4000上への液体インク層の堆積(例えば、印刷)のため等に、基板を印刷システム2000の近くの第1のゾーンZ1に提供することができる。次いで、基板4000は、浮揚ステージ運搬システム2630を介して、領域5000中のゾーンZ2A-Z2Nの積層アレイのうちの特定された1つに運搬されることができる。そのようなゾーンZ2A-Z2Nは、例えば、積層アレイのうちの特定された1つが、基板の運搬のために印刷ゾーンZ1の実質的に同一の平面内で横方向に整列させられるように、下降または上昇させられることができる。特定の持続時間にわたって保持した後、または領域5000中で他の処理を受けた後、もしくは処置システム3000の一部として含まれるようなゾーンZ3が利用可能になるまで、ゾーンZ2A-Z2Nのうちの特定された1つは、ゾーンZ3と整列させられることができ、基板は、浮揚を介してゾーンZ3に運搬されることができる。
図3Dの実施例では、ゾーンZ3は、Z1とほぼ同一の高度を有するものとして示されているが、そうである必要はない。例えば、処置ゾーンZ3は、ゾーンZ2A-Z2Nまたは印刷ゾーンZ1と異なる高度にあり得る。
【0045】
上記の他の実施例のように、システム2800D内の印刷または処置等の動作中、基板4000は、プロセスのシーケンスの全体を通して、少なくとも部分的にガスクッションを使用して支持され、取り扱いステップのうちの1つ以上のもの、もしくは基板4000と処理装置との間の機械的接触を低減させることができる。理論によって拘束されるわけではないが、ハンドラ2732を伴う取り扱いステップのそのような低減または機械的接触の低減は、粒子状汚染物質の形成もしくは循環を抑制することに役立つことによって、または熱的もしくは静電的非一様性による基板にわたる非一様性を抑制することに役立つことによって等、コーティング層の一様性を高めることができると考えられる。
【0046】
図4Aは、概して、
図1、2、または
図3A-3Dの実施例に示されるシステムを使用することを含むことができるような、基板上にコーティングを形成することを含むことができる方法等の技法6001を図示する。印刷、保持、もしくは処置のうちの1つ以上のもの中等のある動作中、基板は、加圧ガスまたは加圧ガスおよび真空の組み合わせを使用して、浮揚装置によって支持されることができる。6101では、基板が、コーティングシステムに移送されることができる。例えば、基板は、他の場所で処理され、基板上に製作された1つ以上の層を有することができる。上記のように、基板は、基板を覆ってパターン化またはブランケット被覆される層を含むことができ、そのような層は、発光デバイス(例えば、ディスプレイまたは照明パネル)、光吸収デバイス(例えば、光検出器または太陽電池)、プリント回路アセンブリ、または他の電子デバイスもしくは回路を被覆することができるか、またはその一部として含まれることができる。
【0047】
6201では、基板は、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含む等、パターン化固体層が形成されるべき領域の反対側の基板の側に提供されるガスクッションを少なくとも部分的に使用して等、コーティングシステム内で支持されることができる。6301では、液体コーティングが、印刷技法を使用して等、基板上に堆積させられることができる。広義には、印刷動作は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スロットダイコーティング(パターン化または非パターン化)、もしくはスクリーン印刷等の1つ以上の液体コーティングプロセスを含むことができ、液体インクは、有機材料(例えば、モノマーまたはポリマー)もしくは無機材料のうちの1つ以上のものを含むことができ、キャリア流体を含むことができる。
【0048】
随意に、6401では、基板が、そのような保持のために配列される領域またはゾーン(例えば、浮揚式テーブル配列に沿って位置するか、またはその一部として含まれるゾーン)内等で保持されることができる。そのような保持は、特定の固定持続時間にわたって生じることができるか、または基板が1つの状態から別の異なる状態に移行もしくは発達することを可能にするために十分な持続時間を含むように特定されることができる。そのような保持はまた、少なくとも部分的に、処置領域等の他の処理領域の遅延または利用可能性によって確立されることもできる。保持動作中、基板は、少なくとも部分的にガスクッションによって、支持され続けることができる。6501では、基板が、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含み、処置ゾーンに運搬されることができる。実施例では、6501における運搬は、6401で記述される随意の保持の前に起こることができる。別の実施例では、6401で記述される随意の保持は、基板が依然として印刷ゾーン内に位置している間に起こることができる。
【0049】
6601では、6301で提供される液体コーティングが、処置されることができる。液体インクの処置は、露光(例えば、紫外線、赤外線、もしくは可視光のうちの1つ以上のものを含む)、加熱もしくは冷却、周囲よりも高い圧力もしくは真空のうちの1つ以上のものを含むことができる。そのような処置は、キャリア流体の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥もしくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、もしくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)のうちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するために、液体インクの凝固をもたらすことができる。
図4Bの実施例では、そのような処置は、液体インクが堆積させられた1つまたは複数の領域に対応するパターン化固体層を提供するため等に、紫外線光へのばく露を含む。
【0050】
発光または光吸収デバイス等の電子デバイスの部分は、基板上に製作されているデバイス上に堆積させられる1つ以上のフィルム層を使用して、カプセル化されることができる。実施例では、そのようなフィルム層は、無機および有機材料を含む層のスタックまたは他の構成を含むことができる。
図4Bは、概して、
図1、2、または
図3A-3Dの実施例に示されるコーティングシステムの1つ以上の側面を使用することを含むことができるような、有機カプセル化層(OEL)を形成することを含むことができる方法等の技法6002を図示する。そのようなOELは、カプセル化構造の一部として含まれることができる。
【0051】
6102では、基板が、基板の第1の側の特定の領域内に層(例えば、パターン化有機層)を堆積させるように構成される、囲まれた有機薄膜カプセル化システムに移送されることができ、有機層は、基板上に製作されるデバイスの少なくとも一部を被覆する。6202では、基板が、特定の領域と反対側の基板の第2の側に提供されるガスクッションを少なくとも部分的に使用して、囲まれた薄膜カプセル化システム内で支持されることができる。6302では、基板が少なくとも部分的にガスクッションによって支持されている間に、基板が印刷ゾーン内に位置する状態で、実施例では有機モノマー系インクであり得る液体インクが、印刷システムを使用して基板の特定の領域を覆って印刷(例えば、インクジェット印刷)されることができる。6402では、基板が、保持ゾーンに運搬されることができ、基板が、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含み、特定の持続時間にわたって保持されることができる。6502では、基板が、少なくとも部分的にガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含み、処置ゾーンに運搬されることができる。他の実施例に関して記述されるように、処置ゾーンへの基板の運搬は、保持前または後に起こることができ、保持動作は、保持ゾーン内で行われる必要はない。例えば、そのような保持は、印刷ゾーンもしくは処置ゾーンのうちの1つ以上のものの代わりに、もしくはそれに加えて、行われることができる。
【0052】
6602では、基板が、特定の領域内において基板上に重合有機層を提供するために、実施例では有機モノマー系インクであり得る液体インクを処置することを含み、処置されることができ、処置は、基板が少なくとも部分的にガスクッションを使用して支持され続けている間に生じる。パターン化有機層は、カプセル化構造の一部を含むことができ、構造は、基板上の発光デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立される。
【0053】
図5は、概して、加圧ガスポートまたは加圧ガス領域、もしくは真空ポートまたは真空領域とともにそのような加圧ガスの組み合わせを少なくとも部分的に使用して、支持されることができるような、基板4000の種々の領域を描写する実施例を図示する。基板4000は、ガラス材料もしくは1つ以上の他の材料を含むことができる。フラットパネルディスプレイの例証的実施例では、基板4000は、単一の大型ディスプレイ、もしくは基板4000からシンギュレートされることができる2つ以上のより小型のディスプレイのいずれかを含むことができる。
