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  • 特許-フライト情報の検証 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】フライト情報の検証
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/36 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
B64F1/36
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020105743
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2021008263
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】16/450,643
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー, ルイス ジェー.
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-152523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0039858(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0081138(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0081137(US,A1)
【文献】米国特許第08630790(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0018194(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0085669(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0069100(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法(400/500)であって、
フライトと関連付けられたフライト情報がフライト情報システムに入力されたことを検出することと、
前記フライト情報システムに入力された前記フライト情報を含む第1のメッセージを取得すること(402/504)と、
前記フライト情報システムに入力された前記フライト情報について、前記フライト情報システムに照会することと、
前記第1のメッセージに基づいて、前記フライトと関連付けられた前記フライト情報システムに入力された、照会された前記フライト情報を含む第2のメッセージを受信すること(404/506)と、
前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致するか検証すること(406/508)と、
前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること(408/512)と
を含む、方法(400/500)。
【請求項2】
前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報が前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報の閾値の範囲内にあるという判定に応じて、前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致する、請求項1に記載の方法(400/500)。
【請求項3】
検証のために各メッセージ中のフライト情報を同定するために前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージが構文解析されるように、前記第1のメッセージと前記第2のメッセージとは異なる種類のフォーマットを含む、請求項1又は2に記載の方法(400/500)。
【請求項4】
検証(406)は、前記第1のメッセージの前記フライト情報と前記第2のメッセージの前記フライト情報とが一致するかを判定するために、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージの前記フォーマットに基づいて、前記第1のメッセージの前記フライト情報と、前記第2のメッセージの前記フライト情報とを比較することを含む、請求項3に記載の方法(400/500)。
【請求項5】
前記第1のメッセージと前記第2のメッセージとの間の前記フライト情報の前記比較が、ビット単位、バイト単位、文字単位、データフィールド単位、及びメッセージ単位のうちの1つ以上により行われる、請求項4に記載の方法(400/500)。
【請求項6】
前記第1のメッセージが受信されたとき、及び、ユーザが前記フライト情報の入力を許可したとき、のうちの1つに応じて、前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が前記フライト情報システムに入力される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【請求項7】
提供される前記通知の種類及び配信方法が、前記フライト情報システムに入力されており前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報と一致しない前記フライト情報の重要度に基づいて決定される(510)、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【請求項8】
前記フライト情報が、燃料残量、航空機の重量、風速、空気圧示度、前記航空機の速度のうち1つ以上を含む地上のコンピュータ及び/又はメッセージサービスから追跡調査された状態情報を含み、前記フライト情報システムは、前記航空機のフライト設定を維持又は調整するために前記フライト情報を使用する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【請求項9】
装置(104)であって、
プロセッサと、
メモリであって、
フライトと関連付けられたフライト情報がフライト情報システムに入力されたことを検出することと、
前記フライト情報システムに入力された前記フライト情報を含む第1のメッセージを取得すること(202)と、
前記フライト情報システムに入力された前記フライト情報について、前記フライト情報システムに照会することと、
前記第1のメッセージに基づいて、前記フライトと関連付けられた前記フライト情報システムに入力された、照会された前記フライト情報を含む第2のメッセージを受信すること(204)と、
前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致するか検証すること(206)と、
前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること(208)
のための、前記プロセッサにより実行可能なコードを格納するメモリと
を備える装置(104)。
【請求項10】
前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報が前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報の閾値の範囲内にあるという判定に応じて、前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致する、請求項に記載の装置(104)。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体を含むプログラム製品であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行可能なコードを格納し、
前記実行可能なコードは、
フライトと関連付けられたフライト情報がフライト情報システムに入力されたことを検出することと、
前記フライト情報システムに入力された前記フライト情報を含む第1のメッセージを取得すること(202)と、
前記フライト情報システムに入力された前記フライト情報について、前記フライト情報システムに照会することと、
前記第1のメッセージに基づいて、前記フライトと関連付けられた前記フライト情報システムに入力された、照会された前記フライト情報を含む第2のメッセージを受信すること(204)と、
前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致するか検証すること(206)と、
前記第1のメッセージで送信された前記フライト情報が、前記第2のメッセージで受信された前記フライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること(208)
のためのコードを含む、プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して航空機に関し、特に、航空機のフライト中に航空機のフライト情報を検証することに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機には、航空機のフライトの部分を制御するコンピュータシステム又はコンピュータのシステムが具備されうる。フライト中には、様々なデータが、コンピュータシステムに提供され、航空機のフライトが維持又は調整される。
【発明の概要】
【0003】
本出願の主題は、当該技術の現在の状態に応じて開発されてきた。従って、本出願の主題は、フライトのためのフライト情報を検証するために開発されてきた。
【0004】
本明細書では、方法が開示される。本方法は、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージを取得することを含む。本方法は、第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージを受信することも含む。本方法は、第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致することか検証することを更に含む。本方法は、追加的に、第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供することを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例1を特徴づけるものである。
【0005】
第2のメッセージで受信されたフライト情報が第1のメッセージで送信されたフライト情報の閾値の範囲内にあるという判定に応じて、第1のメッセージで送信されたフライト情報が第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例2を特徴づけており、実施例2は、上述の実施例1に係る主題も含む。
