(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ブレーカ
(51)【国際特許分類】
H01H 37/54 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
H01H37/54 C
(21)【出願番号】P 2023556605
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2022039976
(87)【国際公開番号】W WO2023074752
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2021175583
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591016334
【氏名又は名称】大塚テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 友則
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-098186(JP,A)
【文献】特開2006-196443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点を有する固定接点金属板と、
前記固定接点と対向する位置に可動接点を配置してなる可動接点金属板と、
この可動接点金属板の対向位置に配置されて、設定温度で反転して前記可動接点をオンからオフに切り換えるバイメタルと、
前記固定接点金属板と、前記可動接点金属板と、前記バイメタルを定位置に配置してなるケースとを備えており、
前記可動接点金属板は、
反転する前記バイメタルに押されて前記可動接点を前記固定接点から離すアーム部と、
前記ケースに固定されてなる固定部とを有し、
前記アーム部は、
反転する前記バイメタルに押されて弾性変形して、前記可動接点を前記固定接点から離す変形アーム部と、
前記変形アーム部からスリットを介して切り離されてなり、かつ、付け根部を前記固定部に連結してなり、
なおかつ、幅方向の中央部に長手方向に伸びる固定アーム部とを有し、
前記固定アーム部は、前記バイメタルに接触する接触部を有し、
前記接触部が反転する前記バイメタルに押されて、前記可動接点がオンからオフに切り換えられるブレーカ。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーカであって、
前記可動接点金属板は、前記アーム部の前記変形アーム部に、前記接触部と前記可動接点との間に、前記バイメタルに向かって突出する凸部を有するブレーカ。
【請求項3】
請求項1に記載のブレーカであって、
前記固定アーム部の長さが、前記アーム部の10%~90%
の範囲内の所定値に設定されたブレーカ。
【請求項4】
固定接点を有する固定接点金属板と、
前記固定接点と対向する位置に可動接点を配置してなる可動接点金属板と、
この可動接点金属板の対向位置に配置されて、設定温度で反転して前記可動接点をオンからオフに切り換えるバイメタルと、
前記固定接点金属板と、前記可動接点金属板と、前記バイメタルを定位置に配置してなるケースとを備えており、
前記可動接点金属板は、
反転する前記バイメタルに押されて前記可動接点を前記固定接点から離すアーム部と、
前記ケースに固定されてなる固定部とを有し、
前記アーム部は、
反転する前記バイメタルに押されて弾性変形して、前記可動接点を前記固定接点から離す変形アーム部と、
前記変形アーム部からスリットを介して切り離されてなり、かつ、付け根部を前記固定部に連結してなり、
なおかつ、
固定アーム部とを有し、
前記固定アーム部は、前記バイメタルに接触する接触部を有し、
さらに、前記ケースが、前記バイメタルの押圧力による前記固定アーム部の変形を制限して、前記変形アーム部の変形を制限しないストッパ凸部を内面に有し、
前記接触部が反転する前記バイメタルに押されて、前記可動接点がオンからオフに切り換えられるブレーカ。
【請求項5】
請求項4に記載のブレーカであって、
前記ケースが、
前記固定接点金属板を固定してなる本体ケースと、
前記本体ケースの開口部を閉塞する閉塞プレートを備える蓋ケースとを備え、
前記閉塞プレートが、前記ストッパ凸部を内面に有するブレーカ。
【請求項6】
請求項1に記載のブレーカであって、
前記バイメタルを加熱するヒーターを前記ケースに内蔵してなるブレーカ。
【請求項7】
請求項6に記載のブレーカであって、
前記ヒーターがPTCで、前記バイメタルと前記ケースとの間に配置されてなるブレーカ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のブレーカであって、
前記接触部が、前記固定アーム部から前記バイメタルに向かって突出する突起であるブレーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パック電池やモータ等の電気機器に内蔵されて、あらかじめ設定している温度よりも高くなると電流を遮断するブレーカに関する。
【背景技術】
【0002】
パック電池やモータなどの機器は、温度が異常に高くなる状態で電流を遮断して安全性を向上できる。このことを目的として、周囲温度をバイメタルで検出して接点をオフに切り換えるブレーカが使用される。たとえば、リチウムイオン電池を内蔵するパック電池は、異常な使用状態で充放電されると温度が高くなるので、温度を検出して電流を遮断するブレーカを内蔵して、これで異常な高温では電流を遮断して安全に使用できる。また、モータ等は過負荷な状態や異常な電流が流れる状態で温度が異常に高くなることがあるので、設定温度を超えると電流を遮断するブレーカで安全に使用できる。
【0003】
このような用途に使用されるブレーカとして、周囲温度が設定温度よりも高くなるとバイメタルが反転し、反転するバイメタルが可動接点を固定接点から引き離して電流を遮断するブレーカが開発されている。(特許文献1参照)
【0004】
このブレーカを、
図13と
図14の断面図に示している。
図13はバイメタル108が反転しない状態であって、可動接点107が固定接点105に接触するオン状態を示し、
図14はバイメタル108が反転して可動接点107を固定接点105から離すオフ状態を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図13と
図14に示すブレーカは、設定温度よりも高くなるとバイメタル108が反転して接点をオンからオフに切り換える。この状態で、バイメタル108は反転して可動接点金属板101を下から押し上げるように変形して、可動接点107を固定接点105から分離する。温度が低下して反転したバイメタル108がもとの形状に復帰すると、可動接点金属板101の弾性で可動接点107を固定接点105に接触させてオン状態に切り換える。可動接点金属板101は、バイメタル108で可動接点金属板101が押し上げられない状態、すなわちバイメタル108が反転していない非反転形状では、可動接点107を固定接点105に弾性的に押している。この状態では、可動接点107が固定接点105に接触してブレーカはオン状態に保持される。
