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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】高さ抑制可能な画像モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20240920BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240920BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240920BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G03B17/02
G03B30/00
H04N23/57
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023097973
(22)【出願日】2023-06-14
(65)【公開番号】P2024127693
(43)【公開日】2024-09-20
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】112108400
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】523228646
【氏名又は名称】百辰光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BISON ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】3F.,No.28,Aly.20,Ln.26,Ruiguang Rd.,Neihu Dist.,Taipei City 114,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 順舟
(72)【発明者】
【氏名】陳 立穎
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-061599(JP,A)
【文献】特開2021-073520(JP,A)
【文献】特開2021-119601(JP,A)
【文献】特開2001-186420(JP,A)
【文献】国際公開第2018/142856(WO,A1)
【文献】特開2022-097355(JP,A)
【文献】特開2018-125672(JP,A)
【文献】特開2008-300574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G03B 17/02
G03B 30/00
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズアセンブリと、
画像検出チップと、
ベース本体と、前記ベース本体の上部が外側に水平に延びることによって形成された2つの延長板と、前記ベース本体の上部が下方に凹むことによって形成されたベース凹溝と、を有する、チップ搭載ベースと、
貫通口を有する回路基板と、
を備え、
前記ベース本体の下部は、前記回路基板の前記貫通口に進入し、2枚の前記延長板が、前記回路基板の貫通口をまたいで、前記回路基板の上基板面に配置され、前記画像検出チップは、前記回路基板の前記上基板面と異なる高さで前記ベース凹溝の溝底面に設けられることで、前記ベース凹溝における前記溝底面が前記回路基板の前記上基板面より低くさせ、前記レンズアセンブリは、前記画像検出チップに対応するように前記ベース本体の上部に設けられる、
ことを特徴とする、高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項2】
前記レンズアセンブリは、前記ベース本体の上部に設けられたレンズホルダと、前記レンズホルダに支持されたレンズ構造体とを備え、前記レンズ構造体は、前記画像検出チップの感光面に対応する、請求項1に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項3】
前記画像検出チップと前記レンズ構造体との間に設けられるフィルタをさらに備える、請求項2に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項4】
前記ベース凹溝は、段差のある凹溝であり、前記ベース凹溝は、第1の凹溝と、前記第1の凹溝の下端に位置し、前記第1の凹溝に連通する第2の凹溝を有し、前記第1の凹溝が前記回路基板への投影面積は前記第2の凹溝の投影面積よりも大きく、前記フィルタが前記回路基板への投影面積は前記第2の凹溝の投影面積よりも大きくて前記第1の凹溝の投影面積よりも小さいので、前記フィルタは前記第1の凹溝に収容され、前記画像検出チップは前記ベース凹溝の第2の凹溝に収容される、請求項3に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項5】
