(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20240920BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20240920BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240920BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240920BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240920BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240920BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240920BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H05K3/34 501D
H01L25/04 Z
H05K3/34 501E
H01L33/00 L
H01L33/62
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 330
(21)【出願番号】P 2021570002
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2020091206
(87)【国際公開番号】W WO2020238717
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】201910438448.4
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010389540.9
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521220769
【氏名又は名称】方略電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Panelsemi Corporation
【住所又は居所原語表記】15F., No.207, Sec 3, Beixin Rd., Xindian Dist., New Taipei City, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】李 晋棠
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/043216(WO,A1)
【文献】特開2005-322937(JP,A)
【文献】特開2003-140572(JP,A)
【文献】特開2003-115613(JP,A)
【文献】特開2009-224191(JP,A)
【文献】特開2018-073905(JP,A)
【文献】特開平10-275966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
H05K 1/16
H01L 25/04
H01L 33/00
H01L 33/62
G09F 9/33
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の表面実装構造を備える電子装置であって、各該表面実装構造は、
対向する第1の表面と第2の表面とが画定されている基板と、
前記基板の前記第1の表面上に設けられ、少なくとも2本の信号線を備えるパターン回路と、
前記基板の前記第1の表面と前記第2の表面とを連通しており、且つそれぞれが前記少なくとも2本の信号線に対応している少なくとも2つのスルーホールと、
前記基板の前記第1の表面に設けられ、かつその両端が前記パターン回路の前記少なくとも2本の信号線に電気的に接続されている少なくとも1つの光電素子と、
複数の接続パッド組を備える駆動回路板であり、各前記接続パッド組は各前記表面実装構造に対応し、且つ各前記表面実装構造の前記基板の前記第2の表面は前記駆動回路板の複数の接続パッド組を有する表面に設けられ、各前記接続パッド組は少なくとも2つの接続パッドを有し、前記少なくとも2つの接続パッドは前記表面実装構造の前記少なくとも2つのスルーホールにそれぞれ対応している、前記駆動回路板と、
前記1つ又は複数の表面実装構造に対応している1つ又は複数の導電性部材組であり、各前記導電性部材組は少なくとも2つの導電性部材を有し、このうち、各前記表面実装構造の前記少なくとも2つのスルーホール中に導電材料を設けて前記少なくとも2つの導電性部材を形成し、前記少なくとも2つの導電性部材を前記基板の前記第1の表面及び前記第2の表面に延在させ
ることで、それぞれ各前記表面実装構造の前記少なくとも2本の信号線を
電気的に接続し、前記駆動回路板の各前記接続パッド組の前記少なくとも2つの接続パッドに
直接電気的に接続している、1つ又は複数の導電性部材組と、を
備え、
前記駆動回路板が順番に前記接続パッド、対応する前記スルーホール内に位置する前記導電性部材及び対応する信号線を介して、対応する前記光電素子に電気的に接続されることによって前記光電素子を駆動することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記導電性部材には、はんだペースト、銅ペースト、又は銀ペースト、若しくはその組合わせが含まれる、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
各前記表面実装構造と対応する前記駆動回路板との間に設けられ、且つ前記表面実装構造と対応して設けられている、バインダを更に備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記駆動回路板及び前記基板は一方向で側縁をそれぞれ画定しており、且つ前記駆動回路板の前記側縁と前記基板の前記側縁とが間隔を画定している、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記光電素子の個数は複数であり、前記複数の光電素子は画素間隔を画定しており、前記駆動回路板の前記側縁と前記基板の前記側縁との前記間隔は前記方向で画素間隔の2倍未満である、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記スルーホールと少なくとも一部が重なるとともに、前記スルーホールに位置する前記導電性部材と各前記信号線とが延在している導電パッドとにそれぞれ電気的に接続されているサブ導電性部材を更に備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
前記表面実装構造の前記基板には前記第1の表面と前記第2の表面とを接続する周縁を更に画定しており、前記少なくとも2つのスルーホールは前記基板の前記周縁には位置していない、請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
前記表面実装構造及び対応する前記導電性部材組中にて、前記複数の導電性部材の個数は前記複数のスルーホールの個数未満である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記表面実装構造には個数が2よりも大きい複数本の信号線及び複数の光電素子が配設されており、各前記信号線には個数が2よりも大きい複数のスルーホールが対応しており、このうち、少なくとも2つの光電素子は同一の信号線上で同一のスルーホール及びその対応する導電性部材を共用している、請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
前記表面実装構造の前記少なくとも1つの光電素子にはチップ又はパッケージが含まれ、前記チップ又は前記パッケージには1つ又は複数の発光ダイオード、1つ又は複数のサブミニ発光ダイオード、1つ又は複数のマイクロ発光ダイオード、又は1つ又は複数のイメージセンサ、若しくはその組合せが含まれる、請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
