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特許7557939シヌクレイノパチーを処置するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】シヌクレイノパチーを処置するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/428 20060101AFI20240920BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61K31/428
A61K31/4178
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P43/00 114
A61P43/00 121
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019554412
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2018024344
(87)【国際公開番号】W WO2018183192
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】62/477,187
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/528,228
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519348587
【氏名又は名称】チェイス セラピューティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(72)【発明者】
【氏名】チェイス,トーマス エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】クラレンス-スミス,キャスリーン イー.
【合議体】
【審判長】藤原 浩子
【審判官】前田 佳与子
【審判官】石井 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522619(JP,A)
【文献】特表2013-545824(JP,A)
【文献】特表2013-505235(JP,A)
【文献】特表2009-504748(JP,A)
【文献】特表2009-526021(JP,A)
【文献】特表2009-537565(JP,A)
【文献】特表2010-535153(JP,A)
【文献】Am J Manag Care,2008,Vol.14,No.2,p.S49-S58
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/33-33/44
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効一日用量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含み、有効一日用量のオンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と組み合わせて、患者におけるシヌクレイノパチーを処置するための医薬組成物であって、前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物の有効一日用量が4.5mg超である、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の有効一日用量が、1μg~300mgである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、オンダンセトロン塩酸塩二水和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記オンダンセトロン塩酸塩二水和物および前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物が、それぞれ薬学的担体または媒体と混合されて、単位剤形の医薬組成物にそれぞれ製剤化される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物および前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物が、1μg~300mgの単位剤形あたりの量の前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および4.5mg超~42mgの単位剤形あたりの量の前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物を、それぞれ薬学的担体または媒体と混合されて、単位剤形の医薬組成物にそれぞれ製剤化される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物が、6mg超~42mgの単位剤形あたりの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物が、6.5mg~42mgの単位剤形あたりの量である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物と前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、1μg~300mgの単位剤形あたりの量の前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および4.5mg超のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を、薬学的担体または媒体と混合されて含む、単位剤形の医薬組成物に共製剤化される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物において、前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物が、4.5mg超~42mgの単位剤形あたりの量である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物において、前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物が、6mg超~42mgの単位剤形あたりの量である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記組成物において、前記オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、2mg~32mgのオンダンセトロン塩基と同等の単位剤形あたりの量のオンダンセトロン塩酸塩二水和物である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記シヌクレイノパチーが、パーキンソン病、レビー小体認知症、グルコセレブロシダーゼ遺伝子における変異および多系統萎縮症からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年3月27日に出願された米国仮特許出願第62/477,187号、および2017年7月3日に出願された米国仮特許出願第62/528,228号の利益を主張し、これらの開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、シヌクレイノパチー、すなわち、ヒト中枢神経系の神経変性障害の処置、特に、アルファ-シヌクレインのオリゴマー形成および凝集に起因する神経毒性プロセスの処置の分野に関連する。
【0003】
発明の目的
本発明は、セロトニン受容体サブタイプ3のアンタゴニスト(「5HT3-アンタゴニスト」)および6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む医薬の組み合わせを含む、シヌクレイノパチーを処置するための、新たな組み合わせ、組成物および方法に関連する。
【0004】
定義
- 「CNS」:中枢神経系。
- 「IR」:組成物からの活性成分の即時放出。
- 「ER」:組成物からの活性成分の持続放出。
- 「GI」:胃腸の。
- 「AE」:有害作用。
- 「SNCA」:シヌクレイン-アルファまたはアルファ-シヌクレイン。
- 「MSA」:多系統萎縮症。
- 「PD」:パーキンソン病。
- 「LBD」:レビー小体認知症。
- 「AD」:アルツハイマー病。
- 「シヌクレイノパチー」:脳におけるアルファ-シヌクレイン(α-シヌクレイン)の異常な蓄積、プロセシングおよび伝搬によって特徴付けられる疾患。すなわち、α-シヌクレインは、中枢神経系、末梢神経系および自律神経系に沈着する。シヌクレイノパチー(α-シヌクレイノパチーとも呼ばれる)は、限定されるものではないが、パーキンソン病、レビー小体認知症(LBD)またはレビー小体を有する認知症(DLB)、アルツハイマー病、ADのレビー小体異型、多系統萎縮症、脳の鉄蓄積を有する神経変性、およびグルコセレブロシダーゼ(GBA)変異に関連するパーキンソン障害を含む神経変性疾患である。
- 「TTS」:経皮治療システム。
- 「5HT3-アンタゴニストの有効一日用量」:本明細書で使用される場合、この語句は、当該処置のための現在のプロトコールにしたがい、がん化学療法を受けている小児または成人患者における悪心および嘔吐を予防または処置するための用量と少なくとも同用量である、前記5HT3-アンタゴニストの用量を指す。前記一日用量は、通常、1μg~300mgである。
- 「6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」:ラセミ体として入手可能なキラル化合物、化学的には、(R,S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン、(R)-立体異性体として、化学的には、(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(「デクスプラミペキソール」、INN)、および(S)-立体異性体として、化学的には、(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(「プラミペキソール」、INN)。これらの3つの化学物質は、その酸付加塩および溶媒和物としてそれぞれ単離され得る塩基性物質である。プラミペキソール二塩酸塩一水和物は、USAN「プラミペキソール塩酸塩」としても公知である。本明細書で使用される場合、「6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」は、他に規定のない限り、プラミペキソール、そのラセミ体およびプラミペキソール/デクスプラミペキソール混合物からなる群から選択される一員を指す一般用語である。
- 「(R)/(S)-混合物」:この用語は、本発明によって活性成分として使用される、デクスプラミペキソール/プラミペキソールの物理的混合物を指す。
- 「(S)-エナンチオマー」:6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量(一日あたり、または単位形態あたり)に関して、本明細書で使用されるこの用語は、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンにおいて、5HT3-アンタゴニストによって相殺されるドーパミン作用の主な原因である、前記用量で含まれる(S)-立体異性体を指す。より具体的には、S-エナンチオマーは、単独で使用されるプラミペキソールと区別するために、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩で存在するS-立体異性体を指すため、および同様に、(R)/(S)-混合物中の(S)-構成物質として存在するプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を指すために、本明細書において使用される。
- 「6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」、「(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」、「デクスプラミペキソール」、「プラミペキソール」、「(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」、「(S)-エナンチオマー」、「ラセミ体」および「(R)/(S)-混合物」という用語は、(他に規定のない限り)その遊離塩基および薬学的に許容される塩を含み、相対的な用量(一日あたり、または単位形態あたり)は、プラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の用量で与えられる。
- 「有効なプラミペキソールの用量/単位形態」または「有効な(S)-エナンチオマーの用量/単位形態」:0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である、プラミペキソールもしくはその薬学的に許容される塩、または(S)-エナンチオマーもしくはその薬学的に許容される塩の単位形態あたりの用量。上述のように、かつ本明細書で使用されるように、「プラミペキソール」および「(S)-エナンチオマー」は、同じ化学物質を指すが、「(S)-エナンチオマー」という用語は、一般に、ラセミ体および混合物の組成物を記載する場合に使用される。
【背景技術】
【0005】
SNCA(シヌクレイン-アルファ)遺伝子によってコードされる140個のアミノ酸で構成されるタンパク質であるアルファ-シヌクレインは、ヒトの脳において大量に発現し、特に皮質、海馬、黒質および小脳(そこでSNCAは神経伝達物質放出の制御に寄与する)におけるニューロン末端において、主に見出され、血液中に入り(MarquesおよびOuteiro、2012年)、CNS起源のエキソソームにパッケージされる(Shiら、2014年)。
【0006】
正常な状況下では、この可溶性タンパク質は、凝集に抵抗する安定に折り畳まれた四量体を形成すると思われる。しかし、ある特定の病態では、未知の理由のために、アルファ-シヌクレインは、オリゴマー形成し、(原線維の形成を伴って)凝集する。この異常な経路におけるどこかで、末梢循環も通過し、エキソソーム内に移動する、毒性のシヌクレイン種が形成されると考えられる。
【0007】
異常なアルファ-シヌクレインのオリゴマー形成および凝集は、シヌクレイノパチー、特に、PD、LBD、グルコセレブロシダーゼ(GBA)変異に関連するパーキンソン障害、MSA、多系統萎縮症、いくつかの形態のアルツハイマー病および幾つかの他の障害の原因であると考えられ、これらは、「シヌクレイノパチー」と総称される。アルファ-シヌクレインは、脳中で特に豊富な遍在性タンパク質であり、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病および他の神経変性障害の病態形成における中心的な役割を果たすと主張されている(Kimら、2004年)。
【0008】
患者の血漿エキソソームにおける単量体とオリゴマーのシヌクレイン種の異常な比率は、シヌクレイノパチーの診断の顕著な特徴であることが提案されている。
【0009】
PDは、1817年にJames Parkinsonによって最初に報告された、ヒトCNSの一般的な神経変性障害である。これは、3つの主たる臨床徴候である、静止時振戦、動作緩慢および筋固縮を有する。加えて、姿勢の不安定およびさまざまな神経行動学的な能力障害が生じ得る。米国単独では、100万人を超える個人が、この無情な進行性障害に苦しめられていると推定される。また、PDの有病率は、アメリカの人口の一般的な高齢化とともに増加し続けている。パーキンソン病の徴候は、現在、黒質線条体系内でのドーパミン作動性ニューロンの進行性喪失を大きく反映していると考えられている。この変性プロセスの原因は、不完全な理解のままであるが、現在、異常な神経毒種へのアルファ-シヌクレインのミスプロセシングが関与していると思われている。
【0010】
LBDは、進行性認知症の最も一般的な種類の1つである。LBDの中心的な特徴としては、進行性の認知機能低下、幻視、ならびに動作の緩慢、歩行困難および筋固縮などのパーキンソン病様の運動症状が挙げられる。一部は、うつ病を患う場合もある。LBDの症状は、おそらくシヌクレインのミスプロセシングの結果である神経細胞の選択的喪失によって引き起こされ、多くの変性ニューロン内側の球状のシヌクレイン蓄積であるレビー小体の集積に関連する。研究者らは、なぜアルファ-シヌクレインがレビー小体に蓄積するのか、またはどのようにしてシヌクレイン種がLBDの症状を引き起こし得るのかについて、分かっていない。LBDの形成は、PDのためのマーカーとして考えられているが、しかしながら、LBDは、アルツハイマー病(AD)の孤発性および家族性の症例の両方の原因の最大で60%においても観察されている(Al-Mansoorら、2013年)。したがって、α-シヌクレインの凝集は、神経変性疾患の発生における重要なステップとして強く関係づけられている(Al-Mansoorら、2013年)。
【0011】
PDまたは脳幹優勢型LDB、およびLDBまたはレビー小体を有する認知症(DLB)は、最も頻繁な2つのα-シヌクレイノパチーであり、中枢神経系、末梢神経系および自律神経系に沈着するα-シヌクレインの広範な存在を伴う、進行性の多系統の神経変性障害である(Jellinger KA、2008年)。報告によれば、いずれも可変のアルツハイマー型病状に両方とも頻繁に関連する、Braak LBのステージ5および6に対応するPD(認知症あり、またはなし)およびDLB(またはLBD)の間で、臨床的および病理学的にかなりの重複がある(Jellinger KA、2008年)。認知症は、しばしばLBの病状の進行段階と相関しないが、付随するアルツハイマー病の病変または混合病状にも関連する場合がある(Jellinger KA、2008年a)。
【0012】
アルツハイマー病(AD)は、β-アミロイドペプチドの沈着、タウタンパク質(3-および4-繰り返しタウ)のリン酸化およびα-シヌクレイン(aSyn)沈着によって特徴付けられることが報告されている(Jellinger KA、2008年b)。孤発性パーキンソン病(PD)およびレビー小体を有する認知症(DLB)などのレビー小体病(LBD)は、ニューロン、神経突起、グリアおよびシナプス前終末におけるaSyn陽性の沈着を示すが、前頭側頭型認知症は、タウ陽性およびタウ陰性、ユビキチンおよびTDP-43陽性のニューロンならびにグリア封入体が存在する(Jellinger KA、2008年b)。同じ脳内でさまざまな分布パターンで生じ得る主なタンパク質間の分子間相互作用は、さまざまな表現型および混合した病理、例えば、脳幹および扁桃体におけるaSyn病理を有するAD、AD病変を有するPDおよびDLB、ならびにさまざまな混合物の沈着を有する前頭側頭型認知症に関連するが、他のものは、他の病変がなく、1つの主要な病理によって特徴付けられる(例えば、タングル優勢型の認知症、純粋なPD、脳幹優勢LBD)(Jellinger KA、2008年b)。
【0013】
起立性低血圧を伴うMSAは、以前シャイ・ドレーガー症候群と呼ばれていた神経障害に対する現在の用語である。中枢神経系および自律神経系の進行性障害であって、眩暈または失神を引き起こす起立性低血圧(立ち上がった時の血圧の過度の低下)によって特徴付けられる。多系統萎縮症は、起立性低血圧がなく生じ得るが、代わりに、尿路の関与がある(切迫感/失禁)。神経学者らは、この障害を、動作緩慢、筋肉のこわばりおよび振戦などのパーキンソン病の症状を含むパーキンソン病型;協調および発声による問題を引き起こす小脳型;ならびにパーキンソニズムおよび小脳不全の両方の症状を含む組み合わせ型の3種類に分類している。尿失禁、便秘および男性における性交不能症による問題は、疾患の過程の早期に起こる。他の症状としては、全身衰弱、複視または他の視覚障害、呼吸および嚥下困難、睡眠障害ならびに発汗減少が挙げられる。この疾患は他の疾患と共通点があるので、正確な診断には数年かかる場合がある。
【0014】
グルコセレブロシダーゼ遺伝子(GBA)における変異は、常染色体劣性遺伝疾患であるゴーシェ病をもたらし得る。種々の一連の証拠は、変異GBAがパーキンソン病に対する危険因子であり得ることを示唆している。GBA変異は、現在、特発性PDの発生に対する単一の最大の危険因子であると考えられている。臨床的に、画像化において、および薬理学的に、GBA PDは、特発性PDとほぼ同一である(O’Reganら、2017年)。GBA変異キャリアにおいて、これがPDの危険性の増加をもたらす分子メカニズムは完全には解明されていないが、シヌクレインの蓄積に関与することが示されている(Soriaら、2017年)。
【0015】
いくつかの他の障害も、低い頻度ではあるが、シヌクレイノパチーと見なされている。これらとしては、ハラーホルデン・スパッツ症候群、神経軸索ジストロフィー、および外傷性脳損傷のいくつかの症例が挙げられる。ハラーホルデン・スパッツ症候群の症例において、症状としては、パーキンソニズム、ジストニア、嚥下障害/構音障害、手足の固縮/硬直、認知症および痙縮が挙げられる。
【0016】
現在、多くは、シヌクレインの凝集をもたらすプロセスが、これらのシヌクレイノパチー障害において生じるニューロン損傷および破壊の中心であり得ると考えられている。
【0017】
これらのシヌクレイノパチーにおける凝集のメカニズムは不確かなままである。現在の証拠は、アルファヘリックス構造のベータプリーツ配座への変換、およびその後のオリゴマー形成が、シヌクレインの線維化および凝集に対する病原性の前駆症状である可能性があることを示唆している。これらの特徴は、高度の神経毒性にもなり得る、プリオンタンパク質の異常なプロセシングに類似している。セリン-129残基でのアルファ-シヌクレインのリン酸化は、要因として関係づけられている(Chenら、2016年)。この著者によれば、アルファ-シヌクレインのプリオン型は、特に、多系統萎縮症に対する病因であり得る。プリオンは、ミスフォールド、オリゴマー形成、凝集および他の細胞に伝搬することもできる、低分子タンパク質である。脳における結果は、広範囲で、伝搬性の神経毒性プロセスである。
【0018】
したがって、最初のシヌクレインのミスフォールディング、オリゴマー形成および凝集を阻害することは、シヌクレイノパチー障害の進行を、遅延させるか、またはさらには停止させるのに有益であり得る。
【0019】
上記で述べたように、アルファ-シヌクレインは、細胞外スペースに容易に排出され、脳脊髄液、血液、尿および唾液中で特定されている(MarquesおよびOuteiro、2012年)。アルファ-シヌクレインの排出のメカニズムは完全に理解されていないが、研究は、少なくともアルファ-シヌクレインの画分が、エンドサイトーシス起源の40~100nmの膜小胞である、エキソソーム内に排出されることを実証している(Shiら、2014年において概説)。CNSに由来する血漿エキソソーム中の単量体対オリゴマー種の比は、疾患の重症度と相関し(Shiら、2014年)、したがって、血漿エキソソームのアルファ-シヌクレイン種が、疾患の進行の監視に役立ち得ることを示唆している。同様に、エキソソームのアルファ-シヌクレインのレベルは、LBDを有する患者からの試料の横断面における機能損傷の重症度と相関する(Stuendlら、2016年)。
【0020】