図5の例証的実施例では、4つのディスプレイ領域4002A、4002B、4002C、および4002Dが示されている。これらは、例えば、「アクティブ領域」または「発光領域」と称されることができる。本実施例での「アクティブ」という用語の使用は、そのような領域が処理中に実際に光学的放射性であることを示唆せず、代わりに、発光するように構成されるデバイスを含むことができる領域、またはエンドユーザに可視的であるディスプレイの放射性または透過性の部分を別様に形成する領域を指す。概して、領域4002A-4002D中の可視的欠陥は、エンドユーザによって許容できないと見なされ、したがって、領域4002A-4002Dの可視的な一様性を高めるため等に、種々の技法が使用されることができる。基板4000のパネル構成における他の変形例が可能である。例えば、基板4000は、OLEDデバイスの単一のディスプレイまたはアレイを含むことができる。他の実施例では、基板4000は、2つ、4つ、または8つの領域に分割されることができ、支持のための対応する周辺を確立するか、または本明細書の他の実施例で記述されるように対応する分散多孔質媒体領域を有する。光学、電気、または光電子デバイス等の他のデバイスが、基板上にあり、有機カプセル化層で被覆される等、被覆されている、他の製造実施例に対して、「アクティブ」の定義は、これらのデバイスに対応する領域を好適に包含するように調節されることができる。そのようなデバイスの例は、電子回路、太陽電池、プリント回路基板、およびフラットパネルディスプレイを含むことができる。
【0054】
実施例では、支持は、ディスプレイ領域4002A-4002Dの基板の下の表面上に確立される加圧ガスクッションを使用して等、処理中に提供されることができる。基板4000の周囲に延び、ディスプレイ領域4002A-4002Dの各々の間の内部空間の中へ延びる領域4004は、基板と、グリッパ、ローラ、リフトピン、もしくは他の固定具のうちの1つ以上のものを含むことができるような固定具との間の物理的接触によって、係合されることができる。そのような領域4004は、ディスプレイの発光またはアクティブ要素(またはディスプレイ以外の他のタイプのデバイスに関して上記のような他の要素)が、そのような係合領域から避けられ得る(または逆も同様である)ことを示す、「侵入禁止」領域と称されることができる。例えば、1つ以上の「リフトピン」は、第1の領域2124A、(例えば、ディスプレイ領域4002Aおよび4002Bの間の場所における)第2の領域2124B、および「N番目の」領域2124Nにおいて等の
図5で例証的に示されるような領域中に位置することができる。そのようなリフトピンは、領域4002A、4002B、4002C、または4002Dにおいて基板を支持するために使用されることができるような、基板4000と1つ以上のポートもしくは分散加圧ガス源との間の増大した隙間を提供することができる。
【0055】
浮揚式プラットフォームまたはチャックは、小型圧力開口の連続アレイまたは連続多孔質プレートを含むことができ、それらは、その上で基板が浮揚することができる加圧ガス
流を提供する。例えば、(後退させられたときにチャック表面の下方に位置する)リフトピンのために、2124Aおよび2124B等の穴が、依然としてチャック表面内に提供されることができるが、基板がチャック表面の上方で浮揚するので、そのような穴を覆うコーティング内のムラまたは非一様性の存在が、低減もしくは排除されることができる。このようにして、領域4002A-4002Dの間の内部領域さえも、アクティブ領域として利用され、生産性を向上させ、より大型の連続アクティブデバイスの製造を可能にし得る。さらに他の実施例のように、加圧ガスポートおよび真空ポートの組み合わせが、他の場所で示され、説明されるように、使用されることができる。例えば、基板4000は、領域4004中に示されるような領域2124A-2124Nの中等で、1つ以上の真空ポート(例えば、円形ポート、または例えば、スロット)によって等、保たれることができる。
【0056】
上述のように、そのような領域4004は、再び、基板4000の周囲を含むことができる。例証的実施例では、基板4000と任意の固定具との間の物理的接触は、概して、堆積(例えば、基板4000上での材料の印刷)、保持、処置、もしくは他の処理のうちの1つ以上のもの中等の他の処理動作中、そのような周囲領域4004に制限されることができる。そのような領域4004は、例えば、100ミリメートルまたは200ミリメートルだけ基板の縁から内向きに延びることができる。他の場所では、基板は、1つ以上の加圧ガスポートを使用して、少なくとも部分的に領域4002で支持されることができる。基板が周囲領域4004で物理的に支持され、かつ中心領域4002で少なくとも部分的に加圧ガスによって支持されることができるため、真空ポートおよび加圧ガスポートのそのような組み合わせは、大型基板4000に必要以上の応力を及ぼすことを回避することができる。このようにして、基板4000が、製作されている単一の大型ディスプレイを含むか、またはいくつかのより小型のディスプレイを含むかどうかは問題ではない。したがって、加圧ガスを用いて(例えば、中心で)基板4000を支持している間、接触が基板4000の周囲領域4004に制限されることができるので、一般的なコンベヤまたは浮揚式テーブル構成が、種々の異なるディスプレイ構成に使用されることができる。
【0057】
基板4000がガスクッションによってのみ支持されることができる処理では、陽ガス圧および真空の組み合わせが、ポートまたは分散領域の配列を通して印加されることができる。圧力および真空制御の両方を有する、そのようなゾーンは、浮揚式テーブルまたはプラットフォームと基板4000との間に流体ばねを効果的に提供することができる。陽圧および真空制御の組み合わせは、双方向剛性を伴う流体ばねを提供することができる。基板(例えば、基板4000)と表面との間に存在する間隙は、「飛行高度」と称されることができ、そのような高度は、陽圧および真空ポート状態を制御することによって制御または別様に確立されることができる。このようにして、基板の向きは、印刷、保持、処置、もしくは他の処理のうちの1つ以上のもののため等に、慎重に制御されることができる。
【0058】
飛行高度が精密に制御される必要がない場所等の他の場所では、圧力単独浮揚ゾーンが、コンベヤに沿って、または他の場所等で、提供されることができる。「遷移」ゾーンが、コンベヤまたはテーブルに沿って等、真空ノズルもしくは面積に対する圧力ノズルもしくは面積の比が次第に増加または減少する場所等で提供されることができる。例証的実施例では、公差内で、3つのゾーンが本質的に1つの平面内に位置することができるように、圧力・真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力単独ゾーンの間に本質的に一様な高度があり得る。他の場所で圧力単独ゾーンの上の基板4000の飛行高度は、基板が圧力単独ゾーン内の浮揚式テーブルと衝突しないように十分な高度を可能にするため等に、圧力・真空ゾーンの上の基板4000の飛行高度より大きくあり得る。
【0059】
例証的実施例では、基板は、圧力単独ゾーンの上方に約150マイクロメートル(μ)
~約300μ、次いで、圧力・真空ゾーンの上方に約10μ~約50μの飛行高度を有することができる。例証的実施例では、浮揚式プラットフォームもしくはテーブルのうちの1つ以上の部分は、NewWay(登録商標) Air Bearings(Aston,Pennsylvania,United States of America)またはCoreflow(Israel)によって提供される「空気ベアリング」アセンブリを含むことができる。基板のガス加圧支持の実施例が、
図5に関して議論されるが、そのような技法は、他の運搬または支持アプローチに加えて、もしくはその代わりに使用されることができる。
【0060】
図6は、概して、エンクロージャ内で制御された環境を確立または維持するため等に、本明細書に説明される1つ以上の他の実施例の一部または全体に関して使用されることができる、ガス精製方式の概略図を図示する。例えば、ガスエンクロージャシステム502は、ガスエンクロージャアセンブリ100(例えば、制御された環境を有するエンクロージャ)と、ガスエンクロージャアセンブリ100と流体連通しているガス精製ループ130と、(例えば、本明細書の他の実施例では温度コントローラと称されることができるような)熱調整システム140とを含むことができる。
【0061】
システム502は、本明細書に説明される種々のコーティングシステム実施例のため等の基板浮揚式テーブルまたは他の加圧ガスデバイス等の種々のデバイスを操作するためのガスを供給することができる、加圧ガス再循環システム300を含むことができる。加圧ガス再循環システム300は、圧縮機、送風機、もしくは両方を含むか、または使用することができる。加えて、ガスエンクロージャシステム502は、ガスエンクロージャシステム502の内部に循環および濾過システム(例えば、本明細書の他の実施例で説明されるような1つ以上のファンフィルタユニット(FFU))を有することができる。
【0062】
