(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】海洋発電プラントアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F03B 13/26 20060101AFI20240920BHJP
F03B 17/06 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F03B13/26
F03B17/06
(21)【出願番号】P 2023505791
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2021071066
(87)【国際公開番号】W WO2022023377
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-27
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523028493
【氏名又は名称】ヴェルメス-ガボス アンドラス
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルメス-ガボス アンドラス
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-523302(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0176595(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0106584(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/00-13/26;17/00-17/06
F03B 1/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮力船舶と、
動作中に少なくとも部分的に水没するように前記浮力船舶に取り付けられたプラントの動作ユニットと、
前記動作ユニットと前記浮力船舶との間に傾斜ヒンジによる接続を提供する少なくとも1つのリンク要素と
を備え、
それにより、前記リンク要素が傾斜軸を中心に前記浮力船舶と実質的に平行な位置に回転することによって、前記動作ユニットを水中の動作位置から水面上でかつ前記浮力船舶に隣接する位置まで移動させることができ
、
前記傾斜ヒンジは、共通軸上に整列し、前記共通軸を中心に互いに回転可能な2対の円筒軸受を含み、
各対の第1円筒軸受は、接続プレートに固定され、当該接続プレートは、前記リンク要素に固定され、
各対の第2円筒軸受は、間接的に前記浮力船舶に固定されることを特徴とする、海洋プラントアセンブリ。
【請求項2】
一方の対の前記円筒軸受の前記第2円筒軸受は、前記浮力船舶に固定される取付プレートに固定され、
他方の対の前記円筒軸受の前記第2円筒軸受は、前記浮力船舶に固定される支持構造に固定されることを特徴とする、
請求項1に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項3】
各対の前記円筒軸受は、それを貫通して延在する第1中心シャフトを有し、
前記第1中心シャフトは、前記円筒軸受から独立して、前記共通軸を中心に前記第1中心シャフトを回転させるために当該第1中心シャフトに固定された回転伝達装置を有することを特徴とする、
請求項2に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項4】
前記回転伝達装置は、第1傘歯車を備えることを特徴とする、
請求項3に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項5】
前記リンク要素は、前記動作ユニットまで延びて、前記第1傘歯車と使用中に係合する第2傘歯車を有する回転可能な第2シャフトをさらに含み、
前記動作ユニットによって生成された回転力は、前記第2シャフトから前記第1中心シャフトに、前記第1および第2傘歯車の係合を介して伝達され、その上で前記浮力船舶に伝達されて利用されることを特徴とする、
請求項4に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項6】
前記回転伝達装置は、スプロケットを備えることを特徴とする、
請求項5に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項7】
前記動作ユニットによって生成された回転力は、前記リンク要素の内部に配置されたチェーンを介して前記スプロケットに伝達され、その上で前記浮力船舶に伝達されて利用されることを特徴とする、
請求項6に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項8】
前記リンク要素は、前記リンク要素および前記浮力船舶に取り付けられた支柱によって、所定の位置に固定され、保持されることを特徴とする、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項9】
前記支柱は、ヒンジを介して前記リンク要素に取り付けられ、前記支柱が前記リンク要素に対して位置決め可能であり、前記リンク要素が前記ヒンジを中心に回転できるように、前記浮力船舶から着脱可能であることを特徴とする、
請求項8に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項10】
前記支柱は、前記リンク要素から着脱可能である、
請求項9に記載の海洋プラントアセンブリ。
【請求項11】
前記リンク要素の移動は、前記浮力船舶に搭載されたウインチに取り付けられたロープを用いて制御可能であることを特徴とする、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の海洋プラントアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋発電プラントアセンブリに関する。より具体的には、本発明は、例えば整備および/または輸送のために、プラントを水から持ち上げる手段を有するアセンブリなどに関する。
【背景技術】
【0002】
水中作業を提供するために、浮遊船舶に搭載された海洋発電プラントを用いることは、周知である。一般に、発電プラントは、作業中は水面下に位置している。発電プラントを整備、輸送、および着岸のために水面から引き上げなければならない。
【0003】
水中作業には、例えば、水中での測量、計測、掘削、浚渫などが含まれるが、これらに限定されない。
【0004】
さらに、浮遊船舶に水中タービンを取り付けることで、潮力発電によるエネルギーを発生させてもよい。
【0005】
再生可能なエネルギー源からのエネルギー生成に対する関心と需要が高まっている。大きな水域の潮汐運動は、規則的で予測可能な流れを生成する再生可能なエネルギー源の一つである。経済的および実用的な観点から、水中タービンは、費用効率の高い方法で移動する水からエネルギーを取り出す有望な方法である。
【0006】
水中プラントを建設する1つの方法は、可動リンクを介して浮遊船舶にタービンを取り付け、タービンを指定された深さと位置に水中に保ってその流れを利用し、そして、整備、輸送、着岸の際にはタービンを水面から引き上げるようにするものである。
【0007】
従来技術には、潮力発電を通じてエネルギーを生成するために使用される複数の浮遊アセンブリが含まれる。
【0008】
国際出願公開第2015/090414号は、そのような複雑な浮遊装置の1つを開示している。
【0009】
欧州特許出願公開第1467091号は、浮遊船舶への接続部およびタービンと船舶との中間にヒンジで固定されたリンクを介して浮遊船舶に取り付けられたタービンの構成を説明している。すべてのヒンジは、主たる浮遊船舶の長手方向軸に平行な水平軸を有する。
【0010】
船舶側のヒンジを中心に回転することで、タービンを上下させることができ、中間リンクのヒンジを中心に相対的に回転させることで、タービンを船舶本体に近づけるか、または水面の直上まで移動させることができる。
【0011】
このシステムにより、船舶の喫水を減らすことができる。ただし、ビームは、タービンブレードの長さによって制御されたままである。タービンを水面から浮かせた状態でのプラントの全体的な安定性は、船舶本体に取り付けられた浮力部材を使用することによって確保される。ヒンジの設計、構造、および動作は複雑である。
【0012】
国際出願公開第2018/115806号は、同様の装置を記載している。船舶本体に取り付けられた浮力部材を使用するのではなく、1つの中央の船体を使用して、浮遊船舶を構成し、タービンを水面に浮かせた状態で半水没状態に維持する。船体の垂直軸に近い任意選択可能な第2ヒンジシステムが開示されており、これにより、リンク要素を、半水没状態の浮遊船舶に近い位置、且つ、平行な位置まで回転させることができる。この垂直ヒンジは、ミッドリンクの水平軸ヒンジに取って代わるものであろう。装置の全体的な安定性は、ナセルを上昇させた状態でも部分的に水没させた状態を維持することで得られる。
【0013】
この解決策により、アセンブリの喫水は浮遊船舶の喫水とほぼ同じになり、ビーム幅はタービンブレードの長さではなく、ナセルのサイズとリンク要素の幅とによって制御される。全体のビームは、欧州特許出願公開第1467091号に記載のアセンブリよりも小さくなる。
【0014】
国際出願公開第2018/115806号に記載の装置は、いくつかのヒンジ、油圧、ロープ、浸水可能な浮力室、電子センサー、および制御ユニットを備える。解決策の構造的、機械的、電子的な複雑さを大幅に増加させ、さらにビームの限られた削減しか提供せず、ナセルは半水没状態になり、タービンブレードおよびナセルは構成の最も広い部分を占めるので、潜在的な衝撃ダメージにさらされることとなる。
【0015】
