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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】非水電解質二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20240920BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240920BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240920BHJP
   H01M 50/54 20210101ALN20240920BHJP
   H01M 50/531 20210101ALN20240920BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20240920BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20240920BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/533
H01M50/55 101
H01M50/54
H01M50/531
H01M10/0587
H01M10/0585
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021565395
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 JP2020043374
(87)【国際公開番号】W WO2021124796
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】P 2019229169
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】今西 裕明
(72)【発明者】
【氏名】宮村 幸延
(72)【発明者】
【氏名】高松 寛史
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061779(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0067667(US,A1)
【文献】特開2015-141847(JP,A)
【文献】特開2017-050069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50 -50/598
H01M 10/0587
H01M 10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と負極板とを含む電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容した角形外装体と、
前記開口を封口した封口板と、
前記封口板に設けられた電極端子と、
前記電極体と前記封口板との間に配置され、前記電極端子に接続された第1集電体と、
前記封口板と前記第1集電体との間に配置された絶縁部材と、
前記電極体と、前記角形外装体における側壁との間に配置され、前記第1集電体に接続された第2集電体と、
前記電極体から前記側壁側に延出し、前記第2集電体に接続されたタブ群と、
を備え、
前記第2集電体は、前記側壁に平行な面を有する平板からなり、
前記タブ群は、前記第2集電体に接続され、且つ、該第2集電体との接続部側において、前記側壁に平行に折り曲げられており、
前記第2集電体は、前記絶縁部材から延出したガイド部によって、前記第1集電体に位置決めされている、非水電解質二次電池。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記第2集電体の幅方向両端部各々に沿って延びる一対の延在部を有し、
前記第2集電体は、前記一対の延在部によって、前記第1集電体に位置決めされている、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項3】
前記第2集電体の幅方向両端部には、該幅方向内側に凹む一対の凹部が設けられており、
前記一対の延在部の幅方向内側には、該幅方向内側に突出し、前記一対の凹部に係合する一対の凸部が設けられている、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
【請求項4】
前記一対の凸部各々には、前記第2集電体の移動を規制するストッパーが設けられている、請求項3に記載の非水電解質二次電池。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記一対の延在部各々の先端部同士を互いに連結する連結部を有する、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
【請求項6】
前記ガイド部は、絶縁材からなり、前記絶縁部材と一体形成されている、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項7】
前記電極体を複数備え、
