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特許7558145在庫割り当ておよび価格決め最適化システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】在庫割り当ておよび価格決め最適化システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021503856
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2020033363
(87)【国際公開番号】W WO2020242798
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】16/426,360
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ス-ミン
(72)【発明者】
【氏名】バフティンスキー,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】パンチャンガム,キラン・ブイ
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-531923(JP,A)
【文献】特表2018-533807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0283882(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0122176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売品目の在庫割り当てを最適化するコンピュータによって実行される方法であって、前記小売品目は、複数の倉庫から複数の価格ゾーンへ提供され、前記複数の倉庫の各々は、前記複数の価格ゾーンのうち少なくとも2つへ複数のリンクを介して前記小売品目の在庫を割り当てるように適合されており、
前記方法は、
(a)前記複数の倉庫の各々に対して、倉庫から価格ゾーンへの各リンクに対して初期の在庫割り当てを生成して倉庫から価格ゾーンへの複数の割り当てを生成することを含み、前記初期の在庫割り当ては、現在の最適化された在庫割り当てとして割り振られており、
前記方法は、さらに、
(b)倉庫から価格ゾーンへの前記複数の割り当ての各々について、割り振られた在庫の関数としての限界利益を決定することと、
(c)倉庫から価格ゾーンへの各割り当てに対応する2部グラフを構築することとを含み、各2部グラフは、前記限界利益に等しいリンク重みを有し、
前記方法は、さらに、
(d)任意の2つの価格ゾーンの間に正の重みの経路があるか否かを決定することと、
(e)前記正の重みの経路があるとき、前記現在の最適化された在庫割り当てを再割り当てすること、および、前記再割り当てされた現在の最適化された在庫割り当てを用いて(b)~(e)を繰り返すことと、
(f)正の重みの経路が無いとき、前記複数の倉庫から前記複数の価格ゾーンへの最終的な在庫割り当てとしての、前記現在の最適化された在庫割り当てを用いることとを含む、方法。
【請求項2】
(g)前記正の重みの経路があり、かつ、反復の数が到達されたとき、前記複数の倉庫から前記複数の価格ゾーンへの前記最終的な在庫割り当てとしての、前記現在の最適化された在庫割り当てを用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割り振られた在庫の関数としての限界利益を決定することは、ラグランジュ緩和法を用いることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
【数1】

請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記割り振られた在庫の関数としての限界利益を決定することは、値下げ最適化問題を解くことを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記任意の2つの価格ゾーンの間に正の重みの経路があるか否かを決定することは、フロイド-ワーシャル(Floyd-Warshall)の最短経路アルゴリズムを用いることを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
【数2】

請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
【数3】

請求項2に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるための、コンピュータプログラム。
【請求項10】
小売品目の在庫割り当てを最適化するためのシステムであって、前記小売品目は、複数の倉庫から複数の価格ゾーンへ提供され、前記複数の倉庫の各々は、前記複数の価格ゾーンのうち少なくとも2つへ複数のリンクを介して前記小売品目の在庫を割り当てるように適合されており、前記システムは、プロセッサと、指令を格納しているストレージ装置とを備え、前記指令は、前記プロセッサにより実行されると、
