(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】障害者支援装置、障害者支援システム、および、障害者支援方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240924BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G16H20/00
G09B19/00 H
(21)【出願番号】P 2023100148
(22)【出願日】2023-06-19
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515053117
【氏名又は名称】株式会社Viling
(73)【特許権者】
【識別番号】523226572
【氏名又は名称】株式会社みやと
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 一彰
(72)【発明者】
【氏名】岩切 貴徳
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-076935(JP,A)
【文献】特開2023-022693(JP,A)
【文献】特開2021-071770(JP,A)
【文献】特開2006-313405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G09B 19/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力する入力部と、
前記入力部に入力された前記情報に基づいて診断し、前記健康・生活、前記運動・感覚、前記認知・行動、前記言語・コミュニケーション、および、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部と、
前記診断部による前記診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成部と、を備え、
前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、
前記診断部は、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記診断部は、前記脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階で前記診断結果を分析し、感覚探求、感覚低反応、感覚過敏の3項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記診断部は、前記運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目として、筋緊張、姿勢保持、バランス、目の補正機能、ボディスキーマ、運動企画、協調運動、および、リズム運動の8項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記診断部は、手先の不器用さにおける優先的に解決する必要がある項目として、手指の力の感覚、つまみ動作、手指の感覚識別、指の分離運動、目と両手の協調性、視知覚、および、書字運動(運筆操作)の7項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記診断部は、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目として、自尊感情、感情のコントロール、ルールの理解、注意の切り替え(気持ちの切り替え)および、他者視点の5項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記診断部は、前記言語・コミュニケーションにおける優先的に解決する必要がある項目として、前言語期(共同注意)、語彙数、語想起、指示理解、文章構成、説明する力、音韻処理、および、構音機能の8項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記診断部は、前記認知・行動における優先的に解決する必要がある項目として、集中力、眼球運動、音韻意識、デコーディング、エンコーディング、言語性短期記憶、視覚性短期記憶、ワーキングメモリ、視知覚、計算スキル、および、文章読解の11項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項8】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容と、前記脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階との関係を教師データとして学習する学習部を備え、
前記診断部は、前記入力部に入力された前記情報と、前記学習部による学習結果とに基づいて、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力する
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載の障害者支援装置において、
前記支援計画生成部は、短期目標、長期目標、能力を向上させるための課題および目的に対して複数の選択肢を表示し、選択された前記選択肢を前記個別支援計画に反映させる
ことを特徴とする障害者支援装置。
【請求項10】
端末装置とサーバー装置とを備える障害者支援システムであって、
前記端末装置は、
健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力する端末入力部と、
前記チェックシートに記載された情報を前記サーバー装置に出力する端末出力部と、を備え、
前記サーバー装置は、
前記端末装置から出力された前記チェックシートに記載された情報を入力するサーバー入力部と、
前記サーバー入力部に入力された前記情報に基づいて診断し、前記健康・生活、前記運動・感覚、前記認知・行動、前記言語・コミュニケーション、および、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部と、
前記診断部による前記診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成部と、を備え、
前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、
前記診断部は、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力する
