(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】空気調和システム、空気調和システムの設定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/56 20180101AFI20240920BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20240920BHJP
H04Q 9/00 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
F24F11/56
F24F140:00
H04Q9/00 301C
(21)【出願番号】P 2022189390
(22)【出願日】2022-11-28
【審査請求日】2022-12-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】角間 香澄
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】村山 美保
【審判官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特許第6775685(JP,B2)
【文献】特開2020-51668(JP,A)
【文献】特開2015-102302(JP,A)
【文献】特開2011-75246(JP,A)
【文献】国際公開第2015/194041(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/069481(WO,A1)
【文献】特開2006-173680(JP,A)
【文献】国際公開第2020/202439(WO,A1)
【文献】特開2009-252008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F11/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の空気調和機と、
前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末と、
前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報を、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させる反映部を備える携帯端末と、
を備え、
前記反映部は、一括送信の実行指示を受けた後、通信相手となる前記操作端末を順次、自動で切り替えながら1対1の無線通信で複数の前記操作端末へ前記設定情報を反映させ、
前記操作端末での反映の成否にかかわらず選択された全ての操作端末への前記設定情報の無線送信を行い、前記選択された全ての操作端末への送信を行った後、少なくとも前記設定情報の反映に失敗した操作端末を示す情報を表示
し、
前記反映部は、さらに、
設定情報を反映させる対象の候補となる複数の操作端末の一覧を表示し、当該一覧における各操作端末に対し、利用者による選択を受け付けるステップと、
前記利用者から一括送信の実行指示を受けた場合に、前記選択を受け付けた複数の操作端末のみが抽出された一覧を表示するとともに、当該表示された一覧における前記操作端末ごとに、設定情報の反映が終了したことを示すマーク、および、設定中であることを示すマークを表示するステップと、を有する、
空気調和システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、複数の前記操作端末へ送信した前記設定情報を所定の記憶部に保存する保存部を、さらに備える
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、他の前記携帯端末が複数の前記操作端末へ送信した前記設定情報を読み込む読込部を、さらに備える
請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記保存部は、前記設定情報とともに、前記操作端末から受信した前記空気調和機の運転に係る運転情報を保存する
請求項3に記載の空気調和システム。
【請求項5】
1または複数の空気調和機と、
前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末と、
複数の前記操作端末と無線通信する携帯端末と、を用いて、
前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報を、前記携帯端末から、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させるステップを有し、
前記反映させるステップでは、一括送信の実行指示を受けた後、通信相手となる前記操作端末を順次、自動で切り替えながら1対1の無線通信で複数の前記操作端末へ前記設定情報を反映させ、
前記操作端末での反映の成否にかかわらず選択された全ての操作端末への前記設定情報の無線送信を行い、前記選択された全ての操作端末への送信を行った後、少なくとも前記設定情報の反映に失敗した操作端末を示す情報を表示
し、
前記反映させるステップは、さらに、
設定情報を反映させる対象の候補となる複数の操作端末の一覧を表示し、当該一覧における各操作端末に対し、利用者による選択を受け付けるステップと、
前記利用者から一括送信の実行指示を受けた場合に、前記選択を受け付けた複数の操作端末のみが抽出された一覧を表示するとともに、当該表示された一覧における前記操作端末ごとに、設定情報の反映が終了したことを示すマーク、および、設定中であることを示すマークを表示するステップと、を含む、
