(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】無線充電装置およびそれを含む移動手段
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20240920BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2023517397
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 KR2021014404
(87)【国際公開番号】W WO2022131509
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0177092
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508148079
【氏名又は名称】エスケイシー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SKC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】102, Jeongja-ro, Jangan-gu Suwon-si Gyeonggi-do 16338 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テキョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョンハク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナヨン
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-145728(JP,A)
【文献】特開2019-009298(JP,A)
【文献】国際公開第2019/170594(WO,A1)
【文献】特開2006-041353(JP,A)
【文献】特開2011-049494(JP,A)
【文献】特開2017-212302(JP,A)
【文献】特開2012-156083(JP,A)
【文献】特開2009-218417(JP,A)
【文献】特開2018-045812(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0072184(US,A1)
【文献】特開2000-012340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル部と、
前記コイル部上に配置され、流入口および排出口を含み、冷却水が循環するよう密閉された内部空間を有
し、前記コイル部と分離された冷却部と、
前記冷却部の内部空間に配置される磁性部と、
前記磁性部を固定する固定部とを含み、
前記冷却水は、前記流入口を介して流入して前記磁性部と熱的接触した後、前記排出口から排出され
、
前記磁性部は、前記冷却部の少なくとも1つの内壁から1mm以上離隔される、無線充電装置。
【請求項2】
前記固定部はスペーサを含み、
前記スペーサは、前記冷却部の内部空間の底面から前記磁性部を離隔させる、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記冷却部の内壁の一部が突出した構造をもって前記冷却部と一体型で形成され、
2つ以上の前記固定部の突出構造が組み合わされ、前記冷却部が安着する溝を形成する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項4】
前記無線充電装置は、下記式で算出される発熱温度減少率が40%以上である、
請求項1に記載の無線充電装置:
発熱温度減少率(%)=[(H1-H2)/H1]×100
ここで、
H1は、85kHzの周波数にて前記冷却水を循環させずに60分間無線充電する際の前記磁性部の温度(℃)であり、
H2は、85kHzの周波数にて前記冷却水を循環させながら60分間無線充電する際の前記磁性部の温度(℃)である。
【請求項5】
前記冷却水は、前記冷却部に第1方向で流入した後、前記第1方向で外部に排出され、
前記磁性部は、前記第1方向に垂直な方向に1mm以上互いに離隔された第1磁性部と第2磁性部とを含む、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項6】
前記磁性部は、2層以上に積層された構造を有し、各層間が1mm以上離隔される、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項7】
前記無線充電装置は、
前記冷却部内で前記磁性部上に配置されるシールド部をさらに含み、
前記冷却部内に流入した冷却水が、前記シールド部と熱的接触する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項8】
無線充電装置を含み、
前記無線充電装置が、
コイル部と、
