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特許7558223皮膚障害の処置のための組成物、方法、およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】皮膚障害の処置のための組成物、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/34 20060101AFI20240920BHJP
   A61M 35/00 20060101ALI20240920BHJP
   A61J 1/00 20230101ALI20240920BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240920BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/16 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61K31/34
A61M35/00 Z
A61J1/00 370C
A61J1/05 315Z
A61P17/00
A61K47/18
A61K47/26
A61K47/22
A61K47/20
A61K47/16
A61J1/05 313Z
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022107091
(22)【出願日】2022-07-01
(62)【分割の表示】P 2019202832の分割
【原出願日】2014-08-21
(65)【公開番号】P2022137132
(43)【公開日】2022-09-21
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】61/868,525
(32)【優先日】2013-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516050614
【氏名又は名称】ヴェリカ ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VERRICA PHARMACEUTICALS,INC.
【住所又は居所原語表記】44 W Gay St., Ste 400, West Chester,PA 19380 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】マシュー デヴィッドソン
【審査官】関 景輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0019418(US,A1)
【文献】特開2012-097152(JP,A)
【文献】特開2001-245964(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0085137(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0077784(US,A1)
【文献】特開平05-058914(JP,A)
【文献】特開昭47-039621(JP,A)
【文献】特開2010-235471(JP,A)
【文献】特表2013-507367(JP,A)
【文献】特開2007-269693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/34
A61M 35/00
A61J 1/00
A61J 1/05
A61P 17/00
A61K 47/18
A61K 47/26
A61K 47/22
A61K 47/20
A61K 47/16
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.001%(w/v)~7%(w/v)のカンタリジンと、
99%(w/v)以下のエタノールと、
99%(w/v)以下のアセトンと、
10%(w/v)以下のヒドロキシプロピルセルロースと、
10%(w/v)以下のニトロセルロースと、
5%(w/v)以下のヒマシ油と、
5%(w/v)以下の樟脳と、
を含
ジエチルエーテルを含まない、
製剤。
【請求項2】
0.00001%(w/v)~1%(w/v)の安息香酸デナトニウムをさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
0.00001%(w/v)~1%(w/v)のゲンチアナバイオレットをさらに含む、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
0.001%(w/v)~7%(w/v)のカンタリジンと、
99%(w/v)以下のエタノールと、
99%(w/v)以下のアセトンと、
10%(w/v)以下のヒドロキシプロピルセルロースと、
10%(w/v)以下のニトロセルロースと、
5%(w/v)以下のヒマシ油と、
5%(w/v)以下の樟脳と、
0.00001%(w/v)~1%(w/v)の安息香酸デナトニウムと、
0.00001%(w/v)~1%(w/v)のゲンチアナバイオレットと、
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項5】
カンタリジンと、
アセトンと、
エタノールと、
皮膜剤と、
ゲル化剤と、
を含み、
ジエチルエーテルを含まない、製剤。
【請求項6】
前記ゲル化剤は、デキストラン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびエチルセルロースからなる群から選択される、請求項に記載の製剤。
【請求項7】
前記皮膜剤は、ニトロセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される、請求項5または6に記載の製剤。
【請求項8】
1つまたは複数の可塑剤をさらに含む、請求項5~7のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
前記1つまたは複数の可塑剤は、樟脳および/またはヒマシ油である、請求項に記載の製剤。
【請求項10】
被験体が前記製剤をなめ、および/または摂取するのを防止または阻止するための苦味を誘導する香味料をさらに含む、請求項5~9のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項11】
前記香味料が、デナトニウム、アマロゲンチン、ゲンチオピクリン、オクタアセチルスクロース、ケルセチン、ブルシン、およびクァシンからなる群から選択される、請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
被験体による前記製剤の目視検出を可能にする着色料をさらに含む、請求項5~11のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項13】
前記着色料が、D&Cバイオレット、イソスルファンブルー、メチレンブルー、メチルレッド、メチルオレンジ、コンゴレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールグリーン、およびゲンチアナバイオレットからなる群から選択される、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
カンタリジンと、
アセトンと、
エタノールと、
ニトロセルロースと、
ヒドロキシプロピルセルロースと、
を含む、請求項に記載の製剤。
【請求項15】
樟脳およびヒマシ油をさらに含む、請求項14に記載の製剤。
【請求項16】
安息香酸デナトニウムおよび/またはゲンチアナバイオレットをさらに含む、請求項14または15に記載の製剤。
【請求項17】
5センチポアズ超、かつ、100センチポアズ未満の粘度を有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項18】
被験体の皮膚病を処置するために用いられる、請求項1~17のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項19】
前記皮膚病は、疣贅である、請求項18に記載の製剤。
【請求項20】
前記疣贅は、尋常性疣贅、性器疣贅、または足底疣贅である、請求項19に記載の製剤。
【請求項21】
前記皮膚病は、伝染性軟属腫である、請求項18に記載の製剤。
【請求項22】
カンタリジン製剤を被験体に送達するためのアプリケーター装置であって、
請求項1~17のいずれか1項に記載のカンタリジン製剤を含有するキャビティーを含むリザーバーと、
前記リザーバーと流体連絡するアプリケーターユニットと、
を含む、アプリケーター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は2013年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/868,525号
明細書の優先権を主張するものであり、この仮特許出願は参照により本明細書に組み込ま
れるものとする。
【背景技術】
【0002】
疣贅はウイルス感染を原因とする小さな表皮性皮膚増殖であり、手または足に見られる
ことが多い。最も一般的な疣贅のタイプは尋常性疣贅と呼ばれ、ヒトパピローマウイルス
(HPV)の複数の異なる株により引き起こされ得るものである。ほとんどの身体各部に
おいて、これらの疣贅は、尋常性疣贅と呼ばれ得る;しかしながら、足にある場合には、
足底疣贅と呼ばれ、性器にある場合には、性器疣贅またはコンジローマと呼ばれることが
ある。伝染性軟属腫などの他の表皮性ウイルス症状は疣贅に類似しているが、別のウイル
スを原因とする。これらのウイルス媒介性皮膚増殖は見た目が悪く、また癌性形質転換お
よび伝播に対するリスクも相当あり得るため、それらを除去することが望ましいものとな
っている。他の表在性過剰増殖障害も疣贅に類似しているが、非ウイルス性の機序を原因
としており、例えば、脂漏性角化症、紫外線角化症、および汗孔角化症が含まれる。
【0003】
複数の治療法が疣贅および関連疾患を除去するために用いられており、これらの治療法
には、凍結療法;外科的掻爬;レーザー処理;サリチル酸および酸化亜鉛などの刺激物質
;硝酸およびスクエア酸などの酸、イミキモド、2,4-ジニトロクロロベンゼン、およ
びカンジダ抗原などの免疫療法、ならびにブレオマイシン、ポドフィロトキシン、および
5-フルオロウラシルなどの化学療法剤が挙げられる。これらの療法の多くは苦痛を伴い
得るが、他の療法では醜い瘢痕が残りかつ/または毎日の適用が必要となることがある。
しかしながら、おそらく、ほとんどのトラブルは、これらの皮膚障害の多くが複数の経過
観察処置の後でも不応性のままであるということである。小分子カンタリジンは、これら
の皮膚障害を首尾よく処置するために使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、疣贅などの皮膚症状を処置するための製剤、装置、システム、方法、および
キットを提供する。本開示は、疣贅および他の皮膚疾患を処置するためのカンタリジン製
剤を提供する。カンタリジン製剤は、表皮内発泡薬であるカンタリジンを含有することが
できる。本開示のカンタリジン製剤は、高い単回適用効力、瘢痕の欠如、および軽度の疼
痛プロファイルを含む、従来の療法にまさる多くの利点を有し得る。これまでに使用され
たカンタリジン製剤にまさる、本明細書のカンタリジン製剤の利点としては、高度に揮発
性で腐食性の溶媒の除去、改善された安全性、および送達が容易になる一般的なプラスチ
ックとの適合性が挙げられる。これまでに記載されたカンタリジン製剤中で使用される溶
媒の性質のため、カンタリジンの適用は、いくつかの制限を伴うガラス容器に限定されて
いた。本明細書で提供される装置は、疣贅および他の局所的適応症の処置に対してカンタ
リジン製剤を正確に塗布するために使用することができる。
【0005】
本開示の態様は、リザーバーおよびアプリケーターユニットを含む、被験体にカンタリ
ジン製剤を送達するためのシステムを提供する。リザーバーは、カンタリジン製剤を含有
するキャビティーを含むことができる。リザーバーは、約10ミリリットル(mL)以下
の容積を有することができる。リザーバーは、約1.0気圧(atm)を超えるリザーバ
ーの圧力上昇を誘導するために圧縮可能にすることができる。アプリケーターユニットは
、アダプターおよびアプリケーターチップを含むことができる。アプリケーターチップは
、開口部および/またはリザーバーとの流体連絡のチャネルを含むことができる。アプリ
ケーターチップは、リザーバーからアプリケーターチップの外部にカンタリジン製剤を移
すように構成することができる。アプリケーターユニットは、アプリケーターチップを覆
うように構成される透明キャップを含むことができる。アプリケーターユニットは、開口
部上にバリアを含むことができる。透明キャップは、バリアに穴をあけるように構成され
る穴あけ装置を含むことができる。アダプターは、リザーバーのねじ口に固定することが
できる。アプリケーターチップの開口部は、5mm以下の直径を有する。カンタリジン製
剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含むことができる。一部の
場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、または1%のカン
タリジンを含むことができる。カンタリジン製剤は、1%(w/v)以上の賦形剤を含む
ことができる。リザーバーは、約10mL以下の容積を有することができる。カンタリジ
ン製剤は、5%(w/v)以下のカンタリジン、カンタリジン酸、ノルカンタリジン、ま
たはパラソニンを組み合わせて含むことができる。被験体は皮膚疾患と診断されているこ
とがある。リザーバーは、一方の端部にねじ口を有することができる。
【0006】
本開示の別の態様は、カンタリジン製剤およびアプリケーター装置を含む、カンタリジ
ン製剤を送達するためのシステムを提供する。カンタリジン製剤は賦形剤を含有すること
ができる。アプリケーター装置は、カンタリジン製剤を送達するように構成することがで
きる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含む
。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、または1
%のカンタリジンを含むことができる。カンタリジン製剤は、1%(w/v)以上の賦形
剤を含むことができる。アプリケーター装置は、アプリケーターユニットおよび1つまた
は複数のリザーバーを含むことができる。各リザーバーは、アプリケーターユニットと流
体連絡のある1つまたは複数のキャビティーを含むことができる。リザーバーは、一方の
端部にねじ口を含むことができる。リザーバーは、5mL以下の容積を有することができ
る。リザーバーは、約1.0気圧を超えるリザーバーの圧力上昇を誘導するために圧縮可
能にすることができる。アプリケーターユニットは、アプリケーターチップを含むことが
できる。アプリケーターチップは、開口部および/またはリザーバーとの流体連絡の内部
チャネルを含むことができる。アプリケーターチップは、リザーバーからアプリケーター
チップの外部にカンタリジン製剤を移すように構成することができる。
【0007】
本開示の別の態様は、アプリケーターユニットおよび1つまたは複数のリザーバーを含
む、被験体にカンタリジン製剤を送達するためのアプリケーター装置を提供する。アプリ
ケーターユニットは、被験体にカンタリジン製剤を送達することができる。1つまたは複
数のリザーバーはそれぞれ、アプリケーターユニットと流体連絡のある1つまたは複数の
キャビティーを含むことができる。キャビティーの少なくとも1つは、カンタリジン製剤
を含有することができる。リザーバーは、一方の端部にねじ口を含むことができる。リザ
ーバーは、5mL以下の容積を有することができる。リザーバーは、約1.0気圧を超え
るリザーバーの圧力上昇を誘導するために圧縮可能にすることができる。アプリケーター
ユニットは、アプリケーターチップを含むことができる。アプリケーターは、開口部およ
び/またはリザーバーとの流体連絡の内部チャネルを含むことができる。アプリケーター
チップは、リザーバーからアプリケーターチップの外部にカンタリジン製剤を移すように
構成することができる。アダプターはアプリケーターチップに相接させることができるが
、内部チャネルはアプリケーターチップからアダプターを通してリザーバーに向けられる
。アプリケーターユニットは、アプリケーターチップを覆うように構成される透明キャッ
プを含むことができる。アプリケーターユニットは、開口部上にバリアを含むことができ
、透明キャップは、バリアに穴をあけるように構成される穴あけ装置を含むことができる
。アダプターは、リザーバーのねじ口に固定することができる。アプリケーターチップの
開口部は、約5mm以下の直径を有することができる。カンタリジン製剤は、少なくとも
約0.001%(w/v)のカンタリジンを含有することができる。一部の場合では、カ
ンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、または1%のカンタリジンを含
有することができる。カンタリジン製剤は、約1%(w/v)以上の賦形剤を含有するこ
とができる。リザーバーは、約1mL以下の容積を有することができる。カンタリジン製
剤は、約5%(w/v)以下のカンタリジンを含有することができる。
【0008】
本開示の別の態様は、リザーバーおよびアプリケーターユニットを含むアプリケーター
装置を準備することと、リザーバーからカンタリジン製剤を被験体に送達することとによ
って、被験体にカンタリジン製剤を送達するための方法を提供する。リザーバーは、カン
タリジン製剤を含有することができる。アプリケーターユニットは、リザーバーとの流体
連絡のチャネルを含むことができる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(
w/v)のカンタリジンを含有することができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は
、少なくとも約0.01%、0.1%、または1%のカンタリジンを含有することができ
る。カンタリジン製剤は、約1%(w/v)以上の賦形剤を含有することができる。被験
体は皮膚疾患と診断されていることがある。皮膚疾患は上皮性疣贅を引き起こすことがあ
る。上皮性疣贅は、カンタリジン製剤の送達後2週間以内に被験体から除去され得る。
【0009】
本開示の別の態様は、リザーバーおよびアプリケーターユニットを含むアプリケーター
装置を用いて、被験体にカンタリジン製剤を投与することにより、被験体の上皮性疣贅、
伝染性軟属腫、または他の皮膚疾患を処置するための方法を提供する。リザーバーは、カ
ンタリジン製剤を含有することができる。アプリケーターユニットは、リザーバーと流体
連絡することができる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカ
ンタリジンを含有することができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも
約0.01%、0.1%、または1%のカンタリジンを含有することができる。カンタリ
ジン製剤は、約1%(w/v)以上の賦形剤を含有することができる。上皮性病変は、カ
ンタリジン製剤の送達後2週間以内に被験体から除去され得る。
【0010】
本開示の別の態様は、被験体にカンタリジン製剤を投与するためのキットを提供する。
キットは、複数の別々にパッケージされた、個々に取り出し可能な液体またはゲル形態の
投薬量単位を含むことができる。一部の例では、投薬量単位は送達装置または送達システ
ム中にある。一部の場合では、投薬量単位はパッケージングユニット(例えば、アンプル
)中にある。
【0011】
一部の状況では、投薬量単位は、約.1mL~約10mLの量でカンタリジン製剤を含
有することができる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%のカンタリジンを
含有する。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、
または1%のカンタリジンを含有することができる。キットは、活性な投薬量単位のそれ
ぞれを投与するために使用することができる。カンタリジン製剤を含む投薬量単位は、被
験体の上皮性疣贅または他の病変の処置に治療上有効になり得る。キットは、少なくとも
3つのパッケージングユニットを含むことができる。カンタリジン製剤を含有する投薬量
単位は、約7日間にわたり、上皮性疣贅または他の病変の体積を少なくとも約50%縮小
させて治療上有効になり得る。
【0012】
本開示の別の態様は、最適な処置スケジュールのための説明書を提供する。カンタリジ
ンの種々の用量、皮膚の前処理、皮膚に塗布する頻度および量、塗布後の皮膚のケア方法
、ならびにカンタリジンを皮膚と接触させておく時間について、他の研究者によりあまり
詳しく調べられてなく、査読刊行物で変動があることによって証明されるように、当業者