空気調和システムの設定方法。
【請求項6】
1または複数の空気調和機と、
前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末と、
複数の前記操作端末と無線通信する携帯端末と、を用いて、
前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報を、前記携帯端末から、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させるステップをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記反映させるステップでは、一括送信の実行指示を受けた後、通信相手となる前記操作端末を順次、自動で切り替えながら1対1の無線通信で複数の前記操作端末へ前記設定情報を反映させ、
前記操作端末での反映の成否にかかわらず選択された全ての操作端末への前記設定情報の無線送信を行い、前記選択された全ての操作端末への送信を行った後、少なくとも前記設定情報の反映に失敗した操作端末を示す情報を表示し、
前記反映させるステップは、さらに、
設定情報を反映させる対象の候補となる複数の操作端末の一覧を表示し、当該一覧における各操作端末に対し、利用者による選択を受け付けるステップと、
前記利用者から一括送信の実行指示を受けた場合に、前記選択を受け付けた複数の操作端末のみが抽出された一覧を表示するとともに、当該表示された一覧における前記操作端末ごとに、設定情報の反映が終了したことを示すマーク、および、設定中であることを示すマークを表示するステップと、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システム、空気調和システムの設定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空気調和機用の設定情報変更用アプリ(アプリケーションプログラム)を利用して、空気調和機の操作端末であるリモートコントローラ(以下、リモコンという)の設定情報を変更するシステムの一例が記載されている。特許文献1に記載されているシステムでは、第1のリモコンの設定情報に基づいて送信情報が生成され、生成された送信情報が第2のリモコンに設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、送信情報を送受信する場合、操作端末または携帯端末を操作することで、操作端末と携帯端末とを通信可能な状態にすることが必要である。ここで、通信可能な状態とは、通信のための接続処理が完了し、情報の送受信ができる状態である。また、携帯端末が他の操作端末に送信情報を送信する場合には、接続中の操作端末との通信を切断した後、他の操作端末と携帯端末とを通信可能な状態にする必要がある。したがって、特許文献1に記載のシステムでは、携帯端末から複数の操作端末へ設定情報等を送信する場合には、通信の接続を切り替えるための操作が複数回発生し、作業性のさらなる向上が求められる場合があるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、設定操作における作業性を向上させることができる空気調和システム、空気調和システムの設定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る空気調和システムは、1または複数の空気調和機と、前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末と、前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報を、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させる反映部を備える携帯端末と、を備える。
【0007】
本開示に係る空気調和システムの設定方法は、1または複数の空気調和機と、前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末と、複数の前記操作端末と無線通信する携帯端末と、を用いて、前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報を、前記携帯端末から、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させる。
【0008】
本開示に係るプログラムは、1または複数の空気調和機と、前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末と、複数の前記操作端末と無線通信する携帯端末と、を用いて、前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報を、前記携帯端末から、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させるステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の空気調和システム、空気調和システムの設定方法およびプログラムによれば、設定操作における作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る空気調和システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るリモコンの機能的構成例を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