(a)前記複数の倉庫の各々に対して、倉庫から価格ゾーンへの各リンクについて初期の在庫割り当てを生成して倉庫から価格ゾーンへの複数の割り当てを生成することを決定し、前記初期の在庫割り当ては、現在の最適化された在庫割り当てとして割り振られており、
前記指令は、前記プロセッサにより実行されると、さらに、
(b)倉庫から価格ゾーンへの前記複数の割り当ての各々について、割り振られた在庫の関数としての限界利益を決定することと、
(c)倉庫から価格ゾーンへの各割り当てに対応する2部グラフを構築することとを決定し、各2部グラフは、前記限界利益に等しいリンク重みを有し、
前記指令は、前記プロセッサにより実行されると、さらに、
(d)任意の2つの価格ゾーンの間に正の重みの経路があるか否かを決定することと、
(e)前記正の重みの経路があるとき、前記現在の最適化された在庫割り当てを再割り当てすること、および、前記再割り当てされた現在の最適化された在庫割り当てを用いて(b)~(e)を繰り返すことと、
(f)正の重みの経路が無いとき、前記複数の倉庫から前記複数の価格ゾーンへの最終的な在庫割り当てとしての、前記現在の最適化された在庫割り当てを用いることとを決定する、システム。
【請求項11】
(g)前記正の重みの経路があり、かつ、反復の数が到達されたとき、前記複数の倉庫から前記複数の価格ゾーンへの前記最終的な在庫割り当てとしての、前記現在の最適化された在庫割り当てを用いることをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
【数4】

請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記決定された最終的な在庫割り当てに基づいて、追加的な在庫が第1の倉庫から第1の価格ゾーンへとトラックにより輸送されるようにする、請求項10~12のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
一実施形態は、コンピュータシステムへ一般的に向けられ、特定的には、最適化された、製品の価格決めおよび在庫割り当てを決定するためのコンピュータシステムへ向けられる。
【背景技術】
【0002】
背景情報
製品の小売り業者または任意の販売者に対して、販売サイクルの間のいくつかの時点で、事によると宣伝を通じて、いつ製品の価格を値下げするかと、どのくらいの値下げをするのかとに関して決定がなされる必要がありそうである。価格の値下げは、品目のライフサイクルの価格決めの本質的な部分であり得る。典型的な小売り業者は、品目の20%から50%の間を値下げ(すなわち、無期限に値引き)させ、値下げされた価格における収益の約30%-40%を生み出す。
【0003】
最適化された価格値下げの決定は、在庫の制約と、時間期間、価格および在庫効果への需要依存とを考慮することにより収益を最大化する。最適化された値下げは、定価販売期間の間のみならず値崩れ販売の間でも、要望されるレベルへ在庫を至らせ、全体の製品ライフサイクルにわたってトータルの粗利益のドルを最大化する。しかしながら、価格最適化システムは、典型的に、多くの潜在的な場所の間での在庫の割り当てと、その価格決めへの影響とを考慮しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
実施形態は、複数の倉庫(warehouse)から複数の価格ゾーン(price zone)へ提供された小売り品目の在庫割り当てを最適化し、当該複数の倉庫の各々は、当該複数の価格ゾーンのうちの少なくとも2つへ、複数のリンクを介して小売り品目の在庫を割り当てるように適合されている。実施形態は、倉庫から価格ゾーンへの各リンクに対する初期の在庫割り当てを生成して倉庫から価格ゾーンへの複数の割り当てを生成する。倉庫から価格ゾーンへの複数の割り当ての各々について、実施形態は、割り当てられた在庫の関数としての限界利益を決定する。実施形態は、倉庫から価格ゾーンへの各割り当てに対応する2部グラフを構築し、各2部グラフは、限界利益に等しいリンク重みを有する。実施形態は、任意の2つの価格ゾーンの間に正の重みの経路があると、そのとき、初期の在庫割り当てを再割り当てして機能を繰り返すことを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】実施形態に従う、多数の倉庫を有する例示的な小売りチェーンのブロックダイアグラムである。
図2】本発明の実施形態に従うコンピュータサーバ/システムのブロックダイアグラムである。
図3】一実施形態に従う、図2の在庫および価格最適化モジュールの機能のフローダイアグラムである。
図4】実施形態に従う、図3の機能を用いる、図1の小売りチェーンを例示する図である。
図5】本発明の実施形態に従う、割り当てられた在庫の関数としての最適利益に対する凹関数の2つの例を示す、割り当てられた在庫の関数としての最適な収益グラフである。
