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特許7558353情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240920BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q30/0241 396
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023134514
(22)【出願日】2023-08-22
(62)【分割の表示】P 2022080172の分割
【原出願日】2022-05-16
(65)【公開番号】P2023169156
(43)【公開日】2023-11-29
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】森田 尚規
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 拓也
(72)【発明者】
【氏名】平松 怜子
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン ロバート
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-59059(JP,A)
【文献】特開2012-3677(JP,A)
【文献】特開2011-203784(JP,A)
【文献】国際公開第2011/118794(WO,A1)
【文献】特開2003-167996(JP,A)
【文献】特開2016-212926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引に利用可能なポイントの付与ポイント価値であって、提供者により提供される所定取引対象の購入者に対して付与されるポイントの付与ポイント価値として、前記提供者により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する基準価値情報取得手段と、
前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、前記付与ポイント価値が、前記基準価値未満の価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、を示す購買情報を取得する購買情報取得手段と、
前記取得された購買情報に基づいて、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で設定する設定手段
前記設定手段により、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値未満の価値に設定された場合、前記基準価値と前記設定された価値との差に相当する額を、前記提供者の広告予算に割り当てる処理を実行する割当手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で変化させ、
前記購買情報取得手段は、前記購入者に付与されるポイントの価値の前記設定手段による変化が開始された後の前記所定取引対象の購買状況を含む前記購買情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値から段階的に低下させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得された購買情報により示される前記購買状況が、前記基準価値情報取得手段により前記基準価値情報が取得されるよりも前に前記付与ポイント価値が前記基準価値情報により示される前記基準価値以下の何れかの価値に設定されていたときの前記所定取引対象の購買状況を含む場合、前記設定手段は、前記付与ポイント価値を、前記何れかの価値と異なる価値に設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記付与ポイント価値が前記基準価値未満の或る価値に設定された場合の前記所定取引対象の売上が、前記付与ポイント価値が前記基準価値に設定された場合における売上に対する所定の割合以上の売上となる場合、前記付与ポイント価値を、前記或る価値よりも低い価値に設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記割当手段は、前記差に相当する額を、前記提供者が提供する取引対象のうち、前記所定取引対象の前記広告予算に割り当てることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記割当手段は、前記差に相当する額を、前記提供者が提供する取引対象のうち、前記所定取引対象が属する取引対象の種類に属する何れの取引対象の広告にも利用可能な前記広告予算として割り当てることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定手段により前記付与ポイント価値が設定された後の売上を示す第1売上情報と、前記差に相当する額が前記広告予算に割り当てられることにより配信された広告経由で生じた売上を示す第2売上情報と、を前記提供者の装置へ送信する送信手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータにより実行される情報処理方法において、
取引に利用可能なポイントの付与ポイント価値であって、提供者により提供される所定取引対象の購入者に対して付与されるポイントの付与ポイント価値として、前記提供者により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する基準価値情報取得ステップと、
前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、前記付与ポイント価値が、前記基準価値未満の価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、を示す購買情報を取得する購買情報取得ステップと、
前記取得された購買情報に基づいて、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値未満の価値に設定された場合、前記基準価値と前記設定された価値との差に相当する額を、前記提供者の広告予算に割り当てる処理を実行する割当ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
取引に利用可能なポイントの付与ポイント価値であって、提供者により提供される所定取引対象の購入者に対して付与されるポイントの付与ポイント価値として、前記提供者により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する基準価値情報取得手段と、
前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、前記付与ポイント価値が、前記基準価値未満の価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、を示す購買情報を取得する購買情報取得手段と、
前記取得された購買情報に基づいて、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で設定する設定手段と、
前記設定手段により、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値未満の価値に設定された場合、前記基準価値と前記設定された価値との差に相当する額を、前記提供者の広告予算に割り当てる処理を実行する割当手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引対象の購入者に対して付与されるポイントの価値を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等のネットワークを通じて、商品やサービス等の取引対象の電子的な取引が盛んに行われている。こうした電子商取引においては、取引対象について様々な販売促進活動が行われている。この販売促進活動の一つとして、取引対象の購入者に対して何らかの特典を付与することが知られている。例えば特典として、取引対象の購入代金の支払いに利用可能なポイントが、購入者に付与することが知られている。購入者に付与されるポイントの価値(例えば、ポイント数、還元率、ポイント倍率等)は、例えば取引対象の提供者により決定される場合がある。この場合、提供者は、その提供者自身が望む価値でポイントを付与することができる一方で、適切なポイントの価値が分からない場合がある。例えば、付与されるポイントの価値に対する消費者の感応度というものがある。この感応度は、例えばポイントの価値の変化に対して消費者の反応がどれだけ変化するかを示す。この感応度は、取引対象によって様々であり、付与されるポイントの価値と感応度に応じて売上も変化し得ることから、適切なポイントの価値を決定することが望まれる。そうした状況の中、システム側において、ポイントの価値を決定する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、商品を購入したユーザにポイントを還元するための方法において、商品の提供者からポイント還元率の設定を受け付けて、設定されたポイント還元率で商品を購入したユーザ数及びライフタイムバリューに基づいて、想定利益が最大となるポイント還元率を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-59059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
取引対象の購入者に付与されるポイントの原資の少なくとも一部は、その取引対象の提供者が負担することが一般的である。提供者としては、購入者に付与されるポイントの価値を一旦決めたら、その価値に応じてリターンを享受することができると喜ばしい。しかしながら、従来の技術においては、提供者が想定した価値の範囲内で、購入者に付与されるポイントの価値が決定されるのみであるため、提供者が想定した費用が必ずしも有効に利用されているということはできない。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、取引対象の購入者に対してポイントを付与するために、その取引対象の提供者が想定した費用を、購入者に付与されるポイントの価値に対する消費者の感応度に基づいて有効利用することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、取引に利用可能なポイントの付与ポイント価値であって、提供者により提供される所定取引対象の購入者に対して付与されるポイントの付与ポイント価値として、前記提供者により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する基準価値情報取得手段と、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、前記付与ポイント価値が、前記基準価値未満の価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、を示す購買情報を取得する購買情報取得手段と、前記取得された購買情報に基づいて、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で設定する設定手段前記設定手段により、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値未満の価値に設定された場合、前記基準価値と前記設定された価値との差に相当する額を、前記提供者の広告予算に割り当てる処理を実行する割当手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、前記設定手段は、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で変化させ、前記購買情報取得手段は、前記購入者に付与されるポイントの価値の前記設定手段による変化が開始された後の前記所定取引対象の購買状況を含む前記購買情報を取得することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、付与ポイント価値が、基準価値以下の範囲内で変化する。付与ポイント価値が変化した後、消費者が所定取引対象を購入すると、その購入に関して購買情報を取得することができる。