(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2024012697
(22)【出願日】2024-01-31
【審査請求日】2024-02-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】竹井 豪
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-105793(JP,A)
【文献】特開2019-126157(JP,A)
【文献】特開2021-002956(JP,A)
【文献】特開2023-054543(JP,A)
【文献】国際公開第2012/066651(WO,A1)
【文献】特開2022-048626(JP,A)
【文献】国際公開第2023/281565(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00、
H02J 3/00、3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報を
コンピューターに指定する指定ステップと、
コンピューターが、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源及び
前記需要家の中から、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを
ユーザーに提示する提示ステップと、
を備え
、
前記組み合わせに含まれる前記電源は、既設電源を含み、
前記組み合わせに含まれる前記需要家は、既設需要家を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記提示ステップにて、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源及び
前記需要家の中から、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源の電力と、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記需要家の電力需要と、に基づき、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを提示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンピューターが、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記需要家の電力需要を示す電力需要情報を取得する取得ステップ、
を更に備え、
前記提示ステップにて、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源及び
前記需要家の中から、前記取得ステップの取得結果にも基づき、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを提示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源は、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に新設される
前記電源、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記需要家のジャンルを示す需要家ジャンル情報が
コンピューターに入力される入力ステップ、
を更に備え、
前記提示ステップにて、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源及び
前記需要家の中から、前記入力ステップの入力結果にも基づき、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを提示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
コンピューターが、電力価格と、前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる
前記電源の発電量と、前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる
前記需要家の電力需要量と、に基づき、蓄電池であって、前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる
前記電源の電力を充電可能でありかつ前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる
前記需要家に放電可能な蓄電池の放電・充電を制御する計画を立案するEMSステップ、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
コンピューターが、前記EMSステップによって削減されるコストの実績を算出する算出ステップと、
コンピューターが、前記算出ステップにて算出された前記実績の一部を顧客に請求する請求ステップと、を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
コンピューターが、前記EMSステップによって削減されるコストを見積もる見積もりステップと、
コンピューターが、前記見積もりステップにて見積もられた前記コストを
ユーザーに提示する第2提示ステップと、を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記提示ステップにて、
前記電源の電力および
前記需要家の電力需要を提示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報を
コンピューターに指定する指定ステップと、
コンピューターが、前記指定ステップにて指定される
前記地域情報が示す
前記複数の地域それぞれについて、前記複数の地域それぞれが含む
前記電源及び
前記需要家の中から、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを
ユーザーに提示する提示ステップと、
コンピューターが、前記提示ステップにて前記複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する
前記地域を決定する決定ステップと、を備え
、
前記組み合わせに含まれる前記電源は、既設電源を含み、
前記組み合わせに含まれる前記需要家は、既設需要家を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記決定ステップにて、前記提示ステップにて提示される組み合わせそれぞれが含む
前記電源の容量又は
前記需要家の電力需要に基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する
前記地域を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記決定ステップにて、前記提示ステップにて提示される組み合わせそれぞれが含む
前記電源の数又は
前記需要家の数に基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する
前記地域を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
コンピューターに、
電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報の指定を受け付ける処理と、
前記指定を受け付けた
前記地域情報が示す
前記地域に含まれる
前記電源及び
前記需要家の中から、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを
ユーザーに提示する処理と、を実行させるためのプログラム
であって、
前記組み合わせに含まれる前記電源は、既設電源を含み、
前記組み合わせに含まれる前記需要家は、既設需要家を含む、
プログラム。
【請求項14】
コンピューターに、
電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報の指定を受け付ける処理と、
前記指定を受け付けた
前記地域情報が示す
前記複数の地域それぞれについて、前記複数の地域それぞれが含む
前記電源及び
前記需要家の中から、
前記電源及び
前記需要家の組み合わせを
ユーザーに提示する処理と、
前記複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する
前記地域を決定する処理と、を実行させるためのプログラム
であって、
前記組み合わせに含まれる前記電源は、既設電源を含み、
前記組み合わせに含まれる前記需要家は、既設需要家を含む、
プログラム。
【請求項15】
前記組み合わせに含まれる前記電源は、前記指定ステップによる指定の時点で既設の、電源を含み、
前記組み合わせに含まれる前記需要家は、前記指定ステップによる指定の時点で既設の、需要家を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3、10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電力小売り事業の収益性を評価することが行われている。
特許文献1は、ユーザーにより選択された需要家(電力需要設備)と電源との組み合わせの入力を電力小売り事業評価装置が受け付けること、を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、需要家と電源との組み合わせを入力することが、ユーザーにとって煩雑であった。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る方法は、電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報を指定する指定ステップと、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する提示ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示に係る電力管理システム100のシステム構成を示す概略ブロック図。
【
図2】提示装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図。
【
図3】地域情報記憶部141が記憶する地域情報テーブルの具体例を示す図。
【
図4】電源情報記憶部142が記憶する電源情報テーブルの具体例を示す図。
【
図5】需要家情報記憶部143が記憶する需要家情報テーブルの具体例を示す図。
【
図6】発電量情報記憶部144が記憶する発電量情報テーブルの具体例を示す図。
【
図7】電力需要情報記憶部145が記憶する電力需要情報テーブルの具体例を示す図。
【
図8】提示装置10による提示の手順のメインフローを示すフローチャート。
【
図9】
図8に示すメインフローにおける電源特定処理のサブフローを示すフローチャート。
【
図10】
図8に示すメインフローにおける需要家決定処理のサブフローの前半を示すフローチャート。
【
図11】
図8に示すメインフローにおける需要家決定処理のサブフローの後半を示すフローチャート。
【
図12】提示装置10が提示する組み合わせの提示形態の第1例を示す図。
【
図13】提示装置10が提示する組み合わせの提示形態の第2例を示す図。
【
図14】計画装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図。
【
図15】電力価格情報記憶部241が記憶する電力価格情報テーブルの具体例を示す図。
【
図16】発電コスト情報記憶部242が記憶する発電コスト情報テーブルの具体例を示す図。
【
図17】計画装置20の処理の具体例を示すフローチャート。
【
