(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】固体撮像素子、固体撮像素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
(21)【出願番号】P 2021527480
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2020019711
(87)【国際公開番号】W WO2020261817
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】P 2019116867
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】舍川 進
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-165186(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169882(WO,A1)
【文献】特開2014-123771(JP,A)
【文献】特開平04-026156(JP,A)
【文献】特開2002-299555(JP,A)
【文献】特開2010-251406(JP,A)
【文献】特開平11-274434(JP,A)
【文献】特開2006-261596(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0093905(KR,A)
【文献】国際公開第2017/043343(WO,A1)
【文献】特開2013-161945(JP,A)
【文献】特開2006-262358(JP,A)
【文献】国際公開第2005/083790(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョン
と、を備える画素回路を配置した第1半導体基板と、
前記第1半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に積層した第2半導体基板と、
前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有し、且つ、前記第1半導体基板に予め設定した第1キャパシタ領域に形成した第1キャパシタ部と、前記第1キャパシタ部の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第2キャパシタ部と、を含むキャパシタと、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタと、
前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極と、を備え、
前記PD側電極の少なくとも一部と前記FD側配線電極とは、前記
第2半導体基板内に
第2半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成され、
前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールの一端と前記FD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールの一端は、共に前記
第2半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に位置して
おり、
前記第1キャパシタ部は、前記第1キャパシタ領域の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第1電極と、前記第1電極に積層した第1誘電膜と、前記第1誘電膜に積層した第2電極と、を有し、
前記第2キャパシタ部は、前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記第2電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極の前記第2電極と接続する部分以外を覆う第2誘電膜と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極と、を有し、
前記第1電極の一部は、前記フローティングディフュージョンを含む固体撮像素子。
【請求項2】
前記第2電極は、多結晶シリコン膜を用いて形成されている請求項
1に記載した固体撮像素子。
【請求項3】
前記第3電極及び前記第4電極のうち少なくとも一方は、高融点金属を用いて形成されている請求項
1に記載した固体撮像素子。
【請求項4】
前記第2誘電膜は、強誘電体膜を用いて形成されている請求項
1に記載した固体撮像素子。
【請求項5】
第1半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記第1半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に積層した第2半導体基板に、前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールと前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールとを前記
第2半導体基板内に
第2半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程と、前記FD側配線電極と前記PD側電極とを同時に形成する工程と、を含む固体撮像素子の製造方法。
【請求項6】
第1半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記第1半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に積層した第2半導体基板に、前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールと前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールとを前記
第2半導体基板内に
第2半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程を含む固体撮像素子の製造方法。
【請求項7】
第1半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記第1半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に積層した第2半導体基板に、前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールへのPD側電極の形成と、前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールへの前記FD側配線電極の形成と、を同時に行う工程を含む固体撮像素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に係る技術(本技術)は、例えば、裏面照射型の固体撮像素子と、固体撮像素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
裏面照射型の固体撮像素子にキャパシタを配置する場合、例えば、入射光を基準として、フォトダイオードの下側にMIS(Metal Insulator Silicon)構造でキャパシタを形成する構成を用いる。しかしながら、MIS構造でキャパシタを形成する構成では、固体撮像素子の微細化により、フォトダイオードの面積が減少すると、キャパシタを配置する面積が減少するため、キャパシタに要求される容量を得るために必要な占有面積の確保が困難である。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている技術のように、フォトダイオード等を形成した第1半導体基板と、画素トランジスタを形成した第2半導体基板とを積層した構成において、第2半導体基板にトレンチキャパシタを形成する技術がある。特許文献1に開示されている技術であれば、面積を減少させることなくキャパシタの面積を確保することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、第2半導体基板にトレンチキャパシタを形成した後に、第1半導体基板と第2半導体基板を積層して、固体撮像素子を形成する。このため、トレンチキャパシタを形成するために専用の工程が多く必要となり、製造に要する工程数が増加するという問題点がある。
【0005】
本技術は、上記問題点を鑑み、製造に要する工程数を削減することが可能な固体撮像素子と、固体撮像素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一態様に係る固体撮像素子は、半導体基板と、キャパシタと、増幅トランジスタと、FD側配線電極とを備える。半導体基板は、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンとを含む。キャパシタは、フォトダイオードの光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有する。増幅トランジスタは、フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する。FD側配線電極は、フローティングディフュージョンと増幅トランジスタとを接続する。また、PD側電極の少なくとも一部とFD側配線電極とは、半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成されている。さらに、PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールの一端とFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールの一端は、共に半導体基板のフォトダイオード側とは反対の面に位置している。
【0007】
本技術の一態様に係る固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程を備える。さらに、フォトダイオードの光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程を備える。これに加え、フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程を備える。そして、キャパシタを形成する工程は、PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールとフローティングディフュージョンと増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールとを半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程と、FD側配線電極とPD側電極とを同時に形成する工程と、を含む。