従って、基準価値情報が取得された時点では、付与ポイント価値の決定に必要な購買情報がない場合であっても、その後必要な購買情報を取得することができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、前記変化手段は、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値から段階的に低下させることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、付与ポイント価値の決定に必要な購買情報を、適切に取得することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記取得された購買情報により示される前記購買状況が、前記基準価値情報取得手段により前記基準価値情報が取得されるよりも前に前記付与ポイント価値が前記基準価値情報により示される前記基準価値以下の何れかの価値に設定されていたときの前記所定取引対象の購買状況を含む場合、前記設定手段は、前記付与ポイント価値を、前記何れかの価値と異なる価値に設定することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、付与ポイント価値が、基準価値以下の何れかの価値に設定されていたことがある場合、提供者が基準価値を指定した後、付与ポイント価値をその価値に設定することが抑制される。提供者が基準価値を指定する以前に付与ポイント価値がその価値に設定されていたときの購買情報を取得することができれば、基準価値が指定された後に、改めて付与ポイント価値をその価値に設定しなくてもよい場合がある。従って、付与ポイント価値を効率的に決定することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、前記設定手段は、前記付与ポイント価値が前記基準価値未満の或る価値に設定された場合の前記所定取引対象の売上が、前記付与ポイント価値が前記基準価値に設定された場合における売上に対する所定の割合以上の売上となる場合、前記付与ポイント価値を、前記或る価値よりも低い価値に設定することを特徴とする。
【0022】
請求項に記載の発明は、前記割当手段は、前記差に相当する額を、前記提供者が提供する取引対象のうち、前記所定取引対象の前記広告予算に割り当てることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、割り当てられた広告予算は、提供者により基準価値が指定された所定取引対象の広告に用いられる。従って、広告によって、所定取引対象の売上の増大を期待することができる。
【0024】
請求項に記載の発明は、前記割当手段は、前記差に相当する額を、前記提供者が提供する取引対象のうち、前記所定取引対象が属する取引対象の種類に属する何れの取引対象の広告にも利用可能な前記広告予算として割り当てることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、割り当てられた広告予算は、提供者が提供する取引対象のうち、その提供者により基準価値が指定された所定取引対象が属する種類の何れの取引対象の広告にも利用可能となる。従って、広告によって、所定取引対象と同じ種類の取引対象の売上の増大を期待することができる。
【0026】
請求項に記載の発明は、前記設定手段により前記付与ポイント価値が設定された後の売上を示す第1売上情報と、前記差に相当する額が前記広告予算に割り当てられることにより配信された広告経由で生じた売上を示す第2売上情報と、を前記提供者の装置へ送信する送信手段を更に備えることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、提供者は、付与ポイント価値が、決定された価値に設定された場合の売上と、ポイントの付与について削減された費用で配信された広告経由で生じた売上と、を確認することができる。
【0028】
請求項に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法において、取引に利用可能なポイントの付与ポイント価値であって、提供者により提供される所定取引対象の購入者に対して付与されるポイントの付与ポイント価値として、前記提供者により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する基準価値情報取得ステップと、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、前記付与ポイント価値が、前記基準価値未満の価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、を示す購買情報を取得する購買情報取得ステップと、前記取得された購買情報に基づいて、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で設定する設定ステップ前記設定ステップにより、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値未満の価値に設定された場合、前記基準価値と前記設定された価値との差に相当する額を、前記提供者の広告予算に割り当てる処理を実行する割当ステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項10に記載の発明は、コンピュータを、取引に利用可能なポイントの付与ポイント価値であって、提供者により提供される所定取引対象の購入者に対して付与されるポイントの付与ポイント価値として、前記提供者により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する基準価値情報取得手段と、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、前記付与ポイント価値が、前記基準価値未満の価値に設定された場合における前記所定取引対象の購買状況と、を示す購買情報を取得する購買情報取得手段と、前記取得された購買情報に基づいて、前記付与ポイント価値を、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値以下の範囲内で設定する設定手段前記設定手段により、前記付与ポイント価値が、前記取得された基準価値情報により示される前記基準価値未満の価値に設定された場合、前記基準価値と前記設定された価値との差に相当する額を、前記提供者の広告予算に割り当てる処理を実行する割当手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、取引対象の購入者に対してポイントを付与するために、その取引対象の提供者が想定した費用を、購入者に付与されるポイントの価値に対する消費者の感応度に基づいて有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一実施形態に係る情報通信システムSの概要構成の一例を示す図である。
図2】運用型ポイント変倍の仕組みの概要の一例を示す図である。
図3】一実施形態に係る電子商店街サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図4】電子商店街サーバ1のデータベースに記憶される内容の一例を示す図である。
図5】電子商店街サーバ1のデータベースに記憶される内容の一例を示す図である。
図6】一実施形態における電子商店街サーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。
図7】ポイント変倍率の最適化の様子の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係る情報通信システムSの処理例を示すシーケンス図である。
図9】一実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部11によるポイント変倍率最適化処理の一例を示すフローチャートである。
図10】一実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部11による店舗売上集計処理の一例を示すフローチャートである。
図11】一実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部11による商品売上集計処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。実施形態で説明される情報通信システムにおいては、電子商取引により取引対象が取引される。取引対象は、商取引可能な商品及びサービスのうち、少なくとも何れか一方であってもよい。また、情報通信システムにおいては、取引対象の購入者に対して、ポイントが付与される。付与されるポイントは、ポイントプログラムにおいて、商取引に利用可能である。例えば、ポイントは、取引対象の購入代金の少なくとも一部に充てることができるものであってもよい。また、ポイントは、ユーザが取引対象を購入したとき等に、そのユーザに付与されてもよい。また、情報通信システムにおいては、取引対象の広告若しくはその取引対象を提供する提供者の広告が配信される。以下に説明する実施形態においては、複数の店舗がそれぞれ商品を販売するオンラインショッピングモールに、本発明が適用された場合について説明する。しかしながら、単一の事業者がその事業者自身のウェブサイトにおいて取引対象を販売又は提供する態様に、本発明が適用されてもよい。
【0033】
[1.第1実施形態]
[1-1.情報通信システムの構成]
先ず、本実施形態に係る情報通信システムSの構成及び機能概要について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報通信システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0034】
図1に示すように、情報通信システムSは、電子商店街サーバ1と、ポイント管理サーバ2と、複数の店舗端末3と、複数のユーザ端末4とを備える。電子商店街サーバ1、ポイント管理サーバ2、各店舗端末3と、及び各ユーザ端末4は、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0035】
電子商店街サーバ1は、オンラインショッピングモールを管理するサーバ装置である。例えば、電子商店街サーバ1は、各ユーザ端末4からの要求に応じて、オンラインショッピングモールのウェブページを送信したり、商品の注文を処理したりする。オンラインショッピングモールのウェブページとして、検索結果ページ、商品ページ等がある。
【0036】
検索結果ページは、商品の検索結果の一覧が表示されるウェブページである。例えば、ユーザが、オンラインショッピングモールのトップページ等において、検索条件を指定する。検索条件の例として、キーワード、商品のカテゴリ等が挙げられる。電子商店街サーバ1は、指定された検索条件に合致する商品を検索して、検索結果ページを送信する。検索結果ページに掲載される各商品の情報は、例えば商品名、商品画像、価格、付与ポイント情報等を含んでもよい。商品画像は、その商品の画像若しくはその商品に関連する画像である。付与ポイント情報は、その商品の購入者に付与されるポイントの価値を示す情報である。購入者に付与されるポイントの価値に相当する費用は、例えばその商品の購入元の店舗が負担することになっていてもよい。ポイントの価値は、付与ポイント数、ポイント付与率、及びポイント倍率の何れにより示されてもよい。付与ポイント数は、付与されるポイントの数を示す。1ポイントが1円に相当してもよい。ポイント付与率は、例えば商品の税抜価格に対して何パーセントのポイントが付与されるかを示す。ポイント付与率と商品の価格とに基づいて、付与ポイント数が決定される。ポイント倍率は、その商品の購入者に対して通常付与されるポイント数の何倍のポイントが付与されるかを示す。例えば、オンラインショッピングモール全体において、通常のポイント付与率が予め定められている。通常のポイント付与率は、店舗が特段の設定を行わない場合に、各商品に対して設定されるポイント付与率である。例えば、通常のポイント付与率が1%である場合、N倍のポイント倍率に対応するポイント付与率は、N%である。通常のポイント倍率は1倍である。以降においては、通常のポイント付与率が1%であるとして説明する。しかしながら、通常のポイント付与率は、1%以外の付与率であってもよい。
【0037】
商品ページは、個別の商品の詳細な情報が掲載されるウェブページである。例えば商品ページには、商品名、複数の商品画像、価格、付与ポイント情報、商品説明、送料規定等が掲載されてもよい。また、商品ページは、買い物かごボタン及び購入手続きボタンのうち少なくとも何れか一方を含んでもよい。買い物かごボタンは、商品ページに情報が掲載されている商品を、買い物かごに入れるためのボタンである。商品が買い物かごに入れられた後、ユーザは、例えば店舗ごとに、買い物かごに入れられている商品の購入手続きをまとめて行うことができる。購入手続きボタンは、商品ページに情報が掲載されている商品の購入手続きを直接行うためのボタンである。
