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特許7558226レイヤ化されたマップに基づくCPMにおける高度化された報告
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】レイヤ化されたマップに基づくCPMにおける高度化された報告
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G08G1/09 F
【請求項の数】 26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022132708
(22)【出願日】2022-08-23
(65)【公開番号】P2023070054
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】2115846.4
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン セヴァン
(72)【発明者】
【氏名】エリック ナッソー
(72)【発明者】
【氏名】ブライス ルウールー
(72)【発明者】
【氏名】イザベル モルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ ルーラン
(72)【発明者】
【氏名】リオネル トクチュ
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03691300(EP,A1)
【文献】国際公開第2020/257642(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の送信側ITSステーションを含んだ高度道路交通システム(ITS)のための通信方法であって、前記第1の送信側ITSステーションにおいて、
第1の集合知覚メッセージ(CPM)において先に送信された第1のエレメントと関連することを示す識別子を含んだ、第2のCPMを送信することを含み、前記第2のCPMは、前記第1のCPMで送信されなかった第2のエレメントを含み、前記第1のエレメントを含まず、前記第2のCPMに含まれる前記第2のエレメントは、前記第1のCPMにおける前記第1のエレメントを更新するために使用される、通信方法。
【請求項2】
前記第2のエレメントは、前記第1のエレメントの前記識別子と前記第1のエレメントに関連する情報とを含む、請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記第1のエレメントおよび前記第2のエレメントのいずれかのエレメントが、関心エリアのレイヤ化コストマップコンテナを提供し、他方のエレメントが、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを提供する、請求項1に記載の通信方法。
【請求項4】
前記第1のCPMが前記第1の送信側ITSステーションによって送信される、請求項1に記載の通信方法。
【請求項5】
前記第1のCPMが前記ITSの第2の送信側ITSステーションによって送信される、請求項1に記載の通信方法。
【請求項6】
前記第1のCPMの前記送信が、所定の報告ポリシ及び所定の組み込み手順によって与えられる独立報告機構に従って実行される、請求項1に記載の通信方法。
【請求項7】
前記第2のCPMの前記送信が、報告ポリシ及び組み込み手順によって与えられる従属報告機構に従って実行され、前記従属報告機構は、先に送信された前記第1のCPMに依存する、請求項1に記載の通信方法。
【請求項8】
前記第2のCPMの前記送信は、前記第1のエレメントに関連付けられた信頼性レベルと、前記識別子に関連付けられた前記第2のCPMのエレメントの信頼性レベルに依存する、請求項5に記載の通信方法。
【請求項9】
前記第1の送信側ITSステーションにおいて、
前記第2の送信側ITSステーションから、少なくとも前記第1のエレメントを含んだ前記第1のCPMを受信することと、
前記第1の送信側ITSステーションのセンサによって知覚された少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は少なくとも1つの空き空間を取得することと、
取得された前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間に関連付けられた1つ以上の信頼性レベルを決定することと、
前記第1のエレメントの前記信頼性レベルが前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間の前記1つ以上の信頼性レベルより低い場合に、少なくとも1つの前記識別子に関連付けられた、取得した前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間に関連する前記第2のエレメントを含んだ第2のCPMを送信することと、
を有する請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記第1のエレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナであり、前記レイヤ化コストマップは同一サイズのセルに分割され、当該セルは関連するコスト値を有する、請求項4に記載の通信方法。
【請求項11】
前記第1のエレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナであり、前記レイヤ化コストマップは、関連するコスト値を有するセルに一定の間隔で分割されており、前記レイヤ化コストマップは、他の送信側ITSステーションからの先に受信したレイヤ化コストマップとの1つ以上のコスト値の相違を示す相違ハンドリングレイヤと、前記レイヤ化コストマップの少なくとも1つのコスト値を決定するための他のITS送信ステーションからの協調を要求する協調要求レイヤと、のいずれかを有する、請求項6に記載の通信方法。
【請求項12】
各コスト値は信頼性レベルと関連付けられており、
前記通信方法は、前記第1の送信側ITSステーションにおいて、
第2の送信側ITSステーションから、前記第1のCPMを受信することと、
前記第1のエレメントが相違ハンドリングレイヤと協調要求レイヤとのいずれかを含む場合に、前記第1の送信側ITSステーションのセンサによって知覚される少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は少なくとも1つの空き空間を取得することと、
前記相違ハンドリングレイヤにおいて相違が示されている又は前記協調要求レイヤにおいて協調が要求されているセルと同じ位置を有する、取得された前記知覚オブジェクト及び/又は空き空間を特定することと、
なくとも1つの前記識別子に関連付けられた、特定された前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間に関する第2のエレメントを含んだ第2のCPMを送信することと、
を有する請求項11に記載の通信方法。
【請求項13】
前記レイヤ化コストマップコンテナに含まれるレイヤ化コストマップが第1の識別子に関連付けられ、前記レイヤ化コストマップは同一サイズのセルに分割されており、前記セルは、前記識別子が、前記第1の識別子第2の識別子とを含み、前記分割によって得られた複数のセルのそれぞれが前記第2の識別子によって特定される、請求項3に記載の通信方法。
【請求項14】
前記第2のエレメントが、前記識別子に関連付けられた少なくとも1つの知覚オブジェクトまたは空き空間を含む、請求項2に記載の通信方法。
【請求項15】
前記第1のエレメントが、それぞれ第1の識別子と第2の識別子とに関連付けられた、少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は空き空間を含む、請求項4に記載の通信方法。
【請求項16】
前記第2のエレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナを有し、前記レイヤ化コストマップは同一サイズのセルに分割され、当該セルは関連するコスト値を有し、各セルが前記第2の識別子と関連付けられる、請求項15に記載の通信方法。
【請求項17】
少なくとも1つの送信側ITSステーションと1つの受信側ITSステーションとを有する高度道路交通システム(ITS)のための通信方法であって、前記受信側ITSステーションにおいて、
第1のエレメントおよび当該第1のエレメントと関連付けられた識別子を有する第1のCPMを受信することと、
前記第1のエレメント及び当該第1のエレメントと関連付けられた前記識別子を記憶することと、
前記第1のエレメントと関連付けられた前記識別子、及び、前記第1のエレメントに関連する情報を含んだ第2のエレメントを有する第2のCPMを受信することと、
前記第2のエレメントに含められた前記第1のエレメントに関連する前記情報を用いて、前記第1のエレメントを更新することと、
を有し、
前記第2のCPMに含まれる前記第2のエレメントは、前記第1のCPMで送信されておらず、前記第2のCPMは前記第1のエレメントを含まない通信方法。
【請求項18】
前記第1のエレメントは知覚オブジェクトコンテナと空き空間コンテナとのいずれかであり、前記第2のエレメントはレイヤ化コストマップコンテナである、請求項17に記載の通信方法。
【請求項19】
前記第1のエレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナであり、前記第2のエレメントは、知覚オブジェクトコンテナと空き空間コンテナとのいずれかである、請求項17に記載の通信方法。
【請求項20】
前記第1のエレメントに関連付けられた前記識別子は、前記レイヤ化コストマップに関連付けられた1つの第1の識別子、及び、前記レイヤ化コストマップのセルとそれぞれ関連付けられた第2の識別子のセットの中の第2の識別子を含む、請求項19に記載の通信方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項1から16のいずれか1項に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
【請求項22】
コンピュータに、請求項17から20のいずれか1項に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
【請求項23】
請求項1から16のいずれか1項に記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
請求項17から20のいずれか1項に記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
高度道路交通システム(ITS)の送信側ITSステーションであって、
第1の集合知覚メッセージ(CPM)において先に送信された第1のエレメントの識別子を含んだ、第2のCPMを送信するように構成されたプロセッサを含み、前記第2のCPMは、前記第1のCPMで送信されなかった第2のエレメントを含み、前記第1のエレメントを含まず、前記第2のCPMに含まれる前記第2のエレメントは、前記第1のCPMにおける前記第1のエレメントを更新するために使用される、送信側ITSステーション。
【請求項26】
高度道路交通システム(ITS)の受信側ITSステーションであって、
第1のエレメント及び当該第1のエレメントと関連付けられた識別子を有する第1のCPMを受信し、
前記第1のエレメント及び当該第1のエレメントと関連付けられた前記識別子を記憶し、
前記第1のエレメントと関連付けられた前記識別子、及び、前記第1のエレメントに関連する情報を含んだ第2のエレメントを有する第2のCPMを受信し、
前記第2のエレメントに含められた第1のエレメントに関連する前記情報を用いて、前記第1のエレメントを更新する、
ように構成されたプロセッサを含み、
前記第2のCPMに含まれる前記第2のエレメントは、前記第1のCPMで送信されておらず、前記第2のCPMは前記第1のエレメントを含まない、受信側ITSステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、高度道路交通システム(ITS)に関し、より具体的には、協調型高度道路交通システム(C-ITS)に関する。
【背景技術】
【0002】
協調型高度道路交通システム(C-ITS)は、交通安全、交通効率、運転者の経験を改善することを目的とした将来の交通管理のための新興技術である。
【0003】
欧州電気通信標準化機構(ETSI)によって定義されている高度道路交通システム(ITS)は、
-車両間(例えば、車車間)の通信、及び、
-車両と固定場所(例えば、車とインフラストラクチャ)との間の通信
などの様々なタイプの通信を含む。
【0004】
ITSの使用は、ナビゲーションシステムを含んだ、鉄道、水及び空輸のための情報通信技術(ICT)の使用を含むように、道路交通に制限されない。
【0005】
一般に、様々なタイプのITSが、無線サービス通信に依拠し、専用の技術を使用する。
【0006】
