(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電動工具に接続可能なソケット又はビットのための携帯型ソケットホルダ
(51)【国際特許分類】
B25H 3/06 20060101AFI20240920BHJP
B25B 23/14 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B25H3/06
B25B23/14 640Z
B25B23/14 620J
(21)【出願番号】P 2021576015
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2020066680
(87)【国際公開番号】W WO2020254353
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-04-05
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】502212604
【氏名又は名称】アトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルグレン カール ヨハン エリク
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-352663(JP,A)
【文献】特表2013-508826(JP,A)
【文献】特開2016-120543(JP,A)
【文献】特開2006-072599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/06
B25B 23/14
B25F 5/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具に接続可能なソケット又はビットのための携帯型ソケットホルダ(10)であって、
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、
異なるタイプのソケット又はビットのためのソケット区画(20)と、
ソケット区画(20)を視覚的に指示するように配置された視覚的指示手段(30)と、
前記携帯型ソケットホルダの絶対位置を取得するように適応された位置モジュール(161)を有するプロセッサ(160)と、
前記プロセッサによって実行可能な命令を含むメモリと、
を備え、
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、前記携帯型ソケットホルダの絶対位置に基づいて、前記視覚的指示手段(30)によってソケット区画(20)を視覚的に指示するように動作し、
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、さらに、前記携帯型ソケット
ホルダの絶対位置が許可された領域の外側にある場合に、前記携帯型ソケットホルダに関連する電動工具をロックするようにさらに動作する、ことを特徴とする携帯型ソケットホルダ(10)。
【請求項2】
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、前記電動工具が実行するように命令される締結プログラムに基づいて、正しいソケット区画を視覚的に指示するようにさらに動作する、請求項1に記載の携帯型ソケットホルダ(10)。
【請求項3】
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、前記携帯型ソケットホルダの絶対位置に基づいて、前記電動工具が実行すべき正しい締結プログラムの設定を開始するようにさらに動作する、請求項2に記載の携帯型ソケットホルダ(10)。
【請求項4】
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、ソケット又はビットがソケット区画から取り出されたか否かを感知するようにさらに動作する、請求項1から3のいずれかに記載の携帯型ソケットホルダ(10)。
【請求項5】
前記携帯型ソケットホルダ(10)は、視覚的に指示されていないソケット区画からソケット又はビットが取り出された場合に、前記携帯型ソケットホルダ(10)のオペレータに通知するようにさらに動作する、請求項4に記載の携帯型ソケットホルダ(10)。
【請求項6】
電動工具に接続可能なソケット又はビットのためのソケット区画と、前記ソケット区画(20)を視覚的に指示するように配置された視覚的指示手段(30)とを備える携帯型ソケットホルダ(10)における方法であって、
前記携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値を取得するステップ(S100)と、
前記
携帯型ソケットホルダの絶対位置に基づいて、前記電動工具に接続されるべきソケット又はビットのためのソケット区画(20)を視覚的に指示するステップ(S200)と、
前記携帯型ソケット
ホルダの絶対位置が許可された領域の外側にある場合に、前記携帯型ソケットホルダに関連する電動工具をロックするステップと、を含む、方法。
【請求項7】
前記ソケット区画(20)を視覚的に指示するステップは、前記電動工具が実行するように命令される締結プログラムに基づいて、ソケット区画(20)を視覚的に指示するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記携帯型ソケットホルダの絶対位置に基づいて、前記電動工具が実行するように命令される締結プログラムの設定を開始するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ソケット又はビットがソケット区画から取り出されたか否かを感知するステップをさらに含む、請求項6から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