【0038】
また、電子商店街サーバ1は、上述したオンラインショッピングモールに出店している店舗の広告を、ネットワークNWを介して配信してもよい。例えば、電子商店街サーバ1は、オンラインショッピングモール内のウェブページ上に掲載される広告を配信してもよい。また例えば、電子商店街サーバ1は、オンラインショッピングモールとは異なるウェブサイト上に掲載される広告を配信してもよい。また例えば、電子商店街サーバ1は、オンラインショッピングモールのユーザ宛てに、電子メールの形態で広告を配信してもよい。電子商店街サーバ1は、様々な種類の広告を配信してもよい。なお、広告を配信するサーバ装置は、電子商店街サーバ1とは別個のサーバ装置であってもよい。
【0039】
ポイント管理サーバ2は、上述したポイントプログラムにおけるポイントを管理するサーバ装置である。例えば、ポイント管理サーバ2は、ユーザポイントDB等のデータベースを備える。「DB」は、データベースの略語である。ユーザポイントDBには、例えば、各ユーザが保有するポイントの数が記憶される。例えば、ユーザポイントDBには、ユーザごとに、ユーザID、利用可能ポイント数、及び獲得予定ポイント数が、互いに関連付けて記憶されてもよい。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。利用可能ポイント数は、そのユーザIDにより識別されるユーザが利用可能なポイントの総数を示す。獲得予定ポイント数は、そのユーザIDにより識別されるユーザが、将来獲得する予定であるポイントの総数を示す。例えば、オンラインショッピングモールにおいて商品の注文が成立したときには、その商品について付与されるポイント数は、その商品の購入者の獲得予定ポイント数に計上されてもよい。注文された商品について、購入者の口座から購入代金が引き落とされた後、その付与されたポイント数は、獲得予定ポイント数から利用可能ポイント数に移行してもよい。電子商店街サーバ1は、例えばポイント管理サーバ2から提供されるAPI(Application Program Interface)を介して、ユーザポイントDBに記憶されている情報を取得したり変更したりすることが可能であってもよい。
【0040】
各店舗端末3は、上述のオンラインショッピングモールに出店する店舗の従業員等により利用される端末装置である。従業員等は、店舗端末3を操作して電子商店街サーバ1にアクセスすることにより、例えばオンラインショッピングモールに商品を登録したり、顧客からの受注情報を確認したり、売上に関する情報を確認したりする。店舗は、電子商店街サーバ1により配信される広告の広告主になることも可能である。例えば、従業員等は、店舗端末3を操作して電子商店街サーバ1にアクセスすることにより、例えばキャンペーンを作成したり、広告の配信結果のレポートを確認したりする。キャンペーンは、広告を配信することによる店舗の商品の販売促進活動を示す。また、店舗は、その店舗が取り扱う商品のうち少なくとも一の商品について、その商品の購入者に付与されるポイントの倍率を変更することができる。ポイント倍率の変更については後述する。店舗端末3の例として、パーソナルコンピュータ、タブレット式コンピュータ等が挙げられる。各店舗端末3には、ウェブブラウザがインストールされてもよい。
【0041】
各ユーザ端末4は、オンラインショッピングモールを利用して商品を購入可能なユーザにより利用される端末装置である。各ユーザ端末4は、例えばユーザの操作に基づいて、電子商店街サーバ1からウェブページを受信して表示する。ウェブページに広告枠が含まれる場合、ユーザ端末4は、例えばその広告枠のタグ又はスクリプト等に従って、電子商店街サーバ1から広告コンテンツを受信してもよい。ユーザ端末4は、この広告コンテンツに従って、広告枠内に広告を表示してもよい。各ユーザ端末4には、ウェブブラウザ及び電子メールクライアントがインストールされてもよい。また、各ユーザ端末4には、オンラインショッピングモールを利用するための専用のアプリケーションがインストール可能であってもよい。ユーザ端末4の例として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、セットトップボックス等が挙げられる。
【0042】
このような構成の情報通信システムSにおいて、各店舗は、設定を行うことにより、商品のポイント倍率を、1倍から変更することができる。ポイント倍率を、1倍よりも高くすることを、ポイント変倍という。1倍よりも高い倍率に変更されているそのポイント倍率を、ポイント変倍率という。ポイント変倍として、通常のポイント変倍と、運用型ポイント変倍とがあってもよい。通常のポイント変倍は、店舗自身がポイント変倍率を指定することである。運用型ポイント変倍は、店舗が指定した基準値以下の範囲内で、電子商店街サーバ1が自動的にポイント変倍率を設定することである。店舗が指定する基準値を、上限ポイント変倍率という。電子商店街サーバ1は、例えばポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合の売上に対して所定割合以上の売上を計上可能な最低のポイント変倍率が最終的に設定されるように、ポイント変倍率を最適化してもよい。この売上は、店舗が商品を提供することに応じて店舗が獲得可能又は計上可能な対価又は収入等であってもよい。購入者に対して付与されるポイントの価値が変化することに対するユーザの反応は、商品によって異なる場合がある。特に、商品を購入するか否かは、ポイントの価値によって変わる可能性がある。ポイントの価値の変化に対する購入行動への影響度合いが、その商品によって変わる可能性がある。この影響度合いが、感応度に相当する。そのため、商品によって異なる可能性がある適切なポイント変倍率が決定されることにより、店舗は、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合よりも、ポイントの付与に要する費用を削減することができる。電子商店街サーバ1は、例えばポイント変倍によるポイント費用の削減額よりも、売上の減少額が小さくなるように、最適化を行ってもよい。ポイント費用は、商品の購入者に対してポイントを付与するために店舗が負担する費用である。通常、付与されるポイント数に相当する額の費用を、店舗は負担する。
【0043】
運用型ポイント変倍において、電子商店街サーバ1は、削減されたポイント費用を、広告予算に割り当てる。広告予算へ割り当てるとは、広告予算に充てる、広告予算に補充する、広告予算に上乗せする、広告予算に付与する、または店舗が負担する広告費の上限額を上げることであってもよい。これにより、運用型ポイント変倍を設定した店舗の広告が、電子商店街サーバ1により配信される。運用型ポイント変倍により削減されたポイント費用で配信される広告を、運用型ポイント変倍起源広告という。この場合において、店舗は、運用型ポイント変倍起源広告に対して特段の設定を行う必要はない。運用型ポイント変倍起源広告の対象となり得る商品は、その店舗の全商品であってもよい。店舗は、運用型ポイント変倍起源広告の対象から除外される商品を指定可能であってもよい。広告予算は、例えばその月内のみ有効であってもよい。広告予算に割り当てられた費用のうち、実際に広告に使用された費用のみが、店舗に請求されてもよい。
【0044】
図2は、運用型ポイント変倍の仕組みの概要の一例を示す図である。例えば、或る店舗Xが、商品Aについて運用型ポイント変倍を設定し、上限ポイント変倍率を10倍に設定したとする。電子商店街サーバ1による最適化により、商品Aのポイント変倍率は8倍に設定されたとする。図2において、商品Aの商品ページ100には、商品名110、商品画像120、価格130、付与ポイント情報140等が表示されている。付与ポイント情報140は、付与ポイント数及びポイント倍率を示す。ポイント情報140においては、ポイント倍率として「1倍+7倍UP」が表示されている。これは、ポイント倍率が8倍であることを示す。商品Aの税抜価格は10,000円である。ポイント変倍率が、上限の10倍である場合、商品Aが1個購入されるごとに、店舗Xは、1,000円負担することになる。ポイント変倍率が、8倍である場合、店舗Xは、800円負担することになる。ポイント変倍率が10倍である場合と8倍である場合とで、価格に対して2%に相当する200円のポイント費用の差がある。そこで、この差額分の費用が、広告予算に割り当てられる。
【0045】
運用型ポイント変倍起源広告は、何れの種類の広告であってもよい。また、運用型ポイント変倍起源広告の課金方式も、何れの種類の方式であってもよい。以下においては、検索連動型広告の予算に、削減されたポイント費用が割り当てられる場合について説明する。検索連動型広告は、オンラインショッピングモールや他のウェブサイトの検索結果ページに掲載される広告である。検索連動型広告では、ユーザにより指定された検索条件に合致する商品の広告が表示される。検索連動型広告は、検索された他の商品の情報よりも、検索結果として優先的に表示される。検索連動型広告は、検索結果ページに掲載される他の商品の情報と同じ種類の情報を含む。検索連動型広告と、検索された他の商品の情報との違いは、検索連動型広告の方に、それが広告であることを示す情報が含まれている点である。検索連動型広告の課金方式は、例えばクリック課金である。しかしながら、課金方式は、プレビュー課金又は成果報酬課金等であってもよい。運用型ポイント変倍を設定した店舗が、既に通常の検索連動型広告を利用している場合、通常の検索連動型広告の予算と、運用型ポイント変倍起源広告としての検索連動型広告の予算とは、別々に管理されてもよい。この場合、通常の検索連動型広告の予算の方が、優先的に広告費に充てられてもよい。運用型ポイント変倍起源広告の予算に割り当てられた費用のうち、実際に広告に使用された費用のみが、店舗に請求されることになる。
【0046】
運用型ポイント変倍により、店舗は、売上の減少を抑えながら、ポイント費用を削減することができる。前述したように、ポイント費用の一部は、広告費として消費される場合がある。広告費として消費されなかったポイント費用は、そのまま販売経費の削減となる。また、広告を配信することで、一般的には広告費に対して何倍かの売上が見込まれる。従って、広告費として消費された分のポイント費用に対して相応の売上を期待することができる。これにより、ポイント変倍率が、店舗が指定した上限ポイント倍率に設定された場合よりも、その店舗の全体的な売上が向上する可能性がある。
【0047】
[1-2.電子商店街サーバの構成]
次に、電子商店街サーバ1の構成について、図3乃至図5を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、電子商店街サーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インターフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インターフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
【0048】
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
【0049】
入出力インターフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインターフェース処理を行う。
【0050】
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、商品DB14a、購入履歴DB14b、ポイント倍率変更履歴DB14c、店舗売上DB14d、商品売上DB14e、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14f、広告選択履歴DB14g、及び広告料DB14h等のデータベースが記憶される。
【0051】
