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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/43 20200101AFI20240924BHJP
   D06F 23/02 20060101ALI20240924BHJP
   D06F 101/20 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 103/24 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 103/18 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 103/38 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 105/08 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 105/02 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 105/48 20200101ALN20240924BHJP
   D06F 105/54 20200101ALN20240924BHJP
【FI】
D06F33/43
D06F23/02
D06F101:20
D06F103:24
D06F103:18
D06F103:38
D06F105:08
D06F105:02
D06F105:48
D06F105:54
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020211876
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098364
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】大久保 晴加
(72)【発明者】
【氏名】鳶 幸生
(72)【発明者】
【氏名】竹村 ゆい
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/230384(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/43
D06F 23/02
D06F 101/20
D06F 103/24
D06F 103/18
D06F 103/38
D06F 105/08
D06F 105/02
D06F 105/48
D06F 105/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、水平軸または水平方向に対して傾斜する回転軸周りに回転可能なドラムと、
前記ドラムを回転させるための駆動モータと、
前記外槽内にオゾン水を供給するオゾン水供給部と、
前記外槽内から排水を行う排水部と、
前記駆動モータ、前記オゾン水供給部および前記排水部の動作を制御し、槽洗浄運転を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記槽洗浄運転において、
前記オゾン水供給部により前記外槽内に、前記ドラムに接触可能な量のオゾン水を溜め、前記駆動モータにより前記ドラムを第1回転数で回転させて前記ドラムの外周面にオゾン水を順次接触させる第1槽洗浄工程と、
前記排水部により前記外槽内からオゾン水を排出させる排水工程と、
前記オゾン水供給部により前記外槽内に、前記ドラムに接触可能な量のオゾン水を溜め、前記駆動モータにより前記ドラムを前記第1回転数より高い第2回転数で回転させて前記外槽の内面にオゾン水を接触させる第2槽洗浄工程と、を順次行う、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、前記第1槽洗浄工程において、前記オゾン水供給部により前記外槽内に、前記ドラムの外周面はオゾン水に接触するが前記ドラムの内周面はオゾン水に接触しない量のオゾン水を溜める、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドラム式洗濯機において、
前記第1回転数は、20rpm~40rpmの範囲に設定され、
前記第2回転数は、60rpm~120rpmの範囲に設定される、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のドラム式洗濯機において、
前記筐体には、洗濯物が投入される投入口が形成され、
前記外槽に設けられた開口部の周縁部と前記投入口の周縁部が、環状のパッキンにより連結され、
前記制御部は、
記第2槽洗浄工程において、前記外槽内のオゾン水の水位が前記パッキンの下部に達するように、前記オゾン水供給部により前記外槽内に溜められるオゾン水の量を前記第1槽洗浄工程よりも多くする、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、前記排水工程の後、前記第2槽洗浄工程を行う前に、