ことを特徴とする障害者支援システム。
【請求項11】
障害者支援装置、または、障害者支援システムによる障害者支援方法であって、
前記障害者支援装置、または、前記障害者支援システムが、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報
の入力を受け付ける入力工程と、
前記障害者支援装置、または、前記障害者支援システムが、前記入力工程にて入力された前記情報に基づいて診断し、前記健康・生活、前記運動・感覚、前記認知・行動、前記言語・コミュニケーション、および、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断工程と、
前記障害者支援装置、または、前記障害者支援システムが、前記診断工程にて出力された前記診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成工程と、を備え、
前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、
前記診断工程では、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力する
ことを特徴とする障害者支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害者支援装置、障害者支援システム、および、障害者支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障害児の発達を支援する児童発達支援装置が知られている(例えば、特許文献1等)。特許文献1では、児童発達支援装置により個別支援計画を生成することで、個別支援計画書作成に係る属人性を低減して、経験の多寡による支援計画の精度の差を無くせるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、スキルチェックシートの各質問のいいえが選択された数に基づいて、スキルチェックシートの各スキル領域の習得ランキングを設定するだけなので、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の内のいずれの情報処理過程で解決すべき課題が発生しているのか分からず、適切なトレーニングを提供できない可能性があるといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の障害者支援装置は、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力する入力部と、前記入力部に入力された前記情報に基づいて診断し、前記健康・生活、前記運動・感覚、前記認知・行動、前記言語・コミュニケーション、および、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部と、前記診断部による前記診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成部と、を備え、前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、前記診断部は、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力することを特徴とする。
【0006】
本発明では、入力部に入力された健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報に基づいて診断し、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部を備える。そして、当該診断部は、優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、脳の情報処理過程に関連付けて出力する。これにより、出力される達成できない理由およびトレーニング方法が、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階に関連付けられているので、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0007】
本発明の障害者支援装置において、前記診断部は、前記脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階で前記診断結果を分析し、感覚探求、感覚低反応、感覚過敏の3項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力することが好ましい。
この構成では、診断部は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階で診断結果を分析し、感覚探求、感覚低反応、感覚過敏の3項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する。これにより、出力される項目は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階での分析結果に基づくものとなる。そのため、より適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0008】
本発明の障害者支援装置において、前記診断部は、前記運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目として、筋緊張、姿勢保持、バランス、目の補正機能、ボディスキーマ、運動企画、協調運動、および、リズム運動の8項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力することが好ましい。
この構成では、診断部は、筋緊張、姿勢保持、バランス、目の補正機能、ボディスキーマ、運動企画、協調運動、および、リズム運動の8項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0009】
本発明の障害者支援装置において、前記診断部は、手先の不器用さにおける優先的に解決する必要がある項目として、手指の力の感覚、つまみ動作、手指の感覚識別、指の分離運動、目と両手の協調性、視知覚、および、書字運動(運筆操作)の7項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する。
