IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エクソンモービル テクノロジー アンド エンジニアリング カンパニーの特許一覧

特許7558398リバース・フローリアクタにおけるアンモニアおよび尿素の製造
<>
  • 特許-リバース・フローリアクタにおけるアンモニアおよび尿素の製造 図1
  • 特許-リバース・フローリアクタにおけるアンモニアおよび尿素の製造 図2
  • 特許-リバース・フローリアクタにおけるアンモニアおよび尿素の製造 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】リバース・フローリアクタにおけるアンモニアおよび尿素の製造
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20240920BHJP
   C01B 3/56 20060101ALI20240920BHJP
   C01C 1/04 20060101ALI20240920BHJP
   B01J 23/755 20060101ALI20240920BHJP
   B01J 23/46 20060101ALI20240920BHJP
   C07C 273/04 20060101ALI20240920BHJP
   C07C 275/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C01B3/38
C01B3/56 Z
C01C1/04 K
B01J23/755 M
B01J23/46 311M
C07C273/04
C07C275/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023517313
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020051003
(87)【国際公開番号】W WO2022060355
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】523025539
【氏名又は名称】エクソンモービル テクノロジー アンド エンジニアリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ExxonMobil Technology and Engineering Company
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】スコウリダス,アナスタシオス アイ
(72)【発明者】
【氏名】オニール,エベレット ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツィ,イアン ジェイ
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-524556(JP,A)
【文献】特開2000-159519(JP,A)
【文献】特開平04-227017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0170052(US,A1)
【文献】特表2012-512182(JP,A)
【文献】米国特許第03194636(US,A)
【文献】特開2008-127256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B
C01C
C07C
B01J
B01D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフォーミングを行うための方法であって、当該方法は、以下の工程:
燃料混合物と、酸素含有ストリームと、リサイクル・ストリームとを反応させる工程であって、
前記燃料混合物は、燃料ストリームを含み、
前記酸素含有ストリームは、前記酸素含有ストリームのボリュームに対して、10vol%以下のNを含み、
前記リサイクル・ストリームは、燃焼条件下において、リアクタの燃焼ゾーンで0.7MPa-g以上の燃焼圧力を含み、
前記反応によって、煙道ガスが形成されて、反応ゾーンの1以上の表面を加熱して、600℃以上の再生された表面の温度まで加熱し、
前記反応ゾーンは、触媒組成物を含み、
前記燃料混合物は、前記燃料混合物のボリュームに対して、0.1vol%以上のOと、20vol%以上のCOとを含む、工程、
前記煙道ガスから、前記リサイクル・ストリームの少なくとも一部およびCO含有ストリームの少なくとも一部を分離する工程であって、前記CO含有ストリームが0.5MPa-g以上の第2圧力を含む、工程、
リフォーミング条件下、前記再生された表面の温度において、前記反応ゾーンで前記触媒組成物に炭化水素含有ストリームを曝露させる工程であって、前記曝露によって、HおよびCOを含むリフォーミング生成物ストリームを形成し、前記反応ゾーンにおいて、前記炭化水素含有ストリームのフローの方向が、前記燃料混合物のフローの方向に対して逆向きである、工程、
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H含有ストリームを形成する工程であって、前記H含有ストリームが50vol%以上のHを含む、工程、
前記H含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたH含有ストリームを形成する、工程、および
の存在下において、前記メタン化されたH含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、前記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程
を含み、
(i)前記再生された表面の温度が1000℃以上である、
(ii)前記リアクタが、リバース・フローリアクタを含む、
(iii)前記リアクタが、リアクタ・システムを含み、前記リアクタ・システムが、レキュペレータの部分と、前記反応ゾーンを含む部分とを含む、または
(iv)上記の(i)、(ii)および(iii)の2以上の組み合わせである、
方法。
【請求項2】
前記リサイクル・ストリームおよび前記燃料混合物の少なくとも一方が、15vol%以下のN を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
大気から、前記酸素含有ストリームの少なくとも一部およびN含有ストリームの少なくとも一部を分離することをさらに含み、前記メタン化されたH含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程が、前記メタン化されたH含有ストリームと、前記N含有ストリームの少なくとも一部とをアンモニア合成条件に曝露させることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも前記CO含有ストリームおよび前記リサイクル・ストリームを形成するために、前記煙道ガスを分離する前に、前記煙道ガスを圧縮すること、または
前記リサイクル・ストリームが、前記リサイクル・ストリームのボリュームに対して、25vol%以上のCOを含むこと、または
それらの組み合わせ
をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
リフォーミングを行うための方法であって、当該方法は、以下の工程:
燃料ストリームを含む燃料混合物と、酸素含有ストリームとをリアクタの燃焼ゾーンにおいて燃焼条件下で反応させる工程であって、前記反応によって、煙道ガスが形成されて、反応ゾーンの1以上の表面を加熱して、600℃以上の再生された表面の温度まで加熱し
記反応ゾーンは、触媒組成物を含み、
前記酸素含有ストリームは、Nをさらに含み、
前記燃料混合物は、前記燃料混合物のボリュームに対して、0.1vol%以上のOを含む、工程、
前記煙道ガスから、N含有ストリームを分離する工程であって、前記N含有ストリームが、95vol%以上のNを含む、工程、
リフォーミング条件下、前記再生された表面の温度において、前記反応ゾーンで前記触媒組成物に炭化水素含有ストリームを曝露させる工程であって、前記曝露によって、HおよびCOを含むリフォーミング生成物ストリームを形成し、前記反応ゾーンにおいて、前記炭化水素含有ストリームのフローの方向が、前記燃料混合物のフローの方向に対して逆向きである、工程、
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H含有ストリームを形成する工程であって、前記H含有ストリームが50vol%以上のHを含む、工程、
前記H含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたストリームを形成する、工程、および
前記メタン化されたストリームと、前記N含有ストリームの少なくとも一部をアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、前記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程
を含み、
(i)前記再生された表面の温度が1000℃以上である、
(ii)前記リアクタが、リバース・フローリアクタを含む、
(iii)前記リアクタが、リアクタ・システムを含み、前記リアクタ・システムが、レキュペレータの部分と、前記反応ゾーンを含む部分とを含む、または
(iv)上記の(i)、(ii)および(iii)の2以上の組み合わせである
方法。
【請求項6】
前記燃焼条件は、1.0MPa-g以上の燃焼圧力を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記煙道ガスがOを実質的に含まない、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部からH含有ストリームを形成する工程が、
前記リフォーミング生成物ストリームを水性ガスシフト反応条件に曝露させることであって、前記曝露によって、シフトされた合成ガス生成物ストリームを形成することと、
前記シフトされた合成ガス生成物ストリームを分離することであって、前記分離によって、前記H含有ストリームと、COを含むストリームとを形成することと
を含む、
求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記H 含有ストリームは、90vol%以上のH を含み、
前記分離することは、圧力スイング吸着を行うことを含み、前記圧力スイング吸着によって、前記H 含有ストリームを形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記CO を含むストリームは、90vol%以上のCOを含み、前記CO を含むストリームは、1.0MPa-g以上の圧力を含み、当該方法は、さらに、尿素含有生成物を形成するために、尿素合成条件に、前記アンモニア含有生成物の少なくとも一部および前記CO を含むストリームの少なくとも一部を曝露させることを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記CO を含むストリームは、0.9vol%以下のCOをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、リバース・フローリアクタの操作中(又は運転中又は作動中)において発生するCOを回収(又は捕捉又は捕獲又はキャプチャ)するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
リバース・フローリアクタは、循環反応条件(又はサイクル・リアクション・コンディション)をともなうプロセスでの使用に有益なリアクタ・タイプの例である。例えば、リフォーミング反応(又は改質反応)の吸熱性の性質に起因して、追加の熱が必要となり、それにより、一貫した基準に基づいて、追加の熱がリフォーミング反応の環境に導入されることになる。リバース・フローリアクタによって、反応の環境に熱を導入するための効率的な方法を提供することができる。リフォーミング反応または別の吸熱反応に使用する反応サイクルの第1の部分の後、反応サイクルの第2の部分を燃焼反応または別の吸熱反応に使用することができる。そうすることで、次のリフォーミング工程(又はリフォーミング・ステップ)のために、準備中の反応環境に熱を与えることができる。米国特許第7,815,873号および米国特許第8,754,276号によって、リバース・フローリアクタを使用する例が提供されている。それによって、循環反応環境において、様々な吸熱プロセスを行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
炭化水素(類)のリフォーミング(又は改質)に付随する困難の1つとして、相当な量(又は実質的な量)のCOも発生(又は生成)することが挙げられる。リフォーミング反応によって発生(又は生成)するCOに加えて、リフォーミング反応を行うために必要な相当の熱(又は実質的な熱)は、典型的には、追加の炭化水素(類)の燃焼によって提供されるものである。それにより、追加のCOの発生(又は生成)がもたらされる。従って、この相当のCO(又は実質的なCO)の発生(又は生成)の影響(又はインパクト)を軽減(又は緩和)することができる炭化水素(類)をリフォーミング(又は改質)するためのシステムおよび/または方法を提供することが望ましい。
【0004】
従来のリフォーミング(又は改質)に関連する相当のCO(又は実質的なCO)の発生(又は生成)によって、広範な産業プロセスに影響(又はインパクト)を与えることができる。例えば、従来のアンモニア製造プロセスは、典型的には、スチーム・メタン・リフォーミング(又はメタンの水蒸気改質)またはオートサーマル・リフォーミング(又はオートサーマル改質)を使用している。それにより、アンモニアの製造に必要な水素を提供している。ハーバー法(又はハーバー・プロセス(Haber process))は、現在、アンモニアを製造するための主要な産業プロセスである。全世界の約1%のCOの排出量が、ハーバー法によるアンモニア製造を促進するために発生するCOに相当(又は該当)すると概算されている。アンモニア製造の間に発生(又は生成)するこのCOおよび/または他の関連する化合物を減少、最小化および/または緩和することができるシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【0005】
米国特許第7,740,289号は、リバース・フローリアクタにおける合成ガスの製造を記載している。これは、スチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)、その後、残存する炭化水素(類)の昇温および昇圧での不完全燃焼によるものである。追加の合成ガスを提供することに加えて、この不完全燃焼によって、リアクタ(又は反応器)に熱が提供される。米国特許第7,740,289号に記載の方法では、スチーム・リフォーミングおよび不完全燃焼を行うための反応物(又は反応物質又はリアクタント)のフロー(又は反応物の流れ又はリアクタント・フロー)のインプット(又は投入又は入力)に使用されるリアクタ(又は反応器)の端部(又はエンド)を変更する(又は入れかえる)ことによって、逆向きのフロー(又は流れ)(又は逆流又はリバース・フロー)を達成している。次いで、生成される合成ガスは、メタノールの製造に使用することができる。
【0006】
米国特許出願公開第2012/0111315号は、現場(又はその場又はインサイチュ(in-situ))でのベーパライザおよびレキュペレータを記載している。これは、交互のフローシステム(例えば、圧力スイング改質器(又はプレッシャー・スイング・リフォーマ))と一緒に使用することに適しているものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
1つの態様において、リフォーミングを行うための方法を提供する。当該方法は、以下の工程を含む。
燃料混合物(又はフューエル・ミクスチャ)と、酸素含有ストリーム(又は酸素含有流)と、リサイクル・ストリーム(又はリサイクル流)とを反応させる工程であって、
上記燃料混合物は、燃料ストリーム(又は燃料流)を含み、
上記酸素含有ストリームは、上記酸素含有ストリームのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に対して、10vol%以下のNを含み、
上記リサイクル・ストリームは、燃焼条件下において、リアクタ内の燃焼ゾーンで0.7MPa-g以上の燃焼圧力を含む、工程。
燃焼条件下での反応によって、煙道ガス(又は排煙)を形成することができ、反応ゾーン(又はリアクション・ゾーン)の1以上の表面を加熱することができ、600℃以上の再生された表面の温度(又は再生表面温度)まで加熱することができる。
上記反応ゾーンは、触媒組成物を含むことができる。
上記燃料混合物は、上記燃料混合物のボリューム(又は容量又は容積又は体積)に対して、0.1vol%以上のOと、20vol%以上のCOとを含むことができる。
当該方法は、さらに、上記煙道ガスから、上記リサイクル・ストリームの少なくとも一部およびCO含有ストリーム(又はCO含有流)の少なくとも一部を分離する工程であって、上記CO含有ストリームが0.5MPa-g以上の第2圧力を含む、工程を含むことができる。
当該方法は、さらに、リフォーミング条件下、上記再生された表面の温度(又は再生表面温度)において、上記反応ゾーンで上記触媒組成物に炭化水素含有ストリーム(又は炭化水素含有流)を曝露させる工程であって、上記曝露によって、HおよびCOを含むリフォーミング生成物ストリーム(又はリフォーミング生成物流)を形成する、工程を含むことができる。上記反応ゾーンにおいて、上記炭化水素含有ストリームのためのフロー(又は流れ)の方向は、上記燃料混合物のためのフロー(又は流れ)の方向に対して逆向き(又は逆流)にすることができる。
当該方法は、さらに、上記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H含有ストリーム(又はH含有流)を形成する工程であって、上記H含有ストリームが50vol%以上のHを含む、工程を含むことができる。
当該方法は、さらに、上記H含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたH含有ストリーム(又はメタン化されたH含有流)を形成する、工程を含むことができる。
さらに、当該方法は、Nの存在下において、上記メタン化されたH含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、上記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程を含むことができる。
必要に応じて、上記リサイクル・ストリームおよび上記燃料混合物の少なくとも一方が、15vol%以下のNを含むことができる。
【0008】
別の態様において、リフォーミングを行うための方法を提供する。当該方法は、以下の工程を含むことができる。
燃料ストリーム(又は燃料流)を含む燃料混合物(又はフューエル・ミクスチャ)と、酸素含有ストリーム(又は酸素含有流)とをリアクタ内の燃焼ゾーンにおいて燃焼条件下で反応させる工程。
上記反応によって、煙道ガス(又は排煙)を形成することができ、反応ゾーンの1以上の表面を加熱することができ、600℃以上の再生された表面の温度(又は再生表面温度)まで加熱することができる。
上記反応ゾーンは、触媒組成物を含むことができる。
上記酸素含有ストリームは、Nをさらに含むことができる。
上記燃料混合物は、上記燃料混合物のボリューム(又は容量又は容積又は体積)に対して、0.1vol%以上のOを含むことができる。
当該方法は、さらに、上記煙道ガスから、N含有ストリーム(又はN含有流)を分離する工程であって、上記N含有ストリームが、95vol%以上のNを含む、工程を含むことができる。
当該方法は、さらに、リフォーミング条件下、上記再生された表面の温度(又は再生表面温度)において、上記反応ゾーンで上記触媒組成物に炭化水素含有ストリーム(又は炭化水素含有流)を曝露させる工程であって、上記曝露によって、HおよびCOを含むリフォーミング生成物ストリーム(又はリフォーミング生成物流)を形成する、工程を含むことができる。
上記反応ゾーンにおいて、上記炭化水素含有ストリームのためのフロー(又は流れ)の方向は、上記燃料混合物のためのフロー(又は流れ)の方向に対して逆向き(又は逆流)にすることができる。
当該方法は、さらに、上記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H含有ストリーム(又はH含有流)を形成する工程であって、上記H含有ストリームが50vol%以上のHを含む、工程を含むことができる。
当該方法は、さらに、上記H含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたストリーム(又はメタン化された流れ)を形成する、工程を含むことができる。
さらに、当該方法は、上記メタン化されたストリームと、上記N含有ストリームの少なくとも一部をアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、上記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程を含むことができる。
【0009】
さらに別の態様において、アンモニア合成システムを提供する。当該アンモニア合成システムは、リアクタを含むことができる。上記リアクタは、リアクタ・インレットと、リジェネレータ・インレットと、反応ゾーンとを含む。
上記リアクタ・インレットは、上記リアクタの第1端部(又は第1エンド又はファースト・エンド)にある。
上記リジェネレータ・インレットは、上記リアクタの第2端部(又は第2エンド又はセカンド・エンド)にある。
上記反応ゾーンは、リフォーミング触媒を含んで成る。
当該アンモニア合成システムは、さらに、リサイクル・ループを含むことができる。
上記リサイクル・ループは、上記リアクタ・インレットと上記リジェネレータ・インレットとの間に断続的(又は間欠的)な流体連通(又は流体連絡又はフルード・コミュニケーション)を提供し、上記リサイクル・ループは、リサイクル・コンプレッサと、フューエル・ソース・インレット(又は燃料供給源インレット又は燃料源インレット)と、酸素含有ガス・インレットと、CO含有ガス・アウトレットとを含んで成る。
当該アンモニア合成システムは、さらに、エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)を含むことができる。上記エア分離ユニットは、上記酸素含有ガス・インレットと流体連通(又は流体連絡又はフルード・コミュニケーション)している。
当該アンモニア合成システムは、さらに、圧力スイング吸着セパレータ(又はプレッシャー・スイング・アドソープション・セパレータ)を含むことができる。上記リジェネレータ・インレットは、上記圧力スイング吸着セパレータと断続的(又は間欠的)に流体連通(又は流体連絡又はフルード・コミュニケーション)している。
当該アンモニア合成システムは、さらに、メタネーション・ステージ(又はメタン化ステージ又はメタン化段階)を含むことができる。上記メタネーション・ステージは、上記圧力スイング吸着セパレータを介して、上記リジェネレータ・インレットと流体連通(又は流体連絡又はフルード・コミュニケーション)している。
さらに、当該アンモニア合成システムは、アンモニア合成ステージを含むことができる。上記アンモニア合成ステージは、上記メタネーション・ステージと流体連通(又は流体連絡又はフルード・コミュニケーション)している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、リバース・フローリアクタを使用するための構成の例を示す(COを管理しながら、炭化水素のリフォーミングを行うためのものである)。
図2図2は、リバース・フローリアクタを使用するための構成の例を示す(アンモニア製造および/または尿素製造のためのシステムであって、統合されたシステムの一部を示す)。
図3図3は、リバース・フローリアクタを使用するための構成の別の例を示す(アンモニア製造および/または尿素製造のためのシステムであって、統合されたシステムの一部を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の詳細な説明および特許請求の範囲に記載の数値は、すべて、その記載された値に「約(about)」または「ほぼ(又は約)(approximately)」によって修飾されている。そして、実験による誤差(又はエラー)および変動(又はバリエーション)が考慮されている。このようなことは、当業者の予想の範囲内である。
【0012】
(概説)
様々な態様において、アンモニアおよび/または尿素を製造するための反応システム(又は反応系)の一部として、リバース・フローリアクタ(または、別のリアクタ(反応器)であって、製造サイクル(又はプロセス・サイクル)の様々な部分において、反対方向のフロー(又は流れ)(又は逆流)を伴うリアクタ)を用いるためのシステムおよび方法を提供する。アンモニア製造プロセスの一部としてリバース・フローリアクタを用いることによって、様々な利点を得ることができる。いくつかの態様において、リバース・フローリアクタを用いて、炭化水素のリフォーミング反応(又は改質反応)を行うことによって、反応環境の直接的な加熱が可能になる。リバース・フローリアクタにおいて、リフォーミングのプロセス・サイクルの間、反応環境において、燃料の燃焼によって、プロセス・サイクルのリジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)の間に熱を反応環境に付与する。これは、メタンの水蒸気改質(又はスチーム・メタン・リフォーミング)とは対照的である。メタンの水蒸気改質において、反応環境の加熱は、間接的に行われている。つまり、反応環境に入る前に成分(又はコンポーネント)を加熱するか、そして/またはリアクタ(又は反応器)の壁部を介して熱を移すかのいずれかである。間接的な加熱手段ではなく、直接的な加熱が使用できることによって、リバース・フローリアクタにおける熱の損失は、従来のリフォーミング・プロセスに対して、減少または最小化することができる。これにより、炭化水素(類)のリフォーミングの間に発生(又は生成)するCOの量を対応(又は該当)させて減少させることができる。さらなる利点(又はベネフィット)は、各サイクルの間において、リジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)が、その前のリフォーミング・ステップ(又はリフォーミング工程又は改質工程)の後にリフォーミング触媒に存在するコークス(又はコーク)をいずれも燃焼させることができる点である。このことは、実質的にコークスを含まない触媒を用いて、各リフォーミング・サイクルをスタートさせることができることを意味する。このことは、従来の水蒸気改質器(又はスチーム・リフォーマ)の構成(又はコンフィギュレーション)とは対照的である。従来の水蒸気改質器では、期間が長くなると、コークスが堆積し、その後、除去されることになる。