前記表面実装構造中のパターン回路は薄膜配線又は薄膜素子を備える、請求項1に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の表面実装技術(SMT)とは異なる電子装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の製造分野において、表面実装技術(Surface Mount Technology, SMT)は、例えば、プリント回路板(Printed Circuit Board, PCB)の表面上に電子部品をはんだ付けする技術の一つであって、過去のスルーホール部品とは異なり、表面実装技術では電子製品を大幅に小型化して、より薄型化及び軽量化・小型化の目的を達成することができる。
【0003】
従来では、表面実装部材を回路板の接点にはんだ付けすることは、主にはんだペースト(Solder Paste)によって実現され、はんだペーストは回路板には部品をはんだ付けすることが必要なボンディングパッド(又はランド)の上に印刷すればよい。その後、表面実装部材をパッドの上に置き、ソルダーフィートをはんだペーストの位置に対応させて、更に高温リフロー炉にてはんだペーストを液化させると、液化したはんだペーストによりソルダーフィートが被覆され、冷却した後に表面実装部材が回路板の上にはんだ付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の表面実装部材と駆動回路板とを電気的に接続する技術とは異なる電子装置及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子装置は、1つ又は複数の表面実装構造と、駆動回路板と、1つ又は複数の導電性部材組とを備える。各表面実装構造は、基板と、パターン回路と、少なくとも2つのスルーホールと、少なくとも1つの光電素子とを有する。基板には、対向する第1の表面と第2の表面とが画定されている。パターン回路は基板の第1の表面の上に設けられ、パターン回路は少なくとも2本の信号線を備える。少なくとも2つのスルーホールは基板の第1の表面と第2の表面とを連通しており、且つ少なくとも2つのスルーホールはそれぞれ少なくとも2本の信号線に対応している。少なくとも1つの光電素子は基板の第1の表面に設けられ、且つその両端はパターン回路の少なくとも2本の信号線にそれぞれ電気的に接続されている。駆動回路板は、複数の接続パッド組を備えており、各接続パッド組は各表面実装構造に対応し、且つ各表面実装構造の基板の第2の表面は駆動回路板の複数の接続パッド組を有する表面に設けられ、各接続パッド組は少なくとも2つの接続パッドを有し、少なくとも2つの接続パッドは表面実装構造の少なくとも2つのスルーホールにそれぞれ対応している。1つ又は複数の導電性部材組は1つ又は複数の表面実装構造に対応しており、各導電性部材組は少なくとも2つの導電性部材を有し、少なくとも2つの導電性部材は表面実装構造中の少なくとも2つのスルーホールに対応して設けられるとともに、基板の第1の表面及び第2の表面に延在しており、このうち、各少なくとも2つのスルーホール中に設けられた少なくとも2つの導電性部材はそれぞれ各表面実装構造の少なくとも2本の信号線を駆動回路板の各接続パッド組の少なくとも2つの接続パッドに電気的に接続している。
【0007】
一部実施例において、導電性部材には、はんだペースト、銅ペースト、又は銀ペース
ト、若しくはその組合わせが含まれる。
【0008】
一部実施例において、電子装置は更に、各表面実装構造と対応する駆動回路板との間に設けられ、且つ表面実装構造と対応して設けられたバインダを更に備える
【0010】
一部実施例において、駆動回路板及び基板は一方向で側縁をそれぞれ画定しており、且つ駆動回路板の側縁と基板の側縁とが互いに近接している。
【0011】
一部実施例において、光電素子の個数は複数であり、これら光電素子は画素間隔を画定しており、駆動回路板の側縁と基板の側縁との間隔は該方向で画素間隔の2倍未満である。
【0012】
一部実施例において、電子装置は更に、該スルーホールと少なくとも一部が重なるとともに、該スルーホールに位置する該導電性部材と各該信号線とが延在している導電パッドとにそれぞれ電気的に接続されているサブ導電性部材を備える。
【0013】
一部実施例において、表面実装構造の基板に、第1の表面と第2の表面とを接続する周縁を更に画定しており、少なくとも2つのスルーホールは基板の周縁には位置していない。
【0014】
一部実施例において、表面実装構造及び対応する導電性部材組中にて、これら導電性部材の個数はこれらスルーホールの個数未満である。
【0015】
一部実施例において、表面実装構造には個数が2よりも大きい複数本の信号線及び複数の光電素子が配設されており、各信号線には個数が2よりも大きい複数のスルーホールが対応しており、このうち、少なくとも2つの光電素子は同一の信号線上で同一のスルーホール及びその対応する導電性部材を共用している。
【0016】
一部実施例において、表面実装構造の少なくとも1つの光電素子にはチップ又はパッケージが含まれ、チップ又はパッケージには1つ又は複数の発光ダイオード、1つ又は複数のサブミニ発光ダイオード、1つ又は複数のマイクロ発光ダイオード、又は1つ又は複数のイメージセンサ、若しくはその組合せが含まれる。
【0017】
一部実施例において、表面実装構造中のパターン回路は薄膜配線又は薄膜素子を備える。
【0024】
上記によれば、本発明の電子装置において、表面実装構造は基板と、パターン回路と、少なくとも2つのスルーホールと、少なくとも1つの光電素子とを有しており、パターン回路は少なくとも2本の信号線を備えており、少なくとも2つのスルーホールは基板の第1の表面と第2の表面とを連通しており、且つ少なくとも2つのスルーホールはそれぞれ少なくとも2本の信号線に対応しており、少なくとも1つの光電素子は基板の第1の表面に配設され、且つその両端はパターン回路の少なくとも2本の信号線にそれぞれ電気的に接続されている。駆動回路板の接続パッド組は少なくとも2つの接続パッドを有しており、少なくとも2つの接続パッドはそれぞれ表面実装構造の少なくとも2つのスルーホールに対応している。及び、導電性部材組の少なくとも2つの導電性部材は表面実装構造中の少なくとも2つのスルーホールに対応して設けられるとともに、基板の第1の表面及び第2の表面に延在している。このうち、少なくとも2つのスルーホール中に設けられた少なくとも2つの導電性部材はそれぞれ表面実装構造の少なくとも2本の信号線を駆動回路板の接続パッド組の少なくとも2つの接続パッドに電気的に接続するという設計により、本発明の電子装置及びその製造方法は、従来の表面実装部材と駆動回路板とを電気的に接続する技術とは異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】本発明の一つの実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図である。
【
図1B】
図1A中に示された、1B-1B切断線に沿った断面概略図である。
【
図1C】
図1A中に示された、1C-1C切断線に沿った断面概略図である。
【
図2】本発明の一つの実施例の駆動回路板のレイアウトの概略図である。
【
図3】本発明の一つの実施例の電子装置のレイアウトの概略図である。
【
図4A】本発明の異なる実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図である。
【
図4B】本発明の異なる実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図である。
【
図5A】本発明のまた一つの実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図である。
【
図5B】
図5A中に示された、5B-5B切断線に沿った断面概略図である。
【
図5C】
図5A中に示された、5C-5C切断線に沿った断面概略図である。
【
図5D】
図5A中に示された、5D-5D切断線に沿った断面概略図である。
【
図5E】
図5A中に示された、5E-5E切断線に沿った断面概略図である。
【
図6】本発明のまた一つの実施例の駆動回路板のレイアウトの概略図である。
【
図7】本発明のまた一つの実施例の電子装置のレイアウトの概略図である。
【
図8A】本発明のまた一つの実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図である。
【