前記各電極体の前記タブ群に、それぞれ前記第2集電体が接続されており、
前記各第2集電体は、それぞれ前記ガイド部によって、前記第1集電体に位置決めされている、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非水電解質二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池において、角形外装体に収容された電極体から延出したタブ群が、集電体を介して、封口板に設けられた外部端子に接続された構成が知られている。
【0003】
特許文献1には、封口板と電極体との間に配置された基台部と、基台部の端部から、外装体の側壁に沿って底部方向に延びる脚部とで構成された集電体が開示されている。基台部は、外部端子に接続され、脚部は、電極体から引き出された極板積層部(タブ群)に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-85875号公報
【発明の概要】
【0005】
特許文献1に開示された集電体において、脚部は、電極体と外装体の側壁との間に配置されるため、脚部が配置された空間は、発電に寄与しないデッドスペースになる。そのため、電池の体積エネルギー密度を低下させる要因になる。
【0006】
本開示に係る非水電解質二次電池は、正極板と負極板とを含む電極体と、開口を有し、上記電極体を収容した角形外装体と、上記開口を封口した封口板と、上記封口板に設けられた電極端子と、上記電極体と上記封口板との間に配置され、上記電極端子に接続された第1集電体と、上記封口板と上記第1集電体との間に配置された絶縁部材と、上記電極体と、上記角形外装体における側壁との間に配置され、上記第1集電体に接続された第2集電体と、上記電極体から上記側壁側に延出し、上記第2集電体に接続されたタブ群と、を備え、上記第2集電体は、上記側壁に平行な面を有する平板からなり、上記タブ群は、上記第2集電体に接続され、且つ、上記第2集電体との接続部側において、上記側壁に平行に折り曲げられており、上記第2集電体は、上記絶縁部材から延出したガイド部によって、上記第1集電体に位置決めされている。
【0007】
本開示によれば、体積エネルギー密度が高く、且つ、組み立てやすい構造を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、非水電解質二次電池を示す斜視図である。
図2図2は、先の出願に係る非水電解質二次電池の内部構造を示す断面図である。
図3図3は、タブ群の折り曲げ前において、第2集電体とタブ群との接続部近傍を示す図である。
図4図4は、タブ群の折り曲げ後において、第2集電体とタブ群との接続部近傍を示す図である。
図5図5は、先の出願に係る、第1集電体及び第2集電体により互いに接続された複数の電極体と封口板とを示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る非水電解質二次電池の内部構造を示す断面図である。
図7図7は、封口板近傍を示す斜視図である。
図8図8は、封口板近傍の部材を分解して示す分解斜視図である。
図9図9は、第2集電体を示す斜視図である。
図10図10は、タブ群に第2集電体が接続された複数の電極体を配列した状態で示す図である。
図11図11は、第2集電体を第1集電体に接続する態様を示す図である(タブ群の折り曲げ前)。
図12図12は、第2集電体を第1集電体に接続する態様を示す図である(タブ群の折り曲げ後)。
図13図13は、本実施形態の変形例1に係るガイド部を示す図である。
図14図14は、本実施形態の変形例2に係るガイド部を示す図である。
図15図15は、その他の実施形態に係る図12相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願出願人は、非水電解質二次電池の構造を、先の出願(特願2019-174878)の明細書に開示している。
【0010】
上記明細書に開示した非水電解質二次電池20は、図1,2に示すように、角形外装体1に収容された電極体3のタブ群40と、封口板2に設けられた電極端子8とが、第1集電体61及び第2集電体62によって、互いに電気的に接続されている。
【0011】
第1集電体61は、電極体3と封口板2との間に配置され、電極端子8に接続されている。第2集電体62は、電極体3と角形外装体1における側壁1bとの間に配置され、側壁1bに平行な面を有する平板からなり、第1集電体61に接続されている。
【0012】
タブ群40は、図3に示すように、電極体3から側壁1b側に延出し、第2集電体62に接続されている。タブ群40は、図4に示すように、第2集電体62との接続部63側において、側壁1bに平行に折り曲げられている。
【0013】
かかる構成によれば、第2集電体62を折り曲げることなく、タブ群40を折り曲げることができる。これにより、簡単な方法によって、体積エネルギー密度の高い非水電解質二次電池を作製することができる。
【0014】
しかしながら、上記構成では、折り曲げられたタブ40群は、まっすぐに戻ろうとする作用が働くため、タブ群40に接続された第2集電体62は、タブ群40から反力を受ける。そのため、第2集電体62を第1集電体61に位置決めして、両者を接合する際、位置決めが正確にできないという問題があった。
