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特許7557968センサ処理ユニットを用いた客室体験ネットワーク
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  • 特許-センサ処理ユニットを用いた客室体験ネットワーク 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】センサ処理ユニットを用いた客室体験ネットワーク
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20240920BHJP
   B64D 11/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F9/50 150Z
B64D11/00
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020099053
(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公開番号】P2021036418
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】16/435,356
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, ドナルド ビー.
【審査官】三坂 敏夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-120497(JP,A)
【文献】国際公開第2019/078914(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0102689(US,A1)
【文献】特開2016-167278(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0292983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/455-9/54
B64D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空インターネットオブシングス(AIoT)システム(400)内の生センサデータを処理するコンピュータ実装された方法であって、
センサ処理ユニット(SPU)(202、300)のネットワークインターフェース(302)によって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること(402)、
前記ネットワークインターフェース(302)によって、前記生センサデータを前記SPU(202、300)の1以上の処理ユニット(304、306、308、310、312、314)に提供すること(404)、
前記1以上の処理ユニット(304、306、308、310、312、314)によって、前記生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して(406)、処理済みデータを生成すること、及び
前記ネットワークインターフェース(302)によって、前記処理済みデータを前記1以上のシステムに提供すること(408)を含み、
前記SPU(202、300)が、客室体験ネットワーク(CEN)システムのスイッチとデータ通信する、コンピュータ実装された方法。
【請求項2】
前記1以上のシステムが、1以上のディスプレイ(133、137)、1以上の記憶デバイス(164、188、194)、1以上のプロジェクタデバイス(114、202、204、206、208、216、218、220、224、232、234、236、238、240、248、256、258、260、262、264、270、272、280)、又は1以上の非搭載型システム(120、126、130、138、146)を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項3】
前記SPU(202、300)が、前記生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータ(304、306、308、310、312、314)を備える、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項4】
前記6つの並列マルチコアコンピュータ(304、306、308、310、312、314)のうちの1つが、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される、請求項3に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項5】
前記機械学習アルゴリズムが、訓練されたニューラルネットワークである、請求項4に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータシステムであって、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサ(304、306、308、310、312、314)と、
指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令が前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されたときに、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム(400)内の生センサデータを処理する方法を実行する非一過性のコンピュータ可読媒体とを備え、前記方法が、
センサ処理ユニット(SPU)(202、300)のネットワークインターフェース(302)によって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること(402)、
前記ネットワークインターフェース(302)によって、前記生センサデータを前記SPU(202、300)の1以上の処理ユニット(304、306、308、310、312、314)に提供すること(404)、
前記1以上の処理ユニット(304、306、308、310、312、314)によって、前記生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して(406)、処理済みデータを生成すること、及び
前記ネットワークインターフェース(302)によって、前記処理済みデータを前記1以上のシステムに提供すること(408)を含む、コンピュータシステム。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行するための客室体験ネットワーク(CEN)システムであって、
