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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】直流回路開閉装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/18 20060101AFI20240924BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20240924BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20240924BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240924BHJP
   H02H 5/10 20060101ALI20240924BHJP
   H01H 9/54 20060101ALN20240924BHJP
   B60L 3/04 20060101ALN20240924BHJP
   B60L 50/60 20190101ALN20240924BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J1/00 308H
H02H7/00 K
H02J7/00 S
H02H5/10
H01H9/54 J
B60L3/04 D
B60L50/60
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020128228
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2022025418
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優介
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-054633(JP,A)
【文献】特開2014-038862(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026862(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/084304(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/18
H02J 1/00
H02H 7/00
H02J 7/00
H02H 5/10
H01H 9/54
B60L 3/04
B60L 50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと負荷の間に接続される直流回路開閉装置であって、
前記バッテリと前記負荷の間を繋ぐ正極側電源ラインと負極側電源ラインを含む電源ラインと、
前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの一方に接続されて、車両制御ユニットによる制御信号によりオン/オフの制御が可能なメインリレーと、
前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの他方に接続されて、前記車両制御ユニットによる制御信号により遮断が可能なパイロヒューズと、を有しており、
前記制御信号により前記メインリレーがオフされるとともに前記パイロヒューズが遮断されることで、前記正極側電源ラインおよび前記負極側電源ラインが遮断され、
前記パイロヒューズに対して直列にサービスプラグが接続されている、
直流回路開閉装置。
【請求項2】
前記正極側電源ラインに前記メインリレーが接続されており、前記負極側電源ラインに
前記パイロヒューズが接続されている、請求項1に記載の直流回路開閉装置。
【請求項3】
前記正極側電源ラインに前記パイロヒューズが接続されており、前記負極側電源ラインに前記メインリレーが接続されている、請求項1に記載の直流回路開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直流回路開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等の高圧の二次電池を搭載した車両においては、高圧の直流電源回路の開閉に用いられる直流回路開閉装置が搭載されている。特許文献1には、直流回路開閉装置が正極側と負極側に設けられたメインリレーとして電磁接触器(コンタクタ)を含んで構成されており、両電磁接触器をオフにすることで、二次電池からの電源供給を停止できる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-213500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、高圧の直流電源回路の開閉に用いられる直流回路開閉装置には、正極側と負極側にそれぞれ大型で特殊構造の電磁接触器が必要であり、コストアップや装置の大型化が避けられなかった。仮に、電磁接触器を正極側のみに設け、負極側の電磁接触器をサーマルヒューズで置き換えた場合、熱で回路分断を行う。それゆえ、外部信号により回路分断を行うことができないため、漏電を検知したとしても回路を遮断できないおそれがあった。
【0005】
