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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】作業工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240920BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020120255
(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公開番号】P2022017126
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 陽之介
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144537(JP,A)
【文献】特開2019-098464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 1/00 - 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端工具を揺動駆動するように構成された作業工具であって、
前記作業工具の上下方向を規定する第1の軸周りに回転可能に支持され、前記先端工具を着脱可能に構成された下端部を有するスピンドルと、
前記第1の軸に平行な第2の軸周りに回転可能な出力シャフトを有するモータと、
前記出力シャフトの回転を前記スピンドルに伝達し、前記スピンドルを前記第1の軸周りの所定の角度範囲内で往復回動させるように構成された伝達機構と、
前記第1の軸および前記第2の軸に直交し、前記作業工具の前後方向を規定する長軸を有する長尺状のインナハウジングと、
前記前後方向に延在し、前記インナハウジングを収容する長尺状のアウタハウジングであって、前記インナハウジングに弾性連結されたアウタハウジングとを備え、
前記アウタハウジングは、前端部と、後端部と、前記前端部と前記後端部とを連結し、且つ、使用者によって把持される把持部とを含み、
前記インナハウジングは、前記アウタハウジングの前記前端部内に配置された前端部と、前記インナハウジングの前記前端部に対して実質的に相対移動不能に連結されて前記アウタハウジングの前記把持部内で後方に延在する延在部とを含み、
前記インナハウジングは、金属製の第1インナハウジングと、合成樹脂製の第2インナハウジングとが互いに連結されることで形成されており、
前記第1インナハウジングは、
少なくとも前記スピンドルを収容し、前記インナハウジングの前記前端部の少なくとも一部を構成する収容部と、
前記収容部から後方に延在し、前記アウタハウジングの前記把持部内で前記延在部の一部を構成する第1延在部とを含み、
前記第2インナハウジングは、前記アウタハウジングの前記把持部内で前記延在部の一部を構成する第2延在部を含み、
前記第1延在部は、前記第2延在部の前記前後方向の中心よりも後方まで延在することを特徴とする作業工具。
【請求項2】
請求項1に記載の作業工具であって、
前記第1延在部は、前記第2延在部内で、前記第2延在部の前記前後方向の中心よりも後方まで延在することを特徴とする作業工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業工具であって、
前記第2インナハウジングは、前記上下方向および前記前後方向と直交する左右方向において、左側部材と右側部材とが連結されることで形成されており、
前記第1延在部は、前記左側部材および前記右側部材によって挟持されていることを特徴とする作業工具。
【請求項4】
請求項3に記載の作業工具であって、
前記第1インナハウジングと、前記左側部材と、前記右側部材とは、前記延在部の後端部において、ネジを介して互いに連結されていることを特徴とする作業工具。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1つに記載の作業工具であって、
前記第1インナハウジングの前記収容部は、少なくとも、前記スピンドルと、前記伝達機構の少なくとも一部とを収容しており、
前記収容部と前記第1延在部とは、単一の金属製部材として形成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の作業工具であって、
前記第1インナハウジングは、少なくとも1つの第1係合部を備え、
前記第2インナハウジングは、少なくとも1つの第2係合部を備え、
前記少なくとも1つの第1係合部および前記少なくとも1つの第2係合部は、互いに係合することで、前記第1インナハウジングと前記第2インナハウジングとの相対移動を規制するように構成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項7】
請求項6に記載の作業工具であって、
前記モータは、前記スピンドルの後側に配置されており、
前記少なくとも1つの前記第1係合部は、前記スピンドルの前側と、前記スピンドルと前記モータの間に夫々配置された複数の第1係合部を含み、
前記少なくとも1つの前記第2係合部は、前記スピンドルの前側と、前記スピンドルと前記モータの間に夫々配置され、前記複数の第1係合部に係合する複数の第2係合部を含むことを特徴とする作業工具。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1つに記載の作業工具であって、
前記延在部の後端部に設けられたウェイトを更に備え、
前記ウェイトの少なくとも一部は、前記延在部の後端よりも後側に配置されていることを特徴とする作業工具。
【請求項9】
請求項8に記載の作業工具であって、
前記第2インナハウジングは、前記上下方向および前記前後方向と直交する左右方向において、左側部材と右側部材とが連結されることで形成されており、
前記ウェイトは、前記左側部材および前記右側部材によって挟持されていることを特徴とする作業工具。
【請求項10】
請求項8または9に記載の作業工具であって、
左側または右側からみたときに、前記第1延在部の上方の領域または下方の領域に、前記ウェイトの少なくとも一部が重なることを特徴とする作業工具。
【請求項11】
請求項10に記載の作業工具であって、
電線を保持するように構成されたホルダを更に備え、
前記ホルダの少なくとも一部は、前記上下方向において、前記第1延在部と前記ウェイトの少なくとも一部との間に配置されていることを特徴とする作業工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端工具を揺動駆動するように構成された作業工具に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの出力をスピンドルに伝達し、スピンドルの下端部に装着された先端工具を揺動駆動することで、被加工材に加工作業を行う作業工具(いわゆる振動工具)が知られている。更に、振動工具において、防振のために、モータおよび駆動機構を収容するインナハウジングと、使用者によって把持されるアウタハウジングとが、弾性連結される場合がある。このような、いわゆる防振ハウジング構造を備えた振動工具では、先端工具にある程度の負荷がかかった場合に、使用者に把持されたアウタハウジング内で、インナハウジングが無用に揺動してしまう可能性がある。そこで、例えば、特許文献1では、インナハウジングを長尺状とし、更に、インナハウジングにウェイトを設けることで、インナハウジングの慣性モーメントを増大させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019―98464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の振動工具によれば、インナハウジングの慣性モーメントを増大させることで、アウタハウジングに対するインナハウジングの無用の動き、ひいては、先端工具の作業効率の低下を抑制することができる。一方で、インナハウジングが合成樹脂で長尺状に形成されている場合には、温度、湿度等の影響により、インナハウジング自体がバネ要素のように作用する可能性がある。この場合、期待されるほどの防振効果を得られない可能性が考えられる。
【0005】
本発明は、先端工具を揺動駆動するように構成された作業工具の防振ハウジング構造に関する改善を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、先端工具を揺動駆動するように構成された作業工具が提供される。この作業工具は、スピンドルと、モータと、伝達機構と、インナハウジングと、アウタハウジングとを備える。
【0007】
スピンドルは、第1の軸周りに回転可能に支持されている。第1の軸は、作業工具の上下方向を規定する。スピンドルは、先端工具を着脱可能に構成された下端部を有する。モータは、第1の軸に平行な第2の軸周りに回転可能な出力シャフトを有する。伝達機構は、出力シャフトの回転をスピンドルに伝達し、スピンドルを第1の軸周りの所定の角度範囲内で往復回動させるように構成されている。インナハウジングは、長尺状に形成されており、第1の軸および第2の軸に直交し、作業工具の前後方向を規定する長軸を有する。アウタハウジングは、長尺状に形成されており、前後方向に延在し、インナハウジングを収容する。アウタハウジングは、インナハウジングに弾性連結されている。なお、「弾性連結されている」とは、「少なくとも1つの弾性部材を介して連結されている」ということもできる。
【0008】
アウタハウジングは、前端部と、後端部と、把持部とを含む。把持部は、前端部と後端部とを連結する。把持部は、使用者によって把持される部分である。インナハウジングは、前端部と、延在部とを含む。インナハウジングの前端部は、アウタハウジングの前端部内に配置されている。延在部は、アウタハウジングの把持部内で、インナハウジングの前端部に対して実質的に相対移動不能に連結されて後方に延在する。
【0009】
また、インナハウジングは、金属製の第1インナハウジングと、合成樹脂製の第2インナハウジングとが互いに連結されることで形成されている。第1インナハウジングは、収容部と、第1延在部とを含む。収容部は、少なくともスピンドルを収容し、インナハウジングの前端部の少なくとも一部を構成する。第1延在部は、収容部から後方に延在し、延在部の一部を構成する。第2インナハウジングは、延在部の一部を構成する第2延在部を含む。更に、第1延在部は、第2延在部の前後方向の中心よりも後方まで延在する。言い換えると、第1延在部の後端は、第2延在部の前後方向の中心よりも後側に位置する。