前記ドラムを前記第2回転数よりも高い第3回転数で回転させる脱水工程を行う、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、
前記第1槽洗浄工程および前記第2槽洗浄工程において、前記ドラムを一方向に回転させる、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。かかるドラム式洗濯機は、洗濯から乾燥まで連続的に行うものであっても良いし、洗濯は行うが乾燥は行わないものであっても良い。
【背景技術】
【0002】
ドラム式洗濯機では、ドラムの外面や外槽の内面にバイオフィルムが形成されやすく、黒カビ等の繁殖を招きやすい。そこで、バイオフィルムを除去して、黒カビ等の繁殖を抑制するため、ドラム式洗濯機において、槽洗浄運転を行う構成が採られ得る。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、槽洗浄運転において、外槽である水槽内への散水と、ヒータで加熱された温風の水槽内への供給とにより、水槽内を高温多湿環境にし、水槽およびドラムの表面に生息する菌やカビを死滅させるドラム式洗濯機が記載されている。
【0004】
ところで、以下の特許文献2に示すように、水にオゾンが溶解してなるオゾン水を用いて洗濯物の除菌を行うようにしたドラム式洗濯機が知られている。そこで、特許文献1のように熱による除菌効果を利用するのではなく、オゾン水による除菌効果を利用し、槽洗浄運転を行うことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-039836号公報
【文献】特開2020-103566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オゾン水を利用した槽洗浄運転が実現される場合、ドラムの外面と外槽の内面に形成されたバイオフィルムの除去効果を高め、黒カビ等の繁殖を良好に抑制するためには、ドラムの外面と外槽の内面の双方にオゾン水を効果的に作用させることが求められる。
【0007】
本願発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、オゾン水を利用してドラムおよび外槽への黒カビ等の繁殖を良好に抑制し得るドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様に係るドラム式洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に配置され、水平軸または水平方向に対して傾斜する回転軸周りに回転可能なドラムと、前記ドラムを回転させるための駆動モータと、前記外槽内にオゾン水を供給するオゾン水供給部と、前記外槽内から排水を行う排水部と、前記駆動モータ、前記オゾン水供給部および前記排水部の動作を制御し、槽洗浄運転を行う制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記槽洗浄運転において、前記オゾン水供給部により前記外槽内に、前記ドラムに接触可能な量のオゾン水を溜め、前記駆動モータにより前記ドラムを第1回転数で回転させて前記ドラムの外周面にオゾン水を順次接触させる第1槽洗浄工程と、前記排水部により前記外槽内からオゾン水を排出させる排水工程と、前記オゾン水供給部により前記外槽内に、前記前記ドラムに接触可能な量のオゾン水を溜め、前記駆動モータにより前記ドラムを前記第1回転数より高い第2回転数で回転させて前記外槽の内面にオゾン水を接触させる第2槽洗浄工程と、を順次行う。
【0009】
上記の構成によれば、第1槽洗浄工程では、ドラムが回転し、外槽内に溜められたオゾン水にドラムの外周面が順次接触し、当該外周面にオゾン水が着いた状態となる。このとき、ドラムは相対的に低い第1回転数で回転するので、回転により生じる遠心力を小さくでき、ドラムの外周面に着いたオゾン水が、飛散しない、または、飛散したとしても外槽の内面に届く勢いでは飛散しないようにできる。これにより、オゾン水がドラムの外周面に着いた状態を保持しやすいので、ドラムの外周面にオゾンの除菌力を効果的に作用させることができ、ドラムの外周面に形成されたバイオフィルムの除去効果が高まる。
【0010】
第1槽洗浄工程が終了すると、排水工程が行われて、第1槽洗浄工程でのオゾンの消耗によりオゾン濃度が大きく低下したオゾン水が外槽内から排出される。そして、第2槽洗浄工程では、新たなオゾン水が外槽内に溜められ、十分なオゾン濃度が確保される。ドラムが回転し、外槽内に溜められたオゾン水にドラムの外周面が順次接触し、当該外周面にオゾン水が着いた状態となる。このとき、ドラムは相対的に高い第2回転数で回転するので、回転により生じる遠心力を大きくでき、ドラムの外周面に着いたオゾン水が飛散して外槽の内面に接触するようにできる。これにより、オゾン水が外槽の内面に行き渡りやすいので、外槽の内面にオゾンの除菌力を効果的に作用させることができ、外槽の内面に形成されたバイオフィルムの除去効果が高まる。
【0011】
したがって、ドラムおよび外槽への黒カビ等の繁殖を良好に抑制することが可能となる。
