(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】電動工具に適用されるインテリジェント音声放送方法及びその電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240924BHJP
B26B 15/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B25F5/00 C
B25F5/00 H
B26B15/00
(21)【出願番号】P 2022120051
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110967737.0
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519195028
【氏名又は名称】東莞市嘉航実業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】馬 先鵬
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-019065(JP,A)
【文献】特開2018-198376(JP,A)
【文献】国際公開第2015/011950(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03690597(EP,A1)
【文献】特表2007-520180(JP,A)
【文献】国際公開第2020/001740(WO,A1)
【文献】特開昭61-164707(JP,A)
【文献】特開2017-213671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B26B 15/00
B23D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業タスクを実行するように設けられる作業ユニットと、作業タスクを実行するように作業ユニットを動力駆動する動力ユニットと、駆動情報に基づいて作業ユニットが対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニットと、電動ハサミに電気エネルギを供給する給電ユニットと、中央制御部としての制御ユニットと、を含む電動ハサミに適用されるインテリジェント音声放送方法であって、
各モジュールの現在の状況を検出する状態検出ユニットと、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニットと、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニットと、を含み、
状態検出ユニットには、給電ユニットの動作時の給電情報を取得する給電検出モジュールと、電動ハサミの動作時の温度情報を取得する温度検出モジュールと、動力ユニットと電気的に接続された逆起電力検出モジュールとが設けられ、
制御ユニットは、駆動情報、給電情報、温度情報及び逆起電力情報に基づいて対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信し、音声変換ユニットは、音声指令に基づいて対応する音声ファイルを取得し、音声放送ユニットは、電動ハサミの各動作又は各状態を使用者に報知するための音声ファイルを音声の方式で放送し、
制御ユニットが受信した温度情報に対応する温度が高温として判断されるとき、音声放送ユニットは、電動ハサミの現在の温度に対応する音声ファイルを放送し、
制御ユニットが受信した温度情報に対応する温度が過温として判断されるとき、制御ユニットは、動力ユニットの動作を停止し、音声放送ユニットは、電動ハサミの現在の温度に対応する音声ファイルを放送し、
制御ユニットが
逆起電力検出モジュールから受信した逆起電力情報
に基づいて、カット回数が多すぎるか否かを少なくとも判定し、
制御ユニットがカット回数が多すぎることを判定した場合に、音声放送ユニットは、カット回数が
多すぎることに対応する音声ファイルを放送する、
ことを特徴とする電動ハサミに適用されるインテリジェント音声放送方法。
【請求項2】
給電検出モジュールには、給電ユニットの電量情報を取得する電量取得モジュールがさらに設けられ、制御ユニットは、電量情報を判定し、電量情報が予め設定された値に達したときに、対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電動ハサミに適用されるインテリジェント音声放送方法。
【請求項3】
給電検出モジュールには、給電ユニットの給電情報を取得する過電圧低電圧検出モジュールがさらに設けられ、制御ユニットは、電量情報を判定し、電量不足又はバッテリミスマッチが発生したときに、対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電動ハサミに適用されるインテリジェント音声放送方法。
【請求項4】
給電検出モジュールには、通信識別モジュールがさらに設けられ、給電ユニットには、偽造防止識別モジュールが設けられ、通信識別モジュールは、偽造防止識別モジュールの暗号化情報を識別し、制御ユニットは、暗号化情報を判別し、対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電動ハサミに適用されるインテリジェント音声放送方法。
【請求項5】