視覚的に指示されていないソケット区画からソケット又はビットが取り出された場合に、前記携帯型ソケットホルダ(10)のオペレータに通知するステップをさらに含む、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記携帯型ソケットホルダ(10)のプロセッサで実行されると、前記携帯型ソケットホルダ(10)に請求項6から10のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータコードを含むコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、電動工具のためのアクセサリに関し、より詳細には、携帯型ソケットホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な産業において、多くの場合、様々なタイプの電動工具が使用される。使用される電動工具の1つのタイプは、ねじ又はボルトを締結するための電動工具である。これらの電動工具は、ビット又はソケットが配置される回転可能な出力軸を備える。このビット又はソケットは、締結されるべきねじ又はボルトの特定の種類に適合する。また、締結されるべきねじ又はボルトの種類に合わせて電動工具を正しい動作モードに設定することも重要である。これは、例えば正しいトルク又は角度でねじ又はボルトを締結するためである。
【0003】
締結されるべきねじ又はボルトの種類は、電動工具が設定するように命令される締結プログラムに影響を与えるだけでなく、ねじ又はジョイントが設置される接合部の種類にも影響を与える。
【0004】
従って、特定のねじ接合部に関して、正しいビット又はソケットのいずれかが選択され、電動工具に関する正しい動作モードが選択されることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、正しいビット又はソケットを選択し、締結されるねじ接合部のための正しい動作モードで電動工具を設定するという問題を解決する又は少なくとも軽減する解決策が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、組み立てられる対象物上の異なる特定の位置に正しいソケット又はビットを選択することによって、正しい組み立て作業を安全に得るためのオペレータサポートを提供する、ソケット又はビットのための携帯型ソケットホルダを提供することが望ましい。これらの1又は2以上の問題に対処するために、独立請求項で定義されたソケットホルダが提供される。好ましい実施形態は、従属請求項で定義される。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、電動工具に接続可能なソケット又はビットのための携帯型ソケットホルダが開示される。携帯型ソケットホルダは、異なるタイプのソケット又はビットのためのソケット区画を備える。携帯型ソケットホルダは、ソケット区画を視覚的に指示するように配置された視覚的指示手段をさらに備える。携帯型ソケットホルダは、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値を取得するように構成された位置決め手段をさらに備える。さらに、携帯型ソケットホルダは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含むメモリとを備え、携帯型ソケットホルダは、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて、視覚的指示手段によってソケット区画を視覚的に指示するように動作する。
【0008】
第1の態様によれば、携帯型ソケットホルダは、携帯型ソケットホルダの位置に基づいてソケット区画を視覚的に指示するように配置された視覚的表示手段を組み込んだ設計によって、上述の問題に対する発明性のある解決策を提供する。
【0009】
従って、本開示による携帯型ソケットホルダは、1つの発明性のある構造を提供することによって、すなわち携帯型ソケットホルダが、携帯型ソケットホルダの位置に基づいてソケット区画を視覚的に指示し、結果的に間違ったソケット又はビットを選択するリスクも低減するようにさらに構成されることによって、改善された品質管理並びに改善された安全性を提供する。
【0010】
これは、オペレータが、どのソケット区画からソケットやビットを取り出すべきかを案内されるためである。ざらに、この案内が携帯型ソケットホルダの位置に基づいており、独立請求項1に記載のソケットホルダの発明性のある設計は、締結される特定のねじ又はボルトに対して正しいソケット又はビットを選択するという問題を上手く解決する。
【0011】
1つの実施形態によれば、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値は、位置である。1つの実施形態では、位置は、携帯型ソケットホルダ自体によって決定することができる。あるいは別の実施形態では、位置は携帯型ソケットホルダの外部で決定され、携帯型ソケットホルダに送られる。携帯型ソケットホルダに関するパラメータ値は、位置に基づいて決定された値とすることもできる。位置は、締結されるべきねじ接合部の位置に対する相対的な位置とすることができる。もしくは、締結されるべきねじ接合部が位置する作業スペースに対する相対的な位置である。また、位置に関連するパラメータ値は、絶対位置とすることもできる。
