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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】浅水のための海中用淡水化システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20230101AFI20240920BHJP
   B01D 61/06 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C02F1/44 G
B01D61/06
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022553646
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 NO2021050062
(87)【国際公開番号】W WO2021182971
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】20200296
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】522353130
【氏名又は名称】ウォータライズ アクシェセルスカープ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タイェビ、ダボウド
(72)【発明者】
【氏名】イェルンスレッテン、ヨー
(72)【発明者】
【氏名】オムベルグ、トム グンナー
(72)【発明者】
【氏名】ハナ、モルテン
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0290032(US,A1)
【文献】特開昭55-099379(JP,A)
【文献】特開昭56-053788(JP,A)
【文献】特表2010-517772(JP,A)
【文献】特開2001-046842(JP,A)
【文献】特開昭58-210803(JP,A)
【文献】特開昭63-252505(JP,A)
【文献】特開2015-134327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D53/22、61/00-71/82
C02F1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浅水用の淡水化システムであって、
海底上に配置されるように構成される海中用の淡水化テンプレート(20)であって、少なくとも1つの逆浸透(RO)モジュールゾーン(23)と、少なくとも1つのROモジュール接続部(24)と、前記少なくとも1つのROモジュール接続部(24)と流体接続する淡水化テンプレート配管(27)とを含む、海中用の淡水化テンプレート(20)と、
前記海中用の淡水化テンプレート(20)の少なくとも1つのROモジュールゾーン(23)内に配置されるように構成される、少なくとも1つの回収可能な海中用のROモジュール(4)であって、前記少なくとも1つの回収可能な海中用のROモジュール(4)が、前記少なくとも1つのROモジュール接続部(24)に接続されるように構成されるROテンプレート接続部(36)と、前記ROテンプレート接続部(36)と流体接続する少なくとも1つのROカートリッジアセンブリ(3)とを含む、少なくとも1つの回収可能な海中用のROモジュール(4)と、
入口と、前記少なくとも1つのROカートリッジアセンブリ(3)の海水入口側と流体接続するように構成される出口とを有し、海水圧を静水圧からROカートリッジアセンブリ(3)に必要な浸透圧を超える圧力に昇圧させるように構成された少なくとも1つの海水用の昇圧ポンプアセンブリ(1)と、
前記少なくとも1つの海水用の昇圧ポンプアセンブリ(1)を含む、少なくとも1つの回収可能な海中用の昇圧モジュール(2)と、
前記少なくとも1つの回収可能な海中用の昇圧モジュール(2)上の少なくとも1つの昇圧モジュールテンプレート接続部(34)であって、昇圧モジュールゾーン(21)を有するテンプレート上の昇圧モジュール接続部(22)に接続されるように構成される、少なくとも1つの昇圧モジュールテンプレート接続部(34)と、
前記少なくとも1つの回収可能な海中用のROモジュール(4)から海面より上の位置に、淡水化水を搬送するように構成される、少なくとも1つの淡水化水路(43)と、
前記少なくとも1つの回収可能な海中用のROモジュール(4)の保持液側と流体接続し、ROカートリッジアセンブリ(3)に十分な逆圧を与えるように構成された圧力調整器(11)と
を備える、浅水用の淡水化システム。
【請求項2】
前記昇圧モジュールゾーン(21)を有する前記テンプレートは、前記淡水化テンプレート(20)である、
請求項1記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項3】
前記回収可能な海中用のROモジュール(4)における前記少なくとも1つのROカートリッジアセンブリ(3)の淡水化水側と流体接続する、少なくとも1つの淡水化水の輸送ポンプアセンブリ(5)をさらに含む、
請求項1記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの海水用の昇圧ポンプアセンブリ(1)および前記少なくとも1つの淡水化水の輸送ポンプアセンブリ(5)は、前記昇圧モジュール(2)内に配置される、
請求項3記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの淡水化水の輸送ポンプアセンブリ(5)は、回収可能な海中用の淡水化水の輸送モジュール(6)内に配置され、
回収可能な輸送モジュール(6)は、淡水化水の輸送モジュールゾーン(25)内に配置されるように構成される、
請求項3記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項6】
前記圧力調整器(11)は、エネルギー回収アセンブリ(9)を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項7】
前記エネルギー回収アセンブリ(9)は、別個の回収可能なエネルギー回収モジュール(10)内に配置される、
請求項6記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項8】
前記エネルギー回収アセンブリ(9)は、タービンと、発電機、および、伝達による昇圧ポンプまたは輸送ポンプとの機械的接続部のうちの1つと、を有するタービン集合体とを含む、
請求項6または7記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項9】
前記淡水化テンプレート(20)上の少なくとも1つの制御モジュールゾーン(39)内に配置される、少なくとも1つの回収可能な制御モジュール(86)をさらに含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項10】
前記昇圧ポンプアセンブリ(1)の上流の回収可能なプレフィルタモジュール(8)内に、プレフィルタアセンブリ(7)をさらに含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項11】
前記回収可能なプレフィルタモジュール(8)は、フィルタ(17)を含み、前記海中用の淡水化テンプレート(20)から離れた別個のポンプテンプレート(64)上に配置され、
