(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】評価処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2021056756
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米山 知奈津
(72)【発明者】
【氏名】麓 真佐志
(72)【発明者】
【氏名】谷本 清隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 剛宜
(72)【発明者】
【氏名】根岸 辰行
(72)【発明者】
【氏名】神谷 麻秀
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/054080(WO,A1)
【文献】特開2005-157590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の車室を貸し出しする情報処理システムにおいて評価情報を生成する評価処理方法であって、
複数の利用者端末から前記移動体の前記車室の予約登録を行う第1ステップと、
前記移動体の前記車室を利用者が利用した後に各利用者が各利用者端末から前記車室の評価をそれぞれ登録情報に登録する第2ステップと、
前記車室を利用した複数の前記利用者がそれぞれ評価した前記車室の評価結果を前記登録情報から取得し、時系列順で評価結果が他と異なる評価を行った第2利用者の直前の第1利用者を特定し、前記車室の貸出者による前記第1利用者の評価を前記第2利用者が行った評価にして前記登録情報に登録することにより評価情報を生成する第3ステップと、
を含む評価処理方法。
【請求項2】
前記第3ステップは、前記車室を利用した複数の前記利用者がそれぞれ評価した前記車室の評価結果として良い評価である良評価情報または悪い評価である悪評価情報を前記登録情報から取得し、各利用者が車室を利用した時系列順において良評価を付けた第1利用者に続き悪評価を付けた第2利用者がいる場合に、前記車室の貸出者による前記第1利用者に対する評価を他の利用者に対する良評価とは異なる悪評価にして前記登録情報に登録する、
請求項1に記載の評価処理方法。
【請求項3】
前記第3ステップにおいて、前記登録情報に登録されている前記第2利用者による評価を前記他と同じ評価に書き換える、または前記登録情報に登録されている前記第2利用者による評価を破棄する、
請求項1または2に記載の評価処理方法。
【請求項4】
移動体の車室を貸し出しする情報処理システムにおいて評価情報を生成する評価処理方法であって、
前記車室の利用者が前記車室に対する評価を入力する際に、前記利用者の用途とは異なる用途における評価を受け付ける第4ステップを含む、
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の評価処理方法。
【請求項5】
前記第4ステップは、前記利用者のユーザ端末に対し、前記車室に対する評価を入力する入力画面として、前記車室の用途を選択する画面を送信し、前記入力画面において選択された用途における評価を受け付ける、
請求項
4に記載の評価処理方法。
【請求項6】
前記移動体の停車場所が複数ある場合において、前記移動体が第1停車場所にある場合の前記車室の各用途の評価を、第2停車場所の他の移動体における車室の各用途の評価傾向に基づいて生成した評価で、前記第2停車場所における前記車室の各用途の評価を表示する、
請求項1に記載の評価処理方法。
【請求項7】
前記移動体が第1停車場所にある場合の前記車室の各用途の評価を、前記第2停車場所の他の移動体における車室の各用途の評価傾向に基づいて各用途に重みづけを行った値で、第2停車場所における前記車室の各用途の評価を表示する、
請求項6に記載の評価処理方法。
【請求項8】
複数の利用者端末から移動体の車室の予約情報を受信する第1の受信手段と、
前記移動体の前記車室を利用した利用者の各利用者端末から前記車室の評価を含む登録情報を受信する第2の受信手段と、
前記移動体の前記車室を利用した利用者の前記登録情報において、時系列順で評価結果が他と異なる評価を行った第2利用者の直前の第1利用者を特定し、前記車室の貸出者による前記第1利用者の評価を前記第2利用者が行った評価にして登録する登録手段と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、評価処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1または複数の車両を複数のユーザが共同で利用するカーシェアリングシステムが知られている。カーシェアリングシステムを利用する利用者は、自ら車両を所有せずに、事前に利用登録を行うことで、事業者などの他者の所有する車両を利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今では、車両を移動手段のためだけではなく、駐車場等に駐車した車両の車室を利用者の用途に合わせて貸し出すオーナも増えてきている。利用者は車室の検索結果から車室を選んで予約する際、各車室の評価結果を参考にして、より条件のよい車室を予約する。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、移動体の車室に対する評価の信頼性を高めることが可能な評価処理方法および情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の評価処理方法は、移動体の車室を貸し出しする情報処理システムにおいて評価情報を生成する評価処理方法であって、複数の利用者端末から前記移動体の前記車室の予約登録を行う第1ステップと、前記移動体の前記車室を利用者が利用した後に各利用者が各利用者端末から前記車室の評価をそれぞれ登録情報に登録する第2ステップと、前記車室を利用した複数の前記利用者がそれぞれ評価した前記車室の評価結果を前記登録情報から取得し、時系列順で評価結果が他と異なる評価を行った第2利用者の直前の第1利用者を特定し、前記車室の貸出者による前記第1利用者の評価を前記第2利用者が行った評価にして前記登録情報に登録することにより評価情報を生成する第3ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、移動体の車室に対する評価の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、本実施形態の情報処理システムの一例を示す模式図である。
【
図1B】
図1Bは、本実施形態の車両の車室の一例を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本実施形態の情報処理装置のハードウェア構成図の一例である。
【
図2B】
図2Bは、本実施形態の貸出者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の貸出者端末および利用者端末の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、本実施形態の車室管理情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本実施形態の貸出管理情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本実施形態の車室の評価が適切に行われない場合を示す説明図である。
【
図6B】
図6Bは、本実施形態の評価処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本実施形態の一覧情報の一例を示す模式図である。
【
図7A】
図7Aは、本実施形態の利用者端末の出力部に出力された、貸出可能情報の画面の一例を示す模式図である。
【
図7B】
図7Bは、本実施形態の利用者端末の出力部に出力された、貸出可能情報の画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の貸出者端末に表示される、駐車ロットの入力を受付けるための入力画面の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の情報処理システムで実行される登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の情報処理システムで実行される利用開始処理(ステップS4)の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、本実施形態の情報処理システムで実行される利用履歴情報の更新処理(ステップS6)および貸出終了処理(ステップS7)の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態の評価受付画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態の第1停車場所における評価を第2停車場所の評価に反映させる方法について説明する図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態の場所Bの評価を生成する処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の各々において、同一の部位には同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1Aは、本実施形態の情報処理システム1の一例を示す模式図である。情報処理システム1は、移動体の車室を貸出対象とするシェアリングシステムである。
【0011】