欧州特許出願公開第1467091号と国際出願公開第2018/115806号はいずれも、シャフト、ギアボックス/トランスミッション、および発電機を含む完全な発電システムをナセルに配置することを示唆している。これにより、ナセルのサイズと重量が増加し、その結果、ナセル、リンク要素、およびヒンジに作用するより大きな流れの力が、より堅牢で強力な移動メカニズムが必要となり、ナセルが水から持ち上げられたときの全体的な安定性に懸念が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】国際出願公開第2015/090414号
【文献】欧州特許出願公開第1467091号
【文献】国際出願公開第2018/115806号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
設置およびメンテナンスに特別な船舶を必要としないことと、着岸または曳航の際に浮遊装置の喫水およびビームを小さくすることと、ナセルをできる限り水面から浮かせて、現地で容易に整備および輸送できるようにすることが、上記解決策を発展させる際の目的である。
【0018】
出願人は、上記課題を解決するために、より簡単で安全な装置およびシステムの必要性が残っていると確信する。
【0019】
本発明は、動作ユニットを保持するリンク要素を中心に回転する傾斜ヒンジを採用することによって、動作ユニット(水中プラント)を水中の所定の位置(その動作位置)からホスト船舶の本体の隣の水上の別の所定の位置(整備位置)まで移動できるようにするシステムを提供することを目的とする。これにより、動作ユニットはある位置から他の位置まで傾斜した平面において移動することになる。ヒンジ軸の正確な位置と傾斜、およびリンク要素の長さは、動作ユニットを所望の位置に配置するように設計される。
【0020】
本発明はまた、ヒンジのレイアウトおよび構造が、同一軸上に整列した2つの部分からなり、一方は主たる船舶の内側に直接取り付けられ、他方はヒンジの支持構造を介して外側に取り付けられた改良されたアセンブリを提供することを目的とする。
【0021】
本発明はまた、リンク要素および動作プラントを動作位置で安定化させるために支柱を利用する改良されたアセンブリを提供することを目的とする。
【0022】
本発明はまた、共通の長手方向軸を有する2つの部分(上部および下部)に形成されたリンク要素を有し、長手方向軸を中心に下部の回転を可能にする改良されたアセンブリを提供することを目的とする。
【0023】
本発明はまた、リンク要素および動作ユニットの経路を回避するように設置され、曳航または着岸が行われる間、ナセルへの保護として機能する可動/拡張可能なアクセスデッキを含む改良されたアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の第1の態様によれば、浮力船舶と、動作中に少なくとも部分的に水没するように前記浮力船舶に取り付けられたプラントの動作ユニットと、前記動作ユニットと前記浮力船舶との間に傾斜ヒンジによる接続を提供する少なくとも1つのリンク要素とを備え、それにより、前記リンク要素が傾斜軸を中心に前記浮力船舶と実質的に平行な位置に回転することによって、前記動作ユニットを水中の動作位置から水面上でかつ前記浮力船舶に隣接する位置まで移動させることができ、前記傾斜ヒンジは、共通軸上に整列し、前記共通軸を中心に互いに回転可能な2対の円筒軸受を含み、各対の第1円筒軸受は、接続プレートに固定され、当該接続プレートは、前記リンク要素に固定され、各対の第2円筒軸受は、間接的に前記浮力船舶に固定される。
【0025】
好ましくは、前記ヒンジは、共通軸上に整列し、前記共通軸を中心に互いに回転可能な2対の円筒軸受を含み、各対の第1円筒軸受は、接続プレートに固定され、当該接続プレートは、前記リンク部材に固定され、各対の第2円筒軸受は、間接的に前記浮力船舶に固定される。
【0026】
好ましくは、一方の対の前記円筒軸受の前記第2円筒軸受は、前記浮力船舶に固定される取付プレートに固定され、他方の対の前記円筒軸受の前記第2円筒軸受は、前記浮力船舶に固定される支持構造に固定される。
【0027】
好ましくは、各対の前記円筒軸受は、それを貫通して延在する第1中心シャフトを有し、前記第1中心シャフトは、前記円筒軸受から独立して、前記共通軸を中心に前記第1中心シャフトを回転させるために当該第1中心シャフトに固定された回転伝達装置を有する。
【0028】
好ましくは、前記回転伝達装置は、第1傘歯車を備える。好ましくは、前記リンク要素は、前記動作ユニットまで延びて、前記第1傘歯車と使用中に係合する第2傘歯車を有する回転可能な第2シャフトをさらに含み、前記動作ユニットによって生成された回転力は、前記第2シャフトから前記第1中心シャフトに、前記第1および第2傘歯車の係合を介して伝達され、その上で前記浮力船舶に伝達されて利用される。
【0029】
あるいは、前記回転伝達装置は、スプロケットを備える。好ましくは、前記動作ユニットによって生成された回転力は、前記リンク要素の内部に配置されたチェーンを介して前記スプロケットに伝達され、その上で前記浮力船舶に伝達されて利用される。
【0030】
好ましくは、前記リンク要素は、前記リンク要素および前記浮力船舶に取り付けられた支柱によって、所定の位置に固定され、保持される。好ましくは、前記支柱は、ヒンジを介して前記リンク要素に取り付けられ、前記支柱を前記リンク要素に対して位置決め可能であり、前記リンク要素が前記ヒンジを中心に回転できるように、前記浮力船舶から着脱可能である。好ましくは、前記支柱は、前記リンク要素から着脱可能である。
【0031】
好ましくは、前記リンク要素の移動は、前記浮力船舶に搭載されたウインチに取り付けられたロープを用いて制御可能である。
【0032】
前記リンク要素は、第1および第2の結合された部位を備える第1のヒンジ付きアームを含んでもよく、これらの部位は、同一軸に沿って整列され、第1部位の先端は、浮遊プラットフォームの内側部分に接続され、第2の部位の先端は、浮遊プラットフォームの第2のヒンジ付き外側部分に接続される。
【0033】
好ましくは、前記動作ユニットは、前記第2のヒンジ付きアームの先端に固定される。好ましくは、アセンブリは、その動作位置にあるときの前記プラント動作ユニットを支持および安定化するためにこれらのヒンジ付きアームに接続された1つ以上の支柱をさらに備える。
【0034】
好ましくは、前記第1のヒンジ付きアームの第1および第2の部位は、共通の長手方向軸に沿って延びており、前記リンク要素は、第2の部位に対して第1の部位を回転可能にする手段を含み、それにより、前記第2のヒンジ付きアームを回転させて、前記動作ユニットをその第2の位置に移動させる。
【0035】
好ましくは、前記浮力船舶は、前記動作ユニットのリンク要素の動きを妨げない場所に可動または拡張可能なプラットフォームを含む。
【0036】
好ましくは、前記動作ユニットは、タービンである。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、海洋プラントを水中および水上に移動させる装置およびシステムを提供する。海洋プラントは、リンク部材の一端が、当該リンク部材の長手方向軸を中心に回転可能に取り付けられ、リンク部材の他端は、複数のヒンジと軸受要素とによって、傾斜軸の周りを回転可能に配置され、その結果、前記リンク部材が、ホスト船から下方に離れて延びる斜めの位置-動作位置-から前記ホスト船の本体と平行またはほぼ平行な水上の位置-整備位置‐まで傾斜面内で移動できる。それにより、前記リンク要素は、当該リンク要素に回動可能に取り付けられ、他端が解放可能な接続部でホスト船の本体に取り付けられた支柱によって動作位置に固定され、したがって、動作ユニット、リンク要素、および支柱に作用する力に抵抗することができる当該リンク部材を備えた三角形のフレームを形成する。
【0038】
好ましくは、ヒンジは、それらの両端にフランジを有する互いに嵌合する一対のシリンダーによって形成され、一方のフランジは、ホスト船舶の本体に構造的に直接接続された載置プレートに取り付けられ、またはホスト船舶に取り付けられた支持構造に取り付けられ、一方で、整合するシリンダーのフランジは、リンク要素の一部を形成する接続プレートに取り付けられ、上記のように構築された2組が、同一軸上に適切な距離で並んでおり、リンク要素が当該軸を中心に回転することができる。
【0039】
好ましくは、前記ヒンジおよび軸受は、円筒状に形成されることで、シャフトをその開口を通して取り付けることができるように配置されており、離間して形成されることで、前記ヒンジと軸受の間に十分なスペースを設けており、前記シャフトおよび前記リンク要素が同一軸を中心に独立して回転できるようになっている。そのため、傘歯車ホイールがリンク要素の長手軸に取り付けられたギアホイールに噛み合うように、シャフトと傘歯車ホイールとを当該ヒンジおよび軸受の開口部を通して取り付けることができる。
【0040】
好ましくは、支柱端部をホスト船舶本体へ脱着可能に接続するために、支柱端部にスロット穴を有する接続プレートが固定して取り付けられ、この接続プレートは当該スロット穴が当該ホスト船舶に取り付けられたピンと係合し、前記接続プレートがホスト船舶に取り付けられたブラケットに通されたロッキングロッドによって所定の位置に固定されながら、前記支柱の軸に沿って長手方向に作用する力が伝達可能となっている。
【0041】
好ましくは、支柱端部をホスト船舶に脱着可能に接続するために、少なくとも1つの接続プレートがホスト船舶の本体に固定して取り付けられ、当該接続プレートにはシャーピンが取り付けられ、支柱端部の接続プレートのスロット穴が、ホスト船舶の本体に取り付けられた接続プレートに取り付けられたシャーピンに係合するように配置されている。前記アセンブリは、支柱の端部に取り付けられた接続プレートの上部に係合するように配置されたロッキングデバイスによって固定され、接続プレートがシャーピンから分離しないように形成されている。これにより、支柱端部からホスト船舶の本体に沿って長手方向に作用する力を伝達可能となっている。