1つ以上のダクトもしくはバッフルが、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のために別様に濾過され内部で循環させられる非反応性ガスから、ガス精製ループ130を通して循環させられる非反応性ガスを分離することができる。例えば、ガス精製ループ130は、ガスエンクロージャアセンブリ100からの出口ライン131を含むことができる。溶媒除去構成要素132が、溶媒排除のために提供されることができ、精製されるガスは、溶媒除去構成要素132からガス精製システム134へ送られることができる。溶媒、ならびにオゾン、酸素、および水蒸気のうちの1つ以上のもの等の他の反応性ガス種を除去して精製されたガスは、入口ライン133を通して等、ガスエンクロージャアセンブリ100に戻るように循環させられることができる。
【0063】
ガス精製ループ130は、監視または制御デバイスと連動するため等に、適切な導管および接続を含むことができる。例えば、オゾン、酸素、水蒸気、または溶媒蒸気センサが、含まれることができる。ファン、送風機、もしくは他の配列等のガス循環ユニットが、別個に提供されるか、またはガス精製ループ130を通してガスを循環させるため等に、例えば、ガス精製システム134に組み込まれることができる。
図6の説明図では、溶媒除去構成要素132およびガス精製システム134は、別個のユニットとして示されている。しかしながら、溶媒除去構成要素132およびガス精製システム134は、単一のユニットとしてともに収納されることができる。
【0064】
図6のガス精製ループ130は、ガスエンクロージャアセンブリ100から循環させられるガスが、出口ライン131を介して等、溶媒除去構成要素132を通過することができるように、ガス精製システム134の上流に配置される溶媒除去構成要素132を有することができる。実施例では、溶媒除去構成要素132は、溶媒除去構成要素132を通過するガスから溶媒蒸気を吸収することに基づく、溶媒トラップシステムを含むことができる。例えば、活性炭、分子篩等の1つもしくは複数の吸着剤の床が、多種多様な有機溶媒蒸気を効果的に除去することができる。別の実施例では、溶媒除去構成要素132の一部分として溶媒蒸気を除去するために、冷却トラップ技術が使用されることができる。ガスエンクロージャシステム502等のガスエンクロージャシステムを通して連続的に循環するガスからのそのような種の除去を監視するために、オゾン、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサ等のセンサが使用されることができる。例えば、そのようなセンサまたは他のデバイスから得られる情報は、例えば、1つまたは複数の吸着剤の床が再生もしくは交換されることができるように、活性炭、分子篩等の吸着剤が、容量に達した、もしくは別様にあまり効果的でなくなったときを示すことができる。
【0065】
分子篩の再生は、分子篩を加熱すること、分子篩をフォーミングガスと接触させること、それらの組み合わせ等を伴うことができる。例えば、オゾン、酸素、水蒸気、または溶媒を含む種々の種をトラップするように構成される分子篩は、加熱およびフォーミングガスへのばく露によって再生されることができる。例証的実施例では、そのようなフォーミングガスは、水素を含むことができ、例えば、フォーミングガスは、約96%窒素および約4%水素を含み、該割合は、体積または重量によるものである。活性炭の物理的再生は、制御された環境下で加熱の手順を使用して行われることができる。
【0066】
ガス精製ループ130のガス精製システム134の一部分は、例えば、MBRAUN Inc.(Statham,New Hampshire)またはInnovative Technology(Amesbury,Massachusetts)から入手可能なシステムを含むことができる。ガス精製システム134は、ガスエンクロージャシステム502内の1つ以上のガスを除去して精製するため、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ内のガス雰囲気全体を除去して精製するために使用されることができる。上記のように、ガス精製ループ130を通してガスを循環させるために、ガス精製システム134は、例えば、ファンまたは送風機等のガス循環ユニットを有することができる。ガス精製システムは、ガス精製システムを通して非反応性ガスを移動させるための体積流速を定義することができるエンクロージャの容積に応じて選択または構成されることができる。例証的実施例では、ガスエンクロージャアセンブリを有するガスエンクロージャシステムは、約4立方メートルの容積を含むことができ、毎時約84立方メートルを移動させることができる、ガス精製システムが使用されることができる。別の例証的実施例では、ガスエンクロージャアセンブリを有するガスエンクロージャシステムは、約10立方メートルの容積を含むことができ、毎時約155立方メートルを移動させることができるガス精製システムが使用されることができる。さらに別の例証的実施例では、約52~約114立方メートルの容積を有するガスエンクロージャアセンブリ、1つより多くのガス精製システムが使用されることができる。
【0067】
ガスフィルタ、乾燥機、または他の精製デバイスが、ガス精製システム134に含まれることができる。例えば、ガス精製システム134は、デバイスのうちの1つが保守のためにラインから取り出されることができ、中断なくシステム動作を継続させるために、他のデバイスのうちの1つ以上のものが使用されることができるように、並列構成で、もしくは別様に配列されるような、2つ以上の精製デバイスを含むことができる。例えば、ガス精製システム134は、分子篩のうちの1つが不純物で飽和し、または別様に十分効率的に動作していないと見なされるときに、飽和もしくは非効率的分子篩を再生しながら、本システムが他の分子篩に切り替えることができるように、少なくとも第1の分子篩および第2の分子篩等の1つ以上の分子篩を備えていることができる。各分子篩の動作効率を決定するため、異なる分子篩の動作を切り替えるため、1つ以上の子篩を再生するため、もしくはそれらの組み合わせのために、制御ユニットが提供されることができる。前述のように、分子篩は、再生および再利用されることができる。
【0068】
図6の熱調整システム140は、ガスエンクロージャアセンブリの中へ冷却剤を循環さ
せるための流体出口ライン141と、冷却剤を冷却装置に戻すための流体入口ライン143とを有することができる少なくとも1つの冷却装置142を含むことができる。少なくとも1つの流体冷却装置142が、ガスエンクロージャシステム502内のガス雰囲気を冷却するために提供されることができる。例えば、流体冷却装置142は、冷却された流体をエンクロージャ内の熱交換器に送達することができ、ガスは、エンクロージャの内部の濾過システムを通り越させられることができる。少なくとも1つの流体冷却装置は、ガスエンクロージャシステム502内に囲い込まれた装置から発生する熱を冷却するために、ガスエンクロージャシステム502に提供されることもできる。例証的実施例では、流体冷却装置は、コーティングシステムから発生する熱を冷却するために、ガスエンクロージャシステム502のために提供されることもできる。熱調整システム140は、熱交換またはペルチェデバイスを含むことができ、種々の冷却能力を有することができる。例えば、冷却装置は、約2キロワット(kW)~約20kWの容量の冷却能力を提供することができる。種々の実施例によると、ガスエンクロージャシステム502は、1つ以上の流体を冷却することができる複数の流体冷却装置を有することができる。流体冷却装置は、熱伝達媒体として、例えば、水、不凍剤、冷媒、またはそれらの組み合わせ等の種々の流体を使用することができる。関連導管およびシステム構成要素の接続において、漏出がない係止接続が使用されることができる。
【0069】
上記の実施例は、冷却能力および冷却用途を記述するが、上記の実施例は制御された環境内での基板のバッファリングを含む用途に適用されること、または、製作されている基板からの不要な熱伝達を回避すること、または基板にわたるもしくは基板の間の温度一様性の妨害を回避すること等のために、システムの他の部分に類似する温度で循環ガスを維持することができる用途に適用されることもできる。
【0070】
図7は、概して、浮揚ベースの支持または運搬システムの一部分として含まれる浮揚制御ゾーンを確立するため等に、1つ以上のガスもしくは空気源を統合および制御するためのシステム505の少なくとも一部の実施例を図示する。そのようなシステム505は、ガスクッションを確立することによって基板を支持するように構成される種々の領域を有するようなテーブル2250を含むことができる。本例証的実施例では、領域2100、2200、および2300は、例証のみのために、入力、印刷、および出力と称されることができる。そのような領域は、基板の運搬、または保持、乾燥、焼き付け、もしくは他の処置のうちの1つ以上のものの間等の基板の支持、または他の実施例による基板の他の処理等の他の処理ステップに使用されることができる。
図7の説明図では、第1の送風機3284Aは、浮揚式テーブル装置の入力または出力領域2100もしくは2300のうちの1つ以上のものの中に加圧ガスを提供するように構成される。そのような加圧ガスは、第1の熱交換器1502Aに連結された第1の冷却装置142Aを使用して等、温度制御されることができる。そのような加圧ガスは、第1のフィルタ1503Aを使用して、濾過されることができる。温度モニタ8701Aが、第1の冷却装置142(または他の温度コントローラ)に連結されることができる。
