(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】室内機、および空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20240920BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20240920BHJP
F24F 13/24 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/0007 401D
F24F1/0007 401C
F24F13/08 B
F24F13/24
(21)【出願番号】P 2023580014
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 JP2022005532
(87)【国際公開番号】W WO2023152938
(87)【国際公開日】2023-08-17
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】磯村 一樹
【審査官】葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-025356(JP,A)
【文献】国際公開第2021/014562(WO,A1)
【文献】特開2011-106801(JP,A)
【文献】特開2012-072926(JP,A)
【文献】特開平01-263437(JP,A)
【文献】特開2004-183994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/08
F24F 13/20
F24F 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機の室内機であって、
回転軸回りに回転可能な羽根車を有する送風機と、
前記回転軸の軸方向における第1側に開口する流入口を有し、前記送風機の前記第1側に位置するベルマウスと、
前記ベルマウスの前記第1側に位置し、少なくとも一部が前記流入口と前記軸方向に対向して配置された電気品箱と、
前記流入口と前記軸方向に対向して配置され、前記回転軸を中心とする径方向において前記電気品箱の内側に対向して配置された導風板と、
を備
え、
前記導風板の板面は、前記軸方向を向き、
前記導風板の板面のうち前記第1側を向く面は、前記電気品箱の前記軸方向の中心よりも前記第1側に位置し、かつ、前記電気品箱の前記第1側の面と前記軸方向において同じ位置に配置されている、室内機。
【請求項2】
空気調和機の室内機であって、
回転軸回りに回転可能な羽根車を有する送風機と、
前記回転軸の軸方向における第1側に開口する流入口を有し、前記送風機の前記第1側に位置するベルマウスと、
前記ベルマウスの前記第1側に位置し、少なくとも一部が前記流入口と前記軸方向に対向して配置された電気品箱と、
前記流入口と前記軸方向に対向して配置され、前記回転軸を中心とする径方向において前記電気品箱の内側に対向して配置された導風板と、
を備え、
前記導風板の板面は、前記軸方向および前記径方向の両方と交差する交差方向を向き、
前記導風板は、前記交差方向に間隔を空けて複数配置されている、室内機。
【請求項3】
複数の前記導風板は、前記電気品箱のうち前記軸方向に見て前記流入口と重なる部分における前記交差方向の両端部から前記交差方向に離れて配置されている、請求項
2に記載の室内機。
【請求項4】
隣り合う前記導風板同士の間隔は、前記軸方向の全体に亘って同じである、請求項
2または3に記載の室内機。
【請求項5】
前記ベルマウスは、前記軸方向における前記第1側と逆側の第2側に開口する流出口を有し、
前記流出口の内縁は、前記流入口の内縁よりも前記径方向の内側に位置し、
前記電気品箱の少なくとも一部および前記導風板は、前記軸方向に見て、前記流出口と重なっている、請求項
1から4のいずれか一項に記載の室内機。
【請求項6】
前記導風板は、前記電気品箱に取り付けられている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の室内機。
【請求項7】
前記導風板は、前記ベルマウスに取り付けられている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の室内機。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の室内機と、
室外機と、
を備える、空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内機、および空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に示すように、電気部品箱がベルマウスと対向して配置された空気調和機の室内機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような室内機において、ベルマウスの吸込み口に電気部品箱の少なくとも一部が対向して配置されると、電気部品箱のうち吸込み口と対向する部分によって、吸込み口に吸い込まれる空気の一部の流れが変わり、空気同士が衝突して騒音が生じる場合がある。これに対して、例えば、特許文献1のように、電気部品箱に凹部を形成するなどして、電気部品箱がベルマウスの吸込み口と対向することを避けることが考えられる。しかしながら、この場合には、凹部を形成した分だけ、電気部品箱の容積が小さくなる問題がある。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みて、電気品箱の容積を確保しつつ、騒音が生じることを抑制できる構造を有する室内機、およびそのような室内機を備える空気調和機を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る室内機の一つの態様は、空気調和機の室内機であって、回転軸回りに回転可能な羽根車を有する送風機と、前記回転軸の軸方向における第1側に開口する流入口を有し、前記送風機の前記第1側に位置するベルマウスと、前記ベルマウスの前記第1側に位置し、少なくとも一部が前記流入口と前記軸方向に対向して配置された電気品箱と、前記流入口と前記軸方向に対向して配置され、前記回転軸を中心とする径方向において前記電気品箱の内側に対向して配置された導風板と、を備え、前記導風板の板面は、前記軸方向を向き、前記導風板の板面のうち前記第1側を向く面は、前記電気品箱の前記軸方向の中心よりも前記第1側に位置し、かつ、前記電気品箱の前記第1側の面と前記軸方向において同じ位置に配置されている。
