(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】プロスタグランジンEP4受容体アンタゴニスト化合物
(51)【国際特許分類】
C07C 235/12 20060101AFI20240920BHJP
A61K 31/195 20060101ALI20240920BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240920BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240920BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240920BHJP
A61P 15/08 20060101ALI20240920BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240920BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20240920BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240920BHJP
C07C 317/22 20060101ALI20240920BHJP
C07D 213/30 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20240920BHJP
C07D 317/46 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/36 20060101ALI20240920BHJP
C07D 257/04 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/41 20060101ALI20240920BHJP
C07D 305/06 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/337 20060101ALI20240920BHJP
C07C 311/51 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/18 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/277 20060101ALI20240920BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20240920BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20240920BHJP
C07D 213/64 20060101ALI20240920BHJP
C07D 213/68 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C07C235/12
A61K31/195
A61P43/00 111
A61P9/00
A61P25/28
A61P9/10 101
A61P17/00
A61P35/00
A61P13/12
A61P15/08
A61P1/04
A61P25/06
A61P25/00
A61P29/00 101
A61P19/02
C07C317/22 CSP
C07D213/30
A61K31/44
C07D317/46
A61K31/36
C07D257/04 E
A61K31/41
C07D305/06
A61K31/337
C07C311/51
A61K31/18
A61K31/277
C07D471/04 108A
A61K31/437
C07D213/64
C07D213/68
(21)【出願番号】P 2022521313
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(86)【国際出願番号】 GB2020052530
(87)【国際公開番号】W WO2021069927
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-10-10
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514120896
【氏名又は名称】ネクセラ・ファーマ・ユーケイ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nxera Pharma UK Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】コングリーヴ,マイルズ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】スウェイン,ナイジェル・アラン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトハースト,ベンジャミン
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/126746(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/056582(WO,A1)
【文献】特表2014-522821(JP,A)
【文献】国際公開第2020/161275(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C、C07D、A61K、A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
の化合物またはその塩(式中、
Aは、
【化2】
からなる群から選択され、
Xは、置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよいピリジル環または置換されていてもよいイミダゾピリジン環系であり、
R
1およびR
2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~3アルキル基であり、またはR
1およびR
2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成し、
R
3は、H、C
1~3アルキルまたはFであり、
R
4は、HまたはC
1~3アルキルであり、
R
8は、C
1~3アルキルまたはC
3~6シクロアルキル環であり、
R
10およびR
11は、いずれもメチルであるかまたはR
10およびR
11は、一緒になって、シクロブチル環を形成するかのいずれかである)。
【請求項2】
式(1a)もしくは(1b):
【化3】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
Xが、置換されていてもよいフェニル環または置換されていてもよいピリジル環である、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
式(2)もしくは(2i):
【化4】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩(式中、
Q、WおよびTは、CHまたはNであり、
ZおよびYは、CまたはNであり、
ここで、Q、W、T、YおよびZは、その1つがNであるかまたはいずれもNでないかのいずれかであり、YがNである場合、R
5は存在せず、ZがNである場合、R
6は存在せず、
R
5およびR
6は、独立して、H、ハロ、CN、OH、SF
5、C
1~6アルキル、C
3~6シクロアルキル、C
1~6アルコキシ、OR
7およびSO
2R
7から選択され、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよく、アルキルまたはシクロアルキル基のいずれか1個の原子は、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって交換されていてもよく、またはR
5およびR
6は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい5員または6員の炭素環式または複素環式環を形成し、
R
7は、1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~6アルキル基または1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
3~6シクロアルキル基である)。
【請求項5】
式(3)もしくは(3i):
【化5】
の化合物である、請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
R
1およびR
2が、いずれもメチルである、R
1およびR
2が、いずれもHである、R
1およびR
2が、一緒になって、シクロプロピル環を形成する、またはR
1が、メチルであり、R
2が、Hである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
R
1が、メチルであり、R
2が、Hである、請求項6に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
式(4)もしくは(4i):
【化6】
の化合物である、請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
式(5)もしくは(5i):
【化7】
の化合物である、請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
W、QおよびTが、CHであり、ZおよびYが、Cである、請求項4から9のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
式(6)もしくは(6i):
【化8】
の化合物である、請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
Aが、CO
2H、CONHSO
2Meまたはテトラゾール環である、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項13】
Aが、CO
2Hである、請求項12に記載の化合物またはその塩。
【請求項14】
R
3が、Hまたはメチルである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項15】
R
3が、Hである、請求項14に記載の化合物またはその塩。
【請求項16】
R
4が、Hまたはメチルである、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項17】
R
4が、Hである、請求項16に記載の化合物またはその塩。
【請求項18】
R
5およびR
6が、独立して、H、Cl、F、CN、OH、SO
2Me、SO
2Et、SO
2-シクロプロピル、SF
5、CF
3、CF
2H、OMe OCF
3、OCF
2H、CH
2OH、CH
2OMe、シクロプロピルおよびオキセタニルから選択される、請求項4から17のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項19】
R
5が、Hである、請求項4から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項20】
R
6が、CF
3またはFである、請求項19に記載の化合物またはその塩。
【請求項21】
R
5およびR
6が、一緒になって、1個または2個のフッ素原子で置換されていてもよい縮合イミダゾール環または縮合ジオキソラン環を形成する、請求項4から17のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項22】
【化9-1】
【化9-2】
【化9-3】
【化9-4】
【化9-5】
【化9-6】
【化9-7】
【化9-8】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項23】
下式:
【化10】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項24】
下式:
【化11】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項25】
下式:
【化12】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項26】
下式:
【化13】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項27】
下式:
【化14】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項28】
下式:
【化15】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項29】
下式:
【化16】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項30】
下式:
【化17】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項31】
下式:
【化18】
の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項32】
EP4受容体アンタゴニスト活性を有する、請求項1から
31のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項33】
請求項1から
32のいずれか一項に記載の化合物またはその塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項34】
医薬における使用のための、請求項
33に記載の組成物。
【請求項35】
腹部大動脈瘤(AAA)、強直性脊椎炎(AS)、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、上皮がん(結腸および直腸、口唇および口腔、上咽頭、その他の咽頭、胆嚢および胆管、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、精巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道、胃、肝臓、喉頭、気管、気管支および肺、乳房、子宮頸部、子宮、前立腺のGBD新生物カテゴリー)を含むがん、糖尿病性腎症、子宮内膜症、炎症性腸疾患、片頭痛、多発性硬化症(MS)、変形性関節症(OA)または関節リウマチの処置における使用のための、請求項
33に記載の組成物。
【請求項36】
がんの治療または予防における使用のための請求項
33に記載の組成物であって、前記組成物が、放射線療法および/または化学療法および/または免疫療法および/または他の腫瘍学モジュレーターと組み合わせて使用される、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新規化合物およびプロスタグランジンE2受容体4(EP4)アンタゴニストとしてのその使用に関する。本明細書に記載された化合物は、EP4受容体が関与する疾患の処置または予防において有用であり得る。本出願はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにこれらの化合物および組成物の製造およびEP4受容体が関与するそのような疾患の予防または処置における使用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジン(PG)は、シクロオキシゲナーゼ(COX;構成的に活性なCOX1および誘導型のCOX2)およびPGシンターゼによって産生され、アラキドン酸(AA)に作用するイソプロスタン経路からのわずかな寄与もある低分子(約400Da)産物である。プロスタグランジンE2(PGE2)は、骨髄および間質細胞における主要なCOX産物であり、そのレベルは、合成と15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15-PGDH)により媒介される分解との間のバランスによって決定される。PGE2は、マクロファージ、単球、血小板、感覚ニューロン、胃腸管、腎臓、胸腺、心臓、肺、および子宮を含む複数の細胞型に存在する4種の受容体(EP1~EP4)を有し、侵害受容、ニューロンシグナル伝達の態様、造血、血流、腎臓濾過および血圧の調節、粘膜完全性(integrity)の調節、血管透過性、平滑筋機能ならびに炎症促進(血管拡張、肥満細胞、マクロファージおよび好中球の動員および活性化)および免疫抑制の両方の免疫機能(下記に詳述する)を媒介する幅広い薬理作用を誘起する。機能的PGE2拮抗作用は、下記で論じる多種多様な疾患設定において治療可能性を有する。
【0003】
腹部大動脈瘤(AAA)。AAAは、結合組織変性、平滑筋の喪失を伴う生命を脅かす炎症性血管疾患であり、破裂しやすい拡張した大動脈につながる。疾患大動脈組織は、EP4、PGE2発現ならびにマクロファージおよび平滑筋のCOX2発現に関連する(Walton,L.J.ら Circulation 100、48~54(1999))。EP4拮抗作用または遺伝子欠失は、ヒトおよびマウス前臨床系における有益な転帰に関連する(Yokoyama,U.ら PLoS One 7、e36724(2012))。
【0004】
強直性脊椎炎(AS)。ASは、HLA-B27およびEP4に関連する遺伝性自己免疫疾患である。げっ歯類モデルにおける炎症性疼痛は、PGE2およびEP4により誘起され得る。AS患者の疼痛はNSAID応答性であり、EP4アンタゴニストがASにおける鎮痛剤でもあり、下記のがんの節で論じる一般的なAA代謝阻害に比べて、特異的EP4拮抗作用に関連する長期安全性の利益を有し得ることを示唆している(Murase,A.ら Eur.J.Pharmacol.580、116~121(2008))。
【0005】
アルツハイマー病(AD)。アミロイド-βペプチド(Aβ)は、β-アミロイド前駆体タンパク質(APP)のβ-およびγ-セクレターゼにより媒介されるタンパク質分解によって生成され、ADの病因において重要な役割を果たす。PGE2は、γ-セクレターゼのエンドサイトーシスおよび活性化を介してAβ産生を刺激する。EP4欠損マウスと交配した変異APP(APP23)を発現するトランスジェニックマウスは、対照マウスよりも低いレベルのAβプラーク沈着ならびに少ないニューロンおよびシナプス喪失を呈することが示されている。特異的EP4による経口処置は、認知能力を向上させ、脳内のAβレベルを減少させることが示されている(Hoshino,T.ら J.Neurochem.120、795~805(2012))。
【0006】
アテローム性動脈硬化症。EP4は、MMP-2およびMMP-9のPGE2誘導を通じてヒトアテローム性動脈硬化プラークの不安定化に関連している(Cipollone,F.ら Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.25、1925~31(2005))。EP4はまた、マウスモデルにおける生存を損なったEP4欠損マクロファージの分析によって、アテローム性動脈硬化症発生の予防の標的として検証されている(Babaev,V.R.ら Cell Metab.8、492~501(2008))。
【0007】
がん。がんまたは新生物は、世界の死亡率および罹患率の主な原因である。文献は、上皮がん(結腸および直腸、口唇および口腔、上咽頭、その他の咽頭、胆嚢および胆管、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、精巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道、胃、肝臓、喉頭、気管、気管支および肺、乳房、子宮頸部、子宮、前立腺のGBD新生物カテゴリー)におけるPGE2の役割を強力に裏付ける。
【0008】
PGE2および関連受容体は、多種多様な上皮新生物(結腸、口唇および口腔、胆嚢、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道(oesphageal)扁平上皮癌、胃、肝臓、扁平上皮肺癌、乳房、トリプルネガティブ乳がん、子宮頸部、子宮、前立腺がん、頭頸部扁平上皮癌)において上方調節され、発現レベルは、疾患進行(口唇および口腔、食道扁平上皮癌、子宮頸部、前立腺がん、頭頸部扁平上皮癌)と相関する。
【0009】
セレコキシブ(COX-2選択的阻害剤)の使用は、腺腫発生の発生率および進行腺腫発生の割合を減少させるが、腺腫を除去した参加者における重篤な心血管イベントを増加させることが示された(Arber,N.ら N.Engl.J.Med.355、885~895(2006))。セレコキシブはまた、様々ながんに対する併用処置として臨床試験されている。アスピリン(COX-1およびCOX-2阻害剤)を利用する5つのランダム化臨床試験のメタ分析は、1日少なくとも75mgの用量が結腸がんの20年リスクを低減したことを実証している(Rothwell,P.M.ら Lancet 376、1741~1750(2010))。PI3K変異は、結腸直腸がん(CRC)の15~20%において存在し、多くは活性化型である;PI3K上方調節は、PTGS2(COX-2)活性、ひいてはPGE2合成を増強する。CRC診断後の定期的なアスピリン使用は、野生型ではなく変異したPIK3CAを有する患者における生存利益に関連していた(Liao,X.ら N.Engl.J.Med.367、1596~1606(2012))。
【0010】
COX阻害剤の治療的有用性は、それらがGI(NSAID、例えばアスピリン)またはCV(NSAIDおよびコキシブ、例えばセレコキシブ)毒性のいずれかを引き起こす可能性によって限定される。ゆえに、がんの化学予防におけるアスピリンおよびNSAID一般の有用性は、国際的合意によって認められているが、リスク/利益比には依然として問題があるため、明確な使用推奨はなされていない。総合すると、これらのデータは、プロスタグランジン合成の広スペクトラムな抑制が、適切な利益:リスクバランスをもたらすには弱すぎる薬理学的ツールであり、より特異的な医薬の評価が必要であることを示唆する。ゆえに、本発明者らは、EP4拮抗作用を介したPGE2生態の特異的中和が、副作用プロファイルを最小限に抑えながら臨床的利益をもたらすと仮定する。
【0011】
PGE2は、免疫抑制、免疫学的および腫瘍学的過程を誘起してがんの発生および進行を促進する魅力的な治療標的である。COX-2および上皮成長因子受容体(EGFR)経路は、大部分のヒトがんにおいて活性化される。ヒト結腸直腸がん(CRC)細胞にCOX2をトランスフェクトすると、それらはEGFR誘導に伴って増殖し、経路間のクロストークを示唆している。CRC腫瘍を保有するマウスは、PGE2中和抗体を投与されると、腫瘍成長の低減を示している(Stolina,M.ら J.Immunol.164、361~70(2000))。PGE2は、一般に、低酸素および処置(放射線療法など)条件において抗アポトーシス性であり、Ras-MAPK/ERKおよびPI3K/AKT生存経路を活性化する(Wang,D.およびDubois,R.N. Gut 55、115~22(2006))。前臨床げっ歯類およびヒト研究は、PGE2ががんの発生および進行において重要な役割を果たすという見解を裏付け、その機構を解明し始めている。腫瘍におけるCOX発現は、骨髄機能を破壊するPGE2を生成する;ノックアウトまたはアスピリン/コキシブによるCOX除去は、腫瘍の免疫制御を可能にし、COX阻害は、PD1遮断抗体の形態の免疫チェックポイント遮断と相乗的に作用する(Zelaneyら、Cell、2015)。これらのデータは、他の公知の免疫チェックポイント遮断剤がPGE2抑制と相乗的に作用し得ることを示唆する。最後に、COX炎症性シグネチャーは、マウスおよびヒトがん生検全体で保存されている(Zelaneyら、Cell、2015)。腫瘍微小環境においてPGE2を完全に抑制するのに必要とされるコキシブの用量は、人における臨床使用のために認可された用量を上回る可能性が高く、用量限定毒性を生じることなくPGE2のがんを支持する生態を遮断する薬物の必要性をさらに裏付けている。
【0012】
複数の免疫細胞は、アデノシン受容体(主にA2AおよびA2b)を保有し、これは、EP2およびEP4と共通して、細胞内cAMPを増加させ、免疫抑制を媒介するように作用する。PGE2およびアデノシンは、新生物において共発現され、PGE2およびアデノシン経路モジュレーターを組み合わせることによって臨床的利益が生まれるという考えを裏付けている。
【0013】