図9A】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9B】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9C】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9D】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9E】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9F】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9G】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9H】本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。
【
図9I】
図9H中に示された、9I-9I切断線に沿った断面概略図である。
【
図10A】本発明の他の一つの実施例の電子装置の局部製造手順概略図である。
【
図10B】本発明の他の一つの実施例の電子装置の局部製造手順概略図である。
【
図11A】本発明のまた一つの実施例の電子装置の局部拡大概略図である。
【
図11B】本発明のまた一つの実施例の電子装置の局部拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下にて関連する図面を参照して、本発明の一部実施例に係る電子装置及びその製造方法を説明するが、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
【0027】
本発明の電子装置及びその製造方法は下記する査定待ちの台湾特許出願案に関係するものであり、これらの全ては本出願案と合わせて同じ所有者に帰属しており、これらの各々の特許出願案の全ての内容は参照する方式で本文に組み込んである。
(1)台湾特許出願案第107122662号、発明名称「電子装置及びその製造方法」。
(2)台湾特許出願案第108107174号、発明名称「電子装置及びその製造方法」。
(3)台湾特許出願案第106136523号、発明名称「電子装置及びその製造方法」。及び
(4)台湾特許出願案第106116725号、発明名称「電子装置及びその製造方法」。
【0028】
本発明の電子装置は、少なくとも1つの表面実装構造と、駆動回路板と、少なくとも1つの導電性部材組とを備える。このうち、導電性部材組、表面実装構造、及び駆動回路板のうちの接続パッド組は、その個数が互いに対応するとともに、各導電性部材組の少なくとも2つの導電性部材はそれぞれ各表面実装構造の少なくとも2つのスルーホールに配置されることで、各接続パッド組の少なくとも2つの接続パッドに接触して、各導電性部材組は各表面実装構造を駆動回路板に電気的に接続することができる。表面実装構造、接続パッド組及び導電性部材組の個数を互いに対応させて、接続パッド組中の接続パッド、導電性部材組中の導電性部材と、表面実装構造のスルーホールとを各種個数の配列で組み合わせることで、本発明の電子装置の異なる実施態様を実現することができる。なお、表面実装構造及び駆動回路板は、個別の製造工程により製造された2つの個別の部材であるということが合理的に理解されることができ、しかも本発明でカバーされ、そしてその等価的な実施態様によって、表面実装構造と駆動回路板との間は各種個数の配列で組み合わせることで、互いの組合せの柔軟性、及び応用はかなり広汎に亘ることになる。各実施態様は下記にて分けて説明する。
【0029】
図1Aは本発明一つの実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図であり、
図1B及び
図1Cは、それぞれ
図1A中に示された、1B-1B切断線及び1C-1C切断線に沿った断面概略図であり、
図2は本発明の一つの実施例の駆動回路板のレイアウトの概略図であり、そして、
図3は本発明の一つの実施例の電子装置のレイアウトの概略図である。
【0030】
まず
図3を参照されたい。電子装置1は、複数の表面実装構造2と、駆動回路板3と、複数の導電性部材組とを備える。複数の表面実装構造2は駆動回路板3上に設けられ、且つ対応する導電性部材組を介してそれぞれ駆動回路板3に電気的に接続されている。本実施例の複数の表面実装構造2は、例えば2次元マトリクス配列の方式で駆動回路板3上に設けられることで、駆動回路板3を介してこれら表面実装構造2を駆動する。異なる実施例において、これら表面実装構造2は、例えば1次元マトリクス配列又は不規則の配列といったその他配列方式としてもよく、これに限定されない。ここで、表面実装構造2はパッシブマトリクス(passive matrix, PM)型の光電構造を例としており、パッシブマトリクスの駆動回路板3を組み合わせて、電子装置1をパッシブマトリクス型装置とすることができる。異なる実施例において、アクティブ型の駆動回路板を組み合わせると、電子装置はアクティブマトリクス型装置とすることができる。
【0031】
図1Aないし
図1Cに示すように、各表面実装構造2は、基板21と、パターン回路22と、少なくとも2つのスルーホール23と、少なくとも1つの光電素子24とを備える。
【0032】
基板21には、対向する第1の表面S1と第2の表面S2とが画定されている。このうち、基板21は絶縁基板とするか、又は導電基板に絶縁層を更に増設することができ、基板21は軟質基板又は硬質基板とすることができるが、これに限定されない。
【0033】
パターン回路22は基板21の第1の表面S1上に設けられ、且つパターン回路22は少なくとも2本の信号線L1、L2を備える。一部実施例において、パターン回路22は、例えば導電性配線又は絶縁層といった薄膜配線及び/又は薄膜トランジスタ、キャパシタ又は抵抗器などの素子である薄膜素子を備えることができる。本実施例のパターン回路22は薄膜配線を備えており、しかも2本の信号線L1、L2及び、各信号線L1、L2に接続された導電パターンを備えるものを例としている。また説明するが、パターン回路22は1つの通称であって、基板21上に形成された膜層又は素子であれば、いずれもパターン回路と言うことができる。一部実施例において、パターン回路22は、例えば走査線又はデータ線といった信号を送信するリード線又は配線を備えてもよく、電子装置の機能及び用途に応じて決定してもよい。
【0034】
少なくとも2つのスルーホール23は基板21の第1の表面S1と第2の表面S2(
図1B及び
図1Cも参照)とを連通しており、且つ少なくとも2つのスルーホール23はそれぞれ少なくとも2本の信号線L1、L2に対応している。本実施例の表面実装構造2は、2つのスルーホール23を有し、且つ2つのスルーホール23が、少なくとも2本の信号線L1、L2が延在している導電パッドにそれぞれ位置しているものを例としている。このうち、1つのスルーホール23は信号線L1に対応するとともに、信号線L1を接続する導電パターン上に位置しており、そして他方のスルーホール23は信号線L2に対応するとともに、信号線L2を接続する導電パターン上に位置している。また、本実施例の表面実装構造2の基板21は、第1の表面S1と第2の表面S2とを接続する周縁S3を更に画定しており、そして2つのスルーホール23は基板21の内側に位置しており、基板21の周縁S3上には位置していない。このような設計によって、従来の表面実装部材では基板の周縁上にスルーホールを設けて、且つスルーホール内の導電性材料を用いて駆動回路板に電気的に接続するという手法と比べて、本実施例では2つのスルーホール23が基板21の内側に位置していることから、表面実装構造2を駆動回路板3に電気的に接続する際の占有空間が小さくなり、ひいては電子装置1が同じサイズであるという前提において電子装置1の素子設置密度を向上することができる(つまり電子装置の解像度を向上する)。
【0035】
少なくとも1つの光電素子24は基板21の第1の表面S1に設けられ、且つその両端はパターン回路22の少なくとも2本の信号線L1、L2にそれぞれ電気的に接続されている。光電素子24にはチップ(chip)又はパッケージ(package)が含まれ、チップ又はパッケージは例えば1つ又は複数の発光ダイオード(LED)、1つ又は複数のサブミニ発光ダイオード(mini LED)、1つ又は複数のマイクロ発光ダイオード(micro LED)、若しくは、1つ又は複数のイメージセンサ(image sensor)、若しくはその組合せが含まれるが、これに限定されない。本実施例の光電素子24の個数は1個であり、しかも1つのフリップチップ型の発光ダイオードチップが含まれ、且つ2つの接続パッドP1、P2を介して、信号線L1、L2に接続された導電パターン上に対応するように設けられることで、光電素子24は2つの接続パッドP1、P2を介してパターン回路22の2本の信号線L1、L2に電気的に接続されている。一部実施例において、発光ダイオードチップは例えば赤色光、又は青色光、又は緑色光、又は紫外線、又は赤外線、又はその他波長の光線を出射することができるが、これに限定されない。
