(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A63F7/02 340
A63F7/02 328
A63F7/02 355Z
(21)【出願番号】P 2021107241
(22)【出願日】2021-06-29
【審査請求日】2024-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】内山 義崇
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】仙田 武史
(72)【発明者】
【氏名】金井 崇矩
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 俊介
【審査官】尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-299866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
来場した遊技者が直接操作することにより遊技可能な遊技機が設置される通常遊技エリアと、オンライン映像を見ながら遠隔操作することにより遊技可能な遊技機が設置される遠隔遊技エリアと、が設けられる遊技場の遊技場用システムであって、
各遊技機に対し、前記通常遊技エリアに設置される通常遊技機および前記遠隔遊技エリアに設置される遠隔遊技機のうち何れか一方の種別を設定する種別設定手段と、
前記遠隔遊技機の各々に付設され、遊技者による遠隔操作に応じて各種の遊技動作を実行可能な遊技ロボットと、
遊技者が所持し、前記遊技ロボットに各種の遊技動作を実行させるための遠隔操作を行うことが可能な遊技者端末と、
各遊技機の稼動状況を示す各種の稼動データを、前記通常遊技機と前記遠隔遊技機とに区別して集計する集計手段と、
前記集計手段により集計された前記通常遊技機の稼動データと、前記遠隔遊技機の稼動データと、を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記稼動データは、各遊技機において遊技に使用された遊技価値の大きさを含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、遊技者が遊技場へ出向くことなく遠隔操作により遊技が可能なシステムが提案されている。このようなシステムを導入することにより、例えば高齢者や身体障碍者など外出が困難な者であっても遊技を楽しむことができるという優れたメリットが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、遊技場へ出向いて遊技機を直接操作したいと考える遊技者も当然、多数存在するので、遊技場側には、従来通り直接操作により遊技する遊技機と、遠隔操作により遊技する遊技機と、を適度な割合で設置して営業したいという要望がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、直接操作する遊技機と遠隔操作する遊技機とが遊技場内に混在する状態において、適切な営業を実現することが可能な遊技場用システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場用システムは、来場した遊技者が直接操作する遊技機が設置される通常遊技エリアと、オンライン映像を見ながら遠隔操作により遊技可能な遊技機が設置される遠隔遊技エリアと、が設けられる遊技場向けのシステムである。
【0007】
本発明の遊技場用システムでは、通常遊技エリアに設置される通常遊技機および遠隔遊技エリアに設置される遠隔遊技機のうち何れか一方の種別を、各遊技機に対して設定可能である。遠隔遊技機については、遊技者が所持する遊技者端末を利用し、遠隔操作により遊技ロボットに各種の遊技動作を実行させることにより遊技可能である。
【0008】
本発明の遊技場用システムでは、通常遊技機と遠隔遊技機とに区別して、各遊技機の稼動データが集計される。そして、この遊技場用システムは、通常遊技機の稼動データと遠隔遊技機の稼動データとを出力できる。
【0009】
本発明の遊技場用システムでは、通常遊技エリアと遠隔遊技エリアとが遊技場内に設けられる場合、通常遊技機の稼動データと遠隔遊技機の稼動データとが区別して集計・出力される。そのため、この遊技場用システムによれば、各遊技エリアの稼動状況を客観的に把握でき、各遊技エリアの設置割合が適切か否かを判断できる。例えば遠隔遊技エリアの稼動状況が良好な場合には、通常遊技エリアを縮小するとともに遠隔遊技エリアを拡大するといった設置割合の調整を行うことが可能となる。
【0010】
このように本発明の遊技場用システムは、通常遊技機と遠隔遊技機とが遊技場内に混在している営業状態であっても適切な営業を実現できる優れた特性を備えるシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】遊技機と認証ユニットの組み合わせを示す正面図。
【
図3】遊技機及び認証ユニットの電気的構成を示すブロック図。
【
図6】遊技ロボットの電気的構成を示すブロック図。
【
図13】認証ユニットによる通常遊技の初期画面を例示する正面図。
【
図14】認証ユニットによる通常遊技の会員情報画面を例示する正面図。
【
図15】認証ユニットによる遠隔遊技の初期画面を例示する正面図。
【
図16】携帯端末によるアカウント登録画面を例示する正面図。
【
図17】携帯端末による遊技場選択画面その1を例示する正面図。
【
図18】携帯端末による遊技場選択画面その2を例示する正面図。
【
図19】携帯端末による遊技場ログイン画面を例示する正面図。
【
図20】携帯端末による遊技場ログイン完了画面を例示する正面図。
【
図21】携帯端末による機種選択画面を例示する正面図。
【
図22】携帯端末による遊技機台番選択画面を例示する正面図。
【
図23】携帯端末による遠隔遊技の会員情報画面を例示する正面図。
【
図24】携帯端末による特定遊技機画面を例示する正面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、オンライン遠隔遊技サービスに対応すると共に、遊技者の直接操作による遊技にも対応可能な遊技場用システム1に関する例である。
図1~
図24を用いて遊技場用システム1の内容について説明する。
【0013】
遊技場用システム1(
図1)は、遊技機2が設置される遊技場の場内システム700、公衆通信回線であるインターネットに接続された外部の管理サーバ400、遠隔遊技を行う遊技ロボット10、及びインターネットに接続可能な遊技者所有の携帯端末5、などを含めて構成されるシステムである。管理サーバ400は、インターネットを介して各遊技場の場内システム700に接続される。携帯端末5などの遊技者端末は、インターネットを介して遊技ロボット10を遠隔操作可能である。
【0014】
例示する遊技場は、遊技者が直接操作する遊技機2である通常遊技機2Aが設置される通常遊技エリアと、オンライン映像を見ながら遠隔操作により遊技可能な遊技機2である遠隔遊技機2Bが設置される遠隔遊技エリアと、が設けられている遊技場である。この遊技場は、本例の遊技場用システム1を導入しているため、通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとが場内(遊技場内)に混在している営業状態であっても適切な営業が可能である。
【0015】
