(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ケース入り物品検査システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G01N21/84 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022106409
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2018540019の分割
【原出願日】2017-01-26
【審査請求日】2022-06-30
(32)【優先日】2016-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518267045
【氏名又は名称】シムボティック カナダ、ユーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥシャーム、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョドアン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ラルーシュ、ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】モランシー、シルヴァン-ポール
(72)【発明者】
【氏名】シモン、クリスチャン
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-057106(JP,A)
【文献】特開平09-005058(JP,A)
【文献】特開平07-087300(JP,A)
【文献】特開2009-290661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0331617(US,A1)
【文献】特開2014-109464(JP,A)
【文献】特開平06-243233(JP,A)
【文献】特開2007-106471(JP,A)
【文献】特開2013-166565(JP,A)
【文献】特開2013-073452(JP,A)
【文献】特開2012-088082(JP,A)
【文献】特開2008-213907(JP,A)
【文献】特開2005-098944(JP,A)
【文献】特表2002-513927(JP,A)
【文献】実開平04-004265(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
B07C 5/342
B65B 57/00 - B65B 57/20
B65G 43/00 - B65G 43/10
G06T 1/00 - G06T 1/40
G06T 3/00 - G06T 3/60
G06T 5/00 - G06T 5/50
G06T 7/00 - G06T 7/90
G06T 9/00 - G06T 9/40
G06V 10/00 - G06V 10/98
G06V 20/00 - G06V 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
H04N 5/222- H04N 5/257
H04N 7/18
H04N 23/00
H04N 23/40 - H04N 23/76
H04N 23/90 - H04N 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流の施設におけるケース入り物品の誘導のための入庫コンベア装置であって、
前記装置が、
前記施設内に物品のケースを前進させるための少なくとも1つのコンベアと、
ケース検査装置であって、前記少なくとも1つのコンベアによって前記ケース検査装置を通過して前進させられる前記ケース入り物品の検査のために配置されるケース検査装置と、
少なくとも1つの電磁波(EM)源であって、前記少なくとも1つのEM源からEM放射照明を受け取るように配置される視覚システムに向けて、所定幅の平行伝播するEM放射照明シートを伝送するように構成される少なくとも1つの電磁波(EM)源と、
前記少なくとも1つのコンベアおよび視覚システムに動作可能に連結されるプロセッサと
を備え、
前記視覚システムが、少なくとも1つのカメラを有し、
前記少なくとも1つのカメラが、拡散器によって拡散された前記EM放射照明シートの所定幅の全体を捕捉するように構成され、
前記少なくとも1つのカメラが、前記EM放射照明シートの少なくとも一部の画像をデジタル化するように構成されて、伝送され
、拡散された前記EM放射照明シートを通して、前記少なくとも1つのコンベアにより前進させられる前記物品のケースが、前記少なくとも1つのカメラ上に影を落とし、
前記プロセッサが、
前記物品のケースが前記少なくとも1つのカメラを通過して前進させられるときに、前記物品のケースの各々の複数のデジタル化画像を取得するように構成される画像取得コンポーネントと、
取得された前記複数のデジタル化画像の持続期間にわたって、第1の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、前記複数のデジタル化画像とは異なる、複数の取得されたデジタル化画像を結合画像に選択的に結合するように構成される画像結合器と
を含み、
前記プロセッサが、前記結合画像から、前記物品のケースの固有の所定の特性を決定するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記
物品のケースの固有の所定の特性が、長さ、幅、高さ、角度、「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」のうちの1つまたは複数を含む、前記物品のケースついての寸法測定値を
含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記物品のケース内で製品上に配置された半透明のシュリンクラップの存在を識別する第2の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、前記物品のケースの存在を確認するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンベアが、前記物品のケースを前進速度で前進させるように構成され、前記画像取得コンポーネントが、前記物品のケースの前記前進速度に比例する取得速度で前記デジタル化画像を取得するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記画像の取得速度が、エンコーダを使用することにより、またはステッピングモータ駆動回路により同期される、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのEM源が、
出力光ビームを有する略点源ランプと、
前記出力光ビームを、前記出力光ビームの平行光線を有するコリメートされた照明シートに向け直すように構成される出力ビーム整形器と、
前記装置の設置面積を低減するためのミラーと
