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特許7558401ユーザフィードバックによる指紋感知の案内
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ユーザフィードバックによる指紋感知の案内
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240920BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/0354 452
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023518274
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 US2020070565
(87)【国際公開番号】W WO2022066197
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンソン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジエンシュン
(72)【発明者】
【氏名】ムクヘルジ,デバンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャイ,シューミン
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-500656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0116457(US,A1)
【文献】特表2017-531850(JP,A)
【文献】米国特許第10296128(US,B1)
【文献】特開2019-211953(JP,A)
【文献】特開2017-016673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0267611(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0196589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01 - 3/04895
G06T 1/00 , 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
ユーザの指が指紋センサに位置していると判定することに応答して、コンピューティングデバイスが、前記指紋センサに関連付けられた指紋感知動作を開始することと、
前記コンピューティングデバイスが、定められた期間にわたって、強度が変化する触覚信号のシーケンスを出力することとを備え、前記シーケンス内の各触覚信号の強度は、前記シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度と異なり、前記方法はさらに、
前記コンピューティングデバイスが、前記指紋センサから、前記ユーザの前記指の指紋に関連する指紋データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスが、前記指紋感知動作の完了時に、前記ユーザの前記指が前記指紋センサに依然として位置しているかどうかを判定することと、
前記指紋感知動作の完了時に、前記ユーザの前記指が前記指紋センサに依然として位置していると判定することに応答して、前記コンピューティングデバイスが、前記指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号を出力することとを備える、方法。
【請求項2】
強度が変化する前記触覚信号のシーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、強度が増加する前記触覚信号のシーケンスを出力することを含み、前記シーケンス内の各触覚信号の前記強度は、前記シーケンス内の以前に出力された触覚信号の前記それぞれの強度より大きく、
前記離散触覚信号の強度は、前記触覚信号のシーケンスに含まれる触覚信号の前記それぞれの強度よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスは、前面部分と、前記前面部分と反対側の背面部分と、1つ以上の側面部分とを有し、
前記コンピューティングデバイスは、前記前面部分に設けられた存在感知表示デバイスを含み、
前記指紋センサは、(i)前記存在感知表示デバイスの下の前記コンピューティングデバイスの前記前面部分、(ii)ソリッドステートボタンの一部として、前記コンピューティングデバイスの前記1つ以上の側面部分、または(iii)前記コンピューティングデバイスの前記背面部分のうちの1つに設けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記定められた期間は、第1の定められた期間を含み、前記方法はさらに、
強度が変化する前記触覚信号のシーケンスを出力した後、前記コンピューティングデバイスが、第2の定められた期間の間、前記離散触覚信号を出力する前に触覚信号を出力することを控えることを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピューティングデバイスが、前記指紋感知動作を完了するための指紋感知期間を決定することと、
前記コンピューティングデバイスが、前記指紋感知期間に基づいて、強度が変化する前記触覚信号のシーケンスを出力するための前記定められた期間を決定することとをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
強度が変化する前記触覚信号のシーケンスを出力する一方で、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、存在感知表示デバイスでの表示のために画像の視覚シーケンスを出力することをさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記視覚シーケンスの前記画像は、強度を変化させて出力され、前記視覚シーケンス内の各画像の強度は、前記視覚シーケンス内の以前に出力された画像のそれぞれの強度と異なる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記触覚信号のシーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、強度が増加する前記触覚信号のシーケンスを出力することを含み、前記シーケンス内の各触覚信号の前記強度は、前記シーケンス内の以前に出力された触覚信号の前記それぞれの強度より大きく、
前記画像の視覚シーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、前記存在感知表示デバイスでの表示のために強度が増加する前記画像の視覚シーケンスを出力することを含み、前記視覚シーケンス内の各画像の前記強度は、前記視覚シーケンス内の以前に出力された画像の前記それぞれの強度よりも大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
強度が増加する前記画像の視覚シーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、前記存在感知表示デバイスでの表示のために視覚的アニメーションを出力することを含み、前記視覚的アニメーションは、前記指紋感知動作が正常に完了したことを示す視覚効果をもたらすために、前記視覚的アニメーションが完成に近づくにつれてスピードアップし、前記方法はさらに、
前記視覚的アニメーションを出力した後、前記コンピューティングデバイスが、前記コンピューティングデバイスのロックを解除することに関連するロック解除動作を実行することを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記画像の視覚シーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、前記存在感知表示デバイスでの表示のために、前記指紋センサに関連付けられた前記存在感知表示デバイスの領域の周囲に表示される視覚リングの不完全な画像部分を形成するように前記画像の視覚シーケンスを出力することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記離散触覚信号を出力する一方で、前記コンピューティングデバイスが、前記存在感知表示デバイスでの表示のために前記視覚リングの全体を含む離散画像を出力することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記画像の視覚シーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、前記存在感知表示デバイスでの表示のために、前記指紋センサに関連付けられた前記存在感知表示デバイスの領域の周囲に表示される同心円状のリングを形成するように前記画像の前記視覚シーケンスを出力することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記離散触覚信号を出力する一方で、前記コンピューティングデバイスが、前記指紋センサに関連付けられた前記存在感知表示デバイスの前記領域の周囲の画像を出力することを控えることをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記指紋データを取得することは、前記コンピューティングデバイスが、前記指紋センサから、前記定められた期間中に前記指紋データの少なくとも一部を取得することを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記指紋センサは、光学スキャナ、容量性スキャナ、または超音波スキャナのうちの1つを含み、
前記指紋データは、前記ユーザの前記指の前記指紋を表すデータを含み、前記指紋データは、前記光学スキャナ、前記容量性スキャナ、または前記超音波スキャナのうちの1つによって提供される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
強度が変化する前記触覚信号のシーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって前記シーケンス内の各触覚信号を出力することを含み、前記触覚信号の各々の出力後に触覚信号が出力されないそれぞれの休止期間が続く、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記シーケンス内のそれぞれの触覚信号の間に発生する前記休止期間は、前記定められた期間にわたって持続時間が減少し、
強度が変化する前記触覚信号のシーケンスを出力することは、前記コンピューティングデバイスが、前記定められた期間にわたって、強度が変化し、かつ速度が増加する前記触覚信号のシーケンスを出力することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンピューティングデバイスは、前記指紋センサまたは存在感知表示デバイスのうちの1つ以上から受信された入力に基づいて、前記ユーザの前記指が前記指紋センサに位置していると判定する、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記コンピューティングデバイスが、登録されたユーザの指の指紋に関連する基準指紋データを取得することと、
前記基準指紋データと前記ユーザの前記指の前記指紋に関連する前記指紋データとの一致を判定することに応答して、前記コンピューティングデバイスが、前記ユーザを認証することとをさらに備える、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザを認証することに応答して、前記コンピューティングデバイスが、1つ以上の動作を実行することをさらに備え、前記1つ以上の動作は、(i)前記コンピューティングデバイスのロックを解除することに関連付けられたロック解除動作、または(ii)前記コンピューティングデバイスによって実行される1つ以上のアプリケーションにアクセスすることに関連付けられたアクセス動作のうちの1つまたは複数を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記指紋感知動作の完了前または完了時に、前記ユーザの前記指が前記指紋センサにもはや位置していないと判定することに応答して、前記コンピューティングデバイスが、前記指紋感知動作の完了が失敗したことを示す、強度が変化する複数の離散触覚信号を出力することをさらに備える、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法を実行するための実行可能な命令を格納するように構成されたコンピュータ読取可能記憶装置とを備える、コンピューティングデバイス。
【請求項23】
ンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサに、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
モバイルコンピューティングデバイスを含む既存のコンピューティングデバイスの多くは、ユーザがこれらのデバイスによって提供されるアプリケーションのロックを解除するか、または他の態様ではアクセスすることを可能にする前に、ユーザを認証するように構成することができる。さまざまな例において、コンピューティングデバイスは、認証の目的で、ユーザがパスワードを入力することを要求することがある。場合によっては、コンピューティングデバイスが指紋センサを含む場合、デバイスは、指紋認証プロセスの一部として、ユーザが指紋センサに指を置くことを要求することがある。デバイスがユーザの指紋のキャプチャ画像に基づいてユーザを認証すると、デバイスは、ロック解除動作を実行するか、または他の態様ではデバイスに含まれるアプリケーションへのアクセスをユーザに提供することができる。
【発明の概要】
【0002】
概要
本開示は、改善されたメカニズムを提供するための技術に関し、このメカニズムでは、指紋センサを使用してユーザの指紋の正確かつ完全な画像を取得するようにコンピューティングデバイスが構成され、それにより、ユーザが指紋感知動作の完了前に指を指紋センサから早々に動かす可能性を低減させる、または排除する。ユーザの指紋の感知は、多くの場合、ユーザとコンピューティングデバイスとの相互作用の不可欠な部分である可能性があり、指紋感知動作が正常に行われると、デバイスのロック解除、デバイス上の特定のアプリケーションへのアクセスの提供、および/または電子決済の承認の提供といった、特定の動作をコンピューティングデバイスが行うことが可能になり得るが、これらはほんの数例である。このように、説明された技術のさまざまな実現例は、失敗または不完全な指紋検出動作の事例を減らすことによって効率を改善することができるだけでなく、上記の動作例などの特定の動作を実行するようにユーザデバイスを制御するという技術的タスクをより効果的に行う際に、ユーザを支援することもできる。