電動ハサミに適用されるインテリジェント音声放送方法に基づくインテリジェント音声放送機能を有する電動ハサミであって、
作業タスクを実行する作業ユニットと、作業タスクを実行するように作業ユニットを動力駆動する動力ユニットと、駆動情報に基づいて作業ユニットが対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニットと、電動ハサミに電気エネルギを供給する給電ユニットと、中央制御部としての制御ユニットと、が設けられる本体を含み、
本体には、各モジュールの現在の状況を検出する状態検出ユニットと、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニットと、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニットと、がさらに設けられ、
状態検出ユニットには、給電検出モジュールと、温度検出モジュールと、動力ユニットと電気的に接続された逆起電力検出モジュールとが設けられ、作業ユニットは、動力ユニットと動力的に組み合わされ、動力ユニット、信号生成ユニット、状態検出ユニット及び音声変換ユニットは、それぞれ制御ユニットと電気的に接続され、給電検出モジュールは、給電ユニットと電気的に接続され、温度検出モジュールは、電動ハサミにおける発熱部材に対応して組み合わされ、電動ハサミの動作時の温度情報を取得し、
制御ユニットは、駆動情報、給電情報、温度情報及び逆起電力情報に基づいて対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信し、音声変換ユニットは、音声指令に基づいて対応する音声ファイルを取得し、音声放送ユニットは、電動ハサミの各動作又は各状態を使用者に報知するための音声ファイルを音声の方式で放送し、
制御ユニットが受信した温度情報に対応する温度が高温として判断されるとき、音声放送ユニットは、電動ハサミの現在の温度に対応する音声ファイルを放送し、
制御ユニットが受信した温度情報に対応する温度が過温として判断されるとき、制御ユニットは、動力ユニットの動作を停止し、音声放送ユニットは、電動ハサミの現在の温度に対応する音声ファイルを放送し、
制御ユニットが
逆起電力検出モジュールから受信した逆起電力情報
に基づいて、カット回数が多すぎるか否かを少なくとも判定し、
制御ユニットがカット回数が多すぎることを判定した場合に、音声放送ユニットは、カット回数が
多すぎることに対応する音声ファイルを放送する、
ことを特徴とするインテリジェント音声放送機能を有する電動ハサミ。
【請求項6】
給電検出モジュールは、電量取得モジュールと、過電圧低電圧検出モジュールと、通信識別モジュールとを含み、給電ユニットには、偽造防止識別モジュールと、バッテリとが設けられ、電量取得モジュールと過電圧低電圧検出モジュールは、それぞれバッテリと電 気的に接続され、通信識別モジュールは、偽造防止識別モジュールと電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載のインテリジェント音声放送機能を有する電動ハサミ。
【請求項7】
本体には、電源入力インターフェースが設けられ、給電ユニットには、電源入力インターフェースと組み合わされる電源出力インターフェースが設けられ、給電ユニットは、電源出力インターフェースと電源入力インターフェースとのドッキングにより、電動ハサミに着脱可能に接続されることが実現される、
ことを特徴とする請求項6に記載のインテリジェント音声放送機能を有する電動ハサミ。
【請求項8】
制御ユニットは、型番がXMC1302であるチップU1と、各ユニットモジュールを接続するための周辺回路と、を含み、音声変換ユニットは、型番がWT588F02B-8Sであるチップを採用する、
ことを特徴とする請求項5に記載のインテリジェント音声放送機能を有する電動ハサミ。
【請求項9】
電動ハサミは、本体に設けられ、回路モジュールと電気的に接続される状態表示モジュールと、電源ボタンとをさらに含み、給電ユニットは、電源ボタンを介して電動ハサミに電気エネルギを供給し、前記信号生成ユニットは、電源ボタンを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のインテリジェント音声放送機能を有する電動ハサミ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具の技術分野に関し、特に電動工具に適用されるインテリジェント音声放送方法及びその電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具は、付加的な動力源付き工具であり、作業対象物を加工する際に作業効率を大幅に向上させることができる。従来の電動工具は、主に、作業ユニットと、作業ユニットの動作に動力源を供給する動力部と、動力部の動作を制御する駆動モジュールと、電動工具の各部に電気エネルギを供給する給電部と、を含む。
【0003】
