IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サタケの特許一覧

<>
  • 特許-選別装置及び選別方法 図1
  • 特許-選別装置及び選別方法 図2
  • 特許-選別装置及び選別方法 図3
  • 特許-選別装置及び選別方法 図4
  • 特許-選別装置及び選別方法 図5
  • 特許-選別装置及び選別方法 図6
  • 特許-選別装置及び選別方法 図7A
  • 特許-選別装置及び選別方法 図7B
  • 特許-選別装置及び選別方法 図7C
  • 特許-選別装置及び選別方法 図8
  • 特許-選別装置及び選別方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】選別装置及び選別方法
(51)【国際特許分類】
   B07B 11/04 20060101AFI20240924BHJP
   B07B 4/08 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B07B11/04
B07B4/08 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020177809
(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公開番号】P2022068957
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】中川 朋隆
(72)【発明者】
【氏名】頼岡 誠治
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-081169(JP,A)
【文献】実開昭62-049939(JP,U)
【文献】実開昭61-187278(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 11/04
B07B 4/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
網目状部を備える粗選別部と、
前記粗選別部の下部に設けられ、複数の切起しを備える第一スロープ部と、
前記第一スロープ部の下部に配置される第一送風部と、
前記第一スロープ部での選別に伴う第一圧力情報、第一近接情報、並びに前記第一圧力情報及び前記第一近接情報のいずれか1つを検出する第一検出部と、
前記第一送風部の下部に設けられ、複数の切起しを備え、前記第一スロープ部と略平行に設けられた第二スロープ部と、
前記第二スロープ部の下部に配置される第二送風部と、
前記第二スロープ部での選別に伴う第二圧力情報、第二近接情報、並びに前記第二圧力情報及び前記第二近接情報のいずれか1つを検出する第二検出部と
前記第一検出部で検出される前記第一圧力情報、前記第一近接情報、並びに前記第一圧力情報及び前記第一近接情報のいずれか1つに基づき、前記第一送風部からの風量を制御し、
前記第二検出部で検出される前記第二圧力情報、前記第二近接情報、並びに前記第二圧力情報及び前記第二近接情報のいずれか1つに基づき、前記第二送風部からの風量を制御する風量制御部と、を備え、
前記第二検出部で検出する前記第二圧力情報の下限値及び上限値は、前記第一検出部で検出する前記第一圧力情報の下限値及び上限値よりも高く設定し、
前記第二検出部で検出する前記第二近接情報の閾値は、前記第一検出部で検出する前記第一近接情報の閾値よりも低く設定する、ことを特徴とする、
選別装置。
【請求項2】
前記第一検出部が、前記第一圧力情報を検出する第一圧力検出部及び/又は前記第一近接情報を検出する第一近接検出部であ
前記第二検出部が、前記第二圧力情報を検出する第二圧力検出部及び/又は前記第二近接情報を検出する第二近接検出部である、
請求項1に記載の選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別装置及び選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
数種の粒状物を含む混合物から所定の粒状物を選別するため、各種の選別機器が用いられる。
【0003】
特許文献1には、加圧空気室内の圧力値に基づいて振動板の振動数を制御することにより、振動板上にある被選別物の量を一定に保ちつつ、粒状物を選別する比重選別機が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、選別板に至る前の段階で検出された選別物又は被選別物の水分に基づいて、送風ファンからの風量を制御する比重選別機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-1026号公報
【文献】特開平10-151418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、振動板の振動数を多くしたとしても、振動板上に積層した粒状物の安息角が比較的大きい場合には、粒状物が振動板上に拡がりにくい。そのため、振動板上の粒状物の積層状態が維持されやすくなり、粒状物の選別が困難になり得る。
【0007】
