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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】空気調和機、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20240920BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20240920BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F25B49/02 520M
F25B43/00 Z
F25B1/00 391
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020066032
(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公開番号】P2021162263
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】中西 道明
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 雅司
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/053771(WO,A1)
【文献】特開2016-084984(JP,A)
【文献】特開2018-200136(JP,A)
【文献】特開2015-206518(JP,A)
【文献】特許第4599699(JP,B2)
【文献】国際公開第2017/163321(WO,A1)
【文献】特開2015-209979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 49/02
F25B 43/00
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を凝縮する凝縮器と、
凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバと、
圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え可能な切替弁と、
前記凝縮器または前記蒸発器である室外機の熱交換器の近傍に設けられた第1ガスセンサと、
前記蒸発器または前記凝縮器である室内機の熱交換器の近傍に設けられた第2ガスセンサと、
前記第1ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室外機において冷媒が漏洩していると判定し、前記第2ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室内機において冷媒が漏洩していると判定する冷媒漏洩判定部と、
を備え
前記切替弁は、前記第1ガスセンサまたは第2ガスセンサが前記漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え、
前記圧縮機から吐出された前記冷媒を、前記凝縮器及び前記蒸発器を経由せずに前記レシーバに回収する
空気調和機。
【請求項2】
前記レシーバは、
液状の冷媒とガス状の冷媒とを分離するアキュムレータとして動作する、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記切替弁における流路を制御する第1制御部、
を備える請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記蒸発器と前記凝縮器との間に設けられ、前記吐出先が前記凝縮器から前記レシーバに切り替えられた場合に弁開度を全開に制御可能な膨張弁、
を備える請求項1から請求項の何れか一項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記膨張弁の弁開度を制御する第2制御部、
を備える請求項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記レシーバによる前記冷媒の回収が完了したか否かを判定する判定部、
を備える請求項1から請求項の何れか一項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記判定部は、
前記圧縮機の吐出部における温度または前記レシーバにおける温度に基づいて、前記回収が完了したか否かを判定する、
請求項に記載の空気調和機。
【請求項8】
冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバと、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え可能な切替弁と、前記凝縮器または前記蒸発器である室外機の熱交換器の近傍に設けられた第1ガスセンサと、前記蒸発器または前記凝縮器である室内機の熱交換器の近傍に設けられた第2ガスセンサと、を備える空気調和機が行う処理方法であって、
前記切替弁における流路を制御することであって、前記第1ガスセンサまたは第2ガスセンサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替えることにより、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を、前記凝縮器及び前記蒸発器を経由せずに前記レシーバに回収することと、
前記第1ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室外機において冷媒が漏洩していると判定し、前記第2ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室内機において冷媒が漏洩していると判定することと、