これらの知見は、PGE2の機能的拮抗作用が、様々な上皮がんを有する患者に強力な臨床的利益をもたらすだけでなく、現在の標準治療および開発中の新たなIO剤と相乗的に作用する可能性が大きいことを示唆する。
【0014】
糖尿病性腎症。真性糖尿病は、腎症、網膜症およびニューロパチーを含む複数の大血管合併症を伴う。糖尿病性腎症は、末期腎疾患の主な原因であり、高い心血管リスクを伴い、真性糖尿病患者のおよそ3分の1に共通の続発症である。現在の療法は、血中グルコースおよび血圧の制御に重点を置いて、高血糖、高血圧、脂質異常症、肥満の重要なリスク因子を最小限に抑えるが、効力が不十分である。PGE2は、最も豊富な腎プロスタグランジンであり、腎生理学;炎症、体液量恒常性(volume homeostasis)、塩および水分バランスの調節、腎血流、レニン放出、糸球体血行動態において多様な役割を果たす(Breyer,M.D.、Jacobson,H.R.およびBreyer,R.M.J.Am.Soc.Nephrol.7、8~17(1996));EP1およびEP3は、一般に血管収縮性であるのに対し、EP2およびEP4は、血管拡張を媒介する。EP4は、糖尿病性腎症の態様を模倣する前臨床モデルにおいて腎損傷の媒介への関与が示されている。EP4アンタゴニストであるASP7657の4週間反復経口投与は、2型糖尿病db/dbマウスにおけるアルブミン尿を用量依存的に減弱させることが示されている(Mizukami,K.ら Naunyn.Schmiedebergs.Arch.Pharmacol.391、1319~1326(2018))。
【0015】
子宮内膜症。子宮内膜症は、おそらく逆行性月経による、子宮腔外での子宮内膜組織の持続的定着を特徴とし、上方調節されたCOX2および上昇したPGE2を有する典型的な病巣および「子宮内膜症病変」の形成につながる。
【0016】
PGE2は、子宮内膜症上皮および間質細胞のインテグリンにより媒介される接着を刺激し、EP2およびEP4を通じて子宮内膜症上皮細胞および間質細胞の増殖を誘起する;PGE2が遮断されると、これは細胞をアポトーシスへと誘起する。データは、EP4拮抗作用が子宮内膜症において治療的有用性を有し得ることを示唆する(Lee,J.、Banu,S.K.、Burghardt,R.C.、Starzinski-Powitz,A.およびArosh,J.A. Biol.Reprod.88、77(2013))。
【0017】
炎症性腸疾患。PGE2は、IBDの誘起への関与が示されているIL-23受容体の上方調節を通じて(Leeら、JACI、2019)IL-17産生ヘルパーT(Th17)細胞の分化および炎症促進機能を直接推進する(Bonifaceら、JEM、2009);IL-12/23を中和するウステキヌマブは、潰瘍性大腸炎およびクローン病に効力がある。
【0018】
片頭痛。PGE2は、片頭痛において強力な標的検証がなされている。PGE2は、片頭痛を経験している人の頸静脈血、血漿および唾液において上方調節される。プロスタグランジンのIV注入は、片頭痛患者における片頭痛症状を誘発し得る;PGE2は、ヒト大脳動脈をEP4依存的様式で弛緩させる(Maubach,K.A.K.A.ら Br.J.Pharmacol.156、316~327(2009))。硬膜、三叉神経ニューロン、求心性神経および感覚求心路のin vitroおよびin vivoでの化学的刺激は、PGE2放出を引き起こす。PGE2は、EP4を通じてペプチド放出の増大および感覚ニューロンの感作を誘導する(Southall,M.D.およびVasko,M.R.J.Biol.Chem.276、16083~91(2001))。これらのデータは、EP4アンタゴニストが片頭痛の処置において治療的有用性を有し得ることを示唆する。
【0019】
多発性硬化症(MS)。PGE2レベルは、MS脳脊髄液(CSF)中では明確に検出可能であるが、神経疾患を有さない人からのCSFでは可能でない。機能的PGE2アンタゴニストは、IL-23産生の阻害ならびにTh1およびTh17細胞発生の抑制によってMSにおいて臨床的利益をもたらすと予想される(Cua,D.J.ら Nature 421、744~8(2003))。
【0020】
変形性関節症(OA)。PGE2は、OA患者からの滑液および軟骨において上方調節され、PGE2は、EP4を通じてOA軟骨細胞におけるマトリックス分解を刺激する(Attur,M.ら J.Immunol.181、5082~8(2008))。
【0021】
骨粗鬆症。PGE2は、主にEP4を介して、骨吸収の誘起において重要な役割を果たす。骨喪失は、腫瘍が骨に転移した場合に見られることが多い;乳房転移モデルからの前臨床データは、EP4拮抗作用が骨密度の低下を低減することを示す(Takita,M.、Inada,M.、Maruyama,T.およびMiyaura,C.FEBS Lett.581、565~571(2007))。
【0022】
過活動性膀胱。シクロホスファミド注射は、ラットにおける過活動性膀胱を誘導する。同時に、全身にまたは直接膀胱組織に施されたEP4アンタゴニストは、膀胱炎症および膀胱収縮頻度(過活動)を低減することが示されている(Chuang,Y.-C.、Tyagi,P.、Huang,C.-C.、Chancellor,M.B.およびYoshimura,N.BJU Int.110、1558~1564(2012))。
【0023】
関節リウマチ。PGE2は、免疫抑制剤および免疫刺激剤の両方として作用することができ、状況依存的免疫モジュレーターと考えられるべきであるかもしれない。WTまたはEP1~3欠損に比べ、EP4欠損マウスは、CAIAモデルにおける関節炎症状の発生を低減することが示されており、EP4の関与を明確に示している(McCoy,J.M.、Wicks,J.R.およびAudoly,L.P.J.Clin.Invest.110、651~658(2002))。
【0024】
データは、PGE2の機能的拮抗作用が、関節リウマチにおいて臨床的に意義のあるTh17軸を改善し、ゆえに、強力な臨床的利益をもたらす可能性を有することを示唆する。
【0025】
本明細書に記載された発明は、新規化合物およびEP4アンタゴニストとしてのその使用に関する。本明細書に記載された化合物は、EP4受容体が関与する疾患の処置または予防において有用であり得る。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにこれらの化合物および組成物の製造およびEP4受容体が関与するそのような疾患の予防または処置における使用を対象とする。したがって、本発明の化合物は、腹部大動脈瘤(AAA)、強直性脊椎炎(AS)、アルツハイマー病(AD)、アテローム性動脈硬化症、上皮がん(結腸および直腸、口唇および口腔、上咽頭、その他の咽頭、胆嚢および胆管、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、精巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道、胃、肝臓、喉頭、気管、気管支および肺、乳房、子宮頸部、子宮、前立腺のGBD新生物カテゴリー)を含むがん、糖尿病性腎症、子宮内膜症、炎症性腸疾患、片頭痛、多発性硬化症(MS)、変形性関節症(OA)および関節リウマチの処置において有用であり得る。
【0026】
本発明の化合物は、単一の治療法としてまたは1種もしくは複数の他の任意のタイプの治療法との組合せで使用され得る。がんの処置または予防については、これは、放射線療法および/または化学療法および/または免疫療法および/または他の腫瘍学モジュレーターを含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、プロスタグランジンE2受容体4(EP4)アンタゴニストとしての活性を有する化合物を提供する。
【0028】
本発明は、式(1):
【0029】
【0030】
【化2】
からなる群から選択され、
Xは、置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよいピリジル環または置換されていてもよいイミダゾピリジン環系であり、
R
1およびR
2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~3アルキル基であり、またはR
1およびR
2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成し、
R
3は、H、C
1~3アルキルまたはFであり、
R
4は、HまたはC
1~3アルキルであり、
R
8は、C
1~3アルキルまたはC
3~6シクロアルキル環であり、
R
10およびR
11は、いずれもメチルであるかまたはR
10およびR
11は、一緒になって、シクロブチル環を形成するかのいずれかである)
を提供する。
【0031】
化合物は、EP4受容体アンタゴニストとして使用され得る。化合物は、医薬の製造において使用され得る。化合物または医薬は、EP4受容体が関与する疾患または障害の処置、予防、改善、制御またはリスク低減における使用のためのものであり得る。したがって、本発明の化合物は、腹部大動脈瘤(AAA)、強直性脊椎炎(AS)、アルツハイマー病(AD)、アテローム性動脈硬化症、上皮がん(結腸および直腸、口唇および口腔、上咽頭、その他の咽頭、胆嚢および胆管、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、精巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道、胃、肝臓、喉頭、気管、気管支および肺、乳房、子宮頸部、子宮、前立腺のGBD新生物カテゴリー)を含むがん、糖尿病性腎症、子宮内膜症、炎症性腸疾患、片頭痛、多発性硬化症(MS)、変形性関節症(OA)および関節リウマチの処置において有用であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、新規化合物に関する。本発明はまた、EP4受容体のアンタゴニストとしての新規化合物の使用に関する。本発明はさらに、EP4受容体アンタゴニストとして使用するための医薬の製造における新規化合物の使用に関する。
【0033】
本発明はさらに、腹部大動脈瘤(AAA)、強直性脊椎炎(AS)、アルツハイマー病(AD)、アテローム性動脈硬化症、上皮がん(結腸および直腸、口唇および口腔、上咽頭、その他の咽頭、胆嚢および胆管、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、精巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道、胃、肝臓、喉頭、気管、気管支および肺、乳房、子宮頸部、子宮、前立腺のGBD新生物カテゴリー)を含むがん、糖尿病性腎症、子宮内膜症、炎症性腸疾患、片頭痛、多発性硬化症(MS)、変形性関節症(OA)および関節リウマチの処置のための化合物、組成物および医薬に関する。
【0034】
本発明は、式(1):
【0035】
【0036】
【化4】
からなる群から選択され、
Xは、置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよいピリジル環または置換されていてもよいイミダゾピリジン環系であり、
R
1およびR
2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~3アルキル基であり、またはR
1およびR
2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成し、
R
3は、H、C
1~3アルキルまたはFであり、
R
4は、HまたはC
1~3アルキルであり、
R
8は、C
1~3アルキルまたはC
3~6シクロアルキル環であり、
R
10およびR
11は、いずれもメチルであるかまたはR
10およびR
11は、一緒になって、シクロブチル環を形成するかのいずれかである)
を提供する。
【0037】
式(1a):
【0038】
【0039】
【化6】
からなる群から選択され、
Xは、置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよいピリジル環または置換されていてもよいイミダゾピリジン環系であり、
R
1およびR
2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~3アルキル基であり、またはR
1およびR
2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成し、
R
3は、H、C
1~3アルキルまたはFであり、
R
4は、HまたはC
1~3アルキルであり、
R
8は、C
1~3アルキルまたはC
3~6シクロアルキル環である)
もまた提供される。
【0040】
式(1b):
【0041】
【0042】
【化8】
からなる群から選択され、
Xは、置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよいピリジル環または置換されていてもよいイミダゾピリジン環系であり、
R
1およびR
2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~3アルキル基であり、またはR
1およびR
2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成し、
R
3は、H、C
1~3アルキルまたはFであり、
R
4は、HまたはC
1~3アルキルであり、
R
8は、C
1~3アルキルまたはC
3~6シクロアルキル環である)
もまた提供される。
【0043】
本発明は、式(1c):
【0044】
【0045】
【化10】
からなる群から選択され、
Xは、置換されていてもよいフェニル環、置換されていてもよいピリジル環または置換されていてもよいイミダゾピリジン環系であり、
R
1およびR
2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~3アルキル基であり、またはR
1およびR
2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成し、
R
4は、HまたはC
1~3アルキルであり、
R
8は、C
1~3アルキルまたはC
3~6シクロアルキル環であり、
R
10およびR
11は、いずれもメチルであるかまたはR
10およびR
11は、一緒になって、シクロブチル環を形成するかのいずれかである)
を提供する。
【0046】
特定の化合物は、式(2)および(2i):
【0047】
【化11】
の化合物またはその塩(式中、
A、R
1、R
2、R
3およびR
4は、上記に定義されたとおりであり、
Q、WおよびTは、CHまたはNであり、
ZおよびYは、CまたはNであり、
ここで、Q、W、T、YおよびZは、その1つがNであるかまたはいずれもNでないかのいずれかであり、YがNである場合、R
5は存在せず、ZがNである場合、R
6は存在せず、
R
5およびR
6は、独立して、H、ハロ、CN、OH、SF
5、C
1~6アルキル、C
3~6シクロアルキル、C
1~6アルコキシ、OR
7およびSO
2R
7から選択され、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよく、アルキルまたはシクロアルキル基のいずれか1個の原子は、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって交換されていてもよく、またはR
5およびR
6は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい5員または6員の炭素環式または複素環式環を形成し、R
7は、1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
1~6アルキル基または1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC
3~6シクロアルキル基である)
を含む。
【0048】
特定の化合物は、式(2a)および(2b):
【0049】
【化12】
の化合物ならびにその塩(式中、A、T、Y、Z、Q、W、R
1、R
2、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0050】
特定の化合物は、式(2ia)および(2ib):
【0051】
【化13】
の化合物ならびにその塩(式中、A、T、Y、Z、Q、W、R
1、R
2、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0052】
特定の化合物は、式(3)、(3a)、(3b)、(3i)、(3ia)、(3ib):
【0053】
【化14】
の化合物およびその塩(式中、A、T、Y、Z、Q、W、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0054】
特定の化合物は、式(4)、(4a)、(4b)、(4i)、(4ia)および(4ib):
【0055】
【化15】
の化合物ならびにその塩(式中、A、T、Y、Z、Q、W、R
3、R
4、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0056】
特定の化合物は、式(5)、(5a)、(5b)、(5i)、(5ia)および(5ib):
【0057】
【化16】
の化合物ならびにその塩(式中、A、T、Y、Z、Q、W、R
3、R
4、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0058】
特定の化合物は、式(6)、(6a)、(6b)、(6c)、(6d)、(6e)、(6f)、(6g)、(6h)、(6j)、(6k)および(6l):
【0059】
【化17】
の化合物ならびにその塩(式中、A、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0060】
特定の化合物は、式(6i)、(6ia)、(6ib)、(6ic)、(6id)、(6ie)、(6if)、(6ig)、(6ih)、(6ij)、(6ik)および(6il):
【0061】
【化18】
の化合物ならびにその塩(式中、A、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである)を含む。
【0062】
化合物は、式(7):
【0063】
【化19】
の化合物およびその塩(式中、X、R
1、R
2、R
3、R
4、R
10およびR
11は、上記に定義されたとおりである)とすることができる。
【0064】
本明細書における化合物中、Aは、
【0065】
【0066】
本明細書における化合物中、Aは、CO2H、テトラゾール、1,2,4-オキサジアゾール-5(2H)-オン、1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン、CONHSO2R8、CONHSO2Me、SO3H、1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-チオン、1,2,4-オキサジアゾール-5(2H)-チオン、1,2,4-チアジアゾール-5(2H)-オン、1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン1,1-ジオキシドおよび2,4-オキサゾリジンジオンからなる群から選択され得る。
【0067】
本明細書における化合物中、Aは、CO2H、CONHSO2Meおよびテトラゾール環から選択され得る。Aは、CO2Hとすることができる。Aは、CONHSO2Meとすることができる。Aは、テトラゾール環とすることができる。
【0068】
本明細書における化合物中、R1およびR2は、独立して、Hまたは1個もしくは複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1~3アルキル基とすることができる。R1およびR2は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成することができる。
【0069】
本明細書における化合物中、R1は、Hとすることができる。R1は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1~3アルキル基とすることができる。R1は、R2と一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成することができる。R1は、R2と一緒になって、3~6員の炭素環式環を形成することができる。R1は、1~3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1~3アルキル基とすることができる。R1は、C1~3アルキル基とすることができる。R1は、メチルとすることができる。R1は、R2と一緒になって、シクロプロピル環を形成することができる。
【0070】
本明細書における化合物中、R2は、Hとすることができる。R2は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1~3アルキル基とすることができる。R2は、R1と一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい3~6員の炭素環式環を形成することができる。R2は、R1と一緒になって、3~6員の炭素環式環を形成することができる。R2は、1~3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1~3アルキル基とすることができる。R2は、C1~3アルキル基とすることができる。R2は、メチルとすることができる。R2は、R1と一緒になって、シクロプロピル環を形成することができる。
【0071】
本明細書における化合物中、R1は、メチルとすることができ、R2は、Hとすることができる。R1およびR2は、いずれもメチルとすることができる。R1およびR2は、いずれもHとすることができる。R1およびR2は、一緒になって、シクロプロピル環を形成することができる。
【0072】
本明細書における化合物中、R3は、H、C1~3アルキルまたはFとすることができる。R3は、H、メチルまたはFとすることができる。R3は、C1~3アルキルとすることができる。R3は、メチルとすることができる。R3は、Hとすることができる。R3は、Fとすることができる。
【0073】
本明細書における化合物中、R4は、HまたはC1~3アルキルとすることができる。R4は、Hまたはメチルとすることができる。R4は、C1~3アルキルとすることができる。R4は、メチルとすることができる。R4は、Hとすることができる。
【0074】
本明細書における化合物中、Xは、置換されていてもよいフェニル環とすることができる。Xは、置換されていてもよいピリジル環とすることができる。Xは、置換されていてもよいイミダゾピリジン環系とすることができる。
【0075】
本明細書における化合物中、Xは、置換されていてもよい以下の環系:
【0076】
【0077】
本明細書における化合物中、Xは、
【0078】
【化22】
とすることができ、ここで、T、Y、Z、Q、W、R
5およびR
6は、上記に定義されたとおりである。
【0079】
本明細書における化合物中、Xは、
【0080】
【化23】
からなる群から選択され得、ここで、R
5およびR
6は、本明細書に定義されたとおりである。
【0081】
本明細書における化合物中、R5およびR6は、独立して、H、ハロ、CN、OH、SF5、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルコキシ、OR7およびSO2R7から選択され得、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよく、アルキルまたはシクロアルキル基のいずれか1個の原子は、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって交換されていてもよい。R5およびR6は、一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい5員または6員の炭素環式または複素環式環を形成することができる。R5およびR6は、独立して、H、Cl、F、CN、OH、SO2Me、SO2Et、SO2-シクロプロピル、SF5、CF3、CF2H、OMe OCF3、OCF2H、CH2OH、CH2OMe、シクロプロピルおよびオキセタニルから選択され得る。
【0082】