上記に基づいて、脳に由来する血漿エキソソーム中で単量体とオリゴマーのアルファ-シヌクレイン種の比を正常化する薬物は、シヌクレイノパチーと関連する神経変性のプロセスを、遅延させるか、またはさらに停止させるはずである。
【0021】
最初のシヌクレインのオリゴマー形成および凝集を標的とする、PD関連シヌクレイノパチーならびに関連障害の処置のためのさまざまな組成物が提案されている。発見されたプロセスは、プリオンおよびシヌクレイン誘導神経変性の細胞モデルならびに動物モデルに主に関与する(Prusinerら、2015年)。残念ながら、これらのモデルは、検証されておらず、現在、すべてが、ヒトにおける効果の不確かな予測因子と見なされている。それにもかかわらず、これらのモデルは、より良好な発見された技術の不存在下で、幅広く使用され続けている。
【0022】
現在検討を提案されている医薬品としては、例えば、プラミペキソールおよびそのアナログなどの低分子が挙げられる。
【0023】
プラミペキソールは、米国特許第4,886,812号に記載されている合成アミノチアゾール誘導体であり、この特許の内容は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。これは、0.375mg/日~4.5mg/日の範囲の用量で、3回に均等に分割された用量で与えられる、パーキンソン病(PD)の運動症状の処置のために承認されている(Mirapex(登録商標)の添付文書、2016年7月)、非エルゴリンのクラスのドーパミンアゴニストである(Schneider CSおよびMierau J、1987年)。プラミペキソールは、0.125mg、0.25mg、0.5mg、1mgおよび1.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含有する即時放出用の錠剤、および4.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含有する持続放出用の錠剤として、供給されている。
【0024】
プラミペキソールは、パーキンソン病の症状の緩和のために幅広く使用されているが、疾患修飾剤としてのその潜在力は、プラミペキソールをかなりの研究の注目の対象にしている。
【0025】
報告によれば、プラミペキソールは、インビトロでシヌクレインのオリゴマーの形成を減少させる(Onoら、2013年)。関連する研究は、プラミペキソールが、アルファ-シヌクレインに対する免疫反応性を低下させながら、マウスPDモデルにおけるドーパミン作動性ニューロンに対するロテノンの毒性作用を阻害し、加えて、プラミペキソールが、Hとチトクロムcによるヒト野生型アルファ-シヌクレインのインビトロのオリゴマー形成を減少させることを示唆している(Indenら、2009年)。プラミペキソールは、ヒト神経芽細胞腫であるSH-SY5Y細胞におけるアルファ-シヌクレインの凝集を阻害することも観察されている(Kakimuraら、2009年)。重要なことには、血清エキソソーム中でのα-シヌクレインの相対発現が、PD型患者のプラミペキソール処置の間に減少することが見出されている(Luoら、2016年)。
【0026】
加えて、プラミペキソールが、PDのさまざまなインビトロ細胞モデルおよびインビボ動物モデルにおいて、神経保護効果を発揮し得ることが報告され始めた。これらの神経保護効果が生じ得るメカニズムは、不確かなままである。残念ながら、動物モデルにおけるプラミペキソールの保護効果は、一般に小さく、ヒト投与のために安全で耐容性があると考えられるよりも高い用量が必要である。したがって、PDの運動症状の処置のために承認されている用量でのプラミペキソールが、535人のPD患者を含む、無作為化比較臨床試験において、神経保護(すなわち、疾患を修飾する)活性を証拠付けることができなかったことは、ほとんど驚くべきことではない(Schapira AH、2013年)。
【0027】
PDの処置のために有用な、デクスプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩および溶媒和物の治療有効量、ならびにプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩および溶媒和物の治療有効量を含む医薬組成物からなる(R)/(S)混合物は、米国特許出願公開第2008/0014259号に開示されており、この特許の内容は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
米国特許出願公開第2008/0014259号によれば、両エナンチオマーは、プラミペキソールのドーパミンアゴニスト活性とは独立した神経機能に対する正の効果を発揮する、脳の細胞、脊髄およびミトコンドリア中において蓄積するそれらの能力によって、神経保護効果を付与することが可能である。特に、前記文献は、神経保護剤としての前記組成物、および最高で5000mgのデクスプラミペキソールの組み合わせにおける、約0.0625mg~約6mgの治療有効量のプラミペキソールを、提案している。しかしながら、この文献は、ほぼ共通する国際公開第2008/113003号において同じ出願人によっても確認されているように、プラミペキソールのドーパミン作動性の作用に起因する有害作用を強調しており、低用量のプラミペキソールに特権を与える傾向があり、この特許の内容は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
その内容が全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2013/0116292号によれば、デクスプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩および溶媒和物は、ニューロンの変性の進行を遅延させることによって、および/または神経細胞死を予防することによって、作用する。しかしながら、デクスプラミペキソールのこの注目すべき作用の可能性に関するさらなる言及は、この文献中には登場しない。
【0030】
デクスプラミペキソールおよびその薬学的に許容される塩、特に、デクスプラミペキソール二塩酸塩一水和物の合成は、米国特許出願公開第2012/0253047号に記載されており、この特許の内容は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
残念ながら、シヌクレイノパチーの患者へのプラミペキソールの投与に関連する制限は、多くの動物モデルによって予測される潜在的により高い神経保護用量でのプラミペキソールの使用を制限する。第1に、シヌクレイン関連神経毒性におけるその推定的な有益な効果を説明するメカニズムは、完全な理解を回避し続けている。第2に、動物モデル研究における効果の大きさは、小さくなる傾向があり、比較的高い薬物の用量でのみ生じる。両方の状況は、PD患者におけるエキソソーム中のシヌクレインにおけるプラミペキソール誘導性変化に関する上記報告にもみられ、これは、承認されているプラミペキソールの最高用量である4.5mg/日の投与に関連する(Mirapex添付文書;2016年7月に改訂)。
【0032】
Luoら(2016年)の報告において、承認された治療用量のプラミペキソールでのパーキンソン患者の処置は、アルファ-シヌクレインの相対発現を(処置前の値と比較して)顕著に低下させたが、効果の大きさは小さかった。より高用量のプラミペキソールは、より有効であり得るが、嘔吐および深刻な悪心などの副作用が、より高用量の使用を不可能にする。例えば、Corriganら(2000年)は、4.5mg/日の最大推奨用量(プラミペキソールのFDAに承認された添付文書)よりもほとんど高くない5mg/日のプラミペキソールの用量が、患者の76%に悪心、および患者の39%に嘔吐を引き起こしたことを報告している。さらにまた、患者の36%は、推定では、容認し得ないGIの有害事象のために、研究を完了することができなかった。
【0033】
米国特許出願公開第2014/0024644号は、5HT3-アンタゴニスト活性を与え、したがって、5HT3受容体の阻害によって処置可能な多数の疾患の処置に有用である、一連のインドール(またはインダゾール)-カルボン酸エステルまたはアミド、アザビシクロアルキル、オキサビシクロアルキルまたはオキサアザビシクロアルキル基によるエステル化体またはN置換体を開示している。特に、この文献は、5HT3-アンタゴニストで処置され得る一連の障害として、嘔吐、片頭痛、薬物乱用および依存、神経変性および精神障害(パーキンソン病を含む)、胃腸障害、免疫障害、アテローム性動脈硬化症ならびに炎症を列挙している。この文献は、前記5HT3-アンタゴニストと、いかなるさらなる情報もないプラミペキソールを含む多数の活性薬剤の可能性のある組み合わせも開示している。
【0034】
異なる治療の文脈において、本発明者らは、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を、米国特許出願公開第2011/0071135号における5TH3-アンタゴニストを含む制吐剤と組み合わせることによって、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の用量を増加させる可能性を開示した。
【0035】
結論として、非常に多数の既存の文献、特に、Willnerら、1994年、Corriganら、2000年ならびに米国特許出願公開第2008/0014259号、米国特許出願公開第2011/0071135号および米国特許出願公開第2014/0024644号の開示にもかかわらず、プラミペキソールの有効性を安全に高めることに成功した者はおらず、プラミペキソールは、現在、パーキンソン病の処置において最低限度の活性のみを提供している。
【0036】
このように、プラミペキソールによる、シヌクレイノパチーを患う患者の安全で、長期の、有効な処置を提供するという課題は未解決のままである。
【発明の概要】
【0037】
本発明は、プラミペキソールの治療濃度域を増加させて、PD様障害を有する患者において、臨床的に有意な程度まで、発症を遅延させ、および/または症状の進行を遅延させる程度まで、その完全な神経保護効果を安全に可能にする。
【0038】
オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物などの5HT3-アンタゴニストが、高用量のプラミペキソールのGI副作用を低減し、またはさらに抑止することによって、プラミペキソールのシヌクレイノパチーを修飾する潜在性に可能性を与えることを、ここで見出した。
【0039】
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと、オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物などの5HT3-アンタゴニストとの組み合わせが、CNSに由来する血漿エキソソーム中の単量体とオリゴマーのシヌクレイン種の他の異常な比を正常化することによって作用することも見出した。
【0040】
5HT3受容体阻害剤または単に5HT3-アンタゴニストとも称される5HT3受容体アンタゴニストを、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと一定の組み合わせで使用することによって、最小の有害作用で、治療的に有効な6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の一日用量を維持することによって、シヌクレイノパチーを患う患者を処置することが可能であることをさらに見出した。
【0041】
加えて、前記5HT3-アンタゴニストが、パーキンソン病の運動症状の緩和のために推奨されるプラミペキソールの最大一日用量よりも高く、はるかに高くあり得る(S)-エナンチオマー用量を含む、一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの安全な投与を可能にすることを見出した。そのため、シヌクレイノパチー、特に、PD、レビー小体病、グルコセレブロシダーゼ(GBA)変異に関連するパーキンソン障害およびMSAを患う患者の状態の改善が達成される。
【0042】
特に、前記5HT3-アンタゴニストの保護的作用が、推奨および承認されている最大用量を、最大で少なくとも4倍、最大で10倍、さらにそれ以上に、プラミペキソールの一日用量を増加させることを可能にすることを見出した。
【0043】
成分(a)としてオンダンセトロンまたは薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物などの5HT3-アンタゴニストと、成分(b)としての6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの組み合わせは、シヌクレイノパチーを患う患者のCNSに由来する血漿エキソソーム中の単量体とオリゴマーのシヌクレイン種の異常な比の正常化をもたらす方法で作用する。
【0044】
したがって、本発明は、CNSに由来する血漿エキソソーム中の単量体とオリゴマーのシヌクレイン種の異常な比を正常化する傾向がある方法で作用することによって、シヌクレイノパチーの処置に使用するための、5HT3-アンタゴニストと6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの組み合わせを提供する。
【0045】
本発明は、シヌクレイノパチーを患う患者を処置するための方法であって、前記患者を、有効一日用量の5HT3-アンタゴニストを治療的有効一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて処置することを含む方法も提供する。
【0046】
ある実施形態によれば、前記5HT3-アンタゴニストおよび前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体と混合された医薬組成物にそれぞれ製剤化され、前記組み合わせでの処置を必要とする患者に、別々に投与される。
【0047】
別の実施形態によれば、前記5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、一緒に混合され、薬学的担体と混合された医薬組成物(固定用量配合剤(fixed-dose combination))に製剤化されて、前記処置を必要とする患者に投与される。
【0048】
がん化学療法の後の悪心および嘔吐を予防または処置するために、有効であることが示され、好ましくは承認されている任意の5HT3-アンタゴニストは、神経変性疾患を処置するために現在一般に使用されている6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量、または神経変性疾患を処置するために現在使用されている用量よりも高い用量での組み合わせにおいて使用され得る。この組み合わせの長期的な使用は、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン中に存在するS-エナンチオマーによって誘発される有害作用を、同時に軽減、またはさらに除去することによって、シヌクレイノパチーの症状を改善する。
【0049】
定義において述べたように、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、前記活性成分の塩または溶媒和物とは独立して、有効主体成分を表す。
【0050】
本明細書において、「その塩または溶媒和物」、および引用される5HT3-アンタゴニストまたは6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンのいずれかに関する「その塩または溶媒和物」という語句は、前記引用された5HT3-アンタゴニスト、または前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンのいずれかの塩が、溶媒、一般に、水で溶媒和され得ることを示す。
【0051】
本発明によれば、好ましくは、使用される5HT3-アンタゴニストは、がん化学療法の後の悪心および嘔吐を予防または処置するために承認されているものである。実際に、驚くべきことに、化学療法薬によって誘発される悪心、嘔吐および下痢を阻止または処置するために公知の5HT3受容体阻害剤は、特に、高用量で投与される場合に、前記シヌクレイノパチーの処置においてその有効性に影響を与えずに、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン中に含有されるS-エナンチオマーの胃腸の副作用も阻止することを示した。
【0052】
病気の重さ、ならびに5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの両方が、10年以上、各々それ自身の効能での使用において2つの系統の製品であったにもかかわらず、有効用量の5HT3-アンタゴニストを有効用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせることによって、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの治療用量、特に、プラミペキソール二塩酸塩一水和物の用量に含有されるS-エナンチオマーの用量の増加を可能にすることによって、シヌクレイノパチーを患う患者の状態を安全に改善することが可能であることを今まで誰も考えなかったので、この知見も、本発明者らによって見出された一見して単純な解決手段を考えると、驚くべきことである。
【0053】
より詳細には、プラミペキソール二塩酸塩一水和物の場合において、5HT3-アンタゴニストと前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物の組み合わせが、多くの患者において、PDの症状の処置のためのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の最大推奨用量(4.5mg/日)を著しく超える、治療的に有効なプラミペキソールの用量の投与を可能にし、それにより、予想外および実質的な疾患の進行の遅延を含む、PDなどのシヌクレイノパチーを患う患者の処置におけるその有効性を増加させることを見出した。
【0054】
このように、本発明は、シヌクレイノパチーを処置するための方法であって、前記処置を必要とする患者に、有効一日用量の5HT3-アンタゴニストを、有効一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0055】
上記定義によれば、「プラミペキソールの有効一日用量」という語句は、パーキンソン病の処置のためのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の少なくとも承認されている一日用量に相当する(即ち、同等)、小児または成人の有効なプラミペキソールの一日用量を指す。しかしながら、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおける上記に定義される「プラミペキソールの有効一日用量」は、いかなる有害作用もなく、パーキンソン病の処置のために承認された一日用量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物の安全な投与を可能するだけでなく、前記承認された用量よりも高いか、さらに高いプラミペキソール二塩酸塩一水和物の一日用量の安全な投与も可能にすることを本明細書によって詳細に述べる。
【0056】
通常、本発明によれば、「有効なプラミペキソールの一日用量」は、0.375mg~42mgである。(R)/(S)混合物の場合において、「有効なS-エナンチオマーの一日用量」は、0.375mg~42mgであり、前記(R)/(S)混合物中に存在し、したがって(R)/(S)混合物で投与される、(S)-エナンチオマーの一日用量に適用される。
【0057】
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの薬学的に許容される塩も本発明に含まれる。これらの塩の実例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような鉱酸、またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、炭酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などのような有機酸との酸付加塩が挙げられる。溶媒物質は、一般に水である。
【0058】
ある実施形態によれば、本発明は、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ用量の成分(a)の5HT3-アンタゴニストと、有効用量の成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む、医薬の組み合わせを提供する。
【0059】
別の実施形態によれば、本発明は、やはり薬学的担体または媒体と混合されて、医薬組成物中の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて投与される、薬学的担体または媒体と混合されて、5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む医薬組成物中の5HT3-アンタゴニストを提供する。
【0060】
この実施形態によれば、前記5HT3-アンタゴニストは、パーキンソン病の処置におけるプラミペキソールの有害作用を予防または治癒させるための使用のための、薬学的担体と混合され、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために承認されている、小児または成人の用量/単位形態と少なくとも同じ高さの量/単位形態で、前記組成物中に存在する。前記組成物中の5HT3-アンタゴニストの量/単位用量は、1μg~300mgである。
【0061】
同じ実施形態によれば、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.125mg~3000mgの量/単位形態で、前記組成物中に存在する。前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンが、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩である場合、前記プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩は、前記組成物中に、0.125mg~42mg、0.125mg~20mg、1.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量で存在する。
【0062】
特に、この実施形態によれば、本発明は、