本例の構成では、管理サーバ400が提供する図示しないウェブサイトから携帯端末5にダウンロードしたアプリケーション(専用アプリ)上で、遠隔遊技機2Bの遠隔操作が可能である。このような遠隔遊技サービスは、遊技場に登録された会員限定のサービスである。遊技場用システム1では、会員であるか否かに関わらず専用アプリをダウンロードできる一方、会員登録済であることを前提としてオンライン遠隔遊技サービスの利用が可能である。遊技場用システム1では、識別情報である会員IDによって遊技場に登録された各会員が管理されている。
【0016】
遊技場では、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機2に対して、遊技に必要な遊技価値である遊技玉の付与機能(貸出機能)を備える認証ユニット4や遊技情報表示装置3等が個別に設置されている。場内の管理スペース(図示略)には、遊技ロボット10を含む各種機器の稼動状況を集中的に管理するための場内管理装置200が設置されている。
【0017】
遊技情報表示装置3は、対応する遊技機2の上方に設置される機器である。遊技情報表示装置3は、対応する遊技機2の稼動データを表示可能である。遊技情報表示装置3は、図示しない表示切替ボタンを有し、表示切替ボタンの操作に応じて、各種の稼動データを切替表示可能である。さらに、本例の遊技情報表示装置3は、表示切替ボタンによるボタン操作に代替するリモコン操作を受付可能である。
【0018】
遊技場では、場内の各種機器が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク800が構築されている。そして、場内ネットワーク800に対する中継装置8が、2台の遊技機毎に1台ずつ設置されている。遊技機2は、遊技情報表示装置3と共に中継装置8に接続された認証ユニット4を経由して、場内ネットワーク800に接続されている。場内ネットワーク800では、遊技情報表示装置3や認証ユニット4などの遊技機2の周辺装置と場内管理装置200との間の各種の通信が、中継装置8を介して実現されている。場内ネットワーク800には、さらに、遊技ロボット10が有線LAN接続されている。場内管理装置200は、場内ネットワーク800を介して遊技ロボット10の管理が可能である。
【0019】
場内管理装置200は、場内ネットワーク800に接続されているほか、公衆通信回線であるインターネットにも接続されている。遊技場用システム1では、インターネットに接続された場内管理装置200を介して、遊技ロボット10を含む場内システム700と場外の管理サーバ400とが通信可能である。
【0020】
次に、遊技機2及び認証ユニット4の構成及び基本動作を説明すると共に、場内管理装置200、携帯端末5、管理サーバ400、及び遊技ロボット10の構成について順番に説明する。その後、遊技場用システム1の全体動作を説明する。
【0021】
(遊技機及び認証ユニットの構成)
本例では、遊技媒体である遊技玉を発射して遊技が行われるパチンコ遊技機(
図1及び
図2)を遊技機2として例示する。本例の遊技機2は、遊技価値を表す遊技玉数を消費して遊技玉を発射できると共に、入賞に応じたポイントが遊技玉数に加算されることで遊技価値の付与が受けられる、いわゆる封入式の遊技機である。遊技機2は、始動口への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、当選に応じて所定の大当たり条件が成立すると大当たり状態(大当たり)が発生する、いわゆるセブン機と称呼される遊技機である。本例の遊技機2の遊技状態としては、通常状態、確変状態、大当たり状態がある。確変状態は、大当たり抽選等の当選確率が通常状態よりも高まる有利な遊技状態である。
【0022】
遊技機2は、遊技玉が打ち込まれる略円形状の遊技盤面230を有している。遊技盤面230の上部両側には装飾ランプ部236が配置され、遊技盤面230の下方、遊技者側から見て左側の隅にはスピーカ231が配置されている。遊技盤面230の左上に当たる内部には、遊技玉を発射するための発射装置349(
図3参照。)が配設されている。
【0023】
遊技盤面230の下方には、情報表示部250が設けられ、情報表示部250の左側には、計数ボタン261や表示ボタン263などの操作ボタン群26が配設されている。遊技者側から見て情報表示部250の右下方には、遊技盤面230に遊技玉を打ち込むための操作ハンドル235が立設されている。
【0024】
情報表示部250は、発射可能な遊技玉数や大当たり回数などの各種の遊技データ等を表示するための表示部である。情報表示部250による表示内容は、表示ボタン263の操作により切替可能である。
【0025】
遊技盤面230では、液晶表示部290を含む表示装置29を中心として、電チュータイプの特図始動口21、スルー式の普図始動口24、開閉式の大入賞口260等が配置されている。遊技盤面230の最下部には、入賞することなく流下した遊技玉を回収するためのアウト孔238が開口している。特図始動口21は、大当たり抽選の契機となる始動口である。普図始動口24は、普図抽選の契機となる始動口である。普図抽選に当選すると、特図始動口21の開放動作が実行される。なお、大当たり抽選の当否、普図抽選の当否は、表示装置29によって報知される。
【0026】
次に、遊技機2の電気的な構成について、
図3を用いて説明する。遊技機2は、主制御部20を中心として構成されている。主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、記憶素子であるROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェースをなすI/O(Input/Output)を含む回路である。
【0027】
主制御部20に対しては、上記の構成のほか、スピーカ231を駆動するアンプ231Aや装飾ランプ部236等を制御する演出制御部31、液晶表示部290を制御する表示制御部32、入賞玉の検出センサ351~353、特図始動口21を開放する特図始動ソレノイド362、大入賞口260を開放する大入賞口ソレノイド364、動作電力を供給する電源回路部37、等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、認証ユニット4との間で各種通信を実行する際の窓口となるI/F部38が接続されている。なお、認証ユニット4との間で送受信する情報あるいはデータの内容については、認証ユニット4の構成を説明した後で説明する。
【0028】
入賞玉の検出センサとしては、
図3のごとく、特図始動口21の入賞玉を検出する特図入賞センサ351、普図始動口24の入賞玉を検出する普図入賞センサ352、及び大入賞口260の入賞玉を検出する大入賞センサ353、等がある。
【0029】
次に、認証ユニット4(
図1及び
図2)は、会員カード461の受付、あるいはオンラインでのリモートログインによる認証を条件に、対応する遊技機2での遊技を可能にする装置である。認証ユニット4は、中継装置8を介して場内ネットワーク800に接続されており、場内管理装置200との間で信号や情報などの送受信が可能である。
【0030】
認証ユニット4の前面パネルには、状態ランプ41、紙幣投入口42、カメラ部47、リモコン受光部45、タッチパネル431(
図3)を含みタッチ操作可能な表示部43、操作ボタン441~443、遊技カード460用のカード挿入口46等が設けられている。操作ボタンとしては、遊技に必要な遊技価値の付与を受けるための貸出ボタン441、貯玉の払出を受けるための再プレイボタン442、遊技を終了する際の終了ボタン443等がある。認証ユニット4は、登録済の会員向けの遊技カード460である会員カード461を受付可能である。
【0031】
認証ユニット4は、