【0071】
同様に、第2の送風機3284Bが、浮揚式テーブルの印刷領域2200に連結されることができる。別個の冷却装置142Bが、第2の熱交換器1502Bおよび第2のフィルタ1503Bを含むループに連結されることができる。第2の温度モニタ8701Bが、第2の送風機3284Bによって提供される加圧ガスの温度の独立した調整を提供するために使用されることができる。本例証的実施例では、入力および出力領域2100および2300は、陽圧を供給されるが、印刷領域2200は、基板位置に対する精密制御を提供するように、陽圧および真空制御の組み合わせの使用を含むことができる。例えば、陽圧および真空制御のそのような組み合わせを使用して、基板は、印刷領域2200によって画定されるゾーン内でシステム504によって提供される浮揚ガスクッションを使用して、排他的に制御されることができる。真空は、送風機筐体3282内の第1および第2の送風機3284Aまたは3284Bのためのメイクアップガスの少なくとも一部分も提供される等、第3の送風機3290によって確立されることができる。
【0072】
図8Aおよび8Bは、堆積(例えば、印刷)、保持、もしくは処置プロセスのうちの1つ以上のものの間等に基板を支持する加圧ガスクッションと、
図8Cの結果として生じる処理される基板4006Cにおける対応する一様性とを確立することができる、チャックまたはテーブル構成の例証的実施例を含む。
図8Aは、概して、堆積、保持動作、材料分散または流動動作、もしくは処置プロセスのうちの1つ以上のものの間等に、基板4006Bを支持する加圧ガスクッションを確立するように構成されるポートを含む、チャック2420B構成の実施例を図示する。本アプローチでは、基板4006Bが種々のプロセス中にチャック2420Bの熱的に非一様な特徴に接触するように要求されないので、基板4006Bは、大きく高度に可視的なムラを回避することができる。領域2406A中の第1のポート密度および領域2406B中の第2のポート密度を有するような、異なるポート構成が使用されることができる。
【0073】
本明細書の他の実施例で記述されるように、領域2406Aおよび2406Bのアレイの中等で真空および加圧ガスポートの組み合わせを使用することによって等、飛行高度「h」が確立されることができる。例えば、ポートの各行において、ポートは、真空ポートまたは加圧ガスポートとして割り当てられることを交互することができる。このようにして、高度hの精密な制御が確立されることができ、基板4006Bは、チャック表面に対してz次元で確立されることができる。本明細書の他の実施例のように、機械的係留および加圧ガスの組み合わせも使用されることができる。例えば、1つ以上の側方停止部もしくはバンパを使用することによって等、(例えば、チャックの表面と平行な方向への)基板4006Bの横運動が制限されることができ、周辺において基板に係合するような1つ以上のローラもしくはグリッパを使用して、基板4006Bの運搬が促進されることができる。
【0074】
図8Bは、概して、
図8Cに示されるような結果として生じる基板4006Cにおいて一様性を提供する等、堆積、保持、処置、もしくは他の処理のうちの1つ以上のものの間に分散圧力を確立するため等に、多孔質媒体1906を含む、チャック構成の実施例を図示する。本明細書の他の実施例に関して記述されるように、チャック2420Cまたは浮揚式プラットフォームに連結されるか、もしくはその一部として含まれる多孔質媒体1906「プレート」は、
図8Aに示されるような大型開口を使用することなく、ムラまたは他の可視的欠陥の形成を低減させ、もしくは最小限にした、
図8Cに示される基板4006Cを提供する等、基板4006Cを支持するように「分散」加圧ガスクッションを提供することができる。本明細書の他の実施例に関して記述されるように、チャック2420Cに連結されるか、またはその一部として含まれる多孔質媒体1906「プレート」は、
図8Aに示されるような個々の開口を使用することなく等、処理中に基板4006Cを一様に浮揚させるように「分散」圧力を提供することができる。
【0075】
基板4006Cの全体、またはディスプレイ領域もしくはディスプレイ領域の外側の領域等の基板の特定の領域を占有するように特定される、物理的寸法を有するような、多孔質媒体1906、または本明細書の他の場所で記述されるような類似分散圧力もしくは真空領域は、Nano TEM Co.,Ltd.(Niigata,Japan)等から入手されることができる。そのような多孔質媒体は、保持、処置、または他の処理中等にムラもしくは他の可視的欠陥を低減または排除しながら、特定のエリアにわたって揚力を提供するように特定される細孔径を含むことができる。理論によって拘束されるわけではないが、多孔質媒体の使用は、基板の表面にわたり、またはコーティングもしくはフィルム層の反対側の表面上で、非一様な熱プロファイルまたは静電場プロファイルに関連付けられるムラもしくは他の可視的欠陥を低減または排除することによって等、基板4006C上のコーティングまたはフィルム層の一様性を高めることができると考えられる。多孔質媒体は、ガスクッションを提供するため等に、空気供給源に連結されることができるか、または、種々の多孔質媒体領域が、空気供給源および真空供給源にそれぞれ連結されることができ、
図7に関して上述したように、1つ以上の特定のゾーン内等で制御された「飛行高度」を有するガスクッションを提供する。分散圧力供給源を提供して、チャック表面の上方に基板を浮揚させるために、そのような多孔質媒体が使用される場合、リフトピン用の(例えば、後退したリフトピン用の)孔の存在は、基板がガスクッションによって支持されている間に生成される、結果として生じるコーティングに可視的欠陥を引き起こす必要はなく、したがって、基板面積のより広い部分をアクティブ領域のために利用可能にする。
【0076】
図9は、概して、基板上のコーティングを処置する際に使用することができるような、光に基板をさらすように構成されることができるような処置システムを図示する略図の実施例を図示する。処置システムは、硬化プロセスで使用するため、または液体インク層を凝固させて固体層を提供するように液体インク層を焼き付けることもしくは乾燥させることのうちの1つ以上を含む動作を行うため等の、本明細書に説明される他のシステムまたは技法の一部として含まれることができる。処置システムは、エネルギーを基板4000の表面に結合するように構成されるような光源アセンブリ912を含むことができる。源アセンブリは、紫外線(UV)、赤外線(IR)、もしくは可視光のうちの1つ以上のものを放射するように構成される源を含むことができる。他の実施例のように、処置システム8314は、特定の最大レベルの粒子状物質または反応性汚染物質を有する環境を提供するため等に、1つ以上のガス精製ループによって提供され、1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)に連結されるような制御された環境を含むことができる。
【0077】
基板4000は、本明細書に説明される他の実施例に関して記述されるような浮揚式テーブル運搬配列を使用して等、処置システム8314に運搬されることができる。テーブル920が、他の実施例で記述されるようなガスクッション配列を使用して等、基板4000を支持するために使用されることができる。基板4000が処置後に(例えば、基板4000上のパターン化固体層の形成後に)ハンドラのエンドエフェクタによって操作されることができるように、1つ以上のリフトピンが、基板4000をさらに上昇させるため等に使用されることができる。
【0078】
紫外線処置を伴う例証的実施例では、源910A-910N等の源のアレイは、約350ナノメートル~約400ナノメートルの範囲から選択される波長を含むような紫外線エネルギーを提供することができる。例えば、約385ナノメートルまたは約395ナノメートルの波長が使用されることができる。源は、比較的少数の高出力源を使用するか、または比較的低出力の源のアレイを使用する等、種々の構成を含むことができる。源は、紫外線発光ダイオード(UV LED)等の一般的に入手可能な紫外線エミッタ、もしくは1つ以上の水銀アーク源等の1つ以上の水銀系デバイスを含むことができる。別の実施例では、源910A-910Nは、可視光もしくは赤外線放射のうちの1つ以上のものを放射することができるようなランプもしくは他の源を含むことができる。例えば、基板は、赤外線放射源のアレイを使用して等、熱処置されることができる。
【0079】
実施例では、源アセンブリ912の基板または筐体918は、液体もしくは空気冷却されることができる。例えば、源アセンブリ912の一部を横断して、もしくはそれを通して空気を推し進めるように、送風機915等の1つ以上の送風機を有するような、プレナム914が提供されることができる。そのような冷却ループは、処置システム8314内の制御された環境から分離されることができる。源910A-910Nを包囲する環境は、処置システム8314の制御された環境を含むことができ、または源910A-910Nを包囲する環境は、エネルギーが源エンクロージャから処置システム8314に通過することを可能にする窓916を有するような別個のエンクロージャを形成することができる。このようにして、源エンクロージャの保守は、処置システム8314内の制御された環境を妨害する必要はない。
