IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

特許7557947熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置
<>
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図1
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図2
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図3
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図4
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図5
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図6
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図7
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図8
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図9
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図10
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図11
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図12
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図13
  • 特許-熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】熱交換器の洗浄方法及び熱交換器の洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   F28G 1/16 20060101AFI20240920BHJP
   F28D 21/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F28G1/16 A
F28D21/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020031608
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021134989
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】原 伸英
(72)【発明者】
【氏名】中拂 博之
(72)【発明者】
【氏名】上藤 陽一
(72)【発明者】
【氏名】小田 拓央
(72)【発明者】
【氏名】江口 駿作
(72)【発明者】
【氏名】畑中 雅哉
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-027102(JP,A)
【文献】実開昭61-115887(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28G 1/00-15/10
F28D 1/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッダ流路、および、該ヘッダ流路に接続される複数の内部流路を有する熱交換器の洗浄方法であって、
前記複数の内部流路は、それぞれ、前記ヘッダ流路の延在方向における異なる位置で前記ヘッダ流路に接続され、
前記ヘッダ流路に接続される前記複数の内部流路のうち一部の流路に対して選択的に、前記ヘッダ流路を介して洗浄流体を供給するステップを備え、
前記洗浄流体を供給するステップでは、
前記延在方向における開口の形成位置が異なる複数種の供給管を交換し、前記洗浄流体の供給対象の前記内部流路を順次変更し、
前記ヘッダ流路のうち前記複数の内部流路との接続部が配置された接続領域よりも狭い前記開口を有する前記供給管を前記ヘッダ流路に挿入し、前記開口の形成範囲内に前記接続部が位置する前記内部流路に対して選択的に前記洗浄流体を供給する熱交換器の洗浄方法。
【請求項2】
ヘッダ流路、および、該ヘッダ流路に接続される複数の内部流路を有する熱交換器の洗浄方法であって、
前記複数の内部流路は、それぞれ、前記ヘッダ流路の延在方向における異なる位置で前記ヘッダ流路に接続され、
前記ヘッダ流路に接続される前記複数の内部流路のうち一部の流路に対して選択的に、前記ヘッダ流路を介して洗浄流体を供給するステップを備え、
前記洗浄流体を供給するステップでは、
前記延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口を有する供給管を前記ヘッダ流路内で回転させて、前記洗浄流体の供給対象の前記内部流路を順次変更し、
前記ヘッダ流路のうち前記複数の内部流路との接続部が配置された接続領域よりも狭い前記開口を有する前記供給管を前記ヘッダ流路に挿入し、前記開口の形成範囲内に前記接続部が位置する前記内部流路に対して選択的に前記洗浄流体を供給する熱交換器の洗浄方法。
【請求項3】
前記ヘッダ流路を介して、供給ラインからの加圧流体を前記内部流路に供給しながら、前記内部流路の圧力損失を示すパラメータを検出するステップと、