【0015】
特に、図5に示すように、複数の電極体3を備える場合、各電極体3のタブ群40にそれぞれ第2集電体62が接続されるが、各タブ群40の折れ曲がり方が一様でないため、各第2集電体62が受ける反力も一様でない。そのため、各第2集電体62を第1集電体61に位置決めして、両者を接続する際、各第2集電体62の第1集電体61に対する位置や姿勢がばらついてしまう。その結果、各第2集電体62と第1集電体61との接合を安定して行うことができず、導通不良や接合強度不足等の問題が発生する。
【0016】
本願発明者等は、第2集電体62を第1集電体61に位置決めするガイド部を設けることによって、上記問題を解決できると考え、本発明に想到するに至った。
【0017】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。なお、本実施形態における非水電解質二次電池の基本的な構成は、先の出願と同じであるため、先の出願の説明において使用した図1,3,4をそのまま使用する。
【0018】
図1は、本開示の実施形態に係る非水電解質二次電池20を示す斜視図である。図6は、非水電解質二次電池20の内部構造を示す断面図である。なお、図6は、後述するガイド部91,92の図示以外、図2と同じである。図1,6に示すように、非水電解質二次電池20は、開口を有する有底角筒状の角形外装体1と、角形外装体1の開口を封口する封口板2と、からなる電池ケース100を備える。
【0019】
角形外装体1は、底部1aと、一対の第1側壁1b,1cと、一対の第2側壁1d,1eと、を有する。一対の第1側壁1b,1cは、互いに対向する向きに配置されている。一対の第2側壁1d,1eは、互いに対向する向きに配置されている。一対の第1側壁1b,1cは、封口板2の長手方向に垂直であり、一対の第1側壁1b,1cの面積は、一対の第2側壁1d、1eの面積よりも小さい。
【0020】
角形外装体1内には、正極板4と負極板5とを含む電極体3が電解質と共に収容されている。本実施形態では、電極体3は、正極板4と負極板5とがセパレータを介して巻回された扁平状の電極体である。電極体3の巻回軸は、第1側壁1b,1cに対して垂直、且つ、第2側壁1d,1eに対して平行に延びる。なお、電極体3は、巻回電極体に限定されず、例えば正極板4と負極板5とがセパレータを介して積層された積層電極体でもよい。
【0021】
なお、図6において、符号14は、角形外装体1の内部に配置され、電極体3を収容する箱状ないし袋状の絶縁シートである。符号15は、封口板2に設けられた電解液注液孔である。符号16は、電解液注液孔15を封止する封止部材である。符号17は、封口板2に設けられたガス排出弁である。
【0022】
非水電解質二次電池20は、電極体3の巻回軸が延びる方向において、一方側を正極側、他方側を負極側としている。以下、主に正極側について説明し、負極側については、説明を省略する場合がある。
【0023】
電極体3において、巻回軸が延びる方向における一方の端部には正極タブ群40が設けられている。具体的には、正極タブ群40は、電極体3における一方の端部から側壁1b側に延出している。正極タブ群40は、複数の正極タブの積層により形成されている。
【0024】
図7は、封口板2近傍を示す。図8は、封口板2近傍の各部材を分解して示す。封口板2の外部側には、電極端子としての正極端子8が設けられている。正極端子8は、本体部8a及びリベット部8bで構成されている。リベット部8bは、本体部8aに着脱可能に取り付けられており、本体部8aから封口板2側に延出している。封口板2と正極端子8の本体部8aとの間には、外部側絶縁部材10が配置されている。
【0025】
封口板2の内部側には、正極集電体6の第1正極集電体61が設けられている。第1正極集電体61は、断面略L字状であり、電極体3と封口板2との間に配置されている。具体的には、第1正極集電体61は、封口板2に沿って配置された第1領域61aと、第1領域61aの端部から折り曲げられた第2領域61bと、を有する。第2領域61bは、第1側壁1bに沿って底部1a側へ延出している。
【0026】
封口板2と第1正極集電体61の第1領域61aとの間には、内部側絶縁部材11が配置されている。内部側絶縁部材11は、第1正極集電体61に対応する断面略L字状である。具体的には、内部側絶縁部材11は、第1正極集電体61の第1領域61aを覆う本体部11aと、本体部11aの端部から折り曲げられたガイド部91と、を有する。
【0027】
ガイド部91は、内部側絶縁部材11における本体部11aの端部から、第1側壁1bに沿って底部1a側へ延出している。ガイド部91の詳細については、後述する。
【0028】
リベット部8bの頭部と封口板2との間には、ガスケット18が設けられている。
【0029】
外部側絶縁部材10、ガスケット18、封口板2、内部側絶縁部材11、及び第1正極集電体61各々には、同心状に貫通孔が設けられている。正極端子8のリベット部8bを、本体部8aに取り付けた状態で、外部側から当該貫通孔に挿入する。そして、正極端子8のリベット部8bを、第1正極集電体61上でカシメる。これにより、第1正極集電体61は、正極端子8に接続される。
