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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/477 20170101AFI20240920BHJP
   A47B 88/407 20170101ALI20240920BHJP
【FI】
A47B88/477
A47B88/407
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023151532
(22)【出願日】2023-09-19
(65)【公開番号】P2024054834
(43)【公開日】2024-04-17
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】63/413,253
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】111149595
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508226687
【氏名又は名称】和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEGATRON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,No.76,Ligong St., Beitou Dist., Taipei City 112, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曾以磬
(72)【発明者】
【氏名】游智為
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-47165(JP,A)
【文献】実開昭60-008653(JP,U)
【文献】特開2015-225499(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0058596(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013103009(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/477
A47B 88/407
A47B 88/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体の、複数の第1の固定部で構成された第1の側面上に設けられるよう適合されたスライドレール組立体であって、
第1フックを含む外スライドレールと、
摺動方向に沿って前記外スライドレール上に摺動可能に設けられ、第1端と、第2端と、前記第1端と前記第2端との間に位置する複数の位置決めスロットとを含む内スライドレールと、
前記内スライドレール上に移動可能に設けられ、前記位置決めスロットのうちの前記第2端に最も近い臨界位置決めスロットと部分的に重なる第1係合部材と、
前記内スライドレール上に移動可能に設けられ、前記第2端に近い第2係合部材と
を含み、
前記第1の固定部は、前記第1の筐体が前記内スライドレールに固定されるよう、対応する数の前記位置決めスロットと係合されるよう適合され、
前記第1係合部材は第2フックを含み、
前記第2係合部材は第3フックを含み、
前記第1の筐体が前記内スライドレール上に組み付けられるとき、前記臨界位置決めスロットと位置合わせされた前記第1の筐体の前記第1の固定部のうちの1つが前記第1係合部材を押すことで、前記第2フックが前記第1フックとの係合経路を離れて、前記第1の筐体と前記内スライドレールが前記外スライドレールに対して前記第3フックが前記第1フックと係合する位置まで摺動するよう適合された、
スライドレール組立体。
【請求項2】
前記第1の筐体の前記摺動方向における長さは、前記第1端と前記第1係合部材との間の距離よりも長く、前記第1端と前記第2係合部材との間の距離よりも短い、
請求項1に記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
前記内スライドレール上の前記摺動方向における前記第1の筐体の一端の投影は、前記内スライドレール上の前記第2フックの投影と前記内スライドレール上の前記第3フックの投影との間に位置する、
請求項1に記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記スライドレール組立体は第2の筐体上に設けられるよう適合され、前記第2の筐体の第2の側面は複数の第2の固定部で構成され、前記第2の固定部は対応する数の前記位置決めスロットと係合するよう適合されることで、前記第2の筐体が前記内スライドレールに固定され、
前記第2の筐体が前記内スライドレールに固定されたとき、前記第2フックは前記第1フックとの前記係合経路上に位置し、前記第2の筐体と前記内スライドレールは、前記外スライドレールに対して前記第2フックが前記第1フックと係合する位置まで摺動するよう適合された、
請求項1に記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記第2の筐体の前記摺動方向における長さは、前記第1端と前記第1係合部材との間の距離よりも短い、