を備える、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記画像取得コンポーネントが、画像キャッシュ記憶装置を備える、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記視覚システムが、キャッシュ画像のサンプルバッファから周囲光強度を決定するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記視覚システムが、複数のデジタル化画像にわたって同じ強度の共通の画素に基づいて、前記視覚システムの入力ウィンドウ上のデブリの存在を識別するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記画像結合器は、第1の所定の閾値を下回る低下強度を有する、画像内でデジタル化された複数の画素が、第2の閾値よりも大きい画像幅を画定する場合、取得されたデジタル化画像を、潜在的な製品の結合画像に選択的に結合するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記画像結合器は、第1の所定の閾値および第2の閾値を下回る低下強度を有する、連続した画像にわたってデジタル化された複数の画素が、所定の結合画像の長さを表す場合、取得されたデジタル化画像を選択的に結合して前記結合画像を形成するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記結合画像から、前記結合画像に最も適合する第1の形状の寸法、前記結合画像に外接する第2の形状の寸法、および前記第1の形状と前記第2の形状との差異の寸法を決定するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記結合画像から、前記少なくとも1つのコンベアに対する前記物品のケースの配向角度を決定するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記結合画像から、前記少なくとも1つのコンベアの一方側からの前記物品のケースの距離を決定するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項15】
ケース入り物品を検査する方法であって、
前記方法が、
コンベア上で少なくとも1つの物品のケースを前進させることと、
少なくとも1つの電磁波源を用いて、前記物品のケースの各々の幅より小さい所定の幅を有する、平行照明光線の照明シートを生成することと、
前記照明シートの拡散された平行光線からの照明を捕捉するように配置される少なくとも1つのカメラを用いて、拡散器を通過する前記照明シートによって形成される画像を捕捉することと
を含み、
前記画像が、前記少なくとも1つの電磁波源と前記少なくとも1つのカメラとの間を移動する前記物品のケースにより生成されるケース入り物品の画像を具現化し、前記照明シートの
拡散された前記平行光線の一部が、前記物品のケースにより少なくとも部分的にブロックされて、生成された画像が、前記照明シートの前記所定の幅に亘り、生成された画像が、前記物品のケースの少なくとも一部によってブロックされ、前記物品のケースの少なくとも一部を通して伝送された前記照明シートの一部のグレースケール画像を包含する、
方法。
【請求項16】
捕捉することが、複数の連続画像を捕捉することを含み、それぞれの新規画像が、所定の数の以前に取得された画像からの正規化強度と比較され、所定の閾値よりも大きい強度の低下があるときに、プロセッサを用いて、物品のケースが検出される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記ケース入り物品の結合画像が、プロセッサを用いて一連の画像を追加することにより構築される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
長さ、幅、高さ、角度、「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」のうちの1つまたは複数を含む、前記ケース入り物品の様々な特性が、前記ケース入り物品の前記結合画像に基づいて計算される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記グレースケール画像が、前記物品のケースに対する前記物品のケースのケーシングの撮像効果を解消する、請求項15記載の方法。
【請求項20】
物流の施設におけるケース入り物品の誘導のための入庫コンベア装置であって、
前記装置が、
前記施設内に物品のケースを前進させるための少なくとも1つのコンベアと、
ケース検査装置であって、前記少なくとも1つのコンベアによって前記ケース検査装置を通過して前進させられる前記ケース入り物品の検査のためのケース検査装置と、
少なくとも1つの電磁波(EM)源であって、前記少なくとも1つのEM源からEM放射照明を受け取るように配置される視覚システムに向けて、所定幅の平行伝播するEM放射照明シートを伝送するように構成される少なくとも1つの電磁波(EM)源と、
前記少なくとも1つのコンベアおよび視覚システムに動作可能に連結されるプロセッサと
を備え、
前記視覚システムが、少なくとも1つのカメラを有し、
前記少なくとも1つのカメラが、拡散器によって拡散された前記EM放射照明シートの所定幅の全体を捕捉するように構成され、
前記少なくとも1つのカメラが、前記EM放射照明シートの少なくとも一部の画像をデジタル化するように構成されて、伝送され
、拡散された前記EM放射照明シートを通して、前記少なくとも1つのコンベアにより前進させられる前記物品のケースが、前記少なくとも1つのカメラ上に影を落とし、
前記プロセッサが、
前記物品のケースが前記カメラを通過して前進させられるときに、前記物品のケースの各々の複数のデジタル化画像を取得するように構成される画像取得コンポーネントと、
取得された前記複数のデジタル化画像の持続期間にわたって、第1の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、前記複数のデジタル化画像とは異なる、複数の取得されたデジタル化画像を結合画像に選択的に結合するように構成される画像結合器と
を含み、
前記プロセッサが、前記物品のケース内で製品上の半透明のシュリンクラップの存在を識別する第2の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、前記物品のケースの存在を確認するように構成される、
装置。
【請求項21】
前記プロセッサが、前記結合画像から、前記物品のケースに固有の所定の特性を決定するように構成される、請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記プロセッサが、前記結合画像から、長さ、幅、高さ、角度、「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」のうちの1つまたは複数を含む、前記物品のケースについての寸法測定値を決定するように構成される、請求項20記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのコンベアが、前記物品のケースを前進速度で前進させるように構成され、前記画像取得コンポーネントが、前記物品のケースの前記前進速度に比例する取得速度で前記デジタル化画像を取得するように構成され、前記画像の取得速度が、エンコーダを使用することにより、またはステッピングモータ駆動回路により同期される、請求項20記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのEM源が、
出力光ビームを有する略点源ランプと、
前記出力光ビームを、前記出力光ビームの平行光線を有するコリメートされた照明シートに向け直すように構成される出力ビーム整形器と、