また、特許文献2では、例えば、振動板上に積層した物質の安息角が比較的大きい場合があるにもかかわらず、送風ファンからの風量を増加させるとの制御につながらないことにより、振動板上の物質の積層状態が維持されやすくなり、粒状物の選別が困難になり得る。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、混合物から対象とする粒状物を効率よく選別することができる選別装置及び選別方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る選別装置は、網目状部を備える粗選別部を備える。また、本発明に係る選別装置は、粗選別部の下部に設けられた、複数の切起しを備える第一スロープ部と、前記第一スロープ部の下部に配置される第一送風部と、前記第一スロープ部での選別に伴う第一圧力情報、第一近接情報、並びに前記第一圧力情報及び前記第一近接情報のいずれか1つを検出する第一検出部と、前記第一送風部の下部に設けられ、複数の切起しを備え、前記第一スロープ部と略平行に設けられた第二スロープ部と、前記第二スロープ部の下部に配置される第二送風部と、前記第二スロープ部での選別に伴う第二圧力情報、第二近接情報、並びに前記第二圧力情報及び前記第二近接情報のいずれか1つを検出する第二検出部と、前記第一検出部で検出される前記第一圧力情報、前記第一近接情報、並びに前記第一圧力情報及び前記第一近接情報のいずれか1つに基づき、前記第一送風部からの風量を制御し、前記第二検出部で検出される前記第二圧力情報、前記第二近接情報、並びに前記第二圧力情報及び前記第二近接情報のいずれか1つに基づき、前記第二送風部からの風量を制御する風量制御部と、を備え、前記第二検出部で検出する前記第二圧力情報の下限値及び上限値は、前記第一検出部で検出する前記第一圧力情報の下限値及び上限値よりも高く設定し、前記第二検出部で検出する前記第二近接情報の閾値は、前記第一検出部で検出する前記第一近接情報の閾値よりも低く設定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、混合物から対象とする粒状物を効率よく選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態に係る選別装置の概略斜視図である。
図2図1のI-I’断面概略図である。
図3】本実施の形態に係る選別装置が備えるスロープ部を示す図であって、(A)隆起部を有するスロープ部の概略斜視図、(B)窪み部を有するスロープ部の概略斜視図である。
図4】本実施の形態に係る選別装置が備える送風部、スロープ部、検出部の概略斜視部分透視図である。
図5】本実施の形態に係る選別装置が備える近接検出部による風量制御のフロー図である。
図6】本実施の形態に係る選別装置が備える圧力検出部による風量制御のフロー図である。
図7A】本実施の形態に係る選別装置が備える近接検出部及び圧力検出部による風量制御の各フロー図である。
図7B】本実施の形態に係る選別装置が備える近接検出部及び圧力検出部による風量制御の各フロー図である。
図7C】本実施の形態に係る選別装置が備える近接検出部及び圧力検出部による風量制御の各フロー図である。
図8】本実施の形態に係る、2つ目以降のスロープ部を備える選別装置を例示した概略斜視部分透視図である。
図9】本実施の形態に係る、2つ目以降のスロープ部を備える選別装置の2つ目以降のスロープ部を例示した概略斜視部分透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る選別装置1について、図面を例示して説明する。なお、図1に示すように、選別装置1の高さ方向をY軸方向、選別装置1の上面方向又は下面方向の長手方向をX軸方向、XY軸に垂直な方向をZ軸方向とするXYZ座標系を設定し、適宜用いて説明する。また、各部材の厚さ、寸法などは、説明のために適宜省略する。
【0013】
(実施例1)
図1及び図2に示すように、選別装置1は、混合物2を粒径に基づいて選別する粗選別部3と、粗選別部3で選別された混合物2をスロープ部5に案内する搬送部4と、複数の切起しを備えるスロープ部5と、スロープ部5の下部に配置される送風部6と、送風部6内の圧力情報を検出する圧力検出部7、所定の粒径以下の径を有する混合物2b若しくは粒状物2c、2dの近接情報を検出する近接検出部8、又は圧力検出部7及び近接検出部8と、送風部6からの風量を制御する風量制御部9と、を備える。なお、本明細書において、「検出」とは、少なくとも、検出又は検知をいう。また、「粒状物」とは、例えば、米、小麦などの穀物、及び礫、シルト、砂、石などの砕屑物を含み、「混合物」とは、1種又は複数種の粒状物を含む。なお、本明細書において、「近接情報」とは、検出対象としての物と近接検出部8との距離が予め設定された距離以下になると検出可能に置き換えられた電気的信号をいう。また、「近接」には、接触、当接も含まれる。
【0014】
粗選別部3は、筐体10上部の投入口11から筐体10の内部に投入された混合物2を粒径に基づいて選別する部材である。粗選別部3は複数の網目を有する網目状部を備える板状部材であり、網目状部を介して、混合物2を所定の粒径よりも大きな径を有する混合物2aと所定の粒径以下の径を有する混合物2bとに選別する。
【0015】
所定の粒径よりも大きな径を有する混合物2aは網目状部を通過せずに、図示しない排出部から排出され、所定の粒径以下の径を有する混合物2bは網目状部を通過して搬送部4に搬出される。また、粗選別部3は、図示しない第1揺動制御部により揺動可能に設けられる。
【0016】
搬送部4は、粗選別部3の下部に設けられ、粗選別部3で選別された所定の粒径以下の径を有する混合物2bを、後述するスロープ部5に案内するためのコンベアである。搬送部4の一端部は、粗選別部3の網目状部の下部に配置されており、主に粗選別部3で選別された所定の粒径以下の径を有する混合物2bを受け取る。搬送部4の他端部は、スロープ部5の中央部、又は中央部よりも上端部側に配置されており、所定の粒径以下の径を有する混合物2bをスロープ部5の上端部側に案内する。このように、搬送部4が一端部から他端部にわたる形状を有することにより、送風部6から送られてくる風によって浮揚させられる、比較的比重の小さい混合物又は粒状物2cが、搬送部4よりも上部へ搬送され難くなる。