(a)薬学的担体または媒体と混合された、5mg~10mgのアザセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のアザセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;1.5mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の量/単位形態のドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのメシル酸塩一水和物;0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の量/単位形態のグラニセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2mg~32mg、通常は2mg~16mgのオンダンセトロン塩基と同等の量/単位形態のオンダンセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、塩酸塩二水和物;0.1mg~2mg、通常は0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の量/単位形態のパロノセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2.5μg~100mcg、通常は5mcg~20μgのラモセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;ならびに2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の量/単位形態のトロピセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩からなる群から選択される5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物の5HT3-アンタゴニスト;ならびに
(b)薬学的担体または媒体と混合された、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を活性成分として、0.125mg~42mg、または0.125mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量で含む医薬組成物中のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物
を成分として含む、医薬の組み合わせを提供する。
【0063】
特に、処置の開始の際の使用のために、成分(b)の前記プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、好ましくは、前記組成物中に、1.5mg~20mg、1.6mg~20mg、1.625mg~20mg、3mg~20mg、4.5mg超~20mg、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量で存在する。
【0064】
より高用量でのプラミペキソールの投与のために、前記プラミペキソールは、前記組成物中に、1.5mg超~45mg、1.6mg~45mg、1.625mg~45mg、3mg~45mg、4.5mg超~45mg、6mg超~45mgおよび6.5mg~45mgからなる群から選択されるより幅広い範囲と同等の量で存在し得る。好ましくは、前記プラミペキソールは、前記組成物中に、1.5mg超~42mg、1.6mg~42mg、1.625mg~42mg、3mg~42mg、4.5mg超~42mg、6mg超~42mgおよび6.5mg~42mgからなる群から選択される、より幅広い範囲と同等の量で存在し得る。
【0065】
前記組み合わせにおいて、前記プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、前記医薬組成物中に、即時放出製剤用の薬学的担体または媒体と混合され、1.6mg~10mgまたは6.5mg~10mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量で存在し得る。より高用量でのプラミペキソールの投与のためには、IR単位形態あたりの前記量は、1.6mg~21mgまたは6.5mg~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0066】
前記組み合わせにおいて、前記プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物はまた、前記医薬組成物中に、持続放出製剤用の薬学的担体または媒体と混合されて、4.5mg超~20mgまたは6mg超~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量で存在し得る。より高用量でのプラミペキソールの投与のためには、ER単位形態あたりの前記量は、4.5mg超~45mgまたは6.5mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。好ましくは、ER単位形態あたりの前記量は、4.5mg超~42mgまたは6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0067】
この実施形態によれば、本発明は、上記単位形態あたりの用量の上記医薬組成物中の成分(b)の上記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせた、シヌクレイノパチーの処置のための、薬学的担体または媒体と混合されて、上記単位形態あたりの用量の上記医薬組成物中の成分(a)の上記5HT3-アンタゴニストも提供する。
【0068】
この実施形態の別の態様によれば、本発明は、
(a)薬学的担体または媒体と混合された、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために承認されている、用量/単位形態と少なくとも同じ高さの量の5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む医薬組成物中の5HT3-アンタゴニスト;および
(b)薬学的担体または媒体と混合された、パーキンソン病の処置のために承認されている、用量/単位形態と少なくとも同じ高さの量/単位形態のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む医薬組成物中のプラミペキソール二塩酸塩一水和物
を含む医薬組成物を提供する。
【0069】
前記組み合わせにおいて、成分(a)は、前記組成物中に、1μg~300mgの量で存在し、成分(b)のプラミペキソール二塩酸塩一水和物は、0.125mg~45mgまたは1.5mg~22.5mgの量で存在する。好ましくは、成分(a)は、前記組成物中に、1μg~300mgの量で存在し、成分(b)のプラミペキソール二塩酸塩一水和物は、0.125mg~42mgまたは1.5mg~20mgの量で存在する。
【0070】
さらなる実施形態によれば、本発明は、パーキンソン病の処置において、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物の有害作用を予防または治癒させるための、薬学的担体と混合された、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために、有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ高さの量/単位形態の5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む医薬組成物を含む医薬の調製のための、5HT3-アンタゴニストの使用を提供する。
【0071】
上記で説明したように、5HT3-アンタゴニストの量/単位形態は、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために、有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ高さであり、最大で6倍の前記用量であり得る。
【0072】
またさらなる実施形態によれば、本発明は、薬学的担体または媒体と混合され、成分(a)として、術後の悪心および嘔吐の予防ならびに処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ高さの量/単位形態の5HT3-アンタゴニスト、ならびに成分(b)として、有効な用量/単位形態の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む医薬組成物を含む、固定用量配合剤を提供する。
【0073】
IR単位形態あたりの6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、1.5mg~1500mgの範囲である。上記の範囲は、IR単位形態あたり、より低い6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量を含む、より幅広い用量の範囲に含まれ得る。前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりのより幅広い用量の範囲は、0.125mg~1500mg、有利には、1.5mg~1500mg、好ましくは、1.6mg~1500mgであり得る。
【0074】
IR単位形態あたりの(R)/(S)混合され、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、50mg~1500mgの範囲である。上記の範囲は、IR単位形態あたりの0.125mg~10mgの(S)-エナンチオマーの量を含む。より高用量でのプラミペキソールの投与のためには、上記の範囲は、IR単位形態あたり、0.125mg~21mg、有利には、6.5mg~21mgである。
【0075】
通常、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソール二塩酸塩一水和物である場合、用量範囲は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、IR単位形態あたり、0.125mg~10mg、有利には、1.5mg~10mgまたは6.5mg~10mgである。より高用量でのプラミペキソールの投与のためには、前記の用量範囲は、0.125mg~21mg、通常、6.5mg~21mgである。
【0076】
5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロン塩酸塩二水和物である場合、プラミペキソール二塩酸塩一水和物との組み合わせにおいて、IR単位形態あたりのオンダンセトロンの用量は、2mg~32mg、4mg~32mg、または4mg~16mgのオンダンセトロン塩基と同等である。
【0077】
徐放組成物および経皮パッチなどの経皮治療システムを含むER製剤中の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量/単位形態は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)耐容性に応じて、3mg~3000mgの範囲である。
【0078】
徐放組成物および経皮パッチなどの経皮治療システムを含むER製剤中の(R)/(S)混合物としての6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量/単位形態は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)耐容性に応じて、0.375mg~45mg、または6mg超~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物、好ましくは、0.375mg~42mg、または6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの用量/単位形態を含む、150mg~3000mg、通常は、300mg~3000mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の範囲である。
【0079】
通常、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソール二塩酸塩一水和物である場合、用量範囲/ER単位形態は、3mg~20mgである。有利には、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩である場合、前記の用量範囲/ER単位形態は、4.5mg超~45mg、または6mg超~45mg、いくつかの場合において、4.5mg超~22.5mg、好ましくは、6mg超~22.5mg、または6.5mg~22.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。好ましくは、前記の用量範囲/ER単位形態は、4.5mg超~42mg、または6mg超から42mg、いくつかの場合において、4.5mg超~20mg、好ましくは、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0080】
5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロンである場合、用量/ER単位形態は、8mg~32mgの範囲である。
【0081】
5HT3-アンタゴニストがドラセトロンである場合、上記の用量/単位形態での6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの組み合わせにおける用量/単位形態は、1.5mg~200mg、好ましくは、20mg~200mg(ドラセトロンメシル酸塩において)の範囲である。
【0082】
通常、本発明によるシヌクレイノパチーの処置のための方法(または使用)において、薬学的担体または媒体と混合され、通常は医薬組成物中の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、1.5mg~3000mgの一日用量で、前記処置を必要とする患者に投与される。実際には、前記一日用量は、
- 1.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩;
- 3mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の一日用量のラセミ体またはその薬学的に許容される塩(したがって、明らかに、1.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量、および1.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量を含む);ならびに
- 1.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含む、150mg~3000mgの一日用量での(R)/(S)-混合物(したがって、明らかに、前記一日用量は、1.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの用量によって、および150mg~3000mgマイナス(1.5mg~42mg)のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量によって構成される)
からなる群から選択される。
【0083】
本発明によるシヌクレイノパチーの処置のための方法(または使用)において、薬学的担体または媒体と混合され、通常は医薬組成物中の、(R)/(S)-混合物としての6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.375mg~45mgと同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含み、好ましくは、6mg超~45mg、または6.5mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の(S)-エナンチオマーの一日用量を含み、より好ましくは、0.375mg~42mg、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含む、1.5mg~3000mg、または3.0mg~3000mgの一日用量で、前記処置を必要とする患者に投与される。
【0084】
別の実施形態において、本発明によるシヌクレイノパチーの処置のための方法(または使用)において、(R)/(S)-混合物としての6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、徐放医薬組成物または経皮パッチなどの経皮治療システム中にあり、0.375mg~42mgと同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含み、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の(S)-エナンチオマーの一日用量を含む、150mg~3000mg、または300mg~3000mgの一日用量で、前記処置を必要とする患者に投与される。本発明による前記方法(または使用)において、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、前記患者に投与される。組み合わせにおける5HT3-アンタゴニストの存在に起因して、有利には、前記一日用量の範囲は、4.5mg超~42mg、好ましくは、6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含み得る。
【0085】
特定の実施形態によれば、前記方法(または使用)において、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、4.5mg超~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgの一日用量で、前記患者に投与されるプラミペキソール二塩酸塩一水和物である。この実施形態によれば、前記方法(または使用)において、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、前記患者に投与される。
【0086】
5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロンである場合、前記オンダンセトロンは、4mg~32mgのオンダンセトロン塩基と同等である一日用量で、オンダンセトロン塩酸塩二水和物として、前記患者に投与される。
【0087】
5HT3-アンタゴニストがドラセトロンである場合、前記ドラセトロンは、1.5mg~200mgの一日用量、好ましくは、20mg~200mgの経口用量(ドラセトロンメシル酸塩において)で、ドラセトロンメシル酸塩一水和物として、前記患者に投与される。
【0088】
本明細書において、単位形態あたりのプラミペキソールの用量の範囲は、PDの処置において現在使用されているプラミペキソールの有効な用量を含み、特に、プラミペキソールの一日用量の最初の用量設定の場合において、投与することができる低用量も含む。しかしながら、本発明によれば、固定用量配合剤を含む、上記で解説した組み合わせによるシヌクレイノパチーの安全な処置における治療的に有効なプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用法は、4.5mg/日超と、および6mg/日超(最大で45mg/日)のプラミペキソール二塩酸塩一水和物とも同等であり得る。
【0089】
したがって、本発明は、薬学的担体または媒体と混合された、
- 6mg超~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のIR単位形態あたりのプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量;ならびに
- 6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のER単位形態あたりのプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量
からなる群から選択される活性成分を含む、単位剤形の新たな医薬組成物も提供する。
【0090】
本発明は、薬学的担体または媒体との混合された、
- 6mg超~22.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のIR単位形態あたりのプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量;ならびに
- 6mg超~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のER単位形態あたりのプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量
からなる群から選択される活性成分を含む、単位剤形の新たな医薬組成物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0091】
上記で概要を述べたように、本発明は、成分(a)の5HT3-アンタゴニストと、成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの、固定用量配合剤を含む、組み合わせ、ならびに患者におけるシヌクレイノパチーの処置のためのその使用を提供する。特に、本発明は、
- シヌクレイノパチーを患う患者を処置するための方法であって、前記患者を、5HT3-アンタゴニストを6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて処置することを含む方法;
- シヌクレイノパチーを患う患者の処置における、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの組み合わせでの使用のための、5HT3-アンタゴニスト;
- 6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせた、前記処置を必要とする患者におけるシヌクレイノパチーを処置するための医薬の調製のための、5HT3-アンタゴニストの使用;ならびに
- 成分(a)の5HT3-アンタゴニストおよび成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを、薬学的担体または媒体と混合されて含む、単位剤形の医薬組成物を含む、固定用量配合剤
を提供する。
【0092】
5HT3-アンタゴニスト
上記で説明したように、文献に開示されている任意の5HT3-アンタゴニストは、本明細書の上記に定義する6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量と組み合わせて、使用され得る。
【0093】
この組み合わせの長期使用は、ラセミ体または(R)/(S)-混合物中の(S)-エナンチオマーなどのプラミペキソールによって誘発される有害作用を軽減、またはさらに除去することによって、シヌクレイノパチー障害の進行を遅らせ、それによって、高用量、したがってより神経保護的な用量のプラミペキソールの使用を可能にする。
【0094】
前記5HT3-アンタゴニストは、通常、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために有効であることが示されているか、あるいは承認されているものの中から選択される。
【0095】