に直感的に明らかなものでもない。本明細書の方法は、カンタリジン製剤による、疣贅、
軟属腫、および/または他の皮膚障害の最適な有効処置を可能にする。
【0013】
本開示の別の態様は、カンタリジン製剤を含有する少なくとも1つのキャビティーを有
するリザーバーを含むことができる、被験体にカンタリジン製剤を送達するためのシステ
ムであって、リザーバーが、約10ミリリットル(mL)以下の容積を有することができ
、かつリザーバーが、約1気圧(atm)を超える圧にリザーバーの圧力上昇を誘導する
ために圧縮可能になることができるシステムを提供する。システムはさらに、アダプター
およびアプリケーターチップを含むことができるアプリケーターユニットを含むことがで
き、アプリケーターチップは、開口部および/またはリザーバーとの流体連絡のチャネル
を含むことができ、かつアプリケーターチップは、リザーバーからアプリケーターチップ
の外部にカンタリジン製剤を移すように構成することができる。
【0014】
一部の状況では、アプリケーターユニットは、アプリケーターチップを覆う透明キャッ
プを含むことができる。他の状況では、アプリケーターユニットは、開口部上にバリアを
含むことができ、透明キャップは、バリアに穴をあける穴あけ装置を含むことができる。
アプリケーターチップの開口部は、5ミリメートル(mm)以下の直径を有することがで
きる。
【0015】
カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含有する
ことができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1
%、または1%のカンタリジンを含有することができる。カンタリジン製剤はさらに、1
%(w/v)以上の賦形剤を含有することができる。カンタリジン製剤はさらに、香味料
および/または着色料を含有することができる。
【0016】
一部の状況では、リザーバーは、約10mL以下の容積を有することができ、カンタリ
ジン製剤は、5%(w/v)以下のカンタリジン、カンタリジン酸、ノルカンタリジン、
またはパラソニンを組み合わせて含有することができる。リザーバーは、一方の端部にね
じ口またはスナップオンキャップを有することができる。アダプターは、ねじ口またはス
ナップオンキャップに固定することができる。リザーバーは、約10気圧未満の圧にリザ
ーバーの圧力上昇を誘導するために圧縮可能にすることができる。
【0017】
本開示の別の態様は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンおよび賦形
剤を有することができるカンタリジン製剤を含有するリザーバーを含むことができる、被
験体にカンタリジン製剤を送達するためのシステムを提供する。システムはさらに、リザ
ーバーと流体連結するアプリケーターユニットを含むことができ、このアプリケーターユ
ニットは、約10ミリリットル(mL)以下の容積のカンタリジン製剤を送達することが
できる。
【0018】
カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、0.5%、または1%のカ
ンタリジンを含有することができる。カンタリジン製剤はさらに、約0.001%(w/
v)、0.01%、0.1%、または1%以上の賦形剤を含有することができる。
【0019】
一部の状況では、リザーバーは、一方の端部にねじ口またはスナップオンキャップを含
むことができ、(ii)約5mL以下の容積を有することができ、かつ/または(iii
)約1.0気圧を超える圧にリザーバーの圧力上昇を誘導するために圧縮可能にすること
ができる。
【0020】
アプリケーターユニットは、開口部およびリザーバーとの流体連結の内部チャネルを含
むことができるアプリケーターチップを含むことができ、このアプリケーターチップは、
リザーバーからアプリケーターチップの外部にカンタリジン製剤を移すことができる。
【0021】
本開示の別の態様は、それぞれが1つまたは複数のキャビティーを含む1つまたは複数
のリザーバーを含むことができる、被験体にカンタリジン製剤を送達するためのアプリケ
ーター装置であって、1つまたは複数のキャビティーの少なくとも1つはカンタリジン製
剤を含有するアプリケーター装置を提供する。アプリケーター装置はさらに、1つまたは
複数のリザーバーと流体連結するアプリケーターユニットを含むことができ、このアプリ
ケーターユニットは、1使用当たり約10ミリリットル(mL)以下の量のカンタリジン
製剤を被験体に制御可能に送達することができる。
【0022】
一部の状況では、リザーバーは、一方の端部にねじ口またはスナップオンキャップを含
むことができ、(ii)約5mL以下の容積を有することができ、かつ/または(iii
)約1.0気圧を超える圧にリザーバーの圧力上昇を誘導するために圧縮可能することが
できる。アプリケーターユニットは、開口部およびリザーバーとの流体連結の内部チャネ
ルを含むことができるアプリケーターチップを含むことができ、このアプリケーターチッ
プは、リザーバーからアプリケーターチップの外部にカンタリジン製剤を移すように構成
することができる。
【0023】
一部の状況では、アプリケーター装置はさらに、アプリケーターチップに相接するアダ
プターを含むことができ、内部チャネルはアプリケーターチップからアダプターを通して
リザーバーに向けられる。アプリケーターユニットは、アプリケーターチップを覆うよう
に構成することができる透明キャップを含むことができる。アプリケーターユニットは、
開口部上にバリアを含むことができ、透明キャップは、バリアに穴をあけるように構成す
ることができる穴あけ装置を含むことができる。アダプターは、リザーバーのねじ口に固
定することができる。アプリケーターチップの開口部は、約5mm以下の直径を有するこ
とができる。
【0024】
一部の状況では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタ
リジンを含むことができる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、
または1%のカンタリジンを含むことができる。カンタリジン製剤はさらに、約1%(w
/v)以上の賦形剤を含むことができる。リザーバーは、約1mL以下の容積を有するこ
とができ、カンタリジン製剤は、約5%(w/v)以下のカンタリジンを含有することが
できる。
【0025】
本開示の別の態様は、被験体にカンタリジン製剤を投与するための方法であって、(i
)カンタリジン製剤を含むリザーバーと、(ii)リザーバーとの流体連結のチャネルを
含むアプリケーターユニットとを含むアプリケーター装置を準備することと、リザーバー
からチャネルを通して被験体にカンタリジン製剤を送達することとを含む方法を提供する
【0026】
カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含有する
ことができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1
%、または1%のカンタリジンを含有することができる。カンタリジン製剤はさらに、約
1%(w/v)以上の賦形剤を含有することができる。被験体は皮膚疾患と診断されてい
ることがある。皮膚疾患は上皮性疣贅として示されていることがある。上皮性疣贅は、カ
ンタリジン製剤の送達後2週間以内に被験体から除去され得る。
【0027】
一部の状況では、塗布(または送達)は、約10ミリリットル(mL)以下のカンタリ
ジン製剤を送達することを含むことができる。塗布は、約5mL以下のカンタリジン製剤
を送達することを含むことができる。塗布は、約4mL以下のカンタリジン製剤を送達す
ることを含むことができる。塗布は、約3mL以下のカンタリジン製剤を送達することを
含むことができる。塗布は、約2mL以下のカンタリジン製剤を送達することを含むこと
ができる。塗布は、約1mL以下のカンタリジン製剤を送達することを含むことができる
【0028】
本開示の別の態様は、被験体の上皮性疣贅(または他の皮膚病)を処置するための方法
であって、i)カンタリジン製剤を含有するリザーバー、およびii)リザーバーと流体
連結するアプリケーターユニットを含むアプリケーター装置を使用して、被験体にカンタ
リジン製剤を制御可能に投与することを含む方法を提供する。
【0029】
一部の状況では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタ
リジンを含有することができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0
.01%、0.1%、または1%のカンタリジンを含有することができる。カンタリジン
製剤はさらに、約1%(w/v)以上の賦形剤を含有することができる。上皮性疣贅は、
カンタリジン製剤の送達後2週間以内に被験体から除去され得る。
【0030】
一部の状況では、カンタリジン製剤は、約30秒以内の時間に投与することができる。
カンタリジン製剤は、約20秒以内の時間に投与することができる。カンタリジン製剤は
、約10秒以内の時間に投与することができる。カンタリジン製剤は、約5秒以内の時間
に投与することができる。
【0031】
一部の状況では、カンタリジン製剤は、約10ミリリットル(mL)以下のカンタリジ
ン製剤の容積で投与することができる。他の状況では、カンタリジン製剤は、約5mL以
下のカンタリジン製剤の容積で投与することができる。
【0032】
本開示の別の態様は、複数の別々にパッケージされた、個々に取り出し可能な液体また
はゲル形態の投薬量単位を含む、被験体にカンタリジン製剤を投与するためのキットであ
って、投薬量単位はパッケージングユニット中に存在することができ、投薬量単位はそれ
ぞれ、約0.01mL~10mLの量でカンタリジン製剤を含有するキットを提供する。
カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含有するこ
とができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%
、または1%のカンタリジンを含有することができる。
【0033】
一部の状況では、キットはさらに、カンタリジン製剤の投与のための教材を含むことが
できる。この教材により、被験体がカンタリジン製剤を自己管理することが可能になり得
る。教材は被験体の上皮性疣贅の処置に対するものであってもよい。キットは、少なくと
も3つのパッケージングユニットを含むことができる。カンタリジン製剤は、カンタリジ
ン製剤を含む投薬量単位の送達後2週間以内に被験体から上皮性疣贅を除去するのに適し
たものになり得る。
【0034】
本開示の別の態様は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジン、被験体に
よる製剤の摂取時に苦味を誘導することができる香味料、および被験体による製剤の目視
検出を可能にすることができる着色料を含有する製剤を提供する。製剤は、最大で約10
ミリリットル(mL)の容積を有することができる。
【0035】
一部の状況では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%のカンタリジンを含
有することができる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、0.5
%、または1%のカンタリジンを含有することができる。香味料および/または着色料は
、最大で約1%(w/v)の濃度にすることができる。容積は、約5mL以下にすること
ができる。製剤は、25℃で約1500未満のレイノルズ数を有することができる。製剤
はさらに、ゲル化剤を含むことができる。製剤は、約1%未満のマンガンまたはマグネシ
ウムのイオン濃度を有することができる。香味料は、デナトニウム、アマロゲンチン、ゲ
ンチオピクリン、オクタアセチルスクロース、ケルセチン、ブルシン、およびクァシンか
らなる群から選択することができる。着色料は、D&Cバイオレット、イソスルファンブ
ルー、メチレンブルー、メチルレッド、メチルオレンジ、コンゴレッド、アリザリンイエ
ロー、ブロモクレゾールグリーン、およびゲンチアナバイオレットからなる群から選択す
ることができる。
【0036】
本開示の別の態様は、被験体の皮膚(または皮膚部位)上の皮膚病(例えば、疣贅)を
処置するための方法であって、a)(i)少なくとも約0.001%(w/v)のカンタ
リジン、(ii)被験体による製剤の摂取時に被験体に苦味を誘導することができる香味
料、および被験体による製剤の目視検出を可能にすることができる着色料を含むカンタリ
ジン製剤を準備することと、b)皮膚病を含有するかまたは皮膚病を含有する疑いのある
部位にカンタリジン製剤を提供することとを含む方法を提供する。製剤は、最大で約10
ミリリットル(mL)の容積を有することができる。
【0037】
一部の状況では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%のカンタリジンを含
有することができる。カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、0.5
%、または1%のカンタリジンを含有することができる。香味料および/または着色料は
、最大で約1%(w/v)の濃度にすることができる。容積は、約5mL以下にすること
ができる。製剤は、25℃で約1500未満のレイノルズ数を有することができる。この
方法はさらに、ゲル化剤を含むことができる。製剤は、約1%未満のマンガンまたはマグ
ネシウムのイオン濃度を有することができる。香味料は、デナトニウム、アマロゲンチン
、ゲンチオピクリン、オクタアセチルスクロース、ケルセチン、ブルシン、およびクァシ
ンからなる群から選択することができる。着色料は、D&Cバイオレット、イソスルファ
ンブルー、メチレンブルー、メチルレッド、メチルオレンジ、コンゴレッド、アリザリン
イエロー、ブロモクレゾールグリーン、およびゲンチアナバイオレットからなる群から選
択することができる。皮膚病は、疣贅、伝染性軟属腫、脂漏性角化症、および紫外線角化
症からなる群から選択することができる。
【0038】
本開示の追加の態様および利点は、本開示の例示的な実施形態のみが示され記載される
、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開
示は、他の実施形態および異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの細部は、種々の
明白な点で改変が可能であり、それらすべては本開示から逸脱しない。したがって、本図
面および説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定するものと見なされるべき
ではない。
【0039】
参照による組み込み
本明細書で言及した刊行物、特許、および特許出願はすべて、参照により組み込むため
に1つ1つの刊行物、特許、または特許出願を具体的に個々に示してあるのと同じ程度に
参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
本発明の新規の特徴は、添付された特許請求の範囲に具体的に示される。本発明の特徴
および利点のさらに十分な理解は、本発明の原理が利用されている例示的な実施形態を示
す以下の詳細な説明および以下の添付図面(本明細書の「図」も)を参照することによっ
て得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1A-B】本開示の一部の実施形態に従った、カンタリジン製剤を保持するためのリザーバーの概略図である。
図2A-C】本開示の一部の実施形態に従ったアプリケーターユニットの概略図である。
図3】本開示の一部の実施形態に従ったアプリケーター装置を示す図である。
図4A-B】本開示の一部の実施形態に従ったキットを示す図である。
図5A-C】本開示の一部の実施形態に従った処置方法の概略図である。
図6A-D】図6Aおよび6Cは、本開示の一部の実施形態に従ったアプリケーター装置を示す線画であり、図6Bおよび6Dは、本開示の一部の実施形態に従ったアプリケーター装置を示す三次元(3D)描画である。アプリケーターユニットは、密封機構に接続されているか(図6A~6B)、または密封機構から分離されている(図6C~6D)。
図7A-B】図7Aは、本開示の一部の実施形態に従ったアプリケーター装置の線画であり、図7Bは本開示の一部の実施形態に従ったアプリケーター装置の3D描画である。
図8】本開示の一部の実施形態に従った、通気孔のある取り外し可能なキャップを有するアプリケーター装置の線画および3D描画である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の種々の実施形態を本明細書に示しかつ記載してきたが、そのような実施形態は
例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。数多くの変形形態、変更
形態、および置換形態が、本発明から逸脱することなく、当業者に想定され得る。本明細
書に記載される本発明の実施形態の種々の代替形態が、本発明の実行において使用され得
ることは理解されるべきである。
【0043】
本明細書で使用される「処置」または「処置すること」という用語は、一般に、以下に
限定されるものではないが、治療効果および/または予防効果を含む有益な所定または所
望の結果を得るためのアプローチを指す。治療効果とは、疣贅などの皮膚の疾患または病
気など、処置されている基礎障害の根絶または寛解を意味する。また、治療効果は、患者
が依然として基礎障害に罹患している可能性があるにもかかわらず、患者に改善が観察さ
れるなど、基礎障害に付随した生理学的症状の1つまたは複数の根絶または寛解により達
成することができる。処置は、疣贅など健康状態の診断を含むことができる。
【0044】
本明細書で使用される「カンタリジン」という用語は、一般に、下記の構造の化合物、
またはプロテインホスファターゼ阻害について同様の活性を有するその誘導体を指す。炭
素がホウ素に置換されている化合物もカンタリジンと見なすことができる。異なる割合で
炭素同位体を有する化合物もカンタリジンと見なすことができる(例えば、C14)。異
なる割合で酸素同位体を有する化合物もカンタリジンと見なすことができる(例えば、O
17)。異なる割合で水素同位体を有する化合物もカンタリジンと見なすことができる(
)。異なる割合で炭素、酸素、水素の同位体、またはそれらの組合せを有する化合物
もカンタリジンと見なすことができる。カンタリジンは、1つまたは複数の不安定な放射
性元素を含んでもよい。カンタリジンは、1つまたは複数の不安定な放射性元素を含まな
くてもよい。カンタリジンは、薬学的に許容される塩を含んでもよい。カンタリジンは、
薬学的に許容される塩を含まなくてもよい。
【化1】
【0045】
カンタリジン誘導体の非限定例としては、カンタリジン酸、ノルカンタリジン、パラソ
ニン、エンドタル(endothal)、ホストリエシン、およびオカダ酸が挙げられる
(上記参照のこと)。exo,exo-ジ石炭酸を有する置換ありもしくは置換なしの他
の化学種、またはexo,exo-ジ石炭酸を含有する化学種に分解されると予想され得
るかもしくはそれに代謝され得る他の化学種も「カンタリジン」と見なすことができる。
タンパク質ホスファターゼ1、2A、4、または5の阻害剤として機能する他の化合物も
「カンタリジン」と見なすことができる。カンタリジン製剤は、カンタリジンを単独でま
たは1つもしくは複数の賦形剤など1つもしくは複数の他の化学種に加えて含むことがで
きる。
【化2】
【0046】
置換されたexo,exo-ジ石炭酸の非限定例としては、2,3-トリメチレン無水
物;無置換無水物;5,6-デヒドロ無水物;endo-5-メチル;モノ-4-クロロ
アニリド;endo-5-カルボキシ;5,6-デヒドロ;2-ブロモ;endo-5-
ヒドロキシメチルが挙げられる。
【0047】
カンタリジンは、以下に限定されるものではないが、スパニッシュフライビートル(S
panish fly beetle)、フォールズブリスタービートル(false
blister beetle)、カージナルビートル(cardinal beetl
e)、ソルジャービートル(soldier beetle)、チャイニーズブリスター
ビートル(Chinese blister beetle)、またはそれらの組合せを
含む、1種または複数のブリスタービートル(blister beetle)によって
産生され得る。ブリスタービートル当たり産生されるカンタリジンの量は、約0.1、0
.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2
.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、または約6mgであり得る。ブリスタービ
ートル当たり産生されるカンタリジンの量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.
