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特許7558068画像形成装置、情報処理システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240920BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240920BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240920BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240920BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
B41J29/00 E
B41J29/38 203
B41J29/38 104
G03G21/00 370
H04M1/00 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021001573
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106519
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】児玉 浩卓
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-140511(JP,A)
【文献】特開2002-207400(JP,A)
【文献】特開2008-172531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの所持する携帯端末装置に対する画像形成装置の距離情報を検出する距離検出部と、
検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知する接近検知部と、
前記特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを前記接近検知部が検知した場合に、前記画像形成装置の挙動を変化させる挙動変化部と、を有し、
前記所定のユーザーは、前記画像形成装置の使用履歴に基づいて、又は、前記使用履歴の有無に拘わらずに距離情報を管理するユーザーとして、設定されるものであり、
前記所定のユーザーの人数又は前記使用履歴を管理する時間に制限を設け、
前記所定のユーザー以外のユーザーの所持する携帯端末装置については、前記画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知せず、前記画像形成装置の挙動を変化させないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定のユーザー及び特定の携帯端末装置には、直近の使用履歴の有無にかかわらずに管理対象から除外する対象を設定可能であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記挙動変化部による前記画像形成装置の挙動の変化が、前記画像形成装置の省エネルギー動作状態から通常動作状態への復帰動作、又は、前記画像形成装置に対するユーザーのログイン・ログアウト動作であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
携帯端末装置と画像形成装置とを備えた情報処理システムであって、
画像形成装置は、
ユーザーの所持する携帯端末装置に対する前記画像形成装置の距離情報を検出する距離検出部と、
検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知する接近検知部と、
前記特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを前記接近検知部が検知した場合に、前記画像形成装置の挙動を変化させる挙動変化部と、を有し、
前記所定のユーザーは、前記画像形成装置の使用履歴に基づいて、又は、前記使用履歴の有無に拘わらずに距離情報を管理するユーザーとして、設定されるものであり、
前記所定のユーザーの人数又は前記使用履歴を管理する時間に制限を設け、
前記所定のユーザー以外のユーザーの所持する携帯端末装置については、前記画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知せず、前記画像形成装置の挙動を変化させないことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
画像形成装置の制御方法であって、
ユーザーの所持する携帯端末装置に対する前記画像形成装置の距離情報を検出する距離検出工程と、
検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知する接近検知工程と、
前記特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを前記接近検知工程が検知した場合に、前記画像形成装置の挙動を変化させる挙動変化工程と、を含み、
前記所定のユーザーは、前記画像形成装置の使用履歴に基づいて、又は、前記使用履歴の有無に拘わらずに距離情報を管理するユーザーとして、設定されるものであり、
前記所定のユーザーの人数又は前記使用履歴を管理する時間に制限を設け、
前記所定のユーザー以外のユーザーの所持する携帯端末装置については、前記画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知せず、前記画像形成装置の挙動を変化させないことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で各種機能を搭載した複合機(MFP)等において、ユーザーの移動によって画像形成装置の挙動を変える技術がある。
【0003】