本開示に係る室内機の一つの態様は、空気調和機の室内機であって、回転軸回りに回転可能な羽根車を有する送風機と、前記回転軸の軸方向における第1側に開口する流入口を有し、前記送風機の前記第1側に位置するベルマウスと、前記ベルマウスの前記第1側に位置し、少なくとも一部が前記流入口と前記軸方向に対向して配置された電気品箱と、前記流入口と前記軸方向に対向して配置され、前記回転軸を中心とする径方向において前記電気品箱の内側に対向して配置された導風板と、を備え、前記導風板の板面は、前記軸方向および前記径方向の両方と交差する交差方向を向き、前記導風板は、前記交差方向に間隔を空けて複数配置されている。
【0007】
本開示に係る空気調和機の一つの態様は、上記の室内機と、室外機と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、空気調和機の室内機において、電気品箱の容積を確保しつつ、騒音が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1における空気調和機の概略構成を示す模式図である。
【
図2】実施の形態1における室内機を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態1における室内機を示す断面図である。
【
図4】実施の形態1における室内機の一部を下側から見た図である。
【
図5】実施の形態1におけるベルマウスを示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1における導風部材と電気品箱とベルマウスの一部とを示す斜視図である。
【
図7】実施の形態2における室内機を示す断面図である。
【
図8】実施の形態2における室内機の一部を下側から見た図である。
【
図9】実施の形態2における導風部材と電気品箱とベルマウスの一部とを示す斜視図である。
【
図10】実施の形態3における室内機の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0011】
また、図面には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸は、水平方向のうちの一方向を示している。Y軸は、水平方向のうちの他の一方向を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。以下の説明においては、X軸に沿った水平方向を“第1水平方向X”と呼び、Y軸に沿った水平方向を“第2水平方向Y”と呼び、Z軸に沿った鉛直方向を“鉛直方向Z”と呼ぶ。第1水平方向X、第2水平方向Y、および鉛直方向Zは、互いに直交する方向である。鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は上側であり、鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は下側である。なお、以下の実施の形態において、鉛直方向Zは、後述する回転軸Rの軸方向に相当する。下側は回転軸Rの軸方向における“第1側”に相当し、上側は回転軸Rの軸方向における第1側と逆側の“第2側”に相当する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における空気調和機100の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、空気調和機100は、室外機10と、室内機20と、循環経路部18と、を備える。室外機10は、屋外に配置されている。室内機20は、室内に配置されている。室外機10と室内機20とは、冷媒19が循環する循環経路部18によって互いに接続されている。
【0013】
空気調和機100は、循環経路部18内を流れる冷媒19と室内機20が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整可能である。冷媒19としては、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。
【0014】
室外機10は、筐体11と、圧縮機12と、熱交換器13と、流量調整弁14と、送風機15と、四方弁16と、制御部17と、を有する。筐体11の内部には、圧縮機12、熱交換器13、流量調整弁14、送風機15、四方弁16、および制御部17が収容されている。
【0015】
圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分に設けられている。圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち筐体11の内部に位置する部分によって接続されている。
【0016】
四方弁16は、循環経路部18のうち圧縮機12の吐出側に繋がる部分に設けられている。四方弁16は、循環経路部18の一部の経路を切り替えることで、循環経路部18内を流れる冷媒19の向きを反転させることができる。四方弁16によって繋がれる経路が
