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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】物品検出システム
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/412 20220101AFI20240924BHJP
   G06V 30/14 20220101ALI20240924BHJP
【FI】
G06V30/412
G06V30/14 340K
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023052865
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】520466401
【氏名又は名称】NeoX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】何 書勉
(72)【発明者】
【氏名】趙 文瑞
(72)【発明者】
【氏名】李 庚
(72)【発明者】
【氏名】劉 岩
【審査官】山田 辰美
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-69813(JP,A)
【文献】特開2021-51044(JP,A)
【文献】特開2023-26342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 30/412
G06V 30/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に表示された表示ラベルを撮影するカメラと、前記カメラで撮影された画像データに基づいて前記物品を特定する物品検出装置と、前記物品に関する情報を表示する情報端末と、を有する物品検出システムにおいて、
前記カメラは、前記物品に表示された表示ラベルを撮影して、その撮影した画像データをリアルタイムに前記物品検出装置に送信し、
前記物品検出装置は、
前記物品を識別するための特徴量として物品毎に固有の物品情報が登録された物品情報DBと、
前記カメラで撮影された前記物品の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部で取得した画像データのレイアウトを解析し、前記画像データからm個(m≧1)の文字領域を抽出するレイアウト解析部と、
前記レイアウト解析部で抽出したm個の文字領域に含まれる文字を認識し、その認識した文字のテキストデータTmを生成するOCR処理部と、
前記レイアウト解析部で抽出したm個の文字領域毎に、該文字領域に含まれる文字のサイズを検出し、m個の文字領域毎に文字の相対的な大きさを識別する文字サイズ識別部と、
前記文字サイズ識別部でm個の文字領域毎に識別した文字の相対的な大きさを参照して、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DBに登録された特徴量とを照合する処理を繰り返し実行して前記物品を特定する物品検出部と、
前記物品検出部で特定した前記物品に関する情報を、予め決められた情報端末へ送信する情報送信部と、
を備えたことを特徴とする物品検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品検出システムであって、前記物品検出装置において、
前記物品情報DBには、前記物品を識別するための特徴量として、物品毎の物品情報としてn個(n≧1)の特徴量が登録され、
前記物品検出部は、
前記文字サイズ識別部でm個の文字領域毎に識別した文字の相対的な大きさを参照して、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DBに登録された物品毎のn個の特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、前記テキストデータTmのいずれかと合致する特徴量が存在する場合に、該特徴量として前記物品情報DBに登録されている物品を、前記物品として特定することを特徴とする物品検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラで撮影した画像情報を用いて物品を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラで撮影した画像情報を用いて倉庫内の物品管理を行う技術が開示されている。例えば、特許文献1では、置場に置かれていてバーコードの付されている物品を撮像するカメラ1と、カメラ1で撮像されたバーコードの情報に基づいて置場における物品の在庫状態を管理する在庫管理処理装置2と、を有する入出庫管理システムが開示されている。在庫管理処理装置2は、物品に付されたバーコードを撮像するカメラ1を制御し、カメラ1で撮像された画像からバーコードの特徴量に基づいてバーコード画像を抽出し、抽出したバーコード画像の情報を読取り、バーコードの置場内での位置を検出し、それらの情報に基づいて、在庫管理データを更新する。これにより置場内に置かれる物品の入出庫状態を安価に管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-150460