CENサーバ(102)、
前記CENサーバ(102)と通信する第1のCENスイッチ(150)であって、1以上の第1のプロジェクタデバイス(202)と1以上の第1のカメラ(210)のうちの少なくとも1つと通信する第1のCENスイッチ(150)、及び
前記第1のCENスイッチ(150)と通信するセンサ処理ユニット(SPU)(202、300)を備え、前記SPU(202、300)が、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令が前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されたときに、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理する方法を実行する非一過性のコンピュータ可読媒体とを備え、前記方法が、
前記SPUのネットワークインターフェースによって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること、
前記ネットワークインターフェースによって、前記生センサデータを前記SPUの1以上の処理ユニットに提供すること、
前記1以上の処理ユニットによって、前記生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成すること、及び
前記ネットワークインターフェースによって、前記処理済みデータを前記1以上のシステムに提供することを含む、CENシステム。
【請求項8】
前記CENサーバ(102)と通信する第2のCENスイッチ(158)であって、1以上の第2のプロジェクタデバイス(204)と1以上の第2のカメラ(212)のうちの少なくとも1つと通信する第2のCENスイッチ(158)を更に備え、
前記SPU(202、300)が、前記第2のCENスイッチ(158)と通信し、前記第2のCENスイッチ(158)から生センサデータを取得し、前記生センサデータを処理して処理済みセンサデータとして前記第2のCENスイッチ(158)に提供する、請求項に記載のCENシステム。
【請求項9】
前記SPUが、前記生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータ(304、306、308、310、312、314)を備える、請求項に記載のCENシステム。
【請求項10】
前記6つの並列マルチコアコンピュータ(304、306、308、310、312、314)のうちの1つが、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される、請求項に記載のCENシステム。
【請求項11】
前記機械学習アルゴリズムが、訓練されたニューラルネットワークである、請求項10に記載のCENシステム。
【請求項12】
前記機械学習アルゴリズムが、航空機の飛行動作の1以上の段階中に訓練されて、振動又は音を検出し、検出された振動又は検出された音を分類する、請求項11に記載のCENシステム。
【請求項13】
前記検出された振動又は前記検出された音の表示が、前記第1のCENスイッチを介して前記CENサーバに提供される、請求項12に記載のCENシステム。
【請求項14】
前記検出された振動又は前記検出された音の位置が、前記機械学習アルゴリズムに基づいて特定される、請求項12に記載のCENシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、並列処理、計算負荷平準化(computational load leveling)、及び分散コンピューティングに関する。
【背景技術】
【0002】
新しい客室体験ネットワーク(CEN)システムは、民間航空機及びビジネス航空機に機能及び特徴を追加するための汎用ネットワークを提供する。最初の用途は、777Xの31カメラビデオ監視システムであった。そのネットワーク及びサーバは、カメラやセンサなどのインターネットプロトコルイーサネットインターフェースをホストすることができる。これらの離散したユニットは、CENサーバで実行される特別に書かれたソフトウェアアプリケーションプログラムを介して最終製品へと組み合わされる。CENシステムは、カメラのほかに多くの異なるセンサをホストすることができる。これらのセンサは、センサインターフェースをCENシステムが通信することができるインターネットプロトコル(IP)インターフェースへと変換させる、ネットワークスイッチ、無線アクセスポイント、コンソリデーター(consolidator)、及びブリッジによって、ネットワークに接続されている。
【0003】
航空機がセンサ設計空間の中に入ると、航空機の計算機能は、顔認識、動き検出、移動追跡、及びセンサ融合(sensor fusion:2つ以上のセンサを1つのコヒーレント画像に混合すること)、及び複数のセンサの種類の処理などの作業を達成するために、処理能力をすぐに使い果たしてしまう。これは、搭載型ネットワークサーバでは通常あり得ないほどの大きな処理能力を必要とする。更に、現在のセンサシステムは、自己完結型であり、特定の機能に特化したものである。これらの連携システムは、インターフェースポートの制限、配線の設置、特殊なソフトウェア、及び認証の問題と費用のため、容易に拡張することができない。したがって、高い費用を生じさせることなく、客室エリア内に更なる統合されたセンサとセンサ融合機能を提供するクリーンな方法はない。
【0004】
この問題に対する1つの解決策は、非搭載型データ処理を行って、その結果を飛行機に戻すことである。しかし、これは、現在の飛行機非搭載型通信システム用の帯域幅制限のため、現実的ではない。
【0005】
したがって、必要とされているのは、現在のカメラ/センサシステムアプローチの上述の欠点に対処することができる、搭載型ネットワークサーバ又は他の計算リソースである。
【発明の概要】
【0006】
以下、本教示の1以上の実施態様のうちの幾つかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化した概要を提示する。この概要は、広範な概説ではなく、また本教示の主要な要素または重大な要素を特定することや、本開示の範囲を定めることを意図するものでもない。むしろ、本概要の本質的な目的は、後に提示する詳細な説明の前置きとして、簡略的に1つ以上の概念を提示するためのものに過ぎない。
【0007】
