(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】支柱構造体および物品保持具
(51)【国際特許分類】
B62D 33/023 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B62D33/023
(21)【出願番号】P 2024096563
(22)【出願日】2024-06-14
【審査請求日】2024-06-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508049031
【氏名又は名称】米山 佳一
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】米山 佳一
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-244281(JP,A)
【文献】特開2018-127114(JP,A)
【文献】特開2009-061192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
あおり板を有する車両の荷台に備えられ、内面に鉤状の突設部が設けられた、前記あおり板に対して取り付けられる支柱構造体であって、
前記あおり板の内面と当接し、該あおり板の上方に一部が延び出す状態で、前記あおり板の内面側に配置される第1支柱部材と、
前記あおり板の外面と当接し、該あおり板の上方に一部が延び出す状態で、前記あおり板の外面側に配置される第2支柱部材と、
前記あおり板を介して対向して配置される前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを前記あおり板の上方の位置において着脱可能に接続する接続部材と、を備え、
前記第1支柱部材が、掛止部を有し、
前記あおり板の前記突設部に対して前記掛止部を掛止可能であり、
前記接続部材が前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを接続することで、該第1支柱部材と該第2支柱部材とが互いに接近する方向に押さえられた状態で前記あおり板を挟持し、
前記掛止部の前記突設部への掛止と、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とによる前記あおり板の挟持と、により前記あおり板に取り付けられることを特徴とする支柱構造体。
【請求項2】
前記あおり板に取り付けたときに、前記接続部材の配置される位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とが離隔し、前記接続部材よりも上方の位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とが当接する請求項1に記載の支柱構造体。
【請求項3】
前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間に配置される介在部材を備え、
前記あおり板に取り付けたときに、前記接続部材の配置される位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とが離隔し、前記接続部材よりも上方の位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間に前記介在部材が配置されることで該第1支柱部材と該第2支柱部材との接近を制限する請求項1に記載の支柱構造体。
【請求項4】
前記第1支柱部材が、第1受部を有し、
前記第2支柱部材が、第2受部を有し、
前記あおり板に取り付けたときに、前記介在部材が前記第1受部と前記第2受部とに当接する請求項3に記載の支柱構造体。
【請求項5】
前記掛止部が、断面U字状または断面V字状の鉤状である請求項1に記載の支柱構造体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の支柱構造体と、
前記支柱構造体が備える前記第1支柱部材および前記第2支柱部材の少なくともどちらか一方と接続する保持部と、を備え、
前記保持部が、物品を保持することを特徴とする物品保持具。
【請求項7】
前記保持部に対して前記物品を締結部材により固定することで、前記保持部が前記物品を保持する請求項6に記載の物品保持具。
【請求項8】
前記保持部が、前記物品を収納可能な箱状体を有する請求項6に記載の物品保持具。
【請求項9】