前記装置の設置面積を低減するためのミラーと
を備える、請求項20記載の装置。
【請求項25】
前記視覚システムが、複数のデジタル化画像にわたって同じ強度の共通の画素に基づいて、前記視覚システムの入力ウィンドウ上のデブリの存在を識別するように構成される、請求項20記載の装置。
【請求項26】
前記画像結合器は、第1の所定の閾値を下回る低下強度を有する、画像内でデジタル化された複数の画素が、第2の閾値よりも大きい画像幅を画定する場合、取得されたデジタル化画像を、潜在的な製品の結合画像に選択的に結合するように構成される、請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記プロセッサが、前記結合画像から、前記結合画像に最も適合する第1の形状の寸法、前記結合画像に外接する第2の形状の寸法、および前記第1の形状と前記第2の形状との差異の寸法を決定するように構成される、請求項20記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2016年1月26日に出願された米国仮特許出願第62/287,128号の非仮出願であり、その利益を主張するものであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、製品検査、特にケース入り物品検査システムおよびそのための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ケース入り物品検査システムおよび方法を改善する必要がある。
【0004】
他のケース入り物品検査システムは、主にLEDカーテン照明上に構築される。これらのアレイ内のLEDは、それらの間にかなりの間隔(>5mm)を有しているので、ケース入り物品を完全に画像化する代わりに、「サンプリングされた」画像を生成するのみである。LED光カーテンの他の主な欠点は、透明度測定の欠如である。光カーテンは、その経路にある物質の存在を検出するのみである。したがって、それらは、1片のシュリンクラップと不透明な段ボール片を区別することができない。
【0005】
他のアプローチは、レーザ三角測量法を使用する。このアプローチは、高速、正確および堅牢であるが、シュリンクラップのような反射面に敏感である。そして、以前の方法のように、1片のシュリンクラップを段ボールから区別することができない。
【0006】
したがって、ケース入り物品検査のために、速度、分解能、堅牢性およびコストを統合する新しいアプローチが市場に必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
提案された解決策の一態様によれば、スキャンされる製品の存在を判定し、少なくとも「実ボックス」、「最大ボックス」、「最大膨らみ」、「配向角度」、「コンベアの一方側からの距離」の測定値を得るように構成されるケース入り物品検査システムが提供される。
【0008】
提案された解決策の別の態様によれば、少なくとも「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」の測定値に適用される許容可能な寸法に基づいて製品を拒否または受諾するように構成されるケース入り物品検査システムが提供される。
【0009】
提案された解決策のさらなる態様によれば、入射光強度変動を検出するように構成される(1つまたは複数の)センサと、視覚システムによって経験されるそのような入射光強度変動を検出し、考慮して、プラスチックシュリンクラップのような不透明または半透明材料包装からの測定精度への悪影響の排除を含み、誤った製品の検出および誤った測定を減らす(1つまたは複数の)検出器とを有するケース入り物品検査システムが提供される。
【0010】
提案された解決策のさらなる態様によれば、誤った製品の検出または誤った測定を減らすために、ケース入り物品検査システムのカメラサブシステムのウィンドウ上のデブリ(debris)の存在を識別するように構成されるケース入り物品検査システムが提供される。
【0011】
提案された解決策のさらなる態様によれば、シュリンクラップ包装に少なくとも部分的に包まれた物品のアレイを検査するように構成されるケース入り物品検査システムが提供される。
【0012】
提案された解決策のさらなる態様によれば、シュリンクラップ包装に包まれた複雑な形状を有する物品のアレイを検査するように構成されるケース入り物品検査システムが提供される。
【0013】
特許請求の範囲および/または明細書において用語「備えている(comprising)」と併せて使用される場合、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、「1つ(one)」を意味することができるが、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の意味とも一致する。同様に、用語「別の(another)」は、「少なくとも第2」または「それよりも多く」を意味してもよい。
【0014】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているように、用語「備えている(comprising)」(ならびに、「備える(comprise)」および「備える(comprises)」などの任意の形態の備えている)、「含んでいる(including)」(ならびに、「含む(include)」および「含む(includes)」などの任意の形態の含んでいる」、または「含有している(containing)」(ならびに、「含有する(contain)」および「含有する(contains)」などの任意の形態の含有している)は、包括的または非限定的であり、追加の言及されていない要素を除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】提案された解決策によるケース検査システムの斜視図を示す概略図である。
【
図2】提案された解決策による検査された製品ケースの一例の斜視図を示す略図である。
【
図3】提案された解決策による製品検出プロセスのフローダイアグラムを示す概略図である。
【
図4】提案された解決策によるカメラ視覚システムによって見られる製品を除いた一般的な取得画像を示す図である。
【
図5】提案された解決策による、
図4に示された一般的な画像から分析された関心領域を示す図である。
【
図6】提案された解決策による、拡大された
図5の1つの分析された領域を示す図である。
【
図7】提案された解決策による製品測定プロセスのフローダイアグラムを示す概略図である。
【
図8】提案された解決策による
図3および
図7のプロセスによって得られた製品測定結果を側面視および上面視で示す概略図である。
【
図9】提案された解決策による
図3および
図7のプロセスによって得られた実ボックス製品測定値を側面視および上面視で示す概略図である。
【
図10】提案された解決策による
図3および
図7のプロセスによって得られた外側ボックス製品測定値を側面視および上面視で示す概略図である。
【
図11】提案された解決策による
図3および
図7のプロセスによって得られた最大膨らみ測定値を側面視および上面視で示す概略図である。
【
図12】提案された解決策によるカメラシステムウィンドウ上のデブリの存在の検出を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、添付の図面を参照して、提案された解決策の実施形態の以下の詳細な説明によってよりよく理解されるであろう。
