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特許7558335同時の測距距離および速度測定のための、複数個のレーザおよびコヒーレント受信器の相補的変調に基づくLIDARシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】同時の測距距離および速度測定のための、複数個のレーザおよびコヒーレント受信器の相補的変調に基づくLIDARシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/34 20200101AFI20240920BHJP
【FI】
G01S17/34
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073801
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2021513379の分割
【原出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2023099110
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】62/669,808
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/669,801
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/669,803
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520390450
【氏名又は名称】オーロラ・オペレイションズ・インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】AURORA OPERATIONS, INC.
【住所又は居所原語表記】1654 Smallman Street, Pittsburgh, PA 15222, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サンドボーン,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】リン,セン
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/160240(WO,A2)
【文献】特表2012-518793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0350964(US,A1)
【文献】特表2012-502301(JP,A)
【文献】特表2008-531993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIDARシステムであって、
レーザバンクと、光学コンバイナと、光学結合器と、制御回路とを備え、
前記レーザバンクは、第1のレーザ及び第2のレーザを含み、
前記第1のレーザは、正の周波数掃引を有する第1のレーザビームを出力し、
前記第2のレーザは、負の周波数掃引を有する第2のレーザビームを出力し、
前記レーザバンクは、前記第1のレーザビーム及び前記第2のレーザビームからレーザ場を生成し、
前記光学結合器は、前記レーザバンクに結合され、
前記光学結合器は、前記レーザ場の第1の部分が標的により前記光学コンバイナに反射されるように、前記第1の部分を前記標的に導き、
前記光学結合器は、前記レーザ場の第2の部分を前記光学コンバイナに直接的に導
前記制御回路は、前記レーザ場の反射された前記第1の部分と、前記レーザ場の前記第2の部分とに基づいて信号を処理し、正の周波数値においての第1のパワースペクトル密度(PSD)及び負の周波数値においての第2のPSDを決定する、
LIDARシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のLIDARシステムにおいて、
前記光学コンバイナは、反射された前記第1の部分を受信し、
前記光学コンバイナは、前記反射された第1の部分、及び前記第2の部分を光学的に組み合わせる、
LIDARシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のLIDARシステムにおいて、
フォト受信器を備え、
前記フォト受信器は、前記光学コンバイナに結合され、
前記フォト受信器は、光学的に組み合わされた前記部分によって、I出力及びQ出力を出力する、
LIDARシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のLIDARシステムにおいて、
記制御回路は、前記I出力及び前記Q出力によって前記第1のPSD及び前記第2のPSDを決定し、
前記制御回路は、前記第1のPSD及び前記第2のPSDに基づいて、前記標的までの距離を決定し、
前記制御回路は、前記第1のPSD及び前記第2のPSDに基づいて、前記標的の速度を決定する、
LIDARシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のLIDARシステムにおいて、
前記フォト受信器は、I-Q検出器を含む、
LIDARシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のLIDARシステムにおいて、
前記レーザバンクは、N×1インコヒーレント結合器を含み、
前記N×1インコヒーレント結合器は、前記第1のレーザ及び前記第2のレーザの各々に結合される、
LIDARシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のLIDARシステムにおいて、
前記光学コンバイナは、光学ハイブリッドを含み、
前記光学ハイブリッドは、入力信号S及びLに基づいて、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jLを生成する、
LIDARシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のLIDARシステムにおいて、
フォト受信器を備え、
前記フォト受信器は、4チャネルフォト受信器を含み、
前記4チャネルフォト受信器は、前記光学ハイブリッドの前記出力信号の各々を受信する、
LIDARシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のLIDARシステムにおいて、
前記光学結合器は、2×2結合器を含む、
LIDARシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のLIDARシステムにおいて、
標的アーム組立体を備え、
前記標的アーム組立体は、前記光学結合器に結合され、
前記標的アーム組立体は、前記第1の部分を前記標的に導き、
前記標的アーム組立体は、前記反射された第1の部分を前記光学コンバイナに導く、
LIDARシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のLIDARシステムにおいて、
前記標的アーム組立体は、サーキュレータ及び走査光学素子を含み、
前記サーキュレータは、前記第1の部分を前記光学結合器から受信し、
前記サーキュレータは、前記反射された第1の部分を前記光学コンバイナに導き、
前記走査光学素子は、前記サーキュレータに結合され、
前記走査光学素子は、前記第1の部分を前記サーキュレータから受信し、
前記走査光学素子は、前記第1の部分を前記標的に導き、
前記走査光学素子は、前記反射された第1の部分を前記標的から受信し、
前記走査光学素子は、前記反射された第1の部分を前記サーキュレータに導く、
LIDARシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のLIDARシステムにおいて、
前記走査光学素子は、ガルバノメトリック走査鏡及びMEMSに基づく走査鏡の少なくとも一方を含む、
LIDARシステム。
【請求項13】
請求項10に記載のLIDARシステムにおいて、
前記標的アーム組立体は、サーキュレータ及び集積フォトニックデバイスを含み、
前記サーキュレータは、前記第1の部分を前記光学結合器から受信し、
前記サーキュレータは、前記反射された第1の部分を前記光学コンバイナに導き、
前記集積フォトニックデバイスは、前記サーキュレータに結合され、
前記集積フォトニックデバイスは、前記第1の部分を前記サーキュレータから受信し、
前記集積フォトニックデバイスは、前記第1の部分を前記標的に導き、
前記集積フォトニックデバイスは、前記反射された第1の部分を前記標的から受信し、
前記集積フォトニックデバイスは、前記反射された第1の部分を前記サーキュレータに導く、
LIDARシステム。
【請求項14】
請求項10に記載のLIDARシステムにおいて、
前記標的アーム組立体は、2×2結合器及び集積フォトニックデバイスを含み、
前記2×2結合器は、前記第1の部分を前記光学結合器から受信し、
前記2×2結合器は、前記反射された第1の部分を前記光学コンバイナに導き、
前記集積フォトニックデバイスは、前記2×2結合器に結合され、
前記集積フォトニックデバイスは、前記第1の部分を前記2×2結合器から受信し、
前記集積フォトニックデバイスは、前記第1の部分を前記標的に導き、
前記集積フォトニックデバイスは、前記反射された第1の部分を前記標的から受信し、
前記集積フォトニックデバイスは、前記反射された第1の部分を前記2×2結合器に導く、
LIDARシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のLIDARシステムにおいて、
前記第1のレーザは、負の周波数掃引を有する第3のレーザビームを出力するように構成され、
前記第2のレーザは、正の周波数掃引を有する第4のレーザビームを出力するように構成される、
LIDARシステム。
【請求項16】
LIDARシステムによって標的までの距離及び前記標的の速度を決定する方法であって、
レーザバンクにより、正の周波数掃引を有する第1のレーザビーム、及び、負の周波数掃引を有する第2のレーザビームを生成するステップと、
前記レーザバンクにより、前記第1のレーザビーム及び前記第2のレーザビームからレーザ場を生成するステップと、
光学結合器により、前記レーザ場の第1の部分を前記標的に導くことを、前記第1の部分が前記標的により光学コンバイナに反射されるように行うステップと、
前記光学コンバイナにより、前記標的から反射された前記第1の部分を受信するステップと、
前記光学コンバイナにより、前記レーザ場の第2の部分を前記光学結合器から直接的に受信するステップと、
制御回路により、前記第1の部分及び前記第2の部分に基づいて、第1のパワースペクトル密度(PSD)に関連する正の周波数値及び第2のPSDに関連する負の周波数値を決定するステップと、
前記制御回路により、前記正の周波数値と前記負の周波数値との間の差によって、名目うなり周波数を決定するステップと、
前記制御回路により、前記正の周波数値と前記負の周波数値との和によって、前記名目うなり周波数からの周波数偏移を決定するステップとを含み、
