(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】二次電池およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/533 20210101AFI20240924BHJP
H01M 50/54 20210101ALI20240924BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20240924BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240924BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240924BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240924BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/54
H01M50/178
H01M10/04 Z
H01M50/105
H01M50/184 C
(21)【出願番号】P 2022572784
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 KR2021012356
(87)【国際公開番号】W WO2022055303
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0117212
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120034
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ギ・マン・キム
(72)【発明者】
【氏名】デ・ホン・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ウォン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・ホ・クォン
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-081925(JP,A)
【文献】特開2019-179673(JP,A)
【文献】特開2014-229435(JP,A)
【文献】特開2018-181447(JP,A)
【文献】国際公開第2014/050988(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
H01M10/00-10/39
H01M50/10-50/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極、複数の電極の間に介在されるセパレータ、および複数の電極にそれぞれ連結される複数の電極タブを備えた電極組立体と、
前記複数の電極タブに結合される電極リードと、
前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体を収容するパウチと、を含み、
前記複数の電極タブは、複数の電極に連結される連結部、一束に纏められた状態で前記電極リードに結合される結合部、および前記連結部と前記結合部との間に備えられる折り曲げ部を含み、
前記折り曲げ部は、前記結合部と連結され、
前記結合部を基準として第1bの角度で折り曲げられた第1折り曲げ面、前記連結部と連結され、
前記連結部を基準として第2bの角度で折り曲げられた第2折り曲げ面、および前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面を連結する連結面を含み、
前記第1bの角度が、前記第2bの角度より大きい角度を有する、二次電池。
【請求項2】
前記第1折り曲げ面の前記第1bの角度は、前記結合部を基準として100°~120°で設けられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1折り曲げ面の前記第1bの角度は、前記結合部を基準として109°~116°で設けられる、請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第2折り曲げ面の前記第2bの角度は、前記連結部を基準として94°~104°で設けられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第2折り曲げ面の前記第2bの角度は、前記連結部を基準として98°~100°で設けられる、請求項1又は4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面とがそれぞれ連結された前記連結面の一端から他端までの距離(α)は0.5mm~2.0mmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記電極組立体の長さ方向から見た時に、向かい合う前記セパレータの端から前記結合
部の端までの距離(β)は2.0mm~4.5mmである、請求項1~6のいずれか一項
に記載の二次電池。
【請求項8】
(a)電極タブが備えられた電極を複数個用意し、次いで、複数の電極と複数のセパレータを交互に配置して電極組立体を製造するステップと、
(b)複数の電極タブを折り曲げて纏めるステップであって、折り曲げられた前記電極タブは、電極に連結される連結部、一束に纏められて電極リードが結合される結合部、および前記連結部と前記結合部との間に備えられる折り曲げ部からなり、前記折り曲げ部は、前記結合部と連結され、
前記結合部を基準として第1aの角度で折り曲げられた第1折り曲げ面、前記連結部と連結され、
