IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図1
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図2
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図3
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図4
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図5
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図6
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図7
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図8
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図9
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図10
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図11
  • 特許-情報処理装置、及びその制御方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240920BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240920BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240920BHJP
   G06F 1/3231 20190101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N1/00 885
B41J29/38 104
G03G21/00 398
H04N1/00 E
H04N1/00 350
G06F1/3231
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023007417
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2021201168の分割
【原出願日】2016-12-20
(65)【公開番号】P2023065350
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 哲也
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-071833(JP,A)
【文献】特開2013-062777(JP,A)
【文献】特開2012-256234(JP,A)
【文献】特開2014-053734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 -29/70
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
G06F 1/26 - 1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作モードとして第1の電力モードと該第1の電力モードよりも消費電力の少ない第2の電力モードを有する画像形成装置であって、
前記画像形成装置の近傍に位置する物体を検知する検知手段と、
操作者が操作する操作部と、
前記検知手段によって物体を検知すると、第1時間の計時を開始し、前記操作部への操作を検知すると、第2時間の計時を開始するタイマと、
前記検知手段によって物体が検知されると、前記画像形成装置の動作モードを前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ復帰させ、その後、前記第1時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されず且つ前記検知手段によって物体が検知されていなければ前記画像形成装置の動作モードを前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行させ、前記操作部への操作が検知されず且つ前記検知手段によって物体が検知されていれば前記タイマが前記第1時間の再度の計時を開始し、前記第1時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されると、前記タイマが前記第2時間の計時を開始し、前記第2時間がタイムアウトするまでに、前記画像形成装置への前記操作部への操作が検知されないと、前記画像形成装置の動作モードを前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行させる制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1時間は、前記第2時間よりも短い時間である
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1時間は、所定の時間であって、
前記第2時間は、ユーザにより可変の時間である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1時間がタイムアウトするまでに前記操作部への操作が検知されると、前記タイマによる前記第1時間の計時を停止し、前記タイマによって前記第2時間の計時を開始させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作部は、表示部と前記表示部のバックライトを有し、
前記制御手段は、前記第1の電力モードでは少なくとも前記バックライトに電力を供給し、前記第2の電力モードでは、少なくとも前記バックライトに電力を供給しないよう制御する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されると、前記タイマによる前記第2時間の計時をリセットする
