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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20240924BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240924BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240924BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20240924BHJP
【FI】
H01M50/271 B
H01M50/211
H01M50/271 S
H01M50/289
H01M50/262 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022543572
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 KR2021009588
(87)【国際公開番号】W WO2022065655
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122295
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094713
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン・キュ・イ
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-245993(JP,A)
【文献】国際公開第2014/103709(WO,A1)
【文献】特表2020-517080(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0030954(KR,A)
【文献】特開2001-006642(JP,A)
【文献】中国実用新案第211376729(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0030967(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第3675208(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容し、前記電池セル積層体の上部を覆う上面を含む第1L字型フレーム;および
前記電池セル積層体を収容し、前記電池セル積層体の下部を覆う下面を含む第2L字型フレームを含み、
前記第1L字型フレームおよび前記第2L字型フレームのうちのいずれか一方には複数の突出部が形成され、他方には前記複数の突出部と対応する位置に複数の溝部が形成され、前記複数の突出部および前記複数の溝部がそれぞれ嵌合して前記第1、2L字型フレームが結合し、
前記複数の突出部のうちの少なくとも1つ及び前記複数の溝部のうちの少なくとも1つは、前記第1L字型フレームと前記第2L字型フレームとの間の複数の溶接結合面の間に形成され、
前記第1L字型フレームの上面の側端縁部には前記第2L字型フレームと嵌合するように下側に突出した第1隆起部が形成され、
前記第2L字型フレームの下面の側端縁部には前記第1L字型フレームと嵌合するように上側に突出した第2隆起部が形成され、
前記第1、2隆起部の隆起面には前記突出部が形成され、
前記突出部は前記第1、2隆起部の隆起面の外側縁部から突出形成される、電池モジュール。
【請求項2】
前記第1隆起部と対応する前記第2L字型フレームの一部および前記第2隆起部と対応する前記第1L字型フレームの一部には溝部が形成され、前記突出部と前記溝部は互いに嵌合する、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電池セル積層体の両側面に付着される圧縮パッドをさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容し、上面および第1側面で形成された第1L字型フレーム;および
前記電池セル積層体を収容し、下面および第2側面で形成された第2L字型フレームを含み、
前記第1L字型フレームと前記第2L字型フレームは前記電池セル積層体の4面を囲み、
前記第1、2L字型フレームのうちのいずれか一方には複数の突出部が形成され、他方には前記複数の突出部と対応する位置に複数の溝部が形成され、前記複数の突出部および前記複数の溝部がそれぞれ嵌合して前記第1、2L字型フレームが結合し、
前記複数の突出部のうちの少なくとも1つ及び前記複数の溝部のうちの少なくとも1つは、前記第1L字型フレームと前記第2L字型フレームとの間の複数の溶接結合面の間に形成され
前記第1L字型フレームの上面の側端縁部には前記第2L字型フレームの第2側面上端部と嵌合するように下側に突出した第1隆起部が形成され、
前記第2L字型フレームの下面の側端縁部には前記第1L字型フレームの第1側面下端部と嵌合するように上側に突出した第2隆起部が形成され、
前記第1、2隆起部の隆起面には突出部が形成され、前記第2側面の上端部および前記第1側面の下端部には溝部が形成され、
前記突出部と前記溝部が結合して前記第1、2L字型フレームが結合し、
前記突出部は前記第1、2隆起部の隆起面の外側縁部から突出形成される、電池モジュール。
【請求項5】
前記突出部は前記第1、2隆起部の中間および前記第1、2隆起部の両側にそれぞれ形成され、
前記溝部はそれぞれの前記突出部と対応する位置に形成される、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第1隆起部の下面と前記第2側面の上端面、前記第2隆起部の上面と前記第1側面の下端面は、それぞれ溶接で結合される、請求項4または5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
電池セル積層体を第2L字型フレームの内部に第2側面に向かって挿入する段階;
第1L字型フレームを第2L字型フレームと結合させて前記電池セル積層体を覆う段階;および
前記第1L字型フレームと前記第2L字型フレームを溶接で結合させる段階を含み、