前記連結部を基準として第2aの角度で折り曲げられた第2折り曲げ面、および前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面を連結する連結面を含むステップと、
(c)前記電極タブの結合部に前記電極リードを結合するステップと、
(d)前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体をパウチに収容した後、前記パウチのシール部に位置した前記電極リードにリードフィルムを付着するステップと、
(e)前記リードフィルムをパウチの内部に第1長さだけ押込むと、前記リードフィルムにより、前記電極リードがパウチの内部に第1長さだけ挿入され、前記電極リードにより前記折り曲げ部が押されながら、前記第1折り曲げ面の前記第1aの角度は
、前記結合部を基準とする第1bの角度まで小さくなるように調節され、前記第2折り曲げ面の前記第2aの角度は
、前記連結部を基準とする第2bの角度まで小さくなるように調節されるステップと、
(f)前記リードフィルムが位置したパウチのシール部をシールして二次電池を製造するステップと、
を含み、
前記第1bの角度が、前記第2bの角度より大きい角度を有する、二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記(e)ステップで、前記第1折り曲げ面の前記第1bの角度は、前記結合部を基準として100°~120°で設けられる、請求項8に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記(e)ステップで、前記第2折り曲げ面の前記第2bの角度は、前記連結部を基準として94°~104°で設けられる、請求項8に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記(d)ステップで、前記リードフィルムを前記電極リードに付着する時に、第1長さだけパウチの外にさらに引き出されるように付着し、
前記(e)ステップで、前記リードフィルムが前記パウチの内部に第1長さだけ挿入されるように押込み、
前記第1長さは0.5~1.5mmで設けられる、請求項8~10のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記(e)ステップが完了すると、前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面とがそれぞれ連結された前記連結面の一端から他端までの距離(α)は0.5mm~2.0mmである、請求項8~11のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記(e)ステップが完了すると、
前記電極組立体の長さ方向から見た時に、向かい合う前記セパレータの端と前記結合部の端との間の距離(β)は2.0mm~4.5mmである、請求項8~12のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記(e)ステップと前記(f)ステップとの間に、(e1)前記第1折り曲げ面の第1bの角度と第2折り曲げ面の第2bの角度とが、予め設定された角度範囲内に含まれるかを検査するステップをさらに含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記(e1)ステップで、前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面とがそれぞれ連結された前記連結面の一端から他端までの距離(α)は0.5mm~2.0mmであるかをさらに検査する、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年9月11日付の韓国特許出願第10-2020-0117212号および2021年9月8日付の韓国特許出願第10-2021-0120034号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池およびその製造方法に関し、特に、電極タブの長さが増加し得るマージン率(すなわち、余裕長さ)が確保された二次電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池をいい、かかる二次電池は、フォン、ノート型パソコン、カムコーダ、および電気自動車などに広く用いられている。
【0004】
上記の二次電池は、電極組立体が金属缶に内蔵される缶型二次電池と、電極組立体がパウチに内蔵されるパウチ型二次電池に分類される。そして、前記パウチ型二次電池は、電極とセパレータが交互に積層された構造を有する電極組立体と、前記電極組立体の電極タブに結合される電極リードと、前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体を収容するパウチと、を含む。
【0005】
しかし、従来の二次電池は、電極組立体に膨潤現象が生じた際に、電極組立体と電極リードとを連結した電極タブが引っ張られて断線が発生するという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、従来の二次電池は、電極組立体と電極リードとの間の長さを大きく確保し、電極タブの長さを増大させることで、電極タブの断線を防止している。