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
シートに画像を印刷するプリンタ部を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検知手段は、人の有無を検知する人感センサである
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記検知手段は、赤外線を用いて物体を検知する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検知手段は、焦電センサにより物体を検知する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検知手段は、超音波センサにより物体を検知する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置の近傍に位置する物体を検知する検知手段と、
操作者が操作する操作部と、
前記検知手段によって物体を検知すると、第1時間の計時を開始し、前記操作部への操作を検知すると、第2時間の計時を開始するタイマと、を有し、
動作モードとして第1の電力モードと該第1の電力モードよりも消費電力の少ない第2の電力モードを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記検知手段によって物体が検知されると、前記画像形成装置の動作モードを前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ復帰させ、その後、前記第1時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されず且つ前記検知手段によって物体が検知されていなければ前記画像形成装置の動作モードを前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行させ、前記操作部への操作が検知されず且つ前記検知手段によって物体が検知されていれば前記タイマが前記第1時間の再度の計時を開始し、前記第1時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されると、前記タイマが前記第2時間の計時を開始し、前記第2時間がタイムアウトするまでに、前記画像形成装置への前記操作部への操作が検知されないと、前記画像形成装置の動作モードを前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行させる
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサを用いて人の接近を検知し装置の電力モードを変更する情報処理装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の装置には、装置の近傍に位置する人体を検出して、その装置を利用するユーザを判別する人感センサ機能が搭載されているものがある。当該装置を利用するユーザを判別した場合、省電力モードから、通常モードに自動復帰し、復帰時間を改善する工夫がされている。例えば、特許文献1には、人感センサの検知によって通常モードへ復帰した後、ユーザが操作を行うことなく装置から離れた場合に、省電力モードへ移行する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-005905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。例えば、人感センサによる自動復帰後、操作が行われなかった場合、通行人が装置の前を通過したことによる誤検知による復帰なのか、ユーザが操作に迷っているのかは判別が難しい。誤検知の場合は、無駄な電力消費が継続してしまう。上記従来技術では、無駄な電力消費を低減するために、ユーザを検知できなくなった場合に、ジョブの実行状態に基づいて省電力モードへの移行を制御している。
【0005】
しかし、上記従来技術では、人感センサが人を検知している間は省電力モードへの移行は行われず、ユーザが操作しようとしていない場合であっても無駄な電力消費が継続することとなる。一方で、人感センサによる自動復帰後に一定時間操作が行われなければ自動的に省電力モードへ移行する制御も考えられる。しかし、このような制御では、誤検知でない場合、例えばユーザが操作を迷っていた場合には、操作しようとしたタイミングで自動的に省電力モードへ移行してしまう可能性があり、ユーザにとっては使い勝手の悪い操作体系となってしまう。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、人感センサによる検知によって省電力モードから復帰した後に、人感センサの誤検知による無駄な電力消費を低減しつつ、誤検知でない場合にはユーザが意図しない省電力モードへの移行を好適に回避する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、動作モードとして第1の電力モードと該第1の電力モードよりも消費電力の少ない第2の電力モードを有する画像形成装置であって、前記画像形成装置の近傍に位置する物体を検知する検知手段と、操作者が操作する操作部と、前記検知手段によって物体を検知すると、第1時間の計時を開始し、前記操作部への操作を検知すると、第2時間の計時を開始するタイマと、前記検知手段によって物体が検知されると、前記画像形成装置の動作モードを前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ復帰させ、その後、前記第1時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されず且つ前記検知手段によって物体が検知されていなければ前記画像形成装置の動作モードを前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行させ、前記操作部への操作が検知されず且つ前記検知手段によって物体が検知されていれば前記タイマが前記第1時間の再度の計時を開始し、前記第1時間がタイムアウトするまでに、前記操作部への操作が検知されると、前記タイマが前記第2時間の計時を開始し、前記第2時間がタイムアウトするまでに、前記画像形成装置への前記操作部への操作が検知されないと、前記画像形成装置の動作モードを前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行させる制御手段と