前記昇圧モジュール(2)は、前記淡水化テンプレート(20)の上流の、前記淡水化テンプレート(20)と流体接続する前記ポンプテンプレート(64)上に配置される、
請求項10記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項12】
前記海中用の淡水化テンプレート(20)から離れており、少なくとも1つの前記輸送モジュール(6)を有する少なくとも1つの別個のポンプテンプレート(64)が、少なくとも1つの海中用の前記淡水化テンプレート(20)の下流側に配置され、淡水化水入口および淡水化水出口を含み、それにより、少なくとも1つの前記輸送モジュール(6)を有する前記別個のポンプテンプレート(64)は、前記淡水化テンプレート(20)から前記淡水化水を搬送するように構成される、
請求項5記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項13】
海底アンカ要素(30)に固定される常設海底基盤(85)をさらに含み、
複数の海中用のテンプレートのいずれかが、前記常設海底基盤(85)の上部上に配置されるように構成される、
請求項1~12のいずれか1項に記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項14】
複数の海中用のテンプレートのいずれかは、前記淡水化水路(43)および濃縮海水出口(44)と流体接続する、さらなる基礎テンプレート(80)上に配置されるように構成される、
請求項1記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項15】
海中用の前記さらなる基礎テンプレート(80)は、常設海底基盤(85)の上部上に配置されるように構成される、
請求項14記載の浅水用の淡水化システム。
【請求項16】
請求項1記載の淡水化システムのための海中用の淡水化昇圧モジュール()であって、
入口と、少なくとも1つのROカートリッジアセンブリ(3)の海水入口側と流体接続するように構成される出口とを有する、少なくとも1つの海水用の昇圧ポンプアセンブリ(1)と、
前記少なくとも1つの回収可能な海中用の昇圧モジュール(2)上の少なくとも1つの昇圧モジュールテンプレート接続部(34)であって、昇圧モジュールゾーン(21)を有するテンプレート上の昇圧モジュール接続部(22)に接続されるように構成される、少なくとも1つの昇圧モジュールテンプレート接続部(34)と
を備える、海中用の淡水化昇圧モジュール()。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆浸透(RO)膜を介して海水を通すのに必要な深さよりも小さい水深における海底上に配置されるように構成される海中用淡水化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
海中の海水の浅水用淡水化システムは、モジュール式の海中用淡水化システムとして設計され得る。当該システムは、静水圧から、浸透圧を超える圧力に昇圧させるための昇圧ポンプを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
逆浸透(RO)膜は、静水圧が逆浸透(RO)膜を介して海水を通すことを可能にする浸透圧(π)よりも大きい静水圧を与える水深において、浸漬した状態で、配置され得る。この水深は、通常、300mよりも大きい。しかし、真水を必要とする多くの場所においてはそれほど深くなく、そうした地域において淡水化システムを提供することが本発明の目的である。本開示に関連して、「浅」との語は、逆浸透に必要な十分な静水圧を与える深さよりも小さい水深を表すことが意図されている。
【0004】
淡水化水は、通常、不動産価格が高いか、または土地へのアクセスが限られている高人口密度地域において必要である。本発明の目的は、土地が事実上、必要でない場所において、海水用淡水化システムを提供することである。
【0005】
複数の逆浸透(RO)膜は、圧力が昇圧するという前提で、浸透圧(π)よりも小さい静水圧を与える水深において、海水中に配置され得る。水深は、通常、285mよりも小さい。静水圧よりも大きい圧力、および昇圧した圧力の組み合わせは、淡水化プロセスにおいて使用され、複数のRO膜に水分子を押し通し得る。複数のRO膜を介して、昇圧した圧力を与えるポンプは、複数のRO膜の上流に配置され、よって、海水の全流量を汲み出す。圧力調整装置は、所望のレベルにシステム内の圧力を維持する。
【0006】
複数のRO膜に海水の一部を押し込むために使用されるエネルギーは、より小さなエネルギーを消費するシステムを提供するために再生させる場合があり、エネルギーは、直接、システム内の複数のポンプの1つと、再生器との間の機械的接続によるか、または、発電機を有する再生器を含む電気システムにより、再生させられ得る。
【0007】
本発明は、上記原理に基づく。本発明の淡水化システムは、海底上で指定される水深に配置されるように構成される。昇圧ポンプは、複数のRO膜のアレイを介して海水の流れを生じさせる。複数のRO膜からの保持液(retentate)(高塩分濃度濃縮海水)は、圧力調整装置により、局所的に排出される。
【0008】
透過水(淡水化水)は、輸送ポンプにより、淡水化水の受水設備に汲み出され得る。輸送ポンプは、輸送ポンプの入口圧力を減少させる圧力差を発生させ、よって、複数のRO膜の透過圧は、輸送ポンプの入口圧力に等しくなる。これは、逆浸透を発生させるための、複数のRO膜にわたる必要な差圧を与える。この装置により、海水は、昇圧ポンプから加えられる圧力と組み合わさる、取り囲む海水中に存在する静水圧を利用して淡水化され得る。
【0009】
代替的な実施形態では、昇圧ポンプが、ROモジュールを介して海水を汲み出し、さらに海面より上の位置へ淡水化水を汲み出すのに十分な圧力を発生させる場合、輸送ポンプは除外され得る。しかし、この解決策は、あまり好ましくないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、よって、浅水用淡水化システムに関する。当該システムは、海底上に配置されるように構成される、海中用淡水化テンプレートであって、少なくとも1つのROモジュールゾーンと、少なくとも1つのROモジュール接続部と、少なくとも1つのROモジュール接続部と流体接続する淡水化テンプレート配管とを含む、海中用淡水化テンプレートと、海中用淡水化テンプレートの少なくとも1つのROモジュールゾーン内に配置されるように構成される、少なくとも1つの回収可能な海中用ROモジュールであって、少なくとも1つの回収可能な海中用ROモジュールが、少なくとも1つのROモジュール接続部に接続されるように構成されるROテンプレート接続部と、ROテンプレート接続部と流体接続する少なくとも1つのROカートリッジアセンブリとを含む、少なくとも1つの回収可能な海中用ROモジュールとを含む。少なくとも1つの海水用昇圧ポンプアセンブリは、海水入口と、少なくとも1つのROカートリッジアセンブリの海水入口側と流体接続するように構成される、海水出口とを含む。海中用昇圧モジュールは、少なくとも1つの海水用昇圧ポンプアセンブリを含む。少なくとも1つの昇圧モジュールテンプレート接続部は、少なくとも1つの回収可能な海中用昇圧モジュール上に配置され、昇圧モジュールゾーンを有するテンプレート上の昇圧モジュール接続部に接続されるように構成される。少なくとも1つの淡水化水路は、少なくとも1つの回収可能な海中用ROモジュールから海面より上の位置に、淡水化水を搬送するように構成される。圧力調整器は、少なくとも1つの回収可能な海中用ROモジュールの保持液側と流体接続し、ROモジュールに十分な逆圧を与える。