情報処理システム1は、情報処理装置10と、貸出者端末12と、利用者端末14と、車両16と、を備える。情報処理システム1、貸出者端末12、利用者端末14、および車両16は、ネットワーク18を介して無線または有線により通信可能に接続されている。
【0012】
なお、
図1Aには、情報処理システム1が、情報処理装置10、貸出者端末12、利用者端末14、および車両16の各々を1つ備えた構成を示しているが、説明のための一例である。情報処理システム1は、1または複数の貸出者端末12、1または複数の利用者端末14、1または複数の車両16、を備えた構成としてよい。
【0013】
情報処理装置10は、情報処理システム1全体を管理する情報処理装置である。情報処理装置10は、車両16の主に車室を貸出対象として管理する。車室だけでなくカーシェアリング等で車両を移動手段として貸し出す場合があってもよい。その場合は、情報処理装置10は、車室だけでなく移動手段としての管理も行う。なお、情報処理装置10は、例えばサーバ装置や、クラウドシステムなどで構成されるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
ここで、本実施形態では、貸出者20が、車両16の所有者である場合を一例として説明する。すなわち、本実施形態では、情報処理装置10は、車両16の所有者である貸出者20と、車両16の車室17の利用者22との間の、車室17の貸し借りを管理する場合を一例として説明する。車両16の所有者と、利用者22とのシェアリングは、個人間取引又はコンシューマツーコンシューマ(C2C)シェアリングと称される場合がある。なお、情報処理システム1は、C2Cシェアリングに限定されず、運営組織などが車両16を保有し、それを会員である利用者22が利用するシステムであってもよい。
【0015】
貸出者20は、車両16を貸出す、または、車両16の貸出を希望するユーザである。貸出者端末12は、貸出者20によって操作される端末装置である。貸出者端末12は、例えば、タブレット端末、またはスマートフォンなどであるが、これらに限定されない。
【0016】
利用者22は、車両16の車室を借りる、または、借りる事を希望するユーザである。利用者端末14は、利用者22によって操作される端末装置である。利用者端末14は、例えば、タブレット端末、またはスマートフォンなどであるが、これらに限定されない。
【0017】
車両16は、移動体の一例である。移動体は、移動手段として使用されるものを指す。移動体は、例えば、乗用車や、バスや、鉄道(列車)などであってよい。また、船などの水上移動するものであってもよい。また、移動体は、個人が所有するものであっても、法人が所有するものであってもよい。本実施形態では、乗用車を一例として説明する。乗用車は、例えば、普通乗用車、大型乗用車、小型乗用車、などである。また、車両16の動力源は限定されない。例えば、車両16は、ガソリン車、電気自動車、燃料電池車、などの何れであってもよい。また、車両16は、人による運転操作を介して進行するもの、人による運転操作を介さずに自動的に進行可能なもの、自律進行可能なもののうち、何れであってもよい。
【0018】
図1Bには、車両16の車室17の一例を示している。ここで車室とは、移動体内の空間のことを指す。移動体により設備が異なるが、利用者22により目的に応じて利用される空間である。一例として示す車両16の車室17は、一般的な乗用車の車室の構成であり、運転席や後部座席を備え、その空いたスペースで利用者22は目的に応じてくつろぐ。車室17の空間は、車両16の貸出者20が利用者22の利用用途に応じて設定を変えることができる。例えば、映像設備や音響設備を充実させたり、テーブルを配置したり、仮眠できるスペースを設けたり、模様を変えたり、男性の利用客と女性の利用客、利用客の年齢層、国籍などに応じて任意に設定を変更することができる。
【0019】
図1Aに戻り説明を続ける。車両16は、制御部24Aと、通信部24Bと、センサ24Cと、出力部24Dと、入力部24Eと、解錠・施錠部24Fと、駆動部24Gと、を備える。通信部24B、センサ24C、出力部24D、入力部24E、解錠・施錠部24F、および駆動部24Gと、制御部24Aとは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0020】
制御部24Aは、専用または汎用コンピュータであり、車両16を制御する。通信部24Bは、ネットワーク18を介して他の装置と通信するための通信インターフェース(I/F)である。
【0021】
センサ24Cは、車両16の位置や駆動状態などを検知するセンサである。センサ24Cは、例えば、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)、速度センサ、またはGPS(Global Positioning System)などである。
【0022】
出力部24Dは、各種の情報を出力する。出力部24Dは、音声を出力するスピーカ、画像を表示するディスプレイ、などである。ディスプレイは、例えば、公知の有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、または投影装置などである。
【0023】
入力部24Eは、ユーザからの指示または情報の入力を受け付ける。入力部24Eは、例えば、ユーザの操作入力により入力を受付ける指示入力デバイス、および、音声の入力を受付けるマイク、の少なくとも一方である。指示入力デバイスは、例えば、ボタン、マウスまたはトラックボール等のポインティングデバイス、または、キーボードなどである。指示入力デバイスは、ディスプレイである出力部24Dと一体的に設けられたタッチパネルにおける入力機能であってもよい。
【0024】
解錠・施錠部24Fは、車両16に設けられた1または複数の設備の各々の解錠または施錠を行うための機構である。解錠・施錠部24Fは、鍵情報を受信したときに、該鍵情報に対応する設備を解錠された解錠状態、または施錠された施錠状態とする。解錠状態とは、設備がユーザによって利用可能な状態、または、設備が駆動可能な状態を意味する。施錠状態とは、設備がユーザによって利用不可能な状態、または、設備が駆動不可能な状態を意味する。
【0025】
設備とは、車両16に設けられた機構である。設備は、例えば、フロントウィンドウ_運転席、フロントウィンドウ_助手席、リヤウィンドウ、エア・コンディショナ、フロントドア_運転席、フロントドア_助手席、オーディオ、ライト、エンジン、解錠施錠可能な箱、などであるが、これらに限定されない。
【0026】
駆動部24Gは、車両16に搭載された駆動デバイスである。駆動部24Gは、例えば、エンジン、モータ、車輪、などである。
【0027】
次に、情報処理装置10、貸出者端末12、および利用者端末14のハードウェア構成を説明する。
【0028】
図2Aは、情報処理装置10のハードウェア構成図の一例である。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM(Random Access Memory)11C、I/F11D、およびHDD(Hard Disk Drive)11F等がバス11Eにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、一例として表示装置11Gと入力装置11Hとを接続可能に設けている。
【0029】
CPU11Aは、プログラムを実行し、各部を制御して各種処理を行う。ROM11Bは、固定のプログラムやデータを記憶する。RAM11Cは、CPU11Aのワーク領域に利用される。I/F11Dは、データを送受信する。I/F11Dは、例えばLANボード等のネットワークインターフェースである。HDD11Fは、OSや各種のプログラムやデータを記憶する。HDDに限らずSSDなどを使用してもよい。
【0030】
図2Bは、貸出者端末12のハードウェア構成の一例を示す図である。利用者端末14のハードウェア構成も貸出者端末12と同様のハードウェア構成としてここでは説明する。貸出者端末12(および利用者端末14)は、情報処理装置10と同様にコンピュータ構成のハードウェア構成を備える。情報処理装置10と同様のコンピュータの基本構成については、同一の番号を付し説明を省略する。なお、表示装置11Gは、液晶や有機EL等の表示ディスプレイである。入力装置11Hは表示ディスプレイに設けたタッチパネルとして説明する。FlashROM11Jは、各種プログラムやデータを記憶する。
【0031】
ユーザは、事前に所定のアプリケーション(アプリと略す)を指定サイトからダウンロードし、貸出者端末12(または利用者端末14)にインストールする。また、情報処理装置10、貸出者端末12、および利用者端末14のそれぞれで実行されるプログラムは、それぞれROM11B等に予め組み込んで提供してもよいし、指定のサイトからダウンロードによりプログラムを取得し、各端末にインストールして実行するようにしてもよい。また、各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するようにしてもよい。情報処理装置10、貸出者端末12、および利用者端末14は、それぞれCPU11Aでプログラムを実行することにより各種の機能を発揮する。
【0032】
次に、貸出者端末12および利用者端末14の機能的構成を説明する。
【0033】
図3は、貸出者端末12および利用者端末14の機能的構成の一例を示すブロック図である。貸出者端末12および利用者端末14は基本的な機能は同様である。
【0034】
貸出者端末12(または利用者端末14)は、制御部26Aと、記憶部26Bと、通信部26Cと、UI(ユーザ・インターフェース)部26Dとを備える。
【0035】
制御部26Aは、貸出者端末12(または利用者端末14)全体を制御する。記憶部26Bは、各種データを記憶する。
【0036】