を含む処理方法。
【請求項9】
冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバと、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え可能な切替弁と、前記凝縮器または前記蒸発器である室外機の熱交換器の近傍に設けられた第1ガスセンサと、前記蒸発器または前記凝縮器である室内機の熱交換器の近傍に設けられた第2ガスセンサと、を備える空気調和機のコンピュータに、
前記切替弁における流路を制御することであって、前記第1ガスセンサまたは第2ガスセンサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替えることにより、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を、前記凝縮器及び前記蒸発器を経由せずに前記レシーバに回収することと、
前記第1ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室外機において冷媒が漏洩していると判定し、前記第2ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室内機において冷媒が漏洩していると判定することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機では、さまざまな種類の冷媒が使用されている。地球温暖化を防止する観点からはGWP(地球温暖化係数)の低い冷媒の使用が進められている。
特許文献1には、関連する技術として、設計圧力の低い配管を利用できるように、冷媒を貯留させる冷凍サイクル装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/175299号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、GWPの低い冷媒の中にはGWPの高い冷媒に比べて燃焼性の高いものが存在する。そのような冷媒が空気調和機の外部に漏洩した場合、冷媒を燃焼しない状態を確保する必要がある。
そのため、空気調和機において冷媒が漏洩した場合、その漏洩を抑制することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決することのできる空気調和機、処理方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る空気調和機は、冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバと、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え可能な切替弁と、前記凝縮器または前記蒸発器である室外機の熱交換器の近傍に設けられた第1ガスセンサと、前記蒸発器または前記凝縮器である室内機の熱交換器の近傍に設けられた第2ガスセンサと、前記第1ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室外機において冷媒が漏洩していると判定し、前記第2ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室内機において冷媒が漏洩していると判定する冷媒漏洩判定部と、を備え、前記切替弁は、前記第1ガスセンサまたは第2ガスセンサが前記漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を、前記凝縮器及び前記蒸発器を経由せずに前記レシーバに回収する
【0007】
本開示に係る処理方法は、冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバと、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え可能な切替弁と、前記凝縮器または前記蒸発器である室外機の熱交換器の近傍に設けられた第1ガスセンサと、前記蒸発器または前記凝縮器である室内機の熱交換器の近傍に設けられた第2ガスセンサと、を備える空気調和機が行う処理方法であって、前記切替弁における流路を制御することであって、前記第1ガスセンサまたは第2ガスセンサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替えることにより、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を、前記凝縮器及び前記蒸発器を経由せずに前記レシーバに回収することと、前記第1ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室外機において冷媒が漏洩していると判定し、前記第2ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室内機において冷媒が漏洩していると判定することと、を含む
【0008】