前記画像検出チップの感光面の周囲に複数のウエハ金属パッドが形成され、前記ベース凹溝の前記溝底面に複数の凹溝金属パッドが形成され、複数の前記ウエハ金属パッドは複数の金属リードによって複数の前記凹溝金属パッドにそれぞれ電気的に接続されている、請求項1に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項6】
各前記延長板の下面に複数の板下金属パッドが形成され、前記回路基板の前記上基板面に前記貫通口の周辺に複数の板上金属パッドが形成され、複数の前記板下金属パッドは複数の前記板上金属パッドにそれぞれ複数の導体で電気的に接続されている、請求項5に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項7】
複数の前記凹溝金属パッドは、前記チップ搭載ベースに形成された導電ラインによって、複数の前記板下金属パッドとそれぞれ電気的に接続される、請求項6に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【請求項8】
前記ベース凹溝の前記溝底面は、前記回路基板の下基板面よりも低い位置にある、請求項6に記載の高さ抑制可能な画像モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ抑制可能な画像モジュールに関し、特に高さ抑制可能な画像モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の発展と進歩に伴い、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックなどの携帯電子製品は、一般の人々の日常生活や仕事において不可欠で便利なツールとなっており、特に上記の携帯電子製品は、ユーザーの画像撮影のニーズを容易にするために、通常には高さ抑制可能な画像モジュールを搭載している。携帯電子製品の開発は、軽量、薄型、短尺、小型化に向かっており、高さ抑制可能な画像モジュールもそれに対応した薄型化が求められている。
【0003】
既存の高さ抑制可能な画像モジュールは、主に回路基板、画像検出チップ、レンズアセンブリ及びその他の電子部品で構成されており、モジュール高さに最も影響を与えるのは、レンズアセンブリのレンズ構造の光学長TTL(Total Track Length)である。TTLとは、レンズ構造体の表面から画像検出チップの受光面が鮮明に写るまでの距離のことであるため、TTLを一定に保ったまま、モジュールの高さを低くすることが喫緊の課題となっている。
【0004】
既存の成熟したCOB(Chip-On-Board)プロセスでは、画像検出チップは回路基板の上側に、レンズアセンブリは回路基板の上側に配置されるが、回路基板と画像検出チップの積層高さは、TTLと相まって、モジュールの高さを損ねる。一方、開け窓を有する回路基板の下基板面に画像検出チップをフリップの方式で配置し、レンズアセンブリを回路基板の上側に配置するハイエンドFlip-Chipプロセスは、効果的にモジュール高さを減らすことができるが、製造装置の建設とメンテナンスのコストが高すぎ、一定の規模の生産でなければ経済的ではない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の上述した欠点を解決するために、高さを抑えた高さ抑制可能な画像モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明で用いられる技術的解決策の1つは、高さを抑える高さ抑制可能な画像モジュールを提供することである。高さ抑制可能な画像モジュールは、レンズアセンブリ、画像検出チップ、チップ搭載ベース、及び回路基板を有する。回路基板は、貫通口を有する。チップ搭載ベースは、ベース本体と、ベース本体の上部が外側に水平に延びることによって形成された2つの延長板と、ベース本体の上部が下方に凹むことによって形成されたベース凹溝と、を有する。ベース本体の下部は、回路基板の貫通口に進入し、2枚の延長板は、回路基板の貫通口をまたいで、回路基板の上基板面に配置される。画像検出チップは、回路基板の上基板面と異なる高さでベース凹溝の溝底面に設けられることによって、ベース凹溝における溝底面が回路基板の上基板面より低くなるようにする。レンズアセンブリは、ベース本体の上部に設けられ、画像検出チップに対応する。
【0007】
好ましい実施形態において、レンズアセンブリは、ベース本体の上部に設けられたレンズホルダと、レンズホルダに支持されたレンズ構造体とを備え、レンズ構造体は、画像検出チップの感光面に対応する。
【0008】
好ましい実施形態において、高さ抑制可能な画像モジュールは、フィルタをさらに備え、フィルタは、画像検出チップとレンズ構造体との間に設けられる。
【0009】
好ましい実施形態において、ベース凹溝は、段差のある凹溝である。ベース凹溝は、第1の凹溝と、第1の凹溝の下端に位置し、第1の凹溝に連通する第2の凹溝を有する。第1の凹溝が回路基板への投影面積は第2の凹溝の投影面積よりも大きく、フィルタが回路基板への投影面積は第2の凹溝の投影面積よりも大きく第1の凹溝の投影面積よりも小さいので、フィルタは第1の凹溝に収容され、画像検出チップはベース凹溝の第2の凹溝に収容される。