通信部26Cは、通信I/F11Dによりネットワーク18を介して他の装置と通信する。UI部26Dは、出力部26Fと入力部26Gとを備える。出力部26Fは、表示装置11Gに表示情報を出力する。入力部26Gは、ユーザからの操作指示を入力装置11Hから受付ける。
【0037】
次に、情報処理装置10の機能的構成を説明する。
【0038】
図4は、情報処理装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
情報処理装置10は、制御部30と、記憶部32と、通信部34と、UI部36と、を備える。制御部30は、記憶部32と、通信部34と、UI部36との間でデータまたは信号を送受信するなどして、処理を行う。
【0040】
通信部34は、通信I/F11Dによりネットワーク18を介して他の装置と通信する。UI部36は、出力部36Aと入力部36Bとを備える。出力部36Aは、表示装置11Gに表示情報を出力する。入力部36Bは、例えば、キーボード、マウス、などの入力装置11Hから設定データ等を入力する。
【0041】
記憶部32は、貸出者情報32A、利用者情報32B、管理情報32C、決済情報32F、鍵管理情報32G、および評価管理情報32Hを記憶する。
【0042】
ここで貸出者情報32Aは、貸出者20に関する情報を管理するためのテーブルである。例えば、貸出者情報32Aは、貸出者20の識別情報と、貸出者20の氏名と、貸出者20の連絡先と、貸出者20が操作する貸出者端末12の識別情報と、を対応づけたテーブルである。なお、貸出者情報32Aは、貸出者20に関する他の情報を更に含んだ情報であってもよい。また、貸出者20の識別情報は、以下、貸出者IDと称して説明する場合がある。また、貸出者端末12の識別情報は、以下、貸出者端末IDと称して説明する場合がある。
【0043】
貸出者20の連絡先は、例えば、住所、メールアドレス、電話番号などである。貸出者20の連絡先には、貸出者端末12で貸出者20が確認可能な連絡先(貸出者端末12で受信可能なメールアドレスなど)の情報が含まれるものとする。
【0044】
利用者情報32Bは、利用者22に関する情報を管理するためのテーブルである。利用者情報32Bは、例えば、利用者22の識別情報、利用者22の氏名、利用者22の連絡先、利用者22の特徴情報、利用者22が操作する利用者端末14の識別情報を対応付けたテーブルである。なお、利用者情報32Bは、利用者22に関する他の情報を更に含んだ情報であってもよい。
【0045】
利用者22の連絡先は、例えば、住所、メールアドレス、電話番号などである。利用者22の連絡先には、利用者端末14で利用者22が確認可能な連絡先(利用者端末14で受信可能なメールアドレスなど)の情報が含まれるものとする。利用者22の特徴情報とは、利用者22の趣味、趣向、性格、年齢、体型、などの内面的特徴または外面的特徴である。利用者22の識別情報は、以下、利用者IDと称して説明する場合がある。利用者端末14の識別情報は、以下、利用者端末IDと称して説明する場合がある。
【0046】
管理情報32Cは、車両16の車室17を貸出対象として管理するための情報である。情報処理装置10は、管理情報32Cを管理することで、車室17を貸出対象として管理する。
【0047】
管理情報32Cは、車室管理情報32Dと、貸出管理情報32Eとを含む。車室管理情報32Dは、車室17を管理するためのテーブルである。貸出管理情報32Eは、車室17の貸出状況を管理するためのテーブルである。
【0048】
図5Aは、車室管理情報32Dのデータ構成の一例を示す図である。車室管理情報32Dは、車室17ごとに、車室貸出情報とステータスとを対応づけたテーブルである。具体的には、車室管理情報32Dは、車室IDと、車室貸出情報と、ステータスとを対応づけたテーブルである。
【0049】
車室IDは、車室17の識別情報である。車室貸出情報は、車室17の貸出に関する情報であり、貸出者20の指示によって登録される情報である。車室貸出情報は、車両情報と、貸出期間中の走行可否と、停車期間の貸出可否と、貸出期間と、利用料金と、の各々の情報を含む。なお、車室貸出情報は、車室17の貸出に関する他の情報を更に含んだ情報であってもよい。
【0050】
車両情報は、車両16に関する情報である。車両情報は、例えば、貸出者ID、車両ID、車種、貸出領域、を含む。車両IDとは、該車両16の識別情報である。車種とは、車両16の車種を示す情報である。貸出領域とは、車室17を貸し出すときに、該車室17を備えた車両16が位置する予定の領域である。なお、車両情報は、車両16に関する他の情報を更に含んだ情報であってもよい。
【0051】
貸出期間中の走行可否は、貸出期間中の車両16走行を許可するか否かを示す情報である。貸出期間中の走行可否は、例えば、走行許可を示す“OK”、または、走行許可しない事を示す“NG”で表される。
【0052】
停車期間の貸出可否は、車両16の停車期間に該車両16の車室17を利用者22へ貸出すことを許可するか否かを示す情報である。
【0053】
停車期間に車両16の車室17を利用者22へ貸出す事を許可するとは、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間として設定可能であることを意味する。停車期間に車両16の車室17を利用者22へ貸出すことを許可しない、とは、停車期間の全ての期間を、貸出期間として設定することが不可能であることを意味する。
【0054】
停車期間は、移動体が移動を停止している期間である。停車期間は、具体的には、駐車期間または停止期間である。駐車期間とは、予め定められた時間以上の停止または運転者が車両16から離れてすぐに運転できない状態での停止である。停止期間は、予め定められた時間未満の停止である。また、移動体が自動運転車両の場合、停車期間は移動体が所定領域内で周回移動する期間を含む。
【0055】
停車期間の貸出可否は、例えば、貸出可能を示す“OK”または貸出不可を示す“NG”で表される。
【0056】
「停車期間の貸出可否」が“OK”である場合、対応する車室IDによって識別される車室17は、車両16の停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間として設定されうる車室17である。言い換えると、停車期間の貸出可否が“OK”である場合、車室管理情報32Dには、対応する車室IDによって識別される車室17は、車両16が停車した状態での貸出であることを示す情報が設定された状態となる。
【0057】
また、「停車期間の貸出可否」が“NG”である場合、対応する車室IDによって識別される車室17は、車両16の停車期間の貸出を禁止された車室17である。
【0058】
貸出期間とは、車室17を貸し出すことの可能な期間を示す情報である。貸出期間は、例えば、貸出開始時間と貸出終了時間、曜日、年月日、一日を複数の時間帯に分割した該時間帯、などで表される。時間帯は、例えば、午前中、午後、などである。
【0059】
「停車期間の貸出可否」が貸出可能を示す“OK”である場合、該「停車期間の貸出可否」に対応する「貸出期間」は、車両16の停車期間の少なくとも一部の期間に重複する期間であってもよい事を示す。また、「停車期間の貸出可否」が貸出不可を示す“NG”である場合、該「停車期間の貸出可否」に対応する「貸出期間」は、車両16の停車期間の少なくとも一部の期間に重複する期間であってはならないことを示す。
【0060】
このため、後述する制御部30が車室管理情報32Dに基づいて車室17を貸出対象として管理することで、情報処理システム1で利用される車両16の車室17は、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定されうる。
【0061】
また、「停車期間の貸出可否」が貸出可能を示す“OK”であり、且つ、「貸出期間中の走行可否」が走行許可を示す“OK”であると想定する。この場合、これらに対応する「貸出期間」は、車両16の停車期間の少なくとも一部の期間に重複する期間であってもよく、且つ、該「貸出期間」中に車両16を走行させてもよい事を示す。
【0062】
このため、後述する制御部30が車室管理情報32Dに基づいて車室17を貸出対象として管理することで、情報処理システム1で利用される車両16は、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定され、且つ、貸出期間中の走行を許可可能に設定されうる。
【0063】
利用料金は、貸出時の単位時間あたりの利用料金、または、所定期間で定額である利用料金を示す情報である。なお、利用料金は、各国で用いられる通貨単位に限定されず、仮想通貨、ポイントなどの電子マネーであってもよい。車室管理情報32Dに登録される利用料金は、対応する、車両情報、貸出期間中の走行可否、停車期間の貸出可否、および、貸出期間情報、が示す状態での利用料金である。
【0064】
ステータスは、対応する車室IDによって識別される車室17の予約状況を示す情報である。例えば、ステータスは、予約済、利用中、予約未_貸出可能、予約未_貸出不可、を示す情報である。予約済は、対応する車室IDによって識別される車室17が利用者22によって予約済であることを示す情報である。利用中とは、対応する車室IDによって識別される車両16が利用者22によって利用中であることを示す情報である。予約未_貸出可能とは、対応する車室IDによって識別される車室17が利用者22によって予約未であり且つ貸出可能な状態であることを示す情報である。予約未_貸出不可とは、対応する車室IDによって識別される車室17が利用者22によって予約未であり且つ貸出不可能な状態であることを示す情報である。ステータスは、後述する制御部30の制御によって更新される。
【0065】
次に貸出管理情報32Eのデータ構成について説明する。
【0066】