前記標的までの距離は、前記名目うなり周波数に対応し、前記標的の速度は、前記周波数偏移に対応する、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記第1のレーザビームは、前記レーザバンクの第1のレーザによって生成され、
前記第2のレーザビームは、前記レーザバンクの第2のレーザによって生成される、
方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記光学コンバイナにより、前記反射された第1の部分及び前記第2の部分を光学的に組み合わせるステップを含む、
方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
フォト受信器により、光学的に組み合わされた前記部分によって、I出力及びQ出力を出力するステップを含む、
方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記レーザバンクは、N×1インコヒーレント結合器を含み、
前記N×1インコヒーレント結合器は、前記レーザバンクの第1のレーザ及び第2のレーザの各々に結合される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2018年5月10日に出願された、LIDAR SYSTEM BASED ON COMPLEMENTARY MODULATION OF MULTIPLE LASERS AND COHERENT RECEIVER FOR SIMULTANEOUS RANGE AND VELOCITY MEASUREMENT(同時の測距距離および速度測定のための、複数個のレーザおよびコヒーレント受信器の相補的変調に基づくLIDARシステム)と題された、米国仮特許出願第62/669,803号、2018年5月10日に出願された、LIDAR SYSTEM BASED ON LIGHT MODULATOR AND COHERENT RECEIVER FOR SIMULTANEOUS RANGE AND VELOCITY MEASUREMENT(同時の測距距離および速度測定のための、光変調器およびコヒーレント受信器に基づくLIDARシステム)と題された、米国仮特許出願第62/669,801号、および、2018年5月10日に出願された、LIDAR SYSTEM BASED ON MULTI-CHANNEL LASER MODULE FOR SIMULTANEOUS BEAM SCANNING OF TARGET ENVIRONMENT(標的環境の同時のビーム走査のための多チャネルレーザモジュールに基づくLIDARシステム)と題された、米国仮特許出願第62/669,808号の、米国特許法第119条(e)のもとでの優先権を主張するものであり、これらの米国仮特許出願の各々は、ここに、その米国仮特許出願の全体が本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
[0002]本出願は、さらには、後に続くPCT出願:LIDAR SYSTEM BASED ON LIGHT MODULATOR AND COHERENT RECEIVER FOR SIMULTANEOUS RANGE AND VELOCITY MEASUREMENT(同時の測距距離および速度測定のための、光変調器およびコヒーレント受信器に基づくLIDARシステム)と題された、代理人整理番号1403106.00028、および、LIDAR SYSTEM BASED ON MULTI-CHANNEL LASER MODULE FOR SIMULTANEOUS BEAM SCANNING OF TARGET ENVIRONMENT(標的環境の同時のビーム走査のための多チャネルレーザモジュールに基づくLIDARシステム)と題された、代理人整理番号1403106.00034と関係があり、それらのPCT出願の各々は、本明細書と同時に出願され、そのPCT出願の全体が参照により本明細書において組み込まれている。
【0003】
[0003]本開示は、周波数変調連続波(FMCW)光検出および測距(LIDAR:light detection and ranging)の技術分野においてのものである。
【背景技術】
【0004】
[0004]一般的には、FMCW LIDARシステムは、局所経路および標的経路からの光学信号の間の干渉を測定することにより測距距離を検知する。レーザの周波数を掃引することにより、干渉信号は、標的距離に比例する周波数を伴う振動になる。FMCWレーザを、三角形方式での、より低い周波数から、より高い周波数への、および次いで、より高い周波数から、より低い周波数への、線形周波数掃引を有するように変調する場合がある。
【0005】
[0005]移動する反射体は、反射体の速度に比例する、測定される周波数においての偏移を引き起こす場合がある。反射体の距離および速度の影響の間の差を見分けるために、正のレーザ掃引の間の干渉周波数、および次いで、負の周波数掃引の間の干渉周波数を測定する場合がある。
【0006】
[0006]測定を成し遂げる速さが重要である場合があり、2つの測定を行って速度を取得する方法が、測距距離を単に測定する方法の2倍長くかかる場合がある。したがって、相補的周波数掃引を区別するための方法と組み合わされる、相補的周波数掃引を伴う複数個の周波数変調レーザを使用するための方法が、距離および速度LIDARセンサの測定速さを高める場合がある。相補的周波数掃引を区別する方法は、時間遅延および周波数偏移影響を十分に切り離すことができない、あいまいさ問題を解決する。
【0007】
[0007]さらに、一般的には、FMCW LIDARシステムは、掃引光源レーザを使用して、距離および速度を測定する。反射させられる信号の周波数は、標的の距離に比例する場合がある。移動する標的は、ドップラー効果に起因して、標的の速度に比例して、反射させられる信号の周波数を偏移させ、その偏移は、同時に測定することができるものである。
【0008】
[0008]ビームステアリングモジュールは、標的環境の全域でレーザビームを走査する場合がある。光学システムにおいて複数個のレーザチャネルを有することは、より大きい視界(FOV)を捕捉するためのいくつかの走査素子を必然的に含む場合がある。いくつかのレーザビームが走査素子を共用することを可能とすることになる手法が、システムの複雑さおよび費用を低減する助けとなる場合がある。その手法は、そのような手法を集積フォトニックチップ上で実現することにより、システムの費用をさらに低減することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0009]1つの一般的な態様において、本開示は、レーザ対のアレイおよびコヒーレント受信器を使用して、測距距離および速度を同時に検出する、例FMCW LIDARシステムを対象とする。この例において、プロービング場を、レーザの対を使用してつくり出す。レーザの各々の対において、一方を、増大する光学周波数を有するように直接的に変調し、他方を、減少する光学周波数を有するように直接的に変調する。この変調の後に干渉計が続いてもよく、その干渉計は、1つが「局所」経路、および1つが「標的」経路の2つの経路に沿って光を送出する光学分割器と、「90度光学ハイブリッド」として知られている光学コンバイナと、複数個のフォトダイオードを伴うフォト受信器(photoreceiver)と、信号処理のための制御回路またはコンピュータとからなりたつ。90度光学ハイブリッドおよび複数個のフォトダイオードは、正のうなり周波数、および、負のうなり周波数の区別を可能とする。本開示は、FMCW LIDARが、レーザ対を使用する同時のレーザ周波数掃引を生成および区別することを可能にする場合があり、その生成および区別が、測距距離および速度推定値を算定するために要される測定時間を短縮する場合がある。光学分割器、コンバイナ、走査光学素子、送信光学素子、受信器光学素子、およびフォト受信器を含む、システムのいくつかの部分を、システムを小型にするために、集積フォトニクスを使用して実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0010]本開示の1つの態様による、変調および検出を伴うFMCW LIDARシステムの線図である。
図2】[0011]本開示の1つの態様による、測距距離および速度を同時に測定するために使用される、うなり周波数を決定するための、時間の関数としてのレーザ周波数を例解するグラフである。
図3】[0012]本開示の1つの態様による、周波数の関数としての、フォト受信器の出力チャネルを使用して遂行されるパワースペクトル密度(PSD)測定を例解するグラフである。
図4】[0013]本開示の1つの態様による、N個のレーザと、N×1インコヒーレントコンバイナとを含むレーザバンクの線図である。
図5】[0014]本開示の1つの態様による、N×1レーザバンクおよびコヒーレント検出を伴うFMCW LIDARシステムの線図である。
図6】[0015]本開示の1つの態様による、測距距離および速度を同時に測定するために使用される、うなり周波数を決定するための、時間の関数としてのレーザ周波数を例解するグラフである。
図7】[0016]本開示の1つの態様による、周波数の関数としての、フォト受信器の出力チャネルを使用して遂行されるパワースペクトル密度(PSD)測定を例解するグラフである。
図8A】[0017]本開示の1つの態様による、干渉計の標的アームの第1の実現形態の線図である。
図8B】[0018]本開示の1つの態様による、干渉計の標的アームの第2の実現形態の線図である。
図8C】[0019]本開示の1つの態様による、干渉計の標的アームの第3の実現形態の線図である。
図9】[0020]本開示の1つの態様による、多チャネルFMCW LIDARシステムの線図である。
図10】[0021]図10Aは、本開示の1つの態様による、単一の走査器が複数個のレーザビームを導く、ビームステアリングモジュールの第1の例の線図である。[0022]図10Bは、本開示の1つの態様による、複数個の走査器がレーザビームを導く、ビームステアリングモジュールの第2の例の線図である。
図11A】[0023]本開示の1つの態様による、集積フォトニックチップ上で実現される多チャネルFMCW LIDAR送受信器システムの線図である。
図11B】[0024]本開示の1つの態様による、図11Aにおいて例解されるシステムにおいて利用されるコヒーレント受信の第1の例の線図である。
図11C】[0025]本開示の1つの態様による、図11Aにおいて例解されるシステムにおいて利用されるコヒーレント受信の第2の例の線図である。
図12A】[0026]本開示の1つの態様による、第1の方向においてオンチップアンテナからレーザビームを放出するように構成される集積フォトニックチップの線図である。
図12B】[0027]本開示の1つの態様による、第2の方向においてオンチップアンテナからレーザビームを放出するように構成される集積フォトニックチップの線図である。
図13】[0028]本開示の1つの態様による、集積フォトニックチップ上で実現される多チャネルFMCW LIDARシステムに対する、ビームステアリングモジュール配置構成および走査パターンの線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