図18】制御装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図。
【
図19】制御装置30の処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図20】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(電力管理システム100)
図1は、本開示に係る電力管理システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。電力管理システム100は、提示装置10と、計画装置20と、制御装置30と、を含む。提示装置10と、計画装置20と、制御装置30と、は、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。ネットワーク70は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク70は、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワーク70は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0010】
電力管理システム100は、EMS(Energy Management System)に関する処理を実施する。EMSとは、例えば、特定の地域における電力の需要量および供給量を管理するためのシステムである。EMSを導入することで、例えば、電力の需要量および供給量の最適化などが図られる。その結果、EMSを導入しない場合に比べて、コスト削減を図ることが可能となる場合がある。
【0011】
本実施形態では、電力管理システム100は、例えば、特定の地域における電源および需要家の好ましい組み合わせを検討する。電力管理システム100は、例えば、蓄電池の導入を前提としたコスト削減効果を検討する。なお、電力管理システム100は、例えば、廃棄物処理施設の制御を前提としたコスト削減効果を検討してもよい。この場合、電力管理システム100は、例えば、電力価格の安い日中、廃棄物処理施設における廃棄物処理量を減らし、廃棄物処理施設の発電量を抑制する一方、例えば、電力価格の高い夜間、廃棄物処理量を増やし、廃棄物処理施設の発電量を増加させる等することができる。
【0012】
(提示装置10)
提示装置10には、電源の情報、および、需要家の情報が記憶されている。電源の情報、および、需要家の情報にはそれぞれ、地域情報が含まれる。提示装置10は、例えば、ユーザーによって指定された地域について、電源及び需要家の組み合わせを提示する。電源は、例えば、発電設備である。電源は、例えば、廃棄物処理施設、太陽光発電施設、風力発電施設等を含む。需要家は、例えば、電力を使用する施設である。需要家は、例えば、小学校等の教育施設や、水道局等を含む。ユーザーは、例えば、EMSの事業者であってもよく、前記事業者の顧客であってもよい。顧客は、例えば、自治体であってもよい。顧客は、電源および需要家を所有していてもよく、電源および需要家を管理していてもよい。
【0013】
図2は、提示装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。提示装置10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、専用機器などの情報機器(情報処理装置)を用いて構成される。提示装置10は、通信部11、入力部12、出力部13、記憶部14及び制御部15を備える。
【0014】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部15の制御に応じて、ネットワークを介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0015】
入力部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部12は、ユーザーの指示を提示装置10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部12は、入力装置を提示装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を計画装置20に入力する。入力部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部12はユーザーの発話によって生じた音響信号を取得し、ユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を提示装置10に入力する。音声認識処理は制御部15によって実行されてもよい。入力部12は、ユーザーの指示を提示装置10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0016】
出力部13は、情報をユーザーが認知可能な形で出力する。出力部13は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。出力部13は、画像表示装置を提示装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部13は、スピーカー等の音響を出力する装置であってもよい。出力部13は、スピーカーやヘッドホン等の音響出力装置を提示装置10に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、出力部13は、音響データを再生するための音響信号を生成し、自身に接続されている音響出力装置に音響信号を出力する。出力部13は、例えばプリンターであってもよい。出力部13は、プリンターを提示装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部13は、印刷データを印刷するための印刷信号を生成し、自身に接続されているプリンターに印刷信号を出力する。なお、出力部13は、入力部12と一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0017】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部14は、制御部15によって使用されるデータを記憶する。記憶部14は、制御部15が処理を行う際に必要となるデータを記憶する。記憶部14は、例えば地域情報記憶部141、電源情報記憶部142、需要家情報記憶部143、発電量情報記憶部144及び電力需要情報記憶部145として機能する。
【0018】
地域情報記憶部141は、地域情報を記憶する。地域情報は、地域に関する情報である。
図3は、地域情報記憶部141が記憶する地域情報テーブルの具体例を示す図である。地域情報テーブルは、複数の地域情報レコードを有する。地域情報レコードは、地域識別番号(No.)、地域名称、の各値を有する。地域識別番号(No.)は、地域それぞれに対応する固有の識別番号である。識別番号は、例えば、数字である。識別番号が数字である場合、識別番号は、地域の優先順位を示していてもよい。この場合、例えば、識別番号の値が小さいほど、優先順位が高い地域であることを示していてもよい。地域名称は、地域識別番号に対応する地域に用いられている固有の名称である。
【0019】
電源情報記憶部142は、電源情報を記憶する。電源情報は、電源に関する情報である。
図4は、電源情報記憶部142が記憶する電源情報テーブルの具体例を示す図である。電源情報テーブルは、複数の電源情報レコードを有する。電源情報レコードは、電源識別番号(No.)、電源名称、電源ジャンル、新設/既設、及び、地域、の各値を有する。電源識別番号(No.)は、電源それぞれに対応する固有の識別番号である。識別番号は、例えば、数字である。識別番号が数字である場合、識別番号は、電源の優先順位を示していてもよい。この場合、例えば、識別番号の値が小さいほど、優先順位が高い電源であることを示していてもよい。電源名称は、電源識別番号に対応する電源に用いられている固有の名称である。電源ジャンルは、電源識別番号に対応する電源の種類である。電源ジャンルは、例えば、廃棄物処理施設、太陽光発電施設、風力発電施設等を含む。新設/既設は、電源識別番号に対応する電源が、新設であるか既設であるかを示す情報である。新設/既設が、新設である場合、現在建設中である電源、または、今後、建設される予定の電源を示してもよい。新設/既設が、既設である場合、既に建設済みである電源を示してもよい。地域は、電源識別番号に対応する電源が属する地域である。地域は、1つの電源に対して複数、設定される場合がある。例えば、複数の地域で1つの電源を共有する場合、1つの電源に対して複数の地域が設定される。
【0020】
需要家情報記憶部143は、需要家情報を記憶する。需要家情報は、需要家に関する情報である。
図5は、需要家情報記憶部143が記憶する需要家情報テーブルの具体例を示す図である。需要家情報テーブルは、複数の需要家情報レコードを有する。需要家情報レコードは、需要家識別番号(No.)、需要家名称、需要家ジャンル、及び、地域、の各値を有する。需要家識別番号(No.)は、需要家それぞれに対応する固有の識別番号である。識別番号は、例えば、数字である。識別番号が数字である場合、識別番号は、需要家の優先順位を示していてもよい。この場合、例えば、識別番号の値が小さいほど、優先順位が高い需要家であることを示していてもよい。需要家名称は、需要家識別番号に対応する需要家に用いられている固有の名称である。需要家ジャンルは、需要家識別番号に対応する需要家の種類である。需要家ジャンルは、例えば、小学校等の教育施設や、水道局等を含む。地域は、需要家識別番号に対応する需要家が属する地域である。地域は、1つの需要家に対して複数、設定される場合がある。例えば、複数の地域で1つの需要家を共有する場合、1つの需要家に対して複数の地域が設定される。
【0021】
発電量情報記憶部144は、発電量情報を記憶する。発電量情報は、電源の発電量に関する情報である。
図6は、発電量情報記憶部144が記憶する発電量情報テーブルの具体例を示す図である。発電量情報テーブルは、複数の発電量情報レコードを有する。発電量情報レコードは、電源名称、期間、及び、発電量、の各値を有する。1つの発電量情報レコードにおける発電量は、その発電量情報レコードにおける電源名称が示す電源が、その発電量情報レコードにおける期間に発電する発電量を示す。図示の例では、期間は、例えば、1年を30分ごとに区切った期間である。ただし、期間(以下、単位期間ともいう)は、これに限られず、例えば、1時間単位であってもよく、1日単位であってもよく、1か月単位であってもよく、10分単位であってもよく、1分単位であってもよい。発電量情報レコードにおける発電量は、例えば、任意の過去の1年(例えば昨年)の実際の値であってもよい。発電量情報レコードにおける発電量は、例えば、任意の過去の数年の実際の値の平均値であってもよい。発電量情報レコードにおける発電量は、例えば、ソフトウェアによるシミュレーション結果であってもよい。発電量情報レコードにおける発電量は、例えば、人工知能の生成結果であってもよい。
【0022】
電力需要情報記憶部145は、電力需要情報を記憶する。電力需要情報は、電源の需要量に関する情報である。