【0036】
図2を参照されたい。駆動回路板3は複数の接続パッド組31を備えており、これら接続パッド組31は2次元マトリクス状に配列されている。各接続パッド組31は各表面実装構造2に対応しており、且つ各表面実装構造2の基板21の第2の表面S2は、駆動回路板3にて複数の接続パッド組31を有する表面に設けられている(
図3)。言い換えるならば、本実施例において、各々の表面実装構造2はそれぞれその下表面(第2の表面S2)を介して駆動回路板3の表面の対応する接続パッド組31に設けられている(1つの表面実装構造2は1つの単位の接続パッド組31に対応している)。このうち、各々の接続パッド組31は少なくとも2つの接続パッド311、312を有しており、且つ少なくとも2つの接続パッド311、312はそれぞれ表面実装構造2の少なくとも2つのスルーホール23に対応している。本実施例の各接続パッド組31は2つの接続パッド311、312を有するとともに、それぞれ2つのスルーホール23に対応して設けられたものを例としている(接続パッド311、312の合計個数はスルーホール23の個数と同数である)。このうち、接続パッド311は表面実装構造2のうちの1つのスルーホール23(
図1Aの右上側のスルーホール23)に対応して接続されており、そして接続パッド312は表面実装構造2の他の1つのスルーホール23(
図1Aの左下側のスルーホール23)に対応して接続されている。また、本実施例の駆動回路板3は更に、交差して設けられた複数本のリード線T1、T2を備えてもよく、各接続パッド組31のこれら接続パッド311は、横方向に設けられたリード線T1上に順次設けられており、且つ各接続パッド組31のこれら接続パッド312は、縦方向に設けられたリード線T2上に順次設けられている。
【0037】
再度
図1A及び
図3を参照されたい。複数の導電性部材組はこれら表面実装構造2に対応している。このうち、各導電性部材組は少なくとも2つの導電性部材41を有しており、少なくとも2つの導電性部材41は表面実装構造2における少なくとも2つのスルーホール23に対応して設けられるとともに、基板21の第1の表面S1及び第2の表面S2に延在している。本実施例の各導電性部材組は、2つの導電性部材41を有するものを例としている。導電性部材41の材料には、例えばはんだペースト、銅ペースト、又は銀ペースト、若しくはその組合せが含まれるが、これに限定されない。ここで、各導電性部材組のこの2つの導電性部材41は、各表面実装構造2における2つのスルーホール23内に個別に対応して設けられており(本実施例では、導電性部材41の個数はスルーホール23の個数と同数である)、しかも基板21の第1の表面S1及び第2の表面S2に延在することで、各表面実装構造2の各スルーホール23中に設けられた導電性部材41が、それぞれ各表面実装構造2の2本の信号線L1、L2を駆動回路板3の各接続パッド組31の2つの接続パッド311、312に電気的に接続することができる。言い換えるならば、本実施例は、表面実装構造2の内側に位置する2つのスルーホール23及び2つのスルーホール23内に位置する導電性部材組(2つの導電性部材41)、及び駆動回路板3上の接続パッド組31(接続パッド311、312)を用いて、駆動回路板3が対応する接続パッド311、312、対応する導電性部材41及び対応する信号線L1、L2を介して、対応する光電素子24に電気的に接続されることで、各光電素子24(発光ダイオード)の発光を駆動することができるというものである。
【0038】
そして、
図4A及び
図4Bは、それぞれ本発明の異なる実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図である。
【0039】
上記した実施例の表面実装構造2との主な相違点は、
図1Aの表面実装構造2では2本の信号線L1、L2と、1つの光電素子24しかないのに対し、
図4A及び
図4Bの表面実装構造では、2よりも大きい3本の信号線と、2つの光電素子24とがそれぞれ配設されている点である。このうち、
図4Aの2つの光電素子24は横方向配列(1×2)であるが、
図4Aの2つの光電素子24は縦方向配列(2×1)である。
【0040】
図4Aの表面実装構造には3本の信号線(増設した信号線はL4で表記する)及び2つの光電素子24が配設されている。このうち、左側の光電素子24は信号線L1と信号線L2とに電気的に接続されるとともに、それぞれ信号線L1、L2及び対応する2つのスルーホール23(及び2つの導電性部材、図示せず)を介して、それぞれ駆動回路板(図示せず)に電気的に接続されており、そして右側の光電素子24は信号線L1と信号線L4とに電気的に接続され、且つ信号線L4は対応するスルーホール23(及び導電性部材)を介して駆動回路板に電気的に接続されている。よって、
図4Aの2つの光電素子24は、同一の信号線L1上で同一のスルーホール23(及びその対応する導電性部材)を共用している。このようなスルーホール23を共用するように配設することにより、電子装置の素子設置密度を向上できるのみならず、同じ画素(同数の光電素子24)を維持した状態でも、スルーホールの個数を減らして穴開けコストを削減することもできる。
【0041】
また、
図4Bの表面実装構造にも個数が2よりも大きい3本の信号線(増設した信号線はL3で表記する)及び2つの光電素子24が配設されている。このうち、上側の光電素子24は信号線L1と信号線L2とに電気的に接続されるとともに、それぞれ信号線L1、L2及び対応する2つのスルーホール23(及び2つの導電性部材、図示せず)を介して、それぞれ駆動回路板(図示せず)に電気的に接続されており、そして下側の光電素子24は信号線L2と信号線L3とに電気的に接続され、且つ信号線L3は対応するスルーホール23(及び導電性部材、図示せず)を介して駆動回路板に電気的に接続されている。よって、
図4Bの2つの光電素子24は、同一の信号線L2上で同一のスルーホール23(及びその対応する導電性部材)を共用している。このスルーホール23を共用するように配設することにより、電子装置の素子設置密度を向上して、コストを削減することができる。
【0042】
また、
図5Aないし
図7を参照されたい。このうち、
図5Aは本発明のまた一つの実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図であり、
図5Bないし
図5Eは、それぞれ
図5A中に示された、5B-5B切断線、5C-5C切断線、5D-5D切断線及び5E-5E切断線に沿った断面概略図であり、
図6は本発明のまた一つの実施例の駆動回路板のレイアウトの概略図であり、そして
図7は本発明のまた一つの実施例の電子装置のレイアウトの概略図である。
【0043】
まず
図7を参照されたい。電子装置1aは、複数の表面実装構造2aと、駆動回路板3aと、複数の導電性部材組とを備える。複数の表面実装構造2aは駆動回路板3a上に設けられるとともに、対応する導電性部材組を介してそれぞれ駆動回路板3aに電気的に接続されている。本実施例の複数の表面実装構造2aは、2次元マトリクス配列の方式駆動回路板3a上に設けられ。駆動回路板3aは、これら表面実装構造2aを駆動する。当然のこと、表面実装構造は1次元マトリクス配列に限定されない。本実施例の表面実装構造2aは、パッシブマトリクス式(PM)の光電構造を例としており、パッシブタイプの駆動回路板3aを組み合わせることで、電子装置1aをパッシブマトリクス型装置としている。
【0044】
図5Aに示すように、上記した実施例の表面実装構造2との主な相違点は、
図5Aの表面実装構造2aでは基板21上に4つの光電素子24が設けられており、4つの光電素子24が2×2のマトリクス状に配列されている点である。また、表面実装構造2aは更に、4本の信号線L1、L2、L3、L4を有する。
【0045】