【0042】
好ましくは、当該リンク要素は、ホスト船舶の本体、またはそれに接続された支持構造に搭載されたウインチに取り付けられたロープによって、移動および制御される。
【0043】
好ましくは、当該支柱は、前記リンク要素に取り付けられたウインチによって制御されたロープによって、ならびにホスト船舶の甲板に取り付けられたウインチにガイドローラを介して導かれたロープによって移動される。
【0044】
好ましくは、当該リンク要素および支柱は、リンク要素がある位置から別の位置に移動される間、支柱をリンク要素に対して固定位置に保持するために、ピンまたはボルトによってそれぞれに取り付けられた接続プレートによって固定される。
【0045】
好ましくは、当該リンク要素は、リンク要素に取り付けられた接続プレートと、ホスト船舶の本体に取り付けられたリンク支持構造とによって、整備位置に保持されており、ピン、ボルト、または他の適切な装置によって、リンク要素と取り付けられた支柱および動作プラントとを整備位置に確実に保持している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
少なくとも一実施形態は、添付の図面を参照してあくまでも例として説明する。
【0047】
【
図1a】本発明の第1の実施形態に従って構築された海洋プラントアセンブリの軸方向を示す図である。
【
図1b】点、線、および軸を詳細に示す、本発明の背景概念の概略図である。
【
図3a】アセンブリの利用可能性を示す断面図である。
【
図4a】動作位置にあるアセンブリの実施形態のメインヒンジおよびギア駆動系を示す。
【
図4b】整備位置にある
図4aのアセンブリの実施形態を示す。
【
図4c】動作位置にあるアセンブリの実施形態のメインヒンジおよび油圧駆動系を示す。
【
図5a】アセンブリの実施形態の脚部-支柱ベース接続ヒンジを示す。
【
図6a】整備位置にある脚部-支柱接続の側面図を示す。
【
図6b】アセンブリの代替実施形態の脚部-支柱ベース接続の側面図を示す。
【
図6d】
図6aの実施形態のロッキングの詳細を示す。
【
図6e】アセンブリの代替実施形態のロッキングの詳細を示す。
【
図7a】中間位置にあるアセンブリの実施形態の船舶本体-支柱接続の側面図を示す。
【
図7b】動作位置にある
図7aの実施形態の側面図を示す。
【
図7c】動作位置にある
図7aの実施形態の上端面図を示す。
【
図7d】動作位置にある
図7aの実施形態の船舶本体-支柱接続のプレートを示す。
【
図7e】動作位置にある
図7aの実施形態の船舶本体-支柱接続のガイドを示す。
【
図7f】動作位置にある
図7aの実施形態の船舶本体-支柱接続のロッキング機構を示す。
【
図8a】代替実施形態の船舶本体-支柱接続の側面図を示す。
【
図8b】
図8aの船舶本体-支柱接続の詳細図を示す。
【
図8c】
図8aの船舶本体-支柱接続のロッキング装置を示す。
【
図9a】実施形態のギア駆動系を有する脚部およびナセルの側面図を示す。
【
図9b】
図9aの脚部およびナセルの正面図を示す。
【
図9c】実施形態の油圧駆動系を備えた脚部およびナセルの側面図を示す。
【
図10a】本発明で利用される水平軸タービンの動作位置における軸線図を示す。
【
図11a】アセンブリと共に利用される水平軸タービンの一般的な構成を示す端面図を示す。
【
図12a】アセンブリが整備位置にある第1の部位において、本発明と共に利用される水平軸タービンを示す。
【
図13a】整備位置にある本発明で利用される垂直軸タービンの端面図を示す。
【
図13c】
図13aの垂直軸タービンの脚部およびタービンの概略的な詳細を示す。
【
図14a】本発明のアセンブリの一実施形態で利用されるナセルに油圧ポンプを備えた水平軸タービンの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の説明では、リンク要素を「脚部」と呼び、ホスト船舶を「船舶本体」、「浮遊船舶」または「船体」と呼ぶ。
【0049】
図中の参照番号を参照する個々の構成要素の説明は、本明細書の最後に提示する。
【0050】
説明の都合上、様々な具体的な軸を示すために、以下のような参照符号を設ける。
U 浮遊船舶の特定の長手方向軸
V 軸「U」、「W」および「Z」と交差し、「脚部」の平面上に形成される垂直軸。
W 軸「U」に垂直な平面上に形成されるメインヒンジの傾斜軸。
Z 軸「W」の反対側のメインヒンジの傾斜軸。
ZC 通常の平面から外れたメインヒンジの傾斜軸(「W」の反対側)。
XA 動作位置にあるときの脚部の軸。
XB 整備位置にあるときの脚部の軸
YA XAに対向する動作位置にあるときの脚部の軸。
YB XBに対向する整備位置にあるときの脚部の軸。
YAC ヒンジ軸WCが通常の平面から外れた動作位置にあるときの脚部の軸。
YBC ヒンジ軸WCが通常の平面から外れた整備位置にあるときの脚部の軸。
P/Q 動作位置にある支柱の軸。
R/S 動作位置にある支柱の軸。
HA 中心点「O」を通過する水平線。
HAC 中心点「O」を通過する通常の平面から外れた水平線。
【0051】
さらに、注目すべき点および角度の参照符号を以下に示す。
点の説明
O 主な軸「V」「U」「W」、および「Z」の交点であり、形状の中心。
A 主な垂直軸「V」と2つの脚部の軸「XA」および「YA」との交点。
B 脚部の枢動点であり、軸「Z」と「XA」および「XB」の交点。
C 反対側の脚部の枢動点であり、軸「W」と「YA」および「YB」との交点。
CC 軸「V」を中心に角度BETだけ回転させた点「C」の代替位置
D 船舶本体と軸「V」との交点、上部。
E 船舶本体の角。
F 船舶本体と軸「Z」との交点。
G 船舶本体の角。
H 船舶本体と軸「V」との交点、下部。
I 船舶本体の角。
J 船舶本体と軸「W」との交差点。
K 船舶本体の角。
M 支柱軸-船舶本体の交点。
N 支柱軸-船舶本体の交点。
T MとNとの中間点。
【0052】
角の説明
AL ヒンジ軸W、Z、およびWCの水平に対する角度。
BET HAとHACとの間の角度は、軸V、W、およびYAによって画定される垂直平面に対するヒンジ軸WCの角度。
GAM リンク/脚部と支柱との間の仰角の角度であり、線LBと線LTとの間の角度。
【0053】
図1aは、実施例の軸線図であり、主な構成要素が浮遊船舶100、支柱400によって船舶100に対して支えられた2つの部位であるリンク要素301/302、メインピン200、およびリンク要素302に取り付けられた動作ユニット/プラント500を示し、また整備位置にある。
【0054】
この図は、ヒンジ200を介して取り付けられた脚部301の上端が配置される水域1の表面2上の浮遊船舶100を示している。動作ユニット500は、脚部302の下端に動作位置XA/YAおよび整備位置XB/YBに取り付けられている。ヒンジ320を介して脚部301に取り付けられた支柱400は、取り外し可能な接続プレート431を介して動作位置において本体100に接続し、整備位置において脚部301に対して折り畳まれる。ヒンジ200の外部/上端は、ヒンジ支持構造120によって支持されている。脚部支持構造140は、脚部301を整備位置XB/YBに保持して固定する。
【0055】
図1bは、注目すべき点と軸とのアイソメトリック図を示している。主な点と軸は、WとZの回転軸、XAとYAのリンク軸が動作位置にあり、XBとYBとが整備位置にある。
【0056】
図1bから、船舶100の主な長手方向軸Uと垂直軸Vとが点Oで交差していることがわかる。動作位置の脚部301/302の軸XAとYAは、点Aで垂直軸Vと交差し、脚軸XAとYAは、ヒンジの中心点BとCを中心に回転して整備位置XBとYBに入る。
【0057】
軸WおよびZを主縦軸Uに通常の(垂直な)平面に整列させると、軸XB/YBが水平位置に達したときに軸Uと平行になる。軸WとZは、軸Vを中心にわずかに回転することができ、それによって、YAは位置YAC、WはWCに移動し、点Cは位置CCに移動し、その結果、軸YBはUに対して斜めにYBCに移動し、点CCから離れるほどYBCとUとの間の距離が大きくなる。
【0058】
図2aは、主要な要素を示す、動作位置における実施形態の典型的な断面図である。これは、動作位置にある脚部301/302の上部および下部を示す構成の典型的な断面案である。ピン支持構造脚部121は、上部122を保持し、この上部122は、順に外部部品/メインヒンジハウジング123を保持する。アクセスプラットフォーム190は、上側脚部301の下に配置される。下側脚部302は、動作ユニット500に接続する。支柱400は、ヒンジピン320を介して脚部301に接続し、接続プレート161によって保持される接続プレート431および接続ピン162を介して本体100に接続する。支柱400は、支柱が動作位置-P/QおよびR/S-と整備位置との間を移動する間、支柱上部接続プレート330を介して脚部301に固定される。積載プラント700は、本体100の内部に配置される。メインヒンジ軸WとZとの交点は、点Oである。
【0059】
図2bは、動作位置にある実施形態の側面図であり、リンク301/302および支柱400をある位置から別の位置に移動させるための主要要素、ロープ、およびウインチを示す。
【0060】
脚部301/302は、接続プレート321、421およびピン320を介して脚部301に接続する支柱400によって動作位置に保持される。支柱400の上端は、ロッキングロッド166によって所定の位置にロックされている接続プレート431を介して船舶本体100に接続する。脚部301の上端は、ピン支持構造123の外側部分によって支持されたメインピン200によって保持される。動作プラント500は、脚部302の下端部に取り付けられている。脚部301は、脚部支持構造体140および船舶甲板101に取り付けられたロープ接続板352およびウインチ355、356を介して脚部301に接続する脚部移動ロープ353、354のカウンター動作により移動される。支柱は、接続プレート433を介して支柱400を接続する脚部側制御ロープ472と、船舶本体側支柱制御ウインチ475によって移動する船舶本体側制御ロープ474とによって、脚部301との間で移動される。脚部支持構造140は、接続プレート145および351を介して脚部301/302を整備位置に固定できるように本体100に配置される。プラットフォーム190は、ロッキングロッド166および船舶本体側ロープ474が船舶本体100の側壁面に沿って敷設されることを可能にする不連続性を有する。アクセス梯子195は、浮遊船舶の上部デッキ101をアクセスプラットフォーム190に接続する。
