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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20240920BHJP
   F24C 13/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F24C3/12 A
F24C13/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020215631
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022101197
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶太
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-014497(JP,A)
【文献】特開2001-340214(JP,A)
【文献】特開2019-190746(JP,A)
【文献】特開平02-131715(JP,A)
【文献】特開2019-002637(JP,A)
【文献】特開2018-179433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000283(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋付きの調理容器を収納する加熱室と、当該加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱部と、前記調理容器の温度を検出する温度検出部と、前記調理容器の内部に蒸し調理物及び水を入れて加熱する蒸し調理を設定する調理メニュー指令部と、運転を制御する運転制御部とが備えられた加熱調理器であって、
前記運転制御部が、前記調理メニュー指令部にて前記蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱部による加熱調理を開始し、その後、前記温度検出部の検出情報により前記調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、前記加熱部の加熱を停止して加熱調理を終了し、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記加熱部の加熱を停止した状態で前記設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、
前記加熱部が、前記調理容器を上方から加熱する上部バーナと前記調理容器を下方から加熱する下部バーナとからなる加熱バーナであり、
前記運転制御部が、加熱開始が指令されると前記上部バーナ及び前記下部バーナによる加熱調理を開始して、前記温度検出部の検出情報により前記調理容器の内部の水が沸騰したと判定すると、前記上部バーナの加熱を停止して前記下部バーナによる加熱調理を継続する加熱調理器。
【請求項2】
蓋付きの調理容器を収納する加熱室と、当該加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱部と、前記調理容器の温度を検出する温度検出部と、前記調理容器の内部に蒸し調理物及び水を入れて加熱する蒸し調理を設定する調理メニュー指令部と、運転を制御する運転制御部とが備えられた加熱調理器であって、
前記運転制御部が、前記調理メニュー指令部にて前記蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱部による加熱調理を開始し、その後、前記温度検出部の検出情報により前記調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、前記加熱部の加熱を停止して加熱調理を終了し、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記加熱部の加熱を停止した状態で前記設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、
前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記加熱部の加熱を停止した状態で設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行う余熱式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記余熱式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱部による加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく前記設定加熱時間が経過した後は、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記設定加熱時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行う加熱調理器。
【請求項3】
前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく設定加熱時間が経過した後は、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記設定加熱時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行う請求項に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記加熱バーナを停止した状態で設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定余熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記余熱併用焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく前記設定加熱時間が経過した後は、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記設定加熱時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行う請求項1又は3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記焼き式調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく設定加熱時間が経過した後は、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて、前記余熱調理を行う時間及び前記加熱後焼き調理を行う時間を設定して、前記余熱調理及び前記加熱後焼き調理を行う請求項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記加熱バーナを停止した状態で設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定余熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記余熱併用焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく設定加熱時間が経過した後は、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件に基づいて、前記余熱調理を行う時間及び前記加熱後焼き調理を行う時間を設定して、設定された時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、設定された時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行う請求項1又は5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記運転制御部が、前記加熱後焼き調理において、前記上部バーナ及び前記下部バーナの火力を、当該加熱後焼き調理を行う時間が設定時間よりも大きいときには、時間経過に伴って漸次減少させる請求項3~6のいずれか1項に記載の加熱調理器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付きの調理容器を収納する加熱室と、当該加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱部と、前記調理容器の温度を検出する温度検出部と、前記調理容器の内部に蒸し調理物及び水を入れて加熱する蒸し調理を設定する調理メニュー指令部と、運転を制御する運転制御部とが備えられた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱調理器は、例えば、蒸しようかん、シュウマイ等の蒸し調理を行う際に、調理容器の内部に蒸し調理物及び水を入れ、当該調理容器を加熱室に収納して、加熱部にて調理容器を加熱することにより、蒸し調理を行えるものである。
【0003】
このような加熱調理器の従来例として、調理容器の加熱を開始した後に調理容器の内部の水が沸騰すると、その時点から所定の時間が経過したとき、又は、調理容器の内部温度を検出する温度検出手段の検知温度が所定の温度を超えたときに、加熱調理を終了するものがある(例えば、特許文献1参照)。