従来、コンテンツを表示する閲覧端末(携帯端末装置)と印刷装置との距離を測定し、閲覧端末との距離が予め定められた第1の距離以下になると閲覧端末にコンテンツの送信を要求し、閲覧端末との距離が予め定められた第2の距離以下になると印刷を開始する印刷制御システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2008/117785
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、携帯端末装置の通信機能を用いてユーザーの移動を検知するだけでは、画像形成装置の設置場所やユーザーのデスク配置等によって、画像形成装置がその使用を意図しないユーザーの移動を検知して動作してしまう可能性があり、効率的な運用ができなかった。
【0006】
本開示は、斯かる実情に鑑み、使用を意図しないユーザーの移動の検知を減少させて効率的な運用ができる画像形成装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、ユーザーの所持する前記携帯端末装置に対する前記画像形成装置の距離情報を検出する距離検出部と、検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知する接近検知部と、前記特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを前記接近検知部が検知した場合に、前記画像形成装置の挙動を変化させる挙動変化部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
本開示は、携帯端末装置と画像形成装置とを備えた情報処理システムであって、画像形成装置は、ユーザーの所持する携帯端末装置に対する前記画像形成装置の距離情報を検出する距離検出部と、検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知する接近検知部と、前記特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを前記接近検知部が検知した場合に、前記画像形成装置の挙動を変化させる挙動変化部と、を有することを特徴とする情報処理システムである。
【0009】
本開示は、画像形成装置の制御方法であって、ユーザーの所持する前記携帯端末装置に対する前記画像形成装置の距離情報を検出する距離検出工程と、検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知する接近検知工程と、前記特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを前記接近検知工程が検知した場合に、前記画像形成装置の挙動を変化させる挙動変化工程と、を含むことを特徴とする制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置によれば、検出された距離情報に基づき、少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを検知し、特定の携帯端末装置の画像形成装置に対する接近又は立ち去りを接近検知部が検知した場合に、画像形成装置の挙動を変化させるので、画像形成装置を使用した少なくとも1以上の所定のユーザーの所持する携帯端末装置の距離情報のみを管理し、距離情報管理対象ユーザー以外の接近又は立ち去りによる無駄な挙動変化を効果的に防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る画像形成装置の外観図である。
図2】画像形成装置の制御ブロック図である。
図3】作用のイメージ図である。
図4】制御フローチャートである。
図5】設定ユーザーインターフェースのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して本開示を実施するための一実施形態について説明する。
【0013】
なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されない。
【0014】
[1. 実施形態]
図1に示すように、実施形態に係る画像形成装置10は、携帯端末装置200を所持するユーザーが使用する画像形成装置10である。
【0015】
画像形成装置10は、図1に示すように、画像形成装置10の上部に原稿読取部112を備えて原稿の画像を読取り、電子写真方式により画像を出力するものであり、複写機、コピー機、スキャナ等の複数の機能を備えた多機能プリンタ(MFP:Multifunction Printer)である。
【0016】
画像形成装置10は、ユーザーの保持するモバイル端末等の接近通信機能を搭載した携帯端末装置200との距離情報を認識し、少なくとも1以上の所定のユーザの所持する特定の携帯端末装置200の画像形成装置10に対する接近又は立ち去りを検出することによってユーザーの接近や立ち去りを検知して省エネルギー状態から通常状態への復帰やログイン/ログアウトをするといった、ユーザーの移動によって画像形成装置10の挙動を変える運用をするものである。
【0017】
[1.1 全体構成]
画像形成装置10は、図2に示すように、主に、制御部100と、画像入力部110と、原稿読取部112と、画像処理部120と、画像形成部130と、操作部140と、表示部150と、記憶部160と、通信部170とを備えている。
【0018】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。
【0019】
そして、制御部100は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
【0020】
[1.2 機能構成]
画像入力部110は、画像形成装置10に入力される画像データを入力するための機能部である。そして、画像入力部110は、原稿の画像を読み取る機能部である原稿読取部112と接続され、原稿読取部112から出力される画像データを入力する。