請求項4に記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
前記第2の筐体が前記内スライドレールに固定されたとき、前記第1係合部材は押されるよう適合され、前記第2フックは前記第1フックとの前記係合経路を離れることで、前記内スライドレールが前記外スライドレールから取り外されるよう適合された、
請求項4に記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記第1係合部材は前記内スライドレールに回動自在に接続された第1本体を含み、前記第2フックは前記第1本体上に設けられる、
請求項1又は4に記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第1係合部材は第1弾性片を更に含み、前記第1弾性片は前記内スライドレールに近づくか離れるよう移動するよう適合され、前記第2フックは前記第1弾性片上に設けられ、前記第1弾性片は前記臨界位置決めスロットに対応する第1溝を含み、
前記第1の筐体が前記内スライドレールに固定されたとき、前記第1の筐体の前記第1の固定部のうちの前記臨界位置決めスロットと位置合わせされた1つが前記臨界位置決めスロット及び前記第1溝と係合することで、前記第1弾性片は前記内スライドレールに近づくよう移動し、前記第2フックは前記第1フックとの前記係合経路を離れる、
請求項1又は4に記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記第1弾性片は前記内スライドレールに向かって屈曲した屈曲部を有し、前記屈曲部は前記第1溝の開口に位置する、
請求項8に記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
前記第1の筐体を前記内スライドレールに固定する処理において、前記第1の固定部のうちの前記臨界位置決めスロットと位置合わせされた前記1つが前記臨界位置決めスロットに進入することで、前記第1弾性片の前記屈曲部は前記内スライドレールに向かって変形して前記内スライドレールに当接し、前記第2フックは前記第1フックとの前記係合経路を離れる、
請求項9に記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレール組立体に関するものであり、特に、様々なサイズの筐体にマッチするスライドレール組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日のスライドレール組立体は、単一の摺動可能な長さを有する単一セグメント・スライドレール組立体である。単一セグメント・スライドレール組立体が異なるサイズの筐体に取り付けられた場合、筐体のサイズに応じて対応する摺動可能な長さを有する単一セグメント・スライドレール組立体を選択する必要があり、その結果、材料の準備及び収納コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、スライドレール組立体の使用上の利便性を向上させ且つコストを削減するため、異なる筐体サイズに応じて異なる摺動長を有するスライドレール組立体を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1の筐体の第1の側面上に設けられるよう適合されたスライドレール組立体を提供する。第1の筐体の第1の側面は、複数の第1の固定部で構成される。スライドレール組立体は、外スライドレールと、内スライドレールと、第1係合部材と、第2係合部材とを含む。外スライドレールは第1フックを含む。内スライドレールは摺動方向に沿って外スライドレール上に摺動可能に設けられ、第1端と、第2端と、第1端と第2端との間の複数の位置決めスロットとを含む。第1の固定部は、第1の筐体が内スライドレールに固定されるよう、対応する数の位置決めスロットと係合されるよう適合される。第1係合部材は内スライドレール上に移動可能に設けられ、位置決めスロット中の第2端に最も近い臨界位置決めスロットと部分的に重なり、第1係合部材は第2フックを含む。第2係合部材は内スライドレール上に移動可能に設けられ、第2端に近く、第2係合部材は第3フックを含む。第1の筐体が内スライドレール上に組み付けられるとき、臨界位置決めスロットと位置合わせされた第1の筐体の第1の固定部のうちの1つが第1係合部材を押すことで、第2フックが第1フックとの係合経路を離れて、第1の筐体と内スライドレールが外スライドレールに対して第3フックが第1フックと係合する位置まで摺動するよう適合される。
【発明の効果】
【0005】
上記に基づき、本発明のスライドレール組立体は、内スライドレールの臨界位置決めスロットと、第1係合部材と第1の筐体の第1の固定部との間の構造的干渉とを介して、第1係合部材の第2フックを第1フックから自動的にずらすことで、第1フックが第3フックと係合され、第1の筐体と内スライドレールが比較的長い摺動ストロークを有することができる。加えて、スライドレール組立体が比較的短い筐体上に設けられたとき、第1フックが第2フックと係合するよう、第2フックが第1フックと位置合わせされる。このとき、該比較的短い筐体と内スライドレールは比較的短い摺動ストロークを有することができる。このため、スライドレール組立体は様々なサイズの筐体に適し、内スライドレールは異なる筐体サイズに応じて異なる摺動長を有することができることで、スライドレール組立体の使用上の利便性を向上させ、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の1つの実施形態によるシャシ内のスライドレール組立体の概略図である。
