(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】飲料および飲料調製流体の受容器の配置配備を有する飲料分配システム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A47J31/00 302
(21)【出願番号】P 2021544268
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 PT2020050006
(87)【国際公開番号】W WO2020162777
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-12-06
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(73)【特許権者】
【識別番号】521042301
【氏名又は名称】ノヴァデルタ - コメルシオ エ インダストリア デ カフェス,エルディーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ナベイロ,ルイ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】デ フィゲイレド ブランコ,ジョアン アンドレ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/200409(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/189073(WO,A1)
【文献】特開2016-131859(JP,A)
【文献】特開2015-029544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0004240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調製するためのシステムであって、
飲用受容器(10、10’)と、
飲料の調製に使用される流体の収集、および飲料の保存のうちの少なくとも一方のための飲料流体受容器(11、11’)と、
飲料分配装置(1)と、
を備え、
該飲料分配装置(1)は、
前記飲用受容器(10、10’)の動作可能な配置を提供するように適合され、前記飲料が重力の方向とは反対の方向に沿って前記飲用受容器(10、10’)に排出され得るように提供される飲料排出部(21)を提示する第1の受容器配置配備(2)と、
前記飲料流体受容器(11、11’)の動作可能な配置を提供するように適合された第2の受容器配置配備(9)であって、該第2の受容器配置配備(9)が前記受容器配置配備(2)の上流の流体接続で提供される、第2の受容器配置配備(9)と、
装置筐体(3)と、
を提示し、
前記第1および第2の受容器配置配備(2、9)のそれぞれの基部領域は、前記
飲料分配装置(1)上で同様のレベルで提供され
、
前記第1および第2の受容器配置配備(2、9)は両方とも、前記飲料分配装置(1)の上部領域に提供されることを特徴とする、
システム。
【請求項2】
前記飲料分配装置(1)の装置筐体(3)の高さ(H)は、該高さ(H)以外の前記装置筐体(3)の特性寸法(D2、D3)のいずれと比べても1/4以下であることを特徴とする、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の受容器配置配備(2、9)は両方とも、前記飲用受容器(10、10’)および前記飲料流体受容器(11、11’)の取り外し可能な保持をそれぞれ提供するように適合されていることを特徴とする、
請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記
飲料分配装置(1)は、複数の前記第1の受容器配置配備(2)の上流の流れ接続で提供される前記第2の受容器配置配備(9)を提示することを特徴とする、
請求項1から
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記
飲料分配装置(1)は、前記第1の受容器配置配備(2)の上流の流れ接続で提供される複数の前記第2の受容器配置配備(9)を提示することを特徴とする、
請求項1から
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記
飲料分配装置(1)は、前記第2の受容器配置配備(9)の流れ排出部の下流にある流体循環装置(6)を備え、前記流体循環装置(6)は、最大4バールの流れ圧力を提供するように適合され、前記流体循環装置(6)は、前記第1の受容器配置配備(2)と流体接続していることを特徴とする、