本技術の一態様に係る固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程を備える。さらに、フォトダイオードの光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程を備える。これに加え、フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程を備える。そして、キャパシタを形成する工程は、PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールとフローティングディフュージョンと増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールとを半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程を含む。
本技術の一態様に係る固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程を備える。さらに、フォトダイオードの光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程を備える。これに加え、フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程を備える。そして、PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールへのPD側電極の形成と、フローティングディフュージョンと増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールへのFD側配線電極の形成と、を同時に行う工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る固体撮像素子のうち、第1半導体基板の構成を示す俯瞰図である。
【
図2】第1実施形態に係る固体撮像素子のうち、第2半導体基板の構成を示す俯瞰図である。
【
図3】第1実施形態に係る固体撮像素子の等価回路を示す回路図である。
【
図5】第1実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図7】第1実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図8】第1実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図9】第1実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図10】第1実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図11】第2実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【
図12】第3実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【
図13】第4実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【
図14】第5実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【
図15】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図16】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図17】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図18】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図19】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図20】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図21】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図22】第5実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図23】第6実施形態に係る固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【
図24】第6実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図25】第7実施形態に係る固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【
図26】第7実施形態に係る固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
【
図27】本技術の第1適用例としての撮像装置の一例を示す断面図である。
【
図28】本技術の第2適用例としての電子機器の一例を示す断面図である。
【
図29】本技術の第3適用例としての車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図30】本技術の第3適用例としての車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図31】本技術の第4適用例としての内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図32】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
【0010】
(第1実施形態)
<固体撮像素子の全体構成>
第1実施形態に係る固体撮像素子は、例えば、裏面照射型の固体撮像素子である。
図1から
図4に示すように、固体撮像素子は、第1半導体基板101と、第2半導体基板102とを含む半導体基板を備える。
【0011】
第1半導体基板101は、フォトダイオード110と、フローティングディフュージョン111とを備える画素回路を配置した基板である。
第2半導体基板102は、第1半導体基板101のフォトダイオード110側とは反対の面(
図4中では、上側の面)に積層した基板である。なお、
図2には、隣接した画素の第2半導体基板102NPを図示している。
第2半導体基板102の第1半導体基板101と対向する面と反対の面(
図4中では、上側の面)には、第5電極163が形成されている。
第5電極163は、例えば、多結晶シリコン膜を用いて形成されている。また、第5電極163は、固体撮像素子の等価回路を構成する配線を形成している。
【0012】
フォトダイオード110は、入射した光を光電変換し、光電変換の光量に応じた電荷を生成して蓄積する。
フォトダイオード110の一端は、接地されている。フォトダイオード110の他端は、転送トランジスタ112のソース電極に接続されている。
【0013】
フローティングディフュージョン111は、転送トランジスタ112のドレイン電極と、スイッチトランジスタ115のソース電極と、増幅トランジスタ114のゲート電極とを接続する点(接続点)に形成されている。
また、フローティングディフュージョン111は、フォトダイオード110から転送トランジスタ112を介して転送されてくる電荷を蓄積し、電圧に変換する。すなわち、フローティングディフュージョン111は、フォトダイオード110に蓄積された信号電荷が転送される。
【0014】
転送トランジスタ112は、フォトダイオード110とフローティングディフュージョン111との間に配置されている。転送トランジスタ112のドレイン電極は、リセットトランジスタ113のドレイン電極と、増幅トランジスタ114のゲート電極に接続されている。
また、転送トランジスタ112は、図外のタイミング制御部からゲート電極に供給される駆動信号に従って、フォトダイオード110からフローティングディフュージョン111への電荷の転送をオン又はオフする。
【0015】
スイッチトランジスタ115は、フローティングディフュージョン111とリセットトランジスタ113との間に配置されている。スイッチトランジスタ115のドレイン電極は、リセットトランジスタ113のソース電極と、キャパシタ120に接続されている。
また、スイッチトランジスタ115は、図外の切り替え制御部からゲート電極に供給される切り替え信号に従って、キャパシタ120からフローティングディフュージョン111への電荷の転送をオン又はオフする。
【0016】
キャパシタ120は、PD側電極130と、誘電膜140と、反PD側電極150とを有する。
PD側電極130は、フォトダイオード110の光が入射する面と反対の面に配置した電極である。
反PD側電極150は、PD側電極130と誘電膜140を間に挟んで対向する電極である。
【0017】
また、キャパシタ120は、第1キャパシタ部121と、第2キャパシタ部122とを含む。
第1キャパシタ部121は、第1半導体基板101に予め設定した第1キャパシタ領域に形成したキャパシタである。
第1キャパシタ領域は、第1半導体基板101のフローティングディフュージョン111を配置した位置と異なる位置に設定されている。
【0018】
第1キャパシタ部121は、第1電極131と、第1誘電膜141と、第2電極151とを有する。
第1電極131は、第1キャパシタ領域のフォトダイオード110の光が入射する面と反対の面に配置した電極である。第1電極131とフローティングディフュージョン111とは、互いに離間して形成されている。
また、第1電極131は、第1キャパシタ領域にイオン注入したリン又はヒ素を用いて形成されている。
【0019】
第1誘電膜141は、第1電極131に積層されている。
また、第1誘電膜141は、酸化シリコン膜を用いて形成されている。
第2電極151は、第1誘電膜141に積層されている。
また、第2電極151は、多結晶シリコン膜を用いて形成されている。
【0020】
第2キャパシタ部122は、第1キャパシタ部121のフォトダイオード110側とは反対の面に配置したキャパシタである。
第2キャパシタ部122は、第3電極132と、第2誘電膜142と、第4電極152とを有する。
【0021】
第3電極132は、PD側電極130を形成し、且つ一方の端部(
図4中では、下側の端部)が第2電極151と接続する柱状の電極である。
また、第3電極132は、タングステン、窒化チタン、コバルト、ルテニウム等の高融点金属を用いて形成されている。なお、高融点金属とは、例えば、鉄の融点以上の融点を有する金属である。
さらに、第3電極132は、第1コンタクトホール160の内部に形成されている。
【0022】
第1コンタクトホール160は、半導体基板(第1半導体基板101、第2半導体基板102)内において、半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成された空隙部である。
したがって、PD側電極130を形成する第3電極132は、第1コンタクトホール160の内部に形成されている。すなわち、PD側電極130の少なくとも一部は、第1コンタクトホール160の内部に形成されているとともに、半導体基板内に、半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成されている。