【0017】
搬送部4の他端部の近傍にはマグネット部12が設けられている。所定の粒径以下の径を有する混合物2b中に磁性を有する異物が混合されている場合、搬送部4とマグネット部12との間を通過する所定の粒径以下の径を有する混合物2b中から、磁性を有する異物を取り除く。
【0018】
図3(A)及び(B)に示すように、スロープ部5は板状部材により形成され、搬送部4から搬送された、所定の粒径以下の径を有する混合物2bを受け取る部材である。また、スロープ部5は、選別板としても機能し、後述する送風部6からの風により、所定の粒径以下の径を有する混合物2bから、選別対象の粒状物2cの比重と比較した場合に大きな比重を有する混合物又は粒状物2dと、選別対象の粒状物2cと、が選別される。
【0019】
また、本実施の形態に係る選別装置1の内部に、図2に示すようにスロープ部5が傾斜を設けて設置されることにより、スロープ部5は傾斜する面(斜面)を形成する。また、スロープ部5は、図示しない第2揺動制御部により、送風部6の揺動に随伴して揺動可能に設けられる。この揺動が一つの契機となり、所定の粒径以下の径を有する混合物2bの中で、選別対象の粒状物2cよりも大きな比重を有する混合物又は粒状物2dがスロープ部5の上端部側に案内される。なお、スロープ部5の一部を拡大した断面図を、一例として図中に記載もしている。
【0020】
図3(A)及び(B)に示すように、板状部材は複数の切起しを有する。また、板状部材において、切起しが上に凸又は下に凸にそれぞれ形成され、隆起部14a又は窪み部14bを形成する。また、この切起しにより、板状部材の斜面の上端部側に向かって開口が規定される。この開口は、風が通過可能な通風孔として機能する。また、選別対象の粒状物2cの比重と比較した場合に、大きな比重を有する混合物又は粒状物2dのサイズは、この開口である通風孔のサイズよりも大きい。そのため、切起しにより形成される隆起部14a及び窪み部14bがそれぞれストッパーとして機能し、スロープ部5の揺動と、通風孔を通過する風と、が、大きな比重を有する混合物及び粒状物2dを板状部材の斜面の上端部側に向かって移動させる。また、隆起部14a及び窪み部14bは、隆起部14a又は窪み部14bに入り込んでいる、大きな比重を有する混合物及び粒状物2dの、斜面の下端部側への移動を防止する。
【0021】
また、通風孔を通過する風は、選別対象の粒状物2c(大きな比重を有する粒状物2dよりも小さな比重を有する粒状物)を、スロープ部5の上部空間に浮揚させる。なお、隆起部14a及び窪み部14bの数及び配設間隔は、それぞれ任意に設定可能である。また、切起しが上に凸に形成(隆起部14aが形成)された板状部材と切起しが下に凸に形成(窪み部14bが形成)された板状部材とは、それぞれ任意に適用可能である。
【0022】
隆起部14a又は窪み部14bは、板状部材の全面にわたり設けられており、千鳥状に配列させて、設けられている。そのため、板状部材の揺動があっても、開口である通風孔を介して板状部材の下面から上面の全体に向かって、通風可能である。
【0023】
図2及び図4に示すように、送風部6は、スロープ部5に向けて送風する部分であり、スロープ部5の下部に配置されている。送風部6は、上部が開口している筐体15と、回動機構により回動可能な羽根車16と、を備える。送風部6の少なくとも一部は、図示しない駆動モータ、カム機構などの駆動機構によって、揺動する。なお、本明細書において、「回動」とは回転を含む。
【0024】
送風部6の筐体15は、少なくとも側面部17と底面部18とにより形成される箱体であり、上面が開口して形成されている。少なくとも、筐体15の側面部17により規定される上面の形状及び寸法は、スロープ部5の板状部材の形状及び寸法と同一又は略同一であり、スロープ部5を載置可能な形状を有する。なお、図4では、スロープ部5の隆起部14a又は窪み部14bを省略している。
【0025】
側面部17は、2つ以上の板状の部材により形成される。筐体15の左右側面(X軸方向で対向する側面)を形成する少なくとも2つの板状の部材は、同一又は略同一の形状及びサイズを有し、互いに対向して鏡像体様に設けられる。
【0026】
底面部18は、1つ又は複数の板状の部材により形成される。筐体15の中央部又は中央部よりも後方側は半円筒形状に形成されており、X軸と同軸方向の長手軸を有する。この半円筒形状に形成された部分に、羽根車16が収容される。半円筒形状に形成された部分の一側端部及び一側端部に対向する側端部は、緩やかに立ち上がる平板状の部材を介して、筐体15の前方端部及び後方端部とそれぞれ接続している。
【0027】
このように、筐体15の上面が開口し、開口は側面部17及び底面部18により規定されるため、送風方向が筐体15の上面方向に規定される。そのため、羽根車16の回動によって生じる風を、筐体15の上部からスロープ部5に向けて効率的に送ることができる。
【0028】
なお、筐体15の緩やかに立ち上がる平板状の部材は、底面部18として表されてもよい。
【0029】
羽根車16は、筐体15に収容される回動部材であり、シャフト部19と、1又は複数の羽根部20と、を有する部材である。
【0030】
シャフト部19は、回動可能な棒状部材であり、筐体15の半円筒形に形成された部分の長手軸と同軸を有する。