同時の測距距離および速度測定のための、光変調器およびコヒーレント受信器
[0029]図1は、本開示の1つの態様による、FMCW LIDARシステムの例を示すブロック線図である。この例において、システムは、レーザ変調器2(例えば、光学強度変調器)に結合されるレーザ1を含む。レーザ変調器2を、例えばレーザ1により出力されるレーザビームの、強度または振幅を変調するように構成する。システムは、分割器3(例えば、2×2分割器または結合器)をさらに含むことができる。レーザ変調器2からの出力光を、分割器3内へと注入する場合があり、その分割器3を、光を2つの経路へと(例えば、方向性結合器または多モード干渉計を使用して)分離するように構成する。システムは、コンバイナ5(例えば、2×4コンバイナまたは結合器)をさらに含むことができる。レーザ2により(レーザ変調器2により変調されるように)生成される一部の光を、分割器3を介して、コンバイナ5の一方の入力に直接的に結合する場合がある。レーザ2により生成される光の残部を、コンバイナ5の他方の入力に結合する前に、分割器3を介して、標的経路を通して、標的アーム4(その標的アーム4の例を、図8A~8Cに関して下記で説明する)に送信する場合がある。1つの態様において、コンバイナ5を、「光学ハイブリッド」または「90度光学ハイブリッド」として実現する場合があり、その「光学ハイブリッド」または「90度光学ハイブリッド」を、さらには「I-Q検出器」と称する4チャネルフォト受信器6において検出されるように、光を4つの経路へと分割するように構成する。光学ハイブリッドを、2つの光学信号(SおよびL)を受信し、応答して、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jL(ここで、jは虚数である)を生成するように構成する。I-Q検出器6の出力は、2つの電気信号:Iチャネル7およびQチャネル8の形式でのものである場合がある。システムは、I-Q検出器6に結合される制御回路9をさらに含むことができる。制御回路9を、IおよびQチャネル7、8を同時に処理するように構成することができる。
【0013】
[0030]図2は、本開示の1つの態様による、I-Q検出器6の出力においての信号の例示的な生成を例解する、時間の関数としてのレーザ周波数を例解するグラフである。この例において、変調器2を、二重側波帯周波数変調を伴うレーザ光を生成するように構成する。1つの態様において、変調器2を、コンバイナ5に上側波帯10および下側波帯11を直接的に送信するように構成することができ、そのコンバイナ5を、上の方で触れられたように、光学ハイブリッドとして実現することができる。さらに、変調器2を、さらには、標的に導かれるように標的経路を通して上側波帯10および下側波帯11を送信するように構成することができ、その送信は、システムと標的との間の距離に起因する時間遅延12、および、コンバイナ5により受信される前の標的による移動に起因する周波数偏移13の両方を招く。受信される上側波帯14、および、受信される下側波帯15を、コンバイナ5において、送信される上側波帯10、および、送信される下側波帯11と組み合わせることができる。送信および受信される上側波帯10、14の間の干渉が、レーザ周波数においてのそれらの側波帯の離隔16に等しいうなり周波数をつくり出す場合がある。さらに、送信および受信される側波帯11、15の間の干渉が、同じように、レーザ周波数においてのそれらの側波帯の離隔17に等しいうなり周波数をつくり出す場合がある。
【0014】
[0031]この例において、コンバイナ5により生成されるIおよびQチャネル7、8の和をとって、複素数値の信号I+jQ(ここで、jは虚数である)をつくり出すことができる。この複素数和のパワースペクトル密度(PSD)を、例示的な図3において例解し、その図3は、本開示の1つの態様による、周波数の関数としての、I-Q検出器の出力チャネルを使用して遂行されるパワースペクトル密度(PSD)測定を例解するグラフである。PSD測定を、(例えば、制御回路9により)処理して、連続的な測定に対する必要性なしで、標的の測距距離および速度に対する推定値を生じさせる。PSDは、第1の周波数値16(図2上で同じように指示される)においての第1のピーク値18、および、第2の周波数値17(図2上で同じように指示される)においての第2のピーク値19を有する場合がある。この例において、第1の周波数値16は正であり、負の周波数値17は負である。第1の周波数値16は、第1の名目周波数値20(さらには「名目うなり周波数」と称する)から偏移させられる。第2の周波数値17は、第1の名目周波数値20の反対符号である第2の名目周波数値21から偏移させられる。1つの態様において、制御回路9を、第2の周波数値17を第1の周波数値16から減算し、2で除算することにより、名目うなり周波数20を算出するように構成することができる。さらに、制御回路9を、第1の周波数値16および第2の周波数値17を加算し、2で除算することにより、周波数値20から離れた信号の周波数偏移を算出するように構成することができる。名目うなり周波数20は、標的距離(すなわち、システムの放出器から標的までの距離)に比例する場合があり、一方で、周波数偏移は、標的速度(すなわち、標的が移動している速度)に比例する場合がある。標的が、図2および3において示される例とは反対の方向において移動しているならば、測定されるピーク18、19は、反対の方向において偏移させられる場合がある。この反対の方向においての偏移は、したがって、周波数偏移に対する、異なって符号を付けられる値につながることになるが、名目うなり周波数は、それでもなお、周波数値20であるように算出される場合がある。
【0015】
同時の測距距離および速度測定のための、複数個のレーザおよびコヒーレント受信器の相補的変調
[0032]図4は、2つほどの少数のレーザによって構成することができる、本開示の1つの態様による、N個のレーザと、N×1インコヒーレントコンバイナとを含むレーザバンクの線図である。様々な態様において、Nは任意の整数>1であることがある。例において、システムは、第1のレーザ52に結合され、その第1のレーザ52を直接的に変調する、第1のレーザ駆動器51を含むことができる。システムは、第1のレーザ駆動器51から独立して、第2のレーザ54に結合され、その第2のレーザ54を直接的に変調する、第2のレーザ駆動器53をさらに含むことができる。この構成は、レーザ対55を含む場合がある。レーザ対55を、図4において示されるシステムの個別の例において第2のレーザ対60により明示されるように、多くの回数繰り返す場合がある。各々のレーザを、N×1光学結合器61によって単一の導波路内へと結合する場合がある。1つの態様において、第1のレーザ52を変調して、正の周波数掃引を有するレーザビームを放出する場合があり、第2のレーザ54を同時に変調して、負の周波数掃引を有するレーザビームを放出する場合がある。N×1光学結合器61を、レーザ52、54、57、59により生成されるレーザビームの各々からレーザ場を生成するように構成することができる。正および負の周波数掃引を有するレーザビームから生成されるレーザ場を、次いで、レーザバンクから出力する。
【0016】
[0033]図5は、本開示の1つの態様による、N×1レーザバンク62およびコヒーレント検出を伴うFMCW LIDARシステムの線図である。この例において、システムは、図4において例解されるレーザバンクなどのレーザバンク62(さらには「レーザアレイ」と称する)を含む。1つの態様において、システムは、レーザバンク62からの光(すなわち、レーザ場)を(例えば、方向性結合器または多モード干渉計を使用して)分割するように構成される、レーザバンク62に結合される光学結合器63(例えば、2×2光学結合器)をさらに含む。システムは、コンバイナ65(例えば、2×4コンバイナまたは結合器)をさらに含むことができる。レーザバンク62により生成される光の一部または部分を、コンバイナ65内へと結合する前に、結合器63を介して、標的経路を通して、標的アーム64(その標的アーム64の例を、図8A~8Cに関して下記で説明する)に送信する場合がある。レーザバンク62により生成される光の残部または残りの部分を、結合器63を介して、コンバイナ65内へと直接的に結合する場合がある。1つの態様において、コンバイナ65を、「光学ハイブリッド」として実現する場合があり、その「光学ハイブリッド」を、さらには「I-Q検出器」と称する4チャネルフォト受信器66において検出されるように、光を4つの経路へと分割するように構成する。光学ハイブリッドを、2つの光学信号(SおよびL)を受信し、応答して、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jL(ここで、jは虚数である)を生成するように構成する。I-Q検出器66の出力は、2つの電気信号:Iチャネル67およびQチャネル68の形式でのものである場合がある。システムは、I-Q検出器66に結合される制御回路69をさらに含むことができる。制御回路69を、IおよびQチャネル67、68を同時に処理するように構成することができる。
【0017】
[0034]図6は、本開示の1つの態様による、I-Q検出器66の出力においての信号の例示的な生成を例解する、時間の関数としてのレーザ周波数を例解するグラフである。明白に、図6は、図2において描写されるグラフと同様であるが、この例において、レーザバンク62は、2つの光学周波数掃引を同時に生成するように構成される。1つの態様において、結合器63を、コンバイナ65に直接的に正の掃引70および負の掃引71の第1の部分を導く、または送信するように構成することができ、そのコンバイナ65を、上の方で触れられたように、光学ハイブリッドとして実現することができる。さらに、結合器63を、標的経路を通して正の掃引70および負の掃引71の第2の部分を導く、または送信するように構成することができ、その導きまたは送信は、システムと標的との間の距離に起因する時間遅延72、および、コンバイナ65により受信される前の標的による移動に起因する周波数偏移73の両方を招く。受信される正の掃引74、および、受信される負の掃引75を、コンバイナ65において、送信される正の掃引70、および、送信される負の掃引71と組み合わせることができる。送信および受信される正の掃引70、74の間の干渉が、レーザ周波数においてのそれらの掃引の離隔76に等しいうなり周波数をつくり出す場合がある。さらに、送信および受信される負の掃引71、75の間の干渉が、同じように、レーザ周波数においてのそれらの掃引の離隔77に等しいうなり周波数をつくり出す場合がある。
【0018】