【0080】
窓916は、一様に透過性である必要はない。例えば、窓は、エネルギーを収束し、発散し、または平行にする光学部を含むことができるか、もしくはそれらに連結されることができる。別の実施例では、窓916は、基板の特定の領域内等で、基板4000の平面内で送達されるエネルギーの非一様な電力密度を反転させるか、または別様に補償するため等に、窓のエリアにわたって特定の様式で変動する透過特性を含むことができる。
図9の実施例では、窓および源910A-910Nは、平面構成で配列されるものとして示されているが、円筒形、放物線、または球状構成等の他の構成が可能である。実施例では、源910A-910Nは、基板4000の一部として製作されているデバイスをカプセル化するように1つ以上の有機材料層を処置するために使用されることができる。そのようなデバイスの実施例は、電子回路、太陽電池、プリント回路基板、およびフラットパネルディスプレイを含むことができる。そのような処置は、波長の特定の範囲内の紫外線エネルギーの特定の線量を提供することと、基板4000の特定のエリアにわたって特定の一様性を有することとを含むことができる。
【0081】
処置プロセスは、概して、単位面積あたりのエネルギー(例えば、1平方センチメートルあたりのジュール)に関して特定される等、紫外線ばく露の所望の線量または線量範囲に関して確立されることができる。線量は、入射電力密度をばく露持続時間で乗算することによって等、計算されることができる。トレードオフが、強度(例えば、入射電力)とばく露持続時間との間に存在し得る。例えば、比較的高出力の源が使用されることができ、処理時間を有益に短縮する、比較的短いばく露持続時を使用して、所望の線量が達成されることができる。しかしながら、例えば、高出力UV照射が、ディスプレイアセンブリの他の部分を損傷し、または劣化させ得るので、そのような損傷または劣化を回避するため等に、紫外線源によって基板において提供される電力密度に対して限界が存在し得る。
【0082】
基板4000の表面にわたるコーティング層特性の変動を回避するため等に、送達される紫外線エネルギーの一様性も制御されることができる。一様性は、基板4000の特定の硬化エリアにわたって最高から最低入射電力または線量まで20%以下の変動の値を有する、もしくは基板4000の特定の硬化エリアにわたって最高から最低入射電力または線量まで50%以下の変動の値を有する、もしくは基板4000の特定の硬化エリアにわたって最高から最低入射電力または線量まで10%以下の変動の値を有する等、入射電力または送達線量に関して特定されることができる。
【0083】
種々の源構成が、源910A-910Nに使用されることができる。例えば、線形アレイまたは「バー」源が、
図10Aの構成8315で示されるように使用されることができる。そのようなバー構成は、基板4000に向かった方向にエネルギーを集束させるため、または平行にするため等に、精密反射体を含むことができる。別の実施例では、そのようなバー構成は、拡散器もしくは透過型フィルタのうちの1つ以上のものを含むことができるか、または2次元アレイ構成が使用されることができる。これらの源構成のうちの1つ以上のものは、機械的に固定されること、もしくは基板の表面を横断して走査されることができる。そのような実施例では、基板4000または源910A-910Nのいずれか一方もしくは両方が走査されることができる。例えば、源910A-910Nは、固定されることができ、基板4000は、基板4000と源910A-910Nとの間の相対的運動を生成して走査を達成するため等に、位置を移されることができる。
【0084】
図10Aおよび10Bは、概して、基板上のコーティングの処置に使用することができるような、光源の線形構成を含むことができる処置システム8315の少なくとも一部の
実施例を図示する。実施例では、処置システム8315は、源の線形アレイ構成910を含むことができる。線形アレイ910は、基板4000の特定の領域を横断して放射ビーム922(例えば、紫外線放射)を掃引するように、少なくとも1つの軸において走査されることができる。例証的実施例では、そのような領域は、実施例では有機モノマー系インクであり得る液体インクが、堆積させられており、紫外線光で硬化または別様に処置されるべき領域を含むことができる。そのような走査は、処置中等に、基板4000または線形アレイ910のいずれか一方もしくは両方の一の移動を通して、達成されることができる。線形アレイ910が、基板4000を収納するチャンバ8314から分離しているエンクロージャの中に位置する場合等、窓916が使用されることができる。そのような窓916は、光学部もしくはフィルタのうちの1つ以上のものを含むことができるか、もしくはそれに連結されることができる。
【0085】
線形アレイ910は、より少ない源(例えば、例証的実施例では約5~約10個のUV LED源)という利点を提供することができる。しかし、そのような線形のエリア910は、機械的走査が基板4000の特定のエリアの全体にばく露を提供するために使用される場合、追加のシステム複雑性をもたらし得る。機械的走査は、部分的に、線形アレイ910が基板の1つの軸と少なくとも同じくらい幅広いまたは長いことを特定することによって、単純化されることができる。このようにして、単一の軸のみにおいて線形アレイ910「ガントリ」を走査しながら、基板4000の幅または長さ全体が、光放射で処置されることができる。線形アレイ910は、上記のような精密反射体構成を含むことができる。例証的実施例として、線形アレイ910によって照射される区域の一様性を高める反射体構成を含むような、395nm波長またはその付近における光を供給する高出力UV LEDライトバーが、Phoseon Technology(Hillsboro,Oregon,USA)から入手可能である。そのような精密反射体に加えて、またはその代わりに、窓916の近くに静的に構成されるか、または窓916の一部として含まれるようなフィルタもしくは拡散器のうちの1つ以上のものが使用されることができる。別の実施例では、フィルタもしくは拡散器のうちの1つ以上のものが、線形アレイ910の一部として機械的に走査されるような、線形アレイ910アセンブリの一部として含まれることができる。実施例では、線形UV源によって供給される電力密度は、20mW/cm2~400mW/cm2である。
【0086】
図10Bでは、基板4000の上向きの部分からの線形アレイ910源高度は、「H」によって表されることができ、アレイ910によって放出される光学エネルギーと基板との間の相対速度は、「V」によって表されることができる。速度は、ガスのクッション上で基板を浮揚させることによって、または基板を支持するチャック920を移動させることによってのいずれか一方等、基板4000に対してアレイ910を移動させる(例えば、アレイを機械的に走査する)こと、もしくはアレイに対して基板4000を移動させることのうちの1つ以上によって、確立されることができる。照射された幅は、「W」によって表されることができ、そのような幅は、Hが増加すると増加し、Hが減少すると減少する。線量モデル化に対して、アレイ910の幅は、アレイ910によって照射される基板4000のエリアを推定するために、照射された幅Wで乗算されることができる。
【0087】
概して、本明細書に説明される実施例によって適応されることができる大規模な基板4000を考慮すると、スループットが考慮事項である。したがって、1つの目的は、適切な線量が短いまたは最小時間量で送達される様式において、光線量を提供することであり得、これはまた、源からのエネルギーに対するばく露を低減させるかまたは最小限にすることを通して、もしくは、単に基板が処理されている時間を短縮するか、または最小限にすることを通してのいずれかで、基板4000の他の部分を損傷する可能性も低減させ得る。しかしながら、種々の処理パラメータの間にトレードオフが存在し得、速度、エネルギーの線量、源高度Hは、概して、恣意的に確立されない。
【0088】
上記の実施例は、印刷された液体インク層を処置することによって固体コーティング層を提供するため等に、光を使用する基板の処置のための種々の技法を記述する。基板を加熱または冷却すること、基板を放射で焼き付けるまたは乾燥させること、コーティングシステムの他の部分と比較してより高い圧力のガス流の使用、真空(または部分真空)の使用、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを含むことができるような、他の処置技法が使用されることができる。そのような処置は、キャリア流体の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥もしくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、もしくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)のうちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するために、液体インクの凝固をもたらすことができる。本明細書の他の実施例に関して記述されるように、基板を支持する加圧ガス使用の制御された温度、もしくは