前記第1L字型フレームおよび前記第2L字型フレームのうちのいずれか一方には複数の突出部が形成され、他方には前記複数の突出部と対応する位置に複数の溝部が形成され、前記複数の突出部および前記複数の溝部がそれぞれ嵌合して前記第1、2フレームが結合し、
前記第1L字型フレームの上面の側端縁部には前記第2L字型フレームと嵌合するように下側に突出した第1隆起部が形成され、
前記第2L字型フレームの下面の側端縁部には前記第1L字型フレームと嵌合するように上側に突出した第2隆起部が形成され、
前記第1、2隆起部の隆起面には前記突出部が形成され、
前記突出部は前記第1、2隆起部の隆起面の外側縁部から突出形成される、電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記電池セル積層体を前記第2L字型フレームの内部に挿入する段階の前に、前記電池セル積層体の両側面に圧縮パッドを付着する段階をさらに含む、請求項に記載の電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
【0002】
本出願は、2020年9月22日付韓国特許出願第10-2020-0122295号および2021年7月20日付韓国特許出願第10-2021-0094713号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0003】
本発明は、電池モジュールおよびその製造方法に関し、より詳しくは、組立が容易な電池モジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
二次電池は、モバイル機器および電気自動車などの多様な製品群においてエネルギー源として大きな関心を受けている。このような二次電池は、化石燃料を使用する既存製品の使用を代替できる有力なエネルギー資源であって、エネルギー使用による副産物が発生せず、環境にやさしいエネルギー源として脚光を浴びている。
【0005】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量の二次電池構造に対する必要性が高まり、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0006】
一方、複数個の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも一つの電池セルからなる電池モジュールを構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールを利用してその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0007】
このような電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、電池セル積層体を収容するフレームを含む。
【0008】
図1は従来の上下左右面で形成されたモジュールフレームに電池セル積層体が組み立てられる様子を示した図面である。
【0009】
図1を参照すると、従来の電池モジュールは、複数の電池セルが積層形成された電池セル積層体10、電池セル積層体を収容し、上下左右面で形成されたモノフレーム20を含むことができる。
【0010】
この時、モノフレーム20内部に電池セル積層体10が挿入されなければならないが、電池セル積層体10とモノフレーム20内側面の間に摩擦および加圧が発生することがあり、電池セル積層体10とモノフレーム20の間の組立難易度が非常に高いという問題がある。
【0011】
図2は従来のU字型フレームで形成されたモジュールフレームに電池セル積層体が組み立てられる様子を示した図面である。
【0012】
図2を参照すると、従来の電池モジュールは、複数の電池セルが積層形成された電池セル積層体30、電池セル積層体30を収容するU字型フレーム40、および電池セル積層体30の上面を覆う上部プレート50を含むことができる。
【0013】
この時、電池セル積層体30をU字型フレーム40に挿入するためには、U字型フレーム40の両側面部を両側に広げ、広げられた両側面部の間に電池セル積層体30を挿入し、電池セル積層体30の挿入後に再び広げられた両側面部を押す工程が必要となり得る。前述のような工程段階を経ながらU字型フレーム40に累積応力が発生することがある。
【0014】
また上部プレート50とU字型フレーム40は溶接を通じて互いに結合されるが、U字型フレーム40の溶接部が両側面部の上端部に位置しており、電池セル積層体30の複数の電池セルからスウェリング(Swelling)現象が発生する場合、応力集中が起きてU字型フレーム40と上部プレート50の間の結合が解除されることがあり、U字型フレーム40が破損する虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の解決しようとする課題は、組立性が向上した電池モジュールおよびその製造方法を提供することにある。
【0016】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容し、前記電池セル積層体の上部を覆う上面を含む第1フレーム;および前記電池セル積層体を収容し、前記電池セル積層体の下部を覆う下面を含む第2フレームを含み、前記第1フレームおよび第2フレームのうちのいずれか一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と対応する位置に溝部が形成され、前記突出部および前記溝部が嵌合して前記第1、2フレームが結合する。
【0018】
前記第1フレームの上面の側端縁部には前記第2フレームと嵌合するように下側に突出した第1隆起部が形成され、前記第2フレームの下面の側端縁部には前記第1フレームと嵌合するように上側に突出した第2隆起部が形成され得る。
【0019】
前記第1、2隆起部の隆起面には前記突出部が形成され得る。
【0020】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容し、上面および第1側面で形成された第1L字型フレーム;および前記電池セル積層体を収容し、下面および第2側面で形成された第2L字型フレームを含み、前記第1L字型フレームと前記第2L字型フレームは前記電池セル積層体の4面を囲み、前記第1、2L字型フレームのうちのいずれか一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と対応する位置に溝部が形成され、前記突出部および前記溝部が嵌合して前記第1、2L字型フレームが結合する。