図5Bは、貸出管理情報32Eのデータ構成の一例を示す図である。
【0067】
貸出管理情報32Eは、車室17の利用状況を管理するためのテーブルである。例えば、貸出管理情報32Eは、予約IDと、車室IDと、利用者IDと、予約時間と、利用履歴情報とを対応付けたテーブルである。
【0068】
予約IDは、貸出予約の識別情報である。利用者IDは、利用者22の識別情報である。予約時間は、車室17の予約時間を示す情報である。利用履歴情報は、車室17の実際の利用状況の履歴を示す情報である。貸出管理情報32Eは、後述する制御部30の制御によって更新される。従って利用履歴情報の確認により実際に利用したかを確かめることができ、貸出管理情報32Eから、同一の車室IDの車両を実際に利用した利用者IDを予約時間の順番で時系列順に取得することができる。
【0069】
図4に戻り説明を続ける。決済情報32Fは、決済時に用いる情報を登録したテーブルである。例えば、決済情報32Fは、貸出者20の貸出者IDと貸出者20の決済に用いる情報とを対応付けると共に、利用者22の利用者IDと利用者22の決済に用いる情報とを対応付けたテーブルである。貸出者20の決済に用いる情報は、料金振り込みまたは料金支払時に用いる情報であり、例えば、貸出者20の銀行口座情報、クレジットカード情報などである。利用者22の決済に用いる情報は、料金振り込みまたは支払時に用いる情報であり、例えば、利用者22の銀行口座情報、クレジットカード情報などである。
【0070】
鍵管理情報32Gは、車室17の設備をユーザが解錠または施錠するための鍵情報を管理するためのテーブルである。例えば、鍵管理情報32Gには、ドアやエンジンなどの車室17の設備ごとに、設備の各々を解錠するための鍵情報が登録されている。
【0071】
評価管理情報32Hは、車両16、車室17、貸出者20、および利用者22の少なくとも1つの評価結果(評価情報)を登録するテーブル(登録情報)である。車室17の評価には用途ごとの評価を含めてよい。また、車両16の場所ごとの評価を含めてよい。評価情報は、例えば、貸出者20が利用者22を評価した情報と、利用者22が車室17を評価した情報とを含む。本実施形態では、評価管理情報32Hは、車室17を利用した利用者22の利用者情報と、該車室17を貸し出した貸出者20の貸出者情報と、貸出環境情報と、利用者22と車室17の評価結果とを対応付けた情報である。貸出環境情報とは、貸出環境を示す情報であり、貸出日時、貸出場所などの情報を含む。
【0072】
また、評価管理情報32Hに、利用者が実際に車室を利用した利用用途を示す情報(用途情報)を含めてもよい。評価管理情報32Hに「実際に利用した用途」のデータ項目を設けて、利用者から車室利用後に「実際に利用した用途」のデータを受け付けて登録する。
【0073】
記憶部32に記憶される各種情報は、制御部30による後述する処理によって、適宜、登録および更新が実施される。これらの処理の詳細は後述する。
【0074】
なお、記憶部32に記憶される上記情報の各々のデータ形式は、テーブルに限定されない。
【0075】
次に、制御部30について説明する。制御部30は、受信部30Aと、登録部30Bと、検索部30Cと、第1出力制御部30Dと、選択部30Eと、第2出力制御部30Fと、生成部30Gと、送信部30Hと、更新部30Iと、貸出終了処理部30Jと、を含む。さらに、制御部30は、評価情報生成部30Tを含む。
【0076】
受信部30A、登録部30B、検索部30C、第1出力制御部30D、選択部30E、第2出力制御部30F、生成部30G、送信部30H、更新部30I、貸出終了処理部30J、評価情報生成部30Tは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部の各々は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部の各々は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部の各々は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、複数のプロセッサの各々は、複数の各部のうち1つを実現してもよいし、複数の各部のうち2以上を実現してもよい。
【0077】
プロセッサは、記憶部(HDD11F等)に記憶されたプログラムを読み出し実行することで、上記複数の各部を実現する。なお、(HDD11F等)にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成してもよい。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、上記複数の各部を実現する。
【0078】
受信部30Aは、通信部34を介して、貸出者端末12、利用者端末14、および車両16から各種の情報を受信する。
【0079】
具体的には、受信部30Aは、貸出者端末12から、貸出者情報、車室貸出情報、および、評価情報などを受信する。また、受信部30Aは、利用者端末14から、利用者情報、利用予約情報、利用要求、および、評価情報などを受信する。
【0080】
利用予約情報とは、車室17の利用予約を行う利用者22によって入力される情報である。言い換えると、利用予約情報とは、利用者22が利用希望する車室17の検索条件であり、1または複数の検索ワードを含む情報である。利用予約情報は、例えば、車室17を利用する予定の、日付、利用開始時間、利用時間、利用場所、の少なくとも1つの検索ワードを含む。なお、利用予約情報は、更に他の検索ワードを含んだ情報であってもよい。例えば、利用予約情報は、車両16の車種、車両16を所有する貸出者20の特徴情報、車両16、車室17、または貸出者20の評価情報、などの検索ワードを更に含んだ情報であってもよい。
【0081】
利用要求とは、車室17の利用予約を行う利用者22によって入力される情報である。利用要求は、利用予約情報に示される検索条件の少なくとも1つに一致する1または複数の車室貸出情報の内、利用者22が利用希望する車室17の車室貸出情報と該車室17の利用を要求する要求信号とを含む情報である。
【0082】
登録部30Bは、貸出者情報の貸出者情報32Aへの登録、利用者情報の利用者情報32Bへの登録、車室貸出情報の車室管理情報32Dへの登録、評価管理情報32Hへの登録などの登録処理を実行する。
【0083】
登録部30Bは、貸出者端末12から貸出者情報を受信すると、該貸出者情報を貸出者情報32Aへ登録する。また、登録部30Bは、利用者端末14から利用者情報を受信すると、該利用者情報を利用者情報32Bへ登録する。また、登録部30Bは、貸出者端末12から車室貸出情報を受信すると、該車室貸出情報を車室管理情報32Dに登録する。
【0084】
評価情報生成部30Tは、後述する貸出終了処理部30Jが登録した評価(評価情報)を評価管理情報32Hから取得して補正するなどの処理を行う。例えば同じ車両が連続して利用される場合、それぞれ利用者が異なると途中で車室を汚した人が分からない場合がある。このような場合、車室の評価が適切に行われず低い評価になってしまうことがあるため、評価が登録された後で評価情報生成部30Tが適正な評価に補正する。
【0085】
図6Aは、車室の評価が適切に行われない場合を示す説明図である。
図6Aに示すように、異なる利用者(ユーザA、ユーザB、ユーザC)が連続して同じ車室を利用するとする。車両の貸出者であるオーナは車室を貸し出した後、車室を点検し貸出者の評価を行うが、例えば利用者が短時間だけ車室を利用して次々に利用者が変わると、オーナは車室の点検を利用者が変わる度に行うことが難しい。その場合、あるタイミングで点検を行うことになる。
【0086】
この例では、ユーザA、ユーザB、およびユーザCが車室を利用した後にオーナが点検を行った場合の例である。仮にユーザBが車室を汚した場合、ユーザBは元々綺麗な車室であったため、車室が綺麗であったと評価つまり良評価を付ける。しかし、次の利用者であるユーザCは、ユーザBが汚した車室を利用するため、車室に対し悪い評価(悪評価)をつける。そして、オーナが車室を確認すると車室が汚れているが、どの利用者が車室を汚したか分からない。この例では、利用者が3人で2番目の利用者が車室を汚したので車室の悪評価は最後の利用者が付ける1回であるが、利用者の数が多く、最初の利用者が車室を汚すと、車室の悪評価が加算されてしまう。この場合、車室の評価が信頼性を欠くものとなってしまう。また、ユーザが車室を評価するだけでなく、オーナとユーザとが相互評価できる場合にも、オーナはいずれのユーザに対して良評価をつけて、いずれのユーザに対して悪評価をつけるべきか分からない。
【0087】
そこで、
図6Bに示すように、評価情報生成部30Tは、各利用者による車室の評価が登録された後に、評価管理情報32Hから、同じ車室の利用者の、車室に対する各評価の結果(評価情報)を取得する(S101)。そして、評価情報生成部30Tは、時系列順で評価結果が他と異なる評価を付けた第2利用者(この例ではユーザC)の直前の第1利用者(この例ではユーザB)を特定し、車室の貸出者による第1利用者(ユーザB)への評価を第2利用者(ユーザC)が行った評価(つまりユーザCが行った車両への評価(悪評価))にして評価管理情報32Hに登録し直す(S102、S103)。つまり、評価情報生成部30Tは、適正な評価に付け替え直す補正を行う。この処理により、車室および利用者への評価の信頼性を上げる。このとき、第2利用者(ユーザC)が行って評価管理情報32Hに登録されている車両への評価(悪評価)を、他と同じ評価(良評価)に書き換える。なお、第2利用者(ユーザC)による車両への評価(悪評価)は、他と同じ評価(悪評価)に書き換えずに破棄するとしてもよい。
【0088】