【0007】
以上のブレーカは、周囲温度が閾値を超えると、バイメタル108が反転して可動接点107を固定接点107から離してオフ状態に切り換える。この構造のブレーカは、周囲温度が上昇してあらかじめ設定している設定温度、すなわち電流の遮断温度を超えると接点をオンからオフに切り換えて電流を遮断し、電流を遮断して周囲温度が次第に低下して、通電する通電温度まで低下すると、オフ状態の接点をオン状態に復帰させる。ブレーカは、電流を遮断する温度よりも復帰温度を低く設定しているが、この遮断温度のばらつきを少なくして、また正確な温度で通電を開始する特性が要求される。
【0008】
以上のブレーカは、周囲温度が復帰温度まで低下すると、バイメタル108は非反転形状に復帰するが、復帰する直前まで、バイメタルは可動接点金属板101で復帰方向に押されている。すなわち、反転バイメタルは、可動接点金属板に押圧される状態で、復帰する。反転バイメタルは、可動接点金属板に押される状態で反転形状から非反転形状に復帰するので、バイメタルが反転状態から非反転形状に復帰する温度は、可動接点金属板がバイメタルを押す力に影響を受ける。可動接点金属板がバイメタルを押している力は、反転バイメタルを非反転方向に押しているので、可動接点金属板がバイメタルを押す力が強くなると、反転バイメタルは非反転形状に復帰しやすくなる。反対に可動接点金属板が反転バイメタルを押す力が小さくなると、反転バイメタルは復帰し難くなる。反転状態から非反転形状に復帰しやすいバイメタルは、少ない温度低下で復帰するので復帰温度は高くなり、反対に、反転状態から非反転し難いバイメタルは、周囲温度が充分に低下して復帰するので復帰温度は低くなる。
【0009】
可動接点金属板は、バイメタルとの接触位置を特定するための突起を設けている。この構造のブレーカは、反転するバイメタルが、突起を押し上げて、可動接点を固定接点から離して電流を遮断する。この構造は、バイメタルが可動接点金属板を押す位置を特定して、接点をオフからオンに切り換える復帰温度の誤差を少なくできる。しかしながら、この構造のブレーカは、突起の位置ずれ、とくに突起の上下方向の位置ずれが、復帰温度の誤差を大きくする。突起の上下方向の位置ずれが、反転したバイメタルが突起を押す力を変化させるからである。
【0010】
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、反転したバイメタルが元の形状に復帰して、オフ状態にあった接点がオン状態に切り換えられる復帰温度の誤差を少なくできるブレーカを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のブレーカは、固定接点を有する固定接点金属板と、固定接点と対向する位置に可動接点を配置している可動接点金属板と、この可動接点金属板の対向位置に配置されて、設定温度で反転して可動接点をオンからオフに切り換えるバイメタルと、固定接点金属板と、可動接点金属板と、バイメタルを定位置に配置して収納しているケースとを備えている。可動接点金属板は、反転するバイメタルに押されて可動接点を固定接点から離すアーム部と、ケースに固定している固定部とを備える。アーム部は、反転するバイメタルに押されて弾性変形して、可動接点を固定接点から離す変形アーム部と、変形アーム部からスリットを介して切り離されて、付け根部を固定部に連結し、なおかつ、幅方向の中央部に長手方向に伸びる固定アーム部とに分割している。固定アーム部は、バイメタルに接触する接触部を有し、接触部が反転するバイメタルに押されて、可動接点をオンからオフに切り換える。
【発明の効果】
【0012】
以上のブレーカは、反転したバイメタルが元の形状に復帰して、オフ状態にあった接点がオン状態に切り換えられる復帰温度の誤差を少なくできる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態1にかかるブレーカの斜視図である。
【
図4】
図1に示すブレーカの接点オン状態を示す中央A-A線断面図である。
【
図5】
図1に示すブレーカの接点オフ状態を示す中央A-A線断面図である。
【
図6】
図1に示すブレーカの接点オン状態を示す中央A-A線断面斜視図である。
【
図7】
図1に示すブレーカの接点オフ状態を示す中央A-A線断面斜視図である。
【
図8】
図1に示すブレーカの接点オン状態を示す側部B-B線断面図である。
【
図9】
図1に示すブレーカの接点オフ状態を示す側部B-B線断面図である。
【
図10】
図4に示すブレーカの可動接点と固定接点の拡大断面図である。
【
図11】実施形態2にかかるブレーカの分解斜視図である。
【
図12】
図11に示すブレーカの接点オン状態を示す断面図である。
【
図13】従来のブレーカのオン状態の一例を示す断面図である。
【
図14】従来のブレーカのオフ状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0015】
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0016】
本発明の実施態様のブレーカは、固定接点金属板と可動接点金属板とバイメタルをケースの定位置に収納している。固定接点金属板は、固定接点を有し、可動接点金属板は固定接点と対向する位置に可動接点を配置している。バイメタルは、可動接点金属板の対向位置に配置されて、設定温度で反転して可動接点をオンからオフに切り換える。可動接点金属板は、反転するバイメタルに押されて可動接点を固定接点から離すアーム部と、ケースに固定している固定部とを備える。アーム部は、反転するバイメタルに押されて弾性変形して、可動接点を固定接点から離す変形アーム部と、変形アーム部からスリットを介して切り離されて、付け根部を固定部に連結し、なおかつ、幅方向の中央部に長手方向に伸びる固定アーム部とに分割している。固定アーム部は、バイメタルに接触する接触部を有し、接触部が反転するバイメタルに押されて、可動接点がオンからオフに切り換える。
【0017】
以上のブレーカは、接点をオンに復帰させる復帰温度の誤差を少なくできる。このため、このブレーカは、周囲温度が上昇して電流を遮断した後、温度が低下すると、正確な温度で接点をオンに復帰できる特長がある。この優れた特性は、可動接点金属板のアーム部を、先端に可動接点を設けている変形アーム部と、この変形アーム部とは、変形しない固定アーム部とに分離して、固定アーム部に反転バイメタルに押される接触部を設けて、接触部を正確な位置に配置して、バイメタルと接触部との相対的な位置ずれを防止しているからである。
【0018】
