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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】光学素子
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1339 20060101AFI20240920BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20240920BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
G02F1/1345
G02F1/13 505
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021062042
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022157684
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸次朗
(72)【発明者】
【氏名】黒川 多惠
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-093844(JP,A)
【文献】実開平02-149919(JP,U)
【文献】特開2008-076623(JP,A)
【文献】特開2004-093734(JP,A)
【文献】国際公開第03/044594(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0196318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1339
G02F 1/1345
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極を有する第1基板と、
前記第1基板に積層され、且つ、第2電極を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる液晶層と、
前記液晶層の外周に沿って延びるシール材と、
前記シール材の内側に設けられる第1スペーサと、
前記シール材の外側に設けられ、且つ、前記第1電極と前記第2電極とを導通させる導電柱と、を備え、
前記導電柱と前記第1スペーサとは、同一の材料を有
前記導電柱と前記第1スペーサの前記材料は、樹脂と、当該樹脂中に含まれる導電ビーズと、を有する、
光学素子。
【請求項2】
前記第1スペーサは、柱形状を有する、
請求項に記載の光学素子。
【請求項3】
前記第1スペーサは、それぞれ等間隔で複数点在する、
請求項1または2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記第1基板は、第1辺と前記第1辺に交差する第2辺とを含む矩形形状を有し、前記第1辺には、第1の端子群が設けられ、前記第2辺には、第2の端子群が設けられ、
前記第2基板は、前記第1基板よりも小さい面積を有する矩形形状であり、
前記第1基板に前記第2基板を積層させた状態で、前記第1の端子群および前記第2の端子群が露出する、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記第1の端子群は、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、を有し、
前記第2の端子群は、第5端子と、第6端子と、第7端子と、第8端子と、を有し、
前記第1端子と前記第5端子とは第1配線を介して電気的に接続され、
前記第2端子と前記第6端子とは第2配線を介して電気的に接続され、
前記第3端子と前記第7端子とは第3配線を介して電気的に接続され、
前記第4端子と前記第8端子とは第4配線を介して電気的に接続され、
前記第2配線および前記第3配線のそれぞれには、前記第1電極に含まれる液晶駆動電極が接続され、
前記第1配線および前記第4配線のそれぞれは、前記第2電極に含まれる液晶駆動電極への電気的な接続を行う接続部に電気的に接続される
請求項に記載の光学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子の一例である調光パネルは、例えば、上基板と、下基板と、これらの上基板および下基板の間に封入した液晶層と、液晶層内に設けるスペーサと、を有する(例えば、特許文献1参照)。調光パネルは、スペーサは、上基板と下基板との距離であるセルギャップを維持するために設けられる。入射光が調光パネルに入ると、当該調光パネルにおいて入射光の光透過率が調整され、この調整された透過光が調光パネルから出る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-34612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