【0012】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記制御部は、前記第1槽洗浄工程において、前記オゾン水供給部により前記外槽内に、前記ドラムの外周面はオゾン水に接触するが前記ドラムの内周面はオゾン水に接触しない量のオゾン水を溜める。
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記第1回転数は、20rpm~40rpmの範囲に設定され得る。
【0013】
上記の構成によれば、第1槽洗浄工程において、確実に、ドラムの外周面に着いたオゾン水が、飛散しない、または、飛散したとしても外槽の内面に届く勢いでは飛散しないようにできる。
【0014】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記第2回転数は、60rpm~120rpmの範囲に設定され得る。
【0015】
上記の構成によれば、第2槽洗浄工程において、ドラムの外周面に着いたオゾン水が外槽の内面まで飛び得る遠心力を十分に発生させることができつつ、回転するドラムが外槽内に溜められたオゾン水を激しく叩くことにより水に溶解していたオゾンがガス化することを抑制でき、オゾン濃度が低下することを抑制できる。よって、オゾン水による外槽の内面に形成されたバイオフィルムの除去効果を高めることができる。
【0016】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記筐体には、洗濯物が投入される投入口が形成され、前記外槽に設けられた開口部の周縁部と前記投入口の周縁部が、環状のパッキンにより連結され得る。前記制御部は、前記第2槽洗浄工程において、前記外槽内のオゾン水の水位が前記パッキンの下部に達するように、前記オゾン水供給部により前記外槽内に溜められるオゾン水の量を前記第1槽洗浄工程よりも多くするような構成とされ得る。
【0017】
上記の構成によれば、オゾン水が外槽の内面に掛けられることにより外槽内の水位が低下しても、当該水位がドラムの外周面より低くならないようにできる。これにより、外槽の内面にオゾン水を十分に掛けることができる。
さらに、ドラムが回転したときに、パッキンにも全体的にオゾン水が行き渡りやすい。これにより、パッキンに形成されたバイオフィルムが除去されやすい。
【0018】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記制御部は、前記排水工程の後、前記第2槽洗浄工程を行う前に、前記ドラムを前記第2回転数よりも高い第3回転数で回転させる脱水工程を行うような構成とされ得る。
【0019】
上記の構成によれば、ドラムに残留するオゾン水と、これに含まれる有機物、菌等をドラムから飛散させて、外槽内から排出できる。
【0020】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記制御部は、前記第1槽洗浄工程および前記第2槽洗浄工程において、前記ドラムを一方向に回転させるような構成とされ得る。
【0021】
上記の構成によれば、ドラムが反転する場合と違って、外槽内に溜められたオゾン水が強く撹拌されにくく、オゾンがガス化してオゾン濃度が低下する、ということが生じにくい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、オゾン水を利用してドラムおよび外槽への黒カビ等の繁殖を良好に抑制し得るドラム式洗濯機を提供できる。
【0023】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯機の構成を示す側面断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯機の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る、槽洗浄運転の制御処理を示すフローチャートである。
図4図4(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、槽洗浄運転に含まれる第1槽洗浄工程および第2槽洗浄工程の制御処理を示すフローチャートである。
図5図5(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、第1槽洗浄工程および第2槽洗浄工程においてドラムが回転したときの様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のドラム式洗濯機の一実施形態である乾燥機能を有さないドラム式洗濯機について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、ドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。
【0027】
ドラム式洗濯機1は、方形状の筐体10を備える。筐体10の前面には、中央部に、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、開閉自在なドア12により覆われる。