前記コイル部上に配置され、流入口および排出口を含み、冷却水が循環するよう密閉された内部空間を有
し、前記コイル部と分離された冷却部と、
前記冷却部の内部空間に配置される磁性部と、
前記磁性部を固定する固定部とを含み、
前記冷却水は、前記流入口を介して流入して前記磁性部と熱的接触した後、前記排出口から排出され
、
前記磁性部は、前記冷却部の少なくとも1つの内壁から1mm以上離隔される、移動手段。
【請求項9】
前記移動手段が電気自動車であり、
前記冷却水が自動車用冷却水である、
請求項8に記載の移動手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実現例は、無線充電装置(wireless charging device)およびそれを含む移動手段(vehicle)に関するものである。より具体的に、実現例は、防熱構造を適用して充電効率の向上した無線充電装置およびそれを含む、電気自動車のような移動手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、情報通信分野は極めて速い速度で発展しており、電気、電子、通信、半導体などが総合的に組み合わされた多様な技術が持続的に開発される。また、電子機器のモバイル化傾向が増大するにつれ、通信分野においても無線通信および無線電力伝送技術に関する研究が盛んに行われている。特に、電子機器などに無線で電力を伝送する方案に関する研究が活発に進んでいる。
【0003】
前記無線電力伝送は、電力を供給する送信機と、電力供給を受ける受信機との間に物理的な接触なく電磁結合(inductive coupling)、容量結合(capacitive coupling)またはアンテナなどの電磁場共振構造を利用して、空間を介して電力を無線で伝送するものである。前記無線電力伝送は、大容量のバッテリーが求められる携帯用通信機器、電気自動車などに適しており、接点が露出されないため漏電などの危険がほとんどなく、有線方式の充電不良現象を防ぐことができる。
【0004】
一方、最近では、電気自動車への関心が急増するにつれ、充電インフラ構築に対する関心が増大している。既に、家庭用充電器を利用した電気自動車充電をはじめ、バッテリー交換、急速充電装置、無線充電装置などと、多様な充電方式が登場しており、新しい充電事業ビジネスモデルも登場し始めている(特許文献1参照)。また、欧州では試験運行中の電気自動車と充電所が目立ち始め、日本では自動車メーカーと電力会社が主導して電気自動車および充電所を試験的に運営している。
【0005】
電気自動車などに用いられる従来の無線充電装置は、無線充電効率を向上させるためにコイル部に隣接して磁性部が配置され、遮蔽のための金属板が磁性部と一定間隔離隔して配置される。
【0006】
無線充電装置は、無線充電の動作中にコイル部の抵抗と磁性部の磁気損失とによって熱が発生する。特に、無線充電装置内の磁性部は、電磁波エネルギー密度の高いコイル部に近い部分で熱が発生し、発生した熱は磁性部の磁気特性を変化させ、送信機と受信機との間のインピーダンス不整合を誘発して、充電効率が低下し、これによりさらに発熱が悪化する問題があった。しかし、このような無線充電装置は、主に電気自動車の下部に設置されるため、防塵および防水や衝撃吸収のために密閉構造を採用するので、放熱構造を実現することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許公開第2011-0042403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
無線充電装置の放熱構造を実現するために、磁性部に冷却板を付着し、前記冷却板内に冷媒を循環させて熱を放出する構造を考慮し得るが、このような構造は、冷媒が磁性部に接触しないため、冷却効率を最大に上げるのは難しい。また、無線充電装置内に冷たい空気を吹き込んで冷却させる構造を考慮し得るが、磁性部の表面に冷たい空気が触れても、空気の低い熱伝導性によって冷却効率に限界がある。また、熱伝導率の高い冷却水を無線充電装置内に単に循環させると、電流が流れるコイル部のような回路に短絡を引き起こしやすい問題がある。
【0009】
そこで、本発明者らが研究した結果、コイル部と分離した冷却部内に磁性部を入れて、前記冷却部内に冷却水を循環させることにより、コイル部の短絡や充電効率低下を誘発しないとともに、磁性部に発生する熱を効果的に放出し得ることを見出した。
【0010】
したがって、実現例の課題は、磁性部で発生する熱が効果的に放出される無線充電装置およびそれを含む移動手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実現例によると、コイル部と、前記コイル部上に配置され、流入口および排出口を含み、冷却水が循環するように密閉された内部空間を有する冷却部と、前記冷却部の内部空間に配置される磁性部と、前記磁性部を固定する固定部とを含み、前記冷却水は、前記流入口を介して流入して前記磁性部と熱的接触した後、前記排出口から排出される、無線充電装置が提供される。
【0012】