【0006】
検証のために各メッセージ中のフライト情報を同定するために第1のメッセージ及び第2のメッセージが構文解析されるように、第1のメッセージと第2のメッセージとは異なる種類のフォーマットを含む。この段落の前述の記載は本開示の例3を特徴付けており、実施例3は、上術の実施例1又は実施例2に係る主題も含む。
【0007】
検証は、第1のメッセージのフライト情報と第2のメッセージのフライト情報とが一致するかを判定するために、第1のメッセージ及び第2のメッセージのフォーマットに基づいて、第1のメッセージのフライト情報と、第2のメッセージのフライト情報とを比較することを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例4を特徴づけており、実施例4は、上述の実施例3に係る主題も含む。
【0008】
第1のメッセージと第2のメッセージとの間のフライト情報の比較が、ビット単位、バイト単位、文字単位、データフィールド単位、及びメッセージ単位のうちの1つ以上により行われる。この段落の前述の主題は、本開示の実施例5を特徴づけており、実施例5は、上述の実施例4に係る主題も含む。
【0009】
第1のメッセージが受信されたとき、及び、ユーザがフライト情報の入力を許可したとき、のうちの1つに応じて、第1のメッセージで送信されたフライト情報がフライト情報システムに入力される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例6を特徴付けており、実施例6は、上述の実施例1から実施例5のいずれか1つに係る主題も含む。
【0010】
本方法は、第1のメッセージ中のフライト情報がフライト情報システムに入力されたのに応じて、入力イベントを検出することを更に含む。入力イベントに応じて、第1のメッセージが取得され、フライト情報が第2のメッセージで受信される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例7を特徴づけており、実施例7は、上述の実施例6に係る主題も含む。
【0011】
提供される通知の種類及び配信方法が、フライト情報システムに入力されており第1のメッセージで送信されたフライト情報と一致しないフライト情報の重要度に基づいて決定される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例8を特徴付けており、実施例8は、上記の実施例1から実施例7のいずれか1つに係る主題も含む。
【0012】
通知は、モバイルアプリケーションのプッシュ通知、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ウェブサイト、及びウェブサービスの1つ以上として提供される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例9を特徴付けており、実施例9は、上記の実施例1から実施例8のいずれか1つに係る主題も含む。
【0013】
第1のメッセージ及び第2のメッセージのうちの1つが、ACARS(aircraft communications addressing and reporting system)のメッセージフォーマットを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例10を特徴付けており、実施例10は、上記の実施例1から実施例9のいずれか1つに係る主題も含む。
【0014】
第2のメッセージが発行され、フライト情報システムに入力されたフライト情報を含むメッセージを受信するために加入したシステムに一斉送信される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例11を特徴付けており、実施例11は、上記の実施例1から実施例10のいずれか1つに係る主題も含む。
【0015】
フライト情報の照会に応じて、第2のメッセージがフライト情報システムから受信される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例12を特徴付けており、実施例12は、上記の実施例1から実施例11のいずれか1つに係る主題も含む。
【0016】
本明細書では、装置がさらに開示される。本装置は、プロセッサを備える。本装置は、メモリも開示し、メモリは、
フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージを取得することと、
第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージを受信することと、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致することか検証することと、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること
のための、プロセッサにより実行可能なコードを格納する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例13を特徴づけるものである。
【0017】
第2のメッセージで受信されたフライト情報が第1のメッセージで送信されたフライト情報の閾値の範囲内であるという判定に応じて、第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例14を特徴づけており、実施例14は、上述の実施例13に係る主題も含む。
【0018】
検証のために各メッセージ中のフライト情報を同定するために第1のメッセージ及び第2のメッセージが構文解析されるように、第1のメッセージと第2のメッセージとは異なる種類のフォーマットを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例15を特徴付けており、実施例15は、上記の実施例13又は14に係る主題も含む。
【0019】
第1のメッセージ及び第2のメッセージのフォーマットに基づいて、第1のメッセージのフライト情報と第2のメッセージのフライト情報とを比較することにより、各メッセージ中のフライト情報を検証し、第1のメッセージのフライト情報と第2のメッセージのフライト情報とが一致するかを判定するために、コードがさらに実行可能である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例16を特徴づけており、実施例16は、上述の実施例15に係る主題も含む。
【0020】
第1のメッセージと第2のメッセージとの間のフライト情報の比較が、ビット単位、バイト単位、文字単位、データフィールド単位、及びメッセージ単位のうちの1つ以上により行われる。この段落の前述の主題は、本開示の実施例17を特徴づけており、実施例17は、上述の実施例16に係る主題も含む。
【0021】
コードは、第1のメッセージ中のフライト情報がフライト情報システムに入力されたのに応じて入力イベントを検出するために、プロセッサによりさらに実行可能である。入力イベントに応じて、第1のメッセージが取得され、フライト情報が第2のメッセージで受信され、第1のメッセージで送信されたフライト情報は、第1のメッセージが受信されたとき及びユーザがフライト情報の入力を許可したときのうちの1つに応じて、フライト情報システムに入力される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例18を特徴付けており、実施例18は、上記の実施例13から例17のいずれか1つに係る主題も含む。
【0022】
提供される通知の種類及び配信方法が、フライト情報システムに入力されており第1のメッセージで送信されたフライト情報と一致しないフライト情報の重要度に基づいて決定される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例19を特徴付けており、実施例19は、上記の実施例13から実施例18のいずれか1つに係る主題も含む。
【0023】
追加的に、本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体を含むプログラム製品が開示され、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行可能なコードを格納し、実行可能なコードは、
フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージを取得することと、
第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージを受信することと、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致することか検証することと、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること
のためのコードを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例20を特徴づけるものである。
【0024】
説明されている本開示の主題の特徴、構造、利点、及び/または特性は、1つ以上の実施形態及び/または実装形態において、任意の好適な態様で組み合わされ得る。以下の説明では、本開示の主題の実施形態の十分な理解を促すために、数々の具体的な詳細事項が提示される。当業者は、特定の実施形態及び/又は実装形態の具体的な特徴、詳細事項、構成要素、材料、及び/又は方法のうちの1つ以上がなくとも本開示の主題が実施され得ることが分かるであろう。他の例では、全ての実施形態又は実装形態に存在しないかもしれない追加の特徴及び利点が、或る特定の実施形態及び/又は実装形態において認められ得る。さらに、ある例では、本開示の主題の態様を不明瞭にしないよう、周知の構造、材料、又は動作が、図示されていないか、又は詳細に説明されていない。本開示の主題の特徴及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から、より一層明らかになるか、又は、以下に明記されている本主題を実施することによって、理解され得る。
【0025】
本主題の利点がより容易に理解され得るように、上記で概説した本主題のより詳細な説明が、添付の図面に示す具体的な実施形態を参照することによって提供される。上記図面は、本主題の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本主題の範囲を限定するとみなされるべきではないことを理解した上で、以下の図面を使用することによって、さらなる具体性及び詳細と共に、本主題を説明し解説する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の1つ以上の実施例に係る、フライト情報を検証するシステムの概略的なブロック図である。