本開示における実施例によれば、本開示は、新しい又は既存のネットワークが、搭載型ネットワークサーバの中に元々設計されていたものにおいて利用可能なものを超えた処理機能を必要とするアプリケーション及びシステムを追加することを可能にする、強化された処理機能を追加するためのコンピュータ実装された方法を概説する。本センサ処理ユニット(SPU)の開示は、ネットワーク接続型記憶装置(NAS)デバイスと同じ形態/フィット及びインターフェースを有する、マルチコンピュータボックスを使用する。これは、(それぞれが固有のCPU、RAM、ROM、I/O、及び記憶装置を含む)最大6つまでの完全なコンピュータを有するセンサ処理ユニット(SPU)と、SPSUが、1つのNASユニットと同じ段間隔(tray space)及びインターフェース配線内の対象ネットワークと相互作用することを可能にする、マルチポイントネットワークインターフェース(ネットワークスイッチ)と、の追加を容易にし得る。飛行機/輸送体の配線は変更されず、ネットワークのボックスの機能のみが変更される。SPUは、センサ融合、顔認識、マルチセンサ/マルチゾーン/環境/動き/追跡アプリケーション、故障予測、センサデータ解析、及びデータロギング/後処理に必要な大量の計算を行うことで、ネットワークサーバの負荷を軽減する。
【0008】
本開示によれば、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理するコンピュータ実装された方法が提供される。コンピュータ実装された方法は、センサ処理ユニット(SPU)のネットワークインターフェースによって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること、ネットワークインターフェースによって、生センサデータをSPUの1以上の処理ユニットに提供すること、1以上の処理ユニットによって、生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成すること、及び、ネットワークインターフェースによって、処理済みデータを1以上のシステムに提供することを含む。ある実施例では、1以上のシステムが、1以上のディスプレイ、1以上の記憶デバイス、1以上のプロジェクタデバイス、又は1以上の非搭載型システムを備える。ある実施例では、SPUが、生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備える。ある実施例では、SPUが、客室体験ネットワーク(CEN)システムのスイッチとデータ通信する。
【0009】
本開示によれば、少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、指示命令が少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されたときに、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理する方法を実行する非一過性のコンピュータ可読媒体とを備えた、コンピュータシステムが提供され、該方法は、センサ処理ユニット(SPU)のネットワークインターフェースによって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること、ネットワークインターフェースによって、生センサデータをSPUの1以上の処理ユニットに提供すること、1以上の処理ユニットによって、生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成すること、及び、ネットワークインターフェースによって、処理済みデータを1以上のシステムに提供することを含む。ある実施例では、1以上のシステムが、1以上のディスプレイ、1以上の記憶デバイス、1以上のプロジェクタデバイス、又は1以上の非搭載型システムを備える。1つの実施例では、SPUが、生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備える。ある実施例では、SPUが、客室体験ネットワーク(CEN)システムのスイッチとデータ通信する。
【0010】
本開示によれば、CENサーバ、CENサーバと通信する第1のCENスイッチであって、1以上の第1のプロジェクタデバイスと1以上の第1のカメラのうちの少なくとも1つと通信する第1のCENスイッチ、及び、第1のCENスイッチと通信するセンサ処理ユニット(SPU)であって、第1のCENスイッチから生センサデータを取得し、生センサデータを処理して処理済みセンサデータとして第1のCENスイッチに提供するSPUを備えた、客室体験ネットワーク(CEN)システムが提供される。ある実施例では、CENシステムが、CENサーバと通信する第2のCENスイッチであって、1以上の第2のプロジェクタデバイスと1以上の第2のカメラのうちの少なくとも1つと通信する第2のCENスイッチを更に備え、SPUが、第2のCENスイッチと通信し、第2のCENスイッチから生センサデータを取得し、生センサデータを処理して処理済みセンサデータとして第2のCENスイッチに提供する。ある実施例では、SPUが、生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備える。
【0011】
ある実施例では、SPUが、生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備えてよい。ある実施例では、SPUが、客室体験ネットワーク(CEN)システムのスイッチとデータ通信する。ある実施例では、6つの並列マルチコアコンピュータのうちの1つが、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される。
【0012】
この明細書に組み込まれ、且つ、この明細書の一部を構成する添付図面は、本教示を例示しており、説明部分と共に、本開示の原理を解説するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1A及び図1Bは、民間飛行機上で使用される従来のCEN IP カメラ基準アーキテクチャを示す。
図1B図1A及び図1Bは、民間飛行機上で使用される従来のCEN IP カメラ基準アーキテクチャを示す。
図2A図2A及び図2Bは、本開示の実施例による、ネットワークに接続されたSPUによって増強されたCENシステムを示す。
図2B図2A及び図2Bは、本開示の実施例による、ネットワークに接続されたSPUによって増強されたCENシステムを示す。
図3図2A及び図2BのSPUの詳細な図を示す。
図4】本開示の実施例による、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理するコンピュータ実装された方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面の幾つかの細部は、厳密な構造的な精度、細部、及び縮尺を維持するより、むしろ、本開示の理解を促すために簡略化され図示されていることに留意されたい。