図1の四方弁16に実線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を
図1に実線の矢印で示す向きに流れる。一方、四方弁16によって繋がれる経路が
図1の四方弁16に破線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を
図1に破線の矢印で示す向きに流れる。
【0017】
室内機20は、筐体21と、熱交換器22と、送風機23と、を備える。室内機20は、室内機20が配置された室内の空気を冷やす冷房運転と、室内機20が配置された室内の空気を暖める暖房運転とが可能である。
【0018】
室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、
図1に実線の矢印で示す向きに流れる。つまり、室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室外機10の熱交換器13、流量調整弁14、および室内機20の熱交換器22をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。冷房運転において、室外機10内の熱交換器13は凝縮器として機能し、室内機20内の熱交換器22は蒸発器として機能する。
【0019】
一方、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、
図1に破線で示す向きに流れる。つまり、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室内機20の熱交換器22、流量調整弁14、および室外機10の熱交換器13をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。暖房運転において、室外機10内の熱交換器13は蒸発器として機能し、室内機20内の熱交換器22は凝縮器として機能する。
【0020】
次に、実施の形態1の室内機20について、さらに詳細に説明する。
図2は、室内機20を示す斜視図である。
図3は、室内機20を示す断面図である。
図2および
図3に示すように、実施の形態1において室内機20は、天井に埋め込まれて設置される天井埋め込み型の室内機である。
図3に示すように、室内機20は、電気品箱24と、ベルマウス25と、ドレンパン26と、をさらに備える。筐体21は、熱交換器22、送風機23、電気品箱24、ベルマウス25、およびドレンパン26を内部に収容している。
【0021】
筐体21は、筐体本体部21aと、筐体本体部21aの下側に取り付けられた化粧パネル21bと、を有する。筐体本体部21aは、熱交換器22、送風機23、電気品箱24、ベルマウス25、およびドレンパン26を内部に収容している。筐体本体部21aは、室内機20が設置される室内における天井に埋め込まれて設置される。化粧パネル21bは、室内機20が設置される室内に露出している。
【0022】
筐体21は、吸込口20aと、吹出口20bと、を有する。吸込口20aおよび吹出口20bは、化粧パネル21bの下面に開口している。
図2に示すように、吸込口20aは、鉛直方向Zに見て、室内機20の中央部に位置する。吹出口20bは、複数設けられている。複数の吹出口20bは、鉛直方向Zに見て、吸込口20aを囲んで配置されている。吹出口20bは、4つ設けられている。
【0023】
図3に示すように、送風機23は、筐体本体部21aの天板部21cの下面に固定されている。送風機23は、駆動部23aと、羽根車23bと、を有する。駆動部23aは、羽根車23bを回転軸R回りに回転させる。図に適宜示す回転軸Rは、鉛直方向Zに延びる仮想軸である。つまり、回転軸Rの軸方向は、鉛直方向Zである。回転軸Rは、鉛直方向Zに見て、室内機20の中心を通っている。以下の説明においては、特に断りの無い限り、回転軸Rを中心とする径方向を単に“径方向”と呼び、回転軸R回りの周方向を単に“周方向”と呼ぶ。
【0024】
実施の形態1において駆動部23aは、モータである。駆動部23aは、天板部21cの下面に固定されている。なお、駆動部23aは、羽根車23bを回転軸R回りに回転させることができるならば、どのような構成であってもよい。
【0025】
羽根車23bは、回転軸R回りに回転可能である。羽根車23bは、駆動部23aの下側に連結されている。羽根車23bは、駆動部23aによって回転軸R回りに回転させられる。羽根車23bは、駆動部23aに接続され駆動部23aから径方向外側に広がる基部23eと、基部23eの下側に間隔を空けて配置されたシュラウド部23fと、基部23eとシュラウド部23fとの鉛直方向Zの間に配置された複数の羽根部23gと、を有する。
【0026】
シュラウド部23fは、回転軸Rを中心とし、鉛直方向Zの両側に開口する円筒状である。シュラウド部23fの内径およびシュラウド部23fの外径は、上側に向かうに従って大きくなっている。シュラウド部23fの下端部は、下側に開口する吸気口23cである。シュラウド部23fの上端部は、シュラウド部23fの径方向外縁部である。
【0027】
シュラウド部23fの径方向外縁部と基部23eの径方向外縁部との鉛直方向Zの間の空間が、複数の羽根部23gによって周方向に仕切られることによって、径方向外側に開口する複数の排気口23dが形成されている。複数の排気口23dは、周方向の一周に亘って互いに間隔を空けて配置されている。各排気口23dの径方向外側には、熱交換器22が対向して配置されている。複数の排気口23d同士の間隔は、等間隔であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0028】
熱交換器22には、送風機23によって空気が送られる。熱交換器22は、送風機23を囲む枠状である。熱交換器22は、送風機23の排気口23dと対向して配置されている。
