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特許7557917車両監視方法、車両監視装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車両監視方法、車両監視装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20240920BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240920BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240920BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/09 V
G08B21/00 U
G08B21/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020211862
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098359
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西川 雅清
(72)【発明者】
【氏名】小松 貴司
(72)【発明者】
【氏名】竹原 幹人
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-127132(JP,A)
【文献】特開2020-4242(JP,A)
【文献】特開2015-191264(JP,A)
【文献】特開2015-98218(JP,A)
【文献】特表2018-505488(JP,A)
【文献】特開2018-169689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G08B 21/00 - 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転モードで駐車場に存在している車両を監視する、コンピュータが実行する車両監視方法であって、
前記車両の室内に、人が存在しているか否かと、前記車両の状態とを監視し、
前記監視の結果に基づいて、前記車両の室内に人が存在している場合は、1つ以上のアクションを実施し、
前記1つ以上のアクションは、前記車両に通信ネットワークを介して前記車両を制御する制御情報を送信されることを含み、
前記制御情報は、安全性の高い制御情報に高く割り当てられる優先度を含む、
車両監視方法。
【請求項2】
前記車両の状態は、前記車両のドアがロック状態にあるか否かを含み、
前記1つ以上のアクションは、前記ドアをロック状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1記載の車両監視方法。
【請求項3】
前記車両の状態は、前記車両のドアがロック状態にあるか否かを含み、
前記1つ以上のアクションは、前記ドアのロック状態を解除する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1記載の車両監視方法。
【請求項4】
前記車両の状態は、前記車両の窓の開閉状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記窓を閉状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項5】
前記車両の状態は、前記車両の座席に設けられるシートベルトの装着状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記車両の室内に存在している人に前記シートベルトを装着することを報知する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項6】
前記車両の状態は、前記車両の座席に設けられるシートベルトの装着状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記シートベルトをロック状態に設定する制御情報が通
信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項7】
前記車両の状態はハンドルの操作状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記ハンドルを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項8】
前記車両の状態はペダルの操作状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記ペダルを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項9】
前記車両の状態は前記車両のレバースイッチの操作状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記車両のレバースイッチを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項10】
前記1つ以上のアクションは、前記車両に搭載された音声発生装置に音声を出力させる制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項11】
前記1つ以上のアクションは、前記車両に搭載された表示装置に画像を表示させる制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項12】
前記車両の状態は、前記車両に搭載された照明装置の操作状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記照明装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項13】
前記車両の状態は、前記車両の室内の空気を調和する空調装置の操作状態を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記空調装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項14】
前記車両の状態は、前記車両の室内の温度を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記温度に応じて前記空調装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項13に記載の車両監視方法。
【請求項15】
前記1つ以上のアクションは、前記車両を停止させる制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項16】