図4及び図5は、電子商店街サーバ1のデータベースに記憶される内容の一例を示す図である。図4に示すように、商品DB14aには、オンラインショッピングモールで販売される商品に関する商品情報が、商品と販売元の店舗との組み合わせごとに記憶される。商品情報は、店舗により設定されてもよい。例えば、商品DB14aには、商品情報として、店舗ID、商品ID、カテゴリID、商品コード、商品名、商品画像、価格、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率、ポイント変倍適用期間、及びポイント倍率等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。店舗IDは、その商品の販売元の店舗を識別する識別情報である。商品IDは、その商品の販売元の店舗がその商品を識別するために設定された識別情報である。カテゴリIDは、その商品が属するカテゴリを識別する識別情報である。カテゴリの例として、ファッション、飲食料品、日用品、健康管理、化粧品、子供用商品、電化製品、スポーツ、アウトドア等が挙げられる。商品のカテゴリは、更に細分化されていてもよい。商品コードは、その商品を識別する識別情報である。商品コードと商品IDとの違いは、商品コードは、商品に対して一意に決まる識別情報であるのに対し、商品IDは、あくまでも店舗により設定された識別情報であるという点である。従って、同一の商品が何れの店舗から販売されていても商品コードは同一であるのに対し、商品IDは店舗ごとに異なる場合がある。商品コードは、例えばJAN(Japanese Article Number)コードであってもよい。運用型ポイント変倍設定は、その商品に運用型ポイント変倍が設定されているか否かを示す。運用型ポイント変倍設定は、例えば「有り」及び「無し」の何れかに設定される。「有り」は、運用型ポイント変倍が設定されていることを示す。「無し」は、運用型ポイント変倍が設定されていないことを示す。上限ポイント変倍率は、運用型ポイント変倍設定が「有り」に設定されている場合にのみ、有効である。ポイント変倍適用期間は、通常のポイント変倍又は運用型ポイント変倍が有効である期間を示す。商品DB14aに記憶されるポイント倍率は、その商品の現在のポイント倍率を示す。
【0052】
購入履歴DB14bには、オンラインショッピングモールにおける商品の購入を示す購入ログが、商品が購入されるごとに記憶される。例えば、購入履歴DB14bには、購入ログとして、注文番号、注文日時、購入者ID、店舗ID、商品ID、単価、購入数、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率、ポイント倍率、購入金額合計、付与ポイント数、トラッキングID等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。注文番号は、商品の注文を識別する番号である。注文日時は、商品の注文が行われた日時を示す。購入者IDは、商品を購入したユーザのユーザIDである。店舗IDは、商品が購入された店舗を示す。商品IDは、購入された商品を示す。単価は、購入時におけるその商品の価格を示す。購入数は、その商品が何個購入されたかを示す。運用型ポイント変倍設定は、購入時にその商品に運用型ポイント変倍が設定されていた状態であったか否かを示す。購入履歴DB14bに記憶される上限ポイント変倍率は、購入時におけるその商品の上限ポイント変倍率を示す。購入履歴DB14bに記憶されるポイント倍率は、購入時におけるその商品のポイント倍率を示す。異なる複数の商品がまとめて購入された場合、商品ID、単価、購入数、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率、及びポイント倍率が、商品ごとに記憶される。購入金額合計は、購入者が支払う購入金額の合計を示す。付与ポイント数は、購入者に付与されるポイントの数を示す。トラッキングIDは、ユーザ端末4に配信された広告を購入者が選択することにより、購入元となった店舗の何れかの商品の商品ページを表示した後で、その店舗商品を購入した場合に記憶される。トラッキングIDは、商品を購入したユーザがその広告を選択した際に広告選択履歴DB14gに記憶されるトラッキングIDと一致するIDである。トラッキングIDは、広告を選択した後のユーザによる購入行動を追跡するための識別情報である。トラッキングIDは、広告を経由してユーザが商品を購入した場合にのみ記憶される。
【0053】
ポイント倍率変更履歴DB14cには、ポイント倍率の変更の履歴が記憶される。例えば、ポイント倍率変更履歴DB14cには、変更ログとして、店舗ID、商品ID、変更日時、及びポイント等が、ポイント倍率が変更されるごとに、互いに関連付けて記憶されてもよい。店舗IDは、ポイント倍率が変更された商品の販売元の店舗を示す。商品IDは、ポイント倍率が変更された商品を示す。変更日時は、ポイント倍率が変更された日時を示す。ポイント倍率変更履歴DB14cに記憶されるポイント倍率は、変更後のポイント倍率を示す。店舗がポイント倍率を変更したとき、運用型ポイント変倍により電子商店街サーバ1がポイント倍率を変更したとき、及びポイント倍率が1倍に戻ったときに、変更ログが記憶されてもよい。
【0054】
店舗売上DB14dには、オンラインショッピングモール内の店舗の売上を示す店舗売上情報が、店舗と日付との組み合わせごとに記憶される。例えば、店舗売上DB14dには、店舗売上情報として、店舗ID、対象日付、総売上金額、総売上件数、運用型ポイント変倍売上金額、運用型ポイント変倍売上件数、運用型ポイント変倍ポイント付与料、及び運用型ポイント変倍起源広告売上金額等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。店舗IDは、対象の店舗を示す。対象日付は、店舗売上情報により示される売上が発生した日付を示す。総売上金額は、その店舗の全体の売上高を示す。総売上件数は、その店舗の全体の売上件数を示す。運用型ポイント変倍売上金額は、その店舗の売上のうち、運用型ポイント変倍により発生した売上の金額を示す。運用型ポイント変倍売上件数は、その店舗の売上のうち、運用型ポイント変倍により発生した売上の件数を示す。運用型ポイント変倍ポイント付与料は、運用型ポイント変倍において購入者にポイントを付与するためにその店舗が負担する料金を示す。すなわち、運用型ポイント変倍ポイント付与料はポイント費用を示す。運用型ポイント変倍起源広告売上金額は、その店舗の売上のうち、運用型ポイント変倍起源広告経由の売上の金額を示す。
【0055】
商品売上DB14eには、オンラインショッピングモールで店舗が販売する各商品の売上を示す商品売上情報が、店舗と商品と日付との組み合わせごとに記憶される。例えば、商品売上DB14eには、商品売上情報として、店舗ID、商品ID、対象日付、総売上金額、総売上件数、運用型ポイント変倍売上金額、運用型ポイント変倍売上件数、ポイント倍率等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。店舗IDは、対象の商品の販売基の店舗を示す。商品IDは、その商品を示す。対象日付は、商品売上情報により示される売上が発生した日付を示す。総売上金額は、その商品の全体の売上高を示す。総売上件数は、その商品の全体の売上の件数を示す。運用型ポイント変倍売上金額は、その商品の売上のうち、運用型ポイント変倍により発生した売上の金額を示す。運用型ポイント変倍売上件数は、その商品の売上のうち、運用型ポイント変倍により発生した売上の件数を示す。ポイント倍率は、対象日付により示される日付に、その商品に対して設定されていたポイント倍率を示す。その日の間にポイント倍率が変更されていた場合、商品売上DB14eに記憶されるポイント倍率は、変更後のポイント倍率であってもよい。
【0056】
図5に示すように、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fには、運用型ポイント変倍起源広告の予算に関する情報が、運用型ポイント変倍を設定した店舗ごとに記憶される。例えば、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fには、キャンペーンID、店舗ID、及び予算額等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。キャンペーンIDは、広告キャンペーンを識別する識別情報であう。店舗IDは、運用型ポイント変倍を設定した店舗を示す。予算額は、現時点における広告予算の金額を示す。例えば月が変わると、予算額はゼロにリセットされてもよい。なお、記憶部14には、運用型ポイント変倍起源広告以外の通常の広告の予算を管理するためのデータベースも記憶されてもよい。
【0057】
広告選択履歴DB14gには、ユーザによる広告の選択(クリック)の履歴が記憶される。例えば、広告選択履歴DB14gには、広告選択ログとして、トラッキングID、選択日時、キャンペーンID、及び選択者ID等が、広告が選択されるごとに互いに関連付けて記憶されてもよい。トラッキングIDは、広告を選択した後のユーザによる購入行動を追跡するための識別情報である。選択日時は、広告が選択された日時を示す。キャンペーンIDは、選択された広告に対応するキャンペーンを示す。選択者IDは、広告を選択したユーザのユーザIDを示す。
【0058】
広告料DB14hには、店舗に請求される広告料に関する請求情報が、広告キャンペーンごとに記憶される。例えば、広告料DB14hには、請求情報として、キャンペーンID、店舗ID、対象期間、及び請求額等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。キャンペーンIDは、広告料が請求されるキャンペーンを示す。店舗IDは、広告料の請求先の店舗を示す。対象期間は、広告料が、何れの期間に発生したかを示す。例えば対象期間は、年度と月とで示されてもよい。請求額は、請求される広告料の額を示す。
【0059】
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、電子サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。電子商店街サーバプログラムは、オンラインショッピングモールや広告配信に関する各種処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。電子商店街サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0060】
通信部15は、例えばネットワークインターフェースカード等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して電子商店街サーバ1、ポイント管理サーバ2、店舗端末3、及びユーザ端末4等と接続し、接続された装置との通信状態を制御する。
【0061】
[1-3.電子商店街サーバのシステム制御部の機能概要]
次に、図6及び図7を用いて、電子商店街サーバ1のシステム制御部11の機能概要について説明する。図6は、本実施形態における電子商店街サーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部11は、CPU11aが、電子商店街サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図6に示すように、ポイント基準価値取得部111、購買情報取得部112、ポイント価値決定部113、割合決定部114、ポイント価値変更部115、広告予算割当部116、広告配信部117、及び売上情報送信部118等として機能する。
【0062】
[1-3-1.ポイント倍率の最適化]
ポイント基準価値取得部111は、運用型ポイント変倍が設定される商品の提供者である店舗により提供されるその商品の購入者に対して付与されるポイントの価値として、その店舗により指定された基準価値を示す基準価値情報を取得する。運用型ポイント変倍を利用する際に、店舗は基準価値を指定することができる。本実施形態においては、基準価値情報として、上限ポイント変倍率が取得される。
【0063】
ポイント基準価値取得部111は、例えば店舗端末3からの要求に応じて、ポイント変倍を設定するためのウェブページであるポイント変倍設定ページを店舗端末3へ送信してもよい。このポイント変倍設定ページにおいて、ポイント変倍が設定される商品の商品ID、運用型ポイント変倍設定の有無、ポイント変倍率、及びポイント変倍適用期間等の指定が可能であってもよい。指定可能なポイント変倍率の範囲が予め定められていてもよい。例えば、5倍から20倍までの範囲内で、ポイント変倍率の指定が可能であってもよい。運用型ポイント変倍が設定される場合、指定されたポイント変倍率は、上限ポイント変倍率として取り扱われる。運用型ポイント変倍が設定されない場合、指可されたポイント変倍率は、直接商品に適用されるポイント変倍率として取り扱われる。店舗端末3は、店舗の従業員等により入力された商品ID、運用型ポイント変倍設定の有無、ポイント変倍率、及びポイント変倍適用期間を、電子商店街サーバ1へ送信する。これにより、ポイント基準価値取得部111は、基準価値としての上限ポイント変倍率を取得してもよい。ポイント基準価値取得部111は、店舗端末3から受信した運用型ポイント変倍設定の有無、ポイント変倍率、及びポイント変倍適用期間を、ポイント変倍が設定される商品の商品IDに関連付けて、商品DB14aに記憶させてもよい。