前記パラメータの検出値に基づいて、前記内部流路の閉塞の有無を判断するステップと、
を備える請求項1又は2に記載の熱交換器の洗浄方法。
【請求項4】
前記圧力損失を示すパラメータを検出するステップでは、前記加圧流体としての前記洗浄流体の供給圧力を検出し、
前記洗浄流体の前記供給圧力に基づいて、前記洗浄流体を供給するステップの終了タイミングを判定する
請求項3に記載の熱交換器の洗浄方法。
【請求項5】
ヘッダ流路のうち複数の内部流路との接続部が配置された接続領域よりも狭い開口を有する供給管と、
前記供給管に接続された供給ラインと、
前記供給ラインに供給する洗浄流体を昇圧するための昇圧装置と、
を備え、
前記供給管は、前記ヘッダ流路の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口を有する、熱交換器の洗浄装置。
【請求項6】
ヘッダ流路のうち複数の内部流路との接続部が配置された接続領域よりも狭い開口を有する供給管と、
前記供給管に接続された供給ラインと、
前記供給ラインに供給する洗浄流体を昇圧するための昇圧装置と、
を備え、
前記供給管は、
前記ヘッダ流路の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口を有する供給管本体と、
前記供給管本体が摺動可能に挿入され、前記接続領域全体にわたる開口を有するスリーブと、
を有する、熱交換器の洗浄装置。
【請求項7】
前記内部流路の圧力損失を示すパラメータを検出するための検出装置を備える、
請求項5又は6に記載の熱交換器の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器の洗浄方法及び検査方法、並びに、熱交換器の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハウジング、熱交換バンク、コレクタマニホルド、入口マニホルド、出口マニホルド、及び他の部品が単一のモノリシック構成要素として一体に形成された熱交換器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-27772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、熱交換器は使用することによって内部流路にスケールが付着する虞がある。かかる場合には内部流路に付着したスケールを除去することが望まれるが、内部流路を効率的に洗浄する方法についての技術は確立されていない。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述する事情に鑑みてなされたもので、内部流路を効率的に洗浄できる熱交換器の洗浄方法及び検査方法、並びに熱交換器の洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る熱交換器の洗浄方法は、
ヘッダ流路、および、該ヘッダ流路に接続される複数の内部流路を有する熱交換器の洗浄方法であって、
前記ヘッダ流路に接続される前記複数の内部流路のうち一部の流路に対して選択的に、前記ヘッダ流路を介して洗浄流体を供給するステップ
を備える。
【0007】
また、本開示に係る熱交換器の検査方法は、
ヘッダ流路、および、該ヘッダ流路に接続される複数の内部流路を有する熱交換器の検査方法であって、
前記ヘッダ流路を介して、供給ラインからの加圧流体を前記内部流路に供給しながら、前記供給ラインの圧力を検出するステップと、
前記圧力の検出値に基づいて、前記内部流路の閉塞の有無を判断するステップと、
を備える。
【0008】
また、本開示に係る熱交換器の洗浄装置は、
ヘッダ流路のうち複数の内部流路との接続部が配置された接続領域よりも狭い開口を有する供給管と、
前記供給管に接続された流体供給ラインと、
前記流体供給ラインに供給する流体を昇圧するための昇圧装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の熱交換器の洗浄方法によれば、ヘッダ流路に接続される複数の内部流路を複数に分けて洗浄することで、ヘッダ流路に接続される複数の内部流路を少ない洗浄流体で効率的に洗浄できる。
【0010】
本開示の熱交換器の検査方法によれば、内部流路の閉塞の有無を供給ラインの圧力の検出値に基づいて判断できる。
【0011】
本開示の熱交換器の洗浄装置によれば、ヘッダ流路の接続領域に対して供給管の開口位置を順次変更することで、洗浄対象の内部流路を順次変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の少なくとも一実施形態による熱交換器の洗浄方法が適用される熱交換器の構成を概略的に示す図である。
図2図1に示した熱交換器のII-II線断面図である。
図3図1に示した熱交換器のIII-III線断面図である。
図4図2に示したIV-IV線断面図である。
図5図2に示したV-V線断面図である。
図6】本開示の実施形態による熱交換器の洗浄装置の構成を概略的に示す図である。
図7】熱交換器に供給管を挿入した状態を示す概念図である。
図8】供給管の構成例1を概略的に示す図である。
図9】供給管の構成例2を概略的に示す図である。
図10】供給管の構成例3を概略的に示す図である。
図11】本開示の少なくとも一実施形態による熱交換器の洗浄方法を説明するためのフローチャートである。
図12図11に示した洗浄流体を供給するステップの内容を示すフローチャートである。
図13図11に示した圧力損失を示すパラメータを検出するステップの内容を示すフローチャートである。