【0011】
昇圧モジュールゾーンを有するテンプレートは、淡水化テンプレートであり得る。
【0012】
浅水用淡水化システムは、回収可能な海中用ROモジュールにおける少なくとも1つのROカートリッジアセンブリの淡水化水側と流体接続する、少なくとも1つの淡水化水の輸送ポンプアセンブリをさらに含み得る。
【0013】
少なくとも1つの海水用昇圧ポンプアセンブリおよび少なくとも1つの淡水化水の輸送ポンプアセンブリは、昇圧モジュール内に配置され得る。
【0014】
少なくとも1つの淡水化水の輸送ポンプアセンブリは、回収可能な海中用淡水化水の輸送モジュール内に配置される場合があり、回収可能な輸送モジュールは、淡水化水の輸送モジュールゾーン内に配置されるように構成される場合がある。
【0015】
圧力調整器は、エネルギー回収アセンブリを含み得る。
【0016】
エネルギー回収アセンブリは、別個の回収可能なエネルギー回収モジュール内に配置され得る。
【0017】
エネルギー回収アセンブリは、タービンと、発電機、および、伝達による昇圧ポンプまたは輸送ポンプとの機械的接続部のうちの1つと、を有するタービン集合体とを含み得る。
【0018】
浅水用淡水化システムは、淡水化テンプレート上の少なくとも1つの制御モジュールゾーン内に配置される、少なくとも1つの回収可能な制御モジュールをさらに含み得る。
【0019】
浅水用淡水化システムは、昇圧ポンプアセンブリの上流の回収可能なプレフィルタモジュール内に、プレフィルタアセンブリをさらに含み得る。
【0020】
回収可能なプレフィルタモジュールは、フィルタを含み、別個の海中用の淡水化テンプレートから離れた別個のポンプテンプレート上に配置される場合があり、昇圧モジュールは、淡水化テンプレートの上流の、淡水化テンプレートと流体接続する、海中用の淡水化テンプレートから離れた別個のポンプテンプレート上に配置される場合がある。
【0021】
少なくとも1つの輸送モジュールを有する少なくとも1つの別個の輸送モジュールテンプレートが、少なくとも1つの海中用淡水化テンプレートの下流側に配置される場合があり、淡水化水入口および淡水化水出口を含む場合があり、それにより、少なくとも1つの輸送モジュールを有する別個のポンプテンプレートが、淡水化テンプレートから淡水化水を搬送するように構成される。
【0022】
少なくとも1つの輸送モジュールを有する少なくとも1つの別個のポンプテンプレートが、少なくとも1つの海中用淡水化テンプレートの下流側に配置される場合があり、淡水化水入口および淡水化水出口を含む場合があり、それにより、少なくとも1つの輸送モジュールを有する別個のポンプテンプレートは、淡水化テンプレートから淡水化水を搬送するように構成される。
【0023】
浅水用淡水化システムは、海底アンカ要素に固定される常設海底基盤をさらに含む場合があり、この場合、複数の海中用テンプレートのいずれかが、常設海底基盤の上部上に配置されるように構成される。
【0024】
複数の海中用テンプレートは、輸送モジュールテンプレート、昇圧モジュールテンプレート、淡水化テンプレート、フィルタリングテンプレート、または回収可能なモジュールの任意の組み合わせを有する任意のテンプレートを含む。
【0025】
複数の海中用テンプレートのいずれかは、淡水化水管路および濃縮海水出口と流体接続する、さらなる基礎テンプレート上に配置されるように構成され得る。
【0026】
さらなる海中用基礎テンプレートは、常設海底基盤の上部上に配置されるように構成され得る。
【0027】
さらに、本発明は、上述のような淡水化システムのための海中用淡水化昇圧モジュールに関する。当該海中用淡水化昇圧モジュールは、入口と、少なくとも1つのROカートリッジアセンブリの海水入口側と流体接続するように構成される出口とを有する、少なくとも1つの海水用昇圧ポンプアセンブリを含む。少なくとも1つの回収可能な海中用昇圧モジュール上の少なくとも1つの昇圧モジュールテンプレート接続部は、昇圧モジュールゾーンを有するテンプレート上の昇圧モジュール接続部に接続されるように構成される。
【0028】
上述のような海中用淡水化システム上に設置される、使用される海中ROモジュールを交換する方法も開示される。当該方法は、使用される海中ROモジュールが、定期的に予定される間隔、またはパラメータ群、すなわち、淡水化水流量、海中ROモジュールにわたる水圧降下、および淡水化水塩分から選択されるパラメータに基づく整備を必要とすることを明確化する工程を含む。次いで、海中用淡水化システムの上に、船が設けられる。海中用淡水化モジュール吊り上げ手段が、使用される海中ROモジュール上に降ろされる。海中用淡水化モジュール吊り上げ手段は、使用される海中ROモジュールに固定される。使用される海中ROモジュールは、海中淡水化テンプレートから解放される。海中用淡水化モジュール吊り上げ手段および使用される海中用淡水化モジュールは、船上に吊り上げられる。海中用淡水化モジュール吊り上げ手段および交換海中用淡水化モジュールは、海中淡水化テンプレート上に降ろされる。交換海中ROモジュールは海中淡水化テンプレートに固定され、および、海中用淡水化モジュール吊り上げ手段は交換海中用淡水化モジュールから解放される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の概略図である。
図2】本発明の一実施形態の概略側面図である。
図3】本発明の別の実施形態の概略側面図である。
図4】本発明の概略側面図である。
図5a】本発明の一実施形態の上面図である。
図5b】本発明の別の実施形態の上面図である。
図6】海底上の、本発明の海中用淡水化システムの一部の設置の第1の工程の概略図である。
図7図6において開始される設置の第2の工程の概略図である。
図8】本発明の設置される海中用淡水化システムの概略図である。
図9】本発明の完全な海中用淡水化システムの設置の第1の工程の概略図である。
図10】12の淡水化システムテンプレートを有する、本発明の海中用淡水化システムの概略図である。
図11】3つのテンプレートを有する、図10の詳細を示す。
図12】別個のポンプテンプレートを有する、本発明の淡水化システムの代替的な構成の概略図である。
図13】浮体式淡水化水受水設備を有する、代替的な実施形態における淡水化システムの概略図である。
図14】モジュール交換工程中の、図13の実施形態を示す。
図15】浮体式動力発生ユニットをさらに含む、図13の実施形態を示す。
図16】テンプレートに対する遠隔位置における海水入口を有する、本発明の代替的な実施形態を示す。
図17】テンプレートの上の遠隔位置における海水入口を有する、本発明の代替的な実施形態を示す。
図18】海水用淡水化テンプレートと別個の淡水化水輸送ポンプテンプレートを有する、本発明の代替的な実施形態を示す。
図19】本発明の淡水化システムの淡水化ROモジュールの詳細を示す。
図20】本発明の淡水化システムの代替的な淡水化ROモジュールの詳細を示す。
図21】常設海底基盤上のテンプレート、およびモジュール間のジャンパを有する、海中用淡水化システムの概略図である。
図22】常設海底基盤上に配置される基礎テンプレート上の淡水化テンプレートおよびポンプテンプレートを有する海中用淡水化システムの概略図である。