5HT3-アンタゴニストは、好ましくは、米国特許第5,360,800号に開示されている、5-メチル-2-[(4-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-1-オン(アロセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;米国特許第4,892,872号に開示されている、(±)-6-クロロ-3,4-ジヒドロ-4-メチル-3-オキソ-N-(キヌクリジニル)-2H-1,4-ベンゾオキサジン-8-カルボキサミド(アザセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;[(1S,5R)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]3,5-ジクロロベンゾエート(ベメセトロン、CAS:40796-97-2);米国特許第4,939,136号に開示されている、(10R)-10-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5,6,9,10-テトラヒドロ-4H-ピリド(3,2,1-jk)カルバゾール-11-オン(シランセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩一水和物;米国特許第4,906,755号に開示されている、(3R)-10-オキソ-8-アザトリシクロ[5.3.1.03,8]ウンデカ-5-イル1H-インドール-3-カルボキシレート(ドラセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのモノメタンスルホン酸塩一水和物;米国特許第5,141,945号に開示されている、(+)-(R)-8,9-ジヒドロ-10-メチル-7-[(5-メチルイミダゾール-4-イル)メチル]ピリド[1,2-a]インドール-6(7H)-オン(ファベセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩またはマレイン酸塩;米国特許第4,886,808号に開示されている、1-メチル-N-((1R,3r,5S)-9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド(グラニセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;米国特許第5,223,511号に開示されている、2,3-ジヒドロ-N-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-カルボキサミド(イタセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;米国特許第5,256,665号に開示されている、1-フェニルメチル-2-(1-ピペラジニル)-1H-ベンゾイミダゾール(レリセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩、ならびに米国特許第6,136,807号に開示されている経皮調製物;6-フルオロ-5-メチル-2-[(5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-1-オン(ルロセトロン、CAS128486-54-4)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのメシル酸塩(GR87442N);米国特許第4,695,578号に開示されている、(±)1,2,3,9-テトラヒドロ-9-メチル-3-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-4H-カルバゾール-4-オン(オンダンセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩二水和物;米国特許第5,202,333号に開示されている、(3aS)-2-[(S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-2,3,3a,4,5,6-ヘキサヒドロ-1-オキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン(パロノセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;米国特許第5,344,927号に開示されている、1-メチルインドール-3-イル)-[(5R)-4,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ベンゾイミダゾール-5-イル]メタノン(ラモセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのフマル酸塩;エンド-N-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-インドール-1-カルボキサミド(3,3-ジメチル-N-1αH,5αH-トロパン-3α-イル-1-インドリンカルボキサミド、リカセトロン(CAS117086-68-7)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;米国特許第4,789,673号に開示されている、1H-インドール-3-カルボン酸の(3-エンド)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イルエステル(3-トロパニルインドール-3-カルボキシレート、トロピセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;ならびに米国特許第5,563,148号に開示されている、5-クロロ-2,2-ジメチル-N-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-7-カルボキサミド(ザトセトロン)、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのマレイン酸塩;からなる群から選択され、この段落で引用したすべての米国特許の開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
有利には、前記5HT3-アンタゴニストは、アザセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、ドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、グラニセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、オンダンセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、パロノセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、ラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、ならびにトロピセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物からなる群から選択される。
【0097】
これらの有利な5HT3-アンタゴニストの薬学的に許容される塩の実例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などのような鉱酸との酸付加塩、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などのような有機酸との酸付加塩が挙げられる。溶媒物質は、一般に水である。
【0098】
術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために承認されている、5HT3受容体のアンタゴニストは、特に、本発明によれば、有用である。特に、10mg錠剤および静脈内注射用の10mgバイアルとして市販されているアザセトロン塩酸塩;200mgの最大用量の錠剤および12.5mg/0.625mlバイアルとして市販されているドラセトロンモノメタンスルホン酸塩一水和物(ドラセトロンメシル酸塩とも称される);2.24mgの最大用量の錠剤として市販されているグラニセトロン塩酸塩;10mgの最大用量の錠剤および20mlの複数回用量のバイアルで入手可能な2mg/ml(オンダンセトロン塩基で)溶液として市販されているオンダンセトロン塩酸塩二水和物;0.56mg錠剤および0.075mg/1.5mlまたは0.25mg/5ml(パロノセトロン塩基で)バイアルとして市販されているパロノセトロン塩酸塩;注射用の0.15mg/mlおよび0.1mg経口錠剤として市販されているラモセトロン塩酸塩;ならびに5.64mgカプセル、静脈内注射用の2.256mg/2mlバイアルならびに静脈内および皮下注射用の5.64mgバイアルとして市販されているトロピセトロン塩酸塩は、特に有利な5HT3-アンタゴニストである。
【0099】
本発明によれば、5HT3-アンタゴニストは、薬学的担体または媒体と混合されて、1μg~300mgの単位形態あたりの量で、前記5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む医薬組成物で使用され、3mg~3000mgの一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと、特に、0.375mg~45mgの一日用量、好ましくは、0.375mg~42mgの一日用量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と組み合わせて投与される。
【0100】
このように、例えば、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて長期に投与される本発明による経口医薬組成物は、15mg~40mgのアザセトロン塩酸塩と同等の一日用量で投与される、5mg~10mgのアザセトロン塩酸塩と同等の単位形態あたりの量のアザセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;75mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の一日用量で投与される、25mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の単位形態あたりの量のドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;1.5mg~8mgのグラニセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の単位形態あたりの量のグラニセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;6mg~64mg、通常は6mg~32mgのオンダンセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、0.5mg~16mg、通常は2mg~8mgのオンダンセトロン塩基と同等の単位形態あたりの量のオンダンセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;0.75mg~2mgのパロノセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の単位形態あたりの量のパロノセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;0.05mg~0.2mgのラモセトロン塩酸塩と同等の一日用量で投与される、0.05mg~0.2mgのラモセトロン塩酸塩と同等の単位形態あたりの量のラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;ならびに7.5mg~20mgのトロピセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の単位形態あたりの量のトロピセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物からなる群から選択される5HT3-アンタゴニストを含み得る。
【0101】
好ましくは、前記5HT3-アンタゴニストは、15mg~40mgのアザセトロン塩酸塩と同等の一日用量で投与される、5mg~10mgと同等の単位形態あたりの量のアザセトロン塩酸塩;75mg~200mgと同等の一日用量で投与される、25mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の単位形態あたりの量のドラセトロンメシル酸塩;1.5mg~16mg、通常は2mg~8mgと同等の一日用量で投与される、0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の単位形態あたりの量のグラニセトロン塩酸塩;6mg~64mg、通常は6mg~32mgのオンダンセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、0.5mg~32mg、通常は2mg~32mg、2mg~16mgまたは2mg~8mgのオンダンセトロン塩基と同等の量のオンダンセトロン塩酸塩二水和物;0.75mg~2mgのパロノセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の量のパロノセトロン塩酸塩;0.05mg~0.2mgの一日用量で投与される、0.05mg~0.2mgの単位形態あたりの量のラモセトロン塩酸塩;ならびに7.5mg~20mgのトロピセトロン塩基と同等の一日用量で投与される、2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の量のトロピセトロン塩酸塩からなる群から選択される。
【0102】
上記で解説した5HT3-アンタゴニストを含む組成物は、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて、また、0.125mg~3000mgと同等の単位形態あたりの量の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン、特に、(R)/(S)-混合物として、50mg~3000mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量で、前記単位形態あたりの前記量は0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量を含み、ラセミ体として、0.25mg~90mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量で、あるいはプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩として、0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量で含む、単位剤形の医薬組成物で、シヌクレイノパチーを患う患者に投与されることが予定される。好ましくは、前記単位形態あたりの量は、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量、ラセミ体として、0.25mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量、またはプラミペキソールもしくはその薬学的に許容される塩として、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量を含む。
【0103】
上記で解説した5HT3-アンタゴニストを含む単位剤形の医薬組成物は、別の活性成分、特に、固定用量配合剤中、薬学的担体または媒体との混合され、前記5HT3-アンタゴニストと共製剤化された6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含有し得る。
【0104】
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン
上記の定義で説明したように、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、
- プラミペキソール、すなわち、(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;
- ラセミ体、すなわち(R,S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;ならびに
- (S)/(R)混合物、すなわち、(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンおよび(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの混合物(薬学的担体または媒体と混合され、通常は医薬組成物中の、例えば米国特許出願公開第2008/0014259号に記載されている、治療有効量の(S)-エナンチオマーを含有する混合物)
からなる群から選択される。
【0105】
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の実例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、グリコール酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、2-アセトキシ安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)、p-トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-アミノ-ベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、2,6-ナフタレンジスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸およびパモ酸(エンボン酸)などの無機酸または有機酸に由来する。溶媒和の溶媒は、一般に水である。
【0106】
プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の場合において、市販のプラミペキソール二塩酸塩一水和物は、好ましい6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンである。例えば、その両方が全体として参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2012/0140604号および国際公開第2008/122638号に開示されているプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含む安定な医薬組成物、全体として参照により
本明細書に組み込まれる米国特許第8,399,016号に開示されているプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含む持続放出組成物は、シヌクレイノパチーの処置のために、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおける使用のために有用であり得る。
【0107】
その内容が、全体として、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,886,812号に記載されているラセミ体およびプラミペキソールは、それぞれ、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、シヌクレイノパチーの処置のための有用な6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンである。
【0108】
(S)/(R)-混合物、すなわち、その内容が全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0014259号に開示されている、治療有効量の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩および溶媒和物、ならびに治療有効量の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩および溶媒和物を含む医薬組成物も、シヌクレイノパチーの処置のために有用な6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンである。
【0109】
シヌクレイノパチーの処置のために、上記の項目「5HT3-アンタゴニスト」において解説される5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体または媒体と混合され、0.125mg~3000mgと同等の量の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む医薬組成物に製剤化される。前記組成物は、1μg~300mgの一日用量の5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、0.375mg~3000mgの一日用量で、前記処置を必要とする患者に投与される。
【0110】
本発明によれば、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、好ましくは、
- 0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物、好ましくは、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの用量の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(INN:プラミペキソール)ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その二塩酸塩一水和物(USAN:プラミペキソール塩酸塩);
- 0.25mg~90mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの用量(したがって、明らかに、0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量、および0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量を含む)、好ましくは、0.25mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの用量(したがって、明らかに、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量、および0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量を含む)の、(R,S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(ラセミ体)ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物;ならびに