【0003】
開示された技術によれば、コンピューティングデバイスは、指紋感知動作を開始し、一定時間にわたって、強度が変化する(たとえば、増加する)触覚信号のシーケンスを出力し得る。場合によっては、これらの触覚信号は、持続時間が短く(たとえば、短い触覚パルス)、一定または可変の短い休止期間によって互いに分離されているときに、ユーザによって効果的に感知される。これらの場合、信号がたとえば低振幅パルスからなる場合、ユーザはこれらの急速な連続パルスを、連続した(たとえば増加する)触覚イベントとして感知することができる。指紋感知動作が完了すると、コンピューティングデバイスは次に、指紋感知動作が正常に完了したことを示し、ユーザが指紋センサから指を持ち上げてもよいことを示すために、高強度の離散触覚信号を出力し得る。このような触覚信号の出力は、指紋センサに位置するユーザの指によって検出される対応する生理反応をもたらして、指紋感知動作が正常に行われた後にユーザが指紋センサから指を持ち上げてもよいことを効果的に示す。場合によっては、コンピューティングデバイスは、指紋感知動作が正常に完了したことをユーザに確認するために、触覚信号と併せて表示用に出力される対応する視覚効果も利用し得る。このように、開示された技術は、指紋感知を複数回試みることなく正確かつ完全な指紋画像を取得するコンピューティングデバイスの能力を改善して、コンピューティングデバイスによって提供される指紋認識効率、ならびに処理効率および電力効率を改善する可能性がある。
【0004】
一例において、方法は、ユーザの指が指紋センサに位置していると判定することに応答して、コンピューティングデバイスが、指紋センサに関連付けられた指紋感知動作を開始することと、コンピューティングデバイスが、定められた期間にわたって、強度が変化する触覚信号のシーケンスを出力することとを備え、シーケンス内の各触覚信号の強度は、シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度と異なり、方法はさらに、コンピューティングデバイスが、指紋センサから、ユーザの指の指紋に関連する指紋データを取得することと、コンピューティングデバイスが、指紋感知動作の完了時に、ユーザの指が指紋センサに依然として位置しているかどうかを判定することとを備える。方法の例はさらに、指紋感知動作の完了時にユーザの指が指紋センサに依然として位置していると判定することに応答して、コンピューティングデバイスが、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号を出力することを備える。
【0005】
他の例では、コンピューティングデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、命令を格納するように構成されたコンピュータ読取可能記憶装置とを備え、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって、ユーザの指が指紋センサに位置していると判定することに応答して、指紋センサに関連付けられた指紋感知動作を開始し、定められた期間にわたって、強度が変化する触覚信号のシーケンスを出力するように実行可能であり、シーケンス内の各触覚信号の強度は、シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度と異なり、命令はさらに、指紋センサから、ユーザの指の指紋に関連する指紋データを取得し、指紋感知動作の完了時に、ユーザの指が指紋センサに依然として位置しているかどうかを判定し、指紋感知動作の完了時にユーザの指が指紋センサに依然として位置していると判定することに応答して、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号を出力するように実行可能である。
【0006】
他の例において、コンピュータ読取可能記憶装置は、実行されると、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサに動作を実行させる命令を格納する。これらの動作の例は、ユーザの指が指紋センサに位置していると判定することに応答して、指紋センサに関連付けられた指紋感知動作を開始することと、定められた期間にわたって、強度が変化する触覚信号のシーケンスを出力することとを含み、シーケンス内の各触覚信号の強度は、シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度と異なり、動作の例はさらに、指紋センサから、ユーザの指の指紋に関連する指紋データを取得することを含む。動作の例はさらに、指紋感知動作の完了時に、ユーザの指が指紋センサに依然として位置しているかどうかを判定することと、指紋感知動作の完了時にユーザの指が指紋センサに依然として位置していると判定することに応答して、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号を出力することとを含む。
【0007】
1つ以上の例の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。本開示の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が変化する触覚信号を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例を示す概念図である。
図2】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が変化する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例を示す概念図である。
図3】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が変化する触覚信号を出力するように構成されたコンピューティングデバイス他の例を示す概念図である。
図4】本開示の1つ以上の態様に係る、コンピューティングデバイスの例を示すブロック図である。
図5】本開示の1つ以上の態様に係る、経時的に強度が変化する触覚信号の出力を示すグラフ図である。
図6A】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例を示す画面図である。
図6B】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例を示す画面図である。
図6C】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例を示す画面図である。
図6D】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例を示す画面図である。
図7A】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの他の例を示す画面図である。
図7B】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの他の例を示す画面図である。
図7C】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの他の例を示す画面図である。
図7D】本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの他の例を示す画面図である。
図8】本開示の1つ以上の態様に係る、コンピューティングデバイスの動作の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
図1は、本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が変化する(たとえば、増加する)触覚信号を出力するように構成されたコンピューティングデバイス100の例を示す概念図である。コンピューティングデバイス100の例は、携帯電話、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、携帯ゲーム機、携帯メディアプレーヤー、ウェアラブルコンピューティングデバイス(たとえば、腕時計、手首に装着するコンピューティングデバイス、頭に装着するコンピューティングデバイス)、テレビプラットフォーム、または他のタイプのコンピューティングデバイスを含み得るが、これらに限定されない。以下でさらに詳細に説明するように、コンピューティングデバイス100は、1つ以上のプロセッサであり得るか、またはそれらを含み得る。コンピューティングデバイス100は、表示デバイス102、指紋センサ104、および触覚アクチュエータ106を含み、コンピューティングデバイス100は、1つ以上のアプリケーション110を実行するように構成され得る。
【0010】
上述のように、モバイルコンピューティングデバイスを含む多くの既存のコンピューティングデバイスは、ユーザがこれらのデバイスによって提供されるアプリケーションのロックを解除するか、または他の態様ではアプリケーションにアクセスすることを許可する前に、ユーザを認証するように構成され得る。場合によっては、デバイスが指紋センサ(たとえば、指紋センサ104)を含む場合、デバイスは、指紋認証プロセスの一部として、ユーザが指を指紋センサに置くことを要求することがある。デバイスは、ユーザを認証すると、たとえば、ロック解除動作を実行することができ、または他の態様では、デバイスに含まれるアプリケーション、もしくはデバイスによって提供されるサービスへのアクセスを、ユーザに提供することができる。
【0011】
しかしながら、指紋センサの多くは、ユーザの指紋の完全なまたは正確な画像を取得する前に、ある期間にわたって指紋感知(たとえば、走査)動作を実行する。たとえば、ディスプレイの下に位置する指紋センサは、600~1100ミリ秒(ms)の間、感知動作を実行し得る。多くの場合、この期間が経過する前に、ユーザが指紋センサから指を早々に離すことがあり、その結果、指紋センサは不完全または不正確な指紋画像を取得することになる。
【0012】
本開示の1つ以上の技術を利用することによって、コンピューティングデバイス100は改良されたメカニズムを提供することができ、このメカニズムでは、コンピューティングデバイス200が指紋センサ104を使用してユーザの指紋の正確かつ完全な画像を取得するように構成され、それにより、ユーザが指紋感知動作の完了前に指122を指紋センサ104から早々に移動させる可能性を低減させるかまたは排除する。以下でさらに詳細に説明するように、コンピューティングデバイス100は、(たとえば、指紋感知モジュール112を使用して)指紋感知動作を開始し、一定期間にわたって、強度が変化(たとえば、増加)する触覚信号のシーケンスを(たとえば、触覚アクチュエータ106および/または触覚フィードバックモジュール114を使用して)出力し得る。指紋感知動作が完了すると、コンピューティングデバイス100は次に、指紋感知動作が正常に完了したことを示し、さらに、ユーザが指紋センサ104から指122を持ち上げる可能性があると示す高強度の離散触覚信号121を出力し得る。そのような触覚信号の出力は、指紋センサ104に配置されたユーザの指122によって検出される、対応する生理反応をもたらす。例によっては、コンピューティングデバイス100は、指紋感知動作が完了したと判定し、そのような判定に応答して、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号121を出力し得る。
【0013】
上述のように、コンピューティングデバイス100は、一定期間にわたって、強度が変化する触覚信号のシーケンスを(たとえば、触覚アクチュエータ106および/または触覚フィードバックモジュール114を用いて)出力し得る。特定の場合において、コンピューティングデバイス100は、増加する(たとえば、連続的に増加する)または強度が加速する(たとえば、振幅もしくは大きさが加速する)触覚信号のこのシーケンスを出力し得る。場合によっては、コンピューティングデバイス100は、シーケンス内の触覚信号の周波数もしくは周波数スペクトルを変更することによって、および/またはユーザによって知覚される触覚信号の粗さの知覚を変更することによって、強度が変化する触覚信号のこのシーケンスを出力してもよい。一般に、触覚信号の強度の変化は、触覚信号に関連する任意の触覚特性の変化に関連し得る。例によっては、触覚信号の強度は、関連する振動波に関する振幅、大きさ、および/または周波数の単位で測定されることがある。例によっては、強度は、関連する振動波に対する加速度の単位で測定されることがある。
【0014】
さまざまな場合において、コンピューティングデバイス100はまた、指紋感知動作の間および/または後に、触覚信号の出力と共に、視覚画像のシーケンスを出力し得る。これらの場合、コンピューティングデバイス100は、低レベルの触覚と視覚との組み合わせを利用して、指紋センサ104および/または指紋感知モジュール112が指紋感知動作を正常に完了し、ユーザの指紋に関連する完全かつ正確な指紋データを取得できる十分な期間の間、ユーザが指紋センサ104に位置する指122を維持できる効果をもたらし得る。
【0015】
特定の例では、触覚フィードバックモジュール114は、指122が指紋センサ104に位置付すると始動する、対話型の「触覚テクスチャ」をもたらし得る。このテクスチャは、指122と対話可能であってもよく、この期間にわたって強度が変化(たとえば、増加)する触覚信号のシーケンスを出力するように触覚フィードバックモジュール114が触覚アクチュエータ106を駆動するように、時間と共に強まる。オプションの視覚フィードバックモジュール118は、強度が変化する(たとえば、増加する)触覚信号のシーケンスを触覚フィードバックモジュール114が出力する間に、強度が変化する(たとえば、増加する)視覚画像のシーケンスといった、対応する視覚的アニメーションを出力し得る。視覚的アニメーションが完成に近づくと、さまざまな場合にスピードアップまたは加速し、それによって、(たとえば、場合によっては高強度の触覚信号と共に)指紋感知動作が正常に完成したことを示す対話型の視覚的な「スナップ」効果がもたらされ得る。指紋感知動作が正常に完了すると、コンピューティングデバイス100は、特定の使用例に対して、コンピューティングデバイス100のロック解除に関連するロック解除動作、またはアプリケーション110の1つ以上にアクセスすることに関連するアクセス動作の1つ以上を実行し得るが、これらはほんの数例である。これらの例では、触覚効果および視覚効果は、平坦で静的なものではなく、ユーザの感覚が「スナップ」効果に連動するように効果または強度(たとえば、視覚的および触覚的の両方)を伴って強まり得る(たとえば、連続的に増加または加速し得る)。さまざまな場合において、触覚信号と共に視覚画像を用いることによって、この「スナップ」効果に関する全体的なユーザの知覚および経験が強化され得る。ユーザは、場合によっては、視覚的かつ触覚的なフィードバックを、単一の知覚された経験に「融合」または結合することが可能になることがある。