この構成では、診断部は、手指の力の感覚、つまみ動作、手指の感覚識別、指の分離運動、目と両手の協調性、および、視知覚、書字運動(運筆操作)の7項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0010】
本発明の障害者支援装置において、前記診断部は、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目として、自尊感情、感情のコントロール、ルールの理解、注意の切り替え(気持ちの切り替え)および、他者視点の5項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力することが好ましい。
この構成では、診断部は、自尊感情、感情のコントロール、ルールの理解、注意の切り替え(気持ちの切り替え)および、他者視点の5項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0011】
本発明の障害者支援装置において、前記診断部は、前記言語・コミュニケーションにおける優先的に解決する必要がある項目として、前言語期(共同注意)、語彙数、語想起、指示理解、文章構成、説明する力、音韻処理、および、構音機能の8項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力することが好ましい。
この構成では、診断部は、前言語期(共同注意)、語彙数、語想起、指示理解、文章構成、説明する力、音韻処理、および、構音機能の8項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、言語・コミュニケーションにおける優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、言語・コミュニケーションにおける優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0012】
本発明の障害者支援装置において、前記診断部は、前記認知・行動における優先的に解決する必要がある項目として、集中力、眼球運動、音韻意識、デコーディング、エンコーディング、言語性短期記憶、視覚性短期記憶、ワーキングメモリ、視知覚、計算スキル、および、文章読解の11項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力することが好ましい。
この構成では、診断部は、集中力、眼球運動、眼球運動、音韻意識、デコーディング、エンコーディング、音読の流暢性、言語性短期記憶、視覚性短期記憶、ワーキングメモリ、視知覚、計算スキル、および、文章読解の運筆操作の11項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0013】
本発明の障害者支援装置において、前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容と、前記脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階との関係を教師データとして学習する学習部を備え、前記診断部は、前記入力部に入力された前記情報と、前記学習部による学習結果とに基づいて、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力することが好ましい。
この構成では、チェックシートに記載された複数の質問内容と、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階との関係を教師データとして学習する学習部を備える。そして、診断部は、学習部による学習結果に基づいて達成できない理由およびトレーニング方法を出力する。そのため、教師データの蓄積により診断部による診断結果の精度を高めることができる。そのため、より適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0014】
本発明の障害者支援装置において、前記支援計画生成部は、短期目標、長期目標、能力を向上させるための課題および目的に対して複数の選択肢を表示し、選択された前記選択肢を前記個別支援計画に反映させることが好ましい。
支援計画生成部は、短期目標、長期目標、能力を向上させるための課題および目的に対して複数の選択肢を表示するので、利用者は当該選択肢の中から個別支援計画に反映させる課題を選択することができる。
【0015】
本発明の障害者支援システムは、端末装置とサーバー装置とを備える障害者支援システムであって、前記端末装置は、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力する端末入力部と、前記チェックシートに記載された情報を前記サーバー装置に出力する端末出力部と、を備え、前記サーバー装置は、前記端末装置から出力された前記チェックシートに記載された情報を入力するサーバー入力部と、前記サーバー入力部に入力された前記情報に基づいて診断し、前記健康・生活、前記運動・感覚、前記認知・行動、前記言語・コミュニケーション、および、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部と、前記診断部による前記診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成部と、を備え、前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、前記診断部は、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力することを特徴とする。
本発明では、前述と同様の効果を得ることができる。
【0016】
本発明の障害者支援方法は、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力工程と、前記入力工程にて入力された前記情報に基づいて診断し、前記健康・生活、前記運動・感覚、前記認知・行動、前記言語・コミュニケーション、および、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断工程と、前記診断工程にて出力された前記診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成工程と、を備え、前記チェックシートに記載された複数の前記質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、前記診断工程では、前記優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、前記脳の情報処理過程に関連付けて出力することを特徴とする。