請求項1から
5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記飲料流体受容器(11、11’)に導入することができるように適合された食用物質のポーション(7)を含むことを特徴とする、
請求項1から
6のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれの物質の浸出または抽出によって芳香性飲料を調製するためのシステムの分野、特に重力の方向とは反対の方向に沿った飲用受容器の内部への飲料排出手段を有するシステムに言及する。
【背景技術】
【0002】
それぞれの飲料前駆体物質を浸出させるための、例えば、水などの飲料を調製するための流体の受容器を提示する既知の機械が先行技術に存在する。前述の受容器は、例えば、滴下によるコーヒーマシンの場合のように、浸出デバイスに流体を供給する貯蔵器として提供され得るか、または、例えば、茶を調製するためのティーポットの場合のように、飲料前駆体物質の浸出が行われる受容器として提供され得る。前述の機械は、飲料調製流体の供給受容器の異なる配置配備を提示する。
【0003】
さらに、先行技術は、重力の方向とは反対の方向に、すなわち、例えば、カップなどの飲料受容器の基部領域を通る飲料排出部を有するいくつかの飲料調製機を含む。前述の機械は、飲料排出デバイスを含む受容器配置配備を提示し、飲料受容器の動作の保持に適合されている。
【0004】
特に、例えば、コーヒーまたは茶などの芳香性飲料の場合、飲料排出は、飲用受容器において得られる飲料の品質への潜在的な影響に関連するプロセスである。実際、排出流の主な特性は、カップまたは他の飲料飲用受容器への排出中に、飲料が空気に露出する結果、飲料が最終的に早期冷却するなどのいくつかの側面を決定する。
【0005】
従来技術は、飲料調製装置における、これらの二つのタイプの受容器、飲料調製流体、および飲料の相対的配備のいくつかの例を含む。
【0006】
文献DE2009 048233 A1は、食用物質のポーションが収集空間に提供され、飲料排出部が重力とは反対の方向に沿って展開する、本発明のタイプのシステムを開示している。特に、この文献は、この場合、食用物質を含むカプセルと少なくともほぼ同様の形状および寸法を有するカプセルとして提供される、調製流体受容器の配置配備を含む装置を開示している。さらに、それぞれの受容器からの調製流体の排出は、食用物質を含むカプセルへの調整流体の注入のレベルと同様のレベルで行われるが、飲用受容器への飲料排出のレベルより明らかに低い。
【0007】
文献WO2014/086915A1は、食用物質のポーションを導入するための開口部と、飲料排出部とが同様の高さで提供されるように思われる、同様のシステムを開示している。しかしながら、この文献は、装置上で少なくともほぼ同様のレベルにおける、調製流体および飲料受容器の配置配備を開示していない。
【0008】
本出願の著者によって提出された文献WO2015/084203A1は、装置の携帯性の点で利点を提供するように、特に小さな構成および寸法を有する芳香性飲料を調製するためのシステムを開示している。
【0009】
本出願の著者によってさらに提出された文献WO2017/200409A1は、最適化された飲料排出配備によって芳香性飲料を調製するためのシステムを開示しており、また装置の有利な構成も提示している。
【0010】
文献WO2018/189071A1およびCH702946A2はまた、重力に反する方向に沿って飲料を排出する飲料調製または分配システムを開示している。
【0011】
本発明の目的は、特に飲料調製装置と、前述の装置のそれぞれ第1および第2の受容器配置配備に動作可能に配置することができる流体供給および飲料収集受容器と、を含む、食用製品の分配システムを提供することであり、前述のシステムは、特に、受容器の基部領域を通る、すなわち重力とは反対の方向に沿った、流体および飲料通路を含む、流体供給の前述の第1の受容器と、結果として生じる飲料の収集の第2の受容器との間の流体循環のより良好な状態を提供するように適合される。
【0012】
この目的は、請求項1に記載の食用製品を分配するためのシステムによって、本発明に従って解決される。
【0013】
特に、上記の目的は、装置ケーシングを提示する装置と、少なくとも前述の受容器が前述の受容器配置配備に配置されていない場合、特に、受容器配置配備および受容器配置配備に関連する製品排出を選択的に被覆することができるように、前述の受容器配置配備への選択的アクセスを提供するアクセス配備と、を備えるシステムによって解決される。