図23】常設海底基盤上に配置される淡水化テンプレートを有する海中用淡水化システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図を参照し、本発明の複数の実施形態を詳細に説明する。図1は、海底40上の淡水化テンプレート20を有する、本発明の実施形態を示している。回収可能(retrievable)な淡水化ROモジュール4は、淡水化テンプレート20上の専用の淡水化モジュールゾーン内に配置されている。濃縮海水路19は、淡水化ROモジュールの海水側と流体接続しており、濃縮海水出口44を含んでいる。濃縮海水出口44は、濃縮海水が海水入口に入ることを防止するために、海水入口から任意の距離をおいて配置されている。海水入口路45は、海中淡水化テンプレート20上の海水入口47に接続されている。淡水化水管路43を介して淡水化テンプレート20に接続される陸上淡水化水受水設備42は、完全な淡水化プラントと比較して、小さい設置面積(footprint)を必要とする。
【0031】
1つまたは複数の海水用プレフィルタモジュール8を有する別個のプレフィルタテンプレート46上にプレフィルタを有する別個の海水用プレフィルタステーションに接続される入口路45は、海水入口を有するプレフィルタテンプレートステーションを形成している。1つまたは複数のプレフィルタモジュール8は、1つまたは複数の入口/プレフィルタアセンブリを含んでいる。海中用テンプレート20内の下流昇圧モジュール2は、ROモジュール4を介して海水を供給する。プレフィルタステーションは、淡水化テンプレート20から離れる方向に別個の構造を形成する別個のプレフィルタテンプレート46のプレフィルタ上に海水入口を有する入口ユニットである。海水は、それがROモジュール4に入る前に、前ろ過または前処理用のフィルタリングステーションを通って流れる。各プレフィルタアセンブリは、異なる特性を有する1つまたは複数のフィルタを含み得る。
【0032】
淡水化テンプレート20上の昇圧モジュール2内の昇圧ポンプアセンブリは、浸透圧まで海水圧を増加させる。昇圧モジュール2はさらに、淡水化システム用循環ポンプとして動作し、濃縮海水カップリング29内の淡水化テンプレート20に接続される濃縮海水路19の端における濃縮海水出口44を介する濃縮海水の排出を可能にする。
【0033】
輸送モジュール6内の輸送ポンプアセンブリは、淡水化水を、カップリング28を通し、淡水化水路43を通して、海面41の上に配置される淡水化水受水設備へ汲み出す。
【0034】
すべてのモジュールは、回収可能および交換可能である。
【0035】
図2は、本発明のモジュール式の海中用淡水化システムの概略図である。モジュール式の海中用淡水化システムは、海底アンカ要素30を有するテンプレート20上に配置されている。別個の海水用プレフィルタアセンブリ7は、プレフィルタモジュール8内に配置されており、ろ過済海水を昇圧モジュール2内の昇圧ポンプアセンブリへ供給する。プレフィルタモジュール8は、テンプレート20上か、または、図1に示すように別の位置において配置され得る。
【0036】
図2中の昇圧ポンプアセンブリ1は、通常、海水ポンプ、当該海水ポンプを駆動させる電動機、ならびに種々の制御システムおよびセンサーを含んでいる。プレフィルタモジュール8からのろ過済海水路用海水入口は、昇圧モジュール2と液体接続している。昇圧モジュール2は、昇圧モジュールゾーン21内に配置されており、加圧海水を、(昇圧モジュール2上の)昇圧ポンプテンプレート接続34を通し、(淡水化テンプレート20上の)昇圧モジュール接続部22を通して、淡水化テンプレート20内/上の淡水化テンプレートダクトまたは配管27に供給する。昇圧ポンプにより供給される圧力は、システムが設計される深さに依存する。同様に、圧力調整器11により与えられる逆圧は、設計深さおよび昇圧ポンプに適合される。圧力調整器11は、可変であってもよいか、または、固定の逆圧を与えてもよい。
【0037】
モジュールゾーン21、23、25内の接続部22、24、26は、通常、流体カップリングであるが、モジュール間の動力および制御用電気的カップリングであって、通常、淡水化水受水設備42(図1)と接続される、海面より上の制御および動力ユニットからの動力および制御用電気的カップリングを含んでいてもよい。
【0038】
ROモジュール4は、ROカートリッジアセンブリ3内の1つまたは複数のROカートリッジを含んでいる。ROモジュール4は、ROモジュールゾーン23内に配置されており、ろ過済加圧海水を、昇圧モジュール2および淡水化テンプレートダクトまたは配管27から、(ROモジュール4上の)ROモジュールテンプレート接続部36を通し、淡水化テンプレート20上のROモジュール接続部24を通して受容する。ROモジュール接続部24はさらに、淡水化水がROモジュール4から流れ、淡水化テンプレートダクトまたは配管27内に流れることを可能にする。ROモジュール接続部24は、濃縮海水がROモジュール4から流れ、淡水化テンプレートダクトまたは配管27内、および、圧力調整器11内に流れることを可能にする。
【0039】
輸送モジュール6は、ポンプアセンブリ5を含んでいる。ポンプアセンブリ5は、通常、淡水化水ポンプ、上記淡水化水ポンプを駆動させる電動機、ならびに、種々の制御システムおよびセンサーを含んでいる。輸送モジュール6は、輸送モジュールゾーン25内に配置されており、加圧淡水化水を、(輸送モジュール6上の)輸送ポンプテンプレート接続部38を通し、淡水化テンプレート20上の輸送モジュール接続部26を通して、淡水化水路カップリング28に供給する。輸送モジュール接続部26はさらに、淡水化水が、淡水化テンプレートダクトまたは配管27から流れ、輸送モジュール6内に流れることを可能にする。
【0040】
圧力調整器11は、ROカートリッジアセンブリ3内の浸透圧を維持し、淡水化テンプレートダクトまたは配管27と、濃縮海水カップリング29とに接続される。
【0041】
図3は、図2のシステムに対応する、本発明のモジュール式の海中用淡水化システムの概略図である。さらに、図3は、エネルギー回収モジュール10内の圧力調整器11として機能するエネルギー回収アセンブリ(energy recovery assembly)9を含んでいる。エネルギー回収モジュール10は、濃縮海水カップリング29からの加圧された濃縮海水の流れを受容する。昇圧した圧力の流路31は、昇圧ポンプアセンブリ1から、昇圧モジュール2を通り、昇圧モジュール接続部22を通り、海中用テンプレート配管27を通り、ROモジュール接続部24を通り、カートリッジアセンブリの海水側32を通り、ROモジュール4を通り、ROモジュール接続部24を通って戻り、海中用テンプレート配管27内に、濃縮海水カップリング29を通って外に、および、好適なダクト/配管を通って、エネルギー回収アセンブリ9を有するエネルギー回収モジュール10内に延在しており、その後、濃縮海水は、取り囲む海水へ排出される。
【0042】
エネルギー回収アセンブリ9は、通常、タービンおよび発電機を有するタービン集合体である。代替的に、タービン集合体は、昇圧ポンプまたは輸送ポンプへの伝達により、機械的に(または油圧的に)接続されてもよい。
【0043】
タービンは、ROカートリッジアセンブリ3内の複数のRO膜にわたる浸透圧を与えるのに十分な逆圧を与える必要がある。
【0044】
エネルギー回収アセンブリ9は、逆圧が、常に、複数のRO膜にわたる浸透圧を与えるのに十分であることを保証するために、圧力調整器11をも含み得る。
【0045】