図7は、電力需要情報記憶部145が記憶する電力需要情報テーブルの具体例を示す図である。電力需要情報テーブルは、複数の電力需要情報レコードを有する。電力需要情報レコードは、需要家名称、期間、及び、需要量、の各値を有する。1つの電力需要情報レコードにおける需要量は、その電力需要情報レコードにおける需要家名称が示す需要家が、その電力需要情報レコードにおける期間に必要とする電力の需要量を示す。図示の例では、期間は、例えば、1年を30分ごとに区切った期間である。ただし、期間(単位期間)は、これに限られず、例えば、1時間単位であってもよく、1日単位であってもよく、1か月単位であってもよく、10分単位であってもよく、1分単位であってもよい。電力需要情報レコードにおける需要量は、例えば、任意の過去の1年(例えば昨年)の実際の値であってもよい。電力需要情報レコードにおける需要量は、例えば、任意の過去の数年の実際の値の平均値であってもよい。電力需要情報レコードにおける需要量は、例えば、ソフトウェアによるシミュレーション結果であってもよい。電力需要情報レコードにおける需要量は、例えば、人工知能の生成結果であってもよい。電力需要情報における需要量は、例えば、ユーザーから提示装置10に入力されることで、電力需要情報記憶部145に取得されてもよい。電力需要情報を入力するユーザーは、例えば、顧客であってもよく、事業者であってもよい。電力需要情報は、外部(自治体、需要家)から取得されてもよい。
【0023】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリー(主記憶装置)とを用いて構成される。制御部15は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、指定地域情報取得部151、電源ジャンル情報取得部152、需要家ジャンル情報取得部153、組み合わせ決定部154、および、組み合わせ提示部155として機能する。なお、制御部15の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0024】
制御部15は、例えば自装置(提示装置10)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、電力管理システム100の専用アプリケーションとして提示装置10に提供されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの他の具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションがある。このようなアプリケーションは、予め提示装置10にインストールされていてもよいし、判定処理を実行する際にその都度ダウンロードされてもよい。例えばWEBブラウザーのアプリケーションとして実装される場合には、特定のWEBサーバーに提示装置10が接続することに応じてWEBサーバーによって指定された装置(例えばWEBサーバーそのものでもよいし他のサーバーでもよい)から提示装置10がアプリケーションをダウンロードして実行してもよい。制御部15は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0025】
指定地域情報取得部151は、ユーザーによって指定された地域情報(以下、指定地域情報という場合がある)を取得する。地域情報は、電源及び需要家を含む地域を示す。ユーザーは、例えば、入力部12を用いて地域を指定する。地域を指定するユーザーは、例えば、顧客であってもよく、事業者であってもよい。
【0026】
電源ジャンル情報取得部152は、ユーザーによって入力された電源のジャンルを示す電源ジャンル情報を取得する。ユーザーは、例えば、入力部12を用いて電源のジャンルを入力する。電源ジャンルを入力するユーザーは、例えば、顧客であってもよく、事業者であってもよい。
【0027】
需要家ジャンル情報取得部153は、ユーザーによって入力された需要家のジャンルを示す需要家ジャンル情報を取得する。ユーザーは、例えば、入力部12を用いて需要家のジャンルを入力する。需要家ジャンルを入力するユーザーは、例えば、顧客であってもよく、事業者であってもよい。
【0028】
組み合わせ決定部154は、指定地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを決定する。組み合わせ決定部154は、例えば、指定地域情報、需要家ジャンル情報、電源情報、需要者情報、発電量情報、電源需要情報に基づいて、電源及び需要家の組み合わせを決定してもよい。組み合わせ決定部154の詳細な動作については後述する。
【0029】
組み合わせ提示部155は、組み合わせ決定部154が決定した電源及び需要家の組み合わせを提示する。組み合わせの提示は、例えば、出力部13から組み合わせを出力することであってもよい。組み合わせの提示が、例えば、画像表示装置や音響出力装置、プリンターから組み合わせを出力することであってもよい。この場合、組み合わせは、提示装置10からユーザーに提示される。組み合わせの提示は、例えば、提示装置10から計画装置20に組み合わせに関する情報を送ることであってもよい。この場合、組み合わせは、提示装置10から計画装置20に提示される。組み合わせ提示部155による具体的な提示形態は後述する。
【0030】
(提示装置10による提示)
次に、提示装置10による提示の方法について説明する。この方法では、ユーザーが、地域、電源ジャンルおよび需要家ジャンルを指定する。提示装置10は、指定された地域、電源ジャンルおよび需要家ジャンルの条件を満たす電源および需要家の組み合わせを提示する。
【0031】
図8は、提示装置10による提示の手順のメインフローを示すフローチャートである。
図9は、
図8に示すメインフローにおける電源特定処理のサブフローを示すフローチャートである。
図10は、
図8に示すメインフローにおける需要家決定処理のサブフローの前半を示すフローチャートである。
図11は、
図8に示すメインフローにおける需要家決定処理のサブフローの後半を示すフローチャートである。
【0032】
まず
図8に示すように、ユーザーは、電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報を指定する指定ステップ(S10)を実施する。このとき、ユーザーは、例えば、入力部12を用いて提示装置10に、対象とする地域を入力する。なおこのとき、提示装置10は、出力部13を通してユーザーに、選択可能な地域を提示してもよい。提示装置10は、例えば、画像表示装置に、選択可能な地域を表示してもよい。提示装置10は、例えば、地域情報記憶部141に記憶されている地域情報に基づいて、選択可能な地域を提示することが可能である。なおユーザーは、1つのみ地域を指定してもよく、複数の地域を指定してもよい。指定地域情報取得部151は、ユーザーが指定した地域情報を取得する。
【0033】
次に、提示装置10は、電源特定処理(電源特定ステップ)を実施する(S30)。
この処理では、
図9に示すように、まず、提示装置10は、電源ジャンルをユーザーから受け付ける(S31)。このとき、ユーザーは、例えば、入力部12を用いて提示装置10に、対象とする電源ジャンルを入力する。なおこのとき、提示装置10は、出力部13を通してユーザーに、選択可能な電源ジャンルを提示してもよい。提示装置10は、例えば、画像表示装置に、選択可能な電源ジャンルを表示してもよい。提示装置10は、例えば、電源情報記憶部142に記憶されている電源情報に基づいて、選択可能な電源ジャンルを提示することが可能である。なおユーザーは、1つのみ電源ジャンルを指定してもよく、複数の電源ジャンルを指定してもよい。電源ジャンル情報取得部152は、ユーザーが指定した電源ジャンル情報を取得する。
【0034】
次に、提示装置10は、指定地域の中から新たな地域を選択する(S32)。この処理は、指定地域として複数の地域が指定されている場合、複数の地域から、電源ジャンルを特定する地域を順次選択するための処理である。この処理では、例えば、指定地域情報取得部151が取得した指定地域情報に含まれる地域のうち、未選択の地域がある場合、その地域のうちの1つを組み合わせ決定部154が選択する。なお、指定地域が複数ある場合、組み合わせ決定部154は、地域を選択する順番を、例えば、地域情報の優先順位に基づいて決定してもよく、例えば、ランダムに決定してもよく、例えば、ユーザーからの入力に基づいて決定してもよい。
【0035】
次に、提示装置10は、選択された新たな地域(以下、選択地域ともいう)における既設又は新設の電源であって、入力された電源ジャンルに対応する電源を特定する(S33)。このとき、組み合わせ決定部154は、選択地域に属する電源のうち、電源ジャンル情報の電源ジャンルと一致する電源全てを特定してもよく、前記電源の一部を特定してもよい。前記電源の一部を特定する場合、組み合わせ決定部154は、例えば、電源情報の優先順位に基づいて決定してもよく、例えば、ランダムに決定してもよく、例えば、ユーザーからの入力に基づいて決定してもよい。
【0036】
なお提示装置10は、電源ジャンルの受け付け(S31)とあわせて、例えば、電源の新設/既設についての条件を更に受け付けてもよい。この場合、電源の特定(S33)に際し、組み合わせ決定部154は、電源ジャンルの条件に加えて、新設/既設の条件について一致した電源を、電源情報から特定してもよい。
ここで本実施形態の例では、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる電源は、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に新設される電源、を含む。よって、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、新設される電源も考慮しつつもユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。ただし、電源情報に新設/既設の値が無くてもよく、指定地域に含まれる電源が、指定地域に新設される電源を含まなくてもよい。
【0037】
ここで、前述したように、例えば、複数の地域で1つの電源を共有する場合、1つの電源に対して複数の地域が設定される場合がある(例えば
図4参照)。
そこで
図9に示すように、提示装置10は、特定された電源に対応する地域が複数であるか否か判定する(S34)。このとき、組み合わせ決定部154は、例えば、特定された電源についての電源情報レコードにおいて、地域が複数設定されている場合、特定された電源に対応する地域が複数であると判定してもよい。
【0038】
そして、対応する地域が複数であると判定された場合(S34:Yes)、提示装置10は、対応する複数の地域のうち、指定地域に含まれていない地域を、指定地域に追加する(S35)。このとき、例えば、組み合わせ決定部154は、指定地域情報を、追加する地域が含まれていない状態から、追加する地域が含まれている状態に更新する。
その後、提示装置10は、指定地域を全て選択したか否かを判定し(S36)、指定地域を全て選択したと判定した場合(S36:Yes)、電源特定処理を終了する。一方、提示装置10は、指定地域を全て選択していないと判定した場合(S36:No)、指定地域の中から、選択されていない新たな地域を選択する処理(S32)に戻る。
【0039】
なお、特定された電源に対応する地域が複数であるか否かの判定(S34)に際し、対応する地域が複数でないと判定された場合(S34:No)、提示装置10は、対応する複数の地域のうち、指定地域に含まれていない地域を、指定地域に追加する処理(S35)を飛ばし、指定地域を全て選択したか否かを判定する処理(S36)に合流する。
【0040】
以上のような電源特定処理(S30)を実施することで、指定された地域ごとにおいて、受け付けられた電源ジャンルに該当する電源が特定される。そのため、指定地域における電源による発電量が把握可能となる。
【0041】
図8に示すように、提示装置10は、電源特定処理(S30)が終了した後、需要家決定処理(需要家決定ステップ)を実施する(S50)。
この処理では、