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術においては、物品に付されたバーコードが必須条件となり、バーコードが付されていない物品を管理することができないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、カメラで撮影した物品の表示ラベルの画像情報を用いて当該物品を自動的に特定する物品検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、第1発明に係る物品検出システムは、
物品に表示された表示ラベルを撮影するカメラと、前記カメラで撮影された画像データに基づいて前記物品を特定する物品検出装置と、前記物品に関する情報を表示する情報端末と、を有する物品検出システムにおいて、
前記カメラは、前記物品に表示された表示ラベルを撮影して、その撮影した画像データをリアルタイムに前記物品検出装置に送信し、
前記物品検出装置は、
前記物品を識別するための特徴量として物品毎に固有の物品情報が登録された物品情報DBと、
前記カメラで撮影された前記物品の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部で取得した画像データのレイアウトを解析し、前記画像データからm個(m≧1)の文字領域を抽出するレイアウト解析部と、
前記レイアウト解析部で抽出したm個の文字領域に含まれる文字を認識し、その認識した文字のテキストデータTmを生成するOCR処理部と、
前記レイアウト解析部で抽出したm個の文字領域毎に、該文字領域に含まれる文字のサイズを検出し、m個の文字領域毎に文字の相対的な大きさを識別する文字サイズ識別部と、
前記文字サイズ識別部でm個の文字領域毎に識別した文字の相対的な大きさを参照して、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DBに登録された特徴量とを照合する処理を繰り返し実行して前記物品を特定する物品検出部と、
前記物品検出部で特定した前記物品に関する情報を、予め決められた情報端末へ送信する情報送信部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
第2発明に係る物品検出システムは、第1発明において、
前記物品情報DBには、前記物品を識別するための特徴量として、物品毎の物品情報としてn個(n≧1)の特徴量が登録され、
前記物品検出部は、
前記文字サイズ識別部でm個の文字領域毎に識別した文字の相対的な大きさを参照して、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DBに登録された物品毎のn個の特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、前記テキストデータTmのいずれかと合致する特徴量が存在する場合に、該特徴量として前記物品情報DBに登録されている物品を、前記物品として特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物品に表示された表示ラベルをカメラで撮影すると、その画像情報に基づいて当該物品を自動的に検出することが可能になり、さらに当該物品に関する情報が予め決められた情報端末に表示されるようになり、当該物品に関する情報を容易に確認することが可能になる。さらに当該物品に関する情報を自動的にPC入力することが可能になり、従来手作業で入力していた手間を省き、同時にヒューマンエラーの解消にも効果が期待できる。
【0009】
さらに、物品が医薬品を含む医療用物品の場合には、薬剤に関する情報、例えばPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)に登録された医薬品等添付文書情報を容易に確認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る物品検出システムを説明するシステム構成図の一例を示した模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る物品検出システムにおける物品検出装置の機能構成を示した機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る物品検出システムにおいて、物品検出装置で実行される処理を示したフローチャート図である。
図4】本発明の実施形態に係る物品検出システムにおいて、文字領域に含まれる文字から、文字の相対的な大きさ順にテキストデータを示した模式図である。
図5】本発明の実施形態に係る物品情報DBのデータ構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施形態により限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る物品検出システムについて、システム構成図の一例を示したものである。
【0013】