前記1つ以上のアクションは、前記車両を回避位置に自律的に走行させる制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項17】
前記車両の状態は前記車両の車両速度を含み、
前記1つ以上のアクションは、前記車両速度に応じて、車両の速度を制御する制御情報が通信ネットワークを介して前記車両に送信されることを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の車両監視方法。
【請求項18】
前記制御情報は、前記車両により、より優先的に実施される制御に高く割り当てられる制御優先度を含む、請求項17に記載の車両監視方法。
【請求項19】
自動運転モードで駐車場に存在している車両を監視する車両監視装置であって、
前記車両の室内に、人が存在しているか否かと、前記車両の状態とを監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づいて、前記車両の室内に人が存在している場合は、1つ以上のアクションを実施する制御部と、を備え、
前記1つ以上のアクションは、前記車両に通信ネットワークを介して前記車両を制御する制御情報を送信されることを含み、
前記制御情報は、安全性の高い制御情報に高く割り当てられる優先度を含む、
車両監視装置。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか1項に記載の車両監視方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動運転モードで駐車場に存在している車両を監視するための車両監視方法及び車両監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自律的動作モードで駐車場に存在している車両の室内に、1人以上の人が存在しているかどうかが検査され、当該検査に依存して、1つ以上のアクションが実施される車両を監視するための方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-505488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、自動運転モードで駐車場に存在している車両の室内に人が存在している場合に、駐車場の運営を円滑に行えることを可能とする車両監視方法などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る車両監視方法は、自動運転モードで駐車場に存在している車両を監視する車両監視方法であって、車両の室内に、人が存在しているか否かと、車両の状態とを監視し、監視の結果に基づいて、1つ以上のアクションを実施する。
【0006】
本開示の一態様に係る車両監視装置は、自動運転モードで駐車場に存在している車両を監視する車両監視装置であって、車両の室内に、人が存在しているか否かと、車両の状態とを監視する監視部と、監視部の監視結果に基づいて、1つ以上のアクションを実施する制御部と、を備える。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の車両監視方法及び車両監視装置によれば、自動運転モードで駐車場に存在している車両の室内に人が存在している場合に、駐車場の運営を円滑に行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における駐車場管理システムの一構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態における車両監視装置の一構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態における車両監視装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
自動化された(自律的な)駐車場、いわゆるバレーパーキングでは、運転者が引き渡し場所にて車両を渡すと、車両は引き渡し場所から駐車位置まで自動運転モードで自律的に走行する。そして、再び自動運転モードで受け取り位置まで自律的に戻ってくる。しかしながら、自動運転モードで走行中の車両においては、1人以上の人が残っている可能性がある。これらの人の行動によっては、駐車場内で事故が起こる可能性があり、駐車場の運営を妨げる恐れがある。
【0011】
上述したように、特許文献1では、駐車場において自律的動作モードで駐車行動を実施している車両の室内に、1人以上の人が存在しているかどうかの検査を行い、存在している場合には、1つ以上のアクションが実施される。車両に人が存在している場合に、1つ以上のアクションが実施されることにより、駐車場において、これらの人と、例えば他の車両との衝突のリスクを低減することが可能になる。
【0012】
しかしながら、例えば、1つ以上のアクションを実施中に、車両の室内に存在している人が車両を運転する、車両から降りて移動するなど、安全上問題のある行動を取る可能性がある。人がこのような行動を取った場合、人自身または、人と車両間で事故が起こる恐れがある。また、人が上述の行動を取らなくても、例えば、車両の室内の環境(例えば、室内の温度が高い)によっては、人の生命に影響を及ぼす可能性がある。すなわち、駐車場の運営を円滑に行うことを妨げるおそれがある。
【0013】
そこで、本開示の一態様に係る車両監視方法は、自動運転モードで駐車場に存在している車両を監視する車両監視方法であって、車両の室内に、人が存在しているか否かと、前記車両の状態とを監視し、監視の結果に基づいて、1つ以上のアクションを実施する。
【0014】
これによれば、車両の室内に1人以上の人が存在する場合に、車両の状態に応じた最適な対応を取ることが可能になる。これにより、車両の室内にいる人が駐車場内における交通の流れ、または交通を妨げることを防止することが可能となる。また、人自身または人と他の車両との間で事故が起こるリスクを低減することが可能となる。また、車両の室内に存在する人の安全を保障することも可能となる。すなわち、駐車場の運営を円滑に行うことが可能となる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る車両監視装置は、自動運転作モードで駐車場に存在している車両を監視する車両監視装置であって、車両の室内に、人が存在しているか否かと、車両の状態とを監視する監視部と、監視部の監視結果に基づいて、1つ以上のアクションを実施する制御部と、を備える。
【0016】
この車両監視装置においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0017】
例えば、車両の状態は、車両のドアがロック状態にあるか否かを含み、1つ以上のアクションは、ドアをロック状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、車両から人が降りることを抑制することが出来る場合がある。従って、駐車場内の事故を低減させることが可能となる場合がある。