る携帯端末の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(空調機操作画面)を示す模式図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(選択画面)を示す模式図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(メニュー画面)を示す模式図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る反映部の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(一括反映画面等)を示す模式図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(一括反映画面等)を示す模式図である。
【
図11】本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る空気調和システム、空気調和システムの設定方法およびプログラムについて、
図1~
図11を参照して説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る空気調和システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、本開示の実施形態に係るリモコンの機能的構成例を示すブロック図である。
図3は、本開示の実施形態に係る携帯端末の機能的構成例を示すブロック図である。
図4は、本開示の実施形態に係る携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
図5は、本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(空調機操作画面)を示す模式図である。
図6は、本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(選択画面)を示す模式図である。
図7は、本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(メニュー画面)を示す模式図である。
図8は、本開示の実施形態に係る反映部の動作例を示すフローチャートである。
図9および
図10は、本開示の実施形態に係る携帯端末の表示例(一括反映画面等)を示す模式図である。
図11は、本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
(空気調和システムの構成)
図1に示すように本実施形態に係る空気調和システム1は、空気調和機20-1、20-2および20-3と、空気調和機20-1、20-2または20-3の操作端末としてのリモコン10-1、10-2、10-3、10-4、10-5および10-6と、携帯端末30-1および30-2とを備える。なお、以下では、空気調和機20-1~20-3を総称する場合、空気調和機20という。リモコン10-1~10-6を総称する場合、リモコン10という。携帯端末30-1および30-2を総称する場合、携帯端末30という。なお、各構成の台数については
図1に示す場合に限定されず、空気調和システム1は、1または複数の空気調和機20と、複数のリモコン10と、少なくとも1つの携帯端末30を備えていればよい。また、以下では空気調和機を空調機ともいう。
【0013】
各空気調和機20は、1または複数の室内機21と、1つの室外機22とを備える。室内機21は、通信線24によって室外機22に接続されるとともに、通信線23によってリモコン10に接続されている。各空気調和機20は、1または複数のリモコン10によって操作される。なお、空気調和機20-1および20-2は、各1台の室内機21と室外機22とを備え、各1台の室内機21には各1台のリモコン10-1または10-2が接続されている。また、空気調和機20-3は、3台の室内機21と1台の室外機22とを備え、各室内機21には、2台のリモコン10-3および10-4と、各1台のリモコン10-5とリモコン10-6がそれぞれ接続されている。なお、1台の室内機21に複数台のリモコン10を接続する場合、例えば一方を親機、他方を子機として、操作項目や操作範囲等に差異を設定しておくことができる。
【0014】
リモコン10は、空気調和機20またはリモコン10の少なくとも一方の動作に係る設定情報に基づいて、空気調和機20またはリモコン10自身の動作を制御する。本実施形態において、設定情報は、例えば、空気調和機20の運転または停止の指示、運転モード(冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転、自動運転等)の設定、設定温度、風量、風向等の設定値、風量や風向の設定範囲についての設定、タイマのオンまたはオフの設定値や、時刻の設定値、ハイパワー運転、省エネ運転等の各機能のオンまたはオフの切替、操作項目毎の設定変更の可否の制限、空気調和機20を設置した日付、担当者、連絡先等についての情報等を含む。
【0015】