【0010】
本態様の作業工具は、互いに弾性連結されたアウタハウジングとインナハウジングとを含むいわゆる防振ハウジング構造を有する。インナハウジングは、スピンドルを収容する前端部に加え、延在部を設けることで、長尺化されている。これにより、インナハウジングの第1の軸周りの慣性モーメントを増大させ、アウタハウジングに対するインナハウジングの無用の動き、ひいては、先端工具の作業効率の低下を抑制することができる。また、延在部は、金属製の第1延在部と、合成樹脂製の第2延在部によって構成されている。そして、第1延在部は、収容部から、第2延在部の前後方向の中心よりも後方まで延びている。このような構成により、第1延在部は、第2延在部に対して芯金のように機能することができる。よって、第1延在部は、第2延在部がバネ要素のように作用して防振効果を低下させるのを抑制することができる。
【0011】
本発明の一態様において、第2インナハウジングは、上下方向および前後方向と直交する左右方向において、左側部材と右側部材とが連結されることで形成されていてもよい。そして、第1インナハウジングの第1延在部は、左側部材および右側部材によって挟持されていてもよい。この場合、インナハウジング全体を確実に結合でき、且つ、組立性に優れたインナハウジング構造を実現することができる。
【0012】
本発明の一態様において、第1インナハウジングと、左側部材と、右側部材とは、延在部の後端部において、ネジを介して互いに連結されていてもよい。この場合、インナハウジング全体としての剛性を最も効果的に高めることができる。
【0013】
本発明の一態様において、第1インナハウジングの収容部は、少なくとも、スピンドルと、伝達機構の少なくとも一部とを収容してもよい。そして、収容部と第1延在部とは、単一の金属製部材として形成されていてもよい。この場合、第1インナハウジングが互いに連結された複数の部材で形成される場合に比べ、第1インナハウジング全体の剛性を高めることができ、また、部品数を低減できるるため、好ましい。
【0014】
本発明の一態様において、第1インナハウジングは、少なくとも1つの第1係合部を備え、第2インナハウジングは、少なくとも1つの第2係合部を備えてもよい。そして、少なくとも1つの第1係合部および少なくとも1つの第2係合部は、互いに係合することで、第1インナハウジングと第2インナハウジングとの相対移動を規制するように構成されていてもよい。この場合、ネジ等の固定手段による連結箇所を最小限としつつ、第1インナハウジングと第2インナハウジングとを効率的に連結することができる。
【0015】
本発明の一態様において、モータは、スピンドルの後側に配置されていてもよい。そして、少なくとも1つの第1係合部は、スピンドルの前側と、スピンドルとモータの間に夫々配置された複数の第1係合部を含み、少なくとも1つの第2係合部は、スピンドルの前側と、スピンドルとモータの間に夫々配置され、複数の第1係合部に係合する複数の第2係合部を含んでもよい。この場合、前端部における第1インナハウジングと第2インナハウジングとの相対移動を効果的に規制することができる。
【0016】
本発明の一態様において、作業工具は、延在部の後端部に設けられたウェイトを更に備えてもよい。そして、ウェイトの少なくとも一部は、延在部の後端よりも後側に配置されていてもよい。この場合、ウェイトによって、インナハウジングの慣性モーメントを効果的に増大させることができる。
【0017】
本発明の一態様において、第2インナハウジングは、上下方向および前後方向と直交する左右方向において、左側部材と右側部材とが連結されることで形成されていてもよい。そして、ウェイトは、左側部材および右側部材によって挟持されていてもよい。この場合、ウェイトを第2インナハウジングに確実に結合でき、組み立ても容易である。
【0018】
本発明の一態様において、左側または右側からみたときに、第1延在部の上方の領域または下方の領域に、ウェイトの少なくとも一部が重なっていてもよい。言い換えると、ウェイトの少なくとも一部が、第1延在部の一部の真上または真下に配置されていてもよい。この場合、延在部の限られたスペースを有効活用して、ウェイトを合理的に配置することができる。
【0019】
本発明の一態様において、作業工具は、電線を保持するように構成されたホルダを更に備えてもよい。そして、ホルダの少なくとも一部は、上下方向において、第1延在部とウェイトの少なくとも一部との間に配置されていてもよい。この場合、作業工具の組み立て時に、ホルダが電線を特定の位置で保持することができるため、組立性を向上することができる。また、延在部の限られたスペースを有効活用して、ホルダおよびウェイトを合理的に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】振動工具の斜視図である。
図2】振動工具の断面図である。
図3図2のIII-III線における断面図である。
図4】アウタハウジングが取り外された振動工具の上方からの斜視図である。
図5】アウタハウジングが取り外された振動工具の上方からの斜視図である。
図6図2の部分拡大図である。
図7図2の別の部分拡大図である。
図8】金属ハウジングの斜視図である。
図9】振動工具の分解斜視図である(但し、アウタハウジングは除く)。
図10図6のX―X線における断面図である。
図11】電線ホルダの斜視図である。
図12】電線ホルダの分解斜視図である。
図13】上側シェルが取り外された振動工具の上方からの斜視図である。
図14図2のXIV―XIV線における断面図である。
図15】右側シェルの斜視図である。
図16図7のXVI―XVI線における断面図である。
図17図2のXVII―XVII線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施形態に係る振動工具1について説明する。なお、振動工具1は、先端工具91を揺動駆動して、被加工材(図示せず)に対して加工作業を行う電動式の作業工具の一例である。
【0022】
まず、振動工具1の概略構成について説明する。図1および図2に示すように、振動工具1は、長尺状のハウジング(工具本体ともいう)10を備えている。ハウジング10の長軸方向における一端部には、長尺状のスピンドル40と、モータ41と、伝達機構45とが収容されている。スピンドル40は、その長軸がハウジング10の長軸に略直交するように配置されている。スピンドル40の軸方向における一端部は、ハウジング10から突出し、外部へ露出している。この一端部は、先端工具91が取り外し可能に装着される工具装着部401を構成する。また、ハウジング10の長軸方向における他端部には、モータ41への給電用のバッテリ93が取り外し可能に装着される。振動工具1では、モータ41の動力によって、スピンドル40が駆動軸A1周りに所定の角度範囲内で往復回動することで、先端工具91を揺動面P1上で揺動させるように構成されている。
【0023】
なお、以下の説明では、便宜上、振動工具1の方向に関し、駆動軸A1の延在方向を上下方向と定義する。上下方向において、スピンドル40の工具装着部401側を下側、反対側を上側と定義する。また、駆動軸A1に直交し、且つ、ハウジング10の長軸方向に対応する方向を前後方向と定義する。前後方向において、スピンドル40が収容されているハウジング10の一端部側を前側、バッテリ93が装着される他端部側を後側と定義する。また、上下方向および前後方向に直交する方向を、左右方向と定義する。
【0024】
以下、振動工具1の詳細構成について説明する。
【0025】
まず、ハウジング10の構成について説明する。本実施形態のハウジング10は、いわゆる防振ハウジングとして構成されている。より詳細には、図1図3に示すように、ハウジング10は、振動工具1の外郭を形成する長尺状のアウタハウジング2と、アウタハウジング2に収容され、アウタハウジング2に弾性連結された長尺状のインナハウジング3とを含む。
【0026】
図1図3に示すように、前後方向に関し、アウタハウジング2は、前端部21と、後端部23と、前端部21と後端部23を連結する中間部22とを含む。
【0027】
前端部21は、概ね矩形箱状に形成されている。前端部21の内部には、インナハウジング3の前端部30が配置されている。前端部21の上前端部には、レバー77が回動可能に支持されている。レバー77は、クランプ機構60(図6参照)による先端工具91のクランプとその解除のための操作部材である。また、前端部21の上壁部の後端部には、開口が設けられている。この開口を介して、スライド式の操作部294が外部操作可能に露出している。操作部294は、モータ41の起動用のスイッチ29をオン状態とオフ状態との間で切り替えるための操作部材である。
【0028】
後端部23は、後方へ向けて広がる(断面積が大きくなる)筒状に形成されている。後端部23の内部には、インナハウジング3の弾性連結部38および後端部39が配置されている。
【0029】
中間部22は、筒状に形成されており、直線状に前後方向に延在する。中間部22は、使用者によって把持される部分である。よって、以下では、中間部22を、把持部22ともいう。把持部22は、使用者が把持しやすいように、前端部21および後端部23よりも細く形成されている。言い換えると、把持部22の断面の外周長は、前端部21および後端部23の断面の外周長よりも短い。
【0030】
本実施形態では、アウタハウジング2は、互いに別体として形成された上側シェル27と、下側シェル28と、スイッチホルダ20とが連結されることで形成されている。上側シェル27、下側シェル28およびスイッチホルダ20の各々は、合成樹脂で一体成形された部材である。詳細な図示は省略するが、アウタハウジング2は、スイッチホルダ20が間に配置された状態で上側シェル27と下側シェル28とが上下方向に重ねられ、複数個所においてこれらがネジで連結されることで、形成されている。
【0031】
図2図5に示すように、前後方向に関し、インナハウジング3は、前端部30と、延在部35と、弾性連結部38と、後端部39とを含む。
【0032】
図6に示すように、前端部30は、スピンドル40と、モータ41と、伝達機構45とを収容する部分である。より詳細には、前端部30は、第1収容部31と、第2収容部32と、第3収容部33と、カバー部34とを含む。
【0033】