図13Bに関して例証的に示されるような基板の表面を横断して確立されるようなガス流(例えば、層流)のうちの1つ以上のものを使用して、温度制御が達成されることができる。
【0089】
図11Aおよび11Bは、概して、コーティングシステムの一部として含まれることができるか、またはコーティングシステムによる処理前もしくは後に基板を操作するために使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの一部の図を図示する。システムの種々のエンクロージャ内の制御された環境は、制御された粒子状物質レベルを含むことができる。粒子状物質は、ファンフィルタユニット(FFU)と称することができるような空気循環ユニットおよびフィルタを使用することによって等、低減させられ、または最小限にされることができる。FFUのアレイは、処理中に基板によって横断される経路に沿って位置することができる。FFUは、空気流の下降流方向を提供する必要はない。例えば、基板の表面にわたり横方向へ実質的に層流の流動を提供するように、FFUまたは配管が位置付けられることができる。横方向へのそのような層流は、粒子状物質制御を増進または別様に提供することができる。
【0090】
図11Aまたは
図11Bの実施例では、FFU1500A、1500B、1500C-1500F等の1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)は、制御されたレベルの粒子状物質または汚染物質を有する環境を移送モジュール1400A内で維持することを支援するために、使用されることができる。第1および第2のダクト5201Aまたは5201B等のダクトは、
図11Aの下流実施例で示されるような帰還空気経路を提供するため等に、使用されることができる。1つ以上の熱交換器1502に連結されるような温度コントローラ8700を少なくとも部分的に使用して、制御された温度が維持されることができる。温度モニタ8701等の1つ以上の温度モニタが、基板または基板の近くの領域を温度の特定の範囲内で維持することを支援するフィードバックを提供するために、特定の場所に(例えば、基板またはエンドエフェクタの上もしくは近くに)配置されることができる。実施例では、以下で議論されるように、温度モニタは、センサによってサンプリングされる表面温度を示す情報を提供するように構成される赤外線温度モニタ等の非接触センサであり得る。
図13Bで例証的に示されるようなチャンバの下部分の中の帰還空気ダクト内に、またはその近くに熱交換器を配置することを含むことができるような、他の構成が可能である。
【0091】
図12は、概して、コーティングシステムの一部として含まれることができるか、またはコーティングシステムによる処理前もしくは後に基板を操作するために使用されることができる、移送モジュールのさらなる実施例を含むようなシステムの一部を図示する。
図11Aの実施例のように、移送モジュール1400Bは、1500A-1500N等の1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)(例えば、14個のFFU)を含むことができる。
図11Aの移送モジュール1400Aのハンドラ1410Aと対照的に、移送モジ
ュール1400B内のハンドラは、軸に沿ってハンドラの線形平行移動を提供するため等に、トラック構成を含むことができる。広範囲の他のチャンバまたはモジュールが、各他のモジュールまたはチャンバが単一の点から放射状に広がる様式で連結されることを要求することなく、クラスタ化構成等で、移送モジュール1400Bに連結されることができる。1つ以上のダクトが、ハンドラの運動の範囲外の領域で、移送モジュール1400Bの部分の中に位置することができる。例えば、そのような場所は、移送モジュール1400Bの下部分からFFUアレイの上方のプレナムまで上向きにガス(例えば、窒素)を運ぶ帰還ダクトを提供するために使用されることができる。
【0092】
図13Aおよび13Bは、概して、基板の処理または保持に使用されることができる基板4000のエリアの積層構成を含むことができるようなシステムの少なくとも一部分の図を図示する。処理モジュール1200のポートは、ドア3301等の1つ以上のドアもしくはハッチを含むことができる。例えば、そのようなドアは、製作システムの外部にアクセス可能なドアが、システム上またはシステム内の他の場所の対応するドアが閉鎖されない限り開放されることができないように、機械的または電気的に連動させられることができる。例えば、ドア3301が、保守を行うために使用されることができるが、処理モジュール1200は、不活性環境、または製作システムの他の囲まれた部分内の粒子状物質もしくは汚染物質を制御された環境から別様に分離される。
【0093】
上記のように、粒子状物質または汚染物質を制御された環境は、少なくとも部分的に1つ以上のFFU1500を使用して、維持されることができる。
図13Bの実施例では、基板を含むことができる1つ以上のセル3350のうちの各々を横断する実質的に層流のガス(例えば、非反応性ガス)流を維持するため等に、クロスフロー構成が使用される。熱交換器1502は、FFU1500の近くに、またはその一部として位置することができるが、その必要はない。例えば、熱交換器1502は、帰還ダクト5201の内に、またはその一部として含まれる等、基板取り扱いエリアの下方に位置することができる。温度センサ8701に連結されるような温度コントローラ8700によって、温度が制御されることができる。ダクト5201の部分の曲線状外形は、処理モジュール1200内の特定の流動特性(例えば、層流)を維持するため等に、少なくとも部分的に計算流体力学的技法を使用して、特定されることができる。
【0094】
本システムの別の部分が基板を受け取る準備ができるまで等、そのような基板を列に並ばせることに加えて(または基板を列に並ばせる代わりに)、処理モジュール1200は、例えば、乾燥機能を提供することによって、または基板が1つの状態から別の状態に発達することを可能にするよう、特定の持続時間にわたって(または特定の基準が満たされるまで)基板を保持することによって、基板製作プロセスに機能的に参加することができる。基板を発達させる目的で保持する場合において、例えば、基板は、液体が沈殿または流動することを可能にするよう、保持されることができる。そのような発達中の基板の温度は、
図13Bに示されるように、基板の面にわたり流動するように提供されることができる層流等の基板表面にわたる温度制御されたガス流の制御された適用を通して、制御されることができる。
【0095】
一般に、保持モジュール温度は、本システムの他の部分の中、またはそれを包囲する環境の温度と同一である必要はない。別の実施例では、基板は、温度制御されたガスのクッション上に置かれることができる(放射焼き付けまたは乾燥、対流焼き付けまたは乾燥、もしくは化学反応を誘発するため等に光に基板をさらすこと、およびこれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを含む、処置動作等の印刷、保持、もしくは他の動作等の1つ以上のもののために、ガスの浮揚クッションを使用して、基板が支持される場合等の、本明細書に説明される他の実施例と同様に)。
【0096】
処理モジュール1200内の基板を乾燥させる場合において、制御された環境は、蒸気トラップまたはガス再循環および精製システムにより、蒸発した蒸気の連続除去を提供することができ、乾燥プロセスはさらに、
図13Bに示されるように、基板の面にわたり流動するように提供されることができる層流等の基板表面にわたりガス流の制御された適用を通して、制御されることができる。
【0097】
(実施例)
(種々の注釈および実施例)
実施例1は、基板上にコーティングを提供する方法を含むことができるような、主題(行為を行うための装置、方法、手段、またはデバイスによって行われると、デバイスに行為を行わせることができる命令を含む、デバイス読み取り可能な媒体等)を含むか、または使用することができ、本方法は、基板の第1の側における特定の領域内に固体層を提供するように構成されるコーティングシステムに基板を移送することであって、固体層は、基板の少なくとも一部を被覆している、ことと、特定の領域と反対側の基板の第2の側に提供されているガスクッションを使用して、コーティングシステム内で基板を支持することと、基板がガスクッションによって支持されている間に、印刷システムを使用して、印刷ゾーン内に位置する基板を伴って、基板の特定の領域を覆って液体コーティングを印刷することと、ガスクッションを使用して基板を支持し続けながら、基板を処置ゾーンに運搬することと、ガスクッションを使用して基板を支持し続けながら、特定の領域内において基板上に固体層を提供するために、コーティングシステム内で液体コーティングを処置することとを含む。
【0098】
実施例2は、随意に、固体層が、カプセル化構造の少なくとも一部を備え、基板が、電子デバイスを備え、カプセル化構造が、基板上で電子デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立されることを含むように、実施例1の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0099】