本開示に係るプログラムは、冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバと、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替え可能な切替弁と、前記凝縮器または前記蒸発器である室外機の熱交換器の近傍に設けられた第1ガスセンサと、前記蒸発器または前記凝縮器である室内機の熱交換器の近傍に設けられた第2ガスセンサと、を備える空気調和機のコンピュータに、前記切替弁における流路を制御することであって、前記第1ガスセンサまたは第2ガスセンサが前記冷媒の漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器から前記レシーバに切り替えることにより、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を、前記凝縮器及び前記蒸発器を経由せずに前記レシーバに回収することと、前記第1ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室外機において冷媒が漏洩していると判定し、前記第2ガスセンサが冷媒を検出した場合、前記室内機において冷媒が漏洩していると判定することと、を実行させる
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施形態による空気調和機、制御方法及びプログラムによれば、空気調和機において冷媒が漏洩した場合、その漏洩を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態による空気調和機の構成の一例を示す図である。
図2】本開示の第1実施形態による制御装置の構成の一例を示す図である。
図3】本開示の第1実施形態における冷媒回収完了の判定を説明するための第1の図である。
図4】本開示の第1実施形態における冷媒回収完了の判定を説明するための第2の図である。
図5】本開示の第1実施形態による空気調和機の処理フローの一例を示す図である。
図6】本開示の第2実施形態による空気調和機の構成の一例を示す図である。
図7】本開示の第2実施形態による空気調和機の処理フローの一例を示す図である。
図8】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
(空気調和機の構成)
本開示の第1実施形態による空気調和機1の構成について説明する。
本開示の第1実施形態による空気調和機1は、冷媒が空気調和機から漏洩したことを検出した場合に、冷媒をレシーバ内に回収する空気調和機である。空気調和機1は、図1に示すように、室外機10、室内機20、制御装置30を備える。
なお、第1実施形態では、空気調和機1の冷暖房運転のうち冷房運転時の動作を例に(すなわち、冷凍サイクル装置として動作する場合を例に)空気調和機1について説明し、暖房運転時の動作については第1実施形態の最後に説明する。
【0012】
(室外機の構成)
室外機10は、図1に示すように、圧縮機101、アキュムレータ102、切替弁103(切替弁の一例)、四方弁104、送風ファン105、熱交換器106(凝縮器の一例、蒸発器の一例)、絞り機構107(膨張弁の一例)、逆止弁108、レシーバ109、開閉弁110、吐出温度センサ111、レシーバ温度センサ112、ガスセンサ113(ガスセンサの一例)を備える。
【0013】
圧縮機101は、ガス状の冷媒を圧縮する装置である。圧縮機101によって圧縮された冷媒は、通常時は切替弁103、四方弁104を介して熱交換器106に送られる。
【0014】
アキュムレータ102は、液状の冷媒とガス状の冷媒とを分離する装置である。アキュムレータ102によって分離された冷媒のうちガス状の冷媒のみが圧縮機101に送られる。
【0015】
切替弁103は、圧縮機101から吐出される冷媒の送り先を切り替える弁である。
例えば、切替弁103は、通常時は、圧縮機101から吐出される冷媒の送り先を熱交換器106とする。また、切替弁103は、冷媒の漏洩が検出された場合、圧縮機101から吐出される冷媒の送り先をレシーバ109とする。
【0016】
四方弁104は、空気調和機1の冷房運転と暖房運転とを切り替える弁である。四方弁104は、空気調和機1の冷房運転時に、圧縮機101から吐出された冷媒の送り先を熱交換器106とする。なお、暖房運時は、冷媒の送り先を熱交換器201とする。
【0017】
送風ファン105は、熱交換器106に空気を送り込むファンである。
熱交換器106は、空気調和機1の冷房運転時には凝縮器として動作する。つまり、ガス状の冷媒は、送風ファン105によって送り込まれる空気と熱交換し、液状の冷媒になる。熱交換器106において液状となった冷媒は、絞り機構107に送られる。
【0018】
絞り機構107は、冷媒の圧力を低下させ、冷媒を膨張させる機構を備える。この絞り機構107によって冷媒の温度が低下する。絞り機構107は、熱交換器106と後述する熱交換器201との間に設けられる。絞り機構107は、例えば、電子膨張弁である。
【0019】
逆止弁108は、冷媒の逆流を防止する弁である。例えば、冷媒の漏洩が検出され、切替弁103が圧縮機101から吐出される冷媒の送り先をレシーバ109とした場合、逆止弁108は、冷媒を圧縮機101からレシーバ109の方向にのみ送る。
【0020】
レシーバ109は、冷媒の漏洩が検出された場合に、冷媒を回収し内部に溜める容器である。
開閉弁110は、冷媒の流路を開閉する弁である。例えば、開閉弁110は、電磁弁である。
【0021】
吐出温度センサ111は、圧縮機101の冷媒の吐出部における温度を測定するセンサである。吐出温度センサ111は、圧縮機101の冷媒の吐出部に設けられる。
【0022】
レシーバ温度センサ112は、レシーバ109における温度を測定するセンサである。レシーバ温度センサ112は、レシーバ109の上部に設けられる。
【0023】
ガスセンサ113は、ガス状の冷媒を検出するセンサである。例えば、ガスセンサ113は、熱交換器106の近傍に設けられる。
【0024】
(室内機の構成)
室内機20は、図1に示すように、熱交換器201(蒸発器の一例、凝縮器の一例)、送風ファン202、ガスセンサ203(ガスセンサの一例)を備える。
【0025】