他の実現例によると、前記無線充電装置を含む移動手段が提供される。
【発明の効果】
【0013】
前記実現例によると、コイル部と分離された冷却部内に磁性部を入れ、前記冷却部内に冷却水を循環させることにより、コイル部の短絡や充電効率低下を誘発しないとともに、磁性部に発生する熱を効果的に放出させ得る。特に、前記無線充電装置は、自動車用冷却水をそのまま使用し得るため、追加の冷却器が不要となり得る。さらには、前記冷却部内に配置される磁性部の構造と、その外にシールド部の配置などとを調整することにより、充電効率と耐衝撃性とを向上させ、製造コストをも低減し得る。
【0014】
したがって、前記無線充電装置は、送信機と受信機との間の大容量の電力伝送を求める電気自動車のような移動手段等に有用に使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実現例による無線充電装置の分解斜視図を示すものである。
【
図2】
図2は、一実現例による無線充電装置の斜視図を示すものである。
【
図3a】
図3aは、一実現例による無線充電装置の断面図を示すものである。
【
図3b】
図3bは、他の実現例による無線充電装置の断面図を示すものである。
【
図3c】
図3cは、他の実現例による無線充電装置の断面図を示すものである。
【
図4】
図4は、一実現例による冷却部の斜視図を示すものである。
【
図5a】
図5aは、一実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図5b】
図5bは、他の実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図6a】
図6aは、一実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図6b】
図6bは、また他の実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図6c】
図6cは、また他の実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図6d】
図6dは、また他の実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図6e】
図6eは、また他の実現例による冷却部の断面図を示すものである。
【
図7】
図7は、実施例および比較例における無線充電装置の無線充電時間による発熱温度および充電効率を示すものである。
【
図8】
図8は、無線充電装置が適用された電気自動車を示すものである。
【
図9】
図9は、無線充電装置が適用された電気自動車を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実現例の説明において、1つの構成要素が他の構成要素の上または下に配置されるものと記載されることは、1つの構成要素が他の構成要素の上または下に直接、またはさらに他の構成要素を介して間接的に配置されるものを全て含む。
【0017】
本明細書において、各構成要素の上/下関係は、理解を容易にするために添付の図面を参照すると記述される。しかし、図面と異なる方法で対象を観察する際には、これらの構成要素の上/下関係が観察方向によって変わることとなるものと理解すべきである。また、図面における各構成要素の大きさは説明のために誇張されることがあり、実際に適用される大きさとは異なり得る。
【0018】
本明細書において、ある構成要素を「含む」ということは、特に反する記載がない限り、その外に他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0019】
また、本明細書に記載された構成要素の特性値、寸法などを示す全ての数値範囲は、特に記載がない限り、全ての場合において「約」という用語で修飾されるものと理解すべきである。
【0020】
本明細書において単数表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数または複数を含む意味として解釈されるべきである。
【0021】
[無線充電装置]
図1、
図2および3aは、一実現例による無線充電装置の分解斜視図、斜視図および断面図をそれぞれ示すものである。
【0022】
一実現例による無線充電装置10は、コイル部200と、前記コイル部200上に配置され、流入口521および排出口522を含み、冷却水が循環するように密閉された内部空間を有する冷却部500と、前記冷却部500の内部空間に配置される磁性部300と、前記磁性部300を固定する固定部511aとを含み、前記冷却水は、前記流入口521を介して流入され、前記磁性部300と熱的接触した後、前記排出口522から排出される。
以下、前記無線充電装置の各構成要素別に具体的に説明する。
【0023】
[コイル部]
前記コイル部200は、導電性ワイヤを含み得る。
前記導電性ワイヤは導電性物質を含む。例えば、前記導電性ワイヤは導電性金属を含み得る。具体的に、前記導電性ワイヤは、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛、および錫からなる群より選択される1種以上の金属を含み得る。