検索部30Cは、利用者端末14から受信した利用予約情報を満たす車室貸出情報を、車室管理情報32Dから検索する。検索部30Cは、受信部30Aで受信した利用予約情報に含まれる1または複数の検索ワードに一致または類似する車室貸出情報を、車室管理情報32Dから検索する。
【0089】
例えば、受信部30Aで受信した利用予約情報に、車室17を利用する予定の利用開始時間、および、利用時間、が含まれている場合を想定する。この場合、検索部30Cは、該利用開始時間から該利用時間を経過するまでの期間に、少なくとも一部が重複する貸出期間を含む、車室貸出情報を車室管理情報32Dから検索する。ここでは、検索部30Cが、複数の車室貸出情報、すなわち、複数の車室IDの各々に対応する車室貸出情報を、車室管理情報32Dから検索した場合を想定して説明を続ける。
【0090】
第1出力制御部30Dは、一覧情報を利用者端末14の出力部26Fへ出力する。一覧情報に、評価管理情報32Hに登録されている各車室の評価情報を含めて利用者端末14の出力部26Fへ出力するようにしてもよい。例えば利用者が利用者端末14で車室を検索し、該当する車室の情報を利用者端末14の出力部26Fへ出力する際に、車室の評価情報に応じて評価数や☆の数などの情報を出力する。利用者端末14側では、検索された車室の評価が評価数や☆の数で表示される。
【0091】
一覧情報とは、車両16の停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定されうる車両16の車室17の情報である。詳細には、一覧情報は、検索部30Cによって検索された、車両16の車室17の車室貸出情報の、一覧を示す情報である。なお、一覧情報は、1または複数の車室17の車室貸出情報を含めばよい。
【0092】
上述したように、情報処理システム1の車両16は、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定されうる車両16である。また、車両16は、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定され、且つ、貸出期間中の走行を許可可能に設定されうる車両16である。
【0093】
このため、一覧情報を出力することで、第1出力制御部30Dは、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定されうる車両16の車室17の車室貸出情報の一覧である一覧情報を、利用者端末14の出力部26Fに出力することとなる。また、第1出力制御部30Dは、停車期間の少なくとも一部の期間を貸出期間に設定されうる車両16の車室17であって、且つ、貸出期間中の走行を許可可能に設定されうる車両16の車室17の一覧情報を、利用者端末14の出力部26Fに出力することとなる。また一覧情報に含まれる各車室の中から評価数や☆により車室を絞ることもできる。
【0094】
図6Cは、一覧情報32Xの一例を示す模式図である。一覧情報32Xは、検索部30Cによって検索された、1または複数の車室貸出情報を含む。例えば、一覧情報32Xは、車室貸出情報である文字情報32X1、および、車室貸出情報である画像32X2を含む。文字情報32X1に評価数や☆を含めることもできる。画像32X2は、例えば、地図画像上における貸出領域に対応する位置に、対応する車室貸出情報を示す画像を配置した画像である。車室貸出情報を示す画像は、例えば、車両16を模式化して示した画像で表される。
【0095】
利用者22は、利用者端末14に表示された一覧情報32Xを参照しながら、利用者端末14を操作することで、利用希望する1つの車室貸出情報を選択する。すると、利用者端末14は、選択された車室貸出情報と、車室17の利用を要求する要求信号とを含む利用要求を、情報処理装置10へ送信する。
【0096】
なお、第1出力制御部30Dが一覧情報32Xを出力する出力部は、利用者22によって閲覧可能な出力機構であればよく、利用者端末14に設けられた出力部26Fに限定されない。例えば、第1出力制御部30Dは、ネットワーク18に接続された各種のディスプレイを、一覧情報32Xを出力する出力部として用いてもよい。該ディスプレイは、例えば、掲示板、電子看板などであるが、これらに限定されない。第1出力制御部30Dは、ネットワーク18に接続された音声を出力するスピーカに、一覧情報32Xを出力する出力部として用いてもよい。
【0097】
図4に戻り説明を続ける。選択部30Eは、利用者端末14から受信した利用要求に含まれる車室貸出情報を、利用者22への貸出対象の車室17の車室貸出情報として選択する。すなわち、選択部30Eは、利用者22の指示に基づいて、一覧情報32Xに含まれる車室17の車室貸出情報の内、利用者22への貸出対象の車室17の車室貸出情報を選択する。
【0098】
第2出力制御部30Fは、貸出可能情報を利用者端末14の出力部26Fに出力する。
【0099】
貸出可能情報とは、選択部30Eが選択した車室17が貸出可能であることを示す情報である。貸出可能情報は、例えば、選択部30Eが選択した車室17の車室貸出情報に含まれる少なくとも一部の情報と、該車室17を貸し出す事を示す情報と、を含む。
【0100】
なお、第2出力制御部30Fは、利用者端末14から受信した利用予約情報に含まれる利用開始時間から利用時間を経過するまでの期間と、該貸出可能情報に含まれる貸出期間と、の重複期間を、実際の予約時間として算出する。そして、第2出力制御部30Fは、貸出期間に代えて該予約時間を含む車室貸出情報を、貸出可能情報として利用者端末14へ出力する。
【0101】
また、第2出力制御部30Fは、貸出可能情報の出力先である利用者端末14の利用者22の利用者IDと、該貸出可能情報に含まれる車室IDと、算出した予約時間と、予約IDと、を対応付けて貸出管理情報32Eへ登録する(
図5B参照)。
【0102】
貸出可能情報を受信した利用者端末14は、利用者端末14の出力部26Fに貸出可能情報を表示する。このため、利用者22は利用者端末14を参照することで、利用者22が利用を許可された車室17の車室貸出情報を確認することができる。
【0103】
図7Aおよび
図7Bは、利用者端末14の出力部26Fに出力された、貸出可能情報の画面の一例を示す模式図である。
【0104】
例えば、貸出可能情報に含まれる車室貸出情報が、貸出期間中の走行可否を示す情報として“NG”を含み、停車期間の貸出可否を示す情報として“OK”を含むと想定する。この場合、利用者端末14の出力部26Fには、例えば、
図7Aに示す貸出可能情報が出力される。
【0105】
また、例えば、貸出可能情報に含まれる車室貸出情報が、貸出期間中の走行可否を示す情報として“OK”を含み、停車期間の貸出可否を示す情報として“OK”を含むと想定する。この場合、利用者端末14の出力部26Fには、例えば、
図7Bに示す貸出可能情報が出力される。
【0106】
図7Aおよび
図7Bに示すように、利用料金は、車両16が停車した状態で貸出す場合(
図7A参照)と、車両16の走行が許可された状態で貸出す場合(
図7B参照)とで、異なりうる。
【0107】
図4に戻り説明を続ける。なお、上述したように、車室管理情報32Dに登録されている車室貸出情報に含まれる貸出領域は、車室17を貸し出すときに、該車室17を備えた車両16が位置する予定の領域である。このため、選択部30Eによって利用者22への貸出対象が選択された場合、車両16の実際の貸出位置を示す情報を利用者22へ通知することが好ましい。
【0108】
そこで、第2出力制御部30Fは、貸出可能情報を利用者端末14の出力部26Fへ出力する前に、貸出者端末12へ選択情報を送信することが好ましい。選択情報とは、駐車ロット情報の入力指示信号を少なくとも含む情報である。例えば、選択情報は、選択部30Eが選択した車室17の車室貸出情報と、駐車ロット情報の入力指示信号と、を含む。
【0109】
駐車ロットとは、車両16の1台分の大きさの領域である。駐車ロット情報とは、選択部30Eが選択した車室17を有する車両16の、貸出領域内の駐車ロットを示す情報である。
【0110】
貸出者端末12が選択情報を受信すると、貸出者端末12の貸出者20は、貸出者20の所有する車両16を実際に配置した駐車ロット情報を入力する。この場合、例えば、貸出者端末12は、駐車ロットの入力を受付けるための入力画面を貸出者端末12に表示する。
【0111】
図8は、貸出者端末12に表示される、駐車ロットの入力を受付けるための入力画面の一例を示す模式図である。貸出者20は、例えば、貸出領域P内における実際に車両16を駐車させた駐車ロットP1を指示入力する。すると、貸出者端末12は、指示入力された駐車ロットP1の駐車ロット情報を情報処理装置10へ送信する。
【0112】
図4に戻り説明を続ける。情報処理装置10の第2出力制御部30Fは、受信部30Aおよび通信部34を介して貸出者端末12から、駐車ロット情報を受信する。そして、第2出力制御部30Fは、貸出者端末12から受信した駐車ロット情報を更に含む貸出可能情報を、利用者端末14へ出力すればよい。
【0113】
次に、生成部30Gについて説明する。生成部30Gは、鍵情報を生成する。生成部30Gは、利用者22が利用する車室17を利用可能とするための鍵情報を生成する。送信部30Hは、生成部30Gで生成された鍵情報を、生成部30Gが直前に貸出可能情報を出力した利用者端末14へ送信する。鍵情報を受信した利用者端末14は、受信した鍵情報を記憶する。
【0114】
更新部30Iは、貸出管理情報32Eを更新する。更新部30Iは、利用者22による利用期間中の、車室17の実際の利用状況を検出し、貸出管理情報32Eに利用履歴情報として登録する。車室17の実際の利用状況は、例えば、車両16のセンサ24Cによって検出された車両16の位置情報、車両16に搭載された各種電子機器の動作状態、などを含む。
【0115】