【0013】
別の例として、水素を発生(又は生成)させるためにリバース・フローリアクタを使用することによって、酸素が減少した煙道ガス(又は排煙)(oxygen-depleted flue gas)を発生(又は生成)させることもでき、そのうえ、さらに、煙道ガスにおいて、炭素(又はカーボン)を実質的にすべて酸化させることができる。これは、予想外の相乗効果である。なぜなら、典型的には、従来のリフォーミング・ユニットのファーネス(又は炉)から煙道ガスをアンモニア製造プロセスと統合(又は集合又はインテグレーション)することは困難なことだからである。ファーネスの環境において、ファーネスのバーナー(単数または複数)は、典型的には、一定の距離によって、反応容器(又はリアクター容器)から分離されている。バーナー(単数または複数)から反応容器への熱の移動は、主として、ガス(又は気体)の対流によって達成されている。このような構成(又はコンフィギュレーション)に基づいて、バーナー(単数または複数)を操作(又は運転)するために使用する同一の酸素を含むガス環境は、熱を反応容器に移すためのガスとしても使用されている。クリーンアップ(又は清掃)が必要な煙道ガスのボリューム(又は容量又は容積又は体積)を減少または最小化するために、バーナー(単数または複数)は、典型的には、理論量(又は化学量論量)に対して小過剰量の酸素で操作(又は運転)する。しかし、従来の改質器(又はリフォーマ)で使用する温度では、大きな操作環境量(又は運転環境量)のファーネスに起因して、小過剰量の酸素のみで操作(又は運転)することは、ファーネスのバーナーからの煙道ガス(又は排煙)は、典型的には、相当な量(又は実質的な量)のCOならびにCOを増加させることを意味する。従って、COの供給源(又はソース)(又はCO源)として、従来のファーネスからの煙道ガスを使用するためには、追加の燃焼ステップ(又は燃焼工程)に煙道ガスを通過させる必要がある。それによって、煙道ガス中のCOをCOに変換する。代替法として、従来のファーネスの環境は、大過剰量のOで操作(又は運転)することができ、それにより、完全な酸化が可能となっていた。しかし、これにより、より希薄な煙道ガスと、大気(又は空気又はエア)のO濃度により類似するO濃度を有する煙道ガスの両方が生じる。この代替の操作(又は運転)モードでは、煙道ガスにおいて、より希薄な性質のCOは、高純度のCOストリーム(又はCO流れ)を形成するための分離(又はセパレーション)が、いずれも、より困難であることを意味する。さらに、高純度のNストリーム(又はN流れ)を発生(又は生成)させようとする試みは、エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)にどことなく類似していることが必要である。従来のリフォーミング・ユニットからの煙道ガスを用いることが困難であることから、従来のリフォーミング・ユニットから発生(又は生成)する煙道ガスは、典型的には、アンモニア製造プロセスにおいて使用するために統合(又は集合又はインテグレーション)されていない。
【0014】
対象として、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)からの煙道ガスは、酸素が欠乏していても、完全に酸化されていてもよい。リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップの間において、小過剰量の酸素の存在下で燃料を燃焼させる(例えば、燃料の完全な燃焼に必要な理論量(又は化学量論量)の酸素に対して、10mol%~30mol%過剰の酸素)。燃料および酸素が十分に混合されているボリューム(又は容量又は容積又は体積)で燃焼が行われることから、そして、リバース・フローリアクタでのリフォーミングは、典型的には、メタンの水蒸気改質(又はスチーム・メタン・リフォーミング)またはオートサーマル改質(又はオートサーマル・リフォーミング)と比較して、実質的により高い温度で行われることから、この比較的に小過剰量の理論量(又は化学量論量)の酸素が、燃料の実質的に完全な燃焼を引き起こすのに十分であってよい。従って、燃焼から生じる煙道ガスは、COと、HOと、O(残存する場合)とから実質的に構成することができ、必要に応じて、窒素を含むことができる(酸素の供給源の少なくとも一部として大気(又は空気又はエア)を使用する場合)。水は、比較的に簡単な様式(又は方法)で除去することができることから、追加の分離(又はセパレーション)のみが必要であり、それにより、リバース・フローリアクタ(RFR)の煙道ガスから、高純度のCOストリームおよび高純度のNストリームを形成する。このような追加の分離(又はセパレーション)は、少量の残存する酸素を除去するための分離である。様々な態様において、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップからの煙道ガスは、0.9vol%以下、または0.5vol%以下のCO含有量を有することができる。例えば、実質的にCOを含まないところまで(約0.1vol%以下まで)、CO含有量を低下させることができる。これは、従来のリフォーミング・ユニットのファーネスからの煙道ガスとは対照的である。従来のリフォーミング・ユニットのファーネスからの煙道ガスでは、1.0vol%以上のCO含有量を有することができる。
【0015】
上記の利点(又はアドバンテージ)は、概して、アンモニア製造プロセスの一部として、リバース・フローリアクタを使用する任意の構成(又は配置又はコンフィギュレーション)によって実現することができる。リバース・フローリアクタをアンモニア製造プロセスと統合(又は集合又はインテグレーション)させることのさらなる利点(又はアドバンテージ)は、酸素の少なくとも一部をリジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)に提供するためにエア分離ユニットを使用する態様において実現することができる。まず、リジェネレーション(又は再生)の間にOの高純度の供給源(又はソース)(例えば、エア分離ユニット)を用いることによって、リジェネレーション・ステップからの煙道ガスにおけるNの存在を減少、最小化、または可能であれば排除することができる。煙道ガスからNを除去することは、煙道ガスのCOの濃度を実質的に増加させることができる。反応の環境からNを除去する場合、例えば、前回のサイクルの間に煙道ガスから発生(又は生成)したCOおよび/またはHOによって、リジェネレーション・ステップの間に必要な追加の作動流体(又はワーキング・フルード)を提供することができる。COおよびHOは、ともに、Nと比較して、実質的により大きい熱容量(又はヒート・キャパシティ)を有することから、作動流体として必要なリサイクルされた煙道ガスの量を顕著に減少させることができる。より高い熱容量(又はヒート・キャパシティ)の希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント(diluent))を使用することによって、燃焼の間のラミナー・フレーム・スピード(又は層状の火炎(又はフレーム)の速度又は層流火炎速度)を減少させることができる。さらに、煙道ガスの他の主要な成分(又はコンポーネント)は水である。このことから、水は、濃縮によって、簡単に除去することができる。これらのことから、高純度の供給源(又はソース)からのOを使用することによって、高純度のCOストリームの形成(又は生成)を促進させることができる。これは、リジェネレーション・ステップの間に形成(又は生成)されるCOの隔離(又は捕捉又はセクエストレーション)を実質的に簡素化することができる。いくつかの態様において、高純度の供給源(又はソース)からのO含有ストリーム(すなわち、酸素含有ストリーム(又は酸素含有流))は、70vol%以上、または90vol%以上、または95vol%以上、または98vol%以上のO(例えば、最大で実質的にOから構成されている(最大で100vol%のO、または他の成分(又はコンポーネント)が0.5vol%未満である))を含むストリーム(又は流れ)に対応(又は該当)することができる。いくつかの態様において、高純度のCO含有ストリームは、80vol%以上、または90vol%以上、または95vol%以上のCO含有量を有することができる(例えば、最大で実質的にCOから構成されている(最大で100vol%のCO、または他の成分(又はコンポーネント)が0.5vol%未満である))。
【0016】
さらに、ここで、リジェネレーション・ステップからの煙道ガスは、高純度のCOストリーム(水の除去の前または後のいずれかのCOストリーム)に対応(又は該当)するので、リフォーミング流出物から分離されたCOをリジェネレーション煙道ガスからのCOに添加することは有益であってよい。従来では、燃焼煙道ガスからのCOは、相当な量(又は実質的な量)の窒素に起因して、比較的に希釈されている。従って、従来のリフォーミング・プロセス(又は改質プロセス)で行われるCOの隔離(又は捕捉又はセクエストレーション)は、合成ガス生成物(又は合成ガス・プロダクト)から分離(必要に応じて分離)されたCOにおいてのみ行われる。合成ガス生成物から分離されるCOは、典型的には、コンバスション(又は燃焼)/リジェネレーション(又は再生)の煙道ガスに添加されない。なぜなら、これによって、合成ガスから分離されたCOの希釈が生じるからである。しかし、リジェネレーションの間において、酸素の供給源(又はソース)として高純度のOを使用することで、リバース・フローリアクタからの煙道ガスによって、COの濃度を増加させることができ、他の主要な成分(又はコンポーネント)として、HOをさらに含むことができる。このような状況において、リフォーミング生成物(又はリフォーミング・プロダクト)から分離されたCOは、煙道ガスからのCOと一緒にすることができる。その一方で、隔離(又は捕捉又はセクエストレーション)の前に、一緒にされたストリーム(又は流れ)において、さらなる分離(又はセパレーション)を行う困難についての懸念を減少または最小にしている。
【0017】
従来では、高純度のOは、典型的には、いくつかの他のタイプ(又は種類)の希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント(diluent))を添加することなく、メタンの水蒸気改質器(又はスチーム・メタン・リフォーマ)のファーネス(又は炉)に添加しないことに留意するべきである。メタンの水蒸気改質(又はスチーム・メタン・リフォーミング)のためのファーネスによって、間接的な加熱が行われることから、ファーネス内に位置するリアクタの壁部(又は反応壁)にファーネスでの燃焼からの熱を移すためには、相当な量(又は実質的な量)のガス(又は気体)が必要である。このガス(又は気体)を提供するためには、典型的には、大気(又は空気又はエア)からの窒素を使用する。さらに、メタンの水蒸気改質器(又はスチーム・メタン・リフォーマ)からの排気生成物(又は排気物)は、リバース・フローリアクタ(RFR)のリフォーミング・サイクルから発生(又は生成)する煙道ガスとは定性的に異なることに留意するべきである。メタンの水蒸気改質器(又はスチーム・メタン・リフォーマ)は、典型的には、高温の出口温度で低圧で操作(又は運転)する。このことは、相当な廃熱(又は実質的な廃熱)が環境に放出されること(あるいは、水蒸気(又はスチーム)として回収される必要があること)を意味している。さらに、メタンの水蒸気改質器(又はスチーム・メタン・リフォーマ)からの煙道ガスにおけるCOの圧力は、典型的には、約100kPaである。このことは、リバース・フローリアクタ(RFR)とは対照的である。リバース・フローリアクタ(RFR)では、廃熱は、設計(又はデザイン)の性質に基づいて、最小化され、生じるCOを含む煙道ガスの圧力は、1.0MPa-g(又はMPa g)以上、または5.0MPa-g以上であってよい。例えば、最大で15MPa-g、あるいは可能であれば、さらにより高い圧力であってよい。ファーネスからの廃熱を最小化することによって、精製する必要がある酸素の量を最小化する。このことは、プロセスの効率および経済に有益である。
【0018】
いくつかの態様において、高純度のCOを隔離(又は捕捉又はセクエストレーション)する代わりに、高純度のCOを試薬(又はリエージェント)として使用することができる。例えば、アンモニアから尿素を製造することが望ましい場合、この高純度のCOストリームをアンモニアとともに使用することができ、尿素を形成(又は生成)することができる。
【0019】
エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)を使用することのさらに別の利益(又はベネフィット)は、エア分離ユニットから発生(又は生成)した窒素ストリーム(又は窒素流)もアンモニア合成反応のためのNインプット・ストリーム(又はN投入ストリーム又はN入力ストリーム)として使用することができることである。
【0020】
製造サイクル(又はプロセス・サイクル)のリジェネレーション・ステップにOを提供するためにエア分離ユニットを使用する態様において、さらに他の利益(又はベネフィット)を潜在的に達成することができる。例えば、より高い熱容量(又はヒート・キャパシティ)の作動流体(又はワーキング・フルード)を使用することによって、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップにおいて、大きなボリューム(又は容量又は容積又は体積)の作動流体を扱うこと(又は操作又はハンドリング)に関連する1以上の困難が軽減できることを発見した。より大きな熱容量の希釈ガスを用いることによって、ピークの温度(燃焼した燃料の量に対して、リジェネレーションの間に発生するピークの温度)を低下させることができる。このことによって、例えば、使用する作動流体の量の減少(それにより、リジェネレーション・ステップの間において、リアクタにわたって、圧力低下(又は圧力ドロップ又はプレッシャー・ドロップ)が減少する)および/または使用する燃料の量の増加(それにより、後続の反応ステップ(又は反応工程)の効率を増加させる)を可能にすることができる。
【0021】
熱輸送(又はヒート・トランスポート)に必要な作動流体(又はワーキング・フルード)のボリューム(又は容量又は容積又は体積)を減少させることによって、リバース・フローリアクタの操作(又は作動又は運転又はオペレーション)におけるさらに別の変更(又は改変又はモディフィケーション)を促進させることができる。作動流体(又はワーキング・フルード)のボリューム(又は容量又は容積又は体積)を減少させることによって、作動流体を圧縮するために必要なエネルギーを実質的に減少させることができる。これによって、上昇した圧力(例えば、0.7MPa-g~7.0MPa-g、または0.7MPa-g~15MPa-g、または1.0MPa-g~7.0MPa-g、または1.0MPa-g~15MPa-g、または3.4MPa-g~7.0MPa-g、または3.4MPa-g~15MPa-g)において、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップ(すなわち、コンバスション・ステップ(又は燃焼工程))の操作(又は作動又は運転又はオペレーション)を実行することが可能になる。高圧のガスは、低圧のガスと比較して、より効果的に反応器の内部に熱を移すことができる。しかし、高圧での操作(又は作動又は運転又はオペレーション)は、典型的には、作動流体を圧縮するための過大なコストに起因して回避された。しかし、作動流体のボリューム(又は容量又は容積又は体積)を実質的に低減させることによって、高圧での操作(又は作動又は運転又はオペレーション)のコストを軽減することができる。その一方で、高圧での操作(又は作動又は運転又はオペレーション)の利益(又はベネフィット)を実現させることができる。さらに、高圧で操作(又は作動又は運転又はオペレーション)することによって、各サイクルの間に煙道ガスの一部を取り出す(又は引き抜く)ことができる。そうすることで、高圧のCO含有生成物ガスを形成することができる。高圧のCO含有生成物ガスは、主として、COおよびHOを含むものである。水を除去した後、この高圧のCO含有生成物ガスは、他の目的でCOを使用することができる圧力またはそれに近い圧力にすることができる。
【0022】
リバース・フローリアクタの操作(又は作動又は運転又はオペレーション)のさらに別の変更(又は改変又はモディフィケーション)によって、リジェネレーション・ステップのための燃料として、改質(又はリフォーミング)された生成物(又はプロダクト)の一部(又は部分)を使用することができる。特に、リフォーミングの後、分離(又はセパレーション)を行うことができ、それにより、リマインダ(又は残り)またはテール・ガス生成物(リフォーミング生成物の大部分のCOおよびCOを含む)から、Hを分離することができる。これは、例えば、リフォーミング生成物における酸化炭素をHから分離するための圧力スイング吸着(法)を使用することによって達成することができる。圧力スイング吸着(法)の間、酸化炭素を吸着させることができ、その一方で、Hが吸着器(又はアドソーバ)を通過して、Hが濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)された生成物(又はプロダクト)を形成する。次いで、酸化炭素を吸着器から脱着(又は脱離又はデソープション)させるためのスウィープ・ガスとしてHを使用することができる。この脱着(又は脱離又はデソープション)のステップ(又は工程)から得られるテール・ガスは、リジェネレーション・ステップのための燃料の一部(又は部分)として使用することができる。これにより、リフォーミングの間に発生したCOおよびCOを燃料ガスに含ませることもできる。
【0023】
リジェネレーション・ステップのための燃料の一部(又は部分)として、改質器生成物(又はリフォーマ生成物又はリフォーマ・プロダクト)の分離(又はセパレーション)に由来するテール・ガスを使用する態様において、なおさらなる変更(又は改変又はモディフィケーション)は、水性ガスシフト反応の条件を制御(又は管理又はコントロール)するものであってよい。そうすることで、テール・ガスにおいて、COが濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)される。典型的には、Hを発生させるためにリフォーミング反応を行う場合、後続の水性ガスシフト反応ステップ(又は水性ガスシフト反応工程)を行って、生成物中のH/COの比(又はCOに対するHの比)を増加または最大にする。しかし、燃焼の間に消費される酸素原子(1個)に対する発熱量(又は熱価又はヒーティング・バリュー)がより低い場合、CHまたはHのいずれかと比較して、COは、熱ポテンシャル(又はヒート・ポテンシャル)がより高い燃料(又はフューエル)である。従って、テール・ガスにおいて、さらなるCOを保持(又は維持)することによって、酸素の量を減少させることができる。この酸素は、ジェネレータ(又は発生機)での燃焼によって所望のレベルの熱を発生(又は生成)させるために必要なものである。テール・ガスにおいて、COとCOを合わせた量は、テール・ガスにおいて、さらなるCOを保持(又は維持)することによって、変更されないことに留意するべきである。しかし、所望する量の熱を発生(又は生成)させるために必要な酸素の量を減少させることによって、エア分離ユニット(又は空気分離ユニット又はエア・セパレーション・ユニット)によって生成(又は製造)される酸素含有ガスの量を減少させることができる。これによって、さらなるエネルギーの利益(又はベネフィット)が提供される。エア分離ユニットは、典型的には、生成される酸素含有ガス1単位あたり、エネルギー消費は、比較的に高いものである。
【0024】
エア分離ユニットを使用することによって、利益(又はベネフィット)を実現することができ、リジェネレーション・ステップに高純度のOストリーム(高純度のO流)を提供することができる。しかし、いくつかの態様において、リジェネレーションのための酸素含有ストリーム(又は酸素含有流)として、エア(又は空気又は大気)(および/または別のストリーム(又は流れ)であって、30vol%以上の窒素を含むストリーム(又は流れ))を使用することが望ましいものであってよい。いくつかの態様において、Nは、必要に応じて、アンモニア合成のN含有ストリーム(又はN含有流)として使用するために、煙道ガスから分離することができる。このような任意の態様(アンモニア合成のためのNインプット・フロー(又はN投入フロー又はN入力フロー)の少なくとも一部(又は部分)として、リジェネレーション煙道ガスに由来するNを使用する態様)において、煙道ガスのO含有量を減少または最小化することが望ましい場合もある。アンモニア合成の反応環境は、実質的にOを含まないもの(又はOフリー)であるべきである。つまり、N含有ストリームに存在するOは、いずれも、除去される必要がある。実質的にOを含まないN含有ストリームを生成(又は製造)するための1つの選択肢(又はオプション)は、過剰の燃料を使用するリジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)を行うことである。そうすることで、リジェネレーション・ステップに導入される実質的に全てのOを燃料またはコークス(又はコーク)の燃焼に使用する。燃料を過剰にすることによって、COをいくらか形成(又は生成)できるようになること、および/または、リジェネレーションの間において、リフォーミング触媒からの不完全なコークスの除去が生じ得ることに留意するべきである。しかし、このような過剰の燃焼によって操作(又は運転)することによっても、リジェネレーション煙道ガスに由来する任意のN含有ストリームからOを分離する必要を最小にすることができ、または排除することができる。
【0025】
煙道ガスからOを分離する必要を減少させるか、または最小にするために過剰の燃料を使用する態様において、別の選択肢(又はオプション)は、リジェネレーションのための燃料として、リフォーミング・プロセス(又はリフォーミング工程又は改質工程)からのHを使用することであってよい。このような態様において、リジェネレーション・ステップのための燃料として、当該プロセスから、過剰の水素生成物(又は水素プロダクト)を使用することによって、リジェネレーション煙道ガスを発生(又は生成)させることができる。このようなリジェネレーション煙道ガスは、NとHOとから実質的に構成されるものであり、非常に少ない量の炭素質の汚染物(又はコンタミナント)を伴う。このようなリジェネレーション煙道ガスにおいて、COおよびOの含有量は、ともに、低いものであってよい。そのため、水を除去するための任意の分離ステップのみによって、アンモニア合成のためにNを使用するべきである。
【0026】
このような説明において、他に具体的に記載されていない場合、反応ゾーン(又はリアクション・ゾーン)での温度についての記載は、リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)において、反応ゾーンで最大の温度が発生する場所(又は位置又はロケーション)において測定される温度に対応(又は該当)している。リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)において、反応ゾーンの最大温度の場所(又は位置又はロケーション)は、典型的には、反応ゾーンとレキュペレーション・ゾーンとの間の境界(又はバウンダリ)またはその近くの場所である。反応ゾーンとレキュペレーション・ゾーンとの間の境界(又はバウンダリ)は、吸熱反応のための触媒がリアクタ(又は反応器)の内部で始まる場所(又は位置又はロケーション)として定義(又は規定)されている。
【0027】
この説明において、他に詳細に記載しない限り、ボリューム(又は容量又は容積又は体積)の比は、すべて、その比における量が標準(又はスタンダード)の温度および圧力(20℃、100kPa)でのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に基づいて特定されているボリューム(又は容量又は容積又は体積)の比に対応(又は該当)している。このことによって、比較の対象となる2つの煙道ガスのボリューム(又は容量又は容積又は体積)が、異なる温度および圧力で存在し得る場合であっても、ボリューム(又は容量又は容積又は体積)の比を一貫して特定し得ることができる。リアクタ内に送達される煙道ガス(複数)について、ボリューム(又は容量又は容積又は体積)の比を特定する場合、標準の条件(又はスタンダード・コンディション)における単位時間当たりのガス(又は気体)の対応(又は該当)するフローレート(又は流量又は流速)を比較の際に使用することができる。
【0028】
(アンモニアおよび尿素の製造)
アンモニアは、典型的には、昇温および昇圧において、ハーバー・ボッシュ法(又はハーバー・ボッシュ・プロセス(Haber-Bosch process))を介して、HおよびNから生成することができる。従来において、インプット(又は投入又は入力)は、以下の(a)精製されたHおよび(b)精製されたNであってよい。
(a)精製されたHは、マルチ・ステップ・プロセスから生成(又は製造)することができる。このようなマルチ・ステップ・プロセスは、典型的には、メタンの水蒸気改質(又はスチーム・メタン・リフォーミング)、水性ガスシフト、水の除去、およびメタン化(又はメタネーション)による痕跡量(又はトレース)の酸化炭素のメタンへの変換(又はコンバージョン)を必要とするものであってよい。
(b)精製されたNは、典型的には、圧力スイング吸着および/またはエア分離ユニット(又は空気分離ユニット)を介して、大気(又は空気又はエア)に由来するものであってよい。
【0029】
様々な態様において、メタンの水蒸気改質(又はスチーム・メタン・リフォーミング)によってHを発生(又は生成)させる代わりに、リバース・フローリアクタを使用する炭化水素のリフォーミング(又は改質)によって、アンモニア製造のためのHを生成(又は製造)することができる。アンモニア合成に関して、水素ストリーム(又は水素流)は、好ましくは、不純物(例えば、HS)を実質的に含まないもの(実質的に不純物フリー)であってよい。いくつかの態様において、リバース・フローリアクタ(単数または複数)において、リフォーミング(又は改質)のための供給物(又は供給又はフィード)として、メタン供給物(又はメタン供給又はメタン・フィード)および/または他の炭化水素供給物(又は炭化水素供給又は炭化水素フィード)を使用することができる。そのため、H含有生成物(又はH含有プロダクト)が生成(又は製造)され、このようなH含有生成物は、実質的に硫黄を含まないもの(又は実質的に硫黄フリー)である。あるいは、炭化水素供給物(又は炭化水素供給又は炭化水素フィード)が硫黄を含む場合、リフォーミングの前および/またはリフォーミングの後に硫黄除去のステップ(又は工程)を行うことができる。そのため、Hストリーム(又はH流れ)を生成(又は製造)することができ、このようなHストリームは、硫黄不純物を実質的に含まないもの(又は実質的に硫黄不純物フリー)である。
【0030】