送風ファン202は、熱交換器201に空気を送り込むファンである。熱交換器201は、空気調和機1の冷房運転時には蒸発器として動作する。つまり、絞り機構107によって温度が低下した冷媒は、送風ファン202によって送り込まれる空気と熱交換し、ガス状の冷媒になる。つまり、空気調和機1が冷房サイクル装置として動作する。
【0026】
ガスセンサ203は、ガス状の冷媒を検出するセンサである。例えば、ガスセンサ203は、熱交換器201の近傍に設けられる。
【0027】
(制御装置の構成)
制御装置30は、図2に示すように、センサ情報取得部301、冷媒漏洩判定部302、弁制御部303(第1制御部の一例、第2制御部の一例)、回収完了判定部304(判定部の一例)、ファン制御部305、記憶部308を備える。
【0028】
センサ情報取得部301は、吐出温度センサ111またはレシーバ温度センサ112が測定した温度の測定結果を取得する。また、センサ情報取得部301は、ガスセンサ113及びガスセンサ203から冷媒の検出結果を取得する。
【0029】
冷媒漏洩判定部302は、ガスセンサ113またはガスセンサ203の検出結果に基づいて、空気調和機1において冷媒が漏洩しているか否かを判定する。
例えば、ガスセンサ113が冷媒を検出した場合、冷媒漏洩判定部302は、室外機10において冷媒が漏洩していると判定する。
また、例えば、ガスセンサ203が冷媒を検出した場合、冷媒漏洩判定部302は、室内機20において冷媒が漏洩していると判定する。
【0030】
弁制御部303は、切替弁103、四方弁104、絞り機構107、開閉弁110を制御する。
例えば、空気調和機1の冷房運転の通常時には、弁制御部303は、圧縮機101と四方弁104とを接続させ、逆止弁108と開閉弁110とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器106とを接続させ、アキュムレータ102と熱交換器201とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、絞り機構107の開度が適切な開度となるように制御する。また、弁制御部303は、開閉弁110を遮断させるように制御する。
【0031】
また、例えば、空気調和機1の冷房運転において冷媒の漏洩が検出された場合、弁制御部303は、圧縮機101と逆止弁108とを接続させ、四方弁104と開閉弁110とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器106とを接続させ、アキュムレータ102と熱交換器201とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、絞り機構107の開度が全開になるように制御する。また、弁制御部303は、開閉弁110を遮断させるように制御する。
【0032】
回収完了判定部304は、吐出温度センサ111の測定結果、または、レシーバ温度センサ112の測定結果に基づいて、レシーバ109において冷媒の回収が完了したか否かを判定する。
例えば、レシーバ109に冷媒が回収されると、レシーバ温度センサ112が測定する温度は、図3に示すように、温度が上昇した後、その温度上昇が鈍化する。そのため、回収完了判定部304は、レシーバ温度センサ112の測定結果が、上昇した後にその上昇が鈍化したと判定した場合に、冷媒の回収が完了したと判定する。
また、例えば、レシーバ109に冷媒が回収されると、吐出温度センサ111が測定する温度は、図4に示すように、温度が低下する。そして、吐出温度センサ111の測定結果は、冷媒がなくなったタイミングで温度の下限値となり、その後、圧縮機101のモータの熱によって温度が上昇する。そのため、回収完了判定部304は、吐出温度センサ111の測定結果が、低下して温度の下限値となり、その後、上昇したと判定した場合に、冷媒の回収が完了したと判定する。
【0033】
ファン制御部305は、送風ファン105及び送風ファン202の回転を制御する。
圧縮機制御部306は、圧縮機101の動作を制御する。
例えば、圧縮機制御部306は、圧縮機101が動作状態または停止状態となるように制御する。
【0034】
エラー通知部307は、冷媒の漏洩を通知する。
例えば、エラー通知部307は、冷媒が漏洩したことを室内に設けられた表示部やリモコンの表示部に表示する。
【0035】
記憶部308は、制御装置30が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。
例えば、記憶部308は、回収完了判定部304がレシーバ109において冷媒の回収が完了したか否かを判定するために用いる温度しきい値を記憶する。
【0036】
上述の構成により、空気調和機1の冷房運転の通常時において、冷媒は、圧縮機101、切替弁103、四方弁104、熱交換器106、絞り機構107、熱交換器201、四方弁104、アキュムレータ102、圧縮機101の順で循環する流路を流れる。
【0037】
(空気調和機が行う処理)
次に、本開示の第1実施形態による空気調和機1の処理について説明する。
ここでは、図5に示す空気調和機1の冷房運転の通常時に凝縮器として動作する熱交換器106において冷媒の漏洩を検出した場合の空気調和機1の処理フローについて説明する。
【0038】
空気調和機1は、冷房運転の通常時の状態にある。つまり、弁制御部303は、圧縮機101と四方弁104とを接続させ、逆止弁108と開閉弁110とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、開閉弁110と熱交換器106とを接続させ、アキュムレータ102と熱交換器201とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、絞り機構107の開度が適切な開度となるように制御する。また、弁制御部303は、開閉弁110を遮断させるように制御する。