図14図11に示した内部流路の閉塞の有無を判断するステップの内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本開示の実施の形態による熱交換器1の洗浄方法及び検査方法、並びに、熱交換器1の洗浄装置について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0014】
[熱交換器1の概略構成]
本開示の実施形態による熱交換器1の洗浄方法が適用される熱交換器1は、熱交換器1に供給される第1流体と第2流体との間で熱交換が行われる。熱交換器1に供給される第1流体及び第2流体はそれぞれ液体であってもよいし、気体であってもよいが、通常は両者の温度は異なっている。
【0015】
図1に示すように、本開示の実施形態に係る熱交換器1は、例えば、直方体形状とすることができるが、これに限定されるものではない。例えば、熱交換器1が直方体形状である場合、直方体の一端部(上端部)と他端部(下端部)とにそれぞれ一対のヘッダ部121,122,123,124が設けられる。例えば、直方体の一端部と他端部とにそれぞれ一対設けられるヘッダ部121,122,123,124は、直方体の同一平面において四隅に位置する。
【0016】
例えば、熱交換器が直方体形状である場合、ヘッダ部は直方体の外側に設けることができるが、これに限られるものではない。例えば、直方体の一端部と他端部とにそれぞれ一対設けられるヘッダ部121,122,123,124が直方体の外側に設けられる場合、直方体の幅方向外側に張り出すように設けられる。そして、直方体の一端部に設けられるヘッダ部121,122がそれぞれ第1ヘッダ部121、第2ヘッダ部122となり、他端部に設けられるヘッダ部123,124がそれぞれ第3ヘッダ部123、第4ヘッダ部124となる。
【0017】
ヘッダ部121,122,123,124にはヘッダ流路2が設けられる。上述したように、例えば、熱交換器1が直方体形状であり、直方体の一端部と他端部とにそれぞれ一対設けられるヘッダ部121,122,123,124が直方体の幅方向外側に張り出すように設けられる場合、直方体の一端部と他端部とにそれぞれ設けられる一対のヘッダ部121,122,123,124にそれぞれヘッダ流路21,22,23,24が設けられる。そして、第1ヘッダ部121に設けられるヘッダ流路21が第1ヘッダ流路21となり、第2ヘッダ部122に設けられるヘッダ流路22が第2ヘッダ流路22となる。また、第3ヘッダ部123に設けられるヘッダ流路23が第3ヘッダ流路23となり、第4ヘッダ部124に設けられるヘッダ流路24が第4ヘッダ流路24となる。
【0018】
そして、第1流体と第2流体とが互いに向かい合う方向に流れる熱交換器1(以下「対向流の熱交換器1」という)では第1ヘッダ流路21が第1流体を供給するための流路となり、第2ヘッダ流路22が第2流体を排出するための流路となる。また、第3ヘッダ流路23が第1流体を排出するための流路となり、第4ヘッダ流路24が第2流体を供給するための流路となる。尚、第1流体と第2流体とが同じ方向に流れる熱交換器1(以下「並流の熱交換器1」という)では第2ヘッダ流路22が第2流体を供給するための流路となり、第4ヘッダ流路24が第2流体を排出するための流路となる。
【0019】
図2に示すように、本開示の実施形態による熱交換器1は、複数の内部流路3を備えている。複数の内部流路3は上述したヘッダ流路2に接続される。複数の内部流路3は、それぞれ、ヘッダ流路2の延在方向における異なる位置でヘッダ流路2に接続される(以下、ヘッダ流路2に内部流路3が接続される部分を「接続部20」という)。例えば、複数の内部流路3は互いに平行に延在する流路であって、複数の内部流路3の延在方向における内部流路3の端部において複数の内部流路3はヘッダ流路2に接続され、複数の内部流路3はヘッダ流路2に連通する。例えば、熱交換器1が直方体形状である場合、複数の内部流路3は直方体の長手方向に沿って設けられる。そして、複数の内部流路3は直方体の一端部(上端部)に設けられた第1ヘッダ流路21又は第2ヘッダ流路22に接続されるとともに、直方体の他端部に設けられた第3ヘッダ流路23又は第4ヘッダ流路24に接続される。
【0020】
図3に示すように、複数の内部流路3は、第1流体が流通する複数の第1流路31と第2流体が流通する複数の第2流路32とを構成する。複数の第1流路31のそれぞれと複数の第2流路32のそれぞれは直方体の長手方向と直交する断面において奥行き方向(図3においてY方向)に交互に配置され、互いに隣り合う第1流路31と第2流路32とは隔壁33によって隔てられている。尚、複数の第1流路31及び複数の第2流路32の数、すなわち、隔壁33の数は、図3に示す数に限定するものではなく、任意の数とすることができる。
【0021】
例えば、複数の第1流路31と複数の第2流路32はそれぞれ複数の分割流路311,321に区画されるが、これに限定されるものではない。複数の第1流路31と複数の第2流路32とがそれぞれ複数の分割流路311,321に区画される場合、複数の第1流路31と複数の第2流路32のそれぞれ複数の分割流路311,321は直方体と直交する断面において幅方向(図3においてX方向)に沿って配置され、互いに隣り合う分割流路311(321)と分割流路311(321)とは区画壁34によって隔てられている。尚、複数の第1流路31と複数の第2流路32とにそれぞれ設けられる区画壁34の数は、図3に示す数に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
