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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】コネクタおよび接続方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/77 20110101AFI20240920BHJP
   H01R 13/502 20060101ALI20240920BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01R12/77
H01R13/502 Z
A41D13/00 102
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021045912
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144758
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】古本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】木村 晃
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-044104(JP,A)
【文献】特開2001-128340(JP,A)
【文献】特開2003-032840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/77
H01R 13/502
A41D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面にフレキシブル導体が露出している接続対象物に取り付けられ且つ嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、
前記接続対象物に取り付けられ且つコンタクト保持面を有するハウジングと、
前記コンタクト保持面に対して互いに前記嵌合方向の回りに180度反転した第1の姿勢および第2の姿勢のうちいずれか一方の姿勢で選択的に前記ハウジングに保持され且つ導電性材料からなる少なくとも1つのコンタクトと
を備え、
前記ハウジングは、前記接続対象物を間に挟んで所定の組み込み方向に沿って互いに組み込まれる第1インシュレータおよび第2インシュレータからなり、
前記コンタクトは、前記第1インシュレータから前記嵌合方向に突出し且つ相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部と、前記接続対象物の前記フレキシブル導体に接続される接続部とを有し、
前記コンタクトが前記コンタクト保持面に対して前記第1の姿勢で前記ハウジングに保持された場合と、前記コンタクトが前記コンタクト保持面に対して前記第2の姿勢で前記ハウジングに保持された場合とにおいて、前記接触部は、前記ハウジングに対して同じ位置に配置され、前記接続部は、前記ハウジングに対して異なる位置に配置され、
前記コンタクトは、前記第1の姿勢および前記第2の姿勢のうち、前記フレキシブル導体が露出する前記接続対象物の面の向きに応じた姿勢で前記ハウジングに保持され
前記コンタクトは、前記嵌合方向に沿った中央線に関して対称位置に配置され且つ互いに反対方向を向いた第1接触面および第2接触面と、前記第1接触面に接続された第1接続面および前記第2接触面に接続された第2接続面とを有し、
前記第1接続面および前記第2接続面は、前記中央線に関して非対称位置に配置され、
前記コンタクトが前記第1の姿勢で前記ハウジングに保持された場合においても前記第2の姿勢で前記ハウジングに保持された場合においても、前記第1接触面および前記第2接触面のうち少なくとも一方が、前記接触部として前記相手側コネクタのコンタクトに接触し、
前記コンタクトが前記第1の姿勢で前記ハウジングに保持された場合に、前記第1接続面が前記接続部として前記接続対象物の前記フレキシブル導体に接続され、
前記コンタクトが前記第2の姿勢で前記ハウジングに保持された場合に、前記第2接続面が前記接続部として前記接続対象物の前記フレキシブル導体に接続されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1インシュレータは、前記嵌合方向に沿って延びる第1対向面を有し、
前記第2インシュレータは、前記嵌合方向に沿って延び且つ前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、
前記第1対向面と前記第2対向面との間に前記接続対象物の前記フレキシブル導体と前記コンタクトの前記接続部とが挟まれた状態で互いに電気的に接続される請求項に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記コンタクトが前記第1の姿勢で前記ハウジングに保持された場合に、前記コンタクトの前記第1接続面が前記第1対向面側に位置し、前記接続対象物の前記フレキシブル導体が前記第2対向面側に位置し、
前記コンタクトが前記第2の姿勢で前記ハウジングに保持された場合に、前記コンタクトの前記第2接続面が前記第2対向面側に位置し、前記接続対象物の前記フレキシブル導体が前記第1対向面側に位置する請求項に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第2インシュレータは、凹状のコンタクト部分収容部を有し、
前記コンタクトが前記第1の姿勢で前記ハウジングに保持された場合に、前記第2接続面が前記コンタクト部分収容部に収容され、
前記コンタクトが前記第2の姿勢で前記ハウジングに保持された場合に、前記第1接続面が前記コンタクト部分収容部に収容される請求項のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、前記第1接触面と前記第1接続面との間に配置された第1連結部と、前記第2接触面と前記第2接続面との間に配置された第2連結部とを有し、前記第1連結部および前記第2連結部が、前記第1インシュレータと前記第2インシュレータとの間に挟まれることにより前記ハウジングに保持されている請求項のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1連結部および前記第2連結部は、前記第1インシュレータと前記第2インシュレータとの間において、前記所定の組み込み方向に挟まれている請求項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記所定の組み込み方向は、前記嵌合方向と同一である請求項のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
接続対象物の一方の面に露出しているフレキシブル導体に、請求項1~のいずれか一項に記載のコネクタの前記コンタクトを接続する接続方法であって、
前記ハウジングの前記第1インシュレータまたは前記第2インシュレータに、前記第1の姿勢および前記第2の姿勢のうち、前記フレキシブル導体が露出する前記接続対象物の面の向きに応じた姿勢で前記コンタクトを仮保持し、
前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの間に前記接続対象物を配置し、
前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータを前記所定の組み込み方向に沿って互いに組み込むことにより、前記コンタクトの前記接続部が前記接続対象物の前記フレキシブル導体に接続されることを特徴とする接続方法。
【請求項9】
仮保持された前記コンタクトの前記接続部は、変位可能に配置され、前記フレキシブル導体の厚さ寸法よりも大きい間隔を隔てて、前記第1インシュレータの第1対向面または前記第2インシュレータの第2対向面に対向し、
前記接続部と前記第1対向面または前記第2対向面との間に前記フレキシブル導体を挿入した状態で、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータを互いに組み込むことにより、前記接続部は、前記第1対向面および前記第2対向面の間において変位し、前記フレキシブル導体に押しつけられて接続される請求項に記載の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタおよび接続方法に係り、特に、一方の面にフレキシブル導体が露出している接続対象物に取り付けられるコネクタおよび接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル導体を有する接続対象物に取り付けられるコネクタとして、例えば、特許文献1には、図54に示されるようなコネクタ1が開示されている。コネクタ1は、平板形状の第1絶縁部材2と中央に開口部3Aを有する枠形状の第2絶縁部材3との間に、接続対象物4を挟んで保持した構造を有している。
【0003】
第1絶縁部材2には、第2絶縁部材3の開口部3A内に突出する凸部2Aと、凸部2Aよりも第1絶縁部材2の側縁部に近い箇所で第2絶縁部材3に向かって突出する突起2Bとが形成されており、凸部2Aおよび突起2Bの表面上においてそれぞれ露出されるようにコンタクト5が第1絶縁部材2に保持されている。第1絶縁部材2に対向する第2絶縁部材3の面には、第1絶縁部材2の突起2Bを収容するための凹状の突起収容部3Bが形成されている。
【0004】
接続対象物4は、裏面、すなわち、第1絶縁部材2に対向する面上に露出するフレキシブル導体6を有している。第1絶縁部材2と第2絶縁部材3との間に接続対象物4を配置した状態で、第1絶縁部材2と第2絶縁部材3を互いに近接するように押し込むと、図55に示されるように、第1絶縁部材2の突起2Bにより、接続対象物4が第2絶縁部材3の突起収容部3B内に挿入される。その結果、接続対象物4は、突起収容部3Bの内面と、第1絶縁部材2の突起2Bの表面上に配置されているコンタクト5との間に挟み込まれ、コンタクト5が、接続対象物4の裏面に露出しているフレキシブル導体6に電気的に接続される。
【0005】
なお、第1絶縁部材2の凸部2Aの表面上に配置されている部分のコンタクト5は、相手側コネクタの一部が第2絶縁部材3の開口部3A内に挿入されて、相手側コネクタがコネクタ1に嵌合した際に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接触して電気的に接続された状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-87515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようにして、特許文献1のコネクタ1を用いることにより、接続対象物4の裏面上に露出しているフレキシブル導体6にコンタクト5を電気的に接続することができる。