5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.
5、5、5.5、6mg超、またはそれを超えるものであり得る。ブリスタービートル当
たり産生されるカンタリジンの量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.
6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、
5.5、6mg未満、またはそれ未満であり得る。カンタリジンは生合成により産生され
得る。一部の場合では、カンタリジン、ノルカンタリジン、カンタリジミド(canth
aridimide)、またはノルカンタリミド(norcantharimide)の
誘導体の生合成により、使用者または患者に同様の治療効果がもたらされる。代替として
、カンタリジンは、例えば天然の原料を使用して、完全に合成的にまたは半合成的に生成
することができる。
【0048】
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、一般に、製剤の一部としての不活性な
成分を指す。賦形剤の例としては、限定するものではないが、色素、風味剤、結合剤、皮
膚軟化剤、充填剤、滑沢剤、抗酸化剤、皮膚浸透促進剤、および防腐剤が挙げられる。一
部の場合では、賦形剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マ
ンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント
、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロー
ス、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースから選択することができる。一部の実施
形態では、賦形剤はサリチル酸および/またはポドフィロトキシンとすることができる。
【0049】
本明細書で使用される「使用者」という用語は、一般に、カンタリジン製剤を自分自身
、または被験体などの別の個体に投与するために、送達装置またはシステムを使用する個
体を指す。
【0050】
本明細書で使用される「被験体」という用語は、一般に、病気と診断されているかまた
は処置下にある、病気(例えば、皮膚病)を有する疑いのある個体を指す。例えば、被験
体は、別の個体の処置下にあってもよく、あるいは自分自身によってまたは医療提供者(
例えば、医師、処置医師、医療補助者、看護師)もしくはケア提供者などの別の個体によ
って本開示のカンタリジン製剤を投与されてもよい。被験体は、無症候性の個体および患
者など症候性の個体を含むことができる。一部の場合では、被験体は皮膚疾患と診断され
ていることがある。
【0051】
本明細書で使用される「約」という用語は、指定量のプラスもしくはマイナス(+/-
)10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の範囲内を指
す。
【0052】
カンタリジン製剤
本開示の態様は、皮膚の症状、病気、および/または疾患、例えば皮膚疣贅を処置する
ためのカンタリジン製剤を提供する。カンタリジン製剤は、治療有効量のカンタリジンを
含むことができる。
【0053】
一部の場合では、局所送達用のカンタリジン製剤は、カンタリジンおよび被験体へのカ
ンタリジンの局所送達に適した賦形剤を含む。カンタリジン製剤中のカンタリジン量は特
に制限されない。製剤量は治療量に制限されないことがある。一部の環境では、例えば、
カンタリジン濃度を最大化するために、名目上の治療量をはるかに超えるカンタリジン量
を含むことが有利となり得る。他の実施形態では、被験体に対する毒性に基づいてカンタ
リジン量を制限することが有利となり得る。
【0054】
一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約50%(w/v)のカンタリジン
、少なくとも約10%(w/v)のカンタリジン、少なくとも約5%(w/v)のカンタ
リジン、少なくとも約1%(w/v)のカンタリジン、少なくとも約0.75%(w/v
)のカンタリジン、少なくとも約0.5%(w/v)のカンタリジン、少なくとも約0.
1%(w/v)のカンタリジン、少なくとも約0.01%(w/v)のカンタリジン、ま
たは少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含むことができる。カンタリ
ジンは、約0.001重量%~50重量%の間、または約1重量%~約10重量%の間、
または約0.001重量%~1重量%の間の量で存在させることができる。カンタリジン
は、約0.001、0.01、0.1、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.
5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、
11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、または約15グラム/mlの
量で存在させることができる。カンタリジンは、約1、1.5、2、2.5、3、3.5
、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、
10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15グ
ラム/ml超、またはそれを超える量で存在させることができる。カンタリジンは、約1
、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5
、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、
13.5、14、14.5、15グラム/ml未満、またはそれ未満の量で存在させるこ
とができる。
【0055】
カンタリジン製剤は、約0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0
.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg
/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、
1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7m
g/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.1mg/mL
、2.2mg/mL、2.3mg/mL、2.4mg/mL、2.5mg/mL、2.6
mg/mL、2.7mg/mL、2.8mg/mL、2.9mg/mL、3.0mg/m
L、3.1mg/mL、3.2mg/mL、3.3mg/mL、3.4mg/mL、3.
5mg/mL、3.6mg/mL、3.7mg/mL、3.8mg/mL、3.9mg/
mL、4.0mg/mL、4.1mg/mL、4.2mg/mL、4.3mg/mL、4
.4mg/mL、4.5mg/mL、4.6mg/mL、4.7mg/mL、4.8mg
/mL、4.9mg/mL、5.0mg/mL、5.1mg/mL、5.2mg/mL、
5.3mg/mL、5.4mg/mL、5.5mg/mL、5.6mg/mL、5.7m
g/mL、5.8mg/mL、5.9mg/mL、6.0mg/mL、6.1mg/mL
、6.2mg/mL、6.3mg/mL、6.4mg/mL、6.5mg/mL、6.6
mg/mL、6.7mg/mL、6.8mg/mL、6.9mg/mL、7.0mg/m
L、7.1mg/mL、7.2mg/mL、7.3mg/mL、7.4mg/mL、7.
5mg/mL、7.6mg/mL、7.7mg/mL、7.8mg/mL、7.9mg/
mL、8.0mg/mL、8.1mg/mL、8.2mg/mL、8.3mg/mL、8
.4mg/mL、8.5mg/mL、8.6mg/mL、8.7mg/mL、8.8mg
/mL、8.9mg/mL、9.0mg/mL、9.1mg/mL、9.2mg/mL、
9.3mg/mL、9.4mg/mL、9.5mg/mL、9.6mg/mL、9.7m
g/mL、9.8mg/mL、9.9mg/mL、10.0mg/mL、10.1mg/
mL、10.2mg/mL、10.3mg/mL、10.4mg/mL、10.5mg/
mL、10.6mg/mL、10.7mg/mL、10.8mg/mL、10.9mg/
mL、11.0mg/mL、11.1mg/mL、11.2mg/mL、11.3mg/
mL、11.4mg/mL、11.5mg/mL、11.6mg/mL、11.7mg/
mL、11.8mg/mL、11.9mg/mL、12.0mg/mL、12.1mg/
mL、12.2mg/mL、12.3mg/mL、12.4mg/mL、12.5mg/
mL、12.6mg/mL、12.7mg/mL、12.8mg/mL、12.9mg/
mL、13.0mg/mL、13.1mg/mL、13.2mg/mL、13.3mg/
mL、13.4mg/mL、13.5mg/mL、13.6mg/mL、13.7mg/
mL、13.8mg/mL、13.9mg/mL、14.0mg/mL、14.1mg/
mL、14.2mg/mL、14.3mg/mL、14.4mg/mL、14.5mg/
mL、14.6mg/mL、14.7mg/mL、14.8mg/mL、14.9mg/
mL、15.0mg/mL、15.5mg/mL、16.0mg/mL、16.5mg/
mL、17.0mg/mL、17.5mg/mL、18.0mg/mL、18.5mg/
mL、19.0mg/mL、19.5mg/mL、または20.0mg/mLのカンタリ
ジン濃度(ミリグラム(mg)カンタリジン/ミリリットル(mL)製剤)を有すること
ができる。一部の例では、カンタリジン濃度は、0.5ミリグラム(mg)~20mg/
ミリリットル(ml)、または1mg~10mg/mlの量である。
【0056】
代替として、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.1mg/mL、0.2mg/mL
、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7
mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/m
L、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.
6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/
mL、2.1mg/mL、2.2mg/mL、2.3mg/mL、2.4mg/mL、2
.5mg/mL、2.6mg/mL、2.7mg/mL、2.8mg/mL、2.9mg
/mL、3.0mg/mL、3.1mg/mL、3.2mg/mL、3.3mg/mL、
3.4mg/mL、3.5mg/mL、3.6mg/mL、3.7mg/mL、3.8m
g/mL、3.9mg/mL、4.0mg/mL、4.1mg/mL、4.2mg/mL
、4.3mg/mL、4.4mg/mL、4.5mg/mL、4.6mg/mL、4.7
mg/mL、4.8mg/mL、4.9mg/mL、5.0mg/mL、5.1mg/m
L、5.2mg/mL、5.3mg/mL、5.4mg/mL、5.5mg/mL、5.
6mg/mL、5.7mg/mL、5.8mg/mL、5.9mg/mL、6.0mg/
mL、6.1mg/mL、6.2mg/mL、6.3mg/mL、6.4mg/mL、6
.5mg/mL、6.6mg/mL、6.7mg/mL、6.8mg/mL、6.9mg
/mL、7.0mg/mL、7.1mg/mL、7.2mg/mL、7.3mg/mL、
7.4mg/mL、7.5mg/mL、7.6mg/mL、7.7mg/mL、7.8m
g/mL、7.9mg/mL、8.0mg/mL、8.1mg/mL、8.2mg/mL
、8.3mg/mL、8.4mg/mL、8.5mg/mL、8.6mg/mL、8.7
mg/mL、8.8mg/mL、8.9mg/mL、9.0mg/mL、9.1mg/m
L、9.2mg/mL、9.3mg/mL、9.4mg/mL、9.5mg/mL、9.
6mg/mL、9.7mg/mL、9.8mg/mL、9.9mg/mL、10.0mg
/mL、10.1mg/mL、10.2mg/mL、10.3mg/mL、10.4mg
/mL、10.5mg/mL、10.6mg/mL、10.7mg/mL、10.8mg
/mL、10.9mg/mL、11.0mg/mL、11.1mg/mL、11.2mg
/mL、11.3mg/mL、11.4mg/mL、11.5mg/mL、11.6mg
/mL、11.7mg/mL、11.8mg/mL、11.9mg/mL、12.0mg
/mL、12.1mg/mL、12.2mg/mL、12.3mg/mL、12.4mg
/mL、12.5mg/mL、12.6mg/mL、12.7mg/mL、12.8mg
/mL、12.9mg/mL、13.0mg/mL、13.1mg/mL、13.2mg
/mL、13.3mg/mL、13.4mg/mL、13.5mg/mL、13.6mg
/mL、13.7mg/mL、13.8mg/mL、13.9mg/mL、14.0mg
/mL、14.1mg/mL、14.2mg/mL、14.3mg/mL、14.4mg
/mL、14.5mg/mL、14.6mg/mL、14.7mg/mL、14.8mg
/mL、14.9mg/mL、15.0mg/mL、15.5mg/mL、16.0mg
/mL、16.5mg/mL、17.0mg/mL、17.5mg/mL、18.0mg
/mL、18.5mg/mL、19.0mg/mL、19.5mg/mL、または20.