ITS標準は、ETSI EN 302 665及びISO 21217に規定される、汎用アーキテクチャを定義しており、特に、(ITS-Sとも表記される)ITSステーションの観念をも定義している。ITSステーションは、任意の車両、路側ユニット(RSU)、ITSデバイス(例えば、ITSデバイスは、スマートフォン、GPS、スマートウォッチ、またはサイクリスト機器に含まれうる)を運ぶ交通弱者(VRU)、ITSデバイスを備える他のエンティティもしくはインフラストラクチャ、及び中央サブシステム(バックエンドシステム及びトラフィック管理センタ)でありうる。
【0007】
適切に動作するために、ITSは、様々な種類の、例えば車両間(一般に全ての種類の道路ユーザ、例えば自動車対自動車、を参照する、車両対車両(V2V))の、又は、車両と固定位置との間(車両対インフラストラクチャ(V2I)、インフラストラクチャ対車両(I2V)、例えば自動車対インフラストラクチャ)の、通信をサポートしうる。ITSが道路交通に制限されないため、ITSは、ナビゲーションシステムを含む、鉄道、水、及び空輸に関連する情報を取り扱う通信をもサポートしうる。
【0008】
ITSは、ITSステーション間で(ITSメッセージとも呼ばれる)メッセージを交換することにより、車両、インフラストラクチャ、及び他のユーザを協調させることを目的とする。ITSメッセージは、暗号化されない。このようなメッセージの交換は、(「車両」対任意の種類のデバイス「X」についての)V2Xネットワークと呼ばれる無線ネットワークを通じて実行される。このようなV2Xネットワークの例は、3GPPのLTEアドバンスド、3GPPの5G、及びIEEE802.11p技術を含みうる。
【0009】
車両において、路側ユニットにおいて又はVRUによる着用物にセンサを統合することにより、ITSステーションは、それらのローカル環境についての情報をも有しうる。このような情報は、光学センサ及びカメラなどの内蔵センサによって提供されうる。
【0010】
標準ETSI TS103 324における協調認知サービスとして知られる認知(awareness)サービスは、ステーションのセンサを通じて知覚されるそれらのローカル環境を、それらのステーションが共有することを可能とする。
【0011】
このようなサービスは、ITSステーションに内蔵されたオンボードセンサシステムによって検出されたオブジェクトの、そして、オブジェクトが検出されなかった空き空間についても、説明情報の報告を可能とする。検出されたオブジェクトのことを、以下では、知覚オブジェクトと呼ぶ。
【0012】
このサービスのデータ交換は、集合知覚メッセージ(CPM)と呼ばれるITSメッセージを使用して行われる。
【0013】
現在のところ、標準ETSI TS 103 324において規定されるように、検出されたオブジェクト及び空き空間は、個別のコンテナを用いて、個別に報告される。
【0014】
このような報告は、各知覚オブジェクトの位置及び運動学と空き空間の大きさの完全な記述を用いた、非常に詳細なものである。
【0015】
このような個別の報告は、いくつかの状況において制限されうる。
【0016】
例えば、ITSステーションの環境において多数のオブジェクトが存在するとき、ITSステーションは、知覚オブジェクトを報告するために多数のCPMを使用しうる。実際、ITSネットワークの限定的な帯域幅に鑑み、CPMのサイズが制限される。したがって、大量のデータを含んだ個別の報告は、ITSステーションの環境を十分に報告するために1つより多くのCPMを必要としうる。
【0017】
したがって、多数の知覚オブジェクトの最小限の報告を確実にする新しいCPMフォーマットを開発する必要性が存在し、一方で、新しい報告機構を通じて、個別の報告によって提供される正確な情報が、その最小限の報告を完全なものにするために使用されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上述の問題の1つ以上に対処するために考案された。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、少なくとも1つの第1の送信側ITSステーションを含んだ高度道路交通システム(ITS)のための通信方法であって、前記第1の送信側ITSステーションにおいて、
第1の集合知覚メッセージ(CPM)において先に送信された第1のエレメントの少なくとも1つの識別子を含んだ、第2のCPMを送信することを含み、前記第1のエレメントは、前記第2のCPMには存在しない、通信方法を対象とする。
【0020】
対応して、本発明の第1の態様は、高度道路交通システム(ITS)の送信側ステーションであって、
第1の集合知覚メッセージ(CPM)において先に送信されたエレメントの少なくとも1つの識別子を含んだ、第2のCPMを送信するように構成されたプロセッサを含み、前記エレメントは、前記第2のCPMには存在しない、送信側ステーションを提供する。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、第1のエレメントは第1のエレメントタイプであってもよく、前記第2のCPMは、第2のエレメントタイプの第2のエレメントを含み、前記第2のエレメントは、前記第1のエレメントの前記識別子と前記第1のエレメントに関連する情報とを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のエレメントタイプ及び前記第2のエレメントタイプのいずれかが、関心エリアのグローバル記述を提供してもよく、他方のエレメントタイプが、前記関心エリア内の前記送信側ITSステーションによって知覚された少なくとも1つのオブジェクトの個別記述を提供してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、関心エリアのグローバルな記述を提供するタイプのエレメントはレイヤ化コストマップコンテナであってもよく、個別の記述を提供するタイプのエレメントは知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナであってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のCPMが前記第1の送信側ITSステーションによって送信されうる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のCPMが前記ITSの第2の送信側ITSステーションによって送信されうる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の第1のCPMの前記送信が、所定の報告ポリシ及び所定の組み込み手順によって与えられる独立報告機構に従って実行されうる。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の第2のCPMの前記送信が、報告ポリシ及び組み込み手順によって与えられる従属報告機構に従って実行されてもよく、前記従属報告機構は、先に送信された第1のCPMに依存する。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、前記第2のCPMの前記送信は、前記第1のエレメントに関連付けられた信頼性レベルと、前記少なくとも1つの識別子に関連付けられた前記第2のCPMのエレメントの信頼性レベルに依存しうる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、前記通信方法は、前記第1の送信側ITSステーションにおいて、
前記第2の送信側ITSステーションから、少なくとも前記第1のエレメントを含んだ前記第1のCPMを受信することと、
前記第1の送信側ITSステーションのセンサによって知覚された少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は少なくとも1つの空き空間を取得することと、
取得された前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間に関連付けられた1つ以上の信頼性レベルを決定することと、
前記第1のエレメントの前記信頼性レベルが前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間の前記1つ以上の信頼性レベルより低いと否とによらず、前記少なくとも1つの識別子に関連付けられた、取得した前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間に関連する第2のエレメントを含んだ第2のCPMを送信することと、
をさらに含みうる。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のエレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナであってもよく、前記レイヤ化コストマップは関連するコスト値を有するセルに一定の間隔で分割されている。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のエレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナであってもよく、前記レイヤ化コストマップは、関連するコスト値を有するセルに一定の間隔で分割されており、前記レイヤ化コストマップは、他の送信側ITSステーションからの先に受信したレイヤ化コストマップとの1つ以上のコスト値の相違を示す相違ハンドリングレイヤと、前記レイヤ化コストマップの少なくとも1つのコスト値を決定するための他のITS送信ステーションからの協調を要求する協調要求レイヤと、のいずれかを有してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、各コスト値は信頼性レベルと関連付けられうる。前記通信方法は、前記第1の送信側ITSステーションにおいて、
前記第2の送信側ITSステーションから、前記第1のCPMを受信することと、
前記第1のエレメントが相違ハンドリングレイヤと協調要求レイヤとのいずれを含むかによらず、前記第1の送信側ITSステーションのセンサによって知覚される少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は少なくとも1つの空き空間を取得することと、
前記相違ハンドリングレイヤにおいて相違が示されている又は前記協調要求レイヤにおいて協調が要求されているセルと同じ位置を有する、取得された前記知覚オブジェクト及び/又は空き空間を特定することと、
前記少なくとも1つの識別子に関連付けられた、特定された前記少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は前記少なくとも1つの空き空間に関する第2のエレメントを含んだ第2のCPMを送信することと、
をさらに有しうる。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、前記レイヤ化コストマップが第1の識別子に関連付けられてもよく、前記セルは、前記少なくとも1つの識別子が、前記第1の識別子と、第2の識別子のセットのうちの1つの第2の識別子とを含むように、前記第2の識別子のセットを用いて所定の順序に従って黙示的に特定される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、前記第2のCPMのエレメントが、前記少なくとも1つの識別子に関連付けられた少なくとも1つの知覚オブジェクトまたは空き空間を含みうる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のエレメントが、それぞれ第1の識別子と第2の識別子とに関連付けられた、少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は空き空間を含みうる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、前記第2のCPMの前記エレメントは、レイヤ化コストマップを含んだレイヤ化コストマップコンテナを有してもよく、前記レイヤ化コストマップは、関連するコスト値を有するセルに一定の間隔で分割されており、各セルが前記第1の識別子と前記第2の識別子とのいずれかと関連付けられる。
【0037】
本発明の第2の態様は、少なくとも1つの送信側ITSステーションと1つの受信側ITSステーションとを有する高度道路交通システム(ITS)のための通信方法であって、前記受信側ステーションにおいて、
第1のエレメントと関連付けられた1つの識別子によって識別される第1のタイプの前記第1のエレメントを有する第1のCPMを受信することと、
前記第1のエレメントと前記関連付けられた識別子とを記憶することと、
前記第1のエレメントの前記識別子と前記第1のエレメントに関連する情報とを含んだ、第2のタイプの第2のエレメントを有する第2のCPMを受信することと、
前記第2のエレメントに含められた前記第1のエレメントに関連する前記情報を用いて、前記第1のエレメントを更新することと、
を有する通信方法を対象とする。
【0038】
対応して、本発明の第2の態様は、高度道路交通システム(ITS)の受信側ステーションであって、
第1のエレメントと関連付けられた1つの識別子によって識別される第1のタイプの前記第1のエレメントを有する第1のCPMを受信し、
前記第1のエレメントと前記関連付けられた識別子とを記憶し、
前記第1のエレメントの前記識別子と前記第1のエレメントに関連する情報とを含んだ、第2のタイプの第2のエレメントを有する第2のCPMを受信し、