【0021】
また、画像入力部110は、USBメモリや、SDカード等の記憶媒体から画像データを入力してもよい。また、他の端末装置と接続を行う通信部170により、他の端末装置から画像データを入力してもよい。
【0022】
原稿読取部112は、コンタクトガラス(不図示)等に載置された原稿を光学的に読み取り、生成した画像データを画像処理部120へ渡す機能を有する。
【0023】
画像形成部130は、画像データに基づく出力データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、図1に示すように、給紙トレイ122から記録用紙を給紙し、画像形成部130において記録用紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイ124から排紙される。画像形成部130は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0024】
画像処理部120は、原稿読取部112で読み取られた画像データに対し、設定されたファイル形式(TIFF,GIF,JPEG等)に変換する画像処理を施す機能を有する。そして、画像処理が施された画像データに基づき出力画像を形成する。
【0025】
操作部140は、ユーザーによる操作指示を受け付けるための機能部であり、各種キースイッチや、接触による入力を検出する装置等により構成されている。ユーザーは、操作部140を介して、使用する機能や出力条件を入力する。
【0026】
表示部150は、ユーザーに各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD(Liquid crystal display)等により構成されている。
【0027】
すなわち、操作部140は、画像形成装置10を操作するためのユーザーインターフェースを提供し、表示部150には、画像形成装置の各種設定メニュー画面やメッセージが表示される。
【0028】
なお、画像形成装置10は、図1に示すように、操作部140の構成として、操作パネル141と、表示部150とが一体に形成されているタッチパネルを備えてもよい。この場合において、タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
【0029】
記憶部160は、画像形成装置10の動作に必要な制御プログラムを含む各種プログラムや、読み取りデータを含む各種データやユーザー情報が記憶されている機能部である。記憶部160は、例えば、不揮発性のROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)を備えてもよい。
【0030】
通信部170は、外部の装置と通信接続を行う。通信部170としてデータの送受信に用いられる通信インターフェース(通信I/F)が設けられている。
【0031】
通信I/Fにより、画像形成装置10でのユーザーによる操作によって、画像形成装置10の記憶部に格納されるデータを、ネットワークを介して接続される他のコンピュータ装置へ送受信することができる。
【0032】
また、通信部170は、通信インターフェースとして、ユーザーの所持する携帯端末装置200との間で無線通信するビーコン通信手段170aを有している。
【0033】
携帯端末装置200は、持ち運びが可能な端末装置であって、いわゆるタブレット端末やスマートフォン等を含み、ビーコン信号を送受信するビーコン通信手段200aが搭載されている。このビーコン通信手段200aが画像形成装置10の通信部170のビーコン通信手段170aと無線でリンクしてビーコン信号を送受信することが可能であり、画像形成装置10は、ビーコン信号によって画像形成装置10と携帯端末装置200との距離情報を検出し(距離検出部210)、検出した距離情報に基づき携帯端末装置200の画像形成装置10に対する接近又は立ち去りを検知(接近検知部220)することが可能な構成になっている。
【0034】
画像形成装置10は、記憶部160に記憶されたプログラムによって制御部100が距離検出部210、接近検知部220、挙動変化部230、設定部240等の各機能を制御部100が実現する。
【0035】
距離検出部210は、ユーザーの所持する携帯端末装置200と画像形成装置10との離隔した距離情報を検出する。例えば、携帯端末装置200がビーコン信号としてBluetooth(登録商標:以下同様)のビーコン信号を用いたロケーション判定システムによって距離情報を検出することができる。携帯端末装置200は、極めて少ない消費電力で通信可能なBLE(Bluetooth Low Energy)規格によるビーコン信号を用いたスマートフォンやタブレット端末を用いることが好適である。
【0036】
画像形成装置10の通信部170(ビーコン通信手段170a)が、携帯端末装置200(ビーコン通信手段200a)との間で、BLE規格の送受信をし、携帯端末装置200と画像形成装置10との距離を検出することが可能である(例えば、WO2016/103499公報等を参照)。なお、距離の検出には、BLE規格のビーコン信号に限られず、無線LANや赤外線を用いた距離測定が可能な端末装置を用いることもできる。
【0037】
接近検知部220は、検出された距離情報に基づき、複数の所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置200が画像形成装置10に接近又は立ち去りしたことを検知し、所定のユーザー以外のユーザーの所持する携帯端末装置の画像形成装置10に対する接近又は立ち去りを検知しないものである。
【0038】
挙動変化部230は、特定の携帯端末装置200が画像形成装置10に接近又は立ち去りしたことを接近検知部220が判定した場合に、画像形成装置10の挙動を変化させるものである。
【0039】
設定部240は、複数の所定のユーザーを、画像形成装置10の使用履歴に基づき設定し、又は、使用履歴の有無に拘わらずに距離情報が管理されるユーザーを設定するものである。