【0030】
正極集電体6の第2正極集電体62は、電極体3と角形外装体1における第1側壁1bとの間に配置されている。具体的には、第2正極集電体62は、第1側壁1bに平行な面を有する平板からなり、第1側壁1bに沿って底部1a側へ延びている。第2正極集電体62は、第1正極集電体61に接続されている。
【0031】
図9は、第2正極集電体62を示す。第2正極集電体62は、集電体接続部62aと、傾斜部62bと、タブ接続部62cと、を有する。集電体接続部62aは、第1正極集電体61に接続される。タブ接続部62cには、正極タブ群40が接続される。傾斜部62bは、集電体接続部62aとタブ接続部62cとを連結しており、両者に対して傾斜している。集電体接続部62aには、凹部62dが設けられている。凹部62dにおいて、集電体接続部62aが第1正極集電体61に接合される。
【0032】
第2正極集電体62には、ヒューズ部66が設けられている。ヒューズ部66は、平板の他の部位よりも断面積が小さいため、第2正極集電体62に過電流が流れたとき、溶断される。ここで、断面積は、平板の幅方向に平行な断面における面積をいう。
【0033】
第2正極集電体(平板)62の幅方向両端部には、幅方向内側に凹む一対の凹部62fが設けられている。凹部62fによって、断面積が絞られて、ヒューズ部66が形成されている。
【0034】
次に、正極タブ群40の折り曲げ及び正極タブ群40と第2正極集電体62との接続について、説明する。図3は、正極タブ群40の折り曲げ前において、第2正極集電体62と正極タブ群40との接続部近傍を示す。
【0035】
正極タブ群40は、第2正極集電体62におけるタブ接続部62cに接続されている。具体的には、図3に示すように、正極タブ群40の折り曲げ前において、第2正極集電体62におけるタブ接続部62c上に正極タブ群40を配置した状態で、タブ接続部62cと正極タブ群40とを接合(溶接)することによって、接続部63が形成されている。
【0036】
ここで、正極タブ群40は、図3に示すように、平板の幅方向一方側(図3における右側)に寄って、第2正極集電体62におけるタブ接続部62cに接続されている。すなわち、正極タブ群40とタブ接続部62cとの接続部63は、平板の幅方向における正極タブ群40の根本側(幅方向一方側、図3における右側)に寄っている。これにより、正極タブ群40を折り曲げた際、より確実に正極タブ群40の根本近傍に安定的に湾曲形状を形成することができる。
【0037】
なお、正極タブ群40は、平板の幅方向中央において、第2正極集電体62におけるタブ接続部62cに接続されてもよい。
【0038】
図4は、正極タブ群40の折り曲げ後において、第2正極集電体62と正極タブ群40との接続部近傍を示す。電極体3の第1主面3a及び第2主面3bに対して略平行に配置されていた(図3参照)第2正極集電体62におけるタブ接続部62cを、正極タブ群40を折り曲げることによって、電極体3の巻回軸に対して略垂直な向きとする。すなわち、正極タブ群40は、第2正極集電体62との接続部63側において、第1側壁1bに平行に折り曲げられる。折り曲げられた状態の正極タブ群40は、テープ80によって電極体3に固定される。
【0039】
図10に示すように、非水電解質二次電池20は、複数の電極体3を備えている。各電極体3の正極タブ群40には、それぞれ第2正極集電体62が接続されている。複数の電極体3を配列して、テープで纏めて固定することで、電極体群300が形成される。各電極体3に設けられた第2正極集電体62は、それぞれ、封口板2に設けられた1つの第1正極集電体61に接続される。
【0040】
図11,12は第2正極集電体62を第1正極集電体61に接続する態様を示す図であり、図11は正極タブ群40の折り曲げ前の状態、図12は正極タブ群40の折り曲げ後の状態を示す。
【0041】
図11に示すように、正極タブ群40の折り曲げ前において、各第2正極集電体62が第1正極集電体61に臨む位置に、封口板2を配置する。図12に示すように、各正極タブ群40を折り曲げて、各第2正極集電体62を、第1正極集電体61に対面させる。
【0042】
このとき、各第2正極集電体62は、ガイド部91によって、第1正極集電体61に位置決めされる。なお、「位置決め」とは、第2正極集電体62を目標とする位置に停止させるのみならず、目標とする姿勢を維持させることも含む。
【0043】
以下、ガイド部91について、詳細に説明する。上述したように、ガイド部91は、内部側絶縁部材11の本体部11aの端部から、第1側壁1bに沿って底部1a側へ延出している。具体的には、ガイド部91は、一対の延在部91aを有する。一対の延在部91aは、第2正極集電体62の幅方向両端部各々に沿って延びている。第2正極集電体62は、一対の延在部91aによって、第1正極集電体61に位置決めされている。
【0044】
一対の延在部91aの幅方向内側には、一対の凸部91bが設けられている。一対の凸部91bは、幅方向内側に突出し、各第2正極集電体62における一対の凹部62fに係合する。
【0045】
なお、本実施形態では、図12に示すように、ガイド部91は、延在部91aを3つ有している。中央の延在部91aは、幅方向両側の第2正極集電体62各々の幅方向片側端部に沿って延びており、両方の第2正極集電体62の位置決めに兼用されている。