調光パネル等の光学素子を製造する際に、スペーサの成形作業をより簡素化することが望まれている。
【0005】
本開示は、前記に鑑みてなされたものであり、上基板と下基板との距離であるセルギャップを維持するためのスペーサの成形作業をより簡素化することが可能な光学素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光学素子は、第1電極を有する第1基板と、前記第1基板に積層され、且つ、第2電極を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる液晶層と、前記液晶層の外周に沿って延びるシール材と、前記シール材の内側に設けられる第1スペーサと、前記シール材の外側に設けられ、且つ、前記第1電極と前記第2電極とを導通させる導電柱と、を備え、前記導電柱と前記第1スペーサとは、同一の材料を有する。
【0007】
本開示の他の態様に係る光学素子は、第1基板と、前記第1基板に積層される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる液晶層と、前記液晶層の外周に沿って延びるシール材と、前記シール材の内側に設けられ、且つ、前記第1基板および前記第2基板に接する第2スペーサと、を備え、前記シール材と前記第2スペーサとは、同一の材料を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る調光パネルの斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るアレイ基板を上方から見た模式図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る対向基板を上方から見た模式図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る調光パネルを上方から見た模式図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る調光パネルを上方から見た模式図である。
図6図6は、図5のVI-VI線による断面図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る対向基板を上方から見た模式図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII線による断面図である。
図9図9は、第1の実施形態に係るアレイ基板を上方から見た模式図である。
図10図10は、図9のX-X線による断面図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る調光パネルを上方から見た模式図である。
図12図12は、図11のXII-XII線による断面図である。
図13図13は、変形例に係る調光パネルを上方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
なお、図に示すXYZ座標において、X方向は、左右方向であり、X1方向はX2方向の反対である。X1方向は左方向とも称し、X2方向は右方向とも称する。Y方向は、前後方向であり、Y1方向はY2方向の反対である。Y1方向は前方向とも称し、Y2方向は後方向とも称する。Z方向は、上下方向(積層方向)である。Z1方向はZ2方向の反対である。Z1方向は上方向とも称し、Z2方向は下方向とも称する。なお、アクティブ領域(図1のアクティブ領域40参照)における配線には、液晶分子の配向を制御する配向膜が設けられるが、図面では省略している場合がある。
【0012】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係る調光パネルについて説明する。なお、調光パネルは、本発明に係る光学素子の一例である。即ち、本発明の光学素子は、調光パネルに限定されず、例えば、液晶レンズおよび液晶アンテナ等も含む。図1は、第1の実施形態に係る調光パネルの斜視図である。図2は、第1の実施形態に係るアレイ基板を上方から見た模式図である。図3は、第1の実施形態に係る対向基板を上方から見た模式図である。図4は、第1の実施形態に係る調光パネルを上方から見た模式図である。図5は、第1の実施形態に係る調光パネルを上方から見た模式図である。図6は、図5のVI-VI線による断面図である。図7は、第1の実施形態に係る対向基板を上方から見た模式図である。図8は、図7のVIII-VIII線による断面図である。図9は、第1の実施形態に係るアレイ基板を上方から見た模式図である。図10は、図9のX-X線による断面図である。