車両16の制御部24Aは、センサ24C、入力部24E、および駆動部24Gから出力される信号を公知の方法で解析することで、車室17の利用状況を検出し、検出結果を情報処理装置10へ送信すればよい。情報処理装置10の更新部30Iは、検出結果を、受信部30Aおよびネットワーク18を介して車両16から受信する。そして、更新部30Iは、受信した検出結果を利用履歴情報として貸出管理情報32Eへ登録する。
【0116】
貸出終了処理部30Jは、貸出終了処理を実行する。貸出終了処理とは、利用者22による車室17の利用終了時に実行される処理である。貸出終了処理は、例えば、終了時刻通知処理、鍵情報無効化処理、料金計算処理、決済処理、評価処理、を含む。
【0117】
例えば、貸出終了処理部30Jは、終了時刻通知処理として、予約時間の終了時刻を利用者端末14および車両16の少なくとも一方へ通知する。具体的には、貸出終了処理部30Jは、貸出管理情報32Eを参照し、貸出管理情報32Eに登録されている予約時間の終了時刻から所定時間前の時刻となったときに、該予約時間に対応する利用者IDによって識別される利用者22の利用者端末14へ、予約時間の終了時刻を通知する。なお、貸出終了処理部30Jは、該予約時間に対応する車室IDによって識別される車両16の車両16へ、予約時間の終了時刻を通知してもよい。
【0118】
予約時間の終了時刻を受信した利用者端末14および車両16の少なくとも一方は、該終了時刻を示す情報を出力する。このため、該車両16の車室17を利用中の利用者22に、予約時間の終了時刻を提供することができる。
【0119】
また、例えば、貸出終了処理部30Jは、鍵情報無効化処理として、利用者端末14に送信した鍵情報を、車両16の設備の解錠状態への切替えが不可能な状態に無効化する。
【0120】
また、例えば、貸出終了処理部30Jは、料金計算処理として、利用開始から利用終了までの時間と、車室管理情報32Dに登録されている利用料金から、料金を計算する。そして、貸出終了処理部30Jは、計算した料金の料金情報を、利用者端末14および貸出者端末12へ送信する。そして、貸出終了処理部30Jは、計算した料金情報の料金の、利用者22の銀行口座からの引落し、貸出者20の銀行口座への振り込み、などの決済処理を実行する。
【0121】
また、例えば、貸出終了処理部30Jは、評価処理として、貸出者端末12および利用者端末14の各々から評価情報を受信し、評価管理情報32Hへ登録する。このとき、貸出終了処理部30Jは、車室17を利用した利用者22の利用者情報と、該車室17を貸し出した貸出者20の貸出者情報と、貸出環境情報と、受信した貸出者20、利用者22、車両16、および車室17の少なくとも1つの評価情報と、を対応付けて評価管理情報32Hへ登録する。このため、貸出者20と利用者22とのユーザ間の貸し借りの情報が各々の評価情報と共に評価管理情報32Hへ登録され、管理されることとなる。
【0122】
次に、情報処理システム1で実行される情報処理の流れの一例を説明する。まず、登録部30Bによる登録処理の流れを説明する。
【0123】
図9は、情報処理システム1で実行される登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0124】
まず、貸出者情報の登録処理(ステップS1)について説明する。貸出者20は、貸出者端末12を操作することで、貸出者20の氏名、貸出者20の連絡先、などを含む貸出者情報を入力する。貸出者端末12は、入力された貸出者情報を、ネットワーク18を介して情報処理装置10へ送信する(ステップS10)。情報処理装置10の登録部30Bは、貸出者端末12から受信した貸出者情報を、貸出者20の貸出者IDに対応付けて貸出者情報32Aへ登録する(ステップS12)。そして、情報処理装置10の登録部30Bは、登録完了を示す情報を、貸出者端末12へ送信する(ステップS13)。
【0125】
貸出者情報は、1または複数の貸出者20の各々が、各々の貸出者端末12を操作することで入力される。そして、貸出者端末12に貸出者情報が入力される毎に、情報処理システム1は貸出者情報の登録処理(ステップS1)を実行する。
【0126】
次に、利用者情報の登録処理(ステップS2)について説明する。利用者22は、利用者端末14を操作することで、利用者22の氏名、利用者22の連絡先、利用者22の特徴情報、などを含む利用者情報を入力する。利用者端末14は、入力された利用者情報を、ネットワーク18を介して情報処理装置10へ送信する(ステップS20)。情報処理装置10の登録部30Bは、利用者端末14から受信した利用者情報を、利用者22の利用者IDに対応付けて利用者情報32Bへ登録する(ステップS22)。そして、情報処理装置10の登録部30Bは、登録完了を示す情報を、利用者端末14へ送信する(ステップS24)。
【0127】
利用者情報は、1または複数の利用者22の各々が、各々の利用者端末14を操作することで入力される。そして、利用者端末14に利用者情報が入力される毎に、情報処理システム1は利用者情報の登録処理(ステップS2)を実行する。
【0128】
次に、車室貸出情報の登録処理(ステップS3)について説明する。貸出者20は、貸出者端末12を操作することで、車室貸出情報を入力する。詳細には、貸出者20は、貸出者端末12を操作することで、車両情報と、貸出期間中の走行可否と、停車期間の貸出可否と、貸出期間と、利用料金と、の各々の情報を入力する。
【0129】
貸出者端末12は、入力された車室貸出情報を、ネットワーク18を介して情報処理装置10へ送信する(ステップS30)。情報処理装置10の登録部30Bは、貸出者端末12から受信した車室貸出情報を、車室17の車室IDに対応付けて車室管理情報32Dへ登録する(ステップS32)。そして、情報処理装置10の登録部30Bは、登録完了を示す情報を、貸出者端末12へ送信する(ステップS34)。
【0130】
車室貸出情報は、1または複数の貸出者20の各々が、各々の貸出者端末12を操作することで入力される。そして、貸出者端末12に車室貸出情報が入力される毎に、情報処理システム1は車室貸出情報の登録処理(ステップS3)を実行する。
【0131】
次に、利用者端末14から利用予約情報が入力されてから車室17の利用が開始されるまでの利用開始処理の流れを説明する。
【0132】
図10は、情報処理システム1で実行される利用開始処理(ステップS4)の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0133】
利用者22は、利用者端末14を操作することで、利用者22が利用を希望する車室17の検索条件であり、1または複数の検索ワードを含む情報である利用予約情報を入力する。検索ワードは、上述したように、車室17を利用する予定の利用開始時間、利用時間、利用場所、などである。利用者端末14は、利用予約情報の利用者22による入力を受付ける(ステップS39)。利用者端末14は、受付けた利用予約情報を情報処理装置10へ送信する(ステップS40)。情報処理装置10の検索部30Cは、利用者端末14から受信した利用予約情報を満たす車室貸出情報を、車室管理情報32Dから検索する(ステップS42)。
【0134】
第1出力制御部30Dは、検索部30Cによって検索された車室貸出情報の一覧である一覧情報32Xを、利用者端末14へ送信する(ステップS44)。利用者端末14は、利用者端末14の出力部26Fに一覧情報32Xを出力する(ステップS46)(
図6参照)。
【0135】
利用者22は、利用者端末14に表示された一覧情報32X(評価数や☆などを含む)を参照しながら、利用者端末14を操作することで、利用を希望する1つの車室貸出情報を選択する。利用者端末14は、選択された車室貸出情報の入力を受付ける(ステップS48)。利用者端末14は、受付けた車室貸出情報と、車室17の利用を要求する要求信号とを含む利用要求を、情報処理装置10へ送信する(ステップS50)。
【0136】
情報処理装置10の選択部30Eは、ステップS50で受信した利用要求に含まれる車室貸出情報を、貸出対象の車室17の車室貸出情報として選択する(ステップS52)。
【0137】
情報処理装置10の選択部30Eは、ステップS52で選択した車室17の車室貸出情報と、駐車ロット情報の入力指示信号と、を含む選択情報を、該車室貸出情報に含まれる貸出者IDによって識別される貸出者20の貸出者端末12へ送信する(ステップS54)。
【0138】
貸出者端末12が選択情報を受信すると、貸出者端末12の貸出者20は、貸出者20の所有する車両16を実際に配置した駐車ロット情報を入力する。例えば、貸出者端末12は、駐車ロットの入力を受付けるための入力画面を貸出者端末12に表示する(
図8参照)。貸出者端末12は、駐車ロットの入力を受付けると(ステップS55)、受付けた駐車ロットの駐車ロット情報を情報処理装置10へ送信する(ステップS56)。
【0139】
情報処理装置10の第2出力制御部30Fは、ステップS56で受信した駐車ロット情報を含み、ステップS52で選択部30Eが選択した車室17が貸出可能であることを示す貸出可能情報を、利用者端末14へ送信する(ステップS58)。利用者端末14は、利用者端末14の出力部26Fに貸出可能情報を出力する(
図7A、
図7B参照)。
【0140】
次に、情報処理装置10の生成部30Gは、鍵情報を生成する(ステップS62)。そして、情報処理装置10の送信部30Hは、ステップS62で生成された鍵情報を、ステップS58で貸出可能情報を送信した利用者端末14へ送信する(ステップS64)。鍵情報を受信した利用者端末14は、受信した鍵情報を記憶する。また、情報処理装置10の送信部30Hは、鍵権利が利用者22へ移行したことを示す移行情報を貸出者端末12へ送信する(ステップS66)。
【0141】