しかし、上記のように電極タブの長さを増大させる場合、二次電池のサイズが不要に増大するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような問題を解決するための本発明の二次電池およびその製造方法は、電極タブの長さが増加し得るマージン率を確保することで、電極組立体に膨潤が発生しても、前記電極タブの長さが増大するため、電極タブの断線を防止することができ、二次電池の長さが増大することを防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するための本発明の二次電池は、複数の電極、複数の電極の間に介在されるセパレータ、および複数の電極にそれぞれ連結される複数の電極タブを備えた電極組立体と、前記複数の電極タブに結合される電極リードと、前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体を収容するパウチと、を含み、複数の電極タブは、複数の電極に連結される連結部、一束に纏められた状態で前記電極リードに結合される結合部、および前記連結部と前記結合部との間に備えられる折り曲げ部を含み、前記折り曲げ部は、前記結合部と連結され、第1bの角度で折り曲げられた第1折り曲げ面、前記連結部と連結され、第2bの角度で折り曲げられた第2折り曲げ面、および前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面を連結する連結面を含み、前記第1bの角度が、前記第2bの角度より大きい角度を有することができる。
【0009】
前記第1折り曲げ面の第1bの角度は、前記結合部を基準として100°~120°で設けられることができる。
【0010】
前記第1折り曲げ面の第1bの角度は、前記結合部を基準として109°~116°で設けられることができる。
【0011】
前記第2折り曲げ面の第2bの角度は、前記連結部を基準として94°~104°で設けられることができる。
【0012】
前記第2折り曲げ面の第2bの角度は、前記連結部を基準として98°~100°で設けられることができる。
【0013】
前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面がそれぞれ連結された前記連結面の一端から他端までの距離(α)が0.5mm~2.0mmであることができる。
【0014】
前記電極組立体の長さ方向から見た時に、向かい合う前記セパレータの端から前記結合部の端までの距離(β)が2.0mm~4.5mmであることができる。
【0015】
一方、本発明の二次電池の製造方法は、(a)電極タブが備えられた電極を複数個用意し、次いで、複数の電極と複数のセパレータを交互に配置して電極組立体を製造するステップと、(b)複数の電極タブを折り曲げて纏めるステップであって、折り曲げられた電極タブは、電極に連結される連結部、一束に纏められて電極リードが結合される結合部、および前記連結部と前記結合部との間に備えられる折り曲げ部からなり、前記折り曲げ部は、前記結合部と連結され、第1aの角度で折り曲げられた第1折り曲げ面、前記連結部と連結され、第2aの角度で折り曲げられた第2折り曲げ面、および前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面を連結する連結面を含むステップと、(c)前記電極タブの結合部に電極リードを結合するステップと、(d)前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体をパウチに収容した後、前記パウチのシール部に位置した前記電極リードにリードフィルムを付着するステップと、(e)前記リードフィルムをパウチの内部に第1長さだけ押込むと、前記リードフィルムにより、電極リードがパウチの内部に第1長さだけ挿入され、前記電極リードにより前記折り曲げ部が押されながら、第1折り曲げ面の第1aの角度は第1bの角度まで小さくなるように調節され、第2折り曲げ面の第2aの角度は第2bの角度まで小さくなるように調節されるステップと、(f)前記リードフィルムが位置したパウチのシール部をシールして二次電池を製造するステップと、を含み、前記第1bの角度が、前記第2bの角度より大きい角度を有することができる。
【0016】
前記(e)ステップで、前記第1折り曲げ面の第1bの角度は、前記結合部を基準として100°~120°で設けられることができる。
【0017】
前記(e)ステップで、前記第2折り曲げ面の第2bの角度は、前記連結部を基準として94°~104°で設けられることができる。
【0018】
前記(d)ステップで、前記リードフィルムを前記電極リードに付着する時に、第1長さだけパウチの外にさらに引き出されるように付着し、前記(e)ステップで、前記リードフィルムがパウチの内部に第1長さだけ挿入されるように押込み、前記第1長さは0.5~1.5mmで設けられることができる。
【0019】
前記(e)ステップが完了すると、前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面がそれぞれ連結された前記連結面の一端から他端までの距離(α)が0.5mm~2.0mmであることができる。
【0020】
前記(e)ステップが完了すると、向かい合う前記セパレータの端と前記結合部の端との間の距離(β)が2.0mm~4.5mmであることができる。
【0021】
前記(e)ステップと前記(f)ステップとの間に、(e1)前記第1折り曲げ面の第1bの角度と第2折り曲げ面の第2bの角度が、予め設定された角度範囲内に含まれるかを検査するステップをさらに含むことができる。
【0022】
前記(e1)ステップで、前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面がそれぞれ連結された前記連結面の一端から他端までの距離(α)が0.5mm~2.0mmであるかをさらに検査することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の二次電池は、折り曲げ部を備えた電極タブを含み、前記折り曲げ部は、結合部と連結され、第1bの角度で折り曲げられた第1折り曲げ面、連結部と連結され、第2bの角度で折り曲げられた第2折り曲げ面、および前記第1折り曲げ面と前記第2折り曲げ面を連結する連結面を含み、前記第1bの角度が、前記第2bの角度より大きい角度を有することを特徴とする。かかる特徴により、電極タブは、長さが増加し得るマージン率(すなわち、余裕長さ)を確保することができる。すなわち、電極組立体に膨潤が発生した際に、電極タブの折り曲げ部が伸びて電極タブの長さを増大させることができ、これにより、電極タブの断線の発生を防止することができる。特に、二次電池のサイズの増大を防止することができ、結果として、製品性を高めることができる。