しかしながら、第2絶縁部材3の突起収容部3B内において、接続対象物4の裏面がコンタクト5に接触するため、フレキシブル導体6が接続対象物4の裏面上に露出せずに、接続対象物4の表面上にのみ露出している場合には、フレキシブル導体6にコンタクト5を電気的に接続することができないという問題がある。
【0008】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブル導体が接続対象物の表面および裏面のいずれに露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することができるコネクタを提供することを目的とする。
また、この発明は、このようなコネクタを用いてコンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続する接続方法を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るコネクタは、一方の面にフレキシブル導体が露出している接続対象物に取り付けられ且つ嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、
接続対象物に取り付けられ且つコンタクト保持面を有するハウジングと、
コンタクト保持面に対して互いに嵌合方向の回りに180度反転した第1の姿勢および第2の姿勢のうちいずれか一方の姿勢で選択的にハウジングに保持され且つ導電性材料からなる少なくとも1つのコンタクトと
を備え、
ハウジングは、接続対象物を間に挟んで所定の組み込み方向に沿って互いに組み込まれる第1インシュレータおよび第2インシュレータからなり、
コンタクトは、第1インシュレータから嵌合方向に突出し且つ相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部と、接続対象物のフレキシブル導体に接続される接続部とを有し、
コンタクトがコンタクト保持面に対して第1の姿勢でハウジングに保持された場合と、コンタクトがコンタクト保持面に対して第2の姿勢でハウジングに保持された場合とにおいて、接触部は、ハウジングに対して同じ位置に配置され、接続部は、ハウジングに対して異なる位置に配置され、
コンタクトは、第1の姿勢および第2の姿勢のうち、フレキシブル導体が露出する接続対象物の面の向きに応じた姿勢でハウジングに保持され
コンタクトは、嵌合方向に沿った中央線に関して対称位置に配置され且つ互いに反対方向を向いた第1接触面および第2接触面と、第1接触面に接続された第1接続面および第2接触面に接続された第2接続面とを有し、
第1接続面および第2接続面は、中央線に関して非対称位置に配置され、
コンタクトが第1の姿勢でハウジングに保持された場合においても第2の姿勢でハウジングに保持された場合においても、第1接触面および第2接触面のうち少なくとも一方が、接触部として相手側コネクタのコンタクトに接触し、
コンタクトが第1の姿勢でハウジングに保持された場合に、第1接続面が接続部として接続対象物のフレキシブル導体に接続され、
コンタクトが第2の姿勢でハウジングに保持された場合に、第2接続面が接続部として接続対象物のフレキシブル導体に接続されるものである。
【0011】
第1インシュレータは、嵌合方向に沿って延びる第1対向面を有し、第2インシュレータは、嵌合方向に沿って延び且つ第1対向面に対向する第2対向面を有し、第1対向面と第2対向面との間に接続対象物のフレキシブル導体とコンタクトの接続部とが挟まれた状態で互いに電気的に接続されることが好ましい。
【0012】
なお、コンタクトが第1の姿勢でハウジングに保持された場合に、コンタクトの第1接続面が第1対向面側に位置し、接続対象物のフレキシブル導体が第2対向面側に位置し、コンタクトが第2の姿勢でハウジングに保持された場合に、コンタクトの第2接続面が第2対向面側に位置し、接続対象物のフレキシブル導体が第1対向面側に位置するように構成することができる。
【0013】
また、第2インシュレータは、凹状のコンタクト部分収容部を有し、コンタクトが第1の姿勢でハウジングに保持された場合に、第2接続面がコンタクト部分収容部に収容され、コンタクトが第2の姿勢でハウジングに保持された場合に、第1接続面がコンタクト部分収容部に収容されることが好ましい。
【0014】
コンタクトは、第1接触面と第1接続面との間に配置された第1連結部と、第2接触面と第2接続面との間に配置された第2連結部とを有し、第1連結部および第2連結部が、第1インシュレータと第2インシュレータとの間に挟まれることによりハウジングに保持されていることが好ましい。
この場合、第1連結部および第2連結部は、第1インシュレータと第2インシュレータとの間において、所定の組み込み方向に挟まれていることが好ましい。
また、所定の組み込み方向は、嵌合方向と同一とすることができる。
【0015】
この発明に係る接続方法は、接続対象物の一方の面に露出しているフレキシブル導体に、上記のコネクタのコンタクトを接続する接続方法であって、
ハウジングの第1インシュレータまたは第2インシュレータに、第1の姿勢および第2の姿勢のうち、フレキシブル導体が露出する接続対象物の面の向きに応じた姿勢でコンタクトを仮保持し、
第1インシュレータおよび第2インシュレータの間に接続対象物を配置し、
第1インシュレータおよび第2インシュレータを所定の組み込み方向に沿って互いに組み込むことにより、コンタクトの接続部が接続対象物のフレキシブル導体に接続される方法である。
【0016】
仮保持されたコンタクトの接続部は、変位可能に配置され、フレキシブル導体の厚さ寸法よりも大きい間隔を隔てて、第1インシュレータの第1対向面または第2インシュレータの第2対向面に対向し、
接続部と第1対向面または第2対向面との間にフレキシブル導体を挿入した状態で、第1インシュレータおよび第2インシュレータを互いに組み込むことにより、接続部は、第1対向面および第2対向面の間において変位し、フレキシブル導体に押しつけられて接続されるように構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、互いに嵌合方向の回りに180度反転した第1の姿勢および第2の姿勢のうち、いずれか一方の姿勢で選択的にハウジングに保持されるコンタクトを備え、コンタクトが第1の姿勢でハウジングに保持された場合と、コンタクトが第2の姿勢でハウジングに保持された場合とにおいて、接触部は、ハウジングに対して同じ位置に配置され、接続部は、ハウジングに対して異なる位置に配置され、コンタクトは、第1の姿勢および第2の姿勢のうち、フレキシブル導体が露出する接続対象物の面の向きに応じた姿勢でハウジングに保持されるので、フレキシブル導体が接続対象物の表面および裏面のいずれに露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図2】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図3】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図5】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図6】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図7】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図8】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
図9】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを示す側面図である。
図10】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態1における第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図11】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態1における第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図12】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物への取り付け途中における実施の形態1に係るコネクタを示す断面図である。
図13】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを示す断面図である。
図14】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図15】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図16】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物への取り付け途中における実施の形態1に係るコネクタを示す断面図である。
図17】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを示す断面図である。
図18】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態2に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図19】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態2に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図20】実施の形態2に係るコネクタの分解斜視図である。
図21】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図22】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図23】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図24】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図25】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
図26】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトを示す側面図である。