前記保持部が、前記物品を繋止可能な枠体を有する請求項6に記載の物品保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックのあおり板に取付けられる支柱構造体および該支柱構造体を備える物品保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台に物品を積載するときに、積載した物品が走行時の振動等により雑然となることを防止するために、物品を荷台上に設けた支柱や架台等に固定することが多く行われる。トラックの荷台に支柱を設ける発明の先行文献として特許文献1がある。特許文献1では、平ボディ型トラックのあおり板の内面に取り付ける支柱起立用のベース金具に関するものであり、このベース金具があおり板の上部に取り付けられる上部ベース金具と、上部ベース金具と長さ調整可能な接続構造を介して接続され、あおり板の下部に取り付けられる下部ベース金具とを有しており、上部ベース金具と下部ベース金具とで支柱を起立して抱持することを特徴とする平ボディ型トラックのあおり板に取り付ける支柱起立用のベース金具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の支柱起立用のベース金具は、あおり板の高さに応じて、接続機構の長さ調整をしてあおり板に取り付ける構造であるため、取り付け時に長さ調整作業が必要となる。このため、特許文献1の支柱起立用のベース金具は、あおり板への取り付け作業が手間である。
【0005】
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、あおり板に取り付けた時の長さ調整作業を必要としない支柱構造体および該支柱構造体を備える物品保持具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための発明は、あおり板を有する車両の荷台に備えられ、内面に鉤状の突設部が設けられた、前記あおり板に対して取り付けられる支柱構造体であって、前記あおり板の内面と当接し、該あおり板の上方に一部が延び出す状態で、前記あおり板の内面側に配置される第1支柱部材と、前記あおり板の外面と当接し、該あおり板の上方に一部が延び出す状態で、前記あおり板の外面側に配置される第2支柱部材と、前記あおり板を介して対向して配置される前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを前記あおり板の上方の位置において着脱可能に接続する接続部材と、を備え、前記第1支柱部材が、掛止部を有し、前記あおり板の前記突設部に対して前記掛止部を掛止可能であり、前記接続部材が前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを接続することで、該第1支柱部材と該第2支柱部材とが互いに接近する方向に押さえられた状態で前記あおり板を挟持し、前記掛止部の前記突設部への掛止と、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とによる前記あおり板の挟持と、により前記あおり板に取り付けられることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、前記突設部に前記掛止部を掛止した状態の前記第1支柱部材と、該第1支柱部材と対向する前記第2支柱部材と、を接続部材で接続することで前記あおり板に取り付けることができるため、前記あおり板に取り付けるための長さ調整作業を必要としない。さらに、前記掛止部の前記突設部への掛止と、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とによる前記あおり板の挟持により、前記あおり板に対して強く固定した状態で取り付けることができる。「鉤状」とは、途中の部位が所要に応じた程度に屈曲または湾曲した形状を意味する。
【0008】
本発明は、前記あおり板に取り付けたときに、前記接続部材の配置される位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とが離隔し、前記接続部材よりも上方の位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とが当接することが好ましい。この構成によれば、前記接続部材で前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを接続したときに、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを前記あおり板に押し付ける力を大きくできるため、前記あおり板への取り付けの強度をより大きくすることができる。
【0009】
本発明は、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間に配置される介在部材を備え、前記あおり板に取り付けたときに、前記接続部材の配置される位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とが離隔し、前記接続部材よりも上方の位置において前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間に前記介在部材が配置されることで該第1支柱部材と該第2支柱部材との接近を制限することが好ましい。この構成によれば前記接続部材で前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを接続したときに、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材とを前記あおり板に押し付ける力を大きくできるため、前記あおり板への取り付けの強度をより大きくすることができる。