本発明では、前述と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態の障害者支援システムの概略構成を示す模式図。
【
図2】第1実施形態の障害者支援装置の概略構成を示すブロック図。
【
図4】支援計画生成部により出力された個別支援計画の一例を示す図。
【
図5】第2実施形態の障害者支援システムの概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態の障害者支援システム100の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る障害者支援システム100は、障害者支援装置1と、サーバー装置110と、プリンター120と、を備えている。
本実施形態では、障害者支援装置1は、スマートフォンやタブレットパソコン等の携帯型デバイスにより構成されている。
サーバー装置110は、所謂物理サーバーとして構成され、ディスプレイやマウス、キーボード等が接続されている。
プリンター120は、所謂インクジェットプリンターであり、サーバー装置110から出力された情報に応じて印刷可能に構成されている。
【0019】
[障害者支援装置1]
図2は、本実施形態の障害者支援装置1の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、障害者支援装置1は、入力部2と、表示部3と、記憶部4と、出力部5と、制御装置6と、を備えている。
【0020】
入力部2および表示部3は、一体化された所謂タッチパネルであり、液晶ディスプレイ等により構成されている。そして、入力部2は、利用者によって後述するチェックシートの情報を入力可能に構成されている。
なお、上記構成に限られるものではなく、例えば、入力部2は、障害者支援装置1に接続されるマウスやキーボード等として構成されていてもよい。
【0021】
記憶部4は、RAM(Random Access Memory)やSDカード等の不揮発性メモリ等から構成され、入力部2を介して入力された情報や、制御装置6で実行されるプログラム、後述する支援計画生成部62から出力された情報等を記憶可能に構成されている。
【0022】
出力部5は、無線通信(例えば、Blue tooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等)を媒介する通信インタフェースとして構成される。本実施形態では、出力部5は、支援計画生成部62から出力された個別支援計画に係る情報等をサーバー装置110に出力可能に構成されている。
【0023】
制御装置6は、CPU(Central processing unit)等によって構成され、記憶部4に格納されたプログラムを実行可能に構成されている。
本実施形態では、制御装置6は、診断部61と、支援計画生成部62と、表示制御部63と、を備えている。
【0024】
診断部61は、入力部2に入力された情報に基づいて診断し、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、手先の不器用さ、および、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力するよう構成されている。なお、診断部61による診断方法の詳細については後述する。
【0025】
支援計画生成部62は、診断部61による診断結果に基づいて、個別支援計画を生成するように構成されている。なお、支援計画生成部62による個別支援計画の生成の詳細については後述する。
【0026】
表示制御部63は、タッチパネルとして構成される表示部3の表示を制御するように構成されている。例えば、表示制御部63は、診断部61による診断結果に基づいて、優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由やトレーニング方法を表示部3に表示させるように構成される。
【0027】
[障害者支援方法]
次に、本実施形態における障害者支援方法について説明する。
図3は、障害者支援方法を説明するフローチャートである。
図3に示すように、先ず、児童発達支援管理責任者等の利用者は、入力部2を介して、基礎情報を入力する(ステップS1)。入力する基礎情報としては、例えば、児童名、保護者名、生年月日、障害児通所受給者証番号、作成日、作成者氏名、利用サービス、等が挙げられる。
【0028】
次に、利用者は、入力部2を介して、チェックシート情報を入力する(ステップS2:入力工程)。
ここで、本実施形態では、チェックシートの質問内容や質問数は対象者の年齢や就学先によって変化する。例えば、地域の学校に通う小学生のグループを対象としたチェックシートでは、認知・行動(23問)、健康・生活(28問)、運動・感覚(50問)、手先の不器用さ(26問)、人間関係・社会性(18問)、言語・コミュニケーション(20問)の6項目、165問の質問内容・質問数から構成される。ただし、チェックシートには、いずれにしても健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されている。
【0029】
そして、本実施形態では、チェックシートの質問内容の作成において、神経発達障害の特性や原因、発達検査、文献等を参考にしている。例えば、「ELC 読み書き困難児のための音読・音韻処理能力簡易スクリーニング検査」や「子どもの発達を支えるアセスメントツール」、「フロスティッグ視知覚検査」、「遠城寺発達検査」等を参考にして、チェックシートの質問内容を作成している。これにより、チェックシートに記載された複数の質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられるように構成されている。
【0030】
次に、診断部61は、入力部2に入力された情報に基づいて、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に優先的に解決する必要がある項目を診断する(ステップS3:診断工程)。各チェックシートの質問内容には、達成されるために必要な複数の要素を設定しており、達成されない場合は、それが診断結果として出力される。