図1に示すように、物品検出システム1は、物品2に表示された表示ラベルを撮影するカメラ3と、カメラ3で撮影された画像データに基づいて物品2を特定する物品検出装置10と、物品2に関する情報を表示する情報端末4と、を有している。カメラ3は、物品2に表示された表示ラベルを撮影して、その撮影した画像データをリアルタイムに物品検出装置10に送信し、物品検出装置10では、カメラ3から送信された画像データを基に物品情報DBと照合して物品2を特定し、物品2に関する情報を情報端末4へ送信する構成としている。
【0014】
本実施形態においては、手動で物品2に表示された表示ラベルをカメラ3で撮影することを想定しているが、例えばセンサーと連動したカメラを用いて、自動的に物品2をカメラ3で撮影するような構成としてもよい。
【0015】
物品検出装置10は、サーバ装置、および物品情報DB20を有している。サーバ装置は一般的なコンピュータであり、インターネット等のネットワーク5を介してカメラ3から画像データを受け取るために通信制御を行う機能を有しており、また物品情報DB20は、不揮発性記憶素子で構成される記憶装置である。
【0016】
物品検出装置10では、カメラ3から受け取った物品2に表示された表示ラベルの画像データと物品情報DB20とを照合して物品2を特定し、物品2に関する情報を情報端末4へ送信する。本システムでは、カメラ3で撮影された画像データから物品2に関する情報を容易に確認することが可能になり、さらに物品2に関する情報を自動的にPC入力することが可能になり、従来手作業で入力していた手間を省き、同時にヒューマンエラーの解消も可能としている。
【0017】
なお図1に示したシステムでは、カメラ3は画像データを外部へ送信する通信手段を有しており、撮影された画像データがインターネット等のネットワーク5を経由して物品検出装置10へ送信される構成としているが、ネットワーク5を経由せずにカメラ3と物品検出装置10が直接接続される構成としてもよい。
【0018】
次に、図2に示す機能ブロック図を用いて物品検出装置10の機能構成について説明する。図2に示すように、物品検出装置10は、画像データ取得部11、レイアウト解析部12、OCR処理部13、文字サイズ識別部14、物品検出部15、情報送信部16、医薬品情報取得部17、物品情報DB20、および医薬品情報DB30を備えている。
【0019】
物品情報DB20は、物品2を識別するための特徴量として物品毎に固有の物品情報が登録されており、物物品毎の物品情報としてn個(n≧1)の特徴量が登録されている。
【0020】
医薬品情報DB30は、各種の医薬品の名称と、医薬品に関する情報とが関連付けて登録されている。
【0021】
画像データ取得部11は、カメラ3で撮影された物品2に表示された表示ラベルの画像データを取得する。
【0022】
レイアウト解析部12は、画像データ取得部11で取得した画像データのレイアウトを解析し、その画像データから文字が含まれるm個(m≧1)の文字領域を抽出する。
【0023】
OCR処理部13は、レイアウト解析部12で抽出したm個の文字領域に含まれる文字を認識し、その認識した文字のテキストデータTmを生成する。ここでは、例えばOCR(Optical Character Recognition)プログラムを稼働させて、レイアウト解析部12で抽出した文字領域に含まれる文字情報を読み取るように構成されている。また機械学習機能を備えることにより文字情報の検出精度を向上している。
【0024】
文字サイズ識別部14は、レイアウト解析部12で抽出したm個の文字領域毎に、該文字領域に含まれる文字のサイズを認識し、該文字領域毎に文字の相対的な大きさを識別する。
【0025】
物品検出部15は、文字サイズ識別部14でm個の文字領域毎に識別した文字の相対的な大きさを参照して、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DB20に登録された特徴量とを照合する処理を繰り返し実行して前記物品を特定する。
【0026】
例えば、レイアウト解析部12でm個(m≧1)の文字領域を抽出した場合に、OCR処理部13ではm個のテキストデータを生成し、文字サイズ識別部14ではm個の文字領域毎に、該文字領域に含まれる文字のサイズを認識し、該文字領域毎に文字の相対的な大きさを識別し、物品検出部15では文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DBに登録された物品毎の第1特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、前記テキストデータTmのいずれかと合致する第1特徴量が存在する場合に、第1特徴量として前記物品情報DBに登録されている物品を、前記物品として特定する。
【0027】
さらに、物品検出部15では、前記テキストデータTmのいずれかと合致する第n特徴量が2個以上存在する場合に、例えば、第n特徴量として前記物品情報DBに登録されている複数の物品について、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと前記物品情報DBに登録された物品毎の第n+1特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、前記テキストデータTmのいずれかと合致する第n+1特徴量が存在する場合に、第n+1特徴量として前記物品情報DBに登録されている物品を、前記物品として特定する。