第1収容部31は、スピンドル40を収容する部分である。第1収容部31は、上下方向に延在する円筒状に形成されている。第2収容部32は、モータ41を収容する部分である。第2収容部32は、第1収容部31よりも大径の円筒状に形成されている。第2収容部32は、第1収容部31の後側に配置されている。また、第2収容部32は、第1収容部31よりも上下方向に短く、第2収容部32の下端は、第1収容部31の下端よりも上方にある。第3収容部33は、伝達機構45を収容する部分である。第3収容部33は、第1収容部31の後側、且つ、第2収容部32の下側に配置されている。第3収容部33は、第1収容部31および第2収容部32と連通している。カバー部34は、第1収容部31の上端の開口および第2収容部32の上端の開口を覆う部分である。
【0034】
図2図5に示すように、延在部35は、前端部30の後端から後方に延在する部分である。また、延在部35は、アウタハウジング2の把持部22の少なくとも一部に対応する部分である。なお、ここでいう「把持部22の少なくとも一部に対応する」とは、「把持部22の少なくとも一部に、延在部35の一部または全部が収容されている」と言い換えることもできる。本実施形態では、延在部35の前後方向の長さは、把持部22の前後方向の長さと概ね同じであって、延在部35の概ね全体が把持部22内に配置されている。
【0035】
延在部35は、延在部35の外郭を形成する外側延在部36と、外側延在部36内に配置された内側延在部37とを含む。外側延在部36は、矩形筒状に形成されており、前端部30(より詳細には、第2収容部32)の後端部)から後方に延びている。内側延在部37は、外側延在部36内で、前端部30(より詳細には、第2収容部32)の後端部)から外側延在部36の後端部まで、後方に延在する。内側延在部37の後端は、外側延在部36の後端(延在部35の後端)よりも若干前方に位置する。つまり、前後方向において、内側延在部37は、外側延在部36の大部分に亘って延びている。また、内側延在部37は、外側延在部36の下部内に配置されている。なお、本実施形態では、内側延在部37は、振動工具1の左右方向の中心を通る仮想的な平面P2(駆動軸A1および回転軸A2を含む平面ともいえる。図3参照)上で直線状に延在する。
【0036】
弾性連結部38は、延在部35の後端から後方に延在し、延在部35と後端部39とを相対移動可能に連結する部分である。より詳細には、弾性連結部38は、外側延在部36と後端部39とを前後方向に連結する複数の弾性リブ381を含む。本実施形態では、4本の弾性リブ381が、インナハウジング3の長軸周りに、互いに離間して配置されている。弾性リブ381は、インナハウジング3の他の部分に比べ、弾性変形しやすい形状に形成され、且つ、弾性係数の低い材料で形成されている。弾性リブ381は、加工作業時に前端部30で発生する振動が、後端部39へ伝達されることを抑制することができる。
【0037】
後端部39は、概ね矩形箱状に形成されている。なお、上述のように、後端部39は、アウタハウジング2の後端部23の内部に配置されるが、後端部23と、後端部39の外周面との間には、隙間が形成されている。この隙間は、モータ41や制御ユニット395を冷却するための空気(冷却風)をアウタハウジング2内へ流入させるための吸気口である。
【0038】
また、図4および図5に示すように、インナハウジング3は、互いに別体として形成された金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とが連結されることで形成されている。
【0039】
金属ハウジング301は金属製の単一部材である。図6図8および図9に示すように、金属ハウジング301の前側部分は、先端工具91の駆動部(モータ41、伝達機構45、スピンドル40)の収容部302として構成されている。収容部302は、上述の第1収容部31と、第2収容部32と、第3収容部33とを含む。一方、金属ハウジング301の後側部分は、内側延在部37によって構成されている。つまり、金属ハウジング301は、前端部30の一部と、延在部35の一部とを構成する。
【0040】
これに対し、図9に示すように、樹脂ハウジング305は、互いに別体として形成された合成樹脂製の右側シェル306と左側シェル307とが、左右方向に連結されることで形成されている。樹脂ハウジング305は、上述のカバー部34と、外側延在部36と、弾性連結部38と、後端部39とを含む。つまり、樹脂ハウジング305は、前端部30の一部と、延在部35の一部と、弾性連結部38と、後端部39とを構成する。なお、本実施形態では、右側シェル306と左側シェル307は、ネジで連結される部分等を除き、概ね左右対称(平面P2(図3参照)に関して面対称)に形成されている。
【0041】
インナハウジング3は、金属ハウジング301の内側延在部37が右側シェル306と左側シェル307(詳細には、外側延在部36を構成する部分)に左右方向から挟まれた状態で、金属ハウジング301と、右側シェル306および左側シェル307とがネジを介して連結されることで形成されている。
【0042】
なお、以上に説明したハウジング10の組み立てと、アウタハウジング2とインナハウジング3との弾性連結構造については、後で詳述する。
【0043】
以下、インナハウジング3の内部構造について説明する。
【0044】
まず、前端部30の内部構造について説明する。図6に示すように、前端部30には、主に、スピンドル40と、モータ41と、伝達機構45と、クランプ機構60とが収容されている。
【0045】
まず、スピンドル40について説明する。スピンドル40は、略円筒状の長尺部材である。本実施形態では、スピンドル40は、第1収容部31に保持された2つの軸受によって、駆動軸A1周りに回転可能に支持されている。上述のように、スピンドル40の下端部は、工具装着部401として構成されており、先端工具91を着脱可能である。
【0046】
モータ41について説明する。モータ41は、ブラシレス直流モータであって、ステータ411と、ステータの径方向内側に配置されたロータと、ロータと一体的に回転する出力シャフト413とを備える。なお、本実施形態では、ロータと出力シャフト413は、単一の部材として一体的に形成されているが、別個に形成されて互いに連結されていてもよい。モータ41は、出力シャフト413の回転軸A2が駆動軸A1と平行に(つまり上下方向に)延在するように、第2収容部32に収容されている。出力シャフト413は、ステータ411よりも下方に突出している。出力シャフト413には、モータ41を冷却するためのファン42が固定されている。
【0047】
ステータ411の上側には、ホールセンサ(図示略)が搭載された基板415が配置されている。また、ステータ411の上後端部の後方には、モータ41への給電用の端子を有する端子台417が配置されている。第2収容部32の上後端部(内側延在部37の上方に位置する部分)には、上端から下方に凹む凹部が設けられており(図8参照)、端子台417は、この凹部から後方に突出している。なお、本実施形態では、基板415および端子台417は、ステータ411に固定され、ステータ411と共に、ステータアセンブリ410を構成している。
【0048】
伝達機構45について説明する。伝達機構45は、出力シャフト413の回転運動をスピンドル40に伝達し、スピンドル40を駆動軸A1周りの所定の角度範囲内で往復回動させるように構成された周知の機構である。伝達機構45は、偏心シャフト451と、駆動軸受456と、揺動アーム458とを備える。
【0049】
偏心シャフト451は、モータ41の出力シャフト413に同軸状に連結されたシャフトである(図では、偏心シャフト451は、出力シャフト413と一体的に図示されている)。偏心シャフト451は、第2収容部32の下端部および第3収容部33の下端部に夫々保持された2つの軸受によって、回転可能に支持されている。偏心シャフト451は、回転軸A2に対して偏心した偏心部454を有する。偏心部454には、駆動軸受456の内輪が取り付けられている。揺動アーム458は、駆動軸受456とスピンドル40とを接続する部材である。揺動アーム458は、第1収容部31および第3収容部33に亘って延在している。周知の構成であるため、詳細な図示は省略するが、揺動アーム458の一端部は、環状に形成されており、スピンドル40を支持する2つの軸受の間で、スピンドル40の外周に固定されている。揺動アーム458の他端部は、二股状に形成されており、左右から駆動軸受456の外輪の外周面に当接するように配置されている。
【0050】
モータ41が駆動されると、出力シャフト413と一体的に偏心シャフト451が回転し、揺動アーム458は、スピンドル40の駆動軸A1を中心として所定の角度範囲内で揺動される。スピンドル40は、揺動アーム458の揺動運動に伴って、駆動軸A1周りに所定の角度範囲内で往復回動する。その結果、スピンドル40に固定された先端工具91が揺動面P1上で駆動軸A1周りに揺動駆動され、加工作業が遂行可能となる。
【0051】
以下、クランプ機構60について説明する。クランプ機構60は、先端工具91を、スピンドル40と一体的に回転可能に工具装着部401に固定するように構成された機構である。図6および図10に示すように、本実施形態では、クランプ機構60は、クランプシャフト61と、クランプバネ65と、ロック機構7とを備えている。
【0052】
クランプシャフト61は、略円柱状の長尺部材であって、スピンドル40と同軸状に、スピンドル40に取り外し可能に挿通されている。クランプシャフト61の下端部には、フランジ状のクランプヘッド615が設けられている。
【0053】
クランプバネ65は、クランプシャフト61をスピンドル40に対して上方に付勢し、先端工具91をクランプするためのクランプ力をクランプシャフト61に付与する付勢部材である。なお、本実施形態では、クランプバネ65は、ロック機構7を介してクランプシャフト61を上方に付勢するように構成されている。
【0054】
ロック機構7は、クランプシャフト61を、先端工具91をクランプ可能なクランプ位置(図6および図10に示す位置)で保持(ロック)するように構成された機構である。ロック機構7は、第1収容部31内において、スピンドル40の上方に配置されている。本実施形態では、ロック機構7は、一対のクランプ部材71と、ホルダ73と、カラー75とを含む。
【0055】
