(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】基材容器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240924BHJP
B65D 85/86 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/86 400
(21)【出願番号】P 2022209985
(22)【出願日】2022-12-27
【審査請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518310802
【氏名又は名称】中勤實業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】顏暉展
(72)【発明者】
【氏名】陳健福
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037945(JP,A)
【文献】特開2000-021966(JP,A)
【文献】特開2008-173222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基材を積層して保持する基材容器であって、
収容キャビティと、前記収容キャビティと外部とを連通する開口部とを有する保持箱と、前記開口部に対応して覆うとともに前記収容キャビティを閉鎖するドアプレートとを備えた容器本体と、
前記ドアプレートに設けられ、駆動ディスクと複数の従動ラッチ部とを備え、前記駆動ディスクが各前記従動ラッチ部を駆動して前記ドアプレートから突出させたり、前記ドアプレート内に退避させたりするように操作可能である少なくとも1つのロック機構と、
前記容器本体の外側に設けられた少なくとも1つの収納部と、を含み、
前記ドアプレートには、直線状に配列された複数の位置決めピンが設けられ、各前記従動ラッチ部には、各前記位置決めピンに対応する複数の長孔が設けられ、各前記長孔は、各前記位置決めピンに嵌合されて、各前記従動ラッチ部が各前記長孔の配列方向に沿って移動することを制限し、
前記駆動ディスクが各前記従動ラッチ部を駆動して前記ドアプレートから突出させたり前記ドアプレート内に退避させたりすることにより、前記ドアプレートを前記開口部にロックさせたり前記開口部から解除させたりする、基材容器。
【請求項2】
前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容されている、請求項1に記載の基材容器。
【請求項3】
各前記円弧状溝はロック解除端とロック端とを有し、前記ロック解除端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第1間隔は、前記ロック端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第2間隔よりも小さい、請求項2に記載の基材容器。
【請求項4】
前記収納部は前記ドアプレートに設けられている、請求項1に記載の基材容器。
【請求項5】
前記収納部は前記保持箱に設けられている、請求項1に記載の基材容器。
【請求項6】
前記ドアプレートはベースプレートとカバープレートとを有し、前記ロック機構は前記ベースプレートに設けられ、前記カバープレートは、前記ベースプレートを覆うとともに前記ロック機構を遮蔽する、請求項1に記載の基材容器。
【請求項7】
前記ドアプレートには複数の穿孔溝が設けられ、前記保持箱には、前記開口部に各前記穿孔溝に対応する複数の係止溝が設けられ、各前記従動ラッチ部は、各前記穿孔溝を移動可能に挿通して各前記係止溝内に嵌入される、請求項1に記載の基材容器。
【請求項8】
複数の基材を積層して保持する基材容器であって、
収容キャビティと、前記収容キャビティと外部とを連通する開口部とを有する保持箱と、前記開口部に対応して覆うとともに前記収容キャビティを閉鎖するドアプレートとを備えた容器本体と、
前記ドアプレートに設けられ、駆動ディスクと複数の従動ラッチ部とを備え、前記駆動ディスクが各前記従動ラッチ部を駆動して前記ドアプレートから突出させたり、前記ドアプレート内に退避させたりするように用いられる少なくとも1つのロック機構と、
前記容器本体の外側に設けられた少なくとも1つの収納部と、
選択的に前記駆動ディスクに嵌入されるか、又は前記収納部に収納される、少なくとも1つの解錠器具と、を含み、
前記解錠器具が前記駆動ディスクに嵌入されているとき、前記解錠器具を回動させることにより、前記駆動ディスクが各前記従動ラッチ部を前記ドアプレートから突出させたり、前記ドアプレート内に退避させたりして、前記ドアプレートが前記開口部をロック又はロック解除する、基材容器。