ROモジュール4内のROカートリッジアセンブリ3からの淡水化水は、輸送モジュール6にダクト27を介してモジュール接続部24を通って流れる。淡水化水は、水路カップリング28を通り、水路を通して、受水設備へ汲み出される。昇圧モジュールテンプレート接続部34は、昇圧ポンプを有するモジュールをテンプレートと接続し、動力、制御、水入口、および水出口用の接続を含んでもいてもよく、昇圧モジュール接続部22に接続される。同様に、ROモジュールテンプレート接続部36は、ROモジュールをテンプレートと接続し、動力、制御、水入口、水出口用の接続を含んでいてもよく、ROモジュール接続部24に接続される。最後に、輸送モジュールテンプレート接続部38は、輸送モジュールをテンプレートと接続し、および、動力、制御、水入口、水出口用の接続を含んでいてもよく、輸送モジュール接続部26に接続される。
【0046】
海水は、海水用プレフィルタモジュール8に入り、海水用プレフィルタアセンブリ7内に流れる。海水は、システム内への目標供給海水水質を得るために、海水用入口フィルタ17により、ろ過される。
【0047】
図4は、図3のシステムに対応する、本発明のモジュール式の海中用淡水化システムの概略図である。さらに、図4は、エネルギー移送接続部12を含み得る。エネルギー移送接続部12は、エネルギー回収アセンブリ9と動力分配コネクタ16との間に延在しており、動力を、昇圧ポンプ動力線15を通り、および/または、輸送ポンプアセンブリ5に輸送ポンプ動力線14を通って、昇圧ポンプアセンブリ1にさらに接続する回収動力線13を含み得る。動力が昇圧ポンプアセンブリ1または輸送ポンプアセンブリ5に直接導かれる場合、動力分配コネクタ16は除外され得る。エネルギー移送接続部12は、通常、電気的接続であるが、機械的伝達を表してもよい。
【0048】
海水用プレフィルタモジュール8およびエネルギー回収モジュール10は個々のユニットとして示されているが、これらは、通常、淡水化テンプレート20上か、または、淡水化テンプレートと同様の別個の専用テンプレート(図示せず)上に、配置されてもよい。
【0049】
図4の実施形態は、先行して示される実施形態に対応する。図4の実施形態では、昇圧モジュール2内の昇圧ポンプアセンブリ1は、浸透圧より上にある圧力を与える圧力、ならびに、海面より上であって、組み合わせられる淡水化水受水設備に淡水化水を汲み上げるのに必要な圧力を与え得る。本実施形態では、輸送モジュール6は除外され得る。動力は、エネルギー回収アセンブリ9内で再生され、動力線13、15を介して昇圧ポンプアセンブリ1へ供給される。動力は、上述のように、電気的または機械的であり得る。
【0050】
図5aは、種々のモジュール用モジュールゾーンを有する淡水化テンプレートの概略上面図である。モジュールゾーンは、開放四角形で表される。テンプレート20は、ROモジュールゾーン23を含んでいる。残余のゾーンは、昇圧モジュールゾーン21、輸送モジュールゾーン25、海水用プレフィルタモジュールゾーン33、エネルギー回収モジュールゾーン35、および洗浄モジュールゾーン37を含んでいる。モジュールゾーン21、23、25、27、35内の接続は、通常、流体カップリングであるが、モジュール間の動力および制御用電気的カップリングであって、通常、淡水化水受水設備42(図1)と接続される、海面より上の制御および動力ユニットからの動力および制御用電気的カップリングを含んでいてもよい。
【0051】
図5aは、海水入口路45に接続されるテンプレート20への海水入口47を含んでいる。プレフィルタモジュールゾーン33内に搭載されるプレフィルタモジュールが、システムへの海水入口を含む場合、海水入口47および入口路45は、除外され得る。
【0052】
図5aは、濃縮海水カップリング29と、濃縮海水路19とを含んでおり、この場合、濃縮海水は、濃縮海水出口44において、システムから取り囲む海水に排出される。
【0053】
図5aは、淡水化水カップリング28と、淡水化水路43とを含んでいる。淡水化水路43は、図1に示されるような受水設備42に海中用テンプレート20を接続する。図5a中の淡水化テンプレートは、制御モジュールゾーン39をも含んでいる。
【0054】
図5bは、淡水化テンプレート20と、別個のポンプテンプレート64上のプレフィルタとを有する別の概略上面図である。ここでは、昇圧モジュールは、ポンプテンプレート上の昇圧モジュールゾーン21内に搭載されている。この場合、淡水化システムテンプレートは、昇圧モジュールを有しない。少なくとも1つの海水用プレフィルタモジュールゾーン33は、別個のポンプテンプレート64上に配置されている。
【0055】
図5b中の淡水化テンプレート20は、海水入口路45により、別個のポンプテンプレート64に接続されている。海水入口路45は、別個のポンプテンプレート64からの海水出口51と、淡水化テンプレート20上の海水入口47との間の液管路を提供する。
【0056】
図5bは、濃縮海水カップリング29と、濃縮海水路19とを含んでおり、この場合、濃縮海水は、濃縮海水出口44において、システムから取り囲む海水に排出される。
【0057】
図5bは、淡水化水カップリング28と、淡水化水路43とを含んでいる。淡水化水路43は、海中用テンプレート20を、図1に示されるような受水設備42に接続する。
【0058】
図5b中の淡水化テンプレート20は、ROモジュールゾーン23、輸送モジュールゾーン25、エネルギー回収モジュールゾーン35、洗浄モジュールゾーン37、および制御モジュールゾーン39を含んでいる。
【0059】
モジュールゾーン21、23、25、33、35内の接続は、通常、流体カップリングであるが、モジュール間の動力および制御用電気的カップリングであって、通常、淡水化水受水設備42(図1)と接続される、海面より上の制御および動力ユニットからの動力および制御用電気的カップリングを含んでいてもよい。
【0060】
上述の淡水化システムは、淡水化テンプレート上か、または別個のテンプレート上の制御モジュールゾーン内に配置される、少なくとも1つの回収可能な制御モジュール(retrievable control module)も含み得る。
【0061】
1つまたは複数のテンプレートは、直接、海底上か、または海底上の専用の基礎もしくは地盤上に配置されてもよい。海水取水口は、通常、海底からの物質が取水口に入ることを防止するために、海底から距離をおいている。
【0062】
モジュールの接続は、フライングリードを含んでいてもよい。
【0063】
すべてのモジュールは、専用テンプレート内か、または1つもしくは複数の共通テンプレート内に配置されていてもよい。
【0064】
モジュールへのすべての接続または選択された接続は、1つまたは複数のテンプレートを通過してもよい。
【0065】
図6は、海中淡水化テンプレート20の第1の設置工程を示している。海中淡水化テンプレート20は、海底に向けて設置/サービス船60から降ろされている。
【0066】
海中淡水化テンプレート20は、予め製作されており、指定される水深において設置される。テンプレートは、設置/サービス船60を使用して、その位置上にそれを着地させる一回限りの事象として設置される。テンプレートは、設置ならびに運用の工具および機器を含むシステムの総重量を支持するように設計されている。テンプレートは、内部配管またはダクト、ケーブル、バルブ、ならびに、水、動力、データ、および化学物質用接続を含み得る。代替的に、テンプレートは、常設海底基盤(permanent seabed foundation)または地盤(図6に示さず)上に着地し、次いで、海底基盤は、設置船60を使用して、その位置上の一回限りの事象として設置される構造を表す。
【0067】