ちなみに、特許文献1では説明が省略されているが、調理容器の内部温度を検出する温度検出手段の検知温度が所定の温度を超えたときとは、調理容器の内部の水が無くなり、検知温度が急上昇した時点であると考えられる。
【0004】
つまり、調理容器の内部に、十分な水が入れられていれば、調理容器の内部の水が沸騰した時点から所定の時間が経過するまでに、温度検出手段の検知温度が所定の温度を超えることはないが、調理容器の内部に入れる水が少ない場合には、調理容器の内部の水が沸騰した時点から所定の時間が経過するまでに、調理容器の内部の水が無くなり、検知温度が急上昇する結果、温度検出手段の検知温度が所定の温度を超える状態になると考えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公平6-61305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の加熱調理器においては、温度検出手段の検知温度が所定の温度を超えると、直ちに加熱調理を終了するものであるため、加熱不足になり、良好な蒸し調理を行えなくなる虞があり、改善が望まれるものである。
【0007】
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が、蒸し調理を行うのに適した量の許容範囲であれば、温度検出手段の検知温度が所定の温度を超えることにより加熱調理を終了しても、その終了時点が所定の時間が経過する時点に近くなるため、蒸し調理物を十分に加熱できると考えられる。
【0008】
しかしながら、調理容器の内部に入れる水の量が、蒸し調理を行うのに適した量の許容範囲よりも少ないと、つまり、調理容器の内部に入れる水の量がかなり少ないと、温度検出手段の検知温度が所定の温度を超えることによって加熱調理を終了する終了時点が、所定の時間が経過する時点よりもかなり前になり、蒸し調理物を十分に加熱する前に加熱調理が終了する結果、良好な蒸し調理を行えなくなる虞がある。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な蒸し調理を行える加熱調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の加熱調理器は、蓋付きの調理容器を収納する加熱室と、当該加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱部と、前記調理容器の温度を検出する温度検出部と、前記調理容器の内部に蒸し調理物及び水を入れて加熱する蒸し調理を設定する調理メニュー指令部と、運転を制御する運転制御部とが備えられたものであって、その特徴構成は、
前記運転制御部が、前記調理メニュー指令部にて前記蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱部による加熱調理を開始し、その後、前記温度検出部の検出情報により前記調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、前記加熱部の加熱を停止して加熱調理を終了し、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記加熱部の加熱を停止した状態で前記設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行う点にある。
【0011】
すなわち、運転制御部が、調理メニュー指令部にて蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、加熱部による加熱調理を開始することになる。
その後、運転制御部は、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、加熱部を停止して加熱調理を終了することになる。
つまり、シュウマイ、蒸しようかん等を蒸し調理する際に、調理容器の内部に十分な量の水が入れられていることにより、水無状態となることなく設定加熱時間が経過したときには、その設定加熱時間が経過した時点で加熱調理が終了されることになる。
【0012】
また、運転制御部は、設定加熱時間が経過する前に、温度検出部の検出情報により水無状態と判定したときには、加熱部を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行うことになる。
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われて、設定加熱時間が経過した時点で加熱調理が終了されることになる。
ちなみに、余熱調理は、加熱バーナを停止した状態で、加熱室が保有する熱にて調理容器を加熱するものであるから、調理容器を必要以上の熱にて加熱しないようにして、調理容器の内部に収容した調理物の表面に焦げ付き等を生じることを回避しながら、調理容器の内部の蒸し調理物を加熱することができる。
【0013】
このように、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われることになるから、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも、調理容器の内部に収納した蒸し調理物の表面に焦げ付き等が発生することを回避しながら、調理容器の内部の蒸し調理物を十分に加熱することができる。
【0014】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な蒸し調理を行える。
【0015】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記加熱部が、前記調理容器を上方から加熱する上部バーナと前記調理容器を下方から加熱する下部バーナとからなる加熱バーナであり、
前記運転制御部が、加熱開始が指令されると前記上部バーナ及び前記下部バーナによる加熱調理を開始して、前記温度検出部の検出情報により前記調理容器の内部の水が沸騰したと判定すると、前記上部バーナを停止して前記下部バーナによる加熱調理を継続する点にある。
【0016】
すなわち、運転制御部が、加熱開始が指令されると、調理容器を上方から加熱する上部バーナ及び調理容器を下方から加熱する下部バーナにより加熱調理を開始することになるから、調理容器を上方側及び下方側より加熱することにより、調理容器の内部を適切に昇温させることができる。
【0017】
そして、運転制御部が、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が沸騰したと判定すると、上部バーナを停止して下部バーナによる加熱調理を継続するものであるから、上部バーナの燃焼不良を回避しながら、下部バーナよる調理容器に対する加熱を継続することができる。
つまり、調理容器の内部の水が沸騰すると、加熱室の内部に調理容器から出た大量の水蒸気が充満する状態になる結果、例えば、上部バーナに供給される燃焼用二次空気の酸素濃度が水蒸気分圧の上昇により低下する等により、上部バーナが燃焼不良を起こし易いものとなるため、上部バーナを停止して下部バーナによる加熱調理を継続するのである。
【0018】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、調理容器の内部の水が沸騰するまでは、上部バーナ及び下部バーナにて調理容器を適切に加熱することができ、調理容器の内部の水が沸騰した後は、上部バーナの燃焼不良を回避しながら下部バーナにて調理容器を加熱できる。
【0019】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記加熱部の加熱を停止した状態で設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行う余熱式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記余熱式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱部による加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく前記設定加熱時間が経過した後は、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記設定加熱時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行う点にある。
【0020】
すなわち、蒸し調理として、加熱後余熱調理を行う余熱式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、運転制御部が、加熱部による加熱調理を開始することになる。
その後、運転制御部は、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、加熱部の加熱を停止し、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行うことになる。
つまり、茶碗蒸し、なめらかプリン等を蒸し調理する際に、調理容器の内部に十分な量の水が入れられていることにより、水無状態となることなく設定加熱時間が経過したときには、その設定加熱時間が経過した時点で加熱部による加熱調理が終了され、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理が行われることになる。
【0021】