一対のクランプ部材71は、駆動軸A1を挟んで対向するように配置されている。クランプ部材71は、クランプシャフト61の上端部に形成された溝部に係合可能である。ホルダ73は、一対のクランプ部材71を、駆動軸A1に対して径方向に移動可能に保持する。詳細な図示は省略するが、一対のクランプ部材71は、クランプシャフト61の上端部に係合可能な係合位置と、上端部に係合不能な解除位置との間で径方向に移動可能である。なお、一対のクランプ部材71は、径方向内側の係合位置に向けて常に付勢されている。
【0056】
カラー75は、円筒状の部材であって、上下方向に移動不能、且つ、駆動軸A1周りに回転可能にインナハウジング3に保持されている。カラー75は、ホルダ73およびクランプ部材71を、カラー75に対して上下方向に相対移動可能に保持する。クランプ部材71は、使用者によるレバー77の回動操作に伴って、係合位置から移動不能な位置(以下、ロック位置という)と、係合位置から解除位置へ径方向に移動可能な位置(以下、アンロック位置という)との間で、カラー75に対して、ホルダ73と共に上下方向に移動可能である。
【0057】
以下に、レバー77の回動操作と、クランプ機構60の動作について簡単に説明する。
【0058】
図9および図10に示すように、レバー77は、略U字状に形成されている。レバー77は、合成樹脂で形成された単一の部材であって、両端部の対向方向に弾性変形する(撓む)ことができる。レバー77の両端部(以下、係合部772という)は、アウタハウジング2の前端部21の上部に、左右方向に延在する回動軸A3周りに回動可能に支持されている。レバー77は、レバー77の中央部が前端部21の前面に当接する位置(以下、前方位置という。図1参照)と、レバー77の中央部が前端部21の上方に配置される位置(以下、上方位置という。図示略。)との間で回動可能である。
【0059】
レバー77は、回動シャフト78に連結されている。回動シャフト78は、インナハウジング3の前端部30(詳細には、カバー部34)を左右方向に貫通する貫通孔に挿通され、ロック機構7(ホルダ73)の上方で左右方向に延在している。回動シャフト78の両端部は、レバー77の係合部772に連結されており、係合部772を介してアウタハウジング2に支持されている。回動シャフト78は、レバー77の回動操作に伴って、レバー77と一体的に回動軸A3周りに回動する。回動シャフト78の中央部(駆動軸A1上)には、回動軸A3に対して偏心した偏心部(カム部)781が設けられている。
【0060】
図6および図10に示すように、レバー77が前方位置に配置されている場合、偏心部781のうち径がより小さい部分(短径部)が、ホルダ73から離間して上方に配置される。よって、回動シャフト78がクランプバネ65の付勢力を受けることはない。このとき、一対のクランプ部材71は、カラー75に対してロック位置に配置され、係合位置でクランプシャフト61を挟持しつつ、クランプバネ65によってホルダ73と共に上方へ付勢され、クランプシャフト61を最上方位置で保持する。クランプヘッド615は、工具装着部401と共に先端工具91をクランプする。
【0061】
一方、レバー77が前方位置から上方に回動され、上方位置に配置されると、その過程で、偏心部781のうち径がより大きい部分(長径部)が上方からホルダ73の上端部に接触し、クランプバネ65を更に圧縮しつつ、スピンドル40およびカラー75に対し、ホルダ73およびクランプ部材71を下方へ移動させる。これにより、クランプバネ65によってクランプヘッド615に付与されるクランプ力(スピンドル40に対して先端工具91を上方に押し付ける力)が解除される。クランプ部材71は、ロック位置からアンロック位置に移動可能となる。よって、使用者は、スピンドル40からクランプシャフト61を引き抜き、先端工具91を交換することができる。
【0062】
以下、後端部39の内部構造について説明する。図2および図3に示すように、本実施形態では、後端部39の後側部分は、バッテリ装着部391として構成され、後端部39の前側部分は、制御ユニット収容部392として構成されている。
【0063】
バッテリ装着部391は、バッテリ93をスライド係合可能な係合構造と、バッテリ93の端子と電気的に接続可能な端子等を有する。なお、バッテリ装着部391とその構造自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
制御ユニット収容部392には、制御ユニット395が収容されている。詳細な図示は省略するが、制御ユニット395は、三相インバータ、三相インバータを介してモータ41の駆動を制御する制御回路(例えば、CPUを備えたマイクロコンピュータ)、これらが搭載された基板、基板を収容するケース等を含む。制御ユニット395は、図示しない電線を介して、バッテリ装着部391、スイッチ29等と電気的に接続している。また、本実施形態では、モータ41および後述の照明装置260への給電は、制御ユニット395を介して行われる。よって、制御ユニット395からは、モータ41に接続される電線419(図2参照)、および、照明装置260に接続される電線269(図4参照)が延出されている。制御ユニット395は、スイッチ29がオン状態とされると、モータ41および照明装置260への給電を行うように構成されている。
【0065】
弾性連結部38の内部構造について説明する。図2図5に示すように、弾性連結部38の内部空間(弾性リブ381に周方向を囲まれた空間領域)には、スイッチホルダ20が配置されている。スイッチホルダ20は、スイッチ29を保持するように構成された部材である。なお、詳細な図示は省略するが、スイッチホルダ20は、弾性連結部38の内部空間内に配置されるものの、上側シェル27および下側シェル28にネジで固定され、アウタハウジング2の一部とされている。
【0066】
延在部35の内部構造について説明する。図7に示すように、延在部35の外郭は、外側延在部36によって形成されている。また、内側延在部37は、外側延在部36の下部内で、外側延在部36の前端から後端部まで前後方向に延びている。このため、外側延在部36内には、内側延在部37の上方に空間が存在する。この空間には、ウェイト351の一部と、電線ホルダ5とが配置されている。
【0067】
ウェイト351は、駆動軸A1周りのインナハウジング3(特に、重量物を収容する前端部30と、前端部30に対して相対移動不能に連結された延在部35)の慣性モーメントを増大させるための部材である。本実施形態では、ウェイト351は、延在部35とは別個の部材として形成され、延在部35の後端部に取り付けられている。なお、本実施形態では、ウェイト351は、ウェイト351が取り付けられた状態のインナハウジング3の質量を増大させ、且つ、インナハウジング3の質量分布を調整する機能を有する。ウェイト351は、少なくとも、樹脂ハウジング305を形成する合成樹脂よりも密度の高い金属(例えば、鉄、亜鉛、アルミニウム、何れかを含有する合金等)で形成されている。
【0068】
図3図7および図9に示すように、ウェイト351は、前側部分352と、前側部分352の後端に接続し、後方に向かうにつれて断面積が大きくなるように構成された後側部分353とを含む。前側部分352は、外側延在部36内に配置され、ネジを介して外側延在部36に連結されている。なお、前側部分352の大部分は、左側(または右側)からみたときに、内側延在部37の後端部の上方の領域に重なっている。つまり、前側部分352の大部分は、内側延在部37の後端部の真上に配置されている。一方、ウェイト351の後側部分353は、外側延在部36の後方に突出しており、後側部分353の大部分は、弾性連結部38の内部空間(弾性リブ381に周方向を囲まれた空間領域)の前側領域に配置されている。なお、延在部35(外側延在部36)に対するウェイト351の取付けについては、後で詳述する。
【0069】
電線ホルダ5は、後端部39と前端部30との間を延在する電線を、延在部35内(詳細には、外側延在部36内)で保持するための部材である。図7に示すように、本実施形態では、電線ホルダ5は、後端部39の制御ユニット395から延出された電線(より詳細には、制御ユニット395とモータ41とを接続する電線419)を保持する。
【0070】
本実施形態では、電線ホルダ5は、延在部35とは別個の部材として形成され、外側延在部36内で保持されている。より詳細には、電線ホルダ5は、電線419用の通路50を規定する長尺の筒状体として形成されている。通路50は、電線ホルダ5を前後方向に貫通する。電線ホルダ5の前後方向の長さは、延在部35の全長よりも若干長く、電線ホルダ5の後端は、延在部35(外側延在部36)の後端よりも後方に位置する。電線419は、通路50内を前後方向に延在するように配置されている。電線419の両端は、電線ホルダ5の前端および後端から外部へ延びて、夫々、モータ41の端子台417の端子と、制御ユニット395の端子に接続されている。
【0071】
また、本実施形態では、図11および図12に示すように、電線ホルダ5は、別個の部材である本体51とカバー56とが互いに連結されることで形成されている。
【0072】
本体51は、概ねU字状の断面を有する長尺部材である。本体51は、通路50を規定する周壁52と、開口53とを有する。周壁52は、前後方向に長い矩形状の底壁521と、底壁521の左右の端から上方へ突出する一対の側壁523とを含む。各側壁523には、2つの突起524が設けられている。開口53は、本体51の上端に設けられて、本体51の全長に亘って前後方向に延在している。つまり、通路50と本体51の外部とは、開口53を介して連通している。
【0073】
カバー56は、本体51の開口53を覆うように、本体51に連結されている。本実施形態では、カバー56は、開口53を覆う矩形状の上壁561と、上壁561の左右の端から下方に突出する一対の側壁563とを有する。一対の側壁563は、本体51の一対の側壁523の外側に配置されている。各側壁563には、本体51の側壁523の2つの突起524に対応して、2つの係止孔564が設けられている。突起524が係止孔564に係合し、本体51とカバー56とが連結されることで、電線ホルダ5が形成されている。また、カバー56は、内側延在部37およびウェイト351の夫々に係合可能な構成を有する。この点については、後で詳述する。
【0074】
ところで、上述のように、モータ41の起動用のスイッチ29は、スイッチホルダ20を介してアウタハウジング2の後端部23に保持されている。そこで、アウタハウジング2には、スイッチ29の作動部291に連結され、スイッチ29をオン状態とオフ状態との間で切り替える切替部材293も保持されている。