図27】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態2における第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図28】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態2における第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図29】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物への取り付け途中における実施の形態2に係るコネクタを示す断面図である。
図30】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態2に係るコネクタを示す断面図である。
図31】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態2に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図32】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態2に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図33】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物への取り付け途中における実施の形態2に係るコネクタを示す断面図である。
図34】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態2に係るコネクタを示す断面図である。
図35】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態3に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図36】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態3に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図37】実施の形態3に係るコネクタの分解斜視図である。
図38】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図39】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図40】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図41】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図42】実施の形態3に係るコネクタに用いられるコンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
図43】実施の形態3に係るコネクタに用いられるコンタクトを示す側面図である。
図44】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態3における第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図45】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態3における第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図46】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物への取り付け途中における実施の形態3に係るコネクタを示す断面図である。
図47】上面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態3に係るコネクタを示す断面図である。
図48】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態3に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図49】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態3に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図50】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態3における第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図51】複数のコンタクトが仮保持された実施の形態3における第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図52】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物への取り付け途中における実施の形態3に係るコネクタを示す断面図である。
図53】下面にフレキシブル導体が露出する接続対象物に取り付けられた実施の形態3に係るコネクタを示す断面図である。
図54】従来のコネクタを示す断面図である。
図55図54の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および図2に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、例えば、衣服等の接続対象物F1に取り付けられ、ウエアラブルデバイスを嵌合するためのコネクタとして使用されるもので、絶縁性材料からなるハウジング12を有している。ハウジング12には、複数のコンタクト13が、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物F1に対して垂直に突出するように保持されている。
【0020】
また、コネクタ11は、接続対象物F1を補強するための補強シート14と共に接続対象物F1に取り付けられている。
接続対象物F1としては、例えば、導電性繊維の織り込み、導電性インクの印刷等により少なくとも一方の面に配線が形成された、いわゆるスマートテキスタイルを備える衣服を用いることができる。図1に示されるように、接続対象物F1は、絶縁性材料からなる布地F11の+Z方向を向いた上面に複数のフレキシブル導体F12による配線が露出しているものである。図2に示されるように、布地F11の-Z方向を向いた下面には、フレキシブル導体F12は露出していない。
【0021】
ここで、便宜上、接続対象物F1がXY面に沿って延び、複数のコンタクト13の配列方向をY方向、複数のコンタクト13がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。Z方向は、コネクタ11が相手側コネクタと嵌合する嵌合方向となる。
【0022】
図3は、コネクタ11の分解斜視図である。コネクタ11は、第1インシュレータ15および第2インシュレータ16を有しており、これら第1インシュレータ15および第2インシュレータ16によりハウジング12が構成されている。
また、複数のコンタクト13は、それぞれ、第1インシュレータ15に仮保持され、第2インシュレータ16は、接続対象物F1と補強シート14を間に挟みながら、所定の組み込み方向D1である+Z方向に沿って、第1インシュレータ15に組み込まれる。
【0023】
なお、接続対象物F1の布地F11には、長方形の開口部F13が形成されており、複数のフレキシブル導体F12の一端が開口部F13の+X方向側の縁部および-X方向側の縁部に位置している。また、布地F11の開口部F13の周辺には、複数の貫通孔F14が形成されている。
また、補強シート14にも、接続対象物F1の開口部F13および複数の貫通孔F14と同様の開口部14Aおよび複数の貫通孔14Bが形成されている。
【0024】
図4および図5に示されるように、第1インシュレータ15は、XY面に沿って延びる平板形状の基部15Aと、それぞれ基部15Aから+Z方向に向かって突出し且つ枠状に配列された複数の突部15Bとを有している。互いに隣接する突部15Bの間には、それぞれ空隙15Cが形成されている。
【0025】
基部15Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって開口する長方形状の凹部15Dが形成されており、凹部15Dの底部には、それぞれ、基部15Aの+Z方向側の対応する空隙15Cから凹部15Dにまで貫通する複数の貫通孔15Eが形成されている。複数の貫通孔15Eは、複数のコンタクト13に対応するもので、凹部15Dの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列と、凹部15Dの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列を形成している。
【0026】
また、凹部15Dの底部には、それぞれの貫通孔15EのX方向の両側に、XY面に沿って延びる平面状の保持面15Fおよび15Gが形成されている。凹部15Dの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列の貫通孔15Eに対しては、貫通孔15Eの+X方向側に保持面15Fが、-X方向側に保持面15Gが配置されている。一方、凹部15Dの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列の貫通孔15Eに対しては、貫通孔15Eの-X方向側に保持面15Fが、+X方向側に保持面15Gが配置されている。
【0027】
すなわち、それぞれの貫通孔15EのX方向の両側に形成された保持面15Fおよび15Gのうち、保持面15Fは、凹部15Dの内壁面15Hに近接して配置されており、内壁面15Hにまで至っている。凹部15Dの内壁面15Hは、嵌合方向であるZ方向に沿って延びる第1対向面を構成している。
なお、凹部15Dは、接続対象物F1の開口部F13よりもX方向の幅が大きく形成されている。
さらに、基部15Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって突出する複数の固定ポスト15Jと、+Z方向に向かって延びる複数の固定孔15Kが形成されている。
【0028】
図6および図7に示されるように、第2インシュレータ16は、XY面に沿って延びる平板形状の基部16Aと、基部16Aの中央に配置され且つ基部16Aから+Z方向に向かって突出する直方体形状の凸部16Bと、凸部16Bから+Z方向に向かって突出する複数の柱状部材16Cとを有している。