リバース・フローリアクタにおいて、リフォーミングからのアウトプット・フロー(又は出力フロー又は出力流)は、合成ガス(CO、CO、HおよびHOを含む)に対応(又は該当)することができる。Hが望ましいアウトプット(又は出力)であることから、リフォーミング・アウトプットは、必要に応じて、水性ガスシフト反応のステージ(又は段階)を通過させることができる。それにより、アウトプット・ストリームのH含有量を増加させることができ(それにより、CO含有量を減少させることができる)。水性ガスシフトは、よく知られている反応である。典型的には、より速い反応速度(又は反応レート又はリアクション・レート)を与えるより高温の触媒を用いて、「高」い温度(約300℃~約500℃)および「低」い温度(約100℃~約300℃)で行うことができる。しかし、より高い出口CO含有量では、続いて、低温のリアクタ(又は反応器)によって、合成ガスをより高いH濃度までさらにシフトさせることができる。
【0031】
任意の水性ガスシフトのプロセス(又は工程)(単数または複数)の後、必要に応じて、シフトさたリフォーミング・アウトプットは、Hを精製するために、1以上のプロセスを介して、分離(又はセパレーション)を受けることができる。これは、例えば、他の不純物を除去するために、水の濃縮、COの除去、および/またはHの精製を含むことができる。これにより、H含有ストリームを形成(又は生成)させることができる。H含有ストリームのH含有量は、98vol%以上、または99vol%以上、または99.9vol%以上であり、例えば、最大で、実質的にHから構成されている(最大で100vol%のH、または0.05vol%未満の他の成分(又はコンポーネント))。
【0032】
次いで、生じるHストリーム(H流)を昇圧でのメタネーション・ステップ(又はメタン化ステップ又はメタン化工程)を通過させることができる(典型的には、約15barg~約30barg、または約1.5MPag~約3MPag)。それにより、可能な限り多くの酸化炭素を確実に排除することができる。COは、潜在的に、Hから分離することが難しい化合物であってよい。メタネーションを行うことによって、CO(および任意の残存CO)をCHに変換(又はコンバージョン)することができる。これは、アンモニア合成プロセスの前に有益である。なぜなら、アンモニア合成触媒は、典型的には、COの存在(CHの存在ではない)に対して敏感(又はセンシティブ)であるからである。必要に応じて、アンモニア合成プロセスのためのNストリームは、メタネーション・ステージ(又はメタン化の段階)を通過させることもできる。必要に応じて、メタン化されたストリーム(又はメタン化流)は、モレキュラーシーブまたはCOおよびHOの他のトラップを通過させることができる。それにより、これらの種(又はスピーシーズ)をppmレベルまたはそれ以下のレベルまでさらに除去することができる。
【0033】
メタネーション(又はメタン化)の後、HストリームおよびNストリームを60barg(約6.0MPag)~180barg(約18MPag)のアンモニア合成条件にまで圧縮することができる。典型的なアンモニア合成プロセスは、350℃~500℃、または350℃~450℃以下で行うことができる。これらの条件は、アンモニア合成に有効であるが、このような条件は、1回の通過(又はパス)当たりのコンバージョン(又は変換率又は変換)が低いものとなる場合がある(典型的には、約20%未満)。したがって、大量のリサイクル・ストリームが生じる場合がある。
【0034】
尿素は、別の大きな化学的な生成物(又はラージ・ケミカル・プロダクト)であり、このような生成物は、COを用いたアンモニアの反応によって生成(又は製造)することができるものである。また、1922年に開発された基本的なプロセス(又は方法)は、その発見者にちなんで、ボッシュ・マイザー尿素法(又はボッシュ・マイザー尿素プロセス(Bosch-Meiser urea process))とも呼ばれている。様々な尿素法(又は尿素プロセス)が、条件(尿素の形成が進行する条件)および方法(未変換の反応物(又は反応物質又はリアクタント)がさらに処理される方法)で特徴付けることができる。この方法(又はプロセス)は、2つの主な平衡反応から構成することができる。ただし、反応物の不完全な変換をともなう。反応のネット(net)の熱収支(又はネット・ヒート・バランス)は、発熱性であってよい。第1の平衡反応は、ドライアイス(固体のCO)を用いた液体のアンモニアの発熱反応であってよい。それにより、カルバミン酸アンモニウム(又はアンモニウムカルバメート)(HN-COONH)を形成することができる。
【0035】
【数1】
【0036】
第2の平衡反応は、カルバミン酸アンモニウム(又はアンモニウムカルバメート)の尿素と水への吸熱性の分解であってよい。
【0037】
【数2】
【0038】
尿素法(又は尿素プロセス)は、方法(又はプロセス)のインプット(又は投入又は入力)(又はプロセス・インプット)として、液体のアンモニアと高圧のCOとを使用することができる。従来技術のプロセスでは、典型的には、二酸化炭素を外部の供給源から提供していている。外部の供給源では、高圧になるまで圧縮しなければならない。対照的に、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)からの煙道ガスは、昇圧されたものであってよい。したがって、リバース・フローリアクタからの煙道ガスは、高圧の二酸化炭素ストリームを潜在的に生成(又は製造)することができる。このような高圧の二酸化炭素ストリームは、アンモニア合成反応からの液体アンモニア生成物(又はリキッド・アンモニア・プロダクト)との反応に適している。
【0039】
様々な態様において、この尿素法(又は尿素プロセス)は、アンモニア合成プロセスと、1以上のリバース・フローリアクタ(アンモニア合成プロセスのためのHインプット(又はH投入又はH入力)を提供するためのリバース・フローリアクタ)とを組み合わせたシステムに統合(又は集合又はインテグレーション)させることができる。このような統合(又は集合又はインテグレーション)されたアプローチは、従来のアプローチから、多くの工程(又はプロセス)を減少および/または排除することができる。従来のアプローチでは、アンモニアプラント(水蒸気改質器、水性ガスシフト、圧力スイング吸着(Hを生成(又は製造)するためのもの)、およびエア分離プラント(又は空気分離プラント)と、COの別個の供給(又はセパレート・サプライ)とが必要となる場合がある(COは、典型的には、離れて調製(又はリモートで調製)され、次いで、プラントに移送されるものである)。本願(又は現行又は今回)のシステムは、かかる工程(又はプロセス)の多くを排除することができる。なおかつ、尿素を形成(又は生成)する際に使用されるCOを提供することを排除することができる。具体的には、CO(離れた尿素プラントで使用するためのドライアイスとしてのCO)を輸送するのではなく、二酸化炭素は、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップの間に形成(又は生成)される煙道ガスの分離(又はセパレーション)から提供することができる。
【0040】
(統合された反応システムの例)
図2は、反応システム(又は反応系)の例を示す。この反応システム(又は反応系)は、1以上のリバース・フローリアクタを使用するものである。それにより、アンモニアおよび/または尿素を製造するための統合プロセスの一部(又は部分)として、炭化水素のリフォーミング(又は改質)を行う。図2に示す例示の構成(又はコンフィギュレーション)において、リバース・フローリアクタ(単数または複数)でのリジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)のための酸化剤(又はオキシダント)は、酸素の供給源(又はソース)(又は酸素源)としてエア(又は空気又は大気)を用いることによって提供される。
【0041】
図2に示す例示の構造(又はコンフィギュレーション)において、1以上のリバース・フローリアクタ231を使用して、リフォーミング反応(又は改質反応)を行う。これは、アンモニア合成のための水素を提供するためのものである。リバース・フローリアクタ231は、サイクル・プロセス(又は循環プロセス)を行う。このとき、様々なインプット(又は投入又は入力)およびアウトプット(又は出力)は、個々のリアクタ(又は反応器)で起こるプロセスのステップ(又は工程)に依存する。リフォーミング・ステップの間、インプット・フロー232(メタンおよび/または天然ガス(および/または別の炭化水素)および必要に応じてスチーム(又は水蒸気)を含むフロー)を1以上のリバース・フローリアクタ231に導入する。これにより、Hを含むアウトプット・フローが生成される(又は発生する)。任意の水性ガスシフトプロセス(図示せず)および/または1以上の分離(又はセパレーション)(図示せず)を行った後、Hアウトプット・フロー235を生成することができる(又は発生させることができる)。リジェネレーション・ステップの間、エア(又は空気又は大気)および燃料(又はフューエル)を含むリジェネレーション・インプット・フロー202は、1以上のリバース・フローリアクタ231に送ることができる。必要に応じて、エア(又は空気又は大気)および燃料をセパレート・フロー・ストリーム(図示せず)として導入することができる。リジェネレーション・ステップによって、N、HOおよびCOを含む煙道ガス236を生成(又は製造)する。煙道ガス236は、1以上の分離ステージ(又はセパレーション・ステージ又は分離段階)で分離させることができる(290)。それにより、高純度の窒素ストリーム(又は窒素流)296、高純度のCOストリーム(又はCO流)295、およびHOを含むストリーム(又は流れ)299を生成(又は製造)することができる。
【0042】
アウトプット・フロー235は、メタネーション・ステージ241に送ることができる。メタネーション・ステージは、Hアウトプット・フロー235に存在するCOをいずれもCHに変換(又はコンバージョン)することができる。図2に示す例において、生じるメタン化されたH含有ストリーム246は、次いで、高純度の窒素ストリーム296とともに、アンモニア合成ステージ(又はアンモニア合成段階)251に送ることができる。アンモニア合成ステージ251は、都合のよい種類(又はタイプ)のアンモニア合成法(又はアンモニア合成プロセス)(例えば、ハーバー法(又はハーバー・プロセス(Haber process)))に対応(又は該当)してよい。必要に応じて、アンモニア生成物ストリーム(又はアンモニア・プロダクト・ストリーム又はアンモニア生成物流)256の少なくとも一部は、尿素合成ステージ261のためのインプット・フローとして使用することができる。それにより、尿素266を形成することができる。このような任意の態様において、高純度のCOストリーム295の一部(又は部分)262は、尿素合成ステージのためのインプットとしても使用することができる。
【0043】
図3は、図2で示す反応システム(又は反応系)のバリエーション(又は改変)を示す。ここでは、エア分離ユニット(又は空気分離ユニット)を使用して、リバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップに高純度の酸素ストリーム(又は酸素流)を提供する。図3において、リバース・フローリアクタ331は、リフォーミング・ステップの間にインプット・フロー332を受容する。適切な分離(又はセパレーション)および/または水性ガスシフト反応を行った後、H含有ストリーム335を形成(又は生成)することができる。
【0044】
リジェネレーション・ステップの間、リバース・フローリアクタ331は、燃料ストリーム(又は燃料流)303および酸素含有ストリーム(又は酸素含有流)372を受容することができる。図3は、燃料ストリーム303を示す。燃料ストリーム303は、リバース・フローリアクタ331に入る前に、酸素含有ストリーム372と一緒になる。しかし、他の態様では、燃料ストリーム303および酸素含有ストリーム372は、別々に導入することができる。酸素含有ストリームは、エア(又は大気又は空気)371をエア分離ユニット370に送ることによって、少なくとも部分的に製造(又は生成)することができる。酸素含有ストリーム372では、酸素含有量が上昇していてもよい。そうすることで、酸素含有ストリームの窒素含有量は、30vol%以下、または10vol%以下、または1.0vol%以下である。リジェネレーション・ステップの間において、リバース・フローリアクタ331に、減少または最小化した量の窒素を導入することから、生じる煙道ガス336は、主として、HOおよびCOを含むことができる。分離ステージ390を使用することができる。それによって、高純度のCOストリーム395から水399を分離することができる。
【0045】
図3に示す構成(又はコンフィギュレーション)において、メタネーション・ステップ(又はメタン化工程)241は、インプット(又は入力)として、H含有ストリーム335を受容することができる。また、高純度のNストリーム378をメタネーション・ステージ241に送ることもできる。図3に示す構成(又はコンフィギュレーション)において、尿素の製造が望ましい場合、高純度のCOストリーム395の少なくとも一部(又は部分)362をインプット・フローとして使用することができる。
【0046】
(リバース・フローリアクタの構成の例)
図1は、リバース・フローリアクタを含む反応システム(又は反応系)において、炭素の回収(又は捕捉又は捕獲)(又はカーボン・キャプチャ)を炭化水素のリフォーミング(又は改質)と統合(又は集合又はインテグレーション)するのに適した反応システム(又は反応系)の例を示す。図1に示す例において、反応システムは、複数(又はマルチ又はマルチプル)のリバース・フローリアクタを含んで成る。全部(又はトータル)で5個のリアクタを図1に示す。ただし、任意の都合のよい数のリアクタを使用できることが理解される。複数(又はマルチ又はマルチプル)のリアクタを使用することによって、反応生成物の連続的なストリームまたは実質的に連続的なストリームを精製所、化学プラントまたは他の設備(又はファシリティ)の下流の部分へのインプット(又は入力)として提供することができる。
【0047】
図1において、2つのリアクタ110は、反応サイクルのリジェネレーション部分におけるリアクタに対応(又は該当)している。2つのリアクタ130は、反応サイクルの吸熱反応(リフォーミング)の部分におけるリアクタに対応(又は該当)している。例えば、リアクタ130は、水蒸気改質(又はスチーム・リフォーミング)を行うことができる。リアクタ130において、スチームおよびメタン(および/または他の改質可能な有機物)のインプット・ストリーム(又は入力ストリーム又は入力流)132は、リフォーミングの流出物135に変換(又はコンバージョン)される。リアクタ120は、サイクルのリジェネレーション部分と反応部分との間にあるリアクタに対応(又は該当)している。あるいは、サイクルの各部分の長さに応じて、リアクタ120は、サイクルのリジェネレーション部分における別のリアクタまたはサイクルの反応部分における別のリアクタに対応(又は該当)することができる。図1に示すものは、ある時点でのシステムのスナップショットに対応(又は該当)するものであることが理解される。反応サイクルが連続する場合、個々のリアクタは、反応からリジェネレーション(又は再生)に進行し、そして再び反応に戻る。図2のリバース・フローリアクタ231および/または図3のリバース・フローリアクタ331は、必要に応じて、図1のリアクタ110、120および130に対応(又は該当)することができることに留意すべきである。
【0048】
リジェネレーションの間、燃料(又はフューエル)と酸化剤(又はオキシダント)の供給(又は供給物又はフィード)の混合物(又はフィード・ミクスチャ)102をリジェネレーション・ステップ(又は再生ステップ又は再生工程)のリアクタ(例えば、リアクタ(単数または複数)110)に送る。燃料および酸化剤の混合物(又はミクスチャ)102は、所望の圧力まで加圧することができ(103)、その後、リアクタ(単数または複数)110に送ることができる。燃料および酸化剤の供給(又は供給物又はフィード)102に加えて、リジェネレーション(又は再生)のリアクタ(又は反応器)も作動流体(又はワーキング・フルード)として煙道ガスを受容する。図1に示す構成(又はコンフィギュレーション)において、リアクタ(単数または複数)110からの煙道ガス115の第1部分162は、熱回収ステージ(又は熱回収段階又はヒート・リカバリ・ステージ)(例えば、廃熱ボイラ160)を通過させる。その後、圧縮して(163)、リサイクルした煙道ガスを、燃料および酸化剤の供給の混合物102と同じ圧力まで増加させて、その後、フロー(又は流れ)を一緒にする。煙道ガス・ストリーム(又は煙道ガス流)115の残りの部分165が反応システムから送り出される。これは、所望のレベルのガスを反応システムの内部で保持(又は維持)するためである。図1に示す例において、残りの部分165を分離ステージ190に送り、水199を除去する。これにより、高純度で高い圧力のCO含有ストリーム(又はCO含有流)195が生じる。
【0049】
図1において、フローパスは、リサイクル・ループに対応(又は該当)している。このフローパスは、煙道ガス115と、第1部分162と、ライン(第1部分162が燃料混合物102と一緒になるところ)に対応(又は該当)するものである。リサイクル・ループによって、リアクタ(単数または複数)110のリアクタ・インレット・エンド(又は反応器入口端部)と、リアクタ(単数または複数)110のリジェネレータ・インレット・エンド(又は再生器入口端部)との間に流体連通(又は流体連絡又はフルード・コミュニケーション)が提供される。流体連通は、断続的(又は間欠的)である。なぜなら、流体連通は、リジェネレーション・ステップの間にだけ提供されるからである。これは、例えば、バルブを適切に使用することによって管理することができる。
【0050】
燃料と酸化剤の供給の混合物(又はフィード・ミクスチャ)102は、燃料を酸素含有ストリーム172と一緒にすることによって形成することができる。例えば、酸素含有ストリーム172は、エア分離ユニット170によって生成(又は製造)される酸素が濃縮(又は豊富化またはエンリッチ)されたストリームであってよい。また、エア分離ユニット170は、窒素含有ストリーム179を生成(又は製造)することができる。窒素含有ストリームは、必要に応じて、電力を提供するためのタービン180のための作動流体188または希釈流体(又は希釈フルード)として使用することができる。タービン180からの電力は、例えば、エア分離ユニット170のための電力として使用することができる。燃料は、リフォーミングの流出物において、残りの成分(又はコンポーネント)からHを分離すること(又はセパレーション)に由来するテール・ガス157に少なくとも部分的に対応(又は該当)することができる。追加の燃料が必要になる程度まで、任意の都合の良い種類(又はタイプ)の炭化水素(例えば、メタンまたは天然ガス)を使用することができる。
【0051】
図1に示す構成(又はコンフィギュレーション)において、リアクタ(単数または複数)130から出た後、リフォーミングの流出物135を水性ガスシフト・リアクタ(又は水性ガスシフト反応器)140に送ることで、シフトされた合成ガス生成物(又は合成ガス・プロダクト)145を生成(又は製造)する。水性ガスシフト・リアクタ140を使用して、シフトされた合成ガス生成物145において、COに対するHのモル比(又はH/COのモル比又はH:COのモル比)を増加させることができる。リフォーミングの流出物135において、COに対するHのモル比(又はH/COのモル比またはH:COのモル比)は、典型的には、ほぼ3:1である。いくつかの態様において、水性ガスシフト・リアクタ140を使用して、シフトされた合成ガス生成物145を生成することができる。このとき、CO含有量は、減少または最小化されている。例えば、CO含有量は、5.0vol%以下、または3.0vol以下、または1.5vol%以下であり、例えば、実質的にCOを含まない含有量まで低下する(0.1vol%以下)。これは、H:COの比が8:1以上、または10:1以上であることに対応(又は該当)し得るものである。エア分離ユニットによって、酸素含有ストリーム172が形成(又は生成)されることから、シフトされた合成ガス生成物において、減少または最小化された量の希釈ガス(例えば、窒素)が含まれることに留意するべきである。他の態様において、より少ない量のCOの減少(又はリダクション)を行うことができる。このような態様において、シフトされた合成ガス生成物におけるCOに対するHの比(又はH/COの比またはH:COの比)は、4.0~10、または4.0~8.0であってよい。これによって、テール・ガス・ストリーム(又はテール・ガス流)157の燃料比(又はフューエル・バリュー)を増加させることができる。テール・ガス・ストリーム157は、リアクタ(単数または複数)110を再生(又はリジェネレーション)させるための燃料の一部(又は部分)として使用されるものである。
【0052】
シフトされた合成ガス生成物145は、次いで、1以上のスイング吸着リアクタ150を用いて分離することができる。そうすることで、水素が濃縮(又は豊富化又はエンリッチ)されたストリーム155と、テール・ガス157とを生成(又は製造)することができる。
【0053】
図1に示す例示の構成(又はコンフィギュレーション)において、スイング吸着リアクタ(単数または複数)150のアウトレット(又は出口)(単数または複数)は、テール・ガス・ストリーム157を排出し、リサイクル・ループと断続的(又は間欠的)な流体連通(又は流体連絡またはフルード・コミュニケーション)を成すことができる。このような断続的(又は間欠的)な流体連通は、例えば、バルブを適切に使用することによって管理することができる。
【0054】
(リジェネレーション・ステップの変更(又は改変又はモディフィケーション)-インプット・フローおよびリジェネレーションの操作条件(又は運転条件又は作動条件又はオペレーション条件)
昇温させて吸熱反応を行う場合(例えば、600℃以上、または800℃以上の温度)、リバース・フローリアクタおよび/または他のリアクタ(反応サイクルの様々なステージ(又は段階)において、反対方向(又は逆方向)のフロー(又は流れ)(又は逆流)を伴うリアクタ)が有用であってよい。第1の方向のフロー(又は流れ)は、燃焼フロー(又は燃焼流)、リジェネレーション・フロー(又は再生フロー又は再生流)、または燃料混合物(又はフューエル・ミクスチャ)とも呼ばれる場合があり、リアクタの内部の反応ゾーンの1以上の表面を所望の温度まで加熱するために使用することができる。次いで、所望の吸熱反応のための試薬(又はリエージェント)を反対方向のフロー(又は流れ)(又は逆流)を用いて送ることができる。リジェネレーション・ステップの間にリアクタの内部に保存される熱を使用して、所望の吸熱反応に熱を提供する。
【0055】
リバース・フローリアクタを作動(又は運転又は操作又はオペレーション)させる際のチャレンジ(又は挑戦)の1つは、リジェネレーション・ステップの間に熱の導入を管理(又はマネージメント)することである。リジェネレーション・ステップの間にリアクタに大量の熱を導入することによって、反応ステップの間に、その対応(又は該当)する吸熱反応の量を増加させることが可能になる。しかし、導入することができる熱の量は、需要によって規制されており、局所的な領域(又は面積又はエリア)での過剰な温度スパイクを回避している。例えば、1つの場所(又は位置又はロケーション)で過剰の燃焼が行われると、リアクタの構造材および/または内部の成分(又はコンポーネント)の最大温度を超えることになり得る。
【0056】
このような困難を克服するために、リジェネレーション・ステップの間に作動流体(又はワーキング・フルード)を燃料混合物の一部(又は部分)として導入することができる。また、リアクタは、リジェネレーションの間に加圧することができ、単位ボリューム(又は単位容量又は単位容積又は単位体積)当たりの作動流体の量を増加させることができる。作動流体は、燃焼の間に発生した熱の一部(又は部分)を吸収して、リアクタの内部の下流(リジェネレーション・ステップにおけるフロー(又は流れ)の方向に対して下流)の場所(又は位置又はロケーション)に熱を運ぶ。このことによって、任意の場所において最大の温度を低下させるとともに、リアクタに追加の熱を導入させることができる。したがって、リバース・フローリアクタのリジェネレーションの間において、インプット・フローは、燃料と、酸素含有ストリームと、作動流体とを組み合わせたものに対応(又は該当)することができる。様々な態様において、1以上の燃料、酸素含有ストリーム、および作動流体は、高圧のCO含有ガスが生成(又は製造)できるように変更(又は改変又はモディフィケーション)することができる。
【0057】
いくつかの態様において、リジェネレーション・ステップのリバース・フローリアクタにおいて使用する作動流体の相当(又は実質的)な部分は、窒素に対応(又は該当)する。このような部分は、比較的に低い熱容量のガス(又は気体)である。このような作動流体は、作動流体としてリサイクルされた煙道ガス(又はリサイクル煙道ガス)を用いることによって形成することができる。また、その一方で、燃焼のための酸素の供給源(又は酸素源)としてエア(又は大気又は空気)を使用する。このような構成(又はコンフィギュレーション)において、窒素は、50vol%以上のフロー(リジェネレーション・ステップの間にリアクタに入るフロー)に対応(又は該当)してよい。窒素のボリューム(又は容量又は容積又は体積)は、潜在的に、熱を発生させるために導入される燃料の量(ボリューム基準)と比較して、一桁(それ以上)大きくてよい。この大ボリュームの作動流体によって、リアクタの内部で相当(又は実質的)な圧力の低下(又は圧力ドロップ)を生じさせることができる。これは、圧縮のための作動コスト(又は運転コスト又は操作コスト又はオペレーション・コスト)の増大をもたらす。より大きなリアクタのサイズ(又は寸法又は大きさ)は、圧力の低下(又は圧力ドロップ)を軽減することができる。しかし、このようなリアクタのサイズ(又は寸法又は大きさ)の増加によって、他の処理が困難になる場合がある。さらに、精製所でのリアクタのフットプリント(又は面積)を増大させることは、典型的には、望ましい結果を少なくする。
【0058】
燃焼のための酸素の供給源(又は酸素源)としてエア(又は空気又は大気)を使用する代わりに、いくつかの他の態様では、燃焼のための酸素の供給源(又は酸素源)は、酸素含有ストリームに対応(又は該当)することができる。酸素含有ストリームは、実質的にエア(又は空気又は大気)よりも少ない窒素および/または実質的にエア(又は空気又は大気)よりも多い酸素を含む。例えば、酸素含有ストリームを使用することができ、この酸素含有ストリームは、30vol%以上、または50vol%以上、または70vol%以上の酸素を含む(例えば、最大で、実質的に酸素から構成されている(最大で100vol%の酸素、または0.5vol%未満の他の成分(又はコンポーネント))。追加的または代替的なものとして、酸素含有ストリームの窒素含有量は、30vol%以下、または15vol%以下、または10vol%以下、または1.0vol%以下であってよい(例えば、窒素を実質的に含まない含有量まで低下してよい(0.1vol%以下))。エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)は、酸素含有ストリームを生成(又は発生)させることができる。酸素含有ストリームは、増加した酸素含有量および/または減少した窒素含有量を有する。