図3のごとく、CPU、ROM・RAM、I/O等を備える制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、上記の構成のほか、紙幣の受付処理を実行する紙幣処理部421、遊技カード460に関する各種処理を実行するカード処理部465などが電気的に接続されている。カード処理部465は、遊技カード460の記録情報を読み書きする機能に加えて、遊技カード460の吸込機能および排出機能を備えている。さらに、制御部40には、認証ユニット4との間で各種通信を実行するための窓口となるI/F部48が接続されている。
【0032】
(遊技機及び認証ユニットの基本動作)
遊技機2は、発射可能な遊技玉数を認証ユニット4から受信すると、その遊技玉数分の遊技玉を発射することが可能となる。その後、遊技に応じて遊技玉数がゼロになった時点で遊技玉の発射が不可能となる。遊技機2の遊技では、発射玉数の分だけ遊技玉数が減算されると共に、入賞により付与された玉数が遊技玉数に加算される。
【0033】
遊技機2の遊技玉数は、計数ボタン261の操作により、認証ユニット4が記憶する持玉数に変換できる。遊技機2は、計数ボタン261の操作に応じて遊技玉数の全部あるいは一部を認証ユニット4へ送信し、遊技玉数を減算する。計数ボタン261の短押しにより1玉ずつ持玉数に加算され、長押しにより全玉一括して持玉数へ変換され、遊技玉数がゼロリセットされる。
【0034】
遊技機2では、操作ハンドル235の操作により発射装置349から遊技玉を発射できる。発射された遊技玉が特図始動口21へ入賞すると大当たり抽選(特図抽選)が実行されると共に、表示装置29にて特図の図柄変動が開始される。大当たり抽選で当選した場合は、大当たり図柄の停止表示により大当たり当選が報知され、その後、大当たり状態へ移行できる。この大当たり状態では、大入賞口260が規定回数開放され、これにより、入賞率が大幅に向上する。また、遊技玉が普図始動口24へ入賞すると、普図抽選が実行されると共に、表示装置29にて、普図の図柄変動が開始される。普図抽選に当選すると、電チュータイプの特図始動口21が開放されて入賞率が格段に高くなる。
【0035】
認証ユニット4は、対応する遊技機2から遊技の進行状況を表す台データ(後述)を受信して稼動データ等を生成・記憶するとともに、随時、場内管理装置200へ送信する。また、認証ユニット4は、場内管理装置200から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価(ポイント単価)、種別など)を受信し、記憶する。認証ユニット4は、会員カード461の認証、あるいはオンラインのリモートログインによる認証を条件として、対応する遊技機2での遊技を可能とする。
【0036】
認証ユニット4は、遊技者が所有する入金残高、貯玉及び持玉のいずれかの全部または一部を、遊技玉数に換算し、対応する遊技機2へ送信する。また、認証ユニット4は、対応する遊技機2の遊技玉数を計数して持玉数として記憶する。遊技終了時には、遊技者の入金残高、貯玉数、持玉数を場内管理装置200へ送信する。さらに、本例の認証ユニット4は、カメラ部47で遊技者の顔画像を取得し、随時場内管理装置200へ送信する。
【0037】
認証ユニット4には、通常遊技エリア(通常遊技機2A)に対応する種別と、遠隔遊技エリア(遠隔遊技機2B)に対応する種別と、のいずれかの種別が、場内管理装置200により択一的に設定される。通常遊技エリアに対応する種別が設定された認証ユニット4では、会員カード461の受付を条件として入金、貯玉及び持玉の使用が可能となる。遠隔遊技エリアに対応する種別が設定された認証ユニット4では、会員カード461の受付が禁止され、オンライン遠隔遊技のみ可能となる。オンライン遠隔遊技では貯玉による再プレイのみが許可される。
【0038】
遊技機2と認証ユニット4との間では、例えば以下の信号が送受信される。
(1)状態確認要求信号:状態確認応答である台データの要求信号。認証ユニット4が200m秒毎に遊技機2に送信する。
(2)台データ:状態確認要求信号に応じて遊技機2が認証ユニット4に返信する状態確認応答。なお、台データの内訳は後述の通りである。
(3)カード挿入通知:遊技カード460(会員カード461)を受け付けた旨の認証ユニット4による通知。
(4)カード挿入応答:カード挿入通知に対する遊技機2の応答。
(5)返却要求信号:遊技カード460の返却を求めて遊技機2が送信する信号。終了ボタン443の操作に応じて遊技機2が送信する。
(6)計数要求信号:遊技機2が備える計数ボタン261が操作されたときに遊技機2が送信する信号。計数要求信号は、遊技機2が記憶する遊技玉数のうちの1ポイント分の計数を要求する信号である。
【0039】
遊技機2が認証ユニット4に送信する台データは、アウトやセーフや大当たり回数などの複数の遊技データを一括して含む情報である。この台データには、遊技者の会員ID、送信元の認証ユニット4に設定された種別が対応付けられている。認証ユニット4に設定される種別は、通常遊技機2Aに対応することを示す種別、あるいは遠隔遊技機2Bに対応することを示す種別である。台データには、例えば、以下のデータや情報等が含まれている。なお、以下の説明では、遊技機2が認証ユニット4に送信する台データを稼動情報という。
【0040】
(1)アウト(回数):前回データ送信時からの消費価値(使用価値、打込価値、アウト)を1玉単位で示す。
(2)セーフ(回数):前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す。
(3)S入賞(回数):前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す。
(4)スタート(回数):前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(液晶表示部290)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示す。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
(5)大当たり(回数):前回データ送信時から発生した大当たり数を1回単位で示す。高モード演出が発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(6)大当フラグ(状態):データ送信時に大当たり状態の発生中であればON、大当たり状態の発生中でなければOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を大当たり中として特定できる。
【0041】
(場内管理装置)
場内管理装置200(
図1)は、遊技ロボット10を含む各種機器の稼動状況を集中的に管理するためのコンピュータ装置である。場内管理装置200は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等の出力手段、各種の演算処理を実行する装置本体、及びキーボード及び図示しないマウス等の入力手段等を含めて構成されている。装置本体は、各種信号あるいは情報を送受信する通信手段やハードディスクドライブなどの記憶手段などを有する。
【0042】
場内管理装置200は、マルチモニタ機能を有している。場内管理装置200には、遠隔遊技機2Bの撮像映像を表示するための外部モニタが複数台、接続されている。外部モニタは、遠隔遊技を行っている遊技者の会員ID(識別情報の一例)を遊技場の従業員あるいは管理者に対して表示すると共に、遊技ロボット10による遠隔遊技機2Bの撮像映像を表示する表示手段の一例をなしている。