【0031】
羽根部20は、シャフト部19を起点として1又は複数設けられる部材であり、それぞれの羽根部20は同一の形状を有する。4つの羽根部20はシャフト部19に設けられており、それぞれの羽根部20はシャフト部19の回動方向に対して、90°の回転対称に設けられている。また、それぞれの羽根部20は、屈曲及び/又は湾曲してもよい。
【0032】
選別装置1は、圧力検出部7と、近接検出部8と、風量制御部9と、を備える。圧力検出部7及び近接検出部8は、図示しないインターフェースを介して風量制御部9に接続されている。
【0033】
圧力検出部7は、送風部6内の圧力情報を検出するセンサである。圧力検出部7は、送風部6内の圧力情報を示す圧力値を取得し、取得した圧力値を風量制御部9に送信する。なお、本明細書において、「圧力」とは、少なくとも、静圧、接触に伴う圧力のいずれか1つをいう。
【0034】
圧力検出部7は、送風部6の筐体15の内部に設けられるセンサであり、設置位置としては、後述する近接検出部8の設置可能範囲に対向する位置又はその近傍に、設けることができる。
【0035】
近接検出部8は、スロープ部5の上部に配置されているセンサであり、物の接近を検知することもできる近接センサである。例えば、混合物2b、粒状物2cなどと近接検出部8との距離が予め設定された距離以下になるとパルス信号を発する。
【0036】
本実施例では、近接検出部8は、搬送部4の下面又はその近傍の部位(図示せず)に接続している。また、スロープ部5の板状部材の斜面から近接検出部8までの垂線の長さ(間隙)は、20mm~25mmであることが好ましい。近接検出部8は、垂線が接する近接検出部8の面に物が接触したときの圧力情報、又は近接したときの近接情報を検出する。
【0037】
近接検出部8の接続位置として、送風部6のシャフト部19と対向する搬送部4の位置からスロープ部5の上端部にわたる位置にかけての部位から、選択される。これにより、スロープ部5の揺動により、スロープ部5に粒状物2c、2dが、ある程度拡がった形態を基準にして、少なくとも粒状物2cの接触圧又は近接情報を検出することができる。また、粒状物2c、2dをある程度均一に、スロープ部5上に分布させることができるため、搬送部4の左右の幅方向(X軸方向)の広い範囲の部位に、近接検出部8を配置させ、接続させることができる。なお、本明細書において、「接触圧」とは、少なくとも、近接検出部8に対する粒状物の接触に伴う圧力情報をいう。
【0038】
近接検出部8は、スロープ部5の上部空間を浮揚する、少なくとも粒状物2cの近接情報を検出すると、検出した近接情報が置き換えられた電気的信号を風量制御部9に送信する。
【0039】
風量制御部9は、圧力検出部7で検出された送風部6内の圧力情報、近接検出部8で検出された、少なくとも粒状物2cの近接情報、又はこれら圧力情報と近接情報との組合せに基づいて、送風部6からの風量を制御する部分である。
【0040】
このような構成を有する選別装置1の風量制御部9の制御を説明する。なお、風量制御部9の制御は、選別装置1において、繰り返し実行される。
【0041】
(圧力検出部7からの信号に基づく風量調節)
選別装置1が圧力検出部7を備え、圧力検出部7が、適宜、送風部6の圧力情報を検出した場合、風量制御部9は圧力検出部7から送信された圧力情報(第1値)に基づいて、選別装置1を適宜作動させるように、送風部6の羽根車16の回転を制御する。
【0042】
まず、風量制御部9には、圧力検出部7で検出される圧力情報が、下限値及び上限値として設定されている。そして、下限値以上、上限値以下として規定される数値範囲が、第1値の適正範囲として設定される。この値に基づいて、風量制御部9は羽根車16を回転させる。なお、各種の粒状物2cごとに、適正な下限値及び上限値を予め求めておく。
【0043】
圧力検出部7が、適宜、送風部6の圧力情報を検出した際、風量制御部9には、圧力検出部7から検出された信号(第1値)が送信される。この第1値に基づいて、風量制御部9は、第1値が適正範囲内(下限値以上、かつ、上限値以下)か、下限値よりも低いのか、又は上限値よりも高いのか、を判定する。この判定に基づいて、風量制御部9は、羽根車16の回転を制御する。
【0044】
(近接検出部8からの信号に基づく風量調節)
選別装置1が近接検出部8を備え、近接検出部8が、少なくとも粒状物2cの近接情報(第2値)を検出した場合、風量制御部9は近接検出部8から送信された第2値に基づいて、選別装置1を適宜作動させるように、送風部6の羽根車16の回転を制御する。
【0045】
まず、風量制御部9には、近接検出部8で検出される第2値に対する閾値が設定されている。そして、第2値に基づいて、風量制御部9は羽根車16の回転を制御する。なお、各種の粒状物2cごとに、適正な閾値を予め求めておく。
【0046】
近接検出部8が、適宜、物の近接情報を検出した際、風量制御部9には、近接検出部8から検出された第2値が送信される。この第2値に基づいて、風量制御部9は、第2値が閾値以上か否かを判定する。この判定に基づいて、風量制御部9は、羽根車16の回転を制御する。
【0047】
(圧力検出部7及び近接検出部8からの信号に基づく風量調節)
また、選別装置1が圧力検出部7及び近接検出部8を備える場合、風量制御部9は、圧力検出部7から送信された第1値及び近接検出部8から送信された第2値に基づいて、選別装置1を適宜作動させるように、送風部6の羽根車16の回転を制御する。
【0048】