図10に示すように、まず、提示装置10は、需要家ジャンルを設定する(S51)。このとき、ユーザーは、例えば、入力部12を用いて提示装置10に、対象とする需要家ジャンルを入力する。この処理は、需要家のジャンルを示す需要家ジャンル情報が入力される入力ステップ(S51)であるともいえる。なおこのとき、提示装置10は、出力部13を通してユーザーに、選択可能な需要家ジャンルを提示してもよい。提示装置10は、例えば、画像表示装置に、選択可能な需要家ジャンルを表示してもよい。提示装置10は、例えば、需要家情報記憶部143に記憶されている需要家情報に基づいて、選択可能な需要家ジャンルを提示することが可能である。なおユーザーは、1つのみ需要家ジャンルを指定してもよく、複数の需要家ジャンルを指定してもよい。需要家ジャンル情報取得部153は、ユーザーが指定した需要家ジャンル情報を取得する。
【0042】
次に、提示装置10は、指定地域の中から新たな地域を選択する(S52)。この処理は、指定地域として複数の地域が指定されている場合、複数の地域から、需要家ジャンルを特定する地域を順次選択するための処理である。この処理では、電源特定ステップを経た指定地域情報に含まれる地域のうち、未選択の地域がある場合、その地域のうちの1つを組み合わせ決定部154が選択する。なお、指定地域が複数ある場合、組み合わせ決定部154は、地域を選択する順番を、例えば、地域情報の優先順位に基づいて決定してもよく、例えば、ランダムに決定してもよく、例えば、ユーザーからの入力に基づいて決定してもよい。
【0043】
次に、提示装置10は、選択された新たな地域(以下、選択地域ともいう)における需要家であって、入力された需要家ジャンルに対応する需要家を選定する(S53)。このとき、組み合わせ決定部154は、選択地域に属する需要家のうち、需要家ジャンル情報の需要家ジャンルと一致する需要家の中から1つの需要家を、需要家情報から選定する。なお、条件を満たす需要家が複数ある場合、組み合わせ決定部154は、需要家を選択する順番を、例えば、需要家情報の優先順位に基づいて決定してもよく、例えば、ランダムに決定してもよく、例えば、ユーザーからの入力に基づいて決定してもよい。
【0044】
次に、提示装置10は、選定された需要家(以下、選定需要家ともいう)の電力需要を取得する取得ステップを実施する(S54)。この取得ステップ(S54)では、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる需要家の電力需要を示す電力需要情報を取得する。このとき、組み合わせ決定部154は、選定需要者の電力需要を、例えば、電力需要情報記憶部145に記憶されている電力需要情報に基づいて取得してもよく、ユーザーからの入力に基づいて取得してもよい。
【0045】
次に、提示装置10は、電源特定処理で特定された電源の容量から、取得した電力需要を差し引く(S55)。
このとき、まず、組み合わせ決定部154は、電源特定処理で特定された電源の容量を、以下のように取得する。すなわち、組み合わせ決定部154は、電源特定処理で特定された電源の中から選択地域に属する電源を選択する。組み合わせ決定部154は、選択した電源と、発電量情報記憶部144に記憶されている発電量情報と、に基づいて、電源特定処理で特定された電源の容量を取得する。なお、選択した電源が複数ある場合、組み合わせ決定部154は、電源特定処理で特定された電源の容量として、全ての電源の発電量の合算を取得する。
その後、組み合わせ決定部154は、電源特定処理で特定された電源の容量から、直前の処理である取得ステップ(S54)で取得した電力需要を差し引く。ここで本実施形態では、電源の発電量、および、需要家の需要量、のいずれもが、例えば、1年を30分ごとに区切った期間である。組み合わせ決定部154は、電源の容量と電力需要との比較を、同一の時間帯で実施する。前記同一の時間帯は、例えば、1年の中で電力需要がピークになる期間(単位期間)であってもよい。1年の中で電力需要がピークになる期間は、地域によって異なるが、例えば、日本では、冬季における14時前後であることが一般的である。記憶部14は、1年の中で電力需要がピークになる期間を記憶していてもよい。この場合、組み合わせ決定部154は、記憶部14が記憶している期間における電源の容量(発電量)から電力需要(需要量)を差し引く。
以上により、この処理(S55)が終了する。この処理により、差し引かれた容量が算出される。
【0046】
図11に示すように、次に、提示装置10(組み合わせ決定部154)は、差し引かれた容量が閾値よりも大きいか否かを判定する(S56)。
ここで閾値は、0より大きくてもよく、0であってもよく、0より小さくてもよい。
例えば、閾値が0より大きい場合、閾値をマージンとして機能させることができる。マージンは、予期せぬ状況において電力の供給不足が発生しないように設けられた余裕代である。マージンは、例えば、ピーク時における電源の容量(発電量)に、一定のマージン率を乗じた値であってもよい。この場合、前記マージン率は、例えば、記憶部14に記憶されていてもよく、ユーザーによって入力されてもよい。マージンは、例えば、組み合わせ決定部154によって求められてもよい。
例えば、閾値が0より小さい場合、組み合わせ決定部154が、一定の需要量分(閾値の絶対値の大きさに相当する需要量分)の電力不足を許容している。この場合、例えば、組み合わせ決定部154は、電力市場からの買電(電力の購入)を前提として組み合わせを決定する。
【0047】
差し引かれた容量が閾値よりも大きいと判定された場合(S56:Yes)、電源の容量にまだ余裕があると考えられる。そのため、可能であれば、需要家を追加することが好ましい。
そこで、提示装置10は、まず、選択地域における需要家を全て選択したか否かを判定する(S57)。選択地域における需要家を全て選択していないと提示装置10が判定した場合(S57:No)、選定需要家に新たな需要家を追加する(S58)。なお、選択されていない需要家が複数ある場合、組み合わせ決定部154は、需要家を選択する順番を、例えば、需要家情報の優先順位に基づいて決定してもよく、例えば、ランダムに決定してもよく、例えば、ユーザーからの入力に基づいて決定してもよい。
その後、提示装置10は、
図10に示すように、選定需要家の電力需要を取得する取得ステップ(S54)に戻り、処理を継続する。
【0048】
一方、
図11に示すように、差し引かれた容量が閾値よりも大きくないと判定された場合(S56:No)、電源の容量には余裕がないと考えられる。そのため、需要家の更なる追加は見合わせることが好ましい。
そこで、提示装置10は、選択地域における需要家の追加処理(S57、S58)をすることなく、選択地域における需要家の選択を終了する。なお、差し引かれた容量が閾値よりも大きいと判定された場合であっても、選択地域における需要家を全て選択したと判定された場合(S57:Yes)には、選択地域における需要家の追加が不可能であることから、同様に、提示装置10は、選択地域における需要家の選択を終了する。
これらの場合、提示装置10は、指定地域を全て選択したか否かを判定し(S59)、指定地域を全て選択していないと判定した場合(S59:No)には、
図10に示すように、指定地域の中から新たな地域を選択する処理(S52)に戻り、処理を継続する。一方、
図11に示すように、指定地域を全て選択したと判定した場合(S59:Yes)には、提示装置10は、需要家決定処理(S50)を完了させる。
【0049】
以上のような需要家決定処理(S50)を実施することで、指定された地域ごとにおいて、電源と需要家との組み合わせが決定される。
【0050】
図8に示すように、提示装置10は、需要家決定処理(S50)が終了した後、特定された電源と決定された需要家との組み合わせの提示をする提示ステップを実施する(S70)。この提示ステップ(S70)では、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する。
【0051】
この提示ステップ(S70)では、組み合わせ提示部155は、組み合わせ決定部154が決定した電源及び需要家の組み合わせを提示する。そのため、本実施形態では、提示ステップ(S70)にて、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる電源及び需要家の中から、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる電源の電力と、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる需要家の電力需要と、に基づき、電源及び需要家の組み合わせを提示する。また、本実施形態では、提示ステップ(S70)にて、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる電源及び需要家の中から、入力ステップ(S51)の入力結果にも基づき、電源及び需要家の組み合わせを提示する。さらに、本実施形態では、提示ステップ(S70)にて、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域(指定地域)に含まれる電源及び需要家の中から、取得ステップ(S54)の取得結果にも基づき、電源及び需要家の組み合わせを提示する。
【0052】
図12は、提示装置10が提示する組み合わせの提示形態の第1例を示す図である。
図13は、提示装置10が提示する組み合わせの提示形態の第2例を示す図である。
ここで組み合わせ提示部155は、前述したように、組み合わせを提示装置10からユーザーに提示してもよく、組み合わせを提示装置10から計画装置20に提示してもよい。組み合わせ提示部155が、組み合わせを提示装置10からユーザーに提示する場合、組み合わせ提示部155は、例えば、画像表示装置やプリンターなどに、
図12に示す第1例のように組み合わせを提示してもよく、
図13に示す第2例のように組み合わせを提示してもよい。
【0053】
図12に示すように、第1例の提示形態では、提示領域Rに、2つの領域R1、R2が設けられている。2つの領域R1、R2は、第1領域R1と、第2領域R2と、である。第1領域R1には、電源が表示される。第1領域R1には、電源情報レコードの各値が示されてもよい。第2領域には、需要家が表示される。第2領域R2には、需要家情報レコードの各値が示されてもよい。第1領域R1と、第2領域R2と、は、図示の例では、提示領域Rの左右に分かれて設けられているが、例えば、提示領域Rの上下に分かれて設けられていてもよい。第1領域R1と、第2領域R2と、の境界には、印Mが設けられている。印Mは、第1領域R1と、第2領域R2と、の境界を示す。図示の例では、印Mは、矢印であるが、他の形態の印であってもよい。
【0054】
図13に示すように、第2例の提示形態では、提示領域Rに、グラフGが提示される。グラフGの横軸は、時間である。グラフGの縦軸は、発電量または需要量である。グラフGは、折れ線グラフであるが、折れ線グラフでなくてもよい。グラフGには、2つのグラフ線G1、G2が設けられている。2つのグラフ線G1、G2は、第1グラフ線G1と、第2グラフ線G2と、である。第1グラフ線G1は、電源の容量(発電量)を示す。第2グラフ線G2は、需要家の電力需要(需要量)を示す。このように、提示ステップ(S70)にて、電源の電力および需要家の電力需要を提示してもよい。この場合、例えば、ユーザーが、電力の需給関係を容易に把握することができる。
【0055】
(提示の方法に係る作用効果)
以上のように、本実施形態では、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、提示ステップ(S70)にて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。したがって、例えば、ユーザーが指定ステップ(S10)において地域情報を指定することで、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0056】
指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源の電力と、需要家の電力需要と、に基づき、提示ステップ(S70)にて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。したがって、需要家の電力需要をより確実に賄うことができる、電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0057】