0mg/mLのカンタリジン濃度(mgカンタリジン/mL製剤)を有することができる
。一部の状況では、カンタリジン製剤は、約40mg/mL、30mg/mL、20mg
/mL、10mg/mL、5mg/mL、または1mg/mL以下のカンタリジン濃度を
有することができる。
【0057】
製剤中で使用されるカンタリジンは、毒性を伴うことなく治療効果を誘導するのに十分
な純度とすることができる。製剤中で使用されるカンタリジンの純度は、50%~100
%の間とすることができる。使用されるカンタリジンの純度は、約70%、80%、90
%、95%、98%、99%、または99.9%以上とすることができる。
【0058】
一部の実施形態では、カンタリジンは、局部または局所投与に適した固体、半固体、ゲ
ル、または液体形態の調製物、例えば、局部または局所投与に適したゲル剤、水溶性ゼリ
ー剤、クリーム剤、ローション剤、懸濁剤、溶液、泡、散剤、スラリー、軟膏剤、溶液、
油、カプセル剤、錠剤、ペースト剤、坐剤、噴霧剤、乳剤、生理食塩水、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)ベースの溶液に製剤化することができる。高密度の担体は、活性成分
に長期間曝露される領域を提供できる可能性がある。これに対して、溶媒/溶液製剤は、
選ばれた領域にカンタリジンのより即時的な曝露を提供することができる。
【0059】
カンタリジン製剤はまた、適切な固体、半固体、ゲル、または液相の担体または賦形剤
を含むことができ、これらは、皮膚の角質層透過障壁を横断する治療分子の透過を増大さ
せるかまたはその送達を修飾することができる化合物である。そのような担体および賦形
剤の例としては、以下に限定されるものではないが、破壊剤(例えば、塩基、酸、酸化剤
)、架橋剤(例えば、ホルマリンまたはホルムアルデヒド)、湿潤剤(例えば、尿素)、
グリコール類(例えば、プロピレングリコール)、アルコール類(例えば、エタノール)
、脂肪酸類(例えば、オレイン酸)、界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピルお
よびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン類、グリセロールモノラウレート、スルホキ
シド類、テルペン類(例えば、メントール)、アミン類、アミド類、アルカン類、アルカ
ノール類、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、デンプン類、セルロー
ス誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコール類などのポリマーが挙げられる。
【0060】
カンタリジン製剤は、以下に限定されるものではないが、サリチル酸、トリクロロ酢酸
、塩酸、ギ酸、スクエア酸、または硝酸を含む、酸または酸の組合せを含有することがで
きる。カンタリジン製剤は、ポドフィロトキシンを含有することができる。カンタリジン
製剤は、酸化亜鉛を含有することができる。カンタリジン製剤は、イミキモド(2,4-
ジニトロクロロベンゼンおよび/またはカンジダ抗原)などの免疫療法剤を含有すること
ができる。カンタリジン製剤は、ブレオマイシン、ポドフィロトキシン、および/または
フルオロウラシルなどの化学療法剤を含有することができる。カンタリジン製剤は、過酸
化水素などの酸化剤を含有することができる。
【0061】
カンタリジン製剤は、カンタリジンの良好な可溶化および/または溶出を保証し、かつ
製剤中のカンタリジンの沈殿を最小限に抑えるために可溶化剤を含むことができる。可溶
化剤は、カンタリジンの溶解性を増大させるために、かつ/または安定もしくは均一な溶
液、エマルジョン、もしくは分散液として組成物を維持するために加えることができる。
【0062】
適切な可溶化剤の例としては、以下に限定されるものではないが、以下の1つまたは複
数が挙げられる:アルコール類およびポリオール類、例えば、アセトン、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール類およびその異性体、グリセロール、ペンタエリトリトール、
ソルビトール、マンニトール、トランスキュトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およ
び他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体;約20
0~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコール類のエーテル、例えば、テ
トラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPE
G;アミド類および他の窒素含有化合物、例えば、2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε
-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-
アルキルピペリドン、N-カプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニルピ
ロリドン;エステル類、例えば、プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸ア
セチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチ
ル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテー
ト、プロピレングリコールジアセテート、ε-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バ
レロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体;ならびに他の可
溶化剤、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン
、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水。
【0063】
可溶化剤の混合物も使用することができる。例としては、以下に限定されるものではな
いが、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメ
チルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキス
トリン、ポリエチレングリコール200~100、グリコフロール、トランスキュトール
、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、ソルビトール、グリセロール、トリア
セチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、およびプロピレングリコ
ールが挙げられる。
【0064】
所与の可溶化剤の量は、生体許容量に制限され得る。一部の環境では、例えば、蒸留ま
たは蒸発などの従来の手法を使用して、被験体に組成物を与える前に過剰な可溶化剤を除
去して薬物の濃度を最大化するために、生体許容量を超える可溶化剤の量を含むことが有
利になり得る。可溶化剤は、存在する場合、カンタリジンおよび他の賦形剤の合計重量を
基準にして、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または約200重量
%の重量比で存在させることができる。代替として、実質的に少量の可溶化剤も、例えば
、カンタリジン製剤の5重量%、2重量%、1重量%でも、またはそれ未満でも使用する
ことができる。一部の例では、可溶化剤は、カンタリジン製剤の約1重量%~約100重
量%、または約5重量%~約25重量%の量で存在させることができる。一部の場合では
、カンタリジン製剤は生体許容量未満を含む。
【0065】
カンタリジン製剤は、1つまたは複数の皮膜剤を含むことができる。カンタリジン製剤
は、1つまたは複数の皮膜剤を含まなくてもよい。皮膜剤の一部の例としては、以下に限
定されるものではないが、ニトロセルロース、ニトロセルロース誘導体、ポリビニルピロ
リドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、および他
の皮膜剤、またはそれらの組合せを挙げることができる。皮膜剤は、溶媒に溶解すること
ができる。皮膜剤は、1つまたは複数の溶媒に溶解することができる。カンタリジン製剤
は、1つまたは複数の溶媒を含むことができる。溶媒は、エタノール、アセトン、メタノ
ール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、エーテル、水、また
は他の溶媒とすることができる。一部の場合では、溶媒は、ジエチルエーテルでないか、
またはそれを含まない。溶媒はアセトンであってもよい。カンタリジン製剤は、1つまた
は複数の可塑剤を含むことができる。カンタリジン製剤は、1つまたは複数の可塑剤を含
まなくてもよい。そのような可塑剤の例としては、以下に限定されるものではないが、樟
脳およびヒマシ油を挙げることができる。カンタリジン製剤は、1つまたは複数の水媒介
重合剤を含むことができる。カンタリジン製剤は、1つまたは複数の水媒介重合剤を含ま
なくてもよい。水媒介重合剤の例としては、以下に限定されるものではないが、2-オク
チルシアノアクリレートおよびブチルシアノアクリレートを挙げることができる。一部の
場合では、皮膜剤、可塑剤、水媒介重合剤、またはそれらの組合せを含むと、粘性、柔軟
性、耐久性、強剛性、堅牢性、または膜形成性を有する最終的なカンタリジン製剤が得ら
れる。
【0066】
一部の場合では、1つまたは複数の皮膜剤は、約0.1%~約10%の間の重量/容積
濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数の皮膜剤は、約
1.25%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つま
たは複数の皮膜剤は、約2%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の
場合では、1つまたは複数の皮膜剤は、約0.001、0.01、0.1、1、1.25
、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.7
5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10
、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15
、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20
、21、22、23、24、または25%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在
する。一部の場合では、1つまたは複数の皮膜剤は、約0.001、0.01、0.1、
1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3
.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、
9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、1
4.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、1
9.5、20、21、22、23、24、25%超、またはそれを超える重量/容積濃度
でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数の皮膜剤は、約0.
001、0.01、0.1、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、
2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7
、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5
、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5
、18、18.5、19、19.5、20、21、22、23、24、25%未満、また
はそれ未満の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。
【0067】
一部の場合では、1つまたは複数の溶媒は、約10%~約95%の間の重量/容積濃度
でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数の溶媒は、約13%
の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数の
溶媒は、約87%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、
1つまたは複数の溶媒は、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、
55、60、65、70、75、80、85、90、または95%の重量/容積濃度でカ
ンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数の溶媒は、約10、15
、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、
85、90、95%超、またはそれを超える重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在
する。一部の場合では、1つまたは複数の溶媒は、約10、15、20、25、30、3
5、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95%未満
、またはそれ未満の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。
【0068】
皮膚に塗布されると、カンタリジン溶液は、例えば、1秒、10秒、30秒、1分、5
分、または10分以内など、迅速に乾燥し得る。一例では、カンタリジン製剤の乾燥時間
を評価するために使用されるアッセイは、皮膚の直径3mmの円の上に4マイクロリット
ルのカンタリジン製剤をピペットにより均一に塗布するものである。一例では、カンタリ
ジン製剤は2分または30秒未満で乾燥する。
【0069】
一部の場合では、1つまたは複数の可塑剤は、約0.001%~約5%の間の重量/容
積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、可塑剤はカンタリジン製剤中
に存在しない。一部の場合では、1つまたは複数の可塑剤は、約5%以下の重量/容積濃
度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、可塑剤は、約0.1、0.15、
0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、
0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.5、2、
2.5、3、3.5、4、4.5、または5%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に
存在する。一部の場合では、可塑剤は、約0.001、0.01、0.1、0.15、0
.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0
.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.5、2、2
.5、3、3.5、4、4.5、5%超、またはそれを超える重量/容積濃度でカンタリ
ジン製剤中に存在する。一部の場合では、可塑剤は、約0.001、0.01、0.1、
0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55
、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1
.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5%未満、またはそれ未満の重量/容積濃
度でカンタリジン製剤中に存在する。
【0070】
カンタリジン製剤は色素を含むことができる。カンタリジン製剤は、1つまたは複数の
色素を含んでもよい。カンタリジン製剤は色素を含まなくてもよい。色素は、カンタリジ
ン製剤の色を調節するのに十分な濃度で使用されるアクリジン、アントラキノン、アリー
ルメタン、アゾ、ジアゾニウム、ニトロ、フタロシアニン、キノンイミン、テトラゾリウ
ム、チアゾール、キサンテン、酸性、塩基性、直接、媒染、天然、またはソルベント色素
とすることができる。
【0071】
色素は、アクリジンオレンジ、アクリフラビン、アントラセンブルーSWR、アリザリ
ン、アリザリンレッドS(モーダントレッド3)、ヌクレアファーストレッド、オーラミ
ンO、クロモキサンシアニンR(chromoxane cyanin R)、パラロー
ザニリン、ローザニリン、マゼンタII、ニューフクシン、メチルバイオレット2B、メ
チルバイオレット6B、クリスタルバイオレット、ホフマンバイオレット、メチルグリー
ン、エチルグリーン、酸性フクシン(アシッドバイオレット19)、ファーストレッドB
、ファーストブルーB、塩化ジアゾニウム、ジアゾニウム酸硫酸塩、ジアゾニウムアルキ
ル硫酸塩、塩化ジアゾニウム、ジアゾニウムフルボレート(diazonium flu
borate)、またはジアゾニウムベンゼンスルホネート、ピクリン酸、アルシアンブ
ルー、ルクソールファーストブルー、トルイジンブルーO、チオニン、アズールA、アズ
ールB、アズールC、ニュートラルレッド、サフラニンO、ガロシアニン、ガラミンブル
ー、ヨードニトロテトラゾリウム、ニトロブルーテトラゾリウム、チオフラビンT、ピロ
ニンY、ピロニンB、ローダミンB、マルチウスイエロー(アシッドイエロー24)、エ
オシンY(アシッドレッド87)、ビエブリッチスカーレット(アシッドレッド66)、
スルホン化パラローザニリン(ベーシックレッド9)、パラローザニリン(ベーシックレ
ッド9)、メチレンブルー(ベーシックブルー9)、コンゴレッド(ダイレクトレッド2
8)、エリーガーネット(ダイレクトレッド10)、シリウスレッドF3B(ダイレクト
レッド80)、ヘマテイン(ナチュラルブラック1)、クロモキサンシアニンR(モーダ
ントブルー3)、セレスチンブルーB(モーダントブルー14)、ケルメス(ナチュラル
レッド3)、カルミン(ナチュラルレッド3)、ラック(ナチュラルレッド25)、ヘマ
テイン(ナチュラルブラック1)、サフラン(ナチュラルイエロー6)、スダンIII(
ソルベントレッド23)、スダンIV(ソルベントレッド24)、オイルレッドO(ソル
ベントレッド27)、スダンブラックB(ソルベントブラック3)、またはその他のもの
とすることができる。
【0072】
色素は相変化色素を含むことができる。色素は2つ以上の相変化色素を含んでもよい。
色素は相変化色素を含まなくてもよい。相変化色素の一部の例としては、以下に限定され
るものではないが、D&Cオレンジ、ネオザポンレッド(neozapon red)4
92、オラソルレッドG、ダイレクトブリリアントピンクB、ダイレクトレッド3BL、
スプラノールブリリアントレッド(supranol brilliant red)3
BW、レモンイエロー6G、ライトファースト3G、アイゼンスピロンイエローC-GN
H、ベマクロムイエローGDサブ(bemachrome yellow GD sub
)、カータソルブリリアントイエロー4GF、シバノンイエロー(cibanone y
ellow)2G、オラソルブラックRLI、オラソルブラックCN、サビニルブラック
(savinyl black)RLSN、ピラゾールブラックBG、モルファーストブ
ラック(morfast black)101、ジアゾールブラック(diaazol
black)RN、サーモプラストブルー(thermoplast blue)670
、オラソルブルー(orasol blue)GN、サビニルブルー(savinyl
blue)GLS、ルクソールファーストブルー(luxol fast blue)M
BSN、セブロンブルー(sevron blue)5GMF、バスアシッドブルー(b
asacid blue)750、キイプラストブルー(keyplast blue)
、ネオザポンブラック(neozapon black)X51、クラシックソルベント
ブラック(classic solvent black)7、スダンブルー670、ス
ダンイエロー146、スダンレッド462、ネプチューンレッドベース(neptune
red base)NB543、ネオペンブルー(neopen blue)FF-4
012、ファトソルブラック(fatsol black)BR、モルトンモルプラスマ
ゼンタ(morton morplas magenta)36、またはその他のものを
挙げることができる。
【0073】
色素は指示色素として機能するものを含むことができる。色素は2つ以上の指示色素を
含んでもよい。色素は指示色素を含まなくてもよい。指示色素の一部の例としては、以下
に限定されるものではないが、D&Cバイオレット、イソスルファンブルー、メチレンブ
ルー、メチルレッド、メチルオレンジ、コンゴレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレ
ゾールグリーン、ゲンチアナバイオレット、またはその他のものを挙げることができる。
色素は、1つもしくは複数の相変化色素および1つもしくは複数の指示色素、またはそれ
らの組合せを含むことができる。指示色素は、十分な濃度で使用してカンタリジン製剤で
処置された領域の境界を画定することができる。
【0074】
カンタリジン製剤はフルオロフォアを含有することができる。カンタリジン製剤は2つ
以上のフルオロフォアを含有してもよい。カンタリジン製剤はフルオロフォアを含有しな
くてもよい。フルオロフォアは、ミネラル(例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、
銅、鉄、鉛、カドミウム、水銀、ニッケル、コバルト、アルミニウム、またはランタニド
元素)の存在を示すことができる。フルオロフォアは、マグネシウムの存在を示すことが
できる。フルオロフォアは、細胞内マグネシウムの存在を示すことができる。カンタリジ
ン製剤は、紫外光の下で蛍光を発するフルオロフォアを含有することができる。紫外光の
下で蛍光を発する蛍光指示薬の例としては、以下に限定されるものではないが、mag-
indo-1またはmag-fura-2を挙げることができる。カンタリジン製剤は、
可視光の下で蛍光を発するフルオロフォアを含有することができる。可視光の下で蛍光を
発する蛍光指示薬の例としては、以下に限定されるものではないが、マグネシウムグリー
ンまたはmag-fluo-4を挙げることができる。
【0075】
カンタリジン製剤は、1つまたは複数のフルオロフォア、1つまたは複数の色素、また
はそれらの組合せを含むことができる。一部の場合では、1つまたは複数のフルオロフォ
アまたは1つまたは複数の色素は、約0.00001、0.00005、0.0001、
0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.000
7、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、
0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、
0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0
.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、または10%の
重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数のフ
ルオロフォアまたは1つまたは複数の色素は、約0.00001、0.00005、0.