また、運転制御部は、設定加熱時間が経過する前に、温度検出部の検出情報により水無状態と判定したときには、加熱部の加熱を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行うことになる。
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われ、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理が行われて、設定余熱時間が経過した時点で加熱調理が終了されることになる。
【0022】
ちなみに、余熱調理及び加熱後余熱調理は、加熱部を停止した状態で、加熱室が保有する熱にて調理容器を加熱するものであるから、調理容器を必要以上の熱にて加熱しないようにして、調理容器の内部に収容した調理物の表面に焦げ付き等を生じることを回避しながら、調理容器の内部の調理物を加熱することができる。
【0023】
このように、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われ、その後、加熱後余熱調理が行われることになるから、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも、調理容器の内部に収納した蒸し調理物の表面に焦げ付き等が発生することを回避しながら、調理容器の内部の蒸し調理物を十分に加熱することができる。
【0024】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な余熱式蒸し調理を行える。
【0025】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく設定加熱時間が経過した後は、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記設定加熱時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行う点にある。
【0026】
すなわち、蒸し調理として、加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、運転制御部が、加熱バーナによる加熱調理を開始することになる。
その後、運転制御部は、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、チーズ蒸しパン等を蒸し調理する際に、調理容器の内部に十分な量の水が入れられていることにより、水無状態となることなく設定加熱時間が経過したときには、その設定加熱時間が経過した時点で下部バーナによる加熱調理が終了され、続いて、設定焼き時間が経過するまで、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する加熱後焼き調理が行われることになる。
【0027】
また、運転制御部は、設定加熱時間が経過する前に、温度検出部の検出情報により水無状態と判定したときには、加熱バーナの加熱を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、続いて、設定焼き時間が経過するまで、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われ、続いて、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われて、設定焼き時間が経過した時点で加熱調理が終了されることになる。
【0028】
ちなみに、余熱調理は、加熱バーナを停止した状態で、加熱室が保有する熱にて調理容器を加熱するものであるから、調理容器を必要以上の熱にて加熱しないようにして、調理容器の内部に収容した調理物の表面に焦げ付き等を生じることを回避しながら、調理容器の内部の蒸し調理物を加熱することができる。
【0029】
このように、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われ、その後、加熱後焼き調理が行われることになるから、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも、調理容器の内部に収納した蒸し調理物の表面に必要以上の焦げ付き等が発生することを回避しながら、調理容器の内部の蒸し調理物を十分に加熱することができる。
【0030】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な焼き式蒸し調理を行える。
【0031】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記加熱バーナを停止した状態で設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定余熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記余熱併用焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく前記設定加熱時間が経過した後は、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、前記設定加熱時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行う点にある。
【0032】
すなわち、蒸し調理として、加熱後余熱調理及び加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、運転制御部が、加熱バーナによる加熱調理を開始することになる。
その後、運転制御部は、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、焼きプリン等を蒸し調理する際に、調理容器の内部に十分な量の水が入れられていることにより、水無状態となることなく設定加熱時間が経過したときには、その設定加熱時間が経過した時点で加熱バーナによる加熱調理が終了され、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理が行われ、その後、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われことになる。
【0033】
また、運転制御部は、設定加熱時間が経過する前に、温度検出部の検出情報により水無状態と判定したときには、加熱バーナの加熱を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われ、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理が行われ、その後、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われて、設定焼き時間が経過した時点で加熱調理が終了されることになる。
【0034】
ちなみに、余熱調理及び加熱後余熱調理は、加熱バーナを停止した状態で、加熱室が保有する熱にて調理容器を加熱するものであるから、調理容器を必要以上の熱にて加熱しないようにして、調理容器の内部に収容した調理物の表面に必要以上の焦げ付き等を生じることを回避しながら、調理容器の内部の調理物を加熱することができる。
【0035】
このように、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、設定加熱時間が経過するまで余熱調理が行われ、その後、加熱後余熱調理及び加熱後焼き調理が行われることになるから、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも、調理容器の内部に収納した蒸し調理物の表面に必要以上の焦げ付き等が発生することを回避しながら、調理容器の内部の蒸し調理物を十分に加熱することができる。
【0036】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な余熱併用焼き式蒸し調理を行える。
【0037】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記焼き式調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく設定加熱時間が経過した後は、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて、前記余熱調理を行う時間及び前記加熱後焼き調理を行う時間を設定して、前記余熱調理及び前記加熱後焼き調理を行う点にある。
【0038】
すなわち、蒸し調理として、加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、運転制御部が、加熱バーナによる加熱調理を開始することになる。
その後、運転制御部は、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、チーズ蒸しパン等を蒸し調理する際に、調理容器の内部に十分な量の水が入れられていることにより、水無状態となることなく設定加熱時間が経過したときには、その設定加熱時間が経過した時点で加熱バーナによる加熱調理が終了され、続いて、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われることになる。
【0039】