【0061】
図2cは、動作位置における配置角度の上面図(平面図)を示す。
【0062】
図3aは、ナセル501に設置されたタービン歯車610から積載プラント700の主軸歯車710までの機械式ギアシャフト駆動系の利用可能性を示す構成の端面図である。
【0063】
トルクは、タービンブレード550から、タービン横軸歯車610、傾斜軸歯車620、駆動シャフトの下端630、駆動シャフト接合部640、駆動シャフト650の上端、傾斜軸上端歯車660、内軸上端歯車670、内軸駆動シャフト680、および内軸下端歯車690のチェーンを介して本工場歯車710に伝達される。
【0064】
図4aは、メインヒンジの構成要素、取り付け方法、およびギアシャフト駆動系との利用可能性を概略的に示す、メインヒンジ構成の一実施形態を示す。メインヒンジは、船舶本体側に235/236、外側に245/246のフランジを有する円筒軸受によって実現されている。
【0065】
ヒンジの本質は、フランジ付きの円筒軸受235、236、245および246である。軸受235と236は互いに嵌合し、嵌合面237により、軸Zに沿ったスムーズな回転が可能となる。軸受245と246も同様である。フランジは反対側の端部にあり、246と236のフランジは脚部接続プレート310の外面に接続し、245と235のフランジはそれぞれピン支持構造123と船舶本体側取付プレート234とに接続する。取付プレート234は、接続プレート232および233を介して船舶本体100に取り付けられる。接続プレート232およびピン支持構造123に取り付けられたガイドアングル239および249は、脚部301が軸Zの周りを回転する際に補強板311と係合して支持する円形に延びる。この構成により、脚部301から船舶100の構造への力の伝達が可能となる。
【0066】
ギアシャフト駆動系を利用する場合は、脚部301のシャフト650に傘歯車660が取り付けられる。シャフト650は、取付プレート312に取り付けられた取付部654上のスラスト軸受653によって保持される。軸受235と245の内面238と248は、歯車660と噛み合う傘歯車670によって駆動される傾斜シャフト680の連続回転を提供するのに適したものでなければならない。傾斜シャフトは、プレート214および224に取り付けられた軸受215および225によって支持され、プレート212および213を介して主積載プラントに接続され、プレート222および223を介して船舶本体構造100の内側面に接続される。シャフト680の内側端のギア690は、メインプラントのギアホイール710を駆動する。
【0067】
シャフト680に対する長手方向の力は、シャフト680に取り付けられたスラスト軸受681および682を介して軸受225および215に伝達される。
【0068】
図4bは、リンク301が整備位置にある
図4aのメインヒンジの構成の実施形態を示し、ナセル(501)と積載プラント(700)との間のギアシャフト駆動系を利用する可能性を示している。
【0069】
ピン支持構造(120)の構成部品は、
図4aで説明した部分に加えて、脚部121、頂部122および外部部品123が示される。
【0070】
図4cは、メインヒンジの構成の一実施形態を示し、脚部301は動作位置にあり、ナセル(501)と積載プラント(700)との間の油圧駆動系の利用可能性を示す。
【0071】
内部軸受235を通る開口部は、ナセル(501)と積載発電プラント(700)との間の電力伝達に役立つ油圧パイプ830を搬送するために利用される。
【0072】
図5aは、ヒンジピン320を介した脚部-支柱接続の実施形態を示す。断面の左側は、動作位置にある支柱400を示し、右側は、整備位置にある支柱を示す。
【0073】
脚部接続プレート321は脚部301に取り付けられ、支柱側接続プレート421は支柱400に取り付けられる。補強プレート422は支柱を強化し、端部プレート402は水の浸入に対して支柱を閉鎖する。支柱は、整備位置と動作位置との間で脚-支柱ピン320を中心に旋回する。
【0074】
図6aは、整備位置にある上部脚-支柱接続の側面図を示す実施形態であり、支柱400は折り畳まれて脚部301に対して固定され、支柱側脚接続プレート431は脚部側プレート331に接続されている。脚部側接続プレート331に取り付けられた接続ピン332は、穴434を介して支柱側接続プレート433に係合し、プレート331および433を互いに保持する。
【0075】
シャックル471で支柱接続プレート433に接続された脚部側制御ロープ472は、フレーム335に取り付けられたロープローラ336に案内されて、フレーム337に保持されたロープウインチ338に至る。脚部301に取り付けられたガイド345により、確実に支柱400が正しい位置にあり、接続プレート331および433が面と面で接触するようになる。
【0076】
スロット332を有する2つの船舶本体接続プレート431は、支柱400の上部に取り付けられる。端部プレート403は、水の侵入に対して支柱を閉鎖する。
【0077】
シャックル473および穴435を介して接続する船舶本体側制御ロープ474は、船舶本体(100)の側でウインチ(475)まで延びる。
【0078】
図6bは、支柱-船舶本体接続の代替実施形態である、船舶本体(100)に接続するために支柱400に取り付けられた接続プレート451を備えた、整備位置における上部脚部-支柱接続の側面図を示す。
【0079】
代替案では、2つの接続プレート431は、ガイドニブ452および穴453を有する代替の接続プレート451に置き換えられる。
【0080】
図6cは、支柱-船舶本体接続のプレート431および451が整備位置の端部立面にある2つの実施形態を示す。本図は、船舶本体の左側の接続を代替する、整備位置における上側脚部-支柱接続の断面を示す。
【0081】
支柱400は、ピン332がプレート331および433のそれぞれの穴339および434を通ることによって固定されている。ピン332は、ピン332に取り付けられたプレート333を接続プレート331に接続するばね334によって定位置に保持される。ガイドニブ452とシャーピン穴453とを有する船舶本体接続プレート451が示されている。なお、上部脚部-支柱接続は、図示されていないが、好ましい接続レイアウトと同様である。
【0082】
ガイド345により、確実に支柱側接続プレート433が制御ロープ(472)によって引き上げられながら脚側プレート331に向かって移動できる。
【0083】
右側は、2つの支柱-船舶本体接続プレート431が支柱400に取り付けられているバージョン、および脚部に取り付けられた上部ロープウインチ338とそのフレーム337を脚部-支柱接続プレート433に取り付けられた制御ロープ472とシャックル471に取り付けられているバージョンを示す。
【0084】
図6dは、ばね334とピン332とを備えた脚部-支柱接続ロック機構を拡大して示す。ピン332は、プッシュプレート333を介してばね335に取り付けられながら、穴339とソケット340の中をスライドすることが可能である。ばね334は、プレート331および333に接続され、ピン332をプレート331および433に係合させて、両者の間の相対移動ができないようにする。ただし、ピン332が引き出されてプレート433から外れ、したがって、支柱(400)を脚部301から離すことができる。
【0085】
図6eは、ボルト341を有する脚部支柱接続ロック機構を拡大した詳細を示す。ピン332、プッシュプレート333、ソケット340、およびばね334は、ボルト341によって置き換えられている。
【0086】
図7aは、主接続プレート431およびピン162との動作位置に近い支柱400との支柱-主船舶本体接続の実施形態の側面図を示す。支柱400の上端は、エンドプレート403、それぞれにスロット432を有する2つの主接続プレート431、接続穴434と435とを有するロープおよび脚部接続プレート433、ならびに制御ロープ472および474が取り付けられている。主接続板431は、脚部-支柱ヒンジ(320)を中心に揺動しながら支柱400が移動する平面と平行である。
主接続ピン162を保持するプレート161および傾斜ガイドプレート163で構成される接続部の船舶本体側は、本体100に取り付けられる。ロッキングロッド166は、整備位置に示されたブラケット165に通されている。ブラケット165は、ロッキングロッド166を上下に通してプレート431をロックまたはロック解除することができるねじ穴を備えたプレートを有する。制御ロープ474は、本体100に取り付けられたフレーム171によって保持された制御ロープローラ172を通して導かれる。ガイドプレート163およびガイドフレーム181は、主接続プレート431を接続ピン162と正しい位置で係合させる。
【0087】
図7bは、主接続プレート431がピン162に係合し、ロックロッド166がプレート431を定位置にロックした状態で、支柱400が動作位置にある支柱-船舶本体接続の実施形態の側面図を示す。ロッキングロッド166は、主接続プレート431の上部に達するまでブラケット165を通してねじ込まれることによって、支柱400を所定の位置にロックする。支柱400からの長手方向の力は、主接続プレート431のピンスロット432、接続ピン162および船舶側プレート161を通して本体100に伝達される。大きさの小さい横方向の力は、主接続プレート431からロッキングロッド166を介してブラケット165に、そこから船舶本体100に伝達される。制御ロープ472および474は、シャックル471および473を介して脚部およびロープ接続プレート433に接続されている。