図2図1のスライドレール組立体が第1の筐体に組み付けられる前の概略図である。
図3図2のスライドレール組立体が第1の筐体に組み付けられた後の概略図である。
図4図3のスライドレール組立体と第1の筐体のA-A線に沿った断面図である。
図5図1のスライドレール組立体と第2の筐体が組み付けられた後の概略図である。
図6図5のスライドレール組立体と第2の筐体のB-B線に沿った断面図である。
図7A】本発明のもう1つの実施形態によるスライドレール組立体と第1の筐体が組み付けられた後の概略図である。
図7B図7Aの第1係合部材の部分拡大図である。
図8図7Aのスライドレール組立体と第1の筐体のC-C線に沿った断面図である。
図9図7Aのスライドレール組立体が第2の筐体に組み付けられた後の概略図である。
図10図9のスライドレール組立体と第2の筐体のD-D線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の1つの実施形態によるシャシ内のスライドレール組立体の概略図である。そこでは、部材説明を容易にするため直交座標X-Y-Zを提供している。図1を参照し、複数の第1の筐体200と複数の第2の筐体300がシャシ400に収容されてよい。第1の筐体200の2つの側面にそれぞれスライドレール組立体100aが提供されることで、第1の筐体200は摺動方向(即ちX軸方向)に沿ってシャシ400内外へ摺動することができる。同様に、第2の筐体300の2つの側面にそれぞれスライドレール組立体100aが提供されることで、第2の筐体300はシャシ400に対して摺動することができる。第1の筐体200と第2の筐体300は、例えばサーバ筐体であるが、本発明はこれに限定されない。
【0008】
図2は、図1のスライドレール組立体が第1の筐体に組み付けられる前の概略図である。図3は、図2のスライドレール組立体が第1の筐体に組み付けられた後の概略図である。図4は、図3のスライドレール組立体と第1の筐体のA-A線に沿った断面図であり、断面はY-Z面に平行な直線断面である。図2及び図3における外スライドレール110は斜視図で表している。
【0009】
図2図4を参照し、スライドレール組立体100aは、外スライドレール110と、内スライドレール120と、第1係合部材130aと、第2係合部材140aとを含む。外スライドレール110はシャシ400(図1)上に設けられてよく、第1フック112を含む。内スライドレール120は、外スライドレール110上に摺動方向(X軸方向)に沿って摺動可能に設けられ、第1端122と、第2端124と、第1端122と第2端124との間に位置する複数の位置決めスロット126とを含む。第1係合部材130aと第2係合部材140aは、内スライドレール120上に移動可能に設けられる。
【0010】
図2に示すように、本実施形態の第1係合部材130aは、第1本体131aと、第1本体131a上に設けられた第2フック132aとを含む。第2係合部材140aは、第2本体141aと、第2本体141a上に設けられた第3フック142aとを含む。
【0011】
第1係合部材130aの第1本体131aは内スライドレール120に回動自在に設けられ、第2係合部材140aの第2本体141aは内スライドレール120に回動自在に設けられる。第1係合部材130aは、位置決めスロット126と部分的に重なる。第2係合部材140aは第2端124に近い。
【0012】
第1の筐体200の第1の側面210は、複数の第1の固定部220で構成される。第1の筐体200の摺動方向(X軸)における長さL1は、第1端122と第1係合部材130aの第2フック132aとの間の長さL2よりも長く、第1端122と第2係合部材140aの第3フック142aとの間の長さL3よりも短い。このため、第1の筐体200がスライドレール組立体100aに組み付けられたとき、内スライドレール120上の摺動方向(X軸)における第1の筐体200の一端230の投影は、内スライドレール120上の第1係合部材130aの投影と内スライドレール120上の第2係合部材140aとの間に位置する。
【0013】
図3に示すように、第1の筐体200が内スライドレール120上に固定されたとき、第1の筐体200が内スライドレール120に固定されるよう、第1の固定部220が対応する数の位置決めスロット126と係合されてよい。位置決めスロット126のうちの第2端124に最も近い1つ(即ち、第1係合部材130aと部分的に重なる位置決めスロット126)は、臨界位置決めスロット128である。第1の筐体200の1つの第1の固定部220は、臨界位置決めスロット128と係合してよい。
【0014】