【0024】
また、前記導電性ワイヤは、絶縁性外皮を備え得る。例えば、前記絶縁性外皮は、絶縁性高分子樹脂を含み得る。具体的に、前記絶縁性外皮は、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、テフロン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などを含み得る。
【0025】
前記導電性ワイヤの直径は、例えば、1mm~10mm範囲、1mm~5mm範囲、または1mm~3mm範囲であり得る。
【0026】
前記導電性ワイヤは、平面コイル状で巻き付けられ得る。具体的に、前記平面コイルは、平面螺旋コイル(planar spiral coil)を含み得る。また、前記コイルの平面形状は、円形、楕円形、多角形、または角の丸い多角形の形状であり得るが、特に限定されない。
【0027】
前記平面コイルの外径は、5cm~100cm、10cm~50cm、10cm~30cm、20cm~80cm、または50cm~100cmであり得る。具体的な一例として、前記平面コイルは、10cm~50cmの外径を有し得る。
【0028】
また、前記平面コイルの内径は、0.5cm~30cm、1cm~20cm、または2cm~15cmであり得る。
【0029】
前記平面コイルの巻き回数は、5回~50回、10回~30回、5回~30回、15回~50回、または20回~50回であり得る。具体的な一例として、前記平面コイルは、前記導電性ワイヤを10回~30回巻きつけて形成されたものであり得る
【0030】
また、前記平面コイル形状内において、前記導電性ワイヤ間の間隔は、0.1cm~1cm、0.1cm~0.5cm、または0.5cm~1cmであり得る。
【0031】
前記の平面コイル寸法および規格範囲内であるとき、電気自動車のような大容量電力伝送を求める分野に好適であり得る。
【0032】
[冷却部および固定部]
前記冷却部500は、前記コイル部200上に配置され、流入口521および排出口522を含み、冷却水が循環するよう密閉された内部空間を有する。
【0033】
図4、
図5aおよび
図6aに示すように、前記冷却部500は、下面ケース511、側面ケース512、および上面ケース513を含み、側面ケース512に流入口521および排出口522を備え得る。このようなケース構成要素は、固く組み立てられ、冷却水が循環するよう密閉された内部空間を構成し得る。
【0034】
前記冷却部のケースの素材は特に限定されないが、金属素材を含まないものが好ましい。例えば、前記冷却部のケースの素材として、耐久性に優れたプラスチック等を用い得る。具体的に、前記冷却部ケースの素材は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)などを含み得る。
【0035】
また、前記流入口および排出口は、冷却水の流入および排出に好適な素材および形状であれば、特に限定されずに適用され得る。例えば、前記流入口および排出口の素材は、前記冷却部のケース素材と同一または異なり得る。前記流入口および排出口は、前記冷却水の流れが滑らかになるように方向が一致することが好ましく、互いに対向して位置することが好ましい。また、前記冷却部の側面ケースには、それぞれ1個以上、2個以上、好ましくは3個以上の流入口および排出口を含んで良く、流入口および排出口が2個以上のときは、流入口および排出口が一定間隔を離隔したまま、それぞれ対向して位置し得る。また、流入口および排出口は、冷却水の流れが滑らかになるように、内径は1mm~5mm、具体的に2mm~4mmであり得る。
【0036】
前記冷却部内には、前記磁性部を固定する固定部がさらに配置される。
前記固定部の素材は特に限定されず、前記冷却部のケースの素材と同一または異なり得る。また、前記固定部の形状は特に限定されないが、前記磁性部の位置を固定しながら、前記冷却水の流れを妨げないように構成することが好ましい。
【0037】
例えば、前記固定部は、前記冷却部のケースと一体型で備えられ得る。
図1、
図4、
図5a、
図6aを参照すると、冷却部500の下面ケース511に一体型固定部511aが備えられ得る。前記一体型固定部は1つ以上設けられて良く、これら1つ以上の一体型固定部は、前記磁性部が安着する溝を形成し得る。このように、前記固定部は、前記冷却部の内壁の一部が突出した構造をもって前記冷却部と一体型に形成され、2つ以上の前記固定部の突出した構造が組み合わされ、前記冷却部が安着する溝を形成し得る。前記一体型固定部は、ケースの成形過程において固定部が突出した形状に成形して作製され得る。
【0038】
前記固定部は、前記磁性部を固定するだけでなく、前記冷却部の内壁において、前記磁性部を一定間隔で離隔させても良い。具体的に、前記固定部はスペーサを含み、前記スペーサは、前記冷却部の内部空間の底面から前記磁性部を離隔させ得る。または、前記スペーサは、前記冷却部の内部空間の上面から前記磁性部を離隔させ得る。