【0022】
図4は、後述するように、第1ヘッダ流路と第1流路とを連通する中間流路41を示す図であり、図5は、後述するように、第1ヘッダ流路と第2流路とを連通しない中間流路42を示す図である。
図4及び図5に示すように、複数の第1流路31と複数の第2流路32がそれぞれ複数の分割流路311,321に区画される場合、複数の第1流路31と複数の第2流路32のそれぞれ一端部と他端部にそれぞれ中間流路4を備える。
【0023】
図4に示すように、第1流路31の一端部(上端部)に設けられた中間流路41(以下「第1中間流路41」という)は、第1流路31に区画された複数の分割流路311の延在方向(第1流路31の延在方向)における分割流路311の一端部(上端部)において該複数の分割流路311に連通する。そして、第1中間流路41は第1流路31の一端部(上端部)に開口する一方、外壁(上壁)116によって外部から隔てられている。図5に示すように、第2流路32の一端部(上端部)に設けられた中間流路42(以下「第2中間流路42」という)は、第2流路32に区画された複数の分割流路321の延在方向(第2流路32の延在方向)における分割流路321の一端部(上端部)において該複数の分割流路321に連通する。そして、第2中間流路42は第2流路32の一端部(上端部)に開口する一方、外壁(上壁)116によって外部から隔てられている。図示しないが、第1流路31の他端部(下端部)に設けられた中間流路(以下「第3中間流路」という)は、第1流路31に区画された複数の分割流路311の延在方向(第1流路31の延在方向)の他端部(下端部)において該複数の分割流路311に連通する。そして、第3中間流路は第1流路31の他端部(下端部)に開口する一方、外壁(底壁)111によって外部から隔てられている。第2流路32の他端部(下端部)に設けられた中間流路(以下「第4中間流路」という)は、第2流路32に区画された複数の分割流路321の他端部(下端部)において該複数の分割流路321に連通する。そして、第4中間流路は第2流路32の他端部(下端部)に開口する一方、外壁(底壁)111によって外部から隔てられている。
【0024】
図4に示すように、第1ヘッダ流路21は、第1流路31の延在方向における第1流路31の一端部(上端部)において、第1流路31の延在方向と直交する方向に延在し、第1中間流路41を介して第1流路31に接続される。これにより、第1ヘッダ流路21と第1流路31とが連通する。図5に示すように、第2ヘッダ流路22は、第2流路32の延在方向における第2流路32の一端部(上端部)において、第2流路32の延在方向と直交する方向に延在し、第2中間流路42を介して第2流路32に接続される。これにより、第2ヘッダ流路22と第2流路32とが連通する。図示しないが、第3ヘッダ流路23は、第1流路31の延在方向における第1流路31の他端部(下端部)において、第1流路31の延在方向と直交する方向に延在し、第3中間流路を介して第1流路31に接続される。これにより、第3ヘッダ流路23と第1流路31とが連通する。第4ヘッダ流路24は、第2流路32の延在方向における第2流路32の他端部(下端部)において、第2流路32の延在方向と直交する方向に延在し、第4中間流路を介して第2流路32に接続される。これにより、第4ヘッダ流路24と第2流路32とが連通する。
【0025】
[熱交換器1の洗浄装置5]
図6に示すように、本開示の実施形態による熱交換器1の洗浄装置5は、供給管6、供給ライン7及び昇圧装置8を備えている。供給管6は、ヘッダ流路2に洗浄流体を供給するためのものである。洗浄流体は、気体又は液体のいずれであってもよい。例えば、洗浄流体は、空気又は水であるが、これらに限られるものではない。例えば、流路にスケールが付着していると想定される場合にはスケールを溶解する溶剤を用いることができる。
【0026】
図7に示すように、供給管6は、上述したヘッダ流路2に挿入可能である。例えば、供給管6は、ヘッダ流路2に挿入した状態でヘッダ流路2と供給管6の間から洗浄流体が漏れないように、ヘッダ流路2よりもわずかに細い管で構成される。供給管6は、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域よりも狭い開口6aを有する。よって、開口6aは、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3のうち一部の流路に対して洗浄流体を供給可能である。開口6aの大きさは、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3のうち一度に洗浄する内部流路3の数によって定められている。供給ライン7は供給管6に接続され、流体供給源から供給管6に洗浄流体を供給する。昇圧装置8は供給ライン7に供給する洗浄流体を昇圧するための装置であり、例えば、コンプレッサ、又はポンプである。昇圧装置8は、容積型ポンプ等の回転数により一定流量を実現する昇圧装置8であってもよいし、吐出圧力を一定に制御する昇圧装置8であってもよい。
【0027】
このように構成された熱交換器1の洗浄装置5によれば、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3の接続部20が配置された接続領域に対して供給管6の開口位置を順次変更することで、洗浄対象の内部流路3を順次変更できる。
【0028】
[供給管6の構成例1]