【0013】
図1に示すように、第1の実施形態に係る調光パネル1は、アレイ基板(第1基板)2と、対向基板(第2基板)3と、液晶層4と、シール材5と、後述する第1スペーサ72と、を有する。対向基板3は、アレイ基板2の上側(Z1側)に配置される。対向基板3とアレイ基板2との間には、液晶層4が設けられる。シール材5は、液晶層4の外周に沿って延びる。シール材5は、Y2側に液晶の流入口51を有する。液晶層4が設けられる領域はアクティブ領域40であり、液晶層4の外側は額縁領域であり、第1エリア21および第2エリア22は端子領域である。なお、アレイ基板(第1基板)2の第1の端子群10は、フレキシブルプリント基板(FPC:FLEXIBLE PRINTED CIRCUITS)400と電気的に接続可能である。
【0014】
図1および図4に示すように、アレイ基板(第1基板)2は、対向基板(第2基板)3よりも大きい。即ち、対向基板(第2基板)3の面積は、アレイ基板(第1基板)2の面積よりも小さい。アレイ基板2は、透明ガラス23(図2参照)を有する。対向基板3は、透明ガラス31(図3参照)を有する。第1実施形態において、アレイ基板2および対向基板3は、上方から見た平面視で正方形であるが、本発明に係る基板の形状は正方形に限定されない。上方から見た平面視の状態で、対向基板3のX1側の端は、アレイ基板2のX1側の端と略同一の位置に設けられ、対向基板3のY2側の端は、アレイ基板2のY2側の端と略同一の位置に設けられる。従って、アレイ基板2の表面2aにおけるY1側の端部とアレイ基板2の表面2aにおけるX2側の端部とが露出する。なお、対向基板(第2基板)3の外周縁に沿ってシール材5が環状に延びている。
【0015】
換言すると、図1および図4に示すように、アレイ基板2の表面2aには、第1エリア(第1辺)21と、第2エリア(第2辺)22とが設けられ、第1エリア21および第2エリア22は露出する。第1エリア21と第2エリア22とは、直交(交差)する。第1エリア(第1辺)21は、アレイ基板2の表面2aにおけるY1側の端部に位置し、X方向に沿って延びる。第2エリア(第2辺)22は、アレイ基板2の表面2aにおけるX2側の端部に位置し、Y方向に沿って延びる。第1エリア(第1辺)21および第2エリア22は、上方から見た場合に、L字形状を有する。第1エリア(第1辺)21には、第1の端子群10が配置され、第2エリア(第2辺)22には、第2の端子群20が配置される。なお、調光パネル1において、対向基板3の面積がアレイ基板2の面積よりも小さいため、第1の端子群10および第2の端子群20が露出する。
【0016】
図2および図4に示すように、第1の端子群10は、第1端子101と、第2端子102と、第3端子103と、第4端子104と、を含む。第1端子101、第2端子102、第3端子103および第4端子104は、X1側からX2側に向けて左右方向(X方向)に順に並んで配置される。
【0017】
図2および図4に示すように、第2の端子群20は、第5端子201と、第6端子202と、第7端子203と、第8端子204と、を含む。第5端子201、第6端子202、第7端子203および第8端子204は、Y2側からY1側に向けて前後方向(Y方向)に順に並んで配置される。
【0018】
次に、アレイ基板2および対向基板3の配線(電極)について説明する。なお、図6に示すように、基板の表面および裏面のうちの表面に配線(電極)が設けられる。即ち、配線が設けられる面を表面とし、表面の反対側の面を裏面とする。具体的に図6を用いて説明すると、アレイ基板2の表面2aおよび裏面2bのうち上側の表面2aに配線(電極)が設けられ、対向基板3の表面3aおよび裏面3bのうち下側の表面3aに配線(電極)が設けられる。このように、アレイ基板2の表面2aと、対向基板3の表面3aとは、液晶層4を挟んで向かい合うように配置される。なお、アレイ基板2および対向基板3の配線には、例えば、所定の振幅および周期(例えば、±15V)を有する交流電流(AC)が図示しない電源から供給される。以下、詳細に説明する。
【0019】