【0023】
また、PD側電極130を形成する第3電極132は、一部が第1半導体基板101の内部に形成されており、残りの部分が第2半導体基板102の内部に形成されている。
また、第1コンタクトホール160の一部は、第1半導体基板101の内部に形成されており、第1コンタクトホール160の残りの部分は、第2半導体基板102の内部に形成されている。
【0024】
第2誘電膜142は、誘電膜140を形成し、且つ第3電極132の第2電極151と接続する部分以外(第3電極132の側面及び上面)を覆う。
したがって、第2誘電膜142の一部は、第1半導体基板101の内部に形成されており、第2誘電膜142の残りの部分は、第2半導体基板102の内部に形成されている。
また、第2誘電膜142は、強誘電体膜を用いて形成されている。
強誘電体膜としては、酸化膜と窒化膜の積層膜、酸化膜と五酸化タンタル膜の積層膜、窒化膜と五酸化タンタル膜の積層膜、酸化膜と窒化膜と五酸化タンタル膜の積層膜、ハフニウム及びハフニウム合金材料、BSTやPZT等を用いることが可能である。
【0025】
第4電極152は、反PD側電極150を形成し、且つ第2誘電膜142を間に挟んで第3電極132と対向する電極である。
また、第4電極152は、第3電極132と同様、タングステン、窒化チタン、コバルト、ルテニウム等の高融点金属を用いて形成されている。
【0026】
また、固体撮像素子は、フローティングディフュージョン111と増幅トランジスタ114とを接続するFD側配線電極161を備える。
FD側配線電極161は、第2コンタクトホール162の内部に形成されている。
また、FD側配線電極161は、第3電極132と同様、タングステン、窒化チタン、コバルト、ルテニウム等の高融点金属を用いて形成されている。
【0027】
第2コンタクトホール162は、半導体基板(第1半導体基板101、第2半導体基板102)の内部において、半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成された空隙部である。
したがって、FD側配線電極161の一部は、第1半導体基板101の内部に形成されており、FD側配線電極161の残りの部分は、第2半導体基板102の内部に形成されている。また、FD側配線電極161は、半導体基板内に、半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成されている。
また、第1コンタクトホール160の一端と第2コンタクトホール162の一端(共に、
図4では、上側の開口端)は、共に半導体基板(第1半導体基板101、第2半導体基板102)の、フォトダイオード110側とは反対の面に位置している。
【0028】
リセットトランジスタ113は、ソース電極がスイッチトランジスタ115に接続され、ドレイン電極が電源配線VDDに接続されている。
また、リセットトランジスタ113は、タイミング制御部からゲート電極に供給される駆動信号に従って、フローティングディフュージョン111に蓄積されている電荷の排出をオン又はオフする。
【0029】
増幅トランジスタ114は、ゲート電極がフローティングディフュージョン111に接続され、ソース電極が電源配線VDDに接続されている。増幅トランジスタ114のドレイン電極は、選択トランジスタ116のソース電極に接続されている。
また、増幅トランジスタ114は、リセットトランジスタ113によってリセットされたフローティングディフュージョン111の電位を、リセットレベルとして読み出す。さらに、増幅トランジスタ114は、転送トランジスタ112によって信号電荷が転送された、フローティングディフュージョン111に蓄積されている信号電荷に応じた電圧を増幅する。すなわち、増幅トランジスタ114は、フローティングディフュージョン111に転送された信号電荷を、電気信号として読み出して増幅する。
増幅トランジスタ114により増幅された電圧(電圧信号)は、選択トランジスタ116を介して垂直信号線VLに出力される。
ここで、フローティングディフュージョン111と増幅トランジスタ114とは、FD側配線電極161により接続されている。
【0030】
選択トランジスタ116は、例えば、ドレイン電極が垂直信号線VLの一端に接続され、ソース電極が増幅トランジスタ114のドレイン電極に接続されている。
また、選択トランジスタ116は、タイミング制御部からゲート電極に供給される駆動信号SELに従って、増幅トランジスタ114から垂直信号線VLへの電圧信号の出力を、オン又はオフする。
これにより、選択トランジスタ116は、ゲート電極に選択制御信号が与えられることで導通状態になり、垂直走査回路(図示せず)による垂直走査に同期して単位画素を選択する。なお、選択トランジスタ116の構成は、増幅トランジスタ114のソース電極とソース線との間に接続する構成としてもよい。
【0031】
垂直信号線VL(垂直信号線)は、増幅トランジスタ114で増幅された電気信号を出力する配線である。垂直信号線VLの一端には、選択トランジスタ116のドレイン電極が接続されている。垂直信号線VLの他端には、図外のA/D変換器が接続されている。
【0032】
<固体撮像素子の製造方法>
図1から
図4を参照しつつ、
図5から
図10を用いて、第1実施形態の固体撮像素子を製造する製造方法を説明する。
固体撮像素子の製造方法では、まず、
図5に示すように、シリコンを用いて形成した第1半導体基板101に、フォトダイオード110、フローティングディフュージョン111、転送トランジスタ112を形成する。すなわち、固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、フォトダイオード110と、フローティングディフュージョン111を形成する工程を備える。
さらに、第1半導体基板101のうち、予め設定した領域であるキャパシタ領域に対し、イオン注入法を用いて、リン又はヒ素をイオン注入する。これにより、後に第1電極131となるN+領域131aを形成する。N+領域131aは、後工程で行う熱処理により、第1電極131となる。
次に、転送トランジスタ112のゲート酸化膜を形成する。これに加え、N+領域131aの上面(
図5中では、上側の面)に、プラズマCVD法を用いて成膜した酸化シリコン膜により、N+領域131aに積層した第1誘電膜141を形成する。
【0033】
その後、転送トランジスタ112のゲート電極を形成する。これに加え、第1誘電膜141のN+領域131aと対向する面と反対の面(
図5中では、上側の面)に、熱CVD法を用いて成膜した多結晶シリコン膜により、第1誘電膜141に積層した第2電極151を形成する。さらに、プラズマCVD法を用いて製膜した酸化シリコン膜により、層間絶縁膜103を形成する。
次に、
図6に示すように、層間絶縁膜103の第1半導体基板101と対向する面と反対の面(
図6中では、上側の面)に、エピタキシャル膜を用いて形成した第2半導体基板102を積層させる。
【0034】
その後、イオン注入法を用いてリン又はヒ素をイオン注入することで、キャパシタ領域とは異なる位置に設定した画素トランジスタ領域に、増幅トランジスタ114のソース・ドレイン領域114aを形成する。次に、プラズマエッチング法を用いて、第2半導体基板102の層間絶縁膜103と対向する面と反対の面(
図6中では、上側の面)から、フローティングディフュージョン111に接続する第2コンタクトホール162を開口させる。これに加え、第2電極151に接続する第1コンタクトホール160を開口する。
さらに、スパッタ法を用いて、第2コンタクトホール162の内部と、第1コンタクトホール160の内部に高融点金属を成膜することで、FD側配線電極161と第3電極132を同時に形成する。
【0035】
そして、
図7に示すように、第2半導体基板102の層間絶縁膜103と対向する面と反対の面(
図7中では、上側の面)に、キャパシタ領域に対応する部分を開口させたレジスト164を成膜する。さらに、プラズマエッチング法を用いて、層間絶縁膜103のうちキャパシタ領域に対応する部分を除去し、第3電極132を露出させる。その後、レジスト164を除去する。
【0036】
次に、プラズマCVD法を用いて、
図8に示すように、第3電極132の第2電極151と接続する部分以外を覆う位置に形成した強誘電体膜を用いて、第2誘電膜142を形成する。
【0037】
その後、スパッタ法を用いて、
図9に示すように、第2誘電膜142を間に挟んで第3電極と対向する位置に、高融点金属を用いて第4電極152を形成することで、第2キャパシタ部122を形成する。すなわち、固体撮像素子の製造方法は、PD側電極130と、誘電膜140と、反PD側電極150とを有するキャパシタ120を形成する工程を備える。
また、固体撮像素子の製造方法では、キャパシタを形成する工程が、第1コンタクトホール160と第2コンタクトホール120とを半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程を含む。これに加え、固体撮像素子の製造方法では、キャパシタを形成する工程が、FD側配線電極161とPD側電極130とを同時に形成する工程を含む。
次に、熱CVD法を用いて、
図10に示すように、第2半導体基板102の層間絶縁膜103と対向する面と反対の面に多結晶シリコン膜を成膜することで、画素トランジスタ領域とキャパシタ領域に、配線となる第5電極163を形成する。すなわち、固体撮像素子の製造方法は、増幅トランジスタ114を形成する工程を備える。
【0038】
第1実施形態の構成であれば、PD側電極130の少なくとも一部とFD側配線電極161とが、同じ半導体基板内において、半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成されている。これにより、FD側配線電極161と、PD側電極130を形成する第3電極132を同時に形成することが可能となるため、製造に要する工程数を削減することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第1実施形態の構成であれば、キャパシタ120の構成が、第1キャパシタ部121と第2キャパシタ部122を積層した構成である。このため、固体撮像素子の微細化によりキャパシタ120を配置する面積が減少する構成であっても、キャパシタ120に要求される容量を得ることが容易となる。
【0039】
また、第1実施形態の構成であれば、固体撮像素子のダイナミックレンジを拡大することが可能となる。これは、以下の理由に起因する。
スイッチトランジスタ115のゲートをオフにする場合、フローティングディフュージョン111がキャパシタ120と切り離されるため、容量が低下する。また、フローティングディフュージョン111は、容量が小さいため、少ない電子で電位が大きく下がり、感度の高い信号が出力される。ただし、信号の電子が多いときには、フローティングディフュージョン111から電子が溢れてしまうので、フォトダイオード110に入射した光の量に応じた本来の信号を得ることが困難である。一方、スイッチトランジスタ115のゲートをオンにした場合には、フローティングディフュージョン111がキャパシタ120と接続されるため、容量が増加する。容量が増加すると、多くの電子を受け止めることが可能となる代わりに、感度が低くなる。