【0039】
一例として、前記一体型固定部は、スペーサとしての役割も果たすように構成され得る。
図6bに示すように、下面ケース511に形成された一体型固定部511bが、磁性部300を一定の高さ間隔にすると、ケース511から離隔させることができる。
【0040】
他の例として、前記無線充電装置が、前記冷却部内にスペーサをさらに含み、前記スペーサが、前記磁性部を固定する固定部として使用され得る。
図6cを参照すると、下面ケース511にスペーサ型固定部530が付着され、その上に磁性部300が付着されることにより、磁性部の位置を固定するだけでなく、ケース内壁から磁性部を一定間隔で離隔させ得る。前記付着のために、無線充電装置に使用される通常の接着剤が使用され得る。
【0041】
[磁性部の配置]
前記磁性部は、前記冷却部の内部空間に配置される。
これにより、前記冷却部の内部に流入した冷却水が、前記磁性部と熱的接触し得る。具体的に、前記冷却水は、前記磁性部の表面に直接接触するか、または熱媒体を介して接触し得る。前記磁性部と冷却水との熱的接触のために、前記冷却水が前記磁性部に直接接触して冷却することが最も効果的ではあるが、必要に応じて熱媒体を介して接触してもよい。前記熱媒体の素材と形態は特に限定されず、例えば、金属のような熱伝導性素材で構成されて良く、被覆、ケース、パイプなどの適切な形態で適用され得る。
【0042】
図4に示すように、前記磁性部300は、前記冷却部500のケース510内に配置されて良く、具体的に、下面ケース511上に配置され得る。
【0043】
前記磁性部は、前記冷却部の内壁から一定間隔で離隔されることが、冷却水の流れのために必要である。例えば、前記磁性部は、前記冷却部の少なくとも1つの内壁から0.5mm以上離隔されることが、冷却水の流れを滑らかにするのに有利である。具体的に、前記磁性部は、前記冷却部の少なくとも1つの内壁から1mm以上離隔され得る。より具体的に、前記磁性部は、前記冷却部の少なくとも1つの内壁から5mm~25mm離隔され得る。
【0044】
図5aを参照すると、前記冷却部の側面ケース512から前記磁性部300までの幅間隔d1が1mm以上、具体的に10mm以上、より具体的に15mm~25mmであり得る。そのために、前記磁性部300の幅wは、前記冷却部500の内部空間の幅に比べて小さくあり得る。
【0045】
このように、前記冷却部の内壁との幅間隔を維持するように、前記磁性部は固定部によって固定され得る。また、前記固定部によって、前記磁性部と前記冷却部との内壁間の高さ間隔も維持され得る。
【0046】
図6aを参照すると、前記冷却部の上面ケース513から前記磁性部300までの高さ間隔h1が1mm以上、具体的に2mm以上、より具体的に3mm~5mmであり得る。そのために、前記磁性部300の厚さtは、前記冷却部500の内部空間の高さに対して低くあり得る。
【0047】
図6bおよび
図6cを参照すると、前記冷却部の下面ケース511から前記磁性部300までの高さ間隔h3が0.1mm以上、具体的に0.2mm以上、より具体的に0.4mm~2mmであり得る。
【0048】
前記磁性部は、1つまたは2つ以上設けられ得る。
例えば、前記磁性部は、第1磁性部と第2磁性部とを含むことができ、この際、冷却水の流れを妨げないように配置することが重要である。具体的に、前記冷却水が前記冷却部に第1方向で流入した後、前記第1方向で外部に排出され、前記磁性部は、前記第1方向に垂直な方向に1mm以上互いに離隔された第1磁性部と第2磁性部とを含み得る。具体的に、
図5bおよび
図6dを参照すると、冷却水の流れに垂直な方向に第1磁性部310および第2磁性部320が一定の幅間隔d2で離隔して配置され得る。前記幅間隔d2は1mm以上、具体的に10mm以上、より具体的に15mm~25mmであり得る。そのために、第1磁性部と第2磁性部との幅Wの和は、冷却部500の幅よりも小さく、第1磁性部と第2磁性部との長さLは、冷却部500の長さよりも小さくあり得る。
【0049】
また、前記磁性部は、2層以上に積層された構造を有するが、各層間が1mm以上離隔され得る。
図6eを参照すると、第1磁性部310および第2磁性部320を一定の幅間隔で離隔して配置し、その上に第3磁性部330および第4磁性部340を配置して良く、この際、スペーサ型固定部530が使用され得る。前記磁性部間の高さ間隔h2は、具体的に0.5mm以上、より具体的に1mm~3mmであり得る。
【0050】
[磁性部の素材および特性]
前記磁性部の素材は特に限定されず、無線充電装置に用いられる磁性体であり得る。
【0051】
一例として、前記磁性部は、フェライト系磁性体を含み得る。例えば、前記フェライト系磁性体の具体的な化学式は、MOFe2O3(ここで、Mは、Mn、Zn、Cu、Niなどの1種以上の2価金属元素である)で表され得る。前記フェライト系磁性体は、焼結されたものが透磁率のような磁性特性の面から有利である。前記焼結フェライト系磁性体は、原料成分を混合してか焼後粉砕し、これをバインダー樹脂と混合して成形し焼成して、シート状またはブロック状に製造され得る。具体的に、前記フェライト系磁性体は、Ni-Zn系、Mg-Zn系、またはMn-Zn系フェライトを含んで良く、特に、Mn-Zn系フェライトは、85kHzの周波数にて室温乃至100℃以上の温度範囲にわたって高い透磁率、低い透磁損失、および高い飽和磁束密度を示し得る。