本明細書における化合物中、R5は、H、ハロ、CN、OH、SF5、OR7およびSO2R7から選択され得る。R5は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシまたはC3~6シクロアルキルとすることができ、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよく、アルキルまたはシクロアルキル基のいずれか1個の原子は、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって交換されていてもよい。R5は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシまたはC3~6シクロアルキルとすることができ、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい。R5は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシまたはC3~6シクロアルキルとすることができる。R5は、H、Cl、F、CN、OH、SO2Me、SO2Et、SO2-シクロプロピル、SF5、CF3、CF2H、OMe OCF3、OCF2H、CH2OH、CH2OMe、シクロプロピルおよびオキセタニルから選択され得る。R5は、Hとすることができる。R5は、CF3またはFとすることができる。R5は、CF3とすることができる。R5は、Fとすることができる。R5は、R6と一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい5員または6員の炭素環式または複素環式環を形成することができる。R5は、R6と一緒になって、1個または2個のフッ素原子で置換されていてもよい縮合ジオキソラン環を形成することができる。R5は、R6と一緒になって、縮合ジオキソラン環を形成することができる。R5は、R6と一緒になって、1個または2個のフッ素原子で置換された縮合ジオキソラン環を形成することができる。R5は、R6と一緒になって、2個のフッ素原子で置換された縮合ジオキソラン環を形成することができる。R5およびR6は、一緒になって、縮合イミダゾール環を形成することができる。R5およびR6は、一緒になって、それらが結合している環とともにイミダゾ[1,2-a]ピリジン環系を形成することができる。
【0083】
本明細書における化合物中、R6は、H、ハロ、CN、OH、SF5、OR7およびSO2R7から選択され得る。R6は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシまたはC3~6シクロアルキルとすることができ、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよく、アルキルまたはシクロアルキル基のいずれか1個の原子は、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって交換されていてもよい。R6は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシまたはC3~6シクロアルキルとすることができ、アルキル、シクロアルキルおよびアルコキシ基は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい。R6は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシまたはC3~6シクロアルキルとすることができる。R6は、H、Cl、F、CN、OH、SO2Me、SO2Et、SO2-シクロプロピル、SF5、CF3、CF2H、OMe OCF3、OCF2H、CH2OH、CH2OMe、シクロプロピルおよびオキセタニルから選択され得る。R6は、Hとすることができる。R6は、CF3またはFとすることができる。R6は、CF3とすることができる。R6は、Fとすることができる。R6は、R5と一緒になって、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよい5員または6員の炭素環式または複素環式環を形成することができる。R6は、R5と一緒になって、1個または2個のフッ素原子で置換されていてもよい縮合ジオキソラン環を形成することができる。R6は、R5と一緒になって、縮合ジオキソラン環を形成することができる。R6は、R5と一緒になって、1個または2個のフッ素原子で置換された縮合ジオキソラン環を形成することができる。R6は、R5と一緒になって、2個のフッ素原子で置換された縮合ジオキソラン環を形成することができる。R6およびR5は、一緒になって、縮合イミダゾール環を形成することができる。R6およびR5は、一緒になって、それらが結合している環とともにイミダゾ[1,2-a]ピリジン環系を形成することができる。
【0084】
本明細書における化合物中、Q、WおよびTは、CHまたはNとすることができる。ZおよびYは、CまたはNとすることができる。
【0085】
本明細書における化合物中、Q、W、T、YおよびZは、その1つがNであるかまたはいずれもNでないかのいずれかである。YがNである場合、R5は存在しない。ZがNである場合、R6は存在しない。
【0086】
本明細書における化合物中、Q、WおよびTは、CHとすることができ、ZおよびYは、Cとすることができる。Q、WおよびTは、CHとすることができ、Zは、Cとすることができ、Yは、Nとすることができる。Q、WおよびTは、CHとすることができ、Zは、Nとすることができ、Yは、Cとすることができる。QおよびWは、CHとすることができ、Tは、Nとすることができ、ZおよびYは、Cとすることができる。QおよびTは、CHとすることができ、Wは、Nとすることができ、ZおよびYは、Cとすることができる。TおよびWは、CHとすることができ、Qは、Nとすることができ、ZおよびYは、Cとすることができる。
【0087】
本明細書における化合物中、R7は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1~6アルキル基とすることができる。R7は、1個または複数のフッ素原子で置換されていてもよいC3~6シクロアルキル基とすることができる。R7は、C1~6アルキル基とすることができる。R7は、C3~6シクロアルキル基とすることができる。R7は、メチルとすることができる。R7は、エチルとすることができる。R7は、CF3とすることができる。R7は、CF2Hとすることができる。
【0088】
本明細書における化合物中、R8は、C1~3アルキルとすることができる。R8は、C3~6シクロアルキルとすることができる。R8は、メチルとすることができる。
【0089】
本明細書における化合物中、R10およびR11は、いずれもメチルとすることができ、またはR10およびR11は、一緒になって、シクロブチル環を形成することができる。R10は、メチルとすることができ、またはR11と一緒になって、シクロブチル環を形成することができる。R11は、メチルとすることができ、またはR10と一緒になって、シクロブチル環を形成することができる。
【0090】
化合物は、表1に示す実施例1から101のいずれか1つ、またはその塩から選択され得る。
【0091】
化合物は、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((1S)-1-(2-((3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((S)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((1S)-1-(2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((S)-3-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((S)-3-メチル-2-((4-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-(ジフルオロメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(ジフルオロメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((3-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((S)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((1S)-1-(2-((3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-(ベンジルオキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((3-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-シアノベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-シアノベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メトキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(ペンタフルオロ-λ6-スルファネイル(sulfaneyl))ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3,4-ジフルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-(ジフルオロメチル)-3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-シクロプロピルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(ジフルオロメトキシ)-4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((5-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロ-3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
2-メチル-4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3,4-ジフルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-ヒドロキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-シクロプロピルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(メトキシメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-ヒドロキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-N-((S)-1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)エチル)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド、
(R)-N-((S)-1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)エチル)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(エチルスルホニル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((1S)-1-((2R)-2-(1-(4-フルオロフェニル)エトキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((1S)-1-(3-メチル-2-((4-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((1S)-1-((2R)-3-メチル-2-(1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)-N-(メチルスルホニル)ベンズアミド、
(R)-4-(1-(2-((3-シアノベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-(エチルスルホニル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-(ジフルオロメトキシ)-4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((3-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-((3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)メチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-(メトキシメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((4-(ジフルオロメチル)-3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((4-(ジフルオロメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)-N-(メチルスルホニル)ベンズアミド、
(R)-4-(2-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)プロパン-2-イル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-シクロプロピルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルメトキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((2-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-4-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((4-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-N-(1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)シクロプロピル)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド、
(R)-N-(1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)シクロプロピル)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド、
(R)-N-(1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)シクロプロピル)-2-((3,4-ジフルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド、
(R)-N-(1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)シクロプロピル)-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロブチル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((2-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-4-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メトキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(3-メチル-2-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メトキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((4-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-(1-((2R)-2-((4-クロロ-5-フルオロシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-2-((3-シクロプロピルベンジル)オキシ)-N-(1-(4-(2,3-ジヒドロ-1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)シクロプロピル)-3-メチルブタンアミド、
N-(シクロプロピルスルホニル)-4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンズアミド、
(R)-N-((S)-1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)エチル)-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド、
(R)-N-((S)-1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)エチル)-2-((3-シクロプロピルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド、
(R)-4-(1-(2-((6-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-シクロプロピル-4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
4-(1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((5-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メトキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-シクロプロピル-4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((S)-1-((R)-2-((3-(シクロプロピルスルホニル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-((3-(シクロプロピルスルホニル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸、
4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-(1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-(1-(2-シクロブチル-2-((3,4-ジフルオロベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-(1-(2-((3-クロロベンジル)オキシ)-2-シクロブチルアセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(S)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、
またはその塩からなる群から選択され得る。
【0092】
本発明のある特定の新規化合物は、EP4受容体アンタゴニストとしての特に高い活性を示す。
【0093】
本発明のさらなる実施形態は、EP4受容体アンタゴニストとしての式(1)の化合物の使用を含む。そのような使用は、腹部大動脈瘤(AAA)、強直性脊椎炎(AS)、アルツハイマー病(AD)、アテローム性動脈硬化症、上皮がん(結腸および直腸、口唇および口腔、上咽頭、その他の咽頭、胆嚢および胆管、膵臓、非黒色腫皮膚、卵巣、精巣、腎臓、膀胱、甲状腺、中皮腫、食道、胃、肝臓、喉頭、気管、気管支および肺、乳房、子宮頸部、子宮、前立腺のGBD新生物カテゴリー)を含むがん、糖尿病性腎症、子宮内膜症、炎症性腸疾患、片頭痛、多発性硬化症(MS)、変形性関節症(OA)または関節リウマチの処置におけるものであり得る。
定義
本出願では、別段の指示がない限り、以下の定義が適用される。
【0094】
「処置」という用語は、式(1)の化合物を含む本明細書に記載された化合物のいずれかの使用に関して、問題の疾患または障害に罹患している、または罹患するリスクがある、または罹患するリスクがある可能性がある対象に化合物が投与される任意の形態の介入を表すために使用される。したがって、「処置」という用語は、予防的(防止的)処置および疾患または障害の測定可能または検出可能な症状が示されている場合の処置の両方を包含する。
【0095】
「有効治療量」という用語(例えば、疾患または状態を処置する方法に関して)は、所望の治療効果を生じるのに有効である化合物の量を指す。例えば、状態が疼痛である場合、有効治療量は、所望のレベルの疼痛軽減をもたらすのに十分な量である。所望のレベルの疼痛軽減は、例えば、疼痛の完全な除去または疼痛の重症度の低減であり得る。
【0096】
「アルキル」、「アルコキシ」「シクロアルキル」、「フェニル」、「ピリジル」「炭素環式」および「複素環式」という用語はすべて、別段の指示がない限り、その従来の意味(例えば、IUPAC Gold Bookに定義されている)で使用される。任意の基に適用される「置換されていてもよい」とは、前記基が、所望の場合、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいことを意味する。
【0097】
上記のR5およびR6の定義において、記述されている場合、アルキルまたはシクロアルキル基の1個または2個であるがすべてではない炭素原子は、OおよびNから選択されるヘテロ原子によって交換されていてもよい。基が単一炭素(C1)基である場合、その炭素は交換されていてはならない。炭素原子がヘテロ原子によって交換されている場合、炭素と比較してヘテロ原子の価数が低いことは、交換された炭素原子に結合していたであろうよりも少ない原子がヘテロ原子に結合することを意味することが認識されよう。したがって、例えば、CH2基中の炭素原子(価数4)の酸素(価数2)による交換とは、得られた分子が2個少ない水素原子を含有することを意味し、CH2基中の炭素原子(価数4)の窒素(価数3)による交換とは、得られた分子が1個少ない水素原子を含有することを意味する。
【0098】
炭素原子のヘテロ原子交換の例は、エーテル-CH2-O-CH2-またはチオエーテル-CH2-S-CH2-を得るための-CH2-CH2-CH2-鎖中の炭素原子の酸素または硫黄との交換、ニトリル(シアノ)基CH2-C≡Nを得るためのCH2-C≡C-H基中の炭素原子の窒素との交換、ケトン-CH2-C(O)-CH2-を得るための-CH2-CH2-CH2-基中の炭素原子のC=Oとの交換、アルデヒド-CH2-C(O)Hを得るための-CH2-CH=CH2基中の炭素原子のC=Oとの交換、アルコール-CH2-CH2-CH2OHを得るための-CH2-CH2-CH3基中の炭素原子のOとの交換、エーテル-CH2-O-CH3を得るための-CH2-CH2-CH3基中の炭素原子のOとの交換、チオール-CH2-CH2-CH2SHを得るための-CH2-CH2-CH3基中の炭素原子のSとの交換、スルホキシド-CH2-S(O)-CH2-またはスルホン-CH2-S(O)2-CH2-を得るための-CH2-CH2-CH2-基中の炭素原子のS=OまたはSO2との交換、アミド-CH2-CH2-C(O)-NH-を得るための-CH2-CH2-CH2-鎖中の炭素原子のC(O)NHとの交換、アミン-CH2-NH-CH2-を得るための-CH2-CH2-CH2-鎖中の炭素原子の窒素との交換、およびエステル(またはカルボン酸)-CH2-CH2-C(O)-O-を得るための-CH2-CH2-CH2-鎖中の炭素原子のC(O)Oとの交換を含む。そのような各交換において、アルキルまたはシクロアルキル基の少なくとも1個の炭素原子は残存しなければならない。
【0099】
記載された化合物のいずれかがキラル中心を有する限り、本発明は、そのような化合物のすべての光学異性体に及び、ラセミ体または分割されたエナンチオマーのいずれの形態であるかを問わない。本明細書に記載された発明は、いかなる方法でもそのように調製された、開示された化合物のいずれかのすべての結晶形態、溶媒和物および水和物に関する。本明細書に開示された化合物のいずれかがカルボキシレートまたはアミノ基などの酸性または塩基性中心を有する限り、前記化合物のすべての塩形態が本明細書に含まれる。薬学的使用の場合、塩は、薬学的に許容される塩であるとみなされるべきである。