【0088】
図7cは、支柱400が動作位置にある支柱-船舶本体接続の実施形態の上面図を示し、主構成プレート431、ピン162、およびロッキングロッド166を有する。一方のロッキングロッド166は、主接続プレート431から距離を置いた整備位置に示され、他方は主接続プレート431と係合する動作位置にある。
【0089】
図7dは、支柱(400)の動作位置における主接続プレート431、船舶側連結プレート161、連結ピン162、およびガイドプレート163を通る一実施形態の断面図を示す。
【0090】
図7eは、主接続プレート431およびガイドフレーム181を示す、動作位置における支柱400の上端を通る断面図である。
【0091】
図7fは、支柱制御ロープ474およびアクセスプラットフォーム190を有する本体100の側部におけるロッキングロッド166のレイアウトを示す。ロッキングロッド166は、ブラケット165および167によって案内され、上方から支柱接続をロック/アンロックできるように、トップデッキ101にハンドル168を有する。主接続プレート431および船舶側接続プレート161も、制御ロープローラ172、制御ロープ474、および制御ロープウインチ475と同様に示されている。
【0092】
図8aは、代替接続プレート451、シャーピン153、およびロック装置455を有する支柱-船舶本体接続部の側面図である。支柱の上端は、脚部-支柱ヒンジ(320)と平行に、脚部およびロープ接続プレート433およびエンドプレート403と垂直に整列された代替の主接続プレート451を有する。船舶本体100に取り付けられ、プレート152によって剛性化された代替の船舶側接続プレート151は、主接続プレート451のピンホール453と係合するシャーピン153を保持している。動作位置では、プレート451はプレート151上に静止し、シャーピン153は穴453を通り、プレート451および151を一緒にロック装置455と係合する。支柱400の本体100に向かう動きは、代替接続ガイドチャネル182内を摺動する主接続プレートガイドニブ452によって案内される。
【0093】
プレート151の制御ロープ穴154は、制御ロープ474を挿入可能である。ローラフレーム171によって保持されるローラ172は、制御ロープ474をウインチ475に向かって導く。
【0094】
図8bは、主接続プレート1、451およびシャーピン153を主な構成要素とする、平面図および断面を示す代替の支柱-船舶接続を示す。この図は、補強プレート152、シャーピン孔153、および制御ロープ孔154を有する船舶側接続プレート151が本体100に取り付けられ、ガイドチャネル182が接続プレート151に取り付けられている。平面詳細図は、ガイドチャネル182およびシャーピン153にそれぞれ係合するガイドニブ452およびピン孔453を有する主接続プレート451を示す。断面は、動作位置にある主接続プレート451および船舶側接続プレート151、ピン穴453およびロック装置455に係合したシャーピン153を示す。シャーピン153は、プレート451に係合する大径のシア本体と、ロック装置455に係合する小径のねじ付き上部を有する。
【0095】
図8cは、シャーピン153に係合するピンホール453を有する主接続プレート451を含む、ロック装置455の詳細を示す。ロック装置の部品は、ハンドル455を主プレート457に取り付けるフレーム456であり、クランプシリンダ458およびロックナット459も取り付けられている。主接続プレート451および船舶側接続プレート151は、ロック装置455を回転させてロックナット459をシャーピン153のねじ部に係合させて締め付けることにより、シャーピン153を有効にしてロックする。
【0096】
図9aは、軸受ケーシング303/304、軸受307/308、および軸封軸受305を主要構成要素とする上部301および下部脚302の接続の実施形態、ならびに、使用可能性のある、機械駆動系を想定した水平軸潮流タービン(hatt)を示す縦断図である。断面図は、ナセル(501)と機械駆動系とを通る部位が、タービン軸553に沿って表示される。上側脚部301の内側に取り付けられた上部/下部軸受ハウジング303/304と、下側脚部302の外側に取り付けられた上部/下部軸受307/308を介して、上部/下部脚部301/302が接続されることで、軸受307/308とハウジング303/304との係合および軸x/y周りの回転を可能とする。軸受307および308は、下側脚部302の回転をもたらすとともに、下側脚部302が上側脚部301に対して軸x/yに沿って上下にスライドするのを防ぐスラスト軸受として機能する、二重の役割を果たす軸受である。脚部301の下端に取り付けられたシャフトシール305は、水密的に接続させるものである。HATTを利用する際には、ナセル接続フランジ306と脚部接続フランジ502とをボルトで固定し、ナセル本体504を「ネック」503を介してフランジ502に接続することが考えられる。可能な配置では、タービンブレード550は、接続プレート551を介してスタブシャフト552に接続する。隔壁505は、ナセル504の本体に取り付けられ、シャフト軸受554を保持して、シャフト553の周囲で水密接続を実現する。軸受支持フレーム506および軸受507は、シャフト553の内端を支持する。
【0097】
前面510および後面511のナセルカバーは、タービンブレード550と共に回転する。タービンブレード550の回転によるトルクは、シャフト553を介して水平軸ギアホイール610へ、傾斜軸歯車620を介してシャフト630へ、シャフト接合部640を介して上側シャフト650へ運ばれる。スラスト軸受631は、下側脚部302に取り付けられた軸受ハウジング632によって保持される。軸受フレーム633を介して下側脚部302に取り付けられた軸受634は、下側シャフト630の第2の支持点を提供する。駆動シャフト650の上部は、軸受フレーム651を介して下側脚部302に取り付けられた軸受652によって支持される。この配置により、軸X-Yの周りのシャフト630および650の回転、ならびに上側脚部301に対する下側脚部302およびナセル501の下部の相対的な回転が可能となる。この回転は、下側脚部302と係合するシャフト582および駆動ホイール583を介して、駆動ユニット581によって駆動および制御され得る。
【0098】
図9bは、機械駆動系を備えた水平軸潮流タービンを想定した上下脚部の接続部の横断面を示す。タービンの軸553に垂直な方向に取られた脚部301/302の指標的な断面である。構成要素の説明は、
図9aと同様である。
【0099】
図9cは、油圧駆動系を備えたHATTによる上下脚部の接続および利用可能性の一部分を示し、トランスミッション/ギアボックス810と油圧ポンプ820との模式的な位置を示している。この油圧駆動系は、水平軸型潮流タービンを想定している。
【0100】
油圧駆動系である場合のタービン軸553に沿って取られたナセル501を通る表示断面図を示す。脚部301と脚部302、およびナセル501との接続は、
図9aの通りである。
【0101】
油圧駆動系を使用する場合は、ギアボックス/トランスミッション810が下部/上部積載フレーム811/813に支持され、位置調整パッカー812が下側脚部302に取り付けられ、油圧ポンプ820が積載プレート821および823に支持され、上側脚部301に取り付けられた調整パッカー822を備えて構成されている。歯車620は、シャフト635を介してトルクをギアボックス810に伝達し、ギアボックス810は、軸受フレーム637を介して下側脚部302に取り付けられた軸受638で保持されたシャフト接合部640およびシャフト645と、軸受フレーム646に取り付けられた軸受647で保持されたシャフト636を介して油圧ポンプ820に接続されている。油圧ポンプ820は、油圧配管830を介して積載プラントに接続されている。
【0102】
図10aは、動作位置にあるHATTでの利用可能性の不等角投影図である。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。動作位置では、脚部301/302が船舶本体100に接続された支柱400によって固定され、ナセル501とタービンブレード550とを水面下2で船舶本体100から離して保持している。
【0103】
脚部制御ロープ353および354はそれぞれウインチ355および356に接続し、上部支柱制御ロープ472は脚部301および支柱400の上部に接続し、下部制御ロープ474はウインチ475に接続する。メインヒンジ200の外部端はピン/ヒンジ支持構造120によって保持され、脚部支持構造140はこの位置で脚部301に接続されていない。
【0104】
図10bは、動作位置と整備位置との間の移行におけるHATTの利用可能性の不等角投影図である。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。
【0105】
脚部301および302は、動作位置と整備位置の間で移行中である。タービンブレード550は脚部301と整列し、支柱400は脚部301に折り畳まれて固定されている。ウインチ355が脚部301を引っ張ることによって達成される脚部支持構造140に向かう移動は、ウインチ356および475が移動できるように引き出される間に達成される。動作位置への移動は、ウインチ356が引っ張り、ウインチ355が引き出されることで、ウインチ475が制御ロープのたるみを取るだけで達成される。
【0106】
図10cは、整備位置におけるHATTの利用可能性の不等角投影図である。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。脚部301および302は、整備位置XBおよびYBにあり、接続プレート351および145を介して脚部支持構造140に取り付けられている。タービンブレード550は、脚部301に整列している。脚部制御ロープ353は張られており、ロープ354は弛んでいる。アクセスプラットフォーム190が示されている。