そこで、異常時の電源供給の確実な遮断が可能で、装置の小型化や低コストを有利に実現できる、新規な構造の直流回路開閉装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の直流回路開閉装置は、バッテリと負荷の間に接続される直流回路開閉装置であって、前記バッテリと前記負荷の間を繋ぐ正極側電源ラインと負極側電源ラインを含む電源ラインと、前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの一方に接続されて、車両制御ユニットによる制御信号によりオン/オフの制御が可能なメインリレーと、前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの他方に接続されて、前記車両制御ユニットによる制御信号により遮断が可能なパイロヒューズと、を有しており、前記制御信号により前記メインリレーがオフされるとともに前記パイロヒューズが遮断されることで、前記正極側電源ラインおよび前記負極側電源ラインが遮断され、前記パイロヒューズに対して直列にサービスプラグが接続されている、直流回路開閉装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、異常時の電源供給の確実な遮断が可能で、装置の小型化や低コストを有利に実現できる、新規な構造の直流回路開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施形態1に係る直流回路開閉装置のバッテリから負荷に至る経路における電気的構成を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態2に係る直流回路開閉装置のバッテリから負荷に至る経路における電気的構成を概略的に示す図である。
図3図3は、実施形態3に係る直流回路開閉装置のバッテリから負荷に至る経路における電気的構成を概略的に示す図である。
図4図4は、実施形態4に係る直流回路開閉装置のバッテリから負荷に至る経路における電気的構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の直流回路開閉装置は、
(1)バッテリと負荷の間に接続される直流回路開閉装置であって、前記バッテリと前記負荷の間を繋ぐ正極側電源ラインと負極側電源ラインを含む電源ラインと、前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの一方に接続されたメインリレーと、前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの他方に接続されて、制御信号により遮断が可能なアクティブヒューズと、を有する直流回路開閉装置である。
【0010】
本開示の直流回路開閉装置によれば、正極側電源ラインと負極側電源ラインの一方にメインリレーが接続されており、正極側電源ラインと負極側電源ラインの他方にアクティブヒューズが接続されている。それゆえ、通常走行時には、メインリレーによってバッテリと負荷間の電源ラインのオンオフ制御が可能となる。車両の衝突等の異常時には、アクティブヒューズに切断を指示する制御信号を送信することによって、電源ラインを確実に遮断することができる。これにより、異常時の電源供給を確実に遮断して漏電等の発生のリスクを有利に低減または防止することができる。また、高価で大型の特殊構造のメインリレーの1つを安価で小型のアクティブヒューズに置き換えることができることから、直流回路開閉装置を小型化でき且つコスト低減を有利に実現できる。
【0011】
さらに、メインリレーとアクティブヒューズがそれぞれ正極側電源ラインと負極側電源ラインのどちらかに接続されていればよいことから、メインリレーとアクティブヒューズに対する配置の自由度を向上できる。それゆえ、直流回路開閉装置を全体としてコンパクトに作することができる。
【0012】
なお、メンテナンス等必要な場合には、アクティブヒューズを切断することで、アクティブヒューズが接続された側の電源ラインに設けられた端子部が活電部となる不具合の発生も未然に防止することができる。
【0013】
(2)前記正極側電源ラインに前記メインリレーが接続されており、前記負極側電源ラインに前記アクティブヒューズが接続されていることが好ましい。この場合も、正極側電源ラインに接続されたメインリレーによって通常走行時のバッテリと負荷間の電源ラインの確実なオンオフ制御が可能であり、異常時のバッテリと負荷間の電源ラインの遮断も負極側電源ラインに接続されたアクティブヒューズによって確実に行うことができる。特に、正極側電源ラインにプリチャージ回路等が接続されている場合に、回路配索等をコンパクトに行い得る。
【0014】
(3)上記(1)において、前記正極側電源ラインに前記アクティブヒューズが接続されており、前記負極側電源ラインに前記メインリレーが接続されていることが好ましい。この場合も、負極側電源ラインに接続されたメインリレーによって通常走行時のバッテリと負荷間の電源ラインの確実なオンオフ制御が可能であり、異常時のバッテリと負荷間の電源ラインの遮断も正極側電源ラインに接続されたアクティブヒューズによって確実に行うことができる。それゆえ、正極側電源ラインにメインリレーを搭載するスペースの確保が困難な場合等においても、負極側電源ラインにメインリレーを搭載することが可能となる。
【0015】
(4)前記アクティブヒューズに対して直列にサービスプラグが接続されていることが好ましい。アクティブヒューズを一度遮断に使用した場合は破壊してしまうため再利用できず、新たなアクティブヒューズが必要となる。アクティブヒューズに対して直列にサービスプラグを接続することにより、サービスプラグによって電源ラインを遮断することができる。それゆえ、メンテナンス時等にバッテリからの電源供給を遮断するためにアクティブヒューズを切断して新しいアクティブヒューズに取り換える必要がなく、コスト低減が可能である。なお、サービスプラグは、高電圧、大電流が流れる部分をメンテナンスする際、電源ラインを遮断して安全に作業するためのプラグで、バッテリ交換の際は必ずサービスプラグを抜く。
【0016】
(5)前記アクティブヒューズがパイロヒューズであることが好ましい。アクティブヒューズがパイロヒューズによって構成されていることから、火薬着火による爆発力によって、瞬時且つ確実にバッテリとメインリレー間の電源ラインの遮断を行うことができるからである。