【0014】
関連する目的は、特に重力に反する方向に飲料排出を行うシステムにおいて、流体供給受容器と飲料調製受容器への飲料排出との間の流体循環を収容するために必要な構造的高さを最小化する装置の構成要素および構成の相対的配備を開示することである。
【0015】
特に、前述の飲用受容器は、例えば、グラス、カップまたは同様のタイプなど、飲料の最終消費に使用される受容器として理解される。前述の飲料調製受容器は、飲料を調製するために、例えば、浸出タイプの混合物で使用される、または別の流体に添加される流体の量を収集するように構成され、最終消費のための複数の個別の飲料ポーションを調製するために必要な量に略対応する受容器として理解される。
【0016】
前述の装置が、飲料調製流体と前述の飲料調製受容器内の飲料前駆体物質の対応するポーションとの間の相互作用に基づいて、浸出による飲料、特に茶またはコーヒーなどの芳香性飲料の調製に適合される場合に好ましい。
【0017】
一実施形態によれば、浸出は、前述の流体供給受容器で提供され、それにより、後者は、この場合、ティーポットまたはコーヒーポットと同様の様態で構成され、前述の装置の加熱手段を含むか、または前述の装置の加熱手段に機能的に関連付けられ得る。
【0018】
別の実施形態によれば、浸出は、前述の流体供給受容器の下流の流れ接続に関連付けられた浸出空間で提供される。
【0019】
別の実施形態によれば、浸出は、流れ加圧デバイスの下流で、個々のポーションカプセルの収集デバイスの内部で提供され、例えば、エスプレッソタイプのコーヒーなどの飲料を調製するために使用される。
【0020】
本発明によるシステムが、前述の飲料調製受容器に、または前述の流体供給受容器の下流の流れ接続に関連付けられた浸出空間に導入され得るように提供される、食用物質、例えば、茶またはコーヒーのポーションをさらに備える場合が好ましい。
【0021】
前述の装置が、略蓋様の形状または同様の形状で提供され、かつ前述の第1および第2の受容器配置配備の少なくとも一方、優先的に両方を選択的に被覆することができるように適合されたアクセス配備を提示することができる場合が好ましい。
【0022】
前述の装置の前述の上部が、前述の第1および第2の受容器配置配備のみを提示し、隆起のいずれかの他の空洞が優先的に欠けており、それによってアクセス配備が一つ以上の部品で提供され、選択的、共同的、および/または個別に、前述の受容器配置配備の両方を被覆することができるように構成されている場合が、さらに好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、本発明は、好ましい実施形態および添付の図に基づいて、より詳細に説明されるものとする。
【0024】
これらの図は、簡略化された概略図で以下を示す。
図1は、本発明によるシステムの飲料調製装置(1)の第1の実施形態の正面図および後面図(右側)である。
図2は、
図1による実施形態の側面図である。
図3は、アクセス配備(4)が開いた状態の
図1に対応する図である。
図4は、アクセス配備(4)が開いた状態の
図1に対応する図である。
図5は、アクセス配備(4)が閉位置にある、本発明によるシステムの飲料調製装置(1)の第2の実施形態の正面図および上面図(右側)である。
図6は、
図5による実施形態の側面図である。
図7は、アクセス配備(4)が取り外され、飲用(9)および流体受容器(11)が配置されている、
図7による実施形態の側面図である。
図8は、
図7による上面図である。
図9は、アクセス配備(4)が取り外され、飲用(9)および流体受容器(11)が配置されていない、
図7による第2の実施形態の側面図である。
図10は、
図9による上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1~
図4は、本発明によるシステムの飲料調製装置(1)の第1の実施形態を表す。
【0026】
前述のシステムは、前述の装置(1)の第1の受容器配置配備(2)に動作可能に配置され得るように適合された、例えば、グラス、カップ、または同様のものなどの飲用受容器(10、10’)を含む。前述の第1の受容器配置配備(2)は、重力とは反対の方向に沿って飲用受容器(10、10’)の基部を通して飲料流(BD)を排出することができるように適合された飲料排出要素を含む。表されているように、飲用受容器(10)は、エスプレッソコーヒーカップまたは同様の形態であり得る。
【0027】