【0029】
凸部16Bは、接続対象物F1へのコネクタ11の取り付け時に、第1インシュレータ15の凹部15Dに挿入されるもので、凹部15Dよりもわずかに小さいサイズを有している。また、凸部16Bは、接続対象物F1の開口部F13よりもX方向の幅が大きく形成されている。
複数の柱状部材16Cは、複数のコンタクト13に対応するもので、凸部16Bの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列と、凸部16Bの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列を形成している。
【0030】
凸部16Bには、第1の列を形成する複数の柱状部材16Cの-X方向側と、第2の列を形成する複数の柱状部材16Cの+X方向側に、それぞれ、-Z方向に向かって延びる複数の凹状のコンタクト部分収容部16Dが形成されている。
また、基部16Aには、凸部16Bの周辺に配置され且つ基部16AをZ方向に貫通する複数の貫通孔16Eと、+Z方向に向かって突出する複数の固定ポスト16Fが形成されている。
なお、凸部16Bの外側面16Gは、嵌合方向であるZ方向に沿って延びる第2対向面を構成している。
【0031】
図3に示される複数のコンタクト13のうち、+X方向側に配列されたコンタクト13の構成を図8および図9に示す。
コンタクト13は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、Z方向に延び且つU字状に曲げられたU形状部13Aを有している。U形状部13Aは、それぞれYZ面に沿って延び且つ互いにX方向に対向する一対の伸長部13Bおよび13Cと、一対の伸長部13Bおよび13Cの+Z方向端部を互いに連結する頂部13Dとから形成されている。伸長部13Bの-Z方向端部に、XY面に沿って延びる第1連結部13Eを介して、YZ面に沿って延びる平板部13Fが接続されている。また、伸長部13Cの-Z方向端部に、XY面に沿って延びる第2連結部13Gを介して、YZ面よりも+X方向側に傾斜して延びる平板部13Hが接続されている。
【0032】
伸長部13Bの+X方向側の外面および伸長部13Cの-X方向側の外面により、それぞれ、相手側コネクタのコンタクトに接触するための第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aが形成されている。
また、平板部13Fの-Z方向端部は、+X方向から+Z方向に折り返されており、折り返された部分の-X方向側の面により、接続対象物F1のフレキシブル導体F12に接触する第1接続面S1Bが形成されている。同様に、平板部13Hの-Z方向端部は、+X方向から+Z方向に折り返されており、折り返された部分の-X方向側の面により、後述する接続対象物F2のフレキシブル導体F22に接触する第2接続面S2Bが形成されている。このように、第1接続面S1Bと第2接続面S2Bは、互いに反対方向を向くことなく、ほぼ同じ方向を向いている。
【0033】
図9に示されるように、Y方向から見たときに、U形状部13AはZ方向に延びる中央線C1を有し、第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aは、中央線C1に関して対称位置に配置されている。
これに対して、第1接続面S1Bおよび第2接続面S2Bは、中央線C1に関して非対称位置に配置されている。すなわち、第2連結部13GのX方向長さは、第1連結部13EのX方向長さよりも短く設定されており、中央線C1から第2接続面S2Bが形成されている平板部13Hの+Z方向端部までのX方向距離L2は、中央線C1から第1接続面S1BまでのX方向距離L1よりも短い。なお、第1連結部13EのX方向長さは、図5に示される第1インシュレータ15の凹部15D内の保持面15FのX方向長さにほぼ等しく設定されている。
【0034】
なお、図3に示される複数のコンタクト13のうち、-X方向側に配列されたコンタクト13は、図8および図9に示されるコンタクト13と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0035】
コネクタ11を接続対象物F1に取り付ける際には、まず、第1インシュレータ15に対して、複数のコンタクト13をそれぞれ-Z方向から+Z方向に向けて押し込むことにより、図10および図11に示されるように、第1インシュレータ15に複数のコンタクト13を仮保持させる。このとき、それぞれのコンタクト13のU形状部13Aが、第1インシュレータ15の-Z方向側の凹部15Dから、対応する貫通孔15Eを通って、互いに隣接する突部15Bの間に形成されている空隙15Cに挿入され、第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aが、第1インシュレータ15の+Z方向側に露出される。
【0036】
また、図12に示されるように、複数のコンタクト13の第1連結部13Eおよび第2連結部13Gと、第1連結部13Eに接続される第1接続面S1Bおよび第2連結部13Gに接続される第2接続面S2Bは、凹部15D内に位置している。
なお、複数のコンタクト13は、+X方向側の列と-X方向側の列の2列に配列されるが、それぞれの列を構成する複数のコンタクト13を、図示しない1つのキャリヤに連結されるように製造し、キャリヤを利用して複数のコンタクト13を一括して第1インシュレータ15に仮保持することもできる。キャリヤは、それぞれの列を構成する複数のコンタクト13が仮保持された後に、複数のコンタクト13から切除される。
【0037】
コンタクト13の第1連結部13Eおよび第2連結部13Gは、それぞれ、第1インシュレータ15の凹部15D内の保持面15Fおよび15Gに接触している。このように、第1連結部13Eおよび第2連結部13Gが、それぞれ、第1インシュレータ15の凹部15D内の保持面15Fおよび15Gに接触する向きで、第1インシュレータ15および第2インシュレータ16からなるハウジング12に保持されるに保持されるコンタクト13の姿勢を「第1の姿勢」と呼ぶことにする。
【0038】
上述したように、コンタクト13の第1連結部13EのX方向長さL1は、第1インシュレータ15の保持面15FのX方向長さにほぼ等しい。このため、コンタクト13が第1の姿勢でハウジング12に保持される場合は、コンタクト13の第1連結部13Eに接続される平板部13Fは、第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hに接触または対向し、第1接続面S1Bは、内壁面15Hとは反対方向を向いた状態にある。
【0039】
ここで、第1インシュレータ15の複数の固定ポスト15Jを、補強シート14の複数の貫通孔14Bおよび接続対象物F1の複数の貫通孔F14に順次貫通させて、補強シート14および接続対象物F1を第1インシュレータ15の-Z方向側に位置させた後、図12に示されるように、第2インシュレータ16を+Z方向に移動させて、第1インシュレータ15への組み込みを開始する。
【0040】
このとき、第2インシュレータ16の複数の柱状部材16Cが、それぞれ、対応するコンタクト13のU形状部13Aの内側に-Z方向から挿入される。
また、第2インシュレータ16の凸部16Bが、-Z方向から接続対象物F1の開口部F13および補強シート14の開口部14Aに順次通され、さらに、第1インシュレータ15の凹部15Dに挿入される。このとき、接続対象物F1の開口部F13の+X方向側の縁部および-X方向側の縁部が、第2インシュレータ16の凸部16Bにより押されて+Z方向に折り曲げられながら、第2インシュレータ16の凸部16Bの外側面16Gと第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hとの間に入り込む。
【0041】
そのまま第2インシュレータ16を第1インシュレータ15に向けて+Z方向に移動させると、図13に示されるように、複数のコンタクト13の第1連結部13Eおよび第2連結部13Gが、第2インシュレータ16の凸部16Bの+Z方向側の面と第1インシュレータ15の凹部15D内の保持面15Fおよび15Gとの間に挟み込まれる。これにより、複数のコンタクト13は、第1インシュレータ15および第2インシュレータ16に保持される。
【0042】
また、接続対象物F1の布地F11の上面に露出しているフレキシブル導体F12が、第2インシュレータ16の凸部16Bにより押されて+Z方向に折り曲げられた状態で、第1対向面を構成する第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hと第2対向面を構成する第2インシュレータ16の凸部16Bの外側面16Gとの間に挟み込まれ、第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hとは反対方向を向いているコンタクト13の第1接続面S1Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コンタクト13が接続対象物F1のフレキシブル導体F12に電気的に接続される。
【0043】
なお、複数のコンタクト13の第2連結部13Gに接続されている平板部13Hおよび第2接続面S2Bは、第2インシュレータ16の対応するコンタクト部分収容部16Dに収容される。
また、第1インシュレータ15の複数の固定ポスト15Jは、第2インシュレータ16の対応する貫通孔16Eを貫通して第2インシュレータ16の-Z方向側に突出し、第2インシュレータ16の複数の固定ポスト16Fは、第1インシュレータ15の対応する固定孔15Kに挿入される。
【0044】
第2インシュレータ16の-Z方向側に突出した第1インシュレータ15の固定ポスト15Jの-Z方向端部が加熱変形されることにより、第2インシュレータ16が第1インシュレータ15に対して固定される。
これにより、図1に示されるように、接続対象物F1へのコネクタ11の取り付けが完了する。
【0045】
コネクタ11が取り付けられた接続対象物F1は、布地F11の+Z方向を向いた上面に複数のフレキシブル導体F12による配線が露出しているものであるが、実施の形態1に係るコネクタ11は、これに限るものではない。
コネクタ11は、ハウジング12に保持される複数のコンタクト13の姿勢を変えるだけで、図14および図15に示されるように、布地F21の-Z方向を向いた下面に複数のフレキシブル導体F22による配線が露出する接続対象物F2に対しても取り付けることができる。
【0046】