【0017】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の直流回路開閉装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0018】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1の直流回路開閉装置10について、図1を参照しつつ説明する。直流回路開閉装置10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されている。直流回路開閉装置10は、図1に示すように、バッテリ12と負荷14の間に接続されている。直流回路開閉装置10は、バッテリ12と負荷14の間を繋ぐ電源ライン16を有している。電源ライン16は、正極側電源ライン16aと負極側電源ライン16bを含んでいる。正極側電源ライン16aにはメインリレー18が接続されており、負極側電源ライン16bにはアクティブヒューズであるパイロヒューズ24が接続されている。
【0019】
そして、バッテリ12からメインリレー18およびパイロヒューズ24を介して、車両を走行させ負荷14を構成するモータ20に電力が供給されている。ここで、メインリレー18は、高電圧、高電流、またはその両方を持つ負荷14に使用されるコンタクタ等のリレーを含む機械式のリレーである。そして、ECU等を含んで構成された車両制御ユニット22からの制御信号に基づいて、オン/オフ制御がなされている。また、パイロヒューズ24は、車両制御ユニット22からの制御信号に基づいて、切断が可能となっている。メインリレー18がオンの状態では、バッテリ12とモータ20が接続されてモータ20に電力が供給されている。メインリレー18がオフの状態且つパイロヒューズ24が切断された状態では、バッテリ12とモータ20間の電流が遮断されてモータ20に対する電力の供給が停止されている。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0020】
<バッテリ12>
バッテリ12は、充電可能な複数の二次電池を直列に接続して出力電圧を高く、例えば100V~400Vとしている。また、複数の二次電池を並列に接続して電流容量を大きくすることもできる。この二次電池には、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、ニッケル水素電池などが使用できる。また、二次電池に代えて、あるいはこれに加えて、電気二重層キャパシタ(EDLC)等のキャパシタを利用することもできる。本明細書において二次電池にはキャパシタも含む。
【0021】
<負荷14>
図1に示すように、負荷14は、例えば、大容量のコンデンサ26と、DC/ACインバータ28が並列に接続したものを有している。ここで、負荷14は、DC/ACインバータ28を介してバッテリ12をモータ20に接続している。DC/ACインバータ28は、バッテリ12の直流を交流に変換してモータ20に供給する。なお、モータ20の回生制動時には、モータ20を発電機としてバッテリ12を充電する。本開示の実施形態1では、DC/ACインバータ28を用いているが、DC/DCコンバータを用いても構わない。
【0022】
<パイロヒューズ24>
パイロヒューズ24は、アクティブヒューズである。ここで、アクティブヒューズとは、外部からの制御信号に基づいて切断が可能な素子のことである。より詳細には、パイロヒューズ24は、直流回路開閉装置10において異常を検出した際に、ECU等を含んで構成された車両制御ユニット22からの制御信号に基づいて、切断が可能となっている。
【0023】
<急速充電用電源30>
図1に示すように、直流回路開閉装置10の出力側には、急速充電用電源30がリレー32,32を介して並列に接続されている。これにより、モータ20を停止し、メインリレー18をオンした状態で、急速充電用電源30に充電ステーション等で高圧DC電源を接続しリレー32,32をオンすれば、高圧のバッテリ12を急速充電することが可能となっている。
【0024】
次に、本開示の実施形態1の直流回路開閉装置10の動作について、簡単に説明する。本開示の実施形態1では、電力供給開始当初において、バッテリ12とモータ20が接続されてモータ20に電力を供給することを可能にしている。なお、以下の説明において、かかる状態を、適宜通常状態という。通常状態では、メインリレー18によってバッテリ12と負荷14間の電源ライン16のオンオフ制御が可能となっている。
【0025】
直流回路開閉装置10の電源ライン16には、例えば図示しない電流センサや電圧センサが設けられており、通常状態では電流センサの電流値や電圧センサの電圧値が車両制御ユニット22に送信されている。車両制御ユニット22において、電流値や電圧値が異常値(例えば規定値外の値)であると判定された場合には、車両制御ユニット22からメインリレー18およびパイロヒューズ24に対して制御信号が送信される。これにより、メインリレー18がオフされ且つパイロヒューズ24が切断されて、電源ライン16の正極側電源ライン16aおよび負極側電源ライン16bの両方が確実に遮断される。しかも、パイロヒューズ24がアクティブヒューズによって構成されていることから、火薬着火による爆発力によって、瞬時且つ確実にバッテリ12とメインリレー18間の電源ライン16の遮断を行うことができる。
【0026】