【0052】
他の例として、前記磁性部は、磁性粉末およびバインダー樹脂を含み得る。これにより、前記磁性部は、バインダー樹脂によって磁性粉末が互いに結合されることにより、広い面積において全体的に欠陥が少ないとともに、衝撃による損傷が少なくあり得る。前記磁性粉末は、酸化物系磁性粉末、金属系磁性粉末、またはこれらの混合粉末であり得る。例えば、前記酸化物系磁性粉末はフェライト系粉末、具体的にNi-Zn系、Mg-Zn系、Mn-Zn系フェライト粉末であり得る。また、前記金属系磁性粉末は、Fe-Si-Al合金磁性粉末、またはNi-Fe合金磁性粉末であり、より具体的に、センダスト(sendust)粉末またはパーマロイ(permalloy)粉末であり得る。また、前記磁性粉末は、ナノ結晶質(nanocrystalline)磁性粉末であり、例えば、Fe系ナノ結晶質磁性粉末であり、具体的にFe-Si-Al系ナノ結晶質磁性粉末、Fe-Si-Cr系ナノ結晶質磁性粉末、または、Fe-Si-B-Cu-Nb系ナノ結晶質磁性粉末であり得る。前記磁性粉末の平均粒径は、約3nm~約1mm、約1μm~約300μm、約1μm~約50μm、または約1μm~約10μmの範囲であり得る。前記磁性部は、前記磁性粉末を10重量%以上、50重量%以上、70重量%以上、または85重量%以上の量で含み得る。例えば、前記磁性部は、前記磁性粉末を10重量%~99重量%、10重量%~95重量%、または50重量%~95重量%の量で含み得る。前記バインダー樹脂として、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニルスルフィド(PSS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂などが例示され得るが、これに限定されるものではない。
【0053】
また他の例として、前記磁性部分は、ナノ結晶質(nanocrystalline)磁性体を含み得る。例えば、前記磁性部は、Fe系ナノ結晶質磁性体であり、具体的に、Fe-Si-Al系ナノ結晶質磁性体、Fe-Si-Cr系ナノ結晶質磁性体、またはFe-Si-B-Cu-Nb系ナノ結晶質磁性体であり得る。前記ナノ結晶質磁性体は、例えば、Fe系合金をメルトスピニングによる急冷凝固法(RSP)で製造し、所望の透磁率が得られるように300℃~700℃の温度範囲で30分~2時間、無磁場熱処理を行って製造され得る。
【0054】
前記磁性部は、シート状またはブロック状を有し得る。前記磁性部の厚さは、0.5mm~5mmであり、具体的に0.5mm~3mm、0.5mm~2mm、または1mm~2mmであり得る。前記磁性部の面積は、200cm2以上、400cm2以上、または600cm2以上であり、また、10000cm2以下であり得る。また、前記磁性部は、多数の磁性単位体が組み合わされて構成され、この際、前記磁性単位体の面積は、60cm2以上、90cm2以上、または95cm2~900cm2であり得る。
【0055】
前記磁性部は、電気自動車の無線充電標準周波数近傍において、一定レベルの磁性特性を有し得る。前記電気自動車の無線充電標準周波数は100kHz未満であり、例えば79kHz~90kHz、具体的に81kHz~90kHz、より具体的に約85kHzであり得る。これは、携帯電話のようなモバイル電子機器に適用する周波数とは区別される帯域である。前記磁性部の85kHzにおける透磁率は、素材によって変わり得るが、5以上、例えば、5~150000であり、具体的な素材により5~300、500~3500、または10000~150000であり得る。また、前記磁性部の85kHzにおける透磁損失は、素材によって変わり得るが、0以上、例えば、0~50000であり、具体的な素材により0~1000、1~100、100~1000、または5000~50000であり得る。
【0056】
[シールド部]
前記無線充電装置は、シールド部をさらに含み得る。前記シールド部は、電磁波遮蔽によって外部に電磁波が漏れて発生し得る電磁干渉(electromagnetic interference、EMI)を抑制する。前記シールド部の素材は、例えば金属であって良く、これにより前記シールド部は金属板であり得るが、特に限定されない。具体的な一例として、前記シールド部の素材はアルミニウムであって良く、その外、電磁波遮蔽能を有する金属または合金素材が使用され得る。
【0057】
前記シールド部は、前記冷却部上に、または前記冷却部の内部に配置され得る。
一例として、前記無線充電装置は、前記冷却部上に配置されるシールド部をさらに含み得る。具体的には、
図3aに示すように、冷却部のケース510の外側にシールド部400が配置され得る。
【0058】