【0010】
本発明は、前記第1支柱部材が、第1受部を有し、前記第2支柱部材が、第2受部を有し、前記あおり板に取り付けたときに、前記介在部材が前記第1受部と前記第2受部とに当接することが好ましい。この構成によれば、前記介在部材を安定した状態で前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間に配置させることができる。
【0011】
本発明は、前記掛止部が、断面U字状または断面V字状の鉤状であることが好ましい。この構成によれば、前記掛止部を前記突設部に掛止することが容易である。
【0012】
上記課題を解決するための他の態様の発明は、上記の支柱構造体と、前記支柱構造体が備える前記第1支柱部材および前記第2支柱部材の少なくともどちらか一方と接続する保持部と、を備え、前記保持部が、物品を保持することを特徴とする物品保持具である。この構成によれば、上記の効果を奏する支柱構造体を備える物品保持具とすることができる。
【0013】
本発明は、前記保持部に対して前記物品を締結部材により固定することで、前記保持部が前記物品を保持することが好ましい。この構成によれば、前記締結部材での固定により前記物品を保持することができるため、締め付け作用による前記保持部と前記物品との固定強度を大きくすることができる。
【0014】
本発明は、前記保持部が、前記物品を収納可能な箱状体を有することが好ましい。この構成によれば、前記箱状体の内部に前記物品を収納できるため、前記保持部による前記物品の保持・保管が簡便である。
【0015】
本発明は、前記保持部が、前記物品を繋止可能な枠体を有することが好ましい。この構成によれば、前記物品を前記枠体に繋止して保持することが可能であるため、例えば前記物品が前記締結部材で前記保持部に取り付けにくく固定しづらいものであっても保持することが容易である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の支柱構造体および物品保持具は、あおり板に取り付け時の長さ調整作業が不要であるため、取り付け作業が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態の支柱構造体を示す左側面図である。
【
図3】第1実施形態の支柱構造体の変形例を示す左側面図である。
【
図4】第2実施形態の支柱構造体を示す左側面図である。
【
図5】第1実施形態の支柱構造体を備える物品保持具を示す左側面図である。
【
図8】第1実施形態の支柱構造体を備える物品保持具の変形例を示す左側面図である。
【
図9】第1実施形態の支柱構造体を備える物品保持具の変形例を示す左側面図である。
【
図10】第1実施形態の支柱構造体を備える物品保持具の変形例を示す左側面図である。
【
図11】第1実施形態の支柱構造体を備える物品保持具がスペアタイヤを保持した状態を示す左側面図である。
【
図13】第1実施形態の支柱構造体と箱状体を有する保持部を備える物品保持具を示す左側面図である。
【
図15】第1実施形態の支柱構造体と枠体を有する保持部を備える物品保持具を示す左側面図である。
【
図17】あおり板に対して2つの物品保持具を取り付けた状態を示す概略図である。
【
図18】第2実施形態の支柱構造体を備える物品保持具を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<支柱構造体>
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態の支柱構造体1について、
図1および
図2を参照して説明する。支柱構造体1は、第1支柱部材2と、第2支柱部材3と、接続部材4と、を備えており、あおり板12を有する車両としてのトラック10(
図17参照)の荷台11に備えられ、内面12aに鉤状の突設部13が設けられた、あおり板12に対して取り付けられる。
【0019】
第1支柱部材2は、あおり板12の内面12aと当接し、あおり板12の上方に一部が延び出す状態であおり板12の内面側ISに配置される部材である。第1支柱部材2は、あおり板12の突設部13に対して掛止可能な略U字状の鉤状の掛止部21を有している。掛止部21は、断面略V字状の鉤状であってもよい。掛止部21が断面略U字状または断面略V字状の鉤状であれば、フック部として引っかけ易くなり突設部13への掛止が容易である。本実施形態の第1支柱部材2は、上端の近傍において第1支柱部材2の厚さ方向(
図1中の矢印X方向)に向かって斜め上に突出する突出部22を有している。なお、掛止部21としては、断面凹状あるいは上面が開口する断面コ字状であってもよい。
【0020】
第2支柱部材3は、あおり板12の外面12bと当接し、あおり板12の上方に一部が延び出す状態で、あおり板12の外面側OSに配置される部材である。本実施形態の第2支柱部材3は、上端の近傍において第2支柱部材3の厚み方向(