【0075】
図2および図13に示すように、切替部材293は、前後方向に直線状に延在する長尺部材である。切替部材293の前端部には、操作部294が一体的に形成されている。切替部材293の後端部は、スイッチ29の作動部291に連結されている。切替部材293は、使用者による操作部294の前後方向のスライド操作に応じて前後方向に移動することで、作動部291をオン位置とオフ位置との間で移動させる(つまり、スイッチ29をオン状態とオフ状態との間で切り替える)ように構成されている。
【0076】
本実施形態では、切替部材293は、アウタハウジング2に支持された長尺の保持部材26によって、アウタハウジング2に対して前後方向に移動可能に保持されている。なお、図13に示すように、保持部材26は、複数の支持脚263と後端部262とを介して、アウタハウジング2の下側シェル28とスイッチホルダ20とに支持されている。また、図10に示すように、保持部材26の前端部の下面には、溝が形成されている。レバー77が前方位置に配置されているときには、保持部材26は、回動シャフト78の偏心部781が溝に係合した状態で、回動シャフト78によって支持される。
【0077】
更に、図13に示すように、保持部材26は、切替部材293に加え、照明装置260を保持する。照明装置260は、保持部材26の前端に設けられたアーム265によって保持され、上側シェル27と下側シェル28との間に設けられた開口から先端工具91による作業領域を照らすように配置されている。また、保持部材26は、制御ユニット395から照明装置260へ電力を供給するための電線269をガイドするように構成されている。より詳細には、保持部材26の上面には、後端部262からアーム265に亘って延在する溝が形成されている。電線269は、この溝に嵌め込まれ、保持されている。
【0078】
以下、アウタハウジング2とインナハウジング3との弾性連結構造について説明する。本実施形態では、アウタハウジング2とインナハウジング3とは、複数箇所で弾性的に連結されている。具体的には、前端部21と前端部30との間、レバー77および回動シャフト78と前端部30との間、ならびに、スイッチホルダ20と後端部39との間に、夫々、弾性部材が介在している。
【0079】
まず、前端部21と前端部30との弾性連結構造について説明する。
【0080】
図14に示すように、インナハウジング3の前端部30の下壁部(より詳細には、第3収容部33の下壁部)には、断面円形の凹部331が2つ設けられている。一方、アウタハウジング2の前端部21の下壁部には、円柱状の突起215が2つ設けられている。突起215は、夫々、凹部331の中央部に対向するように、前端部21の下壁部から上方に突出している。各凹部331には、円筒状の弾性部材11が嵌め込まれている。突起215は、弾性部材11の内部に嵌め込まれている。
【0081】
回動シャフト78と前端部30との弾性連結構造について説明する。
【0082】
図10に示すように、回動シャフト78は、レバー77を介してアウタハウジング2の前端部21に支持されており、前端部30のカバー部34を左右方向に貫通している。カバー部34の左壁部および右壁部には、夫々、内側(左右方向の中心側)に向けて凹む断面円形の凹部343が設けられている。一方、回動シャフト78には、円筒状の弾性部材13が2つ嵌め込まれている。各弾性部材13の内側部分は、カバー部34の凹部343に嵌め込まれている。弾性部材13の外側の面は、レバー77の係合部772(前端部21に係合する部分)のうち、前端部21の側壁の内側に配置される内側フランジ776に当接している。
【0083】
スイッチホルダ20と後端部39との弾性連結構造について説明する。
【0084】
図3に示すように、スイッチホルダ20は、概ね矩形箱状に構成されている。スイッチホルダ20の左壁部および右壁部には、夫々、内側(左右方向の中心側)に向けて凹む凹部が設けられている。凹部には、弾性部材15が嵌め込まれている。一方、インナハウジング3の後端部39(制御ユニット収容部392)の左壁部および右壁部からは、前方へ向けて、一対のアーム393が突出している。各アーム393の先端部には、内側(左右方向の中心側)に向けて突出する突起が設けられている。アーム393の先端は、弾性部材15の外面に接触し、突起は、弾性部材15に形成された貫通孔に嵌め込まれている。
【0085】
以上に説明した構成によって、インナハウジング3とアウタハウジング2とは、弾性部材11、13、15を介して、上下方向、前後方向、左右方向を含む全方向に相対移動可能とされている。つまり、インナハウジング3とアウタハウジング2とは、いかなる方向の振動にも対応可能に弾性連結されている。なお、本実施形態では、弾性部材11、13、15は、何れも超微細発泡構造を有するウレタン系樹脂で形成されている。
【0086】
以下、振動工具1の組み立てについて説明する。
【0087】
まず、インナハウジング3への内部構造の組付け、および、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305の連結について説明する。
【0088】
作業者は、まず、金属ハウジング301(図8参照)の前側部分である収容部302に、スピンドル40と、伝達機構45と、モータ41のうちステータアセンブリ410以外の部分と、ファン42とを組み付ける。
【0089】
また、組立て作業者は、制御ユニット395(図9参照)から延出された各種電線を、適宜、他の部品に接続する。具体的には、作業者は、ステータアセンブリ410の端子台417の端子に、電線419の一端を接続する。更に、作業者は、スイッチホルダ20に保持されたスイッチ29に電線(図示略)の一端を接続する。よって、インナハウジング3の組み立て時には、制御ユニット395は、少なくとも、ステータアセンブリ410、スイッチホルダ20の夫々と電線を介して接続されている。
【0090】
作業者は、制御ユニット395とステータアセンブリ410とを接続する電線419を、電線ホルダ5(図12参照)で保持する。具体的には、作業者は、本体51の内部(通路50)に電線419を配置し、本体51の上側からカバー56を嵌め込む。カバー56は、一対の側壁563が本体51の突起524に当接して外側に若干弾性変形した状態で(撓んだ状態)で、本体51に対して移動する。突起524がカバー56の係止孔564の位置に到達すると、側壁563は元の位置に復帰し、突起524が係止孔564に係合する。本体51とカバー56の連結が完了し、電線419の大部分が電線ホルダ5内に配置される。なお、通路50内では、電線419の周囲にはスペースが設けられており、作業者は、電線419の延在方向に電線ホルダ5を移動させることができる。
【0091】
作業者は、ステータアセンブリ410(図9参照)を、金属ハウジング301の収容部302(詳細には、第2収容部32)内に配置する。作業者は、更に、電線ホルダ5を、金属ハウジング301の内側延在部37に係合させる。
【0092】
より詳細には、図8に示すように、内側延在部37の上端部には、下方に凹む凹部371が設けられている。凹部371は、電線ホルダ5の下側部分を嵌合可能に構成されている。また、凹部371を規定する内側延在部37の一対の側壁の上後端部には、係合溝372が形成されている。係合溝372は、内側延在部37の上後端部の後端から前方に向けて形成された溝である。
【0093】
一方、図9および図11に示すように、電線ホルダ5の一対の側壁(詳細には、カバー56の一対の側壁563)には、左右に突出し、前後方向に延在する突出部565が設けられている。突出部565は、電線ホルダ5の下側部分が内側延在部37の凹部371に嵌め込まれると、内側延在部37の側壁の上端面に配置される部分である。また、電線ホルダ5の一対の側壁(詳細には、カバー56の一対の側壁563)には、左右に突出する突出片566が設けられている。突出片566は、突出部565よりも後方、且つ、下方に設けられており、内側延在部37の係合溝372に整合する形状を有する。更に、電線ホルダ5の前端部(詳細には、カバー56の前端部)には、前方へ突出する左右一対の突出片567が設けられている。
【0094】
作業者は、内側延在部37の凹部371(図8参照)に電線ホルダ5の下側部分を嵌め込み、前方にスライドさせて係合溝372に突出片566(図11参照)を係合させる。これに伴い、図7および図9に示すように、電線ホルダ5の前端部の突出片567は、内側延在部37の前端部の上端と、端子台417の間に挿入される。作業者は、以上に説明した手順で、電線ホルダ5を、金属ハウジング301に安定した状態で保持させることができる。電線ホルダ5は、後端部39から前端部30に亘って延びる電線419の大部分を覆っているため、その後の組み立て作業において、電線419が邪魔になることがなく、作業が容易となる。
【0095】
更に、作業者は、ウェイト351を、電線ホルダ5に係合させる。より詳細には、図7に示すように、ウェイト351の前端部には、前方へ突出する突起354が設けられている。突起354は、前方へ向かうにつれて上方へ湾曲するように形成されている。一方、図7および図11に示すように、電線ホルダ5(詳細には、カバー56)には、上方へ突出する突出部568が設けられている。突出部568は、後方に開口する内部空間を有する。突出部568の上壁は、突起354に整合する形状を有する。つまり、突出部568の上壁は、後端から前方に向かうにつれて上方へ湾曲する下面を有する。
【0096】
作業者は、ウェイト351の突起354を突出部568に挿入し、図7および図9に示すように、ウェイト351を電線ホルダ5(カバー56の上壁561)の上に載置する。これにより、突起354は、突出部568の上壁に係合する。作業者は、以上に説明した手順で、ウェイト351を、電線ホルダ5、ひいては金属ハウジング301に安定した状態で保持させることができる。
【0097】
続いて、作業者は、樹脂ハウジング305を金属ハウジング301に連結固定する。本実施形態では、図7および図9に示すように、内側延在部37と外側延在部36とがネジで連結されることで、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とが連結固定される。
【0098】