【0064】
購買情報取得部112は、運用型ポイント変倍が設定される商品の購入者に付与されるポイントの倍率が、ポイント基準価値取得部111により取得された上限ポイント変倍率に設定された場合におけるその商品の購買状況を示す購買情報を取得するとともに、その商品の購入者に付与されるポイントの倍率が、その上限ポイント変倍率未満の倍率に設定された場合における商品の購買状況を示す購買情報と、を取得する。例えば、購買情報取得部112は、購買情報として、購入履歴DB14bから、その商品の購入ログを取得してもよい。そして、購買情報取得部112は、購入ログに含まれるポイント倍率を参照することで、ポイント倍率が如何なる倍率に設定されていたときにその商品が購入されたかを特定してもよい。購買情報取得部112は、例えば注文日時が現時点から直近の所定期間内(例えば、3ヶ月、6ヶ月、1年等)である購入ログのみを取得してもよい。
【0065】
ポイント価値決定部113は、購買情報取得部112により取得された購買情報に基づいて、運用型ポイント変倍が設定される商品の購入者に付与されるポイントの倍率を、ポイント基準価値取得部111により取得された上限ポイント変倍率未満の範囲内で決定する。このとき、ポイント価値決定部113は、付与されるポイントの倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合における売上に対して所定の基準割合以上の売上となるポイント倍率を決定する。一般的には、ポイント倍率を低くするほど、売上も低くなる傾向がある。ポイント価値決定部113は、例えばポイント倍率を上限ポイント変倍率よりも低くしたことによる売上の減少額が、ポイント倍率を低くしたことによるポイント費用の削減額以下となるポイント倍率を決定してもよい。これにより、ポイント費用の削減に対して売上の減少を抑えることができる。ポイント変倍率の決定に用いられる売上は、例えば所定期間(例えば、1時間、1日、1週間等)あたりの平均の売上であってもよい。ポイント価値決定部113は、上限ポイント変倍率未満の何れのポイント変倍率でも基準割合以上の売上を見込むことができない場合、ポイント変倍率を上限ポイント変倍率に決定することがあってもよい。
【0066】
ポイント価値決定部113は、購買情報として、運用型ポイント変倍が設定された商品が購入されたときのその商品の価格が現在の価格に一致するか、または購入されたときの価格と現在の価格との差が所定値未満である購入ログのみを用いて、売上を計算してもよい。その理由は、ポイント倍率の変化のみならず、価格の変化も、ユーザの購入行動に影響し得る場合があるからである。
【0067】
また、ポイント価値決定部113は、購買情報として、運用型ポイント変倍起源広告経由でユーザが商品を購入した場合の購入ログを、売上の計算に用いる購入ログから除外してもよい。その理由は、自動的にポイント変倍率を最適化すること単独で、売上の減少を抑えるためである。但し、運用型ポイント変倍から計上された広告予算の全てが広告費に使用されるとは限らない。そのため、運用型ポイント変倍起源広告経由の売上は、その商品の全体の売上にそれほど影響しない場合がある。また、本実施形態においては、店舗が販売する全商品の何れの広告に対しても、その広告予算を利用することができる。そのため、運用型ポイント変倍起源広告経由の売上は、その店舗の全商品に分散して生じる。従って、その店舗の商品のうち一部の商品に対してのみ運用型ポイント変倍が設定されている場合、その商品の全体の売上に対して、運用型ポイント変倍起源広告経由の売上は小さい。運用型ポイント変倍起源広告経由の売上が、その商品の全体の売上に占める割合が小さい場合、ポイント価値決定部113は、運用型ポイント変倍起源広告経由の購入ログを除外しなくてもよい。
【0068】
ポイント価値決定部113は、購入者に付与されるポイントの倍率を、基準割合以上となるポイント倍率のうち、最低の倍率に決定してもよい。これにより、売上の減少を抑えながら、より多くのポイント費用を削減することができる。
【0069】
基準割合は、例えば予め定められてもよい。例えば、ポイント倍率が所定の倍率(例えば、0.5倍、1倍、2倍等)の単位で変化可能である。この場合、基準割合は、100%から、その単位倍率に相当する割合を減算して得られる割合であってもよい。例えば、ポイント倍率が1倍単位で変化可能であるとする。1倍に相当する割合は1%である。この場合の基準割合は99%となる。ポイント倍率が上限ポイント変倍率未満よりも低い倍率に設定された場合、設定されたポイント倍率は何倍であろうとも、商品の価格に対して必ず1%以上のポイント費用が削減される。ポイント倍率を低くしたことによる売上の減少が、1%以下に抑えられるのであれば、売上の減少額はポイント費用の削減額以下となる。
【0070】
基準割合は予め定められているのではなく、割合決定部114が、基準割合を決定してもよい。例えば、割合決定部114は、ポイント基準価値取得部111により取得された上限ポイント変倍率と設定されたポイント倍率との差に基づいて、設定されたポイント倍率ごとに基準割合を決定してもよい。例えば、割合決定部114は、100%から、上限ポイント変倍率と設定されたポイント倍率との差に相当する割合を減算することで、基準割合を計算してもよい。例えば、上限ポイント変倍率が10倍であり、設定されたポイント倍率が9倍である場合、ポイント倍率の差に相当する割合は1%である。従って、基準割合は99%となる。設定されたポイント倍率が8倍である場合、ポイント倍率の差に相当する割合は2%である。従って、基準割合は98%となる。これにより、上述したことと同様に、売上の減少額はポイント費用の削減額以下となる。
【0071】
ポイント価値変更部115は、運用型ポイント変倍が設定される商品のポイント変倍率を、ポイント基準価値取得部111により取得された上限ポイント変倍率以下の範囲内で変化させる。この場合、購買情報取得部112は、ポイント価値変更部115によるポイント変倍率の変化が開始された後のその商品の購入ログを、購買情報として少なくとも取得してもよい。ポイント変倍率を変化させることによって、ポイント価値変更部115は、ポイントの倍率が上限ポイント変倍率に設定されたときの購買情報と、ポイントの倍率が上限ポイント変倍率未満の倍率に設定されたときの購買情報とを、購買情報取得部112が取得することを可能とする。
【0072】
例えば、ポイント価値変更部115は、運用型ポイント変倍が設定された後、所定期間ごとに(例えば、1日ごと、2日ごと等)、ポイント変倍率を変更してもよい。ポイント変倍率が変更された後、一定の期間内は、変更後のポイント変倍率で、運用型ポイント変倍が設定された商品が購入される可能性がある。従って、その商品の購入ログが商品DB14aに記憶される可能性がある。ここで、購買情報取得部112により取得される購買情報の信頼性を高めるために、ポイント価値変更部115は、例えば運用型ポイント変倍が設定された商品の商品ページのページビュー数、またはその商品を検索結果として含む検索ページのページビュー数が、所定数を超えるまでは、ポイント変倍率を変更しなくてもよい。すなわち、ポイント価値変更部115は、その商品の付与ポイント情報を見たユーザ数が所定人数を越えるまでは、ポイント変倍率を変更しなくてもよい。或いは、ポイント価値変更部115は、その商品の購入件数が所定件数を超えるまでは、ポイント変倍率を変更しなくてもよい。
【0073】
ポイント基準価値取得部111により上限ポイント変倍率が取得されるよりも前に、今回運用型ポイント変倍が設定される商品についてのポイント倍率が、上限ポイント変倍率以下の倍率であって、通常のポイント倍率よりも高い何れかの倍率に設定されていたことがある可能性がある。例えば、今回店舗が運用型ポイント変倍を設定する以前に、その商品について通常のポイント変倍又は運用型ポイント変倍が設定されていたことがあるかもしれない。その場合、購買情報取得部112は、購買情報として、ポイント倍率がその何れかの倍率に設定されていたときの購買状況を示す購入ログを取得してもよい。そして、ポイント基準価値取得部111は、ポイント倍率を、その何れかの倍率に設定することを抑制してもよい。過去の情報を有効利用することで、ポイント倍率の最適化を効率よく行うことができる。
【0074】
ポイント価値変更部115によるポイント変倍率の変更パターンは、如何なるパターンであってもよい。例えば、ポイント価値変更部115は、ポイント変倍率を、上限ポイント変倍率から段階的に低下させてもよい。例えば、ポイント価値変更部115は、1段階ずつ、ポイント変倍率を低下させてもよい。より具体的に、ポイント価値変更部115は、前述の単位倍率ずつポイント変倍率を低下させてもよい。
【0075】
ここで、ポイント変倍率を或る倍率に低下させた場合の商品の売上が、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定されたときの売上に対して基準割合以上の売上となる場合、ポイント価値変更部115は、ポイント変倍率を更に1段階低下させてもよい。一方、ポイント変倍率を或る倍率に低下させた場合の商品の売上が、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定されたときの売上に対して基準割合未満の売上となる場合、ポイント価値決定部113は、ポイント変倍率を、その低下した倍率よりも1段階高い倍率に決定してもよい。これは、購入者に付与されるポイントの倍率を、基準割合以上となるポイント変倍率のうち、最低の倍率に決定することの一例である。
【0076】
図7は、ポイント変倍率の最適化の様子の一例を示す図である。例えば、或る商品Bについて運用型ポイント変倍が設定されるとする。店舗は、上限ポイント変倍率として、10%を設定したとする。例えば運用型ポイント変倍から所定時間が経過すると、ポイント変倍率の最適化が開始されてもよい。例えば、4月1日に運用型ポイント変倍が設定されたとする。そこで、4月1日に、ポイント倍率が1倍から、上限ポイント変倍率である10倍に変更される。次いで、4月2日の所定時刻に、ポイント倍率が9倍に変更される。ポイント倍率が10倍であるときの売上を、1日あたりの売上に換算すると、その売上金額は100,000万円であったとする。次いで、4月3日の所定時刻に、ポイント倍率が変更される。ポイント倍率が9倍であるときの1日あたりの売上は、99,700円である。商品価格に対して1%相当のポイント費用が削減される一方で、売上の減少は1%未満である。従って、ポイント倍率は更に低下する。ここで、商品Bについて過去にポイント倍率が8倍に設定されていたことがあったとする。ポイント倍率が8倍であるときの1日あたりの売上は、98,500円である。2%相当のポイント費用が削減される一方で、売上の減少は2%未満である。そのため、ポイント倍率は、9倍から7倍に変更される。次いで、4月4日の所定時刻に、ポイント倍率が変更される。ポイント倍率が7倍であるときの1日あたりの売上は、97,200円である。商品価格に対して3%相当のポイント費用が削減される一方で、売上の減少は3%未満である。そのため、ポイント倍率は6倍に変更される。次いで、4月5日の所定時刻に、ポイント倍率が変更される。ポイント倍率が6倍であるときの1日あたりの売上は、95,500円である。商品価格に対して4%相当のポイント費用が削減される一方で、売上の減少は4%を超えている。そのため、ポイント倍率は7倍に変更される。4月5日以降は、基本的に7倍のポイント倍率が維持されてもよい。ポイント倍率が7倍に設定されている間の売上の変化に応じて、ポイント倍率は、7倍以外の倍率に変更されてもよい。例えば、売上の減少が3%を超えた場合、ポイント倍率は8倍以上の倍率に変更されてもよい。また例えば、売上の減少が2%未満となった場合、ポイント倍率は6倍以下の倍率に変更されてもよい。
【0077】
[1-3-2.広告の配信]
広告予算割当部116は、ポイント基準価値取得部111により取得された上限ポイント変倍率と、ポイント価値決定部113により決定されたポイント変倍率との差に相当する額の費用を、運用型ポイント変倍が設定される商品の店舗の広告予算に割り当てる処理を実行する。換言すると、広告予算割当部116は、ポイント倍率が最適化されることにより削減されたポイント費用を、広告予算に割り当ててもよい。広告予算割当部116は、運用型ポイント変倍が設定されてから最適なポイント倍率が決定されるまでの間に削減されたポイント費用も、広告予算に割り当ててもよい。
【0078】
広告予算割当部116は、削減されたポイント費用を、その店舗が提供する何れの商品の広告にも利用可能な広告予算として割り当ててもよい。すなわち、削減されたポイント費用で広告を配信可能な商品は、その店舗の全商品であってもよい。
【0079】