を備えることを特徴とする
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人感センサによる検知によって省電力モードから復帰した後に、人感センサの誤検知による無駄な電力消費を低減しつつ、誤検知でない場合にはユーザが意図しない省電力モードへの移行を好適に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る画像処理装置のブロック図。
図2】一実施形態に係る画像処理装置と人体間の距離に応じた電力制御を示す図。
図3】一実施形態に係る画像処理装置の電源制御フローを示す図。
図4】一実施形態に係る画像処理装置の電源系統を示す図。
図5】一実施形態に係る画像処理装置の操作部画面の表示例を示す図。
図6】一実施形態に係る画像処理装置の省電力時における通電状態を示す図。
図7】一実施形態に係る画像処理装置のプリント時における通電状態を示す図。
図8】一実施形態に係る画像処理装置のアラートを操作部画面に表示した例。
図9】一実施形態に係る画像処理装置の人を検知後、無操作状態が続いて人が居なくなった場合の説明図。
図10】一実施形態に係る画像処理装置の人を検知しながら、ユーザから操作がない場合の説明図。
図11】一実施形態に係る画像処理装置のアラート発行の説明図。
図12】一実施形態に係る画像処理装置のユーザより操作が行われた後、無操作状態が続いている説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<画像形成装置の概略構成>
以下では、本発明の一実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本発明に係る情報処理装置の一例である画像処理装置の構成について説明する。
【0012】
画像処理装置10は、電源制御部100、メインコントローラ部200、スキャナ制御部300、スキャナ駆動部301、プリンタ制御部400、プリンタ駆動部401、操作部500、及びセンサ部600を備える。電源制御部100は、装置に含まれる各デバイスへの電源供給を制御する。メインコントローラ部200は、装置全体を統括的に制御する。
【0013】
スキャナ制御部300は、原稿から画像を読み取り動作を統括的に制御し、画像を読み取った際の画像データを処理する。スキャナ駆動部301は、スキャナ制御部300の指示に従って、不図示のスキャナを駆動する。プリンタ制御部400は、画像データに従ってシートに画像を形成する動作を統括的に制御するとともに、画像データを処理する。プリンタ駆動部401は、プリンタ制御部400の指示に従って、不図示のプリンタを駆動する。
【0014】
操作部500は、タッチパネル式の表示部及び操作部を備えるユーザインタフェースであり、表示部の操作部バックライト501と、音声スピーカ502とを備える。
【0015】
画像処理装置10は、電力モードを少なくとも2つ有し、コピー動作などを実行する通常動作電力モード(第1の電力モード)と、当該通常動作電力モードよりも消費電力の少ない省電力モード(第2の電力モード)とを有する。後述するが、オートスリープタイマ(第2の計時手段)による計時に従って、一定時間経過しても本装置が使用されない場合には、メインコントローラ部200が電源制御部100を制御して装置の電力モードを省電力モードへ移行させる。省電力モード時には、スキャナ制御部300やプリンタ制御部400などへの電源供給が停止し、メインコントローラ部200の一部と、操作部500における不要な箇所への電源供給が停止される。
【0016】
センサ部600の詳細については後述するが、図6で説明するように、本装置のセンサ部600への電源は、省電力モード時においても供給される。一方、通常動作電力モードへ移行した際には、センサ部600への電源供給を停止することができる。また、センサ部600への電源は常に供給しておき、通常動作電力モードへ移行した際は、後述するが通電要求信号610をメインコントローラ部200内でマスクするようにしてもよい。これらの電源供給の制御は、電源制御部100及びメインコントローラ部200によって制御される。
【0017】
センサ部600は、人感センサ601と、判断部603とを備え、画像処理装置10の近傍に位置する人物を検知する。人感センサ601には、一定の検知範囲を有し、超音波センサ、焦電センサ、赤外線アレイセンサなどが用いられてもよい。判断部603は、人感センサ601の出力に基づいて、当該人感センサの検知範囲における物体(人)の有無を検知する。判断部603は、内部にワンチップマイコンであるCPU604、プログラムを格納するROM、及びワーク領域として使用されるRAMを備える。
【0018】
CPU604は、ROMに格納されるプログラムに基づき、人感センサ601から得られる信号から、余分なノイズを排除し、人物までの距離を計測する処理を行っている。その結果、より正確な、通電要求信号610をメインコントローラ部200へ出力することができるようになっている。判断部603は、人感センサ601の検知結果を処理してユーザの存在を判断し、判断結果によって通電要求信号610をメインコントローラ部200へ出力する。CPU604の処理は、発明の主旨ではないため、詳細な説明は省略する。
【0019】
メインコントローラ部200では、画像処理装置10の全体を制御するCPU204、プログラムを格納するROM203、及びワークRAM202が制御バス205によって接続されている。メインコントローラ部200は通電要求信号610を受けると、復帰信号101によって電源制御部100を制御し、装置の電力モードを省電力モードから通常動作電力モードへ復帰させる。また、メインコントローラ部200は、操作部500からの操作部制御信号102を受ける。また、詳細には説明しないが、ハードウェアによる各種制御回路201が、制御バス205を介して接続される。CPU204は、ROM203に格納される制御プログラムに基づき、これらを統括的に制御する。
【0020】
<電力制御>