【0028】
筐体10内には、外槽20が、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20内には、ドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平軸周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有し、外槽20は、ドラム23の開口部23aの前方に円形の開口部20aを有する。
【0029】
外槽20の開口部20aの周縁部と筐体10の投入口11の周縁部が、弾性材料からなる環状のパッキン24により連結される。パッキン24は、中間部および後端部に環状の溝24a,24bを有する。パッキン24の後端部にドラム23の前端部が近接する。閉じられたドア12の周面がパッキン24に接触し、投入口11とドア12との間が水封される。
【0030】
ドラム23の内周面には、多数の脱水孔23bが形成される。各脱水孔23bには、バーリング加工が施されており、ドラム23の外周面では、各脱水孔23bの周縁部が外周面から突出している。また、ドラム23の内周面には、前部に環状のバランサ25が設けられるとともに、周方向に等しい間隔で、ほぼ三角柱形状を有する3つのバッフル26が設けられる。
【0031】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程およびすすぎ工程時には、ドラム23を、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さくなる回転数で回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23を、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で回転させる。
【0032】
外槽20の底部には、排水口部20bが形成される。排水口部20bには、排水バルブ41が設けられる。排水バルブ41は、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水バルブ41は、排水ホース42に接続される。排水バルブ41と排水ホース42は、外槽20内から排水を行う排水部40を構成する。排水バルブ41が開放されると、外槽20内に溜められた水が排水ホース42を通じて機外に排出される。
【0033】
筐体10内の上部には、外槽20内へ給水するための給水部50が配置される。給水部50は、第1給水バルブ51と、洗剤ボックス52と、給水ホース53と、注水管54とを含む。第1給水バルブ51は、筐体10の後方上部に配置され、洗剤ボックス52は、筐体10の前方上部に配置される。洗剤ボックス52には、洗剤が収容される洗剤容器52aが前方から引き出し自在に収容される。給水ホース53は、一端が第1給水バルブ51に接続され、他端が洗剤ボックス52に接続される。注水管54は、一端が洗剤ボックス52に接続され、他端が外槽20の上部に接続される。
【0034】
第1給水バルブ51が開放されると、水道栓から水道水が、給水ホース53、洗剤ボックス52および注水管54を流れて外槽20内に供給される。この際、洗剤容器52aに洗剤が収容されていれば、当該洗剤が水に押し流れて外槽20内に供給される。
【0035】
筐体10内の後部には、外槽20内へオゾン水を給水するためのオゾン水供給部60が配置される。オゾン水供給部60は、第2給水バルブ61と、オゾン水を生成するためのオゾン水生成装置62と、導入管63と、導出管64を含む。第2給水バルブ61は、筐体10の後方上部に配置され、第1給水バルブ51とともに、2連電磁バルブによって構成される。
【0036】
オゾン水生成装置62は、外槽20の上部に配置され、ケース65と、オゾン電極66とを含む。ケース65の内部に流路が形成され、その流路内にオゾン電極66が配置される。オゾン電極66は、丸棒状の陽極と、陽極の外周に螺旋状に巻かれた線状の陰極と、陽極と陰極との間に介在するイオン交換膜とを含む。たとえば、陽極にはダイヤモンド電極が使用され、陰極には白金電極が使用される。
【0037】
導入管63は、一端が第2給水バルブ61に接続され、他端がケース65の流入口に接続される。導出管64は、一端がケース65の流出口に接続され、他端が外槽20の下部に接続される。
【0038】
第2給水バルブ61が開放されると、水道栓から水道水が、導入管63を介してケース65内に流入し、流路を流れる。オゾン電極66に通電が行われ、流路を流れる水が電気分解されてオゾンが発生する。発生したオゾンが水に溶解し、オゾン水が生成される。オゾン水は、ケース65から流出し、導出管64を介して外槽20内に供給される。なお、ケース65内で水に溶解されなかったオゾンは、導出管64を流れる間に水に溶解する。オゾン水は、除菌性能を有する除菌水である。
【0039】
図2は、ドラム式洗濯機1の構成を示すブロック図である。
【0040】
ドラム式洗濯機1は、上述した構成に加え、制御部101と、記憶部102と、操作部103と、水位センサ104と、モータ駆動部105と、給水駆動部106と、排水駆動部107と、電極通電部108とを備える。