0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、
0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0
.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、
0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、
0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、10
%超、またはそれを超える重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合
では、1つまたは複数のフルオロフォアまたは1つまたは複数の色素は、約0.0000
1、0.00005、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.
0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0
.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008
、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.0
7、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、
0.8、0.9、1、10%未満、またはそれ未満の重量/容積濃度でカンタリジン製剤
中に存在する。一部の場合では、1つまたは複数のフルオロフォアまたは1つまたは複数
の色素は、約0.00001%~約1%の間の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存
在する。一部の場合では、1つまたは複数のフルオロフォアまたは1つまたは複数の色素
は、約0.005%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。
【0076】
カンタリジン製剤は、苦味剤または経口抑止剤などの1つまたは複数の嫌悪剤を含有す
ることができる。苦味剤は香味料の一例である。苦味剤または経口抑止剤は、製剤の経口
摂取を防止または阻止するために使用することができる。苦味剤または経口抑止剤は、製
剤を皮膚に塗布する前、最中、または後に製剤をなめ、かつ/または摂取するのを防止ま
たは阻止するために使用することができる。苦味剤または経口抑止剤としては、以下に限
定されるものではないが、デナトニウム(例えば、安息香酸デナトニウム、デナトニウム
サッカライド)、アマロゲンチン、ゲンチオピクリン、オクタアセチルスクロース、ケル
セチン、ブルシン、およびクァシンを挙げることができる。苦味剤の安息香酸デナトニウ
ムは、カンタリジン製剤に加えることができる。
【0077】
嫌悪剤は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.0
7、0.08、0.09、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.
5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、11、12、13、14
、15、16、17、18、19、または約20百万分率(ppm)の濃度でカンタリジ
ン製剤中に存在させることができる。一部の場合では、嫌悪剤は、約0.01、0.02
、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1、1.
5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、
8.5、9、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
20ppm超、またはそれを超える濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合で
は、嫌悪剤は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.
07、0.08、0.09、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5
.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、11、12、13、1
4、15、16、17、18、19、20ppm未満、またはそれ未満の濃度でカンタリ
ジン製剤中に存在する。一部の場合では、嫌悪剤は、約0.01ppm~約20ppmの
間の濃度でカンタリジン製剤中に存在する。
【0078】
一部の場合では、嫌悪剤は、全液体容積の約0.00001%~約1%の重量/容積濃
度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、嫌悪剤は、約0.000001%
、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、ま
たは約2%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。一部の場合では、嫌悪剤
は、約0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.0
1%、0.1%、1%、2%超、またはそれを超える重量/容積濃度でカンタリジン製剤
中に存在する。一部の場合では、嫌悪剤は、約0.000001%、0.00001%、
0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%未満、またはそれ未
満の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在する。嫌悪剤は、約0.0006%の重
量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在させることができる。嫌悪剤は、約0.000
1%~約0.001%の重量/容積濃度でカンタリジン製剤中に存在させることができる
【0079】
カンタリジン製剤は、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤または賦形剤を含む
ことができる。そのような添加剤または賦形剤としては、限定されるものではないが、脱
粘着剤、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘性調節剤、張性
剤、香味料、着色料、臭気剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤、およ
びそれらの混合物を挙げることができる。
【0080】
一部の場合では、カンタリジン製剤は、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約
3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約
4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約
5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約
5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約
6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約
7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約
8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約
9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約
9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約
10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、約11.0、約11.1
、約11.2、約11.3、約11.4、約11.5、約11.6、約11.7、約11
.8、または約12.0のpHを有することができる。代替として、カンタリジン製剤は
、少なくとも約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6
、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4
、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2
、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0
、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8
、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6
、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4
、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2
、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.
0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約1
0.7、約10.8、約10.9、約11.0、約11.1、約11.2、約11.3、
約11.4、約11.5、約11.6、約11.7、約11.8、約11.9、または約
12.0のpHを有することができる。
【0081】
カンタリジン製剤は液体形態であってもよい。液体形態は、流体の流れに対する抵抗性
を有してもよい。液体形態は、約4000、3000、2000、1500、1000、
500、400、300、200、または100未満のレイノルズ数を有することができ
る。液体形態は、約0.1、1、5、10、25、50、75、100、250、500
、1000、1250、1500、または約2000のレイノルズ数を有することができ
る。液体形態は、約2000、1750、1500、1250、1000、500、40
0、300、250、200、150、100、75、50、25、10、5、1、0.
1未満、またはそれ未満のレイノルズ数を有することができる。
【0082】
一部の場合では、カンタリジン製剤は、約25℃の温度で、約4000、3000、2
000、1500、1000、500、400、300、200、または100未満のレ
イノルズ数を有することができる。液体形態は、約25℃の温度で、約1、5、10、2
5、50、75、100、250、500、1000、1250、1500、1750、
または約2000のレイノルズ数を有することができる。液体形態は、約25℃の温度で
、約2000、1750、1500、1250、1000、500、400、300、2
50、200、150、100、75、50、25、10、5、1未満、またはそれ未満
のレイノルズ数を有することができる。
【0083】
液体形態は高粘度を有してもよい。液体形態は、アプリケーターユニットから液体がは
ねる、滴る、流れる、流出する、漏れる、エアロゾル化する可能性がないように、実質的
に粘着性があってもよい。液体形態は、患者または使用者の投与部位にカンタリジン製剤
が留まるように、実質的に粘着性があってもよい。液体形態は、患者または使用者の投与
部位からカンタリジン製剤が流出する、はねる、滴る、流れる、流出する、または漏れる
可能性がないように、実質的に粘着性があってもよい。
【0084】
1つまたは複数のゲル化剤、例えば、デキストラン、ニトロセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、エチルセルロース、またはその他のものを、粘度を増大させるために
液体形態に加えることができる。周囲条件(例えば、25℃)における液体形態の粘度は
、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120
、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220
、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320
、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420
、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700
、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6
,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,
000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、5
0,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000
、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、1
30,000、140,000、150,000、200,000、250,000、5
00,000、1,000,000、1,500,000、または約2,000,000
センチポアズとすることができる。周囲条件における液体形態の粘度は、約10、20、
30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140
、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240
、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340
、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440
、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900
、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,0
00、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,0
00、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55
,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、
90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、1
40,000、150,000、200,000、250,000、500,000、1
,000,000、1,500,000、2,000,000センチポアズ超、またはそ
れを超えるものとすることができる。周囲条件における液体形態の粘度は、約10、20
、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、14
0、150、160、170、180、190、200、210、220、230、24
0、250、260、270、280、290、300、310、320、330、34
0、350、360、370、380、390、400、410、420、430、44
0、450、460、470、480、490、500、600、700、800、90
0、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,
000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,
000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、5
5,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000
、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、
140,000、150,000、200,000、250,000、500,000、
1,000,000、1,500,000、2,000,000センチポアズ未満、また
はそれ未満とすることができる。一部の場合では、粘度は約10~10,000センチポ
アズの間である。
【0085】
カンタリジン製剤は、マグネシウムイオン(Mg2+)またはマグネシウムイオンを生
成し得る試薬を含まないかまたはその低下したレベルを有することができる。カンタリジ
ン製剤は、マンガンイオン(Mn2+)またはマンガンイオンを生成し得る試薬を含まな
いかまたはその低下したレベルを有することができる。カンタリジン製剤は、マグネシウ
ムイオンおよびマンガンイオンまたはマグネシウムイオンおよびマンガンイオンを生成し
得る試薬を含まないかまたはその低下したレベルを有することができる。Mg2+イオン
および/またはMn2+イオンは、カンタリジンと相互作用して、その活性(例えば、治
療効力)を制限することがある。カンタリジン製剤は、約30、20、15、10、5、
4、3、2、または約0.1%のマグネシウムイオンを含むことができる。カンタリジン
製剤は、約30、20、15、10、5、4、3、2、1、0.1%、またはそれ未満の
マグネシウムイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、約0.1~1%の間のマ
グネシウムイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、約0.1%未満のマグネシ
ウムイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、約5~0.1%の間のマグネシウ
ムイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、マグネシウムイオンを含んでもよい
。カンタリジン製剤は、マグネシウムイオンを含有しなくてもよい。カンタリジン製剤は
、同様の理由でマンガン、カルシウム、ナトリウム、およびカリウムイオンを含まないか