【0017】
類似の特徴は、図面全体を通して同様のラベルを有する。本明細書における「上部」および「下部」の修飾語への言及は、本出願に提示される図面の方向を参照することのみによってなされ、絶対的な空間的方向を意味するものではない。
【0018】
以下、その例示的な実施形態を参照して、提案されたケース入り物品検査システムを説明する。
【0019】
<システム入力および出力>
図1を参照すると、提案されたケース検査システムは、入力として、任意の向きおよび位置でコンベアB上に個別に到着する製品Aを受け取る。たとえば、コンベアBは、コンベアベルトであってもよい。ケース検査システムの出力には、各製品、たとえば物品のケースを特徴付ける様々な(定量的な)測定値が含まれる。定量的な測定値の例には、「実ボックス」、「最大ボックス」、「最大膨らみ」、「配向角」、「コンベアの一方側からの距離」などが含まれる。
【0020】
(1つまたは複数の)物品のケースの1つの例は、
図2に示されるシュリンクラップされた製品および/もしくは製品容器、またはシュリンクラップに含まれる1つもしくは複数の製品容器または(1つもしくは複数の)製品のアレイである。「製品」という用語は、限定するものではないが、閉鎖カートン、トート、上部開口カートン、シュリンクラップフィルムを備えたまたは備えていないトレイ、袋およびポーチなどの任意のタイプの包装におけるあらゆるタイプの(1つまたは複数の)消費財を含むものとして解釈されるべきである。「入力」製品Aの寸法は、異なる製品の種類の間で大きく変化し得る。典型的な寸法(W×L×H)は、4インチ×4インチ×2インチから25インチ×30インチ×30インチの間にすることができる。
図2の例は、略六面体形状を有するものとして示されているが、(1つまたは複数の)製品および/または製品ケースは、円筒状、曲線状、ピラミッド状、卵形状などの任意の所望の3次元形状を有することができ、任意の側の(1つまたは複数の)面は、別の側または同じ側の別の面に対して湾曲または傾斜していてもよい。
【0021】
<システム構成要素>
図1を参照すると、ケース検査システムは、入力コンベアB、概してCと符号付けされた視覚システム、コントローラD、出力(ヒューマンマシンインタフェース)スクリーンE(
図8~
図12)および出力コンベアJを含むことができる。
【0022】
これらのシステム構成要素のうちの少なくともいくつかをより詳細に説明する。
【0023】
入力コンベアBは、外部機器から、入ってくる製品を搬送する。コンベアBは、たとえば、マットトップハイグリップコンベア(mat top high-grip conveyor)を含むが、製品Aを、振動および滑りを低減して、視覚システムC内に移動させて、視覚システムCの中を通すことができる他の形態(ローラーベッドなど)であってもよい。たとえば、許容振動は、振動閾値限界未満であり得る。
【0024】
出力コンベアJは、製品Aを視覚システムCから離れるように搬送する。コンベアJは、たとえば、マットトップローグリップコンベア(mat top low-grip conveyor)を含むが、製品Aを、振動を低減して、視覚システムCの中を通し、視覚システムCから離れるように移動させることができる他の形態であってもよい。たとえば、許容振動は、振動閾値限界未満であり得る。
【0025】
視覚システムCは、製品Aの上部および側部のプロファイルを測定するために、コンベアBおよび/またはコンベアJの周辺に少なくとも部分的に配置される。
【0026】
一態様によれば、視覚システムCは、たとえば、(第1の)光のシート(図示せず)、たとえばコンベアBとコンベアJとの間の小さな隙間内に略平行な光の連続面を放射する第1の光源Fを含むことができる。たとえば、第1の光源Fは、
図1に別に示されているようにコンベアBおよびコンベアJの上に配置することができる。
【0027】
視覚システムは、たとえば、たとえばコンベアBおよびコンベアJに対して第1の光源Fと反対に位置付けられ、第1の光源Fによって放射された平行光を受け取るように配置された第1のカメラシステムGをさらに含む。たとえば、第1の光源FがコンベアBおよびコンベアJの上に位置付けられれば、第1のカメラシステムGは、コンベアBおよびコンベアJの下に位置付けられる。他の態様では、第1の光源および第1のカメラシステムの向きは、光源放射器とカメラシステム受光器との間の関係を維持するように、コンベアBおよびコンベアJの移動方向によって画定される軸の周りで、所望に応じて回転させることができる。
【0028】
第2の光源Hは、コンベアBとコンベアJとの間の小さな隙間に(第2の)光シート、すなわち略平行な光の連続面を放射する。たとえば、第2の光源Hは、コンベアBおよびコンベアJの一方の側に位置付けることができる(第2のシートの平行光ビームの伝送は第1の面に略直交する)。
【0029】
第2のカメラシステムIは、コンベアBおよびコンベアJに対して、第2の光源Hから照明を受け取るように(たとえば、第2の光源Hと反対に)対応して位置付けられ、第2の光源Hによって放射された平行光を受け取るように配置される。たとえば、第2の光源HがコンベアBおよびコンベアJの一方の側に位置付けられれば、第2のカメラシステムIは、コンベアBおよびコンベアJの他方の反対側に位置付けられる。
【0030】
コントローラ、またはシステムに(ローカルもしくはリモートで)動作可能に連結される任意の他の装置もしくはシステムは、製品Aの所望の測定値を計算するために画像データを登録および分析することができるコンピュータプログラムを含む。
【0031】
本発明を限定することなく、少なくとも1つの光源Fまたは光源Hは、レンズまたはミラーで作製された光整形器(light shaper)を含むことができる。光源自体は、レーザ、LED、またはガスランプのなどの他のタイプであってもよい。他の態様では、放射源は、対象物体のEM放射に適したEM放射の任意の他のデバイスであってもよく、その反射または透過は、照射された対象物体の画像または疑似画像を生成する適切な撮像システムによって捕捉され得る。
【0032】
コリメートされた出力ビームは、製品Aによって妨げられたとき、対応する光源Fまたは光源Hと反対側の対応するカメラシステムGまたはカメラシステムIの入力ウィンドウに正投影を投射する平行伝搬光シートを提供する。この点に関して、カメラシステムGまたはカメラシステムIは、対応する光源によって出力された入射コリメート入力ビームを受け取る。
【0033】
図示された例では、カメラシステムGおよびカメラシステムIの両方は、カメラ、オプションミラーおよび拡散スクリーン(図示せず)を含む。オプションミラーは、たとえば、光シートをコンベアに平行に向け直すことによって、ケース入り物品検査システムの全体の設置面積(footprint)を縮小するのに用いられる。拡散スクリーンは、任意の適切なタイプの照明拡散器(illumination diffuser)であってもよく、対応する光源Fまたは光源Hから入射する平行光を拡散することによって入力ビームを広げる入力ビーム整形器の一例であり、対応するカメラGおよびカメラI(たとえば、構造的に、またはコントローラによって画定された所望の所定の幅を有するカメラ撮像アレイ)は、光源によって放射された対応する光シートの全幅から拡散光を捕捉してデジタル化することができる。理解されるように、(1つまたは複数の)カメラG、Iは、(さらに理解されるように、コンベアの横方向の境界と検査システムの開口部の高さに亘ってもよい)光シートの全幅内で(1つもしくは複数の)ケースおよび/または製品を撮像することができる。