【0100】
挙げることができる塩または薬学的に許容される塩は、酸付加塩および塩基付加塩を含む。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、化合物の遊離酸または遊離塩基形態を1当量または複数当量の適切な酸または塩基と、場合により溶媒中、または塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて、標準的な技法を使用して(例えば、真空中で、凍結乾燥によってまたは濾過によって)前記溶媒、または前記媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製され得る。
【0101】
薬学的に許容される塩の例は、無機酸および有機酸に由来する酸付加塩、ならびにナトリウム、マグネシウム、カリウムおよびカルシウムなどの金属に由来する塩を含む。
【0102】
酸付加塩の例は、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸)、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸(例えば、D-グルコン酸)、グルクロン酸(例えば、D-グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸および(±)-DL-乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸(例えば、(-)-L-リンゴ酸)、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸(例えば、(+)-L-酒石酸)、チオシアン酸、ウンデシレン酸および吉草酸を用いて形成される酸付加塩を含む。
【0103】
化合物およびその塩の任意の溶媒和物もまた包含される。好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固体状態の構造(例えば、結晶構造)に非毒性の薬学的に許容される溶媒(以下、溶媒和溶媒と称される)の分子を組み込むことによって形成される溶媒和物である。そのような溶媒の例は、水、アルコール(エタノール、イソプロパノールおよびブタノールなど)およびジメチルスルホキシドを含む。溶媒和物は、本発明の化合物を、溶媒和溶媒を含有する溶媒または溶媒の混合物で再結晶することによって調製され得る。任意の所与の事例において溶媒和物が形成されたか否かは、化合物の結晶を熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)およびX線結晶構造解析などの周知かつ標準的な技法を使用して分析に供することによって決定され得る。
【0104】
溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的溶媒和物であり得る。特定の溶媒和物は、水和物であってもよく、水和物の例は、半水和物、一水和物および二水和物を含む。溶媒和物ならびにそれらを作製および特徴付けするために使用される方法のより詳細な論述については、Brynら、Solid-State Chemistry of Drugs、第2版、West Lafayette、IN、米国のSSCI,Incによって出版、1999、ISBN 0-967-06710-3を参照されたい。
【0105】
本発明の文脈における「医薬組成物」という用語は、活性薬剤を含み、さらに1種または複数の薬学的に許容される担体を含む組成物を意味する。組成物は、投与方式および剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤から選択される成分をさらに含有し得る。組成物は、例えば、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤を含む液体調製物、スプレー剤、吸入剤、錠剤、トローチ剤、乳剤、液剤、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤および坐剤、ならびにリポソーム調製物を含む注射用液体調製物の形態をとり得る。
【0106】
本発明の化合物は、1つまたは複数の同位体置換を含有してもよく、特定の元素への言及は、その範囲内に元素のすべての同位体を含む。例えば、水素への言及は、その範囲内に1H、2H(D)、および3H(T)を含む。同様に、炭素および酸素への言及は、その範囲内にそれぞれ12C、13Cおよび14Cならびに16Oおよび18Oを含む。類似の様式で、特定の官能基への言及はまた、文脈上別段の指示がない限り、その範囲内に同位体変形物を含む。例えば、エチル基などのアルキル基またはメトキシ基などのアルコキシ基への言及はまた、基中の水素原子の1個または複数がジュウテリウムまたはトリチウム同位体の形態である変形物、例えば、5個すべての水素原子がジュウテリウム同位体形態であるエチル基(ペルジュウテロエチル基)または3個すべての水素原子がジュウテリウム同位体形態であるメトキシ基(トリジュウテロメトキシ基)のようなものを包含する。同位体は、放射性または非放射性であり得る。
【0107】
治療投与量は、患者の要求、処置される状態の重症度、および用いられる化合物に応じて変動し得る。特定の状況に適正な投与量の決定は、当技術分野の技量の範囲内にある。一般に、処置は、化合物の最適な用量よりも少ない低投与量から開始される。その後、その事情の下で最適な効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。便宜のため、合計1日投与量は、所望の場合、分割され、1日の間に少量ずつ投与され得る。
【0108】
化合物の有効用量の大きさは、当然ながら、処置されるべき状態の重症度の性質ならびに特定の化合物およびその投与ルートによって変動する。適切な投与量の選択は、過度の負担を伴わず、当業者の能力の範囲内にある。一般に、1日用量範囲は、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約10μgから約30mg、好ましくはヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約50μgから約30mg、例えばヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約50μgから約10mg、例えばヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μgから約30mg、例えばヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μgから約10mg、最も好ましくはヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μgから約1mgであり得る。
医薬製剤
活性化合物は、単独で投与されることが可能であるが、医薬組成物(例えば、製剤)として提供することが好ましい。
【0109】
したがって、本発明の別の実施形態では、上記に定義された式(1)の少なくとも1種の化合物を少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤とともに含む医薬組成物が提供される。
【0110】
組成物は、錠剤組成物であり得る。組成物は、カプセル剤組成物であり得る。
【0111】
薬学的に許容される賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体または半固体担体)、アジュバント、希釈剤(例えば、固体希釈剤、例えばフィラーまたは増量剤;ならびに液体希釈剤、例えば溶媒および共溶媒)、造粒剤、バインダー、流動助剤、コーティング剤、放出制御剤(例えば、放出遅延または遅放性ポリマーまたはワックス)、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、滑沢剤、保存剤、抗真菌および抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、張度調整剤、増粘剤、香味剤、甘味剤、顔料、可塑剤、矯味剤、安定剤または医薬組成物において従来使用されている他の任意の賦形剤から選択され得る。
【0112】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わず、対象(例えば、ヒト対象)の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的な利益/リスク比で釣り合いがとれた化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味する。各賦形剤はまた、製剤の他の成分と適合するという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0113】
式(1)の化合物を含有する医薬組成物は、公知の技法に従って製剤化されてもよく、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PA、米国を参照されたい。医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔内、気管支内、舌下、眼、耳、直腸、膣内、または経皮投与に好適な任意の形態とすることができる。
【0114】
経口投与に好適な医薬剤形は、錠剤(コーティングまたは非コーティング)、カプセル剤(ハードまたはソフトシェル)、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤および懸濁剤、舌下錠、ウエハー剤または口腔内貼付剤などの貼付剤を含む。
【0115】
錠剤組成物は、単位投与量の活性化合物を、不活性希釈剤または担体、例えば糖もしくは糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトールもしくはマンニトール;ならびに/または非糖由来の希釈剤、例えば炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、またはセルロースもしくはその誘導体、例えば微結晶セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン、例えばトウモロコシデンプンとともに含有することができる。錠剤はまた、ポリビニルピロリドンなどの結合および造粒剤、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩)、保存剤(例えば、パラベン)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝液)、ならびにクエン酸塩/炭酸水素塩混合物などの発泡剤のような標準的な成分を含有し得る。そのような賦形剤は周知であり、ここで詳細に論じる必要はない。
【0116】
錠剤は、薬物を胃液と接触した際に放出するように(即時放出錠剤)または長時間にわたってもしくは胃腸管の特定の領域で制御された様式で放出するように(制御放出錠剤)設計され得る。
【0117】
医薬組成物は、典型的には、およそ1%(w/w)からおよそ95%、好ましくは%(w/w)の活性成分および99%(w/w)から5%(w/w)の薬学的に許容される賦形剤(例えば、上記に定義されている)またはそのような賦形剤の組合せを含む。好ましくは、組成物は、およそ20%(w/w)からおよそ90%(w/w)の活性成分および80%(w/w)から10%の薬学的に許容される賦形剤または賦形剤の組合せを含む。医薬組成物は、およそ1%からおよそ95%、好ましくはおよそ20%からおよそ90%の活性成分を含む。本発明による医薬組成物は、例えば、単位投与形態、例えばアンプル、バイアル、坐剤、充填済みシリンジ、糖衣錠、散剤、錠剤またはカプセル剤の形態であり得る。
【0118】
錠剤およびカプセル剤は、例えば、0~20%の崩壊剤、0~5%の滑沢剤、0~5%の流動助剤および/または0~99%(w/w)のフィラー/もしくは増量剤(薬物用量に応じて)を含有し得る。それらはまた、0~10%(w/w)のポリマーバインダー、0~5%(w/w)の酸化防止剤、0~5%(w/w)の顔料を含有し得る。緩徐放出錠剤はさらに、典型的には、0~99%(w/w)の放出制御(例えば、遅放性)ポリマー(用量に応じて)を含有する。錠剤またはカプセル剤のフィルムコートは、典型的には、0~10%(w/w)のポリマー、0~3%(w/w)の顔料、および/または0~2%(w/w)の可塑剤を含有する。
【0119】
非経口製剤は、典型的には、0~20%(w/w)の緩衝液、0~50%(w/w)の共溶媒、および/または0~99%(w/w)の注射用水(WFI)(用量に応じて、かつ凍結乾燥されている場合)を含有する。筋肉内デポー用の製剤はまた、0~99%(w/w)の油を含有し得る。
【0120】
医薬製剤は、処置の全コースを単一のパッケージ、普通はブリスターパック中に含有する「患者パック」で患者に提供され得る。
【0121】
式(1)の化合物は、一般に、単位剤形で提供され、したがって、典型的には、所望のレベルの生物学的活性をもたらすのに十分な化合物を含有する。例えば、製剤は、1ナノグラムから2グラムの活性成分、例えば1ナノグラムから2ミリグラムの活性成分を含有し得る。これらの範囲内で、化合物の特定の部分範囲は、0.1ミリグラムから2グラムの活性成分(より普通には10ミリグラムから1グラム、例えば50ミリグラムから500ミリグラム)、または1マイクログラムから20ミリグラム(例えば1マイクログラムから10ミリグラム、例えば0.1ミリグラムから2ミリグラムの活性成分)である。
【0122】
経口組成物については、単位剤形は、1ミリグラムから2グラム、より典型的には10ミリグラムから1グラム、例えば50ミリグラムから1グラム、例えば100ミリグラムから1グラムの活性化合物を含有し得る。
【0123】
活性化合物は、投与を必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物患者)に、所望の治療効果を達成するのに十分な量(有効量)で投与される。投与される化合物の正確な量は、標準的な手順に従って監督医師によって決定され得る。
【実施例】
【0124】
本発明をこれから以下の実施例を参照して説明するが、限定されるものではない。
【0125】
実施例1から101
下記の表1に示す実施例1から101の化合物を調製した。一部の事例では、化合物は、立体異性体の混合物として得られ、表1および表2に示すように、実施例3、6、46、47、51、92、95、96、97、98および99は、そのような混合物に関する。他の事例では、化合物は、立体化学の帰属ありまたはなしの単一の異性体として得られた。表1に示すように、実施例17、18、48、49、86、87、93および94は、未帰属の立体化学の単一の異性体に関する。
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【表1-7】
式(1)の化合物の調製方法
式(1)の化合物は、当業者に周知の合成方法に従って調製され得る。上記の式(1)に定義された化合物の調製方法もまた提供される。
【0133】
【化24】
式(1)の化合物は、スキーム1に概説するとおり調製され得る。式G
1の酸と式G
2のアミンとの間のアミド結合形成を、典型的には、HATUなどの好適なカップリング剤、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、MeCNまたはジクロロメタンなどの溶媒中で実行して、式G
3の所望のアミドを得る。アルコールG
3を、LG
1が好適な脱離基、典型的にはブロミドを表す式G
4のアルキル化剤でアルキル化する。典型的には、NaHなどの塩基の存在下、0℃から室温の範囲の温度でTHFなどの溶媒中でアルキル化反応を行って、式(1)の化合物を得る。あるいは、式(1)の化合物は、LG
2が好適な脱離基、典型的にはメシレートを表す適切なアルキル化剤G
4を、式G
5のアルコールで置き換えることによって調製され得る。典型的な条件は、KOtBuなどの塩基の使用、および0℃から70℃の範囲の温度でTHFなどの溶媒中を含む。LG
2が好適な脱離基、典型的にはメシレートを表す式G
4の化合物は、式G
3の対応するアルコールの活性化によって調製され得る。典型的には、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、0℃から室温の範囲の温度でジクロロメタンなどの溶媒中で反応を行って、式G
4の化合物を得る。
【0134】
Aが保護されたカルボン酸基であり、PG1がメチルエステルなどの好適な酸保護基を表す化合物では、保護基の性質に関係する条件を使用してさらに脱保護することができる。典型的には、水酸化リチウムなどの求核塩基の存在下、MeOHまたはTHFなどの溶媒中でメチルエステル官能基を加水分解して、式(7)の化合物を得る。
【0135】
当業者は、スキーム1に描写された反応ステップを必要に応じて異なる様式で組み合わせて、式(1)および式(7)の所望の化合物の調製に成功し得ることを理解するであろう。これは、追加のステップ、例えば、官能基の修飾、保護および/または脱保護ステップを全合成シーケンスに含めてもよい。例えば、式(7)の化合物は、スキーム2に示すとおり調製され得る。
【0136】
PG2がメチルエステルなどの好適な酸保護基を表す式G6のアルコールを、LGが好適な脱離基、典型的にはブロミドを表す式G4のアルキル化剤でアルキル化する。典型的には、NaHなどの塩基の存在下、0℃から室温の範囲の温度でTHFなどの溶媒中でアルキル化反応を行って、式G7のエーテルを得る。得られたエステルを保護基PG2の性質に関係する条件、典型的には水酸化リチウムなどの求核塩基の存在下、THFなどの溶媒中でのメチルエステル官能基の加水分解を使用して脱保護して、式G8の酸を得ることができる。式G8の酸と式G2のアミンとの間のアミド結合形成反応を、HATUまたはEDCIなどのアミドカップリング試薬、およびトリエチルアミンなどの塩基の存在下、DCMまたはDMFなどの溶媒中で行って、式(1)の化合物を得る。Aが保護されたカルボン酸基である化合物では、脱保護は、スキーム1に記載されたとおり達成され得る。
【0137】
【化25】
上記のスキームおよび手順は、決して限定することを意図したものではないことが理解されよう。実際、上記のスキームおよび手順はまた、例えば、Aがカルボン酸アイソスター基である本発明の化合物を調製するために使用され得る。「A基」に適切な方法および保護基は当業者に周知であり、例えば、テトラゾール基の保護にはトリチル基を使用することができる。さらに、式1のある化合物は、当業者に周知の方法によって本発明の別の化合物に変換され得る。ある官能基を別の官能基に変換するための合成手順の例は、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第7版、Michael B.Smith、John Wiley、2013、(ISBN:978-0-470-46259-1)、Organic Syntheses、オンライン版、www.orgsyn.org、(ISSN 2333-3553)およびFiesers’ Reagents for Organic Synthesis、第1~17巻、John Wiley、Mary Fieser編(ISBN:0-471-58283-2)などの標準的なテキストに記載されている。
【0138】
上に記載された反応の多くでは、分子上の望ましくない位置で反応が起こるのを防止するために1つまたは複数の基を保護することが必要であり得る。保護基の例、ならびに官能基を保護および脱保護する方法は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis、第5版、編者:Peter G.M.Wuts、John Wiley、2014、(ISBN:9781118057483)において見出され得る。
【0139】
前述の方法によって作製された化合物は、当業者に周知の多様な方法のいずれかによって単離および精製することができ、そのような方法の例は、再結晶ならびにクロマトグラフ技法、例えば順相または逆相条件下でのカラムクロマトグラフィー(例えば、フラッシュクロマトグラフィー)、HPLCおよびSFCを含む。
一般的手順
調製ルートが含まれない場合、関連する中間体は市販されている。市販の試薬はさらに精製することなく利用した。最終化合物および中間体は、ChemDraw Professional、バージョン17.0.0.206(121)を使用して命名する。室温(RT)とは、およそ20~27℃を指す。1H NMRスペクトルは、Bruker、VarianまたはJeol機器のいずれかで400または500MHzで記録した。化学シフト値は、以下の溶媒:クロロホルム-d=7.26ppm、DMSO-d6=2.50ppm、メタノール-d4=3.31ppmに対する百万分率(ppm)、すなわち、(δ)値で表す。NMRシグナルの多重度には以下の略語が使用される:s=一重線、br=広幅、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線。カップリング定数は、Hzで測定されたJ値として列挙する。NMRおよび質量分光分析結果は、バックグラウンドピークを考慮して補正した。クロマトグラフィーとは、60~120メッシュまたは40~633μmの60Åシリカゲルを使用して実施され、窒素圧(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実行されるカラムクロマトグラフィーを指す。マイクロ波媒介反応は、Biotage InitiatorまたはCEM Discoverマイクロ波反応器において実施した。
LC/MS分析
化合物のLC/MS分析は、エレクトロスプレー条件下で下記に示す機器および方法を使用して実施した:
LC/MS方法AおよびLC/MS方法B
機器:ダイオードアレイ検出器およびAgilent MS 6120を備えたAgilent 1260 Infinity LC;カラム:Phenomenex Gemini-NX、C-18、3ミクロン、30×2mm;方法A勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/2、0.1/2.、8.4/95、10.0/95、10.1/2。12.0/2;方法B勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/5、2.0/95、2.5/95、2.6/5、3.0/5;溶媒:溶媒A=水(2.5L)と28%アンモニア水溶液(2.5mL);溶媒B:アセトニトリル(2.5L)と水(125mL)および28%アンモニア水溶液(2.5mL);カラム温度:40℃;流速:1.5mL/分。
LC/MS方法C
機器:G1315A DAD、Waters Micromass ZQを備えたHP1100;カラム:Phenomenex Gemini-NX C-18、3ミクロン、2.0×30mm;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/2。0.01/2。8.40/95、10.00/95;溶媒:溶媒A=2.5LのH2O+2.5mLのH2O中28%アンモニア溶液;溶媒B=2.5LのMeCN+135mLのH2O+2.5mLのH2O中28%アンモニア溶液。注入体積1μL;UV検出230から400nm;質量検出130から800AMU;カラム温度45℃;流速1.5mL/分。
LC/MS方法DおよびLC/MS方法E
機器:PDA検出器およびQDa質量検出器を備えたAquity H-Class;カラム:C-18、1.6ミクロン、50×2.1mm;方法D勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/3、0.20/3、2.70/98、3.00/100、3.50/100、3.51/3、4.00/4;方法E勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/5、0.20/5、1.80/98、2.00/100、2.50/100、2.15/5、3.00/5;溶媒:溶媒A=水中の0.1%ギ酸;溶媒B=アセトニトリル:水(90:10)中の0.1%ギ酸;カラム温度:35℃;流速:1mL/分。
LC/MS方法F
機器:Agilent Infinity II G6125C LCMS;カラム:C-18、3.5ミクロン、50×4.6mm;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/8、0.75/8、3.00/70、3.70/95、4.20/100、5.20/100、5.21/8、7.00/8;溶媒:溶媒A=5mM炭酸水素アンモニウム水溶液;溶媒B=メタノール;カラム温度:35℃;流速:0.9mL/分。