【0046】
ガイド部91は、絶縁材からなり、内部側絶縁部材11と一体形成されていることが好ましい。
【0047】
かかる構成によれば、ガイド部91によって、各第2正極集電体62を第1正極集電体61に位置決めすることで、両者の接続を容易に行うことができる。
【0048】
特に、本実施形態のように、複数の電極体3を備える場合には、各第2正極集電体62の第1正極集電体61に対する位置や姿勢を、互いに揃えることができる。これにより、各第2正極集電体62が各正極タブ群40から受ける反力の違いに起因する、各第2正極集電体62の第1正極集電体61に対する位置や姿勢のばらつきを、抑制することができる。したがって、各第2正極集電体62と第1正極集電体61との接合を安定して行うことができ、導通不良や接合強度不足等の発生を抑制することができる。
【0049】
以上の通り、体積エネルギー密度が高く、且つ、組み立てやすい構造を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
【0050】
一対の延在部91aが第2正極集電体62の幅方向両端部に当接することで、第2正極集電体62の幅方向の位置決めを、より確実に行うことができる。
【0051】
一対の延在部91aにおける一対の凸部91bと、第2正極集電体62における一対の凹部62fとが互いに係合することで、第2正極集電体62の長さ方向(図12における上下方向)の位置決めを、より確実に行うことができる。
【0052】
ガイド部91を、内部側絶縁部材11と一体形成することで、組み立て工数を削減することができる。
【0053】
図13は、本実施形態の変形例1に係るガイド部91を示す。本変形例において、一対の凸部91b各々には、ストッパー91cが設けられている。ストッパー91cは、第2正極集電体62の厚み方向の移動を規制する。かかる構成によれば、第2正極集電体62が第1正極集電体61から離れにくくなる。
【0054】
図14は、本実施形態の変形例2に係るガイド部91を示す。本変形例において、ガイド部91は、連結部91dを有する。連結部91dは、一対の延在部91a各々の先端部同士を互いに連結する。かかる構成によれば、ガイド部91は、連結部91dによって補強され、強度が向上する。
【0055】
負極側も正極側と同様の構成であり、図6おいて、符号9は負極端子、符号50は負極タブ群、符号7は負極集電体、符号71は第1負極集電体、符号72は第2負極集電体、符号12は外部側絶縁部材、符号13は内部側絶縁部材、符号92はガイド部を示す。
【0056】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
【0057】
上記実施形態に係る非水電解質二次電池20は、複数の電極体3を備え、電極体群300を形成していたが、これに限定されない。図15に示すように、非水電解質二次電池20は、電極体3を1つだけ備える構成としてもよい。
【0058】
上記実施形態では、ガイド部91は、内部側絶縁部材11と一体形成されていたが、これに限定されない。例えば、ガイド部91は、ボルト・ナット等によって、内部側絶縁部材11に取り付けられてもよい。
【0059】
また、ガイド部91,92の材質は、絶縁材に限定されない。正極側のガイド部91の材質は、例えばアルミ又はアルミ合金でもよい。負極側のガイド部92の材質は、例えば銅又は銅合金でもよい。
【0060】
ガイド部91は、必ずしも、内部側絶縁部材11に、直接的に設けられなくてもよい。すなわち、ガイド部91は、内部側絶縁部材11に、間接的に設けられてもよい。ガイド部は91、例えば、内部側絶縁部材11の内部側に接続され、且つ、第1集電体61を内部側から覆う保護カバーに、設けられてもよい。
【0061】
本実施形態では、一対の凹部62fで断面積を絞ることによって、ヒューズ部66を形成したが、これに限定されない。ヒューズ部66は、先の出願のように、平板の幅方向にスリットを設けることで形成されてもよい(図5参照)。この場合、一対の凹部62fは、ヒューズ部66の機能とは無関係に設けられる。また、ヒューズ部66は、第2集電体62ではなく、第1集電体61に設けられてもよい。この場合、第2集電体62には、ヒューズ部66が設けられないが、一対の凹部62fは設けられる。なお、第2集電体62における一対の凹部62f及びガイド部91の一対の延在部91aにおける一対の凸部91bは、必ずしも設ける必要はない。
【符号の説明】
【0062】
1 角形外装体
1b 第1側壁(側壁)
2 封口板
3 電極体
4 正極板
5 負極板
8 正極端子(電極端子)
11 内部側絶縁部材(絶縁部材)
20 非水電解質二次電池
40 正極タブ群(タブ群)
61 第1正極集電体(第1集電体)
62 第2正極集電体(第2集電体)
62f 一対の凹部
63 接続部
91 ガイド部
91a 一対の延在部
91b 一対の凸部
91c ストッパー
91d 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
図13
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図15