(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体バーンインプロセスのためのバーンインボード位置合わせおよびチャンバとフレームとの間の封止のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20240920BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G01R31/26 H
G01R31/26 Z
G01R31/28 H
(21)【出願番号】P 2023535930
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(86)【国際出願番号】 SG2021050828
(87)【国際公開番号】W WO2022146237
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】PCT/SG2020/050791
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】521450252
【氏名又は名称】エムエスブイ システムズ アンド サービシズ プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン、テック フアット
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、チュン ホン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-177056(JP,A)
【文献】特開平10-095507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0379033(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0120808(US,A1)
【文献】特開2020-060400(JP,A)
【文献】中国実用新案第206387749(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111289877(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0208721(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26-31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの側面開口部、少なくとも1つのベース開口部、およびチャンバ内に配置された受け側コネクタのセットを有するバーンインチャンバと、
前記側面開口部を閉鎖するように適合された少なくとも1つのドアまたはカバーと、
前記側面開口部を通って移動可能であり、前記ベース開口部を閉鎖するように前記チャンバ内に取り外し可能にドッキング可能な少なくとも1つの交換可能なフレームであって、各フレームが、第1および第2の
面を有する断熱ベースと、前記断熱ベースの前記第1の
面に配置され、バーンインボードのセットを支持するラックとを有
し、各フレームが、手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成をさらに含み、前記車輪または前記非車輪構成が、前記断熱ベースの前記第2の面に配置される、少なくとも1つの交換可能なフレームと、
複数の協働する位置合わせ要素であって、前記フレームおよび前記チャンバにそれぞれ配置され、
前記フレームが前記チャンバの前記側面開口部を通って前記チャンバ内に移動されたときに、互いに漸進的に結合し、それにより、前記協働する位置合わせ要素が互いに結合されたときに、前記フレームの前記車輪を接地面から持ち上げるか、または前記フレームの前記非車輪構成を前記AGVから持ち上げ、前記ラックによって支持された前記バーンインボードのセットを前記チャンバ内の前記受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、少なくとも前記フレームの前記断熱ベースを前記チャンバの前記ベース開口部に配置することによって前記ベース開口部を閉鎖し、それによって前記フレームを前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングするように構成された複数の協働する位置合わせ要素と
を備え、
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたとき、前記チャンバの断熱が完了し、それによって、前記チャンバによって提供されるバーンイン条件に供されるように構成された熱ゾーンが画定され、その結果、前記ラック、前記バーンインボードのセット、および前記断熱ベースの前記第1の
面が前記熱ゾーン内にあり、前記断熱ベースの前記第2の
面が前記熱ゾーンの外側にある、
半導体デバイスまたは集積回路に対してバーンインプロセスを実行するバーンイン装置。
【請求項2】
複数の協働する断熱側面要素であって、前記フレームおよび前記チャンバにそれぞれ配置され、前記協働する断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときに前記協働する断熱側面要素の間にクリアランスギャップを設けるように構成され、前記協働する断熱側面要素が互いに実質的にまたは完全に重なり合うときに前記協働する断熱側面要素の間に当接嵌合をもたらすようにさらに構成された相補的特性をそれぞれ有する、複数の協働する断熱側面要素
をさらに備える、請求項
1に記載のバーンイン装置。
【請求項3】
前記フレームの前記車輪が、少なくとも前輪および後輪を含み、
前記協働する位置合わせ要素が、少なくとも前側ローラおよび後側ローラを備える複数のローラを含み、少なくとも1つのローラ受け支持体をさらに含み、前記前側ローラおよび前記後側ローラが、前記前側ローラおよび前記後側ローラが前記ローラ受け支持体にそれぞれ結合されたときに前記前輪および前記後輪をそれぞれ持ち上げるように構成され、
前記協働する位置合わせ要素が、
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの内側に配置されるように、前記協働する断熱側面要素の上方に、または
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの外側に配置されるように、前記協働する断熱側面要素の下方に
配置される、
請求項
2に記載のバーンイン装置。
【請求項4】
前記ローラが前記フレームに配置され、前記ローラ受け支持体が前記チャンバに配置される、または
前記ローラが前記チャンバに配置され、前記ローラ受け支持体が前記フレームに配置される、
請求項
3に記載のバーンイン装置。
【請求項5】
前記協働する位置合わせ要素および/または前記協働する断熱側面要素が、前記フレームの前記断熱ベースおよび前記チャンバの前記ベース開口部の近位またはその位置に配置される、請求項
2~4のいずれか一項に記載のバーンイン装置。
【請求項6】
少なくとも1つのフレームをチャンバの側面開口部を通ってチャンバ内に移動させることによって、バーンインボードのセットを前記チャンバ内に移送するステップであって、各フレームが、
第1および第2の面を有する断熱ベースと、前記断熱ベースの
前記第1の
面に配置され、前記バーンインボードのセットを支持するラックとを含み、前記チャンバが、内部に配置された受け側コネクタのセットを含み、複数の協働する位置合わせ要素が、前記フレームおよび前記チャンバにそれぞれ配置される、移送するステップ
であって、各フレームが、手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成をさらに含み、前記車輪または前記非車輪構成が、前記断熱ベースの前記第2の面に配置される、ステップと、
前記チャンバの断熱を完了し、それによって前記チャンバによって提供されるバーンイン温度に供されるように構成された熱ゾーンが画定されるステップであって、
前記フレームが前記チャンバの前記側面開口部を通って前記チャンバ内に移動されたときに、前記協働する位置合わせ要素を互いに漸進的に結合し、それにより、前記協働する位置合わせ要素が互いに結合されたときに、前記フレームの前記車輪を接地面から持ち上げるか、または前記フレームの前記非車輪構成を前記AGVから持ち上げ、前記ラック上の前記バーンインボードのセットを前記チャンバ内の前記受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、少なくとも前記フレームの前記断熱ベースを前記チャンバの
ベース開口部に配置することによって前記チャンバの前記ベース開口部を閉鎖し、それによって前記フレームを前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングすることと、
前記バーンインボードのセットを前記チャンバ内の前記受け側コネクタのセットに挿入することと、
前記ラック、前記バーンインボードのセット、および前記断熱ベースの前記第1の
面が前記熱ゾーン内にあり、前記断熱ベースの
前記第2の
面が前記熱ゾーンの外側にあるように、前記側面開口部を閉鎖することと
を含む、ステップと、
前記バーンインボードのセットに配置された半導体デバイスに対してバーンインプロセスを実行するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記協働する位置合わせ要素を互いに
漸進的に結合するステップが、
前記フレームおよび前記チャンバにそれぞれ配置された複数の協働する断熱側面要素を漸進的に重ね合わせることと、
前記協働する断熱側面要素の相補的な特性によって、前記協働する断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときに、前記協働する断熱側面要素の間にクリアランスギャップを設けることと、
前記協働する断熱側面要素の前記相補的な特性によって、前記協働する断熱側面要素が互いに実質的にまたは完全に重なり合うときに、前記協働する断熱側面要素の間に当接嵌合をもたらすことと
を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームの前記車輪が、少なくとも前輪および後輪を含み、
前記協働する位置合わせ要素が、少なくとも前側ローラおよび後側ローラを備える複数のローラを含み、少なくとも1つのローラ受け支持体をさらに含み、
前記協働する位置合わせ要素を互いに
漸進的に結合し、前記ラック上の前記バーンインボードのセットを前記チャンバ内の前記受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせすることが、前記前側ローラおよび前記後側ローラが前記ローラ受け支持体にそれぞれ結合されたときに、前記前輪および前記後輪をそれぞれ持ち上げることを含み、
前記協働する位置合わせ要素が、
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの内側に配置されるように、前記協働する断熱側面要素の上方に、または
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの外側に配置されるように、前記協働する断熱側面要素の下方に
配置される、