他の例として、前記無線充電装置は、前記冷却部内で前記磁性部上に配置されるシールド部をさらに含み、前記冷却部内に流入した冷却水が、前記シールド部と熱的接触し得る。具体的に、前記冷却水は、前記シールド部の表面に直接接触するか、または熱媒体を介して接触し得る。前記熱媒体の素材と形態は特に限定されず、例えば、金属のような熱伝導性素材からなり、被覆、ケース、パイプなどの適切な形態で適用され得る。
図3bに示すように、冷却部のケース510の内側にシールド部400を設けられ、この際、シールド部400と磁性部300との間は一定間隔で離隔され、冷却水の流れ700を滑らかにし得る。例えば、前記シールド部と前記磁性部との離隔距離は、3mm以上、5mm以上、3mm~10mm、または4mm~7mmであり得る。
【0059】
また他の例として、前記無線充電装置は、前記冷却部上に配置されたシールド部をさらに含み、前記シールド部で発生する熱が、前記冷却水によって外部に放出され得る。具体的に、
図3cに示すように、冷却部の上面ケースの代わりにシールド部400が設けられて良く、こうすると、シールド部400で発生する熱が、より効果的に外部に放出され得る。
【0060】
前記シールド部は、前記コイル部と一定間隔で離隔して配置され得る。例えば、前記シールド部と前記コイル部との離隔距離は、10mm以上または15mm以上であり、具体的に10mm~30mm、または10mm~20mmであり得る。また、シールド部は、前記磁性部と一定間隔離隔して配置されても良い。
【0061】
前記シールド部の厚さは、0.2mm~10mm、0.5mm~5mm、または1mm~3mmであり得る。また、前記シールド部の面積は、200cm2以上、400cm2以上、または600cm2以上であり得る。
【0062】
[その他の構成要素]
前記無線充電装置10は、前記コイル部200を支持する支持部100をさらに含み得る。前記支持部の材質および構造は、無線充電装置に用いられる通常の支持部の材質および構造を採用し得る。前記支持部は、平板構造またはコイル部を固定させ得るよう、コイル部の形状に沿って溝が掘られた構造を有し得る。
【0063】
前記無線充電装置は、前述の構成要素を保護するハウジングをさらに含み得る。前記ハウジングは、コイル部、冷却部、磁性部、シールド部などの無線充電装置の構成要素を保護する。前記ハウジングの材質および構造は、無線充電装置に用いられる通常のハウジングの材質および構造を採用し得る。
【0064】
例えば、
図1、
図2、および
図3aに示すように、前記ハウジングは、下面ハウジング610、側面ハウジング620、および上面ハウジング630が結合された構成を有し得るが、これに特に限定されない。
【0065】
[発熱性能]
このように、前記実現例によると、コイル部と分離した冷却部内に磁性部を入れ、前記冷却部内に冷却水を循環させることにより、コイル部の短絡や充電効率の低下を誘発しないとともに、磁性部に発生する熱を効果的に放出させ得る。
【0066】
例えば、前記無線充電装置は、下記式で算出される発熱温度減少率が40%以上であり得る。
発熱温度減少率(%)=[(H1-H2)/H1]×100
ここで、H1は、85kHzの周波数にて前記冷却水を循環させずに60分間無線充電する際の前記磁性部の温度(℃)であり、H2は、85kHzの周波数にて前記冷却水を循環させながら60分間無線充電する際の前記磁性部の温度(℃)である。
【0067】
具体的に、前記無線充電装置は、前記発熱温度減少率が45%以上、または50%以上であり、より具体的に、40%~70%、45%~60%であり得る。また、前記無線充電装置は、85kHzの周波数にて前記冷却水を循環させながら60分間無線充電する際に、前記磁性部の温度(℃)が最大100℃を超えなくなり得る。
【0068】
特に、前記無線充電装置は、自動車用冷却水をそのまま使用し得るため、追加の冷却器を不要とし得る。さらには、前記冷却部内に配置される磁性部の構造やその外シールド部の配置などを調整することにより、充電効率と耐衝撃性とを向上させ、製造コストをも低減し得る。
【0069】
したがって、前記無線充電装置は、送信機と受信機との間の大容量の電力伝送を求める電気自動車のような移動手段などに有用に使用され得る。
【0070】
(移動手段)
前記無線充電装置は、送信機と受信機との間の大容量の電力伝送を求める電気自動車のような移動手段などに有用に使用され得る。
【0071】
図8は、無線充電装置が適用された移動手段、具体的に、電気自動車を示すものであり、下部に無線充電装置を備え、電気自動車用無線充電システムが設けられた駐車区域において、無線により充電され得る。
【0072】
図9を参照すると、一実現例による移動手段1は、前記実現例による無線充電装置を受信機21として含む。前記無線充電装置は、移動手段1の無線充電の受信機21として機能し、無線充電の送信機22から電力供給を受け得る。
【0073】
このように、前記移動手段は無線充電装置を含み、前記無線充電装置が、コイル部と、前記コイル部上に配置され、流入口および排出口を含み、冷却水が循環するよう密閉された内部空間を有する冷却部と、前記冷却部の内部空間に配置される磁性部と、前記磁性部を固定する固定部とを含み、前記冷却水は前記流入口を介して流入して前記磁性部と熱的接触した後、前記排出口から排出される。