指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、取得ステップ(S54)の取得結果にも基づき、提示ステップ(S70)にて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。取得ステップ(S54)では、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域に含まれる需要家の電力需要を示す電力需要情報を取得する。よって、例えば、電力需要情報の精度を高めることができる。その結果、電源及び需要家のより適切な組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提案することができる。
【0058】
指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、入力ステップ(S51)の入力結果にも基づき、提示ステップ(S70)にて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。入力ステップ(S51)では、需要家のジャンルを示す需要家ジャンル情報が入力される。よって、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び電力需要設備の組み合わせを、需要家のジャンルも考慮しつつもユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0059】
(計画装置20)
提示装置10によって提示された組み合わせに含まれる電源および需要家は、互いに需給関係を満たすように組み合わされている。しかしながら、この組み合わせに、新たに蓄電池を追加することで、省エネルギーやコスト改善につながる可能性がある。前記蓄電池は、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる電源の電力を充電可能な蓄電池である。前記蓄電池は、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる需要家に放電(給電)可能な蓄電池である。
【0060】
例えば、事業者は、蓄電池と、蓄電池を制御する制御装置30と、を、顧客に代わって、準備する。事業者は、例えば、これらの蓄電池および制御装置30によってサービスを提供し、実現した省エネルギー効果(導入メリット)の一部を報酬として受け取る。
【0061】
需要家は、電源から電力の供給を受けることが可能である。一方、需要家は、電力市場から電力を購入して供給を受けることも可能である。一般的に、電力市場では、期間(単位期間)ごとに、電力量の売買価格が異なる。
そして、蓄電池がある場合、蓄電池がない場合と異なり、ユーザーは、電源から発電された電力を蓄電池に蓄電することが可能となる。
そのため、例えば、ユーザーは、売買価格が安いときには、電力を市場から購入して電源から発電される電力を蓄電池に蓄電し、売買価格が高いときには、電源から発電される電力および蓄電池に蓄電された電力を、需要家に供給するとともに市場に販売する。これにより、電力のコスト改善を図ることができる。
図1に示すような計画装置20は、前記コスト改善について検討する。計画装置20は、蓄電池の放電・充電を制御する計画を立案する。計画装置20は、立案された計画に基づいて、削減されるコストを見積もりする。
なお以下では、計画装置20が、蓄電池の放充電によるコスト削減効果を考慮した計画を立案するが、本開示はこれに限られない。前述したように、計画装置20(および後述する制御装置30)は、例えば、廃棄物処理施設の制御を前提としたコスト削減効果も検討してもよい。
【0062】
図14は、計画装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。計画装置20は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、専用機器などの情報機器(情報処理装置)を用いて構成される。計画装置20は、通信部21、入力部22、出力部23、記憶部24及び制御部25を備える。
【0063】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部25の制御に応じて、ネットワークを介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0064】
入力部22は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部22は、ユーザーの指示を計画装置20に入力する際にユーザーによって操作される。入力部22は、入力装置を計画装置20に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部22は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を計画装置20に入力する。入力部22は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部22はユーザーの発話によって生じた音響信号を取得し、ユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を計画装置20に入力する。音声認識処理は制御部25によって実行されてもよい。入力部22は、ユーザーの指示を計画装置20に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0065】
出力部23は、情報をユーザーが認知可能な形で出力する。出力部23は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。出力部23は、画像表示装置を計画装置20に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部23は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部23は、スピーカー等の音響を出力する装置であってもよい。出力部23は、スピーカーやヘッドホン等の音響出力装置を計画装置20に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、出力部23は、音響データを再生するための音響信号を生成し、自身に接続されている音響出力装置に音響信号を出力する。出力部23は、例えばプリンターであってもよい。出力部23は、プリンターを計画装置20に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部23は、印刷データを印刷するための印刷信号を生成し、自身に接続されているプリンターに印刷信号を出力する。なお、出力部23は、入力部22と一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0066】
記憶部24は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部24は、制御部25によって使用されるデータを記憶する。記憶部24は、制御部25が処理を行う際に必要となるデータを記憶する。記憶部24は、例えば電力価格情報記憶部241、発電コスト情報記憶部242として機能する。
【0067】
電力価格情報記憶部241は、電力価格情報を記憶する。電力価格情報は、電力価格に関する情報である。
図15は、電力価格情報記憶部241が記憶する電力価格情報テーブルの具体例を示す図である。電力価格情報テーブルは、複数の電力価格情報レコードを有する。電力価格情報レコードは、期間及び価格の各値を有する。1つの電力価格情報レコードにおける価格は、その電力価格情報レコードにおける期間(単位期間)の単位電力量あたりの売買価格を示す。なお、電力の売値と買値とが異なる場合、電力価格情報レコードが、価格に代えて、売値及び買値それぞれに対応する値を有していてもよい。例えば、電力価格情報は、電力市場における時刻ごとの予測価格であってもよい。電力市場は、例えば、日本卸電力取引所(JEPX)等、電力の取引を行う市場である。
【0068】
発電コスト情報記憶部242は、発電コスト情報を記憶する。発電コスト情報は、電源の発電に必要となるコストに関する情報である。
図16は、発電コスト情報記憶部242が記憶する発電コスト情報テーブルの具体例を示す図である。発電コスト情報テーブルは、複数の発電コスト情報レコードを有する。発電コスト情報レコードは、電源識別番号(No.)、電源名称、発電コスト、の各値を有する。電源識別番号(No.)、および、電源名称は、電源情報と同様の値である。1つの発電コスト情報レコードにおける発電コストは、その発電コスト情報レコードにおける電源が単位電力量あたりに必要となるコストを示す。
【0069】
制御部25は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部25は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、放充電計画部251、コスト見積もり部252、コスト提示部253として機能する。なお、制御部25の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0070】
制御部25は、例えば自装置(計画装置20)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、電力管理システム100の専用アプリケーションとして計画装置20に提供されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの他の具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションがある。このようなアプリケーションは、予め計画装置20にインストールされていてもよいし、判定処理を実行する際にその都度ダウンロードされてもよい。例えばWEBブラウザーのアプリケーションとして実装される場合には、特定のWEBサーバーに計画装置20が接続することに応じてWEBサーバーによって指定された装置(例えばWEBサーバーそのものでもよいし他のサーバーでもよい)から計画装置20がアプリケーションをダウンロードして実行してもよい。制御部25は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0071】
放充電計画部251は、蓄電池の放電・充電を制御する計画を立案する。
コスト見積もり部252は、放充電計画部251が立案した計画によって削減されるコストを見積もる。
コスト提示部253は、コスト見積もり部252が見積もりしたコストを提示する。
以下、これらの放充電計画部251、コスト見積もり部252、コスト提示部253について、計画装置20による処理とともに説明する。
【0072】
図17は、計画装置20の処理の具体例を示すフローチャートである。
まず、放充電計画部251は、蓄電池の放電・充電を制御する計画を立案する(S101:EMSステップ)。このとき、放充電計画部251は、電力価格と、電源の発電量と、需要家の電力需要量と、に基づき、蓄電池の放電・充電を制御する計画を立案する。このように本実施形態では、蓄電池の電源の放電・充電を制御する計画を、多くの情報に基づいて高精度に立案しやすくすることができる。