図8に示すように、供給管6(61,62,63)は、ヘッダ流路2の延在方向における開口61a,62a,63aの形成位置が異なる複数種の供給管61,62,63である。開口61a,62a,63aの形成位置は、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域を複数の洗浄領域に分け、各洗浄領域ごとに接続部20の配置に合わせて設定される。例えば、図7に示す例では、接続領域を奥、中央及び前の三つの洗浄領域に分け、各洗浄領域ごとに、先端、中央及び根本のように、開口61a,62a,63aの形成位置が設定される。
【0029】
このように構成された供給管6(61,62,63)によれば、洗浄対象となる複数の内部流路3に対応する供給管61,62,63をヘッダ流路2に挿入することで、洗浄対象となる複数の内部流路3に対して洗浄流体の供給が可能となる。この供給管61,62,63では開口61a,62a,63aの形成位置はヘッダ流路2の延在方向において異なるので、ヘッダ流路2の奥壁に突き当たるまで供給管61,62,63を挿入することで位置決めされる。また、供給管61,62,63を順次交換することで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0030】
[供給管6の構成例2]
図9に示すように、供給管6(64)は、ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口64a,64b,64cを有する。ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置は、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域を複数の洗浄領域に分け、各洗浄領域ごとに接続部20の配置に合わせて設定される。ヘッダ流路2の互いに異なる周方向位置は、例えば、供給管64の外周を等間隔に分割して設定される。例えば、図9に示す例では、供給管64の外周を三分割、120度に分割して設定される。また、ヘッダ流路2の互いに異なる周方向位置は、ヘッダ流路2の開口縁部に設けられた目印と供給管64に設けられた目印とを合わせることによって判別される。
【0031】
このように構成された供給管6(64)によれば、単一の供給管64をヘッダ流路2内で順次回転させることで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0032】
[供給管6の構成例3]
図10に示すように、供給管6(65)は、供給管本体65aと該供給管本体65aが摺動可能に挿入されたスリーブ65bとを備える。供給管本体65aは、上述した構成例に示した供給管64と同様に、ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口65a1,65a2及び65a3を有する。スリーブ65bは、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域全体にわたる開口65b1を有する。そして、供給管本体65aに設けられた複数種の開口65a1,65a2又は65a3のいずれか一つとスリーブ65bに設けられた開口65b1とが重なることで、洗浄対象となる複数の内部流路3に対して洗浄流体の供給が可能となる。
【0033】
このように構成された供給管6(65)によれば、スリーブ65bをヘッダ流路2に対して柔らかい材質にすることで、ヘッダ流路2の損傷を抑制できる。また、供給管本体65aをスリーブ65bに対して回転させればよいので、供給管本体65aの滑らかな回転を可能にする。
【0034】
[検出装置9]
図6に示すように、熱交換器1の洗浄装置5は、更に、内部流路3の圧力損失を示すパラメータを検出するための検出装置9を備える。内部流路3の圧力損失を示すパラメータは、ヘッダ流路2の上流側の圧力、内部流路3を通過する流量等であり、例えば、圧力計、流量計等で構成される。
【0035】
このように構成された熱交換器1の洗浄装置5によれば、検出装置9が内部流路3の圧力損失を示すパラメータを検出するので、洗浄対象の内部流路3において閉塞の有無を判断できる。また、圧力損失を検出するパラメータがヘッダ流路2の上流側の洗浄流体の圧力(供給圧力)の場合に、洗浄流体の供給圧力に基づいて洗浄流体の供給終了を判定できる。
【0036】
[熱交換器1の洗浄方法]
本開示の実施形態による熱交換器1の洗浄方法は、ヘッダ流路2、および、該ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を有する熱交換器1の洗浄方法である。図11に示すように、熱交換器1の洗浄方法は、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3のうち一部の流路に対して選択的に、ヘッダ流路2を介して洗浄流体を供給するステップ(ステップS1)を備える。
【0037】
このような熱交換器1の洗浄方法によれば、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を複数に分けて洗浄することで、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を少ない洗浄流体で効率的に洗浄できる。
【0038】
[洗浄流体を供給するステップ(ステップS1)]