請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記ローラが前記フレームに配置され、前記ローラ受け支持体が前記チャンバに配置される、または
前記ローラが前記チャンバに配置され、前記ローラ受け支持体が前記フレームに配置される、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの側面開口部、前記側面開口部と交差する少なくとも1つのベース開口部
を有するチャンバであって、前記チャンバ内に配置された受け側コネクタのセット、および前記チャンバに配置された第1の位置合わせ要素を有するチャンバ
を備え、
少なくとも前記ベース開口部が、閉鎖されていないときに、前記チャンバの内部と前記チャンバの外部との間の流体連通を可能にし、前記チャンバの断熱を不完全にするように構成され、
各フレームが、手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成を含む、少なくとも1つのフレームが前記チャンバの前記側面開口部を通って前記チャンバ内に移動されたときに、前記第1の位置合わせ要素が、
前記少なくとも1つのフレームの協働する第2の位置合わせ要素に
漸進的に結合され、それにより、協働する前記第1および第2の位置合わせ要素が互いに結合されたときに、前記フレームの前記車輪を接地面から持ち上げるか、または前記フレームの前記非車輪構成を前記AGVから持ち上げ、前記フレーム上のバーンインボードのセットを前記チャンバ内の前記受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、前記フレームの
、第1および第2の面を有する断熱ベースを前記チャンバの前記ベース開口部に配置することによって前記チャンバの前記ベース開口部を閉鎖し、それによって前記フレームを前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングするように構成され、
前記車輪又は前記非車輪構成が、前記断熱ベースの前記第2の面に配置され、
前記チャンバの前記断熱が、前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされ、それによって前記チャンバによって提供されるバーンイン条件に供されるように構成された熱ゾーンが画定されるときに完了するように構成される、
バーンインチャンバ。
【請求項11】
第1の断熱側面要素であって、前記フレームに配置された第2の断熱側面要素の第2の特性と相補的な第1の特性を有し、前記第1の断熱側面要素および前記第2の断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときに前記第2の断熱側面要素からのクリアランスギャップを設け、前記第1の断熱側面要素および前記第2の断熱側面要素が互いに実質的にまたは完全に重なり合うときに当接嵌合をもたらすように構成された、第1の断熱側面要素をさらに備える、請求項
10に記載のバーンインチャンバ。
【請求項12】
前記第1および前記第2の位置合わせ要素が、少なくとも1つのローラ受け支持体と、少なくとも前側ローラおよび後側ローラを備える複数のローラとを含み、前記前側ローラおよび前記後側ローラが、前記前側ローラおよび前記後側ローラが前記ローラ受け支持体にそれぞれ結合されたときに前記フレームの前輪および後輪をそれぞれ持ち上げるように構成され、
前記第1および前記第2の位置合わせ要素が、
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの内側に配置されるように、前記第1および前記第2の断熱側面要素の上方に、または
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの外側に配置されるように、前記第1および前記第2の断熱側面要素の下方に
配置される、
請求項
11に記載のバーンインチャンバ。
【請求項13】
前記第1の位置合わせ要素が、少なくとも1つのローラ受け支持体または複数のローラを含む、請求項
12に記載のバーンインチャンバ。
【請求項14】
前記第1の位置合わせ要素および/または前記第1の断熱側面要素が、前記ベース開口部の近位または前記ベース開口部に配置される、請求項
11~13のいずれか一項に記載のバーンインチャンバ。
【請求項15】
バーンインボードを搬送するフレームであって、
バーンインボードのセットを支持するラックと、
第1の
面および第2の
面を有する断熱ベースであって、前記ラックが前記断熱ベースの前記第1の
面に配置される、断熱ベースと、
手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成であって、前記断熱ベースの前記第2の面に配置される、車輪または非車輪構成と、
第1の位置合わせ要素であって、前記フレームがチャンバの側面開口部を通って前記チャンバ内に移動されたときに、前記チャンバの協働する第2の位置合わせ要素に漸進的に結合し、それにより、協働する前記第1および第2の位置合わせ要素が互いに結合されたときに、前記フレームの前記車輪を接地面から持ち上げるか、または前記フレームの前記非車輪構成を前記AGVから持ち上げ、前記ラック上の前記バーンインボードのセットを前記
チャンバ内に配置された受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、前記断熱ベースを前記チャンバの
ベース開口部に配置することによって前記ベース開口部を閉鎖し、それによって前記フレームを前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングし、その結果、前記
チャンバの側面開口部が閉鎖されたときに、前記
チャンバの断熱が完了して、前記チャンバのバーンイン温度に供されるように構成された熱ゾーンが画定され、前記ラック、前記バーンインボード、および前記断熱ベースの前記第1の
面が前記熱ゾーン内にあり、前記断熱ベースの前記第2の
面が前記熱ゾーンの外側にあるように構成された、第1の位置合わせ要素と
を備える、フレーム。
【請求項16】
第1の断熱側面要素であって、前記
チャンバに配置された第2の断熱側面要素の第2の特性と相補的な第1の特性を有し、前記第1の断熱側面要素および前記第2の断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときに前記第2の断熱側面要素からのクリアランスギャップを設けるように構成され、前記第1の断熱側面要素および前記第2の断熱側面要素が互いに実質的にまたは完全に重なり合うときに当接嵌合をもたらすようにさらに構成された、第1の断熱側面要素をさらに備える、請求項
15に記載のフレーム。
【請求項17】
前記車輪が、少なくとも前輪および後輪を含み、
前記第1および前記第2の位置合わせ要素が、少なくとも前側ローラおよび後側ローラを備える複数のローラを含み、少なくとも1つのローラ受け支持体をさらに含み、前記前側ローラおよび前記後側ローラが、前記前側ローラおよび前記後側ローラが前記ローラ受け支持体にそれぞれ結合されたときに前記前輪および前記後輪をそれぞれ持ち上げるように構成され、
前記第1および前記第2の位置合わせ要素が、
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの内側に配置されるように、前記第1および前記第2の断熱側面要素の上方に、または
前記側面開口部が閉鎖され、各フレームが前記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、前記協働する位置合わせ要素が前記熱ゾーンの外側に配置されるように、前記第1および前記第2の断熱側面要素の下方に
配置される、
請求項
16に記載のフレーム。
【請求項18】
前記第1の位置合わせ要素が、複数のローラまたは少なくとも1つのローラ受け支持体を含む、請求項
17に記載のフレーム。
【請求項19】
前記第1の位置合わせ要素および/または前記第1の断熱側面要素が、前記断熱ベースの近位または前記断熱ベースに配置される、請求項
16~18のいずれか一項に記載のフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年12月30日に出願された国際出願第PCT/SG2020/050791号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体デバイスまたは集積回路に対してバーンインプロセスを実行するバーンイン装置に関し、特に、チャンバの断熱を完了するために、およびフレームによって支持されたバーンインボードをバーンインチャンバ内の受け側コネクタと位置合わせするために1つ以上の交換可能なフレームと協働して動作可能なバーンインチャンバを備えるバーンイン装置、チャンバの断熱をそれぞれ完了する、および完了しないことによって少なくとも1つのフレームをチャンバの内外に移送し、それによってバーンインボードをバーンインチャンバ内の受け側コネクタと位置合わせする、および位置合わせしないようにする方法、バーンイン装置とバーンイン領域内の少なくとも1つの他の装置との間でフレーム上に支持されているバーンインボードのセットを移送する方法、ならびにバーンインチャンバおよび1つ以上の交換可能なフレームを組み込むバーンイン装置であって、チャンバおよびフレームの両方が協働する位置合わせ要素のセットおよび/または協働する断熱側面要素のセットを有するバーンイン装置に関する。
【背景技術】
【0003】
PCT/SG2020/050791に記載のバーンイン装置は、少なくとも1つの側面開口部および少なくとも1つのベース開口部を有するバーンインチャンバと、側面開口部を閉鎖するように適合された少なくとも1つのドアまたはカバーと、側面開口部を通って移動可能であり、ベース開口部を閉鎖するためにチャンバ内に取り外し可能にドッキング可能な少なくとも1つの交換可能なフレームであって、各フレームが、第1の側面および第2の側面を有する断熱ベースと、断熱ベースの第1の側面に配置されたラックとを有し、側面開口部が閉鎖され、各フレームがチャンバ内に取り外し可能にドッキングされると、フレームの断熱ベースが、チャンバのベース開口部に配置され、チャンバに当接してチャンバの断熱を完了し、ラックおよび断熱ベースの第1の側面はチャンバ内にあるが、断熱ベースの第2の側面はチャンバの外側にある、少なくとも1つの交換可能なフレームとを備える。
【0004】
バーンイン装置およびドッキングされた交換可能なフレームが配置された接地面、例えば生産フロアに凹凸がある場合、潜在的な問題が発生する可能性がある。わずかな角度の凹凸は、バーンインプロセスに先だって、フレーム上に担持されたバーンインボードのセットのインターフェースコネクタとチャンバ内に配置された受け側コネクタとの間に位置ずれまたは位置合わせ誤差をもたらす可能性がある。特に、インターフェースコネクタおよび受け側コネクタは、エッジフィンガコネクタおよびエッジコネクタ、プラグおよびソケット、ヘッダおよびコネクタ、ピンおよびレセプタクル、ばねもしくは圧縮プローブ、または同等の組合せコネクタの形態で提供されてもよい。この誤差は、例えばピッチ、ロールおよびヨーの3つの形態のうちの1つ以上で存在する可能性があり、誤差は、凹凸の起点である接地面からさらに離れると増幅される。
【0005】