LC/MS方法G
機器:Agilent Infinity II G6125C LCMS;カラム:C-18、3.5ミクロン、50×4.6mm;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/5、1.00/5。3.00/60、4.50/90、7.00/100、8.00/100、8.01/5、10.0/5;溶媒:溶媒A=水中の0.1%アンモニア;溶媒B=アセトニトリル;カラム温度:35℃;流速:1.0mL/分。
LC/MS方法H
機器:996 PDA検出器とMicromass ZQを備えたWaters Alliance 2690;カラム:C-18、3.5ミクロン、150×4.6mm;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/10、7.00/90、9.00/100、14.0/100、14.01/10、17.00/10;溶媒:溶媒A=5mM酢酸アンモニウム水溶液および0.1%ギ酸;溶媒B=メタノール;カラム温度:35℃;流速:1.0mL/分。
LC/MS方法I
機器:PDAおよびSQ検出器を装備したWaters Aquity UPLC Binary;カラム:Waters Sunfire C18、3.5ミクロン、150×4.6mm;アイソクラティック[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/70、20.00/70;溶媒:溶媒A=5mM酢酸アンモニウム水溶液+0.1%ギ酸;溶媒B=メタノール;カラム温度:35℃;流速:1mL/分。
分析SFC方法J
機器:Masslynxソフトウェア、PDA検出器およびQDa質量検出器を備えたWaters Acquity UPC2;カラム:Phenomenex Lux Amylose-1、3μm、50×2mm;波長:210から400nmの検出;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/3、3.00/50、4.00/50、5.00/3;溶媒:溶媒A=CO2;溶媒B=IPA;カラム温度:45℃;流速:1.5mL/分。
分析キラルHPLC方法K
機器:Shimadzu LC 20AD;カラム:CHIRALPAK IG、5μm、250×4.6mm;アイソクラティック[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/20、30.00/20;溶媒:溶媒A=n-ヘプタン;溶媒B=2-プロパノール:ACN(70:30);カラム温度:室温;流速:1mL/分。
本文献を通じて使用される略語
aq 水性
Bn ベンジル
DCM ジクロロメタン
DMA ジメチルアセトアミド
DMF ジメチルホルムアミド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート、
HCl 塩酸
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
h/hr 時間
hrs 時間
IPA イソプロピルアルコール
LC/MS 液体クロマトグラフィー質量分析
LiOH 水酸化リチウム
M モル濃度
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
Min 分
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
N 規定
NaOH 水酸化ナトリウム
NaH 水素化ナトリウム
prep HPLC 分取高速液体クロマトグラフィー
RM 反応混合物
RT 室温
sat 飽和
THF テトラヒドロフラン
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
V 体積
実施例の一般的合成手順
ルートA
実施例1、4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0140】
【化26】
ステップ(i):DMF(100mL)中の中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(11.3g、40.6mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(5.01g、44.7mmol)の氷冷溶液に、4-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド(10.7g、44.7mmol)を添加した。混合物を室温に温め、6時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、ブライン(×2)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮した。粗材料をイソヘキサン中のEtOAc(0%から50%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製して、メチル4-[(1S)-1-[[(2R)-3-メチル-2-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]ブタノイル]アミノ]エチル]ベンゾエート(8.93g、20.4mmol、収率50%)を白色固体として得た。(LC/MS方法B):m/z438[M+H]
+(ES
+)、1.75分、UV活性。
【0141】
ステップ(ii):水(28mL)およびメタノール(15mL)中のメチル4-[(1S)-1-[[(2R)-3-メチル-2-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]ブタノイル]アミノ]エチル]ベンゾエート(7.44g、17.0mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(3.40g、85.0mmol)を添加し、反応混合物を70℃に5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと1M HClとの間で分配した。有機物を分離し、疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料をジエチルエーテルから摩砕し、次いで、最小量の沸騰イソプロパノールから再結晶して、実施例1、4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸(3.12g、7.4mmol、収率43.3%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートB
実施例2、(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸の調製手順
【0142】
【化27】
ステップ(i):THF(3.6ml)中の中間体5 メチル(R)-4-(1-(2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(212mg、0.73mmol)の氷冷混合物に、NaH(鉱油中60%分散体)(32mg、0.8mmol)を添加し、反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、中間体31 1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(192mg、0.8mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌し、次いで、水とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(疎水性フリット)、濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配 イソヘキサン中の0~45%EtOAc]によって精製して、メチル(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエートを橙色固体(76mg、0.17mmol、収率23%)として得た。LC/MS(方法C):m/z450[M+H]
+、1.73分。
【0143】
ステップ(ii):メチル(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(76mg、0.17mmol)を1,4-ジオキサン(0.4mL)および水(0.4mL)に懸濁し、水酸化リチウム一水和物(28mg、0.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相)[勾配 水中の10~45%MeOHおよび0.2%の28%NH4OH(水)溶液)]によって精製して、実施例2 (R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸(36mg、0.08mmol、49%)を白色固体として得た。データは表2にある。
実施例2への代替的ルート
【0144】
【化28】
ステップ(i):フラスコに、0℃で乾燥THF(10V)中のメチルR-2-ヒドロキシ-3-メチル-ブタノエート(25g、1.0当量)をとった。次いで、テトラブチルアンモニウムヨージド(0.1当量)および中間体31 1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(44g、1.0当量)を添加し、反応混合物を15分間撹拌し、次いで、NaH(1.5当量)を少量ずつ添加し、温度を終始0℃で維持した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を氷冷水(10V)でクエンチし、生成物をMTBE(3V×3)で抽出し、抽出物を合わせ、真空下で蒸発させて、40gの粗生成物を得た。粗化合物を60~120メッシュのシリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物を1~2%酢酸エチルおよびヘキサン系中で溶出して、メチル(R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタノエート25gを粘稠性(viscus)液体として得た。
【0145】
ステップ(ii):THF(3V)中のメチル(R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタノエート(75g、1.0当量)を室温でLiOH(1.5当量)および水(1.5V)で処理し、次いで、80℃で4時間撹拌した。反応の完了後、THFを真空下で蒸発させ、得られた残渣を水(5V)に溶かし、MTBE(5V)で洗浄した。次いで、水性層を1N HCl水溶液(pH約2)で酸性化した。次いで、生成物をDCM(20V×2)で抽出した。合わせた有機層を真空下で蒸発させて、(R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタン酸(62g)を得た。この化合物をさらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0146】
ステップ(iii):フラスコに、0℃でDMF(10V)中の(R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタン酸(62g、1.0当量)をとり、続いて、同じ温度でHATU(1.5当量)、メチル4-(1-アミノシクロプロピル)ベンゾエート(1.0当量)およびDIPEA(3.0当量)を添加した。次いで、反応混合物を連続撹拌しながら室温に温めた。反応の完了後、反応混合物を水(10V)に注ぎ入れた。得られた固体を濾過し、冷水(2V)で洗浄し、真空下で乾燥して、105gの粗生成物を得た。粗化合物を60~120メッシュのシリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物を10~15%酢酸エチルおよびヘキサン系中で溶出して、メチル(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエートを粘稠性液体58gとして得た。
【0147】
ステップ(iv):フラスコに、THF(3V)および水(1.5V)中のメチル(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(58g、1.0当量)をとった。反応混合物を0~5℃に冷却し、続いて、同じ温度で30分間にわたって水酸化リチウム一水和物(3.0当量)を少量ずつ添加した。次いで、反応混合物を30分間にわたって80℃に加熱し、80℃で4時間さらに撹拌した。反応の完了後、溶媒を真空下で蒸発させた。次いで、水(5V)を反応混合物中に添加した。この水性層をMTBE(5V)で洗浄した。次いで、水性層を1N HCl水溶液(pH:2から3)で酸性化し、生成物を酢酸エチル(20V×3)中で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、真空下で蒸発させて、実施例2 (R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸(43g)を灰白色固体として得た。
【0148】
追加の精製-この材料および追加のバッチからの材料(79g)をヘプタン(10V)に溶かすことによってさらに精製し、80℃に加熱し、続いて、同じ温度でIPA(3V)を添加した。次いで、混合物を室温に冷却させ、30分間撹拌した。得られた固体を濾過し、n-ヘプタン(3V)で洗浄し、真空下で乾燥した(これを2回反復した)。合わせた生成物材料(85g)を室温でn-ヘプタン(425mL、5V)に懸濁し、30分間撹拌した。固体を濾過し、n-ヘプタン(2V)で洗浄し、真空下で乾燥して、実施例2 (R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロプロピル)安息香酸(82g)を得た。データは表2にある。
ルートC
実施例5、4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0149】
【化29】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のDMF(5mL)中のNaH(鉱油中60%)(0.071g、1.77mmol)の懸濁液に、中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.45g、1.61mmol)を添加した。混合物を同じ温度で10分間撹拌し、その後、1-(ブロモメチル)-4-フルオロベンゼン(0.36g、1.93mmol)を添加した。混合物を室温に温め、3時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を水中のMeCN(0~62%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、メチル4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.38g、0.99mmol、収率61%)を白色固体として得た。(LC/MS方法D):m/z388[M+H]
+(ES
+)、2.67分、UV活性。
【0150】
ステップ(ii):1,4-ジオキサン(4mL)および水(2mL)中のメチル4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.38g、0.98mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.21g、4.90mmol)を添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、その後、これを氷酢酸でpH4に酸性化し、減圧下で濃縮した。残渣を水中のMeCN(0~50%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、実施例5、4-((S)-1-((R)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(0.28g、0.75mmol、76%)を灰白色固体として得た。データは表2にある。
ルートD
実施例6、4-((1S)-1-(2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマーの混合物の調製手順
【0151】
【化30】
0℃のTHF(3.5mL)中の(4-メトキシフェニル)メタノール(0.20g、1.47mmol)の溶液に、カリウムtert-ブトキシドを添加し、混合物を同じ温度で20分間撹拌した。中間体3、メチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((メチルスルホニル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.35g、0.98mmol)を添加し、混合物を80℃で4時間撹拌し、その後、これを室温に冷却し、EtOAcと水との間で分配した。水性層を分離し、1N HClでpH1に酸性化し、EtOAc(×2)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。反応中に部分エステル加水分解が起こったことに留意されたい。残渣を水中のMeCN(0~36%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、実施例6、4-((1S)-1-(2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(0.13g、0.33mmol、収率34%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートE
実施例11、4-((S)-1-((R)-2-((4-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0152】
【化31】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のDMF(2mL)中のNaH(鉱油中約60%)(0.05g、1.34mmol)の懸濁液に、中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.25g、0.89mmol)を添加した。混合物を同じ温度で15分間撹拌し、その後、1-(ブロモメチル)-4-クロロベンゼン(0.27g、1.34mmol)を添加した。混合物を室温に温め、1時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を水中のMeCN(0~90%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、メチル4-((S)-1-((R)-2-((4-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.143g、0.35mmol、収率40%)を粘性液体として得た。(LC/MS方法E):m/z404[M+H]
+(ES
+)、1.91分、UV活性。
【0153】
ステップ(ii):1,4-ジオキサン(2mL)および水(1mL)中のメチル4-((S)-1-((R)-2-((4-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.14g、0.35mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(70mg、1.77mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、その後、これを氷酢酸でpH4に酸性化し、減圧下で濃縮した。残渣を水中のMeCN(0~56%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、実施例11、4-((S)-1-((R)-2-((4-クロロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(100mg、0.26mmol、収率74%)を褐色固体として得た。データは表2にある。
ルートF
実施例13、4-((S)-1-((R)-2-((4-(ジフルオロメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0154】
【化32】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のDMF(5mL)中のNaH(鉱油中約60%)(0.08g、2.15mmol)の懸濁液に、中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.20g、0.71mmol)を添加した。混合物を同じ温度で15分間撹拌し、その後、1-(ブロモメチル)-4-(ジフルオロメチル)ベンゼン(0.23g、1.07mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌し、その後、これを1N HClの添加によってpH1に酸性化し、次いで、EtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、残渣を水中のMeCN(0~72%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、実施例11、4-((S)-1-((R)-2-((4-(ジフルオロメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(82mg、0.20mmol、収率29%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートG
実施例17、4-((1S)-1-(2-((3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー1および実施例18、4-((1S)-1-(2-((3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー2の調製手順
【0155】
【化33】
ステップ(i):4-((1S)-1-(2-((3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(110mg、ルートEに従って合成した)をキラル分取HPLC[Chiralpak IG、21×250mm、5μm、1分当たり23mL;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.01/8、40.00/8;溶媒:溶媒A=ヘキサン中の0.1%TFAおよび0.1%ジエチルアミン;溶媒B=メタノール:IPA(60:40)]によって単一のジアステレオマーに分離して、4-((1S)-1-(2-((3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー1(29mg、0.078mmol)を白色固体として、および4-((1S)-1-(2-((3-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー2(29mg、0.078mmol)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートH
実施例42、(R)-N-((S)-1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)エチル)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミドの調製手順
【0156】
【化34】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のDMF(3mL)中のNaH(鉱油中約60%)(45mg、1.11mmol)の懸濁液に、中間体4、(R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド(0.25g、1.01mmol)を添加した。混合物を同じ温度で15分間撹拌し、その後、1-(ブロモメチル)-4-フルオロベンゼン(0.29g、1.52mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をEtOAcと水との間で分配し、有機物を分離した。水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出し、合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、次いで、濃縮した。残渣を水中のMeCN(0~74%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、(R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド(0.20g、0.56mmol、収率56%)を黄色固体として得た。(LC/MS方法E):m/z355[M+H]