このタイプの飲料排出配備の詳細は、特に出願人による他の公開物から知られており、そのため、そのより詳細な説明を放棄する。
【0028】
前述の飲用受容器(10、10’)は、飲用受容器(10、10’)の基部部分に配置され、かつ流れ圧力が以前に定義された流れ圧力よりも大きい場合にのみ前述の飲用受容器内への流れ入口を提供するように適合された流れ調節手段を提示することができる。
【0029】
前述の第1の受容器配置配備(2)は、以下のうちの少なくとも一つを提示することができる。
-少なくとも一つの略上向きに配向された流れ出口を含む飲料排出デバイス(21)。
-少なくとも一つのタイプの飲用受容器(10、10’)、好ましくは少なくとも一つの異なる寸法および異なる構成を提示する少なくとも二つのタイプの飲用受容器(10、10’)の配置に適合された受容器配置面(22)。
-前述の受容器配置面(22)に関連付けられ、前述の第1の受容器配置配備(2)において前述の飲用受容器(10、10’)の取り外し可能な保持を提供することができるように適合された係合手段(23)。
【0030】
前述の装置(1)はさらに、飲料の調製、および飲料の保存のうちの少なくとも一方のために構成され得る少なくとも一つのタイプの飲料調製受容器(11、11’)の配置、特に優先的に取り外し可能な保持を提供するように適合された第2の受容器配置配備(9)を提示し、前述の飲料は、飲用受容器(10、10’)に下流で排出される。
【0031】
表された実施形態の場合において、前述の飲料流体受容器(11、11’)は、流体の流れ(FS)を抽出デバイス(5)に供給するように、流れ接続した貯水槽の形態で提供され、それによってこの抽出デバイスは、前述の第1の受容器配置配備(2)と流れ接続している。
【0032】
飲料流体受容器(11、11’)の保持が、保持位置について、例えば、触覚的なタイプの、または視覚もしくは音響信号の指示をユーザに提供し、基部を通して流れ循環接続を提供するが、流れ循環接続の周囲に対して液体密封されるように適合される場合に好ましい。
【0033】
本発明の態様によれば、前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)、特に少なくとも第1および第2の受容器配置配備(2、9)の基部領域は、有利には、前述の装置(1)と少なくともほぼ同様のレベルで提供される。
【0034】
さらに、表された実施形態の場合、第1および第2の受容器配置配備(2、9)は両方とも、前述の装置(1)の上部領域よりも基部領域に近いレベルで提供される。この相対的な配備は、有利には、飲料調製受容器(11)と飲用受容器(10)との間の流体循環のいくつかの構成要素を収容するための装置のより小さな構造高さを提供する。
【0035】
表されているように、この場合の装置(1)は、少なくとも実質的に装置(1)の体積形状、特に、この場合、少なくともほぼ立方体に対応する整合的な形状を共同で画定する、装置筐体(3)およびアクセス配備(4)を提示する。
【0036】
有利には、前述のアクセス配備(4)は、前述の受容器配置配備(2)および製品排出部(21)への選択的アクセスを提供し、その結果、装置(1)を使用する所与の場所における環境への露出の結果としての塵および他の残留物の蓄積の可能性を防止する。
【0037】
これにより、受容器配置配備(2)およびそれぞれの製品排出が、装置(1)の外部に対して選択的に制限され、その結果、受容器配置配備(2)およびそれぞれの製品排出の汚染の可能性が軽減される場合に特に好ましい。
【0038】
さらに、前述の装置筐体(3)およびアクセス配備(4)は、突起または空洞のない、優先的に実質的に連続している材料体積を共同で画定する。
【0039】
さらに、前述の装置(1)は、流れ加圧デバイス(6)および流体加熱デバイス(図示せず)を含むことができ、その結果、60~100℃の温度および1~20バールの圧力で流れ(FS)を供給して、前述の食用物質と相互作用することができる。本技術における専門家はこれらの手段を知っているため、これらの手段のより詳細な表現または説明は放棄される。
【0040】
図3および
図4は、アクセス配備(4)が開位置にあり、その結果、前述の第1の受容器配置配備(2)へのアクセスが提供される実施形態を表している。
【0041】
抽出デバイス(5)は、例えば、ある量の可溶性コーヒーなどの飲料前駆体物質のポーション(7)を収集することができるように提供され得る。表されているように、飲料調製流体の注入は、重力と同様の方向で実行され得る。
【0042】