【0016】
このように、開示された技術は、指紋感知を複数回試みることなく正確かつ完全な指紋画像を取得するコンピューティングデバイス100の能力を改善して、コンピューティングデバイス100によって提供される指紋認識効率、ならびに処理効率および電力効率を改善する可能性がある。開示された技術は、指紋感知を複数回試みることを低減または排除することによって、コンピューティングデバイス100の処理サイクル数または電力使用量を低減できる可能性がある。
【0017】
ユーザに関連する指紋データまたは識別情報などのユーザデータの格納は、さまざまな例において、コンピューティングデバイス100が(たとえば、UIモジュール108を介して)ユーザから肯定的な同意を受信することに応答してのみ、発生し得る。 UIモジュール108は、たとえば、そのようなデータの格納およびその後の使用に関する明示的な要求をユーザに提供することができ、コンピューティングデバイス100は、ユーザからの肯定的な応答および同意を(たとえば、UIモジュール108を介して)受信した場合にのみ、データの格納に進み得る。
【0018】
上記の説明に加えて、ユーザにコントロールを提供することが可能であり、このコントロールによって、ユーザは、本明細書に記載のシステム、プログラム、もしくは機能がユーザ情報(たとえば、指紋データ、ユーザ嗜好データ、ユーザ位置データ、ユーザ識別データ)の収集および/もしくは格納を可能にする場合、ならびに/または本明細書に記載のシステム、プログラム、もしくは機能がデバイス間のコンテンツもしくは通信の送信を可能にする場合の両方に関して、選択を行うことができる。さらに、特定のデータは、識別可能な情報が除去されるように、格納または使用される前に1つ以上の方法で処理される場合がある。たとえば、ユーザのアイデンティティは、ユーザについて識別可能な情報を判定できないように処理されてもよいし、位置情報が取得されるユーザの地理的位置は、ユーザの特定の位置を判定できないように、(都市、郵便番号、または州レベルなどに)一般化されてもよい。このように、ユーザは、ユーザについてどのような情報が収集されるか、その情報がどのように格納および/または使用されるか、ならびにどのような情報がユーザに提供されるかを制御することができる。
【0019】
図1に示されるように、コンピューティングデバイス100は、表示デバイス102を備える。表示デバイス102は、コンピューティングデバイス100の入力デバイスおよび/または出力デバイスとして機能し得る。表示デバイス102は、さまざまな技術を使用して実装され得る。たとえば、表示デバイス102は、抵抗性タッチスクリーン、表面弾性波タッチスクリーン、容量性タッチスクリーン、投影容量タッチスクリーン、存在感知スクリーン、音響パルス認識タッチスクリーン、レーダー技術によって動きを検出する存在感知スクリーン、または他の存在感知技術などの存在感知入力デバイスを使用して、入力デバイスとして機能し得る。表示デバイス102は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)、ドットマトリクスディスプレイ、発光ダイオード(light emitting diode:LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode:OLED)ディスプレイ、マイクロ発光ダイオード(micro light-emitting diode:microLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(active matrix organic light-emitting diode:AMOLED)ディスプレイ、Eインク、またはコンピューティングデバイス100のユーザに可視情報を出力可能な同様のモノクロもしくはカラーディスプレイなどの1つ以上の表示デバイスのうちのいずれかを使用して、出力デバイスとして機能し得る。
【0020】
一例として、コンピューティングデバイス100の表示デバイス102は、コンピューティングデバイス100のユーザからの触覚入力を受信し得る存在感知スクリーンを含み得る。表示デバイス102は、コンピューティングデバイス100のユーザからの1つ以上のジェスチャ(たとえば、ユーザが指またはスタイラスペンで表示デバイス102の1つ以上の場所に触れる、または1つ以上の場所を指差す)を検出することによって、触覚入力の表示を受信し得る。また、表示デバイス102の存在感知スクリーンは、ユーザに出力を提示し得る。表示デバイス102は、コンピューティングデバイス100によって提供される機能に関連する可能性のあるグラフィカルユーザインターフェイスとして、またはそこにおいて、出力を提示し得る。たとえば、表示デバイス102は、コンピューティングデバイス100で実行されるアプリケーション110のさまざまなユーザインターフェイスに関連する出力を提示し得る。ユーザは、対応するアプリケーション機能に関連する動作をコンピューティングデバイス100に実行させるために、アプリケーション110の各々のそれぞれのユーザインターフェイスと対話することができる。
【0021】
例によっては、コンピューティングデバイス100は、(図4に示されるような)1つ以上の通信ユニットを備え得る。これらの通信ユニットは、1つ以上の他のコンピューティングデバイスに対するデータの送信および/または受信を行い得る。例によっては、通信ユニットは、無線通信および/または有線通信をサポートし、任意のさまざまな通信プロトコルを使用して、データを送信および/または受信し得る。
【0022】
コンピューティングデバイス100は、ユーザインターフェイス(「UI」)モジュール108、指紋感知モジュール112、触覚フィードバックモジュール114、指紋認識モジュール116、およびオプションの視覚フィードバックモジュール118も含んでもよく、これらは、コンピューティングデバイス100に常駐し、および/もしくはコンピューティングデバイス100で実行されるソフトウェア、ハードウェア、ならびに/またはファームウェアの任意の組み合わせを用いて、本明細書に記載する動作を個別にまたは集合的に実行し得る。コンピューティングデバイス100は、1つ以上のプロセッサを使用して、アプリケーション110およびモジュール108,112,114,116,118を実行し得る。コンピューティングデバイス100は、場合によっては、アプリケーション110および/またはモジュール108,112,114,116,118を、基礎となるハードウェア上で実行される1つ以上の仮想マシンとして実行し得る。場合によっては、アプリケーション110および/またはモジュール108,112,114,116,118のいずれかが、ダウンロード可能またはプリインストールされたアプリケーション、すなわち「アプリ」として実装されてもよい。例によっては、これらのうちの1つ以上が、オペレーティングシステムまたはコンピューティングプラットフォームのサービスとして実行されてもよい。
【0023】
コンピューティングデバイス100のアプリケーション110は、さまざまな機能を実行し得るか、またはコンピューティングデバイス100の1つ以上のサービスにアクセスし得る。電子メールアプリケーション、カメラアプリケーション、カレンダーアプリケーション、メッセージングアプリケーション、ソーシャルメディアアプリケーション、旅行アプリケーション、ゲームアプリケーション、株式アプリケーション、および天気予報アプリケーションはすべて、アプリケーション110の例である。UIモジュール108は、表示デバイス102において、グラフィカルユーザインターフェイスをユーザに提示させ得る。たとえば、グラフィカルユーザインターフェイスは、表示デバイス102のさまざまな場所に表示されるグラフィカル要素(たとえば、表示)を含み得る。
【0024】
UIモジュール108は、場合によっては、コンピューティングデバイス100のさまざまなコンポーネント間の仲介役として機能して、表示デバイス102によって検出された入力に基づいて判定を行い、表示デバイス102によって提示される出力を生成してもよい。たとえば、UIモジュール108は、表示デバイス102によって検出された入力に関連する情報を表示デバイス102から受信し、入力された情報をアプリケーション110の1つまたは複数に送信してもよい。また、UIモジュール108は、アプリケーション110および/またはモジュール108,112,114,116,118から情報を受信してもよく、またはこれに対してコンテンツを提供してもよい。
【0025】
上記したように、本開示の1つ以上の技術を利用することによって、コンピューティングデバイス100は改善されたメカニズムを提供することができる。このメカニズムは、指紋センサ104を使用してユーザの指紋の正確かつ完全な画像を取得し、それによって、ユーザが指紋感知動作の完了前に指を指紋センサ104から早々に動かす可能性を低減させるかまたは除去するように構成されている。上述のように、指紋センサ104は、コンピューティングデバイス100の一部に配置され得る。コンピューティングデバイス100は、前面部分と、前面部分とは反対側の背面部分と、1つ以上の側面部分とを含む。表示デバイス102(たとえば、存在感知表示デバイス)は、前面部分に設けられてもよい。場合によっては、表示デバイス102は、背面部分に設けられてもよい。場合によっては、表示デバイス102は、前面部分、背面部分、または少なくとも1つの側面部分のうちの1つまたは複数など、コンピューティングデバイス100の1つ以上の部分に設けられた複数の表示デバイス(たとえば、デュアル表示デバイスまたは折り畳み式表示デバイス)で構成されてもよい。さまざまな例において、指紋センサ104は、(たとえば、表示デバイス102の下の)コンピューティングデバイス100の前面部分、または(たとえば、ソリッドステートボタンの一部として)コンピューティングデバイス100の1つ以上の側面部分のいずれかに設けられる。他の例では、指紋センサ104は、コンピューティングデバイス100の背面部分に設けられる。図1の例では、指紋センサ104は、コンピューティングデバイス100の前面部分に設けられる。
【0026】
前面部分にも設けられる表示デバイス102は、さまざまな表示情報(たとえば、図1に示されるように、日付、時間、温度情報)を表示し得る。また、図1にも示されるように、表示デバイス102は、指紋センサ104に関連する表示デバイス102の領域または区域で、グラフィカル情報124(たとえば、指紋の形状を有するグラフィカルな指紋アイコン)を表示してもよい。たとえば、グラフィカル情報124は、表示デバイス102において、表示デバイス102の下方に位置する、指紋センサ104の上方に位置する領域で出力され得る。グラフィカル情報124は、指紋感知動作中にユーザが指122を位置付けるべき場所を示し得る。特定の例では、表示デバイス102は、常時オンディスプレイとして構成され、表示デバイス102は、コンピューティングデバイス100の電源がオンである間、特定の情報(たとえば、日付/時間/温度情報および/またはグラフィカル情報124)を表示する。指122は、右手または左手のいずれかに位置する、ユーザの任意の指であってよい。
【0027】
任意の時点で、コンピューティングデバイス100のユーザは、コンピューティングデバイス100による1つ以上の動作(たとえば、コンピューティングデバイス100のロック解除に関連するロック解除動作、アプリケーション110の1つまたは複数にアクセスすることに関連するアクセス動作)の実行を開始したいと思う場合がある。そのような動作の実行を開始するために、コンピューティングデバイス100は、1つ以上の指紋感知動作を介してユーザの認証を要求し得る。その結果、ユーザは、指紋センサ104に指122を位置付けることができる。
【0028】
指紋感知モジュール112は、ユーザの指122が指紋センサ104に位置しているときに(たとえば、表示デバイス102および/または指紋センサ104からの入力に基づいて)判定を行い得る。たとえば、表示デバイスおよび/または指紋センサ104は、指122が指紋センサ104に接触するか、または他の態様では指紋センサ104の定義された距離内にある(たとえば、近接している)ときに、指122の存在を(たとえば、指紋感知モジュール112の実行中に)判定し得る。
【0029】
ユーザの指122が指紋センサ104に位置していると指紋感知モジュール112が判定することに応答して、指紋感知モジュール112は、指紋センサ104に関連付けられた指紋感知動作を開始し得る。先に述べたように、さまざまな場合において、指紋感知動作は、指紋センサ104から完全かつ正確な指紋画像データを取得するための期間である、定められた期間(たとえば、600~1100ms)の間実行され得る。次に、そのような指紋画像データを取得するために、ユーザは、指紋センサ104(たとえば、指紋センサ104のタイプまたはモデル)に基づく可変期間であってよいこの期間の間、ユーザの指122を指紋センサ104に位置したままにしておかなければならない。たとえば、指紋センサ104は、光学スキャナ、容量性スキャナ、または超音波スキャナのうちの1つで構成されてもよい。指紋データは、ユーザの指の指紋を表す任意のタイプのデータで構成されてもよい。たとえば、指紋データは、光学スキャナ、容量性スキャナ、または超音波スキャナのうちの1つによって提供されてもよく、このデータは、指紋の2次元表現または3次元表現を示し得る。
【0030】
特定の例では、指紋感知モジュール112は、指紋感知動作を完了するための指紋感知期間を決定するように構成され得る。たとえば、指紋感知モジュール112は、たとえば、指紋センサ104のタイプに基づいて、またはそれに応じて、そのような指紋感知期間を決定し得る。指紋センサには、他のものよりも短い時間で完全な指紋画像を取得するように動作可能なタイプもある。指紋感知期間を決定すると、指紋感知モジュール112は次に、強度が増加する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを触覚フィードバックモジュール114が出力する定められた期間を、この指紋感知期間に基づいて決定するように構成され得る。多くの場合、この定められた期間は、指紋感知期間と同じであってよい。特定の場合には、指紋感知モジュール112は、指紋感知期間が経過した後でも触覚フィードバックモジュール114が触覚信号120A,120B,120Cのうちの1つ以上を出力するように、指紋感知期間よりもわずかに長くなるように定められた期間を選択してもよい。場合によっては、指紋感知モジュール112は、触覚フィードバックモジュール114が指紋感知期間の終わりに離散触覚信号121を出力するように、指紋感知期間よりわずかに短くなるように定められた期間を選択してもよい。
【0031】