【0043】
外部モニタに代えて、あるいは加えて、遊技場の従業員が携帯する端末を、遠隔遊技機2Bを遊技する遊技者の会員IDや遠隔遊技機2Bの撮像映像を表示する表示手段として利用することも良い。また、場内管理装置200のメインモニタとしてのPCモニタにより、遠隔遊技機2Bの撮像映像や遠隔遊技を行う遊技者の会員IDなどを表示することも良い。
【0044】
場内管理装置200が管理する遊技場の場内は、上記のごとく、遠隔遊技専用の遠隔遊技エリアと、来場した遊技者が遊技を行う通常遊技エリアと、に区分されている。場内の各遊技機2の稼動状況に応じて、遠隔遊技エリアと通常遊技エリアとの割合を定めると良い。例えば、遊技機2の設置台数が500台の遊技場の場合、遠隔遊技エリアの稼動率と通常遊技エリアの稼動率とが同程度であれば、各遊技エリアの設置台数を250台ずつが適切である、という営業判断が可能である。
【0045】
場内管理装置200は、遊技機2から受信した稼動情報(台データ)に基づいて各遊技機2の稼動データを生成し記憶・管理している。オンライン遠隔遊技に対応する本例の場内管理装置200は、遊技者端末の一例をなす携帯端末5からの遠隔操作信号を受信し、遠隔操作端末の一例をなす遊技ロボット10へ送信する。また、場内管理装置200は、遊技ロボット10から受信した遊技機映像や各種遊技情報などを、携帯端末5へ送信可能である。
【0046】
本例の場内管理装置200は、例えば以下の(1)~(7)の各手段としての機能を有する。
(1)稼動データ取得手段:各遊技機2の稼動データを取得する手段。稼動データ取得手段は、場内の認証ユニット4から対応する遊技機2の稼動データを一定時間毎に取得する。
(2)集計手段:稼動データ取得手段が取得した稼動データに基づき、各遊技機2の稼動状況を示す各種の稼動データや、遊技者別の遊技データを集計する手段。特に、本例の集計手段は、通常遊技エリアの通常遊技機2Aと、遠隔遊技エリアの遠隔遊技機2Bと、に区別して稼動データ等を集計する。
(3)稼動データ記憶手段:遊技機別の稼動データや遊技者別の遊技データを記憶する手段。遊技機別の稼動データ等は、遊技機2の台番及び種別(通常遊技機2Aか遠隔遊技機2Bかの種別)を対応付けた状態で記憶される。すなわち、遊技機別の稼動データ等は、通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとで区別して記憶される。稼動データには、少なくとも、遊技に使用された遊技価値の大きさを表すデータ(アウト)、対応する遊技機2が稼動中であるか否かを表す稼動フラグなど、各種のデータが含まれる。
(4)データ送信手段:遊技機別の稼動データ及び遊技者別の遊技データ(マイデータ)等を、管理サーバ400に送信する手段。データ送信手段は、遊技場IDを対応付けて、例えば1分毎など定期的に稼動データ、遊技データを送信する。
(5)遊技価値記憶手段:遊技者の識別情報の一例である会員IDと対応付けて貯玉(数)及び持玉(数)を記憶する手段。貯玉及び持玉は、遊技者が遊技により獲得した遊技価値の大きさを示す指標の一例である。
(6)種別設定手段:各遊技機2及び各認証ユニット4に対し、通常遊技エリア及び遠隔遊技エリアのうちの一方に対応する種別を設定する手段。なお、通常遊技エリアに対応する種別が設定された遊技機2が通常遊技機2Aであり、遠隔遊技エリアに対応する種別が設定された遊技機2が遠隔遊技機2Bである。
(7)出力手段:遊技機別の稼動データ、遊技者別の遊技データを出力する手段。特に、本例の出力手段は、通常遊技機2Aの稼動データあるいは遊技データと、遠隔遊技機2Bの稼動データあるいは遊技データと、を区別して出力可能である。出力形式としては、PCモニタによる表示出力や、プリンタ等による印字出力等のほか、図示しない端末装置などの他の装置に対する送信出力等がある。
【0047】
(携帯端末)
携帯端末5(
図1)は、遊技者が所持し、遊技ロボット10に各種の遊技動作を実行させるための遊技者端末の一例である。携帯端末5は、例えばタッチ操作可能な表示画面50を備えるスマートフォン(多機能型携帯電話)などの通信端末であり、インターネット等の公衆通信回線に接続可能である。遊技者端末としては、例示する携帯端末5のほか、インターネットに接続可能なタブレット端末やPC端末等を利用できる。
【0048】
携帯端末5は、管理サーバ400からダウンロードした専用アプリを実行等することで、少なくとも以下の(1)~(4)の各手段としての機能を実現できる。
(1)遊技台選択画面表示手段:遠隔遊技する遊技機2(遠隔遊技機2B)を遠隔操作により選択するための画面を表示する手段。
(2)遠隔操作画面表示手段:遠隔遊技機2Bを遠隔操作するための画面を表示する手段。
(3)貯玉読出手段:遊技場側で管理されている貯玉を読み出す手段。
(4)報知手段:遊技終了を表す終了情報を遊技場側に送信し、遊技終了の旨を報知する手段。
【0049】
(管理サーバ)
管理サーバ400(
図1)は、遊技場とは異なる第三者、例えばオンライン遠隔遊技サービスの運営会社等が管理するコンピュータ装置である。管理サーバ400は、上記のごとくインターネット等の公衆通信回線を介して各遊技場の場内システム700と通信可能である。
【0050】
管理サーバ400は、オンライン遠隔遊技サービスを提供している。専用アプリがインストールされた携帯端末5によれば、その専用アプリを実行することにより管理サーバ400にアクセスして遊技台選択画面(
図17、
図18)や特定遊技機画面(
図24)等を表示可能である。遊技台選択画面は、遠隔操作にて遊技台を選択するための画面である。特定遊技機画面は、遠隔操作にて遠隔遊技機2Bを操作して遊技を行うための画面である。各画面の構成については、後で詳しく説明する。
【0051】
管理サーバ400は、以下の(1)~(4)の各手段としての機能を実現する。
(1)配信手段:オンライン遠隔遊技サービスを利用するための専用アプリを携帯端末5に配信する手段。なお、携帯端末5にてダウンロードした専用アプリは、以降、バージョンアップが随時、実行され、最新の状態に維持される。
(2)会員情報記憶手段:会員情報を記憶する手段。会員情報には、識別情報である会員IDや、遊技者端末の一例である携帯端末(遊技者端末)5の識別情報である端末ID等が含まれる。
(3)オンライン遠隔遊技サービス提供手段:オンライン遠隔遊技サービスを提供する手段。
(4)送受信手段:各遊技場の場内管理装置200との間で、各種の情報やデータを送受信する手段。管理サーバ400から場内管理装置200に送信される情報としては、例えば、遊技ロボット10を遠隔操作するための情報等がある。場内管理装置200から管理サーバ400が受信する情報としては、例えば、遠隔遊技による遊技の状況を表す稼動データ等がある。
【0052】
(遊技ロボット)
遊技ロボット10(
図4、
図5)は、携帯端末5による遠隔操作によって遊技を代行する遠隔操作端末の一例である。遊技ロボット10は、左右一対のロボットアーム15を備えており、ロボットアーム15を利用して遊技機2の操作ハンドル235(操作部の一例)などを操作できる。
【0053】
遊技ロボット10は、遊技機2が設置される遊技機島の台座の一例をなすカウンタ状の棚板80を挟み込み可能な固定部14を有している。遊技ロボット10は、この固定部14を利用して遊技機2の正面に設置できる。本例の遊技場では、遠隔遊技エリアの各遊技機2(遠隔遊技機2B)の正面に、遊技ロボット10が予め設置されている。
【0054】
遊技ロボット10は、