飲料の浸出後、前述の飲用受容器(10、10’)の内部への飲料排出が飲用受容器(10、10’)の基部ゾーンを通って展開するように、飲料排出流(BD)は、前述の抽出デバイス(5)の出口から、抽出デバイス(5)の下流に配備された、飲料排出要素を含む受容器配置配備(2)に誘導される。
【0043】
表されているように、飲用受容器(10’)は、従来の消費用量よりも多い量のコーヒーを収集するためのマグカップタイプ、または同様のものであり得る。
【0044】
図5~
図8は、本発明による第2の実施形態を表しており、本発明による装置(1)は、トレイボードタイプの一般的な形状の装置筐体(3)を提示している。
【0045】
本発明の態様によれば、前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)の両方が、前述の装置(1)の上面に少なくともほぼ同様のレベルで提供される。さらに、前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)は、例えば、油圧循環ポンプタイプのデバイスによって、加圧流接続で提供され、好ましくは少なくとも飲用受容器(10、10’)への飲料排出(BD)は、大気圧よりも大きい、例えば、1.2バールであり、かつ、10バールよりも小さい流れ圧力で実行される。
【0046】
装置(1)は、手動および/または機械的に作動することができ、それにより、少なくとも前述の第1の受容器配置配備(2)に、好ましくは前述の第2の受容器配置配備(9)にも選択的アクセスを提供することができるように適合された少なくとも一つのアクセス配備(4)をさらに提示することができ、それによって、前述の装置筐体(3)およびアクセス配備(4)が、前述の装置(1)の材料外部筐体の少なくとも大部分を共同で提供し、好ましくは整合的な形状の少なくとも大部分、または整合的な形状の少なくとも一部のセットに対応する、前述の装置(1)の少なくともほぼ外部の体積形状を共同で構成する。
【0047】
前述の装置筐体(3)およびアクセス配備(4)は、少なくとも前述の装置(1)の上部、前部、および後部の、好ましくは、インターフェース領域、例えば、スロットタイプを除いて、前述の装置(1)の横方向部分の、外面の延在部の少なくとも大部分に沿って材料的に連続する表面を共同で画定する。
【0048】
アクセス配備(4)が閉位置にある場合、前述の装置筐体(3)およびアクセス配備(4)は、食用製品の排出に関連する隆起および空洞がなく、少なくとも製品の排出部(21)がない、好ましくは、流体排出部(91)もなく、前述の装置(1)の外部、少なくとも前述の装置(1)の上部、前部、および後部領域に露出された体積を共同で画定する。
【0049】
図5および
図6に表されているように、飲料調製装置(1)は、それぞれの場合にそれぞれの飲料排出要素(21、21’)を含み、少なくとも一つのタイプの飲用受容器(10、10’)の配置に適合された、前述の第1の受容器配置配備(2)、ならびに一つの注入および/または流体排出要素(91)を含み、少なくとも一つのタイプの飲料流体受容器(11、11’)の配置に適合された第2の受容器配置配備(9)の二つを提示することができる。
【0050】
前述の飲料流体受容器(11、11’)は、この場合、コーヒーポットタイプまたはティーポットであり得、前述の第2の受容器配置配備(9)上で取り外し可能な様態で保持され得るように適合された基部領域を提示する。特に、基部領域は、例えば、2または3バール、またはそれより大きい、1バールよりも大きい、好ましくは1、2バールよりも大きい流れ圧力が与えられたときにのみ流体の注入および/または排出を可能にするように適合された一方向弁タイプまたは同様の要素を提示することができる。
【0051】
飲料分配装置(1)は、この目的のために、前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)間の流れ循環ラインにおいて油圧および/または副圧力を生成することができるように適合されたポンプタイプの流れ加圧デバイスを備えることができる。
【0052】
図5にさらに表されているように、装置(1)はまた、前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)の被覆を提供するように適合されたアクセス配備(4)を提示することができ、それにより、前述の受容器配置配備(2、9)上の最終的な塵および他の残骸の蓄積を防止する。特に、アクセス配備(4)は、少なくとも前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)上に延在し、かつ好ましくは装置筐体(3)において取り外し可能な様態で保持され得るように、または開位置と閉位置との間で、またはその反対で作動され得るように適合された、蓋の形状で提供され得る。