【0029】
ドレンパン26は、熱交換器22の下側に位置する。ドレンパン26は、鉛直方向Zに見て、回転軸Rを囲む枠状である。ドレンパン26は、ドレンパン本体部26aと、フランジ部26bと、を有する。ドレンパン本体部26aは、熱交換器22の下側に位置する。ドレンパン本体部26aは、鉛直方向Zに見て、回転軸Rを囲む枠状である。ドレンパン本体部26aは、熱交換器22の外面に生じた結露水を下方から受け止めることが可能である。フランジ部26bは、ドレンパン本体部26aの径方向内縁部における上端部から径方向内側に突出している。フランジ部26bは、鉛直方向Zに見て、回転軸Rを囲む枠状である。
【0030】
ベルマウス25は、送風機23の下側に位置する。ベルマウス25は、送風機23の吸気口23cへと空気を導くための部材である。ベルマウス25は、例えば、樹脂製である。
図4は、室内機20の一部を下側から見た図である。
図4においては、化粧パネル21bの図示を省略している。
図5は、ベルマウス25を示す斜視図である。
図3から
図5に示すように、ベルマウス25は、ベルマウス本体部25aと、被固定部25bと、を有する。
【0031】
ベルマウス本体部25aは、回転軸Rを中心とし、鉛直方向Zの両側に開口する円筒状である。
図3に示すように、ベルマウス本体部25aの内径およびベルマウス本体部25aの外径は、上側に向かうに従って小さくなっている。回転軸Rに沿った断面において、ベルマウス本体部25aの内面25gは、上側に向かうに従って鉛直方向Zに対する傾きが小さくなる曲線状に延びている。ベルマウス本体部25aの上端部は、送風機23の吸気口23c内に挿入されている。
【0032】
被固定部25bは、ベルマウス本体部25aの下端部から径方向外側に広がっている。
図4および
図5に示すように、被固定部25bは、略正方形枠状である。被固定部25bは、板面が鉛直方向Zを向く板状である。
図3に示すように、被固定部25bの径方向外縁部は、ドレンパン26のフランジ部26bの下側に位置する。被固定部25bは、例えばボルトなどによって、フランジ部26bに固定されている。これにより、ベルマウス25は、ドレンパン26に固定されている。
【0033】
図5に示すように、被固定部25bの下面には、上側に窪む凹部25eが形成されている。凹部25eは、被固定部25bのうち第2水平方向Yの一方側(+Y側)の部分に形成されている。凹部25eは、第1水平方向Xに延びている。凹部25eのうち第1水平方向Xの中央部における径方向内縁部は、ベルマウス本体部25aに形成されている。
図3に示すように、被固定部25bのうち凹部25eが形成された部分は、被固定部25bのうち凹部25eが形成されていない部分よりも上側に突出している。
【0034】
ベルマウス25は、回転軸Rの軸方向における第1側、すなわち下側に開口する流入口25cを有する。流入口25cは、ベルマウス本体部25aの下端部である。流入口25cは、回転軸Rを中心とする円形状である。流入口25cは、室内機20の吸込口20aの上側に間隔を空けて配置されている。流入口25cの内縁は、吸込口20aの内縁よりも径方向内側に位置する。
【0035】
ベルマウス25は、回転軸Rの軸方向における第1側と逆側の第2側、すなわち上側に開口する流出口25dを有する。流出口25dは、ベルマウス本体部25aの上端部である。流出口25dは、送風機23の吸気口23c内に位置する。
図5に示すように、流出口25dは、回転軸Rを中心とする円形状である。流出口25dの内縁は、流入口25cの内縁よりも径方向の内側に位置する。流出口25dの内径は、流入口25cの内径よりも小さい。流出口25dの内径は、送風機23の吸気口23cの内径よりも小さい。
【0036】
図6は、実施の形態1における後述する導風部材30と電気品箱24とベルマウス25の一部とを示す斜視図である。
図4および
図6に示すように、電気品箱24は、第1水平方向Xに延びる略直方体箱状である。図示は省略するが、電気品箱24の内部には、回路基板などの電子部品が収容されている。電気品箱24の内部に収容された電子部品は、室内機20を制御する制御部を構成する。当該制御部は、駆動部23aを制御することで送風機23を制御する。
【0037】
電気品箱24は、ベルマウス25の下側に位置する。電気品箱24は、ベルマウス25の被固定部25bの下面に取り付けられている。電気品箱24は、被固定部25bの下面と接触している。
図3に示すように、電気品箱24の上端部は、被固定部25bの下面に形成された凹部25e内に嵌め合わされている。電気品箱24は、ドレンパン26のフランジ部26bとの間で被固定部25bを挟んでいる。
図4に示すように、電気品箱24は、ベルマウス本体部25aよりも第1水平方向Xの両側に突出している。
【0038】
電気品箱24の少なくとも一部は、ベルマウス25の流入口25cと鉛直方向Zに対向して配置されている。
図4および
図6に示すように、実施の形態1では、電気品箱24のうち第1水平方向Xの中央部分における径方向内側部分が、流入口25cと鉛直方向Zに対向して配置されている。電気品箱24のうち第1水平方向Xの中央部分における径方向内側部分は、ベルマウス本体部25aと被固定部25bとの境界25fよりも径方向内側に突出している。境界25fは、流入口25cの内面25gと被固定部25bの下面との境界である。
【0039】
電気品箱24の少なくとも一部は、鉛直方向Zに見て、ベルマウス25の流出口25dと重なっている。実施の形態1では、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における径方向内側部分が、鉛直方向Zに見て、流出口25dと重なっている。
図3に示すように、電気品箱24の径方向内側部分は、吸込口20aの径方向外縁部の上側に位置し、吸込口20aの径方向外縁部と鉛直方向Zに対向して配置されている。