また、運転制御部は、設定加熱時間が経過する前に、温度検出部の検出情報により水無状態と判定したときには、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて、余熱調理を行う時間及び加熱後焼き調理を行う時間を設定して、余熱調理及び加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて設定された時間が経過するまで余熱調理が行われ、続いて、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて設定された時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われて、設定された時間が経過した時点で加熱調理が終了されることになる。
【0040】
加熱後焼き調理用時間変更条件としては、加熱開始から水無状態になるまでの時間が設定加熱時間よりもかなり短い場合には、加熱開始から水無状態になるまでの時間が設定加熱時間に近い場合よりも、余熱調理を行う時間を短くし、加熱後焼き調理を行う時間を長くする条件に設定することにより、加熱開始から水無状態になるまでの時間が設定加熱時間よりもかなり短い場合にも、調理物を十分に加熱できるものとなる。
【0041】
ちなみに、余熱調理は、加熱バーナを停止した状態で、加熱室が保有する熱にて調理容器を加熱するものであるから、調理容器を必要以上の熱にて加熱しないようにして、調理容器の内部に収容した調理物の表面に焦げ付き等を生じることを回避しながら、調理容器の内部の調理物を加熱することができる。
【0042】
このように、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて設定された時間が経過するまで余熱調理が行われ、続いて、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて設定された時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われことになるから、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも、調理容器の内部に収納した調理物の表面に必要以上の焦げ付き等が発生することを回避しながら、調理容器の内部の調理物を十分に加熱することができる。
【0043】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な焼き式蒸し調理を行える。
【0044】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記調理メニュー指令部が、前記蒸し調理として、前記設定加熱時間の後で前記加熱バーナを停止した状態で設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定余熱時間の後で前記上部バーナ及び前記下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理を指令できるように構成され、
前記運転制御部が、前記余熱併用焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、前記加熱バーナによる加熱調理を開始し、その後、前記水無状態を判定することなく設定加熱時間が経過した後は、前記設定余熱時間が経過するまで前記加熱後余熱調理を行い、その後、前記設定焼き時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行い、且つ、前記設定加熱時間が経過する前に、前記水無状態と判定したときには、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件に基づいて、前記余熱調理を行う時間及び前記加熱後焼き調理を行う時間を設定して、設定された時間が経過するまで前記余熱調理を行った後に、設定された時間が経過するまで前記加熱後焼き調理を行う点にある。
【0045】
すなわち、蒸し調理として、加熱後余熱調理及び加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理が指令された状態で加熱開始が指令されると、運転制御部が、加熱バーナによる加熱調理を開始することになる。
その後、運転制御部は、温度検出部の検出情報により調理容器の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、上部バーナ及び下部バーナにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、焼きプリン等を蒸し調理する際に、調理容器の内部に十分な量の水が入れられていることにより、水無状態となることなく設定加熱時間が経過したときには、その設定加熱時間が経過した時点で加熱バーナによる加熱調理が終了され、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理が行われ、その後、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われことになる。
【0046】
また、運転制御部は、設定加熱時間が経過する前に、温度検出部の検出情報により水無状態と判定したときには、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件に基づいて、余熱調理を行う時間及び加熱後焼き調理を行う時間を設定して、設定された時間が経過するまで余熱調理を行った後に、設定された時間が経過するまで加熱後焼き調理を行うことになる。
つまり、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件に基づいて設定した時間が経過するまで余熱調理が行われ、その後、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件に基づいて設定した時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われて、設定した時間が経過する時点で加熱調理が終了されることになる。
つまり、この場合には、設定加熱時間内に行う余熱調理と加熱後余熱調理とがひとつの余熱調理として行われることになる。
【0047】
余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件としては、加熱開始から水無状態になるまでの時間が設定加熱時間よりもかなり短い場合には、加熱開始から水無状態になるまでの時間が設定加熱時間に近い場合よりも、余熱調理を行う時間を短くし、加熱後焼き調理を行う時間を長くする条件に設定することにより、加熱開始から水無状態になるまでの時間が設定加熱時間よりもかなり短い場合にも、調理物を十分に加熱できるものとなる。
【0048】
ちなみに、余熱調理は、加熱バーナを停止した状態で、加熱室が保有する熱にて調理容器を加熱するものであるから、調理容器を必要以上の熱にて加熱しないようにして、調理容器の内部に収容した調理物の表面に必要以上の焦げ付き等を生じることを回避しながら、調理容器の内部の調理物を加熱することができる。
【0049】
このように、調理容器の内部に入れる水の量が少ないことにより、設定加熱時間が経過する前に水無状態となった場合には、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件にて設定された時間が経過するまで余熱調理が行われ、その後、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件にて設定された時間が経過するまで加熱後焼き調理が行われることになるから、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも、調理容器の内部に収納した調理物の表面に必要以上の焦げ付き等が発生することを回避しながら、調理容器の内部の調理物を十分に加熱することができる。
【0050】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理容器の内部に入れる水の量が少ない場合にも良好な余熱併用焼き式蒸し調理を行える。
【0051】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記加熱後焼き調理において、前記上部バーナ及び前記下部バーナの火力を、当該加熱後焼き調理を行う時間が設定時間よりも大きいときには、時間経過に伴って漸次減少させる点にある。
【0052】
すなわち、加熱後焼き調理において、当該加熱後焼き調理を行う時間が設定時間よりも大きいときには、上部バーナ及び下部バーナの火力が、時間経過に伴って漸次減少されることになる。
【0053】
つまり、加熱後焼き調理を行う時間が長い場合にも、上部バーナ及び下部バーナの火力を強い火力に維持させると、調理物の表面を必要以上に焦げ付かせてしまう不都合を発生する虞があるが、加熱後焼き調理を行う時間が長い場合にも、調理物の表面を必要以上に焦げ付かせることを回避しながら、良好に加熱後焼き調理を行うことができる。
【0054】
要するに本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、調理物の表面を必要以上に焦げ付かせることを回避しながら、良好に加熱後焼き調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】ガスコンロの斜視図である。
図2】燃料ガス供給構成を示す回路図である。
図3】グリルの縦断側面図である。
図4】グリル用設定操作部の平面図である。
図5】制御構成を示すブロック図である。
図6】基本的な蒸し調理の加熱形態を示す図である。
図7】余熱式蒸し調理の加熱形態を示す図である。
図8】焼き式蒸し調理の加熱形態を示す図である。
図9】余熱併用焼き式蒸し調理の加熱形態を示す図である。