図2】本開示の1つ以上の実施例に係る、フライト情報を検証する装置の概略的なブロック図である。
図3A】開示の1つ以上の実施例に係る、フライト情報を検証するシステムの例示的な1の実施形態を示す。
図3B】開示の1つ以上の実施例に係る、フライト情報を検証するシステムの例示的な他の実施形態を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施例に係る、フライト情報を検証する方法の概略的なフロー図である。
図5】本開示の1つ以上の実施例に係る、フライト情報を検証する方法の概略的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この明細書全体を通じて言及されている「一実施形態(one embodiment/an embodiment)」、又は類似の文言は、この実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。この明細書全体を通じて出てくる「一実施形態では(in one embodiment/in an embodiment)」、及び類似の文言は、全て同一の実施形態を指していることもあるが、必ずしもそうとは限らない。同様に、「実装形態」という語の使用は、本開示の1つ以上の実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、または特性を有する一実装形態を意味するが、別様の相関が明示されていない限り、一実装形態は、1つ以上の実施形態に関連付けられていてよい。
【0028】
図1は、フライト情報を検証するシステム100の一実施形態を示す概略的なブロック図である。システム100は、1つ以上の情報取扱装置102、1つ以上のメッセージ装置104、1つ以上のデータネットワーク106、1つ以上のサーバ108、及び1つ以上の航空機110を含む。特定数の情報取扱装置102、メッセージ装置104、データネットワーク106、1つ以上のサーバ108、及び航空機110が図1には示されているが、当業者は、本開示を鑑みて、任意の数の情報取扱装置102、メッセージ装置104、データネットワーク106、サーバ108、及び航空機110がシステム100内に含まれうることが分かるであろう。
【0029】
システム100の情報取扱装置102は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートスピーカ(例えば、アマゾンエコー(登録商標)、グーグルホーム(登録商標)、アップルホームポッド(登録商標))、セキュリティシステム、セットトップボックス、ゲーム機、スマートTV、スマートウォッチ、フィットネスバンド若しくは他のウェラブルな活動追跡装置、光学的なヘッドマウントディスプレイ(例えば、仮想現実ヘッドセット、スマートグラス等)、高精細マルチメディアインタフェース(HDMI:High-Definition Multimedia Interface)若しくは他の電子ディスプレイドングル、携帯情報端末、デジタルカメラ、ビデオカメラ、又は、プロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、プロセッサコア、FPGA(field programmable gate array)若しくは他のプログラム可能なロジック部、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、コントローラ、マイクロコントローラを含む他のコンピュータ装置、及び/又は、他の半導体集積回路デバイス)、揮発性のメモリ、及び/又は不揮発性の記憶媒体の1つ以上を含みうる。
【0030】
或る特定の実施形態において、情報取扱装置102が、1つ以上の他の情報取扱装置102と通信可能に接続されており、以下に記載するように、データネットワーク106を通して、航空機110上、1つ以上のサーバ108上、及び/又は、1つ以上の航空機110上に位置しうる。情報取扱装置102は、メッセージを送信及び受信し、情報を比較し、データベースにデータを格納し及びデータベースでデータを照会する等のために様々なプログラム、プログラムコード、システム、アプリケーション、命令、機能等を実行するよう構成されたプロセッサ、プロセッサコア等を含みうる。
【0031】
一実施形態において、フライト情報メッセージ装置104は、航空機110のためのフライト管理システムといった、フライト情報システムに送信された第1のメッセージを取得するよう構成される。第1のメッセージは、フライト情報システムに入力されたフライト情報を含みうる。更なる実施形態において、フライト情報メッセージ装置104は、第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を受信する。フライト情報システムからのフライト情報は、第2のメッセージで受信されうる。或る特定の実施形態において、フライト情報メッセージ装置104は、第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致することか検証し、第1のメッセージ中のフライト情報と第2のメッセージ中のフライト情報とが一致しないことを検証又は判定したことに応じて通知を提供する。このようにして、フライト情報メッセージ装置104は、重要なフライト情報を含むフライト情報が受信され、フライト情報システムに正しく入ったことを検証することが可能であり、もしそうでない場合には、データネットワーク106を介して、関心があって加入又は登録している他のシステムに、適時にアラート又は通知を提供することが可能である。
【0032】
様々な実施形態において、フライト情報メッセージ装置104は、フライト情報システムの一部として航空機110上に位置し、又は、航空機110と関連付けられた他の計算システムが、地上の計算システム上に位置しており、及び/又は、両者の何らかの組み合わせである。幾つかの実施形態において、フライト情報メッセージ装置104は、情報取扱装置102上、サーバ108上、航空機110上、及び/又は、 データネットワーク106上のどこか他のところで設置又は配置することが可能なハードウェアアプライアンスとして具現化される。或る特定の実施例において、フライト情報メッセージ装置104は、有線接続(例えば、「USB(universal serial bus)」接続)又は無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、「近距離無線通信」(NFC:near-field communication)等)により、デバイス、ラップトップコンピュータ、サーバ108、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セキュリティシステム等に取り付けられるセキュアなハードウェアドングル又は他のハードウェアアプライアンスデバイス(例えば、セットトップボックス、ネットワークアプライアンス)等)といった、ハードウェアデバイス、電子ディスプレイ装置(例えば、HDMIポート、DisplayPortポート、Mini DisplayPortポート、VGAポート、DVIポート等を用いるテレビ又はモニタ)等に取り付けられるハードウェアデバイスを含む。フライト情報メッセージ装置104のハードウェアアプライアンスは、電力インタフェース、有線及び/又は無線ネットワークインタフェース、ディスプレイに取り付けられるグラフィカルインタフェース、及び/又は、以下に記載するような、フライト情報メッセージ装置104に関して本明細書で記載する機能を実行するよう構成された半導体集積回路素子を含む。
【0033】
フライト情報メッセージ装置104は、半導体集積回路素子(例えば、1つ以上のチップ、ダイ、又は他の個別論理ハードウェア)等を含み、例えば、幾つかの例において、FPGA(field-programmable gate array)又は他のプログラム可能なロジック部、FPGA又は他のプログラム可能なロジック部のためのファームウェア、マイクロコントローラ上での実行のためのマイクロコード、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プロセッサ、プロセッサコア等を含む。一実施形態において、メッセージ装置104は、(例えば、揮発性メモリ、不揮発性記憶媒体、ネットワークインタフェース、周辺装置、グラフィカル/ディスプレイインタフェース等への)1つ以上の電気線又は電気接続を含むプリント回路基板に搭載されている。ハードウェアアプライアンスは、1つ以上のピン、パッド、又は、(例えば、プリント回路基板等の1つ以上の電気線と通信して)データを送信及び受信するよう構成された他の電気接続、及び、幾つかの例においてフライト情報メッセージ装置104の様々な機能を実行するよう構成された1つ以上のハードウェア回路及び/又は他の電気回路を含む。
【0034】
或る特定の実施形態において、フライト情報メッセージ装置104の半導体集積回路素子又は他のハードウェアアプライアンスは、RAM(random access memory)、DRAM(dynamic RAM)、キャッシュ等を含みうるがこれらに限定されない1つ以上の揮発性のメモリ媒体を含み、及び/又は、当該メモリ媒体と通信可能に接続されている。一実施形態において、フライト情報メッセージ装置104の半導体集積回路素子又は他のハードウェアアプライアンスは、1つ以上の不揮発性メモリ媒体を含み、及び/又は当該不揮発性メモリ媒体であり、不揮発性メモリ媒体には、NANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリ、ナノRAM又はNRAM(nano random access memory)、ナノ結晶ワイヤメモリ、酸化ケイ素サブ10ナノメータプロセスメモリ(Silicon-oxide based sub-10 nanometer process memory)、グラフェンメモリ、「SONOS」(Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)、「RRAM(resistive RAM)」、「PMC」(programmable metallization cell)、「CBRAM」 (conductive-bridging RAM)、磁気抵抗RAM(「MRAM(magneto-resistive RAM)」、ダイナミックRAM(「DRAM(dynamic RAM)」、相変化RAM(「PRAM」又は「PCM」)、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスク、テープ)、光学記憶媒体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