図4のごとく、固定部14を土台とする昇降機構140により支持された胴部143を備えている。同図(a)は、昇降機構140により胴部143が下がった状態を示し、同図(b)は、昇降機構140により胴部143が上がった状態を示している。胴部143が下がった状態は、ロボットアーム15による操作ハンドル235の操作に好適であり、胴部143が上がった状態であれば、ロボットアーム15によって遊技情報表示装置3(例えば表示切替ボタン)を操作できるようになる。胴部143は、昇降機構140の作用によって昇降可能であるのに加えて、昇降機構140に対して回転可能に構成されている。遊技ロボット10は、昇降機構140に対する胴部143の回転に応じて向きを変更可能である。
【0055】
胴部143の正面及び背面(
図4、
図5)には、それぞれ、動作状態を示す起動ランプ145が配置されている。胴部143の両側にロボットアーム15が取り付けられ、胴部143の上方にヘッド部16が延設されている。
【0056】
ロボットアーム15は、遊技機2の操作ハンドル235に対して直接作用する遊技操作手段の一例をなし、ヒトの腕に相当するアーム部151と、ヒトの手に相当するハンド部152と、を含めて構成されている。アーム部151は、胴部143に対する接続箇所をなす関節と、ヒトの肘に相当する関節と、を有している。ハンド部152は、複数本の指を含み、アーム部151の先端側に延設されている。
【0057】
ヘッド部16は、ヒトの両眼を模した左右一対のランプ部161を有すると共に、左右一対のランプ部161の中間に当たる位置にカメラ部162を備えている。ランプ部161は、複数のLED発光素子を二次元的に配列したものである。遊技ロボット10は、両眼を模した左右のランプ部161におけるLED発光素子の発光色や、発光状態のLED発光素子の分布形状等により、遊技者の感情を表現可能である。
【0058】
ヘッド部16の両側には、それぞれ、マイクを含む集音部167が設けられ、おでこに相当する箇所に発光部164が設けられている。後頭部に当たるヘッド部16の後ろ側には、液晶ディスプレイよりなる表示部168が埋め込まれている。発光部164には、図示は省略するが、照明用のLED素子に加えて、認証ユニット4及び遊技情報表示装置3に対するリモコン操作信号を発光するLED素子が組み込まれている。表示部168は、液晶ディスプレイよりなり、各種情報を表示可能である。
【0059】
さらに、ヘッド部16には、ミツバチの触覚のようなアンテナ165が2本、立設されている。一方のアンテナ165Aは、場内ネットワーク800に無線接続するための通信アンテナである。他方のアンテナ165Bには、遊技場の従業員が所持するリモコン(図示略)による赤外信号の受光アンテナである。遊技ロボット10は、従業員によるリモコン操作により、表示部168の表示内容の切替や、停止等を含む各種の制御が可能である。
【0060】
カメラ部162は、正面、上方正面、左方正面を撮像するための3基のカメラを含めて構成されている。正面用のカメラは、遊技機2の遊技盤面230を撮像するためのカメラである。上方正面用のカメラは、遊技情報表示装置3を撮像するためのカメラである。左方正面用のカメラは、認証ユニット4を撮像するためのカメラである。カメラ部162は、ズーム機構およびフォーカス機構を備えている。ズーム機構およびフォーカス機構は、カメラ駆動部(
図6)を介して、携帯端末5によって遠隔制御可能である。
【0061】
遊技ロボット10は、
図6のブロック図の通り、制御部11を中心として電気的に構成されている。制御部11には、場内管理装置200との間で情報やデータを送受信するための送受信部12、赤外信号を発光するLED素子を制御するリモコン送信部166、カメラ部162、カメラ駆動部163、マイクを含む集音部167、ロボットアーム15を構成するアーム部151及びハンド部152、表示部168、等が電気的に制御可能に接続されている。
【0062】
送受信手段の一例をなす送受信部12は、場内ネットワーク800に対するインターフェースであり、通信アンテナとして機能するアンテナ165Aを含めて構成されている。遊技ロボット10は、インターネットに接続されている場内管理装置200を経由して、遊技者端末の一例をなす携帯端末5と接続される。
【0063】
(遊技ロボットの基本動作)
遊技ロボット10は、場内ネットワーク800を介して場内管理装置200と通信可能であると共に、インターネットを介して遊技者端末である携帯端末5と通信可能である。遊技ロボット10は、遠隔遊技に係る各種情報の送受信を行うと共に、遠隔操作によって各種動作を実行する。遊技ロボット10は、遠隔操作に応じて以下の各種の動作を遠隔遊技機2Bに対して実行可能である。
【0064】
(1)アーム部151及びハンド部152を駆動して遊技機2(遠隔遊技機2B)の操作ハンドル235を回転操作すること。
(2)従業員に対する各種情報やメッセージを表示部168にて表示すること。
(3)カメラ部162による撮像映像(遊技機2、認証ユニット4、遊技情報表示装置3)を携帯端末5へ送信すること。
(4)遊技情報表示装置3及び認証ユニット4を制御するためのリモコン信号を送信すること。
(5)遊技機2で発生する各種効果音を集音部167で集音し、遊技者端末としての携帯端末5へ送信すること。
【0065】
また、表示部168は、以下の情報を切替表示可能である。
(1)携帯端末5へ送信中の映像
(2)遠隔操作中の会員の会員ID及び会員名
(3)遠隔操作中の会員の顔画像
(4)過去の遠隔遊技の実績
(5)遊技開始時刻及び経過時間
(6)従業員へのメッセージ(食事休憩、タバコ休憩、遊技終了など)
(7)ライブ配信の諾否(他の遊技者への映像配信を許可するか否か)
(8)配信中のライブ中継の観戦者数
(9)予約者数(次以降の遊技を予約している遊技者の数)
【0066】
次に、遊技場用システム1において、各遊技場の場内管理装置200が記憶し管理する各種のデータ(
図7~
図12)について説明する。
図7の遊技機設定データは、各遊技機2の識別情報である台番に対し、種別、機種コードを対応付けて設定したデータである。種別は、通常遊技エリアの通常遊技機2Aであるか、遠隔遊技エリアの遠隔遊技機2Bであるか、の種別である。同図中の「通常」は、通常遊技機2Aの種別であり、「遠隔」は、遠隔遊技機2Bの種別である。機種コードは、遊技機の機種毎に割り当てられたコードである。
【0067】
図8の遊技機稼動データは、各種の稼動データを遊技機別で収集して記憶したデータである。遊技機別の稼動データは、打込玉数であるアウト、払出玉数であるセーフ、スタート、大当たり回数(大当たり)、売上等のデータにより構成されている。さらに、遊技機別の稼動データには、遊技者の識別情報である会員IDが対応付けられる。
【0068】
図9の種別集計データは、種別(遠隔遊技機・通常遊技機)毎に集計した稼動データを記憶したデータである。なお、同図の例では、通常の平均アウト15678に対して遠隔の平均アウトが21234となっていることから、遠隔遊技の方が稼動良好であることがわかる。この場合、例えば、通常遊技機2Aの台数を減らし、遠隔遊技機2Bの台数を増やすのが望ましい、という営業判断が可能である。
【0069】
図10の会員登録データは、会員登録手続で入力された各会員の属性情報を登録したデータである。なお、会員登録手続は、携帯端末5のアプリ上で実行可能である。
【0070】
図11の会員遊技価値データは、各会員が所有する入金残高、持玉数、貯玉数を記憶したデータである。
【0071】
図12の会員遊技履歴データは、場内管理装置200が会員別の遊技履歴を作成して管理するデータである。会員遊技履歴データでは、遊技開始から遊技終了までの遊技履歴を表すデータが、会員別で記録される。遊技履歴を表すデータには、遊技機2の台番、種別、遊技開始時刻、遊技終了時刻、使用金額、遊技に使用した貯玉数(再プレイ)、アウト、セーフ、大当たり回数(大当たり)、持玉数、等のデータが含まれる。