次に、図2を参照して、画像処理装置10と、人感センサ601で検知される人体との距離に応じた電力制御について説明する。上段に画像処理装置10と人体の距離を示し、下段にその距離での電力制御の状態を表す。人感センサ601は、図2に示すように操作部500の近くに配置されており、その検知エリアを扇形の円で示す。
【0021】
時間T1では画像処理装置10と移動体の距離が遠く、検知エリアの外部に移動体が位置する場合には、省電力モードとして、人感センサ601、判断部603、及びメインコントローラ部200内の制御が必要な一部分に通電されている。時間T2で移動体が人感センサ601の検知エリア内に入ると、メインコントローラ部200の全体に通電される。また、操作部500、操作部バックライトにも通電される。さらに、時間T3で操作部500に表示された機能メニューのいずれかが選択されると、その対象のユニットに通電が行われる。ここでは、プリント動作が選択された場合を示しており、プリンタ駆動部401に通電されている。このように本実施形態に係る画像処理装置10は、状況に応じて電力制御を行い、無駄な電力消費を低減している。
【0022】
<制御手順>
次に、図3を参照して、図2で説明した電力制御の制御手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばメインコントローラ部200内のCPU204がROM203に記載された制御プログラムをRAM202に読み出して実行することにより実現される。本実施形態では移動体の検知に人感センサ601として超音波センサを使用している場合を示しているが、焦電センサ、赤外線アレイセンサを用いてもよい。
【0023】
まず、S301で、CPU204は、人感センサ601の出力に基づいて人が検知されたか否かを判断する。具体的には、CPU204は、判断部603から出力される通電要求信号610を受信したかどうかを判断する。通電要求信号610を受信したと判断するとS302に進み、CPU204は、復帰信号101を制御し、メインコントローラ部200に対し省電力モードの通電(省電力通電)から、通常動作電力モードでの通電(通常通電)へ切り替える。さらに、CPU204は、操作部500及び操作部バックライト501へ電源を投入する。続いて、S303で、CPU204は、センサ部600の電源供給をOFFにする。これは、人が近づいていることを検知し、省電力モードから復帰し、人感センサ601は不要であるため、無駄な電力消費を抑えている。
【0024】
次に、S304で、CPU204は、後述するウェイトタイマ(Wait timer、計時手段)の稼働回数(計時回数)をリセット(初期化)する。ウェイトタイマの稼働回数とは、ウェイトタイマがリセットされた後に再度開始(再度計時)した回数である。当該稼働回数は、メインコントローラ部200内のデータ格納エリア(RAM202)に格納される。ウェイトタイマは、省電力モードから復帰後、次にセンサ部600に電源を供給し、人の状態を検知するためのインターバルタイマである。インターバルの時間は予め設定されており、省電力モードから復帰後、操作が行われなかった場合に、ウェイトタイマが所定時間を計時すると、人感センサ601へ通電して人の状態を検知し、再び省電力モードへ移行する判断を行う。また後述するが、ウェイトタイマの稼働回数も、再び省電力モードへ移行する判断基準として用いている。即ち、ウェイトタイマの稼働回数に制限を設け、それを超えると省電力モードへ移行する。
【0025】
次に、S305で、CPU204は、ウェイトタイマをスタートさせ、カウントを開始する。ウェイトタイマは、メインコントローラ部200内のCPU204が実行するソフトウェアカウンタ、又は、制御回路201内にハードウェアカウンタとして実装してもよい。続いて、S306で、CPU204は、操作部制御信号102を介して、ユーザが操作部500を操作したか否かを判断する。CPU204は、操作が行われたと判断した場合はS307へ進み、行われていないと判断した場合はS308へ進む。
【0026】
以下では、S307以降のステップを説明する。S307以降のステップは、センサ部600よって人を検知し、その人が画像処理装置10を利用するために操作した場合の制御である。また、操作部画面のメニューから選択された機能毎に、電源制御を行うようになっている。S307で、CPU204は、ユーザによってコピー動作が選択されたか否かを判断する。コピー動作が選択されたと判断するとS309へ進み、そうでない場合はS310に進む。S309で、CPU204は、プリンタ制御部400、プリンタ駆動部401、スキャナ制御部、及びスキャナ駆動部301を通電して稼働させ、S314に進む。
【0027】
一方、S310で、CPU204は、ユーザによってプリント動作が選択されたか否かを破断する。プリント動作が選択されたと判断するとS311へ進み、そうでない場合はS312に進む。S311で、CPU204は、プリンタ制御部400、及びプリンタ駆動部401を通電して稼働させ、S314に進む。また、S312で、CPU204は、ユーザによってスキャン動作が選択されたか否かを判断する。スキャン動作が選択されたと判断するとS313へ進み、その他の動作が選択された場合はそのままS314へ進む。S313で、CPU204は、スキャナ制御部300、及びスキャナ駆動部301を通電して稼働させ、S314へ進む。
【0028】
S314で、CPU204は、ユーザによる操作が発生していると判断できるので、S305にてカウントを開始したウェイトタイマをリセットし、停止させる。続いて、S315で、CPU204は、新たにオートスリープタイマ(Auto Sleep timer)をスタートさせる。オートスリープタイマは、CPU204によるソフトウェアカウンタ、又はハードウェアカウンタとして実装されてよい。オートスリープタイマは、ユーザが操作部500から各種操作を行うたびにリセットされ、再びカウントを開始する。操作が行われた後、次の操作が行われなくなった場合に、オートスリープタイマによって所定時間が計時されると、ユーザが立ち去ったと判断し、省電力モードへ移行するようになっている。オートスリープタイマは、ユーザによって上記計時時間(インターバル時間)が予め設定される。
【0029】