図10】初期画面を示す図である。
図11】加熱調理分類の選択画面を示す図である。
図12】おすすめメニューの選択画面を示す図である。
図13】点火誘導画面を示す図である。
図14】調理中画面を示す図である。
図15】調理終了画面を示す図である。
図16】おすすめメニューの調理時間の具体例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、ビルトイン式のガスコンロGCが、コンロ本体Hの上面部に、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを備え、且つ、コンロ本体Hの横幅方向中央部に、グリルG(図3参照)を備える形態に構成されている。
【0057】
コンロ本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成され、コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、コンロ本体Hの上面部の後部側には、グリルGの調理排気を排気するためのグリル排気口4が形成されている。
【0058】
天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の被加熱物を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
コンロバーナ1の中央部には、鍋等の被加熱物の存在及び被加熱物の底壁温度を検出するコンロバーナセンサ1Sが設けられている。
【0059】
ケーシング2の内部には、図3に示すように、グリルGを構成するグリル庫6(加熱室の一例)が設けられ、グリル庫6には、加熱部としてのグリルバーナ7(加熱バーナの一例)が設けられ、このグリルバーナ7は、グリル庫6の天井部に設けられる上部バーナ7Uと、グリル庫6の底部に設けられる下部バーナ7Sとから構成されている。
【0060】
図1に示すように、天板3の手前側の左右中央箇所には、コンロバーナ1やグリルバーナ7の運転に関する情報を表示画面に表示する液晶式の表示部Dが設けられている。ちなみに、本実施形態では、表示部Dが白黒式で表示するように構成されているが、カラー表示式に構成してもよい。
【0061】
(グリルの詳細)
図3に示すように、グリルGには、上述したグリル庫6が設けられている。このグリル庫6は、前部及び後部が開口する筒状に形成され、グリル庫6の後方側には、グリルバーナ7の燃焼排ガスや調理物からでる水蒸気等の調理排気を排気する排気路Eを形成する排気筒6Aが上方側に延びる状態で連設され、その排気路Eにて調理排気を上述のグリル排気口4に導くように構成されている。
【0062】
調理物を加熱調理するための調理器Kを支持し且つグリル扉8(図1参照)を前端部に備えた調理容器支持枠Lが、グリル庫6に対して出退自在に設けられている。
本実施形態においては、調理器Kとして、蓋付きの調理容器の一例としてのキャセロール容器9(図3参照)、調理物の載置面が平坦状に形成されたプレートパンの2種類が存在する。尚、プレートパンの図示は省略する。
【0063】
そして、プレートパン、及び、キャセロール容器9が、調理容器支持枠Lに対して、付け替え自在に装着されることになる。
本実施形態においては、キャセロール容器9を用いて、おすすめメニューの調理メニュー(蒸し調理)を行うことについて詳述し、プレートパンに用いる調理についての詳細は省略する。
キャセロール容器9は、有底筒状の容器本体9Aと当該容器本体9Aの上部に載置される蓋9Bとからなり、当該蓋9Bの後部側箇所には、蒸気孔Jが形成されている。
【0064】
グリル庫6の底部に設けた下部バーナ7Sが、グリル庫6内に収納された調理器Kを下方から加熱し、グリル庫6の天井部に設けた上部バーナ7Uが、グリル庫6内に収納された調理器Kを上方から加熱するように構成されている。
【0065】
下部バーナ7Sは、図3に示すように、円筒状のバーナ本体部10Aと、そのバーナ本体部10Aに接続されるバーナ混合管部10Bとを備え、バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。つまり、下部バーナ7Sは、炎孔Fを環状に備える形態に構成されている。
ちなみに、このような構成の下部バーナ7Sは、コンロバーナ1の構成と同様であり、コンロバーナ1を転用して構成されている。
また、下部バーナ7Sの内部には、調理器Kの温度を検出する温度検出部として、調理器Kの底壁部に接触して調理器Kの底壁部の温度を検出する温度検出センサ11が装備されている。
【0066】
上部バーナ7Uは、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、詳細な説明は省略するが、平板状の上バーナ本体部やその上バーナ本体部に接続される上バーナ混合管部を備え、上バーナ本体部の下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0067】
尚、図2に示すように、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの夫々に対して、点火装置としての点火プラグP、及び、着火状態検出装置として、熱電対等を用いて構成される着火センサRが装備され、コンロバーナ1についても、同様に、点火プラグP及び着火センサRが装備されている。
【0068】
(ガス燃料の供給構成)
図2に示すように、都市ガス供給管等のガス供給源に接続される元ガス供給路12に、電磁操作式の元ガス弁13が設けられ、元ガス供給路12からは、標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b、大火力バーナ用分岐路14c及びグリルバーナ用分岐路15の4系統のガス流路が分岐されている。
【0069】
グリルバーナ用分岐路15に、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ16が設けられ、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を下部バーナ7Sに導く下部バーナ用供給路17S、及び、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を上部バーナ7Uに導く上部バーナ用供給路17Uが、グリルバーナ用分岐路15から分岐されている。
【0070】
標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b及び大火力バーナ用分岐路14cの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのコンロ用ガス量調整弁18が備えられている。
また、下部バーナ用供給路17S及び上部バーナ用供給路17Uの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのグリル用ガス量調整弁19が備えられている。
尚、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力は、グリル用ガス量調整弁19によって無段階に調整できるものであるが、本実施形態においては、強火力と弱火力との2段階に調整されるものとする。
【0071】
(ガスコンロの操作構成)
図1に示すように、コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの右側の上方箇所には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対して各別に点火及び消火や火力調節を指令するための3つのコンロ操作具20が設けられている。
コンロ操作具20は、押し操作されるごとに、点火指令と消火指令を交互に指令し、また、回転操作することにより、火力調節指令を指令するように構成されている。
【0072】
コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの右側の下方箇所には、コンロバーナ1による自動調理の設定を行うコンロバーナ用設定操作部21が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられている。
コンロバーナ用設定操作部21の上面部には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対する設定を行うコンロ用操作パネル21Pが設けられている。
【0073】
コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの左側の下方箇所には、グリルバーナ7に対する設定を行うグリル用設定操作部22が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられている。
グリル用設定操作部22の上面部には、調理メニューの選択や、その調理メニューを開始するための点火指令、火力調節指令、加熱調理時間調節指令等の種々の情報を指令するグリル用操作パネル22P(操作部の一例)が設けられている(図4参照)。
尚、図4においては、グリルをマルチグリルと表記している。
【0074】
(グリル用操作パネルの詳細)
図4に示すように、グリル用操作パネル22Pには、プレートパンを選択するプレートパンスイッチ30、キャセロール容器9を選択するキャセロールスイッチ31、選択スイッチ32、決定スイッチ33、及び、押し操作する毎にグリルバーナ7の点火を指令する点火指令状態と消火を指令する消火指令状態とに切り換わる点消火スイッチ34が備えられている。
【0075】