上述したように、スイッチトランジスタ115のゲートを切り替えることで、高感度の動作モードで電荷を読み出した画像と、低感度の動作モードで電荷を読み出した画像とを画像合成することが可能となる。これにより、固体撮像素子のダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
【0040】
また、第1実施形態の構成であれば、キャパシタを形成する工程が、第1コンタクトホール160と第2コンタクトホール120とを半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程を含む。これに加え、固体撮像素子の製造方法では、キャパシタを形成する工程が、FD側配線電極161とPD側電極130とを同時に形成する工程を含む。これにより、固体撮像素子の製造に要する工程数を削減することが可能な、固体撮像素子の製造方法を提供することが可能となる。
【0041】
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態では、第3電極132及び第4電極152を、高融点金属を用いて形成したが、これに限定するものではなく、第3電極132又は第4電極152の一方のみを、高融点金属を用いて形成してもよい。
第1実施形態では、キャパシタを形成する工程が、第1コンタクトホール160と第2コンタクトホール120とを同時に形成する工程と、FD側配線電極161とPD側電極130とを同時に形成する工程を含む。しかしながら、これに限定するものではない。すなわち、キャパシタを形成する工程が、第1コンタクトホール160と第2コンタクトホール120とを同時に形成する工程のみを含んでもよい。同様に、キャパシタを形成する工程が、FD側配線電極161とPD側電極130とを同時に形成する工程のみを含んでもよい。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る固体撮像素子は、
図11に示すように、キャパシタ120の構成と、等価回路の構成が、第1実施形態と相違する。以下の説明では、第1実施形態との共通する部分の説明を省略する場合がある。
【0043】
キャパシタ120は、第1キャパシタ部121と、第2キャパシタ部122とを含む。
第1キャパシタ部121は、第1半導体基板101に予め設定した第1キャパシタ領域に形成したキャパシタである。
第1キャパシタ領域は、第1半導体基板101のフローティングディフュージョン111を含む位置に設定されている。
【0044】
第1キャパシタ部121は、第1電極131と、第1誘電膜141と、第2電極151とを有する。
第1誘電膜141は、第1電極131のうち、第2電極151と重なる部分に形成されている。すなわち、第1電極131は、第1半導体基板101と第2半導体基板102を積層した積層方向(
図11では、上下方向)から見て、第1誘電膜141及び第2電極151と重ならない部分を有している。すなわち、第1電極131の一部が、フローティングディフュージョン111を含む。
【0045】
また、第2実施形態では、等価回路の構成が、スイッチトランジスタ115を備えていない構成である。したがって、図示を省略するが、フローティングディフュージョン111は、転送トランジスタ112のドレイン電極と、リセットトランジスタ113のソース電極と、キャパシタ120と、増幅トランジスタ114のゲート電極とを接続する点に形成されている。
【0046】
第2実施形態の構成であれば、第1実施形態と同様、FD側配線電極161と第3電極132を同時に形成することが可能となるため、製造に要する工程数を削減することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第2実施形態の構成であれば、スイッチトランジスタ115を備えていないため、構造を簡略化することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
【0047】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る固体撮像素子は、
図12に示すように、第1半導体基板101の構成と、キャパシタ120の構成が、第1実施形態と相違する。以下の説明では、第1実施形態との共通する部分の説明を省略する場合がある。
【0048】
第1半導体基板101は、フォトダイオード110の光が入射する面と反対の面(
図12では、上側の面)に積層した載置電極170を含む。
載置電極170は、例えば、多結晶シリコン膜を用いて形成されている。
【0049】
キャパシタ120は、PD側電極130と、誘電膜140と、反PD側電極150とを有する。
PD側電極130は、第3電極132によって形成されている。
第3電極132は、一方の端部(
図12では、下側の端部)が載置電極170と接続する柱状の電極である。
誘電膜140は、第2誘電膜142によって形成されている。
第2誘電膜142は、第3電極132の載置電極170と接続する部分以外を覆う。
反PD側電極150は、第4電極152によって形成されている。
第4電極152は、第2誘電膜142を間に挟んで第3電極132と対向する電極である。
【0050】
第3実施形態の構成であれば、第1実施形態と同様、FD側配線電極161と第3電極132を同時に形成することが可能となるため、製造に要する工程数を削減することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第3実施形態の構成であれば、第1実施形態及び第2実施形態と比較して、キャパシタ120を形成する電極の数が少ないため、構造を簡略化することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。これに加え、製造に要する工程数を削減することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
【0051】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る固体撮像素子は、
図13に示すように、半導体基板が、第2半導体基板を含まず、第1半導体基板101のみを含む構成で、第1実施形態と相違する。以下の説明では、第1実施形態との共通する部分の説明を省略する場合がある。
【0052】
したがって、第4実施形態では、PD側電極130を形成する第3電極132の全てが、第1半導体基板101の内部に形成されている。また、誘電膜140を形成する第2誘電膜142の全てが、第1半導体基板101の内部に形成されている。さらに、FD側配線電極161の全てが、第1半導体基板101の内部に形成されている。
さらに、第4実施形態では、第5電極163は、第1半導体基板101のフォトダイオード110側とは反対の面(
図13中では、上側の面)に形成されている。
【0053】
第4実施形態の構成であれば、第1実施形態と同様、FD側配線電極161と第3電極132を同時に形成することが可能となるため、製造に要する工程数を削減することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第4実施形態の構成であれば、第1半導体基板101のみを含んで半導体基板を構成しているため、構成のバリエーションを増加させることが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
【0054】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る固体撮像素子は、
図14に示すように、キャパシタ120の構成と、第2半導体基板102の構成が、第1実施形態と相違する。以下の説明では、第1実施形態との共通する部分の説明を省略する場合がある。
【0055】
キャパシタ120は、第1キャパシタ部121と、第2キャパシタ部122とを含む。
第1キャパシタ部121は、第1半導体基板101に予め設定した第1キャパシタ領域に形成したキャパシタである。
第1キャパシタ領域は、第1半導体基板101のフローティングディフュージョン111を配置した位置と異なる位置に設定されている。
【0056】
第1キャパシタ部121は、第1電極131と、第1誘電膜141と、第2電極151とを有する。
第1電極131は、第1キャパシタ領域のフォトダイオード110の光が入射する面と反対の面に配置した電極である。第1電極131とフローティングディフュージョン111とは、互いに離間して形成されている。
【0057】
第1誘電膜141は、第1電極131に積層されている。
第2電極151は、第1誘電膜141に積層されている。
【0058】
第2キャパシタ部122は、第1キャパシタ部121のフォトダイオード110側とは反対の面に配置したキャパシタである。
第2キャパシタ部122は、第3電極132と、第2誘電膜142と、第4電極152とを有する。
【0059】
第3電極132は、PD側電極130を形成し、且つ一方の端部(
図14中では、下側の端部)が第2電極151と接続する柱状の電極である。
また、第3電極132のうち、下側の一部の側面は、後述するキャパシタ間絶縁膜180と接触している。
【0060】
第2誘電膜142は、誘電膜140を形成し、且つ第3電極132のうち他方の端部(
図14中では、上側の端部)を含む予め設定した部分を覆う。
第4電極152は、反PD側電極150を形成し、且つ第2誘電膜142を間に挟んで第3電極132と対向する電極である。
【0061】
第2半導体基板102は、キャパシタ間絶縁膜180と、第1サイドウォール絶縁膜181と、第2サイドウォール絶縁膜182を備える。
キャパシタ間絶縁膜180は、第2電極151と第2誘電膜142との間に形成されている。
【0062】
また、キャパシタ間絶縁膜180は、第2誘電膜142と異なる材料を用いて形成されている。
キャパシタ間絶縁膜180を形成する材料としては、例えば、酸化膜又は窒化膜を用いることが可能である。また、キャパシタ間絶縁膜180を形成する酸化膜又は窒化膜は、例えば、単層で用いる。
第5実施形態では、一例として、第2誘電膜142が、酸化膜以外の材料を用いて形成されている構成を前提とし、キャパシタ間絶縁膜180を、単層の酸化膜を用いて形成した場合について説明する。
【0063】
また、キャパシタ間絶縁膜180には、第3電極132のうち、一方の端部を含む一部が挿入されている。
したがって、第3電極132のうち、第2誘電膜142が覆う予め設定した部分は、第3電極132のうち、一部(キャパシタ間絶縁膜180に挿入されている部分)を除く部分である。
【0064】
第1サイドウォール絶縁膜181は、第2電極151の側面に形成されており、キャパシタ間絶縁膜180と同じ材料を用いて形成されている。
したがって、第5実施形態では、一例として、第1サイドウォール絶縁膜181を、単層の酸化膜を用いて形成した場合について説明する。
なお、第1サイドウォール絶縁膜181は、窒化膜を用いて形成してもよい。この場合、第1サイドウォール絶縁膜181は、例えば、単層の窒化膜を用いて形成する。
【0065】