固定アーム部は、スリットを介して変形アーム部から分離されて、付け根部を固定部に連結している。この構造のブレーカは、変形アーム部と一緒に変形しない固定アーム部に接触部を設けているので、接触部の上下方向の位置ずれを防止して、復帰温度の誤差を少なくすることができる。さらに、アーム部の幅方向の中央部に長手方向に伸びる固定アーム部を設けている。このブレーカは、バイメタルに接触する接触部を最適位置に配置して、接触部とバイメタルとの接触位置を最適位置に配置できる。
【0019】
アーム部に設けている接触部の上下方向の位置ずれは、接触部とバイメタルの押圧力のバランスを変化させて、復帰温度の誤差に影響を与える。それは、接触部の上下方向の位置ずれが、接触部が反転バイメタルを押し下げて、非反転形状に復帰させる押圧力を変化させるからである。反転しているバイメタルは、接触部を介してアーム部の弾性復元力に押圧される状態で、反転形状から復帰姿勢に変形するので、接触部がバイメタルの接近方向に位置ずれすると、押圧力が強くなってバイメタルは復帰しやすく、反対に接触部がバイメタルを押圧する力が弱くなると、バイメタルは復帰し難くなる。復帰しやすいバイメタルは、周囲温度の低下が小さい状態で復帰するので復帰温度は高くなり、復帰し難いバイメタルは、周囲温度が十分な低下して復帰するので、復帰温度は低くなる。例えば接触部が下にずれると、反転したバイメタルが非反転形状に近づくように変形されて、復帰温度が低下する。
【0020】
ブレーカは、組み立て工程の種々の要因で接触部の上下方向は位置ずれする。とくに、この構造のブレーカは、電池パックなど電子機器に内蔵される保護素子に多用されることから、極めて小型化が要求されて、ブレーカの全体の厚さを数mm以下とする超小型のブレーカである。超小型のブレーカは、接触部の上下方向のわずかな位置ずれも復帰温度の誤差の原因となる。アーム部を変形アーム部と固定アーム部とに分離して、変形アーム部と共に変形しない固定アーム部に接触部を設けている以上のブレーカは、接触部の上下方向の位置ずれを防止して、復帰温度を正確にできる特長を実現する。
【0021】
本発明の他の実施形態にかかるブレーカは、アーム部の変形アーム部に凸部を設けることができる。凸部は、可動接点と接触部との間に、バイメタルに向かって突出して設けられる。このブレーカは、接触部を固定アーム部に設けて、凸部を変形アーム部に設けて、凸部を可動接点と接触部との間に設けて、接触部と凸部とをバイメタルの両端部に接触させることができる。
【0022】
このブレーカは、接触部と凸部をバイメタルの両端部に接触する構造として、反転するバイメタルが、接触部と凸部を介してアーム部の特定位置を押し上げて、可動接点を確実にオフ状態に切り換えできる。
【0023】
本発明の他の実施形態にかかるブレーカは、アーム部の幅方向の中央部に長手方向に伸びる固定アーム部を設けることができる。このブレーカは、バイメタルに接触する接触部を最適位置に配置して、接触部とバイメタルとの接触位置を最適位置に配置できる。
【0024】
本発明の他の実施形態にかかるブレーカは、固定アーム部の長さ(L2)をアーム部の長さ(L1)の10%~90%の範囲内の所定値に設定することができ、この構造によって、接触部をバイメタル端部との最適位置に配置できる。
【0025】
本発明の他の実施形態にかかるブレーカは、固定接点金属板と可動接点金属板とバイメタルをケースの定位置に収納している。固定接点金属板は、固定接点を有し、可動接点金属板は固定接点と対向する位置に可動接点を配置している。バイメタルは、可動接点金属板の対向位置に配置されて、設定温度で反転して可動接点をオンからオフに切り換える。可動接点金属板は、反転するバイメタルに押されて可動接点を固定接点から離すアーム部と、ケースに固定している固定部とを備える。アーム部は、反転するバイメタルに押されて弾性変形して、可動接点を固定接点から離す変形アーム部と、変形アーム部からスリットを介して切り離されて、付け根部を固定部に連結している固定アーム部とに分割している。固定アーム部は、バイメタルに接触する接触部を有し、さらに、バイメタルの押圧力による固定アーム部の変形を制限するストッパ凸部をケースの内面に設けることができる。このブレーカは、ストッパ凸部で固定アーム部の変形をより確実に阻止して、接触部の上下方向の位置ずれをさらに少なくして、復帰温度を正確にできる特長がある。
【0026】
本発明の他の実施形態にかかるブレーカは、固定接点金属板を固定している本体ケースと、本体ケースの開口部を閉塞する閉塞プレートを備える蓋ケースとでケースを構成して、閉塞プレートの内面にストッパ凸部を設けることができる。
【0027】
本発明の他の実施形態にかかるブレーカは、接触部を、固定アーム部からバイメタルに向かって突出する突起とすることができる。
[実施形態1]
【0028】
図1~
図3は、主として電池パックに内蔵されるブレーカ100を示している。電池パックに内蔵されるブレーカ100は、電池などの温度上昇をバイメタルで検出して電流を遮断する。電池パックは、異常な状態で使用され、あるいは電池の内部ショートなどが原因で発生する熱暴走で温度が上昇するので、ブレーカ100を保護素子として内蔵することにより、電池の温度上昇をブレーカ100で検出して電流を遮断して安全に使用できる。ブレーカ100は、電池パックの保護素子として多用されているが、本発明は、ブレーカ100の用途を特定するものではなく、たとえばモータ等のように温度上昇を検出して電流を遮断する全ての用途に使用するブレーカ100に利用できる。
(ブレーカ100)
【0029】
図1~
図9に示すブレーカ100は、ケース1と、ケース1に固定している固定接点5を有する固定接点金属板4と、固定接点金属板4の固定接点5と対向する位置に可動接点7を有し、かつ可動接点7を可動できるようにケース1に一部を固定している可動接点金属板6と、可動接点金属板6と固定接点金属板4との間に配設され、設定温度よりも高くなると非反転形状から反転形状に反転して、可動接点金属板6をオンからオフに切り換えるバイメタル8とを備えている。
【0030】
ブレーカ100は、周囲温度が設定温度よりも低い状態では、
図4、
図6及び
図8に示すように、バイメタル8が変形しない状態、すなわち非反転形状にあって可動接点7を固定接点5に接触させてオン状態となり、周囲温度が設定温度を超えると、
図5、
図7及び
図9に示すように、バイメタル8が可動接点7を固定接点5から離してオフ状態に切り換え、周囲温度が復帰温度まで低下するとオフからオンに切り換える。ブレーカ100は、周囲温度でバイメタル8を非反転形状から反転形状に変形させて、反転するバイメタル8が可動接点金属板6を変形して、可動接点金属板6の可動接点7を固定接点5から離してオフ状態に切り換える。反転したバイメタル8は、周囲温度が所定の温度まで低下すると、非反転形状に変形して、可動接点金属板6のアーム部6Aを押圧しない状態となって、可動接点7を固定接点5に接触してオン状態に復帰する。
【0031】
さらに、
図4~