図5Aでは、パターン回路22aは4本の信号線L1、L2、L3、L4を備える以外に、各信号線L1、L2、L3、L4に接続された導電パターンを更に備える。このうち、信号線L1、L3は横方向で配設されるとともに、縦方向に配設された信号線L2、L4と交差することで4つの画素を画定しており、各画素には1つの光電素子24が対応している。また、本実施例のスルーホール23の個数は4つであり、且つ各々の1つのスルーホール23(及び対応する光電素子24)はそれぞれ1本の信号線L1、L2、L3、L4に対応している。このうち、4つのスルーホール23のいずれもが基板21の内側に位置しており、しかも基板21の周縁S3には位置していないことから、これにより、従来のものと比べて、同じサイズであるという前提にて電子装置1aの素子設置密度を向上することができる。
【0046】
また、
図6に示すように、本実施例の駆動回路板3aの各接続パッド組は8つの接続パッド311、312、…318を有する。
図6の左上側領域Aの接続パッド組を例とすると、このうちの4つの接続パッド311、312、317、318はそれぞれ表面実装構造2aの4つのスルーホール23に対応している。本実施例の接続パッド311~318の個数(8つ)がスルーホール23の個数(4つ)よりも多く、各導電性部材組の導電性部材41の個数もまたスルーホール23の個数と同数である。
【0047】
説明したいことは次の点である。即ち、異なる実施例において、表面実装構造と駆動回路板とを電気的に接続した構成を保持して、表面実装構造及び対応する導電性部材組にて、もしこれら導電性部材41の個数がこれらスルーホール23の個数よりも少なければ、スルーホール23が多くなる(ドリル穴をより多く開ける)。しかし導電性部材41が少ないとき、各表面実装構造中の各々1つのスルーホール23中に導電性部材41を配設せずとも対応する光電素子を駆動することができる。よって、これら導電性部材41の個数はこれらスルーホール23の個数よりも少なくすることができ、少なくとも2つの光電素子が同一の信号線上で同一のスルーホール23を共用し、及び上記したスルーホール23に対応する導電性部材41を共用する設計により、電子装置の製造コストを削減でき(それほど多くの導電性部材41を配設する製造工程を必要とせず、コストを低くできる)、同時に電子装置を同じ画素(同数の光電素子24)の状態を維持することができる、ということである。当業者が使用者の異なるニーズを柔軟に満たすために、同数の表面実装構造を製造するという状況にて、個数がスルーホールと同数又はスルーホールよりも少ない導電性部材を選択することができ、表面実装構造と駆動回路板との電気的な接続を保持して、駆動回路板を用いてこれら表面実装構造上の光電素子を駆動するようにするだけでよい。また、導電性部材のスルーホールを配設しなくとも、上記した製造工程にて不具合が生じた場合には、電気的な接続の補強用として導電性部材を再度設置してもよい。
【0048】
また、再度
図5A及び
図6を参照されたい。本実施例の表面実装構造2aでは、信号線L1で電気的に接続された2つの上側(横方向)の光電素子24で言えば、この2つの光電素子24は同一の信号線L1上で同一のスルーホール23及びその対応する導電性部材41も共用しており、そして駆動回路板3aの対応する接続パッド311に電気的に接続されている。信号線L3で電気的に接続された2つの下側(横方向)の光電素子24で言えば、この2つの光電素子24は同一の信号線L3上で同一のスルーホール23及びその対応する導電性部材41も共用しており、そして駆動回路板3aの対応する接続パッド317に電気的に接続されている。
【0049】
また、更に、信号線L2で電気的に接続された2つの左側(縦方向)の光電素子24で言えば、この2つの光電素子24は同一の信号線L2上で同一のスルーホール23及びその対応する導電性部材41も共用しており、そして駆動回路板3aの対応する接続パッド312に電気的に接続されている。更に、信号線L4で電気的に接続された2つの右側(縦方向)の光電素子24で言えば、この2つの光電素子24は同一の信号線L4上で同一のスルーホール23及びその対応する導電性部材41も共用しており、そして駆動回路板3aの対応する接続パッド318に電気的に接続されている。これらスルーホール23を共用するように配設することで、電子装置1aの素子設置密度を向上するのみならず、コストも削減することができる(ドリル穴は光電素子24(画素)よりも少ないため)。
【0050】
また、
図8Aは本発明の又一つの実施例の表面実装構造のレイアウトの概略図であり、そして
図8Bは
図8Aの表面実装構造の回路概略図である。
図8A及び
図8Bに示すように、本実施例の表面実装構造2bはアクティブマトリクス(active matrix, AM)型の光電構造を例としており、アクティブタイプの駆動回路板(図示せず)を組み合わせて、構成された電子装置をアクティブマトリクス型装置とすることができる。一部実施例において、複数の表面実装構造2bは2次元マトリクス配列の方式、又はその他配列方式で対応する駆動回路板上に配設することで、駆動回路板を介してこれら表面実装構造2bの光電素子24を駆動することができる。
【0051】
図8Aに示すように、上記した実施例の表面実装構造2aとの主な相違点は、本実施例の表面実装構造2bは9つの光電素子24を有し、且つ3×3のマトリクス配列に配列されている点である(合計9つの画素を有する)。このうち、各光電素子24(各画素)は3つの発光ダイオード(LED)を備えることで3つのサブ画素を構成しており、各サブ画素はそれぞれ1つの発光ダイオードチップを備えることができ、且つ3つのサブ画素中の3つの発光ダイオードはそれぞれ赤色、青色及び緑色のLEDとすることで、フルカラーの画素を形成して、これによりフルカラーのLEDディスプレイを構成することができる。
【0052】
図8Aの左上隅の画素を例とすると、パターン回路22bの信号線は、横方向に配置され且つ隣接する画素に接続された複数の信号線Vscan、V-LEDと、縱方向に配置され且つ隣接する画素に接続された信号線Vdata-R、Vdata-G、Vdata-B、VDD-R、VDD-G、VDD-Bとを備える。これ以外に、パターン回路22bは更に、領域B中に位置する薄膜素子、回路及び各信号線に接続された導電パターンを備えることができる。具体的には
図8Aを参照されたい。このうち、領域B中の薄膜回路には、
図8Bに示すような2T1C回路構成が含まれ得る(
図8Aには図示せず)。
図8Bの2T1C回路構成中には、2つのトランジスタT3、T4と複数本の信号線を備える以外に、更にキャパシタCを備えることができる。2T1C回路構成の素子接続関係は
図8Bを参照できることから、ここでは別途説明しない。異なる実施例において、領域B中の薄膜回路は例えば4T2C又は5T1Cといったその他の回路構成としてもよい。
【0053】
したがって、信号線Vscanが伝送する走査信号がトランジスタT3を導通させると、データ信号を信号線Vdataを介してトランジスタT3を通じてトランジスタT4のゲート電極に送信して、トランジスタT4を導通させて、データ電圧が信号線VDD、トランジスタT4を介して対応する光電素子24に送信されることで光電素子24を発光させる。当業者は、
図8Bの回路構成及び
図8Aの素子配置に基づいて、各画素の動作原理及び詳細な手順を理解することができることから、ここでは別途説明しない。
【0054】
また、
図8Aの左上隅の画素のスルーホール23の個数は4つであり(表面実装構造2b全般で24個のスルーホール23を有する)、且つこれらスルーホールに設けられた対応する導電性部材(図示せず)を介して対応する駆動回路板(図示せず)にそれぞれ電気的に接続されることで、駆動回路板を介して表面実装構造2bの光電素子24を発光させるように駆動する。また、
図8Aの表面実装構造2bにもスルーホール23を共用するが配設を有する。
【0055】
本実施例の表面実装構造2bの24個のスルーホール23はいずれもが基板21の内側に位置するとともに、基板21の周縁S3上には位置していない。これにより、電子装置が同じサイズであるという前提において電子装置の素子設置密度を向上することができ、つまりは同じサイズの電子装置では画素数を向上することができる。また、本実施例の各導電性部材組の導電性部材の個数もまたスルーホール23の個数と同数である。異なる実施例において、表面実装構造2bと駆動回路板とを電気的に接続した構成を保持して、表面実装構造2b及び対応する導電性部材組にて、もしこれら導電性部材の個数がこれらスルーホール23の個数よりも少なければ、スルーホール23が多くなるが、しかし導電性部材が少ないとき、各表面実装構造2b中の各々1つのスルーホール23中に導電性部材を配設せずともその対応する光電素子24を駆動することができるため、よって、これら導電性部材の個数はこれらスルーホール23の個数よりも少なくすることができ、電子装置の製造コストを削減できる。