[0035]この例において、コンバイナ65により生成されるIおよびQチャネル67、68の和をとって、複素数値の信号I+jQ(ここで、jは虚数である)をつくり出すことができる。この複素数和のパワースペクトル密度(PSD)を、例示的な図7において例解する場合があり、その図7は、本開示の1つの態様による、周波数の関数としての、I-Q検出器の出力チャネルを使用して遂行されるパワースペクトル密度(PSD)測定を例解するグラフである。PSD測定を、(例えば、制御回路69により)処理して、連続的な測定に対する必要性なしで、標的の測距距離および速度に対する推定値を生じさせる。PSDは、第1の周波数値76(図6上で同じように指示される)においての第1のピーク値78、および、第2の周波数値77(図6上で同じように指示される)においての第2のピーク値79を有する場合がある。この例において、第1の周波数値76は正であり、負の周波数値77は負である。第1の周波数値76は、第1の名目周波数値80(さらには「名目うなり周波数」と称する)から偏移させられる。第2の周波数値77は、第1の名目周波数値80の反対符号である第2の名目周波数値81から偏移させられる。1つの態様において、制御回路69を、第2の周波数値77を第1の周波数値76から減算し、2で除算することにより、名目うなり周波数80を算出するように構成することができる。さらに、制御回路69を、第1の周波数値76および第2の周波数値77を加算し、2で除算することにより、周波数値80から離れた信号の周波数偏移を算出するように構成することができる。名目うなり周波数80は、標的距離(すなわち、システムの放出器から標的までの距離)に比例する場合があり、一方で、周波数偏移は、標的速度(すなわち、標的が移動している速度)に比例する場合がある。標的が、図6および7において示される例とは反対の方向において移動しているならば、測定されるピーク78、79は、反対の方向において偏移させられる場合がある。この反対の方向においての偏移は、したがって、周波数偏移に対する、異なって符号を付けられる値につながることになるが、名目うなり周波数は、それでもなお、周波数値70であるように算出される場合がある。
【0019】
標的アーム組立体
[0036]図8A~8Cは、図1~7に関して上の方で説明されたシステムの任意のものと併せて利用することができる、標的アームの3つの例解的な実現形態を例解する。これらの様々な実現形態において、光を、ファイバサーキュレータまたは2×2結合器(方向性結合器または多モード干渉計など)などの離散ファイバ構成要素を通して、同軸光学送受信器に結合することができる。さらに、光を、機械的走査と組み合わされるレンズにより成形およびステアリングすることができ、または、光を、集積フォトニック送受信器により成形およびステアリングすることができる。図8A~8Cにおいて例解される各々の例実現形態は、同軸光学送受信器を含み、入力光は、走査光学素子内へと結合され、標的物体に送信され、同じ走査光学素子により受信され、標的アーム4、64の出力に送り出される。図8Aにおいて示される標的アームの第1の例実現形態において、入力光を、ファイバサーキュレータ502の入力アーム501に送り出す。サーキュレータ502の第1の出力光を、ファイバファセット503に送り出し、出力ビームを、光学素子504により成形する。成形されたビームを、走査光学素子505(ガルバノメトリック走査鏡、または、MEMSに基づく走査鏡など)を通して送信する。ステアリングおよび成形されたビーム506を、光の一部を反射させる標的に送信する。走査光学素子505を使用して、反射させられた光を受信することができ、光学素子504を使用して、受信された光を、ファイバファセット503内へと戻るように合焦させることができる。ファイバファセット503からの入力光を、ファイバサーキュレータ502に戻るように送り出し、ファイバサーキュレータ502の出力507に結合する。
【0020】
[0037]図8Bにおいて示される標的アーム4、64の第2の例の実現形態において、ファイバサーキュレータ502出力を、標的への出力ビーム509を成形し導く、集積フォトニックデバイス508に送り出す。同じ集積フォトニックデバイス508を使用して、標的により反射させられた光を受信し、次いで、受信された光を、ファイバサーキュレータ502に戻るように送り出すことができ、以て、受信された光を、ファイバサーキュレータ502の出力507に結合する。
【0021】
[0038]図8Cにおいて示される標的アーム4、64の第3の例実現形態において、入力光を、光学結合器511(例えば、2×2結合器)の入力アーム510に送り出す。2×2結合器511の出力を、標的への出力ビーム509を成形し導く、集積フォトニックデバイス508に送り出す。同じ集積フォトニックデバイス508を使用して、標的により反射させられた光を受信し、次いで、受信された光を、2×2結合器511に戻るように送り出すことができ、以て、受信された光を、2×2結合器511の出力512に結合する。1つの態様において、2×2結合器511を、例えばファイバ結合モジュールとして、または、集積フォトニック構成要素(方向性結合器または多モード干渉計など)として実現することができ、それらのファイバ結合モジュールまたは集積フォトニック構成要素を、集積フォトニックデバイス508と一緒に製作することができる。
【0022】
多チャネル周波数変調連続波LIDARシステム
[0039]図9は、本開示の1つの態様による、多チャネルFMCW LIDARシステムの例の線図である。1つの態様において、システムは、フォトニクス組立体228に結合される、Nが整数≧2であるN個のレーザダイオード212を伴う、レーザモジュール211を含むことができる。例解される例において、システムは、単一の対のレーザダイオード212(すなわち、N=2)を含む。後に続く説明において、システムを、主に、2つの、すなわち1対のレーザダイオード212を有することの見地において論じることになるが、この見地は、ただ単に簡潔さのためのものであり、制限的ではないと理解すべきものである。1つの態様において、システムは、レーザモジュール211に、そのレーザモジュール211からレーザビームを生成するために結合されるレーザ駆動装置227と、レーザ駆動器227に結合される制御回路218とをさらに含む。この例において、レーザダイオード212を、レーザ駆動器227からの信号により変調し、そのレーザ駆動器227を、制御回路218により制御して、レーザダイオード212の各々から周波数掃引波形を生成する。レーザダイオード212からの2つの出力は、別個の、ただし同一の経路215、216を通り抜け、各々の経路215、216は、周波数測定のための干渉計構造を含む。システムは、各々の経路215、216に結合される光学パワータップ214(さらには「光学分割器」と称することができる)をさらに含む。光学パワータップ214を、ビームステアリングモジュール229に(および、間接的にはコヒーレント受信器220に)つながる(光学パワータップ214の第1のポートにおいての)「標的」経路221、および、(光学パワータップ214の第2のポートにおいての)「局所」経路213に沿って、レーザダイオード212から受信される光出力を導くように構成する。例解される態様において、標的経路221は、光学サーキュレータ217を含む。他の態様において、標的経路221は、光学サーキュレータ217の代わりに方向性結合器を含むことができる。光学サーキュレータ217(または方向性結合器)を、外出ビーム223をビームステアリングモジュール229に導き、戻りビーム222をコヒーレント受信器220の信号ポートに導くように構成する。例解される態様において、局所経路213は、コヒーレント受信器220の局部発振器(LO)ポートに直接的につながる。それゆえに、各々のコヒーレント受信器220を、レーザモジュール211のそれぞれのレーザダイオード212から生成される、標的から反射させられる第1の、または標的レーザビーム、および、直接的にレーザモジュール211からの第2の、または局所レーザビームを受信するように構成する。1つの態様において、光学パワータップ214、サーキュレータ217、および、それぞれのコヒーレント受信器220の、各々の組み合わせを、集合的に「光学システム」と称することができる。図9において例解されるフォトニクス組立体228は、2つの光学システムを含むが、この2つの光学システムを含むことは、ただ単に例解的なものであり、フォトニクス組立体228は、n個の光学システムを含むことができ、ここで、nは整数>0である。
【0023】
[0040]図9において例解されるシステムの態様において、コヒーレント受信器220を、2つの電気信号を生成するように構成することができ、その生成は、2つの光学信号(すなわち、戻りビーム222、および、局所経路213を介した局所ビーム送り出し)を光学ハイブリッド構造によって混合し、光学信号を、「Iチャネル」24および「Qチャネル」27と称する2つの対のバランス型フォトダイオード(balanced photodiode)に送り込むことによるものである。システムの代替的な態様において、コヒーレント受信器220を、2つの光学信号を光学結合器によって混合し、単一の対のバランス型フォトダイオードに送り込むことにより、単一の電気信号を生成するように構成することができる。そのようなコヒーレント受信器220の例を、図11Bにおいて例解し、下記で説明する。これらの信号を、トランスインピーダンス増幅器(TIA)226により増幅し、アナログ-デジタル変換器(ADC)225によりデジタル化し、制御回路上の、または、制御回路を介しての、デジタル信号処理(DSP)224によって同時に処理する場合がある。別個の、ただし同一の経路215、216は、ビームステアリングモジュール229において、ビーム_1およびビーム_2それぞれにつながる。フォトニクス組立体228の構成要素、モジュール、および/または回路の、すべてまたは部分を、図11A~12Bにおいて例解されるチップなどの、シリコンフォトニックチップまたは平面光波回路(PLC)を含む、ただしそれらに制限されない、集積フォトニックチップ上で実現することができる。
【0024】
[0041]図10Aおよび10Bは、本開示の様々な態様による、ビームステアリングモジュール229に対する代替的な配置構成の2つの例を例解する。図10Aにおいて示されるこの態様において、ビームステアリングモジュール229は、フォトニクス組立体228(図9)のサーキュレータ39から到着するレーザビームを受信するように構成される自由空間インターフェイス37の一団を含む。ビームステアリングモジュール229は、自由空間インターフェイス37からレーザビームを受信し、レーザビームを単一のビーム走査器36上へと投射する、光学レンズシステム35をさらに含む。光学レンズシステム35の助けによって、異なるビームが、1次元または2次元のいずれかで、拡張されたFOVを対象にする場合がある。1つの態様において、自由空間インターフェイス37を、光学レンズシステム35の焦点面に配置し、同じ角度または異なる角度で、光学信号を送出および受信するように構成する。
【0025】
[0042]図10Bにおいて示される代替的な例において、ビームステアリングモジュール229は、複数個の自由空間インターフェイス37と、複数個の光学レンズシステム35と、複数個のビーム走査器36とを含む。この態様において、フォトニクス組立体(図9)のサーキュレータ39から到着するレーザビームは、ビームステアリングモジュール229に進入し、各々は、光学レンズシステム35内へと自由空間インターフェイス37を通過し、その光学レンズシステム35において、ビームは、複数個の走査器36上へと投射され、1次元または2次元のいずれかで、大きいFOVを対象にするように、異なる方向において標的環境に照準を定められる。
【0026】