【0015】
次に、その実施例が添付図面で示されているところの本教示の例示的な実施態様を、詳細に参照することになる。可能なときは何時でも、同じ又は類似する部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
【0016】
本開示の実施例は、従来のCENシステムの上述の問題に対処する。それらの問題とは、計算の帯域幅が制限されたネットワーク、及び特にビデオ監視カメラシステムなどのネットワークの広範な用途をホストするCENシステムである。したがって、ネットワーク接続型記憶装置(NAS)と類似したやり方で対象ネットワークに接続されるセンサ処理ユニット(SPU)が、本開示によるCENシステムに設けられる。SPUは、集中的な計算作業を必要とする用途に特化された、(それぞれが固有のCPU、ROM、I/O、及び記憶装置を含む)複数の(例えば6つの)並列マルチコアコンピュータを含む、ネットワークに接続されたボックスとして機能する。SPUのインターフェースは、CENシステムの任意の他の構成要素と同じように機能するだろう。(1以上の)センサアプリケーションが、CENネットワークサーバに従属し、CENネットワークサーバで実行されるだろう。これらのソフトウェアアプリケーションプログラムは、接続されたSPUに生センサデータを導くだろう。SPUでは、データが、分析され、解析され、融合され、フォーマットされ、CENサーバセンサアプリケーションに戻される。該アプリケーションでは、そのデータが、ディスプレイ、記憶装置、又は非搭載型システムに送られる。SPUは大量の計算をするので、CENネットワークは、センサデータを処理することによって過度な負担をかけられることはなく、CENサーバで更に他のアプリケーションが実行されることを可能にする。CENサーバからセンサデータ処理を切り離すことによって、新しいセンサシステムを可能にし且つ設置及び改造をもっと容易に且つ素早くする、計算機能強化オプションがもたらされる。
【0017】
SPUの追加がないと、現在のCENシステムをセンサ空間の中へ拡張することが非常に制限される。航空インターネットオブシングス(AIoT)のアドレス体系(realm)内に含まれるセンサ設計空間を完全に実現するために利用可能な十分な計算リソースが不足しているだけのことである。SPUの追加は、全ての現在及び将来の飛行機モデルに適用可能であり、他の輸送体の種類(バス、列車など)にも適用可能であろう。本明細書で説明される飛行機客室スマートAIoTセンサ及びシステムは、既にビデオ監視システム機能の負担を被っている飛行機ネットワークへの複数のセンサ及びセンサネットワークの追加に関連付けられる、ネットワークサーバの装荷(loading)問題に対処する。
【0018】
航空IoTセンサは、広くは、以下の範疇の中に入れることができる。すなわち、環境センサ、光センサ、光センサ/カメラ、及び電気センサである。環境センサは、以下のものを含み得るが、それらに限定されるものではない。すなわち、超音波センサ、ライダー(LIDAR)センサ、音響センサ(マイクロフォン)、温度センサ、湿度センサ、振動(加速度)センサ、磁気(ホール効果)センサ、空気圧センサ、気流センサ、マルチセンサモジュール、CO2センサ、酸素センサ、メタンセンサ、アンモニアセンサ、嗅覚センサ、衝撃/衝突センサ、力/荷重/トルク/歪センサ、位置センサ、動き/速度センサ、無線周波数センサ、煙センサ、及びクラックワイヤー(crack wire)センサである。光センサは、以下のものを含み得るが、それらに限定されるものではない。すなわち、可視光センサ、紫外線センサ、赤外線センサ、レーザー光センサ、及びマルチスペクトル光モジュール(可視光、赤外線、及び紫外線)である。光センサ/カメラは、以下のものを含み得るが、それらに限定されるものではない。すなわち、可視光のみのカメラ、可視光及び赤外線カメラ、及び赤外線前方監視(FLIR)カメラである。電気センサは、以下のものを含み得るが、それらに限定されるものではない。すなわち、離散した入力センサ/離散した出力センサ、アナログ入力センサ/アナログ出力センサ、電圧センサ、電流センサ、力制御(PfC)センサ、及び周波数センサである。
【0019】
上述のセンサは、AIoTセンサ用途向けに利用可能なセンサのサンプルに過ぎない。各センサは、それ自身の固有のインターフェース及び特性を有する。これらのセンサは、変換、統合、デジタル化され、ネットワークサーバで実行されているアプリケーションでデータを利用できるようにする必要がある。ネットワークで実行されているセンサアプリケーションソフトウェアは、生データを処理するか、又は生データを処理するために何処かへ送る必要がある。
【0020】
図1A及び図1Bは、従来のCENベースIPカメラ基準アーキテクチャ100を示している。図1A及び図1Bでは、インターネットプロトコル(IP)カメラ、センサ、記憶デバイス、プロジェクタ、及び他の更なるイーサネットベース構成要素の全てが、ネットワークスイッチへの接続を介してCENネットワークに接続されている。アーキテクチャ100は、CENサーバ102を含む。CENサーバ102は、スイッチ/ルーター106に電気接続されデータ通信する、単一基板コンピュータ(SBC)104を含む。CENサーバ102は、CEN Linux OS108及びAPI110を含む。API110は、例えば、カメラ112、プロジェクション114、ホストされたアプリケーション1 116、ホストしているアプリケーション2118、及びホストしているアプリケーション3120向けのAPIを含む。
【0021】
CENサーバ102のスイッチ/ルーター106は、第1のコネクタ122(例えば、1Gbpsの銅接続)及び第2のコネクタ124(例えば、100BASE-T)を介して、アビオニクスゲートウェイ120と電気接続されデータ通信する。
【0022】
CENサーバ102のSBC104は、第3のコネクタ128(例えば、100BASE-T)を介して、客室サービスシステム(CSS)126と電気接続されデータ通信する。SBC104は、例えば、ビデオ監視システム制御メニューとカメラビデオを右前方と左前方の操縦室のスクリーンディスプレイに提示するために必要なARINC-818トランスコードされたビデオ情報を提供するために、第4のコネクタ132と第5のコネクタ134を介して、地上走行用カメラシステム(GMCS)130とも電気接続されデータ通信する。CSS126は、乗客案内(passenger address)、客室インターホン、及び環境制御などの、コア客室機能を提供する、拡大縮小可能な(scalable)データベース主導型のイーサネットベースのネットワークである。CSS126は、機内娯楽及び接続性ソリューションを含む、客室照明や機体ネットワークにわたる他の飛行機メンバーシステムなどの、外部サブシステムと直接的に統合される。