広告予算割当部116は、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fにおいて、ポイント費用の削減額を、運用型ポイント変倍を設定した店舗の広告予算に加算してもよい。広告予算割当部116は、例えば1日1回、その日の前日分のポイント費用の削減額を広告予算に割り当ててもよい。或いは、広告予算割当部116は、運用型ポイント変倍が設定された商品が購入されるごとに、ポイント費用の削減額を広告予算に割り当ててもよい。
【0080】
広告配信部117は、広告予算割当部116により割り当てが行われた広告予算の範囲内で、運用型ポイント変倍を設定した店舗の広告を、ユーザ端末4へ配信する。例えば、広告配信部117は、運用型ポイント変倍が設定された商品に限定せずに、その店舗が取り扱う商品の広告を配信してもよい。広告配信の一例として、広告配信部117は、検索連動型広告を含む検索結果ページをユーザ端末4へ送信してもよい。
【0081】
広告配信部117は、配信される広告の種類に応じたタイミングで、広告料の請求額を更新する。例えば、配信される広告が検索連動型広告である場合、広告配信部117は、検索結果ページに表示された検索連動型広告がユーザにより選択されることに応じて、請求額を更新してもよい。例えば、広告配信部117は、所定の広告単価を請求額に加算してもよい。広告配信部117は、現在の請求額が現在の広告予算未満である場合にのみ、広告を配信してもよい。
【0082】
[1-3-3.売上情報の提供]
売上情報送信部118は、ポイント倍率が、ポイント価値決定部113により決定されたポイント変倍率に設定された後の売上を示す運用型ポイント変倍売上金額と、そのポイント変倍率と上限ポイント変倍率との差に相当する費用が広告予算に割り当てられることにより配信された広告経由で生じた売上を示す運用型ポイント変倍起源広告売上金額と、を含む売上情報店舗端末3へ送信する。これにより、店舗は、運用型ポイント変倍経由の売上と、運用型ポイント変倍起源広告経由の売上とを確認することができる。例えば、ポイント変倍適用期間内に生じた売上のうち、運用型ポイント変倍起源広告売上金額以外の売上が、運用型ポイント変倍売上金額であってもよい。或いは、運用型ポイント変倍による売上金額と運用型ポイント変倍起源広告売上金額とが一部重複してもよい。例えば、運用型ポイント変倍が設定されている商品が、運用型ポイント変倍起源広告経由で購入される場合がある。
【0083】
売上情報送信部118は、購入履歴DB14bに基づいて、運用型ポイント変倍売上金額及び運用型ポイント変倍起源広告売上金額を計算してもよい。例えば、運用型ポイント変倍設定が「有り」に設定されている購入ログは、運用型ポイント変倍経由の購入を示す購入ログであると判定することができる。また、購入ログに含まれるトラッキングIDに基づいて、その購入ログが、運用型ポイント変倍起源広告経由の購入を示すか否かを判定することができる。
【0084】
電子商店街サーバ1から店舗端末3に送信されるウェブページ上で、店舗は、売上情報のダウンロードの設定が可能であってもよい。例えば、その店舗の売上情報のダウンロード又は特定の商品の売上情報のダウンロードの選択が可能であってもよい。また、ダウンロードされる売上情報は、日次の売上であるか又は月次の売上であるかの選択が可能であってもよい。また、売上を表示する期間の指定が可能であってもよい。売上情報送信部118は、例えば店舗により指定された期間に対象日付が含まれる売上情報を、店舗売上DB14d又は商品売上DB14eから取得してもよい。店舗の売上情報が選択された場合、売上情報送信部118は店舗売上DB14dから店舗売上情報を取得する。商品の売上情報が選択された場合、売上情報送信部118は商品売上DB14eから商品売上情報を取得する。日次の売上が選択された場合、売上情報送信部118は、取得した売上情報をそのまま店舗端末3へ送信してもよい。月次の売上が選択された場合、売上情報送信部118は、取得した売上情報に基づいて、月ごとに売上情報を集計してもよい。そして、売上情報送信部118は、集計された売上情報を店舗端末3へ送信してもよい。
【0085】
[1-4.情報通信システムの動作]
次に、情報通信システムSの動作について、図8乃至図11を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る情報通信システムSの処理例を示すシーケンス図である。
【0086】
図8に示すように、店舗の従業員は、電子商店街サーバ1から店舗端末3へ送信されたポイント変倍設定ページにおいて、運用型ポイント変倍を設定する(ステップS1)。例えば、従業員は、運用型ポイント変倍を設定する商品を選択する。また、従業員は、運用型ポイント変倍設定を「有り」に指定するとともに、上限ポイント変倍率及びポイント変倍期間を指定する。店舗端末3は、選択された商品の商品ID、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率、ポイント変倍期間、及びその店舗の店舗IDを含むポイント変倍設定要求を、電子商店街サーバ1へ送信する(ステップS2)。電子商店街サーバ1は、ポイント変倍設定要求に含まれる店舗IDと商品IDとの組み合わせに関連付けて、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率及びポイント変倍期間を、商品DB14aに記憶させる(ステップS3)。その後、電子商店街サーバ1は、運用型ポイント変倍が設定された商品について、ポイント変倍率の最適化を開始させる(ステップS4)。最適化の処理例は後述する。
【0087】
ポイント変倍率の最適化により、ポイント変倍率が、上限ポイント変倍率未満の或る倍率に設定された後、電子商店街サーバ1は、ユーザ端末4からの要求に応じて、運用型ポイント変倍が設定された商品の商品ページを、そのユーザ端末4へ送信する(ステップS5)。このとき、電子商店街サーバ1は、現在のポイント変倍率とポイント付与率とを示す付与ポイント情報を、その商品ページに含ませる。ユーザ端末4のユーザは、例えば商品ページの購入手続きボタンを押下して、その商品の購入手続きに進む。そしてユーザは、購入を確定させるための操作を行う。この操作に応じて、ユーザ端末4は、電子商店街サーバ1へ受注要求を送信する(ステップS6)。受注要求は、例えば購入される商品の商品ID、店舗ID、購入数等を含んでもよい。電子商店街サーバ1は、受注要求に基づいて受注処理を行う(ステップS7)。このとき、電子商店街サーバ1は、受注要求に含まれる情報に基づいて、購入ログを生成する。例えば、電子商店街サーバ1は、受注要求に含まれる品ID、店舗ID及び購入数を、購入ログに含ませる。また、電子商店街サーバ1は、商品DB14aにおいて、購入される商品の商品情報から、価格、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率、及びポイント倍率を取得する。電子商店街サーバ1は、取得された、価格、運用型ポイント変倍設定、上限ポイント変倍率、及びポイント倍率を、購入ログに追加する。電子商店街サーバ1は、生成された購入ログを、購入履歴DB14bに記憶させる。
【0088】
例えば、日付が切り替わった後の所定の時刻に、電子商店街サーバ1は、前日の店舗の売上を集計する(ステップS8)。また、電子商店街サーバ1は、運用型ポイント変倍によるポイント費用の削減額を計算する(ステップS9)。そして、電子商店街サーバ1は、削減されたポイント費用を、検索連動型広告の予算に割り当てる(ステップS10)。売上の集計、ポイント費用削減額の計算、及び広告予算の割当の処理の詳細は後述する。
【0089】
その後、電子商店街サーバ1は、ユーザ端末4からの要求に応じて、検索結果ページをそのユーザ端末4へ送信する(ステップS11)。このとき、電子商店街サーバ1は、ユーザにより指定された検索条件に合致する商品のうち、検索連動型広告を配信可能な店舗の商品を抽出する。例えば、電子商店街サーバ1は、検索された各商品について、運用型ポイント変倍起源広告ではない方の通常の検索連動型広告の対象となっているか否かを判定してもよい。電子商店街サーバ1は、通常の検索連動型広告の対象となっている商品のうち、これまでの広告料請求額が予算額未満である商品を、検索連動型広告に決定してもよい。また、電子商店街サーバ1は、通常の検索連動型広告の対象となっていない商品、または通常の検索連動型広告の広告料請求額が予算額に達している各商品について、その商品の販売元の店舗IDが運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに記憶されているか否かを判定してもよい。運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに店舗IDが記憶されている商品について、電子商店街サーバ1は、その店舗IDに関連付けられた予算額を取得してもよい。また、電子商店街サーバ1は、その店舗IDに関連付けて広告料DB14hに記憶された今月の広告料の請求額を取得してもよい。電子商店街サーバ1は、請求額が予算額未満である店舗の商品を、運用型ポイント変倍起源広告としての検索連動型広告の対象の商品として決定してもよい。そして、電子商店街サーバ1は、検索連動型広告と検索結果とを含む検索結果ページを生成して送信する。電子商店街サーバ1は、検索連動型広告となっている商品のうち、所定数以下の商品についてのみ、検索結果ページに実際に検索連動型広告を掲載してもよい。
【0090】
電子商店街サーバ1から送信された検索結果ページをユーザ端末4が表示した後、ユーザが、運用型ポイント変倍起源広告としての検索連動型広告を選択したとする(ステップS12)。この場合、ユーザ端末4は、選択された検索連動型広告に対応するキャンペーンID、その検索連動型広告の対象となっている商品の店舗ID及び商品ID等を含む商品ページの要求を、電子商店街サーバ1へ送信する(ステップS13)。商品ページの要求を受信した電子商店街サーバ1は、広告選択履歴DB14gに広告選択ログを記憶させるとともに、広告料DB14hに記憶された請求額を更新する(ステップS14)。例えば、電子商店街サーバ1は、商品ページの要求に含まれるキャンペーンIDに関連付けて広告料DB14hに記憶されている請求額に、所定の広告単価を加算してもよい。そして、電子商店街サーバ1は、商品ページをユーザ端末4へ送信する(ステップS15)。
【0091】
図9は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部11によるポイント変倍率最適化処理の一例を示すフローチャートである。例えば、システム制御部11は、商品情報において運用型ポイント変倍設定が「有り」に設定された各商品について、毎日所定時刻にポイント変倍率最適化処理を実行してもよい。
【0092】
図9に示すように、先ずポイント価値決定部113は、商品DB14aから、対象となる商品の商品情報を特定する(ステップS101)。次いで、ポイント価値決定部113は、今日が、商品情報に含まれるポイント変倍適用期間内であるか否かを判定する(ステップS102)。今日がポイント変倍適用期間外である場合(ステップS102:NO)、ポイント価値決定部113は、商品情報に含まれるポイント倍率を1倍に変更する(ステップS103)。次いで、ポイント価値決定部113は、商品情報に含まれる運用型ポイント変倍設定を「無し」に変更する(ステップS104)。次いで、ポイント価値決定部113は、ポイント倍率変更履歴DB14cに、変更ログを記憶させる(ステップS105)。このとき、ポイント価値決定部113は、その商品の商品ID及び店舗IDと、変更日時としての現在日時と、変更後のポイント倍率とを含む変更ログを生成する。変更ログが記憶されると、ポイント変倍率最適化処理は終了する。
【0093】
一方、今日がポイント変倍適用期間内である場合(ステップS102:YES)、ポイント価値決定部113は、倍率Nを、商品情報に含まれる上限ポイント変倍率に設定する(ステップS106)。次いで、その商品のポイント倍率がN倍に設定されたことがあるか否かを判定する(ステップS107)。例えば、ポイント価値決定部113は、ポイント倍率変更履歴DB14cから、その商品の商品ID及び店舗IDと、N倍を示すポイント倍率と、を含む変更ログを検索する。該当する変更ログがなかった場合、ポイント価値決定部113は、ポイント倍率がN倍に設定されたことがないと判定する(ステップS107:NO)。この場合、ポイント価値決定部113は、商品情報に含まれるポイント倍率をN倍に変更して(ステップS108)、変更ログを記憶させる(ステップS105)。
【0094】