洗浄流体を供給するステップ(ステップS1)では、ヘッダ流路2のうち複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域よりも狭い開口6aを有する供給管6をヘッダ流路2に挿入し、開口6aの形成範囲内に接続部20が位置する内部流路3に対して選択的に洗浄流体を供給する。例えば、熱交換器1が使用に供されている場合は、図12に示すように、熱交換器1から配管を取り外し(ステップS11)、供給管6をヘッダ流路2に挿入し(ステップS12)、開口6aの形成範囲内に接続部20が位置する内部流路3に対して洗浄流体を供給する(ステップS13)。尚、洗浄流体は、気体又は液体のいずれであってもよい。例えば、洗浄流体は、空気又は水であるが、これらに限られるものではない。例えば、流路にスケールが付着死していると想定される場合にはスケールを溶解する溶剤を用いることができる。
【0039】
このような洗浄流体を供給するステップ(ステップS1)を備える熱交換器1の洗浄方法によれば、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3の接続部20が配置された接続領域に対して供給管6の開口位置を順次変更することで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0040】
[洗浄流体の供給対象の変更-その1-]
上記の構成例1に示した供給管6(61,62,63)では、ヘッダ流路2の延在方向における開口61a,62a,63aの形成位置が異なる複数種の供給管61,62,63を交換し、洗浄流体の供給対象の内部流路3を順次変更する。例えば、図7に示すように、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域を先端、中央及び根本の三つの洗浄領域に分けている場合に、(a)に示すように先端に開口61aの形成位置を有する供給管61に交換することで奥に配置された複数の内部流路3に洗浄流体が供給され、(b)に示すように中央に開口62aの形成位置を有する供給管62に交換することで中央に配置された複数の内部流路3に洗浄流体が供給される。また、(c)に示すように根本に開口63aの形成位置を有する供給管63に交換することで前に配置された複数の内部流路3に洗浄流体が供給される。
【0041】
このような方法によれば、供給管61,62,63を順次交換することで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0042】
[洗浄流体の供給対象の変更-その2-]
上記の構成例2に示した供給管6(64)では、ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口64a,64b,64cを有する供給管64をヘッダ流路2内で回転させて、洗浄流体の供給対象の内部流路3を順次変更する。例えば、図9に示す例では、供給管64の外周を三分割、120度に分割しているので、ヘッダ流路2の開口縁部に設けられた目印と供給管64に設けられた目印とを合わせることによって、供給管64を120度回転させて、洗浄流体の供給対象の内部流路3を変更する。
【0043】
このような方法によれば、供給管64をヘッダ流路2内で順次回転させることで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0044】
[洗浄流体の供給対象の変更-その3-]
上記の構成例3に示した供給管6(65)では、ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口65a1,65a2,65a3を有する供給管本体65aをスリーブ65b内で回転させて、洗浄流体の供給対象の内部流路3を順次変更する。
【0045】
このような方法によれば、スリーブ65bをヘッダ流路2に対して柔らかい材質にすることで、ヘッダ流路2の損傷を抑制できる。また、供給管本体65aをスリーブ65bに対して回転させればよいので、供給管本体の滑らかな回転を可能にする。
【0046】
[内部流路3の閉塞の有無判断]
また、図11に示すように、熱交換器1の洗浄方法は、圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)と、内部流路3の閉塞の有無を判断するステップ(ステップS3)と、備える。圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)は、ヘッダ流路2を介して、供給ライン7からの加圧流体を内部流路3に供給しながら内部流路3の圧力損失を示すパラメータを検出するステップである。圧力損失を示すパラメータは、ヘッダ流路2の上流側の圧力、内部流路3を通過する流量等であり、例えば、圧力計、流量計等で構成される。内部流路3の閉塞の有無を判断するステップ(ステップS3)は、圧力損失を示すパラメータの検出値に基づいて、内部流路3の閉塞の有無を判断するステップである。圧力損失を示すパラメータは、例えば、ヘッダ流路2の上流側の圧力であり、図13に示すように、ヘッダ流路2の上流側の圧力が判断基準(クライテリア)を上まわっている場合(ステップS31:Yes)に内部流路3の閉塞ありと判断しステップ(ステップS32)、判断基準を下まわっている場合に内部流路3の閉塞なしと判断する(ステップS33)。図14に示すように、例えば、判断基準は、熱交換器1が完成した時に計測した圧力損失を示すパラメータに所定の余裕代(例えば、熱交換器1が完成した時に計測した圧力損失を示すパラメータの10%)を加えたものとする。
【0047】
このような熱交換器1の洗浄方法によれば、内部流路3の圧力損失を示すパラメータの検出値に基づいて、内部流路3の閉塞の有無を判断することで、閉塞ありと判断した内部流路3を集中的に洗浄する等、内部流路3を効率的に洗浄できる。
【0048】
[内部流路3の洗浄]