なお電力価格は、例えば、前述した電力価格情報および発電コスト情報である。電源の発電量は、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる電源の発電量であり、例えば、その電源についての発電量情報である。需要家の電力需要量は、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる需要家の電力需要量であり、例えば、その需要家についての電力需要情報である。
【0073】
放充電計画部251は、例えば、コストを表す目的関数を最小にするような放充電の計画を立案する。放充電計画部251は、例えば、電力需給に関する制約条件を満たすことを前提としつつ、前述の計画を立案する。
【0074】
前記目的関数は、例えば、下記(1)式で表される。
(1) (計画対象期間における総費用)-(計画対象期間における総売上)
ここで、前記計画対象期間は、特に制限がなく、例えば、1年間であってもよく、1か月であってもよく、1週間であってもよく、1日であってもよい。計画単位期間は、単位期間よりも長くてもよい。計画対象期間は、例えば、入力部22から入力されてもよく、記憶部24に記憶されていてもよい。
前記総費用は、例えば、費用の総和である。費用は、例えば、単位期間単位で求められる。費用は、例えば、電力市場からの電力の購入費用と、電源による発電費用と、を含む。前記購入費用は、電力価格情報に基づいて求められる。前記発電費用は、発電コスト情報に基づいて求められる。総費用は、例えば、放充電計画部251によって算出されてもよい。
前記総売上は、例えば、電力市場に対する売上の総和である。売上は、例えば、単位期間単位で求められる。売上は、電力価格情報に基づいて求められる。総売上は、例えば、放充電計画部251によって算出されてもよい。
【0075】
前記制約条件は、例えば、以下のような条件が挙げられる。
(2-1) 各単位期間において、電力の供給量が、電力の需要量を下回らない。
(2-2) 各単位期間において、蓄電池の蓄電量が、蓄電池の電池容量を上回らない(なお蓄電池の電池容量は、例えば、入力部22から入力されてもよく、記憶部24に記憶されていてもよい)。
【0076】
放充電計画部251は、例えば、前記(1)に係る目的関数と、前記(2-1)、(2-2)に係る制約条件と、を用いて、シミュレーションを実施する。前記シミュレーションでは、例えば、以下の(a)~(g)を変数とする。
(a) 各単位期間における電源の発電量
(b) 各単位期間に電源が発電した電力のうち、蓄電池に充電する電力量
(c) 各単位期間に電源が発電した電力のうち、需要家に消費される電力量
(d) 各単位期間に電源が発電した電力のうち、電力市場に販売する電力量
(e) 各単位期間に蓄電池が放電する電力量
(f) 各単位期間に蓄電池が放電した電力のうち、需要家に消費される電力量
(g) 各単位期間に蓄電池が放電した電力のうち、電力市場に販売する電力量
【0077】
なお、放充電計画部251による計画の立案方法は、これに限られない。
このようにEMSステップ(S101)では、電力価格と、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる電源の発電量と、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる需要家の電力需要量と、に基づき、蓄電池の電源の放電・充電を制御する計画を立案する。よって、蓄電池の電源の放電・充電を制御する計画を高精度に立案しやすくすることができる。
【0078】
計画が立案された(S101)後、コスト見積もり部252は、放充電計画部251が立案した計画によって削減されるコスト(以下、削減コストともいう)を見積もる(S102:見積もりステップ)。
コスト見積もり部252は、例えば、放充電計画部251による放充電の計画の有無によるコストの相違を演算する。コスト見積もり部252は、例えば、(ア)放充電計画部251による放充電の計画がある場合のコストを、(イ)放充電計画部251による放充電の計画がない場合のコストから差し引くことで、放充電計画部251が立案した計画によって削減コストを見積もることができる。コスト見積もり部252は、(ア)放充電計画部251による放充電の計画がある場合のコストについて、例えば、放充電計画部251によって求められた前記(1)式の目的関数の値を採用することができる。コスト見積もり部252は、(イ)放充電計画部251による放充電の計画が無い場合のコストについて、例えば、需要家の需要量すべてを、電源の発電量のみによって賄った場合の費用を採用することができる。コスト見積もり部252は、前記(イ)に係る前記費用を、例えば、電力需要情報と、発電コスト情報と、に基づいて求めることができる。
【0079】
コストが見積もられた(S102)後、コスト提示部253は、コスト見積もり部252が見積もりしたコストを提示する(S103:第2提示ステップ)。よって本実施形態では、例えば、EMSステップ(S101)によって削減されるコストを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
なおコストの提示は、例えば、出力部23からコストを出力することであってもよい。コストの提示が、例えば、画像表示装置や音響出力装置、プリンターからコストを出力することであってもよい。この場合、コストは、計画装置20からユーザーに提示される。コストの提示は、例えば、計画装置20から制御装置30にコストに関する情報を送ることであってもよい。この場合、コストは、計画装置20から制御装置30に提示される。
またコスト提示部253は、複数地域における前記コストを提示してもよい。この場合、提示を受けたユーザーや制御装置30は、複数の地域における前記コストを比較しやすくなる。
【0080】
以上で計画装置20による処理が終了する。
【0081】
(地域の決定)
ここで、提示装置10における提示に際し、地域が複数指定されていた場合(指定ステップ(S10)にて複数の地域が指定された場合)、複数の指定地域それぞれの中から、EMSを導入する地域(以下、導入地域ともいう)を決定してもよい(決定ステップ)。このとき、ユーザーが導入地域を決定してもよく、提示装置10や計画装置20が導入地域を決定してもよい。提示装置10や計画装置20が導入地域を決定する場合、提示装置10の制御部15や計画装置20の制御部25は、EMSを導入する地域を決定する地域決定部として機能してもよい。地域決定部は、例えば、コスト見積もり部252によって見積もられた削減コストが最も高い地域を、導入地域として決定してもよい。地域決定部は、例えば、コスト見積もり部252によって見積もられる削減コストと、EMSの導入コストと、を比較して、コスト見積もり部252によって見積もられる削減コストが、EMSの導入コストよりも高い地域を、導入地域として決定してもよい。なお導入コストは、入力部12、22から入力されてもよく、記憶部14、24が記憶していてもよい。すなわち、提示ステップ(S70)にて複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定する決定ステップを実施してもよい。
なお、決定ステップにて、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の数又は需要家の数に基づき、複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定してもよい。この場合であってユーザーが決定するとき、ユーザーは、例えば、
図12に示す提示形態のような提示に基づいて、導入地域を決定してもよい。
また、決定ステップにて、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の容量又は需要家の電力需要に基づき、複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定してもよい。この場合であってユーザーが決定するとき、ユーザーは、例えば、
図13に示す提示形態のような提示に基づいて、導入地域を決定してもよい。
さらに、決定ステップにて、第2提示ステップ(S103)にて提示される、削減されたコストに基づき、複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定してもよい。
【0082】
このように、本実施形態では、提示ステップ(S70)にて複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、複数の地域それぞれの中から、決定ステップにてEMSを導入する地域を決定する。ここで、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す複数の地域それぞれについて、複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の中から、提示ステップ(S70)にて電源及び需要家の組み合わせを提示する。よって、指定ステップ(S10)にて、電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報を指定することで、ユーザーが指定する複数の地域それぞれについて、複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができるとともに、提示される組み合わせに基づいて、EMSを導入する地域を適切に決定することができる。
【0083】
なお、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の数又は需要家の数に基づき、複数の地域それぞれの中から、決定ステップにて、EMSを導入する地域を決定する場合、電源の数、需要家の数に基づき、EMSを導入する地域をより適切に決定することができる。
また、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の容量又は需要家の電力需要に基づき、複数の地域それぞれの中から、決定ステップにて、EMSを導入する地域を決定する場合、電源の容量、需要家の電力需要に基づき、EMSを導入する地域をより適切に決定することができる。
【0084】
(制御装置30)
図1に示すような制御装置30は、EMSを導入することが決定された地域について、蓄電池の放充電を制御する。制御装置30は、削減されたコストの一部を顧客に請求する。
【0085】
図18は、制御装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。制御装置30は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。制御装置30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0086】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部33の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0087】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、制御部33によって使用されるデータを記憶する。記憶部32は、例えば実績情報記憶部321、電力価格情報記憶部322、発電コスト情報記憶部323として機能してもよい。
【0088】
実績情報記憶部321は、実績情報を記憶する。実績情報は、後述する放充電制御部331が制御した実績に関する情報である。実績情報は、例えば、放充電制御部331により制御が実施された後、更新される。
電力価格情報記憶部322、発電コスト情報記憶部323は、例えば、計画装置20における電力価格情報記憶部322、発電コスト情報記憶部323と同様の構成を採用可能である。
【0089】
制御部33は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、放充電制御部331及び請求処理部332、放充電計画部333、コスト算出部334として機能する。なお、制御部33の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0090】