上記に示したように、指紋感知モジュール112による指紋感知動作の開始時に、コンピューティングデバイス100は、触覚モジュール114を実行して、この定められた期間にわたって、触覚アクチュエータ106を用いて、強度が増加する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを出力して、ユーザの指122によって検出される生理反応を提供して、ユーザがこの期間の間、指紋センサ104で指122を維持すべきであると示し得る。触覚アクチュエータ106は、コンピューティングデバイス100から触覚信号(たとえば、コンピューティングデバイス100の1つ以上の振動を引き起こす触覚信号)を出力するように構成されている。例によっては、触覚アクチュエータ106は、偏心回転質量モータ、線形共振アクチュエータ、圧電アクチュエータ、または強制衝撃アクチュエータのうちの1つで構成され得る。
【0032】
触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスは図1に示されており、図1は、これらの触覚信号の経時的な出力を示す。触覚フィードバックモジュール114は、触覚アクチュエータを作動させて、シーケンスにおける最初の触覚信号として触覚信号120Aを出力し、その後、触覚信号120Bが、そして触覚信号120Cが時間的に続く。シーケンス内の各触覚信号の強度(たとえば、振動強度)は、シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度とは異なる(たとえば、より大きい)。したがって、触覚信号120Bの触覚強度は、触覚信号120Aの触覚強度よりも大きい。触覚信号120Cの触覚強度は、触覚信号120Aおよび120Bの各々の触覚強度よりも大きい。特定の例では、触覚フィードバックモジュール114は、強度が増すだけでなく強度が加速する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを出力して、指122によって検出されるようなさらに顕著な生理反応(たとえば、振動反応)を生じさせるように、触覚アクチュエータ106を起動する。
【0033】
触覚信号120A,120B,120Cは、指122によって検出され得るコンピューティングデバイス100のそれぞれの振動を引き起こし得る。触覚信号のこのシーケンスは、時間と共に強度が増加するので、ユーザの指122は、これらの触覚信号によって引き起こされるコンピューティングデバイス100の1つ以上の部分の振動強度の増加を検出して、指紋検出モジュール112が指紋感知動作を行う間にユーザが指紋センサ104に指122を維持すべきであると示し得る。
【0034】
特定の例では、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを、触覚パルスが出力されない時間の休止によって分離された、短い触覚パルスとして出力し得る。場合によっては、これらの触覚信号120A,120B,120Cは、持続時間が短く(たとえば、短い触覚パルス)、一定または可変の持続時間の短い休止時間によって互いに分離されている場合、ユーザによって効果的に知覚される。これらの場合、信号120A,120B,120Cが、たとえば低振幅パルスからなる場合、ユーザは、これらの急速な連続したパルスを、連続した(たとえば、増加する)触覚イベントとして知覚し得る。
【0035】
たとえば、触覚信号120A,120B,120Cの各々は、短い持続時間(たとえば、4ms)の触覚パルスで構成されてもよく、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスの各々を、この短い持続時間の間、それぞれの触覚パルスとして出力し得る。触覚フィードバックモジュール114は、最初にこの短い持続時間の間、触覚信号120Aを出力してもよく、その後、触覚フィードバックモジュール114が触覚信号の出力を控える休止期間が続く。休止期間の後、触覚フィードバックモジュール114は次に、この短い期間の間、触覚信号120Bを出力してもよく、その後、触覚フィードバックモジュール114が再び触覚信号の出力を控える別の休止期間が再び続く。触覚信号120Bの触覚強度は、触覚信号120Aの触覚強度よりも大きい。触覚フィードバックモジュール114はその後、短い持続時間の間、触覚信号120Cを出力してもよく、触覚信号120Cの触覚強度は、触覚信号120Aおよび120Bの各々の触覚強度よりも大きい。多くの場合、これらの休止期間を含めると、指122によって検出されるような触覚信号120A,120B,120Cに関連する生理反応が増大する可能性がある。
【0036】
場合によっては、これらの休止期間は、触覚信号間に一定の持続時間を有することがある。他の場合では、休止期間は可変の持続時間を有することがある。たとえば、これらの触覚信号が強度が変化し、かつ、(たとえば、定められた期間にわたって休止期間が短いために)速度が増加する状態で出力される触覚パルスからなるように、シーケンス内のそれぞれの触覚信号120A,120B,120Cの間に生じるこれらの休止期間は、触覚信号120A,120B,120Cが出力される定められた期間にわたって持続時間が減少してもよい。たとえば、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120Aの出力と触覚信号120Bの出力との間に生じる第1の休止期間の間、触覚信号の出力を控え得る。また、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120Bの出力と触覚信号120Cの出力との間に生じる第2の休止期間の間、触覚信号の出力を控え得る。場合によっては、第2の休止期間は、第1の休止期間と等しくてもよい。しかしながら、他の場合では、第2の休止期間は、第1の休止期間よりも短い期間であってもよい。その結果、これらの場合、触覚フィードバックモジュール114は、強度が変化し、かつ速度が増加する触覚信号120A,120B,120Cを出力し得る。
【0037】
触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知モジュール112が定められた期間(たとえば、感知動作を完了するための600~1100ms)にわたって指紋感知動作を実行する間、触覚信号のこのシーケンスを出力する。指紋感知モジュール112は、指紋センサ104から、指122の指紋に関連する指紋データを取得し得る。場合によっては、指紋感知モジュール112は、触覚フィードバックモジュール114が触覚信号のシーケンスを出力する定められた期間中に、この指紋データの少なくとも一部を取得してもよい。
【0038】
指紋感知モジュール112は、指紋感知動作の完了時に、ユーザの指122が指紋センサ104に依然として位置しているかどうかを(たとえば、表示デバイス102および/または指紋センサ104からの入力に基づいて)判定し得る。指122が指紋センサ104に依然として位置している場合、触覚フィードバックモジュール114は、離散触覚信号121を出力するように触覚アクチュエータ106を起動し得る。場合によっては、離散触覚信号121の触覚強度は、触覚信号のシーケンスに含まれる触覚信号のそれぞれの強度とは異なってもよい(たとえば、より大きくてもよい)。したがって、これらの場合、離散触覚信号121は、触覚フィードバックモジュール114によって以前に出力されたシーケンス内の触覚信号120A,120B,120Cのいずれよりも大きな強度(たとえば、3倍以上)を有する高強度の触覚パルスを提供する。触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知動作が正常に完了したことをユーザに示す離散触覚信号121を出力する。場合によっては、離散触覚信号は、指122によって検出されるような「スナップ」効果の生理反応を生じることがある。このように、触覚フィードバックモジュール114は、強度が増加する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを出力して、指122によって検出されるランプ状のテクスチャ生理反応を提供して、ユーザが指紋感知動作中に指122を指紋センサ104に位置したままにすべきであると、ユーザに示し得る。その後、触覚フィードバックモジュール114が離散触覚信号121を出力すると、指122は、指紋感知動作が完了し、ユーザが指122を指紋センサ104から上げるかまたは移動してもよいことを示す明確な生理反応を検出し得る。その結果、ユーザは、指122を上げるかまたは移動させる前に、指122が離散触覚信号121に関連するこの離散的な生理反応を感知するまで待機し得る。
【0039】
さまざまな例において、強度が増加する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを出力した後、触覚フィードバックモジュール114は、(図5に示されるように)離散触覚信号121を出力する前に、第2の定められた期間の間、触覚信号を出力しないよう構成され得る。このようにして、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120A,120B,120Cの出力と離散触覚信号121の出力との間に、再びさらに別の休止期間を導入し得る。多くの場合、この休止期間またはギャップ期間を含めると、指122によって検出される離散触覚信号121に関連する生理反応が増大することがある。場合によっては、指122は、強度が増加する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを出力した後で、かつ離散触覚信号121を出力する前に触覚フィードバックモジュール114がこの休止期間を含む場合に、より強いまたはより識別可能な生理反応で離散触覚信号121を感知することが可能である。さまざまな場合において、この休止期間またはギャップ期間を含めることによって、少なくとも部分的に、ユーザの指122の神経が最初の触覚信号120A,120B,120Cの影響から回復することが可能になり、それによって、ユーザが、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサ104から指122を移動させてよいことを示す、より強いまたはより識別しやすい生理反応で後続の(および場合によっては、より高い強度の)個別の触覚信号121をより容易に識別することが可能になる。
【0040】
例によっては、指紋感知(たとえば、走査)動作の開始後、指紋感知モジュール112は、(たとえば、指紋センサ104のタイプに応じて、600~1100msの期間にわたって)指紋感知動作を完了してもよく、指紋感知動作の完了時に、指紋感知モジュール112は、指122が指紋センサ104に依然として位置しているかどうかを判定してもよい。指紋感知動作の完了時に指122が指紋センサ104に依然として位置していると指紋感知モジュール112が判定することに応答して、触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号121を出力し得る。
【0041】
他の例では、指紋感知(たとえば、走査)動作の開始後、指紋感知モジュール112は、指紋感知動作の実行中の1つ以上の時点で指122が指紋センサ104に依然として位置しているかどうかを判定し得る。指紋感知動作の完了時に指122が指紋センサ104に依然として位置していると指紋感知モジュール112が判定することに応答して、触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号121を出力し得る。これらの例では、触指紋感知動作の間および完了時に指122が指紋センサ104に位置していると指紋感知モジュール112が判定したことを考慮して、触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知動作が完了したと判定することに応答して、離散触覚信号121を出力し得る。
【0042】
しかしながら、特定の例では、指紋感知動作の完了前または完了時に指122が指紋センサ104にもはや位置していないと指紋感知モジュール112が判定することに応答して、触覚フィードバックモジュール114は、強度が変化する複数の離散触覚信号(図1には示されていない)を出力し得る。強度が変化するこれらの複数の離散信号の出力は、指紋感知動作の完了が失敗したこと(たとえば、不完全なおよび/または失敗した指紋感知動作)を示し得る。
【0043】
指紋感知動作の完了時に指122が指紋センサ104に依然として位置していると仮定して、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号121を出力する。触覚フィードバックモジュール114が触覚信号121を出力し、指紋感知モジュール112が指122の指紋に関連する指紋データを取得した後で、指紋認識モジュール116は、指紋データを、登録されたユーザの基準指紋データと一致させようと試み得る。たとえば、指紋認識モジュール116は、1人以上の登録されたユーザの指の1つ以上の指紋に関連する基準指紋データを以前に取得している場合がある。場合によっては、指紋認識モジュール116は、この基準データを外部デバイスから取得してもよい。他の場合、指紋認識モジュール116は、指紋センサ104および指紋感知モジュール112が、上述のプロセスと同様のプロセスを使用して、1人以上の登録されたユーザの指からそのような基準データを取得する事前の訓練または登録段階中に、指紋感知モジュール112からこの基準データを取得してもよい。
【0044】
後の時点で、指紋認識モジュール116は、指122の指紋に関連する指紋データ(たとえば、指紋画像データ)を、以前に登録されたユーザの基準指紋データ(たとえば、基準指紋画像データ)と一致させようと試み得る。指紋認識モジュール116は、一致を判定する試みにおいて、これらの画像データを比較し得る。特定の登録済みユーザの指紋に関連する基準指紋データと、指122の指紋に関連する指紋データとの一致を指紋認識モジュール116が判定することに応答して、指紋認識モジュール116は、指122を有するユーザを認証し得る。ユーザを認証することに応答して、コンピューティングデバイス100は、1つ以上の動作を実行し得る。たとえば、コンピューティングデバイス100は、特定の使用事例について、コンピューティングデバイス100のロック解除に関連するロック解除動作、またはアプリケーション110の1つ以上にアクセスすることに関連するアクセス動作のうちの1つまたは複数を実行し得るが、これらはほんの数例である。
【0045】