【0034】
光面積(light footprint)を減少させるために、またはより強度の小さいレーザクラスの光源を使用することを可能にするために、連続性を維持し、より大きな表面を覆うために重なりを有するより小さい平行光のシートを使用することができる。これらの別々のシートを単一のものとしてソフトウェアで再調整するために、較正手順を使用することができる。
【0035】
<動作>
たとえば、動作中、製品Aは任意の向きおよび位置でコンベアBに到着する。本発明を限定するものではないが、この位置は、コンベアBの一方の側から距離または隙間を含む。
図3は、製品測定プロセスを示す。
【0036】
視覚システムCは、ブロック310で、たとえば、入力コンベアエンコーダによって、またはコンベアBおよびコンベアJの少なくとも1つを前進させるステッピングモータ駆動回路によってトリガされる、(コントローラプロセッサなどの)画像キャッシュ記憶装置内への反復画像取得を行う。
図4は、(たとえば、(1つもしくは複数の)光源F、Hのいずれかにおいて使用されるような)4つの光源および1つのカメラシステム(たとえば、(1つもしくは複数の)カメラシステムG、I)の実装に対して生成されるような所与のエンコーダインデックス値で(カメラの撮像装置により)取得される生の取得画像と呼ぶことのできる代表的な例を示す。この画像は、照明されたおよび照明されていない(未露光の)画素のサブ領域4GI、4GVを含む。画像解析コンピュータプログラムアルゴリズムは、画素が露光されていないカメラ画像センサの完全取得領域を考慮しない。代わりに、たとえば3画素の高さ4Hを有し、完全光シート幅4Wの、特定のサブ領域4GIが考慮される。
図5は、画像分析器で処理され、登録された画像サブ領域5Lを表す点線の矩形で識別された、(このような光源に対応し得るような)考慮された領域5GIを示す。
図6は、画像分析アルゴリズムによって考慮されている領域をより良く示すために拡大された1つの特定の領域6GIの詳細を示す。
【0037】
取得された各画像(
図4)について、画像分析アルゴリズムは、ブロック320で、分析される特定の領域5h(
図5)内の画素の画素光強度を、比較可能なサブ領域サンプル、たとえば10の生のベースラインサンプル画像から得られた正規化強度値と比較する。
図3を参照すると、正規化ベースラインは、ローリングベースラインであってもよく、(後述されるように潜在的な検出が存在しない)各画像取得ステップ320において、サンプル中の最も古い画像がレジストリから削除されるか、または、新たに取得された描画画像によって消去もしく置換される(322)。ベースラインサンプルで使用される画像の数は変更することができる。正規化強度値は、周囲の照明レベルを表すことができ、たとえば、ケース入り物品検査システムの周囲環境における光状態の変化、および光受容体上のほこり、液体残渣または小さなデブリの存在を表すことができる。
【0038】
説明の目的のために、コンベアBおよびコンベアJの下に位置するカメラシステムGから取得された画像を使用して、コントローラは、取得画像(少なくとも1つによって登録された1つの取得画像、または必要に応じて両方のカメラG、Iによって登録された複数の取得画像)の考慮された部分において、正規化強度値と比較してたとえば約40%より大きい強度の低下を有する画素の数が、取得画像によって捕捉された照明シートの全幅から、たとえば約30mm以上の幅を表すか否かを検証する(330)。理解されるように、取得画像の低下した強度部分の閾値幅として本明細書で言及される幅は、環境条件に基づいて所望に応じて設定されてもよい。画像部分の低下した強度幅は、(1つまたは複数の)取得画像の持続期間にわたって、ビーム/シートを部分的に通過する不透明または半透明である物体に起因などして、照明シートを形成する(1つまたは複数の)入力ビームの少なくとも一部分の崩壊および/または妨害もしくはブロックが持続されることによって生じる空間的強度低下に対応し、その結果である。言い換えれば、シートを通した製品、ケースおよび/またはラッピングの通過は、取得画像幅の少なくとも一部のグレーレベル画像とも呼ばれ得るものを生成する。この場合、コントローラは、製品の潜在的な検出があるとみなす(332)。強度低下の閾値(閾値幅および閾値強度分散の両方)は、所望に応じて変更することができる(たとえば、強度低下閾値は、正規化から10%低下とすることができる)。理解できるように、両方の閾値設定は、照明シート内の不透明または半透明材料の一部を決定するものであり、その崩壊は、グレー画像をもたらし、以下に記載するように、そのような材料が検出可能かつ測定可能である(閾値幅は約5mmであってもよい)。比較すると、全体的に不透明な材料は、反射して実質的に完全な照明の妨害をもたらし、結果としてグラフィック投影画像の関連部分をもたらす。
【0039】
所与の取得画像内で、所定の閾値強度低下(それはまた、絶対強度値閾値として表すことができる)、たとえば約40%よりも大きい強度低下を有する画素の数が、所定の閾値幅、たとえば約30mm以上の幅を表す限り、上記の処理ステップ310~340は繰り返され、この条件がもはや真ではないときにプロセスは停止する。この第1の条件が真である(両方の閾値を超えることによって達成される)間は、この条件を満たす画像の数が、(取得された画像および/または画像フレームに相関または比例するように、取得速度を同期させ、コンベアの変位および速度を識別する適切なエンコーダによって決定され得る)約60mm、またはそれより長い潜在的な製品長さを表す場合、コントローラは、製品が検出されたとみなし、または言い換えると、検出を真として確認する(336)(製品の確認のための潜在的製品長さは、変位量10mmなどより大きくまたはより小さく設定されてもよい)。この場合、コントローラは、カメラシステムIおよびカメラシステムGの両方から、検出製品の検出、製品が検出された画像の数を確定する画像の前の、たとえば60mm(代表的な長さは、たとえば10mmなど、多少してもよい)のコンベア変位を表す、以前に取得された上流の画像と、製品検出アサーション(assertion)後の、たとえば60mmのコンベア変位を表す、その後に取得された下流の画像とを組み合わせて、製品検出の前後の上述した持続期間内に取得された一連の画像から製品の合成連続完全結合画像を構築する(340)(検出前および/または検出後の持続期間は、変化させることができ、対称的である必要はない)。第1および第2の条件(すなわち、閾値および持続期間330、336)を満たす画像の数が、たとえば幅/長さが60mm未満の潜在的製品を表す場合、コントローラは、検出337が誤検出であったとアサート(assert)するか、または検出された製品が、画像取得プロセスが正常に継続する最小許容長さ/幅よりも小さいことをアサートする。このシステムは、ノイズや、落下デブリなどの寄生信号に強い。
【0040】