【0056】
また、本発明では電子装置の製造方法を提示しており、以下を含むことができる。各々が、基板と、パターン回路と、少なくとも2つのスルーホールと、少なくとも1つの光電素子とを備える複数の表面実装構造を準備する。基板には対向する第1の表面及び一第2の表面が画定されている。パターン回路は該基板の該第1の表面に形成されており、該パターン回路は少なくとも2本の信号線を備える。少なくとも2つのスルーホールは該基板の該第1の表面と該第2の表面とを連通し、且つ該少なくとも2つのスルーホールはそれぞれ該少なくとも2本の信号線に対応している。少なくとも1つの光電素子は該基板の該第1の表面に設けられ且つその両端はパターン回路も該少なくとも2本の信号線にそれぞれ電気的に接続されている(ステップS01)。駆動回路板を準備するとともに、各該表面実装構造の該基板の該第2の表面を該駆動回路板の複数の接続パッド組を有する表面にそれぞれ設けることであり、このうち、各該接続パッド組は各該表面実装構造に対応するとともに、少なくとも2つの接続パッドを有しており、該少なくとも2つの接続パッドは該表面実装構造の該少なくとも2つのスルーホールにそれぞれ対応している(ステップS02)。及び、各該表面実装構造の該少なくとも2つのスルーホール中に導電材料を設けて少なくとも2つの導電性部材を形成し、該少なくとも2つの導電性部材を該基板の該第1の表面及び該第2の表面に延在させるとともに、各該少なくとも2つのスルーホール中の該少なくとも2つの導電性部材をそれぞれ各該表面実装構造の該少なくとも2本の信号線を該駆動回路板の各該接続パッド組の該少なくとも2つの接続パッドに電気的に接続する(ステップS03)。このうち、ステップS02とステップS03との順序は交換可能である。言い換えれば、まずステップS03の導電材料を設ける製造工程の後、各表面実装構造をそれぞれ駆動回路板上に設けてもよい。
【0057】
以下、
図9Aないし
図9Hを参照して、上記した製造方法を説明する。このうち、
図9Aないし
図9Hはそれぞれ本発明の一つの実施例の電子装置の製造手順概略図である。ここで、上記した
図7の電子装置1aの製造方法を例としているが、当業者は、電子装置1aの製造方法からその他実施例の電子装置の製造手順を類推できる。
【0058】
以下では、まず電子装置1aの複数の表面実装構造2aの製造手順を紹介する。
【0059】
図9Aに示すように、まず大面積の基板21上に、複数本で配列され且つ横方向配置された信号線L1、L3、及び各信号線L1、L3に接続された導電パターンを形成する。続いて、基板21上に、複数本で配列され且つ縦方向配置された信号線L2、L4、及び各信号線L2、L4に接続された導電パターンを形成することで、複数のパターン回路22aを得る。このうち、信号線L1、L3と信号線L2、L4との短絡を防止するために、信号線L2、L4及びこれに接続された導電パターンを形成する前に、信号線L1、L3及びその導電パターン上を絶縁層で被覆して(
図9Aでは図示せず)、更に信号線L2、L4及びこれに接続された導電パターンを形成する。
【0060】
ここでは、基板21には対向する第1の表面S1及び第2の表面S2が画定されており、パターン回路22aは第1の表面S1上に形成されている。一部実施例において、基板21は硬質基板又は軟質基板とすることができる。もし基板21が軟質基板であるとき、後々に素子を後続の製造工程を通じて軟質基板上にスムースに形成することができるようにし、しかもこの軟質基板を取り扱いしやすくするために、まず軟質基板を硬質キャリア板上に形成するとともに、その後のステップ中にて硬質キャリア板を除去することができる。もし基板21が硬質基板であるとき、この手順は必要としない。基板21の材質はガラス、樹脂、金属又はセラミックス、又は複合材質とすることができる。このうち、樹脂材質は可撓性を有するとともに、有機高分子材料を含み、有機高分子材料のガラス転移温度(Glass Transition Temperature、 Tg)は例えば250℃ないし600℃の間とすることができ、好ましい温度範囲は例えば300℃ないし500℃の間とすることができる。このように高いガラス転移温度により、後続の製造工程にて基板21上に直接薄膜製造工程を行って薄膜トランジスタ及びその他素子又は配線を形成することができる。前記した有機高分子材料は熱可塑性材料、例えばポリイミド(PI)、ポリエチレン(Polyethylene、 PE)、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride、 PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリル(アクリル酸、acrylic)、フルオロポリマー(Fluoropolymer)、ポリエステル繊維(polyester)又はナイロン(nylon)とすることができる。
【0061】
回路22aの材料は金属(例えばアルミニウム、銅、銀、モリブデン、チタン)又はその合金により構成される単層又は多層構造を使用することができる。ここで、薄膜製造工程を用いて、基板21上にパターン回路22aを形成することができる。パターン回路22aは基板21上に直接形成することができる。又は、パターン回路22aは基板21上に間接的に形成してもよく、例えば両者の間にはバッファ層又は絶縁層を有するが、これに限定されない。上記した薄膜製造工程は、低温ポリシリコン(LTPS)製造工程、アモルファスシリコン(a-Si)製造工程又は金属酸化物(例えばIGZO)半導体製造工程等を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0062】
図9Bに示すように、更に複数の接続パッド組(接続パッドP1、P2)を、各信号線L1、L2に対応して接続された導電パターン上に形成する。接続パッドP1、P2の材料は例えば銅、銀又は金、又はその組合わせ、又はその他適した導電材料であるが、これに限定されない。一部実施例において、厚めの接続パッドP1、P2を製作するために、例えば電気めっき、プリント、又は蒸着剥離パターニング(Lift-off patterning)製造等方式で接続パッドP1、P2を製作することができる。
【0063】
図9Cに示すように、続いて、更に基板21上に選択的に穴開けを行って複数のスルーホール23を形成するが、このうち、各スルーホール23は基板21の第1の表面S1と第2の表面S2とを連通し、且つこれらスルーホール23はそれぞれ信号線L1~L4に対応している。一部実施例において、複数の表面実装構造を準備するステップ中には更に、表面実装構造2aの各信号線L1~L4には個数が2よりも大きい複数のスルーホール23を対応させるステップを含むことができる。スルーホール23を共用する方式によって、電子装置の素子設置密度を向上できるのみならず、コストも削減できる。言及しておきたいことは、上記した接続パッドP1、P2の製作と、選択的に穴開けを行う順序は入れ替えてもよい、ということである。
【0064】
図9Dに示すように、続いて、光電素子24の設置工程を行って、複数の光電素子24を対応する接続パッドP1、P2上にそれぞれ設けて、光電素子24の2つの端をそれぞれ接続パッドP1、P2を介してパターン回路22の対応する信号線L1~L4に電気的に接続することができる。
【0065】
その後、
図9Eに示すように、切断工程を行って、複数の表面実装構造2aを得る。
図9Eの表面実装構造2aの構造は
図5Aと同じであることから、詳細な技術内容は上記した
図5Aないし
図5E及びその対応する説明を参照できるため、ここでは別途説明しない。一部実施例において、複数の表面実装構造2aを準備するステップ中には更に、各表面実装構造2aに複数の光電素子24を設けるステップを含むことができ、このうち各光電素子24一個又は複数のチップを含む。言及しておきたいことは、切断工程は
図9Dの後に限定されず、
図9A、
図9B、又は
図9Cの後に行ってもよく、各階段設備及びその対応する後工程の製造工程能力により決定することができる、ということである。
【0066】
その後、更に
図9Eのこれら表面実装構造2aを
図9Fの駆動回路板3aに順次設ける。しかしながら、これら表面実装構造2aを駆動回路板3aに順次設ける前に、これら表面実装構造2aを仮止めするために、