第2サイドウォール絶縁膜182は、転送トランジスタ112の側面に形成されており、キャパシタ間絶縁膜180と同じ材料を用いて形成されている。
したがって、第5実施形態では、一例として、第2サイドウォール絶縁膜182を、単層の酸化膜を用いて形成した場合について説明する。
なお、第2サイドウォール絶縁膜182は、窒化膜を用いて形成してもよい。この場合、第2サイドウォール絶縁膜182は、例えば、単層の窒化膜を用いて形成する。
【0066】
<固体撮像素子の製造方法>
図14を参照しつつ、
図15から
図22を用いて、第5実施形態の固体撮像素子を製造する製造方法を説明する。
固体撮像素子の製造方法では、まず、
図15に示すように、シリコンを用いて形成した第1半導体基板101に、フォトダイオード110、フローティングディフュージョン111、転送トランジスタ112を形成する。
【0067】
さらに、第1半導体基板101のうち、予め設定した領域であるキャパシタ領域に対し、イオン注入法を用いて、リン又はヒ素をイオン注入することでN+領域を形成する。
次に、転送トランジスタ112のゲート酸化膜を形成する。これに加え、N+領域の上面に、プラズマCVD法を用いて成膜した酸化シリコン膜により、N+領域に積層した第1誘電膜141を形成する。
【0068】
その後、転送トランジスタ112のゲート電極を形成する。これに加え、第1誘電膜141のN+領域と対向する面と反対の面(
図15中では、上側の面)に、熱CVD法を用いて成膜した多結晶シリコン膜により、第1誘電膜141に積層した第2電極151を形成する。
そして、
図16に示すように、転送トランジスタ112とキャパシタ領域に、後にキャパシタ間絶縁膜180、第1サイドウォール絶縁膜181、第2サイドウォール絶縁膜182となる絶縁形成膜183を堆積させる。その後、絶縁形成膜183のうち、キャパシタ領域にレジスト164を形成する。
【0069】
次に、絶縁形成膜183をエッチングして、
図17に示すように、キャパシタ間絶縁膜180と、第1サイドウォール絶縁膜181と、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する。このとき、キャパシタ領域にはレジスト164が形成されているため、第2電極151の上には、キャパシタ間絶縁膜180が堆積した状態となる。
【0070】
すなわち、固体撮像素子の製造方法は、第2電極151と第2誘電膜142との間にキャパシタ間絶縁膜180を形成する工程を含む。
また、キャパシタ間絶縁膜180を形成する工程では、第2誘電膜142と異なる材料を用いてキャパシタ間絶縁膜180を形成する。
【0071】
さらに、固体撮像素子の製造方法は、第2電極151の側面に形成された第1サイドウォール絶縁膜181を形成する工程を含む。
また、第1サイドウォール絶縁膜181を形成する工程では、キャパシタ間絶縁膜180と同じ材料を用いて第1サイドウォール絶縁膜181を形成する。
これに加え、第1サイドウォール絶縁膜181を形成する工程では、酸化膜又は窒化膜を用いて、第1サイドウォール絶縁膜181を形成する。
【0072】
さらに、固体撮像素子の製造方法は、転送トランジスタ112の側面に形成された第2サイドウォール絶縁膜182を形成する工程を含む。
また、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する工程では、キャパシタ間絶縁膜180と同じ材料を用いて、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する。
これに加え、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する工程では、酸化膜又は窒化膜を用いて、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する。
【0073】
次に、
図18に示すように、プラズマCVD法を用いて製膜した酸化シリコン膜により、層間絶縁膜103を形成する。
これに加え、層間絶縁膜103の第1半導体基板101と対向する面と反対の面(
図18中では、上側の面)に、エピタキシャル膜を用いて形成した第2半導体基板102を積層させる。
【0074】
その後、イオン注入法を用いてリン又はヒ素をイオン注入することで、キャパシタ領域とは異なる位置に設定した画素トランジスタ領域に、増幅トランジスタ114のソース・ドレイン領域114aを形成する。次に、プラズマエッチング法を用いて、第2半導体基板102の層間絶縁膜103と対向する面と反対の面(
図18中では、上側の面)から、フローティングディフュージョン111に接続する第2コンタクトホール162を開口させる。これに加え、層間絶縁膜103及びキャパシタ間絶縁膜180を貫通して第2電極151に接続する第1コンタクトホール160を開口する。
さらに、スパッタ法を用いて、第2コンタクトホール162の内部と、第1コンタクトホール160の内部に高融点金属を成膜することで、FD側配線電極161と第3電極132を同時に形成する。
また、第3電極132を形成する工程では、キャパシタ間絶縁膜180を形成する工程で形成したキャパシタ間絶縁膜180に、第3電極132のうち一方の端部を含む一部を挿入した状態で、第3電極132を形成する。
【0075】
そして、
図19に示すように、第2半導体基板102の層間絶縁膜103と対向する面と反対の面(
図19中では、上側の面)に、キャパシタ領域に対応する部分を開口させたレジスト164を成膜する。さらに、プラズマエッチング法を用いて、層間絶縁膜103のうちキャパシタ領域に対応する部分を除去し、第3電極132を露出させる。その後、レジスト164を除去する。
このとき、層間絶縁膜103に対するエッチング速度よりもキャパシタ間絶縁膜180に対するエッチング速度が遅くなる選択エッチング条件を設定する。これにより、キャパシタ領域の上に形成した層間絶縁膜103にエッチングを行い、キャパシタ間絶縁膜180に対するエッチングを抑制する。
【0076】
次に、プラズマCVD法を用いて、
図20に示すように、第3電極132のうち、キャパシタ間絶縁膜180に挿入されていない部分を覆う位置に形成した強誘電体膜を用いて、第2誘電膜142を形成する。
すなわち、固体撮像素子の製造方法は、第2キャパシタ部122を形成する工程が、第3電極132のうち他方の端部を含む予め設定した部分を覆う第2誘電膜142を形成する工程を含む。また、第2誘電膜142を形成する工程では、予め設定した部分として第3電極132のうち一部を除く部分を第2誘電膜142で覆う。
【0077】
その後、スパッタ法を用いて、
図21に示すように、第2誘電膜142を間に挟んで第3電極と対向する位置に、高融点金属を用いて第4電極152を形成することで、第2キャパシタ部122を形成する。
次に、熱CVD法を用いて、
図22に示すように、第2半導体基板102の層間絶縁膜103と対向する面と反対の面に多結晶シリコン膜を成膜することで、画素トランジスタ領域とキャパシタ領域に、配線となる第5電極163を形成する。
【0078】
第5実施形態の構成であれば、第3電極132の一方の端部及び下側の一部の側面がキャパシタ間絶縁膜180と接触する。このため、第1~第4実施形態の構成と比較して、
図19に示すように、層間絶縁膜103の一部を除去して第3電極132を露出させた際における、第3電極132とキャパシタ間絶縁膜180との接触面積を増加させることが可能となる。これにより、第1~第4実施形態の構成と比較して、第3電極132が倒れることを抑制することが可能となる。
具体的に、第2キャパシタ部122を形成する工程において、第3電極132(導電プラグ)を露出させると、第1~第4実施形態の構成では、第3電極132の底部のみが第2電極と接触しているため、接地面積が小さくなる。そのため、キャパシタ領域の層間絶縁膜103を除去する際に用いる洗浄液の染み込みにより、第3電極132が倒れることとなる。これに対し、第3電極132が倒れないように、第3電極132の形状を低い円柱状として、第3電極132の高さを低くすると、第2キャパシタ部122の面積が減少するため、所望の容量を得ることが困難となる。
その結果、第3電極132の形状を、低い円柱状とすること無く、高い円柱状とすることが可能となり、第2キャパシタ部122の面積が減少することを防止して、容量を増加させることが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第5実施形態の構成であれば、第3電極132を形成する工程で、キャパシタ間絶縁膜180を形成する工程で形成したキャパシタ間絶縁膜180に、第3電極132のうち一方の端部を含む一部を挿入した状態で、第3電極132を形成する。これにより、第2キャパシタ部122の面積が減少することを防止して、容量を増加させることが可能な、固体撮像素子の製造方法を提供することが可能となる。
【0079】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る固体撮像素子は、キャパシタ間絶縁膜180の構成が、第5実施形態と相違する。以下の説明では、第5実施形態との共通する部分の説明を省略する場合がある。
具体的には、
図23に示すように、キャパシタ間絶縁膜180のうち第2誘電膜142と対抗する面(
図23では、上側の面)に、複数の開口部180aが形成されている。
【0080】
複数の開口部180aは、それぞれ、第3電極132の長さ方向(
図23では、上下方向)から見た開口面積が、第3電極132のうち第2誘電膜142が覆う予め設定した部分の、第3電極132の長さ方向から見た断面積よりも小さい形状に形成されている。
したがって、第3電極132のうち開口部180aの内部に配置されている部分は、第3電極132の第2誘電膜142が覆う部分よりも、第3電極132の長さ方向から見た断面積が小さい。
【0081】
<固体撮像素子の製造方法>
図23を参照しつつ、
図24を用いて、第6実施形態の固体撮像素子を製造する製造方法を説明する。なお、第5実施形態の固体撮像素子を製造する製造方法と同様の工程については、説明を省略する。
固体撮像素子の製造方法は、キャパシタ間絶縁膜180を形成する工程で、
図24に示すように、キャパシタ間絶縁膜180のうち第2誘電膜142と対抗する面に、複数の開口部180aを形成する。その際、複数の開口部180aは、第3電極132の長さ方向から見た開口面積が、第3電極132のうち予め設定した部分の、第3電極132の長さ方向から見た断面積よりも小さくなるように形成する。
【0082】
第6実施形態の構成であれば、第5実施形態の構成と比較して、
図23に示すように、層間絶縁膜103の一部を除去して第3電極132を露出させた状態における、第3電極132とキャパシタ間絶縁膜180との接触面積を増加させることが可能となる。これにより、第5実施形態の構成と比較して、第3電極132が倒れることを抑制することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第6実施形態の構成であれば、キャパシタ間絶縁膜180を形成する工程で、キャパシタ間絶縁膜180のうち第2誘電膜142と対抗する面に、開口部180aを形成する。これにより、第5実施形態の構成と比較して、第3電極132が倒れることを抑制することが可能な、固体撮像素子の製造方法を提供することが可能となる。