【0018】
また、例えば、車両の状態は、車両のドアがロック状態にあるか否かを含み、1つ以上のアクションは、ドアのロック状態を解除する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、車両が停止した状態で、人が開錠動作を繰り返している場合には、人の操作を優先することが可能となる場合がある。従って、人が車両から降りられない不安を解消することが出来る場合がある。例えば、人が車内で危険な状態にある場合(例えば、車両火災)に、人の意思を優先させることが出来る。
【0019】
また、例えば、車両の状態は、車両の窓の開閉状態を含み、1つ以上のアクションは、窓を閉状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、例えば、人が頭や手など体の一部を窓から出す、窓から身を乗り出す、窓から脱出する等の危険動作を起こすことを抑制することが出来る場合がある。従って、駐車場内の事故を低減させることが可能となる場合がある。
【0020】
また、例えば、車両の状態は、車両の座席に設けられるシートベルトの装着状態を含み、1つ以上のアクションは、車両の室内に存在している人に前記シートベルトを装着することを報知する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人にシートベルトの装着を喚起することが可能となる場合がある。従って、人の安全を確保することが可能になる場合がある。
【0021】
また、例えば、車両の状態は、車両の座席に設けられるシートベルトの装着状態を含み、1つ以上のアクションは、シートベルトをロック状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人がシートベルトを外すことを抑制することが可能になる場合がある。従って、人の安全を確保することが可能になる場合がある。
【0022】
また、例えば、車両の状態はハンドルの操作状態を含み、1つ以上のアクションは、ハンドルを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人がハンドルを操作することを防止することが可能になる場合がある。従って、自動運転モードで走行中の車両の走行を妨げることを回避する場合がある。従って、駐車場の運営を円滑に行うことが可能になる場合がある。
【0023】
また、例えば、車両の状態はペダルの操作状態を含み、1つ以上のアクションは、ペダルを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人がペダルを操作することを防止することが可能になる場合がある。従って、自動運転モードで走行中の車両の走行を妨げないので、駐車場の運営を円滑に行い、安全性を高めることが可能になる場合がある。
【0024】
また、例えば、車両の状態は前記車両のレバースイッチの操作状態を含み、1つ以上のアクションは、車両のレバースイッチを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人がレバースイッチを操作することを防止することが可能になる場合がある。従って、自動運転モードで走行中の車両の走行を妨げることを回避する場合がある。従って、駐車場の運営を円滑に行うことが可能になる場合がある。
【0025】
また、例えば、1つ以上のアクションは、車両に搭載された音声発生装置に音声を出力させる制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人に音声による注意喚起、現状などを報知することなどを行うことが出来る場合がある。従って、人が安全上問題となる行動を取ることを回避すると共に、状況を把握して安心感を与えることが可能となる場合がある。
【0026】
また、例えば、1つ以上のアクションは、車両に搭載された表示装置に画像を表示させる制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、人に視覚的な注意喚起、現状などを報知することなどを行うことが可能になる場合がある。従って、人が安全上問題となる行動を取ることを回避すると共に、状況を把握して安心感を与えることが可能になる場合がある。
【0027】
また、例えば、車両の状態は、車両に搭載された照明装置の操作状態を含み、1つ以上
のアクションは、照明装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、車両の室内を適切な照明状態にすることができる場合がある。従って、夜間など人の不安感を低減することが可能となる場合がある。
【0028】
また、例えば、車両の状態は、車両の室内の空気を調和する空調装置の操作状態を含み、1つ以上のアクションは、空調装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、車両の室内を適切な空調状態にすることができる場合がある。従って、車内が健康上問題となる環境(高温状態など)になることを回避できる場合がある。
【0029】
また、例えば、車両の状態は、車両の室内の温度を含み、1つ以上のアクションは、温度に応じて空調装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。これにより、車内の温度に応じて車両の室内を適切な温度にすることができる場合がある。従って、車内が健康上問題となる環境(高温状態など)になることを回避できる場合がある。
【0030】
また、例えば、1つ以上のアクションは、車両を停止させる制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。また、例えば、1つ以上のアクションは、車両を回避位置に自律的に走行させる制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。また、例えば、車両の状態は車両速度を含み、1つ以上のアクションは、車両速度に応じて車両の速度を制御する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。
【0031】
これにより、駐車場において車両が他の車両の走行に影響を与えることを低減させることが可能になる場合がある。従って、駐車場を円滑に運営することが可能になる場合がある。
【0032】
また、例えば、制御情報は車両における制御の優先度を示す制御優先度を含む。これにより、車両は優先度の高い制御から実施することが可能になる。従って駐車場を円滑に運営することが可能になる場合がある。
【0033】
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る車両監視装置について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