上述したように、両方の条件がアサートされている間に、スキャンされた製品の結合画像(または疑似画像)の連続的な構築は、最大許容製品寸法に達するまで、たとえば60mmを超えて継続する。換言すれば、たとえばカメラシステムG(両方のカメラG、Iの場合は、取得画像により得られる判定を通じて)の(1つまたは複数の)取得画像(所望のコンベア移動、60mmに対応)が、もはや上述の閾値を満たさないとコントローラが判定すると(たとえば、取得画像の考慮部分が、設定された閾値(たとえば30mm、40%低下)よりも大きい幅も強度低下も有していない場合)、コントローラは、(たとえば、閾値を超える画像取得と一致する、エンコーダからの、登録されたコンベア変位から)許容製品寸法を登録する。したがって、コントローラは(適切なプログラミングを介して)、スキャンされた製品への結合のための生の画像取得をもたらし、結合画像は、最大許容製品寸法を超えた後に、たとえば60mm、さらに続いてもよい。「結合画像」(または擬似画像)および「結合製品画像」は、照明源の相対的な位置および向きに対応し、側部画像および上部画像など、製品の略直交する側の画像を含むことが理解される。
【0041】
上記のように(1つまたは複数の)合成画像のプロセッサ構築と完全な製品画像の実質的な一致が望まれる場合、コントローラは、
図7に示される処理ステップによって様々な定量測定値を算出する。
図8を参照すると、定量測定値の例には、「実ボックス」、「最大ボックス」、「最大膨らみ」、「配向角度」および「コンベアの一方側からの距離」が含まれる。
【0042】
ブロック710の「実ボックス」測定値は、結合製品画像に基づいて決定され、または結合製品画像から取得され得る最良適合形状の寸法を含む。たとえば、適合に用いられる形状は、長さ、幅および高さを有するボックスである。あるいは、使用される形状は、中心および半径を有する球体であってもよい。様々な他の形状、たとえば、限定されることなく、円筒形、楕円形、円錐形などが、適合に使用することができる。
図9は、
図2に示された製品の検査の間に取得/結合/構築された合成画像から得られた(立面および平面結合画像をそれぞれ表す処理画像9A、9B上に点線で示されている)「実ボックス」測定値の例を示す。この例で見ることができるように、「実ボックス」の寸法が決定されたとき、視覚システムCによって見られる突起は、それとはみなされない。この例では、
図2に示される例示的な製品として示されたケース入り物品のラベルLは、部分的に切り離され、結合画像内で検出され、設置面積(footprint)評価において無視されるように最良適合形状の決定の一部として解決される。それにもかかわらず、たとえば、複合材料に具現化された不透明または半透明の材料ラップは、最良適合形状に共形の(conformal)範囲で、実ボックス測定値に含まれる。
【0043】
ブロック712の「最大ボックス」測定値は、製品全体を含む最小の形状の寸法が含まれ、これは、(変形した製品部分、ラベルおよびラッピングを含む、視覚システムによって見られる突起を含み得る)結合された製品画像に基づいて決定することができ、または結合された製品画像から得ることができる。たとえば、適合に使用される形状は、コンベアB/J上の製品Aの最大の矩形設置面積を示す長さ、幅および高さを有するボックスである。あるいは、使用される形状は、中心および半径を有する球体であってもよい。様々な他の形状、限定されることなく、たとえば円筒形、楕円形、円錐形などが、適合に使用することができる。
図10は、
図2に示された製品の検査中に取得/結合/構築された画像10A、10B(それぞれ立面および平面結合画像を表す)から得られた「最大ボックス」測定値の例を示している(処理画像上に破線で示されている)。この例で見ることができるように、「最大ボックス」の寸法が決定されるときに、半透明または不透明のラッピングを示すグレー画像突出部分を含む、視覚システムCによって撮像された任意の突起部が考慮され、含まれる。この例では、
図2に示されたケース入り物品の製品A上の部分的に剥がれたラベルLは、製品Aの設置面積を決定する際に優位を占める。
【0044】
ブロック714の「最大膨らみ」測定値は、検査される製品Aから得られる最も長い寸法である。
図11は、
図2に示される製品の検査中に取得/結合/構築された(
図9、10と同様の表記法を有する)画像11A、11Bから得られた「最大膨らみ」測定値を示す。製品の向きが決定されると、「最大膨らみ」は、幅、長さ、高さにおける最大のキャリパー(caliper)測定値である。
【0045】
製品「配向角度」は、コンベアB/J上の製品Aの移動方向に対する製品の主軸の角度である。
図8は、ボックスが最良適合のために使用されたときに決定された非ゼロの製品「配向角度」を最もよく示している。本発明を限定することなく、適合に卵形状が使用されるとき、「配向角度」測定値は主軸であり得る。
【0046】
図8を参照すると、「コンベアの一方側からの距離」は、製品と所定のコンベアの側のいずれかとの間で得られる最小距離として決定される(光シートの幅に基づいて表される、
図6参照)。
【0047】
確実なことには、提案される解決策は、
図3および
図7に図示されたステップを図示のシーケンスで実行することに限定されない。測定値の決定だけでなく状態検査も、好ましくは並行して実行され、たとえばコンベアB/Jの前進時に確認される。
図3および
図7に示される一連のステップは、符号化された論理決定ネットワークの階層を示すことができる。
【0048】
相当な数の上述の測定値が決定されると、画像分析コンピュータプログラムは、ブロック718において、それらを、ブロック716でケース入り物品検査システムに提供された名目値および許容公差と比較する。たとえば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)(図示せず)は、検査システムによって検査された所与のケースについて、名目値および許容公差の少なくともいくつかを提供することができる。ユーザの嗜好に応じて、「実ボックス」、「外側ボックス」または「最大膨らみ」は、製品Aを受諾するか、または拒否するために考慮することができる。
【0049】
視覚システムCは、つぎに、その決定(受諾または拒否)720A、720Bだけでなく取得された様々な測定値も、ユーザによるその後の使用のために別のコントローラに送信する(722)。たとえば、少なくともコンベアB/Jは、拒否された製品を引き込むか、または投棄するために特別な方法で作動することができるが、代わりにパドル(図示せず)を作動して、拒否された製品を場合によっては別のコンベア(図示せず)上にそらすことができる。別の実施形態では、ケース入り物品検査システムの構成要素を作動させることによって、大きな「配向角度」を小さくすることができる。確実なことには、コンベアB/Jを逆転させて製品を再スキャンするという決定は、提案された解決策の範囲から除外されない。
【0050】
好ましい実施形態によれば、
図4に示される生の画像例から分かるように、記録された光強度は、取得画像内で変化する。比較基準または参照として、強度の正規化ベースライン値を確立するために、選択可能な数、たとえば10のサンプル画像の非黒色画素の強度値が考慮される。一態様では、たとえば選択された数のサンプル画像からの33%メジアン画像の強度値が、画素強度の正規化値を確立するために考慮される。そうすることにより、信号雑音や光干渉などが排除され、誤った製品の検出や誤った測定値が低減される。強度の正規化ベースライン値の決定のための基準を提供するサンプル画像は、ローリングベース(rolling basis)で更新またはリフレッシュすることができ、ローリングベースは、先に述べたように、環境変動、記載されたEM源および/または視覚システムコンポーネント上のデブリなどによる周囲の変化を解消する。
【0051】