【0040】
図6に示すように、室内機20は、導風部材30を備える。導風部材30は、例えば、樹脂製である。実施の形態1において導風部材30は、第1水平方向Xに間隔を空けて複数配置されている。導風部材30は、導風部材31と導風部材32との2つ設けられている。2つの導風部材31,32は、第1水平方向Xに互いに対称に配置されている。導風部材31,32は、電気品箱24に固定されている。より詳細には、導風部材31,32は、電気品箱24の外面のうち径方向内側を向く面である取付面24aにボルトで固定されている。取付面24aは、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における径方向内側面である。取付面24aは、電気品箱24のうち第2水平方向Yの他方側(-Y側)の面における一部である。取付面24aは、流入口25cの内縁よりも径方向内側に位置する。取付面24aは、第2水平方向Yと直交する平坦面である。
【0041】
導風部材31は、導風部材32の第1水平方向Xの一方側(+X側)に離れて位置する。導風部材31は、導風板31aと、固定部31bと、を有する。実施の形態1では導風部材30が樹脂製であるため、導風板31aおよび固定部31bも樹脂製である。
【0042】
導風板31aは、回転軸Rを中心とする径方向において電気品箱24の内側に対向して配置されている。実施の形態1において導風板31aは、電気品箱24に取り付けられている。より詳細には、導風板31aは、固定部31bを介して電気品箱24の取付面24aに取り付けられている。導風板31aは、電気品箱24の取付面24aから径方向内側に突出している。実施の形態1では、導風板31aは、取付面24aから第2水平方向Yの他方側(-Y側)に突出している。
【0043】
導風板31aは、矩形板状である。導風板31aの板面は、回転軸Rの軸方向および径方向の両方と交差する交差方向を向いている。実施の形態1において導風板31aの板面が向く交差方向は、第1水平方向Xである。導風板31aの板面は、第1水平方向Xと直交している。
図4に示すように、導風板31aは、回転軸Rよりも第1水平方向Xの一方側(+X側)に位置する。導風板31aは、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの両端部から第1水平方向Xに離れて配置されている。
【0044】
導風板31aは、ベルマウス25の流入口25cと鉛直方向Zに対向して配置されている。実施の形態1において導風板31aは、流出口25dの内縁よりも径方向内側に位置する。つまり、導風板31aは、鉛直方向Zに見て、流出口25dと重なっている。鉛直方向Zに見て、導風板31aの径方向内端部は、回転軸Rと流出口25dの内縁との間における径方向の中心よりも径方向外側に位置する。導風板31aの径方向内端部における第2水平方向Yの位置は、回転軸Rと取付面24aとの間における第2水平方向Yの中心よりも取付面24aに近い位置である。
【0045】
図6に示すように、導風板31aは、電気品箱24の上端部から下端部まで鉛直方向Zに延びている。導風板31aの上端部は、電気品箱24の上端部と鉛直方向Zにおいて同じ位置に位置する。導風板31aの下端部は、電気品箱24の下端部と鉛直方向Zにおいて同じ位置に位置する。導風板31aの板厚は、流入口25cに流入する空気の流れによって導風板31aが振動しにくい程度に大きく、かつ、導風板31aが流入口25cに流入する空気の抵抗になりにくい程度に小さくすることが好ましい。導風板31aの板厚は、例えば、1mm以上、5mm以下とすることが好ましく、2mm程度にすることがより好ましい。なお、導風板31aの板厚は、上記の数値範囲に限られず、特に限定されない。
【0046】
固定部31bは、導風板31aのうち第2水平方向Yの一方側(+Y側)の端部から第1水平方向Xの一方側(+X側)に突出している。固定部31bは、電気品箱24に固定されている。これにより、導風部材31が電気品箱24に固定されている。実施の形態1において固定部31bは、2つのボルトによって取付面24aに固定されている。固定部31bは、矩形板状である。固定部31bの板面は、第2水平方向Yを向いている。
【0047】
導風部材32は、導風部材31の第1水平方向Xの他方側(-X側)に離れて位置する。導風部材32は、導風板32aと、固定部32bと、を有する。このように、実施の形態1において室内機20は、導風板31aと導風板32aとの2つの導風板を備える。2つの導風板31a,32aは、導風板31a,32aの板面が向く交差方向、すなわち第1水平方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。導風板32aの構成は、第1水平方向Xの位置が異なる点を除いて、導風板31aの構成と同様である。
図4に示すように、導風板32aは、回転軸Rよりも第1水平方向Xの他方側(-X側)に位置する。導風板32aは、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの両端部から第1水平方向Xに離れて配置されている。
【0048】
回転軸Rと導風板32aとの間の第1水平方向Xの距離は、回転軸Rと導風板31aとの間の第1水平方向Xの距離と同じである。導風板31aと導風板32aとの第1水平方向Xの間隔は、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの最大寸法の3分の1以上である。実施の形態1において導風板31aと導風板32aとの第1水平方向Xの間隔は、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの最大寸法の2分の1程度である。
【0049】