図6】本発明の実施形態の一部を形成するトラック輸送の追加を含む、図1の小売りチェーンのブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
一実施形態は、各々が多数の在庫の倉庫により供される多数の場所を有する小売りチェーンに対する、利益または収益を最適化するための最適化システムである。実施形態は、倉庫の間の在庫割り当てと、製品の価格決めとの両方を最適化する。
【0007】
実施形態は、多数の倉庫から供給される多数の場所を運営する小売りチェーンに対する、利益または収益を最大化するシステムまたは方法へ向けられる。小売りチェーンは、電子商取引の実施形態を含み得る。各倉庫は、多数の場所へ接続されることができ、各場所は、多数の倉庫から供給され得る。
【0008】
図1は、実施形態に従う、多数の倉庫を有する例示的な小売りチェーン50のブロックダイアグラムである。示されるように、多数の小売り場所54~56は、物理的な小売り店の形式に従うか、または同じ価格決めを用いる多数の地理的に共通な物理的な小売り店の集まり(もしくは単一の店)を含み得る小売り価格ゾーンかである。例えば、価格ゾーンは、ワシントンDC地域における全ての小売り店、または半径25マイル内の全ての小売り店などの地理的な場所に基づき得る。各価格ゾーンは、1つまたは複数の倉庫52,53により供される。単一の倉庫が多数の価格ゾーンへ在庫を提供するとき、在庫は、実施形態における種々の価格ゾーンの間で割り当てられるだろう。例えば、倉庫52に対して、その在庫の60%は、価格ゾーン54に割り当てられ、その在庫の40%は、価格ゾーン55に割り当てられる。同様に、倉庫53に対して、その在庫の70%は、価格ゾーン55に割り当てられ、その在庫の30%は、価格ゾーン56に割り当てられる。本開示の目的のために、倉庫から価格ゾーンへの組み合わせの各々は、リンクと呼ばれ得る。
【0009】
価格ゾーンへ在庫を割り当てることは、その価格ゾーンにおいてのみ在庫が販売されるであろうことを意味する。さらに、多数の倉庫から各価格ゾーンが一般的に供給されるとき、在庫は、多数の倉庫から所与の価格ゾーンへ割り当てられ得る。このモデルにおいて説明される割り当てが、必ずしも物理的な運送を意味しないことが注意されるべきである。多くの状況において、在庫は、価格ゾーン特有の価格最適化への入力を提供するための目的を計画することに対して仮想的に割り当てられ、価格最適化は、その店における価格ゾーンへ割り当てられた全体の在庫を販売することから引き出される利益を最大化するための目標を伴って遂行される。しかしながら、以下に開示されるように、在庫割り当てを変更することは、そのとき、変更以前の、異なる店または価格ゾーンへの(例えば、トラック輸送を介した)在庫の輸送という結果に至り得る。
【0010】
価格値下げおよび宣伝システムを決定する最も知られた小売り価格最適化システムを用いると、各小売り場所は、販売シーズンの始めにおいて固定された在庫を有すると想定される。対照的に、実施形態は、在庫が、ほとんど倉庫52,53に位置し、それらの性能を最大化するために個々の小売り場所54~56へさらに割り当てられ得ることを想定する。それゆえ、実施形態は、決定変数の2つのセット、すなわち、(1)倉庫から場所への在庫の運送と、(2)利用可能な在庫に応じた個々の場所の各々における価格決め方針とを同時に最適化する。価格が、どれくらい早く店における在庫が売り切れるかを決定し、それゆえ、どのくらいの量の在庫が個々の店または価格ゾーンへ割り当てられるべきかを決定するので、両方を同時に最適化することは、知られたシステムに対する利点を提供する。
【0011】
実施形態は、電子商取引の環境へ適用可能である。典型的な電子商取引の小売り業者は、一般的に地理的に散らばっている、多数の倉庫または「フルフィルメントセンター(FC:fulfillment centers)」からの注文を履行するので、注文品を顧客へ運送することの費用は、FCに応じて相当に異なり得る。同時に、品目がその寿命の終わりに近づくと、その在庫レベルは、複数のFCの間で頻繁に大いに異なる。そのため、トータルの利益を最大化することは、各顧客の価格弾力性とサービスの費用とに基づいて品目を価格決めすることと、複数のFCの間で負荷のバランスを保つために複数のFCを顧客へ割り振ることとの両方を伴う。
【0012】
しかしながら、電子商取引の販売は、オムニチャネルの在庫を扱うことを頻繁に含む。オムニチャネル戦略は、小売り業者の多数の販売チャネルの調整を通じて、シームレスな買い物体験を作成し得る。例えば顧客は、彼女が、より安い価格において製品がオンラインで提供されていることを自分の携帯電話を通じて見い出した後に実在の(brick-and-mortar)の店にいる間に、オンラインストアから製品を購入し得る。さらに、オンラインで製品を購入した顧客は、「オンラインで購入し、実店舗で受け取る」オプションを選択し、小包が家の住所へ運送されることを待つよりもむしろ早く、製品を受け取り得る。さらに、電子商取引のフルフィルメントセンターが在庫切れであるから、電子商取引の顧客が受け取る小包は、近くの小売り店から充足されたかもしれない。
【0013】