図9に示すブレーカ100は、バイメタル8を加温するヒーター9を内蔵している。ヒーター9は、好ましくは板状のPTCヒーターで、バイメタル8と固定接点金属板4との間に配設させて、バイメタル8を裏面から加温する。ヒーター9を内蔵するブレーカ100は、ヒーター9でバイメタル8を加温して、ブレーカ100をオフ状態に保持できる。このブレーカ100は、オフ状態においてヒーター9に通電する回路(図示せず)を設けて、ヒーター9でバイメタル8を加温して、オフ状態に保持できる。このブレーカ100は、電池パックに内蔵されて、電池パックの安全性をより向上できる。電池パックが異常な温度になってブレーカ100で電流を遮断した後、電池でヒーター9に通電して、オフ状態に保持できるので、電池が放電できる限りブレーカ100をオフ状態に保持して外部に流れる電流を遮断状態に保持できるからである。電池が完全に放電されると、ヒーター9に通電できなくなってヒーター9がバイメタル8を加温できなくなってオン状態に復帰しても、この状態では電池は放電できなくなっているので、安全性は確保される。さらに、ヒーター9を内蔵するブレーカ100は、電池の異常を検出してヒーター9に通電して、ヒーター9でバイメタル8を加熱して電池の電流を遮断することもできる。ブレーカ100を内蔵する電池パックは、素電池と直列にブレーカ100を接続して、ブレーカ100で電池の電流を遮断する。ヒーター9でバイメタル8を加熱してオン状態に保持するブレーカ100は、電池が完全に放電されて、電池がヒーター9に電力供給されなくなって、復帰温度以下になるとバイメタル8が非反転形状に復帰して接点をオン状態に切り換える。
(ケース1)
【0032】
ケース1は、プラスチック製の本体ケース1Aと蓋ケース1Bとからなり、本体ケース1Aに蓋ケース1Bを超音波溶着して連結し、あるいは接着して連結している。ケース1は、固定接点金属板4と可動接点金属板6を定位置に固定している。図のケース1は、本体ケース1Aの底部に固定接点金属板4をインサート成形して固定すると共に、本体ケース1Aと蓋ケース1Bとの間に可動接点金属板6を挟着状態で固定して、本体ケース1Aの開口部を蓋ケース1Bで閉塞している。本体ケース1Aは、両端部分に、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとを突出するように設けて、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとの間に、バイメタル8とヒーター9を定位置に配置する収納部20を設けている。図のケース1は、本体ケース1Aに設けている収納部20の底面を固定接点金属板4で閉塞して、連結する蓋ケース1Bで収納部20の上面を閉塞している。
(本体ケース1A)
【0033】
本体ケース1Aは、外周壁10の内側にバイメタル8を配置する収納部20を設けている。外周壁10は、第1の外壁11A及び第2の外壁11Bからなる一対の外壁11と、一対の外壁11の両端を連結している一対の対向壁12とからなり、対向壁12と外壁11の内側に収納部20を設けている。本体ケース1Aは、収納部20の周囲を外周壁10で囲み、外周壁10の底面と上面を閉塞している。収納部20の底面は、本体ケース1Aと一体的に成形している底部13や固定接点金属板4で閉塞し、上面は本体ケース1Aに連結している蓋ケース1Bで閉塞して、収納部20を閉塞された中空状としている。
【0034】
本体ケース1Aは、固定接点金属板4をインサート成形して固定している。
図3~
図9において、固定接点金属板4は中間部4Bを第1の外壁11Aに埋設するようにインサート成形して本体ケース1Aに固定している。この固定接点金属板4は、第1の外壁11Aを貫通する状態で本体ケース1Aに固定されて、ケース1の内部に露出する部分に固定接点5を設けて、外部に引き出される部分を接続端子4Xとしている。
(バイメタル8)
【0035】
バイメタル8は、加熱されると変形して反転するように、熱膨張率が異なる金属を積層したものである。バイメタル8は、ヒーター9と可動接点金属板6のアーム部6Aとの間に配設され、設定温度で反転して、可動接点7を固定接点5から離してブレーカ100をオフ状態に切り換える。バイメタル8は、薄くしてブレーカ100全体を薄くできるので、好ましくは厚さ(t)を0.05mm以上であって0.1mm以下とする。さらにバイメタル8は、中央凸に湾曲する形状であって、反転しない状態、すなわち、非反転形状においては、
図4、
図6、及び
図8に示すように、中央突出部をアーム部6A側に突出させる姿勢に保持される。バイメタル8は、設定温度になると反転して反転形状に変形するが、反転形状では、
図5、
図7及び
図9に示すように、中央突出部をヒーター9側に突出させる姿勢となって、両端部でアーム部6Aを押圧する形状となる。バイメタル8は、反転形状では、中央突出部をヒーター9に接触させると共に、両端部分でアーム部6Aを押圧して、アーム部6Aを押し上げて可動接点7を固定接点5から離してオフに切り換える。
(可動接点金属板6)
【0036】
可動接点金属板6は弾性変形する金属板で、ケース1に固定される固定部6Bと、先端に可動接点7を設けているアーム部6Aとを有する。可動接点金属板6は、
図4~
図9に示すように、固定部6Bをケース1に固定して、アーム部6Aをケース1に設けている収納部20に配設している。可動接点金属板6は、ケース1に設けている第2の外壁11Bの上部に固定部6Bを固定している。可動接点金属板6は、固定部6Bの外側端部をケース1から突出させて接続端子6Xとしている。
【0037】
アーム部6Aは、固定接点5との対向面に可動接点7を設けている。この可動接点金属板6は、バイメタル8の非反転形状では、先端部の可動接点7を固定接点5に接触させてブレーカ100をオン状態とし、バイメタル8の反転形状では、バイメタル8に押されて、可動接点7を固定接点5から離してブレーカ100をオフ状態とする。
【0038】
可動接点金属板6は、
図4~
図9に示すように、アーム部6Aを収納部20に配置されたバイメタル8の上方に配置している。図に示す可動接点金属板6は、弾性変形できる1枚の弾性金属板からなる。可動接点金属板6は、電流容量を考慮して厚さ(d)を特定するが、電池パックに内蔵されるマイクロブレーカ100にあっては、たとえば、0.08mm以上であって0.5mm以下とする。さらに、可動接点金属板6の厚さ(d)は、ブレーカ100の最大電流容量を考慮して最適値に設定するので、好ましくは0.1mm以上であって、0.5mm以下に設定する。
【0039】