この位置ずれまたは位置合わせ誤差の結果として、交換可能なフレームによって担持されたバーンインボードのセットは、チャンバ内の対応する受け側コネクタのセットに正しく挿入することができない。位置ずれした状態で強制的に挿入された場合、バーンインボードのインターフェースコネクタ、チャンバ内の受け側コネクタ、またはその両方の損傷は避けられない。
【0006】
別の潜在的な問題は、交換可能なフレームの断熱ベースとチャンバのベース開口部との間の熱封止に関する。PCT/SG2020/050791に記載のバーンイン装置では、交換可能なフレームの断熱ベースに当接してチャンバのベース開口部を閉鎖する断熱側面要素が、チャンバのベース開口部に設けられてもよい。
【0007】
一例では、断熱側面要素は、高温および/または低温断熱材料ブロック、例えばG10、G11、PTFE、テフロン(登録商標)、または任意の複合材料であってもよく、これは、チャンバのベースと一体的に形成されるか、またはそれに取り付けられてもよく、交換可能なフレームの断熱ベースに当接するように適切なサイズにされてもよい。交換可能なフレームをチャンバ内にドッキングするために、フレームは、チャンバのベース開口部が閉鎖されるようにフレームが完全にドッキングまたは挿入されるまで、フレームの断熱ベースがチャンバの断熱側面要素に漸進的に当接しながら、チャンバのベース開口部内に漸進的に移動または挿入される。
【0008】
同様に、接地面の凹凸は、位置ずれをもたらし、交換可能なフレームをチャンバのベース開口部に挿入することを困難にする可能性がある。さらに、交換可能なフレームの断熱ベースとチャンバの断熱側面要素との間の当接は完全に封止されていない可能性があり、これは、側面開口部がさらに閉鎖されているバーンインプロセス中に、チャンバから外部または周囲環境への漏れ、またはその逆の漏れをもたらす可能性がある。
【0009】
別の例では、交換可能なフレームの断熱ベースおよび/またはチャンバの断熱側面要素は、任意選択的に、高温または低温の圧縮可能なシールまたはガスケット、例えばシリコーンの圧縮可能または膨張可能なシールまたは発泡ガスケットを含むことができ、これは完全な封止のためにある程度の圧縮力で互いに当接するように適切なサイズにされている。ドッキングプロセス中、フレームがチャンバのベース開口部内に漸進的に移動すると、フレームの断熱ベースおよび/またはチャンバの断熱側面要素は漸進的に圧縮され、バーンインボードフレームがチャンバに完全にドッキングまたは挿入されたときにチャンバのベース開口部の封止を完了する。
【0010】
この例でもやはり、接地面の凹凸は、位置ずれをもたらし、交換可能なフレームをチャンバのベース開口部に挿入することを困難にする可能性がある。さらに、フレームの断熱ベースと共にバーンインチャンバの断熱側面要素を漸進的に圧縮することにより、ドッキングおよびドッキング解除中に抵抗および摩擦が生じる。この抵抗および摩擦は、フレームの断熱ベースならびにチャンバの断熱側面要素の摩耗および断裂を引き起こす。断熱ベースおよび/または断熱側面要素のこの摩耗および断裂はまた、側面開口部がさらに閉鎖されているバーンインプロセス中に、チャンバから外部または周囲環境への漏れ、またはその逆の漏れをもたらす。
【0011】
接地面を平坦化するか、または接地面にプラットフォームを追加することによって、バーンインチャンバの下の接地面を修正または水平にすることが可能だが、これは簡単または便利な解決策ではない。新しいバーンインチャンバを設置するか、または既存のバーンインチャンバを新しい場所に移動させるたびに、新しい場所で接地面の修正またはレベリングを繰り返す必要がある。これは面倒な作業であり、不必要な生産ダウンタイムをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際出願第PCT/SG2020/050791号
【発明の概要】
【0013】
一態様によれば、半導体デバイスまたは集積回路に対してバーンインプロセスを実行するバーンイン装置が提供される。装置は、
少なくとも1つの側面開口部、少なくとも1つのベース開口部、およびチャンバ内に配置された受け側コネクタのセットを有するバーンインチャンバと、
上記側面開口部を閉鎖するように適合された少なくとも1つのドアまたはカバーと、
上記側面開口部を通って移動可能であり、上記ベース開口部を閉鎖するように上記チャンバ内に取り外し可能にドッキング可能な少なくとも1つの交換可能なフレームであって、各フレームが、第1および第2の面を有する断熱ベースと、上記断熱ベースの上記第1の面に配置され、バーンインボードのセットを支持するラックとを有し、各フレームが、手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成をさらに含み、上記車輪または上記非車輪構成が、上記断熱ベースの上記第2の面に配置される、少なくとも1つの交換可能なフレームと、
複数の協働する位置合わせ要素であって、上記フレームおよび上記チャンバにそれぞれ配置され、上記フレームが上記チャンバの上記側面開口部を通って上記チャンバ内に移動されたときに、互いに漸進的に結合し、それにより、上記協働する位置合わせ要素が互いに結合されたときに、上記フレームの上記車輪を接地面から持ち上げるか、または上記フレームの上記非車輪構成を上記AGVから持ち上げ、上記ラックによって支持された上記バーンインボードのセットを上記チャンバ内の上記受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、少なくとも上記フレームの上記断熱ベースを上記チャンバの上記ベース開口部に配置することによって上記ベース開口部を閉鎖し、それによって上記フレームを上記チャンバ内に取り外し可能にドッキングするように構成された複数の協働する位置合わせ要素と
を備え、
上記側面開口部が閉鎖され、各フレームが上記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたとき、上記チャンバの断熱が完了し、それによって、上記チャンバによって提供されるバーンイン条件に供されるように構成された熱ゾーンが画定され、その結果、上記ラック、上記バーンインボードのセット、および上記断熱ベースの上記第1の面は上記熱ゾーン内にあり、上記断熱ベースの上記第2の面は上記熱ゾーンの外側にある。
【0014】
別の態様によれば、方法は、
少なくとも1つのフレームをチャンバの側面開口部を通ってチャンバ内に移動させることによって、バーンインボードのセットを上記チャンバ内に移送するステップであって、各フレームが、第1および第2の面を有する断熱ベースと、上記断熱ベースの上記第1の面に配置され、上記バーンインボードのセットを支持するラックとを含み、上記チャンバが、内部に配置された受け側コネクタのセットを含み、複数の協働する位置合わせ要素が、上記フレームおよび上記チャンバにそれぞれ配置される、移送するステップであって、各フレームが、手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成をさらに含み、上記車輪または上記非車輪構成が、上記断熱ベースの上記第2の面に配置される、ステップと、
上記チャンバの断熱を完了し、それによって上記チャンバによって提供されるバーンイン温度に供されるように構成された熱ゾーンが画定されるステップであって、
上記フレームが上記チャンバの上記側面開口部を通って上記チャンバ内に移動されたときに、上記協働する位置合わせ要素を互いに漸進的に結合し、それにより、上記協働する位置合わせ要素が互いに結合されたときに、上記フレームの上記車輪を接地面から持ち上げるか、または上記フレームの上記非車輪構成を上記AGVから持ち上げ、上記ラック上の上記バーンインボードのセットを上記チャンバ内の上記受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、少なくとも上記フレームの上記断熱ベースを上記チャンバのベース開口部に配置することによって上記チャンバの上記ベース開口部を閉鎖し、それによって上記フレームを上記チャンバ内に取り外し可能にドッキングすることと、
上記バーンインボードのセットを上記チャンバ内の上記受け側コネクタのセットに挿入することと、
上記ラック、上記バーンインボードのセット、および上記断熱ベースの上記第1の面が上記熱ゾーン内にあり、上記断熱ベースの上記第2の面が上記熱ゾーンの外側にあるように、上記側面開口部を閉鎖することと
を含む、ステップと、
上記バーンインボードのセットに配置された半導体デバイスに対してバーンインプロセスを実行するステップと
を含む。
【0015】
別の態様によれば、上述のバーンイン装置のバーンインチャンバが提供される。
【0016】
別の態様によれば、上述のバーンイン装置のフレームが提供される。
【0017】
上述の態様のいくつかの実施形態では、各フレームは、手動もしくは動力補助された、もしくは無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合された車輪、またはAGVと共に使用されるように適合された非車輪構成をさらに含み、上記車輪または上記非車輪構成は、上記断熱ベースの上記第2の面に配置され、上記協働する位置合わせ要素は、上記車輪を接地面から持ち上げるか、または上記非車輪構成を上記AGVから持ち上げるように構成される。
【0018】
上述の態様のいくつかの実施形態では、複数の協働する断熱側面要素は、上記フレームおよび上記チャンバにそれぞれ配置され、上記協働する断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときに上記協働する断熱側面要素の間にクリアランスギャップを設けるように構成され、上記協働する断熱側面要素が互いに実質的にまたは完全に重なり合うときに上記協働する断熱側面要素の間に当接嵌合をもたらすようにさらに構成された相補的特性をそれぞれ有する。
【0019】
上述の態様のいくつかの実施形態では、上記フレームの上記車輪は、少なくとも前輪および後輪を含み;上記協働する位置合わせ要素は、少なくとも前側ローラおよび後側ローラを備えるローラを含み、少なくとも1つのローラ受け支持体をさらに含み;上記前側ローラおよび上記後側ローラは、上記前側ローラおよび上記後側ローラが上記ローラ受け支持体にそれぞれ結合されたときに上記前輪および上記後輪をそれぞれ持ち上げるように構成され;上記協働する位置合わせ要素は、
上記側面開口部が閉鎖され、各フレームが上記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、上記協働する位置合わせ要素が上記熱ゾーンの内側に配置されるように、上記協働する断熱側面要素の上方に、または
上記側面開口部が閉鎖され、各フレームが上記チャンバ内に取り外し可能にドッキングされたときに、上記協働する位置合わせ要素が上記熱ゾーンの外側に配置されるように、上記協働する断熱側面要素の下方に
配置される。
【0020】
上記の態様のいくつかの実施形態では、上記ローラは上記フレームに配置され、上記ローラ受け支持体は上記チャンバに配置される、または、上記ローラはチャンバに配置され、上記ローラ受け支持体は上記フレームに配置される。
【0021】
上記態様のいくつかの実施形態では、上記協働する位置合わせ要素および/または上記協働する断熱側面要素は、上記フレームの上記断熱ベースおよび上記チャンバの上記ベース開口部の近位またはその位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】バーンインチャンバの受け側コネクタへの挿入前のバーンインボードのインターフェースコネクタを示す平面図である。