具体的には、診断部61は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階で診断結果を分析し、感覚探求、感覚低反応、感覚過敏の3項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として診断する。
【0031】
ここで、診断部61は、運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目として、筋緊張、姿勢保持、バランス、目の補正機能、ボディスキーマ、運動企画、協調運動、および、リズム運動の8項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として診断する。
【0032】
また、診断部61は、手先の不器用さにおける優先的に解決する必要がある項目として、手指の力の感覚、つまみ動作、手指の感覚識別、指の分離運動、目と両手の協調性、視知覚、および、書字運動(運筆操作)の7項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として診断する。
【0033】
さらに、診断部61は、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目として、自尊感情、感情のコントロール、ルールの理解、注意の切り替え(気持ちの切り替え)および、他者視点の5項目のいずれか一項目、または記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として診断する。
【0034】
さらに、診断部61は、言語・コミュニケーションにおける優先的に解決する必要がある項目として、前言語期(共同注意)、語彙数、語想起、指示理解、文章構成、説明する力、音韻処理、および、構音機能の8項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として診断する。
【0035】
また、さらに、診断部61は、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目として、集中力、眼球運動、音韻意識、デコーディング、エンコーディング、言語性短期記憶、視覚性短期記憶、ワーキングメモリ、視知覚、計算スキル、および、文章読解の11項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として診断する。
【0036】
次に、診断部61は、診断結果を出力する(ステップS4)。具体的には、診断部61は、認知・行動、健康・生活、運動・感覚、手先の不器用さ、人間関係・社会性、言語・コミュニケーションの6項目に対して、現時点児童の能力に合わせて優先的に解決する必要がある項目を各項目一つずつ出力する。そして、表示制御部63は、優先的に解決する必要がある診断結果を、表示部3に表示させる。
このように、本実施形態では、チェックシートに記載された複数の質問内容が脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられることから、これらのチェックシートの質問内容に基づく診断結果、すなわち、優先的に解決する必要がある項目も脳の処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階に関連付けられることになる。
【0037】
さらに、支援計画生成部62は、現時点で児童の能力に合わせて優先的に解決する項目に合わせて長期目標を出力する。そして、表示制御部63は、当該長期目標を表示部3に表示させる。具体的には、表示部3には、長期目標の定型文が複数表示される。
そして、児童発達支援管理責任者等の利用者は、表示された複数の長期目標から、児童に当てはまる長期目標を選択する(ステップS5)。
【0038】
支援計画生成部62は、選択された長期目標に応じて、複数のトレーニング教材を出力する。そして、表示制御部63は、出力された複数のトレーニング教材を表示部3に表示させる。
トレーニング教材の構成は、子どもの脳の可塑性を最大限効果的に支援に有効とされる脳機能への介入する視点・教材で構成され、学習における脳の情報処理過程を基にSTEP1~STEP3に段階付けられている。そして、トレーニング教材は、各STEPにおいて用意されており、合計で数百個以上の教材から構成される。
そして、児童発達支援管理責任者等の利用者は、児童の興味や関心を考慮したうえで、表示されたトレーニング教材の中から複数を選択する(ステップS6)。
【0039】
次に、支援計画生成部62は、診断部61による診断結果、選択された長期目標およびトレーニング教材に基づいて、個別支援計画を生成する(ステップS7:支援計画生成工程)。
そして、出力部5は、支援計画生成部62にて生成された個別支援計画をサーバー装置110に出力する(ステップS8)。
サーバー装置110は、障害者支援装置1から出力された個別支援計画を入力してディスプレイに表示させるとともに、プリンター120に個別支援計画を印刷させる。
これにより、
図4に例示するような個別支援計画が出力される。
すなわち、本実施形態では、基礎情報およびチェックシートの質問内容を障害者支援装置1に入力し、長期目標およびトレーニング教材を選択すれば、自動的に個別支援計画書が出力される。そのため、児童発達支援管理責任者等の利用者の労力を軽減できるとともに、個別支援計画を作成する人間によって個別支援計画の内容に優劣が生じてしまうことを抑制することができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、診断部61は、優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、脳の情報処理過程に関連付けて出力するので、出力される達成できない理由およびトレーニング方法が脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階に関連付けられることになり、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0041】
以上のような第1実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、入力部2に入力された健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報に基づいて診断し、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部61を備える。そして、当該診断部61は、優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、脳の情報処理過程に関連付けて出力する。これにより、出力される達成できない理由およびトレーニング方法が、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階に関連付けられているので、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0042】