[1.構成]
図1は実施の形態における駐車場管理システムの一構成例を示すブロック図である。駐車場管理システム10は少なくとも車両監視装置100と、駐車場管理サーバ11と、を備える。なお、駐車場管理システム10は車両を監視する車両監視システム12を備えてもよい。駐車場管理サーバ11と、車両監視装置100と、車両監視システム12とは、通信ネットワークを介して通信を行う。通信ネットワークは、移動体通信ネットワーク(Radio Access Network)を含んでもよい。また、通信ネットワークは、WLAN(Wireless LAN)を含んでもよい。
【0035】
駐車場管理サーバ11は、複数の駐車スペースを有する駐車場、駐車場に引き渡された1台以上の車両20~2n(nは1以上の整数)の駐車位置、及び、駐車場内における車両の動作等を管理する。車両監視装置100は、車両20~2n及び車両20~2nの室内の状態を監視する。
【0036】
車両20~2nは自動運転モードで自律走行可能な車両である。車両20~2nは通信機能を備え、駐車場管理サーバ11及び車両監視装置100と通信ネットワークを介して
接続される。自動運転モードとは、車両が自律的に走行する、または遠隔操作により走行することを意味している。自動運転モードにおいて、車両は人による運転操作を必要としない。言い換えると、自動運転モードにある車両の室内には、運転者が存在する必要はない。
【0037】
本開示は、駐車場において自動運転モードにある車両を対象としている。そのため、自動運転モードではない、すなわち手動運転モードにある車両は対象としていない。手動運転モードにある車両は、車両を走行させるためには、人が車両の室内にいる必要があるからである。本開示においては、自動駐車過程、又は自動運転モードに切り替わる時点のみ実施される。ここで、自動駐車過程とは、引き渡し位置から駐車位置までの自律走行を含む。また、自動駐車過程とは、駐車位置への自律的入庫動作、駐車位置からの自律的出庫動作を含む。また、自動駐車過程とは、駐車位置から受け取り位置への自律走行を含む。
【0038】
引き渡し位置とは、車両の運転者が自身の車両を自動運転モードに切り替え、車両から降りるために止めることができる位置である。引き渡し位置は、例えば、駐車場の入り口付近にある。受け取り位置とは、車両の運転者が車両を自動駐車過程の後で受け取ることが出来る位置である。受け取り位置は、例えば、駐車場の出口付近にある。引き渡し位置と受け取り位置は同じ位置でもよいし、異なる位置でもよい。
【0039】
駐車場は、車両を止めておくための領域であり、複数の駐車スペースまたは、駐車区画を備えたエリアである。駐車場はパーキングビルのような立体構造のものであってもよい。駐車場は屋外型であってもよいし、屋内型であってもよい。
【0040】
図2は、実施の形態における車両監視装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両監視装置100は、監視部101と、制御部102とを備える。監視部101及び制御部102は実体のある構成を示しているわけではなく、車両監視装置100によって実現される機能を示している。監視部101及び制御部102は、より具体的には、車両管理装置100が備えるプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)など)(不図示)が、メモリ(不図示)を用いて所定のプログラムを実行することで実現され得る。
【0041】
以下、監視対象車両が車両20である場合を例にとって説明する。なお、車両監視装置100は同時に複数の車両を監視対象としてもよい。
【0042】
監視部101は、自動運転モードで駐車場に存在している車両20の室内における人の存在状態を監視する。言い換えると、監視部101は車両20の室内に1人以上の人が存在しているか否かを監視する。また、監視部101は、車両20の状態を監視する。車両20の室内における人の存在状態は車両外部の車両監視システム12から取得してもよい。例えば、車両監視装置100は、車両監視システム12を含んでもよい。以下の説明において、「人」という場合、1人以上の人を示している。
【0043】
車両監視システム12は、駐車場内に複数のカメラを配置し、カメラで撮像した映像より車両20及び車両20の室内の状態を監視する構成でもよい。車両監視システム12は撮像した映像より、車両20の室内に1人以上の人が存在しているか否かを判定する。また、車両監視システム12は、撮像した映像より、車両20の走行状態または走行速度などを監視してもよい。
【0044】
また、車両20の室内における人の存在状態は、車両に搭載された各種センサを用いてセンシングにより検出するための車両センサシステム(図示せず)から取得してもよい。センサは、例えば、着座センサである。着座センサは座席への着座の有無を検出する。車
両センサシステムは、車両に備えられたカメラの撮影映像によりセンシングを行ってもよい。カメラは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等のイメージセンサである。
【0045】
車両監視装置100は、車両監視システム12または車両センサシステムと通信ネットワークを介して通信する。車両センサシステムは車両外部からセンシングの起動または動作などを制御されてもよいし、自発的にセンシング結果を車両センサシステムに送信してもよい。
【0046】
監視部101は、車両センサシステムより車両20の状態を取得する。車両の状態は、例えば、ドアのロック状態、窓の開閉状態、座席に設けられたシートベルトの装着状態、ハンドルの操作状態、ペダルの操作状態、レバースイッチの操作状態、照明装置の操作状態、室内の照度、空調装置の操作状態、または、室内の温度を含む。
【0047】
車両センサシステムは、例えば、ドアセンサ、シートベルトセンサ、舵角センサ、ペダルセンサ、シフトセンサ、温度センサ、照度センサ、または、車速センサ、を含む。ドアセンサは車両20のドアの開閉状態を検出する。舵角センサはハンドルの操舵角を検出する。ペダルセンサはアクセルペダルの踏み込み量を検出する。シフトセンサはドライバが操作するシフトレバーのスイッチの状態、操作位置(シフトポジション)を検出する。温度センサは車両20の室内の温度を検出する。照度センサは車両20の室内および室外の照度を検出する。車速センサは車両20の速度を検出する。
【0048】
制御部102は、監視部101の監視結果に基づいて、1つ以上のアクションを実施する。制御部102は、車両の室内に1人以上の人が存在している場合、車両の状態に応じて、1つ以上のアクションを実施する。アクションは、制御部102が作成した車両に対する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。
【0049】
[2.動作]
図3は、実施の形態における車両監視装置100の動作を示すフローチャートである。
【0050】