図2に示すように、アレイ基板(第1基板)2の透明ガラス23の表面2aには、配線、液晶駆動電極および接続部を含む第1電極200が設けられる。即ち、アレイ基板(第1基板)2は、第1電極200を有する。なお、アレイ基板2の第1電極200である接続部C1(図2参照)と、対向基板3の第2電極300である接続部C3(図3参照)とは、導通可能な導電柱61(図5および図6参照)を介して電気的に接続される。同様に、アレイ基板2の第1電極200である接続部C2(図2参照)と、対向基板3の第2電極300である接続部C4(図3参照)とは、導通可能な導電柱62(図5および図6参照)を介して電気的に接続される。
【0020】
図2に示すように、第1端子101と第5端子201とは、配線(第1配線)241、242、243を介して電気的に接続される。配線241は、第1端子101からX1方向に延びる。配線242は、配線241の端からY2方向に沿って接続部C1まで直線状に延びる。配線243は、接続部C1からX2方向に延び、第5端子201に接続される。また、配線(第1配線)241、242、243は、シール材5の外側に配置される。
【0021】
第2端子102と第6端子202とは、配線(第2配線)244、245を介して電気的に接続される。配線244は、第2端子102に接続され、Y2方向に延びる。配線245は、配線244のY2方向の端からX2方向に延び、第6端子202に接続される。配線(第2配線)244、245は、シール材5の内側に配置される。
【0022】
第3端子103と第7端子203とは、配線(第3配線)246、247、240を介して電気的に接続される。配線246は、第3端子103に接続され、X2方向に延びる。配線247は、配線246のX2方向の端からY2方向に延び、配線240に接続される。配線240は、第7端子203に接続される。配線(第3配線)246、247は、シール材5の内側に配置される。
【0023】
第4端子104と第8端子204とは、配線(第4配線)248、249を介して電気的に接続される。配線248は、第4端子104から接続部C2まで直線状に延びる。配線249は、接続部C2からY2方向に直線状に延び、第8端子204に接続される。配線(第4配線)248、249は、シール材5の外側に配置される。
【0024】
液晶駆動電極261は、配線244に接続される。液晶駆動電極261は、図2に示すように、本実施形態では7本設けられる。即ち、7本の液晶駆動電極261は、配線244からX2方向に直線状に延びる。7本の液晶駆動電極261は、Y方向に沿って等間隔に配置される。
【0025】
液晶駆動電極262は、配線247に接続される。液晶駆動電極262は、図2に示すように、本実施形態では6本設けられる。即ち、6本の液晶駆動電極262は、配線247からX1方向に直線状に延びる。6本の液晶駆動電極262は、Y方向に沿って等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極261と液晶駆動電極262とはY方向に交互に配置される。
【0026】
また、図3に示すように、対向基板(第2基板)3の表面3aには、配線340、341、342、343、液晶駆動電極361、362および接続部C3,C4を含む第2電極300が設けられる。即ち、対向基板(第2基板)3は、第2電極300を有する。
【0027】
配線340は、接続部C3からY1方向に直線状に延びる。配線341は、接続部C3からX2方向に直線状に延びる。
【0028】
配線342は、接続部C4に接続される。配線343は、配線342に接続され、X1方向に直線状に延びる。
【0029】
液晶駆動電極361は、配線341に接続される。液晶駆動電極361は、図3に示すように、本実施形態では7本設けられる。即ち、7本の液晶駆動電極361は、配線341からY1方向に直線状に延びる。7本の液晶駆動電極361は、X方向に沿って等間隔に配置される。
【0030】
液晶駆動電極362は、配線343に接続される。液晶駆動電極362は、図3に示すように、本実施形態では6本設けられる。即ち、6本の液晶駆動電極362は、配線343からY2方向に直線状に延びる。6本の液晶駆動電極362は、X方向に沿って等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極361と液晶駆動電極362とはX方向に交互に配置される。
【0031】
次に、調光パネル1について、特に、導電柱61、62および第1スペーサ(スペーサ)72を中心に説明する。なお、第1実施形態においては、導電柱61、62と第1スペーサ72とが同一の導電性材料を有する。
【0032】