次に、S316で、CPU204は、オートスリープタイマがタイムアウトしたか否かを判断する。CPU204は、タイムアウトしていないと判断した場合はS317に進み、タイムアウトしていると判断した場合はS318に進む。S317で、CPU204は、操作部500からの操作部制御信号102によって、ユーザが操作部500から各種操作を行ったかどうかを判断する。CPU204は、ユーザの操作が検知されなかったと判断した場合は再びS316に戻り、ユーザの操作を検知したと判断した場合はS319へ進む。S319で、CPU204は、オートスリープタイマをリセットし、カウンタを初期値に戻し、S315に戻る。これらのステップによって、ユーザが操作部500を操作している限りは、省電力モードへは、自動的に移行しないようになっている。
【0030】
一方、オートスリープタイマがタイムアウトしたと判断した場合はS318で、CPU204は、ユーザが立ち去ったと判断して、センサ部600の電源供給をONにし、S320で実際に人を検知できるかどうかを判断する。CPU204は、人が検知されなかったと判断した場合はS330へ進み、人が検知されたと判断した場合はS326に進む。S330で、CPU204は、復帰信号101を制御し、省電力モードへ移行し、処理を終了する。
【0031】
一方、S326で、CPU204は、ユーザに対しアラートを発行する。当該アラートは、音声スピーカ502よる音声合成により、ユーザに対し操作を促し、省電力モードへの移行を通知する。例えば、「操作がありません。Sleepへ移行してよいですか?」等、音声によって通知することで入力を促し、入力がなければ省電力モードへ移行する。また同時に、操作部500上に入力を促す画像を表示させるようにしてもよい。例えば、図8に示すように、液晶画面表示部411に、「操作がありません。Sleepへ移行してよいですか?」という画面を戻るボタン801を含んで表示してもよい。ユーザは、操作を続けたい場合は、戻るボタン801を押すことによって元の画面に戻るようになっている。
【0032】
図3の説明に戻る。アラートを発行すると、S327で、CPU204は、ウェイトタイマのカウントを開始する。続いて、S328で、CPU204は、操作部500からの操作部制御信号102によって、ユーザが操作部500から各種操作を行ったかどうかを判断する。CPU204は、ユーザの操作を検知したと判断した場合はS307へ戻り、画像処理装置10を利用する人が、そばにいることを前提としたステップを続ける。一方、ユーザの操作が検知されなかった判断した場合はS329に進む。
【0033】
S329で、CPU204は、S327でカウントを開始したウェイトタイマがタイムアウトしたかどうかを判断する。CPU204は、タイムアウトしていないと判断した場合は、S328に戻り、ユーザの操作を待つ。一方、タイムアウトしたと判断した場合は、ユーザが立ち去ったと判断して、S330へ進む。S330で、CPU204は、復帰信号101を制御し、省電力モードへ移行し、処理を終了する。
【0034】
以下では、S308以降のステップを説明する。具体的には、S308以降のステップは、センサ部600よってユーザが検知されたが、ユーザによる操作が行われない場合の制御である。S308で、CPU204は、S305でカウントを開始したウェイトタイマがタイムアウトしたか否かを判断する。CPU204は、タイムアウトしていないと判断した場合は、S306に戻り、ユーザの操作を待つ。一方、タイムアウトしたと判断した場合はS321へ進む。これらのステップにより、ウェイトタイマ稼働中は、ユーザの操作を待機することになる。
【0035】
次に、以下のステップにより、センサ部600の電源供給をONにして、実際に人を検知できるか、確かめる動作を実行する。即ち、S321で、CPU204は、センサ部600の電源供給をONにする。続いて、S322で、CPU204は、センサ部600からの通電要求信号610によって、人が検知できているかどうかを判断する。CPU204は、人が検知されたと判断した場合は、ユーザが操作しようとしているとして、S323へ進む。一方、人が検知されていないと判断した場合は、ユーザは立ち去ったとして、S330に進み前述したステップに基づき省電力モードへ移行し、処理を終了する。
【0036】
S323で、CPU204は、一時的にセンサ部600の電源供給をOFFにする。続いて、S324で、CPU204は、ウェイトタイマの稼働回数をカウントする。稼働回数は、ワークRAM202のCPUのデータ格納エリアに格納されている。S325で、CPU204は、予め設定されている稼働回数と比較しチェックを行う。CPU204は、稼働回数が所定数に満たないと判断した場合はS305進み、ユーザの操作を待つステップを実行する。一方、CPU204は、所定数に一致したと判断した場合はS326へ進む。
【0037】
ウェイトタイマの稼働回数(計時回数)は、通常動作電力モードへ移行した後、人が検知されるものの、操作が行われない状態でウェイトタイマを発行する回数を示している。この回数の閾値(所定数)を予め設定し、操作が目的のユーザか、それ以外のユーザかを判断している。所定数稼働した場合は、S326へ進み、先に説明したステップを実行する。
【0038】
上述したフローでは、ユーザを検知するステップで、センサ部600の電源供給をONにし、それ以外はOFFにしている。しかし本発明はこれに限定されず、例えば、センサ部600の電源供給を常にONにし、ユーザを検知するステップにおいて、通電要求信号610を受信し、その他ステップは、通電要求信号610をメインコントローラ部200内でマスクするようにしてもよい。
【0039】
<電源制御構成>
次に、図4を参照して、メインコントローラ部200、スキャナ制御部300、プリンタ制御部400等の電源制御に関わるハードウェア構成(電源系統)について説明する。電源制御部100は、起動時や電源オフ時の電源制御や省電力モードへの移行/復帰といった上記電力制御に従って電源状態の変更を制御する。具体的には、複数ある省電力モードからの復帰要因に応じて、通常動作電力モードへ移行する際の電源制御を実施する。復帰要因については、発明の趣旨ではないので、詳細な説明は省略する。また、省電力モードから復帰するための要因の設定は省電力モードへの移行前にメインコントローラ部200から設定することで、復帰要因を変更することが可能である。