まず、風量制御部9には、圧力検出部7で検出される圧力情報が、下限値及び上限値として設定されている。この下限値以上、上限値以下として規定される数値範囲が、第1値の適正範囲として設定される。なお、各種の粒状物2cごとに、適正な下限値及び上限値を予め求めておく。
【0049】
また、風量制御部9には、近接検出部8で検出される第2値に対する閾値が設定されている。この閾値に基づいて、風量制御部9は羽根車16の回転を制御する。なお、各種の粒状物2cごとに、適正な閾値を予め求めておく。
【0050】
圧力検出部7が、適宜、少なくとも送風部6の圧力情報を検出した場合、風量制御部9には、圧力検出部7から検出された信号(第1値)が送信される。この第1値に基づいて、風量制御部9は、第1値が適正範囲内(下限値以上、かつ、上限値以下)か、下限値よりも低いのか、又は上限値よりも高いのか、を判定する。
【0051】
また、近接検出部8が、適宜、物の近接情報を検出した際、風量制御部9には、近接検出部8で検出された信号(第2値)が送信される。この第2値に基づいて、風量制御部9は、第2値が閾値以上か否かを判定する。
【0052】
これら圧力検出部7及び近接検出部8の判定に基づいて、風量制御部9は、羽根車16の回転を制御する。
【0053】
次に、選別装置1を用いて、混合物から粒状物を選別する方法について説明する。以下、比重の小さな粒状物2cとしての米と、米よりも比重の大きな粒状物2dとしての石と、を含む混合物2を例に、説明する。
【0054】
(近接検出部8からの信号に基づく風量調節)
まず、予め、粒状物2cとしての米について、近接検出部8で検出される第2値に対する閾値を求めて設定しておく。図5に示すように、この閾値を風量制御部9に設定しておく(ステップS1)。この閾値に基づいて、風量制御部9は羽根車16の回動を制御する(ステップS2)。
【0055】
次に、選別装置1に投入された混合物2を、粗選別部3で粒径に基づいて選別する。図示しない第1揺動制御部による制御により、粗選別部3は揺動する。これにより、効率的に混合物2を、所定の粒径よりも大きな径を有する混合物2aと、所定の粒径以下の径を有する混合物2bとに選別する。粗選別部3での選別により、所定の粒径よりも大きな径を有する混合物2aは、網目状部を通過せずに図示しない排出部から排出され、所定の粒径以下の径を有する混合物2bは搬送部4に搬送される。
【0056】
搬送部4は、所定の粒径以下の径を有する混合物2bをスロープ部5に搬送する。このとき、所定の粒径以下の径を有する混合物2bが搬送部4とマグネット部12との間を通過することにより、所定の粒径以下の径を有する混合物2bから、磁性を有する異物を取り除く。
【0057】
スロープ部5に搬送された混合物2bは、スロープ部5の揺動により、スロープ部5上に拡げられる。また、スロープ部5の開口には、米と比較して大きな比重を有する石が入り込み、送風部6で発生し通風孔を通過する風と、スロープ部5の揺動と、により、スロープ部5の斜面をその上端部側に向かって移動する。
【0058】
また、通風孔を通過する風により、米をスロープ部5の上部空間に浮揚させる。スロープ部5の上部空間を浮揚する米は、スロープ部5の下端部側に移動する。
【0059】
スロープ部5の上部空間を浮揚する米が近接検出部8に近接した際、その近接情報を近接検出部8が検出すると、近接検出部8は、第2値を風量制御部9に送信する(ステップS3)。
【0060】
風量制御部9は、近接検出部8から送信された第2値が閾値以上か否かを判定する。
【0061】
まず、ケース1に示すように、風量制御部9が、第2値を閾値以上と判定した場合には、風量制御部9は、風量を増加させる制御をするため、羽根車16の回転速度を増加させる制御をする(ステップS4)。ステップS4の後、風量制御部9が、第2値を閾値以上か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。また、ステップS5での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値以上にある場合には、風量制御部9は、処理をステップS4に戻す。
【0062】
また、ケース2に示すように、風量制御部9が、第2値を閾値よりも低いと判定した場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする(ステップS6)。
【0063】
風量制御部9による、少なくとも上記いずれかの制御の後、スロープ部5の上端部側に移動した石は、スロープ部5の上端部側の排出口21を介して、選別装置1の外部に排出された後、選別処理を終了する。このとき、米と石とが混合している場合には、再度、選別装置1に、この米と石との混合物を投入し、スロープ部5の上端部側の排出口21から石のみが選別装置1の外部に排出されるまで同様の処理を繰り返してよい。一方、スロープ部5の上部空間に浮揚する米はスロープ部5の下端部側に移動し、スロープ部5の下端部側の排出口22から選別装置1の外部に排出される。このとき、米と石とが混合している場合には、再度、選別装置1にこの米と石との混合物を投入し、スロープ部5の下端部側の排出口22から米のみが選別装置1の外部に排出されるまで同様の処理を繰り返してよい。
【0064】
(圧力検出部7からの信号に基づく風量調節)
次に、圧力検出部7からの信号に基づく風量調節がなされる場合について説明する。なお、上述の近接検出部8からの信号に基づく風量調節での説明と同様の箇所については、適宜、説明を省略する。なお、以下では、圧力検出部7が検出する圧力情報に含まれる圧力を、静圧として説明する。
【0065】