【0028】
情報送信部16は、物品検出部15で特定した物品2に関する情報を、予め決められた情報端末4へ送信する。
【0029】
医薬品情報取得部17は、物品検出部15で検出された物品2が医薬品を含む医療用物品の場合には、物品検出部15で検出された前記医薬品の名称に基づいて、予め各種の医薬品に関する情報が登録されている医薬品情報DB30から前記医薬品の情報を取得する。ここで取得した医薬品の情報については、予め指定された端末4に送信されるように構成してもよい。
【0030】
さらに医薬品情報取得部17は、前記医薬品の名称に基づいて、例えばインターネット上に公開されているPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)医薬品等添付文書情報を取得するように構成することも可能である。
【0031】
なお本実施形態において、上記で説明した物品検出部15は、前記物品情報DB20に登録された物品情報の特徴量を参照して物品2を特定するようにしているが、この方法に限定されず、例えば、ニューラルネットワークによる機械学習を用いてもよい。具体例として、物品検出部15は、一定の傾向やパターンを機械的に認識することによりクラスタリングやラベリングを行って予め作成された学習モデルに基づいて物品2を特定するようにしてもよい。
【0032】
次に、図3に示すフローチャート図を用いて、本システムの実行するプロセスについて説明する。
【0033】
図3は、物品検出装置10で実行される処理を示したフローチャート図である。
【0034】
ステップS10において、カメラ3で撮影された物品2に表示された表示ラベルの画像データを取得する。
【0035】
次にステップS20において、ステップS10で取得した画像データのレイアウトを解析し、その画像データから文字が含まれるm個(m≧1)の文字領域を抽出する。
【0036】
次にステップS30において、ステップS20で抽出したm個の文字領域に含まれる文字を認識し、その認識した文字のテキストデータTmを生成する。
【0037】
次にステップS40において、ステップS30で抽出したm個の文字領域毎に、該文字領域に含まれる文字のサイズを認識し、該文字領域毎に文字の相対的な大きさを識別する。
【0038】
例えば図4の例では、画像データから3個の文字領域を抽出し、3個のテキストデータを生成し、文字の相対的な大きさ順にテキストデータT1、T2、T3を識別するようにしている。
【0039】
次にステップS50において、ステップS40でm個の文字領域毎に識別した文字の相対的な大きさを参照して、文字の相対的な大きさ順に前記テキストデータTmと物品情報DB20に登録された特徴量とを照合する処理を繰り返し実行して物品2を特定する。
【0040】
例えば、ステップS30において3個のテキストデータを生成して、ステップS40において文字の相対的な大きさ順にテキストデータT1、T2、T3を識別した場合、ステップS50においては次のような手順により物品2を特定する処理を実行する。
【0041】
<手順1>
テキストデータT1と物品情報DB20に登録された物品毎の第1特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT1と合致する第1特徴量が1個だけ存在する場合に、該第1特徴量として物品情報DB20に登録されている物品を、物品2として特定する。
<手順2>
テキストデータT1と合致する第1特徴量が2個以上存在する場合に、該第1特徴量として物品情報DBに登録されている複数の物品について、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と物品情報DB20に登録された物品毎の第2特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する第2特徴量が1個だけ存在する場合に、該第2特徴量として物品情報DB20に登録されている物品を、物品2として特定する。
<手順3>
テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する第2特徴量が2個以上存在する場合に、該第2特徴量として物品情報DBに登録されている複数の物品について、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と物品情報DB20に登録された物品毎の第3特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する第3特徴量が1個だけ存在する場合に、該第3特徴量として物品情報DB20に登録されている物品を、物品2として特定する。
【0042】
なお<手順3>において、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する第3特徴量が存在しない場合には、「NOT FOUND」としてステップS50の処理を終了する。
【0043】
また<手順1>において、テキストデータT1と物品情報DB20に登録された物品毎の第1特徴量とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT1と合致する第1特徴量が存在しない場合には、「NOT FOUND」としてステップS50の処理を終了する。