第1係合部材130aが臨界位置決めスロット128と部分的に重なることから、第1の筐体200が内スライドレール120に固定されたとき、臨界位置決めスロット128と位置合わせされた第1の固定部220は臨界位置決めスロット128内に移動し、第1係合部材130aを押す。第1係合部材130aの第1本体131aは、内スライドレール120に対して図3の拡大図に示す位置へ回動するよう第1の固定部220により押される。
【0015】
図3の拡大図に示すように、第2フック132aは第1フック112からずらされて第1フック112との係合経路Sを離れる。係合経路Sは摺動方向(X軸)に平行である。図4に示すように、第2フック132aはZ軸方向において第1フック112の下方に位置し、第1の固定部220は第1フック112に接触しない。第2係合部材140aの第3フック142aは、第1フック112との係合経路S上に位置する。
【0016】
第1の筐体200と内スライドレール120が摺動方向(即ち、+X方向)においてシャシ400(図1)から外へ摺動して図3の位置まで移動したとき、第2フック132aは第1フック112と係合しない。第1の筐体200と内スライドレール120は、第2係合部材140aの第3フック142aが第1フック112と係合する位置まで第1の筐体200と内スライドレール120が摺動するまで、外スライドレール110に対して継続して摺動してよい。本実施形態において、第3フック142aは、第1の筐体200及び内スライドレール120の摺動方向(X軸)に沿った摺動ストロークを制限してよい。摺動ストロークの長さは、距離L3と等しくてよい。
【0017】
第1の筐体200の長さL1が距離L3(図3)よりも短いことから、第3フック142aが第1フック112と係合したとき、第1の筐体200はシャシ400(図1)から完全に外へ摺動し、交換又は維持を容易にすることができる。
【0018】
第1の筐体200と内スライドレール120がシャシ400(図1)から完全に取り外されるとき、第2係合部材140aの第2本体141aは、第3フック142aを第1フック112との係合経路Sから離れさせるように回動してよく、これにより内スライドレール120は外スライドレール110から取り外されてよい。第1の筐体200はシャシ400から完全に分離される。
【0019】
第1の筐体200の第1の固定部220と第1係合部材130aとの間の構造的干渉を介して、第1係合部材130aは第2フック132aを第1フック112からずらすよう自動的に回転することができることが分かる。第1係合部材130aは、第1の筐体200と内スライドレール120の摺動に影響しない。このため、使用者が第1の筐体200をシャシ400(図1)内外へ摺動させるには第1の筐体200を押し引きするだけでよい。
【0020】
図5は、図1のスライドレール組立体と第2の筐体が組み付けられた後の概略図であり、外スライドレール110を斜視図で表す。図6は、図5のスライドレール組立体と第2の筐体のB-B線に沿った断面図であり、断面はX-Y面に平行な水平断面である。図5図6を同時に参照し、スライドレール組立体100aは第2の筐体300上に設けられてよい。第2の筐体300と第1の筐体200との間の差異は、第2の筐体300の摺動方向(X軸)における長さL4が、内スライドレール120の第1端と第1係合部材130aの第2フック132aとの間の距離L2よりも短い点にある。
【0021】
加えて、図3図5の拡大図に示すように、第2の筐体300上に固定されたスライドレール組立体100aと第1の筐体200(図3)上に固定されたスライドレール組立体100aとの間の差異は、図5の実施形態において、第1係合部材130aが内スライドレール120に対して回動せず、臨界位置決めスロット128と部分的に重なるのみである点にある。
【0022】
図5に示すように、第2の筐体300が内スライドレール120上に固定されたとき、第2の筐体300の第2の側面310上に構成された複数の第2の固定部320は、内スライドレール120の対応する数の位置決めスロット126と係合されることで、第2の筐体300が内スライドレール120に固定されてよい。第2の筐体300の長さL4は比較的短いことから、第2の固定部320が臨界位置決めスロット128内に突出しないことで、第2フック132aは第1フック112との係合経路S上に位置する(図6)。
【0023】
第2の筐体300が摺動方向(+X軸方向)に沿ってシャシ400(図1)から外へ摺動したとき、第2の筐体300と内スライドレール120は、内スライドレール120の第2フック132aが外スライドレール110の第1フック112と係合するまで、外スライドレール110に対して摺動してよい。本実施形態において、第2フック132aは第2筐体300及び内スライドレール120の摺動方向(X軸)に沿った摺動ストロークを制限してよい。摺動ストロークは距離L2であってよい。
【0024】
第2の筐体300の長さL4は距離L2(図5)よりも短いことから、第2フック132aが第1フック112と係合したとき、第2の筐体300はシャシ400(図1)から完全に外へ摺動し、交換又は維持を容易にする。
【0025】
第2の筐体300と内スライドレール120がシャシ400(図1)から完全に取り外されるとき、第1係合部材130aと第2係合部材140aは押されて内スライドレール120に対して回動してよい。このとき、第2フック132aと第3フック142aは第1フック112との係合経路Sを離れ、内スライドレール120は外スライドレール110から取り外されてよい。