【0107】
図11aは、HATTが動作位置にある場合の利用可能性の端面図を示す。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。
【0108】
図11bは、HATTが動作位置および整備位置にある場合の利用可能性の側面図を示す。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。
【0109】
図12aは、HATTが整備位置にある利用可能性の、支柱取付部付近の断面図を示す。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。脚部301および支柱400の概略断面図が示されている。
【0110】
図12bは、脚部支持構造140付近を示す、HATTが整備位置にある利用可能性の断面図を示す。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。脚部支持構造140付近の概略断面図が示されている。
【0111】
図12cは、整備位置にあるHATTの利用可能性の部分断面図を示しており、ナセル付近が図示されている。ブレードを備えた水平軸型潮流タービンを想定している。ナセル501付近の概略断面図が示されている。
【0112】
図13aは、改良型垂直軸式潮力タービンを使用した利用可能性の側面図である。改良型垂直軸式潮力タービンを想定している。図は、船舶本体100、ピン支持構造121、122、123の一部、脚部300、支柱400、主要な積載プラント700、およびアクセスプラットフォーム190を示す。垂直タービン570は、概略的に示されている。
【0113】
図13bは、改良型垂直軸式潮力タービンを使用した利用可能性の端部断面図を示す。改良型垂直軸式潮力タービンを想定している。整備位置における垂直軸タービン570の概略的な断面図が示されている。
【0114】
図13cは、改良型垂直軸式潮力タービンを使用した利用可能性の模式的な詳細図である。改良型垂直軸式潮力タービンを想定している。脚部300を通る詳細断面図が示されており、シャフトシール/軸受305、隔壁/端部プレート309、シャフト630と650、シャフト接合部640、スラスト軸受631、スラスト軸受ハウジング632、軸受フレーム633、および軸受634が示されている。垂直軸タービン570は、概略的に示されている。
【0115】
図14aはナセルの縦断面を示しており、HATTおよび油圧駆動系を用いた利用可能性と、低速油圧ポンプの位置とを模式的に示す。水平軸式潮流タービンを想定している。トランスミッション/ギアボックスのない低速油圧ポンプを使用した場合の可能な構成が示されている。タービン軸553は、ポンプシャフト接合部555を介して低速油圧ポンプ820に結合されている。シャフト553は、軸受フレームベース557を介してナセル本体504に取り付けられた軸受フレーム556によっても保持さている。油圧パイプ830は、パイプブラケット831によってナセル本体503および脚部301に保持される。
【0116】
前述のように、本発明の目的は、
図1aに見られるように、動作ユニット500を保持するリンク要素301および302が回転する傾斜ヒンジ200を採用することによって、動作ユニット(水中プラント)500を水中の特定位置(動作位置)から水上の他の特定地点およびホスト船舶の本体の横(整備位置)まで移動させることができるアセンブリを有する海洋プラントを提供することである。
【0117】
この結果、動作ユニットは、傾斜面内を位置XAからXBまたはその逆に移動することになる。ヒンジ軸WおよびZの正確な位置および傾斜角AL、ならびにリンク/ケグ要素301/302の長さは、動作ユニット500を、動作位置の場合は、水面下の深さと船舶本体からの距離、整備位置の場合は、水面上の高さと船舶本体からの距離によって指定される所望の位置に配置するように設計される。
【0118】
典型的には、軸V、W、Z、XA、およびYAは、長手方向軸Uに垂直な平面内にあり、この平面は、点D、E、F、T、G、H、I、J、およびKによって示される。
【0119】
点W、Z、V、およびUの交点である点Oの位置は、
図2aおよび
図4aを参照して、積載プラント700のサイズおよび内部プラント主軸710の位置によって決定される。
【0120】
軸ZおよびW上のヒンジ点BおよびCは、脚部301および折り畳まれた支柱400が、
図12aで示されるように軸XBおよびYBによって示される整備位置において船舶本体100から離れるように決定される。動作ユニットを整備するために必要なスペースも、点BおよびCの位置に影響を与える。
【0121】
ナセルの整備に必要な横方向の距離/スペースは、軸WとZを通常平面から離れた軸Vを中心に回転させることによって提供することができる。
図1bは、軸YAが通常平面内にあり、軸Vの周りに角度BETだけ回転したYACを示す。リンク/脚部301の水平位置は、軸位置Wに対応するXBおよび軸WCに対応するYBCである。これにより、動作ユニットのスペースが増えるが、ディテールが複雑化し、ユニットの総幅が増加する。
【0122】
メインヒンジのレイアウトと構造は2つの部分に分かれており、どちらも同軸上に配置され、一方は船舶本体に直接取り付けられ、もう一方はヒンジ支持構造を介して取り付けられている。両ヒンジは円筒形で、同軸に沿って配置された2つの円筒形の開口部を通してシャフトを取り付け、軸受と同軸でリンク要素から独立して回転することができる。これによって、リンク要素からヒンジを介してシャフトと傘歯車の駆動系が、船舶本体の船舶本体に至る。この駆動系やシャフトがない場合は、パイプやケーブルが開口部を通して引き通される。
【0123】
上記の特徴の実施形態は、
図4a、4b、および4cに最もよく示されている。
【0124】
船舶本体側の接続プレート232、233は、船舶本体100に取り付けられ、軸受の取付プレート234を保持する。軸受235の固定部分は、軸受235が他の軸受245、225、および215と並ぶことができるように、位置調整が可能な方法により、そのフランジを介して取付プレート234に取り付けられる。235の円筒部分は、内側238と外側237の両方で、内側ではシャフト680に、外側では回転軸受236に軸受面を提供する形状になっている。
【0125】
回転部236は、円筒部237の内側に軸受面を有し、軸受235の外面にあたって支持され、フランジがリンク/脚部301の主接続プレート310に取り付けられている。
【0126】
外側でも同様の配置で、固定軸受245はフランジを介してヒンジ支持構造123に取り付けられ、軸受面248を介して内側にシャフト680を保持し、回転軸受246を外側の面247を介して保持する。
【0127】
界面237、238、247、および248は、相対回転を可能にし、リンク/脚部301の軸XAの方向に作用する力を伝達できる軸受面である。
【0128】
この配置により、シャフト680とリンク/脚部要素301の両方が独立して軸Zの周りを回転可能となる。
【0129】
ガイドアングル239および249は、それぞれ接続プレート232およびヒンジ支持構造123に取り付けられ、軸XAを中心に円形状に延びて、脚部補強材およびガイドプレート311によって伝達されるリンク/脚部軸XAに対して横方向に作用する力を取り込む。
【0130】
上記の配置により、シャフト(630)および650を介して動作ユニット(500)との間に機械式シャフト-傘歯車-シャフトの駆動系を構築することができる。シャフト650に取り付けられた傘歯車660が、リンク/脚部301の主接続プレート310にはまり、シャフト680に取り付けられた傘歯車670とかみ合い、傘歯車690が取り付けられたギア710と接続された主積載プラント700のギアともかみ合う。
【0131】
船舶本体100内部には、シャフト680に対する軸受として内面を有する単純な固定軸受225および215があり、位置調整と取付プレート224および214への接続を可能にするフランジを有する。これらの取付プレートは、接続プレート222および223と、船舶本体側の212および213とに取り付けられる。軸受225および215の端部は、スラスト軸受681および682に対するスラスト軸受として機能する。傘歯車はシャフトに沿って作用する力を生成するため、これらの力に対抗するスラスト軸受が必要となる。
【0132】
脚部側シャフト650は、そのスラスト軸受653と、スラスト軸受保持プレート312に取り付けられたリンク/上側脚部要素301にあるスラスト軸受ハウジング654とを有する。
【0133】
軸受け235および245の配置により、
図4cに示されるように、油圧駆動系の油圧パイプ830が軸受け235の中央開口部を通過できる。この場合、シャフトおよび歯車は必要ない。
【0134】
図2b、2c、10a、および10bに示すように、リンク/脚部301/302は、ウインチ355および356にそれぞれ取り付けられたロープ353および354によって整備位置と動作位置との間で移動される。
【0135】
ロープは、脚部-支柱ヒンジの近くで上側脚部301に取り付けられたロープ接続プレート352に接続する。ウインチの一方を締め、他方を緩めると、脚部301/302をメインピン200(軸Wまたは軸Z)の周りに回転させることができる。脚部301/302およびナセル500の浮力が中立に近くなるように設計することで、脚部301/302の移動が容易になる。
【0136】
整備位置では、脚部301に取り付けられた接続プレート351と脚部支持構造140に取り付けられた接続プレート145が接触し、脚部301/302を整備位置で固定するために連結される。これは、単にボルトで固定することによって行うことができる。
図10cおよび
図12bが参照される。