また、熱交換器1の洗浄方法では、圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)において、圧力損失を示すパラメータが判断基準(クライテリア)を上まわっている場合に、昇圧装置8によって複数の内部流路3に供給する洗浄流体に圧力変動を加えたり、洗浄流体を加熱したり、熱交換器1に振動を与えたりする。
【0049】
[圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)]
圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)では、供給ライン7からの加圧流体としての洗浄流体の供給圧力を検出し、洗浄流体の供給圧力に基づいて、洗浄流体を供給する終了タイミングを判定する。例えば、ヘッダ流路2の上流側の圧力が判断基準(クライテリア)を下まわっている場合には内部流路3の閉塞なしと判断するので、ヘッダ流路2の上流側の圧力が判断基準を下まわった時に終了タイミングとする。また、例えば、ヘッダ流路2の上流側の圧力が判断基準を上まわっている場合でも所定時間経過した場合には内部流路3の閉塞が改善されないので、この時も終了タイミングとする。
【0050】
このような圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)を備える熱交換器1の洗浄方法によれば、洗浄流体の供給圧力に基づいて、洗浄流体を供給する終了タイミングを判定するので、洗浄流体を過剰に供給するのを防止できる。
【0051】
[熱交換器1の検査方法]
本開示の実施形態による熱交換器1の検査方法は、ヘッダ流路2、および、該ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を有する熱交換器1の検査方法である。熱交換器1の検査方法は、供給ライン7の圧力を検出するステップと、内部流路3の閉塞の有無を判断するステップと、を備える。供給ライン7の圧力を検出するステップは、ヘッダ流路2を介して、供給ライン7からの加圧流体を内部流路3に供給しながら供給ライン7の圧力を検出するステップである。内部流路3の閉塞を検出するステップは、供給ライン7の圧力の検出値に基づいて内部流路3の閉塞の有無を判断するステップである。例えば、供給ライン7の圧力の検出値が判断基準(クライテリア)を上まわっている場合に内部流路3の閉塞ありと判断し、判断基準を下まわっている場合に内部流路3の閉塞なしと判断する。
【0052】
このような熱交換器1の検査方法によれば、内部流路3の閉塞の有無を供給ライン7の圧力の検出値に基づいて判断できる。
【0053】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0054】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば、以下のように把握される。
【0055】
(1)一の態様に係る熱交換器1の洗浄方法は、
ヘッダ流路2、および、該ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を有する熱交換器1の洗浄方法であって、
前記ヘッダ流路2に接続される前記複数の内部流路3のうち一部の流路に対して選択的に、前記ヘッダ流路2を介して洗浄流体を供給するステップ(ステップS1)
を備える。
【0056】
本開示に係る熱交換器1の洗浄方法によれば、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を複数に分けて洗浄することで、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を少ない洗浄流体で効率的に洗浄できる。
【0057】
(2)別の態様に係る熱交換器1の洗浄方法は、(1)に記載の熱交換器1の洗浄方法であって、
前記複数の内部流路3は、それぞれ、前記ヘッダ流路2の延在方向における異なる位置で前記ヘッダ流路2に接続され、
前記洗浄流体を供給するステップ(ステップS1)では、前記ヘッダ流路2のうち前記複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域よりも狭い開口6aを有する供給管6を前記ヘッダ流路2に挿入し、前記開口6aの形成範囲内に前記接続部20が位置する前記内部流路3に対して選択的に前記洗浄流体を供給する。
【0058】
このような方法によれば、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3が配置された接続領域に対して供給管6の開口6a位置を順次変更することで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0059】
(3)さらに別の態様に係る熱交換器1の洗浄方法は、(2)に記載の熱交換器1の洗浄方法であって、
前記延在方向における前記開口61a,62a,63aの形成位置が異なる複数種の前記供給管6(61,62,63)を交換し、前記洗浄流体の供給対象の前記内部流路3を順次変更する。
【0060】
このような方法によれば、供給管6(61,62,63)を順次交換することで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0061】
(4)また別の態様に係る熱交換器1の洗浄方法は、(2)に記載の熱交換器1の洗浄方法であって、
前記延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の前記開口64a,64b,64cを有する前記供給管6(64)を前記ヘッダ流路2内で回転させて、前記洗浄流体の供給対象の前記内部流路3を順次変更する。