図2は、リモコン10の構成例を示す。リモコン10は、例えば、マイクロコンピュータ等のコンピュータを用いて構成することができ、コンピュータ、周辺部品、周辺装置等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、次の各部を備える。すなわち、リモコン10は、機能的構成として、入出力部11、無線通信部12、有線通信部13、設定部14、および記憶部15を備える。入出力部11は、例えば、複数の操作ボタンと表示装置等、あるいはタッチパネル等の入力装置と表示装置とを組み合わせた構成等、音声等による入出力装置等を含む。なお、リモコン10は入出力部11を備えなくてもよい。無線通信部12は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて、携帯端末30との間で所定の情報(設定情報、室内機21や室外機22の運転状態を示す運転情報等)を送受信し、例えば、受信した設定情報を設定情報151として記憶部15に記憶したり、送信する運転情報を運転情報152として記憶部15に記憶したりする。なお、本実施形態において運転情報は、例えば、運転時間、運転モード、各種センサの検出値、不具合発生時に検出された日時やエラーコード等を含む。有線通信部13は、室内機21との間で所定の情報(設定情報151、室内機21や室外機22の運転情報152等)を送受信する。設定部14は、入出力部11を用いてユーザ(一般ユーザ、管理者、サービス員等)の入力操作に基づき所定の設定情報を設定(生成)して設定情報151として記憶部15に記憶したり、無線通信部12や有線通信部13からの制御信号に基づき設定情報151として記憶部15に記憶したり、有線通信部13を介して室内機21に送信したりする。また、記憶部15は、設定情報151、運転情報152等を記憶する。
【0016】
携帯端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末、携帯情報処理装置等を用いて構成することができ、携帯通信端末、情報処理装置等が備えるコンピュータ、周辺部品、周辺装置等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム(アプリ)等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、次の各部を備える。すなわち、携帯端末30は、機能的構成として、入出力部31、無線通信部32、設定部33、反映部34、保存部35、読込部36、モード変更部37および記憶部38を備える。なお、本実施形態では、携帯端末30で実行される本実施形態に係るアプリを、設定情報変更アプリという。
【0017】
入出力部31は、例えば、タッチパネル等の入力装置と表示装置とを組み合わせた構成、音声等による入出力装置等を含む。入出力部31は、例えば所定の画面を表示し、当該画面に対する入力操作に従って画面を変化させながら、所定の入力情報を入力したり、所定の出力情報を表示したりする。
【0018】
無線通信部32は、例えば、近距離無線通信を用いて、リモコン10との間で所定の情報(設定情報、運転情報等)を送受信する。
【0019】
設定部33は、入出力部31を用いてユーザ(一般ユーザ、管理者、サービス員等)の入力操作に基づき所定の設定情報を設定(生成)して設定情報381として記憶部38に記憶したり、記憶部38に記憶された設定情報381を無線通信部32を介してリモコン10に送信したりする。
【0020】
反映部34は、例えば記憶部38に記憶されている設定情報381を、無線通信可能でかつ選択された複数のリモコン10へ一括して無線送信することで、同一の設定情報381を複数のリモコン10に反映させる(本実施形態ではこの処理を一括反映処理という)。反映部34は、例えば、一括送信の実行指示を受けた後、通信相手となるリモコン10を順次、自動で切り替えながら1対1の無線通信で複数のリモコン10に設定情報381を反映させる。
【0021】
保存部35は、複数のリモコン10へ送信した設定情報381を設定情報382として記憶部38に保存する。また、保存部35は、例えば、設定情報382とともに、リモコン10から受信した空気調和機20の運転に係る運転情報383を記憶部38に保存する。なお、設定情報381は例えば一時的に記憶部38に記憶されるファイルであり、設定情報382と運転情報383は例えば消去されるまで記憶部38に保存されるファイルである。また、記憶部38の一部または全部は、例えば他のユーザと共有可能なネットワーク上に形成された仮想の記憶領域、電子メールサーバ、電子メールクライアントアプリ等が電子メールの添付ファイルを記憶する記憶領域、SNS(Social Networking Service)を利用してアップロードされたファイルの記憶領域等であってもよい。
【0022】
読込部36は、他の携帯端末30が記憶部38に記憶する設定情報382を読み込んで、例えば、記憶部38に、設定情報381、設定情報382等として記憶する。
図1に示す例では、携帯端末30-2の読込部36が、携帯端末30-1の保存部35が保存した設定情報382を読み込んで、例えば設定情報381として携帯端末30-2の記憶部38に記憶する。
【0023】
モード変更部37は、例えば、ユーザのアプリへのログイン時の認証情報等に基づいて、アプリを使用するユーザの管理モード(一般ユーザモード、管理者モード、サービスモード等)を設定(あるいは変更)する。この場合、一般ユーザモード、管理者モード、サービスモード(最も権限が広い)の順に権限が広くなる。
【0024】
記憶部38は、設定情報381、複数の設定情報382、複数の運転情報383、アプリのユーザに関する情報、アプリの設定に関する情報等を記憶する。
【0025】
(空気調和システムの動作例)
次に、
図4~
図10を参照して、
図1~
図3を参照して説明した空気調和システム1の動作例について説明する。