可動接点金属板6は、弾性と導電性を考慮して材質を特定するが、たとえば、Cu-Zr系合金やCu-Cr-Ag-Si系合金が使用できる。Cu-Zr系合金は、母体となるCuに、好ましくは0.05~0.15wt%のZrを含有している。Cu-Cr-Ag-Si系合金は、母体となるCuに、0.01~5wt%、好ましくは0.01~2.5wt%のCrと、0.01~5wt%、好ましくは0.01~2.5wt%のAgと、0.01~5wt%、好ましくは0.01~2.5wt%のSiを含有している。さらに、可動接点金属板6は、CrとAgとSiの合計含有率を0.5~3重量%、IACSを78%~84%とする銅合金とする弾性金属板(マテリオン パーフォーマンス アロイズ アンド コンポジット社(MATERION PERFORMANCE ALLOYS AND COMPOSITES USA)のQMET 300 登録商標)とすることができる。さらにまた、弾性金属板6は、NiとPとZnとFeとを含有する銅合金、FeとPとZnとを含有する銅合金、CrとMgとを含有するIACSを75%以上とする銅合金、Zrを含有するIACSを80%以上とする銅合金、Snを含有するIACSを80%以上とする銅合金等の弾性金属板等も使用できる。
【0040】
ただし、本明細書においてIACS[international annealed copper standerd]は、電気抵抗又は電気伝導度の基準として、国際的に採択された焼鈍標準軟銅(体積抵抗率を1.7241×10-2μΩm)の導電率を100%として規定する表記である。
【0041】
可動接点金属板6は、アーム部6Aの先端部であって固定接点5との対向面に可動接点7を設けている。
図10に示すアーム部6Aの可動接点7は、固定接点5と対向する領域に銀、又は銀合金からなる金属板を固定して設けており、固定接点5との接触抵抗を低減させている。可動接点7は、例えば、厚さを100μm~150μmとするAg-Ni合金をシーム溶接して接合している。このアーム部6Aは、バイメタル8が熱変形しない状態では、可動接点7が固定接点5に接触してオン状態となり、バイメタル8が熱変形する状態では、バイメタル8に押圧されて弾性変形して、可動接点7が固定接点5から離れてオフ状態となる。
【0042】
図2と
図3の分解斜視図に示す可動接点金属板6のアーム部6Aは、スリット6cを介して変形アーム部6bと固定アーム部6aとに分離して、変形アーム部6bには凸部6dを、固定アーム部6aには接触部の一形態として、固定アーム部6aから突出させた突起6eを設けている。突起6eと凸部6dは、バイメタル8の両端部に向かって突出する。アーム部6Aは、付け根部6f側に突起6eを、可動接点7と突起6eとの間に凸部6dを配置している。突起6eと凸部6dは、バイメタル8の両端部の接触位置に配置される。このアーム部6Aは、突起6eと凸部6dを介して反転するバイメタル8に押し上げられて弾性変形して、可動接点7をオフ状態に切り換える。アーム部6Aは、突起6eと凸部6dを介してバイメタル8の両端部で押し上げられる。このブレーカ100は、反転バイメタル8が突起6eと凸部6dを介してアーム部6Aの特定位置を押し上げて、接点を確実にオンオフに切り換える。
【0043】
可動接点金属板6は、復帰温度のばらつき、すなわち復帰温度の誤差を少なくするために、アーム部6Aを変形アーム部6bと固定アーム部6aとに分離している。固定アーム部6aは、変形アーム部6bと一緒に変形しないように、変形アーム部6bからスリット6cで分離されて、付け根部6fを固定部6Bに連結している。固定アーム部6aは先端部に、バイメタル8に向かって突出する突起6eを設けている。変形アーム部6bは、固定接点5との対向位置に可動接点7を配置して、可動接点7と固定部6Bとの間に凸部6dを設けて、凸部6dをバイメタル8の端部(図においてバイメタル8の右側端部)に接触する位置に配置している。
【0044】
図2と
図3のアーム部6Aは、幅方向の中央部に長手方向に伸びる固定アーム部6aを設けて、固定アーム部6aの両側に変形アーム部6bを配置している。このアーム部6Aは、突起6eを中央部に設けて、左右の変形アーム部6bをバランスよく同じ形状に弾性変形できる。固定アーム部6aは、突起6eを最適位置に配置する長さとする。固定アーム部6aの長さ(L2)は、例えば長さをアーム部6A全長(L1)の10%~90%、好ましくは20%~80%、さらに好ましくは25%~75%として、突起6eをバイメタル8の端部(図において左端)に配置できる。
【0045】
アーム部6Aのスリット6cは、固定アーム部6aと変形アーム部6bとの間に設けられて、固定アーム部6aを変形アーム部6bから切り離して、一緒に弾性変形しない構造としている。アーム部6Aは、固定アーム部6aの両側縁と先端縁の外周に沿ってスリット6cを設けて、付け根部6fを固定部6Bに連結している。スリット6cは、固定アーム部6aを変形アーム部6bから分離して、固定アーム部6aを変形することなく、変形アーム部6bのみを弾性変形できる隙間、例えば0.1~0.3mmとしている。
【0046】
ブレーカ100のアーム部6Aは、接点のオン状態で通電部分となるので、電気抵抗を小さくしてジュール熱による発熱を少なくできる。ジュール熱で発熱するバイメタル8は、アーム部6Aを加熱して、周囲温度が設定温度まで上昇していない状態で反転して電流を遮断する弊害となる。アーム部6Aは、金属板を厚くして電気抵抗を小さくできる。しかしながら、アーム部6Aを厚い金属板とするブレーカ100は、バイメタル8が強い力でアーム部6Aを押し上げて接点をオフ状態に切り換える必要があり、バイメタル8を厚くする必要がある。
【0047】
図2に示すように、固定アーム部6aの両側に変形アーム部6bを設けて、両側の変形アーム部6bのみを変形するアーム部6Aは、固定アーム部6aの両側に、小さい押し上げ力で変形する横幅の狭い2列の変形領域6gが配置される。したがって、この構造の可動接点金属板6は、金属板を厚くしてアーム部6Aの電気抵抗を小さくしながら、変形領域6gを変形して、バイメタル8の小さい押し上げで変形して接点をオフ状態に切り換えできる特長がある。アーム部6Aは、固定アーム部6aを設けることで、この領域の電気抵抗は局所的には増加するが、金属板を厚くすることで、他の領域の電気抵抗を小さくできるので、アーム部6A全体の実質的な電気抵抗は小さくしながら、バイメタル8の押し上げ力を強くすることなく、薄いバイメタルで接点をオフ状態に切り換えできる特長も実現できる。この構造のアーム部6Aは、厚い金属板を使用しながら、変形領域6gの横幅(W4)を狭くしてバイメタル8の押し上げ力を減少でき、また変形領域6gの横幅(W4)を広くして全体の電気抵抗を小さくできる。
【0048】
固定アーム部6aの横幅は、可動接点金属板6に使用する金属板の厚さと、アーム部6Aに要求される電気抵抗と、バイメタル8がオン状態に切り換えする押し上げ力とを考慮して最適値に設定されるが、固定アーム部6aの横幅(W2)は、好ましくは、固定アーム部6aを設けている領域の横幅(W5)の20%~70%、さらに好ましくは30%~50%に設定される。
(蓋ケース1B)
【0049】
蓋ケース1Bは、
図4~