[0043]図9において描写される多チャネルアーキテクチャ、ならびに、図10Aおよび10Bにおいて描写されるビームステアリングモジュール229を、集積フォトニックチップ上で実現して、FMCW LIDARシステムのサイズおよび費用を相当量低減することができる。図11Aは、オンチップ多チャネルFMCW LIDAR送受信器を伴う集積フォトニックチップ101の1つの実現形態を例解する。1つの態様において、集積フォトニックチップ101は、一連のオンチップ結合器102(例えば、エッジ結合器または表面格子結合器)を含み、それらのオンチップ結合器102は、(例えば、レーザ駆動装置227によってレーザモジュール211により生成されるような)周波数変調光信号を受信し、光信号を、光学分配ネットワーク103(例えば、2進木構造)によって並列送受信器スライスに分配するように構成される。各々の送受信器スライスは、コヒーレント受信器(CR)104と、光学アンテナ105とからなる。図11Bおよび11Cは、例えば、CRの2つのバージョンを示す。光学分配ネットワーク103を、受信される光(例えば、周波数変調レーザビーム)をCR104の第1の線123(すなわち、光学入力)に提供するように構成する。CRは、光を、第2の線125を通して導かれる第1の出力、および、第3の線126を通して導かれる第2の出力へと分割するように構成される分割器122(例えば、2×2双方向性分割器)をさらに含む。第2の線125を、光学アンテナ105に結合し、よって、CR104を、光学アンテナ105を使用してチップの外に第2の出力を導くように構成する。さらに、光学アンテナ105は、往復式であり、したがって、物体(標的)からの反射させられたビームを収集し、反射させられたビームを、同じ線(すなわち、第2の線125)を通してCR104に戻るように送出するように構成される。第3の線126は、CR104に対するLOに対応する。分割器122を、第1の線123と第4の線124との間で、戻された信号(すなわち、光学アンテナ105により受信されるような、標的から反射させられたビーム)を分割するようにさらに構成する。図11Bにおいて例解される態様において、第3の線126および第4の線124を、バランス型2×2 121に結合し、そのバランス型2×2 121を、送信される光学信号(第3の線126を介して受信される)、および、反射させられた光学信号(第4の線124を介して受信される)を混合するように構成する。図11Cにおいて例解される態様において、第3の線126および第4の線124を、光学ハイブリッド129に結合する。さらに、CR104は、うなりトーン検出のために光学信号を電気信号へと変換するように構成されるフォトダイオード(PD)127を含む。例えば、図11Bにおいて描写される態様は、1対のPD127を含み、一方で、図11Cにおいて描写される態様は、4つのPD127を含む。図11Bにおいて例解される態様を、「バランス型フォトダイオード」(BPD)CRと称することができる。BPD CRを、単一の電気信号出力を提供するように構成する。図11Cにおいて例解される態様を、「ハイブリッド」CRと称することができる。ハイブリッドCRを、同相(I)および直交(Q)出力を提供するように構成し、それらの出力を使用して、測定されるうなりトーンにおいてのドップラー偏移から速度の符号を決定する。
【0027】
[0044]図12Aおよび12Bは、どのように集積フォトニックチップ101の様々な態様を、光学アンテナ105の型に応じて、複数個の光ビーム203を放出および受信するように構成することができるかを例解する(例えば、図12Aにおいて示されるような表面格子結合器301、または、図12Bにおいて示されるようなエッジ結合器302)。様々な態様において、モードフィールド変換器を、アンテナ105の部分として使用して、複数個の光ビーム203の発散角度を成形することができる。光ビームの出口角度は、レンズシステム202設計に応じて、同じまたは異なることがある。
【0028】
[0045]図13は、本開示の1つの態様による、集積フォトニックチップ上で実現される多チャネルFMCW LIDARシステムに対する、ビームステアリングモジュール配置構成および走査パターンの線図である。図13において、レンズシステム202を、集積フォトニクスチップ101(図12Aおよび12B)がそのレンズシステム202の焦点面に配置されるときに、異なる角度を指し示す平行ビーム204をつくり出すように構成する。単軸または2軸ビーム走査器201が、FOV全体にわたって光ビーム204を走査する。描写される例において、4つのビーム204があるが、この4つのビーム204があることは、ただ単に例解的な目的のためのものであり、制限的であると解釈すべきものではない。さらに、図13は、遠方界においてのラスタ走査パターンの例を描写し、4つのビーム204に対応する4つの光点205が、走査軌跡206において群として一体で走査している。ラスタ走査の走査ステップは、中心においてのより高い分解能要件に対処するために、非一様である(例えば、FOVの中心において、より密である)、および、4つの点の角度の全範囲の何分の1かであることがあるということに留意されたい。

[0046]本明細書において説明される主題の様々な態様を、後に続く、番号を付けられた例において提示する。
【0029】
[0047]例1.標的の距離および速度を決定するためのLIDARシステムであって、レーザビームを出力するように構成されるレーザと、レーザに結合されるレーザ変調器であって、レーザビームの強度を変調するように構成される、レーザ変調器と、光学コンバイナと、レーザ変調器に結合される光学分割器であって、変調されたレーザビームを第1のレーザビームおよび第2のレーザビームへと光学的に分割することと、第1のレーザビームが標的により光学コンバイナに反射させられるように、第1のレーザビームを標的に導くこととを行うように構成され、光学コンバイナは、標的から反射させられた第1のレーザビームを受信することと、第2のレーザビームを光学分割器から直接的に受信することと、第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを光学的に組み合わせることとを行うように構成される、光学分割器と、光学コンバイナに結合されるフォト受信器であって、光学的に組み合わされた第1のレーザビームおよび第2のレーザビームによって、I出力およびQ出力を出力するように構成される、フォト受信器と、フォト受信器に結合される制御回路であって、I出力およびQ出力によってパワースペクトル密度(PSD)を決定することと、正の周波数値においての第1のピークPSDを決定することと、負の周波数値においての第2のピークPSDを決定することと、正の周波数値と負の周波数値との間の差によって、名目うなり周波数を決定することと、正の周波数値および負の周波数値の和によって、名目うなり周波数からの周波数偏移を決定することとを行うように構成される、制御回路とを含み、標的の距離は、名目うなり周波数に対応し、標的の速度は、周波数偏移に対応する、LIDARシステム。
【0030】
[0048]例2.フォト受信器は、I-Q検出器を含む、例1のLIDARシステム。
[0049]例3.レーザ変調器を、レーザにより出力されるレーザビームを周波数変調するように構成する、例1または2のLIDARシステム。
【0031】
[0050]例4.光学コンバイナは、入力信号SおよびLに基づいて、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jLを生成するように構成される光学ハイブリッドを含む、例1~3のいずれか1つのLIDARシステム。
【0032】
[0051]例5.フォト受信器は、光学ハイブリッドの出力信号の各々を受信するように構成される4チャネルフォト受信器を含む、例4のLIDARシステム。
[0052]例6.光学分割器は、2×2結合器を含む、例1~5のいずれか1つのLIDARシステム。
【0033】
[0053]例7.光学分割器に結合される標的アーム組立体をさらに含み、標的アーム組立体は、第1のレーザビームを標的に導き、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くように構成される、例1~6のいずれか1つのLIDARシステム。
【0034】
[0054]例8.標的アーム組立体は、第1のレーザビームを光学分割器から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くこととを行うように構成されるサーキュレータと、サーキュレータに結合される走査光学素子であって、第1のレーザビームをサーキュレータから受信することと、第1のレーザビームを標的に導くことと、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信することと、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くこととを行うように構成される、走査光学素子とを含む、例7のLIDARシステム。
【0035】
[0055]例9.走査光学素子を、ガルバノメトリック走査鏡、または、MEMSに基づく走査鏡からなる群から選択する、例8のLIDARシステム。
[0056]例10.標的アーム組立体は、第1のレーザビームを光学分割器から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くこととを行うように構成されるサーキュレータと、サーキュレータに結合される集積フォトニックデバイスであって、第1のレーザビームをサーキュレータから受信することと、第1のレーザビームを標的に導くことと、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信することと、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くこととを行うように構成される、集積フォトニックデバイスとを含む、例7のLIDARシステム。
【0036】
[0057]例11.標的アーム組立体は、第1のレーザビームを光学分割器から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くこととを行うように構成される2×2結合器と、2×2結合器に結合される集積フォトニックデバイスであって、第1のレーザビームを2×2結合器から受信することと、第1のレーザビームを標的に導くことと、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを2×2結合器に導くこととを行うように構成される、集積フォトニックデバイスとを含む、例7のLIDARシステム。
【0037】