図5に示すように、調光パネル1には、環状に沿ってシール材5が設けられる。シール材5は、平面視において略矩形状である。シール材5の外側には、2つの導電柱61,62が配置される。導電柱61は、対向基板3(調光パネル1)のY2側且つX1側の端部に配置される。導電柱62は、対向基板3のY1側且つX2側の端部に配置される。
【0033】
また、図5および図6に示すように、シール材5の内側には、絶縁層81,82および第1スペーサ72が設けられる。絶縁層81,82は、平面視において矩形形状を有する。絶縁層81は、アレイ基板2側に設けられ、絶縁層82は、対向基板3側に設けられる。上方から見た場合に、絶縁層81と絶縁層82とは重なる。また、第1スペーサ72は、柱形状を有する。第1スペーサ72は、等間隔で複数点在する。具体的には、第1実施形態では、第1スペーサ72は、合計で9つ設けられ、この9つの第1スペーサ72が等間隔で配置される。即ち、最もY2側の第1列に3つ配置され、第1列のY1側に隣接する第2列に3つ配置され、第2列のY1側に隣接する第3列に3つ配置される。第1列の3つの第1スペーサ72は、X方向に等間隔で配置され、第2列の3つの第1スペーサ72も、X方向に等間隔で配置され、第3列の3つの第1スペーサ72も、X方向に等間隔で配置される。
【0034】
図6に示すように、導電柱61は、アレイ基板2の接続部(第1電極200)C1と、対向基板3の接続部(第2電極300)C3と、を導通させる。即ち、導電柱61は、接続部(第1電極200)C1と接続部(第2電極300)C3との間に設けられる。また、導電柱61は、導電性材料で形成されている。具体的には、導電柱61は、樹脂611と、樹脂611中に含まれる導電ビーズ612と、を有する。導電ビーズ612は、接続部(第1電極200)C1と接続部(第2電極300)C3との双方に接している。樹脂611は、例えば、UV(ultraviolet)硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)または熱硬化性樹脂などが適用可能である。UV硬化樹脂は、紫外線の光エネルギーに反応して液体から固体に化学的に変化する合成樹脂である。なお、導電ビーズ612の径は、例えば10マイクロメートル以上100マイクロメートル以下が好ましく、第1電極200および第2電極300の厚さは、例えば30ナノメートル以上250ナノメートル以下が好ましい。また、図6に示すアレイ基板2の表面2aと対向基板3の表面3aとの距離であるセルギャップは、例えば20マイクロメートル以上100マイクロメートル以下が好ましい。
【0035】
図6に示すように、第1スペーサ72は、アレイ基板2の絶縁層81と、対向基板3の絶縁層82と、の間に設けられる。図6の断面図において、絶縁層81は、第2配線245および液晶駆動電極261、262の上に設けられる。また、絶縁層82は、液晶駆動電極361、362の上に設けられる。絶縁層81、82は、例えば、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料によって形成されている。第1スペーサ72は、樹脂611と、樹脂611中に含まれる導電ビーズ612と、を有する。このように、第1スペーサ72は、導電柱61と同一の材料で形成されている。なお、第1スペーサ72は、導電性を有するが、絶縁層81、82によって、アレイ基板2の第1電極200と対向基板3の第2電極300との絶縁性が保たれる。
【0036】
さらに、シール材5は、絶縁材料で形成される。具体的には、図6に示すように、シール材5は、絶縁性の樹脂52と、樹脂52に含まれる絶縁ビーズ53と、を有する。絶縁ビーズ53は、例えば樹脂ビーズまたはシリカ製ビーズなどが適用可能である。
【0037】
次に、図5から図10を参照して、第1の実施形態に係る調光パネル1の製造方法を簡単に説明する。
【0038】
最初に、図7および図8に示すように、対向基板3に、導電柱61、62、絶縁層82および第1スペーサ72を成形する。この場合、例えば左右方向に長い1枚のガラス基板を用いて、左右方向に連続する複数の対向基板3を形成することができる。
【0039】
具体的には、まず、対向基板3に絶縁層82を形成する。前述のように、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料を用いて対向基板3の中央部に矩形形状の絶縁層82を設ける。その後、導電柱61、62および第1スペーサ72を設ける。前述のように、導電柱61、62と第1スペーサ72とは同一材料で成形する。本実施形態では、例えば導電ビーズ612を、UV硬化樹脂などの樹脂611に混合させたものを点状に塗布する。第1スペーサ72は、9つ設けられるため、絶縁層82の上に等間隔でいわゆるドット状に9箇所塗布する。