【0059】
燃焼環境に存在する窒素の量を減少させることによって、煙道ガスの窒素の量も対応(又は該当)して減少することになる。結果として、リジェネレーション・ステップの第2の変更(又は改変又はモディフィケーション)は、減少または最小化した量の窒素を含む作動流体を使用することであってよい。
【0060】
作動流体がリサイクルされた煙道ガス(又はリサイクル煙道ガス)に対応(又は該当)することから、その前のサイクルからの燃焼生成物(又は燃焼プロダクト)が作動流体に含まれている。このことは、作動流体がCOとHOの両方を含んでよいことを意味する。様々な態様において、作動流体は、20vol%以上、または25vol%以上、または30vol%以上、または40vol%以上のCOを含むことができる(例えば、最大で100vol%)。いくつかの態様において、作動流体は、20vol%~60vol%、または25vol%~60vol%、または30vol%~60vol%、または20vol%~50vol%、または25vol%~70vol%のCOを含むことができる。必要に応じて、作動流体は、10vol%以上、または20vol%以上、または40vol%以上のHOを含むことができる(例えば、最大で70vol%のHO、または、可能であれば、さらにより多くのHO)。望ましい場合、水分離ステップ(又は水分離工程)は、煙道ガスのリサイクル・ループの一部(又は部分)として含ませることができる。それにより、作動流体におけるHOの量を減少させることができる。いくつかの態様において、作動流体は、95vol%~100vol%、または98vol%~100vol%のCOおよびHOを含むことができる。作動流体が、全体として、メタンの理論量(又は化学量論)の燃焼から形成(又は生成)される燃焼生成物(又は燃焼プロダクト)に対応(又は該当)する場合、このような作動流体は、約33vol%のCOおよび約67vol%のHOの組成(又は組成物又はコンポジション)を有することに留意するべきである。この態様によると、作動流体は、15vol%以下、または10vol%以下、または5vol%以下、または2.0vol%以下のNを含むことができる(例えば、Nを実質的に含まない含有量まで低下してよい(0.1vol%以下))。これは、リバース・フローリアクタにおいて、炭化水素(類)をリフォーミング(又は改質)するための構成(又はコンフィギュレーション)(エア(又は空気又は大気)を使用して、リジェネレーションの間に酸化剤(又はオキシダント)を提供する構成)とは対照的である。このような態様において、40vol%以上の作動流体がNに対応(又は該当)することができる。
【0061】
いくつかの態様において、リジェネレーション・ステップのための燃料は、従来の炭化水素燃料(例えば、メタンまたは天然ガス)に対応(又は該当)することができる。他の態様において、この燃料は、炭化水素燃料(例えば、メタン)と、リサイクルされたテール・ガス(リフォーミングの流出物の分離(又はセパレーション)からのもの)との混合物に対応(又は該当)することができる。リサイクルされたテール・ガスが燃料の一部として含まれる場合、生じる燃料混合物(燃料+作動流体+酸素含有ガス)は、2.0vol%以上、または5.0vol%以上、または8.0vol%以上のCOを含むことができる(例えば、最大で15vol%のCO、または、可能であれば、さらにより多くのCO)。リサイクルのためのテール・ガスは、例えば、スイング吸着器(又はスイング吸着装置又はスイング・アドソーバ)を用いて、リフォーミングの流出物から、水素を分離することによって形成(又は生成)することができる。
【0062】
リジェネレータに対するインプット・フローの窒素含有量を減少または最小化することによって、実質的により高い圧力でリジェネレーションを行うことを促進することができる。従来では、リバース・フローリアクタでのリジェネレーションは、対応(又は該当)の吸熱反応を行うための所望の圧力と同様の圧力で行うものである。リフォーミングにリバース・フローリアクタを用いる場合、これは、0.5MPa-g~3.0MPa-gの圧力でリジェネレーションを行うことに対応(又は該当)することができる。相当(又は実質的)な量のNを含むリサイクルされた煙道ガスを用いて、より高圧でリジェネレーションを操作(又は運転又は作動又はオペレーション)することは、圧縮コストの望ましくない増加を必要とする。これは、大ボリュームのNに起因するものであり、このような大ボリュームのNは、Nの低い熱容量を補償するために必要なものである。作動流体が減少または最小化された量のNを含むいくつかの態様において、リジェネレーション・ステップは、0.5MPa-g~7.0MPa-g、または0.7MPa-g~7.0MPa-g、または1.4MPa-g~7.0MPa-g、または3.4MPa-g~7.0MPa-gの圧力に対応(又は該当)する燃焼条件を用いて行うことができる。他の態様において、より高い圧力の燃焼条件(例えば、0.7MPa-g~15MPa-g、または1.4MPa-g~15MPa-g、または3.4MPa-g~15MPa-g、または7.5MPa-g~15MPa-gの燃焼圧力)を使用することができる。
【0063】
高い圧力のリジェネレーション/燃焼の条件でリジェネレータ(又は再生装置又は再生器)を操作(又は運転又は作動又はオペレーション)させると、いくつかの利点(またはアドバンテージ)を得ることができる。
第1に、高い圧力の作動(又は運転又は操作又はオペレーション)は、リバース・フローリアクタの内部での熱移動(又は熱伝達又はヒート・トランスファ)を促進させることができる。それにより、リジェネレーション後により均一に分布した熱プロファイルを得ることができる。
第2に、COおよびHOを主として含む高圧の煙道ガスを形成(又は生成)することによって、煙道ガスの一部(又は部分)は、隔離(又は捕捉又はセクエストレーション)するためのCOストリームとして、または他の用途(最小限の追加処理の後)に使用することができる。
【0064】
リアクタを通過させた後、リジェネレータからの煙道ガスは、圧縮されて、煙道ガスをリジェネレーションのための作動流体として使用するための圧力まで戻すことができる。圧縮の前または後において、CO含有生成物ストリーム(又はCO含有生成物流又はCO含有プロダクト・ストリーム)として、煙道ガスの一部(又は部分)を分離することができる。CO含有生成物ストリーム中の水は、CO含有生成物ストリームを冷却することによって除去することができる。例えば、熱交換によって除去することができる。連続フロー運転(又は連続フロー操作又は連続フロー・オペレーション)において、CO含有ストリームの圧力を大まかに維持(又は保持)しながら、これを行うことができる。これによって、CO含有ストリームを得ることができる。このCO含有ストリームのCO含有量は、80vol%以上、または90vol%以上、または95vol%以上である(例えば、最大で、実質的にCOのみを含む(0.1vol%未満の他の成分(又はコンポーネント)、または99.9%以上のCO))。次いで、CO含有ストリームは、隔離(又は捕捉又はセクエストレーション)のプロセスに送ることができる。あるいは、CO含有ストリームは、COを使用するプロセスのためのインプット(又は入力)として使用することができる(例えば、ドライアイスの製造または炭化水素の抽出サイトへの注入(又はインジェクション))。概して、COの隔離および/または使用は、おおよそ7.0MPa-g以上、または14MPa-g以上の圧力で行う(例えば、最大で20MPa-gの圧力、または、可能であれば、さらにより高い圧力)。したがって、昇圧でリバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップを操作(又は運転又は作動又はオペレーション)することによって、高圧での操作(又は運転又は作動又はオペレーション)の熱移動の利点(又はベネフィット)を実現させることができる。また、その間、さらなる使用(又は用途)に望ましい圧力でCO含有ストリームを生成(又は製造)することができる。
【0065】
上記の利点(又はアドバンテージ)に加えて、リジェネレーション・ステップの間に、より大きな熱容量(又はヒート・キャパシティ)のガス(又は気体)を希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント(diluent))として使用することによって、600℃以上の温度での燃焼反応のラミナー・フレーム・スピード(又は層状の火炎(又はフレーム)の速度又は層流火炎速度)の予想外の低下をもたらし得ることが発見された。より大きなラミナー・フレーム(又は層状の火炎(又はフレーム))の速度(又はスピード)は、より速い燃焼に対応(又は該当)している。リジェネレーション・ステップの間において、燃焼反応のラミナー・フレーム(又は層状の火炎(又はフレーム))の速度(又はスピード)を減少させることによって、燃焼反応が生じるリアクタ(又は反応器)の内部において、距離(又は間隔又はディスタンス)を広げることができる。このように燃焼領域を拡大することによって、600℃以上、または700℃以上、または800℃以上の温度(例えば、最大で1500℃の温度、または、可能であれば、さらにより高い温度)で燃焼が行われるとき、最大の温度を予想外にさらに減少させることができる。いくつかの態様において、希釈物に大きな熱容量のガスを添加することによって、ラミナー・フレーム(又は層状の火炎(又はフレーム))の速度(又はスピード)(600℃以上、または700℃以上、または800℃以上の温度での速度)を100cm/s以下、または75cm/s以下にまで減少させることができる。ラミナー・フレーム(又は層状の火炎(又はフレーム))の速度(又はスピード)が減少することは、より高い熱容量のガスによる改善されたラジカル・クエンチ(又はラジカル・クエンチング)に部分的に起因し得ることに留意するべきである。
【0066】
(リフォーミングの流出物の処理-水性ガスシフトおよびスイング吸着)
いくつかの態様において、リジェネレーション・ステップのための燃料混合物に対する変更(又は改変又はモディフィケーション)の1つは、リフォーミング(又は改質)の流出物の分離(又はセパレーション)からのテール・ガスを添加することによって、燃料を変更(又は改変又はモディフィケーション)することであってよい。このような態様において、リフォーミング(又は改質)の流出物の処理および分離も変更(又は改変又はモディフィケーション)することができる。それにより、CO含有量が増加したテール・ガスを提供することができる。
【0067】
アンモニア合成プロセスの一部(又は部分)として、炭化水素のリフォーミング(又は改質)が行われるとき、水素が望ましいアウトプット(又は出力)であるが、炭化水素のリフォーミング反応(又は改質反応)の性質によっても酸化炭素が生成(又は製造)される。典型的には、酸化炭素は、COとCOとの混合物である。COに対するCOの比(又はCO/COの比又はCO:COの比)は、リフォーミングの流出物を適切な条件下で水性ガスシフト触媒に続けて曝すことによって、少なくとも部分的に選択されている。いくつかの態様において、水素がリフォーミングからの望ましいアウトプット(又は出力)である場合、流出物をシフトさせることができ、それにより、Hの生成(又は製造)を増加または最大化することができる。また、これによって、COの生成(又は製造)が増加することになる。次いで、分離(又はセパレーション)を行うことができ、それにより、高純度のHストリームと、1以上の残りの部分(COを含む)とを提供することができる。
【0068】
他の態様において、燃料に添加するテール・ガスの一部(又は部分)として、リフォーミングの流出物からの酸化炭素をリジェネレーションのためのインプット・フローに添加することができる。このような態様において、水性ガスシフト反応の間に追加のCOを保持(又は維持)することが望ましい場合がある。そのため、テール・ガスは、増加したCO含有量を有する。テール・ガスは、例えば、スイング吸着(例えば、圧力スイング吸着)を用いて、リフォーミングの流出物から水素を分離することによって形成(又は生成)することができる。
【0069】
リフォーミングの後、リフォーミングの流出物は、まず(又は第1に)、水性ガスシフト触媒に曝露させることができる。これは、リフォーミングの流出物において、COに対するHの比(又はH/COの比又はH:COの比)を変更(又は改変又はモディフィケーション)するためである。水性ガスシフト反応は、速い平衡反応である。理論量(又は化学量論)の水性ガスシフト反応を式(I)に示す。
【0070】
【数3】
【0071】
概して、水性ガスシフト反応は、250℃以上の温度で行うことができる。様々な触媒が利用可能である。触媒は水性ガスシフト反応に活性を与えるものである。リフォーミング活性を有する触媒(例えば、ニッケルまたはロジウムをベースとする触媒)は、典型的には、水性ガスシフト反応への活性も有する。他の遷移金属(例えば、鉄および銅)が水性ガスシフト反応に対する活性を有することもできる。
【0072】
従来では、Hの生成(又は製造)の間において、水性ガスシフト反応のための条件は、典型的には、リフォーミングの流出物において、COの濃度を約90%減少させるために選択する。例えば、リフォーミングの間に過剰のスチーム(又は水蒸気)を導入することによって、および/または、水性ガスシフト触媒にリフォーミングの流出物を曝露させるときに過剰のスチーム(又は水蒸気)を使用することによって、COを消費して、HおよびCOの製造に向けて、平衡を動かすことができる。典型的には、これを行うことによって、リフォーミングの流出物において、Hの量が最大になる。いくつかの態様において、このような従来の水性ガスシフト反応の条件を使用することができる。そうすることで、リフォーミングの流出物のH含有量を増加させて、シフトされた合成ガス生成物(又はシフトされた合成ガス・プロダクト)を形成(又は生成)することができる。このような態様において、シフトされた合成ガス生成物は、5.0vol%以下、または3.0vol%以下、または1.5vol%以下のCO含有量を含むことができる(例えば、COを実質的に含まない含有量まで低下することができる(0.1vol%以下))。これは、H:COの比(又はCOに対するHの比、又はH/COの比)が8:1以上、または10:1以上に対応(又は該当)させることができる。
【0073】
他の態様において、圧力スイング吸着の前の水性ガスシフト反応を操作(又は運転又は作動又はオペレーション)することができる。それにより、シフトされた合成ガス生成物において、COの濃度を40%~80%、または50%~80%、または50%~70%減少させることができる。このような態様において、水性ガスシフトの後、シフトされた合成ガス生成物に残存するCOは、スイング吸着の間にCOとともに分離することができる。このことは、スイング吸着の後、テール・ガスにおいて、炭素のネット(net)の量を実質的に変更しない。その一方で、このことによって、より大量のCOを含ませることで燃料比(又はフューエル・バリュー)が増加する。テール・ガスにおいて、COの量を増加させることによって、リジェネレーション・ステップにおいて使用される他の燃料の量を対応(又は該当)する量だけ減少させることができる。このような態様において、シフトされた合成ガス生成物におけるCOに対するHの比(又はH/COの比又はH:COの比)は、4.0~10、または4.0~8.0であってよい。
【0074】
圧力スイング吸着(PSA)は、スイングまたはサイクルの圧力(値の範囲にわたる吸着剤(又は吸着材又はアドソーベント)の床(又はベッド)での圧力)に依存する。PSAプロセスにおいて、固体の吸着剤の第1の床(又はベッド)において、一定の期間にわたって、圧力下(又は加圧下)でガス状の混合物を処理する。吸着剤は、1以上の成分(又はコンポーネント)(通常は、汚染物(又は汚染物質又はコンタミナント)としてみなされるもの)に対して、選択性または比較的に選択性である。これらの成分は、ガス状の混合物から除去する。例えば、供給(又は供給物又はフィード)を供給圧力(又は供給物圧力又はフィード・プレッシャー)でPSA装置に導入することができる。供給圧力(又は供給物圧力又はフィード・プレッシャー)において、供給物(又は供給又はフィード)における1以上の成分(又はコンポーネント)(ガス(又は気体))を選択的(または比較的に選択的)に吸収(又は吸着)させることができる。その一方で、1以上の他の成分(又はコンポーネント)(ガス(又は気体))をより少ない吸着または最小の吸着で通過させることができる。選択的に吸収(又は吸着)される成分(又はコンポーネント)(ガス(又は気体))は、供給(又は供給物又はフィード)の「重質(又はヘビー)」な成分(又はコンポーネント)(又はヘビー・コンポーネント)と呼ぶことができる。選択的に吸収(又は吸着)されないガス(又は気体)は、供給(又は供給物又はフィード)の「軽質(又はライト)」な成分(又はコンポーネント)(又はライト・コンポーネント)と呼ぶことができる。便宜上、供給(又は供給物又はフィード)の「重質(又はヘビー)」な成分(又はコンポーネント)と呼ぶ場合、他に具体的に記載されていない限り、選択的に吸収(又は吸着)される全ての成分(又はコンポーネント)(ガス)を指すことができる。同様に、「軽質(又はライト)」な成分(又はコンポーネント)と呼ぶ場合、他に具体的に記載されていない限り、選択的に吸収(又は吸着)されない全ての成分(又はコンポーネント)(ガス)を指すことができる。一定の期間の後、PSA装置への供給フロー(又は供給物フロー又はフィード・フロー)を停止することができる。供給フローは、予め決められたスケジュールに基づいて停止することができる。あるいは、供給フローは、1以上の重質な成分のブレークスルーの検出に基づいて停止することができる。あるいは、供給フローは、少なくとも、吸収剤(吸着剤)の全容量(又はトータル・キャパシティ)の閾値(又はスレショールド)の割合(又はパーセンテージ(%))に対応(又は該当)する重質な成分(又はコンポーネント)(単数または複数)の吸収(又は吸着)に基づいて停止することができる。あるいは、供給フローは、任意の他の都合のよい基準に基づいて停止することができる。次いで、リアクタ内の圧力は、脱着(又は脱離)の圧力まで減少させることができる。このような圧力によって、選択的に吸収(吸着)された成分(又はコンポーネント)(単数または複数)(ガス(又は気体)(単数または複数))を吸収剤(吸着剤)から解放(又は放出)させることができる。必要に応じて、圧力を減少させる前、圧力を減少させる間および/または圧力を減少させた後に1以上のパージ・ガス(例えば、スチーム(又は水蒸気))を使用することができる。それにより、選択的に吸収(吸着)された成分(又はコンポーネント)(単数または複数)(ガス(又は気体)(単数または複数))の解放(又は放出)を促進することができる。その性質に基づいて、完全なPSAのサイクルは、必要に応じて、ほぼ一定の温度で行うことができる。PSAは、通常、少なくとも吸着によって可能になり、通常は、ガス状の成分で生じるので、用語「吸着」/「吸着剤」および「ガス(又は気体)(単数または複数)」は、範囲の制限を意図することなく、本明細書および特許請求の範囲に記載される通りに使用する。ただし、「吸着」/「吸着剤」/「吸収剤」/「吸収」および「成分(又はコンポーネント)(単数または複数)」は、より一般的に適用可能であってよい。
【0075】
様々な態様において、リフォーミングの流出物は、圧力スイング吸着プロセスのためのインプット・フローとして使用することができる。合成ガスは、H、HO、COおよびCOを含むことができる。このような態様において、HO、COおよびCOは、重質(又はヘビー)な成分(又はコンポーネント)に対応(又は該当)することができる。その一方で、Hは、軽質(又はライト)な成分(又はコンポーネント)に対応(又は該当)することができる。これは、スイング吸着器(又はスイング吸着装置又はスイング・アドソーバ)において市販の入手可能な吸着剤を用いて達成することができる(例えば、Air Products and Chemicals、Allentown、PAから入手可能な吸着剤)。軽質な成分(H)は、最初の生成物ストリーム(又はプロダクト・ストリーム)として、吸着器(又は吸着装置又はアドソーバ)を通過させることができる。吸着された成分は、圧力スイング・プロセスを使用して脱着(又は脱離)させることができる。それにより、前に吸着した成分を含むテール・ガスを形成することができる。この態様に基づいて、Hの一部(又は部分)は、脱着(又は脱離)の間のスウィープ・ガスの一部(又は部分)として使用することができる。それにより、次の吸着サイクルのための吸着剤を準備(又は調製)することができる。必要に応じて、COおよび/またはCOをさらに除去することが望ましい場合、圧力スイング吸着の前および/または圧力スイング吸着の後において、COおよび/またはCOの追加の吸着を行うことができる。追加の吸着によって除去される成分(又はコンポーネント)は、いずれも、必要に応じて、スイング吸着プロセスからのテール・ガスに添加することができる。
【0076】
完全な圧力スイング吸着サイクルは、最小限として、吸着ステージ(又は吸着段階)(インプット・フローから1以上の成分(又はコンポーネント)を吸着するためのステージ(又は段階))と、脱着ステージ(又は脱着段階)(吸着された成分(又はコンポーネント)を除去することによって、吸着剤を再生(又はリジェネレーション)するステージ(又は段階))とを含む。連続式または半連続式のアウトプット・フローを提供するために、複数の吸着剤の床(又はべッド)を使用することができる。複数(又はマルチ)の床(又はべッド)を使用することによって、完全なサイクルを可能にすることができる。完全なサイクルでは、典型的には、それぞれの床(又はべッド)が同じサイクルを順次に通過する。第1のPSAリアクタは、リアクタ内の吸着剤が十分に飽和になるなどの条件を満たす場合、供給フロー(又は供給物フロー又はフィード・フロー)は、第2リアクタにスイッチすることができる。次いで、第1のPSAリアクタは、吸着されたガス(又は気体)を解放(又は放出)することによって、再生(又はリジェネレーション)することができる。連続的な供給フローを可能にするために、十分な数のPSAリアクタおよび/または吸着剤の床(又はベッド)を使用することができる。そのため、リアクタをスイッチ(又はスイッチング)するための条件を満たす少なくとも1つの他のPSAリアクタの前に第1のPSAリアクタの再生(又はリジェネレーション)が終了する。
【0077】
分離(又はセパレーション)を行うために、リフォーミング(又は改質)の流出物の少なくとも一部をPSAリアクタに導入することができる。重質な成分(又はヘビー・コンポーネント)の吸着を促進させるために、リフォーミングの流出物をPSAリアクタに導入する前にリフォーミングの流出物を冷却することができる。行われる冷却の量に応じて、リフォーミングの流出物は、それがPSAリアクタに入るとき、10℃~150℃、または10℃~100℃、または20℃~150℃、または20℃~100℃の温度を有することができる。リフォーミングの流出物の圧力は、それがPSAリアクタに入るとき、10bar-a(約1.0MPa-a)~60bar-a(約6.0MPa-a)、または15bar-a(約1.5MPa-a)~50bar-a(約5.0MPa-a)、または20bar-a(約2.0MPa-a)~60bar-a(約5.0MPa-a)、または10bar-a(約1.0MPa-a)~40bar-a(約4.0MPa-a)、または10bar-a(約1.0MPa-a)~30bar-a(約3.0MPa-a)であってよい。
【0078】
供給(又は供給物又はフィード)を別のPSAリアクタにスイッチングするか、あるいは、そうでなければ、フィード・ガスのフローを停止するために、1以上の予め決められた基準が満たされるまで、供給(又は供給物又はフィード)は、PSAリアクタを通過させることができる。任意の都合のよい予め決められた基準を使用することができる。例えば、供給物(又は供給又はフィード)は、特定の期間にわたって、リアクタを通過させることができる。追加的または代替的なものとして、供給物(又は供給又はフィード)は、生成物(又はプロダクト)のHストリームにおいて、ブレークスルー量のCO、COおよび/またはHOが検出されるまで、リアクタに送ることができる。さらに、追加的または代替的なものとして、反応器に入ったCOおよび/またはHOの量がリアクタの吸着能力(又は吸着キャパシティ又はアドソーベント・キャパシティ)の閾値(又はスレショールド・バリュー)にほぼ等しくなるまで、供給物(又は供給又はフィード)をリアクタに送ることができる。このような状況において、例えば、リアクタに入ったHOおよび/またはCOの量がリアクタの吸着剤の材料の吸着能力(又は吸着キャパシティ又はアドソーベント・キャパシティ)の75%以上、または80%以上、または85%以上、または90%以上に等しくなるまで(例えば、最大で、100%、または、可能であれば、なおさらに高い)、供給物(又は供給又はフィード)をリアクタに送ることができる。典型的なSPAサイクルは、約30秒~約300秒(例えば、約60秒~約120秒)にわたって、供給物(又は供給又はフィード)をリアクタに導入することを含んでよい。
【0079】
1以上のパージ・ガスのフローを使用することができる。それにより、吸着されたCO、HOおよびCOをリアクタから除去することができる。1つの選択肢(又はオプション)は、水素含有バージを使用することを含むことができ、それにより、吸着された成分(又はコンポーネント)を脱着(又は脱離)させるのをアシスト(又は支援)することができる。
【0080】