他の実施形態において、フライト情報メッセージ装置104は、ソフトウェアサービス及びソフトウェアアプリケーションから構成されうる。フライト情報メッセージ装置、システム、モジュール等は、他の装置のメモリ上で実行し、かつ、フライト情報パラメータ及び個別のフライト情報パラメータを含むフライトメッセージを処理するためにホストされたコンピュータ間通信を介して、図示された計算システム、フライト情報システム、航空機110、又は他の情報取扱装置102と通信しうる。
【0036】
一実施形態において、データネットワーク106は、デジタル通信情報を送信するデジタル通信ネットワークを含む。或る特定の実施例において、データネットワーク106は、無線セルラネットワークといった無線ネットワーク、Wi-Fiネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、近距離無線通信(「NFC」)ネットワーク、アドホックネットワーク等といったローカル無線ネットワークを含む。或る特定の実施例において、データネットワーク106は、広域ネットワーク(「WAN(wide area network)」)、ストレージエリアネットワーク (「SAN(storage area network)」)、LAN(local area network)、光ファイバネットワーク、インタネット、又は他のデジタル通信ネットワークを含む。幾つかの実施例において、データネットワーク106は2つ以上のネットワークを含む。一実施例において、データネットワーク106は、1つ以上のサーバ、ルータ、スイッチ、及び/又は、他のネットワーク機器を含む。幾つかの実施例において、データネットワーク106は、ハードディスクドライブ、光学式ドライブ、不揮発性メモリ、RAM等といった、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0037】
一実施例において、無線接続は、携帯電話網である。一実施例において、無線接続は、「IEEE」(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11標準のいずれかに基づくWi-Fiネットワークを利用する。代替的に、或る特定の実施例において、無線接続はBluetooth(登録商標)接続である。さらに、無線接続は、様々な例において、「ISO」(International Organization for Standardization)、「IEC」(International Electrotechnical Commission)、「ASTM(登録商標)」(American Society for Testing and Materials(登録商標))、DASH7(登録商標)Alliance、及びEPCGlobal(登録商標)により確立されたRFID標準を含む無線自動識別(「RFID(Radio Frequency Identification)」)通信を利用する。
【0038】
代替的に、無線接続は、IEEE802標準に基づくZigBee(登録商標)接続を利用しうる。一実施形態において、無線接続はSigma Design(登録商標)により設計されたZ-Wave(登録商標)を利用する。代替的に、無線接続は、Dynastream(登録商標)Innovations Inc.(Cochrane、Canada)により定められたANT(登録商標)及び/又はANT+(登録商標)接続を利用しうる。
【0039】
無線接続は、Infrared Data Association(登録商標)(「IrDA(登録商標)」)により定められた赤外線物理層規格(「IrPHY:Infrared Physical Layer Specification」)に少なくとも準拠する接続を含む赤外線通信でありうる。代替的に、無線接続は、携帯電話網通信でありうる。全ての標準及び/又は接続タイプは、本出願の提出日現在での、標準及び/又は接続タイプの最新のバージョン及び改訂を含む。
【0040】
一実施形態において、1つ以上のサーバ108が、ブレードサーバ、メインフレームサーバ、タワーサーバ、ラックサーバ等として具現化される。幾つかの実施例において、1つ以上のサーバ108が、メールサーバ、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、FTPサーバ、メディアサーバ、データサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバ、仮想サーバ等として構成される。或る特定の実施例において、1つ以上のサーバ108は、データネットワーク106を通じて、1つ以上の情報取扱装置102に通信可能に接続されている(例えば、ネットワーク化されている)。幾つかの実施例において、1つ以上のサーバ108は、データベース、データ貯蔵部といったデータ構造にデータを格納する。
【0041】
図2は、フライト情報を検証する装置200の一実施形態を示している。装置200は、メッセージ装置104の一実施形態を含んでいる。メッセージ装置104は、或る特定の実現において、フライト情報取得モジュール202、メッセージ受信モジュール204、検証モジュール206、通知モジュール208、及び入力イベントモジュール210の1つ以上を含み、これらについては以下でより詳細に記載する。
【0042】
一実施形態において、フライト情報取得モジュール202は、民間機、ヘリコプター等といった航空機110、又は航空機110と関連付けられた他のフライト情報システムに送信された又は送信されているメッセージを取得するよう構成される。一実施形態において、メッセージが、航空機110と通信可能に接続された地上のメッセージシステム、地上の計算システム、地上の通信システム等から、セルラデータネットワーク、衛星データネットワーク、エアバンド無線伝送ネットワーク等といったデータネットワーク106を通じて送信される。
このようなネットワークの一例は、エーカーズ(ACARS:aircraft communications addressing and reporting system)であり、これは、エアバンド無線又は衛星を介した航空機110と地上局との間のショートメールの送信のためのデジタルデータリンクシステムである。
【0043】
従って、メッセージは、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS:short message service)メッセージ、ACARSメッセージ、及び/又は、他の種類の電子メッセージといった電子メッセージである。電子メッセージは、公知の、所定の、既定の、又は別様に認識可能なフォーマットを有しうる。例えば、メッセージで送信されるフライト情報は、メッセージ内の所定のフィールドに位置しうる(例えば、メッセージヘッダフィールド、メッセージサイズ/メッセージ長フィールド、メッセージパリティフィールド、及び、メッセージペイロードフィールドが存在し、フライト管理システムが分割し、読み出し、及び実行することが可能なコード又は他の情報を含む様々な所定のフィールドに分けられうる)。
【0044】
或る特定の実施形態において、メッセージは、航空機110のフライト管理システムとったフライト情報システムに入力されるフライト情報を含む。本明細書では、フライト管理システムは、飛行計画といった広範な飛行中のタスクを自動化する専門化したコンピュータシステムである。他の実施形態において、メッセージは、航空会社の飛行計画システム、航空交通プロセッサシステム、航空交通制御軌道予測システム、通信管理ユニットシステム等といった、様々なフライト情報システムに送信される。当業者は、本開示に鑑みて、航空機110のフライト管理と関連付けられうる様々な情報システムが分かるであろう。
【0045】
フライト情報は、地上のコンピュータから追跡調査された状態情報、及び/又は、航空機110の燃料残量、航空機110の重量、風速、空気圧示度、航空機110の速度等といった、フライト情報システムが、例えばフライト管理システムを介して、航空機110のためのフライト設定を維持又は調整するために利用可能なメッセージサービスを含みうる。他のフライト情報は、コマンド又はアクションといった情報、例えば、航空機の速度を上げ又は下げるためのコマンド、航空機の高度等を上げ又は下げるためのコマンドを含みうる。
【0046】
一実施形態において、フライト情報取得モジュール202は、送信されたメッセージを、地上の計算システムにある格納先から取得する(例えば、航空機110に送信されたフライト情報を含むメッセージ)。或る特定の実施形態において、フライト情報取得モジュール202は、送信されたメッセージを、航空機110上の格納先から取得する(例えば、航空機110が受信するフライト情報を含むメッセージ)。
【0047】
一実施形態において、メッセージ受信モジュール204は、第1のメッセージに基づいてフライト情報システムに入力されたフライト情報を含むメッセージを受信するよう構成される。第2のメッセージで受信されるフライト情報は、フライト情報システムに送信されたフライト情報を含んでいたメッセージと同じ又は異なるフォーマットを有しうる別のメッセージで受信可能であり、例えば、航空機110のフライト管理システムに送信されるメッセージは、衛星ネットワークを通じて送信することが可能であり、航空機110から受信されるメッセージは、エアバンド無線ネットワークを通じて受信されうる。
【0048】
メッセージ受信モジュール204は、フライト情報システム、例えば、航空機110のフライト管理システムに登録されたフライト情報について、データベース、ログファイル、システム等を照会しうる。メッセージ受信モジュール204は、新しいフライト情報が受信されてフライト情報システムに登録又は入力されたことに応じて、フライト情報について確認しうる。例えば、パイロットが、地上のメッセージサービスから受信されたフライト情報を閲覧して、フライト管理システムへの登録前にフライト情報を確認することが可能であり、メッセージ受信モジュール204は、新しい情報が受信されてフライト管理システムに登録されたことを示す通知、イベント、信号、トリガ等を受信しうる。或る特定の実施形態において、フライト情報システムに入力される前に、フライト情報を、パイロット、他の乗員、ユーザによって、又は別のシステムによって変える、修正する、変更する、調整する等のことが可能である。
【0049】