【0040】
次に、図9および図10に示すように、アレイ基板2に、絶縁層81とシール材5を成形する。この場合、例えば左右方向に長い1枚のガラス基板を用いて、左右方向に連続する複数のアレイ基板2を形成することができる。具体的には、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料を用いてアレイ基板2に矩形形状の絶縁層81を設ける。また、絶縁ビーズ53を樹脂52に混合させたシール材5を、ディスペンサを介して絶縁層81の外周に沿って塗布する。なお、シール材5は、印刷で形成することも可能である。
【0041】
そして、対向基板3とアレイ基板2とを貼り合わせて硬化させる。具体的には、前述の左右方向に長い2枚のガラス基板同士を貼り合わせる。こののち、1枚ずつの対向基板3およびアレイ基板2に切断する。そして、シール材5の流入口51から液晶をシール材5の内側に流入させることによって、調光パネル1が完成する。
【0042】
以上説明したように、第1の実施形態に係る調光パネル1は、接続部C1、C2(第1電極200)を有するアレイ基板(第1基板)2と、接続部C3、C4(第2電極300)を有する対向基板(第2基板)3と、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられる液晶層4と、液晶層4の外周に沿って延びるシール材5と、シール材5の内側に設けられる第1スペーサ72と、シール材5の外側に設けられ、且つ、接続部C1と接続部C3とを導通させる導電柱61と、シール材5の外側に設けられ、且つ、接続部C2と接続部C4とを導通させる導電柱62と、を備え、導電柱61、62と第1スペーサ72とは、同一の材料を有する。
【0043】
これによれば、導電柱61、62と第1スペーサ72とを、同一の設備(例えばロボット)および同一の材料を用いて成形することができる。従って、第1スペーサ72の成形作業をより簡素化することが可能となる。
【0044】
また、導電柱61,62と第1スペーサ72の材料は、樹脂611と、当該樹脂611中に含まれる導電ビーズ612と、を有する。
【0045】
このように、第1スペーサ72が導電ビーズ612を含むため、同一径の複数の導電ビーズ612を用いることによって、平面視における各部位でのセルギャップを均等に保つことが容易になる。なお、アレイ基板2の第1電極200と対向基板3の第2電極300との短絡を防止するために、絶縁層を設けることが好ましい。
【0046】
第1スペーサ72は、柱形状を有する。このため、例えば、第1スペーサ72が球体の場合よりも、アレイ基板2および対向基板3を第1スペーサ72が支持する面積が大きくなるので、より安定して対向基板3を支持することが可能となる。
【0047】
第1スペーサ72は、それぞれ等間隔で複数点在する。従って、第1スペーサ72を配置する間隔が等間隔でない場合よりも、上側の対向基板3を支持する力が複数の第1スペーサ72に均等に掛かり、液晶層4の厚さがより均一になる。
【0048】
アレイ基板(第1基板)2は、第1エリア(第1辺)21と、第2エリア(第2辺)22とを含む矩形形状を有する。第1エリア(第1辺)21には、第1の端子群10が配置され、第2エリア(第2辺)22には、第2の端子群20が配置される。アレイ基板(第1基板)2は対向基板(第2基板)3よりも面積が大きい。これによれば、アレイ基板(第1基板)2に対向基板(第2基板)3を積層させた状態で、第1の端子群10および第2の端子群20を露出させることが可能となる。
【0049】
第1の端子群10は、第1端子101と、第2端子102と、第3端子103と、第4端子104と、を含む。第2の端子群20は、第5端子201と、第6端子202と、第7端子203と、第8端子204と、を含む。第1端子101と第5端子201とは第1配線を介して電気的に接続され、第2端子102と第6端子202とは第2配線を介して電気的に接続され、第3端子103と第7端子203とは第3配線を介して電気的に接続され、第4端子104と第8端子204とは第4配線を介して電気的に接続され、第2配線および第3配線のそれぞれには、液晶駆動電極261,262が接続される。
【0050】
これによれば、調光パネル1の向きを例えば90度回転させることにより、第1の端子群10または第2の端子群20を同一の方向(例えば、図4におけるY1側)に配置することができる。従って、第1の端子群10または第2の端子群20にフレキシブルプリント基板400を接続する場合に、同一の方向からフレキシブルプリント基板400を引き出すことが可能となる。