このような構造とされた本開示の直流回路開閉装置10によれば、正極側電源ライン16aにメインリレー18が接続されており、負極側電源ライン16bにパイロヒューズ24が接続されている。通常状態では、メインリレー18によってバッテリ12と負荷14間の電源ライン16のオンオフ制御が可能となっている。車両が衝突した等の異常状態では、車両制御ユニット22からメインリレー18およびパイロヒューズ24に対して制御信号が送信されて、メインリレー18がオフされ且つパイロヒューズ24が切断される。これにより、電源ライン16を確実に遮断することができる。それゆえ、異常時の電源供給を確実に遮断することができ、漏電等の発生のリスクを有利に低減または防止することができる。さらに、高価で大型の特殊構造のメインリレー18の1つ(本実施形態1では従来負極側電源ラインにあったメインリレー)を安価で小型のパイロヒューズ24に置き換えることができる。それゆえ、直流回路開閉装置10を小型化でき且つコスト低減を有利に実現できる。特に、正極側電源ライン16aにプリチャージ回路等が接続されている場合に、回路配索等をコンパクトに行い得る。
【0027】
また、メンテナンス等が必要な場合にも、車両制御ユニット22からメインリレー18およびパイロヒューズ24に対して制御信号が送信されて、メインリレー18がオフされ且つパイロヒューズ24が切断される。これにより、正極側電源ライン16aの端子部(本実施形態1では正極側電源ライン16aの負荷14側の端子部34)には電圧が印加されず、活電部となる不具合の発生も未然に防止することができる。加えて、負極側電源ライン16bの端子部(本実施形態1では負極側電源ライン16bの負荷14側の端子部36)にも電圧が印加されず、活電部となる不具合の発生も未然に防止することができる。
【0028】
<他の実施形態>
以上、本開示の具体例として、実施形態1について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0029】
(1)上記実施形態1では、直流回路開閉装置10として、正極側電源ライン16aにメインリレー18が接続されており、負極側電源ライン16bにパイロヒューズ24が接続されているものを例示して説明を行ったが、これに限定されない。例えば、図2に示す実施形態2の直流回路開閉装置38のように、正極側電源ライン16aにパイロヒューズ24が接続されており、負極側電源ライン16bにメインリレー18が接続されていてもよい。この場合も、上記実施形態1と同様に、メインリレー18によってバッテリ12と負荷14間の負極側電源ライン16bをオンオフ制御することが可能となっている。しかも、バッテリ12と負荷14間の正極側電源ライン16aもパイロヒューズ24に制御信号を送信することによって確実に遮断することができる。したがって、高価で大型のメインリレー18の1つ(本実施形態2では従来正極側電源ラインにあったメインリレー)を安価で小型のパイロヒューズ24で置き換えることができる。それゆえ、直流回路開閉装置38を小型化でき且つコスト低減を実現できる。また、正極側電源ライン16aにメインリレー18を搭載するスペースの確保が困難な場合等においても、負極側電源ライン16bにメインリレー18を搭載することが可能となっている。
【0030】
さらに、メンテナンス等が必要な場合にも、車両制御ユニット22からメインリレー18およびパイロヒューズ24に対して制御信号が送信されて、メインリレー18がオフされ且つパイロヒューズ24が切断される。これにより、負極側電源ライン16bの端子部(本実施形態2では負極側電源ライン16bの負荷14側の端子部36)には電圧が印加されず、活電部となる不具合の発生も未然に防止することができる。加えて、正極側電源ライン16aの端子部(本実施形態2では正極側電源ライン16aの負荷14側の端子部34)にも電圧が印加されず、活電部となる不具合の発生も未然に防止することができる。上記実施形態1および上記実施形態2に示すように、メインリレー18とパイロヒューズ24はそれぞれ、正極側電源ライン16aと負極側電源ライン16bのどちらかに接続されていればよい。したがって、メインリレー18とパイロヒューズ24に対する配置の自由度を向上できる。それゆえ、直流回路開閉装置10,38を全体としてコンパクトに作することができる。
【0031】
(2)また、図3に示す実施形態3の直流回路開閉装置40のように、パイロヒューズ24に対して直列にサービスプラグ42が接続されていてもよい。上記実施形態1および上記実施形態2では、パイロヒューズ24を一度遮断に使用した場合は破壊してしまうため再利用できず、新たなパイロヒューズ24が必要となる。そこで、本実施形態3の直流回路開閉装置40のようにパイロヒューズ24に対して直列にサービスプラグ42を接続することにより、サービスプラグ42によって電源ライン16を遮断することができる。この結果、パイロヒューズ24を取り換える必要がなく、コスト低減が可能である。なお、サービスプラグ42は、高電圧、大電流が流れる部分をメンテナンスする際、電源ライン16を遮断して安全に作業するためのプラグで、バッテリ12交換の際は必ずサービスプラグ42を抜く。本実施形態3においても、上記実施形態1および上記実施形態2と同様に、高価で大型のメインリレー18の1つを安価で小型のパイロヒューズ24で置き換えることができるので、直流回路開閉装置40を小型化でき且つコスト低減を実現できる。
【0032】
(3)さらに、図4に示す実施形態4の直流回路開閉装置44のように、正極側電源ライン16aにおいて、パイロヒューズ24に対して直列にサービスプラグ42が接続されていてもよい。この場合も、上記実施形態3の直流回路開閉装置40と同様の効果があることは明らかである。
【符号の説明】
【0033】
10 直流回路開閉装置(実施形態1)
12 バッテリ
14 負荷
16 電源ライン
16a 正極側電源ライン
16b 負極側電源ライン
18 メインリレー
20 モータ(負荷)
22 車両制御ユニット
24 パイロヒューズ(アクティブヒューズ)
26 コンデンサ
28 DC/ACインバータ
30 急速充電用電源
32 リレー
34 端子部
36 端子部
38 直流回路開閉装置(実施形態2)
40 直流回路開閉装置(実施形態3)
42 サービスプラグ
44 直流回路開閉装置(実施形態4)
図1
図2
図3
図4