別の態様において、吸着剤の粒子をモノリスなどの秩序構造(又は規則構造又はオーダード・ストラクチャ)に構成する(又は組み立てる)ことができる。従来のモノリス(型)の吸着剤(又は吸着材又はアドソーベント)は、それ自体が特徴的な利点(又はアドバンテージ)および不利な点(又はディスアドバンテージ)を有する。不利な点の1つは、とりわけ、モノリスが比較的に小さな直径のポア(又は細孔又は孔)を有する場合(コーティング溶液がポアのエントランス(又は入口)を詰まらせる場合があり、コーティング材料のさらなる進入を妨げる場合がある)、吸着剤の薄く比較的に均一なウォッシュコートを基材上(又はサポート上)に形成(又は生成)することが難しいことである。このような場合において、モノリスの吸着剤の特性は、予測不可能であり、最適ではないようである。この欠点を克服するために、モノリスの利点(その低い曲がり(又はねじれ)および予測可能な空隙容量(又はボイド容量又はボイド・ボリューム)を含む)を特定の範囲まで保持(又は維持)しながら、特定の吸着剤(又は吸収材)を好ましくはシミュレーションされたモノリス(又はシミュレーション・モノリス(simulated monolith))に形成(又は生成)することができる。このような形成(又は生成)は、粒子の表面に吸着材料(又は吸着剤材料又はアドソーベント・マテリアル)の層を配置し(又は寝かせて)、次いで、粒子を吸着剤の床(又はベッド)に構成する(又は組み立てる)ことによるものである。例えば、密に充填した床(又はベッド)において、吸収容器(又は吸着容器又はソープション・ベッセル)に直接的に充填することによるものである。あるいは、より好ましくは、成形された構造に、コーティングされて構造体化された吸着剤の粒子を形成(又は生成)することによるものである。このような成形された構造は、次いで、ブロックの形態で容器に充填することができる。モノリスのブロックと同様の形態である。実際、モノリス製造の従来の方法は、逆(又は反対)にすることができる。次いで、このようなコーティングされた粒子から、支持体粒子(又はサポート粒子)の外側にコーティングされた吸着剤およびモノリス様の構造を構成することができる(又は組み立てることができる)。このようにして、必須の吸着剤のより均一なコーティングが達成され得るだけでなく、シミュレーションされたモノリスのポア構造(又は細孔構造又は孔構造)は、様々な形状(又はシェイプ)および表面の粗さ(又はラフネス)を有する粒子を使用することによって、制御(又は管理又はコントロール)することができる。このような様式(又は方法)で操作(又は運転又は作動又はオペレーション)するとき、吸着剤粒子の長さ:最大の断面の寸法(又は大きさ又は次元又はディメンション)の比(又は最大の断面の寸法に対する長さの比又は長さ/最大の断面の寸法の比)は、少なくとも2:1の比、好ましくは少なくとも5:1の比であるべきである。最大の断面の寸法(又は大きさ又は次元又はディメンション)は、典型的には、5mm以下であり、例えば1mm以下である。粒子を長手軸方向に広がる秩序のある(又は規則正しい)構成(又はコンフィギュレーション)で配置した後(又は寝かせた後)(ガス・チャネルに実質的には整列(又はアライメント)している)、次いで、粒子をマス(又は塊)として一緒に結束/結合させることができる。それにより、コヒーレントでセルフ・サポートの本体(又はボディ)を形成(又は生成)することができる。次いで、所望の配向(又はオリエンテーション)で整列(又はアライメント)しているガス通路(又はガス・パッセージ)とともに、このマス(又は塊)を容器に配置することができる。そうすることで、秩序のある(又は規則正しい)吸着剤の床(又はベッド)を形成(又は生成)することができる。吸着剤における空隙率(又はボイド率又はボイド・フラクション)は、0.5未満、または0.3未満であるべきである。ここで、空隙率とは、吸着剤を含む容器のボリューム(又は容量又は容積又は体積)に対する、固体の吸着剤の多孔性(又はポロシティ)(ミクロポアおよびマクロポアを含む)に起因する空隙(又はボイド)のボリューム(又は容量又は容積又は体積)ならびにガス・フロー・チャネルまたは間隙(又は割れ目)に起因する空隙(又はボイド)のボリューム(又は容量又は容積又は体積)の比である。
【0081】
(リバース・フローリアクタの構成の例)
昇温で操作(又は運転又は作動又はオペレーション)される吸熱反応(例えば、炭化水素のリフォーミング(又は改質))では、リバース・フローリアクタによって、適切な反応環境を提供することができる。それにより、吸熱反応のための熱を提供することができる。
【0082】
リバース・フローリアクタでは、リアクタ(又は反応器)の中間(又はミドル)において、高温の熱気泡(ヒート・バブル)を作成(又は形成)することによって、吸熱反応に必要な熱を提供してよい。次いで、2ステップ(又は2工程)のプロセスを使用することができる。2ステップ(又は2工程)のプロセスでは、(a)現場(又はその場又はインサイチュ(in-situ))での燃焼によって、リアクタの床(又はベッド)(単数または複数)またはモノリス(単数または複数)を加熱し、次いで、(b)吸熱プロセス(例えば、リフォーミング(又は改質)、熱分解または水蒸気分解(又はスチーム・クラッキング))を介して、現場(又はその場又はインサイチュ(in-situ))で床(又はベッド)から熱を除去する。このタイプ(又は種類)の構成(又はコンフィギュレーション)は、このような条件に長期間にわたって耐えることができるリアクタの領域(単数または複数)において、高温の泡(又はバブル)を一貫して管理する能力および制限する能力(又は閉じ込める能力)を提供することができる。リバース・フローリアクタのシステムによって、主要な吸熱および再生(又はリジェネレーション)のプロセスを実質的に連続した様式(又は方法)で行わせることができる。
【0083】
例として、リバース・フローリアクタのシステムは、第1リアクタと第2リアクタとを含むことができる。第1リアクタおよび第2リアクタは、共通の流路(又はフロー・パス)に関して、必要に応じて(しかし、好ましくは)、共通の軸に沿って、互いに連続(又は直列)の関係で配向されている。共通の軸は、平行、垂直、またはそれ以外であってよい。他の例として、リバース・フローリアクタのシステムは、1つのリアクタ(又はシングル・リアクタ)に対応(又は該当)することができる。このリアクタは、リアクション・ゾーン(又は反応ゾーン)とレキュペレーション・ゾーン(又は回復ゾーン)の両方を含むものである。リジェネレーション・ステップの間において、反応物(又は反応物質又はリアクタント)(例えば、燃料および酸素)は、リアクション・ゾーンで一緒にすることができ、またはリアクション・ゾーンで混合することができ、それにより、そのなかで燃焼させることができる(現場(又はその場又はインサイチュ(in-situ)))。そして、リアクタ・システムの中間(又はミドル)の部分の内側で高温のゾーンを生成(又は形成)するか、熱気泡(又はヒート・バブル)を生成(又は形成)することができる。熱気泡(又はヒート・バブル)は、吸熱反応の少なくともほぼ最初(又は開始)の温度で、ある温度に対応(又は該当)することができる。典型的には、熱気泡(又はヒート・バブル)の温度は、吸熱反応の最初(又は開始)の温度よりも高い温度であってよい。なぜなら、この温度は、リアクタの中間(又はミドル)の部分における熱気泡(又はヒート・バブル)から、リアクタの端部(又はエンド)に熱が移動するにつれて、温度が減少するからである。いくつかの態様において、このように合わせることは、反応物を混合する反応物ミキサ(又はリアクタント・ミキサ)によって促進させることができる。それにより、所望の場所(又は位置又はロケーション)において、実質的に完全な燃焼/反応を促進させることができる。このようなミキサは、必要に応じて、第1リアクタと第2リアクタとの間に配置されてよい。燃焼プロセスは、長く十分な期間にわたって、進行することができる。このような長く十分な期間において、第1リアクタを通過する第1および第2の反応物のフローも反応によって生成(又は形成)される熱(所望の場合)(例えば、熱気泡(又はヒート・バブル)の相当(又は実質的)な部分を第2リアクタに移すことに役立っている(第2リアクタを少なくとも部分的に通って入っている)。しかし、好ましくは、第2リアクタを通る方法(又は道(又はウェイ))の全てではなく、それにより、廃熱および第2リアクタの過熱を減少または最小にしている。例えば、この熱は、第2リアクタおよび/またはリアクタの吸熱反応のためのリアクション・ゾーンの1以上の表面に移される。第2リアクタを通して煙道ガスを排出してよい。しかし、好ましくは、熱のほとんどが第2リアクタ内に保持(又は維持)されている。また、リジェネレーション・ステップの間に第2リアクタに移される熱の量は、所望の曝露時間または吸熱反応の環境において炭化水素の供給ガス(又はフィード・ガス)が有する空間速度(又はスペース・ベロシティ)によって、制限または決定することができる。また、1つのリアクタ(又はシングル・リアクタ)を使用する態様において、反応によって生成(又は形成)される熱は、リアクタの燃焼ゾーンに移すことができるか、そして/またはリアクタの燃焼ゾーンを少なくとも部分的に通過させることができる。しかし、好ましくは、このような熱の移動は、リアクタから出る加熱されたガス(又は気体)に起因する廃熱を減少または最小にすることもできる。
【0084】
第2リアクタのメディア(又は媒体)(1以上の表面を含むことができるか、そして/または、1以上の表面に対応(又は該当)することができるものであって、吸熱反応のための触媒を含むもの)を再生(又はリジェネレーション)または加熱(又はヒーティング)した後、次のステップ(又は工程)またはサイクル/逆(又はリバース)のステップ(又は工程)またはサイクルにおいて、吸熱反応のための反応物は、加熱ステップ(又は加熱工程)の間のフローの方向とは反対の方向で、第2リアクタを通して供給または流すことができる。例えば、リフォーミング・プロセスにおいて、メタン(および/または天然ガスおよび/または別の炭化水素)を供給することができるか、または第2リアクタを通して流すことができる。メタンは、熱い第2リアクタおよびミキサのメディア(又は媒体)と接触することができる。そうすることで、熱気泡の領域(又はヒート・バブル領域)において、反応のためのエネルギーとして、熱をメタンに移すことができる。
【0085】
いくつかの態様に関して、リバース・フローの再生可能(又はリジェネレイティブ)な床(又はベッド)のリアクタ・システムの基本的な2ステップ(又は2工程)の非対称サイクルを図6図6Aおよび図6B)に示す。ここで、図6は、リアクタ・システムに関するものであり、2つのゾーン/リアクタを有する(第1ゾーン(またはレキュペレータ/クエンチング・ゾーン)(7)および第2ゾーン(またはリアクション・ゾーン(又は反応ゾーン))(1))。リアクション・ゾーン(1)およびレキュペレータ・ゾーン(7)は、ともに、再生可能(又はリジェネレイティブ)なモノリスおよび/またはドープ(又はドーピング)されたセラミックの組成物から形成された他の再生可能な構造を含むことができる。再生可能なモノリスまたは他の再生可能な構造は、本開示において使用される通り、熱の保存および移動に有効である材料ならびに化学反応を行うのに有効な材料を含む。再生可能なモノリスおよび/または他の再生可能な構造は、任意の都合のよいタイプ(又は種類)の材料に対応(又は該当)することができる。このような材料は、熱を回収し、熱を移動させ、そして反応を触媒するのに適した材料である。構造の例として、床材料(又はベッド材料)または充填材料(又はパック材料)、セラミックのビーズまたはスフェア、セラミックのハニカム材料、セラミックのチューブ、押出成形モノリスなどを挙げることができる。ただし、これらは、インテグリティ(又は完全性又は整合性)を維持し、ファンクショナリティ(又は官能性)を維持し、なおかつ、1200℃を超える温度、または1400℃を超える温度、または1600℃を超える温度への長期間の曝露に耐える成分(又はコンポーネント)である。このような成分によって、ある程度の操作(又は運転又は作動又はオペレーション)のマージンが可能になってよい。いくつかの態様において、触媒作用を有するセラミックのモノリスおよび/または触媒作用を有する他のセラミックの構造は、追加のウォッシュコートが存在することなく使用することができる。
【0086】
図6の説明を簡単にするために、リアクタ(又は反応器)については、リフォーミング反応(又は改質反応)を参照しながら、本開示で説明する。図6図6Aに示す通り、サイクルの「リアクション」ステップ(又は「反応」工程)の始まりの部分において、リアクション・ゾーン1(ここでは、第2リアクタとして知られている)のセカンダリ・エンド5では、反応ゾーン1のプライマリ・エンド3と比較して、温度が上昇していてよい。そして、レキュペレータまたはクエンチ・ゾーン7(ここでは、第1リアクタとして知られている)の少なくとも一部(第1端部(又は第1エンド又はファースト・エンド)9を含む)では、リアクション・ゾーン1よりも低い温度であってよい。それにより、得られる生成物にクエンチ効果(又はクエンチング・エフェクト)を提供する。リバース・フロー・リフォーミングを行うためにリアクタを使用する態様において、メタン含有反応物の供給物(又は供給又はフィード)(または他の炭化水素含有反応物の供給物(又は供給又はフィード))をリフォーミングまたはリアクション・ゾーン1のプライマリ・エンド3に、導管(又はコンジット)(単数または複数)15を介して導入することができる。様々な態様において、炭化水素含有反応物の供給物(又は供給又はフィード)は、HO、COまたはそれらの組み合わせを含むこともできる。
【0087】
インレット(又は入口)(単数または複数)15からの供給物ストリーム(又はフィード・ストリーム)は、リアクション・ゾーン1からの熱を吸収することができ、そして、吸熱的に反応することができ、それにより、所望の合成ガス生成物(又は合成ガス・プロダクト)を生成(又は形成)することができる。このステップ(又は工程)が進行するにつれて、システムの熱移動特性(又はヒート・トランスファ・プロパティ)に基づいて、温度プロファイル2のシフト(矢印で示す通り)を形成(又は生成)することができる。十分な熱移動能力(又はヒート・トランスファ・ケイパビリティ)とともにセラミック触媒モノリス/他の触媒構造物を設計する場合、このプロファイルは、比較的にシャープな温度勾配(又は温度グラジエント)を有することができる。このような勾配(又はグラジエント)は、リフォーミング・ステップが進行するにつれて、リアクション・ゾーン1にわたって移動することができる。いくつかの態様において、よりシャープな温度勾配(又は温度グラジエント)のプロファイルによって、反応条件にわたって、向上したコントロール(又は制御又は管理)を提供することができる。別のタイプ(又は種類)の吸熱反応を行う態様では、温度プロファイルにおける同様のシフトを発生させることができる。そのため、温度勾配(又は温度グラジエント)は、反応ステップ(又は反応工程)が進行するにつれて、リアクション・ゾーン1にわたって移動する。
【0088】
リフォーミング反応(又は改質反応)からの流出物は、未反応の供給物成分(又は供給成分又はフィード・コンポーネント)(炭化水素、HO、CO)ならびに合成ガス成分(又は合成ガス・コンポーネント)を含み得るものであり、上昇した温度で、セカンダリ・エンド5を通って、リアクション・ゾーン1を出ることができる。そして、レキュペレータ・リアクタ7を通過する(第2端部(又は第2エンド又はセカンド・エンド)11を通って入り、第1端部(又は第1エンド又はファースト・エンド)9から出る)。レキュペレータ7は、最初(又は初期)において、リアクション・ゾーン1よりも低い温度であってよい。リフォーミング反応からの生成物(又はプロダクト)(および、必要に応じて未反応の供給物(又は供給又はフィード)がレキュペレータ・ゾーン7を通過する場合、ガス(又は気体)は、実質的に、第1端部9にあるレキュペレータ・ゾーンの温度に近い温度まで、クエンチまたは冷却することができる。このような温度は、いくつかの実施形態において、サイクルの第2ステップ(又は第2工程)の間において、導管(又はコンジット)19を介して、レキュペレータ7に導入されるリジェネレーション供給物(又はリジェネレーション・フィード)とほぼ同じ温度であってよい。レキュペレータ・ゾーン7において、リフォーミング流出物が冷却されると、温度勾配(又は温度グラジエント)4がゾーンの再生可能(又はリジェネレイティブ)な床(又はベッド)(又は単数又は複数)において生成(又は形成)することができる。そして、このステップ(又は工程)の間において、レキュペレータ・ゾーン7にわたって、移動(又は運動)することができる。クエンチ(又はクエンチング)によって、レキュペレータ7を加熱することができる。これは、第2ステップ(又は第2工程)において、再び冷却することができる。それにより、別のクエンチ・サービス(又はクエンチング・サービス)をより遅くに提供することができる。それにより、熱気泡(又はヒート・バブル)の寸法(又は大きさ又はサイズ)および場所(又は位置又はロケーション)が、クエンチ・リアクタ7を通って、次第に大きくなることを抑制することができる。クエンチ(又はクエンチング)の後、反応ガスは、導管(又はコンジット)17を介して、レキュペレータ(9のところ)から出ることができる。そして、様々な成分(又はコンポーネント)の分離(又はセパレーション)および回収(又はリカバリ)のために処理することができる。
【0089】
サイクルの第2ステップ(又は第2工程)(リジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)と称する)は、次いで、導管(又はコンジット)(単数または複数)19を介して、第1および第2のリジェネレーション反応物(又はリジェネレーション反応物質又はリジェネレーション・リアクタント)の再導入によって始めることができる。第1および第2の反応物(又は反応物質又はリアクタント)は、レキュペレータ7の第2端部11に向けて、熱レキュペレータ(又はホット・レキュペレータ)7を別々に通過させることができる。ここで、これらは、リアクタ・システムの中央の領域13において、またはその近くにおいて、発熱反応または燃焼のために、一緒になってよい。
【0090】
リジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)の例を図6図6B)に示す。リジェネレーションは、回収されたかなりの熱をレキュペレータ・ゾーン7からリアクション・ゾーン1に移すことを必要とすることができる。それにより、後続の反応サイクルのために、反応床(又はリアクション・ベッド)1を熱的に再生(又はリジェネレーション)することができる。リジェネレーションのガス(又は気体)/反応物(又はリアクタント)は、レキュペレータ・ゾーン7に入ることができる(例えば、導管(又はコンジット)(単数または複数)19を介して入ることができる)。そして、レキュペレータ・ゾーン7を通して流れ、リアクション・ゾーン1に入る。そのようにする際、温度勾配(又は温度グラジエント)6および8は、複数の床(又はベッド)にわたって、移動(又は運動)することができる(図6Bの例示のグラフの矢印で示す通り)。図6図6A)の反応サイクルの間に展開する温度勾配(又は温度グラジエント)のグラフと同様である(ただし、反対方向である)。レキュペレータ・ゾーン7とリアクション・ゾーン1との境界(又はインターフェース)13に近い領域において、燃料(又はフューエル)および酸化剤(又はオキシダント)の反応物(又は反応物質又はリアクタント)が燃焼してよい。レキュペレータ・ゾーンから回収された熱は、燃焼の熱と一緒になって、リアクション・ゾーンに移すことができ、そこに配置されている再生可能(又はリジェネレイティブ)な反応モノリスおよび/または床(又はベッド)1を熱的に再生(又はリジェネレーション)することができる。
【0091】
いくつかの態様において、チャネル内の複数の導管(又はコンジット)のいくつかは、第1および第2の反応物の混合物(又はミクスチャ)を運ぶことができる。これは、第1リアクタ(又は第1反応器)の第1端部(17)において、いくらか混合することに少なくとも部分的に起因するものである。しかし、第1および第2の反応物(又は反応物質又はリアクタント)の燃焼可能な混合物を運ぶ導管(又はコンジット)の数は、十分に少なくすることができる。そうすることで、理論量(又は化学量論)の反応可能な反応物(又は反応物質又はリアクタント)の大半は、第1リアクタの第2端部を出た後まで、反応しないようになる。反応物の混合物を運ぶこれらの導管(又はコンジット)において、燃焼または発熱性の反応が開始する軸方向の場所(又は位置又はロケーション)は、温度、時間および流体力学の組み合わせによってコントロール(又は制御又は管理)することができる。燃料(又はフューエル)および酸素は、通常は、燃焼までの温度依存および混合物依存の自然発火時間を必要とする。まだ、依然として、反応物の混合物を運ぶこれらの導管(又はコンジット)の軸方向の部分(又は軸部分)において、いくつかの反応が生じてよい。しかし、この反応は、許容可能なものであってよい。なぜなら、このような反応を含むチャネルの数は、十分に少なくてよいからである。つまり、リアクタ内の全体の熱収支への許容可能または取るに足らないレベルの影響が存在するだけであるからである。特定のリアクタ・システムの設計の詳細を選択することができる。そうすることで、できる限りリーズナブルで可能な数の導管(又はコンジット)において、反応物(又は反応物質又はリアクタント)を混合することを回避するようになる。
【0092】
図7は、別の例示のリアクタ・システムを示す。このリアクタ・システムは、効率的な再生熱(又はリジェネレーション・ヒート)を達成するために、燃料(又はフューエル)および酸化剤(又はオキシダント)の燃焼をコントロール(又は制御又は管理)および延期するためのいくつかの用途において、適切であってよい。図7は、単一(又はシングル)のリアクタ・システムを示す。このリアクタ・システムは、リジェネレーション・サイクルにおいて操作(又は運転又は作動又はオペレーション)するものである。リアクタ・システムは、2つのリアクタ・ゾーンを含むものとして考案されてよい。レキュペレータ27は、主として、クエンチ(又はクエンチング)が進行し、リアクタ・メディア(又はリアクタ媒体)を通して、複数のクエンチ反応ガス(又はクエンチング・リアクション・ガス)をともに移すために実質的に分離(又は隔離)されたフローパスまたはチャネルを提供するゾーンであってよい。燃焼を生じることはなく、その後、ガス(又は気体)が図6のリアクタ・コア13の近く、またはその中に到着する。リフォーマ2は、リジェネレーション・ヒーティングおよびメタン(および/または炭化水素)のリフォーメーションが主として起こるリアクタであってよく、本開示の目的のために第2リアクタとして考案されてよい。リアクタ・システムにおいて、第1および第2のリアクタは、別々に区別可能なリアクタとして認識されているが、第1および第2のリアクタは、共通の単一(又はシングル)のリアクタ・ベッドに製造されてよく、提供されてよく、あるいは、そうでなければ、組み合わされて共通の単一(又はシングル)のリアクタ・ベッドにしてもよいことが理解される。それにより、リアクタ・システムは、単に単一(又はシングル)のリアクタを含むものとして記載されてよい。このようなリアクタは、リアクタ内において、両方のサイクルを統合(又は集合又はインテグレーション)している。用語「第1リアクタ(又は第1反応器又はファースト・リアクタ)」および「第2リアクタ(又は第2反応器又はセカンド・リアクタ)」は、リアクタ・システムにおいて、それぞれ、単にゾーンと呼ばれてよい。それによって、リジェネレーション(又は再生)、リフォーメーション(又は改質)、クエンチ(又はクエンチング)などのそれぞれのステップ(又は工程)が進行し、個々の成分(又はコンポーネント)が2つのリアクタで利用されることを必要としない。しかし、様々な態様がリアクタ・システムを含むことができる。それによって、レキュペレータ・リアクタは、導管(又はコンジット)およびチャネルを含む(本開示に記載の通りである)。リフォーマ・リアクタは、導管(又はコンジット)を同様に備えていてよい。追加的または代替的なものとして、いくつかの態様は、リフォーマ・リアクタ・ベッドを含んでよい。リフォーマ・リアクタ・ベッドは、レキュペレータ・リアクタ・ベッドと異なって配置されるものであり、レキュペレータ・リアクタ・ベッドと異なる材料を含むものであってもよい。
【0093】
上記で説明した通り、第1のリアクタまたはレキュペレータ27は、様々なガス導管(又はガス・コンジット)28を含むことができる。ガス導管28は、2以上のガスを別々にチャネリングするためのものである。2以上のガスは、続いて、レキュペレータ27の第1端部29に入り、その中に配置されている再生可能(又はリジェネレイティブ)なベッド(単数または複数)を通過する。第1ガス30は、複数のフロー導管(又はフロー・コンジット)28の第1端部に入ることができる。フロー・チャネルを提供することに加えて、導管(又はコンジット)28も有効なフロー・バリア(例えば、導管壁(又はコンジット・ウォール)などの有効な機能(又はファンクション))を含むことができる。それにより、第1反応物と第2反応物との間のクロス・フロー(又は交流)またはミキシング(又は混合)を抑制(又は防止)し、互いに有効に分離された反応物(又は反応物質又はリアクタント)の大半を維持する。その後、ミキシング(又は混合)を可能にする。上記で説明した通り、第1チャネルおよび第2チャネルのそれぞれが、マルチ(又はマルチプル)・チャネルまたはマルチ(又はマルチプル)・フローパスを含むことができる。また、第1リアクタは、実質的に平行なマルチ(又はマルチプル)・フロー・セグメントを含むことができる。それぞれが、分離された第1および第2のチャネルを含むものである。
【0094】
いくつかの態様において、レキュペレータは、1以上の押出成形されたハニカム(構造)のモノリスから構成することができる(上記で説明した通りである)。モノリスは、それぞれ、第1または第2の反応物(又は反応物質又はリアクタント)の一方にフローチャネル(単数または複数)(例えば、フローパス)を提供してよい。それぞれのチャネルは、好ましくは、複数の導管(又はコンジット)を含んで成る。あるいは、モノリスは、それぞれの反応物(又は反応物質又はリアクタント)に対して、1以上のチャネルを含んでよい。1以上のチャネルまたは導管(又はコンジット)の群は、流れている反応物(又は反応物質又はリアクタント)の1以上のストリームに向けられている。その一方で、導管(又はコンジット)の残りの部分は、他の反応物(又は反応物質又はリアクタント)の1以上のストリーム(又は流れ)を流すものである。チャネル間の境界(又はインターフェース)において、かなりの数の導管(又はコンジット)が、第1および第2の反応物(又は反応物質又はリアクタント)の混合物を運ぶことができることが認識されている。しかし、この導管(又はコンジット)の数は、比較的に少ない。
【0095】
モノリスを使用する態様において、モノリスは、触媒作用を有する表面(又は触媒的な表面又は触媒表面)としての使用に適切な任意の都合の良い形状(又はシェイプ)を有することができる。モノリスの例は、押出成形されたハニカム(構造)のモノリスであってよい。ハニカム(構造)のモノリスは、押出成形された構造であってよい。このような構造は、多く(例えば、複数、すなわち、1以上)の小さなガス・フローの通路(又はパッセージ)(又はガス・フロー・パッセージ)または導管(又はコンジット)を含む。このような通路または導管は、平行な様式で配置されており、それらの間に薄い壁部(又はウォール)を備える。小さなリアクタは、単一(又はシングル)のモノリスを含んでよい。その一方で、より大きなリアクタは、かなりの数のモノリスを含むことができる。その一方で、さらにより大きなリアクタは、多くのハニカム(構造)のモノリスの配列(又はアレンジメント)によって、実質的に充填されてよい。それぞれのモノリスは、モノリスのブロックを押出成形することによって形成されてよい(成形された(例えば、四角形または六角形)の断面を有し、このようなブロックの2次元または3次元の相互のスタッキング(上、下、横)を伴う)。モノリスは、リアクタの内部構造として魅力的であってよい。なぜなら、それらは、高い熱移動能力(又はヒート・トランスファ・キャパシティ)を提供するからであり、その際、圧力低下(又は圧力ドロップ又はプレッシャー・ドロップ)は、最小になる。