なお放充電計画部333は、計画装置20における放充電計画部251と同様の構成を採用可能である。ただし、制御装置30における放充電計画部333は、計画装置20における放充電計画部251よりも短期間(例えば、1日)の計画を立案する。放充電計画部333は、例えば、翌日の計画を立案する。
また、コスト算出部334は、計画装置20におけるコスト見積もり部252と同様の構成を採用可能である。ただし、計画装置20におけるコスト見積もり部252が、放充電計画部251が立案した計画(計画情報)によって削減されるコストを見積もるのに対して、制御装置30におけるコスト算出部334は、放充電制御部331による制御の実績(実績情報)によって削減されたコストの実績(以下、「削減コストの実績」ともいう)を算出する。
【0091】
放充電制御部331は、放充電計画部333による計画情報に基づいて蓄電池の充電・放電を制御する。
請求処理部332は、コスト算出部334により算出された削減コストの実績に基づいて、削減コストの実績の一部を顧客に請求する。
以下、これらの放充電制御部331、請求処理部332を中心に、制御装置30による処理とともに説明する。
【0092】
図19は、制御装置30の処理の具体例を示すフローチャートである。
まず、放充電計画部333は、計画を立案する(S201)。このとき、放充電計画部333は、例えば、1日の計画を立案する。この工程は、例えば、前述したEMSステップS101と同様に実施することができる。
【0093】
計画が立案された(S201)後、放充電制御部331は、放電・充電を制御する(S202)。このとき、放充電制御部331は、放充電計画部333による計画情報に基づいて蓄電池の充電・放電を制御する。その結果、放充電制御部331は、電力価格と、電源の発電量と、需要家の電力需要量と、に基づき、蓄電池の放電・充電を制御する。電力価格は、例えば、前述した電力価格情報および発電コスト情報である。電源の発電量は、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる電源の発電量であり、例えば、その電源についての発電量情報である。需要家の電力需要量は、提示ステップ(S70)にて提示される組み合わせに含まれる需要家の電力需要量であり、例えば、その需要家についての電力需要情報である。なお、放充電制御部331は、放充電した制御の実績(結果)を、実績情報記憶部321に記憶してもよい。
【0094】
放電・充電を制御された(S202)後、コスト算出部334は、削減コストの実績を算出する(S203:算出ステップ)。この工程は、例えば、前述した見積もりステップS102における計画情報を実績情報に置き換えることで、見積もりステップS102と同様に実施することができる。なお、コスト算出部334による算出は、計画の立案(S201)および放充電の制御(S202)が複数回、繰り返し実施された後、実施されてもよい。例えば、計画の立案および放充電の制御が1日単位の場合、削減コストの実績の算出は、1か月単位で行われてもよい。
【0095】
削減コストの実績が算出された(S203)後、請求処理部332は、算出ステップ(S203)にて算出されたコスト(削減コスト)の実績の一部を顧客に請求する(S204:請求ステップ)。請求処理部332は、例えば、削減コストの実績の一部として、削減コストに定率を掛け合わせた値を請求する。これにより、例えば、顧客に対して適切に請求をすることができる。請求処理部332による請求の回数は、例えば、計画対象期間中に1回であってもよく、複数回であってもよい。
このように、算出ステップ(S203)にて算出された削減コストの実績の一部を、請求ステップ(S204)にて顧客に請求することで、例えば、顧客に対して適切に請求をすることができる。
【0096】
以上で制御装置30による処理が終了する。
【0097】
(各装置のハードウェア構成)
図20は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば提示装置10及び計画装置20、制御装置30に適用されてもよい。この場合、例えば通信部11及び通信部21、通信部31は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部14及び記憶部24、記憶部32は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部15及び制御部25、制御部33は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0098】
上述した制御部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置94(ストレージ)に記憶されている。プロセッサー91は、プログラムを補助記憶装置94から読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサー91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92に確保する。プロセッサー91の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
【0099】
プログラムは、情報処理装置90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、補助記憶装置94に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、実施形態の他の例においては、情報処理装置90は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサー91によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。このような集積回路も、プロセッサーの一例に含まれる。
【0100】
補助記憶装置94の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリー等が挙げられる。補助記憶装置94は、情報処理装置90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、入出力インターフェース95または通信回線を介して情報処理装置90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によって情報処理装置90に配信される場合、配信を受けた情報処理装置90が当該プログラムを主記憶装置92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置94は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0101】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置94に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0102】
例えば、前記プログラムは、コンピューター(情報処理装置)に、電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報の指定を受け付ける処理と、前記指定を受け付けた地域情報(指定地域情報)が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する処理と、を実行させるプログラムであってもよい。
【0103】
例えば、前記プログラムは、コンピューター(情報処理装置)に、電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報の指定を受け付ける処理と、前記指定を受け付けた地域情報(指定地域情報)が示す複数の地域それぞれについて、前記複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する処理と、前記複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定する処理と、を実行させるプログラムであってもよい。
【0104】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0105】
例えば、前記実施形態では、提示装置10と計画装置20と制御装置30とが異なる装置として構成されているが、一体の装置として構成されてもよい。
提示装置10と計画装置20と制御装置30とのうちの少なくとも1つの装置が、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。例えば、クラウド等の装置を用いて、前記少なくとも1つの装置が実装されてもよい。例えば、前記少なくとも1つの装置において、記憶部と制御部とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、前記少なくとも1つの装置の記憶部が複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
例えば、計画装置20および制御装置30がなくてもよい。本開示は、単に電源および需要家の組み合わせを提示するだけであってもよい。
【0106】
本開示に係る方法は、電力管理システム100による実施が必須ではなく、この方法の一部または全部が、例えばユーザー(人間)によって実施されてもよい。例えば、前記実施形態では、組み合わせ決定部154が、電源及び需要家の組み合わせを決定した。しかしながら、本開示はこれに限られない。例えば、電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが決定してもよい。この場合、ユーザーは、組み合わせ決定部154と同様に、例えば、指定地域情報、需要家ジャンル情報、電源情報、需要者情報、発電量情報、電源需要情報に基づいて、電源及び需要家の組み合わせを決定してもよい。またユーザーは、電源及び需要家の関連性を、例えば、地図(経度や緯度)での位置関係や、電話番号に基づく相対関係など、に基づいて把握した上で、電源及び需要家の組み合わせを決定してもよい。
【0107】
(付記)
前記実施形態に係る方法は、例えば、以下のように把握される。
【0108】
<1>本開示の一態様に係る方法は、電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報を指定する指定ステップと、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する提示ステップと、を備えることを特徴とする。
【0109】
指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、提示ステップにて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。したがって、例えば、ユーザーが指定ステップにおいて地域情報を指定することで、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0110】
<2>上記<1>に係る方法では、前記提示ステップにて、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源の電力と、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる需要家の電力需要と、に基づき、電源及び需要家の組み合わせを提示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0111】