【0041】
操作部103は、機器に対する電源の投入および遮断を行う電源ボタンと、運転を開始させるためのスタートボタンと、洗濯運転に係る複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択するためのコース選択ボタンとを含む。また、操作部103は、槽洗浄運転を選択するため槽洗浄ボタンを含む。操作部103は、ユーザに操作されたボタンに応じた入力信号を制御部101に出力する。
【0042】
水位センサ104は、外槽20内の水位を検出し、検出した水位に応じた水位信号を制御部101に出力する。
【0043】
モータ駆動部105は、制御部101からの制御信号に従って、駆動モータ30を駆動する。モータ駆動部105は、駆動モータ30の回転数を検出する回転センサ、インバータ回路等を含み、制御部101により設定された回転数で駆動モータ30が回転するよう、駆動電力を調整する。
【0044】
給水駆動部106は、制御部101からの制御信号に従って、第1給水バルブ51および第2給水バルブ61を駆動する。排水駆動部107は、制御部101からの制御信号に従って、排水バルブ41を駆動する。電極通電部108は、制御部101からの制御信号に従って、オゾン電極66に通電を行う。
【0045】
記憶部102は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部102には、各種運転コースの洗濯運転および槽洗浄運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部102には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0046】
制御部101は、操作部103、水位センサ104等からの各信号に基づいて、記憶部102に記憶されたプログラムに従い、モータ駆動部105、給水駆動部106、排水駆動部107、電極通電部108等を制御する。この結果、制御部101は、駆動モータ30、排水部40、給水部50およびオゾン水供給部60の動作を制御する。
【0047】
さて、ドラム式洗濯機1では、ユーザによる操作部103の操作に基づき、各種運転コースの洗濯運転が行われる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。なお、運転コースによっては、中間脱水工程とすすぎ工程とが2回以上行われる場合がある。
【0048】
洗い工程およびすすぎ工程では、所定の水位まで外槽20内に水が溜められる。洗い工程では、洗剤容器50aに洗剤が投入されるので、外槽20内に溜められた水に洗剤が含まれる。駆動モータ30が、交互に正転または反転し、ドラム23が交互に正転または反転する。このとき、ドラム23は、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力より小さくなる回転数で回転する。ドラム23内の洗濯物が、バッフル26で掻き上げられては落とされることにより、ドラム23の内周面に叩き付けられる。これにより、洗濯物が洗われる、あるいは、すすがれる。
【0049】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の内周面に押し付けられ、脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程での回転数、たとえば、600rpmよりも高い回転数、たとえば、750rpmでドラム23が回転する。
【0050】
ドラム式洗濯機1では、洗濯運転に加えて、ドラム23および外槽20を洗浄する槽洗浄運転が行われる。以下、槽洗浄運転について詳細に説明する。
【0051】
図3は、槽洗浄運転の制御処理を示すフローチャートである。図4(a)および(b)は、それぞれ、槽洗浄運転に含まれる第1槽洗浄工程および第2槽洗浄工程の制御処理を示すフローチャートである。図5(a)および(b)は、それぞれ、第1槽洗浄工程および第2槽洗浄工程においてドラム23が回転したときの様子を模式的に示す図である。
【0052】
操作部103において、槽洗浄ボタンにより槽洗浄運転が選択された後にスタートボタンが押されると、槽洗浄運転が開始される。
【0053】
図3を参照し、槽洗浄運転が開始されると、制御部101は、まず、第1槽洗浄工程を行う(S1)。
【0054】
図4(a)を参照し、第1槽洗浄工程において、制御部101は、第2給水バルブ61を開放した後に(S101)、オゾン電極66に通電する(S102)。これにより、オゾン水供給部60から外槽20内に所定の濃度、たとえば、濃度0.4ppm程度のオゾン水が供給される。排水バルブ41は閉じられており、外槽20内にオゾン水が溜まっていく。なお、外槽20内へのオゾン水の供給流量は、たとえば、2リットル/分程度とされる。
【0055】
制御部101は、外槽20内に第1水量のオゾン水が溜められたか否かを判定する(S103)。第1水量は、外槽20内のオゾン水の水位が、図1に一点鎖線で示す、オゾン水がドラム23の外周面に接触する水位L1となる水量である。第1水量は、たとえば、8リットル程度の量とされる。