前記第2のエレメントに含められた第1のエレメントに関連する前記情報を用いて、前記第1のエレメントを更新する、
ように構成されたプロセッサを含む受信側ステーションを提供する。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のエレメントは知覚オブジェクトコンテナと空き空間コンテナとのいずれかであってもよく、前記第2のエレメントはレイヤ化コストマップコンテナであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、前記第1のエレメントはレイヤ化コストマップコンテナであってもよく、前記第2のエレメントは、知覚オブジェクトコンテナと空き空間コンテナとのいずれかであってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、前記少なくとも1つの識別子は、前記レイヤ化コストマップに関連付けられた1つの第1の識別子、及び、前記レイヤ化コストマップのセルとそれぞれ関連付けられた第2の識別子のセットの中の第2の識別子を含みうる。
【0042】
本発明の第3の態様は、プログラム可能装置にロードされて当該プログラム可能装置によって実行されるときに、上述の方法を実行するための命令のシーケンスを含んだ、前記プログラム可能装置のためのコンピュータプログラムプロダクトを対象とする。
【0043】
本発明の第4の態様は、上述の方法を実行するためのコンピュータプログラムの命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を対象とする。
【0044】
本発明の第5の態様は、レイヤ化コストマップに関連する情報を含んだレイヤ化コストマップコンテナを有する集合知覚メッセージ(CPM)であって、前記レイヤ化コストマップコンテナが、さらに、前記レイヤ化コストマップコンテナに含められた前記レイヤ化コストマップの識別子を示すフィールドを含む、CPMを対象とする。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、前記レイヤ化コストマップコンテナは、前記レイヤ化コストマップコンテナに含められた前記レイヤ化コストマップのセルの識別子を示す複数のフィールドを有しうる。
【0046】
本発明の第5の態様は、それぞれが知覚されたオブジェクト及び/又は知覚された空き空間に関する情報を含んだ、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを有する集合知覚メッセージ(CPM)であって、前記知覚オブジェクトコンテナ又は前記空き空間補遺コンテナは、さらに、レイヤ化コストマップの識別子を参照するためのフィールドを有する、CPMをさらに提供する。
【0047】
本発明の第5の態様は、それぞれが知覚されたオブジェクト及び/又は知覚された空き空間に関する情報を含んだ、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを有する集合知覚メッセージ(CPM)であって、前記知覚オブジェクトコンテナ及び前記空き空間補遺コンテナは、それぞれ、前記知覚されたオブジェクトまたは前記知覚された空き空間の識別子を参照するためのフィールドをさらに有する、CPMをさらに提供する。
【0048】
本発明の第5の態様は、レイヤ化コストマップに関する情報を含んだレイヤ化コストマップコンテナを有する集合知覚メッセージ(CPM)であって、前記レイヤ化コストマップコンテナは、知覚されたオブジェクト又は知覚された空き空間のそれぞれの識別子をそれぞれ参照するための2つのフィールドをさらに有する、CPMをさらに提供する。
【0049】
本発明の他の態様は、プログラム可能装置のためのコンピュータプログラムプロダクトであって、前記プログラム可能装置にロードされて当該プログラム可能装置によって実行されるときに、上述のいずれかの方法を実行するための命令の系列を有するコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0050】
本発明の別の態様は、上で定義されたいずれかの方法を実装するためのコンピュータプログラムの命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0051】
本発明による方法の少なくとも一部は、コンピュータで実装されうる。したがって、本発明は、ここではすべてが一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれうる、全体としてハードウェアの実施形態、全体として(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)ソフトウェアの実施形態、または、ソフトウェアとハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形式をとりうる。さらに、本発明は、媒体に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する表現の任意の有形媒体に具現化されたコンピュータプログラムプロダクトの形式をとってもよい。
【0052】
本発明をソフトウェアで実装することができるため、本発明は、任意の適切な搬送媒体上でのプログラム可能な装置への提供のためのコンピュータ可読コードとして具現化可能である。有形搬送媒体は、ハードディスクドライブ、磁気テープデバイス、またはソリッドステートメモリデバイスなどの記憶媒体を有しうる。過渡搬送媒体は、電気信号、電子信号、光信号、音響信号、磁気信号、または電磁信号、たとえばマイクロ波またはRE信号などの信号を含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明のさらなる利点は図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるだろう。ここで、本発明の実施形態を、単なる例として、以下の図面を参照して説明する。
図1】集合知覚メッセージの構造の例を示す図である。
図2】協調道路交通システム(C-ITS)において使用されうるレイヤ化コストマップを示す図である。
図3】本発明による、送信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図4】本発明による、受信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図5】第1の実施形態による、送信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図6】第1の実施形態による、受信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図7】第1の実施形態による協調道路交通システムにおける高度化報告手順の例を示す図である。
図8】第2の実施形態による、送信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図9】第2の実施形態による、受信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図10】第2の実施形態による協調道路交通システムにおける高度化報告手順の例を示す図である。
図11】第3の実施形態による、送信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図12】第3の実施形態による協調道路交通システムにおける高度化報告手順の例を示す図である。
図13】第4の実施形態による、送信側ステーションにおける2つの相補的な種類の報告を含んだ高度化報告手順の例のフローチャートである。
図14】第4の実施形態による協調道路交通システムにおける高度化報告手順の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の説明において提供されるリストおよび(データエレメントなどの)エレメントの名称は、単なる例示である。実施形態はそれに限定されず、他の名称が使用されうる。
【0055】
本発明の実施形態は、高度道路交通システム(ITS)において実装されることが意図されている。
【0056】
本発明は、I-CPMと呼ばれるCPMの送信がCPMの所定の報告ポリシ及び組み込み手順によって規定される独立報告機構、及び、P-CPMと呼ばれるCPMの報告ポリシ及び組み込み手順が事前に送信されたI-CPMに完全に依存する従属報告機構という、2つのタイプの報告を組み合わせる報告機構を提供する。
【0057】
I-CPM及びP-CPMの両方が、第1のタイプと第2のタイプとのいずれかのエレメント内に含まれる情報を有しうる。I-CPMが第1のタイプのエレメントを含む場合、P-CPMは、第2のタイプのエレメントを含み、I-CPMが第2のタイプのエレメントを含む場合、P-CPMは、第1のタイプのエレメントを含む。
【0058】
第1のタイプのエレメントは、知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれのためのCPM内の個別のコンテナを用いた、個別の報告を含む。第2のタイプのエレメントは、知覚された領域を報告するための個別のコンテナを用いた、多数の報告を含みうる。このような個別のコンテナは、エリアに課する多数の情報の、例えばエリア内のオブジェクトの存在の、報告を可能としうる。
【0059】
I-CPMのコンテンツは独立して処理され、一方で、P-CPMのコンテンツは、最後に送信されたI-CPMのコンテンツを更新するために、最後に送信されたI-CPMのコンテンツに関して処理される。
【0060】
コアのアイデアは、ITSのステーションが決定を行うための十分な情報を有することを確実にしながら、送信されるデータ量を削減するために、これらの2つのタイプのエレメントと共に2つのタイプの報告を組み合わせることである。
【0061】
したがって、第1のタイプの報告が報告ポリシの所定の条件に従ってスケジューリングされ、第2のタイプの報告が、その報告ポリシの所定の条件が満たされないときにいつでも実行される。
【0062】
他のITSステーションによって受信されるときに2つのタイプの報告が相補的な方法で使用されうることを確実にするために、第1のタイプの報告は、所与のエレメントに関する報告情報を識別するための拡張識別子を有しうる。したがって、同一のエレメントを参照する第2のタイプの報告は、同じ識別子を含みうる。
【0063】
このように、本発明は、拡張識別子と呼ばれる追加の識別子を含んだ、CPMの拡張フォーマットを提供する。
【0064】
このような発明は、ITS内での決定を行うためのITSステーションの最小限のデータの、そのITSステーションへの提供を確実にしながら複数の報告に関するCPMのサイズを制限することにより、ネットワークオーバヘッドのリスクを限定しうる。
【0065】
図1は、本発明の文脈において使用される集合知覚メッセージの構造の例を示している。
【0066】
CPM100は、ITSステーションが自身のローカル環境に関する情報を共有するために使用するパケットデータユニット(PDU)である。図解したCPMの構造は、ETSI TS 103 324の仕様のバージョン0.0.20に規定されているCPMフォーマットと、サブミッションDTS/ITS-00167[Intel]に記載されているCPMフォーマットとに基づく。
【0067】
CPM100は、送信側ITSステーションによって、受信側ITSステーションと、自身が知覚した環境を共有するために使用されうる。換言すれば、CPMは、送信側ITSステーションによって送信され、送信側ITSステーションの知覚センサから取得されたその周囲の環境についての情報を含む。CPMを送信するITS送信側ステーションは、発信側ステーション又は送信側ステーションとも呼ばれうる。
【0068】
CPM100は、ITS PDUヘッダ110と、「CPMパラメータ」フィールド115と、証明書120とを含む。
【0069】
「CPMパラメータ」フィールド115は、管理コンテナ130及び/又はステーションデータコンテナ140及び/又は1つ以上のオプションのセンサ情報コンテナ(SIC)150及び/又は1つ以上のオプションの知覚オブジェクトコンテナ(POC)160及び/又は1つ以上のオプションの空き空間補遺コンテナ170を含みうる。知覚オブジェクトコンテナ160及び/又は空き空間補遺コンテナ170に代えて、「CPMパラメータ」フィールド115は、1つ以上のオプションのレイヤ化コストマップコンテナ180を含んでもよい。
【0070】
管理コンテナ130は、CPMが発信されたステーションのタイプに関する情報を含みうる。例えば、管理コンテナ130は、発信側ステーションが車両であるか、RSUであるかVRUであるかを示しうる。
【0071】
ステーションデータコンテナ140は、発信側ITSステーションが固定されているかモバイルかにその内容が依存しうる、オプションのフィールドである。
【0072】
発信側ITSステーションがモバイルである場合、ステーションデータコンテナ140は必須である。ステーションデータコンテナ140は、発信側ITSステーションの動的情報を含みうる。例えば、動的情報は、速度、方向、縦方向及び/又は横方向及び/又は垂直方向の加速度、ヨーレート、ピッチ/ロール角度等の1つまたは複数を含みうる。