より詳細には、金属ハウジング301の内側延在部37には、左右方向に内側延在部37を貫通する2つの貫通孔374が設けられている。貫通孔374は、前後方向に互いから離間して設けられている。後側の貫通孔374は、内側延在部37の後端部(つまり、金属ハウジング301の後端部)に設けられている。前側の貫通孔374は、内側延在部37の前端部に設けられている。つまり、前側の貫通孔374は、収容部302の後側に隣接配置されている。
【0099】
一方、図15および図16に示すように、樹脂ハウジング305の右側シェル306のうち、外側延在部36を構成する部分には、左方に突出する2つの円筒部361が設けられている。2つの円筒部361は、夫々、内側延在部37の2つの貫通孔374に対応する位置に設けられている。より詳細には、後側の円筒部361は、外側延在部36の下後端部に設けられ、前側の円筒部361は、外側延在部36の下前端部に設けられている。円筒部361の内周面にはネジが切られている。
【0100】
同様に、樹脂ハウジング305の左側シェル307のうち、外側延在部36を構成する部分には、右方に突出する2つの円筒部362が設けられている。なお、図16では後側の円筒部362のみが図示されているが、前側の円筒部362も、後側の円筒部362と実質的に同一の構成を有する。2つの円筒部362は、夫々、内側延在部37の2つの貫通孔374に対応する位置に設けられており、右側シェル306の2つの円筒部361に対向する。
【0101】
作業者は、内側延在部37の貫通孔374に円筒部361を挿入しつつ、電線ホルダ5およびウェイト351を保持した状態の金属ハウジング301を、右側シェル306に嵌め込む。作業者は、更に、貫通孔374に円筒部362を挿入しつつ、電線ホルダ5およびウェイト351を保持した状態の金属ハウジング301に左側シェル307を嵌め込む。これにより、外側延在部36と内側延在部37とが係合する。
【0102】
なお、作業者は、回動シャフト78(図9参照)の右端部が右側シェル306の前端部に設けられた貫通孔から突出するように回動シャフト78を配置した後で、金属ハウジング301に左側シェル307を嵌め込む。右側シェル306および左側シェル307のうち、回動シャフト78の偏心部781の上側に配置される部分には、夫々、凹部が形成されている。よって、右側シェル306および左側シェル307が金属ハウジング301に嵌め込まれると、回動シャフト78の左端部も左側シェル307の貫通孔から突出するとともに、偏心部781の上方に開口が形成される(図10参照)。
【0103】
また、右側シェル306および左側シェル307が金属ハウジング301に嵌め込まれるのに伴い、右側シェル306および左側シェル307は、ウェイト351にも係合する。更に、右側シェル306および左側シェル307の前端部が、金属ハウジング301の前端部に係合する。
【0104】
より詳細には、図7図9および図16に示すように、ウェイト351には、左右方向に内側延在部37を貫通する2つの貫通孔355が設けられている。貫通孔355は、ウェイト351の前側部分352(つまり、外側延在部36内に配置される部分)に、前後方向に並んで設けられている。なお、後側の貫通孔355は、内側延在部37の後側の貫通孔374の真上に設けられている。
【0105】
一方、図15および図16に示すように、樹脂ハウジング305の右側シェル306のうち、外側延在部36の後端部を構成する部分には、左方に突出する2つの円筒部364が設けられている。2つの円筒部364は、夫々、ウェイトの2つの貫通孔355に対応する位置に設けられている。より詳細には、後側の円筒部364は、外側延在部36の上後端部(後側の円筒部361の真上)に設けられ、前側の円筒部364は、その前側に隣接して設けられている。円筒部364の内周面にはネジが切られている。
【0106】
同様に、樹脂ハウジング305の左側シェル307のうち、外側延在部36の後端部を構成する部分には、右方に突出する2つの円筒部365が設けられている。2つの円筒部365は、夫々ウェイト351の2つの貫通孔355に対応する位置に設けられており、右側シェル306の2つの円筒部364に対向する。なお、図16では後側の円筒部365のみが図示されているが、前側の円筒部365も、後側の円筒部365と実質的に同一の構成を有する。
【0107】
以上のような構成により、上述のように、右側シェル306および左側シェル307が金属ハウジング301に嵌め込まれると、夫々の円筒部364および365がウェイト351の貫通孔355に挿入される。これにより、ウェイト351が樹脂ハウジング305に係合する。
【0108】
更に、図9および図15に示すように、右側シェル306および左側シェル307の前端(つまり、カバー部34の前端)には、前方へ突出する突起341が設けられている。また、図9および図17に示すように、右側シェル306および左側シェル307の前端部の内側には、夫々、左方および右方に突出する円筒部342が設けられている。
【0109】
一方、図6および図9に示すように、金属ハウジング301の収容部302の上前端部(詳細には、第1収容部31の上前端部)には、上方に突出する突出部311が設けられている。突出部311は、後端面から前方に凹む係合溝312を有する。係合溝312は、右側シェル306および左側シェル307の2つの突起341を係合可能に構成されている。また、図9および図17に示すように、金属ハウジング301の収容部302の中央部(より詳細には、第1収容部31と第2収容部32との境界)には、左右一対の凹部314が設けられている。一対の凹部314は、夫々、右側シェル306および左側シェル307の円筒部342を係合可能に構成されている。
【0110】
以上のような構成により、右側シェル306および左側シェル307が金属ハウジング301に嵌め込まれると、夫々の突起341が係合溝312に係合するとともに、円筒部342が凹部314に嵌め込まれる。これにより、樹脂ハウジング305の前端部(カバー部34)が金属ハウジング301の前端部に係合する。
【0111】
なお、上述のように、電線419には制御ユニット395が接続されており、制御ユニット395には、電線(図示略)を介してスイッチ29が接続されている。よって、作業者は、右側シェル306および左側シェル307を金属ハウジング301に嵌め込むときに、制御ユニット395を後端部39を構成する部分に嵌め込むとともに、スイッチホルダ20に取り付けられた弾性部材15に、アーム393を係合させる。
【0112】
続いて、図9および図16に示すように、作業者は、左側シェル307の円筒部362の夫々にネジを挿入し、右側シェル306の円筒部361に螺合する。ネジの軸力により、右側シェル306、内側延在部37、および左側シェル307は、左右方向に隙間なく強固に連結される。同様に、作業者は、左側シェル307の円筒部365の夫々にネジを挿入し、右側シェル306の円筒部364に螺合する。ネジの軸力により、右側シェル306、ウェイト351、および左側シェル307も、強固に連結される。
【0113】
更に、作業者は、図9に示すように、右側シェル306と左側シェル307とを、上述の連結箇所以外の複数箇所でネジによって連結する。より詳細には、連結箇所は、カバー部34の前端部、外側延在部36の上前端部、および後端部39に設けられている。但し、これらの連結箇所では、右側シェル306と左側シェル307とが直接連結されるのみであって、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とが連結されるわけではない。
【0114】
以上の手順により、インナハウジング3への内部構造の組付け、および、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305の連結が終了する。
【0115】
以下、アウタハウジング2へのインナハウジング3およびその他の構造の組付けおよび上側シェル27と下側シェル28との連結について説明する。
【0116】
作業者は、回動シャフト78の両端部を弾性部材13に挿通し、弾性部材13の内側部分をカバー部34の凹部に嵌め込む。作業者は、更に、回動シャフト78の係合部772にレバー77を連結する。具体的には、作業者は、レバー77を弾性変形させて係合部772の間隔を広げ、係合部772の内側に設けられた凹部に回動シャフト78の両端部を嵌め込むことで、回動シャフト78とレバー77とを、一体的に回転可能に連結する。これにより、弾性部材15は、カバー部34とレバー77の内側フランジ776との間で左右方向に挟み込まれる(図10参照)。
【0117】
作業者は、更に、切替部材293が嵌め込まれた保持部材26を、アウタハウジング2側の部材上に配置する。具体的には、保持部材26の後端部262をスイッチホルダ20に載置し、保持部材26の前端部を、回動シャフト78の偏心部781に載置する(図4および図10参照)。更に、作業者は、電線269を保持部材26の溝内に配置し、照明装置260をアーム265に保持させる。
【0118】
続いて、作業者は、アウタハウジング2の上側シェル27内に、回動シャフト78、レバー77、保持部材26等が暫定的に保持されたインナハウジング3を配置し、下側シェル28を被せる。このとき、レバー77の左右の係合部772は、上側シェル27と下側シェル28とによって、上下から挟み込まれる。作業者は、上側シェル27と下側シェル28とを、複数箇所においてネジで連結する(例えば図17参照)。これにより、インナハウジング3がアウタハウジング2に収容され、レバー77および回動シャフト78が、回動軸A3周りに回動可能にアウタハウジング2に支持されて、組み立てが完了する。
【0119】
以上に説明したように、本実施形態の振動工具1は、互いに弾性連結されたアウタハウジング2とインナハウジング3とを含むいわゆる防振ハウジング構造を有する。インナハウジング3は、スピンドル40を収容する前端部30に加え、延在部35を設けることで、長尺化されている。これにより、インナハウジング3の駆動軸A1周りの慣性モーメントを増大させ、アウタハウジング2に対するインナハウジング3の無用の動き、ひいては、先端工具の作業効率の低下を抑制することができる。
【0120】
特に、本実施形態では、延在部35の後端部に、ウェイト351が取り付けられている。このようなウェイト351の付加により、インナハウジング3の慣性モーメントを更に増大させることができる。なお、延在部35の後端部は、インナハウジング3のうち、駆動部(モータ41、伝達機構45およびスピンドル40)を収容する部分と一体的に剛体として扱える部分(前端部30と延在部35をあわせた部分)の後端部である。よって、本実施形態のように、延在部35の後端部に、ウェイト351の一部(後側部分353)が延在部35の後端よりも後方に突出するように配置することで、前端部30と延在部35をあわせた部分の慣性モーメントを最も効果的に増大させることが可能となる。