【
図1B】受け側コネクタへの挿入後のインターフェースコネクタを示す平面図である。
【
図2A】ドアが閉鎖された状態のバーンインチャンバの斜視図である。
【
図2B】ドアが開いた状態で、ロードされた交換可能なフレームがその中にドッキングされている、
図2Aのバーンインチャンバの斜視図である。
【
図2C】ドアが開いた状態で、ロードされた交換可能なフレームがそこからドッキング解除されている、
図2Aのバーンインチャンバの斜視図である。
【
図2D】チャンバのバックパネルおよびその受け側コネクタのセットを示すために、
図2Cのバーンインチャンバの一部を除去した状態で示す。
【
図3A】一実施形態による、
図3Bのチャンバの断熱側面要素と協働するように構成された、断熱側面要素の上方に配置されたローラを有する交換可能なフレームの斜視図を示す。
【
図3B】
図3Aのローラおよび断熱側面要素と協働するように構成された、バーンインチャンバに設けられたローラ受け支持体および断熱側面要素を示す。
【
図4A】
図3Bのバーンインチャンバからドッキング解除された、すなわちドッキング解除位置にある、
図3Aの交換可能なフレームの側面図を示す。
【
図4C】
図3Bのバーンインチャンバに部分的にドッキングされた、すなわち部分ドッキング位置にある、
図3Aの交換可能なフレームの側面図を示す。
【
図4E】
図3Bのバーンインチャンバ内に完全にドッキングされている、すなわちドッキング位置または完全ドッキング位置にある、
図3Aの交換可能なフレームの側面図である。
【
図5A】
図3Bのチャンバが占有されていないドッキング解除位置の正面図である。
【
図5C】
図3Bのチャンバが
図3Aの交換可能なフレームとドッキングされているドッキング位置の正面図である。
【
図6A】一実施形態による、
図6Bのチャンバの断熱側面要素と協働するように構成された、断熱側面要素の下方に配置されたローラを有する交換可能なフレームの斜視図を示す。
【
図6B】
図6Aのローラおよび断熱側面要素と協働するように構成された、バーンインチャンバに設けられたローラ受け支持体および断熱側面要素を示す。
【
図7A】
図6Bのバーンインチャンバからドッキング解除された、すなわちドッキング解除位置にある、
図6Aの交換可能なフレームの側面図を示す。
【
図7C】
図6Bのバーンインチャンバに部分的にドッキングされた、すなわち部分ドッキング位置にある、
図6Aの交換可能なフレームの側面図を示す。
【
図7E】
図6Bのバーンインチャンバに完全にドッキングされた、すなわちドッキング位置または完全ドッキング位置にある
図6Aの交換可能なフレームの側面図を示す。
【
図8A】
図6Bのチャンバが占有されていないドッキング解除位置の正面図である。
【
図8C】
図6Bのチャンバが
図6Aの交換可能なフレームとドッキングされているドッキング位置の正面図である。
【
図9】フレームとチャンバとの位置合わせおよび熱封止のための方法を含む、バーンインチャンバの内外にバーンインボードを移送する方法のフローチャートを示す。
【
図10A】バーンインチャンバからドッキング解除された、すなわちドッキング解除位置にある、別の実施形態による、交換可能なフレームの部分拡大側面図を示す。
【
図10B】バーンインチャンバ内に部分的にドッキングされた、すなわち部分ドッキング位置にある、
図10Aの交換可能なフレームの部分拡大側面図を示す。
【
図10C】バーンインチャンバ内に完全にドッキングされた、すなわちドッキング位置または完全ドッキング位置にある、
図10Aの交換可能なフレームの部分拡大側面図を示す。
【
図11A】バーンインチャンバからドッキング解除された、すなわちドッキング解除位置にある、さらに別の実施形態による、交換可能なフレームの部分拡大側面図を示す。
【
図11B】バーンインチャンバ内に部分的にドッキングされた、すなわち部分ドッキング位置にある、
図11Aの交換可能なフレームの部分拡大側面図を示す。
【
図11C】バーンインチャンバ内に完全にドッキングされた、すなわちドッキング位置または完全ドッキング位置にある、
図11Aの交換可能なフレームの部分拡大側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、本発明の様々な例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者には、本発明の実施形態がこれらの特定の詳細の一部または全部がなくとも実施され得ることが理解されよう。他の例では、説明されている実施形態の関連する態様を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0024】
方法、装置、またはシステムの1つの文脈で説明される実施形態は、他の方法、装置、またはシステムにも同様に適用可能である。同様に、方法の文脈で説明される実施形態は、装置またはシステムにも同様に適用可能であり、逆もまた同様である。
【0025】
一実施形態の文脈で説明される特徴は、他の実施形態の同じまたは同様の特徴に対応して適用可能であり得る。一実施形態の文脈で説明される特徴は、これらの他の実施形態で明示的に説明されていなくても、他の実施形態に対応して適用可能であり得る。さらに、一実施形態の文脈で特徴について説明した追加および/または組み合わせおよび/または代替は、他の実施形態の同じまたは同様の特徴に対応して適用可能であり得る。
【0026】
図面において、同様の参照番号は、いくつかの図を通して同じまたは同様の機能または特徴を指す。図面に示された特定の配置は、限定するものと見なされるべきではない。他の実施形態は、所与の図面に示されているより多くのまたはより少ない各要素を含むことができることを理解されたい。図示された要素のいくつかは、組み合わされても省略されてもよい。
【0027】
実施例および特許請求の範囲を含む様々な実施形態の文脈において、特徴または要素に関して使用される冠詞「a」、「an」および「the」は、1つ以上の特徴または要素への言及を含む。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの変形は、オープンエンドであることを意図しており、列挙されたもの以外の追加の特徴または要素が存在し得ることを意味する。「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの識別子は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的要件を課すことを意図しておらず、制限間の相対的な位置または時間的順序を課すように解釈されていない。「結合された」という用語は、物理的に結合すること、電気的に結合すること、および/または通信可能に結合することを指し得る。2つの物体に適用される場合の「結合された」という用語は、2つの物体が第3の物体を介して直接的または間接的に結合されていることを指し得る。「に配置される」という用語は、「に結合される」への言及を含み得る。2つの物体に適用される場合の「支持する」または「支持すること」という用語は、第1の物体が第2の物体によって直接的に、または第3の物体を介して間接的に支持されていることを指し得る。「上方」という用語は「真上」に限定されない。「下方」という用語は「真下」に限定されない。2つの物体に適用される場合の「当接」という用語およびその関連用語は、そのような接触または圧縮接触が直接的であるか間接的であるかにかかわらず、2つの物体を互いに接触または圧縮接触させることを指し得る。2つの物体に適用される場合の「上に配置される」という句およびその関連用語は、第1の物体を第2の物体と接触させて、または第2の物体に結合して配置することを指し得る。そのような接触は、直接的であっても間接的であってもよく、そのような結合は、第1の物体および/または第2の物体に結合され得るかまたは第1の物体および/または第2の物体の一体部分であり得る少なくとも第3の物体を介して、直接的または間接的であり得る。
【0028】
バーンイン装置は、バーンインチャンバ内に取り外し可能に移動され、ドッキングされるように適合された少なくとも1つの交換可能なフレームの断熱ベースと協働して、完了および断熱されるように適合された完了されていないベースを有するバーンインチャンバを備える。より具体的には、バーンイン装置は、少なくとも1つの側面開口部および少なくとも1つのベース開口部と、側面開口部を閉鎖または封止し、側面開口部に断熱をもたらすように適合された少なくとも1つのドアまたはカバーとを有するバーンインチャンバ(あるいは「チャンバ」と呼ばれる)を備える。ベース開口部は、フレームがチャンバ内に移動されてその中にドッキングされたときに、フレームの少なくとも断熱ベースによって閉鎖可能または封止可能である。側面開口部およびベース開口部の両方が閉鎖されると、バーンインチャンバの断熱が完了し、それによって、チャンバ内にあり、チャンバによって提供されるバーンイン条件、例えば温度に供されるように構成された熱ゾーンが画定される。この熱ゾーンは、バーンインボードがバーンインプロセスを受け、少なくともチャンバの閉鎖されたベース開口部、閉鎖された側面開口部、および残りの部分によって画定され得るエンクロージャに対応する。チャンバの残りの部分、すなわち上述の側面開口部およびベース開口部以外の部分は、断熱されてもよく、バーンインボードのセットをそれぞれ受け入れるかまたは結合する受け側コネクタのセットを有するバックパネルを含んでもよい。
【0029】
バーンイン装置は、チャンバ内の受け側コネクタのセットを介してドッキングされたフレーム上のバーンインボードに接続され、バーンインボード内に配置されたおよび/またはバーンインボードに接続された半導体デバイスに電力および/または電気信号を供給および/または受信するように適合された少なくとも1つのバーンインドライバまたは試験装置に結合されてもよく、またはそれらと協働してもよい。バーンインドライバは、チャンバの外部にあってもよいが、チャンバに隣接して配置されてもよいドライバセクションまたはキャビネット内に配置されてもよい。チャンバは、バーンインボードを支持する少なくとも1つのフレームを収容するように適合される。チャンバおよびフレームを備えるバーンイン装置と、バーンインドライバとの完全なアセンブリが、バーンインシステムを形成する。
【0030】
フレームは、バーンインボードおよび半導体デバイスのキャリアを提供して、それらを少なくともバーンインチャンバとの間で搬送し、バーンインプロセス中にそれらを保持する。フレームは、バーンインチャンバ内に取り外し可能に移動されてドッキングされ、別の同様のフレームと交換されるように適切に構築され寸法決めされる。したがって、フレームは、代替的に、交換可能なフレーム、搬送フレーム、取り外し可能なフレーム、ドッキング可能なフレーム、またはそれらの適切な組み合わせと呼ばれてもよい。フレームは、少なくとも1つのラックと、フレーム、例えばフレームの底部に適切に配置された少なくとも1つの断熱ベース(「絶縁ベース」とも呼ばれる)とを備え、フレームがチャンバにドッキングされると、フレームの断熱ベースは、チャンバのベース開口部に配置され、例えば、チャンバのベース開口部を少なくとも部分的に画定するチャンバまたはそのベースフレームの少なくとも一部に当接し、それによってベース開口部を閉鎖し、チャンバのベース開口部に断熱をもたらす。絶縁ベースは、第1の面および第2の面を含み、第2の面は、第1の面に対向していてもよく、横方向にあってもよく、あるいは第1の面に対して適切に配向されてもよく、例えば同じ方向または異なる方向にあってもよい。ラックは、絶縁ベースの第1の面に配置され、すなわち絶縁ベースおよび/またはフレームに結合される。したがって、絶縁ベースがチャンバのベース開口部に配置されたとき、絶縁ベースの第1の面およびラックは、チャンバまたは熱ゾーン内/内側に配置され、したがって、バーンインプロセス中にチャンバ内のバーンイン温度に供され、一方、絶縁ベースの第2の面は、チャンバまたは熱ゾーンの外側、例えば、周囲環境内に、またはチャンバの外部であるバーンイン装置のハウジング内に配置され、したがって、バーンインプロセス中にチャンバ内のバーンイン温度に供されない。