【0012】
1つの実施形態によれば、携帯型ソケットホルダは、携帯型ソケットホルダの位置に基づいて、電動工具を正しい動作モードに設定することを助けるようにもさらに動作する。これにより、電動工具の正しい動作モードは、特定の位置での特定のねじ接合部のための正しいソケット又はビットと併用される。従って、締結されるべきねじ接合部に対して電動工具を正しい動作モードに設定することが保証されるので、生産品質を改善することができる。動作モードは、例えば、特定のねじ接合部に対して訴求されるトルク及び/又は角度又は締結戦略とすることができる。
【0013】
1つの実施形態によれば、携帯型ソケットホルダは、電動工具が実行するように命令された締結プログラムに基づいて、正しいソケット区画を視覚的に指示するようにさらに動作する。この実施形態では、携帯型ソケットホルダは、ソケット区画を視覚的に指示する場合に、電動工具が使用すべき締結プログラムも考慮する。例えば、特定の位置に複数のねじ接合部がある場合、電動工具は、どのねじ接合部を締結するかに応じて異なる動作モードに設定する必要がある場合がある。また、これらのねじ接合部は、多くの場合、異なるソケット又はビットを必要とする。従って、携帯型ソケットホルダは、ソケット区画を視覚的に指示する場合に締結プログラムを考慮することもでき、実行すべき締結に対して正しいソケットが使用されるという利点がある。
【0014】
1つの実施形態によれば、携帯型ソケットホルダは、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて、電動工具が実行するように命令される正しい締結プログラムの設定を開始するようにさらに動作する。この実施形態では、携帯型ソケットは、正しい締結プログラムの設定を開始する。この実施形態の利点は、電動工具が自動的に携帯型ソケットホルダの位置に関して正しい締結プログラムに設定されることである。
【0015】
別の実施形態によれば、携帯型ソケットホルダは、ソケット又はビットがソケット区画から取り出されたか否かを感知するようにさらに動作する。これにより、携帯型ソケット区画は、間違ったソケット又はビットが締結ジョイント区画から取り出された場合に、オペレータに通知するか、又は他のアクションを開始することができる。
【0016】
別の実施形態によれば、携帯型ソケットホルダは、オペレータが視覚的に指示されていないソケット区画からソケットを取り出した場合に、携帯型ソケットホルダのオペレータに通知するようにさらに動作する。この実施形態では、オペレータがその後にソケット又はビットを正しいソケット又はビットに変更することができるので、品質をさらに改善することができる。
【0017】
さらに別の実施形態では、携帯型ソケットホルダは、オペレータが視覚的に指示されていないソケット区画からソケット又はビットを取り出す場合に、電動工具をロックするようにさらに動作する。この実施形態では、オペレータがソケット区画から間違ったソケット又はビットを取り出した場合に、電動工具を用いて締結作業を行うことができないので、品質をさらに改善することができる。
【0018】
本発明の携帯型ソケットホルダのさらに別の実施形態では、携帯型ソケットホルダは、少なくとも1つの電動工具区画と、視覚的に指示されたソケット区画に基づいて電動工具区画を視覚的に指示するように配置された視覚的指示手段とをさらに備える。これにより、携帯型ソケットホルダは、特定の締結作業にどの電動工具を使用すべきかを示すようにさらに動作可能である。
【0019】
発明の携帯型ソケットホルダのさらに別の実施形態では、携帯型ソケットホルダは、電動工具と携帯型ソケットホルダとの間の距離が閾値を超えた場合に、電動工具をロックするようにさらに動作する。従って、電動工具が携帯型ソケットホルダから遠くに位置する場合、電動工具がロックされる。この実施形態の利点は、電動工具が携帯型ソケットホルダの近くに位置していない場合に、電動工具が締結作業を行うのを停止させることができることである。
【0020】
第2の態様によれば、本開示は、電動工具に接続可能なソケット又はビットのための携帯型ソケットホルダの方法に関する。本発明の第2の態様の範囲内で考えられる目的、利点及び特徴は、本発明の第1の態様に関する上記の説明から容易に理解される。
【0021】
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な開示、図面、及び添付の特許請求の範囲を検討すると明らかになる。当業者は、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に記載されたもの以外の実施形態を作り出すことができることを理解する。
【0022】
本発明は、添付の図面を参照して、例示的な実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】1つの実施形態による例示的な携帯型ソケットホルダ10の概略図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
全ての図面は概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、一般的に本発明を説明するために必要な部分のみが示されており、他の部分は省略されるか又は単に示唆される場合がある。