図9に示すように、アーム部6Aの上方をカバーする状態で、本体ケース1Aの開口部を閉塞する閉塞プレート27aを備える。図に示す閉塞プレート27aは、積層金属板24を連結プラスチック23にインサート成形して固定している。蓋ケース1Bは、閉塞プレート27aにストッパ凸部25を設けている。閉塞プレート27aは、積層金属板24を下面に露出させて、積層金属板24の表面にストッパ凸部25を設けている。ストッパ凸部25は、固定アーム部6aの上方に配置されて、バイメタル8に押されて固定アーム部6aが変形するのを制限し、あるいは阻止するが、変形領域6gが上に変形するのは阻止しない。ストッパ凸部25は、変形アーム部6bの変形領域6gがバイメタル8に上に押されて変形するのを制限しないように、固定アーム部6aの上方に局所的に配置されて、変形アーム部6bの上方には配置されない。
【0050】
以上の蓋ケース1Bは、連結プラスチック23の外周縁部を本体ケース1Aの外周壁10の上面に固定して、本体ケース1Aの開口部を閉塞する。蓋ケース1Bの連結プラスチック23は、
図2と
図3に示すように、本体ケース1Aの外周壁10と対向する外周縁部に、本体ケース1A側に突出する外周壁27bを備えている。連結プラスチック23の外周壁27bは、本体ケース1Aの両端部に設けている第1の外壁11Aと第2の外壁11Bに固定され、さらに対向壁12に固定される。
【0051】
図5~
図9に示すケース1は、蓋ケース1Bと本体ケース1Aとを正確に位置決めしながら連結するために、互いに嵌合する連結凸部15、17と連結凹部16、18とを備えている。本体ケース1Aは、前述のように、第2の外壁11Bの上面において、可動接点金属板6の固定部6Bを貫通して位置決めする連結凸部15を突出して設けている。蓋ケース1Bは、本体ケース1Aの第2の外壁11B側の端部において、この連結凸部15と対向する位置に、連結凸部15を案内する連結凹部16を設けている。さらに、
図2と
図3に示す蓋ケース1Bは、本体ケース1Aの第1の外壁11A側の端部の両側において、外周壁27bの下面から本体ケース1Aに向かって突出する連結凸部17を設けている。本体ケース1Aは、
図2と
図3に示すように、これらの連結凸部17と対向する外周壁10の上面に、連結凸部17を案内する連結凹部18を設けている。
【0052】
以上のケース1は、本体ケース1Aの第1の外壁11A側の端部において、蓋ケース1Bの両側の連結凸部17が本体ケース1Aの連結凹部18に案内されると共に、本体ケース1Aの第2の外壁11B側の端部において、可動接点金属板6の固定部6Bを貫通する連結凸部15が蓋ケース1Bの連結凹部16に案内されて、蓋ケース1Bが本体ケース1Aの正確な位置に連結される。
【0053】
連結凸部15、17と連結凹部16、18を介して定位置に連結される蓋ケース1Bと本体ケース1Aは、超音波溶着して連結プラスチック23が本体ケース1Aに固定される。
図2~
図9に示す蓋ケース1Bは、連結プラスチック23の外周壁27bの下面であって、本体ケース1Aの外周壁10との対向面に位置して、超音波振動で溶融される溶融凸条28を設けている。図の蓋ケース1Bは、外周壁27bの下面に沿って溶融凸条28を突出して設けている。この蓋ケース1Bは、可動接点金属板6の固定部6Bと対向する部分を除く外周縁部に、底面視略コ字状の溶融凸条28を設けている。この蓋ケース1Bは、前述の連結凸部15、17と連結凹部16、18とを介して本体ケース1Aの定位置に連結する状態で、外周部を超音波振動させて、溶融凸条28を摩擦熱で溶融させて本体ケース1Aの外周壁10に溶着させる。さらに、超音波振動される蓋ケース1Bと本体ケース13は、互いに連結された連結凸部15、17と連結凹部16、18の接触部分も摩擦熱で溶融されて互いに溶着される。ただ、ケース1は、蓋ケース1の連結プラスチックと本体ケース1とを接着して、あるいは嵌着構造や係止構造で連結して固定することもできる。
【0054】
さらに、
図2と
図3のブレーカ100は、蓋ケース1Bに変形制限凸部26を設けている。変形制限凸部26は、バイメタル8が熱変形して可動接点7が固定接点5から離れるオフ状態において、アーム部6Aがバイメタル8に押されて変形する変形量を制限するために、アーム部6Aの先端部、すなわち可動接点7側を下方に押圧する位置にあって、アーム部6A側に突出している。このブレーカ100は、アーム部6Aの先端部を変形制限凸部26で下向きに、すなわち固定接点5側に押圧して、アーム部6Aが反転したバイメタル8に押し上げられて変形する量を制限できる。このため、この構造のブレーカ100は、反転したバイメタル8がアーム部6Aを弾性限界を超えるように押し上げてバネ性を低下させるのを防止して、復帰後において可動接点7を固定接点5に所定の接触圧で押圧して接触抵抗を小さく保持できる特長がある。
【0055】
可動接点金属板6は、固定部6Bを本体ケース1Aの第2の外壁11Bに固定して、アーム部6Aを収納部20に配置している。
図4ないし
図9のブレーカ100は、第2の外壁11Bの上端面に可動接点金属板6の固定部6Bを固定している。本体ケース1Aは、
図2及び
図3に示すように、第2の外壁11B上端面に、外周壁10の上面よりも一段低い段差凹部21を設けており、この段差凹部21に可動接点金属板6の固定部6Bを嵌合させて定位置に配置している。
図6と
図7に示す本体ケース1Aは、この段差凹部21の中央部から突出して、可動接点金属板6の固定部6Bを貫通する連結凸部15を設けている。可動接点金属板6の固定部6Bには、連結凸部15を貫通させる貫通孔6Fを設けている。図に示す連結凸部15は、水平断面形状を長円形として、可動接点金属板6の固定部6Bを正確な姿勢で段差凹部21に配置できるようにしている。さらに、
図2と
図3に示す段差凹部21は、可動接点金属板6の両側部を位置決めする位置決リブ22を第2の外壁11Bの上端部に形成している。
図3に示す第2の外壁11Bは、その上端面において、位置決リブ22以外の部分を、外周壁10の上面よりも低くして段差凹部21を設けることにより、段差形状の位置決リブ22を形成している。可動接点金属板6は、固定部6Bの両側に位置決リブ22を案内する位置決凹部6Gを設けている。可動接点金属板6は、固定部6Bに開口された貫通孔6Fに連結凸部15が挿入されると共に、固定部6Bの両側に設けた位置決凹部6Gに位置決リブ22が案内されて、第2の外壁11Bの段差凹部21の定位置に配置される。固定部6Bが段差凹部21に配置された可動接点金属板6は、接着して第2の外壁11Bに固定され、あるいは本体ケース1Aに固定される蓋ケース1Bに挟まれて、すなわち、第2の外壁11Bの段差凹部21の底面と蓋ケース1Bの対向面とで上下両面から挟着されてケース1の定位置に固定される。
【0056】
可動接点金属板6は、ケース1から外部に引き出される延伸部分を接続端子6Xとしている。図に示す接続端子6Xは、ケース1の反対側の端面から引き出される固定接点金属板4の接続端子4Xとほぼ同一平面に位置するように後端部を段差形状に折り曲げている。
(固定接点金属板4)
【0057】
固定接点金属板4は、インサート成形して本体ケース1Aに固定している。固定接点金属板4は、先端部4Aで収納部20の底部13の開口部を閉塞し、中間部4Bと先端部4Aの一部を収納部20の底部13から本体ケース1Aの第1の外壁11Aに埋設するようにインサート成形して、本体ケース1Aに固定している。