【0096】
いくつかの態様において、ハニカム(構造)のモノリスは、25%~55%の開口面積率(又はオープン・フロンタル・エリア)(または幾何学的なボイドボリューム)を有し、なおかつ、50~2000の平方インチ当たりのポア数またはセル数(cells per square inch)(CPSI)、または100~900の平方インチ当たりのセル数(CPSI)、または100の平方インチ当たりのセル数(CPSI)~600の平方インチ当たりのセル数(CPSI)の導管密度(又はコンジット密度又はコンジット・デンシティ)を有するものとして特徴付けることができる(又はキャラクタリゼーション)。例えば、1つの実施形態において、導管(又はコンジット)は、わずか数ミリメートル(例えば、約1ミリメートルのオーダー(又は桁))の直径/特徴的なセルの辺長を有してよい。リアクタ(又は反応器)の媒体(又はメディア)の成分(又はコンポーネント)(又はリアクタ・メディア・コンポーネント)(例えば、モノリスまたは代替の床媒体(又はベッド・メディア))は、チャネルを備えることができる。チャネルは、パッキング(又は充填物)を含み、50ft-1~3000ft-1(約0.16km-1~約10km-1)、または100ft-1~2500ft-1(約0.32km-1~約8.2km-1)、または200ft-1~2000ft-1(約0.65km-1~約6.5km-1)(反応物を運ぶために使用する第1リアクタのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に基づく)の範囲の1単位ボリューム(又は容量又は容積又は体積)あたりの平均ウェット表面積(又は平均浸水表面積)(average wetted surface area per unit volume)を伴う。このような比較的に高い1単位ボリューム(又は容量又は容積又は体積)あたりの表面積の値は、リアクタを通る温度における比較的に迅速な変化を達成するのに役立つことができる。例えば、図6図12(a)または図12(b))に示す例示の温度勾配(又は温度グラジエント)のプロファイルのグラフの比較的に急勾配の傾き(又はスロープ)によって概して示されている通りである。
【0097】
また、リアクタ(又は反応器)の媒体(又はメディア)の成分(又はコンポーネント)(又はリアクタ・メディア・コンポーネント)は、以下のチャネルを備えることができる。
高い容量測定(又は容積測定又は体積測定)による熱伝導係数(又は熱伝導率)(例えば、0.02cal/cms℃以上、または0.05cal/cms℃以上、または0.10cal/cal/cms℃以上)を有するパッキング(又は充填物)を含むチャネル;および/または
フローに対する低い抵抗(又は耐性又はレジスタンス)(低い圧力低下(又は圧力ドロップ又はプレッシャー・ドロップ))を有するチャネル;および/または
リジェネレーション(又は再生)の間に遭遇する最も高い温度に一致する操作温度範囲(又は運転温度範囲又は作動温度範囲又はオペレーション温度範囲)を有するチャネル;および/または
熱ショック(又はサーマル・ショック)に対する高い抵抗(又は耐性又はレジスタンス)を有するチャネル;および/または
高いバルクの熱容量(又はヒート・キャパシティ)(例えば、0.10cal/cms℃以上、または0.20cal/cms℃以上)を有するチャネル。
高い表面積の値に関して、このような比較的に高い容量測定(又は容積測定又は体積測定)による熱伝導係数(又は熱伝導率)の値および/または他の特性(又はプロパティ)は、リアクタを通る温度における比較的に迅速な変化を達成するのに役立つことができる。例えば、例示の温度勾配プロファイルのグラフの比較的に急勾配の傾き(又はスロープ)によって概して示されている通りである。例えば、図6図12(a)および図12(b))に示す通りである。記載の値は、反応物(又は反応物質又はリアクタント)の運送のために使用されるリアクタのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に基づく平均(値)(又はアベレージ)である。
【0098】
様々な態様において、十分な熱移動速度(又は熱伝達率又は伝熱率又はヒート・トランスファ・レート)は、熱移動パラメータ(又は熱伝達パラメータ又は伝熱パラメータ)であるΔTHTが500℃未満、または100℃未満、または50℃未満で特徴付けることができる。このパラメータΔTHTは、本開示で使用される通り、床(又はベッド)の容量測定(又は容積測定又は体積測定)による熱伝導係数(又は熱伝導率又はヒート・トランスファ・コエフィシエント)(hv)に対する、レキュペレーションに必要な床(又はベッド)の平均の容量測定(又は容積測定又は体積測定)による熱移動速度(又は熱伝達率又は伝熱率又はヒート・トランスファ・レート)の比(又はレシオ)である。レキュペレーションに十分な容量測定(又は容積測定又は体積測定)による熱移動速度(又は熱伝達率又は伝熱率又はヒート・トランスファ・レート(例えば、cal/cmsec)は、ガスの熱容量(又はヒート・キャパシティ)(例えば、cal/g℃)および所望の端部から端部まで(エンド・トゥ・エンド)の温度の変化(反応はいずれも排除する)(例えば、℃)とともに、ガスのフローレート(又は流量又は流速)(例えば、g/sec)を有する生成物(又はプロダクト)として計算することができる。次いで、この量は、ガス(又は気体)が横切るリアクタ(またはリアクタの一部(又は部分))のボリューム(又は容量又は容積又は体積)(例えば、cm)によって、分ける(又は割る又は除算する)ことができる。床(又はベッド)の容量測定(又は容積測定又は体積測定)による熱伝導係数(又は熱伝導率又はヒート・トランスファ・コエフィシエント)(hv)は、典型的には、面積に基づく係数(例えば、cal/cms℃)および熱移動(又は熱伝達又は伝熱)に関する比表面積(av)(例えば、cm/cm)(しばしば、パッキング(又は充填物)のウェット面積(又は浸水面積又はウェット・エリア)とも呼ばれるもの)を有する生成物(又はプロダクト)として計算することができる。
【0099】
いくつかの態様において、成形されて焼結されたセラミックの組成物にウォッシュコートを添加することができる。ウォッシュコートによって、焼結されたセラミックの組成物に追加の触媒金属(又は触媒メタル)を含浸させることができる。
【0100】
ウォッシュコートに追加の触媒金属(又は触媒メタル)を導入するための選択肢(又はオプション)の1つは、触媒サポート(又は触媒支持体)に追加の触媒金属を含浸させることであってよい(例えば、溶液滴下含浸法(incipient wetness)による含浸による)。適切な金属塩または他の触媒金属前駆体(又は触媒金属プリカーサ)(例えば、硝酸テトラミン白金(又は硝酸テトラミンプラチナ)または硝酸ロジウム水和物)の水溶液を用いて含浸を行うことができる。次いで、含浸されたサポート(又は支持体)は、乾燥および/またはか焼することができ、触媒金属前駆体(又は触媒金属プリカーサ)を分解させることができる。様々な温度プロファイルは、この加熱ステップ(又は加熱工程)に潜在的に使用することができる。サポート(又は支持体)を乾燥させるために、1以上の初期(又は最初)の乾燥ステップ(又は乾燥工程)を使用することができる。例えば、0.5時間~24時間にわたって、100℃~200℃の温度で加熱する。触媒金属前駆体化合物を分解させるためのか焼は、0.5時間~24時間にわたって、200℃~800℃の温度であってよい。温度は、含浸された触媒金属化合物の性質に依存する。触媒金属の前駆体(又はプリカーサ)に依存して、乾燥ステップ(又は乾燥工程)(単数または複数)および/または分解か焼ステップ(又は分解か焼工程)(単数または複数)は、任意であってよい。追加の触媒金属の例として、Ni,Co,Fe,Pd,Rh,Ru,Pt,Ir,Cu,Ag,Au,Zr,Cr,Ti,Vおよびそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
代替の実施形態において、モノリス以外のリアクタ・メディアを使用することができる。例えば、それにより、チャネル導管(又はチャネル・コンジット)/フローパスは、さらに曲がった通路(又はパスウェイ)を含むことができる(例えば、回旋状で複雑なワインディングおよび/またはツイストの形状(ただし、リニアまたはチューブの形状ではない))。迷路状で多様なフローパス、導管(又はコンジット)、管(又はチューブ)、スロットおよび/またはリアクタの一部(又は部分)(単数又は複数)を通るチャネルを有するポア構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、バリア部分を含んでよい(例えば、セグメントの外側表面に沿って、またはサブセグメントの内部にある)。バリア部分は、ガス(又は気体)を透過させる効果が実質的にないものである。そして/または、他の手段を含んでよい。他の手段は、反応物(又は反応物質又はリアクタント)のガス(又は気体)のクロス・フロー(又は交流)を抑制(又は防止)するのに適している。また、互いに実質的に分離された第1および第2の反応物ガスを維持するのに適している。その間、レキュペレータ27を軸方向に通過している。本開示に記載の通りにセラミックの触媒組成物を焼結し、続いて、このようなメディア(又は媒体)を還元条件(又はリデュース条件)に曝して触媒を活性化させることによって、このようなメディア(又は媒体)の少なくとも一部(又は部分)が形成され得る限り、このような他のタイプ(又は種類)のリアクタ・メディア(又はリアクタ媒体)が適切であってよい。このような実施形態に関して、複雑なフローパスによって、延長した有効なフローパスを形成することができ、表面積を増加させることができ、そして、熱移動(又は熱伝達又は伝熱)を改善することができる。このような設計(又はデザイン)は、リアクタを通して、比較的に短い軸方向の長さを有するリアクタの実施形態に関して、好ましいものであってよい。軸方向に、より長いリアクタの長さは、リアクタを通して、増加した圧力低下(又は圧力ドロップ又はプレッシャー・ドロップ)を経験することができる。しかし、このような実施形態に関して、多孔性および/または透過性のメディア(又は媒体)として、例えば、パッキング・ベッド、タイルの配置(又は配列又はアレンジメント)、透過性の固体メディア、実質的にハニカム型(又はハニカム・タイプ)の構造、繊維状の配置(又は配列又はアレンジメント)、およびメッシュ・タイプの格子構造の少なくとも1つを挙げることができる。
【0102】
いくつかの態様において、リバース・フローリアクタは、1つの反応物(又は反応物質又はリアクタント)のフロー・ストリームを導管(又はコンジット)の選択された部分(又は一部)に向けるためのいくつかのタイプ(又は種類)の機器(又は設備)または方法を含むことができる。図7の例示の実施形態において、ガス分配器(又は気体分配器又はガス・ディストリビュータ)31は、第2ガス・ストリーム(又は第2ガス流)32を第2ガス・ストリーム・チャネル(又は第2ガス流チャネル)に向けることができる(又は配向することができる)。第2ガス・ストリーム・チャネルは、第1ガス・チャネルから実質的に分離(又は隔離)されているか、あるいは第1ガス・チャネルと流体連通していないものである。本開示において、チャネル33として示されているものである。その結果として、レキュペレータ27の軸方向の通過の間において、ガス・ストリーム(又はガス流)33の少なくとも一部(又は部分)をガス・ストリーム(又はガス流)30から分離して維持することができる。いくつかの態様において、レキュペレータ・ゾーンの再生可能(又はリジェネレイティブ)な床(又はベッド)(単数または複数)および/またはモノリス(単数または複数)は、ガス(又は気体)またはフルード(又は流体)のバリアを有するチャネルを含むことができる。このようなバリアは、第1反応物チャネル(又は第1反応物質チャネル又は第1リアクタント・チャネル)を第2反応物チャネル(又は第2反応物質チャネル又は第2リアクタント・チャネル)から分離(又は隔離)するものである。それにより、チャネル手段を通過する少なくとも2つの反応物ガス(又は反応物質ガス又はリアクタント・ガス)は、ともに、再生可能(又はリジェネレイティブ)な床(又はベッド)(単数または複数)を完全に通過してよい。それにより、再生可能(又はリジェネレイティブ)な床(又はベッド)をクエンチ(又はクエンチング)し、反応物ガスへの熱を吸収し、その後、一緒になって、燃焼ゾーンで互いに反応する。
【0103】
様々な態様において、ガス(又は気体)(フルード(又は流体)を含む)30および32は、それぞれ、他の反応物(又は反応物質又はリアクタント)30および32の成分(又はコンポーネント)と反応する成分(又はコンポーネント)を含むことができる。それにより、一緒になったとき、発熱反応を生じる(又は生成する)。例えば、第1および第2の反応物(又は反応物質又はリアクタント)は、それぞれ、燃料ガス(又はフューエル・ガス)および酸化剤ガス(又はオキシダント・ガス)の一方を含んでよい。これらは、他方の燃料および酸化剤と組み合わされた場合、燃焼または燃えるものである。反応物(又は反応物質又はリアクタント)を実質的に分離した状態で維持(又はキープ)することによって、発熱反応に起因して生じる熱の放出(又は放熱)の場所(又は位置又はロケーション)をコントロール(又は制御又は管理)することができる。いくつかの態様において、「実質的に分離(する、される)」とは、反応物(又は反応物質又はリアクタント)(最小の量あるいは反応物(又は反応物質又はリアクタント)の理論量(又は化学量論)の反応可能な量を制限する)の少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%が第1の反応物ストリーム(又は反応物流)と第2の反応物ストリーム(又は反応物流)との間の反応によって、これらのガス(又は気体)が、そのレキュペレータ27の軸方向に完全に通過した地点(又はポイント)で消費されていないことを意味するように定義(又は規定)されてよい。このようにして、第1反応物(又は第1反応物質又は第1リアクタント)30の大半は、第2反応物(又は第2反応物質又は第2リアクタント)32の大半から分離(又は隔離)された状態で維持(又はキープ)することができる。そして、反応物(又は反応物質又はリアクタント)30および32を合わせる反応からの熱の放出(又は放熱)の大半は、反応物(又は反応物質又はリアクタント)がレキュペレータ27を出た後に進行することができる。反応物(又は反応物質又はリアクタント)は、ガス(又は気体)であってよい。しかし、必要に応じて、いくつかの反応物(又は反応物質又はリアクタント)は、液体、混合物または蒸気(又はベーパ)の相(又はフェーズ)を含んでよい。
【0104】
かかるリジェネレーション・ストリーム(又はリジェネレーション流又は再生流)のためのパーセント(%)・リアクションは、全体の供給物(又は供給又はフィード)の理論量(又は化学量論)に基づいて可能である反応のパーセント(%)を意味する。例えば、ガス30が100ボリューム(vol)のエア(又は空気)(80ボリューム(vol)のNおよび20ボリューム(vol)のO)を含み、そして、ガス32が10ボリューム(vol)の水素を含む場合、このとき、最大の理論量(又は化学量論)の反応によって、10ボリューム(vol)の水素(H)と5ボリューム(vol)の酸素(O)との燃焼により10ボリューム(vol)のHOが生成(又は発生)する。このような場合、10ボリューム(vol)の水素がレキュペレータ・ゾーン(27)において実際に燃焼する場合、これは、リジェネレーション・ストリームの100%反応を表す。これは、残存する未反応の酸素の存在を無視するものである。なぜなら、この例では、理論量(又は化学量論)の要求を超える量で未反応の酸素が存在していたからである。すなわち、この例では、水素は、理論量(又は化学量論)で制限する成分(又はコンポーネント)である。この定義(又は規定)を使用すると、リジェネレーション・ストリームの50%未満の反応、または25%未満の反応、または10%未満の反応は、レキュペレータ(27)の軸方向の通過の間に起こすことができる。
【0105】
様々な態様において、チャネル28および33は、セラミック(ジルコニアを含む)、アルミナ、または他の耐火性の材料(1200℃、または1400℃、または1600℃を超える温度に耐えることができる材料)を含むことができる。追加的または代替的なものとして、チャネル28および33は、50ft-1~3000ft-1、または100ft-1~2500ft-1、または200ft-1~2000ft-1のウェット面積(又はウェット・エリア)を有することができる。
【0106】
また、簡単に、図6を参照すると、リアクタ・システムは、第1リアクタ7(第1端部9および第2端部11を含む)と、第2リアクタ1(プライマリ・エンド3およびセカンダリ・エンド5を含む)とを含むことができる。図6および図7に示す実施形態は、単にシンプルに示すものであり、例示のみを目的として提供されるものであり、包括的な実施形態を表すことを意図するものではない。リアクタの「端部(又はエンド)」との言及は、リアクタの軸方向の中間点(又はミド・ポイント)からリアクタの遠位の部分を単に意味する。つまり、換言すると、ガス(又は気体)は、リアクタの「端部(又はエンド)」(例えば、端部(又はエンド)9)から入ったり、出たりする。すなわち、リアクタのそれぞれの端面と、リアクタの中間点(又はミド・ポイント)との間において、軸に沿う任意の様々な点(又はポイント)において、ガス(又は気体)が実質的に入っても、出てもよいことを意味するに過ぎない。しかし、中間点(又はミド・ポイント)に近いところよりも、端面により近いところが、より好ましい。それにより、第1および第2の反応物ガス(又は反応物質ガス又はリアクタント・ガス)の片方または両方が、それぞれの端面から入ることができる。その一方で、他方の反応物ガスは、スロットまたはポートを介して、リアクタのそれぞれの端部(又はエンド)に供給される。スロットまたはポートは、リアクタのそれぞれの端部(又はエンド)の周囲または周辺の外側表面にある。
【0107】
(プロセスの例-リバース・フローのリフォーミングおよびリジェネレーション)
リバース・フローリアクタ・システムで行うことができる反応の例は、炭化水素(類)のリフォーミング(又は改質)である。このようなリフォーミングは、HO存在下でのスチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)の条件下、CO存在下でのドライ・リフォーミング条件下、またはHOおよびCOの両方が反応環境に存在する条件下で行うものである。リバース・フローリアクタなどのスイング・リアクタでのリフォーミングの間の操作(又は運転又は作動又はオペレーション)の一般的な概要として、リジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)または反応サイクルの一部(又は部分)は、リアクタに熱を提供するために使用することができる。次いで、リフォーミングは、リフォーミング・ステップまたはサイクルの一部(又は部分)の間にリアクタ内で起こすことができる。リフォーミング反応は、リアクタのリジェネレーション・ステップの間に提供される熱を消費する。リアクタのリジェネレーションの間、燃料(又はフューエル)、酸化剤(又はオキシダント)および希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント)をリアクタのリジェネレーション・エンドからリアクタに導入する。リアクタのリジェネレーション・セクションにおいて、床(又はベッド)および/またはモノリスは、熱を吸収することができる。しかし、リジェネレーション・セクションの少なくとも一部(又は部分)は、典型的には、リフォーミングのための触媒を含むものではない。燃料および酸化剤がリジェネレーション・セクションを通過する場合、熱は、リジェネレーション・セクションから燃料および酸化剤まで移される。燃焼は、直ちに生じるものではないが、その代わりに、燃焼の場所(又は位置又はロケーション)をコントロール(又は制御又は管理)して、リアクタの中間部分(又はミドル部分)で生じさせる。リジェネレーション・ステップの間、燃料、酸化剤および希釈物のフローは連続し、それにより、燃焼ゾーンから、発生した熱をリアクション・ゾーン/リアクタのリフォーミング・エンドにさらに移動させる。
【0108】
十分な期間の後、燃焼反応を停止させる。残存する燃焼生成物および/または反応物は、いずれも、必要に応じて、パージすることができる。次いで、リフォーミング・ステップまたは反応サイクルの部分(又は一部)を開始させることができる。リフォーミングの反応物(又は反応物質又はリアクタント)をリアクタのリフォーミング・エンドに導入することができる。したがって、リジェネレーションの間のフローに対して、効果的に逆方向に流れる。リアクタのリフォーミングの部分にある床(又はベッド)および/またはモノリスは、リフォーミングのための触媒を含むことができる。様々な態様において、触媒の少なくとも一部は、本開示に記載の通り、セラミック組成物から形成される触媒に対応(又は該当)することができる。リフォーミングが起こると、燃焼中にリフォーミング・ゾーンに導入される熱は、吸熱リフォーミング反応によって消費することができる。リフォーミング・ゾーンを出た後、リフォーミング生成物(又はリフォーミング・プロダクト)(および未反応の反応物(又は反応物質又はリアクタント))は、もはや、リフォーミング触媒には曝されない。リフォーミング生成物がリジェネレーション・ゾーンを通過する場合、熱は、生成物からリジェネレーション・ゾーンに移ることができる。十分な期間の後、リフォーミング・プロセスを停止することができる。残りのリフォーミング生成物は、必要に応じて、リアクタから回収またはパージすることができる。再び、サイクルをリジェネレーション・ステップでスタートさせることができる。
【0109】
リアクタ内で行うリフォーミング反応は、メタンおよび/または他の炭化水素(類)のリフォーミングに対応(又は該当)することができる。このようなリフォーミングは、HOの存在下でスチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)を使用するもの、COの存在下でドライ・リフォーミングを使用するもの、または、HOおよびCOの両方の存在下での「バイ(bi)」のリフォーミングを使用するものである。メタンのスチーム・リフォーミング、ドライ・リフォーミングおよび「バイ(bi)」・リフォーミングの理論量(又は化学量論)の例を以下の式(2)~(4)に示す。
【0110】
(2)ドライ・リフォーミング:
CH+CO = 2CO+2H
(3)スチーム・リフォーミング:
CH + HO = CO + 3H
(4)バイ・リフォーミング:
3CH + 2HO + CO = 4CO + 8H
【0111】
式(2)~(4)に示す通り、ドライ・リフォーミングによって、スチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)と比較して、H/COのより小さい比を得ることができる。スチーム(又は水蒸気)のみで行われるリフォーミング反応は、概して、約3(例えば、2.5~3.5)のH/COの比を得ることができる。対照的に、COの存在下で行われるリフォーミング反応は、かなりより小さい比を得ることができる。約1.0またはそれよりもさらに小さいH/COの比に可能な限り近づくことができる。リフォーミングの間にCOおよびHOの組み合わせを使用することによって、リフォーミング反応は、潜在的には、生成される合成ガスにおいて、広範なH/COの比が得られるようにコントロール(又は制御又は管理)することができる。
【0112】
また、合成ガスにおけるH/COの比は、水性ガスシフトの平衡にも依存し得ることにも留意するべきである。上記の理論量(又は化学量論)は、ドライ・リフォーミングおよびスチーム・リフォーミングについて、それぞれ、約1または約3の比を示すが、合成ガスにおけるHおよびCOの平衡の量は、反応の理論量(又は化学量論)とは異なるものであってよい。平衡の量は、水性ガスシフトの平衡に基づいて決定することができる。
【0113】
また、ほとんどのリフォーミング触媒(例えば、ロジウムおよび/またはニッケル)は、水性ガスシフト触媒として作用することができる。従って、HおよびCOを生成(又は製造)するための反応の環境もHOおよび/またはCOを含む。リフォーミング反応からの初期(又は最初)の理論量(又は化学量論)は、水性ガスシフトの平衡に基づいて変更することができる。また、平衡は、温度に依存するものである。より高い温度がCOおよびHOの生成(又は製造)には好ましい。また、より高い温度が、平衡に到達するための速度(又はレート)を改善することができることにも留意するべきである。結果として、昇温してリフォーミング反応を行う能力によって、潜在的にいくつかの利点を提供することができる。例えば、HOが過剰な環境において、スチーム・リフォーミングを行う代わりに、COを反応の環境に添加することができる。これによって、ドライ・リフォーミングの理論量(又は化学量論)に基づいて得られるH/COの比を減少させることと、水性ガスシフトの平衡に基づいて得られるH/COの比を減少させることとの両方を可能にすることができる。あるいは、より高いH/COの比が望ましい場合、COを環境から除去することができる。HO/CH(または他の炭化水素(類))の比は、所望の種類(又はタイプ)の合成ガスを製造(又は生成)するためにコントロール(又は管理)することができる。これによって、適切な量の供給物成分(又はフィード・コンポーネント)を選択することによって、0.1~15、または0.1~3.0、または0.5~5.0、または1.0~10のH/COの比を有する合成ガスを生成(又は製造)することを潜在的に可能することができる。
【0114】
式(2)~(4)に示すリフォーミング反応は、吸熱反応である。コマーシャル・スケールのリフォーミングにおける挑戦(又はチャレンジ)の1つによって、効果的な様式(又は方法)で、リフォーミング反応を行うことに熱を提供することができる。その一方で、所望の合成ガス生成物に追加の成分(又はコンポーネント)を導入することを減少または最小にすることができる。循環反応システム(又はサイクル・リアクション・システム)(例えば、リバース・フローリアクタ・システム)は、リフォーミング・ステップおよびリジェネレーション・ステップを含むサイクルを有することによって、所望の様式(又は方法)で熱を提供することができる。リジェネレーション・ステップの間、リアクタの選択された領域において、燃焼を行うことができる。リジェネレーションの間のガス・フローは、燃焼ゾーンからリアクタのリフォーミング・ゾーンの追加の部分に向けて、この熱を移すことを援助(又はアシスト)することができる。このサイクルにおいて、リフォーミング・ステップは、セパレート・ステップ(又は別々の工程)であってよい。そのため、燃焼からの生成物(又はプロダクト)を反応物(又は反応物質又はリアクタント)および/またはリフォーミングからの生成物(又はプロダクト)に導入することは、減少または最小化されてよい。リフォーミング・ステップは、熱を消費することができる。そにより、リフォーミング・ゾーンの温度を低下させることができる。リフォーミングからの生成物(又はプロダクト)がリアクタを通過する場合、リフォーミング生成物(又はリフォーミング・プロダクト)は、第2ゾーンを通過することができる。第2ゾーンは、リフォーミング触媒または水性ガスシフト触媒を含まないものである。このことによって、反応生成物(又は反応プロダクト)を冷却させることができる。その後、リアクタを出ることができる。次いで、リフォーミング生成物からリアクタに移される熱を使用することができる。それにより、次の燃焼またはリジェネレーション・ステップのための反応物(又は反応物質又はリアクタント)の温度を上昇させることができる。