図4に示す処理は、携帯端末30で設定情報変更アプリが起動されたときに開始される処理である。携帯端末30で設定情報変更アプリが起動されると、例えばモード変更部37が、ユーザ情報を読み込み、例えば管理モードを設定する(ステップS101)。次に、無線通信部32が、リモコン10に接続する(ステップS102)。ステップS102で通信可能なリモコン10が複数ある場合、無線通信部32は、例えば、ユーザが選択したリモコン10、信号強度が最も強いリモコン10、過去直近に接続したリモコン10等に接続する。次に入出力部31が、空調機操作画面を表示する(ステップS103)。
【0026】
図5は、ステップS103で表示される空調機操作画面の一例を示す。
図5に示す空調機操作画面C100は、メニューボタンC101、設定温度および室温表示アイコンC102、運転開始および停止切り替えボタンC103、設定温度上昇ボタンC104、設定温度降下ボタンC105、冷房運転選択ボタンC106、除湿運転選択ボタンC107、送風運転選択ボタンC108、暖房運転選択ボタンC109、自動運転選択ボタンC110、風量設定ボタンC111、風向(上下)設定ボタンC112、風向(左右)設定ボタンC113、設定情報入力画面の選択ボタンC114等を含む。なお、メニューボタンC101がクリックされた場合、本実施形態では、例として、メニュー画面が選択可能であるとする。ここで、設定情報入力画面は、空気調和機20やリモコン10についての設定情報を入力するための画面である。設定情報入力画面の選択ボタンC114では、例えば、空気調和機20の据付の際の設定情報を設定するための画面(据付設定)、リモコン10に設定される設定情報を設定するための画面(リモコン設定)、リモコン10に設定される設定情報の初期値を設定するための画面(リモコン初期設定)等を選択することができるとする。なお、メニュー画面については後述する。
【0027】
例えば、ステップS103で、ユーザが、空調機操作画面C100において設定情報入力画面の選択ボタンC114から据付設定を選択したとする(ステップS104からS106)。この場合、入出力部31は、選択画面の前回値または初期値を読み込み(ステップS109)、選択画面を表示する(ステップS110)。
図6は、ステップS110で表示される選択画面の一例を示す。
【0028】
図6に示す選択画面B10は、設定情報入力画面の選択ボタンC114から据付(「Instrallation」)(タブB17)が選択されたときに表示される画面の例であり、ボタンB11~B16等を含む。ボタンB11は、メニュー画面を呼び出すためのボタンである。ボタンB12は、据付時の日付を示すボタンであり、このボタンB12をタップすることで日付を変更する画面を呼び出すことができる。ボタンB13は、担当者名を示すボタンであり、このボタンB13をタップすることで担当者名を変更する画面を呼び出すことができる。ボタンB14は、連絡先の電話番号を示すボタンであり、このボタンB14をタップすることで連絡先の電話番号を変更する画面を呼び出すことができる。ボタンB15は、連絡先の電子メールアドレスを示すボタンであり、このボタンB15をタップすることで連絡先の電子メールアドレスを変更する画面を呼び出すことができる。また、ボタンB16は、現在の設定情報を接続中のリモコン10に送信して設定するためのボタンである。
【0029】
なお、ステップS104において設定情報入力画面で選択することができる内容(選択内容)は管理モードによって異ならせることができる。また、
図4では、選択内容(ステップS105)が、リモコン設定(ステップS107)とリモコン初期設定(ステップS108)の場合については選択後の処理の図示を省略している。
【0030】
選択画面B10においてボタンB11~B16等がクリックされると(ステップS111)、入出力部31は、クリックされた項目に対応する入力内容を編集するための画面を表示し、ユーザの入力操作に応じて内容を編集して(ステップS112)、再度選択画面B10を表示する(ステップS110)。また、選択画面B10においてボタンB16がクリックされると(ステップS111)、入出力部31は、無線通信部32から現在の設定情報を接続中のリモコン10に送信して(ステップS113)、処理を終了する。また、選択画面B10においてボタンB11がクリックされると(ステップS111)、入出力部31は、例えば、メニュー画面を表示し、ユーザの入力操作に応じて次の処理内容を選択する(ステップS114)。
図7は、ステップS114で表示されるメニュー画面の一例(メニュー画面A10)を示す。
【0031】
図7に示すメニュー画面A10は、ボタンA11~A17を含む。ボタンA11は、メニュー画面を閉じるためのボタンである。ボタンA12は、接続しているリモコン10の識別情報(この例では
図1のリモコン10-1)を表し、ボタンA12をタップすることで接続リモコンを変更する処理が開始される。ボタンA13は、ユーザの管理モードの現在の状態(この例では一般ユーザ)を表示するとともに、当該ボタンをタップすることで管理モードの変更処理が開始される。ボタンA14は、一括反映処理を開始するためのボタンである。ボタンA15は、設定情報382の読込処理を開始するためのボタンである。ボタンA16は、設定情報382の保存処理を開始するためのボタンである。ボタンA17は、アプリの設定を変更する処理を開始するためのボタンである。
【0032】
入出力部31は、例えば
図7に示すメニュー画面A10に対する操作に基づき、次の操作内容を選択する(ステップS114~S115)。
【0033】
ステップS114~S115においてボタンA12が選択された場合、入出力部31は、接続リモコンの変更処理用の所定の画面を表示し、ユーザの入力操作に応じて無線通信部32に接続リモコンを変更する処理を実行させ(ステップS116)、完了後、空調機操作画面C100を表示する(ステップS122)。
【0034】