【0073】
発信側ITSステーションが固定されている場合、ステーションデータコンテナ140はオプションである。ステーションデータコンテナ140は、発信側ITSステーションの識別番号への参照を提供しうる。このような識別番号は、地図(道路/車線トポロジ及びトラフィック戦略(maneuver)メッセージ)拡張メッセージ(MAPEM)を用いて、ITSネットワークのその他の部分へ、固定されたITSステーションによって提供される。
【0074】
センサ情報コンテナ150は、発信側ITSステーションの所与のセンサのそれぞれについての知覚能力についての情報(例えばセンサの位置、種類)を提供するために使用されうる。例えば、センサ情報コンテナ150は、センサの種類(例えば、カメラ、赤外線カメラ、レーダ、無線機など)、カバー範囲(例えば、所与のセンサを通じて観測可能なエリアを表す多角形又は地図)を含みうる。送信側ITSステーションのステーションタイプに応じて、センサの特性を符号化するために様々なコンテナの規定が利用可能である。センサ情報コンテナは、ETSI TR103 562に定められているように、他のコンテナより低い頻度で添付される。CPMは、最多で10個のセンサ情報コンテナ150を含みうる。
【0075】
知覚オブジェクト及び/又は空き空間と、センサによってカバーされる所与の領域に関する情報は、2つのタイプのエレメントを用いるCPMにおいて提供されうる。
【0076】
第1のタイプのエレメントは、センサによって検出されたオブジェクト及び/又はセンサによって知覚された空き空間のそれぞれを個別に報告するために提供される。したがって、第1のエレメントは、知覚オブジェクトコンテナ(POC)160及び/又は空き空間補遺コンテナ170を含みうる。発信側ITSステーションの内蔵センサを通じて個別に検出されたエンティティのそれぞれに対して、知覚オブジェクトコンテナ160と空き空間補遺コンテナ170とのいずれかが使用されうる。
【0077】
知覚オブジェクトコンテナ160は、知覚オブジェクトの動的状態及び特性の詳細な記述を与える、1つ以上のデータエレメント(DE)を有するデータフレーム(DF)の系列を含みうる。
【0078】
DEは、以下の情報を含みうる:
-objectID DEと呼ばれるDEにおける、検出されたオブジェクトの識別子;
-timeOfMeasurement DEと呼ばれるDEにおける測定の時間。測定の時間は、知覚オブジェクトの検出の測定時刻と管理コンテナ130の生成時刻との時間差に対応する;
-objectConfidence DEと呼ばれるDEにおけるオブジェクトの信頼性。オブジェクトの信頼性は、知覚オブジェクトと関連付けられた信頼性のレベルを、より一般的には知覚オブジェクトに関する提供された情報と関連付けられた信頼性のレベルを、示す。オブジェクトの信頼性の判定は、ETSI TS103 324(0.0.22)の7.6.4節に記載されている;
-objectRefPoint DEと呼ばれるDEにおける、参照点。参照点は、知覚されたオブジェクトの選択された点でありうる。デフォルトでは、参照点は、知覚オブジェクトの中心点である;
-発信側ITSステーションと知覚オブジェクトとの間の距離。距離は、発信側ITSステーションに対して固定された参照のフレームに従って判定されうる。例えば、所与の信頼性のレベルを有する測定時における知覚オブジェクトと発信側ITSステーションの参照点との間の距離を共に表す3つのDE、xDistance DE、yDistance DE、zDistance DE内で距離が示されるように、参照のフレームの3つの方向x、y、zについて相対的に距離が判定される。この信頼性のレベルは、判定された距離に固有である;
-測定時の発信側ITSステーションの参照点に関する速度。距離と同様に、速度は、発信側ITSステーションの参照の固定されたフレームに対して相対的に判定されうる。例えば、所与の信頼性のレベルを有する検出されたオブジェクトの速度を共に表す3つのDE、xSpeed DE、ySpeed DE、zSpeed DE内で速度が示されるように、参照のフレームの3つの方向x、y、zについて相対的に速度が判定される。この信頼性のレベルは、判定された速度に固有である;
-測定時の発信側ITSステーションの参照点に関する加速度。距離と同様に、加速度は、発信側ITSステーションの参照の固定されたフレームに対して相対的に判定されうる。例えば、速度と同様に、所与の信頼性を有する発信側ITSステーションに固定された参照のフレームの3つの方向に対して、3つのDE、xAcceleration DE、yAcceleration DE、zAcceleration DE内で加速度が示される;
-知覚オブジェクトから離れて移動する発信側ITSステーションの能力を提供する、dynamicStatus DEと呼ばれるDEにおける動的な状態;
-知覚オブジェクトの寸法を示すディメンジョン。寸法は、発信側ITSステーションに関する固定された参照のフレーム内で判定され、3つのDE(planarObjectDimension1、planarObjectDimension2、verticalObjectDimension)を用いて示されうる;
-知覚オブジェクトの分類を提供するClassification DEと呼ばれるDEにおける分類。このような分類は、知覚オブジェクトが1つ以上の所定のルールに従う所与のクラスの一部であるかのインジケーションでありうる。例えば、Classification DEにおいて、知覚オブジェクトが車両であるか、RSU内の固定されたITSであるか、VRUであるかなどが示されうる。
【0079】
空き空間補遺コンテナ170は、内蔵センサの1つによって検出された空き空間に関する情報を提供しうる。したがって、空き空間補遺コンテナ170は、センサの1つによって知覚された空き空間に関する測定値を提供しうる。
【0080】
空き空間補遺コンテナ170は、検出された空き空間のそれぞれの記述を与える、1つ以上のデータエレメント(DE)を有するデータフレーム(DF)のシーケンスを含みうる。
【0081】
DF及びDEは、以下の説明情報を含みうる:
-空き空間エリアを記述するfreeSpaceAreafreeSpaceArea DFと呼ばれるDFにおける空き空間エリア。このような記述は、発信側ITSステーションに固定された参照のフレームの3つの方向x、y、zに相対的に表現された空き空間エリアの寸法を含みうる。例えば、空き空間エリアは、多角形領域(AreaPolygon DF)、又は円形エリア(AreaCircular DF)、又は楕円形のエリア(AreaEllipse DF)、又は矩形エリア(AreaRectangle DF)のいずれかとして表現されうる。
【0082】
-空き空間エリアの全体に適用される等方性の信頼性のレベルを記述する、FreeSpaceConfidence DEと呼ばれるDEにおける空き空間の信頼性;
-空き空間を識別するための測定を実行した疑似センサIDのリストを提供する、sensorIDList DEと呼ばれるDEにおけるセンサ識別子のリスト;
-空き空間エリア内で単純なシャドウイングメカニズムが適用されるかを示す、shadowingApplies DEと呼ばれる、シャドウイングフィールド。
【0083】
第2のタイプのエレメントは、それぞれ報告されるべきレイヤ化コストマップの情報を提供するレイヤ化コストマップコンテナ180でありうる。
【0084】
レイヤ化コストマップコンテナ180に含まれうる、レイヤ化コストマップの例示的なデータ構造を図2に示す。
【0085】
レイヤ化コストマップ200は、エゴITSステーションと呼ばれる所与のステーションの内蔵センサによって知覚された、エリアの2Dグリッドベースの表現である。そのエリアは、エゴITSステーションにおける内蔵センサによって知覚されたエリアの全体である知覚された視野、又はその一部である。
【0086】
レイヤ化コストマップ200はセルのセットを含む。セルは、好ましくは同一サイズの、矩形でありうる。
【0087】
各セルは、コスト値に関連付けられる。コスト値は、各セルに対する知覚オブジェクト及び/又は空き空間に関連する情報を示しうる。
【0088】
例えば、コスト値は、占有状態(空き、占有、不明)、安全状態(安全/警告/致死)、オブジェクトの数、又は、提供されるコスト値に対応する信頼性レベルに、対応しうる。
【0089】
レイヤ化コストマップは、1つ以上のコストマップレイヤを含みうる。各コストマップレイヤは、レイヤ化コストマップ200のいずれかと同じエリアの2Dグリッドベースの表現であり、同様にセルに分割され、固有の機能及び/又はセンサタイプに関するコスト値を有する。
【0090】
コストマップレイヤは、様々なタイプでありうる。図示の例では、レイヤ化コストマップ200は、それぞれがあるタイプのコストマップレイヤに対応する順序付けられたコストマップレイヤ201、202、203、204、205及び206で構成されている。代替的に、レイヤ化コストマップは、より多くの又はより少ないコストマップレイヤを含みうる。
【0091】
静的マップレイヤ201は、表現されるエリア内に位置する静的なオブジェクト/障害物を示す所定のコストマップレイヤである。静的マップレイヤ201は、道路、信号、路側などのような、表現されるエリアの政敵環境を示すことを目指す。このようなレイヤは、道路トポロジに関する情報を共有するMAPEMを用いて評価されうるように事前決定される。静的マップレイヤ201のコスト値は、セル内での、表現されるエリアの静的なオブジェクト/障害物の存在に依存する。
【0092】
知覚オブジェクトマップレイヤ202は、表現されるエリアのセルにおけるエゴITSステーションの内蔵センサによって知覚されたオブジェクトの存在又は不存在をコスト値が示すコストマップレイヤである。その知覚オブジェクトは、静的なオブジェクト/障害物とは異なり、モバイルでありうる。
【0093】
膨張マップレイヤ203は、コスト値が静的な障害物及び知覚オブジェクトの周囲のバッファゾーンを示すコストマップレイヤである。バッファゾーンは、制動時間を考慮して静的な障害物及び知覚オブジェクトの周囲で定義される、所定の安全ゾーンである。
【0094】
集合知覚マップレイヤ204は、その情報が集合認知メッセージ(CAM)又はCPMとしてのITSメッセージを通じて1つ以上の隣接ITSステーションから受信された、知覚オブジェクトをコスト値が示すコストマップレイヤである。このようなレイヤは、隣接ITSステーションからの受信CPMに含まれるレイヤ化コストマップレイヤを用いて構築されうる。
【0095】
集約マップレイヤ250は、レイヤ201、202、203、及び204から生成されうる。
【0096】
集約マップレイヤ250は、静的マップレイヤ201、知覚オブジェクトマップレイヤ202、膨張マップレイヤ203、及び集合知覚マップレイヤ204を集約することにより構築されうる。より具体的には、静的マップレイヤの情報が最初に集約マップレイヤに組み込まれ、続いて、知覚オブジェクトレイヤ202、膨張マップレイヤ203、及び集合知覚レイヤ204のそれぞれからの情報が追加される。
【0097】
相違ハンドリングレイヤ205は、エゴITSステーションの集約コストマップ250のコスト値と、隣接ITSステーションから受信された他の集約コストマップ250のコスト値との間の相違をコスト値が示すコストマップレイヤである。所与のセルに対する相違ハンドリングレイヤのコストは1ビットで符号化され、相違が特定された場合には0にセットされ、そうでない場合には1にセットされる。
【0098】
協調要求レイヤ206は、エゴITSステーションが1つ以上のコスト値の信頼性レベルが低いと考えたときに、エゴITSステーションが隣接ITSステーションからの協調を要求する対象の、集約コストマップレイヤ250のセルをコスト値が示すコストマップレイヤである。
【0099】
信頼性レベルは、集約コストマップレイヤ250のコスト値が信頼できて安全と考えられるか否かを示す。それにより、その隣接ITSステーションに対応するコスト値を送信するように要求することが可能となる。所与のセルのための協調要求レイヤのコスト値は1ビットで符号化され、安全でないコストを示すために1がセットされ、そうでない場合には0がセットされる。
【0100】
図1に戻り、このようなレイヤ化コストマップは、CPM100内で、具体的にはレイヤ化コストマップコンテナ180を用いて、報告されうる。
【0101】
レイヤ化コストマップコンテナ180は、説明情報の1つ以上の以下の項目を含みうるレイヤ化コストマップコンテナ DFを有する:
-表現されるエリアに関する説明情報。いくつかの実施形態によれば、表現されるエリアは、隣接ITSステーションと共有するために、その視野における固有の寸法の矩形エリアである。矩形エリアは、より小さい矩形セルにさらに分割されうる。
矩形の表現されるエリアの説明情報は、レイヤ化コストマップコンテナ DFの一部として、ReportedCostMapGridArea DFと呼ばれるDFに含まれうる。セルの数は、セルの数の観点で矩形エリアの長さ及び幅、nGridCellsSizeLength DE及びnGridCellsSizeWidth DE、が示されるsizeofReportedGridArea DEと呼ばれるDEにおいて規定されうる。
-報告される矩形グリッドのセルのサイズに関する説明情報。セルの説明情報は、GridCellSizeX DE及びGridCellSizeY DEと呼ばれるDEにおいて提供されうる。