【0031】
協働する位置合わせ要素、例えば少なくとも第1および第2の位置合わせ要素は、それぞれフレームおよびチャンバに、またはその逆に配置され、フレームがチャンバ内に移動またはドッキングされてフレームが漸進的に持ち上げられる間、互いに漸進的にかつ移動可能に結合されるように構成される。協働する位置合わせ要素が互いに実質的にまたは完全に結合された後、フレームは持ち上げられており、したがって、フレームのラック上に支持されたバーンインボードのセットは位置合わせされ、例えば所望の位置合わせ位置にもたらされ、その後、バーンインボードのセット、例えばそれらのインターフェースコネクタがチャンバ内/チャンバの受け側コネクタのセットに挿入され、さらに、チャンバのベース開口部は、少なくとも断熱ベースがその中にドッキングされているために閉鎖される。この位置合わせ位置を説明するために、
図1Aおよび
図1Cは、バーンインボード220のインターフェースコネクタ221をチャンバ内の受け側コネクタ119に挿入する前の、チャンバ内の受け側コネクタ119に位置合わせされたバーンインボード220およびそのインターフェースコネクタ221、例えばエッジフィンガなどを示している。
図1Bおよび
図1Dは、チャンバの受け側コネクタ119に挿入され、それによってバーンインボードをバーンインプロセスのためのバーンインドライバまたは試験装置に導電的に結合するバーンインボード220のインターフェースコネクタ221を示す。したがって、バーンインボードのセットと受け側コネクタのセットとの位置合わせは、一般に、少なくともバーンインボードのインターフェースコネクタとチャンバ内の受け側コネクタとの同一平面または実質的に同一平面上の配置を指し、バーンインボードのインターフェースコネクタ、例えばエッジフィンガなどのチャンバ内に配置された受け側コネクタへの適切な挿入を容易にする。協働する位置合わせ要素の一例は、フレームに配置されたローラと、チャンバに配置された少なくとも1つの相補的なローラ受け支持体とを含み、逆もまた同様である。協働する位置合わせ要素の別の例は、チャンバおよびフレーム、またはその逆にそれぞれ配置された、固定レールおよび相補的な移動可能なスライドデバイスを有するスライドレールアセンブリを含む。
【0032】
協働する断熱側面要素、例えば、少なくとも第1および第2の断熱側面要素は、フレームおよびチャンバにそれぞれ配置されてもよく、またはその逆であってもよく、相補的な特性、例えば、勾配、形状、寸法が設けられてもよく、これらは、ドッキング中に協働する断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときにそれらの間にクリアランスギャップをもたらし、ドッキング時にそれらが互いに実質的にまたは完全に重なり合って熱封止をもたらすときにそれらの間に当接嵌合をもたらすように構成される。協働する位置合わせ要素の漸進的な結合は、協働する断熱側面要素の漸進的な重なりをもたらす。相補的な勾配および/または形状の例は、相補的な台形プロファイルのセット、相補的な三角形プロファイルのセット、ならびに相補的な凸状および凹状プロファイルのセットを含み得る。
【0033】
図2A~
図2Dは、本発明の一実施形態によるバーンイン装置100を示す。バーンイン装置100は、バーンインチャンバ110と、バーンインチャンバ110のバックパネル118に隣接して配置され得るバーンインドライバセクションまたはキャビネット150とを備える。バーンインドライバセクションまたはキャビネット150は、バーンインドライバまたは試験装置、および関連する構成要素または回路を収容することができる。バックパネル118は、バーンインドライバまたは試験装置に結合され、バーンインボード220のセットまたはそれらのインターフェースコネクタ221のセットを受け入れるように適合された受け側コネクタ119のセットを備える。チャンバ110は、少なくとも2つの開口部、例えばベース開口部112および側面開口部114を設ける。ベース開口部112は、チャンバ110の底部、例えばチャンバのベースフレーム111に設けられてもよい。チャンバ110、例えばチャンバベースフレーム111は、協働する断熱側面要素の少なくとも1つを提供するために、ベース開口部112に少なくとも部分的に沿って設けられた少なくとも1つの断熱側面要素116(
図3Bおよび
図6Bを参照)を含むことができる。断熱側面要素116は、チャンバ110の一体部分であってもよく、またはチャンバ110に結合された少なくとも1つの別個の要素として設けられてもよい。断熱側面要素116およびベース開口部112によって画定される寸法は、フレームがチャンバ110内に移動されてドッキングされたときに、断熱側面要素116が互換性のあるフレーム200の断熱側面要素216(
図3Aおよび
図6Aを参照)に当接してベース開口部112を閉鎖することを確実にするように適合される。側面開口部114は、チャンバ110の横側面に設けられてもよく、ベース開口部112と流体連通して配置されてもよく、すなわち、ベース開口部112と側面開口部114とは交差する。横側面は、非上面または非底面を指すことができ、底面に対して横方向であり得る。側面開口部114は、フレーム、例えばバーンインボードをロードしたフレームのチャンバ110内外への移送を可能にする。側面開口部114は、例えばヒンジ、スライダ、または同等物によってチャンバ110またはバーンイン装置100に移動可能に結合され得る少なくとも1つのドア120またはカバー、あるいはチャンバ110またはバーンイン装置100から取り外されたまたは分離された少なくとも1つのドアまたはカバーによって閉鎖可能である。ドア120は、閉鎖されたときに側面開口部114に断熱をもたらすように適合されているが、互換性のあるフレーム200がチャンバ110に存在しないか、またはそこから移動されている間に、側面開口部114がドア120によって閉鎖されたとしても、塞がれていないか、または覆われていないベース開口部112のために、チャンバ110の断熱は依然として不完全である。ベース開口部112および側面開口部114は、それらの少なくとも1つが閉鎖されていないときに、チャンバ110の内部とチャンバ110の外部または周囲環境との間の流体連通を可能にする。チャンバ110は、チャンバのベースフレーム111から延びる支持脚台または調整可能な支持脚台を介して接地面90に(例えば、接地面90と接触または結合して)配置される。
【0034】
図2B~
図2Dは、チャンバ110内に取り外し可能にドッキングされるように適合されたフレーム200を示す。フレーム200は、他の構成で積層または配置されてもよい1つ以上のバーンインボード(あるいはバーンインボード220のセットと呼ばれる)を支持するラック210(
図3Aおよび
図6Aを参照)を備える。ラック210は、バーンインボードを直接的または間接的に支持する他の構造要素を備えてもよい。フレーム200は、ラック210またはフレーム200の底部を部分的または完全に形成し得る断熱ベース212(
図3Aおよび
図6Aを参照)をさらに備える。
図2B~
図2Dに関連して、断熱ベース212は、第1の
面、例えば上面と、第2の
面、例えば底面とを有する。
図2B~
図2Dに示すように、第1の
面と第2の
面とは互いに対向していてもよいが、バーンインプロセス中、またはフレーム200がチャンバ110にドッキングされているときに、第1の
面がチャンバ110または熱ゾーンの内側に配置され、第2の
面がチャンバ110または熱ゾーンの外側に配置される限り、他の例では互いに横方向であってもよく、または対向しない
面に配置されてもよい。フレーム200は、例えば絶縁ベース212および/またはラック210に回転可能に結合された、絶縁ベース212の第2の
面に配置された車輪230(
図3Aおよび
図6Aを参照)をさらに備えてもよい。したがって、バーンインプロセス中またはフレーム200がチャンバ110にドッキングされているとき、車輪230は、チャンバ110または熱ゾーンの外側に配置される。車輪230は、手動、動力補助され得る、または無人搬送車(AGV)と共に使用されるように適合され得る静電放電(ESD)安全または非ESD安全車輪であり得る。車輪230は、前輪2301および後輪2302を含むことができる(
図3Aおよび
図6Aを参照)。「前側」および「後側」という用語は、ドッキング方向250に対するフレーム200のドッキングシーケンスの文脈で理解することができ、すなわち、前輪2301はドッキング中に最初にチャンバ110内に移動し、後輪2302はその後チャンバ110内に移動する。フレーム200とその車輪230との組み合わせは、トロリーと呼ばれることがある。
【0035】
フレーム200は、絶縁ベース212の第2の面に配置された電子回路(図示せず)をさらに備えてもよい。したがって、バーンインプロセス中またはフレーム200がチャンバ110内にドッキングされているとき、電子回路は、チャンバ110または熱ゾーンの外側に配置され、したがって、バーンインプロセス中にチャンバ110内の少なくとも温度条件に影響されないか、または供されない。電子回路は、有線または無線接続によって1つ以上の遠隔デバイス、例えば通信デバイスに信号を送信および/または受信するように適合された通信回路、例えば送信機、受信機を含むことができる。電子回路は、少なくとも1つのセンサ、コンピューティングプロセッサもしくはマイクロプロセッサ、および/または通信回路、センサ、および/またはメモリデバイスに通信可能に結合され得るコンピューティングプロセッサもしくはマイクロプロセッサによって実行可能な命令を格納するメモリデバイスをさらに含むことができる。信号は、チャンバ110にドッキングされているフレーム200、特定のフレーム200によって支持されているバーンインボードおよび/または半導体デバイスに関する情報を提供することができる。そのような情報は、特定のフレーム200、特定のフレーム200によって支持されているバーンインボードおよび/または半導体の位置および/または特性を含み得る。
【0036】
フレーム200がチャンバ110に取り外し可能にドッキングされたとき(
図2B)、フレーム200はチャンバ110上に配置されるように持ち上げられており(例えば、チャンバベースフレーム111、またはチャンバ110に結合されているかもしくはその一部である別の構造体と接触しているか、または結合されている)、したがって、フレーム200および/またはそのラック210によって支持されたバーンインボードのセットは、チャンバ110のバックパネル118上に配置された受け側コネクタ119のセットと位置合わせされる。この位置合わせされた配置により、バーンインボードのインターフェースコネクタ221を受け側コネクタ119に適切に挿入することができる(例えば、
図1A~
図1Dを参照されたい)。
【0037】