【0023】
GMCS130は、第6のコネクタ135を介して右前方のディスプレイ133と電気接続されデータ通信し、第7のコネクタ139を介して左前方のディスプレイ137と電気接続されデータ通信する。これらの接続は、ARINC-818フォーマットされたデータを、前方スクリーンに接続されたシステムのうちの何れかから、前方スクリーンに提供する(すなわち、地上操縦カメラ、ビデオ監視システム制御スクリーン、又は他のARINC-818フォーマットされた入力)。
【0024】
アビオニクスゲートウェイ120は、第8のコネクタ136(例えば、1Gbpsの銅接続)を介してCSS126と電気接続されデータ通信し、第9のコネクタ140(例えば、1Gbpsの銅接続)を介して、搭載型ネットワークシステム(ONS)のネットワークファイルサーバ(NFS)138と電気接続されデータ通信し、第10のコネクタ144(例えば、1Gbpsの銅接続)を介して、コアデータネットワーク(CDN)142と電気接続されデータ通信する。搭載型ネットワークシステム(ONS) NFS138は、第11のコネクタ148(例えば、1Gbpsの銅接続)を介して、WAP146と電気接続されデータ通信する。ONS NFS138は、スタンドアローンサーバとして機能して、共通の簡易な本質的でない高性能の搭載型ネットワークソリューションを提供する。そのソリューションは、アビオニクスシステムとIPベースの装備との間のデータ伝達を容易にする。
【0025】
CENサーバ102のスイッチ/ルーター106は、第12のコネクタ152(例えば、1Gbpsの銅接続)及び第13のコネクタ154(例えば、10Gbpsのファイバ)を介して、CENスイッチ1 150と電気接続されデータ通信する。第13のコネクタ154は、CENサーバ102に接続された棚切断(shelf disconnect)156で終端する。同様に、スイッチ/ルーター106は、第14のコネクタ160(例えば、1Gbpsの銅接続)及び第15のコネクタ162(例えば、10Gbpsのファイバ)を介して、CENスイッチ2 158と電気接続されデータ通信する。第15のコネクタ162は、棚切断156で終端する。
【0026】
CENスイッチ1 150とCENスイッチ2 158は、それぞれ10Gbpsのファイバであり得る第16のコネクタ166と第17のコネクタ168を介して、任意選択的なNAS1 164と電気接続されデータ通信する。任意選択的なNAS1 164は、ビデオ監視システム機能によって使用されるために、CENに更なる記憶機能を提供する。
【0027】
CENスイッチ1 150は、第18のコネクタ176(例えば、10Gbpsのファイバ)を介して、CENスイッチ3 174と電気接続されデータ通信する。CENスイッチ3 174は、第19のコネクタ178(例えば、10Gbpsのファイバ)を介して、CENスイッチ4 176と電気接続されデータ通信する。同様に、CENスイッチ2 158は、第20のコネクタ182(例えば、10Gbpsのファイバ)を介して、CENスイッチ5 180と電気接続されデータ通信する。CENスイッチ5 180は、第21のコネクタ186(例えば、10Gbpsのファイバ)を介して、CENスイッチ6 184と電気接続されデータ通信する。
【0028】
任意選択的なNAS2 188は、それぞれ、例えば10Gbpsのファイバを使用する、第22のコネクタ190と第23のコネクタ192を介して、CENスイッチ3 174及びCENスイッチ5 180と電気接続されデータ通信する。任意選択的なNAS2 188は、ビデオ監視やセンサデータなどの他のCENアプリケーション機能向けの更なる記憶装置を提供する。
【0029】
CENスイッチ1 150は、第1のプロジェクタ202、第2のプロジェクタ204、第3のプロジェクタ206、及び第4のプロジェクタ208と電気接続されデータ通信するように示されている。CENスイッチ1 150は、第1のカメラ210及び第2のカメラ212と電気接続されデータ通信するようにも示されている。CENスイッチ1 150は、第1の組のスペアカメラ214及び第1の組のスペアプロジェクタ216によって示されているように、更なる機能を扱う能力も含み得る。
【0030】
CENスイッチ2 158は、第5のプロジェクタ218、第6のプロジェクタ220、第7のプロジェクタ222、及び第8のプロジェクタ224と電気接続されデータ通信するように示されている。CENスイッチ2 158は、第3のカメラ226及び第4のカメラ228と電気接続されデータ通信するようにも示されている。CENスイッチ2 158は、第2の組のスペアカメラ230及び第2の組のスペアプロジェクタ232によって示されているように、更なる機能を扱う能力も含み得る。
【0031】
CENスイッチ3 174は、第9のプロジェクタ234、第10のプロジェクタ236、第11のプロジェクタ238、及び第12のプロジェクタ240と電気接続されデータ通信するように示されている。CENスイッチ3 174は、第5のカメラ242及び第6のカメラ244と電気接続されデータ通信するようにも示されている。CENスイッチ3 174は、第3の組のスペアカメラ246及び第3の組のスペアプロジェクタ248によって示されているように、更なる機能を扱う能力も含み得る。
【0032】
CENスイッチ4 176は、第7のカメラ250及び第8のカメラ252と電気接続されデータ通信するように示されている。CENスイッチ4 176は、第4の組のスペアカメラ254及び第4の組のスペアプロジェクタ256によって示されているように、更なる機能を扱う能力も含み得る。
【0033】
CENスイッチ5 180は、第13のプロジェクタ258、第14のプロジェクタ260、第15プロジェクタ262、及び第16のプロジェクタ264と電気接続されデータ通信するように示されている。CENスイッチ5 180は、第9のカメラ266及び第10のカメラ268と電気接続されデータ通信するようにも示されている。CENスイッチ5 180は、第5の組のスペアカメラ270及び第5の組のスペアプロジェクタ272によって示されているように、更なる機能を扱う能力も含み得る。
【0034】
CENスイッチ6 184は、第11のカメラ274及び第12のカメラ276と電気接続されデータ通信するように示されている。CENスイッチ6 184は、第6の組のスペアカメラ278及び第6の組のスペアプロジェクタ280によって示されているように、更なる機能を扱う能力も含み得る。
【0035】
任意選択的なNAS3 194は、それぞれ、例えば10Gbpsのファイバを使用する、第24のコネクタ196と第25のコネクタ198を介して、CENスイッチ4 176及びCENスイッチ6 184と電気接続されデータ通信する。任意選択的なNAS3 194は、ビデオ監視やセンサデータなどの他のCENアプリケーション機能向けの更なる記憶装置を提供する。