小売り店のみの環境と同様に、オムニチャネルの環境は、価格最適化に対して多くの課題を残す。知られた小売りの価格決めシステムは、複数のチャネルの間で在庫の共有および調整が無いという前提の下でチャネル価格を最適化する。この前提は、オンラインで出された顧客の注文を履行するために店の在庫が追加的に用いられ得るオムニチャネル環境において有効でない。別の課題は、オンラインストアと実在の店との間での潜在的な需要の代替に起因し、当該代替は、2つのチャネル上で提供される価格により影響を受ける。チャネルの代替は、同じチャネルにおける需要に価格が影響を及ぼすのみであることを前提とする多くの知られた価格最適化システムにおいて無視されるので、これらのシステムは、任意のチャネル相互依存性を説明しない。
【0014】
実施形態は、決定変数の2つのセット、すなわち、(1)最大の利益/収益において商品在庫を販売するための、場所特有の価格決め(換言すれば、値下げ最適化問題)と、(2)潜在的に異なる費用において多数の供給センターから割り当てられた在庫の量とを用いて小売りの利益最大化問題を解決する。多数のフルフィルメントセンターが、異なる費用で異種の顧客需要を満たすために用いられる、電子商取引のオンライン販売を含む異なる設定において、この問題が現れる。電子商取引を用いて、実施形態は、実在の場所がオンライン購入を充足できるとき、価格弁別とオムニチャネルの小売り事業とを提供できる。後者については、実在の店からオンラインチャネルへの在庫割り当ては、主として仮想的であり、その場所での価格とオンライン注文の充足の決定とを最適化するためにほとんど用いられる。仮想的な割り当ての別の例は、地域の倉庫から一群の実在の店または価格ゾーンへ割り当てられた在庫の量についての決定であろう。この場合、割り当てられた在庫は、直ちに店へ届けられないことがあるが、価格決定に対して用いられるだろう。
【0015】
多くの小売り業者は、この最適化問題を解決するために、いくつかの単純な経験則を用い得る。例えば、彼らは、彼らが前年にしたように、すなわち、前年に店が在庫切れになったことが明らかになった場合に、いくつかの在庫をその店に加えるように、在庫を単に割り当てる。彼らは、同時に価格および在庫を最適化することを一般的に回避し、在庫の割り当てが一度決定されると、むしろ価格を最適化する。この分野における知られた解は、種々の値下げ最適化の解か、または、価格決め方針への留意をほとんど伴わない純粋なサプライチェーン管理かに焦点を当ててきた。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に従うコンピュータサーバ/システム10のブロックダイアグラムである。単一のシステムとして示されているが、システム10の機能は、分散システムとして実現され得る。さらに、本明細書で説明される機能は、ネットワーク上で結合され得る、別個のサーバまたは装置上で実現され得る。さらに、システム10の1つまたは複数の構成要素は、含まれていなくてもよい。システム10は、図1のエンティティの全てに対する機能を主として提供できるか、または、多数のシステム10は、エンティティのうちの1つまたは複数において位置することができ、そして、情報および計算は、総合的な価格決めおよび在庫割り当てのソリューションを提供するために統合される。
【0017】
システム10は、バス12、または情報を通信するための他の通信メカニズムと、情報を処理するためのバス12へ結合されるプロセッサ22とを含む。プロセッサ22は、任意のタイプの、一般的または特定目的用のプロセッサであり得る。システム10は、情報と、プロセッサ22により実行される指令とを格納するためのメモリ14をさらに含む。メモリ14は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」:random access memory)か、読み出し専用メモリ(「ROM」:read only memory)か、磁気もしくは光学ディスクなどの静的なストレージ装置か、任意の他のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体かの任意の組み合わせで構成され得る。システム10は、ネットワークへのアクセスを提供するための、ネットワークインターフェイスカードなどの通信装置20をさらに含む。そのため、ユーザーは、直接的に、またはネットワークを介してリモートで、または任意の他の方法で、システム10と対話し得る。
【0018】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、プロセッサ22によりアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得、揮発性および不揮発性の媒体の両方と、着脱可能および着脱不可能な媒体と、通信媒体とを含む。通信媒体は、コンピュータ読み取り可能な指令か、データ構造か、プログラムモジュールか、または、搬送波もしくは他の伝送メカニズムなどの変調されたデータ信号における他のデータかを含むことができ、任意の情報配信媒体を含む。
【0019】