【0040】
電源制御部100は、メインコントローラ部200からの命令や節電SW550、省電力モードからの復帰信号101を受ける。そして、それらの命令によって第一電源供給部540や第二電源供給部541から各装置に対して電源供給を行うかどうかの制御を行う。なお、図4では、通常動作電力モードでの電力供給状態が示され、全ての負荷へ電力が供給されている状態である。
【0041】
制御信号505、506、507、508、509、531、532、533は、各デバイスに対して電源供給を行うかどうかを制御するための信号である。また、スイッチ510、511、512、513、514、515、516、518は制御信号505、506、507、508、509、531、532、533で制御されるスイッチである。制御信号505、506、507、508、509、531、532、533を制御することで各デバイスに対しての電源供給状態を変更することが可能となる。
【0042】
スイッチ511、512、513、514、515、516、518はFETやリレースイッチ等によって実現することができる。制御信号506及びスイッチ511は、第一電源供給部540からセンサ部600、電源制御部100に対しての電源供給を制御する。スイッチ511は後述のスイッチ510がオンされると、電源制御部100が制御信号506を駆動してオンされる。これによりユーザがスイッチ510をオフした際にも、センサ部600と電源制御部100に対して電源供給することが可能となる。
【0043】
このとき電源制御部100はスイッチのオフオンを取得するための信号509により、スイッチ510がオフされたことを検知し、それをメインコントローラ部200に対して通知する。この通知を受けることにより、正常なシャットダウン処理をしてから各デバイスに対しての電源をオフすることが可能となる。スイッチ510は、ユーザによって画像処理装置10への電源オン/オフの操作をするためのスイッチであり、ユーザがスイッチ510をオンすることで第一電源供給部540からセンサ部600と電源制御部100に対して電源が供給されるようになる。
【0044】
制御信号507及びスイッチ512は、第二電源供給部541に対してAC電源の供給を制御する。制御信号507及びスイッチ512は各デバイスに対して第二電源の供給を制御する。例えば、メインコントローラ部200への電源供給で説明すると、省電力モードの場合には、スイッチ512はオフされ電力供給は停止されているが、通常動作電力モード時にはスイッチ512はオンされ第二電源供給部541から電力が供給される。
【0045】
第一電源供給部540は、AC電源をDC電源に変換し、電源制御部100等に対して第一電源を供給する。第一電源供給部540から供給される第一電源は、画像処理装置10を省電力モードにした場合でも電源制御部100及び、メインコントローラ部200内の制御回路201等に対して電源供給を行うために備えられている電源である。第一電源は電源制御部100の他に省電力モードからの復帰を行うためにセンサ部600にも供給される。
【0046】
第二電源供給部541は、AC電源をDC電源に変換し、各デバイスに対して、第二電源を供給する。第二電源供給部541から供給される第二電源は、画像処理装置10が省電力モードの時に電源供給を停止する電源である。第二電源供給部541は、省電力モードの場合に電源供給が不要な各種デバイスに対して電源供給を遮断する機能も備えられている。
【0047】
後述する節電SW(スイッチ)550はユーザによって操作されるスイッチであり、画像処理装置10を省電力モードに移行させるとき、または省電力モードからスタンバイ状態に復帰させるときに押下される。通常動作電力モード状態の場合に節電SW550が押された場合にはメインコントローラ部200が節電SW550を押されたことを検知して省電力モードへの移行処理を実施する。また省電力モードの場合に節電SW550が押された場合には電源制御部100が節電SW550を押されたことを検知して、メインコントローラ部200など各デバイスに対して通電を開始する。
【0048】
図2の時間T3のように、操作部の液晶画面表示部411に表示されるメニューからプリント動作が選択された場合には、電源制御部100は信号533により、スイッチ516をOFFにし、スキャナ制御部300及びスキャナ駆動部301への通電を停止させる。さらに、電源制御部100は、信号531、532により、スイッチ514、515をONにし、スキャナ制御部300、スキャナ駆動部301を停止した状態で、操作部500及びプリント動作を稼働させる制御を行う。
【0049】
<操作部の構成>
次に、図5を参照して、操作部500の構成について説明する。図5では、図3のS306における操作部500の液晶表示部411に表示された機能を示す。ユーザは、液晶表示部411に表示された表示画面の中から必要な機能を選択して、押下することにより各機能の動作を実行させることができる。なお、節電SW550も操作部500に設けられ、上述したように、押下されることにより省電力モードへ移行する。
【0050】
<電源供給状態>
次に、図6及び図7を参照して、図4を参照して説明したハードウェア構成における電力供給状態について説明する。上述したように、図4は、通常動作電力モードにおいて全てのデバイスへ電力が供給されている電力供給状態を示す。
【0051】
図6は、省電力モード(S330)の電源供給状態を示す。具体的には、図6に示すように、電源が供給されるユニットは、電源制御部100、センサ部600、及び節電SW550である。さらに、メインコントローラ部200内の制御回路201にも、電源が供給される。したがって、図6では、スイッチ510、511、513がONに制御されている。センサ部600からの通電要求信号610は、メインコントローラ部200内の制御回路201を経由して、復帰信号101として出力されるようになっている。通常動作電力モードに復帰した際、CPU204からこれらの信号を検知し、また制御できるようになっている。
【0052】