【0072】
次に、以上のように構成された遊技場用システム1の動作の内容を説明する。本例の遊技場用システム1では、通常遊技も遠隔遊技も、遊技場への会員登録の手続を済ませてある必要があり、登録済の会員のみが遊技可能である。さらに、遠隔遊技は、貯玉を利用した再プレイによる遊技に限定される。それ故、所有遊技価値として貯玉を所有する会員のみが遠隔遊技を行うことができる。
【0073】
まず、実店舗内での遊技である通常遊技は、以下のような手順にて行われる。通常遊技エリアの非稼動中の遊技機2(通常遊技機2A)に対応する認証ユニット4は、
図13の通常遊技の初期画面を表示部43に表示する状態にある。同図の初期画面は、上から順番に、種別表示欄433、メッセージ表示エリア434、残高表示欄435、所有遊技価値表示欄436、が配置された画面である。
【0074】
種別表示欄433は、遊技単価を表す種別、及び貸出ボタン441の操作に応じて付与される遊技玉数である単位付与数の表示欄である。メッセージ表示エリア434は、通常遊技・遠隔遊技の区別表示のほか、遊技場側からのメッセージ等の表示欄である。残高表示欄435は、入金額のうちの残金である入金残高の表示欄である。所有遊技価値表示欄436は、遊技者が所有する持玉数及び貯玉数の表示欄である。
【0075】
対応する通常遊技機2Aが非稼動状態のときに表示される
図13の初期画面では、会員カード461の受付に応じて遊技を開始できる旨のメッセージが、メッセージ表示エリア434に表示される。通常遊技機2Aにて遊技を開始しようとする遊技者は、まず、認証ユニット4のカード挿入口46に会員カード461を挿入する必要がある。認証ユニット4が会員カード461を受け付けると、表示部43による表示画面が
図14の通常遊技の会員情報画面に切り替わる。
【0076】
図14の会員情報画面の画面構成は、
図13の初期画面と同様である。会員情報画面のメッセージ表示エリア434には、会員に対する挨拶のメッセージが表示されるほか、貯玉を所有する会員であれば、貯玉による再プレイが可能である旨のメッセージが表示される。また、残高表示欄435には、遊技者の入金残高が表示され、所有遊技価値表示欄436には、遊技者が所有する貯玉数等が表示される。
【0077】
遊技を開始するに当たって、遊技者は、再プレイボタン442の操作により貯玉等を読み出すか、あるいは紙幣を投入して入金する必要がある。
図14のごとく所有遊技価値表示欄436に貯玉数あるいは持玉数が表示された状態であれば、貸出ボタン441の操作に応じて貯玉等を遊技玉に変換できる(付与処理)。貯玉等を所有していない遊技者の場合、紙幣の投入によって入金残高が生じた状態で貸出ボタン441を操作すれば、入金残高の一部または全部を遊技玉に変換できる(付与処理)。
【0078】
このように認証ユニット4は、貯玉、持玉及び入金額のいずれかを遊技玉に変換し、対応する遊技機2へ送信する。遊技機2では、認証ユニット4から受信した遊技玉数が情報表示部250(
図2)に表示される。ゼロ玉を超える遊技玉数が情報表示部250に表示された状態であれば、操作ハンドル235の操作に応じて遊技玉を発射して遊技を開始できる。その後、遊技を終了する際には、計数ボタン261の操作に応じて遊技玉数が全て持玉へ変換されると共に、会員カード461が排出され遊技者に返却される。
【0079】
次に、遠隔遊技、すなわち携帯端末5などの遊技者端末によるオンライン遠隔遊技の手順について説明する。遠隔遊技機2Bに対応する認証ユニット4では、通常遊技機2Aに対応する認証ユニット4の初期画面(
図13)に代えて、
図15の初期画面が表示される。この初期画面は、通常遊技機2Aに対応する初期画面(
図13)と同様、上から順番に、種別表示欄433、メッセージ表示エリア434、残高表示欄435、所有遊技価値表示欄436、が配置された画面である。
図15の初期画面では、メッセージ表示エリア434において、対応する遊技機2が遠隔遊技機2Bであって、直接遊技はできない旨が告知される。
【0080】
遠隔遊技を行う遊技者は、オンライン遠隔遊技サービスを利用するための専用アプリをダウンロードした後、アカウントを登録しておく必要がある。アカウント登録は、専用アプリのダウンロード後、アプリ起動に応じて表示画面50に表示されるアカウント登録画面(
図16)上で実施できる。
【0081】
図16のアカウント登録画面上にて、氏名、ログインID、メールアドレスを入力すると共に、パスワードを設定して登録ボタン51をタッチ操作すれば、アカウントを登録できる。このような手順によりアカウントを登録することで、オンライン遠隔遊技サービスの利用が可能になる。
【0082】
アカウントの登録後に専用アプリを起動すると、オンライン遠隔遊技サービスへのログイン画面(図示略)を、携帯端末5の表示画面50に表示できる。このログイン画面上でログインIDとパスワードを入力すれば、ログインが完了してログイン状態に移行できる。ログイン状態に移行すると、携帯端末5による表示が、
図17の遊技場選択画面その1に切り替わる。
【0083】
図17の遊技場選択画面その1は、遊技を希望するエリア(県、市町村区)を指定するための選択画面である。この遊技場選択画面その1上にて、遊技を希望するエリアを指定すると、携帯端末5による表示が、
図18の遊技場選択画面その2に切り替わる。
図18の遊技場選択画面その2は、指定したエリアに所在する遊技場名、及び遠隔遊技可能な遊技機2の台数、を一覧表示する画面である。遠隔遊技を希望する遊技者は、遊技場選択画面その2に一覧表示された遊技場のうちのいずれかの表示枠をタッチ操作することで、遠隔遊技を行いたい遊技場を選択できる。
【0084】
図18の遊技場選択画面その2にて、いずれかの遊技場を選択すると、遊技場別の遊技場ログイン画面(
図19)を携帯端末5に切替表示できる。遊技場ログイン画面は、会員IDの入力欄と、パスワードの入力欄と、が配置された画面である。会員IDと共に、会員登録の際に設定したパスワードを正しく入力した上で、ログインボタン52をタッチ操作すれば、その遊技場にログインできる。
【0085】
遊技場にログインすると、
図20の遊技場ログイン完了画面が、携帯端末5の表示画面50に切替表示される。この遊技場ログイン完了画面では、ログインした遊技者が所有する遊技価値である貯玉数が表示される。同画面中の機種選択ボタン53をタッチ操作すると、
図21の機種選択画面を切替表示できる。
【0086】
図21の機種選択画面は、遠隔遊技する遊技機2の機種を選択するための画面である。この機種選択画面では、ログインした遊技場の遠隔遊技エリアに設置された遊技機2(遠隔遊技機2B)の機種が一覧表示される。機種選択画面に一覧表示された機種表示欄のうちのいずれかをタッチ操作することで、遠隔遊技を希望する機種を選択できる。なお、
図21では、上下方向のスクロール操作により、表示エリアから外れている他の機種を表示できる。
【0087】
例えば機種選択画面において機種CCCが選択された場合、
図22の遊技機台番選択画面が、携帯端末5の表示画面50に切替表示される。遊技機台番選択画面は、選択された機種の遠隔遊技機2Bの台番を一覧表示する画面である。この遊技機台番選択画面では、遠隔遊技中であったり予約枠に空きがない遠隔遊技機2Bの台番に重なるように進入禁止の交通標識のようなマークが表示され、これにより、選択不可能である旨が示される。遊技者は、選択可能な台番の中から、実際に遠隔遊技する遠隔遊技機2Bを選択できる。いずれかの遠隔遊技機2Bを予約すると、図示しない予約画面が表示される。この予約画面では、次以降の遊技を予約できる。