図3Aおよび
図3Bは、一実施形態による、交換可能なフレーム200およびバーンインチャンバ110の内部の部分図をそれぞれ示す。4つの側面を有するフレーム200では、前側ローラ2401および後側ローラ2402(集合的に240)がその上に配置され、例えばフレーム200に直接的または間接的に結合される。「前側」および「後側」という用語は、ドッキング方向250に対するフレーム200のドッキングシーケンスの文脈で理解することができ、すなわち、前側ローラ2401(または第1のローラ)は、ドッキング中に最初にチャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合し、後側ローラ2402(または第2のローラ)はその後ローラ受け支持体140に移動可能に結合する。「ローラ」という用語は、チャンバ110上、例えばそのベースフレーム111上のフレーム200の動きを容易にする車輪、ボールベアリング、回転デバイス、スライドデバイス、または同等物を指し得る。ローラ2401、2402は、フレーム200の対向する側面に沿って、例えばその断熱ベース212の近位に配置することができる。ローラ2401、2402は、フレーム200のピッチ運動およびドッキング中の不安定性を低減または最小化するために、フレーム200の前側および後側から適切な距離に配置され得る。フレーム200では、断熱側面要素216もその上に配置され、例えばフレーム200の断熱ベース212に直接的または間接的に結合され、フレーム200の対向する側面または3つの側面に沿って配置され得る。断熱側面要素216の少なくとも1つは、フレームの後側から前側に向かって、すなわち後側ローラ2402から前側ローラ2401に向かう方向に沿って、先細に、すなわち厚さが減少していってもよい。フレームの断熱側面要素216は、フレームの前側ローラ2401および後側ローラ2402の下方に配置され得る。
【0038】
チャンバ110では、ローラ受け支持体140および断熱側面要素116は、チャンバ110のベース開口部112の対向する側面または3つの側面に沿って配置されてもよく、例えば、チャンバ110またはそのベースフレーム111に直接的または間接的に結合され、ベース開口部112を画定し、ベース開口部は、チャンバ110内の受け側コネクタ119に近位の内側面、対向する横側面、および受け側コネクタ119から遠位の(より近位ではない)外側面を有する。断熱側面要素116の少なくとも1つは、ベース開口部の内側から外側に向かって(すなわち、受け側コネクタ119の近位にあるローラ受け支持体140の端部から、受け側コネクタ119から遠位(より近位ではない)にあるローラ受け支持体140の別の端部に向かう方向に沿って)、先細に、すなわち厚さが減少していってもよい。チャンバの断熱側面要素116は、そのローラ受け支持体140の下方に配置され得る。
【0039】
集合的に、前側ローラ2401および後側ローラ2402ならびにローラ受け支持体140は、フレーム200上に支持されたバーンインボード220のセットをチャンバ110内の受け側コネクタ119のセットと位置合わせするようにフレーム200を持ち上げるように動作可能な協働する位置合わせ要素を提供する。集合的に、フレームの断熱側面要素216およびチャンバの断熱側面要素116は、相補的な特性、例えば勾配および形状を有する協働する断熱側面要素を提供し、これらは、協働する断熱側面要素116、216が互いに部分的に重なり合っているときにクリアランスギャップを設けることによって、ドッキング方向250に沿った協働する位置合わせ要素140、240の妨害されない相対運動または漸進的な結合を容易にするように動作可能であり、協働する断熱側面要素116、216が実質的にまたは完全に重なり合っているときに当接嵌合をもたらすことによって、さらなる重なり合いまたは重なり合いの増加を妨げるようにさらに動作可能である。
【0040】
【0041】
ドッキング解除位置(
図4Aおよび
図4B参照)では、フレーム200は、バーンインチャンバ110も配置され得る接地面90上に配置されている(例えば、接地面90と接触しているか、または結合されている)。前側ローラ2401および後側ローラ2402は、前輪2301および後輪2302が接地面90上に配置された状態で、自由垂下されている(例えば、ローラ受け支持体140と接触も結合もしていない)。これに対応して、
図5Aおよび
図5Bは、ドッキング解除位置の正面図を示し、例えば、非占有チャンバ110は、そのバックパネル118に配置された受け側コネクタ119のセットと、そのベースフレーム111の2つの対向する側面に沿って配置されたローラ受け支持体140と、その非占有ベース開口部112の3つの側面に沿って配置された断熱側面要素116とを有する。
図5Aおよび
図5Bでは、ローラ受け支持体140は断熱側面要素116の上方に配置されている。
【0042】
部分ドッキング位置(
図4Cおよび
図4D参照)では、フレーム200は、チャンバ110上に部分的に配置されており、接地面90上に部分的に配置されている。特に、前側ローラ2401は、フレーム200の前輪2301が接地面90から持ち上げられるように、チャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合され、後側ローラ2402は、フレーム200の後輪2302が接地面90上に配置されたままであるように自由垂下されている。この部分ドッキング位置では、協働する断熱側面要素116、216は、互いに部分的に重なり合う。それらの相補的な特性のために、協働する断熱側面要素116、216は、クリアランスギャップ92、例えば垂直ギャップによって離間され、これにより、ドッキング方向250における協働する断熱側面要素116、216のさらなる妨げられない相対運動が可能になり、それらの重なりが増加する。
【0043】
ドッキング位置(あるいは、完全ドッキング位置とも呼ばれる、
図4Eおよび
図4Fを参照)では、フレーム200はチャンバ110上に配置されている。特に、前側ローラ2401および後側ローラ2402は、前輪2301および後輪2302が接地面90から持ち上げられ、したがってもはや接地面90上に配置されていないように、チャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合される。このドッキング位置では、協働する断熱側面要素116、216は、互いに実質的にまたは完全に重なり合う。それらの相補的な特性のために、協働する断熱側面要素116、216間のクリアランスギャップ92は、実質的に低減または排除され、協働する断熱側面要素116、216が互いに当接してそれらの間に熱シールを提供する。これに対応して、
図5Cおよび
図5Dは、ドッキング位置の正面図を示し、すなわち、チャンバ110内の受け側コネクタ119のセットは、フレーム200上に支持されたバーンインボード220のセットに位置合わせされ、フレーム200の前側ローラ2401および後側ローラ2402は、チャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合され、チャンバの断熱側面要素116は、フレーム200の協働する断熱側面要素216に当接し、フレーム200は、前輪2301および後輪2302が持ち上げられるようにチャンバ110上に配置される(車輪230と接地面90との間のギャップ95については
図4Fおよび
図5Dを参照)。ドッキング位置では、前側ローラ2401および後側ローラ2402、フレーム200の断熱側面要素216、ならびにチャンバ110のローラ受け支持体140は、熱ゾーンの内側に配置されている。
【0044】
図3A、
図3B、
図4A~
図4F、
図5A~
図5Dに示す実施形態では、フレームのローラ2401、2402は、フレームの断熱側面要素216の上方に配置され、その一部は、フレームの後側から前側に向かって先細に、すなわち厚さが減少していき、チャンバのローラ受け支持体140は、チャンバの断熱側面要素116の上方に配置され、その一部は、ベース開口部の内側から外側に向かって先細に、すなわち厚さが減少していく。フレーム200がドッキング位置にあるとき、協働する位置合わせ要素140、240は断熱側面要素116、216の上方にある。
【0045】
先細断熱側面要素116、216が
図3A、
図3B、
図4A~
図4F、
図5A~
図5Dと同じままである(したがって、それらの説明は繰り返されない)
図10A~
図10Cに示す変更された実施形態では、フレームのローラ2401、2402は、フレームの断熱側面要素216の下方に配置されるように変更され、一方、チャンバのローラ受け支持体140は、チャンバの断熱側面要素116の下方に配置されるように変更される。
図10Aおよび
図10Bは、それぞれドッキング解除位置および部分ドッキング位置にあるフレームを示す。フレーム200がドッキング位置にあるとき(
図10Cを参照)、協働する位置合わせ要素140、240は、協働する断熱側面要素116、216の下方に配置されている。
【0046】
図6Aおよび
図6Bは、一実施形態による、交換可能なフレーム200およびバーンインチャンバ110の内部の部分図をそれぞれ示す。
図3Aのフレーム200と同様に、前側ローラ2401、後側ローラ2402、および断熱側面要素216がフレーム200に配置されている。しかしながら、
図6Aでは、フレームの断熱側面要素216は、前側ローラ2401および後側ローラ2402の上方に配置されており、フレームの断熱側面要素116の少なくとも1つは、後側ローラ2402から前側ローラ2401への方向に沿って先細に、すなわち厚さが減少していってもよい。
図3Bのチャンバ110と同様に、ローラ受け支持体140および断熱側面要素116がチャンバ110に配置されている。しかしながら、チャンバの断熱側面要素116は、チャンバのローラ受け支持体140の上方に配置されてもよく、チャンバの断熱側面要素116の少なくとも1つは、ベース開口部の内側から外側に向かって先細に、すなわち厚さが減少していってもよい。集合的に、前側ローラ2401および後側ローラ2402ならびにローラ受け支持体140は、協働する位置合わせ要素を提供する。集合的に、フレームの断熱側面要素216およびチャンバの断熱側面要素116は、相補的な特性、例えば勾配および形状を有する協働する断熱側面要素を提供する。
【0047】
【0048】
ドッキング解除位置(
図7Aおよび
図7Bを参照)では、フレーム200は、バーンインチャンバ110が配置される接地面90上に配置されている。前側ローラ2401および後側ローラ2402は、前輪2301および後輪2302が接地面90上に配置された状態で、自由垂下されている(例えば、ローラ受け支持体140と接触も移動可能に結合もしていない)。これに対応して、
図8Aおよび
図8Bは、ドッキング解除位置の正面図を示し、例えば、非占有チャンバ110は、そのバックパネル118に配置された受け側コネクタ119のセットと、そのベースフレーム111の2つの対向する側面に沿って配置されたローラ受け支持体140と、その非占有ベース開口部112の3つの側面に沿って配置された断熱側面要素116とを有する。
図8Aおよび
図8Bでは、ローラ受け支持体140は断熱側面要素116の下方に配置されている。
【0049】
部分ドッキング位置(
図7Cおよび