メッセージ受信モジュール204は、フライト情報システムで受信され及び/又は当該システムに登録された情報について、フライト情報システムに照会しうる。或る特定の実施形態において、メッセージ受信モジュール204は地上のメッセージサービスへと、検証モジュール206を参照しながら以下で説明するように、更なる比較又は解析のために、メッセージでフライト情報を送信する。幾つかの実施形態において、メッセージ受信モジュール204は、フライト情報システムの一部であり又は当該システムと通信する検証モジュール206へと、照会されたフライト情報の更なる解析のために(例えば、当該フライト情報が 航空機110で受信され、及び/又はパイロット/乗員により登録されたフライト情報と一致するどうか)、照会されたフライト情報をメッセージで送信し、その結果(例えば、受信/登録されたフライト情報が、フライト管理システムが利用しているフライト情報と一致するかどうかの比較結果)が、地上のメッセージサービスに送信される。幾つかの実施形態において、フライト情報は、ユーザ、例えば、航空管制官、パイロット、他の乗員が、その情報を閲覧しフライト情報システムに登録したのに応じて、自動的にフライト情報システムに登録され、このことにより、手動でフライト情報システムに登録される情報により生じうるエラーが回避される。
【0050】
或る特定の実施形態において、メッセージ受信モジュール204は、照会されたフライト情報を、フライト情報システムで受信されたメッセージと関連付け、これにより、フライト情報システムで受信又は入力されたフライト情報が、フライト情報システムに入力されていたフライト情報をトリガしたメッセージにマッピングされる。例えば、照会されたフライト情報を含むメッセージは、航空機110で受信された対応するメッセージのための識別子、例えば一意のメッセージ識別子、航空機110で受信されたメッセージが送信又は受信されたときのタイムスタンプ等も含みうる。
【0051】
一実施形態において、フライト情報は、航空機110といった航空機のフライトと関連付けられたフライト情報システムへと、及び/又は当該システムからストリーミング配信されうる。このような実施形態では、フライト情報取得モジュール202とメッセージ受信モジュール204とが組み合わされ、通信可能にリンクされ、フライト情報ソケット(例えば、ネットワークソケット)へと動作可能に接続され、フライト情報ソケットでは、当該ソケットを通じて通信情報を送信及び受信するために、フライト情報が購読、登録等を通じて受信され、照会される。
【0052】
例えば、フライト情報システムは、パブリッシャ(publisher)/サブスクライバ(subscriber)系システム内のパブリッシャとして具現化されうる。当該システムでは、メッセージ受信モジュール204、他のシステム、及び/又は他の装置が、フライト情報システムから送信されたフライト情報を含むメッセージのための購読システムとして具現化され又は構成される。フライト情報システムは、メッセージを「発行する(publish)」こと、例えば、フライト情報システムからのフライト情報を含むメッセージを送信することが可能であり、上記メッセージはその後、メッセージ受信モジュール204といった「サブスクライバ(subscriber)」又は登録されたシステムへと一斉送信され、ストリーミング配信され、又は別様に送信される。このようにして、メッセージ受信モジュール204は、フライト情報を含むメッセージを、リアルタイムで、又は、メッセージが送信されたときとメッセージ受信モジュール204がそれを受信したときの間の遅延が最小で、受信することが可能であり、これにより、フライト情報システム内で利用されるフライト情報の正確な検証を行うことが可能である。
【0053】
一実施形態において、検証モジュール206は、フライトに関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージ中のフライト情報が、フライトと関連付けられたフライト情報システムから受信されたメッセージ中のフライト情報と一致することを検証するよう構成され、上記情報は、航空機110で受信されたフライト情報、フライト情報システム(例えば、航空機110のフライト管理システム)に登録されたフライト情報、フライト情報システムで照会され又は当該システムから受信されたフライト情報等を含みうる。換言すれば、検証モジュール206は、フライト情報が正しく受信され、登録され、送信されたことなどを検証することが可能である。検証モジュール206が、メッセージの間でフライト情報が一致すると判定した場合には、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたフライト情報が、フライト情報システムに正しく登録されたのであり、そうでない場合には、フライト情報システムに入力されたデータによりエラーが生じたのである。
【0054】
或る特定の実施形態において、検証モジュール206は、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージ中のフライト情報と、フライトと関連付けられたフライト情報システムで照会され又は当該システムから受信され、フライト情報システムから別のメッセージで送信されたフライト情報(例えば、フライト管理システムに登録されたフライト情報)と、が一致するかということを、メッセージ単位、データフィールド単位、ワード単位、バイト単位、ビット単位、文字単位等でフライト情報を比較することにより検証する。
【0055】
例えば、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージと、フライトに関連付けられたフライト情報システムから受信されたメッセージとが同じ種類であり、例えばACARSメッセージである場合には、検証モジュール206は、メッセージ対メッセージの比較を行うこと、又は、フライト情報データを含むメッセージ内の対応するフィールド同士を比較することなどが可能である。しかしながら、メッセージの種類が異なる場合には、検証モジュール206は、フライト情報を比較できるようにフライト情報をメッセージ内で位置付ける必要がある。例えば、検証モジュール206は、メッセージの所定のフォーマットに基づいて、フライト情報を位置付けうる(例えば、ACARSメッセージは、メッセージ内の所定のフィールド、位置、又はポジションにフライト情報を格納しうる)。しかしながら、メッセージが所定のフォーマットを有さない場合には、検証モジュール206は、フライト情報、そのフライト情報が位置付けられているフィールド等を位置付けるために、人工知能といったテキスト、文字、又は文字列の処理を用いて、場面的文脈、自然言語処理、正規表現等に基づいて、フライト情報をメッセージ内で位置付けうる。
【0056】
一実施形態において、検証モジュール206は、フライトと関連付けられたフライト情報システムから受信されたフライト情報(例えば、フライト管理システムで照会されたフライト情報)が、双方のメッセージのフライト情報が閾値の値、量、範囲等の範囲内にあり又はこられを満たすと判定したことに応じて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージで送信されたフライト情報と一致すると決定する。例えば、地上のメッセージシステムが、航空機110の計画され、予測され、又は見積もられた重量(例えば、70トン)を提供するフライト情報を含むメッセージを送信することが可能であり、フライトと関連付けられたフライト情報システムから受信されたメッセージは、フライト管理システムに実際に登録され又は入力された値を含みうる。
【0057】
検証モジュール206が、メッセージ中の重量の値が同じではないと判定し、例えば、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信された重量の値が、フライトと関連付けられたフライト情報システムで受信された重量の値、又は航空機110のフライト管理システムに登録された重量の値と一致しないと判定した場合には、検証モジュール206は、重量の値が、所定の閾値の範囲内(例えば、±100パウンド)にあるかどうかを判定しうる。重量の値が所定の閾値の範囲内にある場合には、検証モジュール206は、フライト情報が一致しており、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたフライト情報が、フライト情報システムに正しく入力されたと判定しうる。重量の値が所定の閾値の範囲内にない場合には、検証モジュール206は、不一致が存在しており不正確なフライト情報がフライト情報システムに登録されたと判定する。検証のために重要となりうるフライト情報の他の例には、初期化性能データ、離陸参照データ等が含まれる。
【0058】
一実施形態において、検証モジュール206が、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージで送信されたフライト情報が、フライトと関連付けられたフライト情報システムからのメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと判定したことに応じて、通知モジュール208は、通知を提供するよう構成される。通知は、例えば、モバイルアプリケーションのプッシュ通知、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ウェブサイトでの投稿、ウェブサービス等を含みうる。
【0059】
或る特定の実施形態において、通知モジュール208が提供する通知の種類及び配信方法は、フライト情報の重要度、重大性等に依存する。例えば、フライト情報がより重要であり、検証モジュール206が、フライトに関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージと当該システムから受信されたメッセージとの比較に基づいて、フライト情報が正しく入力されなかったと判定した場合には、通知モジュール208は、音、光をトリガし、ユーザのディスプレイをメッセージで遮り、緊急通話又はアラート等をトリガすることにより、ユーザ、例えば、地上勤務員、飛行管制官等の注意を引くことを意図したアラート、アラーム、プッシュ通知等をトリガしうる。そうではなく、フライト情報があまり重要ではない場合には、通知モジュール208は、あまり気付かれない又はあまり注意を逸らさない通知をユーザに送信する。
【0060】
一実施形態において、入力イベントモジュール210が、フライトと関連付けられたフライト情報システムで受信されたメッセージ中のフライト情報がフライト管理システムに入力されたのに応じて、入力イベントを検出するよう構成される。先に記載したように、フライトと関連付けられたフライト情報システムで受信されたフライト情報は、管制官、パイロット、他の乗務員によって手動でフライト管理システムに入力され、管制官、パイロット、又は他の乗務員によって閲覧され、フライト情報システムへの自動入力のために確認され、又は、閲覧されることなく、フライト情報システムに自動的に入力されうる。フライト情報システムへのフライト情報の入力に必要なフィードバックの種類は、フライトと関連付けられたフライト情報システムで受信されたメッセージ中のフラグ又は他の標識により示されうるフライト情報の重要度、重大性等に依存しうる。
【0061】