- (R)/(S)混合物、すなわち、50mg~3000mg、好ましくは、150mg~3000mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの用量で、前記単位形態あたりの量は0.125mg~45mgのプラミペキソール二水和物一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量を含み(したがって、明らかに、前記単位形態あたりの量は、0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量によって、および50mgから、好ましくは、150mg~3000mgマイナス(0.125mg~45mg)のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンによって構成される)、好ましくは、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの用量で(したがって、明らかに、前記単位形態あたりの量は、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量によって、および50mgから、好ましくは、150mg~3000mgマイナス(0.125mg~42mg)のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量の(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンによって構成される)、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む、単位剤形の医薬組成物
からなる群から選択される。
【0111】
前記単位形態において、単位形態あたりの、プラミペキソールの量、またはラセミ体中もしくは(R)/(S)-混合物中の(S)-エナンチオマーの量は、通常、1.5mg超~45mg、好ましくは、1.5mg超~42mg、有利には、4.5mg超~45mg、好ましくは、4.5mg超~42mg、より有利には、6mg超~45mg、好ましくは、6mg超から42mg、さらにより有利には、6.5mg超~45mg、好ましくは、6.5mg~42mgの、プラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0112】
このように、第1の実施形態によれば、本発明は、適切なプラミペキソールの単位形態、通常は、薬学的担体または媒体と混合された、
- 6mg超~22.5mg、または6.5mg~22.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と、好ましくは、6mg超~21mg、または6.5mg~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のIR単位形態あたりのプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量;ならびに
- 6mg超~45mg、または6.5mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgと同等のER単位形態あたりのプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量
からなる群から選択される活性成分を含む単位剤形の医薬組成物を提供する。
【0113】
この第1の実施形態の第1の態様によれば、本発明は、IR製剤における薬学的担体または媒体と混合された、6.5mg、7mg、8mg、9.5mg、10mg、12mg、14mg、15mg、17.5mg、21mgおよび22.5mgからなる群から選択される、プラミペキソール二塩酸塩一水和物の単位形態あたりの量で、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物を提供する。
【0114】
この第1の実施形態の第2の態様によれば、本発明は、ER製剤における薬学的担体または媒体と混合された、6.5mg、7mg、8mg、9.5mg、10mg、11mg、13.5mg、15mg、16.5mg、18mg、20mg、22.5mg、25mg、27mg、30mg、32mg、35mg、37mg、40mg、42mgおよび45mgからなる群から選択される、プラミペキソール二塩酸塩一水和物の単位形態あたりの量で、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物を提供する。
【0115】
上記で説明したように、本発明によれば、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩の一日用量は、0.375mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。前記一日用量範囲は、
- 低用量、通常、処置の開始の際の用量設定期間の間に、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、シヌクレイノパチーを患う患者に投与される、0.375mg~1.5mgの現在承認されている用量と同等;
- 現在承認されている用量と同等、通常、現在のプロトコールに従って、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて患者に安全に投与され、前記5HT3-アンタゴニストの存在に起因する有害事象を生じない、1.5mg~4.5mg;
- 前記患者の状態を客観的に改善し、動物モデルにおける研究によって事前確認済みの神経保護活性を提供することが可能な、より高い(通常、4.5mg超~6mg)、またはさらに高い(通常、6mg超~45mg、好ましくは、6mg超~42mg)の用量と同等
を含む。
【0116】
第2の実施形態によれば、本発明は、適切な(R,S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(ラセミ体)の単位形態、通常、薬学的担体または媒体と混合された、
- 12mg超~45mg、または13mg~45mg、好ましくは、12mg超~42mg、または13mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のIR単位形態あたりの前記ラセミ体またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量;ならびに
- 12mg超~90mg、または13mg超~90mg、好ましくは、12mg超~84mg、または13mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のER単位形態あたりの前記ラセミ体またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用量
からなる群から選択される活性成分を含む医薬組成物を提供する。
【0117】
本発明によれば、(R,S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩(ラセミ体)の一日用量は、0.75mg~90mg、好ましくは、0.75mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0118】
第3の実施形態によれば、本発明は、薬学的担体または媒体と混合された、(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンおよび(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを活性成分として、50mg~3000mg、好ましくは、150mg~3000mgの単位形態あたりの合計量で含み、前記単位形態あたりの合計量が、6mg超~45mg、好ましくは、6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量を含む、単位剤形の医薬組成物からなる、適切な(R)/(S)-混合物を提供する。
【0119】
この第3の実施形態の態様によれば、本発明は、
- IR製剤における薬学的担体または媒体と混合された、(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンおよび(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを活性成分として、50mg~1500mg、好ましくは、150mg~1500mgの単位形態あたりの合計量で含み、前記単位形態あたりの合計量が、6mg超~22.5mg、好ましくは、6mg超~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量を含む、単位剤形の医薬組成物;ならびに
- ER製剤における薬学的担体または媒体と混合された、(R)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンおよび(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを活性成分として、50mg~3000mg、好ましくは、150mg~3000mgの単位形態あたりの合計量で含み、前記単位形態あたりの合計量が、6mg超~45mg、好ましくは、6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量を含む、単位剤形の医薬組成物
からなる群から選択される適切な(R)/(S)混合物を提供する。
【0120】
前記(R)/(S)-混合物の一日用量は、150mg~3000mg、好ましくは、300mg~3000mgであり、前記一日用量は、0.375mg~42mg、有利には、6mg超~45mg、好ましくは、6mg超~42mg、さらにより有利には、6.5mg超~45mg、好ましくは、6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量を含む。
【0121】
特定の実施形態によれば、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体または媒体と混合された、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgの単位形態あたりの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物に製剤化される、プラミペキソール二塩酸塩一水和物である。前記組成物は、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、6mg超~42mgの一日用量で、シヌクレイノパチーを患う患者に投与されることが予定される。
【0122】
別の特定の実施形態によれば、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体または媒体と混合された、6mg超~45mg、または6.5mg~45mgの単位形態あたりの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物に製剤化される、プラミペキソール二塩酸塩一水和物である。前記組成物は、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、6mg超~45mgの一日用量で、シヌクレイノパチーを患う患者に投与されることが予定される。
【0123】
好ましくは、前記5HT3-アンタゴニストは、前記項において解説した単位形態あたりの量の「5HT3-アンタゴニスト」項において解説した承認されている5HT3-アンタゴニストの1つであり、特定の実施形態において、オンダンセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはドラセトロンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0124】
本発明の第1の態様
第1の態様によれば、本発明は、シヌクレイノパチーを患う患者の疾患の進行を安全に遅らせるか、またはさらに反転させるための方法であって、前記患者に5HT3-アンタゴニストを同時または長期に投与することによって、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンで処置する方法を提供する。
【0125】
より詳細には、本発明は、患者におけるシヌクレイノパチーを処置するための方法であって、前記処置を必要とする前記患者に、有効一日用量の5HT3-アンタゴニストを、有効一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0126】
本発明の方法の実施において、これらの5HT3-アンタゴニストの一日用量は、前記処置または予防のための現在のプロトコールに従って、外科手術もしくはがん化学療法を受けた小児または成人の患者における悪心および嘔吐を予防または処置するものと少なくとも同じ高さである。前記一日用量は、通常、1μg~300mgである。
【0127】
上記で説明したように、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、ラセミ体、プラミペキソールおよび(R)/(S)-混合物、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物からなる群から選択される。
【0128】
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量および一日用量は、「6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」項において上記で解説される。前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量は、0.125mg~42mg、好ましくは、6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの単位形態あたりの量からなるか、またはそれを含む。前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量は、0.375mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-異性体の一日用量からなるか、またはそれを含む。好ましくは、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量は、6mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩二水和物と同等の(S)-異性体の治療有効一日用量からなるか、またはそれを含む。
【0129】
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量は、0.125mg~45mg、好ましくは、6mg超~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-異性体の単位形態あたりの量からなってもよく、またはそれを含んでいてもよい。前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量は、0.375mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-異性体の一日用量からなるか、またはそれを含む。好ましくは、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量は、6mg超~45mgのプラミペキソール二塩酸塩二水和物と同等の(S)-異性体の治療有効一日用量からなるか、またはそれを含む。
【0130】
ある実施形態によれば、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、
- 0.375mg~20mg、好ましくは、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量で投与される、0.125mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の用量/単位形態の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(INN:プラミペキソール)およびその薬学的に許容される塩、特に、その二塩酸塩一水和物(USAN:プラミペキソール塩酸塩);
- 0.375mg~22.5mg、好ましくは、6mg超~22.5mg、または6.5mg~22.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量で投与される、0.125mg~22.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の用量/単位形態の(S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(INN:プラミペキソール)およびその薬学的に許容される塩、特に、その二塩酸塩一水和物(USAN:プラミペキソール塩酸塩);
- 0.25mg~84mgの用量/単位形態の(R,S)-6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(ラセミ体)およびその薬学的に許容される塩、前記用量は、0.375mg~42mg、好ましくは、12mg超~42mg、または13mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量で投与される、0.125mg~42mg、好ましくは、12mg超~42mg、または13mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のS-エナンチオマーの単位形態あたりの量を含む;
- 50mg~3000mg、好ましくは、150mg~3000mgの単位形態あたりの用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む、単位剤形の医薬組成物である(S)/(R)-混合物、前記用量は、0.375mg~20mg、好ましくは、6mg超~20mg、または6.5mg超~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含む、150mg~300mg、好ましくは、300mg~3000mg、または450mg~3000mgの一日用量で投与される、0.125mg~20mg、好ましくは、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等のS-エナンチオマーの単位形態あたりの量を含む;
からなる群から選択される。
【0131】
通常、本発明によるシヌクレイノパチーの処置のための方法(または使用)において、薬学的担体または媒体と混合された、医薬組成物中の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、1.5mg~3000mgの一日用量で、前記処置を必要とする患者に投与される。前記方法(または使用)において、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、前記患者に投与される。上記で説明したように、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、プラミペキソール、ラセミ体または(R)/(S)-混合物であり得る。
【0132】
この投与のために、プラミペキソール、ラセミ体の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンおよび(R)/(S)-混合物からなる群から選択される6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、それぞれ薬学的担体または媒体と混合された、それらのそれぞれの単位形態あたりの前述の個々の量の範囲を含む、単位剤形の医薬組成物に製剤化される。前記組成物は、例えば、国際公開第2012/0140604号、国際公開第2008/122638号、米国特許出願公開第2013/01162924号、米国特許第7,285,669号および米国特許出願公開第2008/0014259号(米国特許第8,017,598号)の特許文献に記載されている公知の技術に従って製造されてもよく、これらの開示のすべては、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
ある実施形態によれば、
前記5HT3-アンタゴニストは、15mg~20のアザセトロン塩酸塩と同等の一日用量のアザセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;75mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の一日用量のドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのメシル酸塩一水和物;1.5mg~8mgのグラニセトロン塩基と同等の一日用量のグラニセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;6~32mgのオンダンセトロン塩基と同等の一日用量のオンダンセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩二水和物;0.1~2mg、好ましくは、0.25~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の一日用量のパロノセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;75mcg~100mcgのラモセトロン塩酸塩と同等の一日用量のラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;ならびに7.5~20mgのトロピセトロン塩基と同等の一日用量のトロピセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩からなる群から選択され;かつ
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.375mg~42mg、特に、6mg超~42mg、または6.5mg超~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩であるか、あるいは
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.375mg~45mg、特に、6mg超~45mg、または6.5mg超~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩である。
【0134】
詳細には、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.375mg~20mg、特に、1.5mg~20mg、有利には、1.6mg~20mg、より有利には、4.5mg超~20mg、好ましくは、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩である。
【0135】
詳細には、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.375mg~22.5mg、特に、1.5mg~22.5mg、有利には、1.6mg~22.5mg、より有利には、4.5mg超~21mg、好ましくは、6mg超~22.5mg、または6.5mg~22.5mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩である。
【0136】
有利な実施形態によれば、本発明の方法において、5HT3-アンタゴニストは、オンダンセトロン塩酸塩二水和物であり、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、プラミペキソール二塩酸塩一水和物である。
【0137】