【0024】
また、本発明の二次電池において、第1および第2折り曲げ面は曲面で形成されることを特徴とする。かかる特徴により、第1および第2折り曲げ面が折られることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池を示した断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タブを示した側面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る二次電池において、電極組立体の変形された状態を示した断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法を示したフローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法の(a)ステップを示した断面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法の(b)ステップを示した断面図である。
【
図8】(b)ステップで折り曲げられた電極タブを示した側面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法の(c)ステップおよび(d)ステップを示した断面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法の(e)ステップを示した断面図である。
【
図11】(e)ステップで変形された電極タブを示した側面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法の(f)ステップを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、本発明は様々な形態で実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたって類似した部分には類似した図面符号を付す。
【0027】
[本発明の第1実施形態に係る二次電池]
本発明の第1実施形態に係る二次電池1は、
図1から
図4に示されているように、複数の電極タブを備えた電極組立体100と、前記複数の電極タブに結合される電極リード200と、前記電極リード200の先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体100を収容するパウチ300と、パウチ300のシール部310に位置した電極リード200に備えられるリードフィルム400と、を含む。
【0028】
電極組立体
電極組立体100は、複数の電極110と、複数の電極110の間に配置されるセパレータ120と、複数の電極110にそれぞれ連結される複数の電極タブ130と、を含む。
【0029】
ここで、複数の電極110は正極および負極であり、複数の電極タブ130は、正極に連結される正極タブと、負極に連結される負極タブであることができる。
【0030】
かかる構成を有する電極組立体100は、セパレータ120を介在した状態で複数の電極110が上から下に積層される構造を有する。この際、複数の電極110には、複数の電極タブ130が同一の方向に向くように連結されている。例えば、複数の正極タブは、
図1で見て左側方向に向くように配置され、複数の負極タブは、
図1で見て右側方向に向くように配置される。
【0031】
一方、複数の電極タブ130は、複数の電極110にそれぞれ連結される連結部131と、一束に纏められた状態で溶接されて前記電極リード200と結合される結合部132と、を含む。
【0032】
電極リード
電極リード200は、電極組立体と外部装置を連結するためのものであって、電極タブ130の結合部132に結合される。
【0033】
パウチ
パウチ300は、電極リード200の先端が外部に引き出された状態で電極組立体を収容するためのものである。すなわち、パウチ300は、電極組立体100を収容する収容部と、収容部を密封するシール部310と、を含む。
【0034】
一方、前記シール部310と前記電極リード200との密封力を高めるためのリードフィルム400をさらに含む。
【0035】
リードフィルム
リードフィルム400は、シール部310に位置した電極リード200の外周面を囲む構造を有する。すなわち、リードフィルム400は、前記シール部310の熱融着時に前記シール部310に接合されることで、前記電極リードと前記シール部の密封力を高めることができる。
【0036】
一方、本発明の第1実施形態に係る二次電池1は、電極組立体100が膨潤して厚さまたは長さが増大しても、電極タブ130の断線を防止する構造を有する。
【0037】
すなわち、本発明の第1実施形態に係る二次電池1において、電極タブ130が折り曲げられた状態で備えられることでマージン率が確保され、これにより、電極組立体100が膨潤すると、折り曲げられた電極タブ130が平らに伸びながら電極タブ130の長さが増大する。その結果、電極タブ130の断線を防止することができる。
【0038】
一例として、複数の電極タブ130は、前記連結部131と前記結合部132との間に備えられる折り曲げ部133をさらに含む。
【0039】
前記折り曲げ部133は、前記結合部132と連結され、電極組立体100の厚さ方向(略
【数1】