-報告される矩形グリッドエリアの中心に関する説明情報。これは、エゴITSステーションの参照位置に関して特定されうる。
-LayeredCostMapContainer DFと呼ばれるDFに含められる各コストマップレイヤに関する説明情報。例えば、以下を含みうる。
-NumberOfLayeredCostMap DEによって特定される、LayeredCostMapContainerに含められるコストマップレイヤの数。
-ReportedCostMapGridArea DFによって特定される、報告される全てのコストマップレイヤが使用する矩形グリッドエリア。
-報告される各コストマップレイヤについての、LayeredCostMap DFにおいて提供される、報告されるコストマップレイヤのコスト値。
-CostMapLayerType DEにおいて特定される、報告される各コストマップレイヤのタイプ。
-TimeOfMeasurement DEを用いて特定される、報告される各コストマップレイヤの測定時刻。
-それぞれがマップセルに対応するPerGridCellCostMapValueWithConfidenceLevel DFのシーケンスを通じて特定される、報告されるコストマップのマップセルのリスト。PerGridCellCostMapValueWithConfidenceLevelは以下を含む。
-マップセルのコスト値を示すPerGridCellCostValue DEと、マップセルの提供されたコスト値に関する信頼性のレベルを示すPerGridCellConfidenceLevel DEを含んだ、PerGridCellCostMapValueWithConfidenceLevel DF。セルのコスト及び信頼性レベルは、異なるフォーマットで特定されうる。コストと信頼性レベルとのそれぞれに対して、PerGridCellCostValueConfigType DE及びPerGridCellConfidenceLevelConfigType DEを用いて、いくつかのフォーマットが特定されうる。
【0102】
マップセルには、マップセルを識別するための、黙示的な識別子が割り当てられうる。例えば、マップセルの説明情報を連続的に有するPerGridCellCostMapValueWithConfidenceLevel DF内の説明情報の位置を用いて、マップセルが識別されうる。
【0103】
例えば、マップセルの識別子は、所定のルールを用いて判定されうる。
【0104】
例えば、i番目の行およびj番目の列に位置するマップセルには、i×nGridCellsSizeWidth+jという識別子が割り当てられうる。
【0105】
代替的に、マップセルに、明示的な識別子が割り当てられてもよい。
【0106】
以下、マップセル識別子を、LCCELLIdと呼ぶ。
【0107】
したがって、CPMは、ステーションのローカル環境についての情報を共有するために、これらの2つのエレメントの1つ以上のコンテナを、知覚オブジェクトコンテナ160及び/又は空き空間補遺コンテナ170とレイヤ化コストマップコンテナ180とのいずれかを、含みうる。
【0108】
両方のエレメントがその利点と欠点とを有する。
【0109】
知覚オブジェクトコンテナ160及び/又は空き空間補遺コンテナ170の使用は、発信側ITSステーションが、そのローカル環境における正確な情報を共有することを可能とする。しかしながら、発信側ITSステーションが例えば多数のオブジェクトに囲まれている場合に、コンテナが適切でないかもしれない。実際、知覚オブジェクトコンテナ160及び/又は空き空間補遺コンテナ170に関してCPMのサイズは、所定の閾値を超えてはならない。したがって、検出されたオブジェクト及び/又は空き空間の数が所定の閾値を超える場合、このような発信側ITSステーションがそのローカル環境を十分に報告するために複数のCPMが使用されうる。
【0110】
レイヤ化コストマップコンテナ180を使用すると、今度は、エリアと、そのエリアにおけるオブジェクトの存在又は不存在を、セル表現を伴うグリッドを用いて報告することができる。しかし、提供される情報は大まかなままである。実際、いくつかの決定に対して、ITSステーションは、例えば検出されたオブジェクトの動作に関する情報を必要としうる。
【0111】
さらに、ITSの帯域幅が制限されている。実際、ITSステーションが自身の情報共有するために使用するCAMやMAPEMなどの周期的なメッセージに加えて、ITSは、CPMの集約的な交換をサポートしうる。したがって、そのITSの帯域幅の使用を最適化する必要性がある。
【0112】
したがって、本発明は、2つの報告のタイプを含み、知覚オブジェクトコンテナ、空き空間補遺コンテナ、及びレイヤ化コストマップコンテナ内で拡張識別子を含んだ拡張CPMフォーマットを用いる拡張報告機構を提供する。
【0113】
図3及び図4は、両方が、本発明による、送信側ステーションおよび受信側ステーションにおける、2つの相補的なタイプの報告を含んだ拡張報告手順の例を示している。
【0114】
上述のように、本発明は、拡張CPMを用いた、2つのタイプの報告に基づく。
【0115】
I-CPMと呼ばれるCPMを用いる第1のタイプの報告は、I-CPMの送信が所定の報告ポリシによって管理される、独立報告機構である。例としてまた限定することなく、I-CPMは、所与の時間周期に基づいて、周期的に送信されうる。
【0116】
例えば、所定の報告ポリシは、I-CPMに含まれるエレメントに依存してもよい:換言すれば、所定の報告ポリシは、I-CPMが個別の知覚オブジェクト及び/又は空き空間を報告するか否か、又は、I-CPMがレイヤ化コストマップを報告するか、に依存しうる。
【0117】
I-CPMが1つ以上の知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナ170を含んだCPMである場合、報告ポリシは、標準ETSI TS 103 324において規定されているものと同じである。
【0118】
標準で規定されるように、送信されるCPMの生成は、6.1.3.1節で規定されているCPMイベントの生成に依存する(ETSI TS 103 324(0.0.22)のCPメッセージ生成頻度管理を参照)。
【0119】
標準の現在のバージョンにおいて、CPMは、(管理コンテナに加えて)知覚オブジェクトコンテナ160および/または空き空間補遺コンテナ170を含みうる。
【0120】
より具体的には、標準の現在のバージョンが特定の組み込み手順を含む。具体的な組み込み手順は、6.1.3.2節における知覚オブジェクトコンテナの組み込みと、6.1.3.4節における空き空間補遺コンテナの組み込みとを規定している。
【0121】
知覚オブジェクトコンテナの組み込み手順は、知覚オブジェクト組み込み条件と呼ばれる、特定の条件のセットを含む。特に、以前に知覚されたオブジェクトに関する更新された情報を含んだ知覚オブジェクトコンテナは、以下の条件のうちのいずれかが満たされる場合に、送信されるべき次のCPMに含められる:
-知覚オブジェクトの更新された情報が、最後のCPMイベント生成後に最初に検出された場合、または
-最後に報告された位置と知覚オブジェクトの基準点の現在の更新された位置との間のユークリッド絶対距離が、所定の閾値(minReferencePointPositionChangeThreshold)を超えた場合、または
-オブジェクトが最後に報告されてからの経過時間が、所定の閾値T_GenCpmMaxを超えた場合。
【0122】
空き空間補遺コンテナの組み込み手順は、空き空間組み込み条件と呼ばれる、特定の条件のセットを含む。特に、以下の条件のうちのいずれかが満たされる場合、以前に知覚された空き空間に関する更新された情報を含んだ空き空間補遺コンテナが、送信されるべき次のCPMに含められる:
-空き空間領域が多角形領域に対応する場合に、CPMに最後に含められたこの多角形の対応する頂点に対する多角形の頂点間のユークリッド相対距離が4mを超える場合、または多角形を記述する頂点の数が変化した場合、空き空間補遺コンテナが現在のCPMに追加されうる。
-空き空間領域が円形領域または楕円形領域または長方形領域に対応する場合、記述された自由空間領域の中心点の現在のユークリッド距離と、同じ記述された自由空間領域の中心点のユークリッド距離との間の差が4mを超え、最後にCPMに含まれる場合、自由空間追加コンテナを現在のCPMに追加することができる。さらに、記述された空き空間領域の現在の半径または長さと、CPMに最後に含められた記述された同じ空き空間領域の半径または長さとの差が4mを超える場合、空き空間補遺コンテナが現在のCPMに追加されうる。さらに、記述された空き空間領域の現在の配向とCPMに最後に含まれた記述された同じ空き空間領域の配向との間の差が4度を超える場合、空き空間補遺コンテナを現在のCPMに追加することができる。
【0123】
I-CPMが1つ以上のレイヤ化コストマップコンテナを含んだCPMである場合、報告ポリシは、サブミッションDTS/ITS-00167[Intel]において特定されたものと同じである。
【0124】
このサブミッションにおいて、送信されるべきCPMの生成は、標準ETSI TS103 324(0.0.22)に規定されているものと同じである。
【0125】
さらに、サブミッションDTS/ITS-00167[Intel]は、CPMにおいて最後に報告されたレイヤ化コストマップが期限切れと考えられるときに、送信されるべき次のCPMにおける更新されたレイヤ化コストマップを含めるための、固有のレイヤ化コストマップコンテナの組み込み手順を特定している。
【0126】
レイヤ化コストマップコンテナの組み込み手順は、レイヤ化コストマップの組み込み条件と呼ばれる特定の条件のセットを含む。具体的には、以下の条件のいずれかが満たされた場合に、更新されたレイヤ化コストマップが、送信される次のCPMに含められる:
-コスト値又は/及び信頼性レベルが最後に報告されたCPMと比べて更新されたマップセルのパーセンテージが所定の閾値minPercentageOfCellsChangeThresholdより高いこと、又は、
-レイヤ化コストマップレイヤがCPMに最後に含められてから経過した時間が所定の時間区間T_GenCpmMaxを超えること。
【0127】
P-CPMと呼ばれるCPMを用いる第2のタイプの報告は、報告ポリシ及び組み込み手順が先に送信されたI-CPMに完全に依存する。したがって、P-CPMの送信は、報告ポリシ及び組み込み手順に従って新しいI-CPMを送信するための条件が満たされたかに依存する。条件が満たされない場合に、P-CPMが生成され、したがって、P-CPMの組み込み手順は、先に(又は最後に)送信されたI-CPMにおいて報告された情報に基づく。
【0128】
したがって、第2の報告のP-CPMは、先に送信されたI-CPMによって情報を更新するために、先に送信されたI-CPMにおいて先に報告された情報を参照する情報を含みうる。I-CPM及びP-CPMの両方において、拡張識別子を用いて参照が行われうる。
【0129】
本発明において、I-CPMは、第1のタイプのエレメントを含み、P-CPMは、第2のタイプのエレメントを含み、又はその逆である。提供される報告機構において、I-CPM及びP-CPMは、所与の関心エリアに関する異なるタイプのエレメントを含む。したがって、I-CPMを用いて提供される情報は、次にI-CPMが送信される前に、P-CPM内で提供された情報を用いて更新されうる。
【0130】
I-CPMとP-CPMの両方において識別子を用いることにより、第1のエレメント全体の更新されたバージョンを送信する必要なしに、P-CPMのエレメントを用いて、I-CPMのエレメントを更新することが可能となる。
【0131】
2つの連続するI-CPMの間にP-CPMが送信されることを確実にするために、所定の閾値の値が適宜に選択されうる。換言すれば、本発明の文脈において、レイヤ化コストマップコンテナの組み込み手順が適用されるときのフィールドminPercentageOfCellsChangeThreshold及びT_GenCpmMaxの値、又は知覚オブジェクトコンテナの組み込み手順が適用されるときのフィールドminReferencePointPositionChangeThreshold及びT_GenCpmMaxの値が、本発明の文脈外で使用される値と比べて高くされうる。
【0132】
本発明の大まかな原理は、図3及び図4を参照してより良く理解されるだろう。
【0133】
拡張報告手順の一部が、図3に示すように、CPMを送信する送信側ITSステーションにおいて実行される。
【0134】
本方法は、ステップ300において、CPMイベントの発生において開始される。先に説明したように、全てのタイプのCPM生成イベントが、ETSI TS103 324において規定されており、本文書においては詳細に説明しない。
【0135】
ステップ310において、送信側ITSステーションにおいて、I-CPMを送信するための条件が満たされているかがチェックされる。換言すれば、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナに関する報告ポリシか、レイヤ化コストマップコンテナに関する報告ポリシの条件が満たされる。
【0136】