例によっては、指紋感知モジュール112が指紋感知動作を完了する前に、ユーザが指紋センサ104から指122を持ち上げることが可能である。これらの例では、1つ以上の理由により、ユーザは、指紋感知動作が完了したことを示す触覚信号である離散触覚信号121を触覚フィードバックモジュール114が出力する前に、指122を持ち上げてもよい。これらの場合、指紋感知モジュール112は、指紋感知動作中に指122の指紋に関連する完全なまたは正確な指紋データを得ることができない可能性がある。その結果、指紋感知動作の完了前または完了時に、指122が指紋センサ104にもはや位置していないと(たとえば、表示デバイス102および/または指紋センサ104からのフィードバックに基づいて)指紋感知モジュール112が判定すると、触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知動作の完了が失敗したこと(たとえば、指紋感知動作が失敗した、および/または不完全であること)を示す、強度の異なる複数の離散触覚信号(図1には示さず)を出力し得る。たとえば、場合によっては、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号121と同様であるが異なる強度を有する複数の離散触覚信号を出力し得る。一例として、触覚フィードバックモジュール114は、ある強度の第1の離散触覚信号を出力し、その後、休止期間後に、第1の離散触覚信号よりも大きな強度の第2の離散触覚信号を出力してもよい。単一の離散触覚信号121ではなく複数の離散触覚信号を出力することにより、触覚フィードバックモジュール114は、指紋感知モジュール112が指紋感知動作を正常に完了できなかったことを示す表示をユーザに提供する。その結果、ユーザは、指紋感知・認証プロセスを繰り返さなければならない場合がある。
【0046】
そのように、開示された技術は、指紋感知を複数回試みることなく、正確かつ完全な指紋画像を取得するコンピューティングデバイス100の能力を改善してもよく、それによって、コンピューティングデバイス100によって提供される指紋認識効率、ならびに処理効率および電力効率が改善される可能性がある。開示された技術によって、指紋感知の複数回の試みを低減させるまたは排除することによって、コンピューティングデバイス100の処理サイクル数または電力使用量を低減させる可能性がある。
【0047】
図2は、本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が変化する触覚信号および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイスの例200を示す概念図である。コンピューティングデバイス200は、図1に示されたコンピューティングデバイス100の一例で構成されてもよく、同様の番号が付けられたコンポーネントは、図1を参照して説明される機能と同様の機能を提供し得る。
【0048】
コンピューティングデバイス200は、コンピューティングデバイス100と同様であるが、指紋感知動作中に視覚フィードバックモジュール218を使用して視覚効果を出力する機能をさらに提供する。触覚フィードバックモジュール214は、離散触覚信号121と同様に、定められた期間後に離散触覚信号221を出力することを含んで、上述の触覚フィードバックモジュール114と同様に、触覚信号を出力し得る。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、指紋センサ204が指紋感知動作の完了が成功したことを示すために、触覚信号と共に表示するために出力される対応する視覚効果を出力し得る。これらの場合、コンピューティングデバイス200は、低レベルの触覚および視覚の組み合わせを利用して、指紋センサ204および/または指紋感知モジュール212が指紋感知動作を完了し、ユーザの指紋に関連する完全な指紋データを取得できる十分な時間の間、ユーザが指を指紋センサ204に位置した状態を維持可能な効果をもたらしてもよい。
【0049】
たとえば、さまざまな場合において、触覚フィードバックモジュール214が、触覚フィードバックモジュール114について図1を参照して上述したのと同様に、定められた期間にわたって強度が増加する触覚信号のシーケンスを出力する一方で、視覚フィードバックモジュール218は、定められた期間にわたって、表示デバイス202における表示のために、視覚画像のシーケンスからなる視覚的アニメーションなどの視覚効果を出力し得る。たとえば、視覚フィードバックモジュール218は、最初に、触覚フィードバックモジュール214によって出力された触覚信号のシーケンスに対応する画像の視覚シーケンスを、定められた期間にわたって出力し得る。場合によっては、視覚フィードバックモジュール218は、視覚シーケンス内の各画像の視覚強度が、視覚シーケンス内の以前に出力された画像のそれぞれの強度とは異なる(たとえば、より大きくなる)ように、強度が増加する(たとえば、連続的に増加または加速する)視覚シーケンス内の画像を出力し得る。
【0050】
例によっては、視覚フィードバックモジュール218は、グラフィカル情報224が表示される領域など、指紋センサ204に関連する表示デバイス202の領域の周囲に表示される視覚リングの不完全な部分を形成するために、画像の視覚シーケンスを出力し得る。図6A図6Dは、そのようなシーケンスを示す。指紋感知動作が完了すると、指紋感知モジュール212は、指222が指紋センサ204に依然として位置している場合、指222の指紋に関連する指紋データを、指紋センサ204から取得し得る。また、触覚フィードバックモジュール214は、離散触覚信号221を出力し得る。触覚フィードバックモジュール214がこの離散触覚信号221を出力する間、視覚フィードバックモジュール218はまた、指紋感知動作が正常に完了したことを示す、視覚リング全体を含む離散画像230を出力し得る。視覚的アニメーションは、完成に近づくと、さまざまな場合にスピードアップまたは加速することがあり、それにより、指紋感知動作が正常に完了したことを示すために離散画像230を(たとえば、離散触覚信号221と共に)出力する際に視覚「スナップ」効果が生じる。指紋感知動作が正常に完了すると、コンピューティングデバイス200は、特定の使用例の場合、コンピューティングデバイス200のロック解除に関連するロック解除動作、またはアプリケーション210の1つまたは複数へのアクセスに関連するアクセス動作のうちの1つ以上を実行し得るが、これらはほんの数例である。これらの例では、触覚効果および視覚効果は、平坦で静的なものではなく、ユーザの感覚が「スナップ」オープン効果に関与するように、(たとえば、視覚的と触覚的との両方の)効果または強度が強まり得る(たとえば、連続的に増加または加速し得る)。
【0051】
図7A図7Dに示されるような代替例では、視覚フィードバックモジュール218は、少なくとも、画像の視覚シーケンスを出力して指紋センサ204に関連する表示デバイス202の領域(たとえば、グラフィック情報224に対応する領域)の周囲に表示される同心円状のリングを形成することによって、定められた期間にわたって画像の視覚シーケンスを出力する。この例では、触覚フィードバックモジュール214は次に、離散触覚信号221を出力する。しかしながら、触覚フィードバックモジュール214が離散触覚信号221を出力する間、視覚フィードバックモジュール218は、図7Dに示されるような、表示デバイス202のこの領域の周囲の画像を出力することを控える。
【0052】
上述のように、コンピューティングデバイス200は、図1に示されたコンピューティングデバイス100の一例で構成されてもよく、同様の番号が付けられたコンポーネントは、図1を参照して説明された機能と同様の機能を提供し得る。たとえば、図2を参照して具体的に説明されていないが、UIモジュール208、アプリケーション210、および指紋認識モジュール216は、図1を参照して上述したUIモジュール108、アプリケーション110、および指紋認識モジュール116の機能と同様の機能を提供し得る。
【0053】
図3は、本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に強度が変化する触覚信号を出力するように構成されたコンピューティングデバイス300の他の例を示す概念図である。図2および図3の例では、それぞれの指紋センサは、コンピューティングデバイスの前面部分に設けられていた。しかしながら、図3に示されるような他の例では、指紋センサは、側面部分に設けられてもよい。
【0054】
図3に示されるように、指紋センサ336は、表示デバイス302においてまたはその下ではなく、コンピューティングデバイス300の側面部分に提供される。指紋センサ336は、指紋センサ104(図1)および/または指紋センサ204(図2)と同様に機能し得る。たとえば、指紋センサ336は、指紋感知動作中にユーザの指334の指紋に関連する指紋データを取得し得る。図3の特定の例では、指334は、ユーザの右手332に位置する親指であってもよい。特定の例では、指紋センサ336は、コンピューティングデバイス300の示された側面部分上に位置するソリッドステートボタンの一部であってもよい。
【0055】
図3には示されていないが、コンピューティングデバイス300は、図1および/または図2を参照して例示され説明されたものと同様の、触覚アクチュエータ、指紋感知モジュール、触覚フィードバックモジュール、および指紋認識モジュールも備え得る。指紋感知動作の間、触覚フィードバックモジュールは、一定期間にわたって強度が増加する触覚信号のシーケンスを出力してもよく、指紋感知モジュールは、指紋センサ336から指紋データを取得してもよい。指紋感知動作の完了時に指334が指紋センサ336に依然として位置していると判定することに応答して、触覚フィードバックモジュールは、前述のように、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号321を出力し得る。
【0056】
図4は、本開示の1つ以上の態様に係る、コンピューティングデバイス400の例を示すブロック図である。コンピューティングデバイス400は、コンピューティングデバイス100(図1)、コンピューティングデバイス200(図2)、および/またはコンピューティングデバイス300(図3)の一例で構成され得る。図4は、コンピューティングデバイス400の1つの特定の例のみを示し、コンピューティングデバイス400の多くの他の例が、他の例で使用されてもよい。さまざまな場合において、コンピューティングデバイス400は、図4に示されるコンポーネントのサブセットを備え得るか、または図4に示されない追加のコンポーネントを備え得る。
【0057】
図4の例では、コンピューティングデバイス400は、存在感知表示デバイス402、1つ以上のプロセッサ440、1つ以上の入力コンポーネント442、1つ以上の通信ユニット450、指紋センサ404、1つ以上の出力コンポーネント454、1つ以上の他のセンサ452、触覚アクチュエータ、電源456、および1つ以上のストレージデバイス458を備える。通信チャネル447は、コンポーネント間通信のために、コンポーネント440,442,402,450,404,452,454,406,456および/または458の各々を(物理的に、通信可能に、および/もしくは動作可能に)相互接続し得る。例によっては、通信チャネル447は、システムバス、ネットワーク接続、プロセス間通信データ構造、またはハードウェアおよび/もしくはソフトウェア間でデータを通信するための任意の他の方法を含み得る。
【0058】
コンピューティングデバイス400の1つ以上の入力コンポーネント442は、ユーザからの入力等の入力を受信し得る。入力の例は、タッチ/触覚入力、存在感知入力、およびオーディオ入力である。入力コンポーネント442の例としては、存在感知スクリーン、タッチ感知スクリーン、タッチスクリーン、マウス、キーボード、トラックパッド、音声応答システム、ビデオカメラ、マイク、または人間もしくは機械からの入力を検出するための任意の他のタイプのデバイスが挙げられる。
【0059】
コンピューティングデバイス400の1つ以上の出力コンポーネント454は、出力を生成し得る。出力の例は、触覚出力、音声出力、および視覚出力である。出力コンポーネント454の例としては、存在感知スクリーン、タッチ感知スクリーン、タッチスクリーン、サウンドカード、ビデオグラフィックスアダプタカード、スピーカ、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロ発光ダイオード(microLED)ディスプレイ、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、触覚デバイス、または人間もしくは機械に対する出力を生成する任意の他のタイプのデバイスが挙げられる。
【0060】
コンピューティングデバイス400の1つ以上の通信ユニット450は、1つ以上のネットワーク(たとえば、1つ以上の有線および/または無線ネットワーク)上でネットワーク信号を送信および/または受信することにより、1つ以上のネットワークを介して外部デバイスと通信し得る。たとえば、コンピューティングデバイス400は、通信ユニット450を使用して、セルラー無線ネットワークのような無線ネットワーク上で無線信号を送信および/または受信し得る。同様に、通信ユニット450は、全地球測位システム(global positioning system:GPS)ネットワークのような衛星ネットワーク上で衛星信号を送信および/または受信し得る。通信ユニット450の例としては、ネットワークインターフェースカード(たとえば、イーサネット(登録商標)カードなど)、光トランシーバ、無線周波数トランシーバ、GPS受信機、または情報を送信および/もしくは受信できる任意の他のタイプのデバイスが挙げられる。通信ユニット450の他の例としては、短波ラジオ、セルラーデータラジオ、無線イーサネットネットワークラジオ、およびユニバーサルシリアルバス(universal serial bus:USB)コントローラが挙げられる。
【0061】
コンピューティングデバイス400の存在感知表示デバイス402は、表示コンポーネント443および存在感知入力コンポーネント445を含む。例によっては、存在感知表示デバイス402は、出力コンポーネント454を参照して上述したように、触覚刺激、音声刺激、または視覚刺激を使用して、ユーザに出力を提供し得る。たとえば、表示コンポーネント443は、出力コンポーネント454を参照して説明したように、表示出力またはビデオ出力を提供し得る。また、存在感知表示装置402は、入力コンポーネント442を参照して上述したような入力能力を提供し得る。たとえば、存在感知入力コンポーネント445は、入力コンポーネント442を参照して上述したような入力能力を提供し得る。
【0062】
表示コンポーネント443は、存在感知表示デバイス402によって情報が表示されるスクリーンであってもよく、存在感知入力コンポーネント445は、表示コンポーネント443における、および/またはその近くの物体を検出し得る。範囲の一例として、存在感知入力コンポーネント445は、表示コンポーネント443の2インチ以下の範囲にある指またはスタイラスなどの物体を検出し得る。存在感知入力コンポーネント445は、物体が検出された表示コンポーネント443の位置(たとえば、(x,y)座標)を判定し得る。範囲の他の例では、存在感知入力コンポーネント445は、表示コンポーネント443から6インチ以下の範囲の物体を検出してもよく、他の範囲も可能である。存在感知入力コンポーネント445は、容量性、誘導性、レーダーベース、および/または光学認識技術を使用して、ユーザの指によって選択された表示コンポーネント443の位置を判定し得る。例によっては、存在感知入力コンポーネント445はまた、表示コンポーネント443に関して説明したように、タッチ、存在感知、オーディオ、またはビデオ刺激を使用して、ユーザに出力を提供する。表示コンポーネント443は、出力コンポーネント454に関して説明されたような、視覚出力を提供する任意のタイプの出力デバイスであり得る。