【0115】
メタンの1つの共通の供給源(又はコモン・ソース)は、天然ガスである。いくつかの用途(又は適用)において、リフォーミング反応のための供給物(又は供給又はフィード)として天然ガスを使用することができる。天然ガスは、随伴する炭化水素および不純物のガス(又は気体)(複数)を含むものである。また、供給される天然ガスは、スウィートニングされた天然ガスおよび/または脱水された天然ガスであってよい。天然ガスは、共通して、様々な濃度の随伴ガス(例えば、エタンおよび他のアルカン(類))を含む(好ましくは、メタンよりも低い濃度で含む)。供給される天然ガスは、不純物を含んでよい(例えば、HSおよび窒素)。より一般的には、リフォーミングのための炭化水素の供給物(又は供給又はフィード)は、メタンおよび/または他の炭化水素(類)の任意の都合の良い組み合わせを含むことができる。必要に応じて、リフォーミングの供給物(又は供給又はフィード)もいくつかの炭化水素の化合物(例えば、アルコール(類)またはメルカプタン(類))を含むことができる。これらは、炭化水素(類)に似ているものである。しかし、炭素および水素とは異なる1以上のヘテロ原子(又は複素原子)を含むものである。いくつかの態様において、供給物(又は供給又はフィード)に存在する追加の成分(又はコンポーネント)は、硫黄などの不純物に対応(又は該当)することができる。不純物は、還元サイクル(又はリデュース・サイクル)(例えば、リフォーミング・サイクル)の間に触媒作用を有するモノリスに吸着させることができる。このような不純物は、後続のサイクルにおいて、酸化を受けることができる。それにより、硫黄酸化物を形成することができる。これは、次いで、還元を受けることができる。それにより、さらなる硫黄含有成分(または他の不純物含有成分)を反応の環境に放出することができる。
【0116】
いくつかの態様において、リフォーミングのための供給物(又は供給又はフィード)は、リフォーミングのための供給物に含まれる炭化水素(類)の総重量に対して、5重量%以上、または10重量%以上、または15重量%以上、または20重量%以上(例えば、最大で50重量%、または、可能であれば、さらにより多く)のC2+化合物(例えば、エタンまたはプロパン)を含むことができる。また、窒素および/または燃焼の環境で非反応性(又は反応性を有していない)の他のガス(又は気体)(例えば、HOおよびCO)がリフォーミング(又は改質)のための供給物(又は供給又はフィード)に存在していてもよいことに留意するべきである。オン・ボードでのリフォーミング(又は改質)の環境にリフォーマ(又は改質器又は改質装置)が対応する態様において、必要に応じて、このような非反応性の生成物(又はプロダクト)を供給物(又は供給又はフィード)に導入することができる。例えば、リフォーマへの排気ガスのリサイクル(又は循環)に基づいて、導入することができる。追加的または代替的なものとして、リフォーミングのための供給物(又は供給又はフィード)は、40重量%以上、または60重量%以上、または80重量%以上、または95重量%以上のメタンを含むことができる。例えば、実質的にメタンから構成される供給物(98重量%以上のメタン)を含む。リフォーミング(又は改質)がスチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)に対応している態様において、供給物(又は供給又はフィード)におけるスチーム分子(又は水蒸気分子)/炭素原子のモル比は、0.3~4.0であってよい。メタンは、1分子あたり1個の炭素原子を有し、その一方で、エタンは、1分子あたり2個の炭素原子を有することに留意するべきである。リフォーミングがドライ・リフォーミングに対応している態様において、供給物(又は供給又はフィード)におけるCO分子/炭素原子のモル比は、0.05~3.0であってよい。
【0117】
リバース・フローリアクタのリフォーミング・ゾーンにおいて、温度をリフォーミング・ゾーンにわたって変化させることができる。これは、如何にしてリアクタに熱が添加されるかという性質および/またはリフォーミング反応のキネティクス(又は速度論又は反応速度論又は運動力学又は動力学)に起因するものである。リフォーミング・ゾーンの温度が最も高い部分は、典型的には、リアクタの中間部分(又はミドル部分)の近くに見出すことができる。この中間部分は、ミキシング・ゾーン(又は混合ゾーン)と呼ぶ場合もある。ここでは、リジェネレーションの間において、燃焼が開始される。リフォーミング触媒(又は改質触媒)を有するモノリスがミキシング・ゾーンに延在している場合、ミキシング・ゾーンの少なくとも一部(又は部分)は、リフォーミング・ゾーンの一部(又は部分)に対応(又は該当)することができる。結果として、リジェネレーションの間に燃焼が開始する場所(又は位置又はロケーション)は、典型的には、リアクタのリフォーミング・ゾーンの端部(又はエンド)の近くであってよい。リアクタ(単数または複数)の燃焼触媒の場所(又は位置又はロケーション)は、リアクタ(単数または複数)のリフォーミング触媒の場所(又は位置又はロケーション)と重複(又はオーバーラップ)させることができることに留意するべきである。そのため、リアクタ(単数または複数)のいくつかの部分は、燃焼ゾーンと反応ゾーンの両方に対応(又は該当)することができる。リアクタの中央部(又はセンター)からリアクタの端部(又はエンド)まで移動(又は運動)すると、温度は低下することができる。結果として、リフォーミング・ゾーンが始まるところ(リアクタの端部(又はエンド))の温度は、リフォーミング・ゾーンの端部(又はエンド)(リアクタの中間部分)の温度と比較して、より低くてよい。
【0118】
リフォーミング反応が生じる場合、リフォーミング・ゾーンの温度を低下させることができる。温度の低下の速度は、リフォーミングに利用可能な炭化水素(類)の量および/またはリフォーミング・ゾーンの所定の場所(又は位置又はロケーション)における温度の速度因子(又は反応速度論因子又は運動力学因子又は動力学因子又はキネティック・ファクター)に関連付けることができる。リフォーミングの供給物(又は供給又はフィード)がリフォーミング・ゾーンを通って移動(又は運動)する場合、供給物に含まれる反応物(又は反応物質又はリアクタント)を消費することができる。それにより、下流の場所(又は位置又はロケーション)で発生するリフォーミングの量を減らすことができる。しかし、反応物がリフォーミング・ゾーンにわたって移動(又は運動)する場合、リフォーミング・ゾーンの温度が上昇することによって、反応速度(又はリアクション・レート)の上昇につながることがあってよい。
【0119】
約500℃では、リフォーミングの反応速度を十分に低下させることができる。それによって、追加のリフォーミングは、ほとんど又はまったく行われない。その結果、リフォーミング反応の進行に伴って、いくつかの態様では、リフォーミング・ゾーンの開始部分を十分に冷却することができる。それにより、リフォーミング・ゾーンの一部(又は部分)においてリフォーミング反応を十分に効果的に停止させることができる。これにより、リアクタにおいてリフォーミングが開始する場所(又は位置又はロケーション)を、リフォーミング・ゾーンが開始する場所(又は位置又はロケーション)対して、さらに下流の場所(又は位置又はロケーション)に移動(又は運動)させることができる。リフォーミング・ゾーンの十分な部分(又は一部)が500℃未満、または600℃未満の温度を有する場合、反応サイクルでのリフォーミング・ステップ(又はリフォーミング工程又は改質工程)を停止することができる。それにより、リジェネレーション(又は再生)を可能にすることができる。あるいは、リジェネレーションの間にリアクタに導入される熱の量に基づいて、反応サイクルのリフォーミング部分(又はリフォーミング・ポーション)を反応時間の長さに基づいて停止させることが可能である。そのため、リフォーミングの間に消費される熱の量(環境に奪われる熱も含まれる)は、リジェネレーションの間に加えられる熱の量とほぼ均衡がとれている。リフォーミング・プロセスを停止した後、リアクタにまだ残っている合成ガス生成物(又は合成ガス・プロダクト)は、いずれも、必要に応じて、回収することができる。その後、反応サイクルのリジェネレーション・ステップを開始する。
【0120】
次いで、リジェネレーション・プロセスを開始することができる。リジェネレーションの間、燃料(又はフューエル)(例えば、メタン、天然ガスまたはH)および酸素をリアクタに導入することができ、燃焼させることができる。燃料(又はフューエル)および酸化剤(又はオキシダント)を混合させる場所(又は位置又はロケーション)は、任意の都合の良い様式(又は方法)でコントロール(又は制御又は管理)することができる。例えば、別々のチャネルを介して、燃料および酸化剤を導入することによってコントロール(又は制御又は管理)することができる。反応物(又は反応物質又はリアクタント)がリアクタの中央部分(又はセントラル部分又はセントラル・ポーション)に到達するまで、リジェネレーションの間に燃焼を遅延(又はディレイ)させることによって、より低い温度でリアクタの非リフォーミング端部(又はノン・リフォーミング・エンド)を維持することができる。また、このことによって、リアクタの中間部分(又はミドル部分又はミドル・ポーション)において、温度のピークが生じ得る。温度のピークは、リアクタの一部(又は部分)に位置付けることができる。このリアクタもリフォーミング触媒を含むものである。リジェネレーション・サイクルの間において、リフォーミング・リアクタの温度を十分に増加させることができる。それにより、サイクルのリフォーミング部分におけるリフォーミングを十分に可能にすることができる。これにより、1100℃以上、または1200℃以上、または1300℃以上、または潜在的にさらにより高い温度のリアクタのピーク温度を得ることができる。
【0121】
プロセス・サイクルのリフォーミング部分とリジェネレーション部分に関する相対的な時間の長さと反応物のフローレート(又は流量又は流速)は、リジェネレーションの間に提供される熱と、リフォーミングの間に消費される熱とバランスをとるように選択することができる。例えば、リジェネレーション・ステップと同様の長さを有するリフォーミング・ステップを選択することも一つの選択肢(又はオプション)となり得る。炭化水素(類)、HOおよび/またはCO(リフォーミング・ステップの間)のフローレート(又は流量又は流速)に基づいて、リフォーミング反応に必要な吸熱性の熱を決定することができる。次いで、この熱需要(又はヒート・デマンド)は、リジェネレーション・ステップの間における燃焼反応物(又は燃焼反応物質又はリアクタント)のフローレート(又は流量又は流速)を計算するために使用することができる。もちろん、他の態様において、リフォーミングとリジェネレーションとの間の熱の収支(又はバランス)を他の様式(又は方法)で決定することができる。例えば、反応物(又は反応物質又はリアクタント)の所望のフローレート(又は流量又は流速)を決定し、次いで、サイクルの長さを選択することによって決定することができる。そのため、リジェネレーションによって提供される熱は、リフォーミングの間に消費される熱とバランスがとれている(又は収支が合う)。
【0122】
熱を提供することに加えて、反応サイクルの間のリアクタ・リジェネレーション・ステップ(又は反応器リジェネレーション工程又は反応器再生工程)によっても、リフォーミング・ゾーン(又は改質ゾーン)の触媒からコーク(又はコークス)を除去させることができる。様々な態様において、リジェネレーション・ステップ(又はリジェネレーション工程又は再生工程)の間に1種類以上の触媒リジェネレーション(又は再生)を潜在的に起こすことができる。1種類の触媒リジェネレーションが、触媒からのコーク(又はコークス)の除去に対応(又は該当)することができる。リフォーミングの間において、リフォーミング・ゾーンに導入される炭化水素(類)の一部(又は部分)は、COまたはCOを形成(又は生成)する代わりに、コーク(又はコークス)を形成することができる。このようなコーク(又はコークス)は、触媒の触媒作用を有するサイト(又は部位)(例えば、金属サイト(又は金属部位))へのアクセスを潜在的に阻害する可能性がある。いくつかの態様において、形成(又はフォーメーション)の速度は、より高い温度に曝されるリフォーミング・ゾーンの一部(又は部分)において、例えば、800℃以上、または900℃以上、または1000℃以上の温度に曝されるリフォーミング・ゾーンの一部(又は部分)において、増加させることができる。リジェネレーション・ステップの間において、リフォーミング・ゾーンの温度が増加する場合、酸素が存在していてもよい。リジェネレーションの間に達成される温度において、リフォーミングの間に発生(又は生成)するコーク(又はコークス)の少なくとも一部(又は部分)は、COまたはCOとして除去することができる。
【0123】
リアクタにわたる温度のバリエーション(又は変化又は変動)に起因して、リアクタおよび/またはリアクタのリフォーミング・ゾーンにおいて、温度を特徴付けるために(又はキャラクタリゼーションのために)、いくつかの選択肢(又はオプション)を使用することができる。温度を特徴付けるための選択肢(又はオプション)の1つは、リフォーミング・ゾーンの平均床温度(又は平均ベッド温度)または平均モノリス温度に基づくものであってよい。実際のセッティングにおいて、リアクタ内の温度を決定するためには、測定装置(又は測定デバイス)(例えば、熱電対(又はサーモカップル))が存在することが必要となる。リフォーミング・ゾーンの温度の測定を行うのではなく、リフォーミング・ゾーンの平均の温度(床(又はベッド)またはモノリスの温度)を定義(又は規定)することができる。このような定義(又は規定)は、リフォーミング・ゾーンが始まるところ(又はビギン)の温度と、リフォーミング・ゾーンが終わるところ(又はエンド)の温度との平均に基づくものである。別の選択肢(又はオプション)は、反応サイクルにおいて、リジェネレーション・ステップの後、リフォーミング・ゾーンのピーク温度を特徴付けること(又はキャラクタリゼーション)であってよい。概して、リフォーミング・ゾーンの端部(又はエンド)において、またはその近くにおいて、ピーク温度が発生してよい。そして、このようなピーク温度は、リアクタで燃焼が開始する場所(又は位置又はロケーション)に依存してよい。さらに別の選択肢(又はオプション)は、反応サイクルの様々な時間において、リアクション・ゾーンの所定の場所(又は位置又はロケーション)における温度の差を特徴付けること(又はキャラクタリゼーション)であってよい。例えば、温度の差は、リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)の温度と、リフォーミング・ステップの終了(又は端部又はエンド)の温度との間で決定することができる。このような温度の差は、リアクタのピーク温度の場所(又は位置又はロケーション)において、またはリフォーミング・ゾーンの入口(又はエントランス)、またはリフォーミング・ゾーンの出口(又はエグジット)、または任意の他の都合の良い場所(又は位置又はロケーション)において、特徴付けること(又はキャラクタリゼーション)ができる。
【0124】
様々な態様において、炭化水素(類)をリフォーミング(又は改質)するための反応条件として、以下の1以上の条件を挙げることができる。
平均のリフォーミング・ゾーンの温度であって、400℃~1200℃(または、それ以上)の範囲の温度;
リフォーミング・ゾーンのピーク温度であって、800℃~1500℃の温度;
リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)と、後続のリフォーミング・ステップの終了(又は端部又はエンド)との間における、ピーク温度の場所(又は位置又はロケーション)における温度差であって、25℃以上、または50℃以上、または100℃以上、または200℃以上、例えば、最大で800℃、または、可能であれば、さらに、より大きな温度の差;
リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)と、後続のリフォーミング・ステップの終了(又は端部又はエンド)との間における、リフォーミング・ゾーンの入口(又はエントランス)における温度の差であって、25℃以上、または50℃以上、または100℃以上、または200℃以上、例えば、最大で800℃、または、可能であれば、さらに、より大きな温度の差;および/または
リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)と、後続のリフォーミング・ステップの終了(又は端部又はエンド)との間における、リフォーミング・ゾーンの出口(又はエグジット)における温度の差であって、25℃以上、または50℃以上、または100℃以上、または200℃以上、例えば、最大で800℃、または、可能であれば、さらに、より大きな温度の差。
【0125】
平均のリフォーミング・ゾーンの温度に関して、様々な態様において、リフォーミング・ゾーンの平均の温度は、500℃~1500℃、または400℃~1200℃、または800℃~1200℃、または400℃~900℃、または600℃~1100℃、または500℃~1000℃であってよい。追加的または代替的なものとして、リフォーミング・ゾーンのピーク温度に関して(リジェネレーション反応物(又はリジェネレーション反応物質又はリアクタント)の燃焼のための場所(又は位置又はロケーション)に近いリフォーミング・ゾーンにおける場所(又は位置又はロケーション)に同様に対応(又は該当)している)、ピーク温度は、800℃~1500℃、または1000℃~1400℃、または1200℃~1500℃、または1200℃~1400℃であってよい。
【0126】
追加的または代替的なものとして、炭化水素(類)のリフォーミングのための反応条件は、以下の圧力と、以下のリフォーミング反応物(又はリフォーミング反応物質又はリアクタント)のガス空間速度(又はガス・アワリー・スペース・ベロシティ(gas hourly space velocity))を含むことができる。
圧力:0psig~1500psig(10.3MPa)、または0psig~1000psig(6.9MPa)、または0psig~550psig(3.8MPa)、および
リフォーミング反応物のガス空間速度:1000hr-1~50,000hr-1
この空間速度は、1単位時間あたりのモノリスのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に対する反応物(又は反応物質)のボリューム(又は容量又は容積又は体積)に対応(又は該当)するものである。モノリスのボリューム(又は容量又は容積又は体積)は、中実(又はソリッド)の円柱(又はシリンダ)とした場合のモノリスのボリューム(又は容量又は容積又は体積)として定義(又は規定)されている。
【0127】
いくつかの態様において、昇温でのリフォーミング反応を操作(又は運転又は作動又はオペレーション)することの利点(又はアドバンテージ)は、メタンおよび/またはリフォーミング供給物(又はリフォーミング供給又はリフォーミング・フィード)の他の炭化水素(類)の実質的に全てを変換する能力であってよい。例えば、リフォーミング反応の環境において水が存在するリフォーミング・プロセス(すなわち、スチーム・リフォーミングまたはバイ・リフォーミング)に関して、反応条件は、リフォーミング供給物のメタンの10重量%~100重量%、または20重量%~80wt%、または50重量%~100重量%、または80重量%~100重量%、または10重量%~98重量%、または50重量%~98重量%のコンバージョン(又は変換又は転換又は転化)に適切であってよい。追加的または代替的なものとして、反応条件は、リフォーミング供給物の炭化水素(類)の10重量%~100重量%、または20重量%~80重量%、または50重量%~100重量%、または80重量%~100重量%、または10重量%~98重量%、または50重量%~98重量%のコンバージョン(又は変換(率)又は転換(率)又は転化(率))に適切であってよい。
【0128】
別の態様において、リフォーミング反応の環境において二酸化炭素が存在するリフォーミング・プロセス(すなわち、ドライ・リフォーミングまたはバイ・リフォーミング)に関して、反応条件は、リフォーミング供給物(又はリフォーミング供給又はリフォーミング・フィード)のメタンの10重量%~100重量%、または20重量%~80重量%、または50重量%~100重量%、または80重量%~100重量%、または10重量%~98重量%、または50重量%~98重量%のコンバージョン(又は変換(率)又は転換(率)又は転化(率))に適切であってよい。追加的または代替的なものとして、反応条件は、リフォーミング供給物の炭化水素(類)の10重量%~100重量%、または20重量%~80重量%、または50重量%~100重量%、または80重量%~100重量%、または10重量%~98重量%、または50重量%~98重量%のコンバージョンに適切であってよい。
【0129】
いくつかの代替的な態様において、ドライ・リフォーミングの条件下でリフォーミング反応を行うことができる。この条件下では、試薬(又はリエージェント)として、COを用いてリフォーミングを行う。しかし、反応の環境においては、減少または最小化した量のHOを用いる。このような代替の態様において、リフォーミング反応のゴール(又は目標)は、H/COの比が1.0以下の合成ガスを製造(又は生成)することであってよい。いくつかの態様において、リフォーミングの間の温度は、スチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)のために記載した温度範囲に対応(又は該当)することができる。必要に応じて、いくつかの態様において、ドライ・リフォーミング反応は、より低い温度(500℃~700℃、または500℃~600℃)で行うことができる。このような態様において、H/COの比は、0.3~1.0、または0.3~0.7、または0.5~1.0であってよい。また、このような条件下において、ドライ・リフォーミング反応を行うことによって、相当(又は実質的)なコーク(又はコークス)の生成(又は製造)をもたらすこともできる。このようなコーク(又はコークス)の生成(又は製造)によって、触媒活性を維持するために、リジェネレーション(又は再生)の間の除去が必要とされてもよい。
【実施例
【0130】
(実施例1 昇温でのラミナー・フレーム・スピード(又は層状の火炎(又はフレーム)の速度又は層流火炎速度))
燃焼の間の希釈ガスの成分(又は組成又は組成物又はコンポジション)の変化に基づいて、如何にしてラミナー・フレーム・スピード(又は層状の火炎(又はフレーム)の速度又は層流火炎速度)が変化するのかを決定するために、燃焼モデルを使用した。モデル化された燃焼反応において、ガス・フロー(H、Oおよび希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント(diluent)))を燃焼させた。燃料(又はフューエル)の量は、トータルのガス・フローの約10%に対応(又は該当)するものである。試験(又はテスト)の第1セットにおいて、400℃、500℃、600℃および700℃の温度で燃焼をモデル化した。その一方で、様々な量のCOを有する希釈物を使用した。図8は、モデル化された燃焼反応に由来するフレーム・スピードを示す。図8に示す通り、500℃以下の温度において、希釈ガス(又はダイリューエント・ガス)の性質(又は特徴)は、フレーム・スピードにほとんど又はまったく影響(又はインパクト)を与えなかった。しかし、600℃以上の温度では、100vol%のNに対応(又は該当)する希釈ガスによって、フレーム・スピードの相当(又は実質的)な増加が示されている。COを希釈物に配合(又はブレンド)すると、フレーム・スピードの増加が減少する。希釈物におけるCOの量が10vol%以上の場合、予想外にも、フレーム・スピードが大きく減少した。25vol%または30vol%のCOの場合、600℃以上でのフレーム・スピードは、ほとんどが、500℃以下のフレーム・スピードの値まで減少する。
【0131】
このモデルによる図8に示すフレーム・スピードの結果は、Hの燃焼に関するフレーム・スピードに対応(又は該当)することに留意するべきである。Hの燃焼は、HOの生成(又は形成又は製造)をもたらす。従って、燃焼によって生成(又は形成又は製造)されるHOに起因するフレーム・スピードへの影響(又はインパクト)は、いずれも、このモデルの結果に含まれている。
【0132】
図9は、同様のセットのモデリングの結果を示す。このモデリングでは、希釈物におけるHOの量を変化させることを含む。図9に示す通り、HOに関して、フレーム・スピードのカーブは、COのフレーム・スピード・カーブと同様である。従って、HOおよびCOの熱容量(又はヒート・キャパシティ)が10%を超えて異なる場合であっても、フレーム・スピードの低下は、両方とも同様である。700℃において、HOの添加によって、COよりもフレーム・スピードの顕著により多くの減少がもたらされるようである。
【0133】
(実施例2 30%の高熱容量ガスを含むリジェネレーション希釈物)
パイロット・スケールのリアクタ(長さ:約12インチ/約30cm)を使用して、煙道ガスの出口温度を変更することによるリバース・フローリアクタ・システムの操作(又は運転又は作動又はオペレーション)への影響(又はインパクト)および利点(又はベネフィット)を調査した。本開示において提供される例は、単一(又はシングル)のリアクタからの結果に対応(又は該当)する。しかし、当業者は、複数のリバース・フローリアクタを含む反応システムへの以下の結果の適用(又は用途)を容易に理解する。
【0134】
このようなパイロット・リアクタを使用して、様々な種類(又はタイプ)の希釈ガス(又は希釈するためのガス又は希釈剤ガス又はダイリューエント・ガス)を用いるリバース・フローリアクタにおいて、スチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)を行った。2scf/minのメタン供給速度(又はメタン・フィード・レート)でスチーム・リフォーミング(又は水蒸気改質)を行った。リジェネレーション・ステップの間のフローレートは、約18scf/min(約510L/min)であった。これには、約16.1scf/min(約455L/min)の希釈物(又は希釈剤又はダイリューエント)と、燃料(又はフューエル)として1.9scf/min(約55L/min)のHが含まれていた。リアクション・ステップおよびリジェネレーション・ステップの両方について、リアクタの圧力は、150psig(約1000kPa-g)であった。