プロセッサ22は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などのディスプレイ24へ、バス12を介してさらに結合されている。キーボード26と、コンピュータマウスなどのカーソル制御装置28とは、ユーザーがシステム10と対話できるようにバス12へさらに結合されている。
【0020】
一実施形態において、メモリ14は、プロセッサ22により実行されると機能を提供するソフトウェアモジュールを格納する。当該モジュールは、システム10に対してオペレーティングシステムの機能を提供するオペレーティングシステム15を含む。当該モジュールは、小売り品目に対する、在庫割り当ておよび値下げの価格決めと、本明細書で説明される全ての他の機能とを連帯的に最適化する、在庫および価格最適化モジュール16をさらに含む。システム10は、より大きなシステムの一部であり得る。そのため、システム10は、小売り管理システム(例えば、オラクル社からの、「オラクル小売り提供最適化クラウドサービス(Oracle Retail Offer Optimization Cloud Service)」もしくは「オラクル小売り高度科学エンジン」 (「ORASE」:「Oracle Retail Advanced Science Engine」))または企業資源計画(「ERP」:enterprise resource planning)システムのような追加的な機能を含むための1つまたは複数の追加的な機能モジュール18を含み得る。データベース17は、モジュール16および18ならびに店の顧客データ、製品データ、トランザクションのデータなどに対する集中型のストレージを提供するようにバス12へ結合される。一実施形態において、データベース17は、格納されたデータを管理するための構造化クエリ言語(「SQL」:Structured Query Language)を用いることができる関係データベース管理システム(「RDBS」:relational database management system)である。一実施形態において、特殊化された、店頭での(「POS」:point of sale)端末100は、価格および在庫の最適化のために用いられる、トランザクションのデータおよび履歴の販売データ(例えば、各小売り店における各品目/SKUのトランザクションに関するデータ)を生成する。POS端末100自体は、一実施形態に従って価格決めと在庫割り当てとを最適化するための追加的な処理機能を含むことができ、それ自体によってか、または図2の他の構成要素と併せてかのいずれかで、特殊化された、在庫および価格決め最適化システムとして動作する。
【0021】
一実施形態において、多くの数の小売り店と、多くの数の品目と、多くの量の履歴のデータとがあるときに特に、データベース17は、インメモリデータベース(「IMDB」:in-memory database)として実現される。IMDBは、コンピュータデータストレージに対してメインメモリに主に依存するデータベース管理システムである。それは、ディスクストレージ機構を採用するデータベース管理システムと対比される。ディスクへのアクセスがメモリへのアクセスよりも遅く、内部の最適化アルゴリズムがより単純であって、当該アルゴリズムが実行するCPU指令の数がより少ないので、メインメモリデータベースは、ディスク最適化されたデータベースよりも速い。メモリにおけるデータにアクセスすることは、データについて問い合わせるときにシーク時間を排除し、これは、ディスクよりも、より速く、かつ、より予測可能な性能を提供する。
【0022】
一実施形態において、データベース17は、IMDBとして実現されると、分散データグリッドに基づいて実現される。分散データグリッドは、分散環境またはクラスタ環境内で、情報と計算などの関連した動作とを管理するために1つまたは複数のクラスタにおいてコンピュータサーバの集合が協働するシステムである。分散データグリッドは、複数のサーバにわたって共有される、アプリケーションオブジェクトおよびデータを管理するために用いられ得る。分散データグリッドは、低い応答時間と、高い処理量と、予測可能な拡張可能性と、連続的な利用可能性と、情報信頼性とを提供する。特定の例において、例えば、オラクル社からの「オラクルコヒーレンス(Oracle Coherence)」データグリッドのような分散データグリッドは、より高い性能を達成するためにインメモリで情報を格納し、多数のサーバにわたって同期されたその情報のコピーを保つ際に冗長性を採用するので、システムの弾力性と、サーバの故障の事象における、データの継続利用可能とを保証する。
【0023】
一実施形態において、システム10は、企業組織に対する、アプリケーションかまたは分散アプリケーションの集合かを含む、コンピューティング/データ処理システムであり、物流、製造および在庫管理機能をも実現し得る。アプリケーションおよびコンピューティングシステム10は、クラウドベースのネットワーキングシステム、サービスとしてのソフトウェア(「SaaS」:software-as-a-service)アーキテクチャ、または他のタイプのコンピューティングソリューションとともに動作するように、またはこれらとして実現されるように構成され得る。