【0063】
存在感知表示デバイス402は、コンピューティングデバイス400の内部コンポーネントとして図示されているが、入力および出力を送信ならびに/または受信するためにコンピューティングデバイス400とデータ経路を共有する外部コンポーネントを表す場合がある。たとえば、一例では、存在感知表示デバイス402は、コンピューティングデバイス400の外部パッケージ(たとえば、携帯電話のスクリーン)内に位置し、これに物理的に接続されたコンピューティングデバイス400の内蔵コンポーネントを表す。他の例では、存在感知表示デバイス402は、コンピューティングデバイス400のパッケージングの外部に位置し、かつそれに物理的に分離されたコンピューティングデバイス400の外部コンポーネント(たとえば、タブレットコンピュータと有線および/もしくは無線データ経路を共有するモニタならびに/またはプロジェクタ)を表す。
【0064】
コンピューティングデバイス400の存在感知表示デバイス402は、コンピューティングデバイス400のユーザからの入力として、二次元ジェスチャおよび/または三次元ジェスチャを検出し得る。たとえば、存在感知表示デバイス402のセンサ(たとえば、存在感知入力コンポーネント445のセンサ)は、存在感知表示デバイス402のセンサの閾値距離内のユーザの動き(たとえば、手、腕、ペン、スタイラスを動かすこと)を検出し得る。存在感知表示デバイス402は、動きの2次元ベクトル表現または3次元ベクトル表現を判定し、ベクトル表現を複数の次元を有するジェスチャ入力(たとえば、手を振ること、つまむこと、拍手、ペンストローク)に相関させ得る。言い換えれば、存在感知表示デバイス402は、存在感知表示デバイス402が表示のための情報を出力する画面もしくは表面(たとえば、表示コンポーネント443)においてまたはその近くでユーザがジェスチャすることを必要とすることなく、多次元ジェスチャを検出し得る。その代わりに、存在感知表示デバイス402は、存在感知表示デバイス402が表示のための情報を出力する画面もしくは表面の近くに位置していてもいなくてもよいセンサにおいて、またはそのようなセンサの近くで行われる多次元ジェスチャを検出可能である。
【0065】
指紋センサ404は、さまざまな例において、光学スキャナ、容量性スキャナ、または超音波スキャナのうちの1つで構成され得る。指紋センサ404は、指紋センサ104(図1)、指紋センサ204(図2)、および/または指紋センサ336(図3)のうちの1つの例であり得る。
【0066】
触覚アクチュエータ406は、コンピューティングデバイス400から触覚信号(たとえば、コンピューティングデバイス400の1つ以上の振動を引き起こす触覚信号)を出力するように構成され得る。例によっては、触覚アクチュエータ406は、偏心回転質量モータ、線形共振アクチュエータ、圧電アクチュエータ、または強制衝撃アクチュエータのうちの1つで構成され得る。触覚アクチュエータ406は、触覚アクチュエータ106(図1)および/または触覚アクチュエータ206(図2)の一例であり得る。
【0067】
コンピューティングデバイス200内の1つ以上のストレージデバイス458は、コンピューティングデバイス400の動作中(たとえば、UIモジュール408、アプリケーション410、オペレーティングシステム460、指紋感知モジュール412、触覚フィードバックモジュール414、指紋認識モジュール416、および/または視覚フィードバックモジュール418のうちの1つ以上の実行中)、処理についての情報を格納し得る。例によっては、ストレージデバイス458は一時記憶装置を含み、これは、ストレージデバイス458の主目的が長期記憶ではないことを意味する。コンピューティングデバイス400上のストレージデバイス458は、揮発性メモリとして情報の短期格納のために構成されてもよく、そのため、電源が切られると格納された内容を保持しない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(random access memories:RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memories:DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memories:SRAM)、および当該技術分野で知られている他の形態の揮発性メモリが挙げられる。
【0068】
ストレージデバイス458は、例によっては、1つ以上のコンピュータ読取可能記憶媒体を含む。ストレージデバイス458は、揮発性メモリよりも多い量の情報を格納するように構成され得る。ストレージデバイス458はさらに、不揮発性メモリ空間として情報の長期格納のために構成され、電源オン/オフサイクルの後に情報を保存し得る。不揮発性メモリの例としては、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリ、または電気的にプログラム可能なメモリ(electrically programmable memories:EPROM)もしくは電気的に消去可能かつプログラム可能なメモリ(electrically erasable and programmable:EEPROM)の形態が挙げられる。ストレージデバイス458は、1つ以上のUIモジュール408、アプリケーション410、オペレーティングシステム460、指紋感知モジュール412、触覚フィードバックモジュール414、指紋認識モジュール416、視覚フィードバックモジュール418、および/もしくは指紋データ462に関連するプログラム命令ならびに/またはデータを格納し得る。例によっては、UIモジュール408、アプリケーション410、オペレーティングシステム460、指紋感知モジュール412、触覚フィードバックモジュール414、指紋認識モジュール416、および/または視覚フィードバックモジュール418は、コンピューティングデバイス400にローカルに格納される。他の場合、UIモジュール408、アプリケーション410、オペレーティングシステム460、指紋感知モジュール412、触覚フィードバックモジュール414、指紋認識モジュール416、および/または視覚フィードバックモジュール418は、クラウド(たとえば、1つ以上の外部サーバ)にリモートで格納され得る。UIモジュール408、アプリケーション410、指紋感知モジュール412、触覚フィードバックモジュール414、指紋認識モジュール416、および/または視覚フィードバックモジュール418は、図1図3に示される同様の番号が付けられたコンポーネントまたはモジュールの例で構成され得る。
【0069】
特定の場合において、指紋感知モジュール412および/または指紋認識モジュール416は、オプションの指紋データ462にデータを格納してもよく、またはそこからデータを取り出してもよい。指紋データ462は、コンピューティングデバイス400の以前に登録されたまたは認証されたユーザなどの、1人以上のユーザの1つ以上の指紋に関連する指紋データを格納し得る。指紋データ462は、ユーザの指の指紋を表す任意のタイプのデータで構成され得る。たとえば、指紋データ462は、指紋センサ404(たとえば、光学スキャナ、容量性スキャナ、または超音波スキャナ)によって提供されてもよく、このデータは、指紋の2次元表現または3次元表現を示し得る。
【0070】
さまざまな例において、指紋データ462は、コンピューティングデバイス400にのみローカルに格納され、クラウドには格納されない。指紋データ462またはユーザに関連する識別情報などのユーザデータの格納は、さまざまな例において、コンピューティングデバイス400が(たとえば、UIモジュール408を介して)ユーザから肯定的な同意を受信することに応答してのみ、発生し得る。UIモジュール408は、たとえば、そのようなデータの格納および後続の使用に関する明示的な要求をユーザに提供してもよく、コンピューティングデバイス400は、ユーザからの肯定的な応答および同意を受信した場合にのみ、ローカルにデータを格納するように進んでもよい。
【0071】
図4に示されるように、コンピューティングデバイス400は、電源456を含み得る。例によっては、電源456はバッテリであり得る。電源456は、コンピューティングデバイス400の1つ以上のコンポーネントに電力を供給し得る。電源456の例としては、亜鉛-炭素、鉛-酸、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル金属水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)、および/またはリチウムイオン高分子(Li-ion高分子)化学物質を有するバッテリを挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。例によっては、電源456は、限られた容量(たとえば、1000~3000mAh)を有し得る。
【0072】
また、コンピューティングデバイス400は、1つ以上の他のセンサ452を備える。例によっては、センサ452の1つ以上は、入力コンポーネント442の1つ以上の例であり得る。センサ452は、1つ以上の慣性測定ユニットを含み得る。たとえば、センサ452は、1つ以上の高周波ジャイロスコープ(たとえば、200Hzジャイロスコープ)などの1つ以上のジャイロスコープを含み得る。本明細書で説明するように、コンピューティングデバイス400のセンサ452は、3次元空間におけるコンピューティングデバイス400のリアルタイムの向きまたは回転を判定するように構成され得る。例によっては、センサ452は、1つ以上の加速度計も含み得る。
【0073】
1つ以上のプロセッサ440は、コンピューティングデバイス400内で機能を実装し、および/または命令を実行し得る。たとえば、コンピューティングデバイス400上のプロセッサ440は、UIモジュール408、アプリケーション410、オペレーティングシステム460、指紋感知モジュール412、触覚フィードバックモジュール414、指紋認識モジュール416、および/または視覚フィードバックモジュール418の機能を実行するストレージデバイス458によって格納された命令を受信し、実行し得る。プロセッサ440によって実行されるこれらの命令は、プログラム実行中に、コンピューティングデバイス400に情報をストレージデバイス458内に格納させ得る。プロセッサ440は、オペレーティングシステム460および/またはアプリケーション410の命令を実行して、1つ以上の動作を実行し得る。すなわち、オペレーティングシステム460および/またはアプリケーション410は、本明細書で説明するさまざまな機能を実行するために、プロセッサ440によって動作可能であり得る。
【0074】
いくつかの代替例では、コンピューティングデバイス400は、プロセッサ440のみを備え得るか、または他の態様ではプロセッサ440を含み得る。これらの例では、1つ以上の入力コンポーネント442、存在感知表示デバイス402、通信ユニット450、指紋センサ404、1つ以上の他のセンサ452、出力コンポーネント454、触覚アクチュエータ406、電源456、およびストレージデバイス458は、コンピューティングデバイス400に対して外部でありながら(たとえば、通信チャネル447を介して)通信可能に結合され得る。
【0075】
図5は、本開示の1つ以上の態様に係る、時間と共に強度が変化する触覚信号の出力を示すグラフ図である。特に、図5は、定められた期間にわたって強度が増加する触覚信号のシーケンスの出力と、離散触覚信号の出力とを示す。図5において、グラフが時間と共にプロットされた振動強度を例示するように、時間は横軸に示され、振動強度は縦軸に示される。図5に示される曲線570は、定められた期間(たとえば、0からT1までの期間)にわたって強度が増加する触覚信号のシーケンスの出力を表し、図5に示される点572は、離散触覚信号の出力を表す。例によっては、時間は、ミリ秒単位で測定され得る。
【0076】
たとえば、曲線570は、図1に示される触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスの出力を表すことができ、シーケンス内の各触覚信号の強度は、シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度よりも大きい。図5の特定の例に示されるように、曲線570の形状は、シーケンス内の触覚信号が、時間T1まで、強度が増加するだけでなく加速して出力されることを示す。時間T1において、シーケンス内の最後の触覚信号(たとえば、触覚信号120C)は、V1の振動強度値で出力される。場合によっては、振動強度は、関連する振動波に関する振幅、大きさ、または周波数の単位で測定されることがある。場合によっては、振動強度は、関連する振動波に関する加速度単位で測定されることがある。
【0077】
点572は、図1に示される離散触覚信号121の出力を表してもよく、離散触覚信号121は、曲線570によって表されるシーケンスに含まれる触覚信号のそれぞれの強度より大きい、時間T2における強度V2を有する。強度値576は、点572によって表されるような時間T2において出力される離散触覚信号の強度V2と、曲線570によって表されるシーケンスに含まれる最後の触覚信号の時間T1における強度V1との差を表す。
【0078】
図1を参照して先に説明したように、特定の例では、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを、触覚パルスが出力されない時間の休止によって分離された短い触覚パルスとして出力し得る。たとえば、触覚信号120A,120B,120Cの各々は、短い持続時間(たとえば、4ms)の触覚パルスで構成されてもよく、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスの各々を、この短い持続時間のそれぞれの触覚パルスとして出力し得る。
【0079】
場合によっては、これらの休止期間は各々、触覚信号の間に一定の持続時間を有してもよい。他の場合では、休止期間は可変の持続時間を有してもよい。たとえば、シーケンス内のそれぞれの触覚信号120A,120B,120Cの間に生じるこれらの休止期間は、触覚信号120A,120B,120Cが出力される定められた期間にわたって持続時間が減少し、これらの触覚信号は、強度が変化し(たとえば、定められた期間にわたって休止期間が短くなることにより)速度が増加する状態で出力される触覚パルスで構成され得る。たとえば、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120Aの出力と触覚信号120Bの出力との間に生じる第1の休止期間の間、触覚信号の出力を控えてもよい。また、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号120Bの出力と触覚信号120Cの出力との間に生じる第2の休止期間の間、触覚信号の出力を控えてもよい。場合によっては、第2の休止期間は、第1の休止期間と等しくてもよい。しかしながら、他の場合では、第2の休止期間は、第1の休止期間よりも短い期間であってもよい。その結果、これらの場合、触覚フィードバックモジュール114は、強度が変化し、かつ速度が増加する触覚信号120A,120B,120Cを出力し得る。