【0056】
制御部101は、水位センサ104により水位L1が検出されると、外槽20内に第1水量のオゾン水が溜められたと判定する(S103:YES)。この判定に基づき、制御部101は、オゾン電極66への通電を停止し(S104)、その後、第2給水バルブ61を閉鎖する(S105)。オゾン水供給部60から外槽20へのオゾン水の供給が停止する。外槽20内に第1水量、即ち水位L1のオゾン水が溜められたとき、ドラム23の外周面はオゾン水に接触するが、ドラム23の内周面はオゾン水に接触しない。
【0057】
次に、制御部101は、駆動モータ30を回転させ、ドラム23を第1回転数で一方向に回転させる(S106)。ドラム23が回転すると、外槽20内に溜められたオゾン水にドラム23の外周面が順次接触し、当該外周面にオゾン水が着いた状態となる。
【0058】
ここで、第1回転数は、ドラム23が回転したときに生じる遠心力が小さくて、ドラム23の外周面に着いたオゾン水が、飛散しない、または、飛散したとしても外槽20の内面に届く勢いでは飛散しないような回転数に設定される。具体的には、第1回転数は、20rpm~40rpmの範囲の回転数に設定される。本実施の形態では、たとえば、第1回転数が30rpmに設定される。
【0059】
このような第1回転数でドラム23が回転することにより、図5(a)に示すように、オゾン水がドラム23の外周面に着いた状態を保持しやくなる。これにより、オゾンの除菌力がドラム23の外周面の全域に亘って効果的に作用し、外周面の全域において、バイオフィルムが除去される。また、黒カビ等が発生していた場合、黒カビ等も死滅する。
【0060】
また、ドラム23は、一方向に回転し、反転は行わない。このため、外槽20内に溜められたオゾン水が強く撹拌されにくく、オゾンがガス化してオゾン濃度が低下する、ということが生じにくい。
【0061】
ドラム23の回転を開始してから第1時間、たとえば、1分が経過すると(S107:YES)、制御部101は、駆動モータ30を停止させて、ドラム23を停止させる(S108)。
【0062】
こうして、第1槽洗浄工程が終了する。第1槽洗浄工程では、主として、ドラム23の外周面に生じたバイオフィルム、黒カビ等が除去される。
【0063】
図3に戻り、第1槽洗浄工程が終了すると、制御部101は、排水部40の動作による排水工程を行う(S2)。即ち、制御部101は、排水バルブ41を開放する。外槽20内からオゾン水が排出される。オゾン水とともに、除去されたバイオフィルム、黒カビ等も外槽20内から流し出される。外槽20内からのオゾン水の排出が完了すると、排水工程が終了する。排水バルブ41は開放されたままとされる。
【0064】
次に、制御部101は、脱水工程を行う(S3)。即ち、制御部101は、ドラム23を第3回転数で回転させる。第3回転数は、後述する第2回転数よりも高く、さらに、洗濯運転の中間脱水工程におけるドラム23の回転数よりも高い回転数とされる。たとえば、第3回転数は、650rpm~800rpmの範囲の回転数に設定される。ドラム23に残留するオゾン水と、これに含まれる有機物、菌等が、ドラム23から飛散して外槽20内から排出される。所定の脱水時間、たとえば、4分が経過すると、制御部101は、ドラム23を停止させるとともに、排水バルブ41を閉鎖する。こうして、脱水工程が終了する。
【0065】
次に、制御部101は、第2槽洗浄工程を行う(S4)。図4(b)を参照し、第2槽洗浄工程において、制御部101は、第2給水バルブ61を開放した後に(S201)、オゾン電極66に通電する(S202)。第1槽洗浄工程の場合と同様、オゾン水供給部60から外槽20内にオゾン水が供給され、外槽20内にオゾン水が溜まっていく。
【0066】
制御部101は、外槽20内に第2水量のオゾン水が溜められたか否かを判定する(S203)。
【0067】
ここで、発明者らが、オゾン水の供給量に係る実験を行ったところ、外槽20内にオゾン水が溜められている段階においてオゾン濃度が急激に減衰する変化点となる水量が存在し得ることが判明した。これは、オゾン水が溜まっていく間の時間経過や、オゾン水が溜まっていくに従いドラム23やドア12など洋々な部材に接触しやすくなり、当該接触によりオゾンが消耗してしまうなど、種々の要因によるものと予測される。
【0068】
そこで、第2水量は、上記変化点となるような水量よりも少なくて外槽20内にオゾン水の供給が開始されたときのオゾン濃度に近い濃度が得られる水量とされる。さらに、第2水量は、第1水量よりも多い水量とされる。第2水量は、たとえば、15リットル程度の量とされる。
【0069】
本実施の形態では、外槽20内に第2水量のオゾン水が溜められたとき、外槽20内の水位は、図1に二点鎖線で示す、オゾン水がドア12を水封するパッキン24に達する水位L2となる。
【0070】
制御部101は、水位センサ104により水位L2が検出されると、外槽20内に第2水量のオゾン水が溜められたと判定する(S203:YES)。この判定に基づき、制御部101は、オゾン電極66への通電を停止し(S204)、その後、第2給水バルブ61を閉鎖する(S205)。オゾン水供給部60から外槽20へのオゾン水の供給が停止する。