【0044】
あるいは、<手順1>において「NOT FOUND」としてステップS50の処理を終了せずに、テキストデータT1とテキストデータT2を置き換えて、またはテキストデータT1とテキストデータT3を置き換えて、<手順1>から<手順3>の処理を実行するようにしてもよい。
【0045】
次にステップS50の処理について、図5に示した物品情報DB20のデータ構成例を用いて説明する。図5の例では、物品2を識別するための特徴量として物品毎に固有の物品情報が登録されており、第1特徴量として「物品名称」、第2特徴量として「メーカー名」、第3特徴量として「規格」、が登録されている。
【0046】
例えば、ステップS30において3個のテキストデータを生成して、ステップS40において文字の相対的な大きさ順にテキストデータT1、T2、T3を識別した場合、ステップS50においては次のような手順により物品を特定する処理を実行する。
【0047】
<手順1>
テキストデータT1と物品情報DB20の第1特徴量「物品名称」とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT1と合致する「物品名称」が1個だけ存在する場合に、該「物品名称」の物品を、物品2として特定する。例えば、テキストデータT1と「物品名称:N1」が合致した場合には、「物品A」として特定する。
<手順2>
テキストデータT1と合致する第1特徴量「物品名称」が2個以上存在する場合に、該「物品名称」として物品情報DBに登録されている複数の物品について、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と物品情報DB20の第2特徴量「メーカー名」とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する「メーカー名」が1個だけ存在する場合に、該「メーカー名」の物品を、物品2として特定する。例えば、テキストデータT1と「物品名称:N2」が合致し、さらにテキストデータT2(又はテキストデータT3)と「メーカー名:M2」が合致した場合には、「物品B」として特定する。
<手順3>
テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する第2特徴量「メーカー名」が2個以上存在する場合に、該「メーカー名」として物品情報DBに登録されている複数の物品について、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と物品情報DB20の第3特徴量「規格」とを照合する処理を繰り返し実行し、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と合致する「規格」が1個だけ存在する場合に、該「規格」の物品を、物品2として特定する。例えば、テキストデータT1と「物品名称:N4」が合致し、テキストデータT2(又はテキストデータT3)と「メーカー名:M4」が合致し、さらにテキストデータT2(又はテキストデータT3)と「規格:X5」が合致した場合には、「物品E」として特定する。
【0048】
なお、図5に示した物品情報DB20のデータ構成例では、第1特徴量として「物品名称」、第2特徴量として「メーカー名」、第3特徴量として「規格」、が登録されている事例を示したものであり、これらに限定されたものではなく、物品毎に固有の物品情報を特徴量として登録することが可能である。
【0049】
次にステップS60において、ステップS50で特定した物品2に関する情報を、予め決められた情報端末4へ送信する。
【0050】
以上で説明したステップS10からステップS60を実行することにより、物品に表示された表示ラベルの画像情報に基づいて当該物品を自動的に検出することが可能になり、さらに当該物品に関する情報が予め決められた情報端末に表示されるようになり、当該物品に関する情報を容易に確認することが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
1…物品検出システム
2…物品
3…カメラ
4…情報端末
5…ネットワーク
10…物品検出装置
11…画像データ取得部
12…レイアウト解析部
13…OCR処理部
14…文字サイズ識別部
15…物品検出部
16…情報送信部
17…医薬品情報取得部
20…物品情報DB
30…医薬品情報DB
【要約】
【課題】カメラで撮影した物品の表示ラベルの画像情報を用いて当該物品を自動的に特定する物品検出システムを提供する。
【解決手段】
物品2に表示された表示ラベルを撮影するカメラ3と、カメラで撮影された画像データに基づいて物品2を特定する物品検出装置10と、物品2に関する情報を表示する情報端末4と、を有する物品検出システムであって、
物品検出装置10は、物品2を識別するための特徴量として物品毎に固有の物品情報が登録された物品情報DB20を有し、カメラ3で撮影された物品2の画像データからm個(m≧1)の文字領域を抽出してテキストデータTmを生成し、文字の相対的な大きさ順にテキストデータTmと物品情報DB20に登録された特徴量とを照合して物品2を特定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5