【0024】
上述されたように、一般的に、知られた最適化システムは、典型的に、在庫が固定されていることを前提としている間の種々の値下げ価格決め最適化問題か、または、価格決めへの影響にほとんど留意しない純粋なサプライチェーン管理かにもっぱら焦点を当てる。
【0025】
対照的に、実施形態は、以下の前提の下での反復的なアプローチ用いて価格と在庫とを同時に最適化する。その前提は、(1)演繹的に与えられる、固定された販売水平線があること、および、(2)割り当てられた在庫の関数としての、各場所における最適利益の微分を計算するための計算的に扱いやすい方法があることである。ほとんどの小売り業者、特に、ファッション小売り業者は、新たな季節品目のための小売りスペースを空けるために、典型的に、一定の期限までに季節的な品目の販売フロアを一掃する必要があるので、前提(1)は、実際上、通常、制限的ではない。
【0026】
実施形態は、割り当てられた在庫の関数としての最適な値下げ利益の微分を計算することにより、以前の産業的なアプローチを改良する。割り当てられた在庫に関して最適利益関数の微分を見い出すために閉形式の解を許容する、一般的に用いられる2つの需要モデルにこのアプローチを適用することの2つの例があることが以下に開示される。実施形態は、一般的に、幅広い範囲の一般的な価格最適化事例に適用可能な、より一般的な枠組みに向けられる。微分が解析的に計算されることができない状況において、当該微分は、現在の在庫レベルの近くにおける割り当てられた在庫に対する最適な値下げ解を計算することと、割り当てられた在庫の変化に対する、最適利益の変化における差の比率としての微分を近似的に算出することとにより、数値的に取得され得る。
【0027】
一実施形態において、関数の収束は、収益低減の経験則により暗示される、各場所における最適利益が、割り当てられた在庫の凹関数であるという事実により保証されるので、実用的な適用の大部分に対して有効である。割り当てられた在庫の関数としての、最適な値下げ利益に対する凹関数の2つの例は、以下に説明される図5に示される。
【0028】
上述されたように、実施形態は、利益のための特定の公式を前提とすることに対する必要性を回避する。実施形態は、関数の最小値の方へステップを向けるための偏微分のベクトルを用いる、勾配降下の変形を実現する。勾配降下は、現在の点における、関数の勾配(または近似的な勾配)の負の方向において次第により小さくなるステップを作ることにより関数の最小値を見い出す一次の反復的な最適化アルゴリズムである。実施形態については、目標が、関数の最大値を見い出すことであるので、実施形態は、関数の勾配の方向の反対よりもむしろ、関数の勾配の方向においてステップが取られる差のみを用いる勾配降下と同等である勾配降下アプローチを用いる。追加的に、凸関数の大域的な最小値へ収束する勾配降下と同様に、勾配降下アプローチは、凹関数の大域的な最大値へ収束する。
【0029】
実施形態は、任意の初期の在庫割り当てとともに始まる。各反復(iteration)において、実施形態は、各場所または価格ゾーンにおける最適利益の微分を計算し、複数の価格ゾーンまたは場所の間で在庫を再割り当てするために補助の最小費用ネットワークフロー問題を公式化する。実施形態は、アルゴリズムの各反復において、全体の目的関数が改善されることを示す。各反復における在庫再割り当ての量を適切に選択することにより、実施形態は、最適性への収束を保証できる。いくつかの実施形態において、前に述べられたように、最適利益関数の微分は、閉形式の解析的な表現として計算され得る。他の実施形態において、当該表現は、ラグランジュ緩和法を介して値下げ価格の最適化問題を解くことの副産物として計算される。最適化された価格値下げの決定は、在庫の制約と、時間期間、価格および在庫効果への需要依存性とを考慮することにより収益を最大化する。最適化された値下げは、定価販売期間の間のみならず値崩れ販売の間でも、要望されるレベルへ在庫を至らせることができ、全体の製品ライフサイクルにわたってトータルの粗利益のドルを最大化できる。値下げ最適化問題と、当該問題に対する解との例は、一例として、米国特許公開番号2013/0073341と、米国特許公開番号2013/0211877とに開示されている。
【0030】
値下げ最適化問題の目標は、在庫の制約と、時間期間、価格および在庫効果への需要依存性とを考慮することにより収益を最大化する、単調に減少する商取引価格の列を見い出すことであり得る。
【0031】
【数1】
【0032】
【数2】
【0033】