実施例3は、随意に、液体コーティングを処置することが、液体コーティングを重合することを含むことを含むように、実施例1または2のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0100】
実施例4は、随意に、ガスクッションを使用して基板を支持し続けながら、液体コーティングを印刷した後、特定の持続時間にわたって基板を保持することを含むように、実施例1から3のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0101】
実施例5は、随意に、特定の持続時間にわたって基板を保持するための保持ゾーンに基板を運搬することを含むように、実施例4の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0102】
実施例6は、随意に、ガスクッションを使用して複数の基板を保持および支持するように構成されている保持ゾーンを使用することを含むように、実施例5の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0103】
実施例7は、随意に、液体コーティングを処置することが、液体コーティングに光を照射することを含むことを含むように、実施例1から6のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0104】
実施例8は、随意に、光が紫外線(UV)光を含むことを含むように、実施例7の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0105】
実施例9は、随意に、液体コーティングに光を照射することが、液体コーティングを放射で焼き付けることを含むことを含むように、実施例7の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0106】
実施例10は、随意に、液体コーティングに光を照射することが、液体コーティングを放射で乾燥させることを含むことを含むように、実施例7の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0107】
実施例11は、随意に、液体コーティングを処置することが、基板を赤外線放射にさらすこと、または温度制御されたガス流にさらすことのうちの1つ以上を含むことを含むように、実施例1から10のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0108】
実施例12は、随意に、基板の第1の側における特定の領域が、電子デバイスを備えている基板のアクティブ領域と重複し、ガスクッションが、アクティブ領域と反対側の基板の第2の側に提供されることを含むように、実施例1から11のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0109】
実施例13は、随意に、基板を運搬することが、基板との物理的接触を使用して、基板を係合することまたはつかむことを含むことを含むように、実施例1から12のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0110】
実施例14は、随意に、ガスクッションが、多孔質セラミック材料の上方で基板の第2の側を支持するように、多孔質セラミック材料を通してガスを推し進めることによって確立されることを含むように、実施例1から13のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0111】
実施例15は、随意に、印刷ゾーン内のガスクッションが、加圧ガス領域と少なくとも部分真空との組み合わせを使用して確立されることを含むように、実施例1から14のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0112】
実施例16は、随意に、ガスクッションを確立するために使用される加圧ガスまたは排気ガスのうちの少なくとも1つが、回収されて再循環させられることを含むように、実施例15の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0113】
実施例17は、基板上にコーティングを提供する方法を含むことができるような、主題(行為を行うための装置、方法、手段、または機械によって行われると、機械に行為を行わせることができる命令を含む、機械読み取り可能な媒体等)を含むように、実施例1から16のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができ、本方法は、基板を囲まれたコーティングシステムに移送することであって、囲まれたコーティングシステムは、基板の第1の側における特定の領域内に固体層を提供するように構成され、固体層は、基板上に製作されている電子デバイスの少なくとも一部を被覆している、ことと、特定の領域と反対側の基板の第2の側に提供されているガスクッションを使用して、囲まれたコーティングシステム内で基板を支持することと、基板がガスクッションによって支持されている間に、印刷システムを含む印刷ゾーン内に位置する基板を伴って、基板の特定の領域を覆って液体コーティングを印刷することと、ガスクッションを使用して基板を支持し続けながら、基板を処置ゾーンに運搬することと、ガスクッションを使用して基板を支持し続けながら、特定の領域内において基板上に固体層を提供するために、処置ゾーン内で液体コーティングを処置することとを含む。
【0114】
実施例18は、随意に、液体コーティングを処置することが、固体層を提供するために、液体コーティングを焼き付けることもしくは乾燥させることのうちの1つ以上を含むことを含むように、実施例17の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0115】
実施例19は、随意に、液体コーティングを処置することが、基板を赤外線放射にさらすこと、または温度制御されたガス流にさらすことのうちの1つ以上を含むことを含むように、実施例18の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0116】
実施例20は、随意に、液体コーティングを処置することが、化学反応を誘発することまたは液体コーティングに含まれるキャリア流体を除去することのうちの1つ以上を通して、液体コーティングを凝固させることを含むことを含むように、実施例17から19のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0117】
実施例21は、随意に、固体層が、基板上で電子デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立されているカプセル化構造の少なくとも一部を備えていることを含むように、実施例17から20のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0118】
実施例22は、随意に、ガスクッションを使用して基板を支持し続けながら、基板を保持ゾーンに運搬し、特定の持続時間にわたって基板を保持することを含むように、実施例17から21のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0119】
実施例23は、基板上に固体層を提供するためのコーティングシステムを含むことができるような、主題(行為を行うための装置、方法、手段、または機械によって行われると、機械に行為を行わせることができる命令を含む、機械読み取り可能な媒体等)を含むように、実施例1から22のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができ、本システムは、ガスクッションを使用して基板を支持するように構成され、かつプラットフォームに沿って基板を運搬するように構成されている、プラットフォームと、基板がプラットフォームの印刷ゾーン内に位置している場合、基板が基板の第1の側と反対側の基板の第2の側においてガスクッションによって支持されている間に、第1の側における特定の領域内に液体コーティングを堆積させるように構成されている印刷システムと、基板がプラットフォームの処置ゾーン内に位置している場合、基板がガスクッションによって支持されている間に、堆積した液体を処置することにより、特定の領域内において基板上に固体層を提供するように構成されている、処置システムとを備え、プラットフォームは、印刷ゾーン内での印刷動作中および処置ゾーン内での処置動作中、基板を継続的に支持するように構成される。
【0120】
実施例24は、随意に、固体層が、カプセル化構造の少なくとも一部を備え、基板が、電子デバイスを備え、カプセル化構造が、基板上で電子デバイスの少なくとも一部をカプセル化するように確立されることを含むように、実施例23の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0121】
実施例25は、随意に、処置システムが、光源を含み、源が、液体コーティングを照射して固体層を提供するように構成されることを含むように、実施例23または24のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0122】