【請求項9】
前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容されている、請求項
8に記載の基材容器。
【請求項10】
各前記円弧状溝はロック解除端とロック端とを有し、前記ロック解除端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第1間隔は、前記ロック端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第2間隔よりも小さい、請求項
9に記載の基材容器。
【請求項11】
前記ドアプレートには、直線状に配列された複数の位置決めピンが設けられ、各前記従動ラッチ部には、各前記位置決めピンに対応する複数の長孔が設けられ、各前記長孔は、各前記位置決めピンに嵌合して、各前記従動ラッチ部が各前記長孔の配列方向に沿って移動することを制限する、請求項
9に記載の基材容器。
【請求項12】
前記解錠器具はグリップと嵌合ブロックとを含み、前記駆動ディスクには嵌合溝が設けられ、前記嵌合ブロックは、前記グリップを取り外し可能に連結し、前記嵌合溝に対応して嵌入可能に設けられている、請求項
8に記載の基材容器。
【請求項13】
前記収納部は前記ドアプレートに設けられている、請求項
8に記載の基材容器。
【請求項14】
前記収納部は前記保持箱に設けられている、請求項
8に記載の基材容器。
【請求項15】
前記ドアプレートはベースプレートとカバープレートとを有し、前記ロック機構は前記ベースプレートに設けられ、前記カバープレートは、前記ベースプレートを覆うとともに前記ロック機構を遮蔽する、請求項
8に記載の基材容器。
【請求項16】
前記カバープレートには少なくとも1つの貫通溝が設けられ、前記解錠器具の一部は、前記貫通溝を貫通して前記駆動ディスクに嵌入される、請求項
15に記載の基材容器。
【請求項17】
前記ドアプレートには複数の穿孔溝が設けられ、前記保持箱には、前記開口部に各前記穿孔溝に対応する複数の係止溝が設けられ、各前記従動ラッチ部は、各前記穿孔溝を移動可能に挿通して各前記係止溝内に係止される、請求項
8に記載の基材容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、特に複数の基材を積層して保持可能な基材容器に関する。
【背景技術】
【0002】
技術産業の発展に伴い、プリント回路基板、ウエハ、半導体基板、又は他の導電性基板及び絶縁性基板などの基材の需要が日々増加している。生産効率及び生産歩留まりを向上させ、人員とコストを削減するために、製造業者は、徐々に自動化や半自動化生産に移行している。したがって、異なる工程で大量の基材を搬送移載することは非常に重要である。搬送移載時の衝突や振動による破損を避けるために、それぞれの基材を基材容器内に分離して積み重ねて収容し、その後、その基材容器に対して搬送移載を行うことが一般的になっている。
【0003】
しかしながら、一般的な基材容器の多くは、基材容器の内部から各基材の出し入れを容易にするために開口部が開いているため、搬送移載の過程で塵屑やゴミ等の異物が混入しやすく、基材の品質に影響を与えることがある。一部の基材容器は、ドアプレート及び簡易なドアロックを設けて基材容器を閉鎖し、作業者が解錠するために鍵が装備されている。しかし、簡易な鍵は、強度が低いだけでなく、鍵を紛失したり、鍵を使用するときに鍵管理者が見つからなかったりする等の問題が生じやすい。そのため、どのように鍵のロック強度を向上させるとともに、鍵を収納でき、紛失しにくいようにするのは、メーカーが早急に改善する必要がある点である。
【0004】
これに鑑み、本発明者は、上記の従来技術の欠陥に対し、鋭意研究を重ねると共に学理の運用を組み合わせ、上記問題点を解決することに努めた結果、本発明者の改良の目標となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、ドアプレートが保持箱から脱落しないように効率的に施錠できる基材容器を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、解錠器具を容器本体の外側に収容して、紛失や一時的に解錠器具が見つからないことによる解錠不能を回避できる基材容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る基材容器は、複数の基材を積層して保持するために用いられ、保持箱とドアプレートとを備えた容器本体と、前記ドアプレートに設けられた少なくとも1つのロック機構と、前記容器本体の外側に設けられた少なくとも1つの収納部と、を含み、前記保持箱は、収容キャビティと、前記収容キャビティと外部とを連通する開口部とを有し、前記ドアプレートは、前記開口部に対応して覆うとともに前記収容キャビティを閉鎖し、前記ロック機構は、駆動ディスクと複数の従動ラッチ部とを備え、前記駆動ディスクは、各前記従動ラッチ部を駆動して前記ドアプレートから突出させたり、前記ドアプレート内に退避させたりするように操作可能であり、前記駆動ディスクが各前記従動ラッチ部を駆動して前記ドアプレートから突出させたり前記ドアプレート内に退避させたりして、前記ドアプレートが前記開口部をロック又はロック解除する。
【0008】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容されている。
【0009】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容され、各前記円弧状溝はロック解除端とロック端とを有し、前記ロック解除端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第1間隔は、前記ロック端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第2間隔よりも小さい。
【0010】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容され、前記ドアプレートには、直線状に配列された複数の位置決めピンが設けられ、各前記従動ラッチ部には、各前記位置決めピンに対応する複数の長孔が設けられ、各前記長孔は、各前記位置決めピンに嵌合して、各前記従動ラッチ部が各前記長孔の配列方向に沿って移動することを制限する。
【0011】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記収納部は前記ドアプレートに設けられている。
【0012】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記収納部は前記保持箱に設けられている。
【0013】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記ドアプレートはベースプレートとカバープレートとを有し、前記ロック機構は前記ベースプレートに設けられ、前記カバープレートは、前記ベースプレートを覆うとともに前記ロック機構を遮蔽する。
【0014】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記ドアプレートには複数の穿孔溝が設けられ、前記保持箱は、前記開口部に各前記穿孔溝に対応する複数の係止溝が設けられ、各前記従動ラッチ部は、各前記穿孔溝を移動可能に挿通して各前記係止溝内に係止される。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る基材容器は、複数の基材を積層して保持するために用いられ、保持箱とドアプレートとを備えた容器本体と、前記ドアプレートに設けられ、駆動ディスクと複数の従動ラッチ部とを備えた少なくとも1つのロック機構と、前記容器本体の外側に設けられた少なくとも1つの収納部と、選択的に前記駆動ディスクに嵌入されるか、又は前記収納部に収納される、少なくとも1つの解錠器具と、を含み、前記保持箱は、収容キャビティと、前記収容キャビティと外部とを連通する開口部とを有し、前記ドアプレートは、前記開口部に対応して覆うとともに前記収容キャビティを閉鎖し、前記駆動ディスクは、各前記従動ラッチ部を駆動して前記ドアプレートから突出させたり、前記ドアプレート内に退避させたりするように用いられ、前記解錠器具が前記駆動ディスクに嵌入されているとき、前記解錠器具を回動させることにより、前記駆動ディスクが各前記従動ラッチ部を前記ドアプレートから突出させたり、前記ドアプレート内に退避させたりして、前記ドアプレートが前記開口部をロック又はロック解除する。
【0016】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容されている。
【0017】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容され、前記円弧状溝はロック解除端とロック端とを有し、前記ロック解除端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第1間隔は、前記ロック端の中心と前記駆動ディスクの中心との間隔である第2間隔よりも小さい。