加えて、グリル用操作パネル22Pには、以前選択した調理メニューの履歴を読み出す履歴スイッチ35、設定途中においてもとに戻すための戻るスイッチ36、設定内容を取り消すとりけしスイッチ37、初期設定されている種々の内容を変更する際に使用する設定変更スイッチ38が設けられている。
【0076】
そして、後述の如く、表示部Dにて調理メニューを設定するための各種の情報を表示しながら、グリル用操作パネル22Pの操作により、上述の如く、調理メニューの選択や、その調理メニューを開始するための点火指令、火力調節指令、加熱時間調節指令等の種々の情報を指令するように構成されている。
尚、後述の如く、選択スイッチ32及び決定スイッチ33は、キャセロール容器9の内部に蒸し調理物及び水を入れて加熱する蒸し調理を設定する調理メニュー指令部Mに相当する。
【0077】
(調理メニューの詳細)
グリルバーナ7に対して設定する複数の調理メニューが、複数の加熱調理分類(分類メニュー)に振り分ける形態に設定されている。
複数の加熱調理分類(分類メニュー)として、本実施形態においては、図11に示すように、「オートメニュー」「調理モード」「おすすめメニュー」「冷凍食品メニュー」の4つが設けられている。ただし、キャセロール容器9については、図12に示すように、「冷凍食品メニュー」が省略されることになる。
また、複数の調理メニューとしては、本実施形態においては、食品種別としての「食品名」として設定される場合と、「ハンバーグステーキ」等の料理名として設定される場合と、「焼く」「煮る」等の加熱調理形態として設定される場合とを含むものである。
【0078】
また、複数の調理メニューが、使用する調理器Kに応じて分類されている。
つまり、調理器Kに応じて分類されている調理メニューが、複数の加熱調理分類に振り分ける形態に設定されている。
また、「オートメニュー」「調理モード」「おすすめメニュー」「冷凍食品メニュー」に分類された複数の調理メニューの夫々についての加熱制御形態が、グリルバーナ7の火力と、加熱調理を実行する加熱調理時間として設定されている。
【0079】
ちなみに、図11は、プレートパンスイッチ30にて調理器Kとしてプレートパンが選択されたときに、「オートメニュー」が選択された状態を例示するものであり、「トースト」「鶏もも焼き」「ホイル焼き」「魚:切り身」が表示されている。
以下の説明においては、プレートパンを使用する調理メニューの詳細な説明を省略し、キャセロール容器9を使用する調理メニューについて詳述する。
【0080】
<キャセロール容器の調理メニュー>
キャセロール容器9についての加熱調理分類としては、図12に示すように、「オートメニュー」「調理モード」「おすすめメニュー」の3つが設けられている。
キャセロール容器9の「オートメニュー」は、図示は省略するが、「ごはん」「もっちりごはん」「炊きこみごはん」が設定されている。
また、キャセロール容器9の「調理モード」として、図示は省略するが、「煮る」「パン」等が設定されている。
【0081】
キャセロール容器9の「おすすめメニュー」の調理メニューとして、図12に示すように、「シュウマイ」「茶碗蒸し」「チーズ蒸しパン」「焼きプリン」があり、その他、図16に示すように、「蒸しようかん」「なめらかプリン」等、多種の調理メニューが設定されている。
ちなみに、キャセロール容器9の「おすすめメニュー」に設定されている調理メニューは、キャセロール容器9の内部に蒸し調理物及び水を入れて加熱する蒸し調理である。
尚、蒸し調理物は、具材を収納体(例えば、容器)に入れたものである。
【0082】
「おすすめメニュー」に分類された調理メニュー(蒸し調理)については、加熱調理を実行する加熱調理時間が、グリルバーナ7にてキャセロール容器9を加熱する設定加熱時と、設定加熱時間の後で、グリルバーナ7の燃焼を停止して、グリル庫6が保有する熱にてキャセロール容器9を加熱する設定余熱時間と、設定加熱時間又は設定余熱時間の後で、グリルバーナ7にてキャセロール容器9を加熱する設定焼き時間とを組み合わせた形態に設定されている。
【0083】
つまり、蒸し調理として、加熱調理を開始してから設定加熱時間が経過すると加熱調理を終了する基本的な蒸し調理(図6参照)と、設定加熱時間が経過した後に、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行う余熱式蒸し調理(図7参照)と、設定加熱時間が経過した後に、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う焼き式蒸し調理(図8参照)と、設定加熱時間が経過した後に、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理を行い、その後、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理を行う余熱併用焼き式蒸し調理(図9参照)とが存在する。
尚、図7及び図9においては、「加熱後余熱調理」を、単に「余熱調理」と記載し、図8及び図9においては、「加熱後焼き調理」を、単に「焼き調理」と記載する。
【0084】
本実施形態においては、図16に示す如く、「シュウマイ」「蒸しようかん」には、基本的な蒸し調理が適用され、「茶碗蒸し」「なめらかプリン」には、余熱式蒸し調理が適用され、「チーズ蒸しパン」には、焼き式蒸し調理が適用され、「焼きプリン」には、余熱併用焼き式蒸し調理が適用されることになる。
【0085】
(ガスコンロの制御構成)
図5に示すように、表示部Dの表示作動を制御する表示制御部BD、及び、グリルバーナ7の運転を制御する運転制御部としての加熱制御部BUが設けられている。
尚、図5においては、グリルバーナ7及び当該グリルバーナ7の火力を調整するグリル用ガス量調整弁19を示し、コンロバーナ1及びコンロ用ガス量調整弁18の記載を省略する。
【0086】
そして、加熱制御部BUが、コンロ操作具20による点火指令や消火指令によって、コンロバーナ1に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行い、また、コンロバーナ用設定操作部21の設定情報に基づいて、自動調理を実行するように構成されているが、本実施形態においては、コンロバーナ1に対する制御処理の詳細は省略する。
【0087】
また、加熱制御部BUが、グリル用設定操作部22の設定情報に基づいて、グリルバーナ7に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行ないながら、複数の調理メニューのうちの選択された調理メニューについての加熱制御処理を実行するように構成されている。
すなわち、加熱制御部BUは、表示部Dに表示されている調理メニューが選択されたのち、点消火スイッチ34の操作により点火指令(加熱開始指令)が指令されると、元ガス弁13、グリル用ガス量調整弁19を操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対する点火プラグPを作動させかつ着火センサRにて着火を検出する点火処理を実行することになる。
【0088】
また、調理メニューの加熱調理を中断する等の目的により、点消火スイッチ34の操作により消火指令が指令される場合や、調理メニューの加熱調理が終了した場合等においては、加熱制御部BUは、元ガス弁13、グリル用ガス量調整弁19を閉状態に操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uを消火する消火処理を実行することになる。
【0089】
また、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの燃焼状態において、下部バーナ7Sに対するグリル用ガス量調整弁19及び上部バーナ7Uに対するグリル用ガス量調整弁19を操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力を、調理メニューごとに設定された火力に変更調節する火力調節処理を実行することになる。
【0090】
また、調理メニューとして蒸し調理を実行しているときに、上述した設定加熱時間及び設定焼き時間に達すると、上述した消火処理を実行して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uを自動的に消火することになる。
ちなみに、基本的な蒸し調理(図6参照)、余熱式蒸し調理(図7参照)、焼き式蒸し調理(図8参照)、余熱併用焼き式蒸し調理(図9参照)の夫々において、加熱調理を終了する際には、加熱制御部BUが、例えば、警報ブザーを調理終了用の設定時間(数秒)に亘り作動させて、加熱調理の終了を報知することになる。
【0091】
(表示制御部の制御について)
表示制御部BDが、図10及び図11に示すように、コンロバーナ1に対する天板側表示領域A1とグリルバーナ7に対するグリル側表示領域A7とを、コンロバーナ1とグリルバーナ7との配置形態に対応する形態で、表示部Dの表示画面に区画形成するように構成されている。
本実施形態においては、上下方向を前後方向に置き換えて、表示部Dの表示画面の奥側に天板側表示領域A1を形成し、表示部Dの表示画面の手前側にグリル側表示領域A7を形成するように構成されている。
【0092】
また、表示制御部BDが、グリル用設定操作部22にて調理メニューの設定が指令されていない初期画面では、図9に示すように、天板側表示領域A1の前後幅を、グリル側表示領域A7の前後幅よりも大きくし、これに対して、グリル用設定操作部22にて調理メニューの設定の開始が指令されたときには、図11図12等に示すように、グリル側表示領域A7の前後幅を、天板側表示領域A1の前後幅よりも大きくするように構成されている。