監視部101は自動運転モードで走行中の車両20の車内に人が存在しているか否かを監視する(ステップS301)。また、監視部101は車両20の状態を監視する(ステップS302)。制御部102は、監視部101の監視結果に応じて、1つ以上のアクションを実施する。これは、制御部102が、車両20の車内に1人以上の人が存在した場合、車両20の状態に応じて、1つ以上のアクションを実施することを意味する。言い換えると、制御部102は、車両20の車内に人が存在していない場合は、1つ以上のアクションは実施しない。本実施の場合、制御部102は監視結果に応じて、車両20を制御する制御情報を生成して車両に送信する(ステップS303、ステップS304)。
【0051】
これらの処理は、ステップS301の処理はステップS301で車内に人が存在していないと判定した場合に終了してもよい。また、車両20が受け取り位置に戻ってくるまで実行してもよい。
【0052】
なお、図3のフローチャートにおいて、ステップS302とステップS303の順番は入れ替わってもよい。この場合、車内に人が存在していないと判定された場合は、車両20の状態の監視は行われない。
【0053】
[3.動作例]
以下、1つ以上のアクションに含まれる車両に送信する制御情報について説明する。制
御部102は、制御情報として車両20が実行する命令(コマンド)を送信してもよい。また、制御部102は、制御情報を作成して送信してもよい。制御情報は通信ネットワークを介して車両20に送信される。
【0054】
(ドアの制御)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、車両20のドアのロック状態を監視し、監視結果を制御部102に出力する。制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合、車両20のドアのロック状態に応じて、ドアのロック状態を制御する制御情報を車両に送信してもよい。
【0055】
制御部102は、ドアがロックされていない状態である場合はドアをロック状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は、人が安全に車両20から降りることが出来る位置に車両20が誘導され停止するまで、ドアをロック状態に設定する制御情報を送信してもよい。また、制御部102は、ドアがロックされている状態である場合、ドアのロック状態を解除する制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は、ドアをロック状態に設定しても人がドアを開錠する動作を繰り返す場合は、ドアをロック状態に設定する制御情報の送信を中止してもよい。また、制御部102は、ドアをロック状態に設定する制御情報を送信する際に、安全のためにドアをロック状態にしていることを車両20の室内にいる人に報知する制御情報を車両に搭載された音声発生装置または表示装置に送信してもよい。
【0056】
(窓の制御)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、車両の窓の開閉状態を監視し、監視結果を制御部102に出力する。制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、車両20の窓の開閉状態に応じて、窓の開閉状態を制御する制御情報を車両に送信してもよい。
【0057】
制御部102は、窓が開状態にある場合、窓を閉状態にする制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は、人が安全に車両20から降りることが出来る位置に車両20が誘導され停止するまで窓を閉状態に設定する制御情報を送信してもよい。また、制御部102は、必要に応じて、窓が閉状態にある場合に窓を開状態に設定する制御情報を車両に送信してもよい。制御部102は、窓を閉状態に設定しても人が窓を開錠する動作を繰り返す場合は、窓を閉状態に設定する制御情報の送信を中止してもよい。また、制御部102は、窓を閉状態に設定する制御情報を送信する際に、安全のために窓を閉状態にしていることを車両20の室内にいる人に報知する制御情報を車両20に搭載された音声発生装置または表示装置に送信してもよい。
【0058】
(シートベルトの制御)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、シートベルトの装着状態を監視し、監視結果を制御部102に出力する。制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、シートベルトの装着状態に応じて、シートベルトの装着状態を制御する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0059】
制御部102は、シートベルトが装着されていない状態である場合は、車両20の室内にいる人にシートベルトを装着することを報知する制御情報を車両に搭載された音声発生装置または表示装置に送信してもよい。また、制御部102は、シートベルトがロック状態ではない場合はシートベルトをロック状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。また、制御部102は、シートベルトがロック状態である場合、シートベルトのロック状態を解除する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0060】
(ハンドルの制御)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、ハンドルの操作状態を監視し、監視結果を制御部102に出力する。制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、ハンドルの操作状態に応じて、ハンドルの操作状態を制御する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0061】
制御部102は、ハンドルが操作状態にある場合は、ハンドルの操作を許可しない制御情報を車両20に送信してもよい。また、制御部102は、車両20の室内にいる人にハンドルを操作しないように報知する制御情報を、車両20に搭載された音声発生装置または表示装置に送信してもよい。また、制御部102は、車両20の室内にいる人にハンドルを操作してはいけないことを報知するために、ハンドルを振動させる制御情報を送信してもよい。
【0062】
(ペダルの制御)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、ペダルの操作状態とを監視し、監視結果を制御部102に出力する。制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、ペダルの操作状態に応じて、ペダルの操作状態を制御する制御情報を車両20に送信する。
【0063】