【0010】
好ましい実施形態では、画像検出チップの感光面の周囲に複数のウエハ金属パッドが形成され、ベース凹溝の溝底面に複数の凹溝金属パッドが形成され、複数のウエハ金属パッドは複数の金属リードによって複数の凹溝金属パッドにそれぞれ電気的に接続されている。
【0011】
好ましい実施形態では、各延長板の下面に複数の板下金属パッドが形成され、回路基板の上基板面に貫通口の周辺に複数の板上金属パッドが形成され、複数の板下金属パッドは複数の板上金属半田パッドにそれぞれ複数の導体で電気的に接続されている。
【0012】
好ましい実施形態では、複数の凹溝金属パッドは、チップ搭載ベースに形成された導電ラインによって、複数の板下金属パッドとそれぞれ電気的に接続される。
【0013】
好ましい実施形態において、ベース凹溝の溝底面は、回路基板の下基板面よりも低い位置にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果の一つは、本発明が提供する高さ抑制可能な画像モジュールは、「レンズアセンブリ、画像検出チップ、チップ搭載ベース、及び回路基板を有すること」、「回路基板は、貫通口を有すること」、「チップ搭載ベースは、ベース本体と、ベース本体の上部が水平方向外側に延びることによって形成された2つの延長板と、ベース本体の上部が下方に向かって窪んで構成されたベース凹溝を有すること」、「ベース本体の下部が回路基板の貫通口に下方に向かって入ること」、「2つの延長板が回路基板の貫通口を跨いで回路基板の上基板面に配置されたこと」、「画像検出チップは、回路基板の上基板面とは異なる高さを有することで、ベース凹溝の溝底面が回路基板の上基板面より低いように配置される」、「レンズアセンブリはベース本体の上部に配置され、画像検出チップに対応する」という技術的解決策により、ベース本体の下部を回路基板の上基板面から回路基板の貫通口に進入させ、ベース凹溝の溝底面を回路基板の上基板面よりも低くする。そのように、既存のCOBプロセスで画像検出チップをベース凹溝の溝底面に配置し、レンズアセンブリを画像検出チップと対応するようにベース本体の上部に配置する。これにより、TTLを変更することなく、Flip-Chipプロセスで同様のモジュール高さにすることができる。
【0015】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態の画像キャプチャモジュールの分解模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態の画像キャプチャモジュールの組立模式図である。
図3】本発明の第2の実施形態の画像キャプチャモジュールの分解模式図である。
図4】本発明の第2の実施形態の画像キャプチャモジュールの組立模式図である。
図5】本発明の第3の実施形態の画像キャプチャモジュールの組立模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記より、本願による具体的な実施例で本発明が開示する実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0018】
図1図5に示すように、本発明は、高さ抑制可能な画像モジュールを提供する。高さ抑制可能な画像モジュールは、レンズアセンブリ1、画像検出チップ2、チップ搭載ベース3、および回路基板4を含む。回路基板4は、貫通口40を有する。チップ搭載ベース3は、ベース本体31と、ベース本体31の上部311が水平方向外側に延びることにより形成された2つの延伸板32と、ベース本体31の上部311の上部から下方に凹むように形成されたベース凹溝33とを有する。ベース本体31の下部312は、回路基板4の貫通口40に下向きに進入している。2つの延長板32は、回路基板4の貫通口40を挟んで、回路基板4の上面41に配置される。画像検出2は、ベース凹溝33の溝底面331が回路基板4の上面41よりも低くなるように、回路基板4の上面41と同じ高さではない位置に設置される。レンズアセンブリ1は、ベース本体31の上部311に画像検出チップ2対応するように配置される。このように、ベース本体31の下部312を回路基板4の上面41から回路基板4の貫通口40内に降ろすことで、ベース凹溝33の溝底面331が回路基板4の上面41よりも低くなり、既存のCOBプロセスでベース凹溝33の溝底面331に画像検出チップ2をセットし、画像検出チップ2に対応するようにベース本体31の上部311にレンズアセンブリ1をセットすることができる。これにより、TTLを変更することなく、Flip-Chipプロセスを用いたモジュール高さを同程度の高さにすることができる。
【0019】
[第1の実施形態]
図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施形態は、レンズアセンブリ1、画像検出チップ2、チップ搭載ベース3、および回路基板4を備える、高さ抑制可能な画像モジュール(以下、高さ抑制可能な画像モジュールと称する)を提供する。