図1中の矢印X方向)に窪む凹部31を有している。第2支柱部材3は、第2支柱部材3の横断面に沿う厚さ方向(
図1中の矢印X方向)に穿孔された貫通孔32が設けられており、例えば、通しボルトを貫通孔32に挿通させることで、ボルト・ナット等の連結用の部材を使用して、様々な物と連結可能である。
【0021】
接続部材4は、あおり板12を介して対向して配置される第1支柱部材2と第2支柱部材3とをあおり板12の上方の位置において着脱可能に接続する部材である。接続部材4が第1支柱部材2と第2支柱部材3とを接続することで、第1支柱部材2と第2支柱部材3とが互いに接近する方向に押さえられた状態であおり板12を確実に、しかも、あおり板12の高さ寸法の違いと無関係に強固に挟持することができる。
【0022】
支柱構造体1は、掛止部21の突設部13への掛止と、第1支柱部材2と第2支柱部材3とによるあおり板12の挟持と、によりあおり板12に固定されて取り付けられる。これにより、従来の接続機構が不要になるため、あおり板12への取り付け時に、当該接続機構の長さ調整作業を行う必要がなくなり、取り付け作業が簡便で迅速に行なわれる。
【0023】
本実施形態の支柱構造体1は、
図1に示す通り、第1支柱部材2と第2支柱部材3とであおり板12を挟持したときに、接続部材4の配置される位置において第1支柱部材2と第2支柱部材3とが相互に並列状態に離隔し、接続部材4よりも上方の位置において第1支柱部材2の突出部22の先端と第2支柱部材3の先端部の凹部31とが当接する構成である。突出部22の先端と凹部31が当接することで、これらの両者が位置決めされて、接続部材4の配置される位置における第1支柱部材2と第2支柱部材3とが所要の間隔Spによる離隔が達成される。第1支柱部材2と第2支柱部材3とがこのように配置されることにより、接続部材4で第1支柱部材2と第2支柱部材3とを接続したときに、第1支柱部材2と第2支柱部材3とをあおり板12に押し付ける力が大きくなるため、支柱構造体1のあおり板12への挟持状態の取り付けを強固にすることができる。
【0024】
本実施形態では、第1支柱部材2が突出部22を有し、第2支柱部材3が凹部31を有する構成であるが、これとは逆に
図3に示すように第1支柱部材2の先端が矢印Y方向に窪む凹部23を有し、第2支柱部材3の先端が矢印Y方向に突出する突出部33を有する構成であってもよい。このため、矢印Yは矢印Xと逆方向となっている。さらには、第1支柱部材2と第2支柱部材3の両方がそれぞれ突出部を有し、それぞれの突出部同士が互いに突き合う状態で当接することで接続部材4の配置される位置において第1支柱部材2と第2支柱部材3とが所要の間隔Spを開けて離隔する構成としてもよい。これらの構成であっても支柱構造体1のあおり板12への取り付けを強固にすることができる。
【0025】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態の支柱構造体201について、
図4を参照して説明する。第1実施形態と共通するものについては、同一の符号を付して、その図示および説明を援用し、主に第1、第2の両実施形態との相違点を説明する。支柱構造体201は、第1支柱部材2と、第2支柱部材3と、に替えて、それぞれ第1支柱部材202と、第2支柱部材203とを備え、さらに第1支柱部材202と第2支柱部材203との間に配置され、第1支柱部材202と第2支柱部材203との接近変位を制限する介在部材209を備える。
【0026】
図4に示す通り、第1支柱部材202および第2支柱部材203は、それぞれ第1受部202aおよび第2受部203aを有しており、支柱構造体201をあおり板12に取り付けたときには、第1受部202aおよび第2受部203aが介在部材209と当接する。これにより第1支柱部材202と第2支柱部材203との接近変位が制限され、接続部材4の配置される位置における第1支柱部材202と第2支柱部材203とが所要の間隔Spによる離隔が達成される。したがって接続部材4で第1支柱部材2と第2支柱部材3とを接続したときに、第1支柱部材2と第2支柱部材3とをあおり板12に押し付ける力を大きくなるため、支柱構造体1のあおり板12への取り付けを強固にすることができる。
【0027】
<物品保持具>
図5~
図7を参照して、第1実施形態の支柱構造体1を構成の一部とする物品保持具5について説明する。物品保持具5は、支柱構造体1と、支柱構造体1が備える第1支柱部材2および第2支柱部材3の少なくともどちらか一方(本実施形態では第2支柱部材3)と接続する保持部6と、を備え、保持部6が物品を保持する構成である。保持する物品は、特に限定されず、例えばスペアタイヤ、水等の液体を貯留したタンク、バッグ、日用品、救急箱、食品雑貨(保存食含む)、救急救命具(ADE含む)、各種の工具、農機具等の様々なものが挙げられる。
【0028】
保持部6は、締結部材FMを取り付けるための取付孔61を有する部材である。物品Mの保持に締結部材FMを使用するため、締め付け作用による固定強度が大きい。本実施形態の保持部6は、連結用部材62で第2支柱部材3に連結接続し、連結接続のときに接続部材4との接触を防止する貫通孔63が設けられた構成であるが、保持部6としてはこれに限定されない。