図9Fを参照するに、駆動回路板3aを提供するステップ中には更に、複数のバインダ5を駆動回路板3aにて複数の接続パッド組を有する表面上に形成するとともに、各バインダ5を対応させて表面実装構造2aを駆動回路板3aに位置決めするステップを含む。ここで、各バインダ5は例えばレッドグルーであり、各表面実装構造2a(一時的に)を駆動回路板3a上に固定する(
図9G)。その後、
図9Hに示すように、更にスルーホール23内にて導電材料の設置工程を行う。ここで、導電材料をこれらスルーホール23にジェットプリントする方式でこれら導電性部材41を形成して、各導電性部材41をそれぞれ基板21の第1の表面S1及び第2の表面S2に延在させることができ(
図9I)、更にリフロー(reflow)製造工程を行った後、各表面実装構造2aと駆動回路板3aとを電気的に接続する。このうち、導電材料は、例えばはんだペースト、シルバーペースト、又は異方性導電性接着剤、その組合わせ、又はその他適した材料を含むことができるが、これに限定されない。本実施例では、導電材料を選択的にジェットプリント(Jetting)する方式でこれらスルーホール23中にこれら導電性部材41を形成する。ジェットプリント工程を利用できる以外に、異なる実施例においては更に、例えばディスペンシング(dispensing)、スパッタリング(sputtering)、又は電気めっき(electroplating)等方式を選択的に用いて導電材料を設けることができるが、これに限定されない。一部実施例において、導電材料を設けるステップ中には更に、導電材料をこれらスルーホール23中に選択的にジェットプリントすることで、これら導電性部材41を形成することを含み、これら導電性部材41の個数をこれらスルーホール23の個数未満として、電子装置の製作コストを削減できる。
【0067】
更に説明したいことは次の点である。即ち、
図9G中では、導電材料(導電性部材41)はスルーホール23中にはまだ設けられていないため、導電材料を設けるステップの前、又はその後、製造方法は更に以下を含むことができる。各表面実装構造2aの基板21を封止層(又は保護層/絶縁層、図示せず)で不連続的に敷設することで、各光電素子24を被覆するが、該封止層はこれらスルーホール23を被覆してはならない(そうでなければ導電材料を充てんできない)。このうち、封止層は樹脂トランスファー成型(Resin Transfer Molding)又はシーラントのディスペンシング又はその他適当な方式で光電素子24及びパターン回路22a上を被覆することで、光電素子24及びパターン回路22aに異物が混入することを防止すること、及び後続の製造工程での光電素子24及びパターン回路22aの破損から保護することができる。また、一部実施例において、導電材料を設けることでこれら導電性部材41を形成するステップの後、更に以下を含むことができる。各表面実装構造2aの基板21に封止層を連続的又は不連続的に敷設することで、各光電素子24を被覆する。ここでは、
図9H中にてすでに導電性部材41の設置工程を行っていることから、封止層を用いて、各表面実装構造2aの基板21第1の表面S1上の素子、パターン又は回路(スルーホール23を含む)に異物が混入する、及び後続の製造工程での破損から保護することができる。
【0068】
【0069】
理解を助けるために、
図10Aを
図9Dの後続の説明とする。
図9Dの後、同様にパターン回路22a、接続パッドP1、P2、スルーホール23等が配設された基板21に切断工程を行う。しかしながら、
図9Eとの相違点は、本実施例では、基板21は切断後に駆動回路板のサイズに近くなる点である。ここで、
図10Aの駆動回路板は
図6又は
図9Fの駆動回路板3aとすることができる。よって、
図9Gの表面実装構造2aのサイズは駆動回路板3aのサイズよりも遥かに小さく、且つ複数の表面実装構造2aを駆動回路板3a上にアレイ配置している。一方、
図10Aの本実施例中では、1つの表面実装構造2cは駆動回路板3a上に対応して設けられている(本実施例中では、駆動回路板3aのサイズは概ね表面実装構造2cよりも大きい)。しかしながら、基板21に対する切断は、同様に
図9Aないし
図9E中の2つのステップの間で行われるが、最終的に表面実装構造2cと駆動回路板3aとが一対一で配置されればよい。
【0070】
同様に、表面実装構造2cを仮止めするために、少なくとも1つのバインダ5を駆動回路板3a上に予め設けるとともに、
図10Bに示すように、選択的にスルーホール23c内で導電材料の設置工程を行うが、上記したように、ジェットプリントで導電材料をこれらスルーホール23cに選択的に設ける方式、及び後続のリフロー工程を用いて、これら導電性部材41cを形成することができる。本実施例において、互いに対応する表面実装構造2c、接続パッド組及び導電性部材組の個数はいずれも1つであって、このうち、表面実装構造2cは複数のスルーホール23cを有し、接続パッド組は複数の接続パッドを有し、導電性部材組は複数の導電性部材41cを有する。上記した三者の実施形態及び配列組合せもまた上記したいくつかの実施例に類似しており、例えばスルーホール23cは同様に基板21の周縁に選択的に位置しないようにしており、導電性部材41cの個数はスルーホール23cの個数に相当するものであって、及び表面実装構造2cには個数が2よりも大きい複数本の信号線及び複数の光電素子24が配設されており、各信号線には個数が2よりも大きい複数のスルーホール23cが対応しており、このうち、少なくとも2つの光電素子24は同一の信号線上で同一のスルーホール23c及び上記したスルーホール23cに対応する導電性部材41cを共用している。また、
図10A、
図10Bのスルーホール23cではすでに最少個数の配置を採用しているが、一部スルーホールの個数が最少個数の配置ではない実施形態においては、導電性部材41cの個数はスルーホール23cの個数未満を選択することができる。
【0071】
説明したいことは、上記した基板21のサイズ及び駆動回路板3aのサイズは少なくとも1つの方向で互いに近い、ということである。例えば、基板21は駆動回路板3aよりもX軸方向で概ね長く、概ね短く又は同じとすることができる。
図10A、
図10Bの実施例に示すように、駆動回路板3a及び基板21はX軸方向で2つの側縁30a、210をそれぞれ画定しており、基板21の2つの対向する側縁210はX軸方向でいずれも駆動回路板3aの2つの対向する側縁30aよりも概ね短いが、これに限定されない。言い換えれば、駆動回路板及び基板は少なくとも1つの方向で少なくとも1つの側縁をそれぞれ画定しており、且つ駆動回路板の側縁と基板の側縁とには間隔を画定しているが、この間隔は0としてもよく、0としなくてもよい。駆動回路板及び基板はX軸(又はY軸)方向でいずれも2つの側縁を画定しているが、駆動回路板の側縁と基板の側縁との間隔は一致又は対称に限定されるものではないということに注目できる。駆動回路板の側縁と基板の側縁との間隔が0であるとき、2つの側縁は互いに揃っている。
【0072】
また、上記した光電素子の個数が複数であると、これら光電素子は画素間隔を画定することができ、駆動回路板の側縁と基板の側縁との間の間隔がもし所定距離未満、例えばX軸(又はY軸)方向での画素間隔の2倍未満である場合、他の同じ又は近い構造の電子装置との結合に有利になる。例えば、一部実施例において、複数の電子装置はX軸(Y軸)方向で互いに結合しており、このうち、電子装置はX軸方向で、駆動回路板の側縁と基板の側縁との間隔を画素の2倍未満に設定し、1つ前の電子装置と結合する他の1つの電子装置もまたX軸方向となり、同様に、駆動回路板の側縁と基板の側縁との間隔が画素間隔の2倍未満に設定すると、2つの電子装置の間の画素間隔は各該電子装置の画素間隔の2倍未満となる。
【0073】
図11A及び
図11Bは、それぞれ本発明のまた一つの実施例の電子装置の局部拡大概略図である。
図11Aに示すように、本実施例と上記した実施例の表面実装構造2cとの主な相違点は、