【0039】
この状態で、冷媒漏洩判定部302は、ガスセンサ113またはガスセンサ203の検出結果に基づいて、空気調和機1において冷媒が漏洩しているか否かを判定している。
具体的には、冷媒漏洩判定部302は、ガスセンサ113またはガスセンサ203が冷媒を検出した場合に冷媒が漏洩していると判定する。
【0040】
ここで、ガスセンサ113が、冷媒を検出する。
センサ情報取得部301は、ガスセンサ113から冷媒を検出したことを示す検出結果を取得する。
【0041】
冷媒漏洩判定部302は、センサ情報取得部301がガスセンサ113から冷媒を検出したことを示す検出結果を取得した場合、室外機10において冷媒が漏洩していると判定する(ステップS1)。
【0042】
弁制御部303は、圧縮機101と逆止弁108とを接続させ、四方弁104と開閉弁110とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する(ステップS2)。
【0043】
弁制御部303は、絞り機構107の開度が全開になるように制御する(ステップS3)。ファン制御部305は、送風ファン202の回転を停止させる(ステップS4)。なお、ステップS3及びステップS4の処理により、冷媒のガス化が抑制されることで、冷媒の密度が高くなる。その結果、冷媒をレシーバ109に効率よく回収することができるようになる。
【0044】
回収完了判定部304は、吐出温度センサ111の測定結果、または、レシーバ温度センサ112の測定結果に基づいて、レシーバ109において冷媒の回収が完了したか否かを判定する(ステップS5)。
回収完了判定部304は、レシーバ109において冷媒の回収が完了していないと判定した場合(ステップS5においてNO)、ステップS5の処理に戻す。
また、レシーバ109において冷媒の回収が完了したと回収完了判定部304が判定した場合(ステップS5においてYES)、圧縮機制御部306は、圧縮機101が(動作状態から)停止状態となるように制御する(ステップS6)。そして、エラー通知部307は、冷媒の漏洩を通知する(ステップS7)。
【0045】
このように、凝縮器として動作する熱交換器106において冷媒が漏洩した場合、空気調和機1は、熱交換器106からの冷媒の漏洩を抑制することができる。なお、この場合、空気調和機1は、熱交換器106の入口側で冷媒を回収することができる。そのため、空気調和機1は、熱交換器106の出口側で冷媒を回収する場合に比べてより安全に冷媒を回収することができる。
【0046】
なお、空気調和機1の冷房運転において、蒸発器として動作する熱交換器201や、その他の箇所から冷媒が漏洩し、ガスセンサ113またはガスセンサ203が冷媒を検出した場合にも、同様に、レシーバ109において冷媒を回収するものであってよい。
【0047】
また、空気調和機1の暖房運転は、熱交換器106が蒸発器として動作し、熱交換器201が凝縮器として動作し、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器201とを接続させ、アキュムレータ102と熱交換器106とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。なお、ステップS4における送風ファンの回転停止は送風ファン105となる。
そして、空気調和機1の暖房運転において、凝縮器として動作する熱交換器201、蒸発器として動作する熱交換器106、その他の箇所から冷媒が漏洩し、ガスセンサ113またはガスセンサ203が冷媒を検出した場合にも、同様に、レシーバ109において冷媒を回収するものであってよい。
なお、空気調和機1の暖房運転において、熱交換器201において冷媒が漏洩した場合、空気調和機1は、熱交換器201の入口側で冷媒を回収することができる。そのため、空気調和機1は、熱交換器201の出口側で冷媒を回収する場合に比べてより安全に冷媒を回収することができる。
【0048】
(空気調和機による作用、効果)
以上、本開示の第1実施形態による空気調和機1について説明した。
本開示の第1実施形態による空気調和機(1)は、冷媒を凝縮する凝縮器(106、201)と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器(201、106)と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機(101)と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバ(109)と、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器(106、201)から前記レシーバ(109)に切り替え可能な切替弁(103)と、を備える。
【0049】
この空気調和機(1)により、冷媒の漏洩が検出された場合に、凝縮器(106、201)の入口側で冷媒を回収することができる。その結果、空気調和機(1)は、空気調和機において冷媒が漏洩した場合、その漏洩を抑制することができる。
【0050】
<第2実施形態>
(空気調和機の構成)
本開示の第2実施形態による空気調和機1の構成について説明する。
本開示の第2実施形態による空気調和機1は、レシーバを冷媒の回収と共にアキュムレータの代わりとして使用する空気調和機である。空気調和機1は、図6に示すように、室外機10、室内機20、制御装置30を備える。以下、第1実施形態と異なる点を中心に空気調和機1について説明する。
なお、第2実施形態では、空気調和機1の冷暖房運転のうち冷房運転時の動作を例に(すなわち、冷凍サイクル装置として動作する場合を例に)空気調和機1について説明し、暖房運転時の動作については第2実施形態の最後に説明する。
【0051】
(室外機の構成)