近年の電動工具の段階的な改良に伴い、電動工具には、電動工具の動作時の状態を検出するための検出部と、電動工具の動作時の状態をユーザに表現するためのプロンプト部とが追加されるが、現在、電動工具の状態をプロンプトする方式は、比較的単純であり、主に電動工具の電源オンプロンプト、電源オフプロンプト及び電動工具の動作中におけるラグのプロンプトに対するものであるため、電動工具のほとんどは、状態のプロンプトとしてブザーのみを採用しており、ブザーは、発する音が比較的単純であり、主にプロンプトやアラームに用いられ、設計や用途によって、音楽音、汽笛音、ビープ音、アラーム音、ベル音などの様々な単純な音を発することができる。ブザーは、非常に狭い周波数範囲のみにあり、電気音響電力変換が比較的高いため、「ビーッ」「ビーッビーッ」で単純な発音しか行うことができず、ユーザは、発音の回数と長さに基づいて現在の電動工具の状態を区別する必要がある。しかしながら、作業状態に対して完全な電動工具をプロンプトする場合(例えば、通信障害、バッテリミスマッチ、モータストール、危険報知、ワイヤレスペアリング報知、長すぎる作業時間、高すぎる温度など)、従来のブザーを採用してプロンプトすれば、プロしかブザーのプロンプトに基づいて、事前に準備された文書と比較して、電動工具の現在の状態を正確に知ることができないが、ユーザにとっては、各音に対応する状態を記憶することが困難となるため、人間本位の音声報知機能を備えた電動工具を設計する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記不十分な状況を克服するために、上記問題を解決する技術的手段を提供することを目的とする。
【0005】
作業タスクを実行するように設けられる作業ユニットと、作業タスクを実行するように作業ユニットを動力駆動する動力ユニットと、駆動情報に基づいて作業ユニットが対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニットと、電動工具に電気エネルギを供給する給電ユニットと、中央制御部としての制御ユニットと、を含む電動工具に適用されるインテリジェント音声放送方法であって、
各モジュールの現在の状況を検出する状態検出ユニットと、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニットと、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニットと、を含み、
状態検出ユニットには、給電ユニットの動作時の給電情報を取得する給電検出モジュールと、電動工具の動作時の温度情報を取得する温度検出モジュールと、が設けられ、
制御ユニットは、駆動情報、給電情報及び温度情報に基づいて対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信し、音声変換ユニットは、音声指令に基づいて対応する音声ファイルを取得し、音声放送ユニットは、対応する音声ファイルを音声の方式で放送する。
【0006】
給電検出モジュールには、給電ユニットの電量情報を取得する電量取得モジュールがさらに設けられ、制御ユニットは、電量情報を判定し、電量情報が予め設定された値に達したときに、対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信することが好ましい。
【0007】
給電検出モジュールには、給電ユニットの給電情報を取得する過電圧低電圧検出モジュールがさらに設けられ、制御ユニットは、電量情報を判定し、電量不足又はバッテリミスマッチが発生したときに、対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信することが好ましい。
【0008】
給電検出モジュールには、通信識別モジュールがさらに設けられ、給電ユニットには、偽造防止識別モジュールが設けられ、通信識別モジュールは、偽造防止識別モジュールの暗号化情報を識別し、制御ユニットは、暗号化情報を判別し、対応する音声指令を生成して音声変換ユニットに送信することが好ましい。
【0009】
温度検出モジュールは、高温情報と過温情報とを含む電動工具の動作時の温度情報を取得し、制御ユニットが受信した情報が高温情報として識別されるとき、音声放送ユニットは、電動工具の現在の温度数値に対応する音声ファイルを放送し、制御ユニットが受信した情報が過温情報として識別されるとき、制御ユニットは、動力ユニットの動作を停止し、音声放送ユニットは、電動工具の現在の温度過温に対応する音声ファイルを放送することが好ましい。
【0010】
上述した電動工具に適用されるインテリジェント音声放送方法に基づくインテリジェント音声放送機能を有する電動工具であって、
作業タスクを実行する作業ユニットと、作業タスクを実行するように作業ユニットを動力駆動する動力ユニットと、駆動情報に基づいて作業ユニットが対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニットと、電動工具に電気エネルギを供給する給電ユニットと、中央制御部としての制御ユニットと、が設けられる本体を含み、
本体には、各モジュールの現在の状況を検出する状態検出ユニットと、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニットと、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニットと、がさらに設けられ、
状態検出ユニットには、給電検出モジュールと温度検出モジュールと、が設けられ、作業ユニットは、動力ユニットと動力的に組み合わされ、動力ユニット、信号生成ユニット、状態検出ユニット及び音声変換ユニットは、それぞれ制御ユニットと電気的に接続され、給電検出モジュールは、給電ユニットと電気的に接続され、温度検出モジュールは、電動工具における発熱部材に対応して組み合わされる。
【0011】