上述のプロセスを使用することにより、視覚システムCは、カメラシステムI/Gのウィンドウパネル上に存在するデブリなどを自動的に補償することができる。このような状況が生じると、生の構築/結合画像は、
図12において、縫い目12A内に示されているような一定画素強度の細線12Dを示す。画素の細線が検出されると、ウィンドウを清掃する必要性を警告するためにオペレータに警告を送ることができる。その間に、上述の光強度の正規化プロセスのために、このようなデブリは、数回の反復(エンコーダステップ、ステッピングモーターステップ、秒など)で、画像処理アルゴリズムによって構築された製品Aの結合合成画像から、プロセッサによって徐々に再配置または除去され、それによって、ケース入り物品検査システムの動作への影響を最小化する。
【0052】
提案された解決策の別の好ましい実施形態によれば、ケース入り物品検査システムは、アレイ内の物品の輪郭に沿うシュリンクラップに少なくとも部分的に包まれている物品のアレイを検査するために使用される。単純形状の物品の場合、許容可能な「外側ボックス」および「実ボックス」の寸法は、公差内で類似している。包装(たとえばシュリンクラッピング)内で規則正しい配列で配置された1つまたは複数の単純形状の製品によって形成され得るような複雑形状(たとえば、形状において1つまたは複数の非線形性を含み得る)を有する物品に対しては、許諾が提供される。たとえば、
図2に示される製品を参照すると、許容可能な「外側ボックス」寸法は、ボトルネックを越える(側部画像から決定され得る)ボトルの頂部およびキャップを考慮するように特定することができる一方で、許容可能な「実ボックス」寸法は、ボトル本体だけを考慮するように特定することができるので、半透明または不透明であり得るラッピングからの撮像効果が解消される。この場合、許容可能な「外側ボックス」および「実ボックス」の寸法は、概して非類似である。
【0053】
準透明を検出する能力は、測定値から半透明または準透明のラップ膨らみを無視するのに有用であることが判明している。なお、本明細書に記載され、添付の図面に示されているケース入り物品検査システムには、他の多くの修正が可能である。たとえば、ケース入り物品検査システムの実施形態は、その適用において、添付の図面に示され、本明細書に記載された構成および部品の詳細に限定されないことが理解されるべきである。他の実施形態を、様々な方法で予見し、実施することができる。本明細書で使用される表現または用語は、説明の目的のためであって限定のためではないことも理解されるべきである。
【0054】
本明細書では、「視覚システム」についていくつかの言及がなされているが、本発明は、ミリ波、赤外線、可視、マイクロ波、X線、ガンマ線などのスペクトルで動作するカメラシステムのいずれかの単体またはいずれかの組み合わせに限定されない。複合カメラを使用することができるが、個別スペクトル特異カメラもまた、個別にまたは組み合わせて使用することができる。食品を含むケース入り物品への言及はいずれも付随的であり、本発明の範囲を限定するものではない。確実には、金属輸送容器に入れられた耐久性のある物品は、ケース入り物品検査システムの適切なサイジングと、ケース入り物品により吸収可能な対応するスペクトルで動作する電磁波源を含む金属シェル貫通スペクトル(X線)で動作する視覚システムの適切な選択によって検査することができる。
【0055】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケース入り物品検査のためのスキャナ機器が提供される。スキャナ機器は、スキャナ機器を通過して物品のケースを前進させるための少なくとも1つのコンベアと、少なくとも1つの電磁波(EM)源であって、少なくとも1つのEM源からEM放射照明を受け取るように配置される視覚システムに向けて、所定幅の平行伝播するEM放射照明シートを伝送するように構成される少なくとも1つの電磁波(EM)源と、少なくとも1つのコンベアおよび視覚システムに動作可能に連結されるプロセッサとを備え、前記視覚システムが、拡散器および少なくとも1つのカメラを含み、拡散器が、少なくとも1つのEM源から受け取られるEM放射照明を拡散して、少なくとも1つのカメラが、EM放射照明シートの所定幅の全体を捕捉し、少なくとも1つのカメラが、EM放射照明シートの少なくとも一部の画像をデジタル化するように構成されて、少なくとも1つのコンベアにより、伝送されたEM放射照明シートを通して前進させられる物品のケースが、物品のケースの影を投射し、プロセッサが、物品のケースが少なくとも1つのカメラを通過して前進させられるときに、デジタル化画像を取得するように構成される画像取得コンポーネントと、第1の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、取得されたデジタル化画像を結合画像に選択的に結合するように構成される画像結合器とを含み、プロセッサが、結合画像から、長さ、幅、高さ、角度、「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」のうちの1つまたは複数を含む、物品のケースについての寸法測定値を決定するように構成される。
【0056】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサが、物品のケース内で製品上に配置されたシュリンクラップの透光性の存在を識別する第2の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、物品のケースの存在を確認するように構成される。
【0057】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのコンベアが、物品のケースを前進速度で前進させるように構成され、画像取得コンポーネントが、物品のケースの前進速度に比例する取得速度でデジタル化画像を取得するように構成される。
【0058】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、画像の取得速度が、エンコーダを使用することにより、またはステッピングモータ駆動回路により同期される。
【0059】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのEM源が、出力光ビームを有する略点源ランプと、出力光ビームを、出力光ビームの平行光線を有するコリメートされた照明シートに向け直すように構成される出力ビーム整形器と、機器の設置面積を低減するためのオプションミラーとを含む。
【0060】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、画像取得コンポーネントが、画像キャッシュ記憶装置を含む。
【0061】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムが、キャッシュ画像のサンプルバッファから周囲光強度を決定するように構成される。
【0062】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムが、複数のデジタル化画像にわたって同じ強度の共通の画素に基づいて、視覚システムの入力ウィンドウ上のデブリの存在を識別するように構成される。
【0063】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、画像結合器は、第1の所定の閾値を下回る低下強度を有する、画像内でデジタル化された画素の数が、第2の閾値よりも大きい画像幅を画定する場合、取得されたデジタル化画像を、潜在的製品結合画像に選択的に結合するように構成される。