室外機10は、図6に示すように、圧縮機101、切替弁103、四方弁104、送風ファン105、熱交換器106、絞り機構107、逆止弁108、レシーバ109、第1の開閉弁110、吐出温度センサ111、レシーバ温度センサ112、ガスセンサ113、第2の開閉弁114、第1の三方弁115(切替弁の一例)、第2の三方弁116(切替弁の一例)を備える。
【0052】
第1の三方弁115及び第2の三方弁116は、レシーバ109を冷媒の回収に加えてアキュムレータとしても動作させるために追加された弁である。
【0053】
弁制御部303は、切替弁103、四方弁104、絞り機構107、第1の開閉弁110、第2の開閉弁114、第1の三方弁115、第2の三方弁116を制御する。
例えば、空気調和機1の冷房運転の通常時には、弁制御部303は、圧縮機101と四方弁104とを接続させ、逆止弁108と第2の開閉弁114とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器106とを接続させ、第1の三方弁115と熱交換器201とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、絞り機構107の開度が適切な開度となるように制御する。また、弁制御部303は、第1の開閉弁110を開放させるように制御する。また、弁制御部303は、第2の開閉弁114を遮断させるように制御する。また、弁制御部303は、四方弁104と第1の開閉弁110とを接続させるように第1の三方弁115を制御する。また、弁制御部303は、圧縮機101とレシーバ109とを接続させるように第2の三方弁116を制御する。
【0054】
また、例えば、空気調和機1の冷房運転において冷媒の漏洩が検出された場合、弁制御部303は、圧縮機101と逆止弁108とを接続させ、四方弁104と第2の開閉弁114とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器106とを接続させ、第1の三方弁115と熱交換器201とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、絞り機構107の開度が全開になるように制御する。また、弁制御部303は、第1の開閉弁110を遮断させるように制御する。また、弁制御部303は、第2の開閉弁114を遮断させるように制御する。また、弁制御部303は、圧縮機101と四方弁104とを接続させるように第1の三方弁115を制御する。また、弁制御部303は、逆止弁108とレシーバ109とを接続させるように第2の三方弁116を制御する。
【0055】
上述の構成により、空気調和機1の冷房運転の通常時において、冷媒は、圧縮機101、切替弁103、四方弁104、熱交換器106、絞り機構107、熱交換器201、四方弁104、第1の三方弁115、第1の開閉弁110、レシーバ109、第2の三方弁116、圧縮機101の順で循環する流路を流れる。
なお、図6において、実線で示す矢印は、空気調和機1の冷房運転の通常時における冷媒の流れを示している。また、破線で示す矢印は、空気調和機1の冷房運転において冷媒の漏洩が検出された場合の冷媒の流れを示している。
【0056】
(空気調和機が行う処理)
次に、本開示の第2実施形態による空気調和機1の処理について説明する。
ここでは、図7に示す空気調和機1の冷房運転の通常時に凝縮器として動作する熱交換器106において冷媒の漏洩を検出した場合の空気調和機1の処理フローについて説明する。
【0057】
空気調和機1は、冷房運転の通常時の状態にある。つまり、弁制御部303は、圧縮機101と四方弁104とを接続させ、逆止弁108と第2の開閉弁114とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器106とを接続させ、第1の三方弁115と熱交換器201とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。また、弁制御部303は、絞り機構107の開度が適切な開度となるように制御する。また、弁制御部303は、第1の開閉弁110を開放させるように制御する。また、弁制御部303は、第2の開閉弁114を遮断させるように制御する。また、弁制御部303は、四方弁104と第1の開閉弁110とを接続させるように第1の三方弁115を制御する。また、弁制御部303は、圧縮機101とレシーバ109とを接続させるように第2の三方弁116を制御する。
【0058】
この状態で、冷媒漏洩判定部302は、ガスセンサ113またはガスセンサ203の検出結果に基づいて、空気調和機1において冷媒が漏洩しているか否かを判定している。
具体的には、冷媒漏洩判定部302は、ガスセンサ113またはガスセンサ203が冷媒を検出した場合に冷媒が漏洩していると判定する。
【0059】
ここで、ガスセンサ113が、ガス状の冷媒を検出する。
センサ情報取得部301は、ガスセンサ113から冷媒を検出したことを示す検出結果を取得する。
【0060】
冷媒漏洩判定部302は、センサ情報取得部301がガスセンサ113から冷媒を検出したことを示す検出結果を取得した場合、室外機10において冷媒が漏洩していると判定する(ステップS1)。
【0061】
弁制御部303は、圧縮機101と逆止弁108とを接続させ、四方弁104と第2の開閉弁114とを接続させるように切替弁103における冷媒の流路を制御し、第1の開閉弁110を遮断させるように制御し、圧縮機101と四方弁104とを接続させるように第1の三方弁115を制御し、逆止弁108とレシーバ109とを接続させるように第2の三方弁116を制御する(ステップS11)。
【0062】
弁制御部303は、絞り機構107の開度が全開になるように制御する(ステップS3)。ファン制御部305は、送風ファン202の回転を停止させる(ステップS4)。