【0051】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る調光パネルについて説明する。図11は、第2の実施形態に係る調光パネルを上方から見た模式図である。図12は、図11のXII-XII線による断面図である。図13は、変形例に係る調光パネルを上方から見た模式図である。第2の実施形態においては、シール材と第2スペーサとが同一材料を有する。以下に詳細に説明する。
【0052】
図11および図12に示すように、第2の実施形態に係る調光パネル1Aは、アレイ基板(第1基板)2と、対向基板(第2基板)3と、液晶層4と、シール材5と、第2スペーサ71と、を有する。対向基板3は、アレイ基板2の上側(Z1側)に配置される。対向基板3とアレイ基板2との間には、液晶層4が設けられる。シール材5は、液晶層4の外周に沿って延びる。第2スペーサ71は、等間隔で複数(9つ)点在する。
【0053】
図12に示すように、シール材5は、樹脂52と、樹脂52に含まれる絶縁ビーズ53と、を有する。絶縁ビーズ53は、例えば樹脂ビーズまたはシリカ製ビーズなどが適用可能である。なお、図12では、3つの絶縁ビーズ53がX方向に沿って並んでいるが絶縁ビーズ53の数は特に限定されない。
【0054】
また、図12に示すように、液晶層4の領域の全部において、配向膜90が設けられる。具体的には、図12に示すように、電極の部分においては、例えばアレイ基板2側の第3配線247(図2参照)の上、および、対向基板3側の液晶駆動電極361(図3参照)の上に配向膜90が配置され、電極以外の部分においては、アレイ基板2の表面2aおよび対向基板3の表面3aに配向膜90が配置される。そして、これらの第3配線247と液晶駆動電極361との間には、第2スペーサ71が設けられる。第2スペーサ71は、柱形状を有する。第2スペーサ71は、シール材5と同一であり、絶縁性の樹脂52と、樹脂52に含まれる絶縁ビーズ53と、を有する。絶縁ビーズ53は、例えば樹脂ビーズまたはシリカ製ビーズなどが適用可能である。配向膜90の厚さは、例えば30ナノメートル以上100ナノメートル以下が好ましい。なお、第2実施形態においても、セルギャップは、例えば20マイクロメートル以上100マイクロメートル以下が好ましい。
【0055】
さらに、シール材は、前述したように液晶の流入口51を有するシール材5に限定されず、図13に示すように、流入口51がない環状のシール材5Aも適用可能である。シール材5Aを構成する材料は、シール材5と同じである。また、液晶の注入については、アレイ基板2と対向基板3とを貼り合わせる前にシール材5Aの内側に液晶を注入することができる。
【0056】
以上説明したように、第2実施形態に係る調光パネル1Aは、アレイ基板(第1基板)2と、対向基板(第2基板)3と、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられる液晶層4と、液晶層4の外周に沿って延びるシール材5と、シール材5の内側に設けられる第2スペーサ71と、を備え、シール材5と第2スペーサ71とは、同一の材料を有する。
【0057】
これによれば、シール材5と第2スペーサ71とを、同一の設備(例えばロボット)および同一の材料を用いて成形することができる。従って、第2スペーサ71の成形作業をより簡素化することが可能となる。
【0058】
シール材5および第2スペーサ71の材料は、樹脂52と、当該樹脂52中に含まれる絶縁ビーズ53と、を有する。このように、第2スペーサ71が絶縁ビーズ53を含むため、アレイ基板2の第1電極200と対向基板3の第2電極300との絶縁性を保持しつつ、アレイ基板2と対向基板3とのセルギャップを一定に保つことが容易になる。
【符号の説明】
【0059】
1、1A 調光パネル
2 アレイ基板(第1基板)
3 対向基板(第2基板)
4 液晶層
5、5A シール材
10 第1の端子群
20 第2の端子群
21 第1エリア(第1辺)
22 第2エリア(第2辺)
52 樹脂
53 絶縁ビーズ
61、62 導電柱
71 第2スペーサ
72 第1スペーサ
101 第1端子
102 第2端子
103 第3端子
104 第4端子
201 第5端子
202 第6端子
203 第7端子
204 第8端子
261、262 液晶駆動電極
200 第1電極
300 第2電極
611 樹脂
612 導電ビーズ
C1、C2 接続部(第1電極)
C3、C4 接続部(第2電極)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13