制御部102は、ペダルが操作状態である場合は、ペダルを非操作状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。また、車両20の室内にいる人にペダルを操作しないように報知する制御情報を、車両20に搭載された音声発生装置または表示装置に送信してもよい。また、制御部102は、車両20の室内にいる人にペダルを操作してはいけないことを報知するために、ペダルを振動させる制御情報を送信してもよい。
【0064】
(レバースイッチの制御)
監視部101は、車両の室内における人の存在状態と、レバースイッチの操作状態とを監視し、監視結果を制御部102に出力してもよい。制御部102は、車両の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、レバースイッチの操作状態に応じて、レバースイッチの操作状態を制御する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0065】
制御部102は、レバースイッチが操作状態である場合は、レバースイッチを非操作状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。また、車両20の室内にいる人にレバースイッチを操作しないように報知する制御情報を車両20に搭載された音声発生装置または表示装置に送信してもよい。
【0066】
(音声発生装置)
制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、人への報知情報を音声発生装置に出力させる制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は、音声発生装置に、車両20に存在する人に対して車両の操作を行わないことを喚起するためのブザー音または注意喚起音を出力させる制御情報を車両20に送信してもよい。また、制御部102は車両20の操作を行わないこと、車を降りないこと、または、現状などを説明する音声などを出力させる制御情報を車両20に送信してもよい。音声発生装置は、例えばスピーカを含む。
【0067】
制御部102はラジオシステムまたはテレビシステムなどを介して、音声情報を車両に受信させてもよい。また、制御部102は、車両20に搭載されたラジオまたはテレビなどの選局を制御する制御情報を送信してもよい。
【0068】
(画像表示装置)
制御部102は、車両の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、人への報知情報を画像表示装置に表示させる制御情報を車両20に送信してもよい。画像表示装置は、ナビゲーション装置またはヘッドアップディスプレイ等のように、人に各種情報を表示可能な表示機器である。表示装置は、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。制御部102は画像表示装置に記号、色、画像またはテキストなどを使用した報知情報を車両20に送信してもよい。
【0069】
(照明装置)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、照明装置の操作状態とを監視し、監視結果を制御部102に出力してもよい。照明装置は、LED(Light Emitting Diode)などの光源を有し、車両20の天井、インストルメントパネル、または、ステアリングホイールのパッド部などに設置されている。
【0070】
制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、照明装置の照明状態に応じて、照明装置の操作を制御する制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は、照明装置がオフ状態である場合は、照明装置をオン状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は、夜間等のように特定の時間帯であるとき、または、特定の天気(例えば、曇り、雨)であるときのみ、照明装置をオン状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0071】
また、監視部101は車両20の室内の照度を監視し、監視結果を制御部102に出力してもよい。制御部102は、車両20の室内の照度に応じて、照明装置の操作を制御する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0072】
(空調装置の制御)
監視部101は、車両20の室内における人の存在状態と、空調装置の操作状態とを監視し、監視結果を制御部102に出力する。制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、空調装置の操作状態に応じて、空調装置の操作を制御する制御情報を車両20に送信してもよい。
【0073】
制御部102は、空調装置がオフ状態である場合は、空調装置をオン状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。制御部102は天気または日時に応じて空調装置をオン状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。また、制御部102は天気または日時に応じて空調装置の設定する温度を決定してもよい。
【0074】
また、監視部101は車両20の室内の温度を監視し、監視結果を制御部102に出力してもよい。制御部102は、車両20の室内の温度に応じて、空調装置の操作を制御する制御情報を車両に送信してもよい。また、制御部102は、車内にいる人の人数に応じて温度を決定してもよい。
【0075】
(走行制御)
制御部102は、車両20の室内に1人以上の人が存在していると判断した場合は、車両20を停止させる制御情報を車両に送信してもよい。また、制御部102は、車両20を回避位置に自律的に走行させる制御情報を送信してもよい。また、制御部102は、車両速度を低速に制御する制御情報を送信してもよい。制御部102は、車両の状態が安全に影響を与えると判断した場合に上記走行制御を実施してもよい。例えば、車両のドアが開けられた場合、人が運転操作を行った場合などがこの場合にあたる。
【0076】
(優先度)
制御部102は、制御情報に車両における制御の優先度を示す優先度情報を含ませても
よい。また、制御部102は、安全上問題がある可能性が生じた場合に送信する制御情報を他の制御情報よりも優先して送信してもよい。車両は優先度の高い制御情報から実施する。優先度は安全性の高い制御情報に高く割り当てられてもよい。
【0077】
[4.効果等]
以上のように、本実施の形態において、監視部101は、自動運転モードで駐車場に存在している車両の室内に、人が存在しているか否かと、車両20の状態を監視する。制御部102は監視部の監視結果に基づいて、1つ以上のアクションを実施する。