実施の形態1において隣り合う導風板31a,32a同士の間隔は、回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zの全体に亘って同じである。導風板31aの板面と導風板32aの板面とは、互いに平行である。導風板31aの板面と導風板32aの板面とは、鉛直方向Zに対して平行に配置されている。
【0050】
なお、以下の説明において、導風板31aと導風板32aとを特に区別しない場合には、2つの導風板31a,32aを総称して導風板30aと呼ぶ場合がある。
【0051】
図6に示すように、固定部32bは、導風板32aのうち第2水平方向Yの一方側(+Y側)の端部から第1水平方向Xの他方側(-X側)に突出している。固定部32bは、固定部31bと同様に電気品箱24に固定されている。これにより、導風部材32が電気品箱24に固定されている。固定部32bは、矩形板状である。固定部32bの板面は、第2水平方向Yを向いている。
【0052】
電気品箱24内の図示しない制御部によって送風機23が駆動させられると、室内機20内を空気が流れる。
図3においては、矢印AFによって、送風機23が駆動することによって生じる空気の流れを示している。
図3に矢印AFで示すように、送風機23が駆動すると、吸込口20aから室内機20の内部に空気が吸い込まれる。吸込口20aから室内機20の内部に吸い込まれた室内の空気は、流入口25cからベルマウス25内に流入し、流出口25dからベルマウス25の外部に流出する。なお、流入口25cに流入する空気は、ベルマウス本体部25aよりも径方向外側から径方向内側に流れて流入口25cに流入する空気を含む。流出口25dから流出した空気は、吸気口23cから羽根車23b内部に流入する。羽根車23bの内部に流入した空気は、複数の排気口23dから径方向外側に排出される。複数の排気口23dから径方向外側に排出された空気は、熱交換器22を通過して4つの吹出口20bのそれぞれから室内に吹き出される。
【0053】
実施の形態1のように電気品箱24の少なくとも一部がベルマウス25の流入口25cと回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zに対向して配置される場合、流入口25cに流入する空気の一部の流れが電気品箱24によって変えられて、電気品箱24の径方向内側の空間において衝突する場合がある。具体的には、
図6に二点鎖線の矢印で示すように、異なる周方向位置から径方向内側に向かう2つの空気の流れAF3,AF4同士が、電気品箱24の下面に当たって互いに近づく向きに周方向に曲がり、電気品箱24の径方向内側の空間において互いに衝突する場合がある。この場合、異なる空気の流れAF3,AF4同士の衝突により騒音が生じる。
【0054】
これに対して、実施の形態1によれば、室内機20は、流入口25cと回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zに対向して配置された導風板30aを備える。導風板30aは、回転軸Rを中心とする径方向において電気品箱24の内側に対向して配置されている。そのため、流入口25cに流入する空気のうち電気品箱24によって流れが変えられた空気の少なくとも一部の流れを、電気品箱24の径方向内側の空間において導風板30aによってさらに変えることができる。これにより、電気品箱24の径方向内側の空間において、異なる空気の流れ同士が衝突することを抑制できる。したがって、騒音が生じることを抑制できる。
【0055】
具体的に実施の形態1では、
図6に示す異なる2つの空気の流れAF1,AF2のように、電気品箱24によって流れが変えられ互いに近づく向きに周方向に流れようとする空気の流れAF1,AF2同士を、一対の導風板31a,32aによって整流して回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zに流すことができる。そのため、空気の流れAF1と空気の流れAF2とが、一対の導風板31a,32a同士の間に向かうことを抑制でき、空気の流れAF1と空気の流れAF2とが電気品箱24の径方向内側の空間で互いに衝突することを抑制できる。これにより、騒音が生じることを抑制できる。
【0056】
また、上述したように電気品箱24の径方向内側に導風板30aを配置することで騒音が生じることを抑制できるため、電気品箱24の形状を、流入口25cを避けるような形状に変更する必要がない。これにより、電気品箱24に流入口25cを避けるように凹部を形成する必要などがなく、電気品箱24の容積が小さくなることを抑制できる。以上により、実施の形態1によれば、空気調和機100の室内機20において、電気品箱24の容積を確保しつつ、騒音が生じることを抑制できる。
【0057】
なお、電気品箱24に流入口25cを避けるように凹部を形成する場合であっても、電気品箱24全体を大きくすれば、電気品箱24の容積を確保することができる。しかしながら、この場合には、流入口25cの周囲において電気品箱24が配置される領域が大きくなり、流入口25cへと向かう空気が電気品箱24によって阻害されやすくなる。そのため、ベルマウス25内に流入する空気が受ける抵抗が大きくなる、および騒音がより増大するなどの問題が生じる恐れがある。実施の形態1では、電気品箱24全体の大きさを大きくすることなく電気品箱24の容積を確保しつつ騒音を抑制できるため、上記の問題が生じることを抑制できる。
【0058】
また、実施の形態1によれば、電気品箱24の少なくとも一部および導風板30aは、回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zに見て、ベルマウス25の流出口25dと重なっている。この場合、電気品箱24のうちベルマウス25の流入口25cと鉛直方向Zに重なる部分が大きくなり、流入口25cに流入する空気の流れが電気品箱24によってより変えられやすい。そのため、導風板30aが設けられない場合には、空気の流れ同士の衝突に起因する騒音が特に大きくなりやすい。このような場合であっても、実施の形態1によれば、導風板30aによって、空気の流れを整流することで、上述したように騒音が生じることを抑制できる。つまり、電気品箱24の少なくとも一部が回転軸Rの軸方向に見てベルマウス25の流出口25dと重なる場合に、導風板30aによって騒音を抑制する効果をより有用に得られる。