[0058]例12.LIDARシステムによって標的の距離および速度を決定するための方法であって、レーザにより、レーザビームを生成するステップと、レーザ変調器により、レーザビームを変調するステップと、光学分割器により、変調されたレーザビームを第1のレーザビームおよび第2のレーザビームへと光学的に分割するステップと、光学分割器により、第1のレーザビームが標的により光学コンバイナに反射させられるように、第1のレーザビームを標的に導くステップと、光学コンバイナにより、標的から反射させられた第1のレーザビームを受信するステップと、光学コンバイナにより、第2のレーザビームを光学分割器から直接的に受信するステップと、光学コンバイナにより、反射させられた第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを光学的に組み合わせるステップと、フォト受信器により、光学的に組み合わされた反射させられた第1のレーザビームおよび第2のレーザビームによって、I出力およびQ出力を出力するステップと、フォト受信器に結合される制御回路により、I出力およびQ出力によってパワースペクトル密度(PSD)を決定するステップと、制御回路により、正の周波数値においての第1のピークPSDを決定するステップと、制御回路により、負の周波数値においての第2のピークPSDを決定するステップと、制御回路により、正の周波数値と負の周波数値との間の差によって、名目うなり周波数を決定するステップと、制御回路により、正の周波数値および負の周波数値の和によって、名目うなり周波数からの周波数偏移を決定するステップとを含み、標的の距離は、名目うなり周波数に対応し、標的の速度は、周波数偏移に対応する、方法。
【0038】
[0059]例13.フォト受信器は、I-Q検出器を含む、例12の方法。
[0060]例14.レーザ変調器を、レーザにより出力されるレーザビームを周波数変調するように構成する、例12または13の方法。
【0039】
[0061]例15.光学コンバイナは、入力信号SおよびLに基づいて、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jLを生成するように構成される光学ハイブリッドを含む、例12~14のいずれか1つの方法。
【0040】
[0062]例16.フォト受信器は、光学ハイブリッドの出力信号の各々を受信するように構成される4チャネルフォト受信器を含む、例15の方法。
[0063]例17.光学分割器は、2×2結合器を含む、例12~16のいずれか1つの方法。
【0041】
[0064]例18.LIDARシステムは、光学分割器に結合される標的アーム組立体を含み、標的アーム組立体は、第1のレーザビームを標的に導き、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くように構成される、例12~17のいずれか1つの方法。
【0042】
[0065]例19.標的アーム組立体のサーキュレータにより、第1のレーザビームを光学分割器から受信するステップと、サーキュレータにより、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くステップと、標的アーム組立体の走査光学素子により、第1のレーザビームをサーキュレータから受信するステップと、走査光学素子により、第1のレーザビームを標的に導くステップと、走査光学素子により、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信するステップと、走査光学素子により、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くステップとをさらに含む、例18の方法。
【0043】
[0066]例20.走査光学素子を、ガルバノメトリック走査鏡、または、MEMSに基づく走査鏡からなる群から選択する、例19の方法。
[0067]例21.標的アーム組立体のサーキュレータにより、第1のレーザビームを光学分割器から受信するステップと、サーキュレータにより、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くステップと、標的アーム組立体の集積フォトニックデバイスにより、第1のレーザビームをサーキュレータから受信するステップと、集積フォトニックデバイスにより、第1のレーザビームを標的に導くステップと、集積フォトニックデバイスにより、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信するステップと、集積フォトニックデバイスにより、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くステップとをさらに含む、例18の方法。
【0044】
[0068]例22.標的アーム組立体のサーキュレータにより、第1のレーザビームを光学分割器から受信するステップと、サーキュレータにより、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くステップと、標的アーム組立体の2×2結合器により、第1のレーザビームをサーキュレータから受信するステップと、2×2結合器により、第1のレーザビームを標的に導くステップと、2×2結合器により、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信するステップと、2×2結合器により、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くステップとをさらに含む、例18の方法。
【0045】
[0069]例23.標的の距離および速度を決定するためのLIDARシステムであって、正の周波数掃引を有する第1のレーザビームを出力するように構成される第1のレーザと、負の周波数掃引を有する第2のレーザビームを出力するように構成される第2のレーザとを含むレーザバンクであって、第1のレーザビームおよび第2のレーザビームからレーザ場を生成するように構成される、レーザバンクと、光学コンバイナと、レーザバンクに結合される光学結合器であって、レーザ場の第1の部分を標的に導くことを、レーザ場の第1の部分が標的により光学コンバイナに反射させられるように行うことと、レーザ場の第2の部分を光学コンバイナに直接的に導くこととを行うように構成され、光学コンバイナは、レーザ場の反射させられた第1の部分を受信することと、レーザ場の反射させられた第1の部分、および、レーザ場の第2の部分を光学的に組み合わせることとを行うように構成される、光学結合器と、光学結合器に結合されるフォト受信器であって、レーザ場の光学的に組み合わされた部分によって、I出力およびQ出力を出力するように構成される、フォト受信器と、フォト受信器に結合される制御回路であって、I出力およびQ出力によってパワースペクトル密度(PSD)を決定することと、正の周波数値においての第1のピークPSDを決定することと、負の周波数値においての第2のピークPSDを決定することと、正の周波数値と負の周波数値との間の差によって、名目PSD周波数を決定することと、正の周波数値および負の周波数値の和によって、名目PSD周波数からの周波数偏移を決定することとを行うように構成される、制御回路とを含み、標的の距離は、名目PSD周波数に対応し、標的の速度は、周波数偏移に対応する、LIDARシステム。
【0046】
[0070]例24.フォト受信器は、I-Q検出器を含む、例23のLIDARシステム。
[0071]例25.レーザバンクは、第1のレーザおよび第2のレーザの各々に結合されるN×1インコヒーレント結合器を含む、例23または24のLIDARシステム。
【0047】
[0072]例26.光学コンバイナは、入力信号SおよびLに基づいて、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jLを生成するように構成される光学ハイブリッドを含む、例23~25のいずれか1つのLIDARシステム。
【0048】
[0073]例27.フォト受信器は、光学ハイブリッドの出力信号の各々を受信するように構成される4チャネルフォト受信器を含む、例26のLIDARシステム。
[0074]例28.光学結合器は、2×2結合器を含む、例23~27のいずれか1つのLIDARシステム。
【0049】
[0075]例29.光学結合器に結合される標的アーム組立体をさらに含み、標的アーム組立体は、レーザ場の第1の部分を標的に導き、レーザ場の反射させられた第1の部分を光学コンバイナに導くように構成される、例23~28のいずれか1つのLIDARシステム。
【0050】
[0076]例30.標的アーム組立体は、第1のレーザビームを光学結合器から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くこととを行うように構成されるサーキュレータと、サーキュレータに結合される走査光学素子であって、第1のレーザビームをサーキュレータから受信することと、第1のレーザビームを標的に導くことと、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信することと、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くこととを行うように構成される、走査光学素子とを含む、例29のLIDARシステム。
【0051】
[0077]例31.走査光学素子を、ガルバノメトリック走査鏡、または、MEMSに基づく走査鏡からなる群から選択する、例30のLIDARシステム。
[0078]例32.標的アーム組立体は、第1のレーザビームを光学結合器から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くこととを行うように構成されるサーキュレータと、サーキュレータに結合される集積フォトニックデバイスであって、第1のレーザビームをサーキュレータから受信することと、第1のレーザビームを標的に導くことと、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信することと、反射させられた第1のレーザビームをサーキュレータに導くこととを行うように構成される、集積フォトニックデバイスとを含む、例29のLIDARシステム。
【0052】
[0079]例33.標的アーム組立体は、第1のレーザビームを光学結合器から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くこととを行うように構成される2×2結合器と、2×2結合器に結合される集積フォトニックデバイスであって、第1のレーザビームを2×2結合器から受信することと、第1のレーザビームを標的に導くことと、反射させられた第1のレーザビームを標的から受信することと、反射させられた第1のレーザビームを2×2結合器に導くこととを行うように構成される、集積フォトニックデバイスとを含む、例29のLIDARシステム。
【0053】
[0080]例34.第1のレーザは、負の周波数掃引を有する第3のレーザビームを出力するようにさらに構成され、第2のレーザは、正の周波数掃引を有する第4のレーザビームを出力するようにさらに構成される、例23~33のいずれか1つのLIDARシステム。
【0054】
[0081]例35.LIDARシステムによって標的の距離および速度を決定するための方法であって、レーザバンクにより、正の周波数掃引を有する第1のレーザビーム、および、負の周波数掃引を有する第2のレーザビームを生成するステップと、光学結合器により、レーザ場の第1の部分を標的に導くことを、レーザ場の第1の部分が標的により光学コンバイナに反射させられるように行うステップと、光学コンバイナにより、標的から反射させられたレーザ場の第1の部分を受信するステップと、光学コンバイナにより、レーザ場の第2の部分を光学結合器から直接的に受信するステップと、光学コンバイナにより、レーザ場の反射させられた第1の部分、および、レーザ場の第2の部分を光学的に組み合わせるステップと、フォト受信器により、レーザ場の光学的に組み合わされた部分によって、I出力およびQ出力を出力するステップと、フォト受信器に結合される制御回路により、I出力およびQ出力によってパワースペクトル密度(PSD)を決定するステップと、制御回路により、正の周波数値においての第1のピークPSDを決定するステップと、制御回路により、負の周波数値においての第2のピークPSDを決定するステップと、制御回路により、正の周波数値と負の周波数値との間の差によって、名目うなり周波数を決定するステップと、制御回路により、正の周波数値および負の周波数値の和によって、名目うなり周波数からの周波数偏移を決定するステップとを含み、標的の距離は、名目うなり周波数に対応し、標的の速度は、周波数偏移に対応する、方法。