【0078】
これにより、車両20の室内に1人以上の人が存在する場合に、車両20の状態に応じて最適な対応を取ることが可能となる場合がある。従って、駐車場の運営を円滑に行うことが可能となる場合がある。
【0079】
また、本実施の形態において、車両の状態は車両20のドアがロック状態にあるか否かを含み、1つ以上のアクションはドアのロック状態を制御する情報を車両20に送信することを含む。監視部101は、車両20のドアのロック状態を監視し、制御部102は、ドアをロック状態に設定する制御情報を車両に送信する。監視部101は人が安全に車両20から降りることが出来る位置に車両20が誘導され停止するまでドアをロック状態に設定する制御情報を送信してもよい。これにより、車両20に存在する人が慌てて車両20から降りることを抑制することができる場合がある。
【0080】
また、制御部102は、ドアのロック状態を解除する制御情報を車両20に送信する。車両が停止している状態で車室内の人が所定回数開錠動作をしている場合等は、人の操作を優先することで、人の不安を解消することができる場合がある。例えば、人が車内で危険な状態にある場合(例えば、車両火災)に、人の意思を優先させることが出来る。
【0081】
また、車両の状態は窓の開閉状態を含み、1つ以上のアクションは窓の開閉状態を制御する制御情報を車両20に送信することを含む。監視部101は、車両20の窓の開閉状態を監視し、窓を閉状態に設定する制御情報を車両20に送信する。また、人が安全に車両20から降りることができる位置まで車両20が誘導され停止するまで窓を閉状態に設定する制御情報を車両20に送信してもよい。これにより、例えば、車両20に存在している人が頭や手など体の一部を窓から出す、窓から身を乗り出す、窓から脱出するなどの危険動作を起こすことを抑制できる場合がある。従って、駐車場内の事故を低減させることが可能となる場合がある。
【0082】
また、制御部102は、窓を開状態に設定する制御情報を車両20に送信する。これにより、人が窓を開ける動作を繰り返している場合に、人の操作を優先することが可能となる場合がある。従って、人が感じている閉塞感を低減することが可能になる場合がある。例えば、人が車内で危険な状態にある場合(例えば、車両火災)に、人の意思を優先させることが出来る。
【0083】
また、車両の状態は車両20の座席に設けられるシートベルトの装着状態を含み、1つ以上のアクションは、シートベルトの装着を人に喚起する、ロック状態にする、ロック状態を解除する、のいずれか1つを含む。監視部101は、車両20の座席に設けられるシートベルトの装着状態を監視し、制御部102は、車両20に存在している人にシートベルトを装着することを報知する制御情報を送信する。これにより、車両に存在している人にシートベルトを装着することを喚起することができ、人の安全性を高めることができる場合がある。従って、人の安全を確保することが可能になる場合がある。
【0084】
また、制御部102はシートベルトをロック状態に設定する制御情報を送信する。これ
により、例えば、人が子供の場合、危険な行動をとることを抑制できる場合がある。また、制御部102はシートベルトのロック状態を解除する制御情報を送信する。これにより、人がシートベルトのロックを解除する動作を繰り返している場合に、ロックを解除することが出来る。従って、人の不安感を低減することが可能になる場合がある。例えば、人が車内で危険な状態にある場合(例えば、車両火災)に、人の意思を優先させることが出来る。
【0085】
また、車両の状態はハンドルの操作状態を含み、1つ以上のアクションはハンドルを非操作状態に設定する制御情報が送信されることを含む。監視部101はハンドルの操作状態を監視し、制御部102は監視結果に応じて、ハンドルを非操作状態に設定する制御情報を送信する。これにより、自動運転モードで走行中の車両20の走行を妨げないので、駐車場の運営を円滑に行い、安全性を高めることができる場合がある。
【0086】
また、車両の状態はペダルの操作状態を含み、制御部102は、ペダルを非操作状態に設定する制御情報を車両に送信する。これにより、自動運転モードで走行中の車両20の走行を妨げないので、駐車場の運営を円滑に行い、安全性を高めることができる場合がある。
【0087】
また、車両の状態はレバースイッチの操作状態を含み、1つ以上のアクションはレバースイッチを非操作状態に設定する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。監視部101はレバースイッチの操作状態を監視し、制御部102は監視結果に応じてレバースイッチの制御情報を車両20に送信する。これにより、自動運転モードで走行中の車両20の走行を妨げないので、駐車場の運営を円滑に行い、安全性を高めることができる場合がある。
【0088】
また、1つ以上のアクションは、車両20に搭載された音声発生装置に音声を出力させる制御情報が通信ネットワークを介して車両20に送信することを含む。制御部102は音声発生装置に音声を出力させる制御情報を車両20に送信する。これにより、人に音声による注意喚起、現状などを説明することなどを行うことが出来、人が安全上問題となる行動を取ることを回避すると共に、状況を把握して安心感を与えることが出来る場合がある。
【0089】
また、1つ以上のアクションは、車両20に搭載された表示装置に画像を表示させる制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信することを含む。制御部102は、注意喚起を示す記号、図形、状況を説明する文章などを含む画像を表示させる制御情報を車両20に送信する。これにより、人に視覚的な注意喚起、現状の説明などを行うことが出来、人が安全上問題となる行動を取ることを回避すると共に、状況を把握して安心感を与えることが出来る場合がある。
【0090】
また、車両の状態は車両20に搭載された照明装置の操作状態を含み、1つ以上のアクションは照明装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。また、車両の状態は車両の室内の照度を含み、1つ以上のアクションは照度に応じて照明装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両20に送信されることを含む。監視部101は照明装置の状態や室内の照度を監視し、制御部102は、照明装置の制御情報を車両20に送信する。これにより、車両20の室内を適切な照明状態にすることができ、人の不安感を低減することが出来る場合がある。
【0091】
また、車両の状態は車両の室内の空気を調和する空調装置の操作状態を含み、1つ以上のアクションは、空調装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。また、車両の状態は車内の温度を含み、1つ以上のアクションは、温度