【0071】
次に、制御部101は、駆動モータ30を回転させ、ドラム23を第2回転数で一方向に回転させる(S206)。ドラム23が回転すると、外槽20内に溜められたオゾン水にドラム23の外周面が順次接触し、当該外周面にオゾン水が着いた状態となる。
【0072】
ここで、第2回転数は、ドラム23が回転したときに生じる遠心力が大きくて、ドラム23の外周面に着いたオゾン水が飛散して外槽20の内周面に接触するような回転数に設定される。具体的には、第2回転数は、60rpm以上の回転数に設定される。ただし、ドラム23の回転数が高くなり過ぎ、外槽20内に溜められたオゾン水がドラム23によって激しく叩かれてしまうと、水に溶解していたオゾンがガス化してオゾン濃度が低下しやすくなる。よって、オゾン濃度の低下を抑制するため、望ましくは、第2回転数は、60rpm~120rpmの範囲の回転数に設定されるとよい。本実施の形態では、たとえば、第2回転数が100rpmに設定される。
【0073】
このような第2回転数でドラム23が回転することにより、図5(b)に示すように、オゾン水が、外槽20の底部から掻き揚げられてドラム23の外周面から飛散し、外槽20の内周面に掛かって当該内周面の全域に行き渡る。これにより、オゾンの除菌力が外槽20の内周面の全域に亘って効果的に作用し、内周面の全域において、バイオフィルムが除去される。また、黒カビ等が発生していた場合、黒カビ等も死滅する。
【0074】
また、第1槽洗浄工程と同様、ドラム23は、一方向に回転するため、オゾン濃度の低下を抑制できる。
【0075】
さらに、第1槽洗浄工程の第1水量より多い第2水量のオゾン水が外槽20内に溜められるので、オゾン水が外槽20の内周面に掛けられることにより外槽20内の水位が低下しても、当該水位がドラム23の外周面より低くならないようにできる。これにより、外槽20の内周面にオゾン水を十分に掛けることができる。
【0076】
さらに、ドラム式洗濯機1では、パッキン24の表面、特に、溝24a,24bの部分にも、バイオフィルムが形成されやすい。第2槽洗浄工程では、外槽20内のオゾン水の水位がパッキン24の下部に達しているため、ドラム23が回転したときに、パッキン24、特に溝24a,24bにも全体的にオゾン水が行き渡りやすい。これにより、パッキン24に形成されたバイオフィルムが除去されやすい。
【0077】
なお、上述したように、ドラム23の外周面は、バーリング加工により脱水孔23bの周縁部が突出しているため、当該外周面で外槽20内に溜められたオゾン水を掻き揚げやすい。よって、多くのオゾン水をドラム23の外周面から飛散させることができる。
【0078】
ドラム23の回転を開始してから第2時間、たとえば、2分が経過すると(S207:YES)、制御部101は、駆動モータ30を停止させて、ドラム23を停止させる(S208)。
【0079】
ドラム23からオゾン水を飛散させて外槽20の内周面を濡らすため、外槽20の内周面の洗浄には、ドラム23の外周面の洗浄よりも時間がかかる。第2槽洗浄工程では、第2時間が第1時間より長い時間に設定されているので、外槽20の内周面が洗浄不足になることを防止できる。
【0080】
こうして、第2槽洗浄工程が終了する。第2槽洗浄工程では、主として、外槽20の内周面に生じたバイオフィルム、黒カビ等が除去される。
【0081】
図3に戻り、第2槽洗浄工程が終了すると、制御部101は、第1槽洗浄工程が終了したときと同様、排水工程を行う(S5)。さらに、排水工程が終了すると、制御部101は、脱水工程を行う(S6)。脱水工程が終了すると、槽洗浄運転が終了する。
【0082】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、第1槽洗浄工程では、ドラム23が第1回転数で回転することにより、オゾン水がドラム23の外周面に着いた状態を保持しやすいので、ドラム23の外面面にオゾンの除菌力を効果的に作用させることができ、ドラム23の外周面に形成されたバイオフィルムの除去効果が高まる。
【0083】
また、第1槽洗浄工程が終了すると排水工程が行われ、第1槽洗浄工程でのオゾンの消耗によりオゾン濃度が大きく低下したオゾン水が外槽20内から排出され、その後、第2槽洗浄工程で新たなオゾン水が外槽20内に溜められる。これにより、第2槽洗浄工程において十分なオゾン濃度が確保される。
【0084】
さらに、第2槽洗浄工程では、ドラム23が第2回転数で回転することにより、ドラム23の外周面に着いたオゾン水が飛散して外槽20の内周面に接触するようにできる。これにより、オゾン水が外槽20の内周面に行き渡りやすいので、外槽20の内周面にオゾンの除菌力を効果的に作用させることができ、外槽20の内周面に形成されたバイオフィルムの除去効果が高まる。
【0085】
したがって、本実施の形態によれば、ドラム23および外槽20への黒カビ等の繁殖を良好に抑制することが可能となる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、第1回転数が、20rpm~40rpmの範囲に設定される。これにより、第1槽洗浄工程において、確実に、ドラム23の外周面に着いたオゾン水が、飛散しない、または、飛散したとしても外槽20の内周面に届く勢いでは飛散しないようにできる。