【0083】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る固体撮像素子は、第2半導体基板の構成が、第5実施形態と相違する。以下の説明では、第5実施形態との共通する部分の説明を省略する場合がある。
具体的には、
図25に示すように、後に第2半導体基板102が形成される領域に、キャパシタ間絶縁膜180の機能と、第1サイドウォール絶縁膜181の機能と、第2サイドウォール絶縁膜182の機能とを有する統合絶縁膜184が形成されている。
【0084】
<固体撮像素子の製造方法>
図25を参照しつつ、
図26を用いて、第7実施形態の固体撮像素子を製造する製造方法を説明する。なお、第5実施形態の固体撮像素子を製造する製造方法と同様の工程については、説明を省略する。
固体撮像素子の製造方法は、
図26に示すように、転送トランジスタ112とキャパシタ領域に、後に統合絶縁膜184となる絶縁形成膜183を堆積させる。その後、
図25に示すように、第3電極132を形成し、絶縁形成膜183を統合絶縁膜184として機能させる。
【0085】
第7実施形態の構成であれば、第5実施形態の構成と比較して、絶縁形成膜183をエッチングして、キャパシタ間絶縁膜180と、第1サイドウォール絶縁膜181と、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する工程を削減することが可能となる。これにより、製造工程を簡略化することが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
さらに、第7実施形態の構成であれば、第5実施形態の構成と比較して、絶縁形成膜183をエッチングして、キャパシタ間絶縁膜180と、第1サイドウォール絶縁膜181と、第2サイドウォール絶縁膜182を形成する工程を削減することが可能となる。これにより、製造工程を簡略化することが可能な、固体撮像素子の製造方法を提供することが可能となる。
【0086】
(第1適用例)
本技術の固体撮像素子は、例えば、
図27中に示す構成とすることが可能である。
【0087】
図27中に示す固体撮像素子1は、CMOSイメージセンサである。また、固体撮像素子1は、半導体基板100上に、撮像エリアとしての画素領域4を有する。さらに、画素領域4の周辺領域に、例えば、垂直駆動回路5、カラム選択回路6、水平駆動回路7、出力回路8及び制御回路9を含む周辺回路部(5,6,7,8,9)を有する。
画素領域4は、例えば、行列状に2次元配置された複数の単位画素3(フォトダイオード110に相当)を有する。単位画素3には、例えば、画素行ごとに画素駆動線VD(具体的には、行選択線及びリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線VLが配線されている。画素駆動線VDは、画素からの信号読み出しのための駆動信号を伝送する。画素駆動線VDの一端は、垂直駆動回路5の各行に対応した出力端に接続されている。
【0088】
垂直駆動回路5は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成される。垂直駆動回路5は、画素領域4の各単位画素3を、例えば、行単位で駆動する。垂直駆動回路5によって選択走査された画素行の各単位画素3から出力される信号は、垂直信号線VLの各々を通してカラム選択回路6に供給される。
カラム選択回路6は、垂直信号線VLごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
【0089】
水平駆動回路7は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成される。水平駆動回路7は、カラム選択回路6の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動する。水平駆動回路7による選択走査により、垂直信号線VLの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線VHに出力され、水平信号線VHを通して半導体基板100の外部へ伝送される。
垂直駆動回路5、カラム選択回路6、水平駆動回路7及び水平信号線VHを含む回路部分は、半導体基板100上に形成されていてもよく、又は、外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、それらの回路部分は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
【0090】
制御回路9は、半導体基板100の外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、固体撮像素子1の内部情報等のデータを出力する。さらに、制御回路9は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に、垂直駆動回路5、カラム選択回路6及び水平駆動回路7等の周辺回路の駆動制御を行う。
【0091】
(第2適用例)
本技術の固体撮像素子は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話等、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することが可能である。例えば、
図28中に、第2適用例としての電子機器2(カメラ)の概略構成を示す。
【0092】
電子機器2は、例えば、静止画又は動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像素子1と、光学系(光学レンズ)201と、シャッタ装置202と、固体撮像素子1及びシャッタ装置202を駆動する駆動部204と、信号処理部203とを有する。
【0093】
光学系201は、被写体からの像光(入射光)を、固体撮像素子1の画素領域4へ導く。なお、光学系201は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。
シャッタ装置202は、固体撮像素子1への光照射期間及び遮光期間を制御する。
【0094】
駆動部204は、固体撮像素子1の転送動作及びシャッタ装置202のシャッタ動作を制御する。
信号処理部203は、固体撮像素子1から出力された信号に対し、各種の信号処理を行う。信号処理後の映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
【0095】
(第3適用例)
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0096】
図29は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0097】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図29に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0098】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0099】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0100】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0101】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0102】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0103】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0104】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0105】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0106】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図29の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0107】
図30は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0108】
図30では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0109】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0110】
なお、
図30には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0111】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0112】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0113】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0114】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0115】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031等に適用され得る。具体的には、
図1から
図4、
図11から
図14の固体撮像素子は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、製造効率を向上させることが可能になる。
【0116】
(第4適用例)
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0117】
図31は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0118】
図31では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0119】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0120】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0121】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0122】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0123】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0124】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0125】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0126】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0127】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0128】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0129】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0130】