給電検出モジュールは、電量取得モジュールと、過電圧低電圧検出モジュールと、通信識別モジュールとを含み、給電ユニットには、偽造防止識別モジュールと、バッテリとが設けられ、電量取得モジュールと過電圧低電圧検出モジュールは、それぞれバッテリと電気的に接続され、通信識別モジュールは、偽造防止識別モジュールと電気的に接続されることが好ましい。
【0012】
本体には、電源入力インターフェースが設けられ、給電ユニットには、電源入力インターフェースと組み合わされる電源出力インターフェースが設けられ、給電ユニットは、電源出力インターフェースと電源入力インターフェースとのドッキングにより、電動工具に着脱可能に接続されることが実現されることが好ましい。
【0013】
制御ユニットは、型番がXMC1302であるチップU1と、各ユニットモジュールを接続するための周辺回路と、を含み、音声変換ユニットは、型番がWT588F02B-8Sであるチップを採用することが好ましい。
【0014】
作業ユニットには、電気ハサミがさらに設けられ、動力ユニットには、モータがさらに設けられ、状態検出ユニットには、モータと電気的に接続される逆起電力検出モジュールがさらに設けられることが好ましい。
【0015】
電動工具は、本体に設けられ、回路モジュールと電気的に接続される状態表示モジュールと、電源ボタンとをさらに含み、給電ユニットは、電源ボタンを介して電動工具に電気エネルギを供給し、前記信号生成ユニットは、電源ボタンを含むことが好ましい。
【0016】
作業タスクを実行する作業ユニットと、作業タスクを実行するように作業ユニットを動力駆動する動力ユニットと、駆動情報に基づいて作業ユニットが対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニットと、電動工具に電気エネルギを供給する給電ユニットと、中央制御部としての制御ユニットと、が設けられる本体を含む給電検出モジュール付き電動工具であって、
本体には、給電ユニットの現在の状況を取得する給電検出モジュールと、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニットと、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニットと、がさらに設けられ、
作業ユニットは、動力ユニットと動力的に組み合わされ、動力ユニット、信号生成ユニット、給電検出モジュール及び音声変換ユニットは、それぞれ制御ユニットと電気的に接続され、給電検出モジュールは、給電ユニットと電気的に接続される。
【0017】
作業タスクを実行する作業ユニットと、作業タスクを実行するように作業ユニットを動力駆動する動力ユニットと、駆動情報に基づいて作業ユニットが対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニットと、電動工具に電気エネルギを供給する給電ユニットと、中央制御部としての制御ユニットと、が設けられる本体を含む温度検出モジュール付き電動工具であって、
本体には、電動工具における発熱部材の発熱状況を取得する温度検出モジュールと、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニットと、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニットと、がさらに設けられ、
作業ユニットは、動力ユニットと動力的に組み合わされ、動力ユニット、信号生成ユニット、温度検出モジュール及び音声変換ユニットは、それぞれ制御ユニットと電気的に接続される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は、従来技術と比較して、以下のとおりである。
【0019】
電動工具の異なる動作状態における状況に対して対応する音声ファイルをロードすることができるため、使用者は、現在の電動工具の動作状態を音声により直感的に判断でき、それにより、使用者の作業効率を向上させることができると同時に、使用者の学習コストを大幅に低減させることができる。
【0020】
電動工具の異なる動作状態に対する情報取得、信号生成ユニットと状態検出ユニットとによる取得、すなわち、使用者が電動工具を操作して生成した駆動情報と、電動工具が状態検出ユニットにより検出した温度情報及び給電情報とにより、電動工具の操作及び動作中において、各動作又は各状態は、音声放送ユニットを介して放送することができ、電動工具の操作がより人間本位になる。
【0021】
本発明の付加的な態様及び利点は、以下の説明において部分的に与えられ、その部分は、以下の説明から明らかになり、又は本発明の実践によって知られることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0023】
【
図3】本発明における給電検出モジュールと給電ユニットとの電気的接続ブロック図である。
【
図4】本発明におけるチップU1の回路構造を示す概略図である。
【
図5】本発明における電源変換回路の回路構造を示す概略図である。
【
図6】本発明における動力制御回路の回路構造を示す概略図である。
【
図7】本発明における音声変換ユニットの回路構造を示す概略図である。
【
図8】本発明における給電検出モジュールの回路構造を示す概略図である。
【
図9】本発明における温度検出モジュールの回路構造を示す概略図である。
【