図7は、図3のフローチャートにおいて、プリント動作が選択された(S311)ときの電源供給状態を示している。プリント動作が選択されているため、動作に必要なユニットとして、プリンタ制御部400、プリンタ駆動部401に電源が供給されるようになっている。したがって、図7では、図6で示したスイッチ510、511、513がONに制御されているのに加えて、さらに、スイッチ512、514、515、518がONに制御されている。なお、スイッチ516については、スキャナ動作に関わるスイッチであるためOFFのままである。また、この段階で、センサ部600への電源供給を停止してもよい。この段階では、ユーザ操作を受け付けており、人感センサ601による人の検知を行わないためである。
【0053】
<各ユーザ操作での電力制御>
以下では、図9乃至図12、及び図3のステップを参照して、想定されるユーザ操作のケースに従った電力制御について説明をする。図9は、人を検知して復帰後、無操作状態が続いて、人が居なくなった場合の説明図である。横軸は、時間の経過を示している。ここでは、ウェイトタイマのタイムアウトのタイミングで人感センサ601に通電して人の検知を行い、ウェイトタイマの稼働回数の閾値を超える前にユーザが装置から離れるケースについて説明する。例えば、CPU204の判断条件であるウェイトタイマのタイムアウト時間を30秒(S308の分岐条件)、ウェイトタイマ稼働回数を2回(S325の分岐条件)と設定した場合を想定する。なお、ウェイトタイマのタイムアウト時間、稼働回数の閾値、及びオートスリープタイマのタイムアウト時間については、ユーザによって設定されるようにしてもよいし、予め定められた値としてもよい。
【0054】
人感センサ601によって人を検知し、省電力モードから復帰して各部へ電源供給が開始され、ウェイトタイマのカウントが開始される(S301で検知、S305でカウント開始)。ウェイトタイマのカウント中(計時中)に操作がなく、タイムアウトすると再び人感センサ601を稼働し人を検知する(S308でタイムアウト、S322で人を検知)。人が検知され、かつウェイトタイマの稼働回数が所定数に満たない場合、ウェイトタイマをリセットして再びカウントを開始する(S325からS305へ戻る)。
【0055】
2回目のウェイトタイマのカウント中に操作がなく、さらに人が画像処理装置10から離れた場合、2回目のタイムアウト後においては人感センサ601によって人は非検知となる(S308でタイムアウト、S322で人を非検知)。人が検知されない場合は、省電力モードへ移行する(S330)。このように、ウェイトタイマを動作させ、一定時間ユーザからの入力操作を待つように制御する。なお、人感センサ601については、常に通電するのではなく、ウェイトタイマのカウント中は通電せず、ウェイトタイマがタイムアウトしたタイミングで通電して人の検知を行う。これにより、無駄な電力消費をより低減することができる。
【0056】
図10は、人を検知しながら、ユーザから操作がない場合の説明図である。横軸は、時間の経過を示している。ここでは、人を検知して復帰後、無操作状態が続いて、ウェイトタイマの稼働回数の閾値を超えるケースについて説明する。例えば、ウェイトタイマのタイムアウト時間を30秒(S308の分岐条件)、ウェイトタイマ稼働数を2回(S325の分岐条件)と設定した場合を想定する。
【0057】
人感センサ601によって人を検知し、省電力モードから復帰して各部へ電源供給が開始され、ウェイトタイマのカウントが開始される(S301で検知、S305でカウント開始)。ウェイトタイマのカウント中(計時中)に操作がなく、タイムアウトすると再び人感センサ601を稼働し人を検知する(S308でタイムアウト、S322で人を検知)。人が検知され、かつウェイトタイマの稼働回数が所定数に満たない場合、ウェイトタイマをリセットして再びカウントを開始する(S325からS305へ戻る)。
【0058】
さらに、2回目のウェイトタイマのカウント中に操作がなく、タイムアウトすると再び人感センサ601を稼働し人を検知する(S308でタイムアウト、S322で人を検知)。人が検知された場合、ウェイトタイマの稼働回数をカウントする(S324)。この時、ウェイトタイマの稼働数が2回(閾値)となっているので(S325の分岐条件)、最後(3回目)のウェイトタイマのカウントを開始する(S327)。
【0059】
最後(3回目)のウェイトタイマのカウント中に操作がなく、タイムアウトする(S328、S329)と省電力モードへ移行する(S330)。このように、ウェイトタイマを規定回数動作させ、一定時間ユーザからの入力操作を待つようになっている。ウェイトタイマの規定回数を超えて動作させ、操作が無ければ、省電力モードへ移行する。このように、ウェイトタイマの稼働回数に閾値を設けることにより、無駄な電力消費を極力抑えつつ、ユーザが操作を迷っている場合などの一定時間経過後に操作するタイミングで省電力モードへ移行していることを回避する制御を調整している。
【0060】
図11は、アラート発行の説明図である。横軸は、時間の経過を示している。ここでは、人を検知して復帰後、無操作状態が続いて、ウェイトタイマの稼働回数の閾値を超える際にアラートを発行するケースについて説明する。例えば、ウェイトタイマのタイムアウト時間を30秒(S308の分岐条件)、ウェイトタイマ稼働数を2回(S325の分岐条件)と設定した場合を想定する。
【0061】
人感センサ601によって人を検知し、省電力モードから復帰して各部へ電源供給が開始され、ウェイトタイマのカウントが開始される(S301で検知、S305でカウント開始)。ウェイトタイマのカウント中(計時中)に操作がなく、タイムアウトすると再び人感センサ601を稼働し人を検知する(S308でタイムアウト、S322で人を検知)。人が検知され、かつウェイトタイマの稼働回数が所定数に満たない場合、ウェイトタイマをリセットして再びカウントを開始する(S325からS305へ戻る)。
【0062】
さらに、2回目のウェイトタイマのカウント中に操作がなく、タイムアウトすると再び人感センサ601を稼働し人を検知する(S308でタイムアウト、S322で人を検知)。人が検知された場合、ウェイトタイマの稼働回数をカウントする(S324)。この時、ウェイトタイマの稼働数が2回(閾値)となっているので(S325の分岐条件)、アラートを発行し(S326)、最後(3回目)のウェイトタイマのカウントを開始する(S327)。
【0063】