【0018】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記駆動ディスクには複数の円弧状溝が設けられ、各前記従動ラッチ部には各前記円弧状溝に対応する従動ピンが設けられ、各前記従動ピンは各前記円弧状溝内にスライド可能に部分的に収容され、前記ドアプレートには、直線状に配列された複数の位置決めピンが設けられ、各前記従動ラッチ部には、各前記位置決めピンに対応する複数の長孔が設けられ、各前記長孔は、各前記位置決めピンに嵌合して、各前記従動ラッチ部が各前記長孔の配列方向に沿って移動することを制限する。
【0019】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記解錠器具はグリップと嵌合ブロックとを含み、前記駆動ディスクには嵌合溝が設けられ、前記嵌合ブロックは、前記グリップを取り外し可能に連結し、前記嵌合溝に対応して嵌入可能に設けられている。
【0020】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記収納部は前記ドアプレートに設けられている。
【0021】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記収納部は前記保持箱に設けられている。
【0022】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記ドアプレートはベースプレートとカバープレートとを有し、前記ロック機構は前記ベースプレートに設けられ、前記カバープレートは、前記ベースプレートを覆うとともに前記ロック機構を遮蔽する。
【0023】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記ドアプレートはベースプレートとカバープレートとを有し、前記ロック機構は前記ベースプレートに設けられ、前記カバープレートは、前記ベースプレートを覆うとともに前記ロック機構を遮蔽し、前記カバープレートには少なくとも1つの貫通溝が設けられ、前記解錠器具の一部は、前記貫通溝を貫通して前記駆動ディスクに嵌入される。
【0024】
あるいは、本発明に係る基材容器において、前記ドアプレートには複数の穿孔溝が設けられ、前記保持箱は、前記開口部に各前記穿孔溝に対応する複数の係止溝が設けられ、各前記従動ラッチ部は、各前記穿孔溝を移動可能に挿通して各前記係止溝内に係止される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】本発明のドア
プレート、解錠器具及びロック機構の外観斜視図である。
【
図6】本発明のドア
プレートとロック機構の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の詳細な説明及び技術的内容については、図面を参照して以下に説明するが、図面は、参考及び説明のためのものにすぎず、本発明を限定するものではない。以下に開示される実施形態の内容は、提供される対象の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は実例を提供する。本願を簡略化するために、以下、素子及び配置の特定の実例を記述する。勿論、これらの実例は、単なる実例であり、制限しようとするものではない。例えば、以下の説明で第1特徴を第2特徴「の上」又は第2特徴「上」に形成することは、第1特徴が第2特徴に直接接触に形成される実施例を含んでもよく、第1特徴と第2特徴の間に付加特徴が形成され、第1特徴が第2特徴に直接接触しない実施例を含んでもよい。さらに、本願の各実例において素子の符号及び/又はアルファベットを重複してよい。この重複は、簡便且つ明瞭にするために行われ、それ自体が記述される各実施形態及び/又は配置の間の関係を指定しない。
【0027】
また、図中に示された1つの素子又は特徴と他の素子又は特徴との関係を説明しやすいように、本文中では例えば「…の下に」、「…の上に」、「…上方に」、「…下方に」、「下部」、及び「上部」などの空間相対用語を使用する。空間相対用語は、図に示された方向に加えて、使用時又は動作時の装置の異なる方向を含むことを意図する。本明細書に使用される空間相対用語は、同様にそれに応じて解釈されてもよい。
【0028】
本発明は、主に複数の基
材(図示せず)を積層して保持するために用いられる基
材容器を提供する。上記基
材は、プリント基板、ウエハ、半導体基板、又はその他の導電性基板及び絶縁性基板であってもよいが、本発明はこれに限定されない。