に応じて空調装置を操作する制御情報が通信ネットワークを介して車両20に送信されることを含む。監視部101は空調装置の状態や室内の温度を監視し、制御部102は、空調装置の制御情報を車両20に送信する。これにより、車両20の室内の温度を適切に保つことが出来、例えば、真夏における脱水症状を防止するなど、健康上問題がある状況を回避することが出来る場合がある。
【0092】
また、1つ以上のアクションは、車両を停止させる制御情報が通信ネットワークを介して車両に送信されることを含む。また、1つ以上のアクションは、車両20を回避位置に自律的に走行させる制御情報が通信ネットワークを介して車両20に送信されることを含む。また、車両20の状態は車両速度を含み、1つ以上のアクションは、車両速度を制御する制御情報が通信ネットワークを介して車両20に送信されることを含む。これにより、駐車場において車両20が他の車両の走行に影響を与えることを低減させることが出来、駐車場を円滑に運営することが可能となる場合がある。
【0093】
また、制御情報は車両20における制御の優先度を示す制御優先度を含む。制御部102は、制御情報に制御優先度を付与する。アクションの緊急度が高いものに優先度を高く付与することで、車内20に存在する人の安全性を確保し、駐車場内の事故発生を回避することが可能となる場合がある。すなわち、駐車場を円滑に運営することが可能となる場合がある。
【0094】
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術はこれに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態及び下記の他の実施形態で説明する各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0095】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0096】
実施の形態では1つ以上のアクションは車両または車両の室内に存在する人を対象としていたが、これに限定されない。例えば、駐車スペースに設置されている車輪止めなどの暴走停止装置を制御してもよい。車両が緊急停止を実施出来ない状態にある場合、暴走停止装置をロックすることで、車両が駐車場内の通路や駐車スペースを移動することを抑制でき、安全を確保することが可能となる。また、駐車場内に信号機が設置されている場合は、信号機を制御する制御情報を送信してもよい。車両は信号機の状態を識別して、適切な動作を行うことが可能となる場合がある。また、駐車場内に遮断機が設定されている場合は、遮断機を制御する制御情報を送信してもよい。
【0097】
また、実施の形態では、車両監視装置から車両へ制御情報を通信する一方向の通信にとどまっているが、双方向の通信を行ってもよい。例えば、車両に存在する人が音声通話などを用いて、駐車場の管理センターと双方向通信してもよい。車両に存在する人は管理センターと会話をすることで、状況を正確に把握することが出来る場合がある。また、車両に存在する人は、車両に搭載された情報端末を用いて、現状を把握するための情報を取得してもよい。このように、車両に存在する人が現在位置や、降車位置、降車できるまでの時間、管理センターの監視員の到着時間等を把握出来ることで、安心感を与え、不適切な行動を抑制させることができる場合がある。
【0098】
また、実施の形態では、車両の室内に1人以上の人が存在する場合は、1つ以上のアクションが実施されるとしたが、車両の室内に人が存在することを承認されている車両の場合は、この対象としないとしてもよい。例えば、駐車場のサービス車両や、故障等が発生
した車両を駐車場の従業員により走行させる場合などがこれにあたる。
【0099】
実施の形態では、車室内や車室外の照度に応じて照明装置を制御する制御情報を送信したが、時間帯に応じて制御情報を送信してもよい。例えば、夜間の時間帯のみ照明装置をオンにする制御情報を送信してもよい。また、天気に応じて照明装置を制御する制御情報を送信してもよい。例えば、曇りや雨天時は車外の照度は低くなるので、照明装置をオンにする制御情報を送信してもよい。
【0100】
以上、車両監視装置の態様を実施の形態に従って説明したが、車両監視装置の態様は、実施の形態に限定されない。実施の形態に対して当業者が思いつく変形が施されてもよいし、実施の形態における複数の構成要素が任意に組み合わされてもよい。
【0101】
例えば、実施の形態において特定の構成要素によって実行される処理を特定の構成要素の代わりに別の構成要素が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0102】
また、車両監視装置の各構成要素が行うステップを含む車両監視方法が任意の装置又はシステムによって実行されてもよい。例えば、車両監視方法の一部又は全部が、プロセッサ、メモリ及び入出力回路等を備えるコンピュータ(例えば情報処理回路)によって実行されてもよい。その際、コンピュータに車両監視方法を実行させるためのプログラムがコンピュータによって実行されることにより、車両監視方法が実行されてもよい。
【0103】
また、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記のプログラムが記録されていてもよい。
【0104】
また、車両監視装置の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されてもよいし、上記のプログラム等を実行する汎用のハードウェアで構成されてもよいし、これらの組み合わせで構成されてもよい。また、汎用のハードウェアは、プログラムが記録されたメモリ、及び、メモリからプログラムを読み出して実行する汎用のプロセッサ等で構成されてもよい。ここで、メモリは、半導体メモリ又はハードディスク等でもよいし、汎用のプロセッサは、CPU等でもよい。
【0105】
また、専用のハードウェアが、メモリ及び専用のプロセッサ等で構成されてもよい。例えば、専用のプロセッサが、データを記録するためのメモリを参照して、上記の車両監視装置を実行してもよい。
【0106】
また、車両監視装置の各構成要素は、電気回路であってもよい。これらの電気回路は、全体として1つの電気回路を構成してもよいし、それぞれ別々の電気回路であってもよい。また、これらの電気回路は、専用のハードウェアに対応していてもよいし、上記のプログラム等を実行する汎用のハードウェアに対応していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示は、自動運転モードで駐車動作を行う車両を監視する車両監視方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 駐車場管理システム
11 駐車場管理サーバ
12 車両監視システム
21、・・・、2n 車両
100 車両監視装置
101 監視部
102 制御部
図1
図2
図3