また、ステップS114~S115においてボタンA13が選択された場合、入出力部31は、モード変更部37に管理モードの変更処理を実行させ(ステップS117)、完了後、空調機操作画面C100を表示する(ステップS122)。
【0035】
また、ステップS114~S115においてボタンA14が選択された場合、入出力部31は、反映部34に一括反映処理を実行させ(ステップS118)、完了後、遷移元の画面を表示する(ステップS123)。
【0036】
また、ステップS114~S115においてボタンA15が選択された場合、入出力部31は、読込部36に設定情報382の読込処理を実行させ(ステップS119)、完了後、選択画面B10を表示する(ステップS124)。ステップS119において、読込部36は、例えば入出力部31に読み込み先等の設定画面を表示させ、読み込む設定情報382と当該情報の記憶領域等を設定し、設定情報382の読み込みが指示されると、設定情報382を所定の記憶領域から読み込んで設定情報381、設定情報382等として記憶部38に記憶する。なお、読み込み先となる記憶領域は、例えば上述したように、他のユーザと共有可能なネットワーク上に形成された仮想の記憶領域、電子メールサーバ、電子メールクライアントアプリ等が電子メールの添付ファイルを記憶する記憶領域、SNSにアップロードされたファイルの記憶領域等である。
【0037】
また、ステップS114~S115においてボタンA16が選択された場合、入出力部31は、保存部35に設定情報382の保存処理を実行させ(ステップS120)、完了後、選択画面B10を表示する(ステップS124)。ステップS120において、保存部35は、例えば入出力部31に保存先等の設定画面を表示させ、保存する設定情報382と保存場所等を設定し、設定情報382の保存が指示されると、設定情報382を所定の記憶領域に記憶する。なお、保存の仕方としては、記憶部38に記憶することのほか、例えば、他のユーザと共有可能なネットワーク上に形成された仮想の記憶領域にアップロードすること、電子メールに添付ファイルとして添付して所定の電子メールアドレスに送信すること、SNSの所定のアドレスにアップロードすること等である。この場合、保存先となる記憶領域は、例えば上述したように、他のユーザと共有可能なネットワーク上に形成された仮想の記憶領域、電子メールサーバ、電子メールクライアントアプリ等が電子メールの添付ファイルを記憶する記憶領域、SNSにアップロードされたファイルの記憶領域等である。
【0038】
また、ステップS114~S115においてボタンA17が選択された場合、入出力部31は、アプリの設定変更処理用の所定の画面を表示し、ユーザの入力操作に応じてアプリの設定を変更する処理を実行し(ステップS121)、完了後、遷移元の画面を表示する(ステップS125)。
【0039】
(一括反映処理)
次に
図8~
図10等を参照して、反映部34による一括反映処理の例について説明する。
図4に示すステップS114~S115において
図7に示すボタンA14が選択された場合、反映部34は、例えば、
図8に示すようにして、設定情報381を無線通信可能でかつ選択された複数のリモコン10へ一括して無線送信することで、同一の設定情報381を複数のリモコン10に反映させる(
図4のステップS118)。
【0040】
図8に示す処理では、まず、反映部34が、入出力部31に一括反映画面を表示させ(ステップS11)、次に無線通信部32に携帯端末30の周辺のリモコン10を探索させて、入出力部31に一括反映画面上に一覧表示させて(ステップS12)、反映対象とするリモコン10をユーザの指示に従って選択する(ステップS13)。
図9は、一括反映画面D100(D100-1およびD100-2)の例を示す。
図9に示す一括反映画面D100-1では、メニュー画面A10でボタンA14がタップされ、かつ、6台のリモコン10(
図1のリモコン10-1~10-6)が探索されて、ボタンD103~D108として一覧表示されている。また、一括反映画面D100-1は、一括反映処理を終了するためのボタンD101と、探索されたすべてのリモコン10を選択するためのチェックボックスD102と、追加探索を指示するためのボタンD109と、反映対象への反映を指示(一括反映指示という)するためのボタンD110を含んでいる。また、一括反映画面D100-2では、反映対象として選択されたボタンD103(リモコン10-1)とボタンD104(リモコン10-2)にチェックマークD111およびD112が表示されている。
【0041】
次に、反映部34は、一括反映指示があったか否かを判定し(ボタンD110がタップされたか否かを判定し)(ステップS14)、一括反映指示がなかった場合(ステップS14:NO)、復帰指示があったか否かを判定し(ボタンD101がタップされたか否かを判定し)(ステップS15)、復帰指示がなかった場合(ステップS15:NO)、追加探索指示があったか否かを判定する(ボタンD109がタップされたか否かを判定する)(ステップS17)。
【0042】
追加探索指示があった場合(ステップS17:YES)、反映部34は、周辺のリモコン10を再度探索し(ステップS12)、ステップS13以降の処理を再度実行する。追加探索指示がなかった場合(ステップS17:NO)、反映部34は、一括反映指示があったか否かを再度判定する(ステップS14)。また、復帰指示があった場合(ステップS15:YES)、反映部34は、入出力部11にメニュー画面A10を表示させる(ステップS16)。
【0043】