図10】本発明におけるチップU1の回路構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における技術的手段について明確かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
図1~10を参照して、本発明の実施例において、作業タスクを実行するように設けられる作業ユニット11と、作業タスクを実行するように作業ユニット11を動力駆動する動力ユニット12と、駆動情報に基づいて作業ユニット11が対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニット13と、電動工具に電気エネルギを供給する給電ユニット14と、中央制御部としての制御ユニット20と、を含む電動工具に適用されるインテリジェント音声放送方法であって、音声放送方法は、各モジュールの現在の状況を検出する状態検出ユニット21と、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニット23と、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニットに提供する音声変換ユニット22と、を含み、状態検出ユニット21には、給電ユニット14の動作時の給電情報を取得する給電検出モジュール211と、電動工具の動作時の温度情報を取得する温度検出モジュール212と、が設けられ、制御ユニット20は、駆動情報、給電情報及び温度情報に基づいて対応する音声指令を生成して音声変換ユニット22に送信し、音声変換ユニット22は、音声指令に基づいて対応する音声ファイルを取得し、音声放送ユニット23は、対応する音声ファイルを音声の方式で放送する。
【0026】
上記技術的手段において、電動工具の異なる動作状態における状況に対して対応する音声ファイルをロードすることができるため、使用者は、現在の電動工具の動作状態を音声により直感的に判断でき、それにより、使用者の作業効率を向上させることができると同時に、使用者の学習コストを大幅に低減させることができる。電動工具の異なる動作状態に対する情報取得、信号生成ユニット13と状態検出ユニット21とによる取得、すなわち、使用者が電動工具を操作して生成した駆動情報と、電動工具が状態検出ユニット21により検出した温度情報及び給電情報とにより、電動工具の操作及び動作中において、各動作又は各状態は、音声放送ユニット23を介して放送することができ、電動工具の操作がより人間本位になる。
【0027】
さらに、
図2~
図3に示すように、給電検出モジュール211には、給電ユニット14の電量情報を取得する電量取得モジュール213がさらに設けられ、制御ユニット20は、電量情報を判定し、電量情報が予め設定された値に達したときに、対応する音声指令を生成して音声変換ユニット22に送信する。本実施例において、制御ユニット20に電量放送値を予め設定することにより、電量情報が予め設定された値に達したときに、現在の状態における電動工具の電量を放送するため、タイムリーな充電がユーザに報知される。
【0028】
さらに、
図2~
図3に示すように、給電検出モジュール211には、給電ユニット14の給電情報を取得する過電圧低電圧検出モジュール214がさらに設けられ、制御ユニット20は、電量情報を判定し、電量不足又はバッテリミスマッチが発生したときに、対応する音声指令を生成して音声変換ユニット22に送信する。
【0029】
さらに、
図2~
図3に示すように、給電検出モジュール211には、通信識別モジュール215がさらに設けられ、給電ユニット14には、偽造防止識別モジュール141が設けられ、通信識別モジュール215は、偽造防止識別モジュール141の暗号化情報を識別し、制御ユニット20は、暗号化情報を判別し、対応する音声指令を生成して音声変換ユニット22に送信する。本実施例の設計は、バッテリ偽造防止機能を有し、顧客が質の悪いバッテリを挿入してシステムに不可逆的な損傷を引き起こすことが防止されるようにシリアルポートを採用して通信し給電ユニット14のバッテリがオリジナルのバッテリであるか否かを識別する。通信プロトコルは、CRC8検査とパリティ検査の組み合わせを採用して暗号化し、
図8に示すように、ハードウェアは、高電圧通信を採用することで、システム通信を安全かつ安定して動作させることができ、三極管のスイッチング特性、すなわち、飽和領域におけるトランジスタの動作を採用することで低電圧と高電圧のレベル変換が実現される。
【0030】
また、温度検出モジュール212は、高温情報と過温情報とを含む電動工具の動作時の温度情報を取得し、制御ユニット20が受信した情報が高温情報として識別されるとき、音声放送ユニット23は、電動工具の現在の温度数値に対応する音声ファイルを放送し、制御ユニット20が受信した情報が過温情報として識別されるとき、制御ユニット20は、動力ユニット12の動作を停止し、音声放送ユニット23は、電動工具の現在の温度過温に対応する音声ファイルを放送する。
【0031】