【0137】
支柱は、リンク要素と動作ユニットを動作位置で安定させるために使用される。支柱は、適切な角度で配置されたヒンジを介してリンク要素に取り付けられ、解放可能な接続を介して船舶の本体に接続される。整備位置、およびある位置から他の位置への移行時には、支柱は船舶本体から切り離され、折りたたまれてリンク/脚部要素に固定される。
【0138】
支柱-脚部接続ヒンジ320は、動作ユニットの作動との干渉を避けるように位置決めされる(
図1a、
図2a、
図3a参照)。
図1bの点Lは、リンク軸XAと支柱軸PおよびQとの交点である。リンク-支柱ヒンジピン320は、軸PおよびQ上の点Lの上に位置しており、支柱400は、LBMおよびLBN平面でヒンジピン320の周りを回転する。
【0139】
接続点MおよびNは、リンク/脚部301と支柱400との間の角度が、
図2cに示すように平面で約45度、
図2aに示すように端面図でできるだけ大きく、
図1bにおいてGAMで示す角度となるように配置される必要がある。また、この位置は、支柱の端部が、船舶本体の側面にぶつかることなく、脚部301から船舶本体100に向かって回転されることによって、接続点および装置に到達できる必要がある。
図5aは、脚部-支柱接続ピン320、脚部および支柱側接続プレート321および421、ならびに端部プレート402および補強プレート422を示す。
【0140】
支柱400の上端部は、リンク/脚部301への解放可能な接続を有し、リンク/脚部301が整備位置から動作位置へ、または戻るように回転する間、固定の位置が維持される。
【0141】
図6aは、脚部301に取り付けられたフレーム337に取り付けられたウインチ338に取り付けられたロープ472と、船舶本体のデッキ101に取り付けられたウインチ(475)に取り付けられたロープ474によって、支柱400の位置を変更し制御する実施形態を示している。リンク/脚部301に取り付けられたガイドフレーム345は、ロープ472が締め付けられると、確実に支柱400を必要な位置に保持でき、支柱端部接続プレート433が脚部側プレート331に接触し、プレート331に取り付けられたロックピン332が穴434を通り、脚部301に対して支柱400を固定位置に保持できる。
【0142】
支柱と船舶との接続は、支柱400がピン320の周りに回転するときに船舶本体(100)に取り付けられた接続ピン(162)との係合を可能にする切り込み432を有する主接続プレート431によって行われる。プレート431は、支柱400の中心線P/Qが移動する平面BLMまたはBLNに平行に配置される。ピン320および162は、この平面に対して垂直に配向されている(
図7Aおよび7B参照)。
【0143】
図6bは、ガイドニブ452およびシャーピン孔453を有する支柱-船舶本体接続プレート451の代替実施形態による支柱-脚部接続を示す。接続プレート451は、平面BLMおよびBLNに対して垂直である。
【0144】
両構成の端面図を
図6cに示し、
図6cは、プッシュプレート333に取り付けられたロッキングピン332と、プレート331および333とを接続するばね334が、プレート331および433によってピン332が噛み合わされるように保持しながら、プレート433を解放するために一時的にピンを引き抜くことができる方法の詳細を示す。プレート331および433を確実に合わせるためのガイド345も示されている。ロープ472および474は、それぞれシャックル471および473を介してプレート433に接続される。
【0145】
あるいは、プレート331および433は、
図6eに示されるような移行のためにボルト341によって接続され得る。
【0146】
XB/YBからXA/YAの位置に移動した後にリンク/脚部301/302が動作位置に達すると、ロックピン332を引き抜くか、ボルト341を取り外すことで、支柱400がロックされた位置から解放される。ロープ472を引っ張りながら、ウインチ(475)でロープ474を引き込むことで、支柱400を動作位置に向けて移動させ、上部を船舶本体100に近づける(
図2b、7a、7b、8a、10a参照)。
【0147】
支柱400の船舶本体100への接続は、主支柱接続プレート431のスロット432が、船舶本体100に接続されたプレート161によって保持されるピン162と係合することによって達成される。プレート161は、同様にプレート431の側面を支持する。
図7aでは、船舶本体100に接近する支柱400、ならびに
図7bおよび7cでは、プレート431とピン162とが噛み合っている。ガイド181は支柱400の本体を誘導し、傾斜したガイドプレート163は支柱接続プレート431をプレート161の間に誘導する(
図7dと
図7e参照)。
【0148】
ブラケット165のねじ穴を通って駆動されるねじ込み式ロッド166は、ピン162からの浮き上がりと外れを防止することで、プレート431を動作位置にロックする(
図7b参照)。ねじ込み式ロッド166は、接続部が低い位置にあり、したがって水中となることが予想されるため、船舶本体のデッキ101まで伸びており、動作は、上部から行われる。
【0149】
接続を解除する場合、ねじ込み式ロッド166を巻き上げて、プレート431を上方に移動させてピン162から外す。ウインチ338を締めてウインチ475を緩めると、支柱400がリンク/脚部301に向けて移動し、上述のように移行のための固定が可能となる。
【0150】
支柱400と船舶本体100との接続の代替実施例は、接続プレート451をBLN面およびPLM面に垂直な位置に配置することで行われる。船舶側接続プレート151は同じ向きを持ち、支柱400が正しい位置にあるとき、それらは一致する。力の伝達は、シャーピン153が船舶側接続プレート151に取り付けられ、支柱側接続プレート451のピン穴453に噛み合うことで行われる(
図8aおよび8b参照)。
【0151】
シャーピン153は、計算されたせん断力に抵抗するのに十分な強度でプレート151に取り付けられる。その大径の基部は、プレート451の厚みを貫通して係合し、せん断抵抗と軸受抵抗を提供し、小径のねじ端は、ロック装置455のねじ付きプレート/ロックナット459に係合する。ロック装置の詳細については、
図8cが参照される。
【0152】
支柱端部接続プレート451は、プレート151に取り付けられたガイドチャネル182内を摺動するガイドニブ452によって定位置に案内される。
【0153】
リンク要素は、共通の長手方向軸を有し、長手方向軸の周りの下側部分の回転を可能にする2つの部分(上側および下側)に形成される。
【0154】
この特徴の一実施形態は、円形の中空部を用いて上側脚部301と下側脚部302とを形成することによって達成され、上側脚部301は、軸受307および308ならびに軸受ハウジング303および304が、上側脚部301および下側脚部302の間に取り付けられるように直径が大きくなっている。下部302は、動作ユニット(500)と下側脚部302とに作用する力に対して接続部に十分な強度を与えるために、上部301の内側に適切な距離だけ伸びている。下部302と上部301との間の隙間は、シャフト軸受305によって密閉され、上部301の内部を防水している。
【0155】
下部302および動作ユニット(500)の制御された回転は、駆動ユニット581が下部302の上端の上部脚部301内に取り付けられ、駆動シャフト582を介して駆動ホイール583を駆動することによって実現される。駆動ホイール583は下側脚部302の上部に接続され、制御された状態で回転される。駆動ユニット581がない場合、動作ユニット(500)および下部302は自由に回転することとなる(
図9a参照)。
【0156】
機械的な駆動系を取り付ける場合、下部シャフト630および上部シャフト650はシャフト接合部640で接合され、組み立て可能となっている。シャフト630および650は、スラスト軸受631と回転軸受652および634とが取り付けられた軸受フレーム632、633、および651によって保持され、下部302の内側に取り付けられる(
図9a参照)。
【0157】
可動および/または伸長可能なアクセスデッキ190は、リンク要素および動作ユニットの経路を回避するように設置される(
図2a、2b、2c参照)。
【0158】
固定部分は、脚部301/302および支柱400の経路の下に嵌合するように設計され、ナセルおよび他の構成要素は整備位置において全幅および側面が保護されるように延在可能となっている。
【0159】
本発明は、水平軸潮流タービン(HATT)を動作ユニットとして使用することができることを
図3a、9a、および9bに示している。これらの図は、タービンから積載プラント(発電機)までの機械駆動系を備えた動作ユニットを示している。
図9cは、機械式駆動系の代わりに油圧駆動系を使用した場合のHATTの配置が示される。油圧ポンプ820は下側脚部302の上端に配置され、シャフト635、636、シャフト接合部640、およびシャフト645を介してトランスミッション/ギアボックス810に接続される。トランスミッション/ギアボックス810は油圧ポンプ820に適切な回転速度を与えると想定され、この配置により、上側脚部301に対して下側脚部302および動作ユニット(500)が制御されるか、または自由な回転が可能となる。
【0160】
HATTの使用可能な利用方法の不等角図が
図10a、10b、10cに示され、その端面図および側面図が
図11aおよび11bに示され、断面が12a、12b、12cに示される。
【0161】
改良型の垂直軸式潮力タービンの使用可能な利用方法は、
図13a、13b、13cに示される。
【0162】
低速油圧ポンプを利用して油圧駆動系を構成するために可能なナセルの配置図は、
図14aに示される。この配置には、油圧配管/ホースが一方向に連続回転を許可しないため、下側脚部301およびナセル(500)の回転を制御する必要があり、回転は両方向に限定的な範囲で許可され、駆動ユニットによってアクティブに制御される必要がある。
【0163】