図1~
図8に示すように、基
材容器は、容器本体10と、少なくとも1つのロック機構20と、少なくとも1つの収納部30とを含む。
【0029】
容器本体10は、主に保持箱11とドアプレート12とを備える。保持箱11は中空の直方体であり、保持箱11の内部には収容キャビティ111が形成され、保持箱11の一側面には、収容キャビティ111と外部とを連通する開口部112が形成されている。この開口部112を介して、各基材を収容キャビティ111内に移入して又は収容キャビティ111内から移出することが可能である。ドアプレート12は板状であり、開口部112に対応して覆うとともに、収容キャビティ111を閉鎖するために用いられているので、異物や塵屑が収容キャビティ111内に侵入して各基材の品質に影響を及ぼすことを避けることができる。好ましくは、保持箱11は、収容キャビティ111内に複数の支持棚113を配置して各基材を載置するが、本発明はこれに限定されない。本実施形態において、保持箱11及びドアプレート12は共にプラスチックで構成されているので、容器本体10全体の重量を大幅に低減して載置搬送を行うことができる。そのため、本発明では、容器本体10がさらに支持枠体13を含んでもよい。支持枠体13は金属部材であり、保持箱11の外側に被覆されており、容器本体10の構造的強度を高めることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
ロック機構20は、ドアプレート12に配置され、駆動ディスク21と少なくとも1つの従動ラッチ部22とを含む。本実施形態において、ロック機構20の従動ラッチ部22の数は2であるが、本発明はこれに限定されない。駆動ディスク21は、各従動ラッチ部22を駆動してドアプレート12の外部に突出させたり、ドアプレート12内に退避させたりするように操作可能であり、ドアプレート12が開口部112をロック又はロック解除することができる。具体的には、各従動ラッチ部22は、駆動ディスク21から外側に延びる直線状に配置されている。本実施形態における各従動ラッチ部22は、上下に直線状に配置されているが、本発明はこれに限定されず、例えば各従動ラッチ部22は、左右に配置されていてもよいし、斜めに配置されていてもよい。本実施形態において、ロック機構20の数は2つであり、ドアプレート12に並列に配置されることで、各ロック機構20を共に容器本体10にロックさせるときに、モーメントの影響で容易に離脱や損壊を引き起こすことがなく、均一に固着力を加えることができる。ただし、本発明はこれに限定されない。以下説明の便宜上、1つのロック機構20を例に説明する。
【0031】
収納部30の数は、ロック機構20の数に応じて配置されることが好ましいので、本実施形態において、収納部30の数は2つであるが、以下説明の便宜上、1つの収納部30を例に説明する。容器本体10の外側には、収納部30が設けられている。具体的には、収納部30は、作業者が容易にアクセス可能であれば、設計や使用条件に応じて、ドアプレート12、保持箱11、又は支持枠体13に配置されてもよい。本実施形態において、収納部30はプラスチック射出により一体成形されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、収納部30は金属により構成されていてもよい。収納部30は、フレーム体であり、その中心にスロット31を形成して解錠器具40の掛け置きに用いられる。収納部30は複数のボルト(図に示さない)によってロックして固定されてもよいが、収納部30の収容方法及び固定方法はこられに限定されない。
【0032】
また、ドアプレート12は、ベースプレート121とカバープレート122とを備える。ロック機構20は、ベースプレート121上に設けられ、カバープレート122は、ベースプレート121を覆うとともにロック機構20を遮蔽する。具体的には、ベースプレート121の側周縁部には、壁(符号なし)が延在して形成されている。また、ベースプレート121には、壁の囲い領域内に複数の補強リブ(符号なし)が形成されて全体の構造が強化されるとともに、壁と各補強リブとの間にはロック機構20を設けるための空間が形成されている。ここで、カバープレート122は、ベースプレート121に対して係止して固定されてもよいが、両者間の固定方法は限定されない。
【0033】