またはその低下したレベルを有することができる。例えば、カンタリジン製剤は、約30
、20、15、10、5、4、3、2、または約0.1%のマンガンイオンを含むことが
できる。カンタリジン製剤は、約30、20、15、10、5、4、3、2、1、0.1
%、またはそれ未満のマンガンイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、約0.
1~1%の間のマンガンイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、約0.1%未
満のマンガンイオンを含むことができる。カンタリジン製剤は、約5~0.1%の間のマ
ンガンイオンを含むことができる。カンタリジン製剤はマンガンイオンを含んでもよい。
カンタリジン製剤はマンガンイオンを含有しなくてもよい。
【0086】
本開示のカンタリジン製剤は、他の外用剤を含有することができる。外用剤としては、
以下に限定されるものではないが、局所麻酔剤、局所鎮痛剤、抗微生物剤、殺微生物剤、
消毒剤、防腐剤、抗生物質、殺菌剤、静菌剤、洗浄剤、抗炎症剤、抗感染剤(例えば、ゲ
ンチアナバイオレット)、皮膚軟化剤、収れん剤、抗座瘡剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、
殺真菌剤、抗乾癬剤、駆虫剤、コルチコステロイドなどのステロイドホルモンが挙げられ
る。外用剤の例としては、以下に限定されるものではないが、アルタバックス(Alta
bax)(レタパムリン)、アメビブ(アレファセプト)、アビタ(Avita)ゲル、
バクトロバンクリーム、ベンザマイシン(benzamycin)、エリスロマイシン、
ボトックス、セファゾリン、デキストロース、クロラプレップ(chloraprep)
(クロルヘキシジングルコン酸塩)、リン酸クリンダマイシン、コンディロックス(co
ndylox)(ポコフィロックス(pokofilox))、デソネート(deson
ate)(デソニド)、ディフェリン(アダパレン)、ダイナバック(Dynabac)
、エリデル、エリベッジ(ビスモデギブ)、エストロステップ(Estrostep)、
酢酸ノルエチンドロン、エチニルエストラジオール、エクスチナ(Extina)(ケト
コナゾール)、フィアセア(Fiacea)(アゼライン酸)、フィネビン(Finev
in)、フィラジル(Firazyr)(イカチバント)、グラリセ(Gralise)
(ギャバペンチン)、ホリザント(ギャパベンチンエナカルビル(gapabentin
enacarbil))、塩酸、過酸化水素、イアミン(Iamin)、インバンツ(
Invanz)、イオントカイン(Iontocaine)、アイビーブロック(Ivy
Block)、クラロン(Klaron)(ナトリウムスルファセットアミド)、ラミシ
ール(テルビナフィン塩酸塩)、ラビブ(LaViv)(アズフィセル(azficel
)-T)、ルストラ(Lustra)、ルキィシップ(Luxiq)(吉草酸ベタメタゾ
ン)、メンタックス(ブテナフィンHCl)、メトロローション(MetroLotio
n)、ミノキシジル、ノリテート(Noritate)、硝酸、オムニセフ(Omnic
ef)、オルトトリ-シクリー(Cyclee)、ノルゲスチメート、ピカト(Pica
to)(インゲノールメブテート)、プロぺシア、プロトピック(タクロリムス)、コン
ディロックス(Condylox)(ポドフォトキシン(podophotoxin))
、レグラネクス(ベカプレルミン)、レノバ(Renova)、トラチノイン(trat
inoin)、サラジェン、白檀油、サリチル酸、スクリーセ(Sklice)(イベル
メクチン)、ステラーラ(ウストキヌマブ(ustkinumab))、サルファマイロ
ン、サイラトロン(Sylatron)(ペグインターフェロンアルファ-2b)、タゾ
ラック(Tazorac)、テフラロ(セフタロリンフォサミル)、サロミド、トリクロ
ロ酢酸、タイガシル(チゲサイクリン)、ベルチン(Veltin)(リン酸クリンダマ
イシン)、トレチノイン、ヴェレゲン(Veregen)(緑茶シンカテキン(sinc
atechin))、ヴェルデソ(Verdeso)(デソニド)、ヴィバティブ(テラ
バンシン)、ヴィバティブ(テラバンシン)、ザイザル(レボクチリジン(levoct
irizine)ジヒドロクロリド)、ヤーボイ(Yervoy)(イピリムマブ)、ゼ
ルボラフ(ベムラフェニブ)、およびザイクララ(Zyclara)(イミキモド)が挙
げられる。
【0087】
カンタリジン製剤は下記の成分を有することができる。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】
【表7】
【0095】
表7に記載のカンタリジン溶液は、以下の方法で調製することができる。アセトン、エ
タノール、およびニトロセルロースをガラスバイアルに加えて、混合物を形成させる。ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングされた撹拌棒を加え混合物を混合し
て、均質の粘着性混合物を形成させることができる。ヒマシ油および樟脳を混合物に加え
撹拌して、均質にすることができる。1%安息香酸デナトニウムのエタノール溶液をガラ
スバイアルに加えることができる。1%ゲンチアナバイオレットのエタノール溶液をガラ
スバイアルに加えることができる。95%超の純度のカンタリジン散剤をガラスバイアル
に加えることができる。混合物を混合して均質にすることができる。ヒドロキシプロピル
セルロースを加え混合物を混合して、完全にゲル化させ均質にすることができる。
【0096】
アプリケーター装置およびキット
本開示の別の態様は、疣贅を処置するためのアプリケーター装置、システム、およびキ
ットを提供する。疣贅または他の皮膚病を処置するためのアプリケーター装置は、本開示
のカンタリジン製剤を含むことができる。一部の場合では、カンタリジン製剤を送達する
ためのアプリケーター装置は、カンタリジン製剤を含有する少なくとも1つのリザーバー
またはチャンバーと、リザーバーと流体連結して被験体にカンタリジン製剤を送達するた
めのアプリケーションユニットとを含むことができる。
【0097】
カンタリジン製剤を送達するためのシステムは、カンタリジン製剤と、カンタリジン製
剤を送達するように構成されたアプリケーター装置とを含むことができる。カンタリジン
製剤は賦形剤を含むことができる。カンタリジン製剤は、上記または本明細書の別のとこ
ろに記載の任意の濃度または組成物を有することができる。一部の例では、カンタリジン
製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含有する。一部の場合で
は、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、または1%のカンタリジ
ンを含有する。他の例として、カンタリジン製剤は、少なくとも約5%(w/v)の賦形
剤を含む。
【0098】
アプリケーター装置は、アプリケーターユニットと、それぞれがアプリケーターユニッ
トと流体連絡のある1つまたは複数のキャビティーを含む1つまたは複数のリザーバーと
を含むことができる。個々のリザーバーは種々の形状を有することができる。一部の例で
は、リザーバーは、環状、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形の断面、またはその
任意の部分的形状もしくは組合せを有する。一部の例では、リザーバーは円筒形である。
一部の例では、リザーバーは球形または楕円形である。
【0099】
被験体にカンタリジン製剤を送達するためのシステムは、カンタリジン製剤を含有する
キャビティーを含むリザーバーを含むことができる。リザーバーは、約10mL以下の容
積を有することができる。リザーバーは、約1.0気圧を超えるリザーバーの圧力上昇を
誘導するために圧縮可能にすることができる。あるいは、リザーバーの一部は、カンタリ
ジン溶液の流出を誘導するために圧縮可能にすることができる(例えば、プランジャーま
たはボタン)。システムは、アダプターおよびアプリケーターチップを含むアプリケータ
ーユニットを含むことができる。アプリケーターチップは、開口部およびリザーバーとの
流体連絡のチャネルを含む。アプリケーターチップは、リザーバーから、被験体の領域(
例えば、皮膚部位)などアプリケーターチップの外部にカンタリジン製剤を移すように構
成することができる。
【0100】
一部の場合では、アプリケーターユニットは、アプリケーターチップを覆うように構成
される透明キャップを含む。透明キャップは、プラスチック(例えば、熱可塑性物質)な
どのポリマー材料から作ることができる。アプリケーションユニットは、開口部上にバリ
アを含むことができる。透明キャップは、バリアに穴をあけるように構成される穴あけ装
置(例えば、針)を含むことができる。
【0101】
透明キャップは通気孔があってもよい。例えば、図8は、アプリケーターチップ803
に付き、フィルター802を含有することができるプラスチックリザーバー801内に含
有されるアンプルを有するアプリケーション装置を図示する。アプリケーターチップ80
3は、1つまたは複数の通気孔805を有する取り外し可能な透明キャップ804で囲む
ことできる。透明キャップは通気孔がなくてもよい。溶媒がアプリケーターユニットから
放出(例えば、蒸発)され得るように、透明キャップに通気孔があってもよい。溶媒の一
部はアプリケーターユニットから放出され得る。溶媒の全量がアプリケーターユニットか
ら放出され得る。液体製剤がアプリケーターユニット内に保持されるように、透明キャッ
プに通気孔があってもよい。液体製剤は保持することができるが溶媒は放出され得るよう
に、透明キャップに通気孔があってもよい。溶媒の全部または一部の量がアプリケーター
ユニットから放出される場合には、液体製剤は完全にまたは部分的に固化することがある
。液体製剤は完全に固化することがある。液体製剤は部分的に固化することがある。高い
蒸気圧の溶媒を、記載の製剤に使用することができる。そのような場合には、溶媒は、周
囲条件下で容易に蒸発し得る。溶媒は高い蒸気圧を有しなくてもよい。高い蒸気圧の溶媒
は、通気孔のあるアプリケーターユニットから迅速に放出(例えば、蒸発)され得る。一
部の場合では、液体製剤が固化すると、再使用することができない。
【0102】
一部の場合では、リザーバーのねじ口にアダプターを固定する。例えば、刻み目に固定
する2つのフレキシブルなプロングなどのロック機構を使用して、アダプターをねじ口に
固定することができる。
【0103】
アプリケーターチップの開口部は、約20ミリメートル(mm)、18mm、16mm
、14mm、12mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、
3mm、2mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5m
m、0.4mm、0.3mm、0.2mm、または0.1mm以下の直径を有することが
できる。一部の状況では、開口部のサイズは、アプリケーターチップからのカンタリジン
製剤の流出速度を調節するために調整可能になっている。
【0104】
システムは、カンタリジン製剤を含むことができる。一部の非限定例では、カンタリジ
ン製剤は、少なくとも約0.001%(w/v)のカンタリジンを含有することができる
。一部の場合では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.01%、0.1%、または1
%のカンタリジンを含有することができる。一部の非限定例では、カンタリジン製剤は、
5%(w/v)以上の賦形剤を含有することができる。他の非限定例では、カンタリジン
製剤は、1%(w/v)以下のカンタリジン、カンタリジン酸、ノルカンタリジン、また
はパラソニンを組み合わせて含むことができる。
【0105】
一部の非限定例では、リザーバーは、約50mL、40mL、30mL、20mL、1
0mL、5mL、1mL、0.5mL、または0.1mL以下の容積を有することができ
る。一部の非限定例では、リザーバーは、一方の端部の上にまたはそれにすでに付属して
ねじ口またはスナップ(スナップオン)キャップを有することができる。キャップは、そ
れがリザーバーに取り外し可能に固定されることを可能にするリブを含むことができる。
キャップはリザーバーを密封することができる。一部の状況では、密封は気密性の密封で
ある。
【0106】
アプリケーターは、カンタリジン製剤を保持するガラスアンプルを含有することができ
る。ガラスアンプルは、カンタリジン製剤を放出するために壊れるようにまたは穴があけ
られるように適合させることができる。一部の場合では、ガラスアンプルを数断片に破裂
させることができる。一部の場合では、外側のプラスチックリザーバーは、カンタリジン
製剤を放出するガラスアンプルを粉砕するために圧縮することができる。一部の例では、
アンプルは、USPI型ホウケイ酸ガラス、USPII型ホウケイ酸ガラス、またはUS
PIII型ホウケイ酸ガラスからなる。代替として、アプリケーターは、プラスチックま
たはゴムなどのポリマー材料から作られたアンプルを含むことができる。そのような場合
のアンプルでは、カンタリジン製剤を放出するために穴をあけても、粉砕してもよい。
【0107】
アプリケーターユニットはフィルターを有することができる。アプリケーターユニット
は、2つ以上のフィルターを有してもよい。アプリケーターユニットはフィルターを有し
なくてもよい。フィルターは、凝集物、粒子、材料断片等を濾去することができる。これ
らの凝集物、粒子、または材料断片は、以下に限定されるものではないが、ガラス粒子、
プラスチック粒子、液体製剤由来の沈殿物、またはその他の凝集物であり得る。液体製剤
を皮膚に塗布する前に、凝集物、粒子、または材料断片を除去するために、1つまたは複
数のフィルターをアプリケーターユニットに含むことができる。バリアを提供するために
、1つまたは複数のフィルターをアプリケーターユニットに含むことができる。1つまた
は複数のフィルターは、さらなる製剤の送達を阻止し得るバリアを提供することができる
。1つまたは複数のフィルターは、固化した製剤のさらなる送達を阻止するバリアを提供
することができる。フィルターは、1つまたは複数の穴を有するプラスチックからなって
も、あるいはメッシュ素材(例えば、ポリエステルまたはポリエチレン)であってもよい
【0108】
一部の場合では、カンタリジン製剤を送達するためのシステムは、カンタリジン製剤お
よびアプリケーター装置を含むことができる。一部の非限定例では、カンタリジン製剤は
賦形剤を含むことができ、アプリケーター装置はカンタリジン製剤を送達するように構成
することができる。一部の非限定例では、カンタリジン製剤は、少なくとも約0.001
%(w/v)のカンタリジンを含むことができる。一部の非限定例では、カンタリジン製
剤は、5%(w/v)以上の賦形剤を含むことができる。
【0109】
一部の場合では、アプリケーター装置は、アプリケーターユニットと、それぞれがアプ
リケーターユニットと流体連絡のある1つまたは複数のキャビティーを含む1つまたは複
数のリザーバーとを含むことができる。一部の非限定例では、リザーバーは、一方の端部
にねじ口を含むことができる。一部の非限定例では、リザーバーは、5mL以下の容積を
有することができる。一部の非限定例では、リザーバーは、約1.0気圧を超えるリザー
バーの圧力上昇を誘導するために圧縮可能にすることができる。一部の非限定例では、ア
プリケーターユニットは、開口部およびリザーバーとの流体連結の内部チャネルを含むア
プリケーターチップを含むことができ、一部の非限定例では、アプリケーターチップは、
リザーバーからアプリケーターチップの外部にカンタリジン製剤を移すように構成するこ
とができる。
【0110】
図1Aに、カンタリジン製剤を保持することができるリザーバーの例を図示する。リザ
ーバー101は、図2に示すアプリケーターユニットなどの他のモジュールに取り付ける
ことができるロック機構102を装備することができる。リザーバー101の上方部は、
中空ねじ口103を有することができる。あるいは、リザーバー101の上方部は、異な
る種類のキャップを有してもよく、またはキャップをまったく有しなくてもよい。中空ね
じ口はさらに、バリア104を装備することができる。あるいは、中空ねじ口はバリアを
有しなくてもよい。バリア104は箔バリアとすることができる。あるいは、バリア10
4は、天然ポリマー、合成ポリマー、および金属などの他の材料からなってもよい。バリ
ア104は、リザーバーの内容物を滅菌状態に保つことができる。バリア104は、リザ
ーバー内に内容物を保つことができる。バリア104はまた、他の実用的な機能を有し得
る。
【0111】
リザーバーは、約1.0気圧、1.1気圧、1.2気圧、1.3気圧、1.4気圧、1
.5気圧、1.6気圧、1.7気圧、1.8気圧、1.9気圧、2.0気圧、3.0気圧
、4.0気圧、5.0気圧、6.0気圧、7.0気圧、8.0気圧、9.0気圧、10気
圧、20気圧、30気圧、または40気圧を超える、リザーバー内部の圧力上昇を誘導す
るために、圧縮可能にするか、または圧力アプリケーター部材(例えば、プランジャーま
たはボタン)を含むことができる。リザーバーは、約1.0気圧、1.1気圧、1.2気
圧、1.3気圧、1.4気圧、1.5気圧、1.6気圧、1.7気圧、1.8気圧、1.
9気圧、2.0気圧、3.0気圧、4.0気圧、5.0気圧、6.0気圧、7.0気圧、
8.0気圧、9.0気圧、10気圧、20気圧、30気圧、または40気圧以上にリザー
バー内部の圧力上昇を誘導するために圧縮可能にすることができる。一部の場合では、リ
ザーバーの圧力は、最大で約100気圧、50気圧、40気圧、30気圧、20気圧、1
0気圧、または5気圧の係数で上昇させる。一部の例では、リザーバーは、約1気圧~2
0気圧、1気圧~15気圧、1気圧~10気圧、または1気圧~5気圧にリザーバーの圧
力上昇を誘導するために圧縮可能にされる。
【0112】
一部の場合では、リザーバーは、約1.0気圧、1.1気圧、1.2気圧、1.3気圧
、1.4気圧、1.5気圧、1.6気圧、1.7気圧、1.8気圧、1.9気圧、2.0
気圧、3.0気圧、4.0気圧、5.0気圧、6.0気圧、7.0気圧、8.0気圧、9
.0気圧、10気圧、20気圧、30気圧、または40気圧を超えるリザーバー内部の圧
力を誘導するために、圧縮可能にするかまたは圧力アプリケーター部材を含むことができ
る。リザーバーは、約1.0気圧以上、1.1気圧、1.2気圧、1.3気圧、1.4気
圧、1.5気圧、1.6気圧、1.7気圧、1.8気圧、1.9気圧、2.0気圧、3.