I-CPMを送信する条件が満たされている場合、ステップ320において、I-CPMが生成されて送信される。I-CPMは、拡張識別子を用いて情報の各報告項目が識別されるように、エレメント内で報告情報を有する。
【0137】
I-CPMを送信する条件が満たされていない場合、ステップ330においてP-CPMが生成されて送信される。P-CPMは、エレメント内に報告情報を含み、各情報項目が、最後に送信されたI-PCM内の先に報告された情報項目を参照する。
【0138】
P-CPMは、最後に送信されたI-CPM内に含まれる別のタイプのエレメントを参照する1つのタイプのエレメントを含む。換言すれば、I-CPM内に存在するエレメントが、P-CPMには存在しない。
【0139】
先に送信されたI-CPMにおいて使用された拡張識別子を用いて参照が行われる。
【0140】
拡張報告手順の他の部分は、図4に示すように、P-CPM及びI-CPMを受信する受信側ITSステーションにおいて実行される。
【0141】
受信側ITSステーションにおける処理を、I-CPMとP-CPMとのいずれが受信されたかに応じて別個に図解する。
【0142】
ステップ400においてI-CPMが受信されると、ステップ410において、1つのタイプのエレメント内の報告情報が、受信したI-CPMから抽出される。
【0143】
そして、ステップ420において、抽出された報告情報が記憶される。この情報は、拡張識別子と共に記憶される。
【0144】
ステップ430において、ステップ410で抽出された情報を用いて、環境認知が更新される。
【0145】
ステップ450においてP-CPMが受信されると、ステップ460において、他のタイプのエレメント内の報告情報が、受信されたP-CPMから抽出される。P-CPM内に含まれる各報告情報項目は、拡張識別子を用いた、最後に受信されたI-CPMの先に報告された情報項目への参照を含む。
【0146】
そして、次に、ステップ470において、受信したP-CPMに含まれる報告情報を用いて、最後に受信されたI-CPMの報告情報に基づく環境認知が更新される。
【0147】
より具体的には、受信したP-CPMに含まれる報告情報は、拡張識別子を用いて、最後に受信したI-CPMからの方向情報を参照する。このような拡張識別子は、いずれの報告情報を更新するかを決定するのに役立ちうる。
【0148】
ここで、本発明のより良い理解のために、以下の図面に関連して4つの実施形態について説明する。
【0149】
図5及び図6は、第1の実施形態による、送信側ステーション及び受信側ステーションにおける拡張報告手順の例のフローチャートを示している。
【0150】
この第1の実施形態では、I-CPM及びP-CPMが提供され、I-CPMは少なくとも1つのレイヤ化コストマップを含み、P-CPMは、I-CPMの報告されたレイヤ化コストマップのうちの1つについての1つ以上のセルを参照する、少なくとも1つの個別に報告される知覚オブジェクト及び/又は空き空間を含む。
【0151】
このような実施形態によれば、所定の報告ポリシに従って送信されたI-CPMを用いて、決定を行うための最小限の情報のITSステーションの提供が可能となり、一方で、2つの連続するI-CPMの間に、提供された最小限の情報に関するより詳細な情報を含んだP-CPMが提供される。
【0152】
まず、第1の実施形態による、送信側ステーションにおける拡張報告手順の例について、図5に関して説明する。
【0153】
本方法は、ステップ500において、CPMイベントの発生において開始される。ステップ510において、I-CPMを送信するための条件が満たされているかがチェックされる。I-CPMが少なくとも1つのレイヤ化コストマップを含むため、報告条件はレイヤ化コストマップに関係する。より具体的には、レイヤ化コストマップの組み込み条件が考慮される。
【0154】
I-CPMを送信する条件が満たされている場合、ステップ520において、I-CPMが生成されて送信される。I-CPMは、少なくとも1つの拡張識別子と関連付けられたレイヤ化コストマップを含んだ少なくとも1つのレイヤ化コストマップコンテナを含む。
【0155】
この実施形態では、少なくとも1つの拡張識別子は、レイヤ化コストマップと関連付けられた識別子LCMIdを含みうる。典型的には、値LCMIdは、0から256の間のまだ割り当てられていない整数である。
【0156】
この実施形態において、少なくとも1つの拡張識別子は、レイヤ化コストマップのマップセルにリンクされた、LCCELLIdと呼ばれる識別子を含みうる。先に説明したように、LCCELLId識別子は、黙示的でありうる。
【0157】
したがって、本ステップでは、先に説明したレイヤ化コストマップを記述するDF及びDEに加えて、識別子LCMIdの値にセットされたフィールドLCMId DEを有するレイヤ化コストマップコンテナが生成される。
【0158】
I-CPMを送信する条件が満たされていない場合、ステップ530において、P-CPMを送信する条件が満たされているかがチェックされる。
【0159】
したがって、拡張された知覚オブジェクト及び/又は空き空間の組み込み手順は、P-CPMに含められるべき知覚オブジェクトコンテナ及び空き空間補遺コンテナを識別するために開始される。
【0160】
以下のうちのコンテナを含めるための、拡張された知覚オブジェクト及び/又は空き空間の組み込み手順の条件:知覚オブジェクトが、それぞれの空き空間が、最後に送信されたI-CPMにおいて報告されたレイヤ化コストマップの少なくとも1つのマップセルの値を変更する場合、知覚オブジェクトコンテナ、それぞれの空き空間補遺コンテナが、生成される。
【0161】
次に、ステップ540において、拡張された知覚オブジェクト及び/又は空き空間の組み込み手順の条件に従って、P-CPMが生成され、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを有するP-CPMが送信される。
【0162】
この場合、知覚オブジェクトの位置及び運動学の完全な記述、それぞれの空き空間の記述に加え、知覚オブジェクトコンテナ、それぞれの空き空間補遺コンテナは、I-CPMにおいて報告されたレイヤ化コストマップの識別子にセットされるLCMId DEと呼ばれるフィールドと、最後に送信されたI-CPMにおける報告されたレイヤ化コストマップにおいて更新されるべきマップセル識別子のリストにセットされるLLCELLId DEと呼ばれる1つ以上のフィールドを含む。
【0163】
ここで、第1の実施形態による受信側ステーションにおける拡張報告手順の例について、図6に関して説明する。
【0164】
受信側ITSステーションにおける処理について、I-CPMとP-CPMとのいずれが受信されたかに応じて別個に図解している。
【0165】
ステップ610においてI-CPMが受信されると、フィールドLCMIdに含められるその識別子と共にI-CPM内に含まれるレイヤ化コストマップが抽出される。
【0166】
次に、ステップ620において、抽出されたレイヤ化コストマップ及びその識別子LCMIdが、共に記憶される。このようにして、この抽出されたレイヤ化コストマップへの、そして、黙示的な識別子LLCELLIdを用いてそのセルへの、参照を行うことができる。
【0167】
ステップ630において、抽出されたレイヤ化コストマップとその説明情報とを用いて、環境認知が更新される。
【0168】
ステップ650においてP-CPMが受信されると、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナ内の報告情報が抽出される。このように、説明情報に加えて、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナは、LCMIdフィールドと最後に受信されたI-CPMにおいて報告されたレイヤ化コストマップのセルを参照するLCCELLIdのフィールドとの1つ以上の組み合わせを含む。
【0169】
これらの識別子のペアの結果、受信側ITSステーションは、P-CPMの知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを用いて、先に受信したI-CPMのレイヤ化コストマップのセルを更新することができる。
【0170】
そして、ステップ670において、記憶されたレイヤ化コストマップが更新される。
【0171】
各知覚オブジェクトコンテナに対して、更新処理は2つのステップに分割される。第1のステップにおいて、フィールドLCCELLIdが抽出され、自身の識別子がそのフィールドLCCELLIdに含まれる各セルが更新される。第1の更新は、セル内に知覚オブジェクトがないことを考慮することによる、関心がもたれているセルのコスト値の再初期化を含む。第2のステップにおいて、更新されるべきマップセルのリストを特定するために、知覚オブジェクトの報告された位置が処理される。識別されたセルのそれぞれに対して、第2の更新は、知覚オブジェクトの位置及び運動学的状態に従って、識別されたセルのコスト値を更新することを含む。
【0172】
各空き空間補遺コンテナに対して、レイヤ化コストマップを更新するために第1の更新のみが行われる。レイヤ化コストマップを更新するために、freeSpaceArea DFを使用する必要はない。
【0173】
図7は、第1の実施形態による協調道路交通システムにおける拡張報告手順の例を示している。
【0174】
I-CPM710、740は、2つの逐次の瞬間t1およびt2において、I-CPMの報告ポリシに従って送信される。これらの2つの瞬間の間の時間期間は、I-CPM生成時間と呼ばれうる。
【0175】
I-CPM710、740の両方が、ステップ610に示すようなレイヤ化コストマップ組み込み条件が満たされたかにI-CPM生成時間が依存するように、レイヤ化コストマップを含む。
【0176】
I-CPM生成時間の間、すなわちt1とt2の間に経過する時間の間、P-CPMが、時刻t1におけるI-CPM710において報告されたレイヤ化コストを更新するために生成されうる。
【0177】
図の例では、2つのP-CPM720、730が生成されている。
【0178】
第1のP-CPM720は、4つの知覚オブジェクトコンテナを含み、第2のP-CPM730は、2つの知覚オブジェクトコンテナ及び1つの空き空間補遺コンテナを含む。
【0179】
各コンテナは、時刻t1におけるI-CPM710において報告されたレイヤ化コストマップと、更新されるべきレイヤ化コストマップのマップセルの識別子を参照する。
【0180】
図8及び図9は、第2の実施形態による、送信側ステーション及び受信側ステーションにおける拡張報告手順の例のフローチャートを示している。
【0181】
第2の実施形態では、I-CPM及びP-CPMが提供され、ここで、I-CPMは少なくとも1つの個別に報告される知覚オブジェクト及び/又は空き空間を含み、P-CPMは、先に個別に報告された知覚オブジェクト及び/又は空き空間を参照する1つ以上のセルを含んだ少なくとも1つのレイヤ化コストマップを含む。
【0182】
この実施形態において、報告される知覚オブジェクト及び/又は空き空間は、P-CPMにおいてレイヤ化コストマップのセルを報告される知覚オブジェクト及び/又は空き空間と関連付けるのに使用されうる、第1の識別子および第2の識別子とそれぞれ関連付けられうる。
【0183】
このような実施形態により、知覚オブジェクト及び/又は空き空間を、主として、連続する2つのI-CPM間のレイヤ化コストマップにおける位置を更新することが可能となる。このような報告機構は、特に送信側ステーションのローカル環境内に多数のオブジェクトが存在する場合に、特に有利でありうる。このようなレイヤ化コストマップを含んだP-CPMを用いた更新により、ITS通信ネットワークのオーバヘッドのリスクなしに、複数の知覚オブジェクトの位置を更新することが可能となる。
【0184】
まず、第2の実施形態による送信側ステーションにおける拡張報告手順のための方法の例について、図8に関して説明する。
【0185】
本方法は、ステップ800において、CPMイベントの発生において開始される。ステップ810において、I-CPMを送信するための条件が満たされたかがチェックされる。I-CPMが少なくとも1つの知覚オブジェクト及び/又は空き空間補遺コンテナを含むため、報告条件は、その知覚オブジェクト及び/又は空き空間補遺コンテナに関連する。より具体的には、知覚オブジェクト及び/又は空き空間の組み込み条件が考慮される。
【0186】
I-CPMを送信するための条件が満たされている場合、組み込まれるべき知覚オブジェクトコンテナ及び空き空間補遺コンテナのリストが特定される。
【0187】
次に、ステップ820において、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを含んだP-CPMが生成されて送信される。P-CPMは、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナのそれぞれに中において、説明情報と、知覚オブジェクトと空き空間とのいずれかの第1の識別子又は第2の識別子が示される新しいフィールドobjectID DE又はそれぞれにFreeSpaceID DEを伴うフィールドを有する。例えば、objectID DE内で示された第1の識別子の値及び/又はFreeSpaceID DE内で示された第2の識別子の値は、空き空間又は知覚オブジェクトのいずれにも割り当てられていない、0から256の間の整数である。