【0074】
前記移動手段に含まれる無線充電装置の各構成要素の構成および特徴は、前述の通りである。
【0075】
前記無線充電装置は、前記冷却部の外部に配置され冷却水を周期的に冷却する冷却器と、前記冷却器と前記冷却部の流入口および排出口とを連結して、冷却水が循環されるようにする連結流路とをさらに含み得る。その外にも、前記無線充電装置は、前記冷却水の温度を感知する温度センサと、前記温度センサで感知した冷却水の温度に応じて、前記冷却器の稼働有無を制御する制御器とをさらに含み得る。
【0076】
または、前記無線充電装置に流入する冷却水として、自動車用冷却水を用いることもできる。この場合、無線充電装置の冷却器として、前記電気自動車に基本的に設けられる冷却水の冷却器を利用し得る。具体的に、
図8に示すように、電気自動車1の内部に設けられる冷却水の冷却器15と、無線充電装置10の流入口および排出口とが、連結流路16により連結され得る。これにより、別途の冷却器を作製しなくても、効果的な放熱が可能であり得る。
【0077】
前記移動手段は、前記無線充電装置から電力伝送を受けるバッテリーをさらに含み得る。前記無線充電装置は、無線で電力伝送を受けて前記バッテリーに伝達し、前記バッテリーは、前記電気自動車の駆動系に電力を供給し得る。前記バッテリーは、前記無線充電装置またはその他追加の有線充電装置から伝送される電力によって充電され得る。
【0078】
また、前記移動手段は、充電に関する情報を無線充電システムの送信機に伝達する信号伝送機をさらに含み得る。このような充電に関する情報は、充電速度のような充電効率、充電状態などであり得る。
【0079】
(実施例)
以下、前記実現例によりさらに具体的に記述するが、実現可能な範囲がこれらに限定されるものではない。
【0080】
図1、
図2および
図3aは、一実現例による無線充電装置の分解斜視図、斜視図および断面図をそれぞれ示すものである。前記の図のように無線充電装置を構成するが、冷却部500およびその内部に配置される磁性部300の構成を、
図5bおよび
図6dのように、第1磁性部310および第2磁性部320がスペーサ型固定部530に載置された構造で作製した。この際、冷却部の下面ケース511から磁性部までの高さh3は0.4mmとし、冷却部の側面ケース512と磁性部との間の距離d1は15mmとし、第1磁性部310と第2磁性部320との間の距離d2は15mmとした。また、第1磁性部310および第2磁性部320の長さLは300mm、幅Wは150mm、厚さtは8mmで作製した。その他、コイル200の規格、シールド部400の大きさおよび各構成品間の距離等は、SAE J2954 WPT2 Z2クラススタンダードテストの充電効率測定条件に基づいて作製した。
【0081】
(比較例)
比較例として、前記実施例の無線充電装置と同様に作製するが、冷却部はなく磁性部のみ備えるように作製した。
【0082】
[充電効率測定]
同様の無線充電装置を2つ作製して送信機と受信機としてそれぞれ利用し、SAE J2954 WPT2 Z2クラススタンダードテストの充電効率測定条件の下で、送信機のコイル部に電流を流して85kHzの周波数および6.6kW出力の無線電力の充電を60分間行った。この際、実施例の無線充電装置10の冷却部500の流入口521と排出口522には、自動車用冷却水循環チューブを連結して、最初25℃の冷却水を冷却部の内部に循環させた。これに対し、比較例の無線充電装置においては、冷却水を循環させる過程はなしで充電効率を測定した。
【0083】
[発熱温度測定]
前記充電効率測定の際に、実施例および比較例の無線充電装置における磁性部の表面中心部の温度を測定した。
その結果を下記表1、表2、および
図7に示す。
【0084】
【0085】
【0086】
前記表1、表2、および
図7に示すように、無線充電時間が経過するにつれ、比較例の無線充電装置の温度が持続的に上昇して190℃に達していることに対し、実施例の無線充電装置の温度は100℃付近でそれ以上上昇しなかった。また、実施例の無線充電装置の充電効率は、比較例に比べて優れていた。
【符号の説明】
【0087】
1:移動手段
10:無線充電装置
15:冷却器
16:連結流路
21:受信機
22:送信機
100:支持部
200:コイル部
300:磁性部
310:第1磁性部
320:第2磁性部
330:第3磁性部
340:第4磁性部
400:シールド部
500:冷却部
510:ケース
511:下面ケース
511a、511b:一体型固定部
512:側面ケース
513:上面ケース
521:流入口
522:排出口
530:スペーサ型固定部
600:ハウジング
610:下面ハウジング
620:側面ハウジング
630:上面ハウジング
700:冷却水の流れ
h1:上面ケースから磁性部までの高さ間隔
h2:磁性部間の高さ間隔
h3:下面ケースから磁性部までの高さ間隔
d1:側面ケースから磁性部までの幅間隔
d2:磁性部間の幅間隔
W:磁性部の幅
L:磁性部の長さ
t:磁性部の厚さ