接続対象物F2に取り付ける際のコネクタ11を図16に示す。コンタクト13は、第1連結部13Eおよび第2連結部13Gが、それぞれ、第1インシュレータ15の凹部15D内の保持面15Gおよび15Fに接触する向きで、第1インシュレータ15に仮保持されている。このようなコンタクト13の姿勢は、図12および図13に示される第1の姿勢に対して、Z方向に延びるU形状部13Aの中央線C1の回りに180度反転したものであり、この姿勢を「第2の姿勢」と呼ぶことにする。
第2の姿勢においては、コンタクト13の第2接続面S2Bが、第1接続面S1Bよりも第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hに近接した位置となり、内壁面15Hに対向する状態となる。
【0047】
上述したように、第1インシュレータ15の保持面15FのX方向長さは、コンタクト13の第1連結部13EのX方向長さにほぼ等しく、第2連結部13GのX方向長さは、第1連結部13EのX方向長さよりも短い。このため、コンタクト13が第2の姿勢で第1インシュレータ15に仮保持されている場合は、第2連結部13Gに接続された平板部13Hに形成されている第2接続面S2Bは、第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hには接触せず、第2接続面S2Bと内壁面15Hとの間に所定の空隙が形成される。
【0048】
そこで、接続対象物F2の縁部が、+Z方向に折り曲げられて、第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hとコンタクト13の第2接続面S2Bとの間に挿入される。
【0049】
この状態で、第2インシュレータ16を第1インシュレータ15に向けて+Z方向に移動させると、第2インシュレータ16の複数の柱状部材16Cが、それぞれ、対応するコンタクト13のU形状部13Aの内側に-Z方向から挿入される。
また、第2インシュレータ16の凸部16Bが第1インシュレータ15の凹部15Dに挿入され、凸部16Bにより、コンタクト13の平板部13Hが第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hに向けて押し込まれる。
なお、第2インシュレータ16の凸部16Bの角部にテーパ形状部16Hが形成されており、コンタクト13の平板部13Hは、テーパ形状部16Hにより案内されて、円滑に第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hに向けて押し込まれるように構成されている。
【0050】
これにより、図17に示されるように、複数のコンタクト13の第2連結部13Gおよび第1連結部13Eが、第2インシュレータ16の凸部16Bの+Z方向側の面と第1インシュレータ15の凹部15D内の保持面15Fおよび15Gとの間に挟み込まれる。これにより、複数のコンタクト13は、第1インシュレータ15および第2インシュレータ16に保持される。
【0051】
また、接続対象物F1の縁部とコンタクト13の平板部13Hが、第1対向面を構成する第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hと第2対向面を構成する第2インシュレータ16の凸部16Bの外側面16Gとの間に挟み込まれ、接続対象物F2の布地F21の下面に露出しているフレキシブル導体F22が、コンタクト13の第2接続面S2Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コンタクト13が接続対象物F2のフレキシブル導体F22に電気的に接続される。
【0052】
なお、複数のコンタクト13の第1連結部13Eに接続されている平板部13Fおよび第1接続面S1Bは、第2インシュレータ16の対応するコンタクト部分収容部16Dに収容される。
【0053】
このように、実施の形態1に係るコネクタ11によれば、第1インシュレータ15に仮保持されるコンタクト13の姿勢を、第1の姿勢と第2の姿勢との間で変化させるだけで、接続対象物F1および接続対象物F2のいずれに対しても、相手側コネクタとの嵌合関係を維持しつつ、また、コネクタ11の構成部品を何ら交換することなく、コネクタ11を取り付けることができ、接続対象物F1の布地F11の上面に露出するフレキシブル導体F12または接続対象物F2の布地F21の下面に露出するフレキシブル導体F22にコンタクト13を電気的に接続することが可能となる。
【0054】
実施の形態2
図18および図19に、実施の形態2に係るコネクタ21を示す。コネクタ21は、接続対象物F2に取り付けられ、ウエアラブルデバイスを嵌合するためのコネクタとして使用されるもので、絶縁性材料からなるハウジング22を有している。ハウジング22には、複数のコンタクト23が、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物F2に対して垂直に突出するように保持されている。
【0055】
また、コネクタ21は、接続対象物F2を補強するための補強シート14と共に接続対象物F2に取り付けられている。
接続対象物F2は、図14および図15に示される接続対象物F2と同一のものであり、絶縁性材料からなる布地F21の-Z方向を向いた下面に複数のフレキシブル導体F22による配線が露出し、布地F21の+Z方向を向いた上面には、フレキシブル導体F22は露出していない。
【0056】
ここで、便宜上、接続対象物F2がXY面に沿って延び、複数のコンタクト23の配列方向をY方向、複数のコンタクト23がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0057】
図20は、コネクタ21の分解斜視図である。コネクタ21は、第1インシュレータ25および第2インシュレータ26を有しており、これら第1インシュレータ25および第2インシュレータ26によりハウジング22が構成されている。
また、複数のコンタクト23は、それぞれ、第2インシュレータ26に仮保持され、第2インシュレータ26は、接続対象物F2と補強シート14を間に挟みながら、所定の組み込み方向D1である+Z方向に沿って、第1インシュレータ25に組み込まれる。
【0058】
図21および図22に示されるように、第1インシュレータ25は、XY面に沿って延びる平板形状の基部25Aと、それぞれ基部25Aから+Z方向に向かって突出し且つ枠状に配列された複数の突部25Bとを有している。互いに隣接する突部25Bの間には、それぞれ空隙25Cが形成されている。
【0059】
基部25Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって開口する長方形状の凹部25Dが形成されており、凹部25Dの底部には、それぞれ、基部25Aの+Z方向側の対応する空隙25Cから凹部25Dにまで貫通する複数の貫通孔25Eが形成されている。複数の貫通孔25Eは、複数のコンタクト23に対応するもので、凹部25Dの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列と、凹部25Dの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列を形成している。
【0060】
また、凹部25Dの底部には、それぞれの貫通孔25EのX方向の両側に、XY面に沿って延びる平面状の保持面25Fおよび25Gが形成されている。凹部25Dの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列の貫通孔25Eに対しては、貫通孔25Eの+X方向側に保持面25Fが、-X方向側に保持面25Gが配置されている。一方、凹部25Dの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列の貫通孔25Eに対しては、貫通孔25Eの-X方向側に保持面25Fが、+X方向側に保持面25Gが配置されている。
【0061】
すなわち、それぞれの貫通孔25EのX方向の両側に形成された保持面25Fおよび25Gのうち、保持面25Fは、凹部25Dの内壁面25Hに近接して配置されており、内壁面25Hにまで至っている。凹部25Dの内壁面25Hは、嵌合方向であるZ方向に沿って延びる第1対向面を構成している。
なお、凹部25Dは、接続対象物F2の開口部F13よりもX方向の幅が大きく形成されている。
さらに、基部25Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって突出する複数の固定ポスト25Jと、+Z方向に向かって延びる複数の固定孔25Kが形成されている。
【0062】
図23および図24に示されるように、第2インシュレータ26は、XY面に沿って延びる平板形状の基部26Aと、基部26Aの中央に配置され且つ基部26Aから+Z方向に向かって突出する直方体形状の凸部26Bと、凸部26Bから+Z方向に向かって突出する複数の柱状部材26Cとを有している。
【0063】
凸部26Bは、接続対象物F2へのコネクタ21の取り付け時に、第1インシュレータ25の凹部25Dに挿入されるもので、凹部25Dよりもわずかに小さいサイズを有している。
複数の柱状部材26Cは、複数のコンタクト23に対応するもので、凸部26Bの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列と、凸部26Bの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列を形成している。
【0064】
凸部26Bには、第1の列を形成する複数の柱状部材26Cの-X方向側と、第2の列を形成する複数の柱状部材26Cの+X方向側に、それぞれ、-Z方向に向かって延びる複数の凹状のコンタクト部分収容部26Dが形成されている。
また、基部26Aには、凸部26Bの周辺に配置され且つ基部26AをZ方向に貫通する複数の貫通孔26Eと、+Z方向に向かって突出する複数の固定ポスト26Fが形成されている。
【0065】
なお、凸部26Bの外側面26Gは、嵌合方向であるZ方向に沿って延びる第2対向面を構成している。
また、凸部26Bの+Z方向を向いた面には、柱状部材26Cから、柱状部材26Cに近接する側の凸部26Bの外側面26Gまで延びる肩部26Hが形成されている。
【0066】
図20に示される複数のコンタクト23のうち、+X方向側に配列されたコンタクト23の構成を図25および図26に示す。
コンタクト23は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、Z方向に延び且つU字状に曲げられたU形状部23Aを有している。U形状部23Aは、それぞれYZ面に沿って延び且つ互いにX方向に対向する一対の伸長部23Bおよび23Cと、一対の伸長部23Bおよび23Cの+Z方向端部を互いに連結する頂部23Dとから形成されている。
【0067】