【0087】
さらに、本実施の形態によれば、第2回転数は、60rpm~120rpmの範囲に設定される。これにより、ドラム23の外周面に着いたオゾン水が外槽20の内周面まで飛び得る遠心力を十分に発生させることができつつ、回転するドラム23が外槽20内に溜められたオゾン水を激しく叩くことにより水に溶解していたオゾンがガス化することを抑制でき、オゾン濃度が低下することを抑制できる。よって、オゾン水による外槽20の内周面に形成されたバイオフィルムの除去効果を高めることができる。
【0088】
さらに、本実施の形態によれば、第1槽洗浄工程よりも第2槽洗浄工程において、オゾン水供給部60により外槽20内に溜められるオゾン水の量が多くされている。これにより、オゾン水が外槽20の内周面に掛けられることにより外槽20内の水位が低下しても、当該水位がドラム23の外周面より低くならないようにできる。これにより、外槽20の内周面にオゾン水を十分に掛けることができる。
【0089】
さらに、本実施の形態によれば、排水工程の後、第2槽洗浄工程が行われる前に、ドラム23を第2回転数よりも高い第3回転数で回転させる脱水工程が行われる。これにより、ドラム23に残留するオゾン水と、これに含まれる有機物、菌等をドラム23から飛散させて、外槽20内から排出できる。
【0090】
さらに、本実施の形態によれば、第1槽洗浄工程および第2槽洗浄工程において、ドラム23が一方向に回転する。これにより、ドラム23が反転する場合と違って、外槽20内に溜められたオゾン水が強く撹拌されにくく、オゾンがガス化してオゾン濃度が低下する、ということが生じにくい。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0092】
たとえば、上記実施の形態では、ドラム23の内周面にはバイオフィルムが形成されにくいため、オゾンの消耗などを考慮して、第1槽洗浄工程での第1水量が、ドラム23の内周面がオゾン水に接触しない量に設定された。しかしながら、第1水量が、ドラム23の内周面がオゾン水に接触する量に設定されてもよい。この場合、ドラム23の内周面の洗浄効果も期待できる。
【0093】
また、上記実施の形態では、第2槽洗浄工程において、外槽20内に第2水量のオゾン水が溜められたとき、外槽20内の水位が、オゾン水がパッキン24に達する水位L2となった。しかしながら、外槽20内に第2水量のオゾン水が溜められたときの水位が、オゾン水がパッキン24に達しない水位となってもよい。
【0094】
さらに、上記実施の形態では、第1槽洗浄工程よりも第2槽洗浄工程において、オゾン水供給部60により外槽20内に溜められるオゾン水の量が多くされた。即ち、第2水量が第1水量よりも多くされた。しかしながら、第1水量と第2水量とが同じ量にされてもよい。
【0095】
さらに、上記実施の形態では、槽洗浄運転において、第1槽洗浄工程後の排水工程が終了した後と第2槽洗浄工程後の排水工程が終了した後に脱水工程が行われた。しかしながら、少なくとも何れかの排水工程の終了後の脱水工程が省略されてもよい。
【0096】
さらに、上記実施の形態では、槽洗浄運転において、第1槽洗浄工程と第2槽洗浄工程とが1回ずつ行われた。しかしながら、第1槽洗浄工程と第2槽洗浄工程とが複数回ずつ行われてもよい。この場合、第1槽洗浄工程と第2槽洗浄工程が交互に行われてもよいし、同じ槽洗浄工程が連続して行われてもよい。
【0097】
さらに、上記実施の形態において、オゾン水供給部60の導出管64が、1本の管あるいは複数本の管により、蛇行する形状に形成されてもよい。この場合に、導出管64が外槽20の外周面に沿わされてもよい。この構成では、導出管64を長くできるので、オゾン水生成装置62のケース65内で水に溶解されなかったオゾンが、導出管64を流れる間に水に溶解しやすくなる。
【0098】
さらに、上記実施の形態では、ドラム式洗濯機1は、ドラム23が水平軸周りに回転するような構成とされた。しかしながら、ドラム式洗濯機1は、ドラム23が水平方向に対して傾斜した回転軸周りに回転するような構成とされても良い。
【0099】
さらに、上記実施の形態のドラム式洗濯機1は、乾燥機能を備えていないが、本発明は、乾燥機能を備えたドラム式洗濯機、即ち、ドラム式洗濯乾燥機に適用することもできる。ドラム式洗濯乾燥機は、上記実施の形態のドラム式洗濯機1の構成に加え、外槽20の底部に設けられた導出口と外槽20の上部に設けられた導入口とを繋ぐ循環風路と、循環風路内に配置されたファンおよびヒータとからなる乾燥ユニットを含む。この場合、オゾン水供給部60の導出管64が循環風路に接続され、オゾン水が循環風路を流れて導出口から外槽20内に供給されてもよい。
【0100】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
10 筐体
20 外槽
23 ドラム
30 駆動モータ
40 排水部
60 オゾン水供給部
101 制御部
図1
図2
図3
図4
図5