まず、予め、粒状物2cとしての米について、圧力検出部7で検出される圧力情報(第1値)の、適正な下限値及び上限値を求めておく。図6に示すように、この下限値及び上限値は風量制御部9に設定されており、この下限値以上、上限値以下として規定される数値範囲を、第1値の適正範囲として設定する(ステップS7)。これらの値に基づいて、風量制御部9は羽根車16の回転を制御する(ステップS8)。
【0066】
粗選別部3で粒径に基づいて選別され、搬送部4からスロープ部5に搬送された混合物2bは、スロープ部5の揺動によりスロープ部5上に拡げられる。また、スロープ部5の開口には、米と比較して大きな比重を有する石が入り込み、送風部6で発生し通風孔を通過する風と、スロープ部5の揺動と、により、スロープ部5の斜面をその上端部側に向かって移動する。
【0067】
また、通風孔を通過する風により、米をスロープ部5の上部空間に浮揚させる。スロープ部5の上部空間を浮揚する米は、スロープ部5の下端部側に移動する。
【0068】
圧力検出部7が、適宜、送風部6内の圧力情報を検出すると、圧力検出部7は、風量制御部9にその圧力情報(第1値)を送信する(ステップS9)。
【0069】
風量制御部9は、圧力検出部7から送信された第1値が、下限値以上、かつ、上限値以下(適正範囲内)か、下限値よりも低いのか、又は上限値よりも高いのか、を判定する。
【0070】
まず、ケース1に示すように、風量制御部9が、第1値を適正範囲内にあると判定した場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。
【0071】
また、ケース2に示すように、風量制御部9が、第1値を下限値よりも低いと判定した場合には、風量制御部9は、風量を減少させる制御をするため、羽根車16の回転速度を低下させる制御をする(ステップS10)。ステップS10の後、風量制御部9が、第1値を適正範囲内にあるか否か判定する(ステップS11)。ステップS11での風量制御部9による判定の結果、第1値が適正範囲内にある場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。また、ステップS11での風量制御部9による判定の結果、第1値が適正範囲内にない場合には、風量制御部9は、処理をステップS10に戻す。
【0072】
また、ケース3に示すように、風量制御部9が、第1値を上限値よりも高いと判定した場合には、風量制御部9は、風量を増加させる制御をするため、羽根車16の回転速度を増加させる制御をする(ステップS12)。ステップS12の後、風量制御部9が、第1値を適正範囲内にあるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13での風量制御部9による判定の結果、第1値が適正範囲内にある場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。また、ステップS13での判定の結果、第1値が適正範囲内にない場合には、風量制御部9は、処理をステップS12に戻す。
【0073】
風量制御部9による、少なくとも上記いずれかの制御の後、スロープ部5の上端部側に移動した石は、スロープ部5の上端部側の排出口21を介して、選別装置1の外部に排出された後、選別処理を終了する。このとき、米と石とが混合している場合には、再度、選別装置1に、この米と石との混合物を投入し、スロープ部5の上端部側の排出口21から石のみが選別装置1の外部に排出されるまで同様の処理を繰り返してよい。一方、スロープ部5の上部空間に浮揚する米はスロープ部5の下端部側に移動し、スロープ部5の下端部側の排出口22から選別装置1の外部に排出される。このとき、米と石とが混合している場合には、再度、選別装置1にこの米と石との混合物を投入し、スロープ部5の下端部側の排出口22から米のみが選別装置1の外部に排出されるまで同様の処理を繰り返してよい。
【0074】
(圧力検出部7及び近接検出部8からの信号に基づく風量調節)
次に、圧力検出部7及び近接検出部8からの信号に基づく風量調節がなされる場合について説明する。なお、上述の圧力検出部7又は近接検出部8からの信号に基づく風量調節での説明と同様の箇所については、適宜、説明を省略する。
【0075】
まず、予め、粒状物2cとしての米について、圧力検出部7で検出される圧力情報(第1値)の、適正な下限値及び上限値を求めておく。また、近接検出部8で検出される第2値に対する閾値を求めておく。この下限値及び上限値、並びに閾値は、風量制御部9に設定されており、図7に示すように、この下限値以上、上限値以下として規定される数値範囲を、第1値の適正範囲として設定する(ステップS14)。これらの値に基づいて、風量制御部9は羽根車16の回転を制御する(ステップS15)。
【0076】
粗選別部3で粒径に基づいて選別され、搬送部4からスロープ部5に搬送された混合物2bは、スロープ部5の揺動によりスロープ部5上に拡げられる。また、スロープ部5の開口には、米と比較して大きな比重を有する石が入り込み、送風部6で発生し通風孔を通過する風と、スロープ部5の揺動と、により、スロープ部5の斜面をその上端部側に向かって移動する。
【0077】
また、通風孔を通過する風により、米をスロープ部5の上部空間に浮揚させる。スロープ部5の上部空間を浮揚する米は、スロープ部5の下端部側に移動する。
【0078】
圧力検出部7が、適宜、送風部6内の圧力情報を検出すると、圧力検出部7は、風量制御部9にその圧力情報(第1値)を送信する(ステップS16)。
【0079】