+(ES
+)、1.73分、UV活性。
【0157】
ステップ(ii):DMF(1mL)中の(R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド(0.10g、0.28mmol)、NaN3(0.11g、1.69mmol)およびNH4Cl(90mg、1.69mmol)の混合物を80℃に7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、次いで、EtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、粗材料を水中のMeCN(0~45%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、実施例42、(R)-N-((S)-1-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル)エチル)-2-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド(0.064g、57.06%)を黄色固体として得た。データは表2にある。
ルートI
実施例45、4-((S)-1-((R)-2-((3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0158】
【化35】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のDMF(2mL)中のNaH(鉱油中約60%)(24mg、0.60mmol)の懸濁液に、中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.15g、0.54mmol)を添加した。混合物を同じ温度で10分間撹拌し、その後、3-(ブロモメチル)ベンズアルデヒド(0.16g、0.81mmol)を添加した。混合物を室温に温め、2時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を水中のMeCN(0~74%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、メチル4-((S)-1-((R)-2-((3-ホルミルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.14g、0.35mmol、収率66%)を灰白色固体として得た。(LC/MS方法D):m/z398[M+H]
+(ES
+)、2.46分、UV活性。
【0159】
ステップ(ii):1,4-ジオキサン(1mL)および水(0.5mL)中のメチル4-((S)-1-((R)-2-((3-ホルミルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.13g、0.33mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(70mg、1.64mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、その後、これを1N HClでpH1に酸性化し、EtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、酸性水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出し、合わせた有機物を濃縮して、4-((S)-1-((R)-2-((3-ホルミルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(0.13g、0.33mmol、収率100%)を灰白色固体として得た。(LC/MS方法D):m/z384[M+H]+(ES+)、2.15分、UV活性。
【0160】
ステップ(iii):0℃のMeOH(3mL)中の4-((S)-1-((R)-2-((3-ホルミルベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(0.12g、0.31mmol)の溶液に、NaBH4(0.12g、0.31mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、これを1N HClでpH1に酸性化し、EtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、酸性水性層をEtOAcでさらに抽出した。合わせた有機物を濃縮し、残渣を水中のMeCN(0~35%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、実施例45、4-((S)-1-((R)-2-((3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸(60mg、0.16mmol、収率50%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートJ
実施例47、4-((1S)-1-(3-メチル-2-((4-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0161】
【化36】
ステップ(i):中間体35、(4-(オキセタン-3-イル)フェニル)メタノール(0.30g、1.82mmol)を窒素雰囲気下0℃でDMF(3mL)中のNaH(鉱油中約60%)(0.08g、2.01mmol)の撹拌懸濁液に添加し、反応混合物を室温で15分間撹拌した。次いで、中間体3、メチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((メチルスルホニル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.91g、2.56mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌させた。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(3mL)でクエンチし、反応混合物を水(70mL)とEtOAc(60mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2×25mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から57%ACNで溶出して、粗製のメチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((4-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(011g、15%)を黄色粘性固体として得た。(LC/MS方法D):m/z426[M+H]
+(ES
+)、2.17および2.21分、UV活性。
【0162】
ステップ(ii):ジオキサン(1.0mL)および水(1.0mL)中のメチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((4-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.11g、0.27mmol)の溶液に、室温でLiOH一水和物(0.034g、0.81mmol)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌させた。次いで、反応混合物を氷酢酸(0.3mL)で酸性化してpH約4に調整し、真空中で濃縮した。得られた粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から35%ACNで溶出して、純粋な実施例47、4-((1S)-1-(3-メチル-2-((4-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸(0.042g、39%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートK
実施例48、4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー1、および実施例49、4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー2の調製手順
【0163】
【化37】
ステップ(i):THF(1mL)中の中間体36、(3-(オキセタン-3-イル)フェニル)メタノール(0.10g、0.60mmol)の溶液を窒素雰囲気下室温でTHF(2mL)中のカリウムtert-ブトキシド(0.20g、1.82mmol)の撹拌懸濁液に添加し、反応混合物を15分間撹拌した。中間体3、メチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((メチルスルホニル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.32g、0.91mol)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌させた。反応混合物を水(30mL)とEtOAc(50mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2×30mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から67%ACNで溶出して、純粋なメチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.060g、16%)を無色粘性固体として得た。(LC/MS方法D):m/z426[M+H]
+(ES
+)、2.15分、UV活性。
【0164】
ステップ(ii):LiOH一水和物(0.030g、0.70mmol)を室温でジオキサン(1.0mL)および水(0.5mL)中のメチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.060g、0.14mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌させた。次いで、反応混合物を氷酢酸(0.3mL)で酸性化してpH約4に調整し、真空中で濃縮した。得られた粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から56%ACNで溶出して、純粋な4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸(0.045g、78%)を無色粘性固体として得た。(LC/MS方法D):m/z412[M+H]+(ES+)、1.87および1.89分、UV活性。
【0165】
ジアステレオマー分離:4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸をキラル分取HPLC[Chiralpak IG SFC、21×250mm、5μm、1分当たり16mL;勾配[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.01/20、45.00/20;溶媒:溶媒A=n-ヘプタン;溶媒B=メタノール:IPA(30:70)]によって単一のジアステレオマーに分離して、実施例47、4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸;ジアステレオマー1、(0.010g、22%)を灰白色固体として、および実施例48、4-((1S)-1-(3-メチル-2-((3-(オキセタン-3-イル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸;ジアステレオマー2、(0.0091g、20%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートL
実施例38、4-((S)-1-((R)-2-((3-ヒドロキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0166】
【化38】
ステップ(i):K
2CO
3(0.08g、0.58mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.017g、0.014mmol)を室温でジクロロメタン(2mL)およびメタノール(2mL)中の4-((S)-1-((R)-2-((3-(アリルオキシ)ベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)-安息香酸(0.12g、0.29mmol)の溶液に添加した。次いで、反応物を50℃に4時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得、これを2回の逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中0.1%FA中の0%から56%ACNで溶出して、純粋な実施例38、4-((S)-1-((R)-2-((3-ヒドロキシベンジル)オキシ)-3-メチルブタンアミド)エチル)-安息香酸(0.045g、40%)を灰白色固体として得た。データは表2にある。
ルートM
実施例51、4-((1S)-1-((2R)-3-メチル-2-(1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸の調製手順
【0167】
【化39】
ステップ(i):中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(0.20g、0.71mmol)を窒素雰囲気下0℃でDMF(4mL)中のNaH(鉱油中約60%)(0.034g、0.85mmol)の撹拌懸濁液に添加し、反応混合物を0℃で10分間撹拌した。この時間の後、中間体39、1-(1-ブロモエチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.27g、1.07mmol)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(40mL)とEtOAc(30mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から46%ACNで溶出して、粗生成物を得、これを70%EtOAc:ヘキサンを使用する分取TLCによってさらに精製して、純粋な実施例51、4-((1S)-1-((2R)-3-メチル-2-(1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)ブタンアミド)エチル)安息香酸:(0.020g、6.4%)を褐色粘性固体として得た。データは表2にある。
ルートN
実施例53、4-((S)-1-((R)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)エチル)-N-(メチルスルホニル)ベンズアミドの調製手順
【0168】
【化40】
ステップ(i):DCM(1.5mL)中の実施例1、4-[(1S)-1-[[(2R)-3-メチル-2-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]ブタノイル]アミノ]エチル]安息香酸(150.mg、0.350mmol)、DMAP(129.84mg、1.06mmol)およびEDCI(101.86mg、0.530mmol)の溶液に、メタンスルホンアミド(84.24mg、0.890mmol)を添加した。混合物を室温で3日間撹拌し、その後、これをDCMで希釈した。混合物を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(フリット)、濃縮した。粗材料を水中の5~85%ACNと0.2%の28%アンモニア溶液で溶出する逆相HPLC(Gilsonセミ分取HPLCシステム、Gemini-NX、5μ、C18、100×30mm)によって精製して、実施例53、N-メチルスルホニル-4-[(1S)-1-[[(2R)-3-メチル-2-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]ブタノイル]アミノ]エチル]ベンズアミド(99mg、収率56%)を無色油状物として得た。データは表2にある。
ルートO
実施例73、(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロブチル)安息香酸の調製手順
【0169】
【化41】
ステップ(i):中間体43、(2R)-N-[1-(4-シアノフェニル)シクロブチル]-2-ヒドロキシ-3-メチル-ブタンアミド(109mg、0.400mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(49.4mg、0.440mmol)の氷冷溶液に、中間体31、4-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド(105mg、0.440mmol)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、その後、有機物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(フリット)、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、[5.9×2.0cm(10g)]、Biotage(登録商標)SNAP KP-Sil-50μm不定形シリカ、1分当たり30mL、[勾配 イソヘキサン中の0%から50%酢酸エチル]によって精製して、(R)-N-(1-(4-シアノフェニル)シクロブチル)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド(109mg、収率63%)を無色油状物として得た。(LC/MS方法B):m/z431[M+H]
+(ES
+)、1.76分、UV活性。
【0170】
ステップ(ii):5M水酸化ナトリウム(水溶液)(0.8mL、4mmol)およびエタノール(0.42mL)中の(R)-N-(1-(4-シアノフェニル)シクロブチル)-3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド(109.mg、0.250mmol)の懸濁液を18時間加熱還流し、その後、これを濃縮した。粗材料を酢酸エチルと1M HClとの間で分配し、乾燥し(フリット)、濃縮した。粗材料を水中の50~80%ACNと0.2%の28%アンモニア溶液で溶出する塩基性条件下での逆相HPLC(Gilsonセミ分取HPLCシステム、Gemini-NX、5μ、C18、100×30mm)によって精製して、実施例73、(R)-4-(1-(3-メチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ブタンアミド)シクロブチル)安息香酸(3mg、収率2.6%)を得、これを掻き取って、白色固体を得た。データは表2にある。
ルートP
実施例92、4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸、実施例93、4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー1、および実施例94、4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸、ジアステレオマー2の調製手順。
【0171】
【化42】
ステップ(i):DMF(3.5mL)中のメチル2-シクロブチル-2-ヒドロキシ-アセテート(100mg、0.69mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(85mg、0.76mmol)の氷冷溶液に、4-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド(182mg、0.76mmol)を添加し、反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと水との間で分配し、その後、有機物を分離し、ブラインで洗浄し、疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配 イソヘキサン中の0~40%EtOAc]によって精製して、メチル2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセテート(79mg、0.26mmol、38%)を無色油状物として得た。LC/MS(方法B):m/z303[M+H]
+(ES
+)、1.79分、UV活性。
【0172】
ステップ(ii):1,4-ジオキサン(0.6mL)および水(0.6mL)中のメチル2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセテート(79mg、0.26mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(44mg、1.06mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗材料を1M HCl(水溶液)とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離した。水性層をEtOAcでさらに抽出し、合わせた有機物を疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮して、2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)酢酸(76mg、0.26mmol、定量的)を無色油状物として得た。粗材料をさらに精製することなく使用した。LC/MS(方法B):m/z311[M+Na]+(ES+)、0.68分、UV活性。
【0173】
ステップ(iii):メチル4-[(1S)-1-アミノエチル]ベンゾエート(51mg、0.29mmol)、2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)酢酸(76mg、0.26mmol)、EDC(76mg、0.40mmol)およびHOBt一水和物(4mg、0.03mmol)をDCM(0.8mL)に溶解し、その後、反応混合物を室温で10分間撹拌した。トリエチルアミン(0.09mL、0.66mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物を水とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離し、1M HCl(水溶液)、飽和NaHCO3(水溶液)およびブラインで洗浄した。有機物を疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配 イソヘキサン中の0~50%EtOAc]によって精製して、メチル4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)ベンゾエート(82mg、0.18mmol、69%)を白色固体として得た。LC/MS(方法B):m/z450[M+H]+(ES+)、1.77分、UV活性。
【0174】
ステップ(iv):1,4-ジオキサン(0.5mL)および水(0.5mL)中のメチル4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)ベンゾエート(82mg、0.18mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(30mg、0.73mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗材料を1M HCl(水溶液)とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離した。水性層をEtOAcでさらに抽出し、合わせた有機物を疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配 DCM(0.1%酢酸)中の0~6%MeOH]によって精製して、実施例92、ラセミ4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸を白色固体として単離した。データは表2にある。