【0036】
図2A及び図2Bは、本開示の実施例による、SPUアーキテクチャ200を有するCENベースのIPカメラを示している。アーキテクチャ200は、図1A及び図1Bとの関連で説明されたのと同様な符号を含む。図2A及び図2Bは、NAS2 188の代わりにSPU202を追加したことが、図1A及び図1Bと異なっている。図2A及び図2Bでは、IPカメラ、センサ、記憶デバイス、プロジェクタ、及び他の更なるイーサネットベース構成装置の全てが、ネットワークスイッチへの接続を介してCENネットワークに接続されている。SPU202は、図1A及び図1BのNASと同じインターフェースを使用して、ネットワークスイッチに接続されている。SPU202は、リアルタイムでセンサデータを局所的に処理することを含む計算集中的なアプリケーションなどの、CENサーバ102によって通常は実行される動作の負荷を軽減するように構成されている。センサアプリケーション又は他のアプリケーションは、CENサーバ102のネットワークサーバに従属し、生センサデータを1以上の接続されたセンサからSPU202に導く。SPU202は、データを、分析すること、解析すること、融合すること、フォーマットすること、及び/又はCENサーバ102のセンサアプリケーションに戻すことを含む、1以上の動作を実行するように構成されている。CENサーバ102のセンサアプリケーションでは、そのデータが、ディスプレイ、記憶装置、又は飛行機の非搭載型システムを介して地上ベースの受信器に送られる。SPU202は大量の計算処理を実行するので、CENネットワークは、センサデータを処理することによって過度な負担をかけられることはなく、CENサーバ102で更にアプリケーションが実行されることを可能にする。
【0037】
SPU202は、図3でより詳細に示されている。SPU202は、第22のコネクタ190を介してCENスイッチ3 174から、及び/又は、第23のコネクタ192を介してCENスイッチ5 180から、生センサデータを取得する。次いで、SPU202は、センサデータを分析し、解析し、融合し、フォーマットし、並びに/又は、第22のコネクタ190を介してCENスイッチ3 174及び/若しくは第23のコネクタ192を介してCENスイッチ5 180に戻す。SPU202を使用することによって、より大きなシステム又は安全性及び/若しくは飛行制御システムに影響を与え得るシステムで通常必要とされる、任意の更なる認証プロセスを必要とすることなしに、設置及び保守が可能となる。
【0038】
図3は、本開示の実施例による、SPU300の簡略化されたブロック図を示している。SPU300は、SPU202として使用されてよい。SPU300は、ネットワークインターフェース302、並びに、全てがハウジング316内で共に電気的に通信可能に接続された、CPU(0)304、CPU(1)306、CPU(2)308、CPU(3)310、CPU(4)312、及びCPU(5)314を含む、マルチコアコンピュータを含んでよい。図示されていないが、SPU300は、本明細書で説明される機能を可能にする1以上のソフトウェアプログラムを含んでよい。1以上のソフトウェアプログラムは、マルチコアコンピュータに、本明細書で説明されるプロセス、機能、及び動作を実行させる指示命令を含んでよい。1以上のソフトウェアプログラムのコピーは、1以上のメモリデバイス及び/又は1以上の記憶デバイス内に記憶されてよい。同様に、1以上のソフトウェアプログラムによって利用されるデータを、1以上のメモリデバイス及び/又は1以上の記憶デバイス内に記憶させてよい。
【0039】
図3は6つのコンピュータコアを示しているが、これは、単なる1つの例示的な実施態様である。6つより多くの又は少ないコンピュータコアが、特定用途の処理要件に応じて使用されてよい。各マルチコアコンピュータは、固有のマルチコアCPU、RAM、ROM、I/O、及び記憶装置構成要素を有する。6つのコンピュータの全ては、SPUの内側のマルチポートネットワークインターフェース(ネットワークスイッチ)に接続されている。マルチポートネットワークインターフェースは、SPSUが1つのNASユニットと同じ段間隔(tray space)及びインターフェース配線内の対象ネットワークと相互作用することを可能にする。飛行機/輸送体の配線は変更されず、ネットワークのボックスの機能のみが変更される。SPUは、センサフュージョン、顔認識、マルチセンサ/マルチゾーン/環境/動き/追跡アプリケーション、故障予測、センサデータ分析、及びデータロギング/後処理に必要な大量の計算を行うことで、ネットワークサーバの負荷を軽減する。
【0040】
SPU202を有するCENネットワークは、少なくとも以下の使用例において有用であり得る。第1の実施例は、顔又は身体認証向けである。この第1の実施例では、1以上のカメラ又は撮像センサからのデータが、SPU202へ送られる。SPU202では、その画像を既知の又は新たに特定された問題のある乗客と比較したり、飛行禁止リストに載っている乗客を検索したりする。乗客が航空機に入る際に、乗客は、顔や特徴によって特定され、彼らの航空機の座席に関連付けられる。飛行中に、対象となる乗客が、航空機上での動きをモニタされてよい。
【0041】
第2の実施例は、動き検出向けである。この第2の実施例では、1以上のカメラ又は撮像センサからのデータが、SPU202に送られる。SPU202では、その画像が動きをモニタされる。検出されたときに、客室乗務員は、警告を受け、必要に応じて支援することができる。
【0042】
第3の実施例は、乗客の健康検出及び/又は予測向けである。この第3の実施例では、1以上のカメラ又は撮像センサからのデータが、SPU202に送られる。SPU202では、問題が発生する前に客室乗務員に警告するために、画像が、発熱、発汗、行動障害などの健康上の問題の兆候と照らし合わせて評価される。
【0043】
第4の実施例は、乗客の重度の機能不全検出向けである。この第4の実施例では、1以上のカメラ又は撮像センサからのデータが、SPU202に送られる。SPU202では、個々の乗客の動きが、心臓発作や麻痺などの重篤な機能不全の兆候について解析される。次いで、客室乗務員は、問題が発生していることを知らされて、行動をとることができる。
【0044】
第5の実施例は、センサ融合向けである。この第5の実施例では、1以上の可視光カメラ及び/又はFLIR撮像センサなどの他のセンサからのデータが、リアルタイムで融合されて、動き検出及び乗客の健康解析向けの強化された画像を提供する。
【0045】
第6の実施例は、センサ平均向けである。この第6の実施例では、1以上の環境センサからのデータが、SPU202に送られる。SPU202では、故障予測及び解析向けの傾向の指標について、データが、1つのデータセットの中に集積され、飛行中全体を通して繰り返されてよい。