伸長部23Bの-Z方向端部に、XY面に沿って延びる第1連結部23Eを介して、YZ面よりも-X方向側に傾斜して延びる平板部23Fが接続されている。また、伸長部23Cの-Z方向端部に、XY面に沿って延びる第2連結部23Gを介して、YZ面に沿って延びる平板部23Hが接続されている。
なお、第1連結部23Eは、図22に示される第1インシュレータ25の凹部25D内の保持面25Fとほぼ同じX方向長さを有している。一方、第2連結部23Gは、第1連結部23Eよりも短いX方向長さを有し、第2インシュレータ26の柱状部材26Cから凸部26Bの外側面26Gに至る肩部26Hとほぼ同じX方向長さを有している。
【0068】
伸長部23Bの+X方向側の外面および伸長部23Cの-X方向側の外面により、それぞれ、相手側コネクタのコンタクトに接触するための第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aが形成されている。
また、平板部23Hの-Z方向端部の+X方向側の面により、接続対象物F2のフレキシブル導体F22に接触する第2接続面S2Bが形成されている。同様に、平板部23Fの-Z方向端部の+X方向側の面により、後述する接続対象物F1のフレキシブル導体F12に接触する第1接続面S1Bが形成されている。第1接続面S1Bと第2接続面S2Bは、互いに反対方向を向くことなく、ほぼ同じ方向を向いている。
【0069】
図26に示されるように、Y方向から見たときに、U形状部23AはZ方向に延びる中央線C2を有し、第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aは、中央線C2に関して対称位置に配置されている。
これに対して、第1接続面S1Bおよび第2接続面S2Bは、中央線C2に関して非対称位置に配置されている。すなわち、第2連結部23GのX方向長さは、第1連結部23EのX方向長さよりも短いため、中央線C2から第2接続面S2BまでのX方向距離L4は、中央線C2から第1接続面S1Bが形成されている平板部23Fの+Z方向端部までのX方向距離L3よりも短い。
【0070】
なお、図20に示される複数のコンタクト23のうち、-X方向側に配列されたコンタクト23は、図25および図26に示されるコンタクト23と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0071】
コネクタ21を接続対象物F2に取り付ける際には、まず、第2インシュレータ26に対して、複数のコンタクト23をそれぞれ+Z方向から-Z方向に向けて押し込むことにより、図27および図28に示されるように、第2インシュレータ26に複数のコンタクト23を仮保持させる。このとき、それぞれのコンタクト23のU形状部23Aの内側に第2インシュレータ26の対応する柱状部材26Cが挿入される。
なお、複数のコンタクト23は、+X方向側の列と-X方向側の列の2列に配列されるが、それぞれの列を構成する複数のコンタクト23を、図示しない1つのキャリヤに連結されるように製造し、キャリヤを利用して複数のコンタクト23を一括して第2インシュレータ26に仮保持することもできる。キャリヤは、それぞれの列を構成する複数のコンタクト23が仮保持された後に、複数のコンタクト23から切除される。
【0072】
上述したように、コンタクト23の第2連結部23Gは、第2インシュレータ26の柱状部材26Cから凸部26Bの外側面26Gに至る肩部26Hとほぼ同じX方向長さを有している。このため、コンタクト23の第2連結部23Gに接続される平板部23Hは、第2インシュレータ26の凸部26Bの外側面26Gに接触または対向し、第2接続面S2Bは、凸部26Bとは反対方向を向いた状態にある。
【0073】
ここで、補強シート14および接続対象物F2を第1インシュレータ25の-Z方向側に位置させた後、第2インシュレータ26を+Z方向に移動させて、第1インシュレータ25への組み込みを開始する。
【0074】
このとき、図29に示されるように、複数のコンタクト23のU形状部23Aが、第2インシュレータ26の複数の柱状部材26Cと共に、それぞれ、第1インシュレータ25の凹部25Dから対応する貫通孔25Eに挿入される。
また、第2インシュレータ26の凸部26Bが、-Z方向から第1インシュレータ25の凹部25Dに挿入される。このとき、コンタクト23の第2連結部23Gは、第1インシュレータ25の保持面25Fより短いX方向長さを有しているため、コンタクト23の平板部23Hと第1インシュレータ25の凹部25Dの内壁面25Hとの間に空隙が形成され、接続対象物F2の縁部が、第2インシュレータ26の凸部26Bにより押されて+Z方向に折り曲げられながら、この空隙に入り込む。
【0075】
そのまま第2インシュレータ26を第1インシュレータ25に向けて+Z方向に移動させると、図30に示されるように、複数のコンタクト23の第2連結部23Gおよび第1連結部23Eが、第2インシュレータ26の凸部26Bの+Z方向側の面と第1インシュレータ25の凹部25D内の保持面25Fおよび25Gとの間に挟み込まれる。これにより、複数のコンタクト23は、第1インシュレータ25および第2インシュレータ26に保持される。
【0076】
また、接続対象物F2の縁部とコンタクト23の平板部23Hが、第1対向面を構成する第1インシュレータ25の凹部25Dの内壁面25Hと第2対向面を構成する第2インシュレータ26の凸部26Bの外側面26Gとの間に挟み込まれ、接続対象物F2の布地F21の下面に露出しているフレキシブル導体F22が、コンタクト23の第2接続面S2Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コンタクト23が接続対象物F2のフレキシブル導体F22に電気的に接続される。
【0077】
なお、複数のコンタクト23の第1連結部23Eに接続されている平板部23Fおよび第1接続面S1Bは、第2インシュレータ26の対応するコンタクト部分収容部26Dに収容されている。
また、第1インシュレータ25の複数の固定ポスト25Jは、第2インシュレータ26の対応する貫通孔26Eを貫通して第2インシュレータ26の-Z方向側に突出し、第2インシュレータ26の複数の固定ポスト26Fは、第1インシュレータ25の対応する固定孔25Kに挿入される。
【0078】
第2インシュレータ26の-Z方向側に突出した第1インシュレータ25の固定ポスト25Jの-Z方向端部が加熱変形されることにより、第2インシュレータ26が第1インシュレータ25に対して固定される。
これにより、図18に示されるように、接続対象物F2へのコネクタ21の取り付けが完了する。
【0079】
図30に示されるように、コンタクト23の第2連結部23Gおよび第1連結部23Eが、それぞれ、第1インシュレータ25の凹部25D内の保持面25Fおよび25Gに接触する向きで、第1インシュレータ25および第2インシュレータ26からなるハウジング22に保持されているコンタクト23の姿勢を「第2の姿勢」と呼ぶことにする。
【0080】
実施の形態2に係るコネクタ21においても、ハウジング22に保持される複数のコンタクト23の姿勢を変えるだけで、図31および図32に示されるように、布地F11の+Z方向を向いた上面に複数のフレキシブル導体F12による配線が露出する接続対象物F1に取り付けることができる。
【0081】
接続対象物F1に取り付ける際のコネクタ21を図33に示す。コンタクト23は、図30に示される第2の姿勢に対して、Z方向に延びるU形状部23Aの中央線C2の回りに180度反転したものであり、この姿勢を「第1の姿勢」と呼ぶことにする。
第1の姿勢においては、コンタクト23の平板部23Hおよび第2接続面S2Bが、第2インシュレータ26のコンタクト部分収容部26Dに収容され、コンタクト23の平板部23Fが、第1インシュレータ15の凹部15Dの内壁面15Hに近接した位置となり、第1接続面S1Bは、内壁面15Hとは反対方向を向いた状態となる。
【0082】
上述したように、コンタクト23の第1連結部23Eは、第2インシュレータ26の肩部26Hよりも長いX方向長さを有し、且つ、第1連結部23Eに接続される平板部23Fは、YZ面に対して傾斜している。このため、コンタクト23が第2の姿勢で第2インシュレータ26に仮保持されている場合は、平板部23Fは、第2インシュレータ26の凸部26Bの外側面26Gに接触せず、第2接続面S2Bと外側面26Gとの間に所定の空隙が形成される。
【0083】
そこで、接続対象物F1の縁部が、+Z方向に折り曲げられて、第2インシュレータ26の凸部26Bの外側面26Gとコンタクト23の第2接続面S2Bとの間に挿入される。
【0084】
この状態で、第2インシュレータ26を第1インシュレータ25に向けて+Z方向に移動させると、複数のコンタクト23のU形状部23Aが、第2インシュレータ26の複数の柱状部材26Cと共に、それぞれ、第1インシュレータ25の凹部25Dから対応する貫通孔25Eに挿入される。
また、第2インシュレータ26の凸部26Bにより、コンタクト23の平板部23Fが、変位しながら第1インシュレータ25の凹部25Dに押し込まれる。
【0085】
これにより、図34に示されるように、複数のコンタクト23の第1連結部23Eおよび第2連結部23Gが、第2インシュレータ26の凸部26Bの+Z方向側の面と第1インシュレータ25の凹部25D内の保持面25Fおよび25Gとの間に挟み込まれ、複数のコンタクト23は、第1インシュレータ25および第2インシュレータ26に保持される。
【0086】
また、接続対象物F1の縁部とコンタクト23の平板部23Fが、第1対向面を構成する第1インシュレータ25の凹部25Dの内壁面25Hと第2対向面を構成する第2インシュレータ26の凸部26Bの外側面26Gとの間に挟み込まれ、接続対象物F1の布地F11の上面に露出しているフレキシブル導体F12が、コンタクト23の第1接続面S1Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コンタクト23が接続対象物F1のフレキシブル導体F12に電気的に接続される。
【0087】
このように、実施の形態2に係るコネクタ21によれば、第2インシュレータ26に仮保持されるコンタクト23の姿勢を、第2の姿勢と第1の姿勢との間で変化させるだけで、接続対象物F2および接続対象物F1のいずれに対しても、相手側コネクタとの嵌合関係を維持しつつ、また、コネクタ21の構成部品を何ら交換することなく、コネクタ21を取り付けることができ、接続対象物F2の布地F21の下面に露出するフレキシブル導体F22または接続対象物F1の布地F11の上面に露出するフレキシブル導体F12にコンタクト23を電気的に接続することが可能となる。
【0088】
実施の形態3