(2)本実施形態では、診断部61は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階で診断結果を分析し、感覚探求、感覚低反応、感覚過敏の3項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を優先的に解決する必要がある項目として出力する。これにより、出力される項目は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階での分析結果に基づくものとなる。そのため、より適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0043】
(3)本実施形態では、診断部61は、筋緊張、姿勢保持、バランス、目の補正機能、ボディスキーマ、運動企画、協調運動、および、リズム運動の8項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、運動・感覚における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0044】
(4)本実施形態では、診断部61は、手指の力の感覚、つまみ動作、手指の感覚識別、指の分離運動、目と両手の協調性、視知覚、および、書字運動(運筆操作)の7項目のいずれか一項目、または、前記チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、手先の不器用さにおける優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、手先の不器用さにおける優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0045】
(5)本実施形態では、診断部61は、自尊感情、感情のコントロール、ルールの理解、注意の切り替え(気持ちの切り替え)および、他者視点の5項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0046】
(6)本実施形態では、診断部61は、前言語期(共同注意)、語彙数、語想起、指示理解、文章構成、説明する力、音韻処理、および、構音機能の8項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、言語・コミュニケーショにおける優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、言語・コミュニケーションにおける優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0047】
(7)本実施形態では、診断部61は、前記人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目として、集中力、眼球運動、音韻意識、デコーディング、エンコーディング、言語性短期記憶、視覚性短期記憶、ワーキングメモリ、視知覚、計算スキル、および、文章読解の11項目のいずれか一項目、または、チェックシートのカテゴリに応じた複数の項目を、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目として出力する。そのため、認知・行動における優先的に解決する必要がある項目をより適切に診断することができ、適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。
第2実施形態では、サーバー装置20Aに診断部251A、支援計画生成部252A、および、表示制御部253Aが設けられる点で第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略する。
【0049】
図6は、第2実施形態の障害者支援システム100Aの概略構成を示す模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係る障害者支援システム100Aは、端末装置10Aと、サーバー装置20Aとを備えている。
【0050】
[端末装置10A]
端末装置10Aは、前述した第1実施形態の障害者支援装置1と同様に、スマートフォンやタブレットパソコン等の携帯型デバイスにより構成されている。
本実施形態では、端末装置10Aは、端末入力部11Aと、端末記憶部12Aと、端末出力部13Aと、端末制御装置14Aと、を備える。
【0051】
端末入力部11Aは、前述した第1実施形態の入力部2と同様に、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力可能に構成されている。
【0052】
端末記憶部12Aは、RAM(Random Access Memory)やSDカード等の不揮発性メモリ等から構成され、端末入力部11Aを介して入力された情報や、端末制御装置14Aで実行されるプログラム等を記憶可能に構成されている。
【0053】
端末出力部13Aは、無線通信(例えば、Blue tooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等)を媒介する通信インタフェースとして構成される。本実施形態では、端末出力部13Aは、チェックシートに記載された情報をサーバー装置20Aに出力するように構成されている。
【0054】
端末制御装置14Aは、CPU(Central processing unit)等によって構成され、記憶部4に格納されたプログラムを実行可能に構成されている。
本実施形態では、表示制御部141Aと、出力制御部142Aとを備える。
表示制御部141Aは、図示略の液晶パネルによる表示を制御するように構成されている。
出力制御部142Aは、端末出力部13Aによるサーバー装置20Aへの出力を制御可能に構成されている。
【0055】
[サーバー装置20A]
サーバー装置20Aは、前述した第1実施形態のサーバー装置110と同様に、所謂物理サーバーとして構成される。そして、本実施形態では、サーバー装置20Aは、サーバー入力部21Aと、サーバー表示部22Aと、サーバー記憶部23Aと、サーバー出力部24Aと、サーバー制御装置25Aと、を備える。