説明されたアセンブリおよびシステムの詳細は、他の既知のアセンブリに比べて多くの利点を有する。
【0164】
動作ユニットは、船舶本体の隣に移動して、大部分が水面上にあり、整備の際に船舶の幅と喫水を減らすことができる。
【0165】
動作ユニットの整備は、船舶本体に取り付けられた固定または可動プラットフォームから行うことができる。
【0166】
リンク要素の構造は、簡単であり、商業的に入手可能な部品(大口径パイプ)を利用することができる。
【0167】
動作ユニットを1箇所から別の位置に移動することは、複雑な油圧が必要なく、ロープとウインチによって移動可能である。
【0168】
ヒンジの配置と形状により、機械的な駆動系を採用して、ナセルではなく浮力船舶本体内にある積載プラント(発電機/エンジン)と動作ユニットとの間で往復させることができる。
【0169】
機械的な駆動系は、垂直軸タービンの用途に適合し、その構成をより単純にすることができる。
【0170】
この構成は、動作ユニットと積載プラントとの間の油圧駆動系の適用に適している。
【0171】
船舶本体内に発電機を配置し、機械式または油圧駆動系を使用することで、ブレードおよびナセルを整備位置にて完全に水上に出すことができる。
【0172】
機械式または油圧駆動系を採用して、メインプラントを船舶本体に搭載することは、設計、構築、運用、および整備を簡素化することができる。
【0173】
より簡単な構造配置により、制御システム、電子、油圧、および機械系の簡素な実現が可能となる。
【0174】
上記のメリットにより、財務上の節約および建設期間の短縮が実現できる。
【符号の説明】
【0175】
1 水域
2 水面
100 動作ユニットを保持する浮遊船舶
101 浮上船舶のトップデッキ
120 メインヒンジの外部端を保持するピン支持構造
121 上部を浮遊船舶に接続するピン支持構造
122 ピン支持構造の上部
123 ピン支持構造のメインヒンジのハウジングと取付部
140 脚部を整備位置に保持して固定した脚部支持構造
145 脚部を整備位置に固定するための脚部支持構造の接続プレート
151 支柱-代替上部接続-船舶側接続プレート
152 支柱-代替上部接続-船舶側接続プレート-補強材
153 支柱-代替上部接続-ネジ付きトップ付きせん断ピン
154 支柱-代替上部接続-船舶側接続プレート-ロープ穴
161 支柱-船舶本体-主接続-船舶本体サイドプレート
162 支柱-船舶本体-主接続-ピン
163 支柱-船舶本体-主接続-ガイドプレート
165 支柱-船舶本体-主接続-ロッキングロッド用ブラケット
166 支柱-船舶本体-主接続-ロッキングロッド
167 支柱-船舶本体-主接続-ロッキングロッド用ブラケット
168 支柱-船舶本体-主接続-ロッキングロッドハンドル
171 支柱-船舶本体-制御ロープローラフレーム/保持プレート
172 支柱-船舶本体-制御ロープローラ
181 支柱-船舶本体接続-支柱ガイドフレーム
182 支柱-代替上部接続-ガイドチャンネル
190 浮遊船舶に取り付けられたアクセスプラットフォーム/通路
191 アクセスプラットフォーム/歩道-上層階
195 アクセスはしご
200 メインヒンジ-脚部の回転を可能にする構造
212 プラントヒンジ-接続プレート
213 プラントヒンジ-接続プレート
214 プラントヒンジ-軸受取付プレート
215 プラントヒンジ-シャフト軸受-固定
222 メインヒンジ-内部部品-船舶本体接続プレート
223 メインヒンジ-内部部品-船舶本体接続プレート
224 メインヒンジ-内部部品-軸受取付プレート
225 メインヒンジ-内部部品-シャフト軸受-固定
232 メインヒンジ-内部側-船舶本体接続プレート
233 メインヒンジ-内部側-船舶本体接続プレート
234 メインヒンジ-内側-軸受取付プレート
235 メインヒンジ-内部軸受-固定部品
236 メインヒンジ-内部軸受-回転部
237 メインヒンジ-船舶本体側軸受-固定回転接触面
238 メインヒンジ-船舶本体側軸受-固定軸接触面
239 メインヒンジ-内部ガイド角度
245 メインヒンジ-外部軸受-固定部品
246 メインヒンジ-外部軸受-回転部
247 メインヒンジ-外部軸受-固定回転接触面
248 メインヒンジ-外部軸受-固定軸接触面
249 メインヒンジ-外部ガイド角度
300 脚部-動作ユニットを保持する船舶に接続された旋回部材
301 脚部-メインヒンジを介してフローティングベッセルに取り付けられた上部
302 脚部-動作ユニットを上部に接続する下部
303 脚部-下部-上部軸受ハウジング
304 脚部-下部-下部軸受ハウジング
305 脚部-シャフトシール
306 脚部-下部-ナセル接続フランジ
307 脚部-下部-上部軸受
308 脚部-下部-下部軸受
310 脚部-メインヒンジ接続-メインプレート
311 脚部-メインヒンジ接続-補強材およびガイドプレート
312 脚部-メインヒンジ接続-スラスト軸受保持プレート
320 脚部-脚部支柱ヒンジ
321 脚部-支柱下部接続プレート
330 脚部-支柱上部接続-支柱を整備位置に固定
331 脚部-支柱上部接続プレート
332 脚部-支柱接続ピン
333 脚部-支柱接続ピン-ばねスラストプレート
334 脚部-支柱接続ピン-ばね
335 脚部-支柱上部ロープローラ保持フレーム
336 脚部-支柱上部ロープローラ
337 脚部-支柱上部ロープウインチ保持フレーム
338 脚部-支柱上部ロープウインチ
339 脚部-支柱上部接続-ピンホール
340 脚部-支柱上部接続-ピンソケット
341 脚部-支柱上部接続-ボルト
345 脚部および支柱の上部接続-ガイド
351 脚部-整備位置固定プレート
352 脚部-脚移動ロープ接続プレート
353 脚部移動ロープ-前方
354 脚部移動ロープ-後方
355 脚部移動ウインチ-前方
356 脚部移動ウインチ-後方
400 支柱-動作位置で脚部を船舶に接続する部材
402 支柱-下端-端部プレート
403 支柱-上端-端部プレート
421 支柱-下端-接続プレート
422 支柱-下端-補強板
431 支柱-上端-船舶本体接続プレート
432 支柱-上端-主接続プレート-ピンスロット
433 支柱-上端-脚部とロープとの接続プレート
434 支柱-上端-脚部とロープとの接続プレート-ピン穴
435 支柱-上端-脚部とロープとの接続プレート-ロープ穴
451 支柱-代替上部接続プレート
452 支柱-代替上部接続プレート-ガイドニブ
453 支柱-代替上部接続プレート-ピンホール
455 支柱-代替上部接続-ロック装置-ハンドル
456 支柱-代替上部接続-ロック装置-フレーム
457 支柱-代替上部接続-ロック装置-メインプレート
458 支柱-代替上部接続-ロック装置-クランプシリンダ
459 支柱-代替上部接続-ロック装置-ロックナット
471 支柱-上端-トップリンク/シャックル
472 支柱-上端-上/脚部側制御ロープ
473 支柱-上端-下部リンク/シャックル
474 支柱-上端-下端/船舶側制御ロープ
475 船舶本体側支柱制御ウインチ
500 動作ユニット-水中で稼働し、水上で整備されるプラント
501 ナセル
502 ナセル-脚部接続フランジ
503 ナセル-「ネック」を取り付ける脚部
504 ナセル-本体
505 ナセル-バルクヘッドと軸受取付プレート
506 ナセル-シャフト軸受用中央取付フレーム
507 ナセル-中央軸軸受
510 ナセル-前面回転カバー
511 ナセル-後面回転カバー
550 タービンブレード-水平軸タービン
551 タービンブレード-取付フランジ
552 タービンブレード-スタブシャフト
553 タービンブレード-水平シャフト
554 タービン-シャフトシールと軸受
555 タービンブレード-水平シャフト-ポンプシャフト接合部
556 タービン軸-軸受フレーム
557 タービン軸-軸受フレーム-ベース
558 タービン軸-軸受
559 ナセル-油圧ポンプ-取付台
570 垂直軸タービン
581 ナセル回転子-駆動ユニット
582 ナセル回転子-駆動シャフト
583 ナセル回転子-駆動輪
610 駆動系-傘歯車-水平軸-タービン
620 駆動系-傘歯車-傾斜軸-下端
630 駆動系-駆動シャフト-下端
631 駆動系-下部シャフト-スラスト軸受
632 駆動系-下部シャフト-スラスト軸受ハウジング
633 駆動系-下部シャフト-軸受フレーム
634 駆動系-下部シャフト-軸受
635 駆動系-下部シャフト-下部
636 駆動系-下部シャフト-上部
637 駆動系-下部シャフト-上部軸受フレーム
638 駆動系-下部シャフト-上部軸受
640 駆動系-駆動シャフト-接合部
645 駆動系-駆動シャフト-上部
646 駆動系-駆動シャフト-上部-シャフト軸受フレーム
647 駆動系-駆動シャフト-上部-シャフト軸受
650 駆動系-駆動シャフト-上部
651 駆動系-上部シャフト-軸受フレーム
652 駆動系-上部シャフト-軸受
653 駆動系-シャフトの上部スラスト軸受
654 駆動系-上部スラスト軸受ハウジング
660 駆動系-傘歯車-傾斜軸-上端
670 駆動系-傘歯車-内軸-上端
680 駆動系-内軸駆動シャフト
681 内側シャフト-スラスト軸受-上部
682 内側シャフト-スラスト軸受-下部
690 駆動系-傘歯車ホイール-内軸-下端
700 浮力船舶に搭載された内部プラント
705 内部プラント-床
706 内部プラント-取付台
710 内部プラント-主軸-傘歯車
810 油圧駆動系-ギアボックス/トランスミッション
811 油圧駆動系-ギアボックス/トランスミッション-下部取付フレーム
812 油圧駆動系-ギアボックス/トランスミッション-パッカー
813 油圧駆動系-ギアボックス/トランスミッション-上部取付フレーム
820 油圧駆動系-油圧ポンプ
821 油圧駆動系-油圧ポンプ-下部取付プレート
822 油圧駆動系-油圧ポンプ-パッカー
823 油圧駆動系-油圧ポンプ-上部取付プレート
830 油圧駆動系-パイプ
831 油圧駆動系-パイプブラケット