利用者端末14と車両16との間で鍵情報が通信されることで、車両16の車室17の設備が解錠状態となる(ステップS68)。このため、ステップS58で情報処理装置10から受信した貸出可能情報によって特定される車室17を、利用者22が利用可能となる。
【0142】
例えば、利用者22は、利用を許可された車室17の車両16に利用者端末14を近づけることで、公知の技術により利用者端末14と車両16との通信が実行され、車両16の車室17のドアなどの設備が解錠状態となる。このため、利用者22は、車室17を利用可能な状態となり、車室17の利用を開始することができる。
【0143】
具体的には、例えば、利用者22が利用者端末14を車室17に近づける事で、利用者端末14と車両16との近距離無線通信などにより、利用者端末14の鍵情報が車両16へ送信される。車両16の制御部24Aは、受信した鍵情報が正当な鍵情報であるか否かを公知の方法で認証し、正当な鍵情報である場合、該鍵情報に対応する設備を解錠状態とする。例えば、制御部24Aは、該鍵情報に対応する設備の一例であるドアに対応する解錠・施錠部24Fを解錠状態に切替える。この処理により、車室17内に利用者22が入ることが可能となる。そして、利用開始処理(ステップS4)が終了する。このため、利用者22による車室17の利用が開始される(ステップS5)。
【0144】
次に、利用履歴情報の更新処理、および、貸出終了処理の流れを説明する。
【0145】
図11は、情報処理システム1で実行される利用履歴情報の更新処理(ステップS6)および貸出終了処理(ステップS7)の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0146】
利用履歴情報の更新処理(ステップS6)は、ステップS70~ステップS72の処理を含む。
【0147】
まず、利用者22による車室17の利用が開始されると、車両16の制御部24Aは、車両16のセンサ24Cによって検出された車両16の位置情報、車両16に搭載された各種電子機器の各々の動作状態、などを含む利用状況の検出結果を取得する。車両16の制御部24Aは、所定時間ごと、または、状況が変化するごとに、検出結果を取得すればよい。そして、車両16の制御部24Aは、車室17の利用状況の検出結果を情報処理装置10へ送信する(ステップS70)。
【0148】
情報処理装置10の更新部30Iは、ステップS70で受信した検出結果を、利用履歴情報として貸出管理情報32Eへ登録する(ステップS72)(
図5B参照)。更新部30Iは、検出結果を車両16から受信するごとに、利用履歴情報として貸出管理情報32Eへ登録すればよい。このため、貸出管理情報32Eは、利用期間中、更新されることとなる。
【0149】
次に、貸出終了処理(ステップS7)について説明する。貸出終了処理(ステップS7)は、ステップS80~ステップS112の処理を含む。
【0150】
情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、予約時間の終了時刻を利用者端末14および車両16へ通知する(ステップS80、ステップS82)。
【0151】
予約時間の終了時刻を受信した利用者端末14は、該終了時刻を示す情報を利用者端末14の出力部26Fへ出力する。このため、該車両16の車室17を利用中の利用者22は、利用者端末14を操作することで、車室17の利用終了を入力する。利用者端末14は、利用終了の操作指示を受付けると、利用終了通知を情報処理装置10へ送信する(ステップS84)。
【0152】
利用終了通知を受信すると、情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、鍵情報を無効化する、鍵情報無効化処理を実行する(ステップS86)。そして、情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、車室17の利用終了通知を車両16へ送信する(ステップS88)。利用終了通知を受信した車両16の制御部24Aは、解錠・施錠部24Fを制御することで、車両16の設備を解錠状態から施錠状態へと切り替える。
【0153】
情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、料金計算処理を実行し、利用開始から利用終了までの時間と、車室管理情報32Dに登録されている利用料金から、料金を計算する(ステップS90)。そして、情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、計算した料金の料金情報を、利用者端末14へ送信する(ステップS92)。また、情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、計算した料金の料金情報と、利用終了を示す情報と、を貸出者端末12へ送信する(ステップS94)。
【0154】
次に情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、ステップS90で計算した料金情報の料金の、利用者22の銀行口座からの引落し、貸出者20の銀行口座への振り込み、などの決済処理を実行する(ステップS96)。
【0155】
利用終了通知を受信した利用者端末14は、利用者22から評価情報の操作入力を受付ける(ステップS98)。例えば、車室17を利用した利用者22は、利用者端末14を操作することで、利用した車室17の評価結果(評価情報)を入力する。また、利用者22は、利用者端末14を操作することで、車室17を実際に利用した利用用途を入力してもよい。
【0156】
利用者端末14は、受付けた評価情報を情報処理装置10へ送信する(ステップS100)。情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、利用者端末14から受信した評価情報を、対応する車両16の車両ID、車室17の車室ID、貸出者20の貸出者ID、の各々に対応付けて評価管理情報32Hへ登録する(ステップS102)。従って評価管理情報32Hの車室のID番号(識別番号)と車両の駐車場所(座標)とに対応付けて車室の評価が登録されることになる。そして、情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、評価情報の登録完了を示す情報を利用者端末14へ送信する。
【0157】
また、車室17を貸し出した貸出者20は、貸出者端末12を操作することで、貸出した車室17を利用した利用者22の評価情報を入力する。貸出者端末12は、貸出者20から評価情報の操作入力を受付ける(ステップS106)。例えば、車室17を貸し出した貸出者20は、貸出者端末12を操作することで、貸出した車室17を利用した利用者22の評価情報を入力する。貸出者端末12は、受付けた評価情報を情報処理装置10へ送信する(ステップS108)。情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、貸出者端末12から受信した評価情報を、対応する利用者22の利用者IDに対応付けて評価管理情報32Hへ登録する(ステップS110)。そして、情報処理装置10の貸出終了処理部30Jは、評価情報の登録完了を示す情報を貸出者端末12へ送信する(ステップS112)。
【0158】
(第2の実施形態)
車両の停車場所が複数ある場合に、車両が第1停車場所にある場合の車室の各用途の評価を、第2停車場所に評価に反映する方法を示す。例えば、通常は第1停車場所に駐車している車両を第2停車場所に移動して貸し出す場合に、第1停車場所で受けた評価を第2停車場所での評価に反映する。なお、第2の実施の形態において、車両の予約や貸出の基本的な仕組みは、第1の実施の形態と同様であり、それらについての説明は適宜省略する。ここでは、主に車両が第1停車場所にある場合の車室の各用途の評価を、第2停車場所に評価に反映する方法について説明する。
【0159】
まず、第1停車場所で同じ車両の車室に対し複数の利用用途の評価を受け付ける方法について説明する。利用者は実際に車室を利用したとき、利用者が予約時にこの車室を借りようと思った用途とは異なる印象をもつ場合もある。車室は様々な利用用途が考えられるため、大きさや設備によっては、会議には適しているが授乳には適していないなどと評価が分かれる。このため、予め設定した用途で一律に評価を集計してしまうと、ユーザが参考とする評価の信頼性を欠く場合がある。そこで、利用者が実際に車室を利用した後に他の用途での評価も行えるようにする。
【0160】
図12は、評価受付画面の一例を示す図である。利用者は、その車両を予約する際に車室の利用用途を入力するが、車室の利用後に、その車室について評価を行う際、この評価受付画面で用途を変更することにより別の用途で評価を行うことができる。この処理は、評価受付(
図11:S98)における処理であり、この処理の際、情報処理装置10から利用者端末14に
図12に示す評価受付画面G100を送信し、利用者端末14に表示させた評価受付画面G100で利用者に評価の入力を行わせる。
【0161】
図12に示す評価画面(評価受付画面)G100では、利用者が利用した車両の車両情報が表示されている。一例として車両の車種、ナンバーが表示されている。
【0162】
また、この車両の車室を利用した利用時間と、用途が表示されている。ここに表示されている用途は、例えば利用者が車室の予約時に登録した利用用途である。
【0163】
評価画面G100には各種ボタン(戻るボタンb101、用途編集ボタンb102、評価ボタンb103)が設けられており、それらのボタンを操作して各種用途の評価を行う。具体的には、表示されている用途「会議」のまま評価を行う場合には、評価ボタンb103を押下して評価する。評価ボタンb103を押した回数だけ評価数が加算される。
【0164】