【0188】
したがって、このステップにおいて、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナが、知覚オブジェクト及び/又は空き空間を上述のように詳細に説明するDF及びDEを伴うのに加えて、ObjectID及び/又はFreeSpaceIDの識別子の値に設定されたフィールドObjectID DE及び/又はFreeSpaceID DEを伴って生成される。
【0189】
I-CPMを送信するための条件が満たされていない場合、レイヤ化コストマップコンテナが、レイヤコストマップに加えて、各マップセルに対して、最後に送信されたI-CPMにおいて先に識別された、更新すべき知覚オブジェクト及び/又は空き空間を参照する識別子を含むフィールドを含んで生成される。
【0190】
このような情報は、すなわち、知覚オブジェクトと空き空間とのいずれかを参照する識別子は、各マップセルについて説明するPerGridCellCostMapValueWithConfidenceLevel DFの新しいフィールドObjectsLstID Dにおいて報告される。
【0191】
この場合、ITS送信側ステーションによって知覚されたエリアを報告するレイヤ化コストマップに加えて、レイヤ化コストマップコンテナは、レイヤ化コストマップ内の提供された情報が知覚オブジェクト及び/又は空き空間の位置を更新するために使用されることとなるように、最後に送信されたI-CPMにおいて報告された知覚オブジェクト及び/又は空き空間の識別子に設定された複数のフィールドObjectsLstIDを含む。
【0192】
ここで、第2の実施形態による受信側ステーションにおける拡張報告手順の例について、図9に関して説明する。
【0193】
受信側ITSステーションにおける処理を、I-CPMとP-CPMとのいずれが受信されたかに応じて別個に図解している。
【0194】
ステップ900において、I-CPMが受信された場合、I-CPMの知覚オブジェクト及び/又は空き空間補遺コンテナ内の報告された情報が、objectID DEとFreeSpaceID DEとのいずれかのフィールドに含められた関連する識別子と共に、抽出される。
【0195】
そして、ステップ920において、知覚オブジェクト及び/又は空き空間補遺コンテナ、及びその識別子objectID及び/又はFreeSpaceIDが、送信側ステーションにおいて共に記憶される。したがって、この知覚オブジェクト及び/又は空き空間に対する参照を、次のP-CPMにおいてこれらの識別子を用いて行うことができる。
【0196】
次に、ステップ930において、抽出された知覚オブジェクト及び/又は空き空間と説明情報とを用いて、環境認知が更新される。
【0197】
ステップ950において、P-CPMが受信された場合、レイヤ化コストマップコンテナ内で報告された情報が抽出される。具体的には、レイヤ化コストマップの各セルに対して、コストと、最新のI-CPMにおいて最後に報告された知覚オブジェクト及び/又は空き空間がP-CPMにおいて参照されるように、ObjectsID又はFreeSpaceIDが取得される。
【0198】
その識別子のおかげで、受信側ITSステーションは、I-CPMにおいて先に受信された知覚オブジェクト及び/又は空き空間を、P-CPMのレイヤ化コストマップのセルを用いて更新することができるようになる。
【0199】
このようにして、ステップ970において、知覚オブジェクト及び/又は空き空間に関する記憶された情報が更新される。
【0200】
次に、最後に送信されたI-CPMにおいて報告されたエレメントを参照するObjectsLstIDの各オブジェクトに関する、セルのコスト値が、関連する知覚オブジェクト及び/又は空き空間を更新するのに使用される。
【0201】
エレメントがObjectID識別子によって識別される知覚オブジェクトである場合、その識別子ObjectIDを有するこの知覚オブジェクトを参照するセルのコストを用いて、その位置及び運動学が更新される。
【0202】
エレメントがFreeSpaceID識別子によって識別される空き空間である場合、その識別子FreeSpaceIDを有するこの知覚された空き空間を参照するセルを用いて、その地理的エリアが更新される。
【0203】
図10は、第2の実施形態による協調道路交通システムにおける拡張報告手順の例を示している。
【0204】
I-CPM1010、1040が、逐次の2つの瞬間t1及びt2において、I-CPMの報告ポリシに従って送信される。これらの2つの瞬間の間の時間区間は、I-CPM生成時間と呼ばれうる。
【0205】
I-CPM1010、1040の両方が、ステップ810における知覚オブジェクト及び/又は空き空間の組み込み条件に対応するI-CPMを送信するための条件が満たされたか否かにI-CPM生成時間依存するように、1つ以上の知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナを含む。
【0206】
I-CPM生成時間の間、すなわち、t1とt2との間で経過する時間の間に、いくつかのP-CPMが、時刻t1におけるI-CPM1010において報告されたレイヤ化コストを更新するために、生成されうる。
【0207】
図の例では、2つのP-CPM1020、1030が生成されている。
【0208】
第1のP-CPM1020と第2のP-CPM1030は、それぞれ、更新されるべきI-CPMにおいて報告された知覚オブジェクト及び空き空間の識別子を参照するレイヤ化コストマップコンテナを含む。
【0209】
図11は、第3の実施形態による、送信側ステーションにおける、2つの相補的なタイプの報告を含んだ拡張報告手順の例のフローチャートを示している。
【0210】
第3の実施形態では、所与の送信側ステーションが、所与にエリアに関する大まかな情報を提供するレイヤ化コストマップを含んだI-CPMの他のITSステーションによる送信の後に、個別に報告された知覚オブジェクト及び/又は空き空間を伴うP-CPMを用いて、より正確な情報を提供することを可能とする。
【0211】
したがって、この第3の実施形態により、所与のITSステーションによって提供された情報に対する補完的な情報を、いくつかのITSステーションが送信することが可能となる。例えば、所与のITSステーションは、静的なステーションであってもよく、例えば、一般的にエリアの全体的な視点を有するRSUに内蔵されてもよい。
【0212】
RSUは、I-CPM内のレイヤ化コストマップを用いて所与のエリアに関する大まかな情報を、近傍のITSステーションの全てに提供する。周囲のITSステーションは、先のI-CPMの提供されたレイヤ化コストマップの1つ以上のセルの信頼性レベルより高い信頼性レベルを有する情報を提供することができる場合に、P-CPMを用いて、相補的で正確な情報を提供しうる。
【0213】
このような実施形態により、車両のITSステーションが、低い信頼性レベルのRUSにより提供される情報を全部揃えることが可能となる。
【0214】
第3の実施形態は、2つの以下の方法が実行される、少なくとも1つのITS送信側ステーション、第1のITS送信側ステーション及び第2のITS送信側ステーションを含む。当然ながら、いくつかの実施形態によれば、第2の方法が、複数の第2のITSによって実行されてもよい。
【0215】
第1のステーションでは、ステップ1100におけるCPMイベントの発生によって方法が開始する。
【0216】
ステップ1110において、I-CPMを送信するための条件が満たされているかがチェックされる。I-CPMが少なくとも1つのレイヤ化コストマップを含むため、報告条件がレイヤ化コストマップに関連し、より具体的には、レイヤ化コストマップの組み込み条件が考慮される。
【0217】
I-CPMを送信するための条件が満たされている場合、ステップ1120においてI-CPMが生成されて送信される。I-CPMは、少なくとも1つの拡張識別子と関連付けられたレイヤ化コストマップを有する少なくとも1つのレイヤ化コストマップコンテナを含む。
【0218】
この実施形態では、少なくとも1つの拡張識別子は、ステップ520で第1の実施形態において使用されたものと同一である。したがって、少なくとも1つの拡張識別子は、レイヤ化コストマップと関連付けられた識別子LCMIdと、オプションで、レイヤ化コストマップのマップセルにリンクされた、LCCELLIdと呼ばれる識別子を含みうる。先に説明したように、LCCELLId識別子は、黙示的でありうる。
【0219】
このように、ステップ520と同様に、本ステップ1120において、レイヤ化コストマップコンテナは、先に詳細を説明したように、レイヤ化コストマップを説明するDFおよびDEを伴うのに加えて、識別子LCMIdの値に設定されたフィールドLCMId DEを伴って、生成される。
【0220】
I-CPMを送信するための条件が満たされていない場合、方法は、ステップ1130において終了する。
【0221】
第2のITS送信側ステーションにおいて(又は、複数の第2のITS送信側ステーションにおいて)、本方法は、ステップ1150においてCPMイベントの発生を以て開始する。
【0222】
次に、ステップ1155において、第2のITS送信側ステーションの内蔵センサによって知覚されたオブジェクト及び/又は空き空間が取得される。
【0223】
知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれに対して、関連する位置、関連する運動学のみならず、ObjectConfidence又はFreeSpaceConfidenceと呼ばれる、オブジェクトの信頼性及び/又は空き空間の信頼性の情報が取得される。
【0224】
その後、ステップ1160において、最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップが、その識別子、たとえばLCMIdと共に取得される。先に説明したように、各レイヤ化コストマップコンテナは、各セルのコスト値の信頼性のレベルが示される、perGridCellConfidenceLevel DEを含む(図1参照)。したがって、知覚オブジェクトマップレイヤの各マップセルの信頼性が取得され、セルの信頼性として参照されうる。
【0225】
次に、ステップ1165において、知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれに対して、知覚オブジェクト及び/又は空き空間の信頼性のレベルObjectConfidenceが、知覚オブジェクト及び/又は空き空間に対応するレイヤ化コストマップのセルの信頼性のレベルCellConfidenceと比較される。
【0226】
そうするために、知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれの位置が、最後に受信したI-CPMのセルの位置と比較される。そのために、第2のITS送信側ステーションは、レイヤ化コストマップコンテナ内で提供されたレイヤ化コストマップにおいて表されているエリアの説明情報を、受信したI-CPMのステーションデータコンテナ内で示される第1のステーションの提供された位置と共に使用しうる。
【0227】
いくつかの実施形態によれば、ObjectConfidenceの値が、関心対象のマップセルのCellConfidenceの値の算術平均と比較されうる。
【0228】
知覚オブジェクト及び/又は空き空間に関する情報がレイヤ化コストマップに関する情報より信頼できることを意味する、知覚オブジェクト及び/又は空き空間の信頼性のレベルが対応するセルの信頼性のレベルより高い場合、その知覚オブジェクト及び/又は空き空間が選択される。
【0229】
次に、ステップ1170において、選択された知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれに対して、知覚オブジェクト及び/又は空き空間補遺コンテナが生成される。
【0230】
いくつかの実施形態によれば、生成された知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間コンテナは、最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップに関連付けられた識別子LCMIdを、関心対象のセルのLCCELLIdと共に、含みうる。
【0231】
そして、ステップ1175において、ステップ1170で生成された知覚オブジェクトコンテナ及び空き空間補遺コンテナを含んだP-CPMが、第1のステーションへ、そして、適用可能である場合には他の第2のステーションへ、送信される。
【0232】
第1のステーション及び他の第2のステーションは、受信に応じて、知覚オブジェクト及び/又は空間に関する説明情報を用いて、レイヤ化コストマップを更新しうる。例えば、知覚オブジェクトコンテナ及び/又は空き空間補遺コンテナ内で示された位置を用いて、第1のステーション及び他の第2のステーションは、最新のI-CPMのレイヤ化コストマップを更新しうる。
【0233】
いくつかの実施形態によれば、関心対象のセルのLCMId識別子及びLCCELLId識別子を用いて、更新が実行されてもよい。この場合、これらのステーションは、図6に関して説明されたPCPM受信方法を実行しうる。
【0234】