風量制御部9は、圧力検出部7から送信された第1値が、下限値以上、かつ、上限値以下(適正範囲内)か、下限値よりも低いのか、上限値よりも高いのか、を判定する。
【0080】
また、スロープ部5の上部空間を浮揚する米が近接検出部8に近接した際、その近接情報を近接検出部8が検出すると、近接検出部8は、近接情報(第2値)を風量制御部9に送信する(ステップS16)。
【0081】
風量制御部9は、近接検出部8から送信された第2値が閾値以上か否かを判定する。
【0082】
まず、第1値が下限値よりも低い場合について説明する。
図7(A)のケース1に示すように、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるために羽根車16の回転速度を維持させる制御をする、又は羽根車16の回転速度を低下させる制御をする。このとき、例えば、アラームなどにより、操作者、作業者などに異常な選別処理が行われているとして報告処理がなされてもよい。
【0083】
また、ケース2に示すように、第2値が閾値以上の場合には、風量制御部9は、羽根車16の回転速度を維持又は増加させる制御をする。
【0084】
次に、第1値が適正範囲内にある場合について説明する。
図7(B)のケース3に示すように、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、前述のケース1のときよりも正常な選別処理の状況と判定し、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。
【0085】
ケース4に示すように、第2値が閾値以上の場合には、風量制御部9は、第1値の適正範囲から外れない限度で風量を増加させる制御をするため、羽根車16の回転速度を増加させる制御をする(ステップS17)。ステップS17の後、風量制御部9が、第2値を閾値以上か否か判定する(ステップS18)。ステップS18での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。また、ステップS18での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値以上の場合には、風量制御部9は、処理をステップS17に戻す。
【0086】
次に、第1値が上限値よりも高い場合について説明する。
図7(C)のケース5に示すように、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、原則として、正常な選別処理と判定する。この場合、風量制御部9は、第1値の適正範囲の上限値以下になる限度、好ましくは第1値の適正範囲内、かつ、第2値が閾値よりも低い値となるように、羽根車16の回転速度を低下させる制御をする(ステップS19)。ステップS19の後、風量制御部9が、第2値を閾値よりも低いか否か判定する(ステップS20)。ステップS20での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。また、ステップS20での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値以上となる場合には、風量制御部9は、処理をステップS19に戻す。
【0087】
ケース6に示すように、第2値が閾値以上にある場合には、風量制御部9は、第1値の適正範囲の上限値以下になる限度、好ましくは第1値の適正範囲内、かつ、第2値が閾値よりも低い値となるように、風量を増加させる制御をするため、羽根車16の回転速度を増加させる制御をする(ステップS21)。ステップS21の後、風量制御部9が、第2値を閾値以上か否か判定する(ステップS22)。ステップS22での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値よりも低い場合には、風量制御部9は、一定の風量を維持させるため、羽根車16の回転速度を維持させる制御をする。また、ステップS22での風量制御部9による判定の結果、第2値が閾値以上となる場合には、風量制御部9は、処理をステップS21に戻す。
【0088】
なお、第1値を基準にした場合の第2値に基づく風量調整を例に説明したが、第2値を基準にした場合の第1値に基づく風量調節を例に説明することも可能である。
【0089】
風量制御部9による、少なくとも上記いずれかの制御の後、スロープ部5の上端部側に移動した石は、スロープ部5の上端部側の排出口21を介して、選別装置1の外部に排出された後、選別処理を終了する。このとき、米と石とが混合している場合には、再度、選別装置1に、この米と石との混合物を投入し、スロープ部5の上端部側の排出口21から石のみが選別装置1の外部に排出されるまで同様の処理を繰り返してよい。一方、スロープ部5の上部空間に浮揚する米はスロープ部5の下端部側に移動し、スロープ部5の下端部側の排出口22から選別装置1の外部に排出される。このとき、米と石とが混合している場合には、再度、選別装置1にこの米と石との混合物を投入し、スロープ部5の下端部側の排出口22から米のみが選別装置1の外部に排出されるまで同様の処理を繰り返してよい。
【0090】
なお、本発明は、上記の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0091】
(実施例2)
上記の実施の形態では、1つのスロープ部5を備える選別装置1について説明した。ここでは、2つ以上のスロープ部を備える選別装置1について、図面を例示して説明する。なお、実施例1の説明と同様の箇所については、適宜、説明を省略する。
【0092】