【0046】
第7の実施例は、センサモニタリング及びロギング向けである。この第7の実施例では、1以上のセンサからのデータが、集められ、将来の解析及び使用のためにデータベース内に記憶される。
【0047】
上述の実施例では、SPU202が、機械学習技法を使用して構成されて、ニューラルネットワークなどのアルゴリズムを訓練し、様々なセンサ入力を予測及び検出してよい。1つの非限定的な実施例では、アルゴリズムが訓練されると、SPU202のコアのうちの1以上で訓練されたアルゴリズムを使用して、1以上のマイクロフォンを使用し、機内での振動、バング(bang)、ポップ(pop)、又は軋み音(creak)を検出して、検出されたサウンドスペクトルの考えられる原因を予測することができる。訓練されたアルゴリズムは、飛行機の飛行動作中の段階、すなわち、タクシング、離陸、上昇、巡航、下降、着陸に基づいて、予測することができる。訓練されたアルゴリズムは、振動、バング、ポップ、又は軋み音が何処の位置で検出されたかを特定することができ、その位置を予測に使用することもできる。これまで検出されていなかった飛行中のポイントでサウンドスペクトルが検出された場合、SPU200は、飛行乗務員のうちの1以上のメンバーに警告信号を送ることができる。一実施例では、SPU200のコアのうちの1つが、この検出及び予測プロセスを実行するために、訓練されたアルゴリズムを実行することに特化されてよい。この機械学習技法は、SPU200が、より効率的にデータを処理することを可能にし、したがって、SPU200のリソース消費を低減させることができる。ある実施例では、検出された振動又は検出された音の表示が、第1のCENスイッチを介してCENサーバに提供される。ある実施例では、検出された振動又は検出された音の航空機上の位置が、機械学習アルゴリズムに基づいて特定される。
【0048】
図4は、本開示の実施例による、航空インターネットオブシングス(AIoT)内の生データを処理するコンピュータ実装された方法を示している。コンピュータ実装された方法400は、402で、センサ処理ユニット(SPU)のネットワークインターフェースによって、生センサデータを輸送体の1以上のシステムから取得することによって開始する。コンピュータ実装された方法400は、404で、ネットワークインターフェースによって、生センサデータをSPUの1以上の処理ユニットに提供することによって継続する。コンピュータ実装された方法400は、406で、1以上の処理ユニットによって、生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成することによって継続する。コンピュータ実装された方法400は、408で、ネットワークインターフェースによって、処理済みデータを1以上のシステムに提供することによって継続する。
【0049】
更に、本発明は、以下の条項による実施形態を含む。
1.
航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理するコンピュータ実装された方法であって、センサ処理ユニット(SPU)のネットワークインターフェースによって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること、前記ネットワークインターフェースによって、前記生センサデータを前記SPUの1以上の処理ユニットに提供すること、前記1以上の処理ユニットによって、前記生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成すること、及び、前記ネットワークインターフェースによって、前記処理済みデータを前記1以上のシステムに提供することを含む、コンピュータ実装された方法。
2.
前記1以上のシステムが、1以上のディスプレイ、1以上の記憶デバイス、1以上のプロジェクタデバイス、又は1以上の非搭載型システムを備える、条項1に記載のコンピュータ実装された方法。
3.
前記SPUが、前記生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備える、条項1に記載のコンピュータ実装された方法。
4.
前記SPUが、客室体験ネットワーク(CEN)システムのスイッチとデータ通信する、条項1に記載のコンピュータ実装された方法。
5.
前記6つの並列マルチコアコンピュータのうちの1つが、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される、条項3に記載のコンピュータ実装された方法。
6.
前記機械学習アルゴリズムが、訓練されたニューラルネットワークである、条項5に記載のコンピュータ実装された方法。
7.
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令が前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されたときに、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理する方法を実行する非一過性のコンピュータ可読媒体とを備えた、コンピュータシステムであって、前記方法は、センサ処理ユニット(SPU)のネットワークインターフェースによって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること、前記ネットワークインターフェースによって、前記生センサデータを前記SPUの1以上の処理ユニットに提供すること、前記1以上の処理ユニットによって、前記生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成すること、及び、前記ネットワークインターフェースによって、前記処理済みデータを前記1以上のシステムに提供することを含む、コンピュータシステム。
8.
前記1以上のシステムが、1以上のディスプレイ、1以上の記憶デバイス、1以上のプロジェクタデバイス、又は1以上の非搭載型システムを備える、条項7に記載のコンピュータシステム。
9.
前記SPUが、前記生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備える、条項7に記載のコンピュータシステム。
10.
前記SPUが、客室体験ネットワーク(CEN)システムのスイッチとデータ通信する、条項7に記載のコンピュータシステム。
11.
前記6つの並列マルチコアコンピュータのうちの1つが、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される、条項9に記載のコンピュータシステム。
12.