図7Dを参照)では、フレーム200は、チャンバ110上に部分的に配置されており、接地面90上に部分的に配置されている。特に、前側ローラ2401は、フレーム200の前輪2301が接地面90から持ち上げられるように、チャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合され、後側ローラ2402は、フレーム200の後輪2302が接地面90上に配置されたままであるように自由垂下されている。この部分ドッキング位置では、協働する断熱側面要素116、216は、互いに部分的に重なり合う。それらの相補的な特性のために、協働する断熱側面要素116、216は、クリアランスギャップ92、例えば垂直ギャップによって離間され、これにより、ドッキング方向250における協働する断熱側面要素116、216のさらなる妨げられない相対運動が可能になり、それらの重なりが増加する。
【0050】
ドッキング位置(あるいは、完全ドッキング位置とも呼ばれる、
図7Eおよび
図7Fを参照)では、フレーム200はチャンバ110上に配置されている。特に、前側ローラ2401および後側ローラ2402は、前輪2301および後輪2302が接地面90から持ち上げられ、したがってもはや接地面90上に配置されていないように、チャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合される。このドッキング位置では、協働する断熱側面要素116、216は、互いに実質的にまたは完全に重なり合う。それらの相補的な特性のために、協働する断熱側面要素116、216間のクリアランスギャップ92は、実質的に低減または排除され、協働する断熱側面要素116、216が互いに当接し、それらの間に熱シールを提供する。これに対応して、
図8Cおよび
図8Dは、ドッキング位置の正面図を示し、すなわち、チャンバ110内の受け側コネクタ119のセットは、フレーム200上に支持されたバーンインボード220のセットに位置合わせされ、フレーム200の前側ローラ2401および後側ローラ2402は、チャンバ110のローラ受け支持体140に移動可能に結合され、チャンバ110の断熱側面要素116は、フレーム200の協働する断熱側面要素216に当接し、フレーム200は、前輪2301および後輪2302が持ち上げられるようにチャンバ110上に配置される(車輪230と接地面90との間のギャップ95については
図7Fおよび
図8Dを参照)。ドッキング位置では、前側ローラ2401および後側ローラ2402、フレームの断熱側面要素216、ならびにチャンバ110のローラ受け支持体140は、熱ゾーンの外側に配置されている。
【0051】
図6A、
図6B、
図7A~
図7F、
図8A~
図8Dに示す実施形態では、フレームのローラ2401、2402は、フレームの断熱側面要素216の下方に配置され、その一部は、フレームの後側から前側に向かって先細に、すなわち厚さが減少していき、チャンバのローラ受け支持体140は、チャンバの断熱側面要素116の下方に配置され、その一部は、ベース開口部の内側から外側に向かって先細に、すなわち厚さが減少していく。フレーム200がドッキング位置にあるとき、協働する位置合わせ要素140、240は、協働する断熱側面要素116、216の下方に配置されている。
【0052】
先細断熱側面要素116、216が
図6A、
図6B、
図7A~
図7F、
図8A~
図8Dと同じままである(したがって、それらの説明は繰り返されない)
図11A~
図11Cに示す変更された実施形態では、フレームのローラ2401、2402は、フレームの断熱側面要素216の上方に配置されるように変更され、一方、チャンバのローラ受け支持体140は、チャンバの断熱側面要素116の上方に配置されるように変更される。
図11Aおよび
図11Bは、それぞれドッキング解除位置および部分ドッキング位置にあるフレームを示す。フレーム200がドッキング位置にあるとき(
図11C)、協働する位置合わせ要素140、240は、協働する断熱側面要素116、216の上方に配置されている。
【0053】
図9は、フレームとチャンバとの位置合わせおよび熱封止のための方法を含む、バーンインチャンバの内外にバーンインボードのセットを支持するフレームを移送する方法のフローチャート900を示す。
【0054】
図9のブロック902において、少なくとも1つのフレームに、バーンインボードおよび半導体デバイスのセットがロードされる。バーンインボードのセットへの半導体デバイスのロードは、フレームがバーンインロード/アンロード装置(図示せず)の中にドッキングされたときに、それによって実行されてもよい。
【0055】
図9のブロック904において、バーンインボードを支持するラックを含むロードされたフレームは、内部に配置された受け側コネクタのセットを有するバーンインチャンバに移送される。この搬入またはドッキングプロセスの間、ロードされたフレームは、チャンバの側面開口部を通ってチャンバ内に漸進的に移動し、フレームの少なくとも断熱ベースは、チャンバのベース開口部を漸進的に閉鎖する。特に、この搬入またはドッキングプロセスは、フレームおよびチャンバの協働する位置合わせ要素を互いに漸進的かつ移動可能に結合してフレームを持ち上げ、フレームまたはラック上のバーンインボードのセットをチャンバ内の受け側コネクタのセットに挿入するために位置合わせし、フレームの断熱ベースをチャンバのベース開口部に配置することによってチャンバのベース開口部を閉鎖し、それによってフレームをチャンバ内に取り外し可能にドッキングすることを含む。より具体的には、漸進的かつ移動可能な結合は、チャンバのローラ受け支持体上にフレームの前側ローラを取り付けるかまたは持ち上げ、それによってフレームの後輪を接地面上に維持しながらフレームの前輪を接地面から持ち上げ、続いてチャンバのローラ受け支持体上にフレームの後側ローラを取り付けるかまたは持ち上げ、それによってフレームの後輪を接地面から持ち上げ、それによってフレームの前輪および後輪の両方を接地面から離して維持することを含む。同時に、漸進的かつ移動可能な結合はまた、協働する断熱側面要素を漸進的に重ね合わせることを含み、協働する断熱側面要素の相補的な特性は、協働する断熱側面要素が互いに部分的に重なり合うときにそれらの間にクリアランスギャップをもたらし、協働する断熱側面要素が互いに実質的にまたは完全に重なり合うときにそれらの間に当接嵌合をもたらす。
【0056】
搬入またはドッキングプロセスは、フレームまたはラック上のバーンインボードのセットをチャンバ内の受け側コネクタのセットに挿入すること、より具体的には、バーンインボードのインターフェースコネクタをチャンバ内の受け側コネクタに挿入することを含むことができる。この挿入は、ドッキング後に、例えば、ボードごとの挿入または複数のボードの同時挿入として行われてもよい。あるいは、この挿入は、フレームをチャンバ内に完全にドッキングしたとき、またはそれと同時に行われてもよい。
【0057】
この搬入またはドッキングプロセスは、ロードされたフレームをチャンバ内に移動させる前に、ラックまたはフレームからバーンインボードのセットをアンロードすることなく、ロードされたフレームをバーンインロード/アンロード装置からチャンバに移動させることを含むことができる。
【0058】
図9のブロック906において、側面開口部は、この目的のために指定された少なくとも1つ以上のドアまたはカバーを使用または作動させることによって閉鎖される。フレームをチャンバにドッキングすることによってベース開口部が閉鎖され、側面開口部がさらに閉鎖されたとき、チャンバの断熱が完了し、それによって、チャンバによって提供されるバーンイン条件、例えば温度に供されるように構成された熱ゾーンが画定される。このとき、共にフレームの一部である断熱ベースの第1の
面およびラックは、チャンバまたは熱ゾーンの内側にあり、フレームの断熱ベースの第2の
面は、チャンバまたは熱ゾーンの外側にある。
【0059】
図9のブロック908において、バーンインプロセスがチャンバまたは熱ゾーンの内側で行われるか、または実行される。チャンバまたは熱ゾーン内の温度は、所望のバーンイン温度に設定される。フレームによって支持されたバーンインボードならびにフレームの絶縁ベースの第1の
面は、バーンイン温度に曝される。絶縁ベースの第2の
面は、任意の車輪および/または任意の通信および電子回路と共に、チャンバまたは熱ゾーンの外側にあり、したがってチャンバまたは熱ゾーンの温度に曝されず、したがって周囲温度のままである。バーンインプロセス中、電子回路は動作することができ、例えば、通信回路は、バーンイン装置から離れた1つ以上のデバイス、例えば通信デバイスに信号を送信および/または受信するように動作することができる。
【0060】
図9のブロック910において、バーンインプロセスは完了する。側面開口部は閉鎖されておらず、例えば、ドアまたはカバーは、側部開口部を通してチャンバ内のロードされたフレームおよび/またはバーンインボードへのアクセスを可能にするように開いている。
【0061】
ブロック912において、ロードされたフレームはチャンバから移送される。この搬出またはドッキング解除プロセス中に、フレーム上のバーンインボードのセットのインターフェースコネクタは、チャンバ内の受け側コネクタのセットから抜き取られる。この抜き取りは、ボードごとの抜き取りまたは複数のボードの同時の抜き取りを含み得る。次いで、ベース開口部は、ロードされたフレームをチャンバからドッキング解除し、フレームがベース開口部の外側にあるかまたはベース開口部から離れるまで、側面開口部を通ってチャンバから漸進的に移動させることによって、閉鎖されていないかまたは露出されている。特に、この搬出またはドッキング解除プロセスは、協働する断熱側面要素がそれらの重なりを漸進的に減少させる、すなわち、実質的または完全な重なりから部分的な重なりまたは重なりなしに減少するときに、当接嵌合を解除してそれらの間にクリアランスギャップまたは非当接配置をもたらすように、協働する断熱側面要素の重なりを漸進的に減少させることを含む。同時に、漸進的かつ移動可能な結合解除はまた、フレームおよびチャンバの協働する位置合わせ要素を互いに漸進的かつ移動可能に結合解除し、フレームをチャンバから下降させて、フレーム上のバーンインボードのセットをチャンバ内の受け側コネクタのセットから位置合わせ解除し、フレームの断熱ベースがチャンバから漸進的に移動するときにチャンバのベース開口部を閉鎖しないようにすることを含む。より具体的には、これは、チャンバのローラ受け支持体からフレームの後側ローラを結合解除し、それによって、チャンバのローラ受け支持体に結合されたフレームの前輪を維持しながら、フレームの後輪を接地面まで下降させ、続いて、チャンバのローラ受け支持体からフレームの前側ローラを結合解除し、それによって、フレームの前輪を接地面まで下降させ、それによって、フレームの前輪および後輪を接地面に配置することを含む。
【0062】
ドッキング解除位置では、フレームの断熱ベースはチャンバのベース開口部を閉鎖しないか露出させ、したがってチャンバの側面開口部が閉鎖されてもチャンバの断熱は不完全である。その後、ロードされたフレームは、ラックまたはフレームからバーンインボードのセットをアンロードすることなく、バーンインロード/アンロード装置に移送されてもよい。バーンインロード/アンロード装置では、バーンインプロセスを完了した半導体デバイスをバーンインボードのセットからアンロードすることができる。
【0063】
上述および/または図示の実施形態および/または例は、以下に説明するように修正または変更することができることを理解されたい。
【0064】