【0064】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、画像結合器は、第1の所定の閾値および第2の閾値を下回る低下強度を有する、連続した画像にわたってデジタル化された画素の数が、所定の結合画像の長さを表す場合、取得されたデジタル化画像を選択的に結合して結合画像を形成するように構成される。
【0065】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサが、結合画像から、結合画像に最も適合する第1の形状の寸法、結合画像に外接する第2の形状の寸法、および第1の形状と第2の形状との差異の寸法を決定するように構成される。
【0066】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサが、結合画像から、少なくとも1つのコンベアに対する物品のケースの配向角度を決定するように構成される。
【0067】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサが、結合画像から、少なくとも1つのコンベアの一方側からの物品のケースの距離を決定するように構成される。
【0068】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケース入り物品を検査する方法が提供される。方法は、コンベア上で少なくとも1つの物品のケースを前進させることと、少なくとも1つの電磁波源を用いて平行照明光線の照明シートを生成することと、照明シートの拡散された平行光線からの照明を捕捉するように配置される少なくとも1つのカメラを用いて、拡散器を通過する照明シートによって形成される画像を捕捉することとを含み、画像が、少なくとも1つの電磁波源と少なくとも1つのカメラとの間を移動する物品のケースにより生成されるケース入り物品の画像を具現化し、平行照明シートの一部が、物品のケースにより少なくとも部分的にブロックされて、グレーレベル画像を生成する。
【0069】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、捕捉することが、複数の連続画像を捕捉することを含み、それぞれの新規画像が、所定の数の以前に取得された画像からの正規化強度と比較され、所定の閾値よりも大きい強度の低下があるときに、プロセッサを用いて、ケース入り物品が検出される。
【0070】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケース入り物品の結合画像が、プロセッサを用いて一連の画像を追加することにより構築される。
【0071】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、長さ、幅、高さ、角度、「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」のうちの1つまたは複数を含む、ケース入り物品の様々な特性が、ケース入り物品の結合画像に基づいて計算される。
【0072】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ケース入り物品検査のためのスキャナ機器が提供される。スキャナ機器は、スキャナ機器を通過して物品のケースを前進させるための少なくとも1つのコンベアと、少なくとも1つの電磁波(EM)源であって、少なくとも1つのEM源からEM放射照明を受け取るように配置される視覚システムに向けて、所定幅の平行伝播するEM放射照明シートを伝送するように構成される少なくとも1つの電磁波(EM)源と、少なくとも1つのコンベアおよび視覚システムに動作可能に連結されるプロセッサとを備え、視覚システムが、拡散器および少なくとも1つのカメラを含み、拡散器が、少なくとも1つのEM源から受け取られるEM放射照明を拡散して、少なくとも1つのカメラが、EM放射照明シートの所定幅の全体を捕捉し、少なくとも1つのカメラが、EM放射照明シートの少なくとも一部の画像をデジタル化するように構成されて、少なくとも1つのコンベアにより、伝送されたEM放射照明シートを通して前進させられる物品のケースが、物品のケースの影を投射し、プロセッサが、物品のケースがカメラを通過して前進させられるときに、デジタル化画像を取得するように構成される画像取得コンポーネントと、第1の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、取得された画像を結合画像に選択的に結合するように構成される画像結合器とを含み、プロセッサが、物品のケース内で製品上に望まれるシュリンクラップの透光性の存在を識別する第2の閾値を下回る持続的な入力ビームの空間強度の低下に基づいて、物品のケースの存在を確認するように構成される。
【0073】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサが、結合画像から、長さ、幅、高さ、角度、「実ボックス」、「最大ボックス」および「最大膨らみ」のうちの1つまたは複数を含む、物品のケースについての寸法測定値を決定するように構成される。
【0074】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのコンベアが、物品のケースを前進速度で前進させるように構成され、画像取得コンポーネントが、物品のケースの前進速度に比例する取得速度でデジタル化画像を取得するように構成され、画像の取得速度が、エンコーダを使用することにより、またはステッピングモータ駆動回路により同期される。
【0075】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのEM源が、出力光ビームを有する略点源ランプと、出力光ビームを、出力光ビームの平行光線を有するコリメートされた照明シートに向け直すように構成される出力ビーム整形器と、機器の設置面積を低減するためのオプションミラーとを含む。
【0076】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、視覚システムが、複数のデジタル化画像にわたって同じ強度の共通の画素に基づいて、視覚システムの入力ウィンドウ上のデブリの存在を識別するように構成される。
【0077】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、画像結合器は、第1の所定の閾値を下回る低下強度を有する、画像内でデジタル化された画素の数が、第2の閾値よりも大きい画像幅を画定する場合、取得されたデジタル化画像を、潜在的製品結合画像に選択的に結合するように構成される。
【0078】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサが、結合画像から、結合画像に最も適合する第1の形状の寸法、結合画像に外接する第2の形状の寸法、および第1の形状と第2の形状との差異の寸法を決定するように構成される。
【0079】
本発明は、その好ましい実施形態を参照して、示され、説明されたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、その形態および詳細における様々な変更を行うことができることは、当業者によって認識されるであろう。