【0088】
遠隔遊技が開始されると、認証ユニット4の表示部43による表示画面が、
図23に例示する会員情報画面に切り替わる。
図23の会員情報画面は、対応する遠隔遊技機2Bが稼動状態のときに表示される画面であり、メッセージ表示エリア434には、遠隔遊技機2Bに対応する旨の種別の表示、遠隔遊技中である旨のメッセージが表示される。所有遊技価値表示欄436には、遠隔遊技に係る遊技者が所有する貯玉数等が表示される。一方、残高表示欄435には、遠隔遊技では入金による遊技が不可能であることから、ゼロが表示される。
【0089】
遠隔遊技中では、遊技者端末である携帯端末5の表示画面50に、
図24の特定遊技機画面が表示される。この特定遊技機画面は、遠隔遊技の対象遊技機(遠隔遊技機2B)の遊技盤面230(
図2参照。)の撮像映像である盤面映像54の表示を含む画面である。盤面映像54の下方には、発射可能な遊技玉数及び遊技時間の表示欄541、及びイラストの操作ハンドル540が横並びで配置され、さらにその下方には、各種操作ボタンが配置された操作エリア542が配置されている。
【0090】
図24の特定遊技機画面では、操作ハンドル540の周囲を指先でくるくるとなぞることで、操作ハンドル540の操作量を変更でき、遊技玉の発射強度を変更できる。例えば、操作ハンドル540の周囲を、時計回りになぞることで操作量を大きくでき、半時計回りになぞることで操作量を小さくできる。
【0091】
操作エリア542には、以下の操作ボタンが配置されている。
(1)再プレイボタン:貯玉を125玉ずつ遊技玉へ変換するための操作ボタン。
(2)映像切替ボタン:カメラ映像(カメラ部162による撮像映像)を切り替えるための操作ボタン。
(3)呼出ボタン:従業員を呼び出すための操作ボタン。
(4)メッセージボタン:従業員へのメッセージを入力するための操作ボタン。
(5)配信設定ボタン:ライブ配信の諾否を設定するための操作ボタン。なお、ライブ配信を許可した場合には他人にも同じ映像が配信される。
(6)終了ボタン:遊技を終了するための操作ボタン。
【0092】
遠隔遊技機2Bを選択した遊技者は、専用アプリ上の特定遊技機画面(
図24)上にて、所有する遊技価値である貯玉を読み出し、その一部または全部を遊技玉に変換して遊技機2へ送信できる。遠隔遊技機2Bでは、受信した遊技玉(遊技玉数)を消費しながら遊技媒体である遊技玉を発射して遊技を実行できる。また、遊技終了時には、専用アプリ上にて終了ボタン(
図24参照。)を操作することで、遊技場の従業員へ遊技終了の旨を報知できる。遊技終了の旨は、例えば、表示部43に表示される。本例の遊技場用システム1では、遊技終了の旨の報知を受けた従業員が、遠隔遊技機2Bの遊技終了操作を代行するという運用が採用されている。
【0093】
以上のような構成の遊技場用システム1は、来場した遊技者が直接操作することにより遊技可能な遊技機(通常遊技機2A)が設置される通常遊技エリアと、オンライン映像を見ながら遠隔操作することにより遊技可能な遊技機(遠隔遊技機2B)が設置される遠隔遊技エリアと、が設けられる遊技場向けのシステムである。
【0094】
この遊技場用システム1は、遠隔遊技機2Bの各々に付設され、遊技者による遠隔操作に応じて各種の遊技動作を実行可能な遊技ロボット10と、遊技ロボット10に各種の遊技動作を実行させるための各種の遠隔操作を行うことが可能な携帯端末5などの遊技者端末と、を含めて構成されている。この遊技場用システム1における各遊技場の場内管理装置200は、各遊技機2に対し、通常遊技エリアに設置される通常遊技機2Aおよび遠隔遊技エリアに設置される遠隔遊技機2Bのうち何れか一方の種別を設定する種別設定手段としての機能と、各遊技機2の稼動状況を示す各種の稼動データを通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとに区別して集計する集計手段としての機能と、通常遊技機2Aの稼動データと遠隔遊技機2Bの稼動データとを出力する出力手段としての機能と、を備えている。
【0095】
本例の遊技場用システム1では、通常遊技機2Aの稼動データと遠隔遊技機2Bの稼動データとが区別して集計・出力される。それ故、場内に通常遊技エリアと遠隔遊技エリアとが設けられる遊技場において、各遊技エリアの稼動状況を客観的に把握でき、各遊技エリアの設置割合が適切か否か、という営業判断が可能になっている。本例の遊技場用システム1が導入された遊技場では、例えば遠隔遊技エリアの稼動状況が良好な場合には、通常遊技エリアを縮小するとともに遠隔遊技エリアを拡大するといった設置割合の調整を行うことが可能である。
【0096】
このように、本例の遊技場用システム1は、場内を通常遊技エリアと遠隔遊技エリアとに区画した状態で適切な営業を行うことができるという優れたシステムである。
【0097】
遊技場用システム1において通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとで区別して集計・出力される稼動データには、少なくとも、各遊技機2において遊技に使用された遊技価値の大きさを表す稼動データが含まれる。遊技に使用された遊技価値の大きさを含む稼動データを、通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとで区別して集計等すれば、通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとの間で、売上等の営業的な指標の比較が容易になる。
【0098】
遊技場用システム1は、全ての遊技機2各々に付設され、遊技機2での遊技に使用する遊技価値である遊技玉を遊技者へ付与するための付与処理を実行可能な認証ユニット4を含めて構成されている。遊技場用システム1における場内管理装置200は、通常遊技エリア及び遠隔遊技エリアのうち何れか一方のエリアであることを示す種別を認証ユニット4の各々に対して設定する種別設定手段としての機能を備えている。
【0099】
遊技場用システム1において、通常遊技エリアに対応する種別が設定されている認証ユニット4は、貨幣の受付、あるいは貨幣価値を記憶した記憶媒体の一例である会員カード461(遊技カード460)の受付、に基づいて遊技玉を付与する(貸し出す)付与処理を実行する。一方、遠隔遊技エリアに対応する種別が設定されている認証ユニット4は、貨幣及び記憶媒体の一例である遊技カード460の受付を禁止すると共に、遊技価値記憶手段としての場内管理装置200から遊技者が所有する貯玉等を読み出すことに基づき、遊技玉を付与する付与処理を実行する。
【0100】
本例の遊技場用システム1では、通常遊技エリア及び遠隔遊技エリアのうちのいずれかに対応する種別を認証ユニット4に設定することで、同一仕様の認証ユニット4を通常遊技及び遠隔遊技の双方に対応させることが可能である。遊技場用システム1では、場内の各認証ユニット4について、それぞれ、通常遊技エリアに対応させるか遠隔遊技エリアに対応させるかを選択的に設定できるため、場内の通常遊技エリア及び遠隔遊技エリアの設定変更や、通常遊技機2Aと遠隔遊技機2Bとの設置割合の変更、等を容易に実施できる。
【0101】