図3は、一実施形態に従う、図2の在庫および価格最適化モジュール16の機能のフローダイアグラムである。一実施形態において、図3のフローダイアグラムの機能は、メモリかまたは他のコンピュータ読み取り可能な媒体もしくは有形な媒体かに格納されており、かつ、プロセッサにより実行されるソフトウェアにより実現される。他の実施形態において、機能は、(例えば、特定用途向け集積回路(「ASIC」:application specific integrated circuit)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」:programmable gate array)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」:field programmable gate array)などの使用を通じた)ハードウェアか、またはハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせかにより行われ得る。
【0034】
302において、多数の倉庫の各々から多数の価格ゾーンの各々への初期の「ナイーブな」または発見的な在庫割り当てが割り振られて、「現在の最適化された在庫割り当て」とみなされる。実施形態において、各倉庫における在庫がユーザーにより割り当てられることを許容するユーザーインターフェイスが提供される。アルゴリズムは、割り当てにおける初期の推測を提供するためにも用いられ得る。図4は、実施形態に従う、図3の機能を用いる、図1の小売りチェーン50を例示する。各在庫割り当ては、Sijと呼ばれ、iは、それぞれの倉庫であり、jは、それぞれの価格ゾーンまたは小売り店の場所である。図4に示されるように、初期の在庫割り当ては、倉庫52に対して、その在庫の60%が価格ゾーン54(S11)に割り当てられ、その在庫の40%が価格ゾーン55(S12)に割り当てられ、倉庫53に対して、その在庫の70%が価格ゾーン55(S22)に割り当てられ、その在庫の30%が価格ゾーン56(S23)に割り当てられることである。
【0035】
【数3】
【0036】
306において、倉庫から価格ゾーンへのリンク重みが限界利益κijに等しく、かつ、価格ゾーンから倉庫へのリンク重みが限界利益の負数(すなわち、-κij)に等しい状態で、2部グラフは、倉庫から価格ゾーンへの間で構築される。この段階において、再割り当てされ得る在庫のみが考慮され得る。再割り当てされることができない在庫の例は、既に運送された在庫か、または(例えば、展示目的のために)店に存在している必要がある最小の在庫を構成する品目かである。再割り当て可能な在庫が無い価格ゾーンからのリンクは除去される。
【0037】
結果として生ずる2部グラフの例は、図3に示される。ここで、倉庫から価格ゾーンへのリンクは、割り当てにおける潜在的な増加を示し、それらの重みを、在庫割り当てにおける単位増加あたりの限界利益に等しくさせる。例えば、余分な在庫単位の運送費用が限界収益を超えるとき、限界利益が負であり得ることに留意されたい。価格ゾーンから倉庫へ戻るリンクは、割り当てにおける減少を表し、それらの重みを、限界利益の負数に等しくさせる。開示されるように、割り当ては、物理的な運送よりもむしろ計画のプロセスを表す。そのため、割り当てにおける減少は、価格ゾーンから倉庫へ在庫を物理的に戻すためのより多くの運送費用を負うよりむしろ、運送費用を節約して収益の損失を免れることを意味する。利益が増える、在庫の再割り当ては、トータルの正の重みのグラフにおけるリンクの列を識別して経路を形成する(すなわち、各リンクの終わりが次のリンクの始まりと一致するように経路を形成する)ことにより見い出される。この特定の例において、利益が増える経路は、実線のリンク、価格ゾーン54→倉庫52→価格ゾーン55→倉庫53→価格ゾーン56により形成される。当該経路の外側のリンクは、点線(例えば、線402)により示される。リンク重みは、複数のリンクの長さに対応するようにみなされ得るので、利益が増える経路は、正の長さの任意の経路である。
【0038】
308において、306からのグラフが、任意の2つの価格ゾーンの間で、正に重み付けされた経路を形成するか否かが決定される。正に重み付けされた経路は、実施形態において以下の手順を用いて見い出される。全てのリンク重みの符号が、それらの負数に変更され、「フロイド-ワーシャル(Floyd-Warshall)」最短経路アルゴリズムは、ノードの全ての対の間での最短経路を見い出すために、結果として生ずる補助のグラフに適用される。グラフ理論において、最短経路問題は、グラフの構成要素の辺の重み(すなわち、κij)の合計が最小化されるように、グラフにおいて2つの頂点(またはノード)の間の経路を見い出すことの問題である。補助グラフにおける最短経路は、元のグラフにおける最長経路に対応するだろう。元のグラフにおける最長経路は、負数または0の長さのものであり、そのとき、現在の在庫割り当ては、改善されることができず、最適解が見い出される。
【0039】
【数4】
【0040】
308の適用は、正の重み、すなわち、図4の例に示されるように利益が増加する経路を見い出すことか、または、そのような経路が存在しないことを決定することかのいずれかという結果に至る。後者は、最適解を見い出すことと同等であり、当該アルゴリズムは、314へ進み、次いで、316における終了へ進む。正の重みの経路が存在しない場合、当該アルゴリズムは、310において反復限界が到達されたか否かをチェックする。反復限界が到達された場合、当該アルゴリズムは、316における終了へ進む前に、現在の最適化された在庫割り当て(「最終的な在庫割り当て」)としての近最適解を伴って停止する。