実施例26は、随意に、源が、紫外線(UV)源を備えていることを含むように、実施例25の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0123】
実施例27は、随意に、源が、赤外線源を備えていることを含むように、実施例25の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0124】
実施例28は、随意に、処置システムが、液体コーティングを焼き付けることもしくは乾燥させることのうちの1つ以上を行って、固体層を提供するように構成されることを含むように、実施例23から25のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0125】
実施例29は、随意に、処置システムが、化学反応を誘発することまたは液体コーティングに含まれるキャリア流体を除去することのうちの1つ以上を通して、液体コーティングを凝固させるように構成されることを含むように、実施例23から28のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0126】
実施例30は、随意に、プラットフォームが、ガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含み、印刷動作後および処置動作前に特定の持続時間にわたって基板を保持するように構成されることを含むように、実施例23から29のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0127】
実施例31は、随意に、プラットフォームが、印刷ゾーンおよび処置ゾーンから分離した保持ゾーンであって、ガスクッションを使用して基板を支持し続けることを含み、特定の持続時間にわたって基板を保持するように構成されている、保持ゾーンを含むことを含むように、実施例30の主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0128】
実施例32は、随意に、大気圧またはその付近において制御された処理環境を含み、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の特定の限界を下回ったままであるように確立される、印刷システム、処置システム、およびプラットフォームを収納するエンクロージャを含むように、実施例23から30のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0129】
実施例33は、随意に、基板の第1の側における特定の領域が、電子デバイスを備えている基板のアクティブ領域と重複し、プラットフォームが、ガスをアクティブ領域と反対側の基板の第2の側に提供するように構成されることを含むように、実施例23から32のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0130】
実施例34は、随意に、プラットフォームが、基板との物理的接触を使用して、基板を係合することまたはつかむことを含み、基板を運搬するように構成されることを含むよう
に、実施例23から33のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0131】
実施例35は、随意に、ガスクッションが、多孔質セラミック材料の上方で基板の第2の側を支持するように、多孔質セラミック材料を通してガスを推し進めることによって確立されることを含むように、実施例23から34のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題を含むことができ、または随意に、それと組み合わせられることができる。
【0132】
本明細書に説明される非限定的実施例の各々は、自立することができ、もしくは他の実施例のうちの1つ以上のものとの種々の順列または組み合わせで組み合わせられることができる。
【0133】
上記の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する添付図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明が実践されることができる具体的実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書では「実施例」とも称される。そのような実施例は、示される、または説明されるものに加えて、要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、示される、または説明される、これらの要素のみが提供される実施例も考慮する。また、本発明者らはまた、特定の実施例(もしくはその1つ以上の側面)に関して、または本明細書で示され、もしくは説明される他の実施例(もしくはそれらの1つ以上の側面)に関してのいずれかで、示される、または説明されるこれらの要素(もしくはそれらの1つ以上の側面)の任意の組み合わせまたは順列を使用する実施例も考慮する。本書と、参照することによりそのように組み込まれる任意の書面との間の一貫性のない使用法の場合においては、本書における使用法が優先する。
【0134】
本書では、「1つの(「a」または「an」)」という用語は、「少なくとも1つの」もしくは「1つ以上の」という任意の他の事例または使用法から独立している、1つ、または1つより多くを含むために、特許文書で一般的であるように使用される。本書では、「または」という用語は、別様に指示されない限り、「AまたはB」が、「BではなくA」、「AではなくB」、ならびに「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用される。本書では、「含む(including)」および「~である(in which)」という用語は、「備えている(comprising)」および「~である(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、「含む(including)」および「備えている(comprising)」という用語は、非制限的であり、つまり、請求項の中でそのような用語の後に記載されるものに加えて要素を含む、システム、デバイス、部品、組成物、調合物、またはプロセスは、依然として、その請求項の範囲内に入ると見なされる。また、以下の請求項では「第1の」、「第2の」、および「第3の」等の用語は、単に標識として使用され、それらの目的に数値的要求を課すことを意図していない。
【0135】
本明細書に説明される方法の実施例は、少なくとも部分的に、機械またはコンピュータ実装されることができる。いくつかの実施例は、上記の実施例で説明されるような方法を行うように電子デバイスを構成するように動作可能である命令で符号化される、コンピュータ読み取り可能な媒体または機械読み取り可能な媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高次言語コード等のコードを含むことができる。そのようなコードは、種々の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の部分を形成してもよい。さらに、実施例では、コードは、実行中または他の時間等に、揮発性、非一過性、もしくは不揮発性の有形コンピュータ読み取り可能な媒体のうちの1つ以上のものの上に明白に記憶されることができる。これらの有形コンピュータ読み取り可能な媒体の実施例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)等を含むことができるが、それらに限定されない。
【0136】
上記の説明は、制限的ではなく、例証的であることを意図している。例えば、上記の実施例(もしくはそれらの1つ以上の側面)は、相互と組み合わせて使用され得る。上記の説明を再検討することにより当業者によって等、他の実施形態が使用することができる。要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、37 C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供される。これは、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないであろうという理解のもとで提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、種々の特徴が、本開示を効率化するようにともにグループ化され得る。これは、請求されていない開示された特徴が任意の請求項に不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全てに満たない特徴にあり得る。したがって、以下の請求項は、これによって実施例または実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施例として自立し、そのような実施形態が種々の組み合わせまたは順列で相互と組み合わせられ得ることが考慮される。本発明の範囲は、そのような請求項が享有できる均等物の全範囲とともに、添付の請求項を参照して決定されるべきである。