認証ユニット4は、通常遊技エリア及び遠隔遊技エリアのうち、設定された種別を表示すると共に、遠隔遊技エリアに対応する種別が設定されている場合には、貨幣及び遊技カード460(記憶媒体の一例)の受付が禁止されている旨を表示する。このように認証ユニット4が種別を表示する場合には、遊技のために来場した遊技者が、遊技可能な遊技機2と遊技できない遊技機2とを直ちに識別できるようになる。遊技可能な遊技機と遊技できない遊技機との識別が容易であれば、通常遊技エリアと遠隔遊技エリアとを場内に設定する場合であっても、遊技者が混乱するおそれを未然に抑制できる。通常遊技エリア及び遠隔遊技エリアの配分等が可変という営業形態の遊技場であれば、認証ユニット4による種別表示が特に効果的である。さらに、遠隔遊技エリアに対応する種別が設定された認証ユニット4が、貨幣及び遊技カード460(記憶媒体の一例)の受付が禁止されている旨を表示すれば、遊技者の勘違いを一層確実性高く回避できる。
【0102】
遊技場用システム1は、遊技者が所持し、遠隔遊技を行うための各種遠隔操作を行うことが可能な遊技者端末の一例である携帯端末5を含めて構成されている。認証ユニット4は、携帯端末5からの遠隔操作に基づいて遊技者が所有する遊技価値の一例である貯玉を読み出すことが可能である。遊技場側で管理されている貯玉を利用すれば、新たに貨幣価値のやり取りを行うことなく、遠隔遊技を開始できる。例えば、携帯端末5等の遊技者端末によって貨幣価値のチャージ等を行う必要がなくなるので、比較的簡単に遠隔遊技サービスを導入できる。
【0103】
遠隔遊技エリアにおいては、遊技機2各々に対し、遊技者の遠隔操作に応じて各種の遊技動作を実行する遊技ロボット10が設置されている。遊技ロボット10は、遊技機2の操作部の一例をなす操作ハンドル235に対して直接作用する遊技操作手段の一例をなすロボットアーム15と、遊技機2及びその周辺を撮像する撮像手段の一例をなすカメラ部162と、遠隔遊技を行っている遊技者の会員ID(識別情報の一例)を遊技場の従業員に対して表示可能な表示部168(表示手段の一例)と、カメラ部162による撮像映像を含む各種の遊技情報を携帯端末5(遊技者端末)との間で送受信する送受信部12(送受信手段の一例)と、を備えている。
【0104】
本例の遊技場用システム1が導入された遊技場では、遠隔遊技エリアに対応するために遊技機2(遠隔遊技機2B)に改造等を施す必要がない。遊技場用システム1では、遊技ロボット10を設置することにより遠隔遊技による営業が可能となる。それ故、この遊技場用システム1では、通常遊技機と遠隔遊技機とを比較的容易に変更することが可能であり、各遊技エリアの設置割合の変更等、適宜の調整が容易である。
【0105】
遊技ロボット10が備える表示部168は、カメラ部162により撮像された映像を表示可能である。遊技者端末の一例である携帯端末5へ送信している映像と同じ映像を遊技ロボット10が表示するように構成した場合、従業員が遊技者と同じ映像を確認しながら各種の対応を実施できるようになる。
【0106】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
オンライン遠隔遊技サービスによる遠隔遊技は、貯玉による再プレイのみ可能としたが、クレジットやデビット決済により認証ユニット4へ入金し、その入金額(入金残高)の範囲内で遊技価値である遊技玉数を付与して遊技可能としても良い。
【0107】
本例では、遊技ロボット10からのリモコン信号により認証ユニット4及び遊技情報表示装置3の操作が可能な構成を例示しているが、遊技ロボット10のアーム部151及びハンド部152を駆動して直接操作させることも良い。あるいは、場内管理装置200及び中継装置8を経由して認証ユニット4及び遊技情報表示装置3へ直接、操作信号が入力される構成を採用することもできる。
【0108】
遊技ロボット10は、場内の通路に面して遊技機2が配列される遊技機島の台座をなす棚板80に固定可能である。遊技機島の台座をなす棚板80は、各遊技機2が設置される棚板であって、椅子側にカウンタ状に突き出している。棚板80を利用すれば、遠隔遊技機2Bに対して遊技ロボット10を比較的容易に設置できる。なお、遊技機島の台座をなす棚板80に代えて、遊技者が着座する椅子に設置したり床面に設置したりすることで、遊技ロボット10を固定することも良い。
【0109】
本例では、遊技機2の操作ボタンを遊技ロボット10が操作することが難しい場合を想定し、遊技場の従業員が遊技終了操作を行う例を説明している。遊技機2のボタン操作を含む遊技終了操作を実行可能な遊技ロボットを採用することも良く、この場合には、遊技終了操作についても遊技者自身がオンラインで実施できる。
【0110】
通常遊技エリアに対応する種別が設定された認証ユニット4では、会員カード461の挿入時のみ遊技可能としたが、会員カード461の挿入が無くても遊技可能にしてもよい。この場合、会員カード461の代わりとして、不特定多数の遊技者が使用可能な一般カード(図示略)を利用し、その一般カードの識別情報と対応付けて入金残高や持玉数を場内管理装置200側で記憶すると良い。
【0111】
本例の認証ユニット4では、紙幣による入金が可能である。入金の方式はこれに限定されない。例えば、電子マネー、暗号資産、クレジット決済、デビット決済などにより入金可能としてもよい。
【0112】
本例では、いわゆる封入式のパチンコ遊技機を遊技機として例示している。遊技機は封入式のパチンコ遊技機には限定されない。入賞に応じて実際に玉を払い出す方式のパチンコ遊技機であってもよい。この場合、認証ユニットに玉の計数機能を付加すると良い。また、パチスロ遊技機であってもよく、その場合も同様に入賞に応じてメダルを払い出さない方式、メダルを払い出す方式の何れであってもよい。本例の遊技場用システム1は、会員登録された遊技者のみが遊技可能なシステムとなっている。会員未登録の遊技者についても、現金により入金して遊技を行えるようなシステムであって良い。この場合、各遊技機に現金による入金手段を設けると良い。
【0113】
本例では、携帯端末5などの遊技者端末に専用アプリをダウンロードし、そのアプリを実行することによりオンラインによる遠隔遊技を実行可能な構成を説明している。専用アプリのダウンロードは必須ではない。例えば、管理サーバ側でオンライン遠隔遊技サービスを提供するためのウェブサイトを開設し、アプリケーションサービスプロバイダーが提供するブラウザ上で上記のウェブサイトにアクセスしてオンライン遠隔遊技サービスを利用可能とすれば、専用アプリのダウンロードが必須ではなくなる。
【0114】
システム側で集計等する稼動データの種類は本例に限定されるものではない。例えば、大当たり発生確率、差玉数など様々な種類の稼動データを算出することが可能である。
本例の構成では、遊技ロボット10を場内ネットワーク800に有線LAN接続している。これに代えて、無線LANを利用して遊技ロボット10を場内ネットワーク800に接続することも良い。
【0115】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0116】
1 遊技場用システム
10 遊技ロボット(遠隔操作端末)
12 送受信部(送受信手段)
15 ロボットアーム(遊技操作手段)
162 カメラ部(撮像手段)
168 表示部(表示手段)
2 遊技機(抽選手段、大当たり状態発生手段、演出抽選手段)
2A 通常遊技機
2B 遠隔遊技機
200 場内管理装置(稼動データ取得手段、集計手段、稼動データ記憶手段、データ送信手段、遊技価値記憶手段、種別設定手段、出力手段)
235 操作ハンドル(操作部)
3 遊技情報表示装置
400 管理サーバ(配信手段、会員情報記憶手段、オンライン遠隔遊技サービス提供手段、送受信手段)
5 携帯端末(遊技者端末、遊技台選択画面表示手段、遠隔操作画面表示手段、貯玉読出手段、報知手段)
700 場内システム
8 中継装置
80 棚板(台座)
800 場内ネットワーク