【0080】
さらに、場合によっては、図5に示されるように、触覚フィードバックモジュール114は、触覚信号のシーケンスの出力と離散触覚信号の出力との間に他の別の休止期間574も含んでもよい。たとえば、曲線570によって表されるように、強度が増加する触覚信号のシーケンスを出力した後で、かつ触覚フィードバックモジュール114は、点572によって表される離散触覚信号を出力する前に、触覚信号の出力を別の定められた期間574(たとえば、休止期間574)の間、控えてもよい。図5の例では、この休止期間574は、T2-T1である。多くの場合、この休止期間を含めると、指122によって検出される離散触覚信号121に関連する生理反応が増大して、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサ104から指122を持ち上げてもよいことを示し得る。
【0081】
場合によっては、指122は、強度が増加する触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスを出力した後で、かつ離散触覚信号121を出力する前に、触覚フィードバックモジュール114がこの休止期間574を含む場合、より強いまたはより識別できる生理反応で離散触覚信号121を感知することが可能である。さまざまな場合において、この休止期間574を含めることによって、少なくとも部分的に、ユーザの指122の神経が最初の触覚信号120A,120B,120Cの影響から回復することが可能になって、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサ104から指122を移動させてもよいことを示す、後続の離散触覚信号121を、ユーザが、より強いまたはより識別しやすい生理反応で、より容易に識別することができる。他の場合では(図5には示されていない)、触覚フィードバックモジュール114は、休止期間574を含まない場合があり、曲線570によって表される触覚信号のシーケンスを出力した後、点572によって表される離散触覚信号を出力してもよい。
【0082】
さまざまな例において、触覚フィードバックモジュール114は、0と1との間の選択された浮動小数点値に基づく強度を有する触覚信号を出力し得る。これらの例では、0の浮動小数点値は、0の強度値に対応し、1の浮動小数点値は、最大強度値に対応する。非限定的な場合では、触覚フィードバックモジュール114は、曲線570によって表される触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスに対応するランプ強度値に対して0.0~0.3の浮動小数点値を選択し得る。これらの場合、0.0~0.3の範囲の浮動小数点値は、図5に示される強度値0~V1に対応し、連続的に増加する触覚テクスチャとして指122によって検出され得る触覚信号120A,120B,120Cのシーケンスの振動強さまたは強度を表す。相対的な用語において、特定の場合では、触覚信号120A,120B,120Cの「テクスチャ」は、比較的低い可能性があるが(たとえば、総出力または最大強度値の10%未満)、それでもユーザは容易に感じることができる。V1の値は、使用される特定のアクチュエータ(たとえば、触覚アクチュエータ106,206,406のタイプ)に依存し得る。上述のように、0.0~0.3の範囲の浮動小数点値は、図5に示される強度値0~V1に対応する(たとえば、出力を0~30%から傾斜させて曲線570のV1に到達させる)。特定の非限定的な例では、T1は、800msの値の例を有してもよい。
【0083】
これらの場合、休止期間574(たとえばT2-T1)は、図5の点572で表される時間T2で離散触覚信号121を出力する前に触覚フィードバックモジュール114がこの100msの期間休止するように、100msに等しくてもよい。時間T2において、触覚フィードバックモジュール114は、指122によって検出される強い触覚パルスの「スナップ効果」をもたらすために、0.7~1.0の範囲の浮動小数点値に対応する強度V2(たとえば、最大強度値の70%~100%の、短くより強いパルス)の離散触覚信号121を出力し得る。その結果、V2の値は、これらの非限定的な場合において、V1の値の2~3倍とほぼ等しいか、またはそれ以上であってもよく、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサ104から指122を上げてもよいことを示す、強い離散触覚信号121が生じる。
【0084】
図6A図6Dは、本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および対応する視覚画像を出力するように構成されたコンピューティングデバイス600の例を示す画面図である。先に説明したように、コンピューティングデバイスは、定められた期間にわたって、強度が増加する触覚信号のシーケンスを出力し、同時に、指紋感知動作が実行されている間、ユーザが指を指紋センサに維持することを示す、視覚画像(たとえば、強度が増加する画像)のシーケンスを出力するように構成され得る。指紋感知動作の完了時に、コンピューティングデバイスは、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサから指を上げてもよいことを示す、離散触覚信号と離散視覚画像との両方を出力し得る。図6A図6Dは、この概念を示している。例示のみを目的として、図6A図6Dについて、図2に示されたコンポーネントを参照して以下に説明され、コンピューティングデバイス600は、コンピューティングデバイス200の一例である。
【0085】
たとえば、図6A図6Cに示されるように、触覚フィードバックモジュール214(図2)は、ある期間にわたって、強度が増加する触覚信号620A,620B,620Cのシーケンスを出力し得る。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、この期間にわたって、強度が変化する(たとえば、増加する)視覚画像626A~626C(総称して「626」)、627A~627C(総称して「627」)、628A~628C(総称して「628」)、629A~629C(総称して「629」)のシーケンスも出力し得る。図6A図6Cのこれらの触覚信号および視覚画像の出力は、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザがコンピューティングデバイス600の指紋センサにおいて指622を維持すべきであることを示す。
【0086】
図6Aは、指紋感知モジュール212などの指紋感知モジュールが指紋感知動作を実行する定められた期間の始まりを示す、第1の時点におけるコンピューティングデバイス600の一例を示す。指紋感知モジュール212および/またはUIモジュール208は、表示デバイス602での表示に関するグラフィカル情報624を出力し得る。グラフィカル情報624(たとえば、指紋の形状を有するグラフィカルな指紋アイコン)は、指紋センサ204に関連する表示デバイス602の領域または区域に表示され得る。グラフィカルな情報624は、指紋感知動作中にユーザが指622を位置付けるべき場所を示し得る。
【0087】
この第1の時点で、触覚フィードバックモジュール214は、触覚信号のシーケンスの第1の触覚信号620Aを出力してもよく、これは指622によって検出され得る。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、第1の画像を視覚シーケンスの一部として出力してもよく、第1の画像は、グラフィカル情報624が表示され、指紋センサ204とも関連付けられる表示デバイス602の領域の周囲に表示される視覚リングの不完全な画像部分626A,627A,628A,629Aを形成する。各画像部分626A,627A,628A,629Aは、視覚リングのそれぞれの不完全な部分からなる。触覚信号620Aおよび不完全な画像部分626A,627A,628A,629Aの出力は、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザが指紋センサ204において(たとえば、指紋センサ204に関連する領域で表示されるグラフィカル情報624において、またはその近くで)指622を維持すべきであることを示す。
【0088】
指紋感知モジュール212が指紋感知動作を実行し続ける間に発生する、図6Bに示される第2の時点および後続の時点において、触覚フィードバックモジュール214は、触覚信号のシーケンスの第2の触覚信号620Bを出力してもよく、これは指622によって感知され得る。触覚信号620Bの強度は、触覚信号620Aの強度よりも大きくてもよい。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、第2の画像を視覚シーケンスの一部として出力してもよく、第2の画像は、グラフィカル情報624が表示される表示デバイス602の領域の周囲に表示される視覚リングの不完全な画像部分626B,627B,628B,629Bを形成する。各画像部分626B,627B,628B,629Bは、視覚リングのそれぞれの不完全な部分で構成される。しかしながら、画像部分626B,627B,628B,629Bは、図6Aに示される画像部分626A,627A,628A,629Aと比較してサイズが大きく、視覚強度が増加しており、それらは集合的に、図6Aに示される画像部分よりも完全なバージョンの視覚リングを形成する。例によっては、画像部分626B,627B,628B,629Bは、画像部分626A,627A,628A,629Aと比較して異なる(たとえば、より大きい)視覚強度を提供する1つ以上の追加の特徴(たとえば、色、明るさ)で表示されてもよい。触覚信号620Bの出力および不完全な画像部分626B,627B,628B,629Bは、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザが指紋センサ204において指622を維持すべきであることを示す。
【0089】
指紋感知モジュール212が指紋感知動作を実行し続ける間に発生する、図6Cに示される第3の時点および後続の時点において、触覚フィードバックモジュール214は、触覚信号のシーケンスの第3の触覚信号620Cを出力してもよく、これは指622によって検出され得る。触覚信号620Cの強度は、触覚信号620Bの強度よりも大きくてもよい。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、視覚シーケンスの一部として第3の画像を出力してもよく、第3の画像は、視覚リングの不完全な画像部分626C,627C,628C,629Cを形成する。各画像部分626C,627C,628C,629Cは、視覚リングのそれぞれの不完全な部分で構成される。しかしながら、画像部分626C,627C,628C,629Cは、図6Bに示される画像部分626B,627B,628B,629Bと比較してサイズが大きく、視覚強度が増加しており、これらは集合的に図6Bに示される画像部分よりもさらにいっそう完全なバージョンの視覚リングを形成する。例によっては、画像部分626C,627C,628C,629Cは、画像部分626B,627B,628B,629Bと比較して異なる(たとえば、より大きい)視覚強度を提供する1つ以上の追加の特徴(たとえば、色、明るさ)で表示されてもよい。触覚信号620Cおよび不完全な画像部分626C,627C,628C,629Cの出力は、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザが指紋センサ204において指622を維持すべきであることを示す。
【0090】
図6Dに示される第4の時点において、触覚信号のシーケンスおよび画像の視覚シーケンスを出力するための定められた期間が経過した後、指紋感知モジュール212は、指紋感知動作を完了してもよい。指紋感知動作の完了時に、指紋感知モジュール212は、指622が指紋センサ204に依然として位置している場合、指622の指紋に関連する指紋データを指紋センサ204から取得し得る。また、触覚フィードバックモジュール214は、図6A図6Cに示される触覚信号620A,620B,620Cのいずれの強度よりも大きな強度を有する離散触覚信号621を出力し得る。触覚フィードバックモジュール214がこの離散触覚信号621を出力する一方で、視覚フィードバックモジュール218はまた、指紋感知動作が正常に完了したことを示す、視覚リング全体からなる離散画像630を出力し得る。離散画像630は、図6A図6Cに示される画像部分626,627,628,629のいずれと比較しても、サイズが大きく、視覚強度が増加している。例によっては、離散画像630は、画像部分626C,627C,628C,629Cと比較して異なる(たとえば、より大きい)視覚強度を提供する1つ以上の追加の特徴(たとえば、色、明るさ)で表示され得る。離散触覚信号621および離散視覚画像630の出力は、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサ204から指622を持ち上げてもよい、または移動させてもよいことを示す。
【0091】
さまざまな例では、図6A図6Cに示された触覚信号のシーケンスおよび視覚画像のシーケンスの出力が完成に近づくと、触覚信号および視覚画像のシーケンスの出力は、強度がスピードアップまたは加速し、それにより、図6Dに示されるように、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号621および離散画像630を出力する際に生じる「スナップ」効果をもたらし得る。これらの例では、触覚効果および視覚効果は、平坦で静的なものではなく、ユーザの感覚が「スナップ」オープン効果に関与するような効果または強度(たとえば、視覚的および触覚的の両方)で強まり得る(たとえば、連続的に増加または加速し得る)。
【0092】
図7A図7Dは、本開示の1つ以上の態様に係る、指紋感知動作中に、強度が増加する触覚信号、および強度が変化する(たとえば、増加する)対応する視覚画像を出力するように構成された他の例のコンピューティングデバイス700を示す画面図である。例示のみを目的として、図7A図7Dについて、図2に示されたコンポーネントを参照して以下に説明され、コンピューティングデバイス700はコンピューティングデバイス200の一例である。
【0093】