【0093】
ちなみに、天板側表示領域A1が、図10及び図11等に示すように、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々の配置に対応して、標準火力バーナ1Aの燃焼に関係する情報を表示する左側領域部分Aa、小火力バーナ1Bの燃焼に関係する情報を表示する中央側領域部分Ab、及び、大火力バーナ1Cの燃焼に関係する情報を表示する右側領域部分Acに区画されている。
【0094】
次に、グリル側表示領域A7の表示内容について説明するが、以下の説明においては、グリル用設定操作部22のキャセロールスイッチ31にて、使用する調理器Kとしてキャセロール容器9が選択された場合について説明し、プレートパンスイッチ30にてプレートパンが選択された場合の説明を省略する。
【0095】
すなわち、グリル用設定操作部22のキャセロールスイッチ31にて、使用する調理器Kとしてキャセロール容器9が選択されると、表示部Dの表示画面が、「加熱調理分類選択画面(分類メニュー選択画面)」(図11参照)となり、「加熱調理分類選択画面(分類メニュー選択画面)」が表示されている状態において、選択スイッチ32にて分類メニューを選択して決定スイッチ33にて決定を指令すると、図12に示す「調理メニュー選択画面」になる。
【0096】
次に、「調理メニュー選択画面」が表示されている状態において、選択スイッチ32にて表示されている複数の調理メニューのうちの一つを選択して、決定スイッチ33にて決定を指令すると、図13に示す「点火誘導画面」となる。
そして、「点火誘導画面」が表示されている状態において、点消火スイッチ34の操作により点火指令(加熱開始指令)が指令すると、図14に示す「調理中画面」となり、さらに、加熱調理が終了すると、図15に示す「調理終了画面」に変更されることになる。
ちなみに、図12図15は、調理メニューとして「焼きプリン」が選択されて調理される場合を例示する。
【0097】
表示制御部BDが、図11及び図12に示す如く、「加熱調理分類選択画面」及び「調理メニュー選択画面」においては、グリル側表示領域A7に、複数の加熱調理分類の全てを並列させて表示しかつ当該複数の加熱調理分類のうちの選択された一つの加熱調理分類に割り当てられた複数の調理メニューを並列させて表示する形態で、複数の加熱調理分類と複数の調理メニューとを表示するように構成されている。
【0098】
また、複数の加熱調理分類のうちの選択された一つの加熱調理分類と他の加熱調理分類とを視認できるように表示状態を異ならせる形態で、複数の加熱調理分類を表示するように構成されている。
つまり、「加熱調理分類選択画面」においては、図11に示すように、選択された加熱調理分類を、背景が黒の白抜き文字で表示し、他の加熱調理分類を、背景が白の黒色文字で表示するように構成されている。
また、「調理メニュー選択画面」においては、図12に示すように、選択された加熱調理分類を、背景が白の黒色文字で表示し、他の加熱調理分類を、背景が灰色の黒色文字で表示するように構成されている。
【0099】
また、本実施形態においては、「調理メニュー選択画面」において、図12に示すように、選択された調理メニューを、背景が黒の白抜き文字で表示し、他の加熱調理分類を、背景が白の黒色文字で表示するように構成されている。
【0100】
さらに、本実施形態においては、表示制御部BDが、選択された加熱調理分類に割り当てられた複数の調理メニューを表示する際に、表示する調理メニューに対応づけて選択された種類の調理器Kの形状を示す概略図を併せて表示するように構成されている。
【0101】
(蒸し調理の詳細)
キャセロール容器9の「おすすめメニュー」に分類されている複数の調理メニュー(蒸し調理メニュー)のうちで、「シュウマイ」「蒸しようかん」が選択されると、基本的な蒸し調理が実行され、「茶碗蒸し」「なめらかプリン」が選択されると、余熱式蒸し調理が実行され、「チーズ蒸しパン」が選択されると、焼き式蒸し調理が実行され、「焼きプリン」が選択されると余熱併用焼き式蒸し調理が実行されることになる。
【0102】
以下、基本的な蒸し調理、余熱式蒸し調理、焼き式蒸し調理、余熱併用焼き式蒸し調理の夫々について、図6図9に基づいて説明する。
尚、図6図9は、基本的な蒸し調理、余熱式蒸し調理、焼き式蒸し調理、余熱併用焼き式蒸し調理の夫々の概要を示すものであり、設定加熱時間、余熱後加熱時間(図面では余熱時間と記載)、加熱後焼き時間(図面では焼き時間と記載)の夫々は、実際の調理メニューについて設定されている時間(図16参照)とは異なる時間を例示する。
また、図6図9において記載する「ex」は、「例えば」を意味するものである。
【0103】
(基本的な蒸し調理)
調理メニュー指令部Mにて、「シュウマイ」「蒸しようかん」等の基本的な蒸し調理である調理メニューが指令された状態で加熱開始が指令されると、図6に示すように、加熱制御部BUが、グリルバーナ7による加熱調理を開始する。その後、温度検出センサ11の検出情報によりキャセロール容器9の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、グリルバーナ7を停止して加熱調理を終了する。
また、加熱制御部BUが、設定加熱時間が経過する前に、温度検出センサ11の検出情報により水無状態と判定したときには、グリルバーナ7を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、設定加熱時間が経過すると加熱調理を終了するように構成されている。
【0104】
図6においては、キャセロール容器9に十分な水を入れた状態における温度検出センサ11の検出情報の変化を示す多水変化線Ya、キャセロール容器9に少なめの水を入れた状態における温度検出センサ11の検出情報の変化を示す少水変化線Yb、及び、キャセロール容器9に十分な水を入れるものの、キャセロール容器9の内部に載置した調理物の位置が中央からずれている場合等における載置変化線Ycを示す。図7図9も同様である。
【0105】
そして、多水変化線Ya及び載置変化線Ycは、設定加熱時間が経過するタイミングで水無状態となる場合を例示し、少水変化線Ybは、設定加熱時間が経過する前に水無状態となる場合を例示するものである。
ちなみに、図6図9には図示を省略するが、キャセロール容器9の内部に多めの水を入れた場合には、設定加熱時間が経過しても、水無状態が判定されることはない。
【0106】
本実施形態においては、温度検出センサ11の検出情報が設定水無温度(例えば、120℃)以上になることにより水無状態と判定するように構成されている。
多水変化線Ya及び少水変化線Ybは、後述する沸騰検出条件にて、同等な温度にて沸騰が検出されることになるが、載置変化線Ycは、後述する沸騰検出条件にて、多水変化線Ya及び少水変化線Ybよりも高温の温度で沸騰が検出されることになる。
【0107】
沸騰検出条件として、本実施形態では、温度検出センサ11の検出情報が設定判定温度(例えば、80℃)以上になると、設定上昇温度(例えば、1℃)を上昇するのに要する上昇必要時間を計測し、上昇必要時間が設定判定時間(例えば、40秒)を超えたときに沸騰であると検出する条件に定められている。
【0108】
また、加熱制御部BUが、加熱開始が指令されると上部バーナ7U及び下部バーナ7Sによる加熱調理を開始して、上述の沸騰検出条件により、温度検出センサ11によりキャセロール容器9の内部の水が沸騰した沸騰状態であると検出すると、上部バーナ7Uを停止して下部バーナ7Sによる加熱調理を継続するように構成されている。
本実施形態においては、キャセロール容器9の内部の水が沸騰した沸騰状態が検出されてから設定経過時間(例えば、50秒)が経過した上火停止点Aにて、上部バーナ7Uを停止するように構成されている。
【0109】
ちなみに、沸騰検出条件として、例えば、温度検出センサ11の検出情報が設定判定温度(例えば、90℃)以上になると、設定上昇温度(例えば、1℃)を上昇するのに要する上昇必要時間を計測し、上昇必要時間が設定判定時間(例えば、50秒)を超えたときに沸騰状態であると検出する条件に定められている場合には、キャセロール容器9の内部の水が沸騰した沸騰状態が検出されると、直ちに、上部バーナ7Uを停止するように構成してもよい。
【0110】
また、本実施形態においては、加熱開始から上火停止点Aになるまでの間において、上部バーナ7Uを強火力にて燃焼させるように構成されている。また、加熱開始から沸騰状態が検出されるまでは、下部バーナ7Sを強火力にて燃焼させ、その後、下部バーナ7Sを強火力と弱火力とに繰り返し変更させるように構成されている。
そして、設定加熱時間が経過した場合や、設定加熱時間が経過する前に、温度検出センサ11の検出情報により水無状態と判定された場合には、下部バーナ7Sの燃焼が停止されることになる。
下部バーナ7Sを強火力と弱火力とに繰り返し変更させるにあたり、本実施形態では、沸騰状態が検出されてから設定初期時間t1(例えば、280秒)が経過するまでは、例えば、弱火力を10秒間行い、強火力を50秒間行うようにし、設定初期時間t1(例えば、280秒)が経過した後は、例えば、弱火力を50秒間行い、強火力を10秒間行うように構成されている。
【0111】
(余熱式蒸し調理)
調理メニュー指令部Mにて、「茶碗蒸し」「なめらかプリン」等の余熱式蒸し調理である調理メニューが指令された状態で加熱開始が指令されると、図7に示すように、加熱制御部BUが、グリルバーナ7による加熱調理を開始する。その後、温度検出センサ11の検出情報によりキャセロール容器9の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、グリルバーナ7(下部バーナ7S)を停止する。その後、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理(余熱調理)を行い、設定余熱時間が経過すると、加熱調理を終了する。