図32は、
図31に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0131】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0132】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0133】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0134】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0135】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0136】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0137】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0138】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0139】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0140】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0141】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0142】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0143】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0144】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0145】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0146】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0147】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)等)に適用され得る。内視鏡11100や撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、製造効率を向上させることが可能になる。
【0148】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
(その他の実施形態)
上記のように、本技術の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本技術を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
その他、上記の実施形態において説明される各構成を任意に応用した構成等、本技術はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本技術の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
また、本開示の半導体装置では、上記の実施形態等で説明した各構成要素を全て備える必要はなく、また逆に他の構成要素を備えていてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0149】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることが可能である。
(1)
入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を含む半導体基板と、
前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタと、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタと、
前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極と、を備え、
前記PD側電極の少なくとも一部と前記FD側配線電極とは、前記半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状に形成され、
前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールの一端と前記FD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールの一端は、共に前記半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に位置している固体撮像素子。
(2)
前記半導体基板は、前記フォトダイオードと、前記フローティングディフュージョンと、を備える画素回路を配置した第1半導体基板と、前記第1半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に積層した第2半導体基板と、を含み、
前記キャパシタは、前記第1半導体基板に予め設定した第1キャパシタ領域に形成した第1キャパシタ部と、前記第1キャパシタ部の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第2キャパシタ部と、を含む前記(1)に記載した固体撮像素子。
(3)
前記第1キャパシタ部は、前記第1キャパシタ領域の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第1電極と、前記第1電極に積層した第1誘電膜と、前記第1誘電膜に積層した第2電極と、を有し、
前記第2キャパシタ部は、前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記第2電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極の前記第2電極と接続する部分以外を覆う第2誘電膜と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極と、を有し、
前記第1電極と前記フローティングディフュージョンとは、互いに離間して形成されている前記(2)に記載した固体撮像素子。
(4)
前記第2電極は、多結晶シリコン膜を用いて形成されている前記(3)に記載した固体撮像素子。
(5)
前記第3電極及び前記第4電極のうち少なくとも一方は、高融点金属を用いて形成されている前記(3)又は(4)に記載した固体撮像素子。
(6)
前記第2誘電膜は、強誘電体膜を用いて形成されている前記(3)~(5)のいずれかに記載した固体撮像素子。
(7)
前記第1キャパシタ部は、前記第1キャパシタ領域の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第1電極と、前記第1電極に積層した第1誘電膜と、前記第1誘電膜に積層した第2電極と、を有し、
前記第2キャパシタ部は、前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記第2電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極の前記第2電極と接続する部分以外を覆う第2誘電膜と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極と、を有し、
前記第1電極の一部は、前記フローティングディフュージョンを含む前記(2)に記載した固体撮像素子。
(8)
前記第2電極は、多結晶シリコン膜を用いて形成されている前記(7)に記載した固体撮像素子。
(9)
前記第3電極及び前記第4電極のうち少なくとも一方は、高融点金属を用いて形成されている前記(7)又は(8)に記載した固体撮像素子。
(10)
前記第2誘電膜は、強誘電体膜を用いて形成されている前記(7)~(9)のいずれかに記載した固体撮像素子。
(11)
前記半導体基板は、前記フォトダイオードと、前記フローティングディフュージョンと、を備える画素回路を配置した第1半導体基板と、前記第1半導体基板の前記フォトダイオード側とは反対の面に積層した第2半導体基板と、を含み、
前記第1半導体基板は、前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に積層した載置電極を含み、
前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記載置電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極の前記載置電極と接続する部分以外を覆う第2誘電膜と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極と、を有する前記(1)に記載した固体撮像素子。
(12)
前記第3電極及び前記第4電極のうち少なくとも一方は、高融点金属を用いて形成されている前記(11)に記載した固体撮像素子。
(13)
前記第2誘電膜は、強誘電体膜を用いて形成されている前記(11)又は(12)に記載した固体撮像素子。
(14)
前記キャパシタは、前記半導体基板に予め設定した第1キャパシタ領域に形成した第1キャパシタ部と、前記第1キャパシタ部の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第2キャパシタ部と、を含み、
前記第1キャパシタ部は、前記第1キャパシタ領域の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第1電極と、前記第1電極に積層した第1誘電膜と、前記第1誘電膜に積層した第2電極と、を有し、
前記第2キャパシタ部は、前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記第2電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極の前記第2電極と接続する部分以外を覆う第2誘電膜と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極と、を有し、
前記第1電極と前記フローティングディフュージョンとは、互いに離間して形成されている前記(1)に記載した固体撮像素子。
(15)