評価する用途を変更する場合は、用途編集ボタンb102に押下して用途一覧から、利用者が評価したいと思う用途を選択してセットし、評価ボタンb103を押して評価する。このように評価画面G100により入力した評価結果(評価情報)は、情報処理装置10の評価管理情報32H(
図4)に第1停車場所における車室の評価として用途毎に登録される。続いて、当該車室の第1停車場所における評価を第2停車場所の評価に反映させる方法について説明する。
【0165】
図13は、第1停車場所における評価を第2停車場所の評価に反映させる方法について説明する図である。
図13には、第1停車場所である場所Aにおける車室の評価と第2停車場所に移動させたときの車室の評価を示している。場所Aの車室の評価は、実際に場所で利用者が車室を利用したときに付けた評価で、利用者が選択した用途について、評価が加算され☆の数で示されている。☆の横に☆の数を小数点以下1桁の数値で示している。各アイコンは用途を示すアイコンである。この例では、場所Aにおいて仮眠は☆3.8、会議は☆4.5、オムツ替えは☆3、8、授乳は☆2.9である。
【0166】
場所Bに示す評価は、場所Aの評価を場所Aの他の車室の評価の傾向を使って生成したものである。
【0167】
図14は、場所Bの評価を生成する処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は評価情報生成部30T(
図4)が行う。
図14に示すように、評価情報生成部30Tが評価管理情報32H(
図4の評価管理情報32Hに対応)から、車室の場所Aの用途毎の評価と、場所Bの他の複数の車室の用途毎の評価を取得する(S201)。
【0168】
続いて、評価情報生成部30Tは、場所Bの評価を生成する処理(評価生成処理)を行う(S202)。具体的には、評価情報生成部30Tは、場所Bの他の複数の車室の用途毎の評価の傾向を求め、その求めた傾向を、場所Aの車室の用途毎の評価に適用し、場所Bの車室の用途毎の評価を生成する。他の複数の車室の用途毎の評価から、例えば場所Bでは授乳に対し他の用途が低いという傾向や、仮眠に対する会議の利用比率において場所Bでは会議の利用が増すなどの傾向を求める。これらを基に例えば各用途の重みづけを設定し、場所Aの各用途の評価に対し、その重み付けで値を算出し、場所Bの各用途の評価として生成する。
【0169】
そして、評価情報生成部30Tは、生成した場所Bの車室の用途毎の評価を評価管理情報32Hに追加登録する(S203)。
【0170】
このようにすることで、車両を場所Bに移動した場合にも、場所Bの用途別の評価を生成することができるため、その生成した評価を利用者端末の画面にも表示させることができる。よって利用者が予約する際に場所Bでの車室の評価情報を提示することができる。
【0171】
なお、これらの例の他にも適宜、変形は可能である。例えば利用者が検索する時に用途を入力し、用途に合った車だけを表示する。車室の貸出者も許可する用途を必須で入れることにより、レイティングが必然的に用途ごとに計算される。
【0172】
また、車室の評価は、☆の平均値と評価の総数とを同時に表示させてもよい。こうすることで評価の総数の少ない用途は信ぴょう性が低いなどと利用者側が判断することができる。また用途ごとに☆の平均値と評価の総数とを見られるようにしてもよい。
【0173】
以上、第1の実施形態および第2の実施形態について説明したが、これらは適宜組み合わせて実施することもできる。例えば第1の実施の形態に示す評価処理と第2の実施の形態に示す評価生成処理とを共に行ってもよい。
【0174】
なお、上述した実施形態における、上記処理を実行するためのプログラムは、上記複数の機能部の各々を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMまたはHDDから情報処理プログラムを読み出して実行することにより、上述した複数の機能部の各々がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した複数の機能部の各々がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した複数の機能部の各々の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0175】
なお、上記には、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、本開示の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0176】
(第1の付記)
(付記1)
移動体の車室を貸し出しする情報処理システムにおいて評価情報を生成する評価処理方法であって、
複数の利用者端末から前記移動体の前記車室の予約登録を行う第1ステップと、
前記移動体の前記車室を利用者が利用した後に各利用者が各利用者端末から前記車室の評価をそれぞれ登録情報に登録する第2ステップと、
前記車室を利用した複数の前記利用者がそれぞれ評価した前記車室の評価結果を前記登録情報から取得し、時系列順で評価結果が他と異なる評価を行った第2利用者の直前の第1利用者を特定し、前記車室の貸出者による前記第1利用者の評価を前記第2利用者が行った評価にして前記登録情報に登録することにより評価情報を生成する第3ステップと、
を含む評価処理方法。
【0177】
(付記2)
前記第3ステップは、前記車室を利用した複数の前記利用者がそれぞれ評価した前記車室の評価結果として良い評価である良評価情報または悪い評価である悪評価情報を前記登録情報から取得し、各利用者が車室を利用した時系列順において良評価を付けた第1利用者に続き悪評価を付けた第2利用者がいる場合に、前記車室の貸出者による前記第1利用者に対する評価を他の利用者に対する良評価とは異なる悪評価にして前記登録情報に登録する、
付記1に記載の評価処理方法。
【0178】
(付記3)
前記第3ステップにおいて、前記登録情報に登録されている前記第2利用者による評価を前記他と同じ評価に書き換える、または前記登録情報に登録されている前記第2利用者による評価を破棄する、
付記1または2に記載の評価処理方法。
【0179】
(付記4)
複数の利用者端末から移動体の車室の予約情報を受信する第1の受信手段と、
前記移動体の前記車室を利用した利用者の各利用者端末から前記車室の評価を含む登録情報を受信する第2の受信手段と、
前記移動体の前記車室を利用した利用者の前記登録情報において、時系列順で評価結果が他と異なる評価を行った第2利用者の直前の第1利用者を特定し、前記車室の貸出者による前記第1利用者の評価を前記第2利用者が行った評価にして登録する登録手段と、
を有する情報処理装置。
【0180】
(第2の付記)
(付記1)
移動体の車室を貸し出しする情報処理システムにおいて評価情報を生成する評価処理方法であって、
利用者端末から前記移動体の前記車室の予約登録を行う第1ステップと、
前記移動体の前記車室を利用者が利用した後に前記利用者が前記利用者端末から前記車室の評価を登録情報に登録する第2ステップと、
前記利用者が前記車室に対する評価を入力する際に、前記利用者の用途とは異なる用途における評価を受け付ける第4ステップと
を含む評価処理方法。
【0181】
(付記2)
前記第4ステップは、前記利用者のユーザ端末に対し、前記車室に対する評価を入力する入力画面として、前記車室の用途を選択する画面を送信し、前記入力画面において選択された用途における評価を受け付ける、
付記1に記載の評価処理方法。
【0182】
(付記3)
移動体の車室を貸し出しする情報処理システムにおいて評価情報を生成する評価処理方法であって、
複数の利用者端末から前記移動体の前記車室の予約登録を行う第1ステップと、
前記移動体の前記車室を利用者が利用した後に前記利用者が前記利用者端末から選択的に前記車室の各用途の評価を登録情報に登録する第2ステップと、
前記移動体の停車場所が複数ある場合において、前記移動体が第1停車場所にある場合の前記車室の各用途の評価を、前記第2停車場所の他の移動体における車室の各用途の評価傾向に基づいて生成した評価で、第2停車場所における前記車室の各用途の評価を表示する、
評価処理方法。
【0183】
(付記4)
前記移動体が第1停車場所にある場合の前記車室の各用途の評価を、前記第2停車場所の他の移動体における車室の各用途の評価傾向に基づいて各用途に重みづけを行った値で、第2停車場所における前記車室の各用途の評価を表示する、
付記3に記載の評価処理方法。
【0184】
(付記5)
複数の利用者端末から移動体の車室の予約情報を受信する第1の受信手段と、
前記移動体の前記車室を利用した利用者の利用者端末から前記車室の評価を含む登録情報を受信する第2の受信手段と、
を有し、
前記受信手段は、前記利用者の前記車室の用途とは異なる用途における評価も受信する、
情報処理装置。
【0185】
(付記6)
複数の利用者端末から移動体の車室の予約情報を受信する第1の受信手段と、
前記移動体の前記車室を利用した利用者の利用者端末から前記車室の評価を含む登録情報を受信する第2の受信手段と、
前記移動体の停車場所が複数ある場合において、前記移動体が第1停車場所にある場合の前記車室の各用途の評価を、第2停車場所の他の移動体における車室の各用途の評価傾向に基づいて生成した評価で、前記第2停車場所における前記車室の各用途の評価を登録する登録手段と、
を有する情報処理装置。
【符号の説明】
【0186】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12 貸出者端末
14 利用者端末
16 車両
18 ネットワーク
20 貸出者
22 利用者
24A 制御部
24B 通信部
24C センサ
24D 出力部
24E 入力部
24F 解錠・施錠部
24G 駆動部
30T 評価情報生成部
32H 評価管理情報