【0135】
図4Aは、如何にして、リアクタのリジェネレーション・ステップの間において、燃料および希釈物の成分(又は組成又は組成物又はコンポジション)が経時変化するのかを示している。最初に、リジェネレーションの間において、リアクタへの10.6vol%のフローは、H(燃料(又はフューエル))に対応(又は該当)する。最初の期間(又はイニシャル・ピリオド)の間、実質的に全てのN(希釈物)を使用した。ただし、エア(又は空気又は大気)に典型的に存在するいくらかより少量の他のガス(又は気体)が含まれていた。これらは、燃焼反応のための酸化剤を提供するためにエアを使用することに起因するものであった。かかる他のガスは、15vol%未満の希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント)に対応(又は相当)する。
【0136】
リアクタを特徴付けるために(又はキャラクタリゼーション)、リジェネレーション・ガスが入るリアクタの端部(又はエンド)から4インチ(約10cm)のところで温度をサンプリング(又は採取)した。この場所(又は位置又はロケーション)は、概して、リアクタの温度プロファイルにおいて、最大の場所(又は位置又はロケーション)に対応(又は該当)する。図4Bは、時間の関数として、この場所(又は位置又はロケーション)における温度を示す。図4Bに示す通り、最初の期間(又はイニシャル・ピリオド)の間にリアクタの測定した場所(又は位置又はロケーション)における温度は、1200℃をわずかに超えていた。また、図4Bは、リジェネレーション・ステップの終了(又は端部又はエンド)における約1220℃の最大の温度と、メタン・リフォーミング・ステップの終了(又は端部又はエンド)における約800℃の最小の温度との間でサイクル(又は循環)させた温度を示す。これは、リジェネレーション・ステップと、リアクション・ステップ(約420℃)との間の温度の差を示す。
【0137】
約500秒の操作(又は運転又は作動又はオペレーション)の後、5.0scf/min(約140L/min)のN(希釈物)が、5.0scf/min(約140L/min)のCOに置換されたことを図4Aは示している。これは、約30vol%の希釈物がCOで置換されていることに対応(又は該当)している。他のインプット・フローの温度、圧力およびボリューム(又は容量又は容積又は体積)を同一で維持した。図4Bに示す通り、これにより、最大温度が1200℃超から1100℃未満まで減少した。次いで、燃料成分(又は燃料組成)を増加させて、ピーク温度を最大で1200℃超にまで戻した。このようにして、より多くの燃料成分(又は燃料組成)を使用して、リアクタにおいて、同一の温度プロファイルを作成した。このようなことは、約15%だけ、全体の希釈物を減少させることによって達成される。リジェネレーションの間にリジェネレーションのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に基づくフロー(リジェネレーション・ボリューム・フロー)は減少するが、リアクション・ステップの間に行われるリフォーミングの量は、実質的に同一のままである。このことによって、COを使用して、N(希釈物)を置換することができ、それにより、リアクタにおけるリジェネレーションのボリューム(又は容量又は容積又は体積)に基づくフロー(リジェネレーション・ボリューム・フロー)を減少させることができことが実証されている。その一方で、同様の反応性をさらに達成することもできる。このような条件下(約2000秒)でリアクタを操作(又は運転又は作動又はオペレーション)することによって、低下した操作温度(又は運転温度又は作動温度又はオペレーション温度)が維持できることを確認した。また、その一方で、リアクション・ステップの間において、同一または同様のレベルの活性を維持することもできる。
【0138】
2500秒において、希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント(diluent))からNをさらに除去した。Nを他の希釈物(又は希釈するもの又は希釈剤又はダイリューエント)と置き換える代わりに、図4Aは、Hの量を10.6vol%のインプット・フローから約12.2vol%まで増加させたことを示す。このように燃料(又はフューエル)の量を増加させることは、プロセスの強化を表す。リジェネレーションの間に発生(又は生成)する追加の熱によって、リアクション・ステップの間に追加のリフォーミングを行うことが可能になる。図4Bに示す通り、これにより、リアクタの最大温度を増加させて、1200℃をわずかに超える温度まで戻す。従って、リジェネレーションの間に約10vol%の希釈物をCOに置き換えることによって、リジェネレーションの間に使用される燃料(又はフューエル)の量の増加が可能になった(約1.5vol%)(または最初の量に対して、約15%の増加)。従って、リアクション・ステップの間に追加のメタンをHにコンバージョン(又は変換又は転換又は転化)することができる。
【0139】
図5は、図4Aおよび図4Bの条件に類似する条件下で行ったリフォーミングについて、メタン・コンバージョン(又はメタン変換)・vs(バーサス)・サイクル・タイム(又はサイクル時間)を示す。図5に示す通り、30vol%のCOを希釈物に含ませるように変更(又は改変又はモディフィケーション)することによって、N(希釈物)だけを用いてリジェネレーション・ステップを操作(又は運転又は作動又はオペレーション)する場合と実質的に同じコンバージョンが得られた。
【0140】
(実施例3 コマーシャル・スケールのインテグレーションのための構成およびプロセス・フロー)
このような予想の例によって、コマーシャル・スケールにおいて、リバース・フローリアクタ(又はRFR)・リフォーミングをアンモニア製造と統合(又は集合又はインテグレーション)するための相対的なフローレート(又は流量又は流速)の例が提供される。この例において、1日あたり約4000トンのアンモニアを製造し得るプロセス・フローが示されている。このようなプロセス・フローは、図3に示す構成と同様の構成で行うことができる。
【0141】
この例において、エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)を使用して、1日あたり2300トンのOを製造(又は生成)する。この酸素は、炭化水素(類)のリフォーミングに使用されているリバース・フローリアクタのリジェネレーション・ステップにおいて、使用することができる。リジェネレーションのための燃料と、リフォーミングのための炭化水素(類)との間において、H含有ストリームを生成(又は形成)するためのリフォーマによって、4850MMBTU/hrの天然ガスを消費することができる。また、約3000kPa-gの圧力で1日あたり約6750トンのCOを生成(又は形成)する(煙道ガスの形態、HOも含む)。
【0142】
含有ストリーム(又はH含有流)は、約3:1のH/COのモル比を有することができる。H含有ストリームは、水性ガスシフトのステージ(又は段階)を通過することができる。それにより、H製造を増加または最大にすることができる。次いで、1以上のセパレーションのステージ(又は段階)(例えば、圧力スイング吸着セパレーション・ステージ)を使用することができ、それにより、シフトされた生成物(又はシフト・プロダクト)から、高純度のHストリームを分離することができる。次いで、シフトされた生成物(又はシフト・プロダクト)は、メタン化することができ、必要に応じて、追加のCOおよび/またはHOトラップ・ステージを通過することができ、その後、アンモニア合成リアクタに送ることができる。また、エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)から高純度の窒素をアンモニア合成ステージに送ることができる。これは、1日あたり約4000トンのアンモニアを形成(又は生成)することを目的としている。エア分離ユニットにおいて分離されるエア(又は空気又は大気)のボリューム(又は容量又は容積又は体積)に基づいて、リフォーミングの間に製造(又は生成)されるHの量が、エア分離によって製造(又は生成)される対応(又は該当)する理論量(又は化学量論量)のNよりも多いことに留意するべきである。結果として、1日あたり約210トンの過剰なHストリームを追加の生成物(又はプロダクト)として形成(又は生成)することができる。
【0143】
(追加の態様)
態様1
リフォーミングを行うための方法であって、当該方法は、以下の工程:
燃料混合物と、酸素含有ストリームと、リサイクル・ストリームとを反応させる工程であって、
前記燃料混合物は、燃料ストリームを含み、
前記酸素含有ストリームは、前記酸素含有ストリームのボリュームに対して、10vol%以下のNを含み、
前記リサイクル・ストリームは、燃焼条件下において、リアクタの燃焼ゾーンで0.7MPa-g以上の燃焼圧力を含み、
前記反応によって、煙道ガスが形成されて、反応ゾーンの1以上の表面を加熱して、600℃以上の再生された表面の温度(又は再生表面温度)まで加熱し、
前記反応ゾーンは、触媒組成物を含み、
前記燃料混合物は、前記燃料混合物のボリュームに対して、0.1vol%以上のOと、20vol%以上のCOとを含む、工程、
前記煙道ガスから、前記リサイクル・ストリームの少なくとも一部およびCO含有ストリームの少なくとも一部を分離(又はセパレーション)する工程であって、前記CO含有ストリームが0.5MPa-g以上の第2圧力を含む、工程、
リフォーミング条件下、前記再生された表面の温度(又は再生表面温度)において、前記反応ゾーンで前記触媒組成物に炭化水素含有ストリームを曝露させる工程であって、前記曝露によって、HおよびCOを含むリフォーミング生成物ストリームを形成し、前記反応ゾーンにおいて、前記炭化水素含有ストリームのフローの方向が、前記燃料混合物のフローの方向に対して逆向きである、工程、
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H含有ストリームを形成(又は生成)する工程であって、前記H含有ストリームが50vol%以上のHを含む、工程、
前記H含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたH含有ストリームを形成する、工程、および
の存在下において、前記メタン化されたH含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、前記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程
を含み、
必要に応じて、前記リサイクル・ストリームおよび前記燃料混合物の少なくとも一方が、15vol%以下のNを含む、
方法。
【0144】
態様2
大気(又は空気又はエア)から、前記酸素含有ストリームの少なくとも一部およびN含有ストリームの少なくとも一部を分離することをさらに含み、必要に応じて、前記メタン化されたH含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程が、前記メタン化されたH含有ストリームと、前記N含有ストリームの少なくとも一部とをアンモニア合成条件に曝露させることを含む、態様1に記載の方法。
【0145】
態様3
少なくとも前記CO含有ストリームおよび前記リサイクル・ストリームを形成するために、前記煙道ガスを分離(又はセパレーション)する前に、前記煙道ガスを圧縮すること、または
前記リサイクル・ストリームが、前記リサイクル・ストリームのボリュームに対して、25vol%以上のCOを含むこと、または
それらの組み合わせ
をさらに含む、態様1または2に記載の方法。
【0146】
態様4
リフォーミングを行うための方法であって、当該方法は、以下の工程:
燃料ストリームを含む燃料混合物と、酸素含有ストリームとをリアクタの燃焼ゾーンにおいて燃焼条件下で反応させる工程であって、前記反応によって、煙道ガスが形成されて、反応ゾーンの1以上の表面を加熱して、600℃以上の再生された表面の温度(又は再生表面温度)まで加熱し、
前記反応ゾーンは、触媒組成物を含み、
前記酸素含有ストリームは、Nをさらに含み、
前記燃料混合物は、前記燃料混合物のボリュームに対して、0.1vol%以上のOを含む、工程、
前記煙道ガスから、N含有ストリームを分離する工程であって、前記N含有ストリームが、95vol%以上のNを含む、工程、
リフォーミング条件下、前記再生された表面の温度(又は再生表面温度)において、前記反応ゾーンで前記触媒組成物に炭化水素含有ストリームを曝露させる工程であって、前記曝露によって、HおよびCOを含むリフォーミング生成物ストリームを形成し、前記反応ゾーンにおいて、前記炭化水素含有ストリームのフローの方向が、前記燃料混合物のフローの方向に対して逆向きである、工程、
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H含有ストリームを形成する工程であって、前記H含有ストリームが50vol%以上のHを含む、工程、
前記H含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたストリームを形成する、工程、および
前記メタン化されたストリームと、前記N含有ストリームの少なくとも一部をアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、前記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程
を含む、方法。
【0147】
態様5
前記煙道ガスがOを実質的に含まない(又は実質的にOフリーである)、態様4に記載の方法。
【0148】
態様6
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部からH含有ストリームを形成する工程が、
前記リフォーミング生成物ストリームを水性ガスシフト反応条件に曝露させることであって、前記曝露によって、シフトされた合成ガス生成物ストリームを形成することと、
前記シフトされた合成ガス生成物ストリームを分離することであって、前記分離によって、前記H含有ストリームと、COを含むストリームとを形成することと
を含み、
前記H含有ストリームは、必要に応じて、90vol%以上のHを含み、
前記分離すること(又はセパレーション)は、必要に応じて、圧力スイング吸着を行うことを含み、前記圧力スイング吸着によって、前記H含有生成物ストリームを形成する、
上記態様のいずれかに記載の方法。
【0149】
態様7
前記CO含有ストリームは、90vol%以上のCOを含み、当該方法は、さらに、尿素含有生成物(又は尿素含有プロダクト)を形成するために、尿素合成条件に、前記アンモニア含有生成物の少なくとも一部および前記CO含有ストリームの少なくとも一部を曝露させることを含む、上記態様のいずれかに記載の方法。
【0150】
態様8
前記CO含有ストリームは、0.9vol%以下のCOを含む、上記態様のいずれかに記載の方法。
【0151】
態様9
前記燃焼条件は、1.0MPa-g以上の燃焼圧力を含むか、第2圧力が1.0MPa-g以上であるか、またはそれらの組み合わせである、上記態様のいずれかに記載の方法。
【0152】
態様10
(i)前記再生された表面の温度(又は再生表面温度)が1000℃以上である、
(ii)前記リアクタが、リバース・フローリアクタを含む、
(iii)前記リアクタが、リアクタ・システムを含み、前記リアクタ・システムが、レキュペレータの部分と、前記反応ゾーンを含む部分とを含む、または
(iv)上記の(i)、(ii)および(iii)の2以上の組み合わせである、
上記態様のいずれかに記載の方法。
【0153】
態様11
リアクタと、リサイクル・ループと、エア分離ユニット(又はエア・セパレーション・ユニット)と、圧力スイング吸着セパレータと、メタネーション・ステージと、アンモニア合成ステージとを含んで成るアンモニア合成システムであって、
前記リアクタは、リアクタ・インレットと、リジェネレータ・インレットと、反応ゾーンとを含んで成り、
前記リアクタ・インレットは、前記リアクタの第1端部にあり、
前記リジェネレータ・インレットは、前記リアクタの第2端部にあり、
前記反応ゾーンは、リフォーミング触媒を含んで成り、
前記リサイクル・ループは、前記リアクタ・インレットと前記リジェネレータ・インレットとの間に断続的(又は間欠的)な流体連通を提供し、前記リサイクル・ループは、リサイクル・コンプレッサと、フューエル・ソース・インレットと、酸素含有ガス・インレットと、CO含有ガス・アウトレットとを含んで成り、
前記エア分離ユニットは、前記酸素含有ガス・インレットと流体連通しており、
前記リジェネレータ・インレットは、前記圧力スイング吸着セパレータと断続的(又は間欠的)に流体連通しており、
前記メタネーション・ステージは、前記圧力スイング吸着セパレータを介して、前記リジェネレータ・インレットと流体連通しており、
前記アンモニア合成ステージは、前記メタネーション・ステージと流体連通している、
アンモニア合成システム。
【0154】
態様12
当該システムは、水分離ステージと、尿素合成ステージとをさらに含んで成り、
前記水分離ステージは、前記CO含有ガス・アウトレットと流体連通しており、
前記尿素合成ステージは、前記水分離ステージおよび前記アンモニア合成ステージと流体連通している、
態様11に記載のアンモニア合成システム。
【0155】
態様13
前記メタネーション・ステージは、前記エア分離ユニットとさらに流体連通している、態様11または12に記載のアンモニア合成システム。
【0156】
態様14
前記圧力スイング吸着セパレータは、水性ガスシフト反応ステージを介して、前記リジェネレータ・インレットと断続的(又は間欠的)に流体連通している、態様11~13のいずれかに記載のアンモニア合成システム。
【0157】
本発明は、特定の実施形態を参照することによって説明および図示されているが、当業者は、本発明が、本開示に必ずしも示されていないバリエーション(又は変形又は変更)にそれ自体が適していることを理解する。このような理由から、単に、添付の特許請求の範囲は、本発明の本当の範囲を決定することを目的として参考にするべきである。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
リフォーミングを行うための方法であって、当該方法は、以下の工程:
燃料混合物と、酸素含有ストリームと、リサイクル・ストリームとを反応させる工程であって、
前記燃料混合物は、燃料ストリームを含み、
前記酸素含有ストリームは、前記酸素含有ストリームのボリュームに対して、10vol%以下のN を含み、
前記リサイクル・ストリームは、燃焼条件下において、リアクタの燃焼ゾーンで0.7MPa-g以上の燃焼圧力を含み、
前記反応によって、煙道ガスが形成されて、反応ゾーンの1以上の表面を加熱して、600℃以上の再生された表面の温度まで加熱し、
前記反応ゾーンは、触媒組成物を含み、
前記燃料混合物は、前記燃料混合物のボリュームに対して、0.1vol%以上のO と、20vol%以上のCO とを含む、工程、
前記煙道ガスから、前記リサイクル・ストリームの少なくとも一部およびCO 含有ストリームの少なくとも一部を分離する工程であって、前記CO 含有ストリームが0.5MPa-g以上の第2圧力を含む、工程、
リフォーミング条件下、前記再生された表面の温度において、前記反応ゾーンで前記触媒組成物に炭化水素含有ストリームを曝露させる工程であって、前記曝露によって、H およびCOを含むリフォーミング生成物ストリームを形成し、前記反応ゾーンにおいて、前記炭化水素含有ストリームのフローの方向が、前記燃料混合物のフローの方向に対して逆向きである、工程、
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H 含有ストリームを形成する工程であって、前記H 含有ストリームが50vol%以上のH を含む、工程、
前記H 含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたH 含有ストリームを形成する、工程、および
の存在下において、前記メタン化されたH 含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、前記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程
を含み、
必要に応じて、前記リサイクル・ストリームおよび前記燃料混合物の少なくとも一方が、15vol%以下のN を含む、
方法。
(態様2)
大気から、前記酸素含有ストリームの少なくとも一部およびN 含有ストリームの少なくとも一部を分離することをさらに含み、必要に応じて、前記メタン化されたH 含有ストリームをアンモニア合成条件に曝露させる工程が、前記メタン化されたH 含有ストリームと、前記N 含有ストリームの少なくとも一部とをアンモニア合成条件に曝露させることを含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
少なくとも前記CO 含有ストリームおよび前記リサイクル・ストリームを形成するために、前記煙道ガスを分離する前に、前記煙道ガスを圧縮すること、または
前記リサイクル・ストリームが、前記リサイクル・ストリームのボリュームに対して、25vol%以上のCO を含むこと、または
それらの組み合わせ
をさらに含む、態様1または2に記載の方法。
(態様4)
リフォーミングを行うための方法であって、当該方法は、以下の工程:
燃料ストリームを含む燃料混合物と、酸素含有ストリームとをリアクタの燃焼ゾーンにおいて燃焼条件下で反応させる工程であって、前記反応によって、煙道ガスが形成されて、反応ゾーンの1以上の表面を加熱して、600℃以上の再生された表面の温度まで加熱し、
前記反応ゾーンは、触媒組成物を含み、
前記酸素含有ストリームは、N をさらに含み、
前記燃料混合物は、前記燃料混合物のボリュームに対して、0.1vol%以上のO を含む、工程、
前記煙道ガスから、N 含有ストリームを分離する工程であって、前記N 含有ストリームが、95vol%以上のN を含む、工程、
リフォーミング条件下、前記再生された表面の温度において、前記反応ゾーンで前記触媒組成物に炭化水素含有ストリームを曝露させる工程であって、前記曝露によって、H およびCOを含むリフォーミング生成物ストリームを形成し、前記反応ゾーンにおいて、前記炭化水素含有ストリームのフローの方向が、前記燃料混合物のフローの方向に対して逆向きである、工程、
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部から、H 含有ストリームを形成する工程であって、前記H 含有ストリームが50vol%以上のH を含む、工程、
前記H 含有ストリームの少なくとも一部をメタン化する工程であって、メタン化されたストリームを形成する、工程、および
前記メタン化されたストリームと、前記N 含有ストリームの少なくとも一部をアンモニア合成条件に曝露させる工程であって、前記曝露によって、アンモニア含有生成物を形成する、工程
を含む、方法。
(態様5)
前記煙道ガスがO を実質的に含まない、態様4に記載の方法。
(態様6)
前記リフォーミング生成物ストリームの少なくとも一部からH 含有ストリームを形成する工程が、
前記リフォーミング生成物ストリームを水性ガスシフト反応条件に曝露させることであって、前記曝露によって、シフトされた合成ガス生成物ストリームを形成することと、
前記シフトされた合成ガス生成物ストリームを分離することであって、前記分離によって、前記H 含有ストリームと、CO を含むストリームとを形成することと
を含み、
前記H 含有ストリームは、必要に応じて、90vol%以上のH を含み、
前記分離することは、必要に応じて、圧力スイング吸着を行うことを含み、前記圧力スイング吸着によって、前記H 含有生成物ストリームを形成する、
態様4または5に記載の方法。
(態様7)
前記CO 含有ストリームは、90vol%以上のCO を含み、当該方法は、さらに、尿素含有生成物を形成するために、尿素合成条件に、前記アンモニア含有生成物の少なくとも一部および前記CO 含有ストリームの少なくとも一部を曝露させることを含む、態様4~6のいずれか1項に記載の方法。
(態様8)
前記CO 含有ストリームは、0.9vol%以下のCOを含む、態様4~7のいずれか1項に記載の方法。
(態様9)
前記燃焼条件は、1.0MPa-g以上の燃焼圧力を含むか、第2圧力が1.0MPa-g以上であるか、またはそれらの組み合わせである、態様4~8のいずれか1項に記載の方法。
(態様10)
(i)前記再生された表面の温度が1000℃以上である、
(ii)前記リアクタが、リバース・フローリアクタを含む、
(iii)前記リアクタが、リアクタ・システムを含み、前記リアクタ・システムが、レキュペレータの部分と、前記反応ゾーンを含む部分とを含む、または
(iv)上記の(i)、(ii)および(iii)の2以上の組み合わせである、
態様4~9のいずれか1項に記載の方法。
(態様11)
リアクタと、リサイクル・ループと、エア分離ユニットと、圧力スイング吸着セパレータと、メタネーション・ステージと、アンモニア合成ステージとを含んで成るアンモニア合成システムであって、
前記リアクタは、リアクタ・インレットと、リジェネレータ・インレットと、反応ゾーンとを含んで成り、
前記リアクタ・インレットは、前記リアクタの第1端部にあり、
前記リジェネレータ・インレットは、前記リアクタの第2端部にあり、
前記反応ゾーンは、リフォーミング触媒を含んで成り、
前記リサイクル・ループは、前記リアクタ・インレットと前記リジェネレータ・インレットとの間に断続的な流体連通を提供し、前記リサイクル・ループは、リサイクル・コンプレッサと、フューエル・ソース・インレットと、酸素含有ガス・インレットと、CO 含有ガス・アウトレットとを含んで成り、
前記エア分離ユニットは、前記酸素含有ガス・インレットと流体連通しており、
前記リジェネレータ・インレットは、前記圧力スイング吸着セパレータと断続的に流体連通しており、
前記メタネーション・ステージは、前記圧力スイング吸着セパレータを介して、前記リジェネレータ・インレットと流体連通しており、
前記アンモニア合成ステージは、前記メタネーション・ステージと流体連通している、
アンモニア合成システム。
(態様12)
当該システムは、水分離ステージと、尿素合成ステージとをさらに含んで成り、
前記水分離ステージは、前記CO 含有ガス・アウトレットと流体連通しており、
前記尿素合成ステージは、前記水分離ステージおよび前記アンモニア合成ステージと流体連通している、
態様11に記載のアンモニア合成システム。
(態様13)
前記メタネーション・ステージは、前記エア分離ユニットとさらに流体連通している、態様11または12に記載のアンモニア合成システム。
(態様14)
前記圧力スイング吸着セパレータは、水性ガスシフト反応ステージを介して、前記リジェネレータ・インレットと断続的に流体連通している、態様11~13のいずれか1項に記載のアンモニア合成システム。
図1
図2
図3