【0053】
飲料調製に使用される食用物質のポーション(7)、例えば、芳香性ハーブの小袋は、前述の飲料調製受容器(11、11’)の上部に提供された開口部を通して前述の飲料調製受容器(11、11’)に供給され得る。
【0054】
図5に表されているように、および、本発明の特に有利な態様によれば、本システムは、飲用および/または飲料調製受容器(10、11)がそれぞれの配置配備(2、9)に配置されていない場合、少なくとも飲用および/または飲料調製受容器(10、11)の上面、好ましくは前面、後面、および側面にも空洞および突起がないように構成された飲料調製装置(1)を備える。
【0055】
さらに、本発明の別の特に有利な態様によれば、本システムは、装置(1)の高さ(H)がはるかに小さく、好ましくは他の特性寸法(D2、D3)のいずれよりも少なくとも4倍小さい、特に好ましくは他の二つの特性寸法(D2、D3)のうちの最大の寸法よりも少なくとも10倍小さいように構成された装置(1)を備える。
【0056】
前述の高さ(H)が、前述の装置(1)の上面に延在する単一の高さに対応する場合が好ましく、この上面は、前述の装置筐体(3)および前述のアクセス配備(4)のうちの少なくとも一方によって提供され得る。
【0057】
図8に表されているように、前述の第2の受容器配置配備(9)に関連付けられた前述の基部表面が、飲料流体受容器(11、11’)の基部を通して加熱電力を供給することができるように構成された加熱デバイス(8)を提示する場合が好ましい。当然ながら、前述の飲料流体受容器(11、11’)の基部は、内部の流体への熱伝達を促進するように、対応する様態で適合される。
【0058】
前述のアクセス配備(4)が空洞、突起、または開口部を提示しない場合が好ましい。
【0059】
前述のアクセス配備(4)は、少なくとも半分、好ましくは半分以上、特に好ましくは、前述の装置筐体(3)の上部領域および正面領域のうちの少なくとも一方の幅に少なくともほぼ対応する全寸法および作動空間の寸法のうちの少なくとも一方が提供されている場合が好ましい。
【0060】
前述のアクセス配備(4)は、装置筐体(3)に対して移動することができるように構成された第1および第2の作用可能部品(41、42)を提示することができ、それにより、前述の第1および第2の作用可能部品(41、42)のうちの少なくとも一方の作動は、他の作用可能部品と共同で、および他の作用可能部品に対して自律的な様態で、のうちの少なくとも一方で実行することができる。
【0061】
図8に表されているように、前述の第2の受容器配置配備(9)に関連付けられた基部表面が、飲料流体受容器(11、11’)の基部を通して加熱電力を提供することができるように構成された加熱デバイス(8)を提示する場合が好ましい。当然ながら、前述の飲料流体受容器(11、11’)の基部は、内部の流体への熱伝達を促進するように、対応する様態で適合される。
【0062】
図9および
図10は、前の実施形態と同様の構成の別の実施形態を表し、前述の第1および第2の受容器配置配備(2、9)の両方のユニットの複数、この場合は二つを提示する。
【0063】
この場合、飲料流体受容器(11’)は、飲料調製流体、例えば、ミルク、または以前に調製された飲料、例えば、可溶性コーヒーを収集することができ、その結果、前述の第1の受容器配置配備(2)のそれぞれのユニットに提供される、ユーザによる最終消費のための二つの飲用受容器(10、10’)の少なくとも一つにそれぞれの流れを選択的に供給することができるように構成することができる。
【0064】
前述の第1の受容器配置配備(2)のユニットの各ユニットが、一つのそれぞれの第2の受容器配置配備(9)、特に第2の受容器配置配備(9)の流体排出要素(91)とのみ流れ接続して提供される場合が特に好ましい。
【0065】
これにより、そのような目的のために専用の流れ接続のみを使用してミルクを含む飲料を調製する可能性が提供され、実質的に異なるフレーバーの交差汚染のリスクを最小限に抑える。したがって、ユーザは、飲用受容器(10)を、例えば、コーヒーを得るために第1の飲料排出部(21)に配置し、その後、ミルクを得るために第2の飲料排出部(21)に配置することができる。
【0066】
代替的な例としては、二つの異なるジュース、二つの異なるビール、または、さらには、例えば、一方は天然水、他方はスパークリングウォーターなどの二つの異なる水のものであろう。