指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源の電力と、需要家の電力需要と、に基づき、提示ステップにて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。したがって、需要家の電力需要をより確実に賄うことができる、電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0112】
<3>上記<2>に係る方法では、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる需要家の電力需要を示す電力需要情報を取得する取得ステップ、を更に備え、前記提示ステップにて、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、前記取得ステップの取得結果にも基づき、電源及び需要家の組み合わせを提示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0113】
指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、取得ステップの取得結果にも基づき、提示ステップにて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。取得ステップでは、指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる需要家の電力需要を示す電力需要情報を取得する。よって、例えば、電力需要情報の精度を高めることができる。その結果、電源及び需要家のより適切な組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提案することができる。
【0114】
<4>上記<1>乃至<3>のいずれか1態様に係る方法では、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源は、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に新設される電源、を含む、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0115】
指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源は、指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に新設される電源、を含む。よって、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、新設される電源も考慮しつつもユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0116】
<5>上記<1>乃至<4>のいずれか1態様に係る方法では、需要家のジャンルを示す需要家ジャンル情報が入力される入力ステップ、を更に備え、前記提示ステップにて、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、前記入力ステップの入力結果にも基づき、電源及び需要家の組み合わせを提示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0117】
指定ステップにて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、入力ステップの入力結果にも基づき、提示ステップにて、電源及び需要家の組み合わせを提示する。入力ステップでは、需要家のジャンルを示す需要家ジャンル情報が入力される。よって、ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び電力需要設備の組み合わせを、需要家のジャンルも考慮しつつもユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0118】
<6>上記<1>乃至<5>のいずれか1態様に係る方法では、電力価格と、前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる電源の発電量と、前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる需要家の電力需要量と、に基づき、蓄電池であって、前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる電源の電力を充電可能でありかつ前記提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる需要家に放電可能な蓄電池の放電・充電を制御する計画を立案するEMSステップ、を更に備えることを特徴とする構成を採用してもよい。
【0119】
EMSステップでは、電力価格と、提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる電源の発電量と、提示ステップにて提示される組み合わせに含まれる需要家の電力需要量と、に基づき、蓄電池の電源の放電・充電を制御する計画を立案する。よって、蓄電池の電源の放電・充電を制御する計画を高精度に立案しやすくすることができる。
【0120】
<7>上記<6>に係る方法では、前記EMSステップによって削減されるコストの実績を算出する算出ステップと、前記算出ステップにて算出された前記実績の一部を顧客に請求する請求ステップと、を更に備えることを特徴とする構成を採用してもよい。
【0121】
算出ステップにて算出されたコストの実績の一部を、請求ステップにて顧客に請求する。よって、例えば、顧客に対して適切に請求をすることができる。
【0122】
<8>上記<6>または<7>に係る方法では、前記EMSステップによって削減されるコストを見積もる見積もりステップと、前記見積もりステップにて見積もられた前記コストを提示する第2提示ステップと、を更に備えることを特徴とする構成を採用してもよい。
【0123】
見積もりステップにて見積もられたコストを、第2提示ステップにて提示する。よって、例えば、EMSステップによって削減されるコストを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができる。
【0124】
<9>上記<1>乃至<8>のいずれか1態様に係る方法では、前記提示ステップにて、電源の電力および需要家の電力需要を提示する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0125】
提示ステップにて、電源の電力および需要家の電力需要を提示する。よって、例えば、ユーザーが、電力の需給関係を容易に把握することができる。
【0126】
<10>本開示の一態様に係る方法は、電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報を指定する指定ステップと、前記指定ステップにて指定される地域情報が示す複数の地域それぞれについて、前記複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する提示ステップと、前記提示ステップにて前記複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定する決定ステップと、を備えることを特徴とする。
【0127】
提示ステップにて複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、複数の地域それぞれの中から、決定ステップにてEMSを導入する地域を決定する。ここで、指定ステップにて指定される地域情報が示す複数の地域それぞれについて、複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の中から、提示ステップにて電源及び需要家の組み合わせを提示する。よって、指定ステップにて、電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報を指定することで、ユーザーが指定する複数の地域それぞれについて、複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく、提示することができるとともに、提示される組み合わせに基づいて、EMSを導入する地域を適切に決定することができる。
【0128】
<11>上記<10>に係る方法では、前記決定ステップにて、前記提示ステップにて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の容量又は需要家の電力需要に基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0129】
提示ステップにて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の容量又は需要家の電力需要に基づき、複数の地域それぞれの中から、決定ステップにて、EMSを導入する地域を決定する。したがって、電源の容量、需要家の電力需要に基づき、EMSを導入する地域をより適切に決定することができる。
【0130】
<12>上記<10>に係る方法では、前記決定ステップにて、前記提示ステップにて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の数又は需要家の数に基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定する、ことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0131】
提示ステップにて提示される組み合わせそれぞれが含む電源の数又は需要家の数に基づき、複数の地域それぞれの中から、決定ステップにて、EMSを導入する地域を決定する。したがって、電源の数、需要家の数に基づき、EMSを導入する地域をより適切に決定することができる。
【0132】
<13>本開示の一態様に係るプログラムは、コンピューターに、電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報の指定を受け付ける処理と、前記指定を受け付けた地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する処理と、を実行させるプログラムである。
【0133】
<14>本開示の一態様に係るプログラムは、コンピューターに、電源及び需要家をそれぞれ含む複数の地域、を示す地域情報の指定を受け付ける処理と、前記指定を受け付けた地域情報が示す複数の地域それぞれについて、前記複数の地域それぞれが含む電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する処理と、前記複数の地域それぞれについて提示される組み合わせに基づき、前記複数の地域それぞれの中から、EMSを導入する地域を決定する処理と、を実行させるプログラムである。
【符号の説明】
【0134】
S10 指定ステップ
S51 入力ステップ
S54 取得ステップ
S70 提示ステップ
S101 EMSステップ
S102 見積もりステップ
S103 第2提示ステップ
S203 算出ステップ
S204 請求ステップ
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーが指定する地域に含まれる電源及び需要家の組み合わせを、ユーザーが煩雑になることなく提示する方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、電源及び需要家を含む地域、を示す地域情報を指定する指定ステップ(S10)と、指定ステップ(S10)にて指定される地域情報が示す地域に含まれる電源及び需要家の中から、電源及び需要家の組み合わせを提示する提示ステップ(S70)と、を備える。
【選択図】
図8