図8及び図9に示すように、2つ目以降の第二スロープ部23は天板24を有する。この天板24は、実施例1の搬送部4と同様に、2つ目以降の第二スロープ部23の下部に設けられる第二送風部25からの風により巻き上げられる米を、第二スロープ部23よりも上部へ搬送され難くする。
【0093】
また、第二スロープ部23は、実施例1で説明した送風部6の下部に設けられ、少なくとも各スロープ部5、23は、上下方向で、それぞれ平行又は略平行に設けられている。
【0094】
実施例1で説明したスロープ部5の上端部と、2つ目以降の第二スロープ部23の天板24の一部と、は、管状部材26を介して、連結されている。このような構成により、第一スロープ部5の上端部から管状部材26を介して、少なくとも米が2つ目以降の第二スロープ部23に搬送される。これにより、一度の選別による選別精度を向上させることができる。
【0095】
2つ目以降の第二スロープ部23の下部に配置された第二送風部25の内部に第二圧力検出部7が設けられる場合には、上部の第一送風部6の内部に設けられた第一圧力検出部7と相似する位置に設けられる。
【0096】
また、第二近接検出部8は、管状部材26の近傍下側の天板に接続している。
【0097】
また、実施例1と同様に、これらの第二圧力検出部7及び第二近接検出部8も、風量制御部9が制御する。
【0098】
なお、実施例1及び2を説明する際に用いた図中において、風量制御部9の位置は、選別装置1の下部に記載してあるが、風量制御を実現できるのであれば、これに限定されない。例えば、選別装置1の内部のみならず、外部に配置されてもよい。
【0099】
2つ目以降の第二スロープ部23で粒選別がされる場合、1つ目の第一スロープ部5での粒選別が完了した後に、又は粒選別の途中で、管状部材26を介して、少なくとも米を2つ目以降の第二スロープ部23に搬送する。
【0100】
また、2つ目以降の第二スロープ部23で粒選別がされる場合には、第二近接検出部8に設定する閾値は、実施例1の閾値よりも低く設定する。また、第二圧力検出部7に設定する下限値及び上限値は、実施例1の下限値及び上限値よりも高く設定する。
【0101】
さらに、本発明は、上記の各形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0102】
例えば、本実施の形態では、送風機能を有する部材として、4つの羽根部20が90°の回転対称に設けられている羽根車16を備えた送風部6、25を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、羽根部20の数は1つ又は4つ以外の複数でよく、フラクタルに形成されてもよい。また、羽根部20は、n相対称(nは2以上の有限の整数)であってよく、回転対称でなくともよい。また、羽根車16を1つ有する送風部6、25を例示して説明したが、羽根車16を複数有してもよい。また、送風部6、25は、送風機能を有するのならば羽根部20を有しなくともよい。例えば、スロワなどの送風機構を有する装置であってもよい。
【0103】
また、送風部6、25の揺動により、随伴させてスロープ部5、23を揺動させる形態を例示したが、これに限定されない。例えば、図示しない駆動機構により、スロープ部5、2を直接揺動させてもよい。
【0104】
また、側面部17及び底面部18により形成される箱体として筐体15を説明してきたが、送風機構を有する部材を収容でき、上部が開口していれば、特に限定されない。例えば、筐体15は、1面により形成されるドーム状の形状、2面以上により形成される多角形の形状に形成されてよい。
【0105】
また、搬送部4をコンベアとして説明したが、これに限定されない。例えば、コンベア機構を有しない、傾斜を有する部材でもよい。この場合、傾斜を有する部材の一端部(上流端)は、粗選別部3の網目状部の下部に配置されており、主に粗選別部3で選別された所定の粒径以下の径を有する混合物2bを受け取る。傾斜を有する部材は上流から下流に向かって立ち下がっており、傾斜を有する部材の下流端は、スロープ部5の中央部又は中央部よりも前方側に混合物2bを案内する。なお、搬送部4としてのコンベアも上流から下流に向かって立ち下がってよく、コンベアの上流部で粗選別部3から所定の粒径以下の径を有する混合物2bを受け取り、コンベアの下流端は、スロープ部5の中央部又は中央部よりも前方側に混合物2bを案内してよい。
【0106】
また、実施例1の風量制御部9は、実施例2の風量制御に関する制御を行ってもよく、実施例2の風量制御は、実施例1の風量制御部9とは別の風量制御部を設けることによりされてもよい。
【0107】
また、近接検出部8及び圧力検出部7の個数は、特に限定されない。
【符号の説明】
【0108】
1 選別装置、2 混合物、2a 所定の粒径よりも大きな径を有する混合物、2b 所定の粒径以下の径を有する混合物、2c 粒状物、2d 粒状物、3 粗選別部、4 搬送部、5 スロープ部、5a 第一スロープ部、6 送風部、6a 第一送風部、7 圧力検出部、7a 第一圧力検出部、7b 第二圧力検出部、8 近接検出部、8a 第一近接検出部、8b 第二近接検出部、9 風量制御部、10 筐体、11 入口、12 マグネット部、13 投入口、14a 隆起部、14b 窪み部、15 筐体、16 羽根車、17 側面部、18 底面部、19 シャフト部、20 羽根部、21 排出口、22 排出口、23 第二スロープ部、24 天板、25 第二送風部、26 管状部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9