【0175】
ステップ(v):実施例92、ラセミ4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸をキラル分取SFC[Phenomenex Lux Amylose-1、250×21.2mm、5μm]およびアイソクラティック条件CO2:EtOH(0.1%NH3)80:20によって単一のジアステレオマーに分離して、実施例93、4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸(19mg、0.04mmol、46%)を白色固体として、および実施例94、4-((1S)-1-(2-シクロブチル-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)エチル)安息香酸(19mg、0.04mmol、46%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートQ
実施例95、4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸の調製手順。
【0176】
【化43】
ステップ(i):DMF(3.3mL)中の中間体58、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(150mg、0.49mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(61mg、0.54mmol)の氷冷溶液に、1-(ブロモメチル)-3-メチルスルホニル-ベンゼン(135mg、0.54mmol)を添加し、反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと水との間で分配し、有機物を分離し、ブラインで洗浄し、疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料を水中の40~70%ACNと0.2%の28%アンモニア溶液で溶出する塩基性条件下での逆相HPLC(Gilsonセミ分取HPLCシステム、Gemini-NX、5μ、C18、100×30mm)によって精製して、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(34mg、0.07mmol、14%)を白色固体として得た。LC/MS(方法B):m/z472[M+H]
+(ES
+)、1.35分、UV活性。
【0177】
ステップ(ii):1,4-ジオキサン(0.2mL)および水(0.2mL)中のメチル4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(34mg、0.07mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(12mg、0.29mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗材料を1M HCl(水溶液)とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離した。水性層をEtOAcでさらに抽出し、合わせた有機物を疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配:DCM(0.1%酢酸)中の0~6%MeOH]によって精製して、実施例95、4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(メチルスルホニル)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸(20mg、0.04mmol、60%)を白色固体として得た。データは表2にある。
ルートR
実施例99、4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、実施例100、(S)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸、および実施例101、(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸の調製手順。
【0178】
【化44】
ステップ(i):DMF(3.3mL)中の中間体58、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(150mg、0.49mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(61mg、0.54mmol)の氷冷溶液に、1-(ブロモメチル)-3-(ジフルオロメトキシ)ベンゼン(128mg、0.54mmol)を添加し、反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと水との間で分配し、その後、有機物を分離し、ブラインで洗浄し、疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配 イソヘキサン中の0~60%EtOAc]によって精製して、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(130mg、0.28mmol、57%)を無色油状物として得た。LC/MS(方法B):m/z460[M+H]
+(ES
+)、1.62分、UV活性。
【0179】
ステップ(ii):1,4-ジオキサン(1.5mL)および水(1.5mL)中のメチル4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(276mg、0.60mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(100mg、2.40mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗材料を1M HCl(水溶液)とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離した。水性層をEtOAcでさらに抽出し、合わせた有機物を疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮した。粗材料を水中の15~25%ACNと0.2%の28%アンモニア溶液で溶出する塩基性条件下での逆相HPLC(Gilsonセミ分取HPLCシステム、Gemini-NX、5μ、C18、100×30mm)によって精製して、実施例99、ラセミ4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸(146mg、0.33mmol、54%)を白色固体として得た。データは表2にある。
【0180】
ステップ(iii):実施例99、ラセミ4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸をキラル分取SFC[Phenomenex Lux Amylose-1、250×21.2mm、5μm]およびアイソクラティック条件CO2:IPA 70:30を使用して分離して、実施例100、(S)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸(47mg、0.33mmol、34%)を白色固体として、および実施例101、(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸(47mg、0.33mmol、34%)を白色固体として得た。データは表2にある。実施例100(1.99分)および実施例101(2.05分)の分析SFC(方法J)を使用して、ルートRを使用して調製された実施例101のこのバッチがルートSを使用して調製された実施例101(2.04分)のバッチと合致することを示した。
ルートS
実施例101、(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸の代替的調製手順。
【0181】
【化45】
ステップ(i):0℃の水(100mL)およびH
2SO
4水溶液(0.5M、180mL)中の2-アミノ-2-シクロブチル酢酸(10.0g、77.5mmol)の溶液に、亜硝酸ナトリウム(32g、465.1mmol)を添加し、反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を水とTHFとの間で分配した。水性層をTHFで4回さらに抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO4)、濃縮した。粗残渣をEtOAcで洗浄し、濾液を濃縮して、粗製の2-シクロブチル-2-ヒドロキシ酢酸(8.0g、61.5mmol、79%)を黄色液体として得た。この材料をさらに精製することなく使用した。
【0182】
ステップ(ii):0℃のACN(70mL)中の2-シクロブチル-2-ヒドロキシ酢酸(6.88g、52.8mmol)およびメチル4-(1-アミノシクロプロピル)ベンゾエート塩酸塩(8.0g、35.2mmol)の懸濁液に、HATU(20.1g、52.8mmol)を添加し、0℃で15分間撹拌させ、その後、DIPEA(18.4mL、105.7mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗残渣を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から56%ACNで溶出して、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(2.9g、9.6mmol、47%)を褐色固体として得た。LC/MS(方法D):m/z304[M+H]+(ES+)、1.51分、UV活性。
【0183】
ステップ(iii):DCM(50mL)中のメチル4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(5.0g、16.5mmol)の溶液に、(R)-2-メトキシ-2-フェニル酢酸(3g、18.14mmol)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.08g、19.8mmol)およびDMAP(0.40g、3.29mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、水とDCMとの間で分配した。水性層をDCMでさらに2回抽出した。合わせた有機物を乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。粗残渣を順相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製し、生成物を石油エーテル中の0%から95%ジエチルエーテルで溶出して、メチル4-(1-((R)-2-シクロブチル-2-((R)-2-メトキシ-2-フェニルアセトキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(2.6g、5.76mmol、35%)を白色固体として、およびメチル4-(1-((S)-2-シクロブチル-2-((R)-2-メトキシ-2-フェニルアセトキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(1.0g、2.22mmol、13%)を白色固体として得た。LC/MS(方法I):m/z453[M+H]+(ES+)、8.13分、UV活性。
【0184】
ステップ(iv):水(5mL)およびMeOH(5mL)中のメチル4-(1-((R)-2-シクロブチル-2-((R)-2-メトキシ-2-フェニルアセトキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(2.6g、5.76mmol)の溶液に、K2CO3(1.19g、8.64mmol)を添加し、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水とEtOAcとの間で分配し、水性層をEtOAcで2回さらに抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮して、メチル(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(1.90g、6.27mmol、定量的)を灰白色固体として得た。LC/MS(方法D):m/z304[M+H]+(ES+)、1.52分、UV活性。キラルHPLC(方法K)を使用して、Rエナンチオマー(12.06分)およびSエナンチオマー(10.35分)の立体化学的配置を、キラルルートTにおいて(R)-2-シクロブチルグリシンを使用して合成された既知のRエナンチオマー(12.15分)との比較によって決定した。
【0185】
ステップ(v):メチル(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(1.9g、6.26mmol)を窒素雰囲気下0℃でDMF(10mL)中のNaH(鉱油中約60%、0.27g、6.89mmol)の撹拌懸濁液に添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、続いて、1-(ブロモメチル)-3-(ジフルオロメトキシ)ベンゼン(1.78g、7.54mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌し、その後、これを水とEtOAcとの間で分配した。水性層をEtOAcで2回さらに抽出した。合わせた有機物を乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。粗残渣を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から56%ACNで溶出して、メチル(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(2.1g、4.57mmol、73%)を灰白色固体として得た。LC/MS(方法D):m/z460[M+H]+(ES+)、2.27分、UV活性。
【0186】
ステップ(vi):ジオキサン(5mL)および水(3mL)中のメチル(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(2.0g、4.35mmol)の溶液に、LiOH一水和物(532mg、12.77mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、氷酢酸でpH約4に達するまで酸性化し、濃縮した。粗残渣を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から58%ACNで溶出して、実施例101、(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸(1.29g、2.90mmol、67%)を白色固体として得た。キラルHPLC(方法K)13.57分。データは表2にある。
ルートT
実施例101、(R)-4-(1-(2-シクロブチル-2-((3-(ジフルオロメトキシ)ベンジル)オキシ)アセトアミド)シクロプロピル)安息香酸の追加の代替的調製手順。
【0187】
【化46】
ルートSに示すステップi~iiおよびv~viに類似したステップi~ivを使用する、実施例101を調製する第3のルートを上記のスキームに示す。分光学的詳細は、ルートSにおいて生成された実施例101について示したものと一致していた。
中間体の一般的合成手順
ルート1
中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエートの調製手順
【0188】
【化47】
ステップ(i):DMF(170mL)中の(2R)-2-ヒドロキシ-3-メチル-ブタン酸(10.0g、84.7mmol)およびメチル(S)-4-(1-アミノエチル)ベンゾエート(16.7g、93.1mmol)の氷冷溶液に、EDC HCl(24.3g、127.0mmol)、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセテート(13.2g、93.1mmol)およびトリエチルアミン(29.5mL、211.6mmol)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、1M HCl、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで順次洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して、中間体1、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(12.8g、45.9mmol、収率54%)を橙色固体として得た。データは表3にある。
ルート2
中間体2、メチル4-((1S)-1-(2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート、および中間体3、メチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((メチルスルホニル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエートの調製手順
【0189】
【化48】
ステップ(i):DCM(100mL)中のメチル(S)-4-(1-アミノエチル)ベンゾエート(6.00g、33.5mmol)および2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(4.35g、36.8mmol)の溶液に、EDC HCl(9.62g、50.2mmol)およびHOBt(900mg、0.66mmol)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、トリエチルアミン(13.5mL、100.4mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、その後、これをDCMと飽和NaHCO
3水溶液との間で分配した。有機物を分離し、水性層をDCM(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、粗材料を水中のMeCN(0~26%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、メチル4-((1S)-1-(2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(6.50g、23.3mmol、収率70%)を白色固体として得た。データは表3にある。
【0190】
ステップ(ii):0℃のDCM(100mL)中のメチル4-((1S)-1-(2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)ベンゾエート(6.70g、24.0mmol)およびトリエチルアミン(3.52mL、26.40mmol)の溶液に、塩化メシル(1.8mL、24.0mmol)を滴下添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、その後、これを水とDCMとの間で分配した。有機物を分離し、水性層をDCMでさらに抽出した。合わせた有機物を1N HCl、次いで飽和NaHCO3水溶液で順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、メチル4-((1S)-1-(3-メチル-2-((メチルスルホニル)オキシ)ブタンアミド)エチル)ベンゾエート(7.50g、21,0mmol、収率88%)を白色固体として得た。データは表3にある。
ルート3
中間体4、(R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミドの調製手順
【0191】
【化49】
ステップ(i):1,4-ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル(S)-(1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバメート(1.00g、4.06mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン中の4N HCl(10mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、その後、これを減圧下で濃縮した。粗材料をEt
2O中の10%EtOAcから摩砕して、(S)-4-(1-アミノエチル)ベンゾニトリル塩酸塩(0.57g、3.13mmol、収率77%)を黄色固体として得た。(LC/MS方法D):m/z147[M+H-HCl]
+(ES
+)、0.75分、UV活性。
【0192】
ステップ(ii):MeCN(6mL)中の(R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(0.39g、3.29mmol)の溶液に、(S)-4-(1-アミノエチル)ベンゾニトリル塩酸塩(0.50g、2.74mmol)を添加し、続いて、HATU(1.56g、4.11mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、その後、これを0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.47mL、8.23mmol)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、粗材料を水中のMeCN(0~73%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、中間体4、(R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド(0.55g、2.24mmol、収率82%)を粘性褐色固体として得た。データは表3にある。
ルート4
中間体5、メチル(R)-4-(1-(2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエートの調製手順
【0193】
【化50】
ステップ(i):DMF(8.5mL)中の(2R)-2-ヒドロキシ-3-メチル-ブタン酸(200mg、1.69mmol)に、DIPEA(0.9mL、5.08mmol)およびHATU(775mg、2.03mmol)を添加し、続いて、メチル4-(1-アミノシクロプロピル)ベンゾエート(356mg、1.86mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、EtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(相分離器)、真空中で濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相)[勾配 イソヘキサン中の0~75%EtOAc]によって精製して、中間体5、メチル(R)-4-(1-(2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(212mg、0.73mmol、43%)を暗橙色固体として得た。データは表3にある。
ルート5
中間体22、4-(ブロモメチル)-1-(ジフルオロメチル)-2-フルオロベンゼンの調製手順
【0194】
【化51】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のMeOH(3mL)中の4-(ジフルオロメチル)-3-フルオロベンズアルデヒド(0.50g、2.87mmol)の溶液に、NaBH
4(0.21g、5.74mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮して、(4-(ジフルオロメチル)-3-フルオロフェニル)メタノール(0.47g、2.67mmol、収率93%)を無色液体として得た。
【0195】
【数1】