前記機械学習アルゴリズムが、訓練されたニューラルネットワークである、条項11に記載のコンピュータシステム。
13.
客室体験ネットワーク(CEN)システムであって、CENサーバ、前記CENサーバと通信する第1のCENスイッチであって、1以上の第1のプロジェクタデバイスと1以上の第1のカメラのうちの少なくとも1つと通信する第1のCENスイッチ、及び前記第1のCENスイッチと通信するセンサ処理ユニット(SPU)を備え、前記SPUが、少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令が前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されたときに、航空インターネットオブシングス(AIoT)システム内の生センサデータを処理する方法を実行する非一過性のコンピュータ可読媒体とを備え、前記方法が、前記SPUのネットワークインターフェースによって、輸送体の1以上のシステムから生センサデータを取得すること、前記ネットワークインターフェースによって、前記生センサデータを前記SPUの1以上の処理ユニットに提供すること、前記1以上の処理ユニットによって、前記生センサデータに対して1以上の処理作業を実行して、処理済みデータを生成すること、及び、前記ネットワークインターフェースによって、前記処理済みデータを前記1以上のシステムに提供することを含む、CENシステム。
14.
前記CENサーバと通信する第2のCENスイッチであって、1以上の第2のプロジェクタデバイスと1以上の第2のカメラのうちの少なくとも1つと通信する第2のCENスイッチを更に備え、前記SPUが、前記第2のCENスイッチと通信し、前記第2のCENスイッチから生センサデータを取得し、前記生センサデータを処理して処理済みセンサデータとして前記第2のCENスイッチに提供する、条項13に記載のCENシステム。
15.
前記SPUが、前記生センサデータを処理することに特化した、6つの並列マルチコアコンピュータを備える、条項14に記載のCENシステム。
16.
前記6つの並列マルチコアコンピュータのうちの1つが、機械学習アルゴリズムを使用して訓練される、条項15に記載のCENシステム。
17.
前記機械学習アルゴリズムが、訓練されたニューラルネットワークである、条項16に記載のCENシステム。
18.
前記機械学習アルゴリズムが、航空機の飛行動作の1以上の段階中に訓練されて、振動又は音を検出し、検出された振動又は検出された音を分類する、条項17に記載のCENシステム。
19.
前記検出された振動又は前記検出された音の表示が、前記第1のCENスイッチを介して前記CENサーバに提供される、条項18に記載のCENシステム。
20.
前記検出された振動又は前記検出された音の位置が、前記機械学習アルゴリズムに基づいて特定される、条項18に記載のCENシステム。
【0050】
本本教示の広い範囲を説明している数値の範囲及びパラメータは概算であるが、それにもかかわらず、特定の実施例で説明されている数値は、可能な限り正確に記載されている。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験的測定に見られる標準偏差から必然的に生じる若干の誤差を本質的に含んでいる。更に、本明細書で開示された全ての範囲が、本明細書内に包含される任意の全ての部分範囲を含むと理解すべきである。例えば、「10未満」の範囲は、ゼロの最小値と10の最大値との間の(及びそれを含む)任意の及び全てのサブ範囲、すなわち、ゼロ以上の最小値と10未満の最大値とを有する任意の及び全てのサブ範囲、例えば、1から5を含むことができる。特定の場合では、パラメータとして述べられた数値が、負の値を採ることもある。このような場合、「10未満」として述べられた範囲の例示的な値は、負の値、例えば1、-2、-3、-10、-20、-30を想定することができる。
【0051】
1以上の実施態様に関連して本明細書の教示を例示してきたが、付随する特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱しなければ、示された実施例に変更及び/又は改変がなされ得る。例えば、プロセスを一連の作用又はイベントとして説明しているが、本書の教示はかかる作用又はイベントの順序により限定されるわけではないことが、理解されよう。一部の作用は、本明細書に記載のものとは異なる順序で、且つ/又は本明細書に記載のもの以外の作用若しくはイベントと同時に生じ得る。また、本明細書の教示の1以上の態様又は実施態様に従って方法を実装するために、全てのプロセス段階が必要になるわけではないこともある。構造的構成要素及び/若しくは処理段階が追加され得ること、又は既存の構造的構成要素及び/若しくは処理段階が除去若しくは改変され得ることが認識されよう。更に、本明細書に示された作用のうちの1以上は、1以上の別の作用及び/又はフェーズにおいて実施されることもある。更に、「含む(including/includes)」、「有する(having/has)」、「伴う(with)」という語、又はこれらの後の変化形は、本明細書と特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、「備える(comprising)」という語と同様の意味で、包括的であることが意図されている。「~の少なくとも1つ、~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数が選択されうることを意味するために、使用される。本明細書で使用される際に、例えばAとBなどの項目のリストに関する「~のうちの1以上」は、Aだけ、Bだけ、又はA及びBを意味する。「約」という用語は、その変更が、示されている実施態様に対するプロセス又は構造の不適合をもたらさない限り、挙げられている値が幾らか変えられ得ることを示す。最後に、「例示的な(exemplary)」は、記述が、理想的であることを示唆するよりはむしろ、一例として使用されていることを示すものである。本明細書の検討及び本明細書の開示の実践により、当業者には、本明細書の教示の他の実行形態も自明となろう。本明細書及び例は例示にすぎないと見なされることが意図されており、本書の教示の真の範囲及び主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4