【0063】
回収完了判定部304は、吐出温度センサ111の測定結果、または、レシーバ温度センサ112の測定結果に基づいて、レシーバ109において冷媒の回収が完了したか否かを判定する(ステップS5)。
回収完了判定部304は、レシーバ109において冷媒の回収が完了していないと判定した場合(ステップS5においてNO)、ステップS5の処理に戻す。
また、レシーバ109において冷媒の回収が完了したと回収完了判定部304が判定した場合(ステップS5においてYES)、圧縮機制御部306は、圧縮機101が(動作状態から)停止状態となるように制御する(ステップS6)。そして、エラー通知部307は、冷媒の漏洩を通知する(ステップS7)。
【0064】
このように、凝縮器として動作する熱交換器106において冷媒が漏洩した場合、空気調和機1は、熱交換器106からの冷媒の漏洩を抑制することができる。なお、この場合、空気調和機1は、熱交換器106の入口側で冷媒を回収することができる。そのため、空気調和機1は、熱交換器106の出口側で冷媒を回収する場合に比べてより安全に冷媒を回収することができる。
【0065】
なお、空気調和機1の冷房運転において、蒸発器として動作する熱交換器201や、その他の箇所から冷媒が漏洩し、ガスセンサ113またはガスセンサ203が冷媒を検出した場合にも、同様に、レシーバ109において冷媒を回収するものであってよい。
【0066】
また、空気調和機1の暖房運転は、熱交換器106が蒸発器として動作し、熱交換器201が凝縮器として動作し、弁制御部303は、切替弁103と熱交換器201とを接続させ、アキュムレータ102と熱交換器106とを接続させるように四方弁104における冷媒の流路を制御する。なお、ステップS4における送風ファンの回転停止は送風ファン105となる。
そして、空気調和機1の暖房運転において、凝縮器として動作する熱交換器201、蒸発器として動作する熱交換器106、その他の箇所から冷媒が漏洩し、ガスセンサ113またはガスセンサ203が冷媒を検出した場合にも、同様に、レシーバ109において冷媒を回収するものであってよい。
なお、空気調和機1の暖房運転において、熱交換器201において冷媒が漏洩した場合、空気調和機1は、熱交換器201の入口側で冷媒を回収することができる。そのため、空気調和機1は、熱交換器201の出口側で冷媒を回収する場合に比べてより安全に冷媒を回収することができる。
【0067】
(空気調和機による作用、効果)
以上、本開示の第2実施形態による空気調和機1について説明した。
本開示の第2実施形態による空気調和機(1)は、液状の冷媒とガス状の冷媒とを分離するアキュムレータとして動作するレシーバ(109)、を備える。
【0068】
この空気調和機(1)により、アキュムレータが不要となり、空気調和機1を容易で安価に製造することができる。
【0069】
なお、本開示の別の実施形態では、制御装置30は、室外機10または室内機20に備えられるものであってもよい。
【0070】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0071】
本開示の実施形態における記憶部308や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部308や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0072】
本開示の実施形態について説明したが、上述の制御装置30、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図8に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の制御装置30、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0073】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0074】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【0076】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の空気調和機(1)、制御方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0077】
(1)第1の態様に係る空気調和機(1)は、冷媒を凝縮する凝縮器(106、201)と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器(201、106)と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機(101)と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバ(109)と、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器(106、201)から前記レシーバ(109)に切り替え可能な切替弁(103、115、116)と、を備える。
【0078】
この空気調和機(1)により、冷媒の漏洩が検出された場合に、凝縮器(106、201)の入口側で冷媒を回収することができる。その結果、空気調和機(1)は、空気調和機において冷媒が漏洩した場合、その漏洩を抑制することができる。
【0079】
(2)第2の態様に係る空気調和機(1)は、(1)の空気調和機(1)であって、冷媒の漏洩を検出するガスセンサ(113、203)、を備え、前記切替弁(103、115、116)は、前記ガスセンサ(113、203)が前記漏洩を検出した場合に、前記吐出先を、前記凝縮器(106、201)から前記レシーバ(109)に切り替えるものであってもよい。