字状)に沿って第1bの角度1b°で折り曲げられた第1折り曲げ面133aと、前記連結部131と連結され、電極組立体100の長さ方向に並ぶ方向(略
【数2】
字状)に沿って第2bの角度2b°で折り曲げられた第2折り曲げ面133bと、前記第1折り曲げ面133aと前記第2折り曲げ面133bを連結する連結面133cと、を含む。
【0040】
一方、
図3、
図8、および
図11に示したように、第1折り曲げ面133a、第2折り曲げ面133b、および連結面133cの位置を区分するために、境界線(---)を表示した。
【0041】
ここで、前記第1bの角度1b°は、連結部131を基準として見たときに、90°より大きい角度を有する。これにより、電極タブが押されても、折り曲げ部133が電極組立体に向かない方向に折られるように誘導することができ、その結果、電極タブと前記電極タブと異なる極性の電極が接触されることを防止することができる。
【0042】
また、第2bの角度2b°は、結合部132を基準として見たときに、90°より大きい角度を有する。これにより、電極組立体の厚さ方向に電極タブ130が圧着されても、折り曲げ部133が電極組立体に向く方向に折られることを防止することができ、これにより、電極タブと、異なる極性の電極が接触されることを防止することができる。
【0043】
一方、第1bの角度1b°は第2bの角度2b°より大きい角度を有することができる。すなわち、第2bの角度2b°は、第1bの角度1b°より小さく形成して電極タブと電極組立体との間の空間を最小化し、第1bの角度1b°は、第2bの角度2b°より大きく形成して電極リードと電極組立体との間の間隔を大きく離間させることができる。そして、第1bの角度1b°を第2bの角度2b°より大きく形成することで、電極タブとパウチとの間のマージン率を大きく確保することができる。
【0044】
このような構造を有する複数の電極タブ130は、
図4を参照すると、電極組立体100が膨潤すると、電極組立体100の厚さまたは長さが増加しながら前記折り曲げ部133の第1および第2折り曲げ面133a、133bが伸びることになる。これにより、電極タブ130の断線を防止することができる。すなわち、電極タブ130が折り曲げられた形態を有することで、マージン率を確保し、これにより、電極タブ130の断線の発生を防止することができる。
【0045】
特に、複数の電極タブ130は復元力を有する金属製からなり、これにより、電極組立体100が元の形状に戻ると前記折り曲げ部133も元の形状に戻り、その結果、再使用の効率性を高めることができる。
【0046】
したがって、電極組立体100はマージン率が確保された電極タブ130を含むことで、電極組立体が膨潤しても電極タブ130の断線を防止することができ、その結果、安全性を高めることができる。
【0047】
一方、前記第1折り曲げ面133aまたは前記第2折り曲げ面133bは曲面で形成される。これにより、外部衝撃によって第1および第2折り曲げ面133bが直角に折られることを防止することができる。特に、電極組立体100に膨潤が発生した時に、より迅速に伸びながら前記電極タブ130の断線を著しく防止することができる。
【0048】
一方、電極組立体100において向かい合う前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離(β)は2.0mm~4.5mm、好ましくは3.5mmである。すなわち、電極タブ130を折り曲げる時に、前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離(β)を2.0mm~4.5mmまで近接させる。これにより、二次電池のサイズをよりコンパクトにデザインすることができる。ここで、前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離が2.0mm以下である場合には、電極タブ130が異なる極性の電極または異なる極性の電極リード200に接触されてショートが発生する恐れがあり、前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離が4.5mm以上である場合には、二次電池のサイズが不要に増大するという問題がある。
【0049】
一方、前記電極組立体100の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面133aと前記第2折り曲げ面133bがそれぞれ連結された前記連結面133cの一端から他端までの距離(α)は0.5mm~2.0mmであり、好ましくは1.0mmである。これにより、二次電池の長さを最小にするとともに、電極タブ130のマージン率を安定して確保することができる。ここで、前記連結面133cの一端から他端までの距離(α)が0.5mm以下であると、電極タブ130と電極組立体100が接触され得るという問題があり、2.0mm以上であると、二次電池の長さが大きく増大して製品性が低下するという問題がある。
【0050】
一方、
図3を参照すると、前記第1折り曲げ面133aの第1bの角度1b°は、前記結合部132を基準として電極組立体100の厚さ方向に100°~120°、好ましくは109°~116°で折り曲げられる傾斜角を有し、前記第2折り曲げ面133bの第2bの角度2b°は、前記連結部131を基準として94°~104°、好ましくは98°~100°で折り曲げられる傾斜角を有する。これにより、折り曲げ部133は、第1および第2折り曲げ面133a、133bが傾斜角で形成されることにより、パウチまたはセパレータを損傷させることなく電極タブ130のマージン率を最大限確保することができる。
【0051】
したがって、本発明の第1実施形態に係る二次電池1は、第1および第2折り曲げ面を備えた電極タブ130を含むことで、電極タブ130の断線の発生を防止することができ、その結果、安全性を高めることができる。