【0026】
上記に基づき、本実施形態の同一のスライドレール組立体100aは異なるサイズの筐体(例えば、第1の筐体200と第3の筐体300)に適用可能であり、材料準備コスト及びスライドレール組立体100aの収納コストを削減することができる。内スライドレール120の臨界位置決めスロット128と第1係合部材130aの配置を通じて、スライドレール組立体100aが比較的長い筐体(図3に示す第1の筐体200)上に設けられたとき、スライドレール組立体100aは第1の筐体200と構造的干渉を有することができる。使用者は、スライドレール組立体100aを手動で調整することなく、第2フック132aと第1フック112をずらすことができ、スライドレール組立体100aは比較的長い摺動ストローク(図3に示す距離L3)を有する。
【0027】
スライドレール組立体100aが比較的短い筐体(図5に示す第2の筐体300)上に設けられたとき、第2フック132aは第1フック112と位置合わせされ、スライドレール組立体100aは比較的短い摺動ストローク(図5に示す距離L2)を有する。このようにして、スライドレール組立体100aは様々なサイズの筐体(例えば、第1の筐体200と第2の筐体300)に適合され、スライドレール組立体100aの使用上の利便性が向上する。
【0028】
図1に示すように、1つのスライドレール組立体100aは本実施形態の第1の筐体200/第2の筐体300の各側にそれぞれ構成されるが、本発明はこれに限定されないことに注意されたい。図示しない1つの実施形態において、使用者は第1の筐体200/第2の筐体300の1つの側のみにスライドレール組立体100aを構成してよく、筐体200/第2の筐体300の他方側には上述した第1係合部材と第2係合部材のないスライドレールが構成されてよい。スライドレール組立体100aを1つの側に提供することを通じて、やはり上述した異なる筐体長さに応じた引出し距離の変化の特徴が達成されることができる。
【0029】
当然ながら、第1係合部材及び第2係合部材と内スライドレール120との間の接続方式、及び第1係合部材と第2係合部材の構造は、上述した実施形態において説明したものに限定されない。
【0030】
図7Aは、本発明のもう1つの実施形態によるスライドレール組立体と第1の筐体が組み付けられた後の概略図である。図7Bは、図7Aの第1係合部材の部分拡大図である。図7A及び図7Bの外スライドレール110は斜視図で示す。図8は、図7Aのスライドレール組立体と第1の筐体のC-C線に沿った断面図であり、断面はY-Z面に平行な直線断面である。
【0031】
図3図7A図8を同時に参照し、本実施形態の第1係合部材130bと第2係合部材140bは前記実施形態のものに類似しており、これらの差異は、図7A図8のスライドレール組立体100bの第1係合部材130bが第1弾性片131bを含み、第2係合部材140bが第2弾性片141bを含む点にある。第1係合部材130bと第2係合部材140bは類似の構造を有する。
【0032】
図7Aの拡大図に示すように、第2弾性片141bは内スライドレール120に近づくか内スライドレール120を離れるよう移動してよく、第3フック142bは第2弾性片141b上に設けられる。第2弾性片141bは、第2溝148bと、第2溝148bの隣に位置する屈曲部149bとを含む。屈曲部149bは、第2溝148bの開口に位置する。屈曲部149bは、第2弾性片141b上で内スライドレール120に向かって(即ち-Y軸方向に)屈曲する。
【0033】
スライドレール組立体100bが筐体(第1の筐体200又は第3の筐体300)に設けられていないとき、屈曲部149bの構成は第2弾性片141bが内スライドレール120からY軸方向において特定の距離にあることを確実にしてよく、これにより第2フック132bは第1フック112との係合経路S上に位置する。本実施形態の屈曲部149bは内スライドレール120に接触しないが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
同様に、第1弾性片131bは内スライドレール120に近づくか内スライドレール120を離れるよう移動してよく、第2フック132bは第1弾性片131b上に設けられる。第1弾性片131bは2つのスロット134bを含み、第1弾性片131bの2つのスロット134bの間の部分は、第2フック132bを形成するよう屈曲する。換言すれば、第1弾性片131bと第2フック132bは一体的に形成される。第1弾性片131bは、臨界位置決めスロット128に対応する第1溝138bと、内スライドレール120に向かって(-Y方向)屈曲する屈曲部139bとを含む。屈曲部139bは、第1溝138bの開口に位置する。
【0035】
図7A図7Bに示すように、第1の筐体200が内スライドレール120上に組み付けられるとき、臨界位置決めスロット128と位置合わせされた第1の筐体200の第1の固定部220は、臨界位置決めスロット128及び第1溝138bと係合することで、第1弾性片131bは内スライドレール120に近づくよう移動する。
【0036】