図35および図36に、実施の形態3に係るコネクタ31を示す。コネクタ31は、接続対象物F1に取り付けられ、ウエアラブルデバイスを嵌合するためのコネクタとして使用されるもので、絶縁性材料からなるハウジング32を有している。ハウジング32には、複数のコンタクト33が、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物F21に対して垂直に突出するように保持されている。
【0089】
また、コネクタ31は、接続対象物F1を補強するための補強シート14と共に接続対象物F1に取り付けられている。
接続対象物F1は、図1および図2に示される接続対象物F1と同一のものであり、絶縁性材料からなる布地F11の+Z方向を向いた上面に複数のフレキシブル導体F12による配線が露出し、布地F11の-Z方向を向いた下面には、フレキシブル導体F12は露出していない。
【0090】
ここで、便宜上、接続対象物F1がXY面に沿って延び、複数のコンタクト33の配列方向をY方向、複数のコンタクト33がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0091】
図37は、コネクタ31の分解斜視図である。コネクタ31は、第1インシュレータ35および第2インシュレータ36を有しており、これら第1インシュレータ35および第2インシュレータ36によりハウジング32が構成されている。
また、複数のコンタクト33は、それぞれ、第1インシュレータ35に仮保持され、第2インシュレータ36は、接続対象物F1と補強シート14を間に挟みながら、所定の組み込み方向D1である+Z方向に沿って、第1インシュレータ35に組み込まれる。
【0092】
図38および図39に示されるように、第1インシュレータ35は、XY面に沿って延びる平板形状の基部35Aと、それぞれ基部35Aから+Z方向に向かって突出し且つ枠状に配列された複数の突部35Bとを有している。互いに隣接する突部35Bの間には、それぞれ空隙35Cが形成されている。
【0093】
基部35Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって開口する長方形状の凹部35Dが形成されており、凹部35Dの底部には、それぞれ、基部35Aの+Z方向側の対応する空隙35Cから凹部35Dにまで貫通する複数の貫通孔35Eが形成されている。複数の貫通孔35Eは、複数のコンタクト33に対応するもので、凹部35Dの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列と、凹部15Dの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列を形成している。
【0094】
また、凹部35Dの底部には、それぞれの貫通孔35EのX方向の両側に、XY面に沿って延びる平面状の保持面35Fおよび35Gが形成されている。凹部35Dの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列の貫通孔35Eに対しては、貫通孔35Eの+X方向側に保持面35Fが、-X方向側に保持面35Gが配置されている。一方、凹部35Dの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列の貫通孔35Eに対しては、貫通孔35Eの-X方向側に保持面35Fが、+X方向側に保持面35Gが配置されている。
【0095】
すなわち、それぞれの貫通孔35EのX方向の両側に形成された保持面35Fおよび35Gのうち、保持面35Fは、凹部35Dの内壁面35Hに近接して配置されており、内壁面35Hにまで至っている。凹部35Dの内壁面35Hは、嵌合方向であるZ方向に沿って延びる第1対向面を構成している。
さらに、基部35Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって突出する複数の固定ポスト35Jが形成されている。
【0096】
図40および図41に示されるように、第2インシュレータ36は、XY面に沿って延びる平板形状の基部36Aと、基部36Aの中央に配置され且つ基部36Aから+Z方向に向かって突出する直方体形状の凸部36Bと、凸部36Bから+Z方向に向かって突出する複数の柱状部材36Cとを有している。
【0097】
凸部36Bは、接続対象物F1へのコネクタ31の取り付け時に、第1インシュレータ35の凹部35Dに挿入されるもので、凹部35Dよりもわずかに小さいサイズを有している。
複数の柱状部材36Cは、複数のコンタクト33に対応するもので、凸部36Bの+X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第1の列と、凸部36Bの-X方向側の辺に沿ってY方向に配列された第2の列を形成している。
【0098】
凸部36Bには、第1の列を形成する複数の柱状部材36Cの-X方向側と、第2の列を形成する複数の柱状部材36Cの+X方向側に、それぞれ、-Z方向に向かって延びる複数の凹状のコンタクト部分収容部36Dが形成されている。
また、基部36Aには、凸部36Bの周辺に配置され且つ基部36AをZ方向に貫通する複数の貫通孔36Eが形成されている。
なお、凸部36Bの外側面36Gは、嵌合方向であるZ方向に沿って延びる第2対向面を構成している。
また、凸部36Bの+Z方向を向いた面には、柱状部材36Cから、柱状部材36Cに近接する側の凸部36Bの外側面36Gまで延びる肩部36Hが形成されている。
【0099】
図37に示される複数のコンタクト33のうち、+X方向側に配列されたコンタクト33の構成を図42および図43に示す。
コンタクト33は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、Z方向に延び且つU字状に曲げられたU形状部33Aを有している。U形状部33Aは、それぞれYZ面に沿って延び且つ互いにX方向に対向する一対の伸長部33Bおよび33Cと、一対の伸長部33Bおよび33Cの+Z方向端部を互いに連結する頂部33Dとから形成されている。伸長部33Bの-Z方向端部に、XY面に沿って延びる第1連結部33Eを介して、YZ面に沿って延びる平板部33Fが接続されている。また、伸長部33Cの-Z方向端部に、XY面に沿って延びる第2連結部33Gを介して、YZ面に沿って延びる平板部33Hが接続されている。
【0100】
伸長部33Bの+X方向側の外面および伸長部33Cの-X方向側の外面により、それぞれ、相手側コネクタのコンタクトに接触するための第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aが形成されている。
また、平板部33Fの-Z方向端部の-X方向側の面により、接続対象物F1のフレキシブル導体F12に接触する第1接続面S1Bが形成されている。同様に、平板部13Hの-Z方向端部の-X方向側の面により、後述する接続対象物F2のフレキシブル導体F22に接触する第2接続面S2Bが形成されている。このように、第1接続面S1Bと第2接続面S2Bは、互いに反対方向を向くことなく、ほぼ同じ方向を向いている。
【0101】
図43に示されるように、Y方向から見たときに、U形状部33AはZ方向に延びる中央線C3を有し、第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aは、中央線C3に関して対称位置に配置されている。
これに対して、第1接続面S1Bおよび第2接続面S2Bは、中央線C3に関して非対称位置に配置されている。すなわち、第2連結部33GのX方向長さは、第1連結部33EのX方向長さよりも短く設定されており、中央線C3から第2接続面S2BまでのX方向距離L6は、中央線C3から第1接続面S1BまでのX方向距離L5よりも短い。
【0102】
なお、第1連結部33Eは、図39に示される第1インシュレータ35の凹部35D内の保持面35Fとほぼ同じX方向長さを有している。一方、第2連結部33Gは、第1連結部33Eよりも短いX方向長さを有し、第2インシュレータ36の柱状部材36Cから凸部36Bの外側面36Gに至る肩部36Hとほぼ同じX方向長さを有している。
【0103】
また、図37に示される複数のコンタクト33のうち、-X方向側に配列されたコンタクト33は、図42および図43に示されるコンタクト33と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0104】
コネクタ31を接続対象物F1に取り付ける際には、まず、第1インシュレータ35に対して、複数のコンタクト33をそれぞれ-Z方向から+Z方向に向けて押し込むことにより、図44および図45に示されるように、第1インシュレータ35に複数のコンタクト33を仮保持させる。このとき、それぞれのコンタクト33のU形状部33Aが、第1インシュレータ35の-Z方向側の凹部35Dから、対応する貫通孔35Eを通って、互いに隣接する突部35Bの間に形成されている空隙35Cに挿入され、第1接触面S1Aおよび第2接触面S2Aが、第1インシュレータ35の+Z方向側に露出される。
【0105】
また、図46に示されるように、複数のコンタクト33の第1連結部33Eおよび第2連結部33Gと、第1連結部33Eに接続される第1接続面S1Bおよび第2連結部33Gに接続される第2接続面S2Bは、凹部35D内に位置している。
なお、複数のコンタクト33は、+X方向側の列と-X方向側の列の2列に配列されるが、それぞれの列を構成する複数のコンタクト33を、図示しない1つのキャリヤに連結されるように製造し、キャリヤを利用して複数のコンタクト33を一括して第1インシュレータ35に仮保持することもできる。キャリヤは、それぞれの列を構成する複数のコンタクト33が仮保持された後に、複数のコンタクト33から切除される。
【0106】
コンタクト33の第1連結部33Eおよび第2連結部33Gは、それぞれ、第1インシュレータ35の凹部35D内の保持面35Fおよび35Gに接触している。このように、第1連結部33Eおよび第2連結部33Gが、それぞれ、第1インシュレータ35の凹部35D内の保持面35Fおよび35Gに接触する向きで、第1インシュレータ35および第2インシュレータ36からなるハウジング32に保持されるコンタクト33の姿勢を「第1の姿勢」と呼ぶことにする。
【0107】
上述したように、コンタクト33の第1連結部33EのX方向長さL5は、第1インシュレータ35の保持面35FのX方向長さにほぼ等しい。このため、コンタクト33が第1の姿勢でハウジング32に保持される場合は、コンタクト33の第1連結部33Eに接続される平板部33Fは、第1インシュレータ35の凹部35Dの内壁面35Hに接触または対向し、第1接続面S1Bは、内壁面35Hとは反対方向を向いた状態にある。
【0108】
ここで、図46に示されるように、補強シート14および接続対象物F1を第1インシュレータ35の-Z方向側に位置させた後、第2インシュレータ36を+Z方向に移動させて、第1インシュレータ35への組み込みを開始する。