一方、該当する変更ログがあった場合、ポイント価値決定部113は、ポイント倍率がN倍に設定されたことがあると判定する(ステップS107:YES)。この場合、購買情報取得部112は、購入履歴DB14bから、ポイント変倍率がN倍に設定されていたときの購入ログを取得する(ステップS109)。例えば、購買情報取得部112は、その商品の商品ID及び店舗IDと、N倍を示すポイント倍率と、を含む購入ログを取得する。次いで、購買情報取得部112は、取得された購入ログに基づいて、単位時間あたりの売上金額を計算する(ステップS110)。例えば、購買情報取得部112は、各購入ログに含まれるその商品の単価に購入数を加算することにより、その購入に対する売上金額を計算してもよい。また、購買情報取得部112は、全購入ログについて売上金額を合計してもよい。また、購買情報取得部112は、ポイント倍率変更履歴DB14cに基づいて、その商品についてポイント倍率がN倍に設定されていた期間の長さを計算してもよい。そして、購買情報取得部112は、売上金額の合計を、ポイント倍率がN倍に設定されていた期間の長さで除算することにより、単位時間あたりの売上金額を計算してもよい。
【0095】
次いで、ポイント価値決定部113は、倍率Nが、上限ポイント変倍率と一致するか否かを判定する(ステップS111)。倍率Nが上限ポイント変倍率と一致する場合(ステップS111:YES)、ポイント価値変更部115は、倍率Nを1減少させて(ステップS112)、処理はステップS107に進む。
【0096】
一方、倍率Nが上限ポイント変倍率と一致しない場合(ステップS111:NO)、割合決定部114は、100%からN%を減算することにより、基準割合を計算する(ステップS113)。次いで、ポイント価値決定部113は、ポイント倍率が上限ポイント倍率に設定されていたときの単位時間あたりの売上金額に、基準割合を乗算することにより、基準売上金額を計算する(ステップS114)。次いで、ポイント価値決定部113は、ポイント倍率がN倍に設定されたときの売上金額が、基準売上金額以上であるか否かを判定する(ステップS115)。
【0097】
売上金額が基準売上金額以上である場合(ステップS115:YES)、ポイント価値変更部115は、倍率Nが2倍よりも高いか否かを判定する(ステップS116)。倍率Nが2倍よりも高い場合(ステップS116:YES)、ポイント価値変更部115は、倍率Nを1減少させる(ステップS112)。一方、倍率Nが2倍よりも高くはない場合(ステップS116:NO)、ポイント価値変更部115は、商品情報に含まれるポイント倍率を、N倍に設定して(ステップS117)、変更ログを記憶させる(ステップS105)。ステップS116に示す処理例の場合、ポイント変倍により自動的に設定されるポイント倍率の最低値は2倍である。しかしながら、自動的に設定されるポイント倍率の最低値は、1倍であってもよいし、3倍以上であってもよい。
【0098】
売上金額が基準売上金額未満である場合(ステップS115:NO)、ポイント価値決定部113は、商品情報に含まれるポイント倍率を、N+1倍に設定して(ステップS118)、変更ログを記憶させる(ステップS105)。
【0099】
図10は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部11による店舗売上集計処理の一例を示すフローチャートである。例えば、システム制御部11は、各店舗について、毎日所定時刻に店舗売上集計処理を実行してもよい。図10に示すように、先ず売上情報送信部118は、対象の店舗が販売する商品のうちの一つを選択する(ステップS201)。次いで、売上情報送信部118は、商品売上集計処理を実行する(ステップS202)。
【0100】
図11は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部11による商品売上集計処理の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、先ず売上情報送信部118は、購入履歴DB14bから、選択された商品の商品ID及び店舗IDと、昨日を示す注文日時とを含む購入ログを検索する(ステップS301)。次いで、売上情報送信部118は、選択された商品の昨日の総売上金額及び総売上件数を計算する(ステップS302)。例えば、売上情報送信部118は、検索された各購入ログに含まれるその商品の単価に購入数を乗算することにより、その購入に対する売上金額を計算してもよい。そして、売上情報送信部118は、検索された全購入ログについて売上金額を合計することにより、総売上金額を計算してもよい。また、売上情報送信部118は、検索された購入ログの数を、総売上件数として計算してもよい。
【0101】
次いで、売上情報送信部118は、検索された購入ログの中から、運用型ポイント変倍経由の購入を示す購入ログを抽出する(ステップS302)。例えば、売上情報送信部118は、運用型ポイント変倍設定が「有り」に設定された購入ログを、運用型ポイント変倍経由の購入ログとして特定してもよい。次いで、売上情報送信部118は、選択された商品の昨日の運用型ポイント変倍売上金額及び運用型ポイント変倍売上件数を計算する(ステップS304)。処理対象となる購入ログが異なることを除き、ステップS304の処理はステップS302の処理と同一であってもよい。
【0102】
次いで、売上情報送信部118は、選択された商品の昨日の運用型ポイント変倍ポイント付与料及びポイント差額を計算する(ステップS305)。例えば、売上情報送信部118は、運用型ポイント変倍経由の各購入ログについて、選択された商品の税抜価格に購入数を乗算することにより、税抜きの売上金額を計算してもよい。売上情報送信部118は、その売上金額に、その購入ログに含まれるポイント倍率に相当するポイント付与率を乗算して、購入ごとのポイント付与料を計算してもよい。そして、売上情報送信部118は、全購入ログについてポイント付与料を合計することにより、昨日の運用型ポイント変倍ポイント付与料を計算してもよい。また、売上情報送信部118は、運用型ポイント変倍経由の各購入ログについて、その購入ログに含まれる上限ポイント倍率とその購入ログに含まれるポイント倍率との差に応じたポイント付与率の差分を計算してもよい。売上情報送信部118は、売上金額にポイント付与率の差分を乗算することにより、購入ごとのポイント差額を計算してもよい。そして、売上情報送信部118は、全購入ログについてポイント差額を合計することにより、昨日のポイント差額を計算してもよい。
【0103】
次いで、売上情報送信部118は、選択された商品の商品IDと店舗ID、総売上金額、総売上件数、運用型ポイント変倍売上金額、及び運用型ポイント変倍売上件数を含む商品売上情報を、商品売上DB14eに記憶させて(ステップ306)、商品売上集計処理は終了する。
【0104】
商品売上集計処理が終了すると、図10に示すように、売上情報送信部118は、その店舗の全ての商品が選択されたか否かを判定する(ステップS203)。まだ選択されていない商品が存在する場合(ステップS203:NO)、売上情報送信部118は、まだ選択されていない商品の中から一つを選択して(ステップS204)、商品売上集計処理を実行する(ステップS202)。
【0105】
一方、全ての商品が選択された場合(ステップS203:YES)、売上情報送信部118は、全商品の総売上金額を合計することにより、選択された店舗の総売上金額を計算する。また、売上情報送信部118は、全商品の総売上件数を合計することにより、選択された店舗の総売上件数を計算する(ステップS205)。次いで、売上情報送信部118は、全商品の運用型ポイント変倍売上金額を合計することにより、選択された店舗の運用型ポイント変倍売上金額を計算する。また、売上情報送信部118は、全商品の運用型ポイント変倍売上件数を合計することにより、選択された店舗の運用型ポイント変倍売上件数を計算する。次いで、売上情報送信部118は、全商品の運用型ポイント変倍ポイント付与料を合計することにより、選択された店舗の運用型ポイント変倍ポイント付与料を計算する(ステップS206)。
【0106】
次いで、売上情報送信部118は、選択された店舗の購入ログのうち、運用型ポイント変倍起源広告経由の購入を示す購入ログを検索する(ステップS209)。例えば、売上情報送信部118は、購入履歴DB14bから、選択された店舗の店舗IDと、昨日を示す注文日時と、トラッキングIDとを含む購入ログを取得してもよい。売上情報送信部118は、取得された各購入ログに含まれるトラッキングIDに関連付けられたキャンペーンIDを、広告選択履歴DB14gから取得してもよい。売上情報送信部118は、取得したキャンペーンIDと同一のキャンペーンIDを、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fから検索してもよい。運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに該当するキャンペーンIDが記憶されている場合、売上情報送信部118は、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fから、そのキャンペーンIDに関連付けられた店舗IDを取得してもよい。そして、売上情報送信部118は、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fからから取得した店舗IDが、選択した店舗の店舗IDと一致する購入ログを、運用型ポイント変倍起源広告経由の購入を示す購入ログとして特定してもよい。
【0107】
次いで、売上情報送信部118は、検索された購入ログに基づいて、運用型ポイント変倍起源広告売上金額を計算する(ステップS210)。例えば、売上情報送信部118は、検索された各購入ログに含まれるその商品の単価に購入数を乗算することにより、その購入に対する売上金額を計算してもよい。そして、売上情報送信部118は、検索された全購入ログについて売上金額を合計することにより、運用型ポイント変倍起源広告売上金額を計算してもよい。
【0108】
次いで、売上情報送信部118は、選択された店舗の店舗ID、総売上金額、総売上件数、運用型ポイント変倍売上金額、運用型ポイント変倍売上件数、運用型ポイント変倍ポイント付与料、及び運用型ポイント変倍起源広告売上金額を含む店舗売上情報を、店舗売上DB14dに記憶させる(ステップS211)。
【0109】
次いで、広告予算割当部116は、全商品のポイント差額の合計を計算することにより、ポイント費用削減額を計算する(ステップS212)。次いで、広告予算割当部116は、選択された店舗の店舗IDに関連付けて運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに記憶されている予算額に、ポイント費用削減額を加算することにより、その予算額を変更して(ステップS213)、店舗売上集計処理は終了する。
【0110】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子商店街サーバ1が、店舗により指定された上限ポイント変倍率を取得する。また、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合におけるその商品の購買状況と、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率未満の倍率に設定された場合におけるその商品の購買状況と、を示す購買情報を取得する。また、電子商店街サーバ1が、購買情報に基づいて、ポイント変倍率を上限ポイント変倍率未満の範囲内で決定する。ここで、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合における売上に対する基準割合以上の売上となるポイント倍率を決定する。また、電子商店街サーバ1が、上限ポイント変倍率と決定されたポイント倍率との差に相当する額を、その店舗の広告予算に割り当てる。この場合、店舗により指定された上限ポイント変倍率が取得される。この上限ポイント変倍率に応じた費用は、ポイントの付与のために店舗が想定する費用であると考えられる。そして、購入者に対するポイント変倍率が、店舗により指定された上限ポイント変倍率に設定された場合の売上に対して所定割合以上となる倍率が、ポイント変倍率として決定される。決定されるポイント変倍率は、所定商品についてのポイントの倍率に対する消費者の感応度に応じて変わる可能性がある。こうして、ポイント変倍率を上限ポイント変倍率よりも低くしたことによる売上の減少を抑えつつ、ポイントの付与に必要な費用を削減することができる。また、上限ポイント変倍率と決定されたポイント変倍率との差に相当する費用が、その店舗の広告予算に割り当てられる。これにより、その広告予算の少なくとも一部は、その店舗の広告に利用される可能性がある。広告を通じて商品が購入されると、その店舗の売上が増加する。従って、商品の購入者に対してポイントを付与するために、その商品の店舗が想定した費用を、購入者に付与されるポイントの倍率に対する消費者の感応度に基づいて有効利用することができる。