【0059】
また、実施の形態1によれば、導風板30aの板面は、回転軸Rの軸方向および径方向の両方と交差する交差方向、すなわち第1水平方向Xを向く。導風板30aは、第1水平方向Xに間隔を空けて複数配置されている。そのため、上述したように、電気品箱24によって流れが変えられた空気を、複数の導風板31a,32aによって回転軸Rの軸方向に導くことができ、空気の流れ同士が衝突することを好適に抑制できる。これにより、騒音が生じることをより抑制できる。
【0060】
また、実施の形態1によれば、複数の導風板31a,32aは、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの両端部から第1水平方向Xに離れて配置されている。そのため、複数の導風板31a,32a同士の間隔が大きくなり過ぎることを抑制できる。これにより、複数の導風板31a,32a同士の間に異なる空気の流れが流入することを抑制でき、複数の導風板31a,32a同士の間において異なる空気の流れ同士が衝突することを抑制できる。したがって、騒音が生じることをより抑制できる。
【0061】
また、例えば、隣り合う導風板31a,32a同士の間隔が上側に向かうに従って大きくなるように2つの導風板31a,32aを鉛直方向Zに対して傾斜させると、導風板31a,32aの鉛直方向Zの投影面積が大きくなる。そのため、流入口25cに流入する空気が導風板31a,32aから受ける抵抗が大きくなる。一方、隣り合う導風板31a,32a同士の間隔が上側に向かうに従って小さくなるように2つの導風板31a,32aを鉛直方向Zに対して傾斜させると、2つの導風板31a,32aによって導かれた空気同士が導風板31a,32aを通過した後に衝突しやすくなる。
【0062】
これに対して、実施の形態1によれば、隣り合う導風板31a,32a同士の間隔は、回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zの全体に亘って同じである。そのため、空気が導風板31a,32aから受ける抵抗が大きくなることを抑制しつつ、導風板31a,32aによってそれぞれ導かれた空気同士が導風板31a,32aを通過した後に衝突することを抑制できる。
【0063】
なお、実施の形態1のように2つの導風板31a,32aが設けられる場合、2つの導風板31a,32a同士の間隔が小さすぎても、空気の流れを上手く整流しにくく、異なる空気の流れ同士が電気品箱24の径方向内側の空間において衝突する恐れがある。具体的には、例えば、各導風板31a,32aによってそれぞれ導かれた空気の流れ同士が、導風板31a,32aを鉛直方向Zに通過した後に互いに衝突する恐れがある。そのため、隣り合う導風板31a,32a同士の間隔は、各導風板31a,32aをそれぞれ通過した後の空気同士が互いに衝突しない程度に大きいことが好ましい。例えば、導風板31aと導風板32aとの第1水平方向Xの間隔を、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの最大寸法の3分の1以上とすることで、導風板31aと導風板32aとの間隔が小さくなり過ぎることを好適に抑制できる。
【0064】
また、実施の形態1によれば、導風板30aは、電気品箱24に取り付けられている。そのため、導風板30aを、ベルマウス25の流入口25cと鉛直方向Zに対向する位置、かつ、径方向において電気品箱24の内側に対向する位置に、好適かつ容易に配置することができる。
【0065】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2における室内機220を示す断面図である。
図8は、実施の形態2における室内機220の一部を下側から見た図である。
図8においては、化粧パネル21bの図示を省略している。
図9は、実施の形態2における導風部材230と電気品箱24とベルマウス25の一部とを示す斜視図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
【0066】
図7から
図9に示すように、実施の形態2において導風部材230は、1つのみ設けられている。導風部材230は、回転軸Rよりも第1水平方向Xの他方側(-X側)に位置する。
図9に示すように、導風部材230は、導風板230aと、固定部230bと、を有する。
【0067】
導風板230aは、矩形板状である。導風板230aの板面は、回転軸Rの軸方向、すなわち鉛直方向Zを向いている。導風板230aの板面は、鉛直方向Zと直交している。導風板230aは、電気品箱24の下端部から径方向内側に突出している。実施の形態2では、導風板230aは、取付面24aの下端部のうち第1水平方向Xの他方側寄り(-X側寄り)の部分から、第2水平方向Yの他方側(-Y側)に突出している。
【0068】
図8に示すように、導風板230aは、回転軸Rよりも第1水平方向Xの他方側(-X側)に位置する。導風板230aは、電気品箱24のうち鉛直方向Zに見て流入口25cと重なる部分における第1水平方向Xの他方側の端部から第2水平方向Yの他方側(-Y側)に突出している。
【0069】
図9に示すように、導風板230aの板面のうち下側を向く面は、電気品箱24の鉛直方向Zの中心よりも下側に位置する。実施の形態2において導風板230aの板面のうち下側を向く面は、電気品箱24の下側の面と鉛直方向Zにおいて同じ位置に配置されている。導風板230aのその他の構成は、実施の形態1における導風板30aのその他の構成と同様である。