一実施形態において、フライト情報システム又は航空機110は、フライト情報がフライト情報システムに入力されたのに応じて、信号、アラート、通知、イベント等を発しうる。イベントに応じて、入力イベントモジュール210は、航空機110に送信されたメッセージを取得するように、フライト情報取得モジュール202をトリガし、フライトと関連付けられたフライト情報システムで、フライト情報を含むメッセージが受信されたことに応じて、フライト情報システムに入力されたフライト情報を照会又は受信するように、メッセージ受信モジュール204をトリガし、フライトと関連付けられたフライト情報システムで受信されたフライト情報がフライト情報システムに入力されたフライト情報と一致するか検証するように、検証モジュール206をトリガする。代替的又は追加的に、一実施形態において、入力イベントモジュール210は、フライト情報を検証するために利用可能な入って来たメッセージ及び/又は出て行くメッセージを、それらが受信及び送信されたときに受信及び/又は照会するために傍受し、購読し、及び登録するよう構成される。
【0062】
図3Aは、フライト情報検証システム(「FIVS:flight information verification system」)301の一実施形態を示している。一実施形態において、FIVS301は、インタネット(例えば、インタネットプロトコルネットワーク)302、ACARS(例えば、衛星又は無線エアバンド)ネットワーク304等といったネットワークを介して航空機110に接続された地上のメッセージ計算システムである。(フライト情報取得モジュール202及び/又はメッセージ受信モジュール204として具現化され又はフライト情報取得モジュール202及び/又はメッセージ受信モジュール204により利用されうる)メッセージルータ306は、ネットワーク302、304を通じて、FIVS301から航空機110へとメッセージを送信し及び/又は航空機110からFIVS301でメッセージを受信するよう構成されうる。メッセージルータ306は、スタンドアローンの装置(例えばメッセージサーバ)、又は、ハードウェアモジュール及び/又はソフトウェアモジュールとして具現化されうる。
【0063】
一実施形態において、メッセージルータ306は、航空機110に送信されており又は送信するためにキューに入れられたメッセージを、当該メッセージを一意に同定する識別子と共にデータベース310に格納しうる。メッセージルータ306は、航空機110のフライト管理システムからのフライト情報を含む、航空機110から受信されたメッセージも、受信されたメッセージのための識別子及び航空機110に送信された対応するメッセージのための識別子と共に、データベース310に格納しうる。一実施形態において、検証モジュール206は、航空機110に送信されたメッセージのフライト情報の部分と、航空機110から受信されたメッセージのフライト情報を比較して、フライト情報が一致するかを判定するために、メッセージ比較器308(例えば、IPメッセージ又はACARSメッセージ比較器)を利用し又はトリガしうる。メッセージ比較器308は、比較されたメッセージ、比較結果、及び/又は、メッセージの他の属性(例えば、メッセージの種類、一致しているパーセンテージ、フライト情報が厳密に同じものだったか又は所定の閾値の範囲内にあったか、フライト情報の重大性又は重要度等)を、データベース312といったアクティブな又は一時的なデータストアに格納しうる。
【0064】
通知モジュール208は、一致していないフライト情報についての通知を送信するかどうかを判定するために、比較結果を確認しうる。図示される実施形態において、通知モジュール208は、ウェブサーバ316により表示されるウェブページ上でのユーザ320への提示のために、メッセージ又は他の情報をウェブサービス314に提供しうる。通知は、情報に一致があったか否か、一致を判定するために利用された閾値、情報の重要度又は重大性、メッセージが送信された時間、メッセージが送信されたときの航空機110の状態(例えば、高度、速度等)等を含みうる。
【0065】
図3Bは、フライト情報検証システム(FIVS」)301の他の実施形態を示している。図3Bは、先に図3Aで記載したFIVS301と実質的に同様である。図3Bは、ローカルネットワーク340を通して航空機110に接続された地上のメッセージ計算システムであるFIVS301と、ローカルネットワーク340上に位置しうるメッセージルータ342と、を記載している。本明細書では、ローカルネットワーク340は、複数の通信チャネル(例えば、インタネットネットワーク、無線ネットワーク、又は衛星ネットワーク)を通じて、複数の通信プロトコル(例えば、インタネットプロトコル、航空会社のプロトコル、航空交通管制プロトコル)を取り使うよう構成される。
【0066】
図3AのFIVS301と同様に、ローカルメッセージ比較器344が、航空機110に送信されたメッセージのフライト情報と、航空機110から受信されたメッセージの対応するフライト情報と、を比較しうる。上記比較の結果が、データベース312に格納され、例えば、PostgreSQL(登録商標)、MySQL(登録商標)等といった関係型データベースに格納されうる。
【0067】
通知モジュール208は、上記比較の結果に基づいて、JavaScriptエンジン上に構築されたウェブサービスといったウェブサービス346を介して、一人以上のユーザ320に通知を提供する。その後、上記通知は、ウェブサーバ348により提供されるウェブページを介してユーザ320に提示されうる。
【0068】
図4は、フライト情報を検証する方法400の一実施形態を示す概略的なフローチャートの図である。方法400が開始され、402において、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージが取得される。方法400の404において、第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージが受信される。
【0069】
方法400の406において、第1のメッセージからのフライト情報と、第2のメッセージからのフライト情報とが一致するかどうか判定される。第1のメッセージからのフライト情報と、第2のメッセージからのフライト情報とが一致する場合には、方法400は終了する。第1のメッセージからのフライト情報と、第2のメッセージからのフライト情報とが一致しない場合には、方法400の408において、第1のメッセージで送信されたフライト情報と、第2のメッセージで受信されたフライト情報とが一致しないという判定に応じて通知が提供され、方法400が終了する。幾つかの実施形態において、フライト情報取得モジュール202、メッセージ受信モジュール204、検証モジュール206、及び通知モジュール208が、方法400の様々なステップを実行する。
【0070】
図5は、フライト情報を検証する方法500の一実施形態を示す概略的なフローチャートの図である。方法500が開始され、502において、入力イベントが検出されるかどうかが判定され、例えば、フライト情報がフライト情報システムに入力され又は登録されているかどうかが判定される。入力イベントが検出されない場合には、方法500の502において、入力イベントの監視が続けられる。入力イベントが検出された場合には、方法500の504において、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージが取得される。
【0071】
方法500の506において、第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージが受信される。方法500の508において、第1のメッセージからのフライト情報が、所定の閾値の範囲内で、第2のメッセージからのフライト情報と一致するかどうかが判定される。第1のメッセージからのフライト情報が、所定の閾値の範囲内で第2のメッセージからのフライト情報と一致する場合には、方法500は、502において、入力イベントについて監視を続ける。
【0072】
第1のメッセージからのフライト情報が、所定の閾値の範囲内で第2のメッセージからのフライト情報と一致しない場合には、本方法の510において、フライト情報の重要度、重大性等、及び/又は、フライトと関連付けられたフライト情報システムに送信されたメッセージからのフライト情報と、フライトと関連付けられたフライト情報システムから受信されたメッセージと、の間の不一致(例えば、差異の程度又は量)が決定される。方法500の512において、フライト情報及び/又は不一致の重要度に基づいて、第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報が一致しないと判定されたことに応じて、通知が提供され、方法500が終了する。幾つかの実施形態において、フライト情報取得モジュール202、メッセージ受信モジュール204、検証モジュール206、通知モジュール208、及び入力イベントモジュール210が、方法500の様々なステップを実行する。
【0073】
上記の説明において、「上へ(up)」、「下へ(down)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「左(left)」、「右(right)」、「上方(over)」、「下方(under)」などといった、特定の語が使用されていることがある。これらの語は、相互関係について触れている場合、必要に応じて、説明に何らかの明確性をもたらすために使用されている。しかし、これらの語は、絶対的な関係性、ポジション、及び/または配向を含意することを意図していない。例えば、ある対象物に関して、単にこの対象物をひっくり返すことによって、「上側」表面が「下側」表面になり得る。それでも、これは依然として同じ対象物である。さらに、「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」という語、及びこれらの変化形は、別様に明記されていない限り、「~を含むが、それらに限定されるわけではない(including but not limited to)」ことを意味する。列挙されているアイテムは、別様に明記されていない限り、これらのアイテムのいずれかまたは全てが相互排他的及び/または相互包括的であることを意味しない。「1つの(a/an)」、及び「その/この(the)」という語も、別様に明記されていない限り、「1つ以上の(one or more)」という意味を表わす。さらに、「複数(plurality)」という語は、「少なくとも2つ(at least two)」のことであると定義され得る。
【0074】