【0112】
また、加熱制御部BUが、設定加熱時間が経過する前に、温度検出センサ11の検出情報により水無状態と判定したときには、下部バーナ7Sを停止して、グリルバーナ7を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、設定加熱時間が経過すると、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理(余熱調理)を行い、設定余熱時間が経過すると、加熱調理を終了するように構成されている。
【0113】
(焼き式蒸し調理)
調理メニュー指令部Mにて、「チーズ蒸しパン」等の焼き式蒸し調理である調理メニューが指令された状態で加熱開始が指令されると、図8に示すように、加熱制御部BUが、グリルバーナ7による加熱調理を開始する。その後、温度検出センサ11の検出情報によりキャセロール容器9の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、グリルバーナ7(下部バーナ7S)を停止する。その後、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理(焼き調理)を行い、設定焼き時間が経過すると、加熱調理を終了する。
【0114】
また、加熱制御部BUが、設定加熱時間が経過する前に、温度検出センサ11の検出情報により水無状態と判定したときには、下部バーナ7Sを停止して、グリルバーナ7を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、設定加熱時間が経過すると、続いて設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理(焼き調理)を行い、設定焼き時間が経過すると、加熱調理を終了するように構成されている。
【0115】
加熱後焼き調理(焼き調理)は、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sにて加熱する状態で設定焼き時間が経過するまで調理を行うものであり、本実施形態においては、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sの火力を強火力にするように構成されている。
【0116】
(余熱併用焼き式蒸し調理)
調理メニュー指令部Mにて、「焼きプリン」等の余熱併用焼き式蒸し調理である調理メニューが指令された状態で加熱開始が指令されると、図9に示すように、加熱制御部BUが、グリルバーナ7による加熱調理を開始する。その後、温度検出センサ11の検出情報によりキャセロール容器9の内部の水が無くなった水無状態と判定することなく設定加熱時間が経過すると、グリルバーナ7(下部バーナ7S)を停止する。その後、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理(余熱調理)を行い、設定余熱時間が経過すると、続いて、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理(焼き調理)を行い、設定焼き時間が経過すると、加熱調理を終了する。
【0117】
また、加熱制御部BUが、設定加熱時間が経過する前に、温度検出センサ11の検出情報により水無状態と判定したときには、下部バーナ7Sを停止して、グリルバーナ7を停止した状態で設定加熱時間が経過するまで余熱調理を行い、設定加熱時間が経過すると、続いて、設定余熱時間が経過するまで加熱後余熱調理(余熱調理)を行い、設定余熱時間が経過すると、その後、設定焼き時間が経過するまで加熱後焼き調理(焼き調理)を行い、設定焼き時間が経過すると、加熱調理を終了するように構成されている。
【0118】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)焼き式蒸し調理において、設定加熱時間が経過する前に、水無状態と判定したときには、加熱後焼き調理用時間変更条件に基づいて、余熱調理を行う時間及び加熱後焼き調理を行う時間を設定して、余熱調理及び加熱後焼き調理を行うように構成してもよい。
例えば、チーズ蒸しパンは、図16に示す如く、設定加熱時間が経過する前に水無状態と判定されないときには、設定加熱時間が18分、設定焼き時間が2分であり、余熱を行う時間が零である。
【0119】
このチーズ蒸しパンを加熱調理するにあたり、加熱調理を開始してから水無状態と判定されるまでの経過時間αが、10分以前であるときには、余熱調理を行う時間を14分に設定し、加熱後焼き調理を行う時間を6分に設定する。
また、このチーズ蒸しパンを加熱調理するにあたり、上述の経過時間αが10分よりも長く、18分未満であるときには、余熱調理を行う時間及び加熱後焼き調理を行う時間を下記式(比例計算)で求めるようにする。
余熱調理を行う時間=-1.75×α+31.5
加熱後焼き調理を行う時間=-0.5×α+11
つまり、加熱後焼き調理用時間変更条件を、経過時間αが短いほど、余熱調理を行う時間を短くし、加熱後焼き調理を行う時間を長くする条件に定めるようにするとよい。
【0120】
(2)余熱併用焼き式蒸し調理において、設定加熱時間が経過する前に、水無状態と判定したときには、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件に基づいて、余熱調理を行う時間及び加熱後焼き調理を行う時間を設定して、余熱調理に続いて加熱後焼き調理を行うように構成してもよい。尚、この場合には、設定加熱時間内に行う余熱調理と加熱後余熱調理とがひとつの余熱調理として行われることになる。
例えば、焼きプリンは、図16に示す如く、設定加熱時間が経過する前に水無状態と判定されないときには、設定加熱時間が5分、設定余熱時間が7分、設定焼き時間が3分である。
【0121】
この焼きプリンを加熱調理するにあたり、加熱調理を開始してから水無状態と判定されるまでの経過時間αが、3分以前であるときには、余熱調理を行う時間を7分に設定し、加熱後焼き調理を行う時間を6分に設定する。
また、この焼きプリンを加熱調理するにあたり、上述の経過時間αが3分よりも長く、5分未満であるときには、余熱調理を行う時間を7分に設定し、加熱後焼き調理を行う時間を下記式(比例計算)で求めるようにする。
加熱後焼き調理を行う時間=-1.5×α+10.5
つまり、余熱併用焼き式蒸し調理用時間変更条件を、経過時間αが短いほど、余熱調理を行う時間を短くし、加熱後焼き調理を行う時間を長くする条件に定めるようにするとよい。
【0122】
(3)上記実施形態では、加熱後焼き調理において、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sの火力を強火力に維持するようにしたが、加熱後焼き調理を行う時間が設定時間よりも大きいときには、時間経過に伴って漸次減少させるように構成してもよい。
例えば、設定時間を3分として、加熱後焼き調理を開始してからの時間が設定時間を経過すると、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sの火力を弱火力に減少させるようにしてもよい。
尚、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sの火力を、3段階以上の多段階や無断階に変更できる場合には、上部バーナ7U及び下部バーナ7Sの火力を、時間経過に伴って複数段階に漸次減少させる形態で実施してもよい。
【0123】
(4)上記実施形態では、操作部としてのグリル用設定操作部22にて指示された情報を表示する表示部Dを備えさせて、調理メニューを設定する場合を例示したが、表示部Dを備えない形態で実施してもよい。
【0124】
(5)上記実施形態では、操作部としてのグリル用操作パネル22Pを用いながら調理メニューを選択操作するように構成する場合を例示したが、表示部Dをタッチパネル式に構成して、表示部Dの表示画面のタッチ操作によって調理メニューを選択操作できるように構成してもよい。
この場合には、表示部Dが、加熱調理分類や調理メニューを選択する調理メニュー指令部Mを構成することになる。
さらには、音声入力装置を用いた音声入力にて、調理メニューを選択操作できるように構成してもよく、この場合には、音声入力装置が、加熱調理分類や調理メニューを選択する調理メニュー指令部Mを構成することになる。
【0125】
(6)加熱調理器として、ガスコンロに備えられたグリルGを例示したが、ガスコンロに組みこまれたグリルに限らず、グリル単体として構成されるものであってもよい。
また、本発明を適用する加熱調理器としては、グリルGに限らず、加熱部としてガスバーナを備えるオーブン、加熱部としてヒータを備える加熱調理器、加熱部としてIHコイルを備える誘導加熱調理器等、種々の加熱調理器でもよい。
【0126】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0127】
6 加熱室
7 加熱バーナ(加熱部)
7U 上部バーナ
7S 下部バーナ
11 温度検出部
BU 運転制御部
M 調理メニュー指令部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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