図3の固定接点金属板4は、収納部20の底部を閉塞する部分よりも、第1の外壁11Aに埋設される部分を高くするように段差部4Dを設けて、段差部4Dを本体ケース1Aの底部13に埋設して、段差部4Dの後端側を底部13の上面に露出させて、この露出部を固定接点5としている。
【0058】
固定接点金属板4は、
図10に示すように、可動接点7と対向する領域に銀メッキ層を設けて固定接点5として接触抵抗を小さくできる。固定接点5の銀メッキ層は、たとえば5μmである。ただ、固定接点5の銀メッキ層の膜厚は、3μm~20μm、好ましくは4μm~10μmとすることができる。固定接点5の銀メッキ層を薄くすることで、製造コストを低減できる。
【0059】
固定接点金属板4は、ケース1から外部に引き出される延伸部分を接続端子4Xとしている。図に示す固定接点金属板4は、ケース1から外部に延長される部分を、ケース1に埋設される中間部4Bから直線状に引き出して接続端子4Xとしている。
【0060】
全体が極めて小さいマイクロブレーカ100は、接点の接触位置のわずかなずれによっても接触抵抗は増加する。可動接点7と固定接点5の接触圧が弱く、オン状態では可動接点7と固定接点5が極めて狭い局部で接触しているからである。さらに、ブレーカ100の可動接点7と固定接点5の表面は、常に全面が均一な状態には保持されず、常時接触している位置に比較して、常時接触していない非接触位置の表面は薄膜の酸化膜などによって接触抵抗が増加する。
【0061】
マイクロブレーカ100は、接点の接触抵抗を小さくすることを目的として、活性化処理が採用されている。接点の活性化処理は、オン状態で通電しながら、超音波振動させる。この方法で活性化処理された接点は、可動接点7と固定接点5とが特定の位置で接触する状態に限って、接触抵抗を小さくするので、接点の接触位置がずれると接触抵抗は増加する。
(接点の活性化処理)
【0062】
弱い接触圧のマイクロブレーカ100は、組み立てた状態で、接点を活性化処理して接触抵抗を小さくできる。接点の活性化処理は、組み立てられたブレーカ100の接点に通電する状態で超音波振動させて処理される。ブレーカ100は、可動接点7と固定接点5とを互いに衝突させて離反方向に超音波振動させる。すなわち、ブレーカ100は、固定接点5と可動接点7とが互いに接近し衝突し、また互いに離れる方向に相対的に移動するように超音波振動させる。超音波振動させる状態で接点の電流は、抵抗負荷の状態で、好ましくは0.1A~100Aとする。超音波振動時における接点電流を大きくして、接点はより効果的に活性化される。抵抗と直列にコイルを接続しているインダクタンスのある負荷は、電流を遮断するときにコイルに蓄えられる電流エネルギーが大きくなるので接点電流を小さくして接点を活性化できる。コイルに蓄えられる電流のエネルギーを消費するために、接点の放電電流が大きくなるからである。したがって、接点電流は、抵抗負荷とインダクタンス負荷とを考慮して最適な値に設定する。さらに、ブレーカ100は、接点の電流を大きくするとジュール熱で発熱してそれ自体でオフ状態に切り換えられる特性がある。超音波振動で接点を活性化するには、可動接点7を固定接点5に接触するオン状態に保持する必要がある。したがって、接点に大電流を流して超音波振動させる方法は、超音波振動させる時間を短くして、接点がオン状態にある状態で超音波振動させる。したがって、接点に大電流を流して超音波振動させる方法は、超音波振動させる時間を短くする。
【0063】
通電状態で接点を超音波振動させる時間は0.1ミリ秒~1秒とする。超音波振動させる時間は、長くして接点をより効果的に活性化できるが、長すぎると接点の銀メッキ層が損傷を受けるので、銀メッキ層を損傷することなく接点を活性化できる時間に設定される。また、超音波振動による接点の活性化は、接点電流、負荷の種類、超音波振動の振幅にも影響を受け、接点電流と振幅が大きいと短時間で接点がより効果的に活性化される。したがって、超音波振動させる時間は、接点電流と超音波振動の振幅を考慮して前述の範囲で最適値に設定される。
【0064】
また、接点を超音波振動させる周波数は20KHz~6GHz、好ましくは20KHz~1GHzとする。超音波振動の周波数を高くして、単位時間に可動接点7と固定接点5との衝突回数と離反回数とを多くできる。ただ、超音波振動の周波数が高すぎると可動接点7が固定接点5から離れる間隔が狭くなって放電による活性化が低下し、反対に周波数が低すぎると衝突回数が少なくなって活性化が低下するので、超音波振動の周波数は、アーム部6Aの厚さや長さを考慮し、さらにアーム部6Aの共振周波数を考慮して、最適値に設定される。
【0065】
さらに、ブレーカ100を超音波振動させる振幅は0.01μm~100μmとする。超音波振動の振幅を大きくして、可動接点7が固定接点5に衝突する運動のエネルギーを大きくでき、また可動接点7が固定接点5から離れる間隔を大きくできる。ブレーカ100を超音波振動させる振幅は、可動接点7を固定接点5から離す隙間に影響を与える。ただ、可動接点7が固定接点5から離れる間隔は、アーム部6Aを共振させることで、ブレーカ100を超音波振動させる振幅よりも大きくできる。したがって、ブレーカ100を超音波振動させる周波数を、アーム部6Aの共振周波数やその近傍、あるいはその共振周波数の整数倍、あるいは又、共振周波数の整数分の1に設定することで可動接点7を固定接点5から充分な間隔に離して、効果的に活性化できる。
【0066】
ブレーカ100を超音波振動させる振幅を大きくするには、ブレーカ100に接触してこれを超音波振動させる超音波振動子や超音波ホーンの出力を大きくする必要がある。大出力の超音波振動子や超音波ホーンをブレーカ100のケース1に押圧して超音波振動させると、超音波振動子との接触箇所が超音波振動による発熱で変形する等の弊害があるので、ブレーカ100を超音波振動させる振幅は、接点を活性化できる範囲で小さく設定される。
(ヒーター9)
【0067】
ヒーター9は、通電されることによって発熱して、バイメタル8を加熱する。ヒーター9は、対向面を長円形あるいは長方形とする厚みのあるヒーターで、上面と下面に電極を設けている。ヒーターには、例えば、通電されてバイメタル8を加熱できる全てのヒーターを使用することができる。上下面に電極を設けているヒーター9は、下面を固定接点金属板4に接触して、上面をバイメタル8を介してアーム部6Aに接触できるようにしている。このヒーター9は、アーム部6Aの可動接点7が固定接点5に接触するオン状態では、アーム部6Aとバイメタル8とが非接触状態となって通電されず、アーム部6Aの可動接点7が固定接点5から離れてオフ状態となる状態では、アーム部6Aに接触するバイメタル8と固定接点金属板4とを介して通電されて発熱し、バイメタル8を加熱する。加熱されるバイメタル8は、可動接点7を固定接点5から離すオフ状態に保持する。この無通電タイプのブレーカ100は、オフ状態に切り換えられた状態で、可動接点7をオフ状態に保持するので、電池パックに安全に使用できる。それは、電池パックが異常な状態で使用されて設定温度よりも高くなり、無通電タイプのブレーカ100がオフに切り換えられた後は、電池パックの電池からヒーター9に通電され続けてバイメタル8が加熱されるので、ブレーカ100がオン状態に復帰することなく、電池が放電されるまで電流を遮断する状態に保持できるからである。