【0020】
回路基板4は、上基板面41と下基板面42を有し、回路基板4には、回路基板4を上下方向に貫通する貫通口40が配置され、すなわち貫通口40が回路基板4の上基板面41と下基板面42を貫通している。
【0021】
チップ搭載ベース3は、ベース本体31とベース凹溝33とを有し、ベース凹溝33は、ベース本体31の上部311を下部312に向けて下方に凹ませることにより、チップ搭載ベース3が上方を向く開口を有するベース凹溝33を形成する。また、ベース本体31が回路基板4への投影面積は、回路基板4の貫通口40に対応しており、ベース本体31の下部312が回路基板4への投影面積は、回路基板4の貫通口40の開口面積より若干小さく、ベース本体31の下部312が回路基板4の上基板面41から下方に向かって回路基板4の貫通口40に入り込めるようになっている。さらに、2つの延長板32は、ベース本体31の上部311が水平方向外側に延びることにより形成されており、すなわち、2つの延長板32は、ベース本体31の上部311がそれぞれ左側および右側に延びることにより形成し、基板3の側縁部には段差が形成されて段状とされてもよい。さらに、2つの延長板32は、回路基板4の貫通孔40を跨いで、回路基板4の上基板面41に配置されているので、ベース本体31の下部312が回路基板4の貫通孔40に留まることができる。
【0022】
各延長板32の下面321には複数の板下金属パッド322が形成され、回路基板4の上基板面41には貫通口40の周囲に複数の板上金属パッド43が形成され。各板下金属パッド322は、各板上金属パッド43と導電材料(例えば、半田、半田ペーストまたは任意の導電材料、省略)により電気的に接続されて、チップ搭載ベース3と回路基板4とを電気的に接続できる。
【0023】
さらに、ベース凹溝33の溝底面331には、複数の凹溝金属パッド332が形成され、画像検出チップ2には、受光面21の周囲に複数のチップ金属パッド22が形成される。既存のCOBプロセスを用いて画像検出チップ2をベース凹溝33の溝底面331に設置することで、複数のチップ金属パッド22が複数の凹溝金属パッド332にそれぞれ電気的に接続される。すなわち、各チップ金属パッド22は、COBプロセスにおけるワイヤボンディング法により形成された金属リード34により、各凹溝金属パッド332と電気的に接続する。さらに、複数の溝状金属パッド332は、チップ搭載ベース3の内部(または外部)に形成された導電ライン35を介して複数の板下金属パッド322と電気的に接続することができるが、本実施形態における導電ライン35のパターンは図示のものに限定されない。
【0024】
レンズアセンブリ1は、ベース本体31の上部311に設けられたレンズホルダ11と、レンズホルダ1に支持されたレンズ構造体12とを含み、レンズ構造体12は、単一または複数の光学レンズで構成されてもよいが、本実施形態のレンズアセンブリ1は、この例に限定されることはない。画像検出チップ2は、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)チップまたはCCD(Charge-coupled Device)チップであってもよいが、本実施形態の画像検出チップ2は、この例に限定されることはない。レンズアセンブリ1のレンズ構造体12は、画像検知チップ2の感光面21に対応しており、光がレンズ構造体12を通って入射し、画像検知チップ2の感光面21によって受光される。
【0025】
注目すべきは、本実施形態のベース凹溝33の溝底面331は、図2に示すように、回路基板4の上面41と同じ高さにはないことである。すなわち、ベース凹溝33の溝底面331は、回路基板4の上基板面41よりも低い位置にあり、これにより、TTLの変更ができない場合、すなわち、レンズ構造体12の上面から画像感知チップ2までの距離が変更できない場合、回路基板4の上基板面41に画像検知チップを配置するには従来技術におけるCOBプロセスを用いた場合、回路基板4の上基板面41に画像検知チップ2の積層高さがなされることから避けることができ、既存のCOBプロセスを用いてベース凹溝33の溝底面331に画像検知チップ2を配置することが可能となる。また、回路基板4の上基板面41に画像検知チップ2を配置する積層高さに起因して回路基板4を薄くする必要がなく、高さ抑制可能な画像モジュール全体の構造信頼性を高めるために厚くすることも可能である。さらに、チップ搭載ベース3とモジュール化するように画像検知チップ2をチップ搭載ベース3上に予め配置することができるため、製造や保守を容易に行うことができる。なお、本実施形態の高さ抑制可能な画像モジュールは、Flip-Chipプロセスを用いた高さ抑制可能な画像モジュールと同様のモジュール高さを有することができるので、既存のCOBプロセス331を用いてチップ搭載ベース3のベース凹溝33の溝底面331に画像検知チップ2を配置し、回路基板4の貫通口40にチップ搭載ベース3を配置する工程をSFC(Similar Flip-Chip / Smart Chip)と略記することができる。
【0026】