特定の実施形態によれば、前記方法(または使用)において、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、1.5mg~42mg、いくつかの場合では、1.5mg~20mgの一日用量で、前記患者に投与されるプラミペキソール二塩酸塩一水和物である。この実施形態によれば、前記方法(または使用)において、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、前記患者に投与される。
【0138】
この特定の実施形態の有利な態様によれば、プラミペキソール二塩酸塩一水和物は、IR製剤における薬学的担体または媒体と混合された、4.5mg超~21mg、好ましくは、6mg超~21mg、または6.5mg~21mgを含む単位形態あたりの量の前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物中にある。前記組成物は、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、1日2回または3回、42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の最大一日用量まで、前記患者に投与される。
【0139】
この特定の実施形態の別の有利な態様は、IR製剤における薬学的担体または媒体と混合された、4.5mg超~22.5mg、好ましくは、6mg超~22.5mg、または6.5mg~22.5mgを含む単位形態あたりの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物中のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含む。前記組成物は、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、1日2回または3回、45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物の最大一日用量まで、前記患者に投与される。
【0140】
この特定の実施形態の別の有利な態様によれば、プラミペキソール二塩酸塩一水和物は、ER製剤における薬学的担体または媒体と混合された、4.5mg超~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgを含む単位形態あたりの量の前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物中にある。前記組成物は、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、1日1回、前記患者に投与される。
【0141】
この特定の実施形態の別の有利な態様は、ER製剤における薬学的担体または媒体と混合された、4.5mg超~45mg、好ましくは、6mg超~45mg、または6.5mg~45mgを含む単位形態あたりの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物中のプラミペキソール二塩酸塩一水和物を含む。前記組成物は、5HT3-アンタゴニストと組み合わせて、1日1回、前記患者に投与される。
【0142】
好ましくは、本発明による患者におけるシヌクレイノパチーを処置するための方法において、前記5HT3-アンタゴニストは、4mg~32mgの有効一日用量(オンダンセトロンにおいて)のオンダンセトロン塩酸塩二水和物であり、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、1.5mg~42mg、いくつかの場合では、1.5mg~20mgの有効一日用量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物である。より詳細には、前記方法において、前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物は、6mg超~42mg、または6.5mg~42mg、いくつかの場合では、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgの治療有効一日用量で、シヌクレイノパチーを患う患者に投与される。
【0143】
本発明の第2の態様
第2の態様によれば、本発明は、処置を必要とする患者におけるシヌクレイノパチーの処置において、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて使用するための5HT3-アンタゴニストを提供する。
【0144】
特に、本発明の第2の態様は、処置を必要とする患者におけるシヌクレイノパチーの処置のための、0.375mg~3000mgの前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの一日用量と組み合わせて使用するための、1μg~300mgの量の5HT3-アンタゴニストを提供する。
【0145】
ある実施形態によれば、通常、1μg~300mgの単位形態あたりの量の前記5HT3-アンタゴニストは、(R)/(S)-混合物として、50mg~3000mg、150mg~3000mg、または300mg~3000mgの一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて使用するためのものであり、前記一日用量は、0.375mg~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの用量を含む。
【0146】
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンはまた、0.75mg~84mg、好ましくは、12mg超~42mg、または13mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のラセミ体であり得る。
【0147】
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンはまた、0.75mg~90mg、好ましくは、12mg超~45mg、または13mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のラセミ体であり得る。
【0148】
好ましくは、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、1.5mg~20mg、有利には、4.5mg超~20mg、より有利には、4.8g~20mg、好ましくは、6mg超~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0149】
この第2の態様によれば、医薬の組み合わせは、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために有効であると示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ高さである用量の5HT3-アンタゴニスト、ならびに有効用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む。
【0150】
有利には、前記組み合わせにおいて、前記5HT3-アンタゴニストは、アザセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、ドラセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、グラニセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、オンダンセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、パロノセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、ラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、ならびにトロピセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物からなる群から選択され、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.375mg~42mgと同等の一日用量、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgの治療有効一日用量で、シヌクレイノパチーを患う患者に安全に投与される、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0151】
前記5HT3-アンタゴニストとの前記組み合わせにおいて、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩は、いくつかの場合では、1.5mg~20mg、1.6mg~20mg、1.625mg~20mg、3mg~20mg、4.5mg超~20mg、4.8mg~20mg、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量で、シヌクレイノパチーを患う患者に投与される。
【0152】
シヌクレイノパチーの処置のためのこれらの投与のために、5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体または媒体と混合された医薬組成物にそれぞれ製剤化される。
【0153】
特に、この第2の態様によれば、医薬の組み合わせは、薬学的担体または媒体と混合された、
(a)薬学的担体または媒体と混合された、5mg~10mgのアザセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のアザセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;1.5mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の量/単位形態のドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのメシル酸塩一水和物;0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の量/単位形態のグラニセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2mg~32mg、通常は2mg~16mgのオンダンセトロン塩基と同等の量/単位形態のオンダンセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、塩酸塩二水和物;0.1mg~2mg、通常は0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の量/単位形態のパロノセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2.5μg~100μg、通常は5mcg~20mcgのラモセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;ならびに2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の量/単位形態のトロピセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩からなる群から選択される5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む、単位剤形の医薬組成物中の5HT3-アンタゴニスト;ならびに
(b)0.125mg~42mg、通常、1.5mg超~42mg、4.5mg超~42mg、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む医薬組成物中のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは
0.125mg~45mg、通常、1.5mg超~45mg、4.5mg超~45mg、6mg超~42mg、または6.5mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む医薬組成物中のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物
を成分として含む。
【0154】
このように得られた医薬組成物は、シヌクレイノパチーを患う患者に、同時的にまたは連続して投与される。
【0155】
本発明による使用は、処置の方法を行うために、本明細書の上記で解説した条件下で行われる。
【0156】
本発明の第3の態様
第3の態様によれば、本発明は、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの有効用量と組み合わせた、処置を必要とする患者におけるシヌクレイノパチーの処置のための医薬の調製のための5HT3-アンタゴニストの使用を提供する。
【0157】
「5HT3-アンタゴニスト」項に開示される任意の5HT3-アンタゴニストは、「6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン」項において解説した6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの有効用量と組み合わせて、前記患者に投与される前記医薬の調製のために、使用され得る。
【0158】
有利には、前記5HT3-アンタゴニストは、アザセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、ドラセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、グラニセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、オンダンセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、パロノセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物、ラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、ならびにトロピセトロンならびにその薬学的な塩および溶媒和物からなる群から選択され、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0159】
医薬組成物中の前記5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩は、0.375mg~42mg、有利には、4.5mg超~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgと同等の一日用量、あるいはいくつかの場合では1.5mg~20mg、1.6mg~20mg、1.625mg~20mg、3mg~20mg、4.5mg超、4.8mg~20mg、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量で、シヌクレイノパチーを患う患者に安全に投与される。
【0160】
シヌクレイノパチーの処置のためのこれらの投与のために、5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体または媒体と混合された医薬組成物にそれぞれ製剤化される。
【0161】
このように得られた医薬組成物は、シヌクレイノパチーを患う患者に、同時的にまたは連続して投与される。
【0162】
したがって、この第3の態様によれば、本発明は、処置の必要がある患者におけるシヌクレイノパチーの処置のために、薬学的担体または媒体と混合された医薬組成物中の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて、同時的にまたは連続して投与される、薬学的担体または媒体と混合された5HT3-アンタゴニストを活性成分として含む医薬組成物中の5HT3-アンタゴニストを提供する。
【0163】
この態様によれば、5HT3-アンタゴニストは、薬学的担体または媒体と混合され、1μg~300mgの単位形態あたりの量で、前記医薬組成物中に存在し、それぞれ、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、薬学的担体または媒体混合され、0.125mg~3000mgの量で、前記組成物中に存在する。より詳細には、投薬量、すなわち、単位形態あたりの前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量は、IR単位形態では、0.125mg~1500mg、有利には、1.5mg~1500mg、より有利には、1.6mg~1500mg、好ましくは、1.625mg~1500mgの範囲内であり、ER単位形態では、3mg~3000mgの範囲内である。
【0164】
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの組み合わせにおける、シヌクレイノパチーの処置のためのその効能のために、前記医薬組成物中の好ましい5HT3-アンタゴニストは、5mg~10mgのアザセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のアザセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;20mg~200mgのドラセトロンメシル酸塩と同等の量/単位形態のドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのメシル酸塩一水和物;0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の量/単位形態のグラニセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2mg~32mg、通常は2mg~16mgのオンダンセトロン塩基と同等の量/単位形態のオンダンセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩二水和物;0.1mg~2mg、通常は0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の量/単位形態のパロノセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2.5μg~100mcgのラモセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;ならびに2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の量/単位形態のトロピセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩からなる群から選択される。
【0165】
前記好ましい5HT3-アンタゴニストを含む前記医薬組成物は、好ましくは、プラミペキソールならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物からなる群から選択され、また、医薬組成物中に、薬学的担体または媒体と混合された、0.125mg~42mg、通常は、1.5mg~42mg、1.6mg~42mg、1.625mg~42mg、3mg~42mg、4.5mg超~42mg、6mg超~42mg、および6.5mg~42mgからなる群から選択される範囲のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量の前記プラミペキソールならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物を含む、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて、シヌクレイノパチーを患う患者に、同時的にまたは連続して投与される。
【0166】
前記好ましい5HT3-アンタゴニストを含む前記医薬組成物は、好ましくは、プラミペキソールならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物からなる群から選択され、また、医薬組成物中に、薬学的担体または媒体と混合された、0.125mg~45mg、通常は、1.5mg~45mg、1.6mg~45mg、1.625mg~45mg、3mg~45mg、4.5mg超~45mg、6mg超~45mg、および6.5mg~45mgからなる群から選択される範囲のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量の前記プラミペキソールならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物を含む、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて、シヌクレイノパチーを患う患者に、同時的にまたは連続して投与される。
【0167】
ある実施形態によれば、特に、処置の開始の際の使用のために、前記医薬組成物中の前記プラミペキソールは、薬学的担体または媒体と混合された、0.125mg~21mg、または0.125mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量で存在する。特に、前記組成物中の前記単位形態あたりの量は、1.5mg~20mg、1.6mg~20mg、1.625mg~20mg、3mg~20mg、4.5mg超~20mg、6mg超~20mgおよび6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択される範囲と同等である。
【0168】
より詳細には、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩の前記量は、
IR製剤では、0.125mg~21mgと同等であり、有利には、1.5mg超~21mg、1.6mg~21mg、1.625mg~21mg、3mg~21mg、4.5mg超~21mg、6mg超~21mg、および6.5mg~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択される範囲と同等であり;
ER製剤では、3mg~42mg、4.5mg超~42mg、6mg超~42mg、および6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択される範囲と同等である。
【0169】
この第3の態様による5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む組成物はまた、(R)/(S)-混合物として、150mg~3000mg、通常は、300mg~3000mgの一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンでのシヌクレイノパチーの処置を予定し、前記一日用量は、0.375mg~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの一日用量を含み、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンはまた、薬学的担体または媒体と混合された、単位剤形の医薬中にある。
【0170】