図8に示すように第1支柱部材2に連結接続されるものでもよい。さらには、
図9、
図10に示すように、保持部6は、第1支柱部材2または第2支柱部材3と一体のものでもよい。保持部6の形状についても本実施形態のものに限定されず、例えば取付孔61が設けられる箇所が矩形等であってもよい。
【0029】
物品Mの一例としてスペアタイヤSTを保持した状態の物品保持具5を
図11および
図12に示す。保持部6がスペアタイヤSTを保持する場合は、取付孔61の配置を調整することにより、
図11および
図12に示すように、スペアタイヤSTの取付孔Hを利用して保持することが可能である。
【0030】
物品保持具5は、
図13および
図14に示すように、保持部6が、物品Mを収納可能な箱状体7を有する構成であってもよい。箱状体7は、締結部材FMにより保持部6に固定されており、箱状体7の内部に物品Mを収納することで物品Mを保持する。保持部6が箱状体7を有する構成であれば、物品Mの保持・保管が簡便である。
【0031】
物品保持具5は、
図15および
図16に示すように、保持部6が、物品Mを繋止可能な枠体8を有する構成であってもよい。枠体8は、締結部材FMにより保持部6に固定されており、枠体8に物品Mを繋止することで物品Mを保持する。保持部6が枠体8を有する構成であれば、物品Mを枠体8に繋止して保持することが可能であるため、物品Mが締結部材FMで保持部6に取り付けにくく固定しづらいものであっても保持することが容易である。
【0032】
物品保持具5は、
図17に示すように、トラック10の1つのあおり板12に対して複数を取り付けてもよい。複数の物品保持具5を取り付けることにより、様々な物品Mを保持することができ、利便性がより向上する。なお、あおり板12については、側あおりや後あおりを含む概念として捉えてもよい。
【0033】
ここまでで、物品保持具として第1実施形態の支柱構造体1を構成の一部とする物品保持具5を説明したが、物品保持具の備える支柱構造体は第1実施形態のものに限定されない。
図18に示すように、第2実施形態の支柱構造体201を構成の一部をする物品保持具205であってもよい。さらに物品保持具205は、物品保持具5と同様に、保持部6が箱状体7または枠体8を有する構成のものであってもよい。車両としては平ボディのトラック10に限らず、小型、中型、大型トラック車でもよいし、ダンプトラック車、ウイング車等でもよく、要は、あおり板12などをバタ板として備え、支柱構造体1、201を設置できるものであればよい。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、上記の物品保持具5は、1つの保持部6を2つの支柱構造体1に対して取り付けているが、支柱構造体1の数が1つであっても、あるいは3つ以上であってもよい。さらに、物品Mがあおり板12の内面側ISに位置した状態で保持できるように、保持部6が上記実施形態とは反対向きに設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る支柱構造体および物品保持具は、工業、農林漁業、土木業、建築・建設業、船舶・運搬業、鉱山・採掘業等において利用可能であるため、産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0036】
1、201: 支柱構造体
2、202: 第1支柱部材
21: 掛止部
22: 突出部
23: 凹部
3、203: 第2支柱部材
31: 凹部
32: 貫通孔
33: 突出部
4: 接続部材
5、205: 物品保持具
6: 保持部
61: 取付孔
62: 連結用部材
63: 貫通孔
7: 箱状体
8: 枠体
10: トラック(車両)
11: 荷台
12: あおり板
12a: 内面
12b: 外面
13: 突設部
202a: 第1受部
203a: 第2受部
209: 介在部材
FM: 締結部材
H: 取付孔
IS: 内面側
M: 物品
OS: 外面側
Sp: 間隔
ST: スペアタイヤ
【要約】
【課題】あおり板に取り付けた時の長さ調整作業を必要としない支柱構造体の提供。
【解決手段】トラック10の荷台11に備えられ、内面12aに突設部13が設けられた、あおり板12に取り付けられる支柱構造体1であって、あおり板12の内面12aと当接し、あおり板12の上方に一部が延び出す状態であおり板12の内面側ISに位置する第1支柱部材2と、あおり板12の外面12bと当接し、あおり板12の上方に一部が延び出す状態であおり板12の外面側OSに位置する第2支柱部材3と、第1支柱部材2と第2支柱部材3とをあおり板12の上方で接続する接続部材4と、を備え、第1支柱部材2が、突設部13に掛止可能な掛止部21を有し、接続部材4が第1支柱部材2と第2支柱部材3とを接続して、第1支柱部材2と第2支柱部材3とがあおり板12を挟持し、掛止部21による掛止とあおり板12の挟持とによりあおり板12に取り付けられる。
【選択図】
図1