【0040】
設定部240は、例えば画像形成装置10の使用履歴として、少なくとも1以上の所定のユーザーが画像形成装置10に接近又は立ち去りした際の、直近の画像形成装置10の使用回数に基づき判定することができる。
【0041】
ここで、設定部240は、所定のユーザーの人数又は使用履歴を管理する時間に制限を設けることができる。所定のユーザーは、使用履歴から直近(例えば1時間くらい前)に使用した複数人(例えば2~10名)のみのユーザーに制限して、制限人数のユーザーの直近の使用履歴を繰り返し取得することが好適である。人数に制限を設けない場合、又は、管理時間に制限を設けない場合、ユーザーの使用履歴を記憶するメモリを消費続けることになるが制限を設けることによってメモリ容量の無駄な消費を防止し、メモリ容量を確保することができる。
【0042】
また、所定のユーザーの設定は、画像形成装置の設置場所の規模と使用人数、使用頻度等で設定することができる。使用履歴を管理する時間に設ける制限は画像形成装置の使用頻度に応じて自動的に設定時間を変える(業務時間内と業務時間外で自動的に設定時間を変える等)ことができる。又は、固定した設定時間で管理することができる。また、所定のユーザーに登録する人数は、ユーザー全体の何%を所定のユーザーの人数とし、又は、登録されたユーザーの人数に応じて管理対象とする時間を変化させても良い。
【0043】
また、設定部240は、所定のユーザー及び特定の携帯端末装置200に、直近の使用履歴の有無にかかわらずに管理するユーザーを所定のユーザーとし、その所持する携帯端末装置200を特定の携帯端末装置200として設定可能である。
【0044】
すなわち、過去の使用状況、職務内容、画像形成装置からの距離等から使用頻度が高いと想定されるユーザーは、直近の使用履歴が無いとしても、次に使用する可能性が高いため、管理するべき所定のユーザー及び特定の携帯端末装置200として設定し、特定の携帯端末装置200の接近又は立ち去りの際に画像形成装置10の挙動を変化させて使用の準備をすることによって、効率的な運用を可能にする。
【0045】
また、設定部240は、所定のユーザー及び特定の携帯端末装置200に、直近の使用履歴の有無にかかわらずに管理対象から除外するユーザー及びその所持する携帯端末装置200を設定可能である。使用頻度が低いと想定されるユーザーを管理対象から除外することによって、使用頻度が低いと想定されるユーザーが所持する携帯端末装置200が接近又は立ち去りをしたとしても挙動を変化させないようにし、画像形成装置の無駄な挙動変化を防止することで、効率的な運用を可能にする。
【0046】
挙動変化部230が行う画像形成装置10の挙動の変化は、画像形成装置10を省エネルギー動作状態から通常運転状態への復帰動作、又は、画像形成装置10に対するユーザーのログイン・ログアウトをする動作とすることができる。省エネルギー運転状態(省エネルギー運転モード)とは、例えば必要最低限のコントローラへの電力供給を行い、CPUや定着装置への電力供給を停止させている運転状態である。
【0047】
図3は、設定部240の設定に関して、所定のユーザーの人数と管理対象とする時間の設定画面の具体例を示す。
【0048】
図3に示すように、操作部140の操作によって操作可能な表示部150に表示される表示画面において、システム設定のタブ300を選択し、管理設定300aの選択項目のうちの距離情報管理300a1を選択し、距離情報管理の設定画面310を表示する。
【0049】
その距離情報管理の設定画面310において、距離情報管理についてのプルダウンメニュー310aで「有効」を選択することによって、距離情報管理の設定を「有効」にすることができる。
【0050】
また、設定画面310には、「ジョブ履歴を利用する(使用履歴を利用する)」か否かを選択するチェックボックス310b、「登録した管理対象ユーザーを利用する」か否かを選択するチェックボックス310cが表示される。これらチェックボックス310b、310cにチェックを入れることによって、直近の使用履歴(直近に実行したジョブ履歴)、登録した管理対象ユーザーを利用した管理ができるようになる。
【0051】
そして、チェックボックス310bにチェックを入れた場合、「ジョブ履歴を利用する管理」において、設定画面310に表示された「直近ジョブから管理対象とする時間」を設定するボックス310dと、「直近ジョブから管理対象とする人数」を設定するボックス310eとが表示された状態で、ボックス310dに管理時間を入力し、ボックス310eに所定のユーザーの人数を入力することによって、「ジョブ履歴を利用する管理」の設定をすることができる。
【0052】
また、チェックボックス310cにチェックを入れた場合、「登録した管理対象ユーザーを利用」することができる。管理対象ユーザーのユーザー名を入力するボックス310fに管理対象とする所定のユーザー名(ユーザAユーザーB、ユーザーC等)を入力することによって管理対象とする所定のユーザーを入力できる。
【0053】
設定画面310において表示される「登録ボタン」320aの押下によって、それまで入力された設定が登録され、「更新ボタン」320bの押下によって入力された設定を更新することができる。
【0054】
[1.3 処理の流れ]
図4のフローチャートに基づいて画像形成装置10における動作の流れを説明する。各ステップ100~は、S100と略記する。
【0055】
まず、距離検出部210が、画像形成装置10の周囲に存在する携帯端末装置200を検出した場合、その携帯端末装置200を所持するユーザーが直近の使用履歴から管理すべき所定ユーザーか否か、又は使用履歴に基づかずに管理すべき所定ユーザーであるか否かを判定する(S100)。
【0056】
判定の結果、携帯端末装置200を所持するユーザーが直近の使用履歴から管理すべき所定ユーザーである場合、又は、使用履歴に基づかずに管理すべき所定のユーザーである場合、その所持する携帯端末装置200は特定の携帯端末装置200であり、画像形成装置10からその特定の携帯端末装置200までの距離を距離検出部210から取得する(S110)。