【0056】
サーバー入力部21Aは、端末装置10Aから出力されたチェックシートに記載された情報を入力可能に構成されている。
サーバー表示部22Aは、所謂ディスプレイとして構成され、サーバー制御装置25Aから出力された情報を表示可能に構成されている。
【0057】
サーバー記憶部23Aは、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)として構成される。そして、サーバー記憶部23Aは、サーバー入力部21Aを介して入力されたチェックシートに係る情報やサーバー制御装置25Aにて実行されるプログラム等を記憶可能に構成されている。
【0058】
サーバー出力部24Aは、無線通信(例えば、Blue tooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等)を媒介する通信インタフェースとして構成される。本実施形態では、出力部5は、支援計画生成部252Aから出力された個別支援計画に係る情報等を図示略のプリンター等に出力可能に構成されている。
【0059】
サーバー制御装置25Aは、CPU(Central processing unit)等によって構成され、サーバー記憶部23Aに格納されたプログラムを実行可能に構成されている。
本実施形態では、サーバー制御装置25Aは、診断部251Aと、支援計画生成部252Aと、表示制御部253Aと、を備えている。
【0060】
診断部251Aは、前述した第1実施形態の診断部61と同様に、サーバー入力部21Aに入力された情報に基づいて診断し、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性における優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力するよう構成されている。
【0061】
支援計画生成部252Aは、前述した第1実施形態の支援計画生成部62と同様に、診断部251Aによる診断結果に基づいて、個別支援計画を生成するように構成されている。
【0062】
表示制御部253Aは、ディスプレイとして構成されるサーバー表示部22Aの表示を制御するように構成されている。
【0063】
以上のような第2実施形態では、次の効果を奏することができる。
(8)本実施形態では、診断部251Aおよび支援計画生成部252Aが、サーバー装置20Aのサーバー制御装置25Aに設けられる。このため、端末装置10Aの構成を簡素化することができる。
【0064】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0065】
前記各実施形態において、チェックシートに記載された複数の質問内容と、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階との関係を教師データとして学習する学習部を備え、診断部は、入力部に入力された情報と、学習部による学習結果とに基づいて、優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、脳の情報処理過程に関連付けて出力するように構成されていてもよい。
このように構成することで、教師データの蓄積により診断部による診断結果の精度を高めることができ、より適切なトレーニング方法を提供することができる。
【0066】
前記各実施形態では、支援計画生成部62,252Aは、現時点で児童の能力に合わせて優先的に解決する項目に合わせて、長期目標およびトレーニング教材に係る複数の選択肢を表示させるように構成されていたが、これに限定されない。
例えば、支援計画生成部は、短期目標、長期目標、能力を向上させるための課題および目的に対して複数の選択肢を表示し、選択された選択肢を個別支援計画に反映させるように構成されていてもよい。
このように構成することで、支援計画生成部が、短期目標、長期目標、能力を向上させるための課題および目的に対して複数の選択肢を表示するので、利用者は当該選択肢の中から個別支援計画に反映させる課題を選択することができる。
【0067】
前記第1実施形態において、1台の障害者支援装置1に対して1台のサーバー装置110が無線通信するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、複数台の障害者支援装置と、1台のサーバー装置とが無線通信するように構成されていてもよい。
【0068】
前記各実施形態では、支援計画生成部62,252Aは、長期目標の定型文を複数表示させるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、支援計画生成部は、長期目標を手動で入力できるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…障害者支援装置、2…入力部、3…表示部、4…記憶部、5…出力部、6…制御装置、10A…端末装置、11A…端末入力部、12A…端末記憶部、13A…端末出力部、14A…端末制御装置、20A…サーバー装置、21A…サーバー入力部、22A…サーバー表示部、23A…サーバー記憶部、24A…サーバー出力部、25A…サーバー制御装置、61…診断部、62…支援計画生成部、63…表示制御部、100,100A…障害者支援システム、110…サーバー装置、120…プリンター。141A…表示制御部、142A…出力制御部、251A…診断部、252A…支援計画生成部、253A…表示制御部。
【要約】
【課題】適切なトレーニング方法を提供することができる障害者支援装置を提供すること。
【解決手段】障害者支援装置1は、健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、および、人間関係・社会性に係る複数の質問内容が記載されたチェックシートの情報を入力する入力部2と、入力部2に入力された情報に基づいて診断し、優先的に解決する必要がある項目をそれぞれ診断結果として出力する診断部61と、診断部61による診断結果に基づいて、個別支援計画を生成する支援計画生成部62と、を備え、チェックシートに記載された複数の質問内容は、脳の情報処理過程における感覚、知覚、認知、行為の段階にそれぞれ関連付けられており、診断部61は、優先的に解決する必要がある項目における、達成できない理由およびトレーニング方法を、脳の情報処理過程に関連付けて出力する。
【選択図】
図2