【0055】
[0082]例36.フォト受信器は、I-Q検出器を含む、例35の方法。
[0083]例37.レーザバンクは、第1のレーザおよび第2のレーザの各々に結合されるN×1インコヒーレント結合器を含む、例35または36の方法。
【0056】
[0084]例38.光学コンバイナは、入力信号SおよびLに基づいて、4つの出力信号:S+L、S-L、S+jL、S-jLを生成するように構成される光学ハイブリッドを含む、例35~37のいずれか1つの方法。
【0057】
[0085]例39.フォト受信器は、光学ハイブリッドの出力信号の各々を受信するように構成される4チャネルフォト受信器を含む、例38の方法。
[0086]例40.光学結合器は、2×2結合器を含む、例35~39のいずれか1つの方法。
【0058】
[0087]例41.LIDARシステムは、光学結合器に結合される標的アーム組立体を含み、標的アーム組立体は、第1のレーザビームを標的に導き、反射させられた第1のレーザビームを光学コンバイナに導くように構成される、例35~40のいずれか1つの方法。
【0059】
[0088]例42.標的アーム組立体のサーキュレータにより、レーザ場の第1の部分を光学結合器から受信するステップと、サーキュレータにより、レーザ場の反射させられた第1の部分を光学コンバイナに導くステップと、標的アーム組立体の走査光学素子により、レーザ場の第1の部分をサーキュレータから受信するステップと、走査光学素子により、レーザ場の第1の部分を標的に導くステップと、走査光学素子により、レーザ場の反射させられた第1の部分を標的から受信するステップと、走査光学素子により、レーザ場の反射させられた第1の部分をサーキュレータに導くステップとをさらに含む、例41の方法。
【0060】
[0089]例43.走査光学素子を、ガルバノメトリック走査鏡、または、MEMSに基づく走査鏡からなる群から選択する、例42の方法。
[0090]例44.標的アーム組立体のサーキュレータにより、レーザ場の第1の部分を光学結合器から受信するステップと、サーキュレータにより、レーザ場の反射させられた第1の部分を光学コンバイナに導くステップと、標的アーム組立体の集積フォトニックデバイスにより、レーザ場の第1の部分をサーキュレータから受信するステップと、集積フォトニックデバイスにより、レーザ場の第1の部分を標的に導くステップと、集積フォトニックデバイスにより、レーザ場の反射させられた第1の部分を標的から受信するステップと、集積フォトニックデバイスにより、レーザ場の反射させられた第1の部分をサーキュレータに導くステップとをさらに含む、例41の方法。
【0061】
[0091]例45.標的アーム組立体のサーキュレータにより、レーザ場の第1の部分を光学結合器から受信するステップと、サーキュレータにより、レーザ場の反射させられた第1の部分を光学コンバイナに導くステップと、標的アーム組立体の2×2結合器により、レーザ場の第1の部分をサーキュレータから受信するステップと、2×2結合器により、レーザ場の第1の部分を標的に導くステップと、2×2結合器により、レーザ場の反射させられた第1の部分を標的から受信するステップと、2×2結合器により、レーザ場の反射させられた第1の部分をサーキュレータに導くステップとをさらに含む、例41の方法。
【0062】
[0092]例46.ビームステアリングモジュールに結合可能なフォトニクス組立体であって、周波数変調レーザビームを受信するように構成される光学システムであって、ビームステアリングモジュールに結合可能な光学分割器であって、周波数変調レーザビームを局所レーザビームおよび標的レーザビームへと光学的に分割することと、標的レーザビームをビームステアリングモジュールに送り出すことと、標的により反射させられた標的レーザビームをビームステアリングモジュールから受信することとを行うように構成される、光学分割器と、光学分割器に結合されるコヒーレント受信器であって、局所レーザビームを光学分割器から受信することと、反射させられた標的レーザビームを光学分割器から受信することと、局所レーザビームおよび標的レーザビームを混合して、出力信号を生み出すこととを行うように構成される、コヒーレント受信器とを含む、光学システムを含む、フォトニクス組立体。
【0063】
[0093]例47.光学分割器は、周波数変調レーザビームを局所レーザビームおよび標的レーザビームへと光学的に分割するように構成される光学パワータップを含む、例46のフォトニクス組立体。
【0064】
[0094]例48.光学分割器は、標的レーザビームをビームステアリングモジュールに送り出すことと、標的により反射させられた標的レーザビームをビームステアリングモジュールから受信することと、反射させられた標的レーザビームをコヒーレント受信器に送り出すこととを行うように構成される光学サーキュレータを含む、例46または47のフォトニクス組立体。
【0065】
[0095]例49.フォトニクス組立体は、集積フォトニックチップを含む、例46~48のいずれか1つのフォトニクス組立体。
[0096]例50.ビームステアリングモジュールをさらに含む、例46~49のいずれか1つのフォトニクス組立体。
【0066】
[0097]例51.ビームステアリングモジュールは、ビーム走査器と、光学レンズシステムであって、標的レーザビームを光学分割器から受信することと、標的レーザビームをビーム走査器に投射することと、反射させられた標的レーザビームをビーム走査器から受信することと、反射させられた標的レーザビームを光学分割器に導くこととを行うように構成される、光学レンズシステムとをさらに含む、例50のフォトニクス組立体。
【0067】
[0098]例52.光学システムは、第1の光学システムを含み、周波数変調レーザビームは、第1の周波数変調レーザビームを含み、光学分割器は、第1の光学分割器を含み、コヒーレント受信器は、第1のコヒーレント受信器を含み、フォトニクス組立体は、第1の周波数変調レーザビームが第1の光学システムにより受信される際に同時に、第2の周波数変調レーザビームを受信するように構成される第2の光学システムであって、ビームステアリングモジュールに結合可能な第2の光学分割器であって、第2の周波数変調レーザビームを第2の局所レーザビームおよび第2の標的レーザビームへと光学的に分割することと、第2の標的レーザビームをビームステアリングモジュールに送り出すことと、標的により反射させられた第2の標的レーザビームをビームステアリングモジュールから受信することとを行うように構成される、第2の光学分割器と、第2の光学分割器に結合される第2のコヒーレント受信器であって、第2の局所レーザビームを第2の光学分割器から受信することと、反射させられた第2の標的レーザビームを第2の光学分割器から受信することと、第2の局所レーザビームおよび第2の標的レーザビームを混合して、第2の出力信号を生み出すこととを行うように構成される、第2のコヒーレント受信器とを含む、第2の光学システムをさらに含む、例46~49のいずれか1つのフォトニクス組立体。
【0068】
[0099]例53.ビームステアリングモジュールをさらに含む、例52のフォトニクス組立体。
[0100]例54.ビームステアリングモジュールは、ビーム走査器と、光学レンズシステムであって、第1の標的レーザビームおよび第2の標的レーザビームを、第1の光学分割器および第2の光学分割器の各々から受信することと、第1の標的レーザビームおよび第2の標的レーザビームをビーム走査器に投射することと、反射させられた第1の標的レーザビーム、および、反射させられた第2の標的レーザビームをビーム走査器から受信することと、反射させられた第1の標的レーザビーム、および、反射させられた第2の標的レーザビームを、第1の光学分割器および第2の光学分割器それぞれに導くこととを行うように構成される、光学レンズシステムとをさらに含む、例53のフォトニクス組立体。
【0069】
[0101]例55.ビームステアリングモジュールは、第1のビーム走査器と、第1の光学レンズシステムであって、第1の標的レーザビームを第1の光学分割器から受信することと、第1の標的レーザビームを第1のビーム走査器に投射することと、反射させられた第1の標的レーザビームを第1のビーム走査器から受信することと、反射させられた第1の標的レーザビームを第1の光学分割器に導くこととを行うように構成される、第1の光学レンズシステムと、第2のビーム走査器と、第2の光学レンズシステムであって、第2の標的レーザビームを第2の光学分割器から受信することと、第2の標的レーザビームを第2のビーム走査器に投射することと、反射させられた第2の標的レーザビームを第2のビーム走査器から受信することと、反射させられた第2の標的レーザビームを第2の光学分割器に導くこととを行うように構成される、第2の光学レンズシステムとをさらに含む、例53のフォトニクス組立体。
【0070】
[0102]例56.出力信号は、Iチャネル信号およびQチャネル信号を含む、例46~55のいずれか1つのフォトニクス組立体。
[0103]例57.コヒーレント受信器は、光学ハイブリッドを含む、例46~56のいずれか1つのフォトニクス組立体。
【0071】
[0104]例58.コヒーレント受信器は、出力信号を出力するように構成される1対のバランス型フォトダイオードを含む、例46~56のいずれか1つのフォトニクス組立体。
[0105]例59.光学システムを含むフォトニクス組立体によって標的環境を走査するための方法であって、光学システムは、光学分割器と、光学分割器に結合されるコヒーレント受信器とを含み、方法は、光学システムにより、周波数変調レーザビームを受信するステップと、光学分割器により、周波数変調レーザビームを局所レーザビームおよび標的レーザビームへと光学的に分割するステップと、光学分割器により、標的レーザビームをビームステアリングモジュールに送り出すステップと、光学分割器により、標的により反射させられた標的レーザビームをビームステアリングモジュールから受信するステップと、コヒーレント受信器により、局所レーザビームを光学分割器から受信するステップと、コヒーレント受信器により、反射させられた標的レーザビームを光学分割器から受信するステップと、コヒーレント受信器により、局所レーザビームおよび標的レーザビームを混合して、出力信号を生み出すステップとを含む、方法。
【0072】
[0106]例60.光学分割器は、周波数変調レーザビームを局所レーザビームおよび標的レーザビームへと光学的に分割するように構成される光学パワータップを含む、例59の方法。
【0073】