したがって、第3の実施形態では、第2のステーションによって検出されたオブジェクトの信頼性レベルに応じて、P-CPMを通じて、より信頼できる情報を他の周囲のステーションに送信しうる。そして、他の周囲のステーションは、より信頼できるデータを用いて最後に受信した/送信したI-CPM内で受信された情報を更新しうる。
【0235】
図12は、第3の実施形態による協調道路交通システムにおける拡張報告手順の例を示している。
【0236】
I-CPM1210、1240が、2つの逐次の瞬間t1及びt2において、I-CPMの報告ポリシに従って送信される。これらの2つの瞬間の間の時間区間は、I-CPM生成時間と呼ばれうる。
【0237】
I-CPM1210、1240の両方が、ステップ1110において説明したように、I-CPM生成時間がレイヤ化コストマップの組み込み条件に対応するI-CPMを送信するための条件が満たされているかに依存するように、レイヤ化コストマップを含む。
【0238】
両方のI-CPMが、RSUに内蔵されうる同一のITS送信側ステーション1201によって送信される。
【0239】
I-CPM生成時間の間、すなわちt1とt2との間の経過した時間の間、いくつかのP-CPMが、時刻t1におけるI-CPM1210において報告されたレイヤ化コストを更新するために、生成されうる。このようなP-CPMは、内蔵センサによって知覚されたものの信頼性のレベルが、時刻t1においてI-CPMで最後に報告されたレイヤ化コストマップの知覚オブジェクト及び/又は空き空間に対応するセルの信頼性レベルより高い場合にのみ、生成されてもよい。
【0240】
図の例では、2つのP-CPM1220、1230が、それぞれ2つの他のITS送信側ステーション1202、1203によって、生成されている。
【0241】
各コンテナは、時刻t1において報告されたレイヤ化コストマップと、更新されるべきレイヤ化コストマップのマップセルの識別子とを参照する。
【0242】
図13は、第4の実施形態による、送信側ステーションにおける2つの相補的なタイプの報告を含んだ拡張報告手順の例のフローチャートである。
【0243】
先に説明したように、レイヤ化コストマップは、いくつかの場合に、以下のレイヤ、相違ハンドリングレイヤ又は協調要求レイヤを含みうる。この場合、第4の実施形態は、第1のITS送信側ステーションが、周囲の他の1つ以上の第2のITS送信側ステーションから、レイヤ化コストマップのセルに関するより詳細な情報を要求しうる、拡張報告方法を提供する。
【0244】
このような報告は、I-CPMを送信する意思のある第1のステーションにおいて情報が相違した又は喪失した場合に、適用される。そして、相補的な情報が、P-CPMを用いて、第2の送信側ITSステーションによって提供される。
【0245】
第1のステーションにおいて、ステップ1300でCPMイベントの発生を以て、本方法が開始する。
【0246】
ステップ1310において、I-CPMを送信するための条件が満たされているかがチェックされる。I-CPMが少なくとも1つのレイヤ化コストマップを含むため、報告条件はレイヤ化コストマップに関し、より具体的にはレイヤ化コストマップ組み込み条件が考慮される。
【0247】
I-CPMを送信するための条件が満たされている場合、ステップ1320においてI-CPMが生成されて送信される。I-CPMは、少なくとも1つの拡張識別子に関連付けられたレイヤ化コストマップを有する少なくとも1つのレイヤ化コストマップコンテナを含む。
【0248】
この実施形態では、少なくとも1つの拡張識別子は、ステップ1120において第1の実施形態で使用されたものと同じである。したがって、少なくとも1つの拡張識別子は、レイヤ化コストマップに関連付けられた識別子LCMId、及び、オプションでレイヤ化コストマップのマップセルにリンクされたLCCELLIdと呼ばれる識別子を含みうる。
【0249】
ステップ1120と同様に、レイヤ化コストマップコンテナは、先に述べたように、レイヤ化コストマップを説明するDF及びDEに加えて、識別子LCMIdの値に設定されたフィールドLCMId DEを伴って、生成される。レイヤ化コストマップコンテナは、さらに、相違ハンドリングレイヤと協調要求レイヤとのいずれかを含む。
【0250】
I-CPMを送信するための条件が満たされていない場合、ステップ1330において、本方法を終了する。
【0251】
第2のITS送信側ステーションにおいて(又は複数の第2のITS送信側ステーションにおいて)、ステップ1350において、CPMイベントの発生を以て本方法が開始する。
【0252】
次に、ステップ1355において、最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップが、レイヤ化コストマップコンテナからの関連するLCMIdと共に取得される。
【0253】
ステップ1360において、最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップが相違ハンドリングレイヤ又は協調要求レイヤを含むか否かがチェックされる。
【0254】
最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップが相違ハンドリングレイヤ又は協調要求レイヤを含む場合、ステップ1365において、第2のITS送信側ステーションの内蔵センサによって知覚されたオブジェクト及び/又は空き空間が取得される。
【0255】
次に、ステップ1370において、知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれについて、最後に受信したI-CPMのレイヤ化コストマップ内の関連するセルが取得される。
【0256】
このようにして、ステップ1370において、知覚オブジェクト及び/又は空き空間と関連付けられた1つ以上のセルが、相違が検出されたセル(例えば、相違ハンドリングレイヤ内でコストが1に等しいセル)又は/及び協調が要求されたセル(例えば、協調要求レイヤ内でコストが1に等しいセル)に対応する場合、知覚オブジェクト及び/又は空き空間が選択される。
【0257】
そのために、知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれの位置が、最後に受信されたI-CPMのセルの位置と比較される。それを行うために、第2のITS送信側ステーションは、レイヤ化コストマップコンテナ内で提供されたレイヤ化コストマップにおいて表現されたエリアの説明情報を、受信されたI-CPMにおけるステーションデータコンテナ内で示された第1のステーションの提供された位置と共に、使用しうる。
【0258】
次に、ステップ1375において、選択された知覚オブジェクト及び/又は空き空間のそれぞれに対して、知覚オブジェクト及び/又は空き空間補遺コンテナが生成される。
【0259】
いくつかの実施形態によれば、生成された知覚オブジェクト及び/又は空き空間コンテナは、最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップに関連付けられた識別子LCMIdを、関心対象のセルのLCCELLIdと共に、含みうる。
【0260】
そして、ステップ1380において、ステップ1170において生成された知覚オブジェクトコンテナ及び空き空間補遺コンテナを含んだP-CPMが第1のステーションへ送信される。
【0261】
第1のステーションは、それを受信すると、知覚オブジェクト及び/又は空間に関する説明情報を用いて、そのレイヤ化コストマップを更新しうる。
【0262】
LCMId識別子と、関心対象のセルのLCCELLId識別子は、P-CPMに含められうる。この場合、これらのステーションは、図6に関して説明したP-CPM受信方法を実行しうる。
【0263】
最後に受信されたI-CPMのレイヤ化コストマップが相違ハンドリングレイヤや協調要求レイヤを含まない場合、ステップ1385において本方法が終了する。
【0264】
図14は、第4の実施形態による協調道路交通システムにおける拡張報告手順の例を示している。
【0265】
I-CPM1410が第1のステーション1401によって送信される。I-CPM1410は、I-CPM1410に含まれるレイヤ化コストマップの1つ以上のセルに対して周囲のステーションの協調を第1のステーション1401が要求することを可能とする協調要求レイヤを含む。
【0266】
第2のステーション1402は、関連付けられた位置がI-CPM1410に含まれるレイヤ化コストマップにおいて協調が要求されているセルに対応する1つ以上の知覚オブジェクトコンテナ/空き空間補遺コンテナを含んだP-CPMを送信することにより、この協調要求に応答する。
【0267】
I-CPM1430は、第3のステーション1403によって送信される。I-CPM1430は、第1のステーション1401が、自身の集約されたコストマップのコスト値と少なくとも1つの他のステーション(不図示)の集約されたコストマップのコスト値との間で少なくとも1つの相違が検出されたことを示すことを可能とする、相違ハンドリングレイヤを含む。このような相違ハンドリングレイヤにより、第1のステーション1401が他のステーションからの助けを要求することができる。
【0268】
第4のステーション1404は、関連する位置が相違を検出したと共にI-CPM1430に含まれるレイヤ化コストマップにおいて識別されたセルに対応する1つ以上の知覚オブジェクトコンテナ/空き空間補遺コンテナを含んだP-CPM1440を送信することにより、この要求に応答する。
【0269】
提供された拡張報告手順に関する説明がされた実施形態により、両方のタイプのエレメント、知覚オブジェクトコンテナ及び空き空間補遺コンテナのみならず、レイヤ化コストマップコンテナを用いたときの組み込み手順を特定することができる。したがって、これらのエレメントは、拡張報告手順内で相補的な方法で使用されうる。
【0270】
本発明の第2の態様によれば、CPM内に含められる、拡張レイヤ化コストマップコンテナ、拡張知覚オブジェクトコンテナ、及び拡張空き空間補遺コンテナが提供される。
【0271】
レイヤ化コストマップコンテナにおいて、新しい拡張フィールド、レイヤ化コストマップコンテナ内のレイヤ化コストマップを識別するためのLCMId DEが追加されている。いくつかの実施形態によれば、レイヤ化コストマップコンテナは、レイヤ化コストマップコンテナ内に含められたレイヤ化コストマップのセルを識別するための1つ以上のLCCELLId DEをも含みうる。
【0272】
したがって、新しい拡張フィールドLCMId DEが追加された、拡張知覚オブジェクトコンテナ及び拡張空き空間補遺コンテナが提供される。LCMId DEにおいて、先のCPMにおいて報告されたレイヤ化コストマップを参照することが可能となる。さらに、拡張知覚オブジェクトコンテナ及び拡張空き空間補遺コンテナは、先に報告されたレイヤ化コストマップにおけるマップセルのリストを参照するためのLCCELLId DEを含みうる。
【0273】
このような拡張された知覚オブジェクトコンテナ及び空き空間補遺コンテナの使用例は、第1の実施形態に関して先に説明した。
【0274】
フィールドFreeSpaceID DEが、知覚された空き空間を識別するために、拡張空き空間補遺コンテナに追加されうる。同様に、フィールドobjectID DEが、知覚されたオブジェクトを識別するために、知覚オブジェクトコンテナに追加されうる。
【0275】
したがって、既存のPerGridCellCostMapValueWithConfidenceLevel DF内の新しいフィールドを含んだ拡張レイヤ化コストマップコンテナも提供される。そして、このような新しいフィールドObjectsLstID DEは、先に送信されたI-CPMの、(objectIDを用いて)知覚オブジェクト、または、(FreeSpaceIDを用いて)知覚された空き空間、のリストの参照を可能とする。
【0276】
以上、本発明を特定の実施形態を参照して説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にある変更が、当業者には明らかであろう。
【0277】
多くの更なる変更及び変形は、添付の特許請求の範囲によってのみ決定される実施形態であって、例のみを用いて与えられると共に本発明の範囲を限定することを意図するものではない、上記の例示的な実施形態を参照することにより、当業者に示唆されるだろう。特に、様々な実施形態からの異なる特徴は、適切な場合、交換されてもよい。
【0278】
上述の本発明の各実施形態は、単独で実装されてもよいし、複数の実施形態を組み合わせとして実装されてもよい。また、様々な実施形態からの特徴は、必要に応じて、または単一の実施形態における個々の実施形態からの要素または特徴の組み合わせが有益である場合に、組み合わせられうる。
【0279】
請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。異なる特徴が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組合せが有利に使用されえないことを示すものではない。
図1
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図3
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図14