【0052】
以下、本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法を説明する。
【0053】
[本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法]
本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法は、
図5から
図12に示されているように、(a)電極組立体製造ステップと、(b)纏めステップと、(c)結合ステップと、(d)付着ステップと、(e)押込みステップと、(f)シールステップと、を含む。
【0054】
(a)電極組立体製造ステップ
(a)ステップでは、
図6に示されているように、電極タブ130が備えられた電極110を複数個準備する。次に、複数の電極110と複数のセパレータ120を交互に配置して電極組立体100を製造する。ここで、前記複数の電極110に備えられた電極タブ130は同一の方向に向くように配置する。
【0055】
(b)纏めステップ
(b)ステップでは、
図7に示されているように、複数の電極タブ130の一側を一対の圧着ブロック10にて圧着し、電極タブ130の先端を一束に纏める。
【0056】
この際、圧着された複数の電極タブは、一側が電極組立体100の厚さ方向に第1aの角度1a°で折り曲げられて第1折り曲げ面133aが形成され、他端が電極組立体100の厚さ方向に第2aの角度2a°で折り曲げられて第2折り曲げ面133bが形成され、前記第1折り曲げ面133aと第2折り曲げ面133bとの間に連結面133cが形成される。
【0057】
つまり、前記電極タブ130は、
図8に示されているように、電極に連結される連結部131と、一束に纏められて電極リード200が結合される結合部132と、前記連結部131と前記結合部132との間に備えられる折り曲げ部133と、からなる。そして、前記折り曲げ部133は、前記結合部132と連結され、第1aの角度1a°で折り曲げられた第1折り曲げ面133aと、前記連結部131と連結され、第2aの角度2a°で折り曲げられた第2折り曲げ面133bと、前記第1折り曲げ面133aと前記第2折り曲げ面133bを連結する連結面133cと、を含む。
【0058】
ここで、前記の一対の圧着ブロック10の角は曲面で形成され、これにより、前記一対の圧着ブロック10により圧着される第1折り曲げ面133aが曲面で形成される。
【0059】
一方、前記第1折り曲げ面133aの第1aの角度1a°は、前記結合部132を基準として、電極組立体100の厚さ方向に130°~150°、好ましくは148°で折り曲げられる傾斜角を有し、前記第2折り曲げ面133bの第2aの角度2a°は、前記連結部131を基準として94°~104°、好ましくは99°で折り曲げられる傾斜角を有する。
【0060】
(c)結合ステップ
(c)ステップでは、
図9に示されているように、一束に纏められた前記電極タブ130の先端を溶接して結合部132を形成し、前記結合部132に電極リード200を結合する。
【0061】
一方、前記(c)ステップの後、前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面133aと前記第2折り曲げ面133bがそれぞれ連結された前記連結面133cの一端から他端までの距離(α)は2.0mm~3.0mm、好ましくは2.0mmである。すなわち、折り曲げ部133が押されるように、前記連結面133cの一端から他端までの距離(α)を確保する。
【0062】
(d)付着ステップ
(d)ステップでは、前記電極リード200の先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体をパウチ300に収容した後、前記パウチ300のシール部310に位置した前記電極リード200にリードフィルム400を付着する。この時、前記リードフィルム400は、前記パウチ300のシール部310の外部に第1長さBだけさらに引き出されるように付着する。
【0063】
すなわち、
図9を参照すると、リードフィルム400は、シール部310の外部にAの長さだけ引き出されるが、本出願では、第1長さBだけパウチ300のシール部の外部にさらに引き出す。
【0064】
ここで、第1長さBは1~2mmであり、好ましくは1mmであることができる。
【0065】
(e)押込みステップ
(e)ステップでは、
図10に示されているように、前記パウチ300のシール部310を基準として、前記リードフィルム400をパウチ300の内部に第1長さBだけ挿入するように押込む。そうすると、前記リードフィルム400により、電極リード200がパウチ300の内部に第1長さBだけ挿入され、電極リード200により折り曲げ部133が電極組立体100の方向に押されながら変形されるが、この際、第1折り曲げ面133aの第1aの角度は、第1bの角度まで小さくなるように調節され、第2折り曲げ面133bの第2aの角度は、第2bの角度まで小さくなるように調節される。ここで、第1折り曲げ面133aの第1bの角度は、一束に纏めされた結合部に連結されているため角度調節が大きく、第2折り曲げ面133bの第2bの角度は、複数の連結部に連結されているため角度調節が小さいか若しくはない。これにより、第1bの角度は、第1aの角度よりも角度の変化が大きいため、第2bの角度より大きい角度を有する。
【0066】
この際、リードフィルム400とシール部310は、シールされずに分離された状態である。
【0067】
ここで、前記第1折り曲げ面133aの第1bの角度1b°は、前記結合部132を基準として、電極組立体100の厚さ方向に100°~120°、好ましくは109°~116°で折り曲げられる傾斜角を有し、最も好適には111°を有する。前記第2折り曲げ面133bの第2bの角度2b°は、前記連結部131を基準として、94°~104°、好ましくは98°~100°を有し、最も好適には99°を有する。