あるいは、図2に示すように、本実施形態の高さ抑制可能な画像モジュールは、フィルタ5をさらに含んでもよい。フィルタ5は、画像センサ2の上に配置されてもよく、フィルタ5は、画像センサ2とレンズ構造12との間に配置されてもよい。フィルタ5は、所望により、赤外フィルタまたは可視光フィルタであってもよいが、本実施形態に限定されるものではない。他の実施形態では、フィルタ5は、必要に応じて設けてもよいし、省略してもよい。
【0027】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、図3及び図4に示すように、高さ抑制可能な画像モジュール(以下、高さ抑制可能な画像モジュールと称する)を提供するものである。さらに、高さ抑制可能な画像モジュールは、レンズアセンブリ1、画像検知チップ2、チップ搭載ベース3、および回路基板4を含む。本実施形態では、チップ搭載ベース3のベース凹溝33が、第1の凹溝3301と、第1の凹溝3301の下端に位置し第1の凹溝3301に連通する第2の凹溝3302とを含む段差凹溝であることを除いて、第1の実施形態と実質的に同じである。第1の凹溝3301が回路基板4への投影面積は第2の凹溝3302の投影面積より大きく、フィルタ5が回路基板4への投影面積は第2の凹溝3302の投影面積より大きく、第1の凹溝3301の投影面積より小さいので、フィルタ5がベース凹溝33の第1の凹溝3301に、画像検知チップ2がベース凹溝33の第2の凹溝3302に収容される。このように、本実施形態では、ベース凹溝33の段差凹溝を介して光透過面積の大きいフィルタ5を収容し、フィルタ5を画像検知チップ2から大きく離して配置することができるので、フィルタ5上のゴミがイメージセンサ2の受光面21に結像しにくく、画質に影響を与えることが少なくなる。
【0028】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態は、図5に示すように、高さを抑える高さ抑制可能な画像モジュール(以下、高さ抑制可能な画像モジュールと称する)を提供するものである。さらに、高さ抑制可能な画像モジュールは、レンズアセンブリ1、画像検知チップ2、チップ搭載ベース3、および回路基板4を備える。本実施形態では、ベース凹溝33の溝底面331が回路基板4の上面41よりも低く、ベース凹溝33の溝底面331が回路基板4の下面42よりも低いことを除いて、第1の実施形態と実質的に同様である。このようにすれば、TTLはそのままで、回路基板4の上基板面41上の高さ抑制可能な画像モジュールの高さをさらに低減することができ、すなわち、レンズ構造体12の上面から回路基板4の上基板面41までの垂直方向の高さをさらに低減することができるので、回路基板4の上板面41上の高さ抑制可能な画像モジュールの高さをより一層低減することが可能になる。
【0029】
(実施形態による有益の効果)
上記を踏まえて、本発明の有益な効果の1つは、本発明が提供する高さ抑制可能な画像モジュールは、「レンズアセンブリ1、画像検出チップ2、チップ搭載ベース3、及び回路基板4を有すること」、「回路基板4は、貫通口40を有すること」、「チップ搭載ベース3は、ベース本体31と、ベース本体31の上部が水平方向外側に延びることによって形成された2つの延長板32と、ベース本体3の上部が下方に向かって窪んで構成されたベース凹溝33を有すること」、「ベース本体3の下部が回路基板4の貫通口40に下方に向かって入ること」、「2つの延長板32が回路基板4の貫通口40を跨いで回路基板4の上基板面41に配置されたこと」、「画像検出チップ2は、回路基板4の上基板面41とは異なる高さを有することで、ベース凹溝33の溝底面331が回路基板4の上基板面41より低いように配置される」、「レンズアセンブリ1はベース本体3の上部に配置され、画像検出チップ2に対応する」という技術的解決策により、ベース本体33の下部を回路基板4の上基板面41から回路基板4の貫通口40に進入させ、ベース凹溝33の溝底面331を回路基板4の上基板面41よりも低くする。そのように、既存のCOBプロセスで画像検出チップ2をベース凹溝33の溝底面331に配置し、レンズアセンブリ1を画像検出チップと対応するようにベース本体33の上部に配置する。これにより、TTLを変更することなく、Flip-Chipプロセスで同様のモジュール高さにすることができる。
【0030】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0031】
1:レンズアッセンブリ
11:レンズホルダ
12:レンズ構造体
2:画像検知チップ
21:感光面
22:チップ金属パッド
3:チップ搭載ベース
31:ベース本体
311:上部
312:下部
32:延長板
321:下面
322:板下金属パッド
33:ベース凹溝
3301:第1の凹溝
3302:第2の凹溝
331:溝底面
332:凹溝金属パッド
34:金属リード
35:導電ライン
4:回路基板
40:貫通口
41:上基板面
42:下基板面
43:板上金属パッド
5:フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5