前記第2電極は、多結晶シリコン膜を用いて形成されている前記(14)に記載した固体撮像素子。
(16)
前記第3電極及び前記第4電極のうち少なくとも一方は、高融点金属を用いて形成されている前記(14)又は(15)に記載した固体撮像素子。
(17)
前記第2誘電膜は、強誘電体膜を用いて形成されている前記(14)~(16)のいずれかに記載した固体撮像素子。
(18)
前記キャパシタは、前記半導体基板に予め設定した第1キャパシタ領域に形成した第1キャパシタ部と、前記第1キャパシタ部の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第2キャパシタ部と、を含み、
前記第1キャパシタ部は、前記第1キャパシタ領域の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第1電極と、前記第1電極に積層した第1誘電膜と、前記第1誘電膜に積層した第2電極と、を有し、
前記第2キャパシタ部は、前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記第2電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極のうち他方の端部を含む予め設定した部分を覆う第2誘電膜と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極と、を有し、
前記第1電極と前記フローティングディフュージョンとは、互いに離間して形成され、
前記第2電極と前記第2誘電膜との間に形成されたキャパシタ間絶縁膜を備え、
前記キャパシタ間絶縁膜には、前記第3電極のうち前記一方の端部を含む一部が挿入され、
前記第2誘電膜が覆う前記予め設定した部分は、前記第3電極のうち前記一部を除く部分である前記(1)に記載した固体撮像素子。
(19)
前記キャパシタ間絶縁膜は、前記第2誘電膜と異なる材料を用いて形成されている前記(18)に記載した固体撮像素子。
(20)
前記第2電極の側面に形成された第1サイドウォール絶縁膜を備え、
前記第1サイドウォール絶縁膜は、前記キャパシタ間絶縁膜と同じ材料を用いて形成されている前記(18)又は(19)に記載した固体撮像素子。
(21)
前記第1サイドウォール絶縁膜は、酸化膜又は窒化膜を用いて形成されている前記(20)に記載した固体撮像素子。
(22)
前記フォトダイオードから前記フローティングディフュージョンへの電荷の転送をオン又はオフする転送トランジスタと、前記転送トランジスタの側面に形成された第2サイドウォール絶縁膜と、を備え、
前記第2サイドウォール絶縁膜は、前記キャパシタ間絶縁膜と同じ材料を用いて形成されている前記(18)~(21)のいずれかに記載した固体撮像素子。
(23)
前記第2サイドウォール絶縁膜は、酸化膜又は窒化膜を用いて形成されている前記(22)に記載した固体撮像素子。
(24)
前記キャパシタ間絶縁膜のうち前記第2誘電膜と対抗する面には、前記第3電極の長さ方向から見た開口面積が、前記第3電極のうち前記予め設定した部分の前記長さ方向から見た断面積よりも小さい開口部が形成されている前記(18)~(23)のいずれかに記載した固体撮像素子。
(25)
半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールと前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールとを前記半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程と、前記FD側配線電極と前記PD側電極とを同時に形成する工程と、を含む固体撮像素子の製造方法。
(26)
半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールと前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールとを前記半導体基板内に半導体基板の厚さ方向に沿って延びる形状として同時に形成する工程を含む固体撮像素子の製造方法。
(27)
半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、
前記フローティングディフュージョンに転送された信号電荷を電気信号として読み出して増幅する増幅トランジスタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記PD側電極の少なくとも一部を内部に形成する第1コンタクトホールへのPD側電極の形成と、前記フローティングディフュージョンと前記増幅トランジスタとを接続するFD側配線電極を内部に形成する第2コンタクトホールへの前記FD側配線電極の形成と、を同時に行う工程を含む固体撮像素子の製造方法。
(28)
半導体基板に、入射した光を光電変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードに蓄積された信号電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、を形成する工程と、
前記フォトダイオードの前記光が入射する面と反対の面に配置したPD側電極と、前記PD側電極と誘電膜を間に挟んで対向する反PD側電極と、を有するキャパシタを形成する工程と、を備え、
前記キャパシタを形成する工程は、前記半導体基板に予め設定した第1キャパシタ領域に形成した第1キャパシタ部を形成する工程と、前記第1キャパシタ部の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第2キャパシタ部を形成する工程と、を含み、
前記第1キャパシタ部を形成する工程は、前記第1キャパシタ領域の前記フォトダイオード側とは反対の面に配置した第1電極を形成する工程と、前記第1電極に積層した第1誘電膜を形成する工程と、前記第1誘電膜に積層した第2電極を形成する工程と、を含み、
前記第2キャパシタ部を形成する工程は、前記PD側電極を形成し、且つ一方の端部が前記第2電極と接続するともに前記第1コンタクトホールの内部に形成される柱状の第3電極を形成する工程と、前記誘電膜を形成し、且つ前記第3電極のうち他方の端部を含む予め設定した部分を覆う第2誘電膜を形成する工程と、前記反PD側電極を形成し、且つ前記第2誘電膜を間に挟んで前記第3電極と対向する第4電極を形成する工程と、を含み、
前記第2電極と前記第2誘電膜との間にキャパシタ間絶縁膜を形成する工程をさらに含み、
前記キャパシタ間絶縁膜を形成する工程では、前記キャパシタ間絶縁膜に前記第3電極のうち前記一方の端部を含む一部を挿入し、
前記第2誘電膜を形成する工程では、前記予め設定した部分として前記第3電極のうち前記一部を除く部分を第2誘電膜で覆う固体撮像素子の製造方法。
(29)
前記キャパシタ間絶縁膜を形成する工程では、前記第2誘電膜と異なる材料を用いて前記キャパシタ間絶縁膜を形成する前記(28)に記載した固体撮像素子の製造方法。
(30)
前記第2電極の側面に形成された第1サイドウォール絶縁膜を形成する工程をさらに含み、
前記第1サイドウォール絶縁膜を形成する工程では、前記キャパシタ間絶縁膜と同じ材料を用いて前記第1サイドウォール絶縁膜を形成する前記(28)又は(29)に記載した固体撮像素子の製造方法。
(31)
前記第1サイドウォール絶縁膜を形成する工程では、酸化膜又は窒化膜を用いて前記第1サイドウォール絶縁膜を形成する前記(30)に記載した固体撮像素子の製造方法。
(32)
前記フォトダイオードから前記フローティングディフュージョンへの電荷の転送をオン又はオフする転送トランジスタを形成する工程と、前記転送トランジスタの側面に形成された第2サイドウォール絶縁膜を形成する工程と、をさらに含み、
前記第2サイドウォール絶縁膜を形成する工程では、前記キャパシタ間絶縁膜と同じ材料を用いて前記第2サイドウォール絶縁膜を形成する前記(28)~(31)のいずれかに記載した固体撮像素子の製造方法。
(33)
前記第2サイドウォール絶縁膜を形成する工程では、酸化膜又は窒化膜を用いて前記第2サイドウォール絶縁膜を形成する前記(32)に記載した固体撮像素子の製造方法。
(34)
前記キャパシタ間絶縁膜を形成する工程では、前記キャパシタ間絶縁膜のうち前記第2誘電膜と対抗する面に、前記第3電極の長さ方向から見た開口面積が、前記第3電極のうち前記予め設定した部分の前記長さ方向から見た断面積よりも小さい開口部を形成する前記(28)~(33)のいずれかに記載した固体撮像素子の製造方法。
【符号の説明】
【0150】
1…固体撮像素子、2…電子機器、3…単位画素、4…画素領域、5…垂直駆動回路、6…カラム選択回路、7…水平駆動回路、8…出力回路、9…制御回路、100…半導体基板、101…第1半導体基板、102…第2半導体基板、103…層間絶縁膜、110…フォトダイオード、111…フローティングディフュージョン、112…転送トランジスタ、113…リセットトランジスタ、114…増幅トランジスタ、114a…増幅トランジスタ114のソース・ドレイン領域、115…スイッチトランジスタ、116…選択トランジスタ、120…キャパシタ、121…第1キャパシタ部、122…第2キャパシタ部、130…PD側電極、131…第1電極、131a…N+領域、132…第3電極、140…誘電膜、141…第1誘電膜、142…第2誘電膜、150…反PD側電極、151…第2電極、152…第4電極、160…第1コンタクトホール、161…FD側配線電極、162…第2コンタクトホール、163…第5電極、164…レジスト、170…載置電極、180…キャパシタ間絶縁膜、180a…開口部、181…第1サイドウォール絶縁膜、182…第2サイドウォール絶縁膜、183…絶縁形成膜、184…統合絶縁膜、201…光学系(光学レンズ)、202…シャッタ装置、203…信号処理部、204…駆動部、11000…内視鏡手術システム、11100…内視鏡、11101…鏡筒、11102…カメラヘッド、11110…その他の術具、11111…気腹チューブ、11112…エネルギー処置具、11120…支持アーム装置、11131…術者(医師)、11133…患者ベッド、11132…患者、11200…カート、11201…CCU、11202…表示装置、11203…光源装置、11204…入力装置、11205…処置具制御装置、11206…気腹装置、11207…レコーダ、11208…プリンタ、11400…伝送ケーブル、11401…レンズユニット、11402…撮像部、11403…駆動部、11404…通信部、11405…カメラヘッド制御部、11411…通信部、11412…画像処理部、11413…制御部、12000…車両制御システム、12001…通信ネットワーク、12010駆動系制御ユニット…、12020…ボディ系制御ユニット、12030…車外情報検出ユニット、12031(12101~12105)…撮像部、12040…車内情報検出ユニット、12041…運転者状態検出部、12050…統合制御ユニット、12051…マイクロコンピュータ、12052…音声画像出力部、12053…車載ネットワークI/F、12061…オーディオスピーカ、12062…表示部、12063…インストルメントパネル、12100…車両、12111~12114…撮像範囲、VD…画素駆動線、VL…垂直信号線、VH…水平信号線