【0121】
また、本実施形態では、延在部35は、金属ハウジング301の内側延在部37と、樹脂ハウジング305の外側延在部36とによって構成されている。
【0122】
外側延在部36は合成樹脂製であるため、温度や湿度の変化の影響を受けやすい。例えば、外側延在部36は、温度や湿度の高い環境下におかれると、変形しやすくなり、バネ要素のように作用する可能性がある。特に、外側延在部36の後端部に質量体(例えば、本実施形態のウェイト351)が配置されている場合には、外側延在部36がバネ要素として作用すると、先端工具91の揺動駆動に伴って生じる振動と質量体が共振する可能性もある。これに対し、本実施形態では、金属ハウジング301の一部である内側延在部37が、収容部302から、外側延在部36の前後方向の中心よりも後方まで延びている。よって、内側延在部37は、外側延在部36に対して芯金のように機能し、外側延在部36がバネ要素のように作用して防振効果を低下させるのを抑制することができる。
【0123】
更に、本実施形態では、樹脂ハウジング305は、右側シェル306と左側シェル307とが左右方向に連結されることで形成されている。そして、右側シェル306と左側シェル307とは、右側シェル306および左側シェル307によって内側延在部37が挟持された状態で連結されている。このような構成により、確実に結合ができ、組立性に優れたインナハウジング3が実現されている。
【0124】
また、本実施形態では、金属ハウジング301のうち、駆動部(モータ41、伝達機構45およびスピンドル40)を収容する収容部302と、内側延在部37とは、単一の金属製部材として形成されている。よって、収容部302と内側延在部37とが別個に形成されて連結される場合に比べ、金属ハウジング301全体の剛性を高めることができ、部品数を低減できる。
【0125】
更に、金属ハウジング301と、樹脂ハウジング305の右側シェル306および左側シェル307とは、延在部35の後端部(後側の貫通孔374と円筒部361および362とが係合する部分)において、ネジを介して互いに連結されている。つまり、前後方向において、スピンドル40から最も離れた位置で、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とが連結されている。これにより、前端部30および延在部35の全体としての剛性を最も効果的に高めることができる。具体的には、樹脂ハウジング305の駆動軸A1周りの回動に起因して生じうる樹脂ハウジング305と金属ハウジング301とのズレを、効果的に抑制することができる。
【0126】
本実施形態では、金属ハウジング301と、樹脂ハウジング305の右側シェル306および左側シェル307とは、延在部35の前端部(前側の貫通孔374と円筒部361および362とが係合する部分)においても、ネジを介して互いに連結されている。これにより、樹脂ハウジング305と金属ハウジング301とのズレを、更に確実に抑制することができる。
【0127】
また、本実施形態では、内側延在部37に加え、ウェイト351も、互いに連結された右側シェル306および左側シェル307のうち、外側延在部36を夫々構成する部分によって挟持されている。よって、ウェイト351を外側延在部36に確実に結合でき、組み立ても容易である。また、ウェイト351の前側部分352の大部分は、内側延在部37の後端部の真上に配置されている。よって、外側延在部36内の限られたスペースを有効活用した内側延在部37とウェイト351の合理的な配置が実現されている。
【0128】
更に、本実施形態では、延在部35には、電線ホルダ5が設けられ、後端部39に収容された制御ユニット395から延出された電線419を保持している。電線ホルダ5は、振動工具1の組み立て時に、変形して移動しやすい電線419を特定の位置で保持することで、振動工具1の組立性を向上することができる。特に、本実施形態では、電線ホルダ5は、インナハウジング3とは別個に形成され、外側延在部36に収容されている。更に、電線ホルダ5は、別体である本体51とカバー56とを連結することで形成されている。よって、上述のように、電線419を電線ホルダ5に保持させる作業、および、電線ホルダ5をインナハウジング3に収容する作業が特に容易である。
【0129】
また、本実施形態では、電線ホルダ5は、内側延在部37およびウェイト351と共に、外側延在部36内に配置されている。より詳細には、電線ホルダ5の一部は、上下方向において、内側延在部37とウェイト351の間に配置されている。よって、外側延在部36内の限られたスペースを有効活用した内側延在部37、ウェイト351、および電線ホルダ5の合理的な配置が実現されている。また、上述のように、電線ホルダ5は、内側延在部37およびウェイト351の夫々と部分的に係合可能に構成されている。このような係合構造は、組立作業時に仮留め機能を発揮することで、組立性を更に向上することができる。
【0130】
更に、本実施形態では、金属ハウジング301および樹脂ハウジング305は、夫々、ネジで連結されることなく互いに係合する係合部を備えている。具体的には、金属ハウジング301は、スピンドル40の前側(詳細には、収容部302の上前端部)に設けられた係合溝312と、前後方向においてスピンドル40とモータ41の間(詳細には、収容部302の左中央部および右中央部)に設けられた凹部314とを有する。一方、樹脂ハウジング305は、スピンドル40の前側(詳細には、カバー部34の前端部)に設けられ、係合溝312に係合可能な突起341と、前後方向においてスピンドル40とモータ41の間(詳細には、右側シェル306と左側シェル307の夫々の前端部の内側)に設けられ、凹部314に係合可能な円筒部342とを有する。
【0131】
係合溝312および突起341は、係合によって、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とが上下方向に相対移動するのを規制することができる。また、凹部314および円筒部342は、係合によって、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とが、円筒部342の軸に交差する方向に相対移動するのを規制することができる。なお、円筒部342の軸は左右方向に延在するため、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305との前後方向および上下方向の移動が規制される。
【0132】
本実施形態では、上述のように、レバー77の回動操作に伴って、クランプ力が解除されるときには、クランプバネ65の上方への付勢力が、回動シャフト78を介してカバー部34に作用する。これに対し、係合溝312と突起341との係合および、凹部314と円筒部342との係合によって、樹脂ハウジング305が金属ハウジング301に対して上方へ移動するのを効果的に規制することができる。特に、本実施形態では、スピンドル40の前側と後側(つまり、回動シャフト78が付勢力を受ける位置の前側と後側)で、樹脂ハウジング305の上方への移動をより確実に規制することができる。
【0133】
また、このような係合構造によって樹脂ハウジング305の上方への移動を規制することで、ネジによる金属ハウジング301と樹脂ハウジング305との連結箇所を最小限とすることができる。より詳細には、作業者は、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305とを、延在部35の2箇所のみで左右方向にネジで連結するだけでよく、前端部30において上下方向にネジで連結する必要がない。このため、組立性が更に向上する。また、上述のように、作業者は、右側シェル306と左側シェル307とを複数箇所でネジによって左右方向に連結するが、これらの箇所では、金属ハウジング301と樹脂ハウジング305との連結箇所と同じ方向に締め付けることができる。よって、作業効率も向上する。
【0134】
上記実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は単なる一例であって、本発明の各構成要素を限定するものではない。
【0135】
振動工具1は、「作業工具」の一例である。先端工具91は、「先端工具」の一例である。スピンドル40は、「スピンドル」の一例である。駆動軸A1は、「駆動軸」の一例である。モータ41および出力シャフト413は、夫々、「モータ」および「出力シャフト」の一例である。回転軸A2は、「第2の軸」の一例である。伝達機構45は、「伝達機構」の一例である。インナハウジング3、前端部30および延在部35は、夫々、「インナハウジング」、「前端部」、「延在部」の一例である。アウタハウジング2、前端部21、後端部23、および把持部(中間部)22は、夫々、「アウタハウジング」、「前端部」、「後端部」、および「把持部」の一例である。金属ハウジング301および樹脂ハウジング305は、夫々、「第1インナハウジング」および「「第2インナハウジング」の一例である。収容部302、内側延在部37、および外側延在部36は、夫々、「収容部」、「第1延在部」、および「第2延在部」の一例である。
【0136】
左側シェル307および右側シェル306は、夫々、「左側部材」および「右側部材」の一例である。係合溝312および凹部314の各々は、「第1係合部」の一例である。
突起341および円筒部342の各々は、「第2係合部」の一例である。ウェイト351は、「ウェイト」の一例である。電線ホルダ5は、「ホルダ」の一例である。
【0137】
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る作業工具は、例示された振動工具1の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に示す振動工具1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
【0138】