【0068】
一方、前記(e)ステップの後、向かい合う前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離は2.0mm~4.5mm、好ましくは3.5mmである。
【0069】
すなわち、前記(e)ステップの前に、向かい合う前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離は4.5mmで形成され、前記(e)ステップの後に、前記セパレータ120の端と前記結合部132の端との間の距離は3.5mmに減少することになる。
【0070】
そして、前記(e)ステップの後、電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面が連結された折り曲げ面の一端から第2折り曲げ面133bが連結された折り曲げ面の他端までの距離は0.5mm~2.0mm、好ましくは1.0mmである。これにより、二次電池の長さ方向における長さを最小化することができ、その結果、二次電池のサイズが増大することを防止することができる。
【0071】
(f)シールステップ
(f)ステップでは、パウチ300のシール部310をシールブロック20を用いてシールする。これにより、パウチ300の内部に電極組立体100を密封されるように収容することができる。
【0072】
上記のようなステップが完了すると、完成品の二次電池1を製造することができる。
【0073】
一方、前記(e)ステップと前記(f)ステップとの間に、(e1)前記第1折り曲げ面133aの第1bの角度と第2折り曲げ面133bの第2bの角度が、予め設定された角度範囲内に含まれるかを検査するステップをさらに含む。
【0074】
(e1)検査ステップ
(e1)ステップでは、二次電池1をビジョン撮影し、撮影された映像から電極組立体の画像を出力し、出力した電極組立体の撮影画像で前記第1折り曲げ面133aの第1bの角度と第2折り曲げ面133bの第2bの角度を測定し、測定された前記第1折り曲げ面133aの第1bの角度と第2折り曲げ面133bの第2bの角度を予め設定された角度と比較することで、不良有無を検査する。
【0075】
ここで、第1bの角度の予め設定された角度範囲は109°~116°であり、第2bの角度の予め設定された角度範囲は94°~104°である。
【0076】
これにより、(e1)ステップでは電極タブ130の折り曲げ状態を検査することができる。
【0077】
一方、前記(e1)ステップでは、前記電極組立体の長さ方向から見た時に、前記第1折り曲げ面133aと前記第2折り曲げ面133bがそれぞれ連結された前記連結面133cの一端から他端までの距離(α)が0.5mm~2.0mm、好ましくは1.0mmであるかをさらに検査することができる。
【0078】
これにより、本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法は、マージン率が確保された二次電池1を製造することができる。
【0079】
[実験例]
本出願の第2実施形態に係る二次電池の製造方法において、(d)付着ステップまで製造された4個の二次電池を準備する。4個の二次電池は同一の構造を有し、第1試験片~第4試験片と称する。
【0080】
実験例1は、(e)押込みステップの前の第1試験片を撮影する。その結果、
図13のような写真画像が得られる。
【0081】
実験例2は、(e)押込みステップで第2試験片のリードフィルム400を0.5mm押込んだ後、第2試験片を撮影する。その結果、
図14のような写真画像が得られる。すなわち、第2試験片からは、第1試験片に比べて電極タブ130の折り曲げられた角度が変わったことが確認でき、電極とセパレータとの間が広がるなどの現象は発生しないことが確認できる。
【0082】
実験例3は、(e)押込みステップで第3試験片のリードフィルム400を1.0mm押込んだ後、第3試験片を撮影する。その結果、
図15のような写真画像が得られる。すなわち、第3試験片からは、第2試験片よりも電極タブ130の折り曲げられた角度が大きく変わったことが確認でき、電極とセパレータとの間が広がるなどの現象は発生しないことが確認できる。
【0083】
実験例4は、(e)押込みステップで第4試験片のリードフィルム400を1.2mm押込んだ後、第4試験片を撮影する。その結果、
図16のような写真画像が得られる。すなわち、第4試験片からは、第3試験片よりも電極タブ130の折り曲げられた角度が大きく変わったことが確認できる。しかし、電極とセパレータとの間が広がるという不良が発生することが確認できる。
【0084】
したがって、上記のような実験結果から、不良発生を防止するためには、(e)押込みステップでリードフィルム400は0.5~1.5mm、好ましくは1.0mm押込むべきであり、それ以上押込む場合には、電極とセパレータとの間が広がって不良が発生することが確認できる。
【0085】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、添付の特許請求の範囲によって現れ、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等な概念から導出される種々の実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 二次電池
100 電極組立体
110 電極
120 セパレータ
130 電極タブ
131 連結部
132 結合部
133 折り曲げ部
133a 第1折り曲げ面
133b 第2折り曲げ面
133c 連結面
200 電極リード
300 パウチ
400 リードフィルム