図1~10を参照して、本発明の実施例において、上述した電動工具に適用されるインテリジェント音声放送方法に基づくインテリジェント音声放送機能を有する電動工具であって、作業タスクを実行する作業ユニット11と、作業タスクを実行するように作業ユニット11を動力駆動する動力ユニット12と、駆動情報に基づいて作業ユニット11が対応する動作を行うように駆動情報を生成する信号生成ユニット13と、電動工具に電気エネルギを供給する給電ユニット14と、中央制御部としての制御ユニット20と、が設けられる本体10を含み、本体10には、各モジュールの現在の状況を検出する状態検出ユニット21と、各モジュールの現在の状況を音声方式により放送する音声放送ユニット23と、各モジュールの現在の状況に適応するための様々な音声ファイルを音声放送ユニット23に提供する音声変換ユニット22と、がさらに設けられ、状態検出ユニット21には、給電検出モジュール211と温度検出モジュール212と、が設けられ、作業ユニット11は、動力ユニット12と動力的に組み合わされ、動力ユニット12、信号生成ユニット13、状態検出ユニット21及び音声変換ユニット22は、それぞれ制御ユニット20と電気的に接続され、給電検出モジュール211は、給電ユニット14と電気的に接続され、温度検出モジュール212は、電動工具における発熱部材に対応して組み合わされ、発熱部材は、主に、回路におけるMOSチューブ、バッテリ142及びチップを含む。
【0032】
さらに、
図1~
図3に示すように、給電検出モジュール211は、電量取得モジュール213と、過電圧低電圧検出モジュール214と、通信識別モジュール215とを含み、給電ユニット14には、偽造防止識別モジュール141と、バッテリ142とが設けられ、電量取得モジュール213と過電圧低電圧検出モジュール214は、それぞれバッテリ142と電気的に接続され、通信識別モジュール215は、偽造防止識別モジュール141と電気的に接続される。本体10には、電源入力インターフェース15が設けられ、給電ユニット14には、電源入力インターフェース15と組み合わされる電源出力インターフェース16が設けられ、給電ユニット14は、電源出力インターフェース16と電源入力インターフェース15とのドッキングにより、電動工具に着脱可能に接続されることが実現される。
【0033】
さらに、
図4~
図7に示すように、制御ユニット20は、型番がXMC1302であるチップU1と、各ユニットモジュールを接続するための周辺回路と、を含み、XMC1300シリーズは、ARMCortex-M0プロセッサコアに基づくXMC1000産業用マイクロコントローラファミリに属する。XMC1300シリーズデバイスは、モータ制御、電源変換及びLED照明アプリケーションに対して設計を最適化する。組込み制御アプリケーションの複雑さとコンピューティング能力に対する需要が高まっており、マイクロコントローラは、市場投入までの時間を短縮するだけではなく、コストパフォーマンスに影響を与えないため、強力なCPU性能、統合された周辺機器機能及び迅速な開発環境を必要とする。周辺回路は、主に、動力ユニット12に対応する動力制御回路と、給電ユニット14に対応する電源変換回路とを含む。音声変換ユニット22は、型番がWT588F02B-8Sであるチップを採用する。WT588F02B-8Sは、16ビットDSP音声チップで、水晶振動子内蔵、16PWMデコード、8R0.5Wホーンを直接駆動することができる。WT588F02B-8S高音質は、最大170秒の音声コンテンツの保存をサポートすることができる。従来のOTPチップとは異なり、最大のブレークスルーは、顧客が自分自身でダウンローダと組み合わせることにより、オンラインでのチップの内部音声コンテンツの交換を実現することである。また、チップには、ハードウェアSPI、UART、IIC、コンパレータなどの様々なリソースが内蔵される。
【0034】
さらに、
図1及び
図10に示すように、作業ユニット11には、電気ハサミがさらに設けられ、動力ユニット12には、モータがさらに設けられ、状態検出ユニット21には、モータと電気的に接続される逆起電力検出モジュール26がさらに設けられる。電気ハサミを実施例として、カット過程において、逆起電力検出モジュール26により、電気ハサミにラグが発生したか否か、カット強度が大きすぎる、又はカット回数が多すぎるなどの状況を検出することができ、それから、制御ユニット20により対応する音声指令を生成し、音声を放送して使用者に報知するように音声放送ユニット23を制御する。
【0035】
さらに、
図1及び
図2に示すように、電動工具は、本体10に設けられ、制御ユニット20と電気的に接続される状態表示モジュール24と、電源ボタン25とをさらに含み、給電ユニット14は、電源ボタン25を介して電動工具に電気エネルギを供給し、前記信号生成ユニット13は、電源ボタン25を含む。
【0036】
当業者にとって、本発明は、上述した例示的な実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で本発明を実現することができることは明らかである。したがって、いずれの点においても、実施例は例示的であり、かつ非限定的であるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものであり、したがって、特許請求の範囲の同等の要件の意味及び範囲に収まるすべての変化を本発明に包含することを目的とする。
【符号の説明】
【0037】
10、本体
11、作業ユニット
12、動力ユニット
13、信号生成ユニット
14、給電ユニット
15、電源入力インターフェース
16、電源出力インターフェース
20、制御ユニット
21、状態検出ユニット
22、音声変換ユニット
23、音声放送ユニット
24、状態表示モジュール
25、電源ボタン
26、逆起電力検出モジュール
141、偽造防止識別モジュール
142、バッテリ
211、給電検出モジュール
212、温度検出モジュール
213、電量取得モジュール
214、過電圧低電圧検出モジュール
215、通信識別モジュール