加えて、本明細書で、1つの要素が別の要素に「連結されている(coupled)」という事例は、直接的な連結及び間接的な連結を含み得る。直接連結は、1つの要素が別の要素に連結されること、且つ、別の要素と何らかの接触を有することであると、定義され得る。間接連結は、2つの要素間の連結であって、互いに直接的に接触してはいないが、連結された要素同士の間に1つ以上の追加要素を有する連結のことであると、定義され得る。さらに、本明細書において、1つの要素を別の要素に固定することは、直接的に固定することと、間接的に固定することとを含み得る。加えて、本明細書において、「隣接(adjacent)」は必ずしも接触を意味するものではない。例えば、1つの要素は、別の要素に接触することなく隣接していることができる。
【0075】
本明細書で利用される条件を表す文言、例えば特に、「~でありうる」(can)、「~でありうる」(could)、「~であるかもしれない」(might)、「~であってよい」(may)、「例えば」(e.g.)等は概して、特に別様に明記されない限り、又は使用される文脈において別様に理解されない限り、或る特定の実施例が或る特定の特徴、構成要素、及び/又はステップを含むが、他の実施例は、或る特定の特徴、構成要素、及び/又はステップを含まないことを伝えることが意図されている。従って、このような条件を表す文言は概して、特徴、構成要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施例のために何らかの形で必要となること、又は、上記の特徴、構成要素、及び/又はステップが含まれるか又は任意の特定の実施例で実施されるかを判定するためのロジック(入力又はプロンプトの有無は関係ない)を1つ以上の実施例が必然的に含むことを含意することは意図されてない。さらに、「又は」(or)という語は、包含的な意味(排他的な意味ではない)において使用され、これにより、利用されるときは、例えば、列挙される要素を繋ぐためであり、「又は」という語は、列挙に含まれる構成要素のうちの1つ、幾つか、又は全てを意味している。
【0076】
本明細書において、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ以上の種々の組み合わせが使用され得ることと、必要とされるのが列挙されたアイテムのうちの1つだけであり得ることを、意味している。アイテムとは、特定の対象物、物品、またはカテゴリのことであり得る。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」は、アイテムの任意の組み合わせ、または任意の数のアイテムが列挙された中から使用され得るが、列挙されたアイテムの全てが必要とされるわけではないことを意味している。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」とは、例えば、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、「アイテムB」、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、または「アイテムBとアイテムC」を意味し得る。ある場合には、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、限定しないが例として、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、または他の好適な組み合わせを意味し得る。
【0077】
別途指示されない限り、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの表現は、本明細書では単にラベルとして使用されており、これらの表現が指し示すアイテムに対して、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、例えば「第2」のアイテムに言及したからといって、例えば「第1」の、もしくはより小さい数が振られたアイテム、及び/または、例えば「第3」の、もしくはより大きな数が振られたアイテムの存在が、必要とされることも、排除されることもない。
【0078】
本明細書において、特定の機能を実行するように構成されたシステム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアは、さらなる改良後にその特定の機能を実行する潜在能力を単に有するというよりも、実際は、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実行することが可能である。換言すると、特定の機能を実行する「ように構成された(configured to)」システム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアは、その特定の機能を実行するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/または設計される。本明細書において、「構成された」という表現は、システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが更なる改変を伴わずに特定の機能を実施することを可能にする、システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が、存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実施するように「構成され」ていると説明されているシステム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するように「適合している(adapted to)」、及び/又は、実施するように「動作可能である(operative to)」とも説明されうる。
【0079】
本明細書に含まれる概略フロー図は概して、論理フロー図として記載されている。そのため、図示の順序及び符号が付されたステップは、提示されている方法の一実施形態を示しているものである。機能、論理、又は効果の点で、図示されている方法の1つ以上のステップまたはステップの部分と均等な、他のステップ及び方法も想起され得る。加えて、用いられている形式及びシンボルは、方法の論理ステップを解説するために提示されており、方法の範囲を限定するものではないと理解される。フロー図には様々な種類の矢印及び線が用いられていてよいが、これらは、対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際、いくつかの矢印又はその他のコネクタは、本方法の論理フローを示すためにのみ使用されていてよい。例えば、矢印は、図示されている方法の列挙されたステップ間の、不特定の長さの待機時間またはモニタリング時間を示し得る。加えて、特定の方法が行われる順序は、図示されている対応するステップの順序に厳密に従うことも、従わないこともある。
【0080】
様々なモジュールの実施形態は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又は、本明細書では全て概して「回路」(circuit)、「モジュール」(module)又は「システム」(system)と称されうる、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとりうる。さらに、実施形態は、以下でコードと称される機械可読コード、コンピュータ可読コード、及び/又はプログラムコードを格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイスにおいて具現化されるプログラム製品の形態をとりうる。上記記憶デバイスは、有形であり、不揮発性であり、及び/又は非伝達的(non-transmission)でありうる。記憶デバイスは、信号を具現化しえない。或る特定の実施形態において、記憶デバイスは、コードにアクセスするために信号を利用するだけである。
【0081】
モジュールは、カスタム超大規模集積(VLSI:very-large-scale integration)回路若しくはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、又は他の個別の構成要素といった市販の半導体を含むハードウェア回路として実装されうる。モジュールはまた、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理、プログラマブル論理デバイスなどといった、プログラマブルハードウェアデバイスにも実装され得る。
【0082】
モジュールは、様々なタイプのプロセッサによって実行するための、コード及び/またはソフトウェアにも実装され得る。識別されたコードのモジュールは、例えば、実行可能コードの1つ以上の物理ブロックまたは論理ブロックを含み、これらのブロックは例えば、オブジェクト、手順、または機能として編成されていてよい。しかしながら、識別されたモジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に位置している必要はないが、異なる位置に格納されていて、論理的に結合されるとモジュールを構成しモジュールのための所定の目的を達成する異種の(disparate)命令を含んでよい。
【0083】
実際、コードのモジュールは、単一の指令または多数の指令であってよく、かつ、種々のプログラム間にわたり、いくつかのメモリデバイスにわたって、いくつかの異なるコードセグメントに分散されていてさえもよい。同様に、動作データは、本明細書では、モジュール内で特定されて示されていてよく、任意の好適な形式で具現化され、かつ、任意の好適なタイプのデータ構造に体系化されていてよい。動作データは、単一のデータセットとして収集されてよいか、又は、種々のコンピュータ可読記憶デバイスにわたって分散されることを含め、種々の場所に分散されていてよい。モジュール又はモジュールの部分がソフトウェアで実装される場合、このソフトウェアの部分は、1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイスに格納される。
【0084】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせがモジュールによって利用され得る。このコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コードを格納する記憶デバイスであり得る。記憶デバイスは、限定しないが例として、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線、ホログラフィ、マイクロメカニカル、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、又はこれらの任意の好適な組み合わせであり得る。
【0085】