0気圧、4.0気圧、5.0気圧、6.0気圧、7.0気圧、8.0気圧、9.0気圧、
10気圧、20気圧、30気圧、または40気圧以上のリザーバー内部の圧力を誘導する
ために圧縮可能にすることができる。一部の場合では、リザーバーの圧力を、最大で約1
00気圧、50気圧、40気圧、30気圧、20気圧、10気圧、または5気圧に上昇さ
せる。一部の例では、リザーバーは、約1気圧~20気圧、1気圧~15気圧、1気圧~
10気圧、または1気圧~5気圧のリザーバーの圧力を誘導するために圧縮可能にされる
【0113】
あるいは、装置は、リザーバーの端部からアプリケーターチップへのカンタリジン溶液
の移動を可能にすることができるウィッキング材料(例えば、ポリエステル繊維)を含有
することができる。
【0114】
あるいは、装置は、ボタンが押されるかまたはトリガーが引かれるかまたはダイアルが
回されると、アプリケーターチップから所定量のカンタリジン溶液を物理的に移動させる
レバーまたは回転アームを有することができる。
【0115】
図1Bに、リザーバーの別の例を図示する。リザーバー105は、リザーバー101と
実質的に異なる形状を有することができる。リザーバー105は、リザーバー101とは
実質的に異なるサイズを有することができる。
【0116】
リザーバーは、約0.1mL~100mL、または約0.1mL~50mL、または約
1mL~20mL、または約0.1mL~10mL、または約0.5~5mL、または約
0.5mL~3mLの容積を有することができる。リザーバーは、約100mL、約50
mL、約10mL、約5mL、約3mL、約1mL、約0.5mL、または約0.1mL
以下の容積を有することができる。
【0117】
リザーバーは、主としてまたは実質的に円筒形または球形の形状を有することができる
。あるいは、リザーバーは主としてまたは実質的に長方形の形状を有することができる。
リザーバーは1つの縁部を有することができる。あるいは、リザーバーは2つ以上の縁部
を有することができる。さらに、リザーバーは不規則な形状を有することができる。
【0118】
リザーバーは、少なくとも部分的にまたは全面的にポリマー材料(例えば、プラスチッ
ク)から作ることができる。使用されるプラスチックは、以下に限定されるものではない
が、ポリプロパノール、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン
、もしくはポリテトラフルオロエチレン、またはそれらの一部の組合せとすることができ
る。代替として、リザーバーは、少なくとも部分的にまたは全面的に金属材料(例えば、
ステンレス鋼またはアルミニウム)から作ることができる。一例では、リザーバーの一部
は、ポリマー材料から作られ、リザーバーの残部は金属材料から作られる。
【0119】
リザーバーは、少なくとも部分的にまたは全面的にポリマー材料(例えば、プラスチッ
ク)から作ることができる。代替として、リザーバーは、少なくとも部分的にまたは全面
的に金属材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム)から作ることができる。一例
では、リザーバーの一部は、ポリマー材料から作られ、リザーバーの残部は金属材料から
作られる。
【0120】
本発明のリザーバーは、単独でもしくは組み合わせて任意の要素を含み、かつ/または
上記もしくは本明細書の別のところに記載の特性を含むことができる。
【0121】
図2Aに、カンタリジン製剤を送達するために使用することができるアプリケーターユ
ニットの例を図示する。アプリケーターユニット201は、カンタリジン製剤を送達およ
び/または塗布するために使用することができる。アプリケーターユニット201は、図
1に示すリザーバーなどの他のモジュールに取り付けることができるロック機構202を
装備することができる。あるいは、アプリケーターユニット201は、ロック機構を有し
なくてもよい。アプリケーターユニット201は、中空ねじ口203を有することができ
る。中空ねじ口203は、図1に示すリザーバーのものなど、相補的な中空ねじ口の上に
回して取り付けることができる。あるいは、アプリケーターユニット201は、異なる種
類のキャップを有してもよく、またはキャップをまったく有しなくてもよい。アプリケー
ターユニット201は、バリアブレーカー204を有することができ、アプリケーターユ
ニットがリザーバーに取り付けられると、バリアブレーカーによりバリアに穴があけられ
得る。バリアは、図1Aに示すリザーバーの箔バリアとすることができる。あるいは、ア
プリケーターユニットはバリアブレーカーを有しなくてもよい。アプリケーターユニット
は、シール205を有することができ、アプリケーターユニットがリザーバーに取り付け
られると、シールによりリザーバー内にカンタリジン製剤を保つことができる。カンタリ
ジン製剤を含有するリザーバーは、図1Aに示すリザーバーとすることができる。あるい
は、アプリケーターユニットは、シールを有しなくてもよい。アプリケーターユニット2
01は、中空アプリケーターチップ206を有することができる。リザーバーがアプリケ
ーターユニットに取り付けられると、カンタリジン製剤は中空アプリケーターチップを通
して流動することができる。さらに、中空アプリケーターチップは、カンタリジン製剤の
塗布を方向づけることができる。アプリケーターユニット201は、取り外し可能なキャ
ップ207を有することができる。取り外し可能なキャップ207は透明とすることがで
きる。取り外し可能なキャップ207は、漏出する溶液を含有することができる。取り外
し可能なキャップ207は、カンタリジン製剤の塗布前に溶液の視認を可能にすることが
できる。取り外し可能なキャップ207は、適切な処分が可能なものにすることができる
。あるいは、アプリケーターユニットは取り外し可能なキャップを有しなくてもよい。
【0122】
図2Bに、カンタリジン製剤を送達するために使用することができるアプリケーターユ
ニットの別の例を図示する。アプリケーターユニット208は、多孔性アプリケーターチ
ップ209を有することができる。多孔性アプリケーターチップ209は、カンタリジン
溶液の正確な塗布を可能にすることができる。
【0123】
図2Cに、アプリケーターユニットのさらに別の例を図示する。アプリケーターユニッ
ト210は、多孔性端部212を有する中空アプリケーターチップ211を有することが
できる。多孔性端部212を有する中空アプリケーターチップ211は、カンタリジン溶
液の正確な塗布を可能にすることができる。
【0124】
図7Aおよび7Bに、アプリケーターユニットのいくつかの例を図示する。アプリケー
ターユニットは、中空ねじ口702によりアプリケーターチップ703(例えば、中空、
多孔性、または多孔性端部を有する中空)に取り付けることができるリザーバー701を
有することができる。アプリケーターチップは、取り外し可能なキャップ704により囲
むことができる。
【0125】
アプリケーターチップは、約0.1センチメートル(cm)~10cm、または約0.
1cm~5cm、または約0.5cm~5cm、または約0.5cm~3cm、または約
1cm~3cm、または約1cm~2cmの長さを有することができる。
【0126】
アプリケーターチップはチャネルを含むことができる。チャネルは中空の内部チャネル
とすることができる。チャネルは、リザーバーと流体連絡することができる。カンタリジ
ン製剤はチャネルを通して流動することができる。
【0127】
アプリケーターチップは、開口部を含むことができる。開口部は、環状、三角形、正方
形、長方形、五角形、もしくは六角形の形状、またはそれらの任意の部分的形状もしくは
組合せを有することができる。一例では、開口部は環状である。開口部は、チャネルと流
動連結することができ、チャネルは、カンタリジン製剤を有するリザーバー(またはチャ
ンバー)と流動連結することができる。カンタリジン製剤は開口部を通して流出すること
ができる。アプリケーターチップは、軟質であっても、粗いものであってもよい。アプリ
ケーターチップを使用して、浸透を制限するためにカンタリジン製剤を穏やかに皮膚に塗
布すること、または皮膚への浸透を促進するために送達中に皮膚を擦過することが可能で
ある。
【0128】
開口部は、約0.1mm~20mm、約0.1mm~10mm、約0.1mm~5mm
、約0.5mm~5mm、または約0.5mm~3mmの直径を有することができる。開
口部は、約20mm、約10mm、約5mm、約1mm、約0.5mm、または約0.1
mm以下の直径を有することができる。
【0129】
本開示のアプリケーターユニットは、単独でもしくは組み合わせて任意の要素を含み、
かつ/または上記もしくは本明細書の別のところに記載の特性を含むことができる。
【0130】
図3に、被験体にカンタリジン製剤を送達するために使用することができるアプリケー
ター装置の例を図示する。アプリケーション装置301を使用して、カンタリジン製剤を
送達することができる。アプリケーター装置301は、リザーバー302およびアプリケ
ーターユニット303を有することができる。リザーバー302は、カンタリジン製剤を
含有することができる。アプリケーターユニット303は、アプリケーターチップ304
を有することができる。アプリケーターユニット303へのカンタリジン製剤の流出を誘
導するために圧力をリザーバー302に加えることができる。カンタリジン製剤は、アプ
リケーターチップ304を通して塗布および/または送達することができる。
【0131】
アプリケーターチップ304は、密封された中空チップであってもよい。密封された中
空チップは、シール貫通機構305により穴をあけることができる。シール貫通機構30
5は、密封された中空チップと並置することができる。グリップ306を押し下げて、シ
ール貫通機構305に圧力を加え、アプリケーターチップ304上のシールに穴をあける
ことができる。
【0132】
アプリケーター装置301は、取り外し可能なキャップ307を有することができる。
取り外し可能なキャップ307は透明とすることができる。取り外し可能なキャップ30
7は、アプリケーター装置301から漏出する溶液を含有することができる。取り外し可
能なキャップ307は、溶液の視認を可能にすることができる。取り外し可能なキャップ
307は、適切な処分が可能なものにすることができる。取り外し可能なキャップ307
は、シール貫通機構305に取り付けることができる。あるいは、取り外し可能なキャッ
プ307は、シール貫通機構305に取り付けなくてもよい。
【0133】
本開示のアプリケーター装置は、単独でもしくは組み合わせて任意の要素を含み、かつ
/または上記もしくは本明細書の別のところに記載の特性を含むことができる。
【0134】
図4Aに、被験体にカンタリジン製剤を投与するためのキットの例を図示する。被験体
は、上皮性疣贅を有することがある。キット401は、1つまたは複数のパッケージング
ユニット402で構成することができる。パッケージングユニット402は、別々にパッ
ケージ化することができる。パッケージングユニット402は、個々に取り出し可能にす
ることができる。
【0135】
各パッケージングユニット402は、アプリケーター装置403を含むことができる。
アプリケーター装置は、リザーバー404およびアプリケーターユニット405を含むこ
とができる。リザーバー404は、カンタリジン製剤を含有することができる。
【0136】
図4Bに、キットの別の例を図示する。キット406は、1つまたは複数のパッケージ
ングユニット407で構成することができる。各パッケージングユニット407は、複数
のリザーバー404および1つまたは複数のアプリケーターユニット405を含むことが
できる。リザーバー404は、カンタリジン製剤を含有することができる。
【0137】
各パッケージングユニット402は、複数のリザーバー404および1つのアプリケー
ターユニット405を含むことができる。各パッケージングユニットは、カンタリジン製
剤の1つの投薬量単位を含有することができる。各パッケージングユニットは、カンタリ
ジン製剤の2つの投薬量単位を含有することができる。各パッケージングユニットは、カ
ンタリジン製剤の3つの投薬量単位を含有することができる。各パッケージングユニット
は、カンタリジン製剤の4つの投薬量単位を含有することができる。各パッケージングユ
ニットは、カンタリジン製剤の5つの投薬量単位を含有することができる。各パッケージ
ングユニットは、カンタリジン製剤の6つの投薬量単位を含有することができる。各パッ
ケージングユニットは、カンタリジン製剤の6つ以上の投薬量単位を含有することができ
る。
【0138】
一部の場合では、各パッケージングユニット中の投薬量単位は、約0.1mL~100
mL、0.1mL~50mL、0.1mL~10mL、または0.5mL~5mLの量で
カンタリジンを含むことができる。一部の例では、各パッケージングユニット中の投薬量
単位は、約100mL、50mL、10mL、5mL、3mL、1mL、0.5mL、ま
たは0.1mL以下の量でカンタリジンを含むことができる。
【0139】
各パッケージングユニット中のカンタリジン製剤は、少なくとも約50%(w/v)、
約10%(w/v)、約5%(w/v)、約1%(w/v)、約0.5%(w/v)、約
0.1%(w/v)、約0.01%、または約0.001%(w/v)のカンタリジンを
含むことができる。
【0140】
キットは、1つのパッケージングユニットを含むことができる。あるいは、キットは、
少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、3
0、40、50、60、80、100、または200のパッケージングユニットを含むこ
とができる。
【0141】
投薬量単位のカンタリジン製剤を被験体に送達した後、上皮性疣贅または皮膚病変は、
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日以内に被
験体から除去され得る。投薬量単位のカンタリジン製剤を被験体に送達した後、上皮性疣
贅または皮膚病変は、1、2、3、4、5、または6週以内に被験体から除去され得る。
投薬量単位のカンタリジン製剤を被験体に送達した後、上皮性疣贅または皮膚病変は、1
、2、または3か月以内に被験体から除去され得る。
【0142】
本開示のキットは、単独でもしくは組み合わせて任意の要素を含み、かつ/または上記
もしくは本明細書の別のところに記載の特性を含むことができる。
【0143】
本明細書に提供されるキットは教材を含むことができる。教材は、使用者が本開示のカ
ンタリジン製剤、装置、およびシステムを適用することを可能にする指示を含むことがで
きる。教材は、カンタリジン製剤の投与を被験体に指示することができるグラフィカル形
式および/またはテキスト形式の情報を含むことができる。教材は、最適な処置スケジュ
ールを提供することができる。教材は、カンタリジンの種々の用量、カンタリジン製剤で
処置される被験体の皮膚の前処理、皮膚に塗布する頻度および量、塗布の前および/また
は後における皮膚のケア方法、ならびに皮膚と接触させておくカンタリジンの量について
含むことができる。教材は、カンタリジン製剤による、両方の疣贅、軟属腫、および/ま
たは他の皮膚病変の最適な有効処置を可能にすることができる。一部の例では、教材は、
被験体の電子機器のユーザーインタフェース(例えば、グラフィカルユーザーインタフェ
ース)上に提供される。
【0144】
図6に、被験体に本開示のカンタリジン製剤を送達するために使用することができるア
プリケーター装置の別の例を図示する。アプリケーション装置は、リザーバー601およ
びアプリケーターユニット602を有することができる。リザーバー601は、カンタリ
ジン製剤を含有することができる。アプリケーターユニット602は、グリップ605を
有する密封機構604に接続したアプリケーターチップ603を有することができる(図
6A~6B)。グリップ605への圧力により、密封機構604を壊すことができる(図
6C~6D)。一部の場合では、アプリケーターチップ603に対して垂直な一方向に、
またはアプリケーターチップに対して垂直にねじる動きで、グリップ605に圧力を加え
ることにより、密封機構604を壊すことができ、カンタリジン製剤の放出が可能になる
【0145】
被験体を処置するめの方法
本開示の別の態様は、被験体にカンタリジン製剤を送達するための方法であって、疣贅
または皮膚病変などの皮膚の症状、病気、および/または疾患を処置するために使用する
ことができる方法を提供する。被験体を処置するための方法は、疣贅などの皮膚の症状、
病気、または疾患を有するかまたはそれを有する疑いのある被験体にカンタリジン製剤を
送達するための本開示のアプリケーター装置、システム、またはキットを使用することを
含むことができる。
【0146】
本開示の方法は、被験体にカンタリジン製剤を送達する使用者または自分自身にカンタ
リジン製剤を送達する被験体を含む。
【0147】
アプリケーター装置は、リザーバーおよびアプリケーターユニットを含むことができる
。リザーバーは、カンタリジン製剤を含むことができる。アプリケーターユニットは、リ
ザーバーと流体連絡することができる。
【0148】
被験体は皮膚疾患と診断されていることがある。皮膚疾患は上皮性疣贅または他の皮膚
病変の原因となることがある。アプリケーター装置を使用して、上皮性疣贅または皮膚病
変にカンタリジン製剤を送達することができる。カンタリジン製剤の送達により、被験体
から上皮性疣贅または皮膚病変を除去することができる。
【0149】
図5A~5Cに、疣贅を有するか疣贅を有する疑いのある被験体を処置するための方法
の例を図示する。図5Aでは、被験体501は、カンタリジン製剤の投与により処置する
ことができる疣贅502を有するかまたはそれを有する疑いがある。図5Bでは、リザー
バー504およびアプリケーターユニット505を含むアプリケーター装置503を使用
して、被験体501にカンタリジン製剤を送達する。リザーバー504は、カンタリジン
製剤を含有することができる。カンタリジン製剤は、疣贅502に投与することができる
図5C示されるように、カンタリジン製剤の投与により、被験体501から疣贅502
を除去することができる。
【0150】
アプリケーター装置503は、被験体または医療提供者などの別の個体により操作され
得る。一部の場合では、アプリケーター装置503を、疣贅502に接触させた状態また
はそれに近接した状態にして使用することにより、疣贅502または疣贅に隣接する皮膚
領域にカンタリジン製剤を送達する。
【0151】
カンタリジン製剤が被験体に送達された後、上皮性疣贅は、1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、もしくは14日、週、または月以内に被験体から
除去され得る。カンタリジン製剤は、1日、1週、または1か月当たり少なくとも1、2
、3、4、5、6、7、8、9、または10回、被験体に送達することができる。
【0152】
単回投与で被験体に送達されるカンタリジンの量は、約0.001mg~100mg、
約0.1mg~50mg、約0.1mg~10mg、約0.5mg~10mg、約0.5
mg~5mg、約1mg~5mg、または約1mg~2mgの間にすることができる。
【0153】
被験体に送達されるカンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(重量/容積)、
0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%
、5%、10%、20%、30%、40%、または50%のカンタリジンを含むことがで
きる。一部の場合では、被験体に送達されるカンタリジン製剤は、最大で約50%(w/
v)、40%、30%、20%、または10%、または1%のカンタリジンを含む。
【0154】
被験体に送達されるカンタリジン製剤は、約50%(w/v)、約20%(w/v)、
約10%(w/v)、約5%(w/v)、約1%(w/v)、約0.5%(w/v)、ま
たは約0.1%(w/v)以上の賦形剤を含むことができる。
【0155】
送達装置またはシステムは、最大0.00lmg/日、0.01mg/日、0.1mg
/日、0.2mg/日、0.3mg/日、0.4mg/日、0.5mg/日、0.6mg
/日、0.7mg/日、0.8mg/日、0.9mg/日、1mg/日、1.5mg/日
、2mg/日、2.5mg/日、3.0mg/日、3.5mg/日、4.0mg/日、4
.5mg/日、5.0mg/日、5.5mg/日、6.0mg/日、6.5mg/日、7
.0mg/日、7.5mg/日、8.0mg/日、8.5mg/日、9.0mg/日、9
.5mg/日、10.0mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14m
g/日、15mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、ま
たは20mg/日を含む用量で被験体にカンタリジン製剤を送達するために使用すること
ができる。代替として、送達装置またはシステムは、少なくとも約0.1mg/日、0.