さらに、ドアプレート12には複数の穿孔溝121Aが設けられ、保持箱11には、開口部112に各穿孔溝121Aの位置に対応する複数の係止溝114が設けられている。各従動ラッチ部22の駆動ディスク21から離れた端部は、各穿孔溝121Aを移動可能に挿通して、保持箱11の各係止溝114内に係止されて、ドアプレート12を保持箱11にロックする。具体的には、各穿孔溝121Aは、ベースプレート121の壁に設けられており、各穿孔溝121Aの位置は、各従動ラッチ部22の位置に対応して配置され、各係止溝114も、各穿孔溝121Aの位置に対応して配置されている。
【0034】
図2、
図5及び
図6に示すように、駆動ディスク21には複数の円弧状溝212が設けられ、各従動ラッチ部22の駆動ディスク21に隣接する端部には、各円弧状溝212に対応する従動ピン221が設けられ、各従動ピン221は、各円弧状溝212内にスライド可能に部分的に収容されている。具体的には、各円弧状溝212は、略円弧状であり、ロック解除端212Aとロック端212Bとを有する。ロック解除端212Aの中心と駆動ディスク21の中心との間隔である第1間隔t1は、ロック端212Bの中心と駆動ディスク21の中心との間隔である第2間隔t2よりも小さいように設けられている。これにより、駆動ディスク21を従動ピン221がロック端212Bに位置するように回動させると、
図6及び
図7に示すように、従動ラッチ部22は駆動ディスク21によって駆動されてドア
プレート12の外側に突出して保持
箱11をロックし、駆動ディスク21を従動ピン221がロック解除端212Aに位置するように回動させると、
図6及び
図8に示すように、従動ラッチ部22は駆動ディスク21によって駆動されてドア
プレート12の内側に退避して保持
箱11のロックを解除する。したがって、第2間隔t2と第1間隔t1との差は、従動ラッチ部22がロック解除位置とロック位置の間に移動する変位量であるため、この差を調整することによって各従動ラッチ部22の突出量を制御することができる。
【0035】
また、ドアプレート12のベースプレート121には、直線状に配列された複数の位置決めピン121Bが設けられ、各従動ラッチ部22には、各位置決めピン121Bに対応する複数の長孔222が設けられている。各長孔222は、各位置決めピン121Bに嵌合されて、各従動ラッチ部22が各長孔222の配列方向に移動することを制限する。本実施形態において、各従動ラッチ部22が駆動ディスク21から上下方向に延設されているので、各位置決めピン121Bは、それぞれ駆動ディスク21の上下方に配置され、各長孔222も上下方向に沿って延びる細長い形状である。このようにして、各位置決めピン121Bが各長孔222内に拘束されることにより、各従動ラッチ部22が斜行することなく安定して上下に移動することができ、ドアプレート12への突出時に各従動ラッチ部22が保持箱11の各係止溝114内に正確に嵌合することができる。
【0036】
本発明は、主に複数の基
材(図示せず)を積層して保持するために用いられる基
材容器をさらに提供する。上記基
材は、プリント基板、ウエハ、半導体基板、又はその他の導電性基板及び絶縁性基板であってもよいが、本発明はこれに限定されない。
図1~
図8に示すように、基
材容器は、容器本体10と、少なくとも1つのロック機構20と、少なくとも1つの収納部30と、解錠器具40とを含む。
【0037】
容器本体10は、主に保持箱11とドアプレート12とを備える。保持箱11は中空の直方体であり、保持箱11の内部には収容キャビティ111が形成され、保持箱11の一側面には、収容キャビティ111と外部とを連通する開口部112が形成されている。この開口部112を介して、各基材を収容キャビティ111内に移入して又は収容キャビティ111内から移出することが可能である。ドアプレート12は板状であり、開口部112に対応して覆うとともに、収容キャビティ111を閉鎖するために用いられているので、異物や塵屑が収容キャビティ111内に侵入して各基材の品質に影響を及ぼすことを避けることができる。好ましくは、保持箱11は、収容キャビティ111内に複数の支持棚113を配置して各基材を載置するが、本発明はこれに限定されない。本実施形態において、保持箱11及びドアプレート12は共にプラスチックで構成されているので、容器本体10全体の重量を大幅に低減して載置搬送を行うことができる。そのため、本発明では、容器本体10がさらに支持枠体13を含んでもよい。支持枠体13は金属部材であり、保持箱11の外側に被覆されており、容器本体10の構造的強度を高めることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