海中淡水化テンプレート20または海底基盤は、海底上に配置されるように構成され、これは、モジュール用設置スロットまたはゾーンを有する、海底において配置される永久地盤構造(permanent base structure)として、海中淡水化テンプレート/基礎を設計することを含んでもよく、これは、(淡水化モジュール、ポンプモジュール、入口モジュール、化学物質モジュール、計器および制御モジュールを含む)複数のモジュール用の着地および運用地盤としての役割を果たす。代替的に、テンプレートは、テンプレートより前に海底上に設置される別個の永久地盤構造上に、それが配置されるように適合させることにより、海底上に配置されるように構成されてもよい。海中淡水化テンプレート20(または海底基盤)は、吸引アンカにより、海底に固定される。他の固定機構(図示せず)は、マッドマット、ワイヤ、コンクリート堆積物、荷重または柱を含み得る。海中淡水化テンプレート20は、通常、恒常的か、または、淡水化システムの運用期間もしくは寿命などの長い期間にわたって、設置される。図6中の海中淡水化テンプレート20は、モジュールなしで設置される状態で示されている。
【0068】
代替的に、海中淡水化テンプレート20は、海底上の、海中淡水化テンプレートより前に設置される海底基礎の上に配置されてもよい。
【0069】
海中淡水化テンプレート20は、サービス船60により、海底から取り出され得る。構造および基礎は、実際の海底の状態および要件に依存する。
【0070】
種々の海底要素が、海底に設置および固定されると、淡水化水用輸送管路、ポンプ用動力およびデータケーブル、ならびに、海底機器および化学物質/供給路が、設置され、テンプレートに接続され得る。
【0071】
海中淡水化テンプレート20は、海底において、それに管路およびケーブルが(既に)接続されて設置され得る。
【0072】
図7は、海底上に設置される、図6の海中淡水化テンプレート20を示している。海中淡水化テンプレート20は、テンプレートの基礎を形成する吸引アンカまたは他の好適な要素を含んでいる。淡水化ROモジュール4を含む標準化モジュールは、サービス船60(設置船)から降ろされ、海中淡水化テンプレート20上に降されている。段階的な設置は、サービス船60の要件を緩和する。設置は、海中淡水化テンプレート20から陸上淡水化水受水設備42への動力線および淡水化水管路43を含む接続線を設置することも含んでいる。化学物質を洗浄するための路は、動力線および淡水化水管路43を含む接続線とともに、海底淡水化水受水設備から海中淡水化テンプレート20に延在していてもよい。淡水化水受水設備42は、ポンプステーションを含み得る。システムは、オフショアオペレーションのための、淡水化水を別の位置に輸送するための供給基地61も含み得る。
【0073】
淡水化水受水設備42はまた、動力および双方向データ通信をテンプレートに供給する。
【0074】
複数のモジュールは、複数のROフィルタカートリッジを有する少なくとも1つの淡水化ROモジュール4と、ROフィルタカートリッジへの海水の連続供給のための昇圧ポンプおよび淡水化水設備42へ淡水化水を汲み出す輸送ポンプを有する1つのポンプモジュールとを含んでいる。淡水化ROモジュール4を含む複数のモジュールは、スタブイン接続(たとえば、海中用の炭化水素生産設備により、よく知られている)により、海中淡水化テンプレート20に接続(stab)される。スタブイン接続は、海中淡水化テンプレート20上の淡水化ROモジュールゾーン内の淡水化ROモジュール4の着地により、淡水化ROモジュール4を海中淡水化テンプレート20に接続し得る。
【0075】
代替的に、これらの接続は、ROV(遠隔操作車両)を使用して接続される接続により、置換されてもよい。ROフィルタカートリッジを有する淡水化ROモジュールの場合、接続は、通常、海水用接続、淡水化水用接続、濃縮海水用接続、および、モジュール接続の状態に関する信号を転送するための接続を含んでいる。化学物質を洗浄するための接続も含まれ得る。
【0076】
延在する排出管路を有する濃縮海水出口44は、濃縮海水を淡水化システムから離れる方向に導くために、海中淡水化テンプレート20とともに設置される。淡水化ROモジュール4、ならびに、ポンプ、制御、および化学物質モジュールは、海底において、たとえばサービス船60を使用して、海中淡水化テンプレート20上に設置される。サービス船60は、海底上の海中淡水化テンプレート20に到達するのに必要な吊り上げ能力を有するクレーンを有する。サービス船が、一期間において複数のモジュールを運ぶ能力を有する場合、有利である。海中用淡水化システムへの動力は、1つまたは複数の海中用動力ケーブルを介して海岸からか、または、局所的な海洋動力発生、たとえば、燃料、風力、太陽光、または波力により、供給される。動力および計器ケーブルは、1つのケーブル束として接続線に内蔵されるか、または併せて敷設され得る。海中淡水化テンプレート20は、海底より上の一定の距離において配置され、海底からの泥および異物が淡水化ROモジュールへの水流内に混入することを防止するために、基礎上のスタンド上に配置され得る。
【0077】
図8は、海中淡水化テンプレート20と、海底上に設置される淡水化ROモジュール4および他のモジュールとを有する海中用淡水化システムを示している。輸送モジュール6内のポンプは、淡水化水受水設備42への水輸送路の形態における淡水化水管路43を含む接続線に沿って右方向を指し示す矢印により表される淡水化水を汲み出す。接続線に沿って左方向を指し示す矢印は、輸送モジュール6内のポンプへの電力を表す。濃縮海水は、濃縮海水出口44を有する濃縮海水管を介して排出される。
【0078】
図9は、海中淡水化テンプレート20と、単一の運航におけるサービス船60からの淡水化ROモジュール4を含む複数のモジュールとを有する完全な海中用淡水化システムを設置する工程を含む代替的な設置方法を示している。設置方法は、たとえば、サービス船60の許容可能な定格荷重に依存する。
【0079】
図10は、上方から見られるような、淡水化テンプレート20を有する海中用淡水化プラントを示している。各淡水化テンプレート20は、4つの淡水化ROモジュール4と、輸送モジュール6と、回収可能な制御モジュール86と、回収可能な化学物質注入モジュール48と、回収可能な昇圧モジュールと、回収可能なエネルギー回収モジュールとの、9つのモジュールを含んでいる。淡水化テンプレート20は、淡水化水受水設備へ淡水化水を搬送する共通の淡水化水路43に流れ込み、共通の淡水化水路43を形成する淡水化水分岐管に接続される。各淡水化ROモジュール4は、動力供給ケーブルおよび制御ケーブルにも接続される。濃縮海水出口44を有する排出管は、濃縮海水を排出する。各方形は、モジュールを表している。図10は、プラントが、異なる応用分野に、容易に拡大縮小可能および適合可能である。
【0080】
制御モジュール86は、淡水化システムを監視および制御し、トップサイドコントロールルームと通信し、コマンドを実行するための電子および論理回路を含んでいる。図11は、大部分において、図10に対応しており、3つの淡水化テンプレート20を12つの代わりに有しており、さらに、いくつかのさらなる詳細を含んでいる。洗浄用化学物質は、陸上またはサービス船上の化学物質貯蔵庫から延在する化学物質路53を介して供給され得る。一部の場合には、局所的な化学物質供給は、有利であるか、または必要であり得る。これらの場合には、化学物質注入モジュール48は、1つまたは複数の化学物質容器および必要なポンプと、配管/ダクトと、洗浄、保守、ならびに殺菌の目的のための計器および制御システムとを含んでいる。化学物質は、洗浄、保守、および殺菌の目的のために、淡水化水流内に注入され、上記淡水化水流と混合される。異なるタイプの化学物質が、ROカートリッジまたはプレフィルタアセンブリを有する淡水化ROモジュールを逆洗(backflush)するために、「定置洗浄ソリューション」において使用される。化学物質モジュール48は、取り出し可能、相互交換可能、および取り替え可能である。