このようにして製造される5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む組成物はまた、ラセミ体として、0.75mg~84mg、好ましくは、12mg超~84mg、または13mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の一日用量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンでのシヌクレイノパチーの処置を予定し、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンはまたはまた、薬学的担体または媒体と混合された、単位剤形の医薬中にある。
【0171】
互いに組み合わせて同時的に使用されるこれらの医薬組成物は、パーキンソン病、レビー小体認知症、グルコセレブロシダーゼ(GBA)変異に関連するパーキンソン障害および多系統萎縮症などのシヌクレイノパチーを患う患者の実質的および有効な処置のための、プラミペキソールの使用を初めて可能にする。
【0172】
5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロンである場合、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンと組み合わせて患者に投与される錠剤あたりの用量は、2mg~16mg、通常は、2mg~8mg、または4mg~8mgの範囲である。
【0173】
オンダンセトロンはまた、経皮投与、皮下投与、静脈内投与用の組成物中、持続放出錠剤もしくはカプセルなどの徐放組成物中、または、例えば、パッチ、好ましくは、Cho J-Rら、2016年によって記載されているようなマトリックスパッチなどの経皮薬物送達システム(TDDS)としての組み合わせ製品中;パッチポンプ、注入ポンプまたはマイクロポンプ;あるいはKoland Mら、2013年によって記載されているものなどの速溶性のバッカルフィルム;に存在し得る。
【0174】
シヌクレイノパチーの処置において、5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、組み合わせて使用され、2つの活性成分は、同時にまたは連続して、あるいは5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを薬学的担体または媒体と混合されて含む医薬組成物を含む固定用量配合剤として、共投与されてもよい。
【0175】
成分(a)の5HT3-アンタゴニストおよび成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、カプセル剤、錠剤、散剤、カシェ剤、懸濁剤、液剤または経皮デバイスなどの、任意の従来の経口もしくは非経口の単位剤形で、別々または一緒に投与することができる。
【0176】
単位形態あたりの有効量の前記5HT3-アンタゴニスト、および単位形態あたりの有効量の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの別々の(同時的または連続)投与の場合において、これらのそれぞれは、容器中の薬学的担体または媒体と混合された前記5HT3-アンタゴニスト;ならびに別の分離した容器中の薬学的担体または媒体と混合された前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン、好ましくは、プラミペキソールを含むキットに包装することができる。
【0177】
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの組み合わせでのシヌクレイノパチーの処置において企図する使用のために、5HT3-アンタゴニストは医薬組成物に製剤化され、前記5HT3-アンタゴニストは、薬学的担体または媒体と混合されている。
【0178】
シヌクレイノパチーの処置のためのこれらの同時的投与のために、前記5HT3-アンタゴニストおよび前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン、好ましくは、プラミペキソールは、一緒にされ、薬学的担体または媒体とともに、医薬組成物に製剤化されてもよい(固定用量配合剤)。
【0179】
本発明の第4の態様
第4の態様によれば、本発明は、それらの活性成分の1つとして、有効量の上記に示す5HT3-アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩および溶媒和物の1つ;ならびに第2の活性成分として、有効量の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物を、薬学的担体または媒体と混合されて含む医薬組成物を提供する。
【0180】
前記5HT3-アンタゴニストおよび前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、一緒に、成分(a)の前記5HT3-アンタゴニスト、および成分(b)の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを、薬学的担体または媒体と混合されて含む医薬組成物からなる、固定用量配合剤に製剤化される。
【0181】
固定用量配合剤は、5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの安全で同時的な投与を保証する。
【0182】
成分(a)の5HT3-アンタゴニストの単位形態あたりの用量は、1μg~300mgの範囲であり、成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりの用量は、0.125mg~3000mgの範囲である。
【0183】
特に、この第1の態様によれば、本発明は、薬学的担体または媒体と混合された、
(a)1μg~300mgの単位形態あたりの量の5HT3-アンタゴニスト;ならびに
(b)0.25mg~84mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量のラセミ体またはその薬学的に許容される塩;0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩;および0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量の(S)-エナンチオマーを含む、50mg~3000mgの単位形態あたりの量の(R)/(S)混合物からなる群から選択される6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン;あるいは
0.25mg~90mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量のラセミ体またはその薬学的に許容される塩;0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩;および0.125mg~45mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量の(S)-エナンチオマーを含む、50mg~3000mgの単位形態あたりの量の(R)/(S)混合物からなる群から選択される6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン
を含む、単位剤形の医薬組成物を提供する。
【0184】
好ましくは、5HT3-アンタゴニストの量/単位形態は、術後の悪心および嘔吐の予防もしくは処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために、有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ用量であり、最大で6倍の前記用量であり得る。
【0185】
特に、第1の実施形態によれば、本発明は、薬学的担体または媒体と混合された、成分(a)として、5mg~10mgのアザセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のアザセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;20mg~200mgの(ドラセトロンメシル酸塩における)量/単位形態のドラセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、そのメシル酸塩一水和物;0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の量/単位形態のグラニセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2mg~32mg、通常は2mg~16mgのオンダンセトロン塩基と同等の量/単位形態のオンダンセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、塩酸塩二水和物;0.1mg~2mg、通常は0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の量/単位形態のパロノセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;2.5μg~100mcgのラモセトロン塩酸塩と同等の量/単位形態のラモセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩;ならびに2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の量/単位形態のトロピセトロンならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特に、その塩酸塩からなる群から選択される5HT3-アンタゴニスト;ならびに成分(b)として、0.125mg~3000mgの量/単位の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む、単位剤形の医薬組成物からなる固定用量配合剤を提供する。
【0186】
好ましくは、前記医薬組成物において、前記5HT3-アンタゴニストは、2mg~32mgのオンダンセトロン塩基と同等の単位形態あたりの量のオンダンセトロン塩酸塩二水和物であり、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、0.125mg~42mgの単位形態あたりの量、または0.125mg~45mgの単位形態あたりの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物である。
【0187】
より詳細には、成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンのIR単位形態あたりの用量は、通常、(成分(a)の5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおける)安全性および耐容性に応じて、0.125mg~1500mg、有利には、1.6mg~1500mg、好ましくは、1.625mg~1500mgである。
【0188】
IR単位形態あたりの6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの前記用量は、通常、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、1.5mg~1500mgの範囲である。
【0189】
この第1の実施形態によれば、固定用量配合剤の成分(b)の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンが、プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である場合、単位形態あたりの用量範囲は、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、安全性および耐容性に応じて、0.125mg~42mg、通常は、1.5mg~42mg、1.6mg~42mg、1.625mg~42mg、3mg~42mg、4.5mg超~42mg、6mg超~42mg、および6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択される範囲と同等である。
【0190】
いくつかの場合において、特に、処置の開始の際の使用のために、この第1の実施形態によれば、前記医薬組成物中の前記プラミペキソールは、5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて、安全性および耐容性に応じて、0.125mg~21mgと同等の単位形態あたりの量で、または、0.125mg~10mg、有利には1.5mg~10mg、より有利には、1.6mg~10mg、好ましくは、1.625mg~10mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの用量範囲内である。
【0191】
固定用量配合剤の成分(b)の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンが、(R)/(S)-混合物である場合、単位形態あたりの用量範囲は、0.125mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの(S)-エナンチオマーの量を含む、50mg~3000mgである。
【0192】
IR単位形態あたりの(R)/(S)混合物としての6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、1.5mg~1500mgの範囲である。上記の範囲は、IR単位形態あたり、より低い6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量を含む、より幅広い用量の範囲に含まれ得る。前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの単位形態あたりのより幅広い用量の範囲は、0.125mg~1500mg、有利には、1.5mg~1500mg、好ましくは、1.6mg~1500mgであり得る。特に、(R)/(S)-混合物として、IR単位形態あたりの6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、0.125mg~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの量を含む、50mg~3000mgの範囲である。
【0193】
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソールである場合、IR単位形態あたりの用量範囲は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、0.125mg~21mg、好ましくは、6mg超~21mg、または6.5mg~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0194】
通常、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソール二塩酸塩一水和物である場合、用量範囲は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)安全性および耐容性に応じて、IR単位形態あたり、0.125mg~10mg、有利には、1.5mg~10mgである。5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロン塩酸塩二水和物である場合、プラミペキソール二塩酸塩一水和物との組み合わせにおいて、IR単位形態あたりのオンダンセトロンの用量は、2mg~16mg、または4mg~16mgのオンダンセトロン塩基と同等である。上記プラミペキソール二塩酸塩一水和物の用量の範囲は、IR単位形態あたり、より低いプラミペキソール二塩酸塩一水和物の用量を含む、より幅広い用量の範囲に含まれ得る。前記プラミペキソール二塩酸塩一水和物の単位形態あたりのより幅広い用量の範囲は、IR単位形態あたり、0.125mg~10mg、1.5mg~10mg、1.6mg~10mg、または1.625mg~10mgであり得る。
【0195】
徐放組成物および経皮パッチなどの経皮治療システムを含むER製剤中の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量/単位形態は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)耐容性に応じて、3mg~3000mgの範囲である。
【0196】
前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソールである場合、用量範囲/ER単位形態は、1.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。有利には、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソールである場合、前記の用量範囲/ER単位形態は、4.5mg超~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、および6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択される範囲と同等である。
【0197】
通常、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソール二塩酸塩一水和物である場合、用量範囲/ER単位形態は、1.5mg~20mg、通常は、3mg~20mgである。有利には、前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩である場合、前記の用量範囲/ER単位形態は、4.5mg超~20mg、好ましくは、6mg超~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0198】
5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロンである場合、用量/ER単位形態は、4mg~32mg、または8mg~32mgの範囲である。
【0199】
5HT3-アンタゴニストがドラセトロンである場合、上記の用量/単位形態での6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの組み合わせにおける用量/単位形態は、1.5mg~200mg、好ましくは、20mg~200mg(ドラセトロンメシル酸塩において)の範囲である。
【0200】
この第1の実施形態によれば、固定用量配合剤の成分(b)の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンが、徐放組成物および経皮パッチなどの経皮治療システムを含むER製剤中の(R)/(S)混合物である場合、前記用量範囲/ET単位は、(5HT3-アンタゴニストとの組み合わせにおいて)耐容性に応じて、3mg~42mg、好ましくは、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の(S)-エナンチオマーの単位形態あたりの量を含む、150mg~3000mg、有利には、300mg~3000mgである。
【0201】
この第1の実施形態によれば、固定用量配合剤の成分(b)の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがラセミ体である場合、前記の用量範囲/ER単位形態は、9mg超~42mg、好ましくは、12mg超~42mg、および13mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択される範囲と同等である。
【0202】
またさらなる実施形態によれば、本発明は、薬学的担体または媒体と混合された、成分(a)として、術後の悪心および嘔吐の予防ならびに処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防のために有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ高さの量/単位形態の5HT3-アンタゴニスト、ならびに成分(b)として、有効用量/単位形態の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを含む医薬組成物からなる、固定用量配合剤を提供する。
【0203】
本発明のこの第4の態様による有利な医薬組成物は、薬学的担体または媒体と混合された、
(a)術後の悪心および嘔吐の予防ならびに処置のため、または化学療法が誘発する悪心および嘔吐の予防もしくは処置のために、有効であることが示されているか、あるいは承認されている、小児または成人の用量と少なくとも同じ高さの量の5HT3-アンタゴニスト;ならびに
(b)パーキンソン病の処置のために承認されている用量と少なくとも同じ高さの量のプラミペキソール二塩酸塩一水和物
を含む。
【0204】
本発明のこのさらなる態様による好ましい医薬組成物は、薬学的担体または媒体と混合された、
(a)2mg~32mg、4mg~32mg、または4mg~16mgのオンダンセトロンにおける量の、オンダンセトロンおよびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される5HT3-アンタゴニスト;ならびに
(b)0.125mg~42mg、または特に、処置の開始の際に、1.5mg~20mg、または6mg超~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量の、プラミペキソールならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物からなる群から選択される6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン
を含む。
【0205】
より詳細には、前記固定用量配合剤において、成分(b)の前記6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、4.5mg超~21mg、6mg超~21mg、および6.5mg~21mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物からなる群から選択されるIR単位形態あたりの用量範囲、または、4.5mg超~42mg、6mg超~42mg、および6.5mg~42mgからなる群から選択されるER単位形態あたりの用量範囲の、プラミペキソール二塩酸塩一水和物である。
【0206】
医薬組成物
6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンとの組み合わせでのシヌクレイノパチーの処置において企図する使用のために、5HT3-アンタゴニストは医薬組成物に製剤化され、前記5HT3-アンタゴニストは、薬学的担体または媒体と混合されている。
【0207】
特に、上記で説明したように、本発明によれば、前述の5HT3-アンタゴニストおよび6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンは、別々または一緒に、通常は、シヌクレイノパチーを患う患者の処置のための医薬として有用な医薬組成物に製剤化される。