ロック機構20は、ドアプレート12に配置され、駆動ディスク21と少なくとも1つの従動ラッチ部22とを含む。本実施形態において、ロック機構20の従動ラッチ部22の数は2であるが、本発明はこれに限定されない。駆動ディスク21は、各従動ラッチ部22を駆動してドアプレート12の外部に突出させたり、ドアプレート12内に退避させたりするように用いられる。具体的には、各従動ラッチ部22は、駆動ディスク21から外側に延びる直線状に配置されている。本実施形態における各従動ラッチ部22は、上下に直線状に配置されているが、本発明はこれに限定されず、例えば各従動ラッチ部22は、左右に配置されていてもよいし、斜めに配置されていてもよい。本実施形態において、ロック機構20の数は2つであり、ドアプレート12に並列に配置されることで、各ロック機構20を共に容器本体10にロックさせるときに、モーメントの影響で容易に離脱や損壊を引き起こすことがなく、均一に固着力を加えることができる。ただし、本発明はこれに限定されない。以下説明の便宜上、1つのロック機構20を例にする。
【0039】
収納部30の数は、ロック機構20の数に応じて配置されることが好ましいので、本実施形態において、収納部30の数は2つであるが、以下説明の便宜上、1つの収納部30を例に説明する。容器本体10の外側には、収納部30が設けられている。具体的には、収納部30は、作業者が容易にアクセス可能であれば、設計や使用条件に応じて、ドアプレート12又は保持箱11に配置されてもよい。本実施形態において、収納部30はプラスチック射出により一体成形されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、収納部30は金属により構成されていてもよい。収納部30は、フレーム体であり、その中心にスロット31を形成して解錠器具40の掛け置きに用いられる。収納部30は複数のボルト(図に示さない)によってロックして固定されてもよいが、収納部30の収容方法及び固定方法はこられに限定されない。
【0040】
解錠器具40の数は、収納部30の数応じて配置されているので、本実施形態において、解錠器具40の数は2であるが、以下説明の便宜上、1つの解錠器具40を例に説明する。
図3に示すように、解錠器具40は主に1つのグリップ41と、1つの嵌合ブロック42とを含み、嵌合ブロック42は、グリップ41を取り外し可能に連結している。具体的には、嵌合ブロック42は、垂直方向に延びる固定ピン421を有し、グリップ41は、固定ピン421が挿入される固定孔411を有し、解錠器具40は、固定ピン421を固定孔411内にロックするボルト43をさらに含む。また、ロック機構20の駆動ディスク21の中心には嵌合溝211が設けられ、嵌合ブロック42が嵌合溝211に対応して嵌合可能であるため、解錠器具40を回転させたときに駆動ディスク21を連動して回動させることができる。このようにして、嵌合ブロック42は、異なるサイズの嵌合溝211に応じて仕様を変更し、同じサイズの固定ピン421を介してグリップ41の固定孔411内に取り付けることができるので、解錠器具40の汎用的な効果を達成することができる。したがって、解錠器具40は、選択的に駆動ディスク21に嵌入されるか、又は収納部30に収容されることができる。解錠器具40を駆動ディスク21に嵌入すると、解錠器具40を回動させることにより、駆動ディスク21が各従動ラッチ部22をドア
プレート12から突出させたり、ドア
プレート12内に退避させたりして、ドア
プレート12が開口部112をロック又はロック解除することができる。
【0041】
さらに、ドアプレート12は、ベースプレート121とカバープレート122とを備える。ロック機構20は、ベースプレート121上に設けられ、カバープレート122は、ベースプレート121を覆うとともにロック機構20を遮蔽する。具体的には、ベースプレート121の側周縁部には、壁(符号なし)が延在して形成されている。また、ベースプレート121には、壁の囲い領域内に複数の補強リブ(符号なし)が形成されて全体の構造が強化されるとともに、壁と各補強リブとの間にはロック機構20を設けるための空間が形成されている。ここで、カバープレート122は、ベースプレート121に対して係止して固定されてもよいが、両者間の固定方法は限定されない。
【0042】
また、カバープレート122には、少なくとも1つの貫通溝122Aが設けられ、解錠器具40の一部は、貫通溝122Aを挿通して駆動ディスク21内に嵌入される。具体的には、解錠器具40の嵌合ブロック42は、貫通溝122Aを通過してドアプレート12の駆動ディスク21の嵌合溝211内に嵌め込まれ、解錠器具40の固定ピン421が貫通溝122Aを通過して、解錠器具40のグリップ41をカバープレート122の外側に露出させるので、人による操作を容易にすることができる。なお、貫通溝122Aは、ロック機構20が解錠されたときの嵌合溝211の位置に対応して設けられているため、ロック機構20がロック位置にあるときに、貫通溝122Aの位置と嵌合溝211の位置とがずれて、嵌合ブロック42がカバープレート122に規制されて解錠器具40を取り出すことができなくなる。