詳細には、図7Bを参照し、第1の筐体200が内スライドレール120上に組み付けられるとき、第1の固定部220は臨界位置決めスロット128の開口から臨界位置決めスロット128に進入し、第1弾性片131bの屈曲部139bが第1の固定部220により引っぱられることで、屈曲部139bは内スライドレール120へ向かって変形し、内スライドレール120に当接する。このとき、第2フック132bは第1フック112との係合経路Sを離れる。図8に示すように、第2フック132bは第1フック112と接触することなくY軸方向において第1フック112の左側に位置し、第3フック142bは第1フック112との係合経路S上に位置する(図8)。
【0037】
このため、第1の筐体200と内スライドレール120は摺動方向(+X軸方向)に沿ってシャシ400(図1)の外へ摺動し,、第2フック132bは第1フック112を通過して摺動し、第1フック112は第3フック142bと係合される。
【0038】
第1の筐体200と内スライドレール120がシャシ400から取り外されるとき、第2弾性片141bは、第3フック142bが第1フック112との係合経路Sを離れるまで内スライドレール120に接近するか当接するよう変形することができる。このとき、内スライドレール120は外スライドレール110から分離されることができる。本実施形態のスライドレール組立体100bは、前述した実施形態と同一の機能を有する。
【0039】
加えて、第1弾性片131bと第2弾性片141bは屈曲部139b、149bを含まなくてよい。スライドレール組立体100bが第1の筐体200に組み付けられたとき、使用者は第1弾性片131bは内スライドレール120に近づくよう手動で第1弾性片131bを押してよい。第1の筐体200の第1の固定部220は、第1弾性片131bを内スライドレール120の近くに位置させるよう臨界位置決めスロット128及び第1溝138bに進入することで、第2フック132bは第1フック112との係合経路Sを離れる(図8)。
【0040】
図9は、図7Aのスライドレール組立体が第2の筐体に組み付けられた後の概略図であり、外スライドレール110は斜視図で表す。図10は、図9のスライドレール組立体と第2の筐体のD-D線に沿った断面図であり、断面はX-Y面に平行な水平断面である。図9図10を同時に参照し、第2の筐体300が内スライドレール120に固定されたとき、第2の固定部320は臨界位置決めスロット128及び第1係合部材130bの第1溝138bに係合されず、第2フック132bはまだ第1フック112との係合経路S上に位置する(図10)。
【0041】
第2の筐体300と内スライドレール120が摺動方向(+X軸方向)に沿ってシャシ400(図1)から外へ摺動したとき、第2フック132bは第1フック112と係合することができる。第2の筐体300と内スライドレール120がシャシ400(図1)から取り外されるとき、第1弾性片131bと第2弾性片141bは内スライドレール120に接近するよう変形することができることで、第2フック132bと第3フック142bは第1フック112との係合経路Sを離れる(図10)。このとき、内スライドレール120は外スライドレール110から分離されることができる。
【0042】
まとめると、本発明のスライドレール組立体は、内スライドレールの臨界位置決めスロット及び第1係合部材の第1の筐体の第1の固定部との構造的干渉を介して、第1係合部材の第2フックを第1フックから自動的にずらすことで、第1フックが第3フックと係合される。第1の筐体と内スライドレールは比較的長い摺動ストロークを有することができる。加えて、スライドレール組立体が比較的短い筐体(例えば第2の筐体)上に設けられたとき、第2フックが第1フックとずれないことで、第1フックが第2フックと係合する。このとき、第2の筐体と内スライドレールは比較的短い摺動ストロークを有することができる。このため、スライドレール組立体は様々なサイズの筐体に適し、スライドレール組立体の使用上の利便性を向上させ、コストを削減するため、内スライドレールは異なる筐体サイズに応じて異なる摺動長を有することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のスライドレール組立体は、異なるサイズの筐体に適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
L1、L4:長さ
L2、L3:距離
S:経路
X-Y-Z:直交座標
100a、100b:スライドレール組立体
110:外スライドレール
112:第1フック
120:内スライドレール
122:第1端
124:第2端
126:位置決めスロット
128:臨界位置決めスロット
130a、130b:第1係合部材
131a:第1本体
131b:第1弾性片
132a、132b:第2フック
134b:スロット
138b:第1溝
139b、149b:屈曲部
140a、140b:第2係合部材
141a:第2本体
141b:第2弾性片
142a、142b:第3フック
148b:第2溝
200:第1の筐体
210:第1の側面
220:第1の固定部
230:一端
300:第2の筐体
310:第2の側面
320:第2の固定部
400:シャシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10