図11Aの表面実装構造2dは基板21上にて、スルーホール23dは少なくとも2本の信号線が延在している導電パッドL1d、L2dにそれぞれ位置しており、導電材料(導電性部材41d)はスルーホール23dに設けられた後、更にスルーホール23d上方にサブ導電性部材42dが設けられており、そしてサブ導電性部材42dはスルーホール23d、導電パッドL1d(又は同時にスルーホール23d、導電パッドL2dと)と少なくとも一部が重なっている点である。運用例では、リフロー工程にてサブ導電性部材42dを同時にそれぞれ導電性部材41d、導電パッドL1d(導電パッドL2d)に電気的に接続して、サブ導電性部材42dは導電性部材41dに適当な作用力を提供して、導電性部材41がスルーホール23内に縮退してしまって導電パッドL1d(導電パッドL2d)に効果的に電気的に接続しづらくなる確率を低減する。一部実施例において、サブ導電性部材42dはマイクロ抵抗器、例えばサイズが0402(0.04インチ×0.02インチ)であるマイクロ型抵抗器とすることができる。一部実施例において、サブ導電性部材42dの個数は導電性部材41dの個数に合わせて配置することができる。また、一部実施例において、
図11Bに示すように、表面実装構造2eは基板21上にて、各スルーホール23eは少なくとも2本の信号線が延在している導電パッドL1e、L2eにそれぞれ隣接しており、サブ導電性部材42eはスルーホール23e及び導電パッドL1e(導電パッドL2e)と少なくとも一部が重なり、且つサブ導電性部材42eはそれぞれ同時に導電性部材41e、導電パッドL1e(導電パッドL2e)に電気的に接続されている。
【0074】
上記をまとめるに、本発明の電子装置及びその製造方法では、少なくとも1つの表面実装構造は少なくとも1つの導電性部材組を介して駆動回路板に接続されており、表面実装構造及び駆動回路板の個数配置は複数対1、1対1とすることができ、場合によっては特定の考慮の下で1対複数の配置とすることができる。各々の表面実装構造は基板と、パターン回路と、少なくとも2つのスルーホールと、少なくとも1つの光電素子とを有しており、パターン回路は少なくとも2本の信号線を備えており、少なくとも2つのスルーホールは基板の第1の表面と第2の表面とを連通しており、且つ少なくとも2つのスルーホールはそれぞれ少なくとも2本の信号線に対応しており、少なくとも1つの光電素子は基板の第1の表面に配設され、且つその両端はパターン回路の少なくとも2本の信号線にそれぞれ電気的に接続されている。駆動回路板の接続パッド組は少なくとも2つの接続パッドを有しており、少なくとも2つの接続パッドはそれぞれ表面実装構造の少なくとも2つのスルーホールに対応している。各々の導電性部材組の少なくとも2つの導電性部材は、表面実装構造中の少なくとも2つのスルーホールに対応して設けられるとともに、基板の第1の表面及び第2の表面に延在している。このうち、少なくとも2つのスルーホール中に設けられた少なくとも2つの導電性部材はそれぞれ表面実装構造の少なくとも2本の信号線を駆動回路板の接続パッド組の少なくとも2つの接続パッドに電気的に接続している。個別の製造工程により製造され且つ互いに独立した表面実装構造及び駆動回路板は、本発明でカバーされており、しかもその均等の実施形態によって、表面実装構造と駆動回路板との間で各種個数の配列組合せが可能であり、互いの組合せの柔軟性はかなり高い。同時に、表面実装構造と駆動回路板とが互いに独立して同一製造工程で製作されるものではないことから、例えば異なる設計が原因でフォトマスクを再製作する等のステップをなくして、コストを削減することができる。本発明の電子装置及びその製造方法は、従来の表面実装部材と駆動回路板とを電気的に接続する技術とは異なっている。
【0075】
また、互いに独立した表面実装構造及び駆動回路板は、例えばポリイミド基板で作成される表面実装構造と、耐熱性レベルがFR4であるエポキシ樹脂を基礎とした駆動回路板とを互いに組み合わせて、ポリイミド基板上では精密工程を行うことができるというアドバンテージと、エポキシ樹脂の駆動回路板の堅牢性(robustness)とを同時に結合させることができる。このうち、互いに独立した異質材料を結合するという長所は、基板サイズと駆動回路板サイズとが近いとき(例えば少なくとも1つの方向の上で、駆動回路板の側縁と基板の側縁とが互いに近い)、この長所はより突出する。
【0076】
また、電子装置は、サブ導電性部材、又は更にサブ導電性部材に接続したサブ導電パッドを設けることができるものであり、サブ導電性部材は導電性部材に適当な作用力を提供して、導電性部材がスルーホール内に縮退してしまい導電パッドに効果的に電気的に接続しづらくなる確率を低減する。
【0077】
また、本発明の一部実施例では、表面実装構造のスルーホールを共用する配置により、電子装置の素子設置密度を向上できるのみならず、電子装置のコストも削減できる。また、本発明の一部実施例では、電子装置のこれら導電性部材の個数を表面実装構造のこれらスルーホールの個数未満とすることで、電子装置のコストも削減できる。
【0078】
言及しておきたいことは次の点である。即ち、本発明の電子装置は導電性部材組、表面実装構造、駆動回路板の個数配置を制限するものではない。各々の素子の助数詞(measure words)又は先行詞(antecedent basis)は「少なくとも1つ」又は「1つ」に限定されるものではなく、本発明中の「1つ」は、「1つ」又は「少なくとも1つ」として理解されるのが好ましいことから、読解と理解を助けるために、本発明では助数詞又は先行詞「1つ」をもって各々の実施例を説明している。しかしこれ故に各々の実施例に対する理解に限定するというものではない。言い換えれば、本発明は同様に「少なくとも1つ」で各々の実施例を展開することができ、例えば、本発明の電子装置は、少なくとも1つの表面実装構造と、少なくとも1つの駆動回路板と、少なくとも1つの導電性部材組とを備える、という具合である。少なくとも1つの表面実装構造は、基板と、パターン回路と、少なくとも2つのスルーホールと、少なくとも1つの光電素子とを有する。基板には、対向する第1の表面と第2の表面とが画定されている。パターン回路は基板の第1の表面上に設けられ、パターン回路は少なくとも2本の信号線を備える。少なくとも2つのスルーホールは基板の第1の表面と第2の表面とを連通しており、且つ少なくとも2つのスルーホールはそれぞれ少なくとも2本の信号線に対応している。少なくとも1つの光電素子は基板の第1の表面に設けられ、且つその両端はパターン回路の少なくとも2本の信号線にそれぞれ電気的に接続されている。少なくとも1つの駆動回路板は、少なくとも1つの接続パッド組を備え、少なくとも1つの接続パッド組は少なくとも1つの表面実装構造に対応しており、且つ少なくとも1つの表面実装構造の基板の第2の表面は少なくとも1つの駆動回路板の少なくとも1つの接続パッド組を有する表面に設けられており、少なくとも1つの接続パッド組は少なくとも2つの接続パッドを有し、少なくとも2つの接続パッドはそれぞれ少なくとも1つの表面実装構造の少なくとも2つのスルーホールに対応している。少なくとも1つの導電性部材組は少なくとも1つの表面実装構造に対応しており、少なくとも1つの導電性部材組は少なくとも2つの導電性部材を有し、少なくとも2つの導電性部材は少なくとも1つの表面実装構造中の少なくとも2つのスルーホールに対応して設けられるとともに、基板の第1の表面及び第2の表面に延在している。このうち、少なくとも2つのスルーホール中に設けられた少なくとも2つの導電性部材はそれぞれ少なくとも1つの表面実装構造の少なくとも2本の信号線を少なくとも1つの駆動回路板の少なくとも1つの接続パッド組の少なくとも2つの接続パッドに電気的に接続している。
【0079】
上記は単に例示に過ぎず、限定するものではない。本発明の技術思想及び範囲を超えることなく、これに対して行う等価の修正又は変更のいずれも、別紙の特許請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0080】
1,1a,1b,1c,1d,1e 電子装置
2,2a,2b,2c,2d,2e 表面実装構造
21 基板
22,22a,22b パターン回路
23,23c,23d,23e スルーホール
24 光電素子
210,30a 側縁
3,3a 駆動回路板
31 接続パッド組
311~318 接続パッド
41,41c,41d,41e 導電性部材
42d,42e サブ導電性部材
5 バインダ
1B-1B,1C-1C,5B-5B,5C-5C,5D-5D,5E-5E,9I-9I
切断線
A,B 領域
C キャパシタ
L1,L2,L3,L4,Vdata,Vdata-R,Vdata-G,Vdata-B,VDD,VDD-R,VDD-G,VDD-B,V-LED,Vscan 信号線
L1d,L2d,L1e,L2e 導電パッド
P1,P2 接続パッド
S1 第1の表面
S2 第2の表面
S3 周縁
T1,T2 リード線
T3,T4 トランジスタ