一実施形態では、チャンバは、2つ以上のフレームを収容することができ、したがって、1つ以上のベース開口部および1つ以上の側面開口部を有することができる。したがって、ベース開口部は、チャンバ内に2つ以上のフレームをドッキングすることによって閉鎖可能であり得る。各フレームは、フレームの絶縁ベースの組み合わせがチャンバおよび/またはチャンバの断熱側面要素に当接してチャンバのベース開口部を閉鎖するように、断熱ベースを提供する。一例では、複数のフレームが単一のベース開口部を閉鎖するように隣接して配置され、別の例では、複数のフレームが複数のベース開口部をそれぞれ閉鎖するように配置される。一例では、すべてのドッキングフレームにバーンインボードがロードされている一方、別の例では、少なくとも1つのドッキングフレームにはバーンインボードがないか、またはロードされていないが、ベース開口部を閉鎖してチャンバの断熱を完了するために、必然的にチャンバにドッキングされる。
【0065】
図に示す実施形態では、断熱側面要素は、チャンバのベース開口部の3つの側面、およびさらにフレームの断熱ベースの3つの側面に沿って設けられてもよい。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、断熱側面要素は、チャンバのベース開口部の1つ以上の側面、およびさらにフレームの断熱ベースの1つ以上の側面に沿って設けられてもよい。さらにいくつかの他の実施形態では、断熱側面要素は、チャンバのベース開口部およびフレームの断熱ベースの任意の側面に沿って設けられなくてもよい。言い換えれば、フレームの断熱ベースは、チャンバのベース開口部で、相互に直接接触してチャンバに当接するように構成されてもよい。
【0066】
図に示す実施形態では、車輪がフレームに設けられている。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、フレームに車輪を設けなくてもよい。したがって、フレームをバーンインチャンバの内外に移送するための車両が必要とされ得る。フレームは、フレームの搬送中に車両に配置されるか、または車両と係合される少なくとも1つの非車輪構成を含むことができる。車両は、人間が操作するものおよび/または自動化されたもの、例えば無人搬送車(AGV)、自律ロボット車両(ARV)であり得る。したがって、「車輪」への前述の言及は関連性がなく、省略することができることを理解されたい。代わりに、フレームの非車輪構成は、フレームがドッキング解除されたときにAGV上に配置され、フレームが部分的にドッキングされたときにAGVおよびチャンバの両方に部分的に配置され、フレームがドッキングまたは完全にドッキングされたときにチャンバ上に配置され得る。したがって、これに関連して、フレームを接地面に配置することへの先行する言及は、フレームをAGVに配置し、AGVが接地面に配置されることによって置き換えられ得る。
【0067】
図に示す実施形態では、フレームの車輪およびチャンバ、例えばそのベースフレーム、調整可能な支持脚台、またはチャンバの底部は、AGVが使用されるか否かにかかわらず、フレームをチャンバにドッキングする前に同じ接地面に配置される。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、フレームおよびチャンバは、ドッキング前に異なる表面上に配置されてもよく、例えば、チャンバが接地面上に配置される一方、フレームの車輪はプラットフォームまたは同等物上に配置され、プラットフォームまたは同等物が設置面上に配置されてもよく、またはフレームの非車輪構成がAGV上に配置されてもよい。したがって、フレームをチャンバ内にドッキングすることは、車輪をプラットフォームまたは同等物から持ち上げること、または非車輪構成をプラットフォームまたはAGVから持ち上げることをもたらす。したがって、接地面への言及は、上述のプラットフォームまたは同等物を指し得る。
【0068】
図に示す実施形態では、協働する位置合わせ要素がフレームおよびチャンバの両方の底部または底部付近に設けられ、例えば、ローラはフレームの断熱ベースの近位に配置され、したがってローラ受け支持体は、前述のようにローラと協働するために相補的な位置でチャンバのベース開口部の近位に配置される。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、ローラは、フレームの高さに沿った任意の適切な位置、例えばフレームの高さに沿って中央の高さ、上部もしくは上部付近、または任意の中間位置に配置されてもよく、したがって、ローラ受け支持体は、前述のようなローラとの協働を容易にするために、相補的な位置、例えばチャンバの高さに沿って中央の高さ、上部もしくは上部付近、または任意の中間位置に配置されてもよい。図に示す実施形態では、位置合わせ要素の1つのセットが示されている。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、位置合わせ要素の2つ以上のセットを上述の位置のうちの2つ以上に設けてもよい。同様に、図に示す実施形態では、協働する断熱側面要素が、フレームおよびチャンバの両方の底部または底部付近に設けられる。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、協働する断熱側面要素が、フレームとチャンバの両方の高さに沿った任意の適切な位置に設けられてもよい。また、断熱側面要素の1つ以上のセットが、上述した位置のうちの2つ以上に設けられてもよい。
【0069】
図に示す実施形態では、断熱側面要素の勾配は線形または直線である。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、勾配は、区分的に線形、非線形、例えば曲線、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。しかしながら、勾配は、好ましくは、断熱側面要素が実質的にまたは完全に重なり合っているときに、重なりを増加させて当接嵌合をもたらすように、ドッキング方向に沿った断熱側面要素の妨げられない相対運動を可能にするために相補的であるべきである。
【0070】
図に示す実施形態では、複数のローラがフレームに配置されており、少なくとも1つのローラ受け支持体がチャンバに配置されており、すなわち、フレーム200がチャンバ110にドッキングされるとき、ローラ240はローラ受け支持体140に配置される。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、複数のローラがチャンバに配置されており、少なくとも1つのローラ受け支持体がフレームに配置されており、すなわち、フレーム200がチャンバ110にドッキングされるとき、ローラ受け支持体140はローラ240上に配置される。
【0071】
図に示す実施形態では、協働する位置合わせ要素および協働する断熱側面要素の両方が、別個の機構として設けられている。いくつかの他の実施形態(図示せず)では、位置合わせ機能に加えて熱封止機能を一体的に提供することができる協働する位置合わせ要素のみが設けられる。この二重機能を有する例は、少なくとも1つの絶縁固定レールおよび少なくとも1つの相補的絶縁スライドデバイスを有する協働するスライドレールアセンブリである。さらにいくつかの他の実施形態では、熱封止機能に加えて位置合わせ機能を一体的に提供することができる協働する断熱側面要素のみが設けられる。この二重機能を有する例は、協働する位置合わせ要素としても機能する協働する断熱側面要素のみのものである。この例は、
図3A、
図3B、
図4A~
図4F、
図5A~
図5Dに示すローラ2401、2402およびローラ受け支持体140を除去することによって想定され得る。
【0072】
さらにいくつかの他の実施形態(図示せず)では、協働する断熱側面要素は、ローラまたはローラ受け支持体としてさらに機能することができる。この例は、
図6A、
図6B、
図7A~
図7F、
図8A~
図8Dを変更することによって、例えばローラ受け支持体140の代わりにローラ2401、2402を配置し、断熱側面要素216の底面をローラ受け支持体として使用することによって想定され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、協働する位置合わせ要素は、チャンバに配置された少なくとも1つのダボピンまたはガイドピンと、フレームに配置された少なくとも1つのダボピンまたはガイドピン受け部、例えば開口部とを、またはその逆をさらに含んでもよい。これらの追加の協働する位置合わせ要素は、ドッキング中およびドッキング時にフレームの所望の位置合わせをさらに確実にする。
【0074】
いくつかの実施形態では、フレームは、第1の位置合わせ要素、例えばローラと、第1の断熱側面要素とを含み、バーンインチャンバは、第2の位置合わせ要素、例えばローラ受け支持体と、第2の断熱側面要素とを含む。いくつかの他の実施形態では、バーンインチャンバは、第1の位置合わせ要素、例えばローラ受け支持体と、第1の断熱側面要素とを含み、フレームは、第2の位置合わせ要素、例えばローラと、第2の断熱側面要素とを含む。したがって、「第1の位置合わせ要素」および「第2の位置合わせ要素」という語句は、それぞれ異なる文脈における異なる特徴を指し得る。
【0075】
図1A~
図1Dにおいて、各バーンインボード220は、複数の受け側コネクタ119に挿入するための複数のインターフェースコネクタ221を含む。いくつかの他の実施形態では、各バーンインボード220は、ただ1つの受け側コネクタ119に挿入するためのただ1つのインターフェースコネクタ221を含んでもよい。
【0076】
上述の実施形態および/または例は、選択的に組み合わせることができることを理解されたい。
【0077】
本発明の実施形態は、いくつかの利点を提供し、例えば、接地面の凹凸によって引き起こされる問題が解決される。フレームによって担持されたバーンインボードとバーンインチャンバ内の受け側コネクタとの位置合わせは、接地面条件とは無関係であり、容易かつ便利に達成することができる。フレームがチャンバにドッキングされると、バーンインボードの位置は、接地面の代わりにチャンバ、例えばチャンバベースフレームから参照される。特に、フレームは、接地面、またはフレームを事前に担持または支持するAGVから持ち上げられるか、または離間されてもよく、例えば、ドッキング前に接地面上に配置されていたフレームの車輪は、ドッキング時にチャンバ、例えばチャンバベースフレーム上に配置され、またはAGV上に配置されていたフレームの非車輪構成は、ドッキング時にチャンバ、例えばチャンバベースフレーム上に配置される。さらに、フレームの協働する断熱側面要素とチャンバとの間の熱封止もまた、ドッキング時の接地面条件とは無関係であり、断熱側面要素の妨害または摩擦摩耗をあまり生じさせることなく、適切な熱封止を容易かつ便利に達成することができる。さらに、本発明の実施形態は、新しい場所またはバーンイン生産フロア全体の凹凸のある接地面を克服する必要なく、新しいバーンインチャンバの設置および既存のバーンインチャンバの再配置を手間なく可能にする。
【0078】
上記の実施形態および特徴は例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきであることを理解されたい。他の多くの実施形態が、本明細書の考察および本発明の実施から当業者には明らかであろう。さらに、特定の用語は、説明を明確にする目的で使用されており、本発明の開示された実施形態を限定するものではない。