【0041】
正の重みの経路が308において見い出され、かつ当該アルゴリズムが、310における反復の回数の限界に到達しない場合、312において、在庫再割り当て量が決定され、新たな現在の最適化された在庫割り当てとみなされる。図4の例において、実線のリンクの経路に沿った再割り当て量は、5%に設定される。すなわち、倉庫52の在庫の5%は、価格ゾーン54から価格ゾーン55へ再割り当てされる。両方の倉庫が等しい量の在庫を有することを前提とすると、倉庫53の在庫の同じ5%は、価格ゾーン55から価格ゾーン56へ再割り当てされる。限界利益に対する表記法を用いると、この経路に沿って再割り当てされた在庫の単位当たりの利益の増加は、κ23-κ22+κ12-κ11である。ゆえに、この再割り当てに起因する利益における増加量は、0.05・S・(κ23-κ22+κ12-κ11)であり、Sは、各倉庫における在庫量である。経路の構築と308における前のチェックとによってκ23-κ22+κ12-κ11>0であるので、この増加量が正であることに留意されたい。収益最大化の場合、配送費用が無視されるので、この例ではノード55におけるκ12-κ22などの、中間の価格ゾーンのノードにおける限界収益の差は、常に0であることにも留意されたい。以下に開示される手順によれば、一般的に、利益が増加する経路に沿った在庫再割り当ての量は、各反復において算出される。
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
図4の例を続けると、倉庫52に対して、310の後、その在庫の55%は、価格ゾーン54(K11)へ割り当てられ、その在庫の45%は、価格ゾーン55(K12)へ割り当てられ、倉庫53に対して、その在庫の65%は、価格ゾーン55(K22)へ割り当てられ、その在庫の35%は、価格ゾーン56(K23)へ割り当てられる。312の後、304において、機能は、再割り当てされた在庫量に基づく価格ゾーンでの新たな在庫量を用いて続き、そして解のプロセスは繰り返す。
【0045】
上述されたように、308において正の重みの経路が無い場合、次いで、314において現在の解(すなわち、現在の在庫割り当て)が最適であり、316において機能が終わる。一般に、全ての価格ゾーンにおいて限界利益が同じである場合、解は最適と考えられる。
【0046】
図5は、本発明の実施形態に従う、割り当てられた在庫の関数としての最適利益に対する凹関数の2つの例を示す、割り当てられた在庫の関数としての最適な収益のグラフである。曲線502は、指数関数的な需要モデル用い、曲線504は、べき乗則の需要モデルを用いる。両方の曲線は、在庫が割り当てられたときの、減少した利益率を示す。曲線502は、(「対数線形」モデルとも呼ばれる)指数関数的なモデルに需要が従うときの最適利益であり、曲線504は、需要モデルがべき乗則であることを前提とする値下げから導出される最適利益に対するものである。示されるように、各場合において、割り当てられた在庫の量が増すにつれて曲線の傾きは平らになる。この効果は、割り当てられた在庫の約200単位において、その傾きが最終的に完全に平らになる指数関数的な需要モデルか、または、その微分が0に等しい、定数になる関数かに対してより顕著である。その範囲において、より多くの在庫を加えることの追加的な利益が無い。
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】
本発明の実施形態の結果として、倉庫におけるいくつかの在庫は、1つの価格ゾーンから別の価格ゾーンへ再割り当てされるだろう。これは、それぞれの価格ゾーンへ在庫がまだ送られていない可能性があるので「仮想的な」再割り当てであり得る。しかしながら、図3の機能の結果は、その他の方法では別の価格ゾーンへ送られるであろう、価格ゾーンへ送られているいくつかの在庫であろう。結果として、物流システムと、各倉庫における在庫管理システムとは、トラックなどの輸送メカニズムを用いて、いくつかの在庫が送られるようにするだろう。図6は、本発明の実施形態の一部を形成するトラック輸送の追加を含む、図1の小売りチェーン50のブロックダイアグラムである。特に、示されるように、トラック601~604は、図3の機能と合わせて、倉庫から価格ゾーンへの各リンクに沿って用いられ、それぞれの価格ゾーンへ在庫を割り当てる。
【0050】
述べられたように、多数の倉庫、多数の価格ゾーンの環境において、実施形態は、各倉庫から各価格ゾーンへ割り振られた在庫の最適な割り当てを決定する。
【0051】
いくらかの実施形態が、本明細書で、特定的に例示され、および/または説明された。しかしながら、開示された実施形態の変更および変形が、本発明の趣旨と意図される範囲とから逸脱することなく、上記の教示により、および、添付される請求の範囲内で網羅されることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6