[0107]例61.光学分割器は、光学サーキュレータを含み、方法は、光学サーキュレータにより、標的レーザビームをビームステアリングモジュールに送り出すステップと、光学サーキュレータにより、標的により反射させられた標的レーザビームをビームステアリングモジュールから受信するステップと、光学サーキュレータにより、反射させられた標的レーザビームをコヒーレント受信器に送り出すステップとをさらに含む、例59または60の方法。
【0074】
[0108]例62.フォトニクス組立体は、集積フォトニックチップを含む、例59~61のいずれか1つの方法。
[0109]例63.フォトニクス組立体は、ビームステアリングモジュールをさらに含む、例59~62のいずれか1つの方法。
【0075】
[0110]例64.ビームステアリングモジュールは、ビーム走査器と、光学レンズシステムとをさらに含み、方法は、光学レンズシステムにより、標的レーザビームを光学分割器から受信するステップと、光学レンズシステムにより、標的レーザビームをビーム走査器に投射するステップと、光学レンズシステムにより、反射させられた標的レーザビームをビーム走査器から受信するステップと、光学レンズシステムにより、反射させられた標的レーザビームを光学分割器に導くステップとをさらに含む、例63の方法。
【0076】
[0111]例65.光学システムは、第1の光学システムを含み、周波数変調レーザビームは、第1の周波数変調レーザビームを含み、光学分割器は、第1の光学分割器を含み、コヒーレント受信器は、第1のコヒーレント受信器を含み、方法は、第2の光学システムにより、第1の周波数変調レーザビームが第1の光学システムにより受信される際に同時に、第2の周波数変調レーザビームを受信するステップと、光学分割器により、第2の周波数変調レーザビームを第2の局所レーザビームおよび第2の標的レーザビームへと光学的に分割するステップと、光学分割器により、第2の標的レーザビームをビームステアリングモジュールに送り出すステップと、光学分割器により、標的により反射させられた第2の標的レーザビームをビームステアリングモジュールから受信するステップと、第2のコヒーレント受信器により、第2の局所レーザビームを第2の光学分割器から受信するステップと、第2のコヒーレント受信器により、反射させられた第2の標的レーザビームを第2の光学分割器から受信するステップと、第2のコヒーレント受信器により、第2の局所レーザビームおよび第2の標的レーザビームを混合して、第2の出力信号を生み出すステップとをさらに含む、例59~62のいずれか1つの方法。
【0077】
[0112]例66.フォトニクス組立体は、ビームステアリングモジュールをさらに含む、例65の方法。
[0113]例67.ビームステアリングモジュールは、ビーム走査器と、光学レンズシステムとをさらに含み、方法は、光学レンズシステムにより、第1の標的レーザビームおよび第2の標的レーザビームを、第1の光学分割器および第2の光学分割器の各々から受信するステップと、光学レンズシステムにより、第1の標的レーザビームおよび第2の標的レーザビームをビーム走査器に投射するステップと、光学レンズシステムにより、反射させられた第1の標的レーザビーム、および、反射させられた第2の標的レーザビームをビーム走査器から受信するステップと、光学レンズシステムにより、反射させられた第1の標的レーザビーム、および、反射させられた第2の標的レーザビームを、第1の光学分割器および第2の光学分割器それぞれに導くステップとをさらに含む、例66の方法。
【0078】
[0114]例68.ビームステアリングモジュールは、第1のビーム走査器と、第1の光学レンズシステムと、第2のビーム走査器と、第2の光学レンズシステムとをさらに含み、方法は、第1の光学レンズシステムにより、第1の標的レーザビームを第1の光学分割器から受信するステップと、第1の光学レンズシステムにより、第1の標的レーザビームを第1のビーム走査器に投射するステップと、第1の光学レンズシステムにより、反射させられた第1の標的レーザビームを第1のビーム走査器から受信するステップと、第1の光学レンズシステムにより、反射させられた第1の標的レーザビームを第1の光学分割器に導くステップと、第2の光学レンズシステムにより、第2の標的レーザビームを第2の光学分割器から受信するステップと、第2の光学レンズシステムにより、第2の標的レーザビームを第2のビーム走査器に投射するステップと、第2の光学レンズシステムにより、反射させられた第2の標的レーザビームを第2のビーム走査器から受信するステップと、第2の光学レンズシステムにより、反射させられた第2の標的レーザビームを第2の光学分割器に導くステップとをさらに含む、例66の方法。
【0079】
[0115]例69.出力信号は、Iチャネル信号およびQチャネル信号を含む、例59~68のいずれか1つの方法。
[0116]例70.コヒーレント受信器は、光学ハイブリッドを含む、例59~69のいずれか1つの方法。
【0080】
[0117]例71.コヒーレント受信器は、出力信号を出力するように構成される1対のバランス型フォトダイオードを含む、例59~70のいずれか1つの方法。
[0118]いくつかの形式を例解および説明したが、添付される特許請求の範囲の範囲を、そのような詳細に限定または制限することは、本出願人の意図するものではない。それらの形式に対する数多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ、および均等物を、本開示の範囲から逸脱することなく、実現する場合があり、当業者が思い付くことになる。その上、説明される形式と関連付けられる各々の要素の構造を、代替的には、要素により遂行される機能を提供するための手段として説明することができる。さらには、材料を所定の構成要素に対して開示する場合、他の材料を使用する場合がある。それゆえに、上述の説明、および、添付される特許請求の範囲は、すべての、開示される形式の範囲の中にあるような修正、組み合わせ、および変形を包含することを意図されるということを理解すべきである。添付される特許請求の範囲は、すべてのそのような修正、変形、変更、置換、修正、および均等物を包含することを意図される。
【0081】
[0119]上述の詳細な説明が、ブロック線図、フローチャート、および/または例の使用によって、デバイスおよび/またはプロセスの様々な形式を明らかにした。そのようなブロック線図、フローチャート、および/または例が、1つまたは複数の機能および/または動作を内包する限りにおいて、そのようなブロック線図、フローチャート、および/または例の中の、各々の機能および/または動作を、広い範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの事実上任意の組み合わせにより、個々に、および/または集合的に実現することができるということを、当業者により理解することになる。当業者は、全体的に、または部分的に、本明細書において開示される形式の一部の態様を、集積回路の形で、1つもしくは複数のコンピュータ上で作動する1つもしくは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で作動する1つまたは複数のプログラムとして)、1つもしくは複数のプロセッサ上で作動する1つもしくは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で作動する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、または、それらの事実上任意の組み合わせとして、等価的に実現することができるということを認識することになり、当業者は、回路網を設計すること、ならびに/または、ソフトウェアおよびもしくはファームウェアに対するコードを書き記すことが、本開示の観点からは、十分に当業者の技量の範囲内であることになるということを認識することになる。加えて、当業者は、本明細書において説明される主題の機構は、種々の形式での1つまたは複数のプログラム製品として配布される能力があるということを察知することになり、当業者は、本明細書において説明される主題の例解的な形式は、配布を現実に履行するために使用される信号担持媒体の個別の型に無関係に適用になるということを察知することになる。
【0082】
[0120]本明細書においての任意の態様において使用される際、用語「制御回路」は、例えば、実配線回路網、プログラマブル回路網(例えば、1つもしくは複数の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路網、プログラマブル回路網により実行される命令を記憶するファームウェア、および、それらの任意の組み合わせを指す場合がある。制御回路を、集合的に、または個々に、より大きいシステム、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン、その他の部分を形成する回路網として実施する場合がある。よって、本明細書において使用される際、「制御回路」は、少なくとも1つの離散電気回路を有する電気回路網、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路網、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路網、コンピュータプログラムにより構成される汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書において説明されるプロセスおよび/もしくはデバイスを少なくとも部分的に履行するコンピュータプログラムにより構成される汎用コンピュータ、または、本明細書において説明されるプロセスおよび/もしくはデバイスを少なくとも部分的に履行するコンピュータプログラムにより構成されるマイクロプロセッサ)を形成する電気回路網、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリの形式)を形成する電気回路網、および/または、通信デバイス(例えば、モデム、通信スイッチ、または光学電気機器)を形成する電気回路網を含み、ただしそれらに制限されない。当業者は、本明細書において説明される主題を、アナログもしくはデジタル方式、または、それらの何らかの組み合わせで実現する場合があるということを認識することになる。
【0083】
[0121]本明細書においての任意の態様において使用される際、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」、および同類のものは、ハードウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または、実行中のソフトウェアのいずれかの、コンピュータと関係がある実体を指すことができる。
【0084】
[0122]1つまたは複数の構成要素を、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能な」、「ように動作可能な/動作する」、「適応させられる/適応可能な」、「能力をもつ」、「ように適合可能な/適合させられる」、その他と言及する場合がある。当業者は、「ように構成される」は、文脈が他の形で要さない限り、一般的には、活動状態構成要素および/または非活動状態構成要素および/または待機状態構成要素を網羅することができるということを認識することになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13