【0025】
図1には、電動工具に接続可能なソケット又はビットのための例示的な携帯型ソケットホルダ10の概略図が示されている。携帯型ソケットホルダ10は、異なるタイプのソケット又はビットのための少なくとも1つのソケット区画20を備える。携帯型ソケットホルダ10は、ソケット区画20を視覚的に指示するように配置された視覚的指示手段30をさらに備える。携帯型ソケットホルダ10は、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値を取得するように構成された位置決め手段をさらに備える。さらに、携帯型ソケットホルダは、プロセッサ160と、プロセッサによって実行可能な命令を含むメモリ260とを備え、携帯型ソケットホルダ10は、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて、視覚的指示手段30によってソケット区画20を視覚的に指示するように動作する。
【0026】
上述のように、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値は、位置とすることができる。1つの実施形態では、位置は、携帯型ソケットホルダ自体によって決定される。別の実施形態では、位置は、携帯型ソケットホルダの外部で決定され、携帯型ソケットホルダに送られる。また、携帯型ソケットホルダに関するパラメータ値は、位置に基づいて決定された値とすることができる。位置は、締結されるべきねじ接合部の位置に対する相対的な位置とすることができる。もしくは、締結されるべきねじ接合部が位置する作業スペースに対する相対的な位置である。また、位置に関連するパラメータ値は、絶対的な位置とすることもできる。
【0027】
1つの実施形態では、携帯型ソケットホルダ10は、電動工具が実行するように命令される締結プログラムに基づいて視覚的に指示するようにさらに構成される。
【0028】
視覚的指示手段30は、多くの異なるタイプとすることができる。1つの実施形態によれば、視覚的指示手段30は、少なくとも1つのソケット区画20を取り囲むLEDライトである。
【0029】
1つの例示的な実施形態によれば、携帯型ソケットホルダ10は、電動工具が実行するように命令される締結プログラムに基づいて、ソケット区画20を視覚的に指示するようにさらに動作する。1つの例示的な実施形態では、視覚的指示手段30が最初に点灯し、これは、オペレータが視覚的に指示されるソケット区画からのソケット又はビットを使用すべきであることを指示する。別の例示的な実施形態では、オペレータは、最初に、ソケット区画20からソケット又はビットを取り出す。次に、携帯型ソケットホルダは、オペレータがソケット又はビットを移動させた区画20に関連する視覚的指示手段30を点灯させるように動作する。
【0030】
1つの例示的な実施形態で上述したように、携帯型ソケットホルダ10は、視覚的に指示されたソケット区画に基づいて、電動工具が実行するように命令される正しい締結プログラムの設定を開始するようにさらに動作する。1つの例示的な実施形態では、視覚的指示手段30が最初に点灯され、電動工具は、視覚的に指示されたソケット区画20に関連するソケット又はビットに使用すべき締結プログラムに設定される。別の例示的な実施形態では、オペレータは、最初にソケット又はビットを取り出す。次に、ソケット又はビットが取り出されたソケット区画20に関連する視覚的指示手段30が点灯し、携帯型ソケットホルダ10は、電動工具のための正しい締め付けプログラムの設定を開始する。
【0031】
また、上述したように(しかし
図1には示されていない)、1つの例示的な実施形態によれば、携帯型ソケットホルダ10は、ソケット又はビットがソケット区画から取り出されたか否かを感知するようにさらに動作する。1つの実施形態では、携帯型ソケットホルダは、ソケット又はビットが取り出されたか否かを光学センサ又は磁気センサによって感知する。1つのより具体的な実施形態では、携帯型ソケットホルダ10は、オペレータが視覚的に指示されていないソケット又はビット区画からソケット又はビットを取り出した場合に、携帯型ソケットホルダ10のオペレータに通知するようにさらに動作する。さらなる実施形態では、携帯型ソケットホルダは、オペレータが視覚的に指示されていないソケット区画からソケット又はビットを取り出した場合に、電動工具をロックするようにさらに動作する。
【0032】
さらなる実施形態では、携帯型ソケットホルダ10は、携帯型ソケットホルダ10の位置を検索するようにさらに動作し、携帯型ソケットホルダ10は、携帯型ソケットホルダ10の位置に基づいてソケット区画を視覚的に指示するようにさらに動作する。ボルト又はねじの種類は、ねじ接合部の位置によって異なるので、携帯型ソケットホルダは、携帯型ソケットホルダの位置に基づいて、ソケット区画の視覚的な指示を適合させることができる。
【0033】
さらに別の実施形態では、携帯型ソケットホルダ10は、少なくとも1つの電動工具区画と、ソケット区画の視覚的指示に基づいて電動工具区画を視覚的に指示するように配置された視覚的指示手段とをさらに備える。これにより、どのソケット又はビットを使用すべきかに基づいて、正しい電動工具を選択するようにオペレータを導くことができる。
【0034】
さらに別の実施形態では、携帯型ソケットホルダ10は、電動工具と携帯型ソケットホルダとの間の距離が閾値を超えた場合に、電動工具をロックするようにさらに動作する。これにより、正しいソケット又はビットが選択され、正しい締結接合要素が選択された締結作業に、この電動工具が使用されないことを保証することができる。