【0057】
一方、S100の判定の結果、携帯端末装置200を所持するユーザーが直近の使用履歴から管理すべき所定ユーザーではない場合、かつ、使用履歴に基づかずに管理すべき所定のユーザーではない場合(S100:No)、距離情報を取得せずに(S120)、終了(END)する。
【0058】
S110の処理後、画像形成装置10にユーザーがログイン中か否かを判定する(S130)。判定の結果、画像形成装置10にユーザーがログイン中である場合、接近検知部220が所定のユーザーの所持する特定の携帯端末装置200が画像形成装置10から離れたか否かを検知して、所定のユーザーが立ち去ったか否かを判定する(S140)。
【0059】
所定のユーザーの立ち去りを検知したと判定した場合(S140:Yes)、画像形成装置10にログイン中のユーザーのログアウト処理を実行し又は省エネルギー運転モードに突入する(S150)。この場合、立ち去りを検知したと判定した場合、ユーザーのジョブが終了したと判断できるので画像形成装置10にログイン中のユーザーのログアウト処理を行い、画像形成装置10の運転を休止し、または、待機状態で必要な機器類のみに電源を通じる省エネルギーモードとする。その後、終了(END)する。
【0060】
一方、S140で、所定のユーザーの立ち去りを検知していないと判定した場合(S140:No)、終了(END)する。
【0061】
S130で画像形成装置10にユーザーがログイン中ではないと判定した場合(S130:No)、携帯端末装置200の接近からユーザーの接近を検知したか否かを判定する(S160)。ユーザーの接近を検知した場合(S160:Yes)、省エネルギーモードから通常モードに復帰し、又は、画像形成装置10にユーザーをログインさせて画像形成装置10が使用できる状態とする(S170)。その後、終了(END)する。
【0062】
S160で、携帯端末装置200の接近を検知していないと判定した場合(S160:No)、終了(END)する。
【0063】
図5は、実施形態に係る画像形成装置の処理イメージ図である。
【0064】
実施形態の処理によって、直近で画像形成装置を使用したユーザーや、常に距離情報を管理する対象のユーザーに対して、接近や立ち去りを検知して画像形成装置10が挙動を変えることができる。例えば図5(a)に示すように、直近で画像形成装置を使用したユーザー330が画像形成装置10に接近した場合、画像形成装置10側で、ユーザーの接近を検知し、省エネルギー運転状態から通常状態に復帰したり、接近を検知したユーザーをログイン状態にしたりするなどして、挙動を変化させる。
【0065】
また、直近で画像形成装置を使用していないユーザーや、距離情報を管理しないユーザーについては、画像形成装置10に対する接近や立ち去りを検知せず、画像形成装置10が挙動を変化させないものである。例えば図5(b)に示すように、直近で画像形成装置を使用していないユーザー340が画像形成装置10に接近したとしても、画像形成装置10側で、ユーザーの接近を検知しない。したがって、画像形成装置10は、挙動が変化することがない。
【0066】
[1.4 効果]
以上のように、実施形態によれば、ユーザーの移動によって画像形成装置の挙動を変える運用をしている環境下において、画像形成装置10を使用した少なくとも1名以上の所定のユーザーの距離情報や常に距離情報を管理する対象のユーザーに対して接近又は立ち去りを管理し、一方、その他のユーザーについては距離情報を管理しないので、距離情報管理対象ユーザー以外の接近又は立ち去りによる無駄な挙動変化を効果的に防止することができる。
【0067】
以上、実施形態について説明してきたが、具体的な構成は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0068】
また、実施形態において、各装置で動作するプログラムは、上述の実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えばRAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0069】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えばROMや不揮発性メモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versataile Disc)、MO(magneto Optical Disc)、(MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の非一時的記録媒体であればいずれでもよい。
【0070】
また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0071】
また、プログラムを市場に流通させる場合、可般型の記憶装置にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されるサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのはもちろんである。
【0072】
また、上述した実施形態における各装置の一部又は全部を典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路又は汎用プロセッサーで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0073】
10 画像形成装置
100 制御部
110 画像入力部
170 通信部
170a ビーコン通信手段
200 携帯端末装置
200a ビーコン通信手段
210 距離検出部
220 接近検知部
230 挙動変化部
240 設定部
330 直近で画像形成装置を使用したユーザー
340 直近で画像形成装置を使用していないユーザー
図1
図2
図3
図4
図5