図7A図7Dの例は、図6A図6Dに示されたものと同様である。しかしながら、図7A図7Dでは、視覚フィードバックモジュール218は、図6A図6Dに示されるような視覚リングの一部を出力するのではなく、少なくとも、指紋センサ204に関連する表示デバイス202の領域(たとえば、グラフィック情報224に対応する領域)の周囲に表示される同心円状のリングまたは多角形を形成するために画像の視覚シーケンスを出力することによって、定められた期間にわたって画像の視覚シーケンスを出力する。この例では、触覚フィードバックモジュール214が離散触覚信号221を出力する一方で、視覚フィードバックモジュール218は、図7Dに示されるように、表示デバイス202のこの領域の周囲の画像の出力を控える。
【0094】
図7A図7Dにおいて、指紋感知モジュール212および/またはUIモジュール208は、表示デバイス702での表示のためにグラフィカル情報724を出力し得る。グラフィカル情報724(たとえば、指紋の形状を有するグラフィカルな指紋アイコン)は、指紋センサ204に関連する表示デバイス702の領域または区域に表示され得る。グラフィカルな情報724は、指紋感知動作中にユーザが指722を位置するべき場所を示し得る。
【0095】
触覚フィードバックモジュール214は、ある期間にわたって、図7A図7Cに示されるように、強度が増加する触覚信号720A,720B,720Cのシーケンスを出力し得る。さらに、視覚フィードバックモジュール218はまた、この期間にわたって、視覚画像780,782,784のシーケンスを出力し得る。図7A図7Cにおけるこれらの触覚信号および視覚画像の出力は、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザがコンピューティングデバイス700の指紋センサにおいて指722を維持すべきであることを示す。
【0096】
図7Aに示されるように、第1の時点で、触覚フィードバックモジュール214は、触覚信号のシーケンスの第1の触覚信号720Aを出力してもよく、これは、指722によって検出され得る。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、視覚シーケンスの一部として第1の画像を出力してもよく、第1の画像は、グラフィカル情報724が表示され、指紋センサ204にも関連付けられる表示デバイス702の領域の周囲に表示される第1の視覚リング780を形成する。
【0097】
指紋感知モジュール212が指紋感知動作を実行し続ける間に発生する、図7Bに示される第2の時点および後続の時点において、触覚フィードバックモジュール214は、触覚信号のシーケンスの第2の触覚信号720Bを出力してもよく、これは指722によって検出され得る。触覚信号720Bの強度は、触覚信号720Aの強度よりも大きくてもよい。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、視覚シーケンスの一部として第2の画像を出力してもよく、第2の画像は第2の視覚リング782を形成する。視覚リング782は、視覚リング780と比較してサイズが大きく、視覚強度が増加している。視覚リング782および視覚リング780は、同心円状のリングを形成し得る。例によっては、視覚リング782は、視覚リング780と比較して異なる(たとえば、より大きい)視覚強度を提供する1つ以上の追加の特徴(たとえば、色、明るさ)で表示されてもよい。触覚信号720Bおよび視覚リング780,782の出力は、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザが指紋センサ704において指722を維持すべきであることを示す。
【0098】
指紋感知モジュール212が指紋感知動作を実行し続ける間に発生する、図7Cに示される第3の時点および後続の時点において、触覚フィードバックモジュール214は、触覚信号のシーケンスの第3の触覚信号720Cを出力してもよく、これは指722によって検出され得る。触覚信号720Cの強度は、触覚信号720Bの強度よりも大きくてもよい。さらに、視覚フィードバックモジュール218は、視覚シーケンスの一部として第3の画像を出力してもよく、第3の画像は視覚リング784を形成する。視覚リング784は、視覚リング780および782と比較してサイズが大きく、視覚強度が増加している。視覚リング784、視覚リング782、および視覚リング780は、同心円状のリングを形成し得る。例によっては、視覚リング784は、視覚リング780および782と比較してより大きな視覚強度を提供する1つ以上の追加の特徴(たとえば、色、明るさ)で表示されてもよい。触覚信号720Cおよび視覚リング780,782,784の出力は、指紋感知動作がまだ完了していないこと、およびユーザが指紋センサ704において指722を維持すべきであることを示す。
【0099】
図7Dに示される第4の時点で、触覚信号のシーケンスおよび画像の視覚シーケンスを出力するための定められた期間が経過した後、指紋感知モジュール212は、指紋感知動作を完了し得る。指紋感知動作の完了時に、指722が指紋センサ204に依然として位置している場合、指紋感知モジュール212は、指紋センサ204から、指722の指紋に関連する指紋データを取得し得る。また、触覚フィードバックモジュール214は、図7A図7Cに示される触覚信号720A,720B,720Cのいずれの強度よりも大きな強度を有する離散触覚信号621を出力し得る。触覚フィードバックモジュール214がこの離散触覚信号721を出力している間、視覚フィードバックモジュール218は、グラフィック情報724が表示されている、指紋センサ204に関連する表示デバイス702の領域の周辺の画像を出力することを控え得る。対応する視覚を伴わない離散触覚信号721の出力は、指紋感知動作が正常に完了したこと、およびユーザが指紋センサ204から指722を持ち上げるまたは移動させてもよいことを示す。
【0100】
さまざまな例では、図7A図7Cに示される触覚信号のシーケンスおよび視覚画像のシーケンスの出力が完成に近づくと、触覚信号および視覚画像のシーケンスの出力は、スピードアップするかまたは加速し、それにより、図7Dに示されるように、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号721を出力する際に生じる「スナップ」効果をもたらしてもよい。これらの例では、触覚効果および視覚効果は、平坦で静的なものではなく、代わりに、ユーザの感覚が「スナップ」オープン効果に関与するような効果または強度(たとえば、視覚的にと触覚的にとの両方)で強まり得る(たとえば、連続的に増加または加速し得る)。
【0101】
図8は、本開示の1つ以上の態様に係る、図1図4および図6図7に例示されたコンピューティングデバイスのいずれかなどのコンピューティングデバイスによって実行されるプロセス800の動作例を示すフロー図である。例示のみを目的として、図8の動作は、図1に示される触覚信号120A~120Cおよび121と共に、図4に示されるコンピューティングデバイス400を参照して説明される。
【0102】
図8に示されるように、プロセス800は、コンピューティングデバイス400が(たとえば、指紋感知モジュール412を使用して)、指紋センサ404に関連付けられた指紋感知動作を開始すること(802)を含む。コンピューティングデバイス400は、(たとえば、指紋感知モジュール412を用いて)ユーザの指が指紋センサ404に位置していると(たとえば、指紋センサ404および/または存在感知表示デバイス402のうちの1つ以上からの入力に基づいて)判定することに応答して、この指紋感知動作を開始し得る。
【0103】
プロセス800はさらに、コンピューティングデバイス400が(たとえば、触覚アクチュエータ406を作動させる触覚フィードバックモジュール414を用いて)、定められた期間にわたって、強度が変化(たとえば、増加)する触覚信号(たとえば、触覚信号120A~120C)のシーケンスを出力すること(804)を含む。シーケンス内の各触覚信号の強度は、シーケンス内の以前に出力された触覚信号のそれぞれの強度と異なる(たとえば、より大きい)。
【0104】
プロセス800はさらに、コンピューティングデバイス400が(たとえば、指紋感知モジュール412を用いて)、指紋センサ404から、ユーザの指の指紋に関連する指紋データを取得すること(806)を含む。プロセス800は、コンピューティングデバイス400が(たとえば、指紋感知モジュール412を用いて)、指紋感知動作の完了時にユーザの指が指紋センサ404に依然として位置しているかどうかを判定すること(808)を含む。たとえば、指紋感知モジュール412は、指紋センサ404および/または存在感知表示デバイス402からの入力に基づいて、ユーザの指が指紋センサ404に依然として位置しているかどうかを判定し得る。また、プロセス800は、指紋感知動作の完了時にユーザの指が指紋センサ404に依然として位置していると判定することに応答して、コンピューティングデバイス400が(たとえば、触覚アクチュエータ406を作動させる触覚フィードバックモジュール414を用いて)、指紋感知動作が正常に完了したことを示す離散触覚信号(たとえば、離散触覚信号121)を出力すること(810)を含む。
【0105】
1つ以上の例では、記載されている機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせで実現され得る。これらの機能は、ソフトウェアで実現される場合、1つ以上の命令またはコードとして、コンピュータ読取可能媒体に格納されるか、またはコンピュータ読取可能媒体を介して送信され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行され得る。コンピュータ読取可能媒体は、データ記憶媒体などの有形の媒体に対応するコンピュータ読取可能記憶媒体、または、たとえば通信プロトコルに従ったある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体を含み得る。このように、コンピュータ読取可能媒体は、一般に、(1)非一時的である有形のコンピュータ読取可能記憶媒体または(2)信号もしくは搬送波などの通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、本開示に記載されている技術の実現のために命令、コードおよび/またはデータ構造を検索するように1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のプロセッサによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。
【0106】
限定としてではなく一例として、このようなコンピュータ読取可能記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、フラッシュメモリ、または、命令もしくはデータ構造の形式の所望のプログラムコードを格納するのに使用可能であると共にコンピュータによってアクセス可能であるその他の記憶媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ読取可能媒体と呼ぶのが適切である。たとえば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL:Digital Subscriber Line)またはワイヤレス技術(赤外線、無線およびマイクロ波)を使用して命令がウェブサイト、サーバまたは他のリモートソースから送信される場合、これらの同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSLまたはワイヤレス技術(赤外線、無線およびマイクロ波)は、媒体の定義に含まれる。しかし、コンピュータ読取可能記憶媒体およびデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号または他の一時的な媒体を含むのではなく、その代わりに非一時的な有形の記憶媒体に向けられる、ということが理解されるべきである。使用されるディスク(diskおよびdisc)は、コンパクトディスク(CD:Compact Disc)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc:DVD)、フロッピーディスクおよびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はレーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0107】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(Field Programmable Logic Array:FPGA)、または他の等価の集積もしくはディスクリート論理回路といった、1つ以上のプロセッサによって実行され得る。したがって、使用される「プロセッサ」という用語は、上記の構造または記載されている技術の実現に適したその他の構造のいずれかを指すことができる。また、いくつかの態様では、記載されている機能は、専用のハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール内に設けられてもよい。また、これらの技術は、1つ以上の回路または論理素子において完全に実現されてもよい。
【0108】
本開示の技術は、ワイヤレスハンドセット、集積回路(Integrated Circuit:IC)またはICのセット(たとえば、チップセット)を含む多種多様なデバイスまたは装置において実現されてもよい。開示されている技術を実行するように構成されたデバイスの機能的側面を強調するためにさまざまなコンポーネント、モジュールまたはユニットが本開示に記載されているが、これらは、異なるハードウェアユニットによる実現を必ずしも必要としない。むしろ、上記のように、さまざまなユニットは、1つのハードウェアユニットに組み合わされてもよく、または、好適なソフトウェアおよび/もしくはファームウェアと共に上記の1つ以上のプロセッサを含む相互運用性があるハードウェアユニットの集合体によって提供されてもよい。
【0109】
実施形態に応じて、本明細書に記載されている方法のいずれかの特定の行為または事象は、異なるシーケンスで実行されてもよく、追加されてもよく、併合されてもよく、または省略されてもよい(たとえば、記載されている全ての行為または事象が方法の実施に必要であるわけではない)ということが認識されるべきである。さらに、特定の実施形態では、行為または事象は、逐次的ではなく、たとえばマルチスレッド処理、割込み処理または複数のプロセッサを介して同時に実行されてもよい。
【0110】
例によっては、コンピュータ読取可能記憶媒体は、非一時的な媒体を含む。例によっては、「非一時的な」という語は、記憶媒体が搬送波または伝搬信号で具現化されないことを意味する。特定の例では、非一時的な記憶媒体は、経時的に変化し得るデータを(たとえば、RAMまたはキャッシュに)格納し得る。
【0111】
さまざまな例について説明した。これらのおよび他の例は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8