【0208】
医薬組成物は、錠剤またはゼラチンカプセル剤などの経口の形態に製剤化されてもよく、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または5HT3-アンタゴニスト、あるいは両方の活性成分は、セルロース、デキストロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトールまたはスクロースなどの希釈剤;酸、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、シリカまたはタルクなどの滑沢剤;および必要により、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤を含み得る、担体または媒体と混合されている。
【0209】
前記経口の形態は、スクロース、またはさまざまなポリマーで被覆された錠剤であってもよく、あるいは、錠剤は、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物)または5HT3-アンタゴニスト、あるいは両方の活性成分の所定量を漸進的に放出させることによって、延長または遅延した活性を有するように、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマーならびにコポリマーなどの担体;ヒドロキシプロピルエチルセルロースなどのセルロース誘導体;または他の適切な材料を使用することによって、製造することができる。経口製剤はまた、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物)または5HT3-アンタゴニスト、あるいは両方の活性成分の持続放出を可能にする、カプセル剤の形態であり得る。
【0210】
医薬組成物はまた、パッチ製剤などのTTSに製剤化されてもよく、活性成分または活性成分の混合物は、D-ソルビトール、ゼラチン、カオリン、メチルパラベン、ポリソルベート80、プロピレングリコール、プロピルパラベン、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、酒石酸、二酸化チタンおよび精製水などの補助成分を含んでいてもよい。パッチ製剤はまた、乳酸エステル(例えば、ラウリル乳酸)、トリアセチンまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの皮膚浸透増強剤を含有していてもよい。
【0211】
「経皮薬物送達システム」は、経皮薬物製剤を使用する経皮送達、およびこのような経皮薬物製剤を組み込んだ経皮パッチを提供する。例えば、経皮薬物送達システムは、5HT3-アンタゴニスト(オンダンセトロンなど)を含む、パッチ、クリーム、ゲル、ローションまたはペーストの形態の組成物を含み得る。経皮製剤の例としては、限定されるものではないが、米国特許第6,562,368号に記載されているもの、米国特許第7,029,694号、米国特許第7,179,483号、米国特許第8,241,662号および米国特許出願公開第2009/0018190号に記載されている経皮ゲル製剤、国際公開第2005/039531号、米国特許出願公開第2007/022379号、米国特許出願公開第2010/0216880号、米国特許出願公開第2014/0037713号および米国特許第8,652,491号に記載されている、液剤、クリーム、ローション、スプレー、軟膏、ゲル、エアゾールおよびパッチのような、薬物送達局所または経皮適用のために利用することができる経皮または経粘膜医薬組成物、国際公開第2013/061969号および米国特許出願公開第2014/0271796号に記載されている経皮吸収調製物などを挙げることができ、これらの開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。経皮パッチはまた、限定されるものではないが、米国特許第9,782,536号に記載されている内在する硬いカテーテルと柔軟性の機構および/または柔軟性のカテーテルのアタッチメントを有するパッチポンプ、米国特許第9,724,462号に記載されている選択的に活性化可能なパッチポンプ、米国特許第9,623,173号に記載されているワイヤレスの通信系に接続されたパッチポンプ、米国特許第9,616,171号に記載されている適合性パッチポンプ、米国特許第8,915,879号に記載されている注入ポンプ、米国特許第8,480,649号に記載されている携帯用注入薬物送達、米国特許第8,282,366号に記載されているマイクロポンプ、および米国特許第7,828,771号に記載されているパッチポンプを挙げることができ、これらの開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。他の経皮パッチとしては、限定されるものではないが、米国特許第8,802,134号に記載されている、オキシブチニンが、接着基剤としてアクリル系ポリマーを含む接着剤層組成物に組み込まれ、アクリル系ポリマーがポリメチルメタクリレートとポリアクリレートのコポリマーであるパッチ、米国特許第8,877,235号に記載されている少なくとも1つの支持層の表面に配置された支持層および接着剤層からなるパッチ、米国特許第5,441,740号および米国特許第5,550,222号に記載されている皮膚浸透増強剤としてモノグリセリドまたは脂肪酸のモノグリセリドの混合物を使用するパッチ、米国特許第5,686,097号、米国特許第5,747,065号、米国特許第5,747,065号、米国特許第5,750,137号および米国特許第5,900,250号に記載されている皮膚浸透増強剤としてモノグリセリドまたはモノグリセリドの混合物と乳酸エステルを使用するパッチ、米国特許第5,614,211号および米国特許第5,635,203号に記載されている薬物放出に影響をおよぼさないリザーバーの皮膚近位表面上に非速度制御タイ層を有するパッチ、米国特許第5,212,199号、米国特許第5,227,169号、米国特許第5,601,839号および米国特許第5,834,010号に記載されている浸透増強剤としてトリアセチンを使用するパッチ、米国特許第6,555,129号に記載されている、自己接着性の層の形態のマトリックス体を有し、このマトリックス体がアンモニウム基含有(メタ)アクリレートコポリマーからなるパッチ、米国特許第6,743,441号、米国特許第7,081,249号、米国特許第7,081,250号、米国特許第7,081,251号、米国特許第7,081,252号および米国特許第7,087,241号に記載されている経皮パッチを挙げることができ、これらの開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。好ましくは、経皮薬物送達システムは、パッチ、パッチポンプ、注入ポンプまたはマイクロポンプである。
【0212】
上記の医薬組成物において、好ましい5HT3-アンタゴニストの活性成分は、オンダンセトロン塩基もしくはその塩酸塩二水和物、またはドラセトロン塩基もしくはドラセトロンメシル酸塩一水和物であり、好ましい6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの活性成分は、プラミペキソール塩基またはプラミペキソール二塩酸塩一水和物である。
【0213】
経口、皮下、静脈内、経皮または局所投与用の本発明の医薬組成物において、活性成分は、好ましくは、古典的な薬学的担体または媒体と混合された投薬単位の形態で投与される。
【0214】
投薬量、すなわち、患者に投与される単回用量の活性成分の量は、患者の年齢、体重および健康状態に応じて、幅広く変化させることができる。この投薬量としては、それぞれの活性成分の用量の強度により、静脈内、皮下、経口または経皮投与による一日1回~3回の、それぞれの5HT3-アンタゴニストの効能および患者の年齢により1μg~300mgの用量、ならびに患者の年齢により1.5mg~1500mgの6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの用量の投与を含む。
【0215】
5HT3-アンタゴニストがオンダンセトロン塩酸塩二水和物である場合、前記投薬量は、2mg~32mg、4mg~32mg、または4mg~16mg(オンダンセトロンにおいて)の範囲であり、6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンがプラミペキソール二塩酸塩一水和物である場合、前記投薬量は、0.125mg~42mg、好ましくは、1.5mg~42mg、または特に処置の開始の際は1.5mg~20mgの範囲である。
【0216】
有利には、好ましい組成物は、4.5mg超~42mg、有利には、6mg超~42mg、または6.5mg~42mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の単位形態あたりの量のプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩を含有する。
【0217】
初回処置の場合において、前記プラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、4.5mg超~20mg、6mg超~20mg、または6.5mg~20mgのプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等の量である。
【0218】
すべての上記のプラミペキソールの単位形態あたりの投薬量の範囲は、特に、プラミペキソールの一日用量の最初の用量設定の場合に使用することができる低用量も含む。しかしながら、本発明によれば、固定用量配合剤を含む、上記で解説した組み合わせによるシヌクレイノパチーの処置における治療的に有効なプラミペキソールまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の用法は、4.5mg/日超~42mg/日、好ましくは、6mg/日超~42mg/日のプラミペキソール二塩酸塩一水和物と同等である。
【0219】
パーキンソン病の運動症状の軽減のために承認されている最大推奨用量よりも高い用量のプラミペキソールの投与を可能にすることによる、本発明の組み合わせはまた、プラミペキソールの有効性の完全な発現を可能にし、パーキンソン病、レビー小体病(LBD)またはレビー小体を有する認知症(DLB)、グルコセレブロシダーゼ(GBA)変異に関連するパーキンソン障害、アルツハイマー病、ADのレビー小体異型、脳の鉄蓄積を有する神経変性および多系統萎縮症などのシヌクレイノパチーの処置のための新たなツールを提示する。
【0220】
本発明の医薬組成物は、異なる方法での投与のために適切な古典的な賦形剤と製剤化される。錠剤、マルチスコア錠剤、被覆錠剤、口腔内崩壊錠剤、持続放出錠剤、硬または軟カプセル剤、持続放出カプセル剤、経皮投与用パッチ、液体の経口液剤、所定の単位形態のシロップまたは懸濁剤、および静脈内または皮下投与用バイアルの形態に製剤化されることが特に有利である。
【0221】
したがって、例えば、0.375mg~42mg、いくつかの場合では、3mg~20mg、好ましくは、6mg超~20mgの一日用量で投与される、0.125mg~21mg、好ましくは、3mg~21mgの量/IR単位形態、またはいくつかの場合では、0.125mg~10mg、通常は、1.5mg~10mg、好ましくは、1.6mg~10mgの量/IR単位形態の6-プロピルアミノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(好ましくは、プラミペキソール二塩酸塩一水和物)と組み合わせて投与される本発明による医薬組成物は、0.25mg~3mgの一日用量で投与される、0.25mg~2mgの量/単位用量(アロセトロンにおいて)のアロセトロン塩酸塩;15mg~20mgの一日用量で投与される、5mg~10mgの量/単位用量のアザセトロン塩酸塩;75mg~200mgの一日用量で投与される、25mg~200mgの量/単位用量(ドラセトロンメシル酸塩において)のドラセトロンメシル酸塩一水和物;1.5mg~8mgの一日用量で投与される、0.5mg~2mgのグラニセトロン塩基と同等の量/単位用量のグラニセトロン塩酸塩;6mg~32mgの一日用量で投与される、2mg~8mgのオンダンセトロン塩基と同等の量/単位用量のオンダンセトロン塩酸塩二水和物;0.75mg~2mgの一日用量で投与される0.25mg~0.5mgのパロノセトロン塩基と同等の量/単位用量のパロノセトロン塩酸塩;75mcg~40mgの一日用量で投与される、50μg~20mgの量/単位用量のラモセトロン塩酸塩;ならびに7.5mg~20mgの一日用量で投与される、2.5mg~5mgのトロピセトロン塩基と同等の量/単位用量のトロピセトロン塩酸塩を含み得る。
【0222】
小児または肥満の患者の場合において、5HT3-アンタゴニストの一日用量は、体重に基づいて、決定してもよい。このように、例えば、アザセトロン塩酸塩は、0.4~0.5mg/kgの一日用量で投与されてもよく、ドラセトロンメシル酸塩は、9~9.5mg/kgの一日用量で投与されてもよく、グラニセトロン塩酸塩は、0.09~0.11mg/kgの一日用量で投与されてもよく、オンダンセトロン塩酸塩二水和物は、0.45~0.55mg/kgの一日用量で投与されてもよく、パロノセトロン塩酸塩は、0.03mg/kgの一日用量で投与されてもよく、トロピセトロン塩酸塩は、0.5~0.6mg/kgの一日用量で投与されてもよい。
【実施例1】
【0223】
ヒトにおけるプラミペキソールの胃腸(GI)の有害作用(AE)を予防するための5HT3-アンタゴニストの能力を試験した。
【0224】
フェーズI試験を、オンダンセトロン塩酸塩二水和物(「オンダンセトロン」)の単回経口用量あり、またはなしで、プラミペキソール二塩酸塩一水和物(「プラミペキソール」)の単回経口用量を投与された被験者において実施した。この試験は、単一施設の一重盲検試験であった。
【0225】
試験の目的は、オンダンセトロンが、パーキンソン病の処置で承認された用量、またはうつ病の処置に有効であることが臨床試験で示された用量と同等以上の用量で投与されたプラミペキソールの胃腸の副作用を安全に減弱できることを実証することであった。
【0226】
この試験に登録するための、参加者の下記組み入れ/除外の重要な基準:
重要な組み入れ基準
1.20~45歳の両方の年齢を含む、男性および女性の被験者。
2.出産可能性がある女性は、スクリーニング期間から試験終了の来診の14日間後まで、禁欲するか、あるいは以下の医学的に許容される避妊形態のいずれか2つの使用に同意しなければならない:コンドームと殺精子ゼリー、ペッサリーもしくは子宮頸管キャップと殺精子ゼリー、または避妊リング(IUD)。男性パートナーが精管切除術を受けている女性は、医学的に許容される避妊の1追加形態の使用に同意しなければならない。被験者は、安全措置として、最終来診後14日間は上記のバースコントロール法の実施に同意しなければならない。
3.外科的不妊(子宮摘出後の状態、両側卵巣摘出または卵管結紮術)として定義される出産可能性のない女性、または少なくとも12カ月間閉経後の女性は、試験の間、避妊は必要ない。理由は、原資料において文書化しなければならない。
4.出産可能性がある女性パートナーを有する男性は、スクリーニング期間から試験終了の来診の14日間後まで、高い有効性の医学的に許容される避妊形態の使用に同意しなければならない。被験者自身が外科的不妊(精管切除後の状態)であって、出産可能性がある女性パートナーを有する男性は、同じ期間にわたって、コンドームと殺精子剤の使用に同意しなければならない。男性被験者は、安全措置として、最終来診後14日間は上記のバースコントロール法の実施に同意しなければならない。
5.被験者は、個人および家族の精神医学的病歴ならびに健康診断の結果を含む被験者の病歴、心電図(ECG)、バイタルサイン、ならびに臨床検査によって決定される良好な健康状態でなければならない。医学的な異常を有する被験者は、異常が被験者の健康状態に著しい追加の危険性をもたらさないか、または試験の目的を妨げないことを研究者または被指名人が認める場合にのみ、含めてもよい。
6.被験者は、被験者の病状の変化を明確かつ確実に連絡することが可能でなければならない。
7.19.0~32.0kg/mの間(両方を含む)の肥満度指数(BMI)を有する被験者。
8.複数の丸剤またはカプセル剤を同時に飲み込むことができる被験者。
9.被験者は、被験者がこの試験についての目的および必要な手順を理解し、自発的に試験に参加し、試験の手順および制限に適合することを示すインフォームドコンセントにサインしなければならない。
【0227】
重要な除外基準:
この研究における登録から被験者を除外するための基準は以下の通りであった:
1.治験の間に被験者の安全を妨げるか、過度の危険性に被験者を曝すか、もしくは試験の目的を妨げる可能性がある、任意の臨床的に関連性のある急性または慢性疾患。
2.胃腸、肝臓もしくは腎臓の疾患、またはこの試験の薬物の吸収、分布、代謝もしくは排泄を妨げることが公知の他の状態の病歴または存在。
3.薬物乱用、公知薬物の依存、または薬物の乱用またはアルコールについての試験が陽性の病歴。
4.薬物または他の大きな影響を与えるアレルギーの病歴。
5.プラミペキソールに対するか、またはオンダンセトロンもしくは類似のセロトニン受容体アンタゴニストに対するか、またはアプレピタントもしくは類似のサブスタンスP/NK1受容体アンタゴニストに対する、公知の過敏性。
6.電流のQT間隔延長、先天性QT延長症候群、電解質異常(例えば、低カリウム血症または低マグネシウム血症)、うっ血性心不全、徐脈性不整脈、またはスクリーニング、-1日目もしくは投与前に、男性に対しては≧450QTcFおよび女性に対しては≧470QTcFで、QT延長または第1度AVブロックをもたらす他の医薬品の病歴。
7.試験のエントリー1カ月以内の中枢作用性薬物または制吐剤による処置。
8.タバコまたはニコチン使用者(試験の登録の1年以上前にタバコまたはニコチンの使用を止めた被験者を除く)。
9.キサンチン含有飲料(すなわち、>500mg/日のカフェイン)の過度の毎日の消費。
10.試験実施期間中(スクリーニングの来診から試験の薬物の最終の投与まで)、長期の集中的な運動の抑制を嫌がる被験者。
11.B型肝炎表面抗原、C型肝炎抗体についての陽性の試験結果。
12.HIV1または2の血清学についての陽性の試験結果。
13.試験期間中に、任意の医学的または歯学的処置が必要な可能性がある。
14.-1日目の入院前の14日以内の任意の処方薬または市販薬の使用。加えて、中枢効果を有する任意の医薬は、入院(-1日目)前の薬物の半減期の5倍に等しい期間禁止され、この期間は14日より長くなければならない。
15.試験の間に協力する可能性が低い被験者、および/または研究者の意見で適合が疑わしい被験者。
16.急病の場合に連絡をとることが不可能な被験者。
17.試験のエントリーの30日以内における治験薬の摂取。
18.スクリーニングの際にC-SSRS(コロンビア自殺評価スケール)により評価して、過去6カ月以内の自殺念慮の兆候を示す。
【0228】
試験への登録後、参加者は、午前中に、一日1回投与のプラミペキソールの漸増経口用量を単回投与された(試験の期間1)。プラミペキソールの開始用量は0.5mgであり、この用量は、毎日0.5mg増分で増加させた。被験者が、被験者の最初の不耐用量(FID-1)に達したら、上方の用量増加を中止した。最初の不耐用量(FID)は、以下のように定義した:
- 1(1) 嘔吐のエピソード;または
- 2(2) 吐気のエピソード、または
- 1(1) 1時間超持続する、深刻な悪心のエピソード(グレード3;日常生活の活動または不適切な経口カロリーもしくは水分摂取を妨げる悪心として定義される;経管栄養法、完全非経口栄養法または入院が必要)、または
- 3(3) 中程度の嘔吐の4時間ごとの評価での連続的なエピソード(グレード2;主観的に症候性と定義されるが、日常生活の活動を妨げない)、または
- 1(1) 中程度の下痢のエピソード(グレード2;ベースラインより、4~6回多い排便として定義される)。
【0229】
被験者がプラミペキソール単独に対してFID-1に達した時に、被験者は少なくとも5日間ウォッシュアウトし、次いで、被験者は、試験の期間2に入り、この期間中、被験者は上記に定義する不耐用量に再び達するまで、経口のオンダンセトロン塩酸塩二水和物(10mg、8mgのオンダンセトロン塩基と同等)と一緒に、0.5mgで開始し、0.5mg増分で漸増するプラミペキソールの単回経口一日用量を投与された{ぜんぞう}。経口のプラミペキソールと経口のオンダンセトロンに対するFIDをFID-2と称した。
【0230】
被験者が、FID-1と同じかそれより低い用量で期間2の間にFID-2に達し、治験責任医師が、安全性の問題はなく、かつ被験者が承諾していると判断した場合、被験者は、翌日に、経口のオンダンセトロン塩酸塩二水和物(20mg、16mgのオンダンセトロン塩基と同等)のより高い用量と一緒に、FID-2用量として、同じ用量のプラミペキソールを受け、プロトコールには、被験者が不耐用量(FID2+)に達するまで、前記被験者は、経口のオンダンセトロン塩酸塩二水和物(20mg、16mgのオンダンセトロン塩基と同等)のより高い用量による用量設定の残りを継続すべきであると明記した。プロトコールのすべての他の条件は変化させないままにした。評価は、用量増加日について計画したものと同じにした。
【0231】
それぞれの試験日に、被験者は、AE、バイタルサイン、ECGについて、薬物の投与の後8時間まで、追跡調査された。加えて、検査パネルを、スクリーニングおよび研究の最後に取得した。
【0232】
3人の被験者がこの試験に登録された。下記表1に、被験者の人口学的特性をまとめる。
【0233】
【表1】
【0234】
すべての被験者は、試験中にFID-1(プラミペキソール単独)に達した。用量制限毒性は、5人すべての被験者において、胃腸の有害事象であった。すべての被験者について、FID-2はFID-1より高かった。試験の期間2の間、5人の被験者のうち3人は、6mgのプロトコールによって認められたプラミペキソールの最大用量に耐え、したがって、これらの被験者はFID-2(プラミペキソールとオンダンセトロン)に達しなかった。言い換えれば、オンダンセトロンとプラミペキソールの同時投与は、プラミペキソールの高用量に関連する胃腸の用量制限有害事象の発生を予防した。表2に、FID-1(プラミペキソール単独)およびFID-2(プラミペキソール+オンダンセトロン)についてのそれぞれの被験者の値を一覧表にする。
【0235】
【表2】
【0236】
下記表3に示すように、期間2の間の最大耐用量(MTD)は、すべての被験者において、期間1の間のMTDよりも高く、2人の被験者では、MTD-2は3倍超まで増加した。
【0237】
【表3】
【0238】
総合すると、結果は、オンダンセトロンとプラミペキソールの共投与が、プラミペキソール単独で報告された胃腸の用量制限有害作用を弱めることを示し、したがって、5HT3-アンタゴニストは、プラミペキソール単独を投与する場合に、他の不耐容の用量でプラミペキソールをヒトに投与することを可能にすることを示す。
【0239】
結論として、オンダンセトロンとプラミペキソールの共投与は、プラミペキソール単独の投与に関連した胃腸のAEの発生を阻害し、したがって、プラミペキソールの用量を2倍超まで安全かつ耐容的に増加させることができ、それにより、この薬物のはるかに高い有効性を可能にする。
【0240】
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