【0070】
固定部230bは、導風板230aのうち第2水平方向Yの一方側(+Y側)の端部から上側に突出している。固定部230bは、電気品箱24に固定されている。これにより、導風部材230が電気品箱24に固定されている。固定部230bのその他の構成は、実施の形態1における固定部31b,32bのその他の構成と同様である。室内機220のうち導風部材230以外の構成は、実施の形態1における室内機20と同様の構成である。
【0071】
実施の形態2によれば、導風板230aの板面は、鉛直方向Zを向いている。導風板230aの板面のうち下側を向く面は、電気品箱24の鉛直方向Zの中心よりも下側に位置する。そのため、
図9に示す空気の流れAF5のように、ベルマウス25の流入口25cに流入しようとする空気の一部を、電気品箱24の径方向内側の空間に流れる前、または電気品箱24の径方向内側の空間に流れた直後に、導風板230aの板面のうち下側を向く面に当てることができる。導風板230aの板面のうち下側を向く面に当たった空気は、流速が低下する。そのため、導風板230aの板面に当たって流速が小さくなった空気の流れAF5が、導風板230aの板面に沿って流れた後に、導風板230aに当たらずに流入口25cへと流入しようとする比較的流速が大きい空気の流れAF6と衝突する場合であっても、空気同士の衝突によって生じる音を小さくできる。つまり、流速が大きい空気同士が電気品箱24の径方向内側の空間で衝突することを抑制できる。これにより、騒音が生じることを抑制できる。
【0072】
また、実施の形態2では、1つの導風板230aによって、騒音が生じることを抑制できるため、導風板230aを複数設ける場合に比べて、室内機220の部品点数を少なくできる。また、複数の導風板同士の間隔を調整することなく、騒音が生じることを1つの導風板230aによって抑制できる。そのため、例えばベルマウス25と電気品箱24との相対配置関係などによらず、騒音が生じることを導風板230aによって安定して抑制できる。
【0073】
また、実施の形態2によれば、導風板230aの板面のうち下側を向く面は、電気品箱24の下側の面と鉛直方向Zにおいて同じ位置に配置されている。そのため、導風板230aの板面のうち下側を向く面と電気品箱24の下側の面との間に段差が生じることがなく、当該段差によって空気の流れが乱れることがない。これにより、騒音が生じることをより抑制できる。
【0074】
実施の形態3.
図10は、実施の形態3における室内機320の一部を示す断面図である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
【0075】
図10に示すように、実施の形態3において導風部材330は、ベルマウス25に固定されている。導風部材330は、導風板330aと、固定部330bと、を有する。導風板330aは、電気品箱24の径方向内側に隙間を介して配置されている点を除いて、実施の形態2の導風板230aと同様である。固定部330bは、ベルマウス25の内面25gから下側に延びている。導風板330aは、固定部330bの下端部に繋がっている。これにより、導風板330aは、固定部330bを介してベルマウス25に取り付けられている。この構成によれば、電気品箱24に導風板330aを取り付ける必要がないため、電気品箱24に対して導風板330aを取り付けるための加工などを行う必要がない。したがって、電気品箱24を変えることなく、導風板330aを配置できる。
【0076】
以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した各実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
【0077】
導風板の形状は、特に限定されない。導風板は、四角以外の多角形板状であってもよいし、円板状であってもよいし、楕円板状であってもよい。導風板を構成する材料は、特に限定されない。導風板は、金属製であってもよい。導風板は、電気品箱の径方向内側に配置されるならば、室内機のいずれの部品に取り付けられていてもよい。導風板の固定方法は、特に限定されない。例えば、導風板が金属製の場合などには、導風板は、溶接によって電気品箱に取り付けられてもよい。この場合、上述した各実施の形態のように導風板に繋がる固定部を設けて当該固定部を電気品箱に溶接して固定してもよいし、上述した各実施の形態のような固定部を設けずに、導風板を電気品箱に直接的に溶接して固定してもよい。導風板の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。導風板は、3つ以上設けられてもよい。
【0078】
電気品箱は、ベルマウスの第1側(下側)に位置し、少なくとも一部がベルマウスの流入口と軸方向(鉛直方向Z)に対向して配置されていれば、どのような構成であってもよい。電気品箱は、全体が流入口と軸方向に対向していてもよい。ベルマウスには、電気品箱が嵌め合わされる凹部が形成されていなくてもよい。電気品箱は、ベルマウスの第1側(下側)に離れて配置されてもよい。電気品箱を第1側(下側)から支持する支持部材が設けられてもよい。
【0079】
本開示の室内機は、どのような種類の室内機であってもよい。室内機における送風機の回転軸の軸方向は、どのような方向であってもよく、鉛直方向と交差する方向であってもよい。
【0080】
以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0081】
10…室外機、20,220,320…室内機、23…送風機、23b…羽根車、24…電気品箱、25…ベルマウス、25c…流入口、25d…流出口、30a,31a,32a,230a,330a…導風板、100…空気調和機、R…回転軸、X…第1水平方向(交差方向)、Z…鉛直方向(軸方向)