【0062】
このような方法によれば、供給管6(64)をヘッダ流路2内で順次回転させることで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0063】
(5)また別の態様に係る熱交換器1の洗浄方法は、(1)から(4)のいずれか一つの熱交換器1の洗浄方法であって、
前記ヘッダ流路2を介して、供給ライン7からの加圧流体を前記内部流路3に供給しながら、前記内部流路3の圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS2)と、
前記パラメータの検出値に基づいて、前記内部流路3の閉塞の有無を判断するステップ(ステップS3)と、
を備える。
【0064】
このような方法によれば、内部流路3の圧力損失を示すパラメータの検出値に基づいて、内部流路3の閉塞の有無を判断することで、閉塞有りと判断した内部流路3を集中的に洗浄する等、内部流路3を効率的に洗浄できる。
【0065】
(6)また別の態様に係る熱交換器1の洗浄方法は、(5)に記載の熱交換器1の洗浄方法であって、
前記圧力損失を示すパラメータを検出するステップ(ステップS3)では、前記加圧流体としての前記洗浄流体の供給圧力を検出し、
前記洗浄流体の前記供給圧力に基づいて、前記洗浄流体を供給するステップの終了タイミングを判定する。
【0066】
このような方法によれば、洗浄流体の供給圧力に基づいて、洗浄流体を供給する終了タイミングを判定するので、洗浄流体を過剰に供給するのを防止できる。
【0067】
(7)一の態様に係る熱交換器1の検査方法は、
ヘッダ流路2、および、該ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3を有する熱交換器1の検査方法であって、
前記ヘッダ流路2を介して、供給ライン7からの加圧流体を前記内部流路3に供給しながら、前記供給ライン7の圧力を検出するステップと、
前記圧力の検出値に基づいて、前記内部流路3の閉塞の有無を判断するステップと、
を備える。
【0068】
本開示に係る熱交換器1の検査方法によれば、内部流路3の閉塞の有無を供給ライン7の圧力の検出値に基づいて判断できる。
【0069】
(8)一の態様に係る熱交換器1の洗浄装置5は、
ヘッダ流路2のうち複数の内部流路3との接続部20が配置された接続領域よりも狭い開口6aを有する供給管6と、
前記供給管6に接続された供給ライン7と、
前記供給ライン7に供給する流体を昇圧するための昇圧装置8と、
を備える。
【0070】
本開示に係る熱交換器1の洗浄装置5によれば、ヘッダ流路2に接続される複数の内部流路3の接続部20が配置された接続領域に対して供給管6の開口位置を順次変更することで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0071】
(9)別の態様に係る熱交換器1の洗浄装置5は、(8)に記載の熱交換器1の洗浄装置5であって、
前記供給管6(64)は、前記ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口64a,64b,64cを有する。
【0072】
このような構成によれば、供給管6(64)をヘッダ流路2内で順次回転させることで、洗浄対象となる内部流路3を順次変更できる。
【0073】
(10)別の態様に係る熱交換器1の洗浄装置は、(8)に記載の熱交換器1の洗浄装置5であって、
前記供給管6(65)は、
前記ヘッダ流路2の延在方向における複数の位置、且つ、互いに異なる周方向位置に設けられた複数種の開口65a1,65a2,65a3を有する供給管本体65aと、
前記供給管本体65aが摺動可能に挿入され、前記接続領域全体にわたる開口65b1を有するスリーブ65bと、
を有する。
【0074】
このような構成によれば、スリーブ65bをヘッダ流路2に対して柔らかい材質にすることで、ヘッダ流路2の損傷を抑制できる。また、供給管本体65aをスリーブ65bに対して回転させればよいので、供給管本体65aの滑らかな回転を可能にする。
【0075】
(11)また、別の態様に係る熱交換器1の洗浄装置5は、(8)から(10)のいずれか一つに記載の熱交換器1の洗浄装置5であって、
前記内部流路3の圧力損失を示すパラメータを検出するための検出装置9を備える。
【0076】
このような構成によれば、検出装置9が内部流路3の圧力損失を示すパラメータを検出するので、洗浄対象の内部流路3において閉塞の有無を判断できる。
【符号の説明】
【0077】
1 熱交換器
111 外壁(底壁)
116 外壁(上壁)
121 第1ヘッダ部
122 第2ヘッダ部
123 第3ヘッダ部
124 第4ヘッダ部
2 ヘッダ流路
20 接続部
21 第1ヘッダ流路
22 第2ヘッダ流路
23 第3ヘッダ流路
24 第4ヘッダ流路
3 内部流路
31 第1流路
311 分割流路
32 第2流路
321 分割流路
33 隔壁
34 区画壁
4 中間流路
41 第1中間流路
42 第2中間流路
5 洗浄装置
6 供給管
6a 開口
61,62,63 供給管
61a,62a,63a 開口
64 供給管
64a,64b,64c 開口
65 供給管
65a 供給管本体
65a1,65a2,65a3 開口
65b スリーブ
65b1 開口
7 供給ライン
8 昇圧装置
9 検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14