【0081】
制御機能は、別個の制御モジュールを除外するために、少なくとも1つのモジュール内に一体化され得る。
【0082】
図11は、淡水化水管路43を接続する淡水化水路カップリング28と、動力線52を接続する動力線カップリング62と、化学物質路53を接続する化学物質路カップリング49と、排出路を有する濃縮海水出口44をそれぞれが含む3つの淡水化テンプレート20とを示している。しかし、図11では、別個の回収可能な輸送モジュール6および別個の回収可能な海水昇圧モジュール2が存在している。化学物質注入モジュール48は、淡水化システムを洗浄するために設けられている。6つの開放四角形は、淡水化ROモジュール4を表している。制御システムは、圧力、体積流量、塩分、電力消費量、温度などを監視するセンサーを含み得る。
【0083】
輸送モジュール6は、ドライブシャフト/カップリングにより、接続される浸漬可能な電動機およびポンプを含んでいる。ポンプは、淡水化水内の必要なヘッドを提供する。電動機への動力は、接続されるスタブの代わりに、電気ジャンパにより、動力ケーブル終端(図示せず)から供給され得る。そうしたジャンパは、ROVにより接続および切断され得る。ポンプは、流体入口および流体出口を有するテンプレート配管/ダクトに接続される。輸送モジュール6は、ポンプおよびモータの高信頼度の動作を保証するための補助システムおよび装置、たとえば、モータ冷却システム、潤滑システム、監視ならびに制御のためのバルブおよび計器を含んでいる。ポンプモジュールは、淡水化ROモジュール4下流に配置される。
【0084】
海水用昇圧モジュール2は、淡水化モジュール上流に配置される。
【0085】
図12は、複数の淡水化テンプレート63を扱う別個のポンプテンプレート64を有する、本発明の淡水化システムの代替的な構成を示している。淡水化テンプレート63には、ポンプも制御モジュールも有していない。ポンプテンプレート64は、回収可能な化学物質注入モジュール48と、回収可能な淡水化水輸送モジュール6と、回収可能な海水昇圧モジュール2と、回収可能なエネルギー回収モジュール10と、回収可能な制御モジュール86とを含んでいる。回収可能な海水昇圧モジュール2および輸送モジュール6は、別個の回収可能なモジュールに示されているが、同じモジュール内に配置されていてもよい。淡水化テンプレート63は、淡水化ROモジュール4のみを含んでいる。排出管を有する濃縮海水出口44は、ポンプテンプレート64から離れる方向に濃縮海水を導く。電力用線52、制御ケーブル54、および淡水化水管路43との接続線は、浮体式船舶またはトップサイド設備上の淡水化水受水設備に延在している。ポンプテンプレート64は、海水入口65と海水用昇圧モジュール2との間の流路を提供する。入口管45は、別個のポンプテンプレート64から淡水化テンプレート63への海水用流路を提供する。海水は、海水入口65から汲み出され、ポンプテンプレート64を通り、海水用昇圧モジュール2を通り、ポンプテンプレート64を通り、入口管45を通り、淡水化テンプレート63を通り、淡水化ROモジュール4を通り、濃縮海水および淡水化水に分離されるように、ROカートリッジを通過して部分的にROカートリッジを通って、それにより、濃縮海水は、テンプレートを通って、濃縮海水出口44の外へ流れる。淡水化水は、淡水化テンプレート63内に、ポンプテンプレート64を通り、輸送モジュール6を通り、ポンプテンプレート64を通り、淡水化水管路43を通って、淡水化水受水設備(図12に示さず)に流れる。
【0086】
化学物質注入モジュール48は、カートリッジを介した水の流れを低減または防止するファウリング、スケーリングなどを除去するために、特に、カートリッジの海水側の、淡水化ROモジュール4内に注入されるべき化学物質を備えた1つまたは複数のタンクを含んでいる。クエン酸などの化学物質は、逆流方向にカートリッジを洗浄(flush)するためにカートリッジの淡水化側にも注入され得る。
【0087】
図12では、別個のポンプテンプレート64は、ポンプまたは制御モジュールを有さない3つの淡水化テンプレート63を扱っているが、明らかに、より大きいか、またはより小さい数の淡水化テンプレートが、扱われてもよい。
【0088】
図13は、浮体式淡水化水受水設備20を有する、代替的な実施形態における、本発明の淡水化システムを示している。淡水化水は、淡水化管路43を介して浮体式淡水化水受水設備59に汲み出される。化学物質路53、動力ケーブル52、および制御ケーブル54は、淡水化ROモジュール4を有する淡水化テンプレート20に、必要な消耗品を搬送する。排出管を有する濃縮海水出口44は、淡水化テンプレート20から離れる方向に距離をおいて、濃縮海水が局所的な海洋生物に悪影響を与えない位置に、濃縮海水を導く。
【0089】
図14は、図13の実施形態を示し、浮体式淡水化水受水設備59は、整備および保守のために淡水化ROモジュール4などのモジュールを交換するためにも使用することができる。洗浄化学物質は、化学物質路53を介して搬送される。濃縮海水は、排出管を有するテンプレートから離れる方向に、濃縮海水出口44の外に、濃縮海水路19を介して、導かれる。
【0090】
図15は、別個の浮体式動力発生ユニット58をさらに示す以外に、図13および14の実施形態を示している。動力発生ユニット58は、波、風、太陽、潮流からの再生可能エネルギーを供給するシステムを含んでいてもよい。代替的に、動力発生ユニット58は、燃焼エンジンおよび発生器を含んでいてもよい。動力線は、浮体式動力発生ユニット58から、海底におけるテンプレート20上の淡水化システムに延在している。
【0091】
図16は、海中淡水化テンプレート20に対する遠隔位置における海水入口65を有する入口管45に接続される淡水化テンプレート20の海水入口を有する、本発明の代替的な実施形態を示している。海中淡水化テンプレート20上の海水入口47に接続される入口管45は、汚染、生体物質、塩、または他の不必要な物質のより低い濃度を含む、より好ましい水質を有する海水を淡水化ROモジュール4へ供給するために使用されてもよい。濃縮海水出口44は、濃縮海水が海水入口65に入ることを防止するために海水入口65から離れる方向に配置される。淡水化水管路43を介して淡水化テンプレート20に接続される陸上淡水化水受水設備42は、完全な淡水化プラントと比較して小さい設置面積を必要とする。
【0092】
図17は、図16の実施形態に対応するが、海水入口65を有する入口管45が海底40から引き上げられ、入力管45が、海底40に係留される浮体式ブイ87に固定される代替的な実施形態を示している。
【0093】
図18は、輸送モジュール6が、淡水化テンプレート20下流のポンプテンプレート64上に配置される、代替的な実施形態を示している。淡水化水は、淡水化水路43を通って受水設備42へ汲み出される。
【0094】
図19は、昇圧ポンプからの海水が淡水化ROモジュール内に汲み出されることを可能にするために、海中用テンプレート流体カップリング73内に海水取水口74を有する、本発明の淡水化ROモジュール4の一実施形態を示している。淡水化水出口75および濃縮海水出口76もまた、海中用テンプレート流体カップリング73内に含まれる。テンプレート流体カップリング73は、モジュールの底部側70に配置されており、テンプレートと接続するように構成されている。淡水化ROモジュール4は、ROカートリッジアセンブリ3内に複数のROカートリッジ69を含んでいる。淡水化ROモジュール4は、外側モジュールフレーム72上に搭載される吊り上げコネクタ71を有する。