例えば、アウタハウジング2とインナハウジング3との弾性連結構造は、適宜変更されうる。例えば、弾性部材11、13、15の各々は、上記実施形態の例とは異なる材料(例えば、ゴム、バネ要素、別の種類の合成樹脂)で形成されていてもよい。弾性部材11、13、15の数、形状、および配置位置は、アウタハウジング2とインナハウジング3とを相対移動可能に弾性的に連結できる範囲で、適宜変更することができる。但し、少なくとも、スピンドル40を収容するインナハウジング3の前端部30と、前端部30を収容する前端部21とが弾性連結されていることが好ましい。また、弾性部材の数は特に限定されるものではないが、複数の弾性部材が設けられることがより好ましい。
【0139】
アウタハウジング2は、例えば、上側シェル27と下側シェル28に代えて、右側シェルと左側シェルとが連結されることで形成されてもよい。また、スイッチホルダ20は、必ずしもアウタハウジング2の一部として構成される必要はない。
【0140】
インナハウジング3を構成する金属ハウジング301および樹脂ハウジングの夫々の形状および構成部材、ならびに金属ハウジング301および樹脂ハウジング連結態様は、適宜変更されうる。
【0141】
例えば、金属ハウジング301は、複数の金属部材が実質的に相対移動不能に連結されることで形成されていてもよい。また、収容部302は、スピンドル40および伝達機構45のみを収容するように構成され、樹脂ハウジング305がモータ41を収容するように構成されてもよい。また、カバー部34は、樹脂ハウジング305ではなく、金属ハウジング301の一部であってもよい。更に、延在部35と後端部39とは、必ずしも弾性連結部38を介して連結されている必要はない。つまり、延在部35と後端部39とが直接連結されていてもよい。なお、弾性連結部38が設けられる場合には、弾性リブ381の数、形状、周方向における配置位置は、適宜変更されてもよい。更には、弾性連結部38および後端部39は省略されてもよい。つまり、延在部35の後端がインナハウジング3の後端を規定してもよい。また、インナハウジング3は、上側シェルと下側シェルとが連結されることで形成されていてもよい。
【0142】
内側延在部37の長さ、形状、外側延在部36内における配置位置、外側延在部36との連結態様は、適宜変更されうる。例えば、内側延在部37は、外側延在部36の前後方向の中心位置よりも後方まで延びていればよく、必ずしも外側延在部36の後端部に達している必要はない。また、内側延在部37は、外側延在部36の下部ではなく、上部に配置されてもよいし、上下方向の中央部に配置されてもよい。内側延在部37と外側延在部36とは、少なくとも内側延在部37の後端部の1箇所においてネジを介して連結されることが好ましく、上記実施形態のように、内側延在部37の前端部でも連結されていると、より好ましい。更に、内側延在部37の中央部に連結箇所が設けられてもよい。あるいは、内側延在部37の後端部の複数箇所に連結箇所が設けられてもよい。
【0143】
外側延在部36は、全体が中空の筒状ではなく、少なくとも部分的に、前後方向に延在する棒状に形成されてもよい。あるいは、外側延在部36は、少なくとも部分的に、前後方向に延在する一対のアーム状に形成されてもよい。また、外側延在部36とカバー部34とは、別個に形成されて、前後方向に互いに連結されていてもよい。
【0144】
ウェイト351の数、大きさ、形状、材質、および配置位置は、適宜変更されてもよい。例えば、ウェイト351は、複数設けられてもよい。この場合、複数のウェイトは、夫々が異なる大きさや形状を有してもよい。ウェイト351は、必ずしも、右側シェル306と左側シェル307に挟み込まれた状態で延在部35に固定される必要はない。具体的には、ウェイト351は、例えば、外側延在部36の外表面に固定されていてもよいし、外側延在部36と一体成形されていてもよい。また、ウェイト351は、必ずしも延在部35の後端部に配置される必要はないが、インナハウジング3のうち、駆動部(モータ41、伝達機構45およびスピンドル40)を収容する部分と一体的に剛体として扱える部分において、駆動軸A1から比較的離れた位置に配置されることが好ましい。また、内側延在部37の変更に応じて、ウェイト351の位置は変更されうる。更に、ウェイト351は省略されてもよい。
【0145】
外側延在部36内に配置された電線ホルダ5の大きさ、形状、および構成部材も、適宜変更されうる。また、内側延在部37および/またはウェイト351の変更に応じて、電線ホルダ5の位置は変更されうる。また、電線ホルダ5によって保持される電線は、モータ41に接続される電線に限られず、前端部30または延在部35内に配置される他の電気部品(例えば、センサ)に接続されてもよい。電線ホルダ5と、内側延在部37および/またはウェイト351との係合構造は、上記実施形態の例に限られず、また、かかる係合構造は省略されてもよい。更に、電線ホルダ5自体が省略されてもよい。
【0146】
スピンドル40、モータ41、伝達機構45、クランプ機構60、制御ユニット395を含む内部機構の構成、および、アウタハウジング2に支持される部材(例えば、レバー77、回動シャフト78、切替部材293)の構成についても、上記実施形態の例に限られるものではなく、適宜、変更されてよい。例えば、スピンドル40は、第1収容部31の下端部から上端部に亘って延在してもよい。この場合、クランプ機構60の構成は適宜変更され、スピンドル40内に配置されてもよい。モータ41は、交流モータであってもよいし、ブラシを有するモータであってもよい。振動工具1は、バッテリ装着部391に代えて、外部の交流電源に接続可能な電源コードを備えてもよい。この場合、後端部39に配置される制御ユニット395は、三相インバータおよび制御回路に加え、電源コードに接続され、交流を直流に変換するAC-DCコンバータを備えてもよい。
【0147】
更に、本発明および上記実施形態とその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様の少なくとも1つが、上記実施形態の振動工具1、上記変形例、または各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記第1延在部の後端は、前記第2延在部の後端よりも前側に位置する。
[態様2]
前記第1延在部は、前記収容部から、前記第2延在部の後端部まで延びている。
[態様3]
前記第1延在部は、前記第1の軸および前記第2の軸を含む平面上に配置されている。
[態様4]
前記第2延在部は、前記第1延在部を少なくとも部分的に取り巻く筒状に形成されている。
[態様5]
前記収容部は、前記スピンドルと、前記モータと、前記伝達機構とを収容し、
前記モータは、前記収容部内で、前記スピンドルの後側に配置されている。
[態様6]
前記第2インナハウジングは、前記上下方向および前記前後方向と直交する左右方向において、左側部材と右側部材とが連結されることで形成されており、
前記第1インナハウジングと、前記左側部材と、前記右側部材とは、前記左右方向においてのみ、ネジを介して互いに連結されており、
前記少なくとも1つの第1係合部および前記少なくとも1つの第2係合部は、互いに係合することで、前記第1インナハウジングに対する前記左側部材および前記右側部材の前記上下方向の移動を規制するように構成されている。
[態様7]
作業工具は、
前記スピンドルに取り外し可能に挿入されたクランプシャフトと、
前記収容部内に配置され、前記クランプシャフトを上方へ付勢して、前記クランプシャフトにクランプ力を付与するように構成された付勢部材とを更に備え、
前記樹脂ハウジングは、前記収容部の上端を覆うように配置され、前記付勢部材の前記クランプ力の解除時に、上方への付勢力を受けるカバー部を含み、
前記少なくとも1つの第1係合部は前記収容部に設けられ、
前記少なくとも1つの第2係合部は、前記カバー部に設けられており、
前記少なくとも1つの第1係合部および前記少なくとも1つの第2係合部は、互いに係合することで、前記第1インナハウジングと前記第2インナハウジングとの前記上下方向の相対移動を規制するように構成されている。
クランプシャフト61、クランプバネ65、カバー部34は、夫々、本態様の「クランプシャフト」、「付勢部材」、「カバー部」の一例である。
【符号の説明】
【0148】
1:振動工具、10:ハウジング、11:弾性部材、13:弾性部材、15:弾性部材、2:アウタハウジング、20:スイッチホルダ、21:前端部、215:突起、22:中間部(把持部)、23:後端部、26:保持部材、260:照明装置、262:後端部、263:支持脚、265:アーム、269:電線、27:上側シェル、28:下側シェル、29:スイッチ、291:作動部、293:切替部材、294:操作部、3:インナハウジング、301:金属ハウジング、302:収容部、305:樹脂ハウジング、306:右側シェル、307:左側シェル、30:前端部、31:第1収容部、311:突出部、312:係合溝、314:凹部、32:第2収容部、33:第3収容部、331:凹部、34:カバー部、341:突起、342:円筒部、343:凹部、35:延在部、351:ウェイト、352:前側部分、353:後側部分、354:突起、355:貫通孔、36:外側延在部、361:円筒部、362:円筒部、364:円筒部、365:円筒部、37:内側延在部、371:凹部、372:係合溝、374:貫通孔、38:弾性連結部、381:弾性リブ、39:後端部、391:バッテリ装着部、392:制御ユニット収容部、393:アーム、395:制御ユニット、40:スピンドル、401:工具装着部、41:モータ、410:ステータアセンブリ、411:ステータ、413:出力シャフト、415:基板、417:端子台、419:電線、42:ファン、45:伝達機構、451:偏心シャフト、454:偏心部、456:駆動軸受、458:揺動アーム、5:電線ホルダ、50:通路、51:本体、52:周壁、521:底壁、523:側壁、524:突起、53:開口、56:カバー、561:上壁、563:側壁、564:係止孔、565:突出部、566:突出片、567:突出片、568:突出部、60:クランプ機構、61:クランプシャフト、615:クランプヘッド、65:クランプバネ、7:ロック機構、71:クランプ部材、73:ホルダ、75:カラー、77:レバー、772:係合部、776:内側フランジ、78:回動シャフト、781:偏心部、89:制御ユニット、91:先端工具、93:バッテリ、A1:駆動軸、A2:回転軸、A3:回動軸
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