【0109】
このとき、第2インシュレータ36の複数の柱状部材36Cが、それぞれ、対応するコンタクト33のU形状部33Aの内側に-Z方向から挿入される。
また、第2インシュレータ36の凸部36Bが、-Z方向から第1インシュレータ35の凹部35Dに挿入される。このとき、接続対象物F1の縁部が、第2インシュレータ36の凸部36Bにより押されて+Z方向に折り曲げられながら、第2インシュレータ36の凸部36Bの外側面36Gと第1インシュレータ35の凹部35Dの内壁面35Hとの間に入り込む。
【0110】
そのまま第2インシュレータ36を第1インシュレータ35に向けて+Z方向に移動させると、図47に示されるように、複数のコンタクト33の第1連結部33Eおよび第2連結部33Gが、第2インシュレータ36の凸部36Bの+Z方向側の面と第1インシュレータ35の凹部35D内の保持面35Fおよび35Gとの間に挟み込まれる。これにより、複数のコンタクト33は、第1インシュレータ35および第2インシュレータ36に保持される。
【0111】
また、接続対象物F1の布地F11の上面に露出しているフレキシブル導体F12が、第2インシュレータ36の凸部36Bにより押されて+Z方向に折り曲げられた状態で、第1対向面を構成する第1インシュレータ35の凹部35Dの内壁面35Hと第2対向面を構成する第2インシュレータ36の凸部36Bの外側面36Gとの間に挟み込まれ、第1インシュレータ35の凹部35Dの内壁面35Hとは反対方向を向いているコンタクト33の第1接続面S1Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コンタクト33が接続対象物F1のフレキシブル導体F12に電気的に接続される。
【0112】
なお、複数のコンタクト33の第2連結部33Gに接続されている平板部33Hおよび第2接続面S2Bは、第2インシュレータ36の対応するコンタクト部分収容部36Dに収容される。
また、第1インシュレータ35の複数の固定ポスト35Jは、第2インシュレータ36の対応する貫通孔36Eを貫通して第2インシュレータ36の-Z方向側に突出し、この固定ポスト35Jの-Z方向端部が加熱変形されることにより、第2インシュレータ36が第1インシュレータ35に対して固定される。
これにより、図35に示されるように、接続対象物F1へのコネクタ31の取り付けが完了する。
【0113】
実施の形態3に係るコネクタ31においても、ハウジング32に保持される複数のコンタクト33の姿勢を変えるだけで、図48および図49に示されるように、布地F21の-Z方向を向いた下面に複数のフレキシブル導体F22による配線が露出する接続対象物F2に取り付けることができる。
【0114】
コネクタ31を接続対象物F2に取り付ける際には、まず、第2インシュレータ36に対して、複数のコンタクト33をそれぞれ+Z方向から-Z方向に向けて押し込むことにより、図50および図51に示されるように、第2インシュレータ36に複数のコンタクト33を仮保持させる。このとき、それぞれのコンタクト33は、図46および図47に示される第1の姿勢に対して、Z方向に延びるU形状部33Aの中央線C3の回りに180度反転された「第2の姿勢」で、第2インシュレータ36に仮保持される。
【0115】
上述したように、コンタクト33の第2連結部33Gは、第2インシュレータ36の柱状部材36Cから凸部36Bの外側面36Gに至る肩部36Hとほぼ同じX方向長さを有している。このため、コンタクト33の第2連結部33Gに接続される平板部33Hは、第2インシュレータ36の凸部36Bの外側面36Gに接触または対向し、第2接続面S2Bは、凸部36Bとは反対方向を向いた状態にある。
【0116】
図52に示されるように、補強シート14および接続対象物F2を第1インシュレータ35の-Z方向側に位置させた後、第2インシュレータ36を+Z方向に移動させて、第1インシュレータ35への組み込みを開始する。
【0117】
このとき、複数のコンタクト33のU形状部33Aが、第2インシュレータ36の複数の柱状部材36Cと共に、それぞれ、第1インシュレータ35の凹部35Dから対応する貫通孔35Eに挿入される。
また、第2インシュレータ36の凸部36Bが、-Z方向から第1インシュレータ35の凹部35Dに挿入される。このとき、コンタクト33の第2連結部33Gは、第1インシュレータ35の保持面35Fより短いX方向長さを有しているため、コンタクト33の平板部33Hと第1インシュレータ35の凹部35Dの内壁面35Hとの間に空隙が形成され、接続対象物F2の縁部が、第2インシュレータ36の凸部36Bにより押されて+Z方向に折り曲げられながら、この空隙に入り込む。
【0118】
そのまま第2インシュレータ36を第1インシュレータ35に向けて+Z方向に移動させると、図53に示されるように、複数のコンタクト33の第2連結部33Gおよび第1連結部33Eが、第2インシュレータ36の凸部36Bの+Z方向側の面と第1インシュレータ35の凹部35D内の保持面35Fおよび35Gとの間に挟み込まれる。これにより、複数のコンタクト33は、第1インシュレータ35および第2インシュレータ36に保持される。
【0119】
また、接続対象物F2の縁部とコンタクト33の平板部33Hが、第1対向面を構成する第1インシュレータ35の凹部35Dの内壁面35Hと第2対向面を構成する第2インシュレータ36の凸部36Bの外側面36Gとの間に挟み込まれ、接続対象物F2の布地F21の下面に露出しているフレキシブル導体F22が、コンタクト33の第2接続面S2Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コンタクト33が接続対象物F2のフレキシブル導体F22に電気的に接続される。
【0120】
なお、複数のコンタクト33の第1連結部33Eに接続されている平板部33Fおよび第1接続面S1Bは、第2インシュレータ36の対応するコンタクト部分収容部36Dに収容されている。
また、第1インシュレータ35の複数の固定ポスト35Jは、第2インシュレータ36の対応する貫通孔36Eを貫通して第2インシュレータ36の-Z方向側に突出し、この固定ポスト35Jの-Z方向端部が加熱変形されることにより、第2インシュレータ36が第1インシュレータ35に対して固定される。
これにより、図48に示されるように、接続対象物F1へのコネクタ31の取り付けが完了する。
【0121】
このように、実施の形態3に係るコネクタ31によれば、複数のコンタクト33を第1の姿勢で第1インシュレータ35に仮保持する、あるいは、複数のコンタクト33を第2の姿勢で第2インシュレータ36に仮保持することにより、接続対象物F1および接続対象物F2のいずれに対しても、相手側コネクタとの嵌合関係を維持しつつ、また、コネクタ31の構成部品を何ら交換することなく、コネクタ31を取り付けることができ、接続対象物F1の布地F11の上面に露出するフレキシブル導体F12または接続対象物F2の布地F21の下面に露出するフレキシブル導体F22にコンタクト33を電気的に接続することが可能となる。
【0122】
なお、上述した実施の形態1~3では、複数のコンタクト13、23、33が、互いに平行な2列に配列されているが、これに限るものではなく、1列に配列されていてもよい。また、この発明は、必ずしも複数のコンタクト13、23、33を必要とするものではなく、少なくとも1つのコンタクト13、23、33を有していればよい。
【0123】
なお、実施の形態1~3では、第1対向面(第1インシュレータ15、25、35の内壁面15H、25H、35H)と第2対向面(第2インシュレータ16、26、36の外側面16G、26G、36G)が、それぞれ嵌合方向であるZ方向に沿って延びており、コンタクト13、23、33の第1接続面S1Bと接続対象物F1のフレキシブル導体F12、または、コンタクト13、23、33の第2接続面S2Bと接続対象物F2のフレキシブル導体F22は、これら第1対向面および第2対向面の間に挟み込まれて、互いに嵌合方向に直交するX方向に接触しているが、これに限るものではない。例えば、第1対向面および第2対向面が、それぞれ嵌合方向に対して直交する方向に沿って延び、コンタクト13、23、33の第1接続面S1Bと接続対象物F1のフレキシブル導体F12、または、コンタクト13、23、33の第2接続面S2Bと接続対象物F2のフレキシブル導体F22が、第1対向面および第2対向面の間に挟み込まれて、互いに嵌合方向に接触するように構成することもできる。
【0124】
また、コネクタ11、21、31が取り付けられる接続対象物F1、F2として、スマートテキスタイルを備える衣服が例示されたが、この他、絶縁基板の表面上にフレキシブル導体が配置された、いわゆるフレキシブル基板を接続対象物F1、F2として使用することもできる。
実施の形態1~3では、コネクタ11、21、31は、補強シート14と共に接続対象物F1、F2に取り付けられているが、特に接続対象物F1、F2を補強する必要がない場合には、補強シート14を省略してもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 コネクタ、2 第1絶縁部材、2A 凸部、2B 突起、3 第2絶縁部材、3A 開口部、3B 突起収容部、4 接続対象物、5 コンタクト、6 フレキシブル導体、11,21,31 コネクタ、12,22,32 ハウジング、13,23,33 コンタクト、14 補強シート、15,25,35 第1インシュレータ、16,26,36 第2インシュレータ、15A,16A,25A,26A,35A,36A 基部、15B,25B,35B 突部、15C,25C,35C 空隙、15D,25D,35D 凹部、15F,15G,25F,25G,35F,35G 保持面、15H,25H,35H 内壁面(第1対向面)、15J,16F,25J,26F,35J 固定ポスト、15K,25K 固定孔、16B,26B,36B 凸部、16C,26C,36C 柱状部材、16D,26D,36D コンタクト部分収容部、16G,26G,36G 外側面(第2対向面)、13A,23A,33A U形状部、13B,13C,23B,23C,33B,33C 伸長部、13D,23D,33D 頂部、13E,23E,33E 第1連結部、13F,13H,23F,23H,33F,33H 平板部、13G,23G,33G 第2連結部、26H、36H 肩部、F1,F2 接続対象物、F11,F21 布地、F12,F22 フレキシブル導体、F13,14A 開口部、F14,14B,15E、16E,25E、26E,35E、36E 貫通孔、D1 所定の組み込み方向、S1A 第1接触面、S2A 第2接触面、S1B 第1接続面、S2B 第2接続面、C1 中央線、L1~L6 X方向距離。
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