ステップ(ii):DCM(3mL)中の(4-(ジフルオロメチル)-3-フルオロフェニル)メタノール(0.25g、1.42mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(0.55g、2.13mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、テトラブロモメタン(0.71g、2.13mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、粗材料をヘキサン中のEtOAc(0%から18%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製して、中間体22、4-(ブロモメチル)-1-(ジフルオロメチル)-2-フルオロベンゼン(0.19g、0.80mmol、収率56%)を無色液体として得た。データは表3にある。
ルート6
中間体27、2-(ブロモメチル)-5-(ジフルオロメチル)ピリジンの調製手順
【0196】
【化52】
ステップ(i):窒素雰囲気下0℃のMeOH(3mL)中の5-(ジフルオロメチル)ピコリンアルデヒド(0.30g、1.91mmol)の溶液に、NaBH
4(0.14g、3.82mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、これをEtOAcと水との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮して、(5-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノール(0.30g、1.88mmol、収率99%)を無色液体として得た。(LC/MS方法D):m/z160[M+H]
+(ES
+)、0.95分、UV活性。
【0197】
ステップ(ii):0℃のDCM(3mL)中の三臭化リン(0.36mL、3.77mmol)の溶液に、(5-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メタノール(0.30g、1.88mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、これをEtOAcと飽和NaHCO3水溶液との間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、ヘキサン中のEtOAc(0%から40%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製して、中間体27、2-(ブロモメチル)-5-(ジフルオロメチル)ピリジン(0.17g、0.77mmol、収率41%)を黄色液体として得た。データは表3にある。
ルート7
中間体32、1-(ブロモメチル)-3-(エチルスルホニル)ベンゼンの調製手順
【0198】
【化53】
ステップ(i):DMSO(28mL)中の二亜硫酸カリウム(3.19g、18.3mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(2.58g、8.01mmol)、ギ酸ナトリウム(1.03g、15.3mmol)、酢酸パラジウム(II)(85mg、0.38mmol)、トリフェニルホスフィン(0.28g、1.06mmol)および1,10-フェナントロリン(0.178g、0.99mmol)の懸濁液を室温で15分間窒素ガスでパージした。メチル3-ヨードベンゾエート(2.00g、7.60mmol)を添加し、混合物をマイクロ波照射下で100℃に30分間加熱した。混合物を冷却し、ヨウ化エチル(1.00mL、12.4mmol)を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。混合物をEtOAcと水との間で分配し、有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、残渣を水中のMeCN(0~36%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、メチル3-(エチルスルホニル)ベンゾエート(1.00g、4.39mmol、収率57%)を淡黄色粘性液体として得た。(LC/MS方法H):m/z229[M+H]
+(ES
+)、6.98分、UV活性。
【0199】
ステップ(ii):窒素雰囲気下-78℃のTHF(10mL)中のメチル3-(エチルスルホニル)ベンゾエート(1.00g、4.39mmol)の溶液に、LiAlH4(THF中1M、6.50mL)を滴下添加した。混合物を同じ温度で2時間撹拌し、その後、これを飽和NH4Cl水溶液とEtOAcとの間で分配した。有機物を分離し、水性層をEtOAc(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、残渣を水中のMeCN(0~35%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18)によって精製して、(3-(エチルスルホニル)フェニル)メタノール(0.50g、2.49mmol、収率57%)を淡黄色粘性液体として得た。(LC/MS方法H):m/z218[M+H]+(ES+)、5.56分、UV活性。
【0200】
ステップ(iii):0℃のDCM(5mL)中の三臭化リン(0.48mL、4.99mmol)の溶液に、(3-(エチルスルホニル)フェニル)メタノール(0.50g、2.49mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、これをDCMと飽和NaHCO3水溶液との間で分配した。有機物を分離し、水性層をDCM(×2)でさらに抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、残渣をヘキサン中のEtOAc(0%から43%)の勾配下でフラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製して、中間体32、1-(ブロモメチル)-3-(エチルスルホニル)ベンゼン(0.24g、0.91mmol、収率38%)を無色粘性液体として得た。データは表3にある。
ルート8
中間体33、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)-2-メチルベンゾエートの調製手順
【0201】
【化54】
ステップ(i):メチル(S)-4-(1-アミノエチル)-2-メチルベンゾエート塩酸塩(0.15g、0.65mmol)および(R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(0.085g、0.72mmol)を室温でACN(2mL)に懸濁した。次いで、HATU(0.37g、0.98mmol)を0℃で添加し、15分間撹拌させた。この時間の後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.34mL、1.96mmol)を0℃で添加し、室温で2時間撹拌させた。反応混合物を水(15mL)とEtOAc(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2×15mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から60%ACNで溶出して、純粋な中間体33、メチル4-((S)-1-((R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)エチル)-2-メチルベンゾエート(0.16g、85%)を粘性油性黄色液体として得た。データは表3にある。
ルート9
中間体36、3-(オキセタン-3-イル)フェニル)メタノールの調製手順
【0202】
【化55】
ステップ(i):(3-(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(2.0g、11.07mmol)、3-ヨードオキセタン(4.07g、22.1mmol)およびK
2CO
3(4.58g、33.2mmol)を乾燥1,4-ジオキサン(10mL)に溶解した。アルゴンガスを室温で20分間混合物にパージし、次いで、Ni(NO
3)
2六水和物(0.161g、0.55mmol)および4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル(0.14g、0.55mmol)を添加し、反応混合物を80℃に4時間加熱した。次いで、反応混合物を水(250mL)とEtOAc(250mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2×150mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から46%ACNで溶出して、純粋なメチル3-(オキセタン-3-イル)ベンゾエート(0.58g、27%)を無色液体として得た。
【0203】
【数2】
ステップ(ii):LiAlH
4(THF中2M)(2.26mL、4.52mmol)を窒素雰囲気下-78℃で乾燥THF(8mL)中のメチル3-(オキセタン-3-イル)ベンゾエート(0.58g、3.01mmol)の溶液に滴下添加し、反応混合物を-78℃で1時間撹拌させた。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(3mL)でクエンチし、次いで、水(150mL)とEtOAc(50mL)との間で分配し、水性層をEtOAc(2×70mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空中で除去して、粗製の(3-(オキセタン-3-イル)フェニル)メタノール(0.43g、87%)を無色液体として得た。データは表3にある。
ルート10
中間体42、7-(クロロメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジンの調製手順
【0204】
【化56】
ステップ(i):塩化チオニル(0.2mL、3.03mmol)を窒素雰囲気下0℃でCHCl
3(4mL)中のイミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルメタノール(0.30g、2.02mmol)の溶液に添加し、次いで、室温で1時間撹拌させた。溶媒を真空中で除去し、粗材料をジエチルエーテル(3×10mL)での摩砕によって精製し、乾燥して、純粋な中間体42、7-(クロロメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(0.31g、92%)を褐色固体として得た。データは表3にある。
ルート11
中間体48、1-(ブロモメチル)-3-(シクロプロピルスルホニル)ベンゼンの調製手順
【0205】
【化57】
ステップ(i):二亜硫酸カリウム(3.19g、14.3mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(2.58g、8.01mmol)、ギ酸ナトリウム(1.04g、15.3mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.085g、0.38mmol)、トリフェニルホスフィン(0.28g、1.06mmol)および1,10-フェナントロリン(0.178g、0.99mmol)をDMSO(12mL)に懸濁し、室温で20分間窒素ガスでパージした。この時間の後、メチル3-ヨードベンゾエート(2.00g、7.63mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波中で100℃に30分間加熱した。次いで、1-クロロ-3-ヨードプロパン(1.00mL、9.31mmol)を室温で添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌させた。次いで、反応混合物を水(250mL)とEtOAc(250mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2×150mL)でさらに抽出し、合わせた有機層を合わせ、乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から57%ACNで溶出して、粗製のメチル3-((3-クロロプロピル)スルホニル)ベンゾエート(0.55g、26.00%)を褐色粘性液体として得た。(LC/MS方法H):m/z277[M+H]
+(ES
+)、8.00分、UV活性。
【0206】
ステップ(ii):メチル3-((3-クロロプロピル)スルホニル)ベンゾエート(0.70g、2.53mmol)を窒素雰囲気下室温でTHF(6mL)に溶解した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、カリウムtert-ブトキシド(0.31g、2.78mmol)を添加し、反応混合物を室温で2.5時間撹拌させた。次いで、反応混合物を水(150mL)とEtOAc(200mL)との間で分配した。水性層を1N HCl水溶液(2.0mL)で酸性化してpHを約3に調整し、水性層をEtOAc(2×150mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na2SO4)、溶媒を真空中で除去して、粗製の3-(シクロプロピル)スルホニル)安息香酸(0.52g、85%)を黄色固体として得た。(LC/MS方法H):m/z227[M+H]+(ES+)、6.86分、UV活性。
【0207】
ステップ(iii):3-(シクロプロピルスルホニル)安息香酸(0.50g、2.21mmol)を窒素雰囲気下室温で乾燥THF(5mL)に溶解した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、BH3.DMS(0.52mL、5.53mmol)を0℃で滴下添加し、次いで、反応混合物を室温で16時間撹拌させた。次いで、反応混合物をMeOH(10mL)で希釈した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から68%ACNで溶出して、(3-(シクロプロピルスルホニル)フェニル)メタノール(0.17g、36%)を黄色粘性液体として得た。(LC/MS方法H):m/z213[M+H]+(ES+)、5.96分、UV活性。
【0208】
ステップ(iv):三臭化リン(0.14mL、1.44mmol)を0℃でジクロロメタン(1mL)に溶解し、0℃でDCM(1mL)中の(3-(シクロプロピルスルホニル)フェニル)メタノール(0.153g、0.72mmol)の溶液で滴下処理し、次いで、反応混合物を室温で0.5時間撹拌させた。次いで、反応混合物を飽和NaHCO3溶液(10mL)でpH約8に塩基性化し、水(40mL)とDCM(40mL)との間で分配した。水性層をDCM(2×20mL)でさらに抽出し、有機層を合わせ、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を真空中で除去して、粗製の1-(ブロモメチル)-3-(シクロプロピルスルホニル)ベンゼン(0.09g、46%)を無色液体として得た。データは表3にある。
ルート12
中間体50、(R)-N-(1-(4-シアノフェニル)シクロプロピル)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミドの調製手順
【0209】
【化58】
ステップ(i):1-(4-クロロフェニル)シクロプロパン-1-カルボン酸(55.0g、0.281モル)およびトリエチルアミン(77.75mL、0.561モル)を室温でトルエン(250mL)に溶解した。この後、ジフェニルホスホリルアジド(66.51mL、0.309モル)およびtert-ブタノール(133.13mL、1.403モル)を添加し、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(1000mL)とDCM(600mL)との間で分配した。水性層をDCM(2×400mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製し、生成物をヘキサン中の0%から10%EtOAcで溶出して、tert-ブチル(1-(4-クロロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(60.0g、80%)を灰白色固体として得た。(LC/MS方法D):m/z168.07(ES+、M-100)、2.18分。
【0210】
ステップ(ii):tert-ブチル(1-(4-クロロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(20.00g、74.87ミリモル)およびシアン化亜鉛(13.18g、112.31ミリモル)をジオキサン(45mL)に懸濁し、窒素ガスを室温で30分間パージした。この後、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(3.82g、7.48ミリモル)を室温で添加し、反応混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(1000mL)とEtOAc(700mL)との間で分配し、水性層をEtOAc(2×300mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(順相、シリカ)によって精製し、生成物をヘキサン中の0%から15%EtOAcで溶出して、純粋なtert-ブチル(1-(4-シアノフェニル)シクロプロピル)カルバメート(11.4g、58.98%)を褐色固体として得た。注:2つの分割されたバッチにおいて10g規模で反応を行った。(LC/MS方法D):m/z159(ES-100)、1.85分。
【0211】
ステップ(iii):tert-ブチル(1-(4-シアノフェニル)シクロプロピル)カルバメート(3.00g、11.62ミリモル)を窒素雰囲気下でジオキサン(10mL)に溶解した。これに、ジオキサン中の4N HCl(30mL)を室温で添加し、室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗材料をジエチルエーテル(20mL)での摩砕によって精製して、4-(1-アミノシクロプロピル)ベンゾニトリル塩酸塩(2.10g、93%)を白色固体として得た。(LC/MS方法H):m/z159(ES+)、0.73分。
【0212】
ステップ(iv):(R)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(1.53g、12.98ミリモル)をACN(20mL)に溶解し、4-(1-アミノシクロプロピル)ベンゾニトリル塩酸塩(2.10g、10.82ミリモル)を室温で反応混合物に添加した。この後、HATU(6.17g、16.23ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌させた。この後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.64mL、32.46ミリモル)を0℃で添加し、室温で1時間撹拌させた。反応混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得、これを逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相、C18シリカ)によって精製し、生成物を水中の0%から61%ACNで溶出して、(R)-N-(1-(4-シアノフェニル)シクロプロピル)-2-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド中間体50(1.80g、64.%)を褐色固体として得た。データは表3にある。
ルート13
中間体58、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエートの調製手順。
【0213】
【化59】
ステップ(i):メチル4-(1-アミノシクロプロピル)ベンゾエート(1.45g、7.61mmol)、2-シクロブチル-2-ヒドロキシ-酢酸(900mg、6.92mmol)、EDC(2.0g、10.37mmol)およびHOBt一水和物(93mg、0.69mmol)をDCM(21.0mL)に溶解し、その後、反応混合物を室温で10分間撹拌した。トリエチルアミン(2.4mL、17.29mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を水とEtOAcとの間で分配し、有機物を分離し、1M HCl(水溶液)、飽和NaHCO
3(水溶液)およびブラインで洗浄した。有機物を分離し、疎水性フリットの通過によって乾燥し、濃縮して、中間体58、メチル4-(1-(2-シクロブチル-2-ヒドロキシアセトアミド)シクロプロピル)ベンゾエート(1.5g、4.85mmol、70%)を淡褐色固体として得た。この材料をさらに精製することなく使用した。データは表3にある。
【0214】
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【表3-3】
生物学的活性
クローニング、バキュロウイルス生成、HEK293細胞の大規模感染および膜調製:ヒトプロスタグランジンE2受容体4(EP4)をpBacMam発現ベクター(GeneScript、英国)にクローニングした。InvitrogenのBac-to-Bacバキュロウイルス発現系を使用してEP4 DNAの転位を実施した。Cellfectin IIトランスフェクション試薬(ThermoFisher Scientific、英国、カタログ番号10362-100)を使用してSF9細胞にバクミドDNAをトランスフェクトすることによって、P0バキュロウイルスを生成した。P0生成に続いて、次いで、大規模感染および膜調製の準備ができたP1ウイルスを生成した。HEK293細胞を、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)を補充したDMEM+Glutamax中で成長させた。細胞を500cm
3フラスコ中に350万細胞/mLの播種密度で5v/v%のEP4 Bacmanで感染させた。37℃で36時間にわたって5%CO
2で発現を行った。PBSおよび細胞スクラッパー(scrapper)を使用して細胞を取り出した。細胞培養物を4℃で10分間2500RPMで遠心分離した。次いで、上清を注ぎ出し、ペレットを-80℃で保存した。ペレットを解凍し、15mLのホモジナイズ緩衝液(20mM HEPES、10mM EDTA、pH7.4)に再懸濁した。次いで、機械式ホモジナイザー(VMR)において10秒間ホモジナイズした。膜を4℃で15分間遠心分離管において40,000gで遠心分離した。上清を注ぎ捨て、15mLのホモジナイズ緩衝液に再懸濁した。20秒間ホモジナイズした。膜を4℃で45分間40,000gで遠心分離した。膜を3mLの保存緩衝液(20mM HEPES、0.1mM EDTA、pH7.4)に十分に混合しながら再懸濁した。次いで、得られた膜を-80℃で保存した。
【0232】
cAMP Gs機能アッセイ:EP4受容体活性化に続くcAMP産生を、Homogeneous Time-Resolved Fluorescence(HTRF)cAMP dynamic-2アッセイ(Cisbio、フランス)を使用して決定した。HEK293細胞に0.5%EP4 Bacmanウイルスを使用して36時間トランスフェクトした後、細胞を解離させ、150℃で凍結させた。
【0233】
試験の日に、漸増濃度の試験化合物を、陽性対照(1uM ONO-AE3-208)および陰性対照(DMSO(Sigma-Aldrich、英国)と共に、ECHO分注を使用してProxiPlate-384 Plus、白色384浅型ウェルマイクロプレート(Mircoplate)、(PerkinElmer、米国)に添加した。
【0234】
細胞を水浴中で解凍し、10%FBSを補充したDMEMに再懸濁した後、5分間1200RPMで遠心分離して、ペレットを形成した。ペレットをアッセイ緩衝液(DMEM+0.5mM IBMX(Tocris、Abingdon、英国、カタログ番号2845))に1×106細胞/mLまで再懸濁した。細胞懸濁液を、5000細胞/ウェルの最終アッセイ濃度になるように、マルチドロップを使用して分注済みアッセイプレートに添加した。次いで、プレートを37℃で30分間、5%CO2でインキュベートした。インキュベート後、EC80濃度(7nM)のPGE2(EP4アゴニスト)をプレートに添加した。並行して、PGE2用量-応答曲線は、別個のプレートに分注した。次いで、アッセイ緩衝液を上に分注した。cAMP産生を製造業者の指示のとおり決定した後、プレートをPheraStar蛍光プレートリーダー(BMG LabTech、ドイツ)で読み取った。
【0235】
修正Cheng Prussoff式(式中、Kd=アゴニストEC50であり、Lhot=アゴニストチャレンジ濃度である)を使用して、pIC50を機能的pKb値に変換した;
【0236】
【0237】