【0043】
さらに、ドアプレート12には複数の穿孔溝121Aが設けられ、保持箱11には、開口部112に各穿孔溝121Aの位置に対応する複数の係止溝114が設けられている。各従動ラッチ部22の駆動ディスク21から離れた端部は、各穿孔溝121Aを移動可能に挿通して、保持箱11の各係止溝114内に嵌入されて、ドアプレート12を保持箱11にロックする。具体的には、各穿孔溝121Aは、ベースプレート121の壁に設けられており、各穿孔溝121Aの位置は、各従動ラッチ部22の位置に対応して配置され、各係止溝114も、各穿孔溝121Aの位置に対応して配置されている。
【0044】
図2、
図5及び
図6に示すように、駆動ディスク21には複数の円弧状溝212が設けられ、各従動ラッチ部22の駆動ディスク21に隣接する端部には、各円弧状溝212に対応する従動ピン221が設けられ、各従動ピン221は、各円弧状溝212内にスライド可能に部分的に収容されている。具体的には、各円弧状溝212は、略円弧状であり、ロック解除端212Aとロック端212Bとを有する。ロック解除端212Aの中心と駆動ディスク21の中心との間隔である第1間隔t1は、ロック端212Bの中心と駆動ディスク21の中心との間隔である第2間隔t2よりも小さいように設けられている。これにより、駆動ディスク21を従動ピン221がロック端212Bに位置するように回動させると、
図6及び
図7に示すように、従動ラッチ部22は駆動ディスク21によって駆動されてドア
プレート12の外側に突出して保持
箱11をロックし、駆動ディスク21を従動ピン221がロック解除端212Aに位置するように回動させると、
図6及び
図8に示すように、従動ラッチ部22は駆動ディスク21によって駆動されてドア
プレート12の内側に退避して保持
箱11のロックを解除する。したがって、第2間隔t2と第1間隔t1との差は、従動ラッチ部22がロック解除位置とロック位置の間に移動する変位量であるため、この差を調整することによって各従動ラッチ部22の突出量を制御することができる。
【0045】
また、ドアプレート12のベースプレート121には、直線状に配列された複数の位置決めピン121Bが設けられ、各従動ラッチ部22には、各位置決めピン121Bに対応する複数の長孔222が設けられている。各長孔222は、各位置決めピン121Bに嵌合されて、各従動ラッチ部22が各長孔222の配列方向に移動することを制限する。本実施形態において、各従動ラッチ部22が駆動ディスク21から上下方向に延設されているので、本実施形態では、各位置決めピン121Bも駆動ディスク21の配設箇所よりも上下方に延設されるとともに、各長孔222も上下方向に延設されている。このようにして、各位置決めピン121Bが各長孔222内に拘束されることにより、各従動ラッチ部22が斜行することなく安定して上下に移動することができ、ドアプレート12への突出時に各従動ラッチ部22が保持箱11の各係止溝114内に正確に嵌合することができる。
【0046】
以上をまとめると、本発明は産業上の利用可能性、新規性及び進歩性を有し、特許出願要件に完全に符合しており、特許法に基づいて出願する。もちろん、本発明には他にも様々な実施形態があり得るが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、当業者であれば、本発明の技術的範囲内において容易に思いつくことができる変形や修正も、以下本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10 容器本体
11 保持箱
111 収容キャビティ
112 開口部
113 支持棚
114 係止溝
12 ドアプレート
121 ベースプレート
121A 穿孔溝
121B 位置決めピン
122 カバープレート
122A 貫通溝
13 支持枠体
20 ロック機構
21 駆動ディスク
211 嵌合溝
212 円弧状溝
212A ロック解除端
212B ロック端
22 従動ラッチ部
221 従動ピン
222 長孔
30 収納部
31 スロット
40 解錠器具
41 グリップ
411 固定孔
42 嵌合ブロック
421 固定ピン
43 ボルト
t1 第1間隔
t2 第2間隔