【0080】
この空気調和機(1)により、冷媒の漏洩を検出することができ、前記吐出先を適切に切り替えることができる。
【0081】
(3)第3の態様に係る空気調和機(1)は、(1)または(2)の空気調和機(1)であって、前記レシーバ(109)は、液状の冷媒とガス状の冷媒とを分離するアキュムレータとして動作するものであってもよい。
【0082】
この空気調和機(1)により、アキュムレータが不要となり、空気調和機1を容易で安価に製造することができる。
【0083】
(4)第4の態様に係る空気調和機(1)は、(1)から(3)の何れか1つの空気調和機(1)であって、前記切替弁(103、115、116)における流路を制御する第1制御部(303)、を備えるものであってもよい。
【0084】
この空気調和機(1)により、切替弁(103、115、116)における流路を適切に制御することができる。
【0085】
(5)第5の態様に係る空気調和機(1)は、(1)から(4)の何れか1つの空気調和機(1)であって、前記蒸発器(201、106)と前記凝縮器(106、201)との間に設けられ、前記吐出先が前記凝縮器(106、201)から前記レシーバに切り替えられた場合に弁開度を全開に制御可能な膨張弁(107)、を備えるものであってもよい。
【0086】
この空気調和機(1)により、冷媒の温度が低下し、冷媒の密度が高くなる。その結果、冷媒をレシーバ(109)へ安全に回収することができるようになる。
【0087】
(6)第6の態様に係る空気調和機(1)は、(5)の空気調和機(1)であって、前記弁開度を制御する第2制御部(303)、を備えるものであってもよい。
【0088】
この空気調和機(1)により、前記弁開度を適切に制御することができるようになる。
【0089】
(7)第7の態様に係る空気調和機(1)は、(1)から(6)の何れか1つの空気調和機(1)であって、前記レシーバ(109)による前記冷媒の回収が完了したか否かを判定する判定部(304)、を備えるものであってもよい。
【0090】
この空気調和機(1)により、冷媒の回収の完了を判定することができる。その結果、冷媒の回収の完了後に無駄な制御を行う必要がなくなる。
【0091】
(8)第8の態様に係る空気調和機(1)は、(7)の空気調和機(1)であって、前記判定部(304)は、前記圧縮機(101)の吐出部における温度または前記レシーバ(109)における温度に基づいて、前記回収が完了したか否かを判定するものであってもよい。
【0092】
この空気調和機(1)により、安易な方法で冷媒の回収の完了を判定することができる。その結果、冷媒の回収の完了後に無駄な制御を行う必要がなくなる。
【0093】
(9)第9の態様に係る制御方法は、冷媒を凝縮する凝縮器(106、201)と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器(201、106)と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機(101)と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバ(109)と、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器(106、201)から前記レシーバ(109)に切り替え可能な切替弁(103、115、116)と、を備える空気調和機(1)が行う制御方法であって、前記切替弁(103、115、116)における流路を制御すること、を含む。
【0094】
この制御方法により、冷媒の漏洩が検出された場合に、凝縮器(106、201)の入口側で冷媒を回収することができる。その結果、制御方法は、空気調和機において冷媒が漏洩した場合、その漏洩を抑制することができる。
【0095】
(10)第10の態様に係るプログラムは、冷媒を凝縮する凝縮器(106、201)と、凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器(201、106)と、蒸発させた前記冷媒を圧縮する圧縮機(101)と、圧縮された前記冷媒を回収可能なレシーバ(109)と、圧縮された前記冷媒の吐出先を、前記凝縮器(106、201)から前記レシーバ(109)に切り替え可能な切替弁(103、115、116)と、を備える空気調和機(1)のコンピュータ(5)に、前記切替弁(103、115、116)における流路を制御すること、を実行させる。
【0096】
このプログラムにより、冷媒の漏洩が検出された場合に、凝縮器(106、201)の入口側で冷媒を回収することができる。その結果、プログラムは、空気調和機において冷媒が漏洩した場合、その漏洩を抑制することができる。
【符号の説明】
【0097】
1・・・空気調和機
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・室外機
20・・・室内機
30・・・制御装置
101・・・圧縮機
102・・・アキュムレータ
103・・・切替弁
104・・・四方弁
105、202・・・送風ファン
106、201・・・熱交換器
107・・・絞り機構
108・・・逆止弁
109・・・レシーバ
110、114・・・開閉弁
111・・・吐出温度センサ
112・・・レシーバ温度センサ
113、203・・・ガスセンサ
301・・・センサ情報取得部
302・・・冷媒漏洩判定部
303・・・弁制御部
304・・・回収完了判定部
305・・・ファン制御部
306・・・圧縮機制御部
307・・・エラー通知部
308・・・記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8