【0111】
ここで、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率を、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合における売上に対する基準割合以上の売上となる倍率のうち、最低の倍率に決定してもよい。この場合、ポイントの付与に必要な費用を更に削減することができる。
【0112】
また、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率を、上限ポイント変倍率以下の範囲内で変化させてもよい。また、電子商店街サーバ1が、ポイントの変倍率の変化が開始された後の所定商品の購買情報を取得してもよい。この場合、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率以下の範囲内で変化する。ポイント変倍率が変化した後、ユーザが所定商品を購入すると、その購入に関して購買情報を取得することができる。従って、店舗が上限ポイント変倍率を指定した時点では、ポイント変倍率の決定に必要な購買情報がない場合であっても、その後必要な購買情報を取得することができる。
【0113】
ここで、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率を上限ポイント変倍率から段階的に低下させてもよい。この場合、ポイント変倍率の決定に必要な購買情報を、適切に取得することができる。
【0114】
ここで、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率が或る倍率に低下した場合の所定商品の売上が基準割合以上の売上となる場合、ポイント変倍率を更に低下させてもよい。また、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率がその倍率に低下した場合の所定商品の売上が基準割合未満の売上となる場合、ポイント変倍率を、その倍率よりも1段階高い倍率に決定してもよい。この場合、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率に設定された場合の売上に対して基準割合未満の売上となるまで、ポイント変倍率が段階的に低下する。そして、ポイント変倍率は、基準割合未満の売上となった倍率よりも1段階高い倍率に決定される。従って、ポイントの付与に必要な費用を更に削減することができる。
【0115】
また、電子商店街サーバ1が、店舗端末3から上限ポイント変倍率情報が取得されるよりも前に、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率以下の何れかの倍率に設定されていたことがある場合、ポイント変倍率がその倍率に設定されていたときの所定商品の購買状況を含む購買情報を取得してもよい。また、電子商店街サーバ1が、ポイント変倍率を、その倍率に設定することを抑制してもよい。この場合、ポイント変倍率が上限ポイント変倍率以下の何れかの倍率に設定されていたことがある場合、店舗が上限ポイント変倍率を指定した後、ポイント変倍率をその倍率に設定することが抑制される。上限ポイント変倍率が取得される以前にポイント変倍率がその倍率に設定されていたときの購買情報を取得することができれば、上限ポイント変倍率が指定された後に、改めてポイント変倍率をその倍率に設定しなくてもよい場合がある。従って、ポイント変倍率を効率的に決定することができる。
【0116】
また、電子商店街サーバ1が、基準割合を決定してもよい。ここで、電子商店街サーバ1が、上限ポイント変倍率と設定されたポイント倍率との差に基づいて、設定された倍率ごとに基準割合を決定してもよい。この場合、設定されたポイント倍率ごとに、ポイント変倍率を決定するための売上の割合が、上限ポイント変倍率とその設定されたポイント倍率との差に基づいて決定される。従って、売上の割合を適切に決定することができる。
【0117】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態において、広告予算割当部116は、運用型ポイント変倍で削減されたポイント費用を、運用型ポイント変倍を設定した店舗の商品のうち、何れの商品の広告にも利用可能な広告予算として割り当てていた。本実施形態において、広告予算割当部116は、削減されたポイント費用を、運用型ポイント変倍が設定された商品の広告のみに利用可能な広告予算として割り当てる。以下に説明する点を除き、第2実施形態は第1実施形態と同一であってもよい。
【0118】
広告予算の管理方法の例として、運用型ポイント変倍が設定された商品ごとに広告予算を管理する場合と、運用型ポイント変倍が設定された商品間で広告予算を共有する場合とがある。
【0119】
商品ごとに広告予算を管理する場合、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fには、例えば運用型ポイント変倍が設定された商品ごとに、キャンペーンID、店舗ID、商品ID、及び予算額等が記憶されてもよい。キャンペーンIDは、商品ごとに異なっていてもよい。また、広告料DB14hには、商品ごとに、店舗ID、商品ID、対象期間、及び請求額等が記憶されてもよい。
【0120】
広告予算割当部116は、図10に示す店舗売上集計処理において広告予算の割り当てを行うのではなく、図11に示す商品売上集計処理において、広告予算の割り当てを行ってもよい。例えば、広告予算割当部116は、ステップS305においてポイント差額を計算した後、選択された商品の店舗IDと商品IDとの組み合わせに関連付けて運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに記憶されている予算額に、そのポイント差額を加算することにより、予算額を更新してもよい。
【0121】
広告配信部117は、図8に示すステップS11において検索連動型広告を含む検索結果ページを送信するとき、検索された各商品の店舗IDと商品IDとの組み合わせを、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fから検索してもよい。これにより、広告配信部117は、店舗IDと商品IDとの組み合わせが記憶されている商品を抽出してもよい。広告配信部117は、抽出した商品の店舗IDと商品IDとの組み合わせに関連付けて運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに記憶されている予算額を取得してもよい。また、広告配信部117は、その商品の店舗IDと商品IDとの組み合わせに関連付けて広告料DB14hに記憶されている請求額を取得してもよい。そして、広告配信部117は、請求額が予算額未満である商品について、検索連動型広告を検索結果ページに掲載してもよい。
【0122】
広告配信部117は、ステップS14において広告料の請求額を更新するとき、商品ページの要求に含まれる店舗IDと商品IDとの組み合わせに関連付けて広告料DB14hに記憶されている請求額に、広告単価を加算してもよい。
【0123】
商品間で広告予算を共有する場合、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14f及び広告料DB14hの構成は、第1実施形態の場合と同一であってもよい。広告予算割当部116は、第1実施形態の場合と同一の方法で、広告予算の割り当てを行ってもよい。
【0124】
広告配信部117は、検索連動型広告を含む検索結果ページを送信するとき、検索された商品の中から、店舗IDと商品IDとの組み合わせに関連付けて商品DB14aに記憶された運用型ポイント変倍設定が「有り」に設定されている商品を抽出してもよい。広告配信部117は、抽出された商品の店舗IDに関連付けて運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに記憶されている予算額を取得してもよい。また、広告配信部117は、抽出された商品の店舗IDに関連付けて広告料DB14hに記憶されている請求額を取得してもよい。そして、広告配信部117は、請求額が予算額未満である商品について、検索連動型広告を検索結果ページに掲載してもよい。請求額の更新方法については、第1実施形態の場合と同一であってもよい。
【0125】
以上説明したように、本実施形態によれば、運用型ポイント変倍から割り当てられた広告予算は、運用型ポイント変倍が設定された商品の広告に用いられる。従って、広告によって、運用型ポイント変倍が設定された商品の売上の増大を期待することができる。
【0126】
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態において、広告予算割当部116は、運用型ポイント変倍により削減されたポイント費用を、運用型ポイント変倍を設定した店舗の商品のうち、運用型ポイント変倍が設定された商品の種類と同一の種類の何れの広告にも利用可能な広告予算として割り当てる。以下に説明する点を除き、第2実施形態は第1実施形態と同一であってもよい。
【0127】
商品の種類の例として、カテゴリ、製造元のメーカー、ブランド、シリーズ等が挙げられる。商品DB14aに記憶されたカテゴリIDに基づいて、その商品のカテゴリを特定することができる。また、商品DB14aに記憶された商品コードから、メーカー、ブランド又はシリーズを特定することができる場合がある。例えば、電子商店街サーバ1の記憶部14には、カタログDBが記憶されてもよい。カタログDBは、各商品のカタログを示す情報を記憶するデータベースである。例えばカタログDBには、商品ごとに、商品コード、商品名、メーカーID、ブランドID、シリーズID等が記憶されてもよい。メーカーIDは、メーカーを識別する識別情報である。ブランドIDは、ブランドを識別する識別情報である。シリーズIDは、シリーズを識別する識別情報である。
【0128】
運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fには、例えば運用型ポイント変倍を設定した店舗ごとに、キャンペーンID、店舗ID及び予算額に加えて、1又は複数の商品種類識別情報が記憶されてもよい。商品種類識別情報は、運用型ポイント変倍が設定された商品の種類を識別する識別情報である。商品種類識別情報は、例えばカテゴリID、メーカーID、ブランドID又はシリーズIDであってもよい。
【0129】
ポイント基準価値取得部111は、店舗による運用型ポイント変倍の設定に応じて上限ポイント変倍率等の情報を商品DB14aに記憶させるとき、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fに、その店舗の店舗IDに関連付けて、運用型ポイント変倍が設定された商品の商品種類識別情報を記憶させてもよい。広告予算割当部116による広告予算の割り当て方法は、第1実施形態の場合と同一であってもよい。
【0130】
広告配信部117は、図8に示すステップS11において検索連動型広告を含む検索結果ページを送信するとき、検索された各商品の店舗IDと商品種類識別情報との組み合わせを、運用型ポイント変倍起源広告予算DB14fから検索してもよい。広告配信部117は、店舗IDと商品種類識別情報との組み合わせが記憶されている商品のうち、広告料の請求額が予算額未満である商品について、検索連動型広告を検索結果ページに掲載してもよい。請求額の更新方法については、第1実施形態の場合と同一であってもよい。
【0131】
以上説明したように、本実施形態によれば、運用型ポイント変倍により割り当てられた広告予算は、その店舗が提供する商品のうち、運用型ポイント変倍が設定された商品が属する種類の何れの商品の広告にも利用可能となる。従って、広告によって、運用型ポイント変倍が設定された商品と同じ種類の商品の売上の増大を期待することができる。
【符号の説明】
【0132】
1 電子商店街サーバ
2 ポイント管理サーバ
3 店舗端末
4 ユーザ端末
11 システム制御部
12 システムバス
13 入出力インターフェース
14 記憶部
15 通信部
14a 商品DB
14b 購入履歴DB
14c ポイント倍率変更履歴DB
14d 店舗売上DB
14e 商品売上DB
14f 運用型ポイント変倍起源広告予算DB
14g 広告選択履歴DB
14h 広告料DB
111 ポイント基準価値取得部
112 購買情報取得部
113 ポイント価値決定部
114 割合決定部
115 ポイント価値変更部
116 広告予算割当部
117 広告配信部
118 売上情報送信部
NW ネットワーク
S 情報通信システム
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