【0068】
ただ、ブレーカ100は、必ずしもヒーターを内蔵する構造には限定しない。ヒーターを内蔵しないブレーカ100は、バイメタル8が設定温度よりも高くなって変形し、アーム部6Aを変形させて接点をオフ状態に切り換えると、バイメタル8を加熱してブレーカ100をオフ状態に保持することなく、バイメタル8が所定の温度まで低下すると、バイメタル8とアーム部6Aとを復帰させてブレーカ100をオン状態に切り換える。
[実施形態2]
【0069】
以上のブレーカは、固定アーム部6aに接触部の一形態として、突起6eを設けた例を説明した。ただ本発明は接触部をこのような突起を設けた形態に限定せず、突起を設けない構成としてもよい。すなわち接触部は必ずしも固定アーム部から突出させた突起とする必要はなく、例えば固定アーム部の平坦面を接触部とすることもできる。このような例を実施形態2に係るブレーカとして
図11~
図12に示す。これらの図において、上述した実施形態1と同様の部材については同じ符号を付して詳細説明を適宜省略する。これらの図に示すブレーカでは、固定アーム部6a’には接触部として、突起に代えて平坦面6e’としている。この構成においても、同様の特性を得られることを本発明者は確認した。
(ブレーカ100の電池パックへの内蔵)
【0070】
以上のブレーカ100は、例えば、電池パックに内蔵されて、電池や周囲温度が高温になり、あるいは電池パックが異常な状態で使用されるときに電流を遮断する。電池パックに内蔵されるブレーカ100は、ケース1の両端から引き出された一対の接続端子6X、4Xが、直接に、あるいは接続リードを介して電池端子や回路基板に接続される。接続端子6X、4Xは、例えば、レーザー溶接により接続リードや電池端子に接続される。また、ブレーカ100は、ケース1が電池表面や回路基板に接近する状態で、好ましくは熱結合状態で配置されて、電池や周囲温度が高温になると内蔵するバイメタル8を反転させて電流を遮断する。
(ブレーカの回路基板への固定)
【0071】
以上のブレーカは、回路基板やリード板にハンダ付けして固定することもできる。回路基板に直接半田付けするブレーカは、ケースから外部に引き出される可動接点金属板の接続端子と固定接点金属板の接続端子を、ケースの底面、すなわち本体ケースの底面とほぼ同一平面に位置するように折り曲げる。このブレーカは、ケースの両端から外部に引き出された接続端子を回路基板にハンダ付けして固定できる。このブレーカは、ケースの底面、すなわち、本体ケースの底面を回路基板の上に載せて、回路基板にハンダ付けできる。
[実施例1]
【0072】
バイメタル8を2.2mm×2.4mmの長方形、厚さ(t)を0.05mm、反転温度を85℃、復帰温度を30℃とし、
可動接点金属板6にはCu-Zr系合金を使用して、可動接点金属板6の厚さ(d)を0.15mm、
アーム部6Aの長さ(L1)を4.5mm、最大横幅(W1)を2.1mm、
固定アーム部6aの長さ(L2)を1.8mm、横幅(W2)を0.5mm、
スリット6cの隙間(W3)を0.2mm、
さらに、アーム部6Aの先端部に可動接点7を設けて、この可動接点7を厚さ120μmとするシーム材(Ag-Ni)とし、固定接点5を、4.5μmのAgメッキ層とし、ケース1の外形を、縦5.8mm、横2.8mm、高さ1.15mmとするブレーカ100の復帰温度の誤差は、アーム部6Aを固定アーム部6aと変形アーム部6bとに分離しない従来のブレーカ100の復帰温度の誤差の1/5以下と極めて小さく、復帰温度のばらつきを著しく小さくして、接点をオン状態に復帰できる。
さらに、このブレーカ100は、可動接点金属板6に厚さを0.15mm厚い金属板を使用して、周囲温度60℃における最大電流容量を13A、オン抵抗を1.5mΩと小さくできる。
【0073】
この実施例1で使用したCu-Zr系合金は、以下の組成とした。
Cu………99.9wt%
Zr………0.1wt%
[実施例2]
【0074】
閉塞プレート27aにストッパ凸部25を設ける以外、実施例1と同じ構造であって、閉塞プレート27aにストッパ凸部25を設けるブレーカ100は、復帰温度の誤差が従来のブレーカ100の1/6以下とさらに正確になる。
[比較例1]
【0075】
可動接点金属板6のアーム部6Aを固定アーム部6aと変形アーム部6bとに分離することなく、厚さを0.1mmとする可動接点金属板6を使用する以外は実施例1と同様にして比較例1のブレーカ100を製造した。このブレーカ100は、復帰温度の誤差が10℃~15℃となり、60℃における最大電流容量が9A、ブレーカ100のオン抵抗が3mΩとなる。
【0076】
以上のことから、実施例1及び実施例2のブレーカ100は、可動接点金属板6に固定アーム部6aと変形アーム部6bとに分離して、固定アーム部6aに突起6eを設けることで、復帰温度の誤差を著しく低減でき、さらに、ブレーカ100の最大電流容量を、比較例のブレーカ100の9Aから13Aと4Aも増大できる。実施例1及び2のブレーカ100は、可動接点金属板6を厚くし、アーム部6Aを固定アーム部6aと変形アーム部6bとして、固定アーム部6aに突起6eを設け、反転するバイメタル8では変形アーム部6bのみを変形させるので、比較例と同じバイメタル8を使用して、復帰温度を正確にでき、また、最大電流容量を増大し、オン抵抗を小さくできる特長を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、周囲温度が上昇して電流を遮断した後、周囲温度が低下して通電する復帰温度を高い精度でコントロールできるブレーカとして好適に採用できる。
【符号の説明】
【0078】
100…ブレーカ
1…ケース
1A…本体ケース
1B…蓋ケース
4…固定接点金属板
4A…先端部
4B…中間部
4D…段差部
4X…接続端子
5…固定接点
6…可動接点金属板
6A…アーム部
6a、6a’…固定アーム部
6b…変形アーム部
6c…スリット
6d…凸部
6e…突起
6e’…平坦面
6f…付け根部
6g…変形領域
6B…固定部
6F…貫通孔
6G…位置決凹部
6X…接続端子
7…可動接点
8…バイメタル
9…ヒーター
10…外周壁
11…外壁
11A…第1の外壁
11B…第2の外壁
12…対向壁
13…底部
15…連結凸部
16…連結凹部
17…連結凸部
18…連結凹部
20…収納部
21…段差凹部
22…位置決リブ
23…連結プラスチック
24…積層金属板
25…ストッパ凸部
26…変形制限凸部
27a…閉塞プレート
27b…外周壁
28…溶融凸条
101…可動接点金属板
105…固定接点
106…固定接点金属板
107…可動接点
108…バイメタル