【0035】
携帯型ソケットホルダ10は、無線式電動工具100を制御するように構成されたプロセッサ160をさらに備える。また、無線式電動工具100は、プロセッサ160によって実行可能な命令を含むメモリ260を備える。プロセッサ160は、セントラルシグナルプロセッサ、CPU、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、DSP、又は、コンピュータプログラムコードを実行することができる他の適切な形式のプロセッサである。メモリ260は、ランダムアクセスメモリ、RAM、リードオンリーメモリ、ROM、又は永続記憶装置、例えば、単一の又は組み合わされた磁気メモリ、光学メモリ、又は半導体メモリ、さらにはリモートマウントメモリ(remotely mounted memory)である。
【0036】
図2は、電動工具に接続可能なソケット又はビットのための携帯型ソケットホルダ10における方法のフローチャートを示す。携帯型ソケットホルダ10は、異なるタイプのソケット又はビットのためのソケット区画及び締結要素区画を含む。本方法は、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値を取得する第1のステップS100と、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて、電動工具に接続されるべきソケット又はビットのためのソケット区画20を視覚的に指示する第2のステップS200とを含む。
【0037】
1つの例示的な実施形態によれば、本方法は、電動工具が実行するように命令される締結プログラムに基づいて、ソケット区画を視覚的に指示することを含む。
【0038】
さらに別の実施形態では、本方法は、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて、電動工具が実行するように命令される正しい締結プログラムの設定を開始することをさらに含む。
【0039】
さらなる実施形態において、本方法は、ソケット又はビットがソケット区画から取り出されたか否かを感知することをさらに含む。
【0040】
別の実施形態では、本方法は、オペレータが視覚的に指示されていないソケット区画からソケット又はビットを取り出した場合に、携帯型ソケットホルダ10のオペレータに視覚的に通知することを含む。
【0041】
さらに別の実施形態では、本方法は、オペレータが視覚的に指示されていないソケット区画からソケット又はビットを取り出した場合に、電動工具をロックすることをさらに含む。
【0042】
さらに別の実施形態では、本方法は、携帯型ソケットホルダの位置が許容範囲の外側である場合に、電動工具をロックすることをさらに含む。
【0043】
1つの態様によれば、本開示はさらに、携帯型ソケットホルダ10上で実行されると、本明細書に記載された本開示の態様のいずれかを無線式電動工具100に実行させるコンピュータ可読コードを含む、上述のコンピュータプログラムに関する。
【0044】
上述のコンピュータプログラムコードが携帯型ソケットホルダ10のプロセッサ160で実行されると、これは、携帯型ソケットホルダ10が、携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて正しいソケット区画を視覚指示手段30によって視覚的に指示するように動作されるようにする。
【0045】
本開示の1つの態様によれば、プロセッサ160は、
-携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値を取得するように構成された位置モジュール161、
-携帯型ソケットホルダの位置に関連するパラメータ値に基づいて、どのソケット区画からソケット又はビットを取り出すべきかを視覚的に指示するように構成された視覚的指示モジュール162、
のうちの1又は複数を備える。
【0046】
モジュール161及び162は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装される。モジュール161及び163は、1つの態様によれば、プロセッサ160上で実行されるメモリ260に格納されたコンピュータプログラムとして実装される。携帯型ソケットホルダ10は、本明細書に記載された本開示のすべての態様を実装するようにさらに構成される。
【0047】
本発明は、図面及び上述の説明で詳細に例示及び説明されるが、このような例示及び説明は、例示的又は模範的であり、制限的ではないと考えるべきであり、本発明は開示された実施形態に限定されない。当業者は、特許請求の範囲で定義された範囲内で、多くの修正例、変形例及び変更例が考えられることを理解する。加えて、開示された実施形態の変形例は、請求項に記載の発明を実施する当業者によって、図面、開示内容、及び請求項を検討することで理解して結果的に得ることができる。特許請求の範囲において、用語「備える」は、他の要素やステップを除外するものではなく、また、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲に記載されている参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0048】
10 携帯型ソケットホルダ
20 ソケット区画
30 視覚的指示手段
160 プロセッサ
161 位置モジュール
162 視覚的指示モジュール
260 メモリ