2mg/日、0.3mg/日、0.4mg/日、0.5mg/日、0.6mg/日、0.
7mg/日、0.8mg/日、0.9mg/日、1mg/日、1.5mg/日、2mg/
日、2.5mg/日、3.0mg/日、3.5mg/日、4.0mg/日、4.5mg/
日、5.0mg/日、5.5mg/日、6.0mg/日、6.5mg/日、7.0mg/
日、7.5mg/日、8.0mg/日、8.5mg/日、9.0mg/日、9.5mg/
日、10.0mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14mg/日、1
5mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、または20m
g/日の用量で被験体にカンタリジン製剤を送達するために使用することができる。
【0156】
本開示の送達装置またはシステムは、1日1回~1か月以上に1回で、被験体に(例え
ば、疣贅もしくは皮膚病変を有するかまたはそれを有する疑いのある被験体の皮膚領域に
)カンタリジン製剤を送達するために使用することができる。代替としてまたは追加的に
、本開示の送達装置またはシステムは、1日1回~1週1回で被験体にカンタリジン製剤
を送達するために使用することができる。代替としてまたは追加的に、本開示の送達装置
またはシステムは、少なくとも1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日
に1回、6日に1回、1週に1回、10日に1回、2週に1回、3週に1回、1か月に1
回、2か月に1回、3か月に1回、4か月に1回、5か月に1回、6か月に1回、1年以
上に1回で被験体にカンタリジン製剤を送達するために使用することができる。代替とし
てまたは追加的に、本開示の送達装置またはシステムは、少なくとも1日1回、または1
日2回、または1日3回、または1日4回、または1日5回、または1日6回、または1
日7回、または1日8回、または1日9回、または1日10回、または1日11回、また
は1日12回、または1日13回、または1日14回、または1日15回、または1日1
6回、または1日17回、または1日18回、または1日19回、または1日20回、ま
たは1日21回、または1日22回、または1日23回、または1日24回で被験体にカ
ンタリジン製剤を送達するために使用することができる。代替としてまたは追加的に、本
開示の送達装置またはシステムは、前の処置後に皮膚が上皮化し始めと直ぐに、被験体に
カンタリジン製剤を送達するために使用することができる。代替としてまたは追加的に、
本開示の送達装置またはシステムは、前の処置後に皮膚が部分的に上皮化すると直ぐに、
被験体にカンタリジン製剤を送達するために使用することができる。代替としてまたは追
加的に、本開示の送達装置またはシステムは、前の処置後に皮膚が完全に上皮化すると直
ぐに、被験体にカンタリジン製剤を送達するために使用することができる。
【0157】
本開示の製剤、送達装置、またはシステムは、処置されていないか、前に処置されたか
、またはさらに処置されるべき被験体の皮膚にカンタリジン製剤を送達するために使用す
ることができる。前の処置の一部の例としては、以下に限定されるものではないが、創面
切除、洗浄、浸漬、または外科的切除による瘢痕組織、瘡蓋、または角質化組織の除去が
挙げられる。前の処置としてはまた、凍結療法、焼灼、酸または塩基の塗布、サリチル酸
の塗布、レーザー、外科的創面切除、浸漬、過酸化水素、または免疫療法を挙げることが
できる。前の処置としてはまた、カンタリジン製剤に曝露される皮膚の領域を限定するた
めの接着テープ、クリーム剤、軟膏剤、溶液、ワックス、または疎水性バリアを挙げるこ
とができる。カンタリジン製剤は、外科的切除、凍結療法、焼灼、酸もしくは塩基の塗布
、酸の塗布、レーザー、外科的創面切除、浸漬、過酸化水素、免疫療法、または閉塞性テ
ープもしくは包帯による処置領域の被覆の前にまたはそれと同時に使用することができる
【0158】
カンタリジン製剤および関連する送達装置またはシステムは、以下のものを処置するた
めに使用することができる;先端線維角化腫、腸性先端皮膚炎、尖端角化類弾力線維症、
紫外線角化症(太陽角化症)、皮脂腺腫、角化血管腫、アトピー性皮膚炎、基底細胞癌、
良性線維性組織球腫、膀胱癌、ボーエン病、乳癌、ブシュケ・オレンドルフ症候群、子宮
頸癌、子宮頸部異形成、老年性血管腫、慢性結節性耳輪軟骨皮膚炎、皮膚子宮内膜症、皮
膚白血病、皮膚リンパ腫、皮膚髄膜腫、皮膚粘液腫、ダリエー病、真皮樹状細胞過誤腫、
皮膚線維腫、隆起性皮膚線維肉腫、外分泌血管腫過誤腫、外胚葉異形成、表皮封入体嚢胞
、表皮母斑(以下に限定されるものではないが、皮脂腺母斑、面皰母斑、プロテウス症候
群ベッカー母斑を含む)、類上皮細胞組織球腫、家族性粘液血管線維腫(Familia
l myxovascular fibromas)、真菌皮膚疾患(ロボミコーシスを
含む)、顆粒細胞腫、グルカゴナーマ症候群、性器疣贅、魚鱗癬(以下に限定されるもの
ではないが、尋常性魚鱗癬、ラメラ魚鱗癬、X染色体性魚鱗癬、表皮剥離性角質増殖症、
アクイスタ魚鱗癬(Ichthyosis acquista)、および掌蹠角化症を含
む)、特発性滴状低メラニン症、乳児先端膿疱症、乳児線維腫症、カポジ肉腫、ケロイド
、ケラトアカントーマ、角化性嚢胞、ナックルパッド、黒子、黒色腫、微小血管種(Mi
crovenular hemangioma)、モートン神経腫、多病巣性リンパ管内
皮腫(Multifocal lymphangioendotheliomatosi
s)、多核細胞血管組織球腫(Multinucleate cell angiohi
stocytoma)、多発性皮膚平滑筋腫、菌状息肉症、皮膚神経腫、神経莢腫、火炎
状母斑、表在性脂肪腫性母斑、指皮膚肥厚症、柵状被包性神経腫、皮膚寄生虫症(以下に
限定されるものではないが、疥癬、シラミ寄生症、スナノミ症、鉤虫関連皮膚幼虫移行症
を含む)、毛孔性紅色粃糠疹、立毛筋性平滑筋腫、網状線維性組織球性腫瘍、汗孔角化エ
クリン小孔真皮内汗管母斑(Porokeratotic eccrine ostia
l and Dermal duct nevus)、進行性結節性組織球腫乾癬(Pr
ogressive nodular histiocytoma Psoriasis
)(以下に限定されるものではないが、乾癬性紅皮症、掌蹠乾癬、掌蹠膿疱症、ツンブッ
シュ汎発性膿疱性乾癬、地図状舌を含む)、汗孔角化症、脂漏性皮膚炎、脂漏性角化症、
鼻瘤、単発性皮膚平滑筋腫、クモ状血管腫、標的様ヘモジデリン沈着血管腫、有棘細胞癌
、血管芽細胞腫、静脈湖、色素性じんま疹、黄色板組織肥満細胞症(Xanthelas
moidal mastocytosis)、または帯状疱疹状転移。
【0159】
限定されるものではないが、以下に示す他の皮膚病も、カンタリジン製剤で処置するこ
とができる:良性表皮嚢腫、痣、胼胝腫、鶏眼、湿疹、雀斑、黒子、色素異常症(薬物誘
発性色素過剰症、遺伝性対側性色素異常症、遺伝性汎発性色素異常症、家族性進行性色素
過剰症、Galli-Galli疾患、ヘモジデリン色素過剰症、特発性滴状低メラニン
症、鉄金属性変色(Iron metallic discoloration)、白斑
、黒皮症、ムカメル症候群(Mukamel syndrome)、ヴィーナスのネック
レス(Necklace of Venus)、貧血性母斑、脱色素性母斑、パリスター
・キリアーン症候群、葉状低メラニン症、まだら症、網状顔面色素沈着(Pigment
atio reticularis faciei et colli)、毛嚢胞、白色
粃糠疹、シヴァット多形皮膚萎縮症、血管性先端多形皮膚萎縮症(Poikiloder
ma vasculare atrophicans)、炎症後色素沈着過剰症、進行性
黄斑状低メラニン症、掻痒、弯曲部細網状色素性異常症(Reticular pigm
ented anomaly of the flexures)、北村網状肢端色素沈
着症、リール黒皮症、シャー・ワールデンブルグ症候群、シイタケ皮膚炎、タール黒皮症
、チタン金属性変色、一過性新生児膿疱性黒皮症、浮浪者白斑黒皮症(Vagabond
’s leukomelanoderma)、血管攣縮性斑、ウェンデ・バックス症候群
、X連鎖網状色素障害、イエメン盲ろう色素脱失症候群)、瘢痕、糸状線維腫、刺青除去
、または白斑(以下に限定されるものではないが、非分節型白斑、および/または分節型
白斑毛叢白斑、四色白斑(Quadrichrome vitiligo)、点状白斑(
Vitiligo ponctue)を含む)。
【0160】
日光による損傷または皺を有する個体における皮膚の剥脱または剥離などの表皮性皮膚
若返り法においても、カンタリジン製剤の使用が可能である。
【0161】
その走化特性、細胞停止およびアポトーシスを誘導する能力、発泡薬活性、ならびに他
の治療アウトカムにより、カンタリジン製剤は、外科、X線検査、免疫療法剤、小分子ベ
ース薬剤、抗体ベース薬剤、組換えタンパク質ベース薬剤、核酸ベース薬剤、または化学
療法剤と併用して有用性を示す可能性がある。カンタリジン製剤はまた、先行の療法に失
敗した患者を処置するための第2選択、第3選択、または第4選択の療法として有用性を
示す可能性がある。本開示のカンタリジン製剤、装置、および方法に関する使用例として
は、基底細胞癌の処置におけるモース顕微鏡手術の直後、または菌状息肉症の処置におけ
る全身性化学療法剤の失敗の後、または紫外線角化症の処置における凍結療法もしくは過
酸化水素もしくは酸もしくはインゲノールメブテートなどの破壊的療法と併用して、また
は汗孔角化症または脂漏性角化症の処置における第1選択療法としてなどが挙げられる。
【0162】
本開示の製剤、送達装置、またはシステムは、先行の療法に失敗したかまたは不応性で
あった疣贅、軟属腫、紫外線角化症、脂漏性角化症、または他の皮膚過剰増殖障害を処置
するために使用することができる。あるいは、本開示の製剤、送達装置、またはシステム
は、第一選択療法として使用することができる。あるいは、本開示の製剤、送達装置、ま
たはシステムは、別の第一選択療法と併用して使用することができる。
【0163】
カンタリジン製剤は癌患者を処置するために使用することができる。例えば、カンタリ
ジン製剤は、腫瘍増殖を阻害するために、かつ/または癌細胞を直接死滅させるために使
用することができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、癌幹細胞を死滅させるため
に使用することができる。一部の場合では、カンタリジン製剤は、良性の癌性病変を処置
するために使用することができる。例えば、カンタリジン製剤は、多剤耐性表現型の癌細
胞を死滅させるために使用することができる。一部の状況では、ノルカンタリジン、カン
タリジミド、もしくはノルカンタリジミド、またはカンタリジンのアナログは、カンタリ
ジンの代わりに利用することができる。
【0164】
カンタリジン製剤、装置、システム、および方法は、例えば、皮膚移植に使用すること
ができる自己もしくは同種の皮膚の生成において、または外科的処置後の残存癌細胞を除
去するための薬物もしくは手法を試験するための水疱形成モデルとしてなど他の目的に使
用することができる。
【0165】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し記載してきたが、このような実施形態は、
例としてのみ提供されていることは当業者に明白であろう。本発明が本明細書内で提供さ
れる特定の例によって限定されることを意図するものではない。本発明を上述の明細書に
関連させて記載してきたが、本明細書の実施形態の説明および図示は、限定的な意味で解
釈されることを意味するものではない。数多くの変形形態、変更形態、および置換形態が
、本発明を逸脱することなく、当業者に想定されるであろう。さらに、本発明のすべての
態様は、種々の条件および変数に依存する、本明細書に示す特定の描写、配置、または相
対的な割合に限定されるものではないことは理解されるべきである。本明細書に記載され
る本発明の実施形態の種々の代替形態が、本発明の実行において使用され得ることは理解
されるべきである。したがって、本発明はまた、いかなるそのような代替形態、修正形態
、変更形態、または均等形態も包含するものであることを企図するものである。特許請求
の範囲が本発明の範囲を定義し、かつこれらの請求項の範囲内の方法および構造ならびに
その均等物が特許請求の範囲により包含されることを意図するものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8