アラートは、前述したように、音声スピーカ502よる音声合成により、及び操作部500への表示の少なくとも1つによって、ユーザに対し操作を促し、操作がなければ省電力モードへ移行する旨を通知する。例えば、「操作がありません。Sleepへ移行してよいですか?」等、音声によって通知することで入力を促し、入力がなければ省電力モードへ移行するよう。同時に、図8に示すように、操作部500上に画像を表示させるようにしてもよい。ユーザは、操作を続けたい場合は、戻るボタン801を操作することによって元の画面に戻るようになっている。
【0064】
最後(3回目)のウェイトタイマのカウント中に操作がなく、タイムアウトする(S328、S329)と省電力モードへ移行する(S330)。このように、ウェイトタイマを規定回数動作させ、規定回数を超えて動作させる際にアラートを発行し、それでも一定時間ユーザからの操作がなければ省電力モードへ移行する。したがって、図10のケースと比較して、よりユーザの使い勝手を考慮した制御を行うことができる。
【0065】
図12は、人を検知して復帰後、ユーザより操作が行われるが、その後無操作状態が続く場合の説明図である。横軸は、時間の経過を示している。ここでは、ウェイトタイマとオートスリープタイマとを組み合わせて制御するケースについて説明する。オートスリープタイマは、ユーザが操作した後、無操作状態が続いた時、次に省電力モードに移行する時間を計測するタイマである。10秒から4時間までの間で選択し予め設定できるようになっている。例えば、60秒が設定されているとする。
【0066】
人感センサ601によって人を検知し、省電力モードから復帰して各部へ電源供給が開始され、ウェイトタイマのカウントが開始される(S301で検知、S305でカウント開始)。ここで、ウェイトタイマがタイムアウトする前に操作が行われ、図5に示す操作画面より、ユーザが使いたい機能を選択し稼働させる。例えば、コピー動作が選択されると、プリンタ制御部400、プリンタ駆動部401、スキャナ制御部300、及びスキャナ駆動部301への通電が行われる(S306、S307、S309)。
【0067】
コピージョブの実行後、オートスリープタイマのカウントを開始し、ユーザからの操作を60秒間待つ(S315、S316、S317)。操作がない場合は、人感センサをONにし、人を検知した場合はアラートを発行する(S318、S320、S326)。その後、ウェイトタイマのカウントを開始し、アラートに促されたユーザからの操作を待つ(S327、S328)。ウェイトタイマがタイムアウトした場合は、省電力モードに移行する(S329、S330)。
【0068】
このように、ウェイトタイマの規定回数以内にユーザが操作し、ジョブが実行されると、その後、オートスリープタイマのカウントを開始し、操作が無くタイムアウトすると、アラートを発行し、ウェイトタイマを開始する。その後、操作無くウェイトタイマがタイムアウトすると省電力モードへ移行する。これにより、操作が行われた後の省電力制御についても、無駄な電力消費を極力抑えつつ、ユーザの使い勝手を考慮した制御を行うことができる。なお、図12では、オートスリープタイマのタイムアップ後にアラートを発行してウェイトタイマの計時を開始させ、当該ウェイトタイマがタイムアップすると省電力モードへ移行する制御を示した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、オートスリープタイマを開始する際に、ウェイトタイマの稼働回数(計時回数)をリセットするようにしてもよい。この場合には、その後の電力制御として、図9乃至図11の何れかの制御が行われてもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置(画像処理装置)は、動作モードとして通常動作電力モード(第1の電力モード)と通常動作電力モードよりも消費電力の少ない省電力モード(第2の電力モード)とを有する。また、情報処理装置は、当該情報処理装置の近傍に位置する物体を検知すると、所定時間の計時を開始し、動作モードを第2の電力モードから第1の電力モードへ復帰させる。その後、情報処理装置は、所定時間が計時された際に、人感センサによって物体が検知されていなければ動作モードを第1の電力モードから第2の電力モードへ移行する。一方、人感センサによって物体が検知されていれば所定時間の計時を再度行う。また、情報処理装置は、動作モードを第2の電力モードから第1の電力モードへ復帰させる際に、人感センサへの電力供給を停止し、所定時間が経過した後に人感センサへ電力を供給して検知を行うようにしてもよい。このように、本実施形態によれば、一定時間経過後に再び人感センサにて人を検知することにより、ユーザが意図しない省電力モードへの移行を回避することができるとともに、無駄な消費電力を極力抑えることができる。
【0070】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、一定時間経過後に再び人感センサにて人を検知した場合であっても、ウェイトタイマによる計時回数(稼働回数)が閾値を超えていれば、省電力モードへ移行するように制御する。なお、この際、ウェイトタイマによる計時回数が閾値に到達した時点で上述したようなアラートを音声出力及び表示出力の少なくとも一方で発行してもよい。
【0071】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、タイマの計時中にユーザ操作を受け付けると、対応する処理を実行した後に、オートスリープタイマ(第2の計時手段)で所定時間(第2の所定時間)を計時させる。その後、情報処理装置は、オートスリープタイマがタイムアップすると、再びウェイトタイマによる所定時間の計時を開始させる。この際、アラートを発行し、当該ウェイトタイマがタイムアップすると省電力モードへ移行するようにしてもよい。
【0072】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0073】
10:画像処理装置、100:電源制御部、200:メインコントローラ部、300:スキャナ制御部、400:プリンタ制御部、500:操作部、600:センサ部、601:人感センサ、603:判断部、610:通電要求信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12