記憶デバイスのより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続、携帯式コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み出し専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory)若しくはフラッシュメモリ)、携帯式コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は、これらの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するシステム、装置、若しくはデバイスによって使用される、又は、それらと関連しているプログラムを包含し又は格納することが可能な、任意の有形媒体であり得る。
【0086】
実施形態の動作を実施するためのコードは、Python、Ruby、Java、Smalltalk、C++、などといったオブジェクト指向プログラミング言語、並びに、「C」プログラミング言語やそれに類するもの、及び/または、アセンブリ言語といった機械言語などの、従来型の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合せで書かれていてよい。コードは、専らユーザのコンピュータで実行され得るか、部分的にユーザのコンピュータで実行され得るか、スタンドアローン型のソフトウェアパッケージとして実行され得るか、部分的にユーザのコンピュータで、かつ部分的に遠隔コンピュータで実行され得るか、又は、専ら遠隔のコンピュータ若しくはサーバで実行され得る。最後の事例の場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されていてよいか、又は、(例えば、インタネットサービスプロバイダを使用してインタネットを通じて、)外部コンピュータへの接続がなされてよい。
【0087】
本出願の主題は、その思想及び基幹的な特性から逸脱することなく、他の具体的な形態において実施され得る。上記の実施形態は、あらゆる観点において、単なる例示であって、限定的なものではないとみなすべきである。特許請求項が意味する範囲、及び特許請求項と均等の範囲に入る変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0088】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
【0089】
条項1.方法(400/500)であって、
フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージを取得すること(402/504)と、
第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージを受信すること(404/506)と、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致するか検証すること(406/508)と、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること(408/512)と
を含む、方法(400/500)。
【0090】
条項2.第2のメッセージで受信されたフライト情報が第1のメッセージで送信されたフライト情報の閾値の範囲内にあるという判定に応じて、第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致する、条項1に記載の方法(400/500)。
【0091】
条項3.検証のために各メッセージ中のフライト情報を同定するために第1のメッセージ及び第2のメッセージが構文解析されるように、第1のメッセージと第2のメッセージとは異なる種類のフォーマットを含む、条項1又は2に記載の方法(400/500)。
【0092】
条項4.検証(406)は、第1のメッセージのフライト情報と第2のメッセージのフライト情報とが一致するかを判定するために、第1のメッセージ及び第2のメッセージのフォーマットに基づいて、第1のメッセージのフライト情報と、第2のメッセージのフライト情報とを比較することを含む、条項3に記載の方法(400/500)。
【0093】
条項5.第1のメッセージと第2のメッセージとの間のフライト情報の比較が、ビット単位、バイト単位、文字単位、データフィールド単位、及びメッセージ単位のうちの1つ以上により行われる、条項4に記載の方法(400/500)。
【0094】
条項6.第1のメッセージが受信されたとき、及び、ユーザがフライト情報の入力を許可したとき、のうちの1つに応じて、第1のメッセージで送信されたフライト情報がフライト情報システムに入力される、条項1から5のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【0095】
条項7.フライト情報システムに入力された第1のメッセージ中のフライト情報に応じて、入力イベントを検出すること(502)をさらに含み、入力イベントに応じて、第1のメッセージが取得され、フライト情報が第2のメッセージで受信される、条項6に記載の方法(400/500)。
【0096】
条項8.提供される通知の種類及び配信方法が、フライト情報システムに入力されており第1のメッセージで送信されたフライト情報と一致しないフライト情報の重要度に基づいて決定される(510)、条項1から7のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【0097】
条項9.通知は、モバイルアプリケーションのプッシュ通知、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ウェブサイト、及びウェブサービスの1つ以上として提供される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【0098】
条項10.第1のメッセージ及び第2のメッセージのうちの1つが、ACARS(aircraft communications addressing and reporting system)のメッセージフォーマットを含む、条項1から9のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【0099】
条項11.第2のメッセージが発行され、フライト情報システムに入力されたフライト情報を含むメッセージを受信するために加入したシステムに一斉送信される、条項1から10のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【0100】
条項12.フライト情報の照会に応じて、第2のメッセージがフライト情報システムから受信される、条項1から11のいずれか一項に記載の方法(400/500)。
【0101】
条項13.装置(104)であって、
プロセッサと、
メモリであって、
フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージを取得すること(202)と、
第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージを受信すること(204)と、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致するか検証すること(206)と、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること(208)
のための、プロセッサにより実行可能なコードを格納するメモリと
を備える装置(104)。
【0102】
条項14.第2のメッセージで受信されたフライト情報が第1のメッセージで送信されたフライト情報の閾値の範囲内にあるという判定に応じて、第1のメッセージで送信されたフライト情報が第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致する、条項13に記載の装置(104)。
【0103】
条項15.検証のために各メッセージ中のフライト情報を同定するために第1のメッセージ及び第2のメッセージが構文解析されるように、第1のメッセージと第2のメッセージとは異なる種類のフォーマットを含む、条項13又は14に記載の装置(104)。
【0104】
条項16.第1のメッセージ及び第2のメッセージのフォーマットに基づいて、第1のメッセージのフライト情報と第2のメッセージのフライト情報とを比較することにより、各メッセージ中のフライト情報を検証し(206)、第1のメッセージのフライト情報と第2のメッセージのフライト情報とが一致するかを判定するために、コードがプロセッサによりさらに実行可能である、条項15に記載の装置(104)。
【0105】
条項17.第1のメッセージと第2のメッセージとの間のフライト情報の比較が、ビット単位、バイト単位、文字単位、データフィールド単位、及びメッセージ単位のうちの1つ以上により行われる、条項16に記載の装置(104)。
【0106】
条項18.第1のメッセージ中のフライト情報がフライト情報システムに入力されたことに応じて入力イベントを検出する(210)ために、コードがプロセッサによりさらに実行可能であり、入力イベントに応じて、第1のメッセージが取得され、フライト情報が第2のメッセージで受信され、第1のメッセージで送信されたフライト情報は、第1のメッセージが受信されたとき及びユーザがフライト情報を入力することを許可したときのうちの1つに応じて、フライト情報システムに入力される、条項13から17のいずれか一項に記載の装置(104)。
【0107】
条項19.提供される通知の種類及び配信方法が、フライト情報システムに入力されており第1のメッセージで送信されたフライト情報と一致しないフライト情報の重要度に基づいて決定される、条項13から18のいずれか一項に記載の装置(104)。
【0108】
条項20.コンピュータ可読記憶媒体を含むプログラム製品であって、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行可能なコードを格納し、
実行可能なコードは、
フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第1のメッセージを取得すること(202)と、
第1のメッセージに基づいて、フライトと関連付けられたフライト情報システムに入力されたフライト情報を含む第2のメッセージを受信すること(204)と、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致するか検証すること(206)と、
第1のメッセージで送信されたフライト情報が、第2のメッセージで受信されたフライト情報と一致しないと検証されたことに応じて、通知を提供すること(208)
のためのコードを含む、プログラム製品。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5