【0095】
図20は、モジュールの底部側70において3つの別個のテンプレートカップリング73を有する、淡水化ROモジュール4の代替的な実施形態を示している。テンプレートカップリング73は、テンプレートのモジュールゾーンのモジュールカップリングに接続されるように構成されている。ポンプモジュールは同様のカップリングを有し得る。海水用フィルタ18は、淡水化ROモジュール4内のROカートリッジアセンブリ3上流に接続される。
【0096】
図21は、淡水化テンプレート20が取り出し可能であり、海底アンカ要素30に固定される常設海底基盤85上に配置される、代替的な実施形態を示している。常設海底基盤85は、保守および整備を必要とする、任意の配管または他の構成を含んでいない。常設海底基盤85上のテンプレート保持フレーム81は、常設海底基盤85上に淡水化テンプレート20を配置する。回収可能な淡水化テンプレート20は、整備および修理のために取り出されることが可能であるとともに、常設海底基盤85は、淡水化テンプレート20が導入後にその位置を維持することを保証する。
【0097】
ジャンパ82、83は、淡水化ROモジュールゾーン23内の淡水化ROモジュール4、昇圧モジュールゾーン21内の、昇圧ポンプアセンブリ57を有する昇圧モジュール2、および、輸送モジュールゾーン25内の、輸送ポンプアセンブリ56を有する輸送モジュール6を接続して、全接続が淡水化テンプレート20内に構成されることを必要としないことを示す。
【0098】
図22は、淡水化ROモジュールゾーン23を有する淡水化テンプレート20が取り出し可能であり、淡水化テンプレートゾーン66を有する別個の基礎テンプレート(base template)80の上部上に配置される、さらに別の実施形態を示している。基礎テンプレート80は、配管(図示せず)を含み、取り出し可能であり、海底アンカ要素30に固定される常設海底基盤85上に配置されている。テンプレート接続部78は、淡水化テンプレート20と基礎テンプレート80との間のインタフェースおよび接続を形成する。淡水化水出口カップリング28および濃縮海水出口カップリング29は、基礎テンプレート80上に配置されており、基礎テンプレート80内/上の配管は、基礎テンプレートおよび淡水化テンプレート20を接続する。基礎テンプレート80上の淡水化テンプレート保持フレーム66は、基礎テンプレート80上に淡水化テンプレート20を配置する。
【0099】
同様に、昇圧モジュール2および輸送モジュール6であって、それらのそれぞれのポンプモジュールゾーン21、25内に設置される昇圧モジュール2および輸送モジュール6を有するポンプテンプレート68は、ポンプテンプレートゾーン67を有する基礎テンプレート80上に設置される。テンプレート接続部78は、ポンプテンプレート68と基礎テンプレート80との間のインタフェースおよび接続を形成する。
【0100】
常設海底基盤85上のテンプレート保持フレーム81は、常設海底基盤85上に基礎テンプレート80を配置する。
【0101】
図23は、常設海底基盤85上に配置される淡水化テンプレート20を有する海中用淡水化システムの概略図である。淡水化テンプレート20とモジュール4、6、2との間の流体接続はすべて、海中用テンプレート流体カップリング73およびモジュール流体カップリング77を通過する。動力および制御用の付加的カップリングはさらに、テンプレートを通過し、複数のモジュールへ進む。常設海底基盤85上のテンプレート保持フレーム81は、テンプレート20を所定の位置に保持する。
【0102】
排出ユニット(図示せず)は、制御され、良好に分散された水排出を容易にするためにテンプレート上に配置されるカスタムの排出モジュールを含み得る。排出ユニットは、淡水化テンプレートに接続される。排出モジュールは、回収可能および交換可能である。
【0103】
添付図面を参照しながら上述される淡水化システムは、陸上制御センタまたは海上の水上船から遠隔に監視、制御、操作される。制御センタは、任意の場所にあり、たとえば、インターネットを介して、淡水化システムの陸上制御センタに接続され得る。制御センタは、海上データおよび計器ケーブルを介して、海中システムに接続される。すべてのポンプ、電気機器、および計器は、通常、データおよび計器ケーブルを介するか、または衛星および浮体式ブイを介して、監視および制御される。浮体式ブイと衛星との間の通信は、たとえば、海中用機器に接続される、海面上のアンテナ/送受信ユニット経由であり得る。
【0104】
電気機器および計器は、淡水化システムを運用する船から監視および制御され得る。
【0105】
サービス船は、陸上供給基地と、海中用淡水化システムの位置との間を通い得る。陸上貯蔵供給基地は、出荷可能な予備の淡水化ROモジュールおよびポンプモジュールが存在する海中用淡水化システム近くに配置され得る。淡水化ROモジュールは、定期的か、または特定のモジュールに問題が発生する毎に、取り替えられる。サービス船は、陸上供給基地から海中用淡水化システムの位置に、1つまたは複数の新規/修理後(new/serviced)の淡水化ROモジュールを運び、淡水化テンプレート上に1つまたは複数の淡水化ROモジュールを降ろし得る。次いで、新規/修理後の淡水化ROモジュールは、海中用テンプレート上に設置され、回収された淡水化ROモジュールを交換する。この作業は、選択された海中用モジュールすべてが、交換用の淡水化ROモジュールにより、交換されるまで、継続し得る。ポンプ、制御、および化学物質モジュールの交換は、同様に実行される。海中用ポンプ、化学物質、および制御モジュールは、交換用のポンプ、化学物質、または制御モジュールが降ろされ、海中用テンプレート上に設置され、回収されたポンプまたは制御モジュールを交換する前に、供給船上に吊り上げられる。回収されたモジュールはすべて、整備のために陸上供給基地に運ばれる。
【0106】
本発明の上記複数の実施形態は、特定のモジュールおよび位置により、説明されている。しかし、本発明のシステムにおいて、種々の解決策を組み合わせ得ることが意図されている。たとえば、水受水設備から化学物質を搬送する路を有する解決策、または、海底において、化学物質を含む1つまたは複数のタンクを含むモジュールを有する解決策は、複数の実施形態のいずれとも組み合わせられ得る。同様に、複数の実施形態のすべては、専用モジュール内か、または昇圧ポンプおよび輸送ポンプをいずれも有する組み合わせられたポンプモジュール内に昇圧ポンプを含み得る。複数の実施形態のすべては、浮体式淡水化水受水設備としてか、または陸上の受水設備として利用されてもよく、複数の実施形態すべては、遠隔海水入口などを利用してもよい。同様に、モジュールゾーンまたはテンプレートゾーンを有する種々のテンプレートは、任意の組み合わせにおいて提供されてもよい。
【0107】
上記説明では、テンプレートは、海底上に、または海底上の基礎上に配置されたフレームを包含することが意図されている。フレームは、回収可能なモジュールにテンプレートを接続するための配管および接続を含んでいる。取り出し可能との語は、船から解放されるか、または取り出されるように構成されること、ならびに、交換可能であり、および、好ましくは、ダイバーまたは他の介入なしでROVとの単純な交換をもたらす接続および取り付けを含むように構成されることを包含することが意図されている。
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