一方、一括反映指示があった場合(ステップS14:YES)、反映部34は、選択したすべてのリモコン10に設定情報381を反映させたか否かを判定する(ステップS18)。選択したすべてのリモコン10に設定情報381を反映させていない場合(ステップS18:NO)、反映部34は、設定情報381を未送信(未反映)のリモコン10を選択して設定情報381を送信し(ステップS19)、再度、ステップS18の判定処理を実行する。また、選択したすべてのリモコン10に設定情報381を反映させていた場合(ステップS18:YES)、反映部34は、遷移元の画面を表示し、遷移元の画面上に設定情報381の送信結果を表示して(ステップS20)、
図8に示す処理を終了する。
【0044】
図10に示す一括反映画面D100-3は、一括反映画面D100-2でボタンD110がタップされた後、リモコン10-1への設定情報381の反映が終了し、リモコン10-2へ設定情報381を反映させている途中の状態であることを示す。反映部34は、一括反映処理を開始すると、例えば、まず、画面左上のリモコン10-1に接続し、設定情報381を送信する。反映が終了すると、リモコン10-1に対応するボタンD103にチェックマークD113が点灯する。1台目への反映が完了すると、反映部34は、接続先を2台目のリモコン10-2に切り換え、同様に設定情報381を送信する。設定情報381の送信中は、設定中を示すマークD114が表示される。すべてのリモコン10への設定情報381の送信処理が完了すると、遷移元の画面上にメッセージC114を表示することで反映に成功した台数と反映に失敗した台数とが通知される。また、反映に失敗したリモコン10についてはリモコン名も表示される。
【0045】
(作用・効果)
本実施形態によれば、携帯端末30が、空気調和機20またはリモコン10の少なくとも一方の動作に係る設定情報381を、無線通信可能でかつ選択された複数のリモコン10へ一括して無線送信することで、同一の設定情報381を複数のリモコン10に反映させる反映部34を備えるので、例えば通信接続を手動で切り換えることが不要であり、設定操作における作業性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、例えば、空気調和システムの初期設定の時間が短縮され、サービス性が向上する。また、運転情報のファイル出力により、データ分析や客先報告書の作業等が効率化できる。
【0046】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0047】
(コンピュータ構成)
図11は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述のリモコン10および携帯端末30は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0048】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0049】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0050】
<付記>
実施形態に記載の空気調和システム1は、例えば以下のように把握される。
【0051】
(1)第1の態様に係る空気調和システム1は、1または複数の空気調和機20と、前記1または複数の空気調和機を遠隔操作する複数の操作端末(リモコン10)と、前記空気調和機または前記操作端末の少なくとも一方の動作に係る設定情報381を、無線通信可能でかつ選択された複数の前記操作端末へ一括して無線送信することで、同一の前記設定情報を複数の前記操作端末に反映させる反映部34を備える携帯端末30と、を備える。本態様および以下の各態様によれば、設定操作における作業性を向上させることができる。
【0052】
(2)第2の態様に係る空気調和システム1は、(1)の空気調和システム1であって、前記反映部34は、一括送信の実行指示を受けた後(S14)、通信相手となる前記操作端末(リモコン10)を順次、自動で切り替えながら1対1の無線通信で複数の前記操作端末へ前記設定情報を反映させる。この態様によれば、既存の通信技術を利用して、本態様を容易に実現することができる。
【0053】
(3)第3の態様に係る空気調和システム1は、(1)または(2)の空気調和システム1であって、前記携帯端末30は、複数の前記操作端末(リモコン10)へ送信した前記設定情報381を所定の記憶部38に保存する保存部35を、さらに備える。この態様によれば、以前に設定した設定情報382を有効活用することができる。
【0054】
(4)第4の態様に係る空気調和システム1は、(1)~(3)の空気調和システム1であって、前記携帯端末30(30-2)は、他の前記携帯端末30(30-1)が記憶部38に記憶する前記設定情報382を読み込む読込部36を、さらに備える。この態様によれば、例えば、複数のユーザが設定作業を容易に分担することができる。
【0055】
(5)第5の態様に係る空気調和システム1は、(3)または(3)を引用する(4)の空気調和システム1であって、前記保存部は、前記設定情報とともに、前記操作端末から受信した前記空気調和機の運転に係る運転情報を保存する。この態様によれば、空気調和機の運転に係る運転情報を容易に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1…空気調和システム
10、10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6…リモコン
30、30-1、30-2…携帯端末
31…入出力部
32…無線通信部
33…設定部
34…反映部
35…保存部
36…読込部
38…記憶部
381、382…設定情報
383…運転情報