【0021】
前記第1L字型フレームの上面の側端縁部には前記第2L字型フレームの第2側面上端部と嵌合するように下側に突出した第1隆起部が形成され、前記第2L字型フレームの下面の側端縁部には前記第1L字型フレームの第1側面下端部と嵌合するように上側に突出した第2隆起部が形成され得る。
【0022】
前記第1、2隆起部の隆起面には突出部が形成され、前記第2側面上端部および前記第1側面下端部には溝部が形成され、前記突出部と前記溝部が結合して前記第1、2L字型フレームが結合することができる。
【0023】
前記突出部は前記第1、2隆起部の隆起面の外側縁部から突出形成され得る。
【0024】
前記突出部は前記第1、2隆起部の中間および前記第1、2隆起部の両側にそれぞれ形成され、前記溝部はそれぞれの前記突出部と対応する位置に形成され得る。
【0025】
前記第1隆起部の下面と前記第2側面の上端面、前記第2隆起部の上面と前記第1側面の下端面は、それぞれ溶接で結合され得る。
【0026】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による電池モジュールの製造方法は、電池セル積層体を第2L字型フレームの内部に第2側面に向かって挿入する段階;第1L字型フレームを第2L字型フレームと結合させて前記電池セル積層体を覆う段階;および前記第1L字型フレームと前記第2L字型フレームを溶接で結合させる段階を含む。
【0027】
前記電池セル積層体を前記第2L字型フレームの内部に挿入する段階の前に、前記電池セル積層体の両側面に圧縮パッドを付着する段階をさらに含むことができる。
【0028】
前記電池セル積層体を前記第2L字型フレームの内部に挿入する段階において、前記圧縮パッドが前記第2側面により加圧されながら前記電池セル積層体が前記第2L字型フレームの内部に挿入され得る。
【0029】
前記電池モジュールは、本発明の他の一実施形態による電池パックに含まれ得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態による電池モジュールおよびその製造方法は、二つのL字型フレームの組立構造を通じて、フレーム構造の組立性が改善され、耐久性が強化され、二つのL字型フレーム間の共用化が可能である効果を提供する。
【0031】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来の上下左右面で形成されたモジュールフレームに電池セル積層体が組み立てられる様子を示した図面である。
図2】従来のU字型フレームで形成されたモジュールフレームに電池セル積層体が組み立てられる様子を示した図面である。
図3】本発明の一実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による第1、2L字型フレームの構造を示した図面である。
図5】本発明の一実施形態により電池セル積層体が第2L字型フレームの内部に組み立てられる様子を示した図面である。
図6図5の状態で第1L字型フレームが組み立てられる様子を示した図面である。
図7図6の状態で溶接を通じて第1、2L字型フレームが結合された様子を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下で説明される実施形態は、発明の理解のために例示として示したものであって、本発明はここで説明される実施形態とは異なるように多様に変形して実施され得ることが理解されるべきである。ただし、本発明を説明するに当たり、関連した公知の機能あるいは構成要素に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明および具体的な図示を省略する。また、添付した図面は、発明の理解のために実際の縮尺のとおり図示されたものでなく、一部の構成要素の寸法が誇張して図示され得る。
【0034】
本明細書で使用される第1、第2用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0035】
また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で「含む」、「なる」または「構成される」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0036】
以下、図3および図4を参照して本発明の一実施形態による電池モジュールについて説明する。
【0037】
図3は本発明の一実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。図4は本発明の一実施形態による第1、2L字型フレームの構造を示した図面である。
【0038】
図3および図4を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体100、電池セル積層体100を収容し、上面および第1側面200aで形成された第1L字型フレーム200、および電池セル積層体100を収容し、下面および第2側面300aで形成された第2L字型フレーム300を含む。
【0039】
電池セルは、二次電池であって、パウチ型二次電池で構成され得る。このような電池セルは、複数個で構成されることができ、複数の電池セルは互いに電気的に連結され得るように互いに積層されて電池セル積層体100を形成することができる。このような複数個の電池セルは、それぞれ電極組立体、電池ケース、および電極組立体から両端に突出形成された電極リードを含むことができる。
【0040】
図3を参照すると、電池セル積層体100の両側面には圧縮パッド110が付着され得る。圧縮パッド110を通じて電池セル積層体100のスウェリングを吸収することができる。
【0041】
本実施形態によると、第1L字型フレーム200と第2L字型フレーム300は、電池セル積層体100の4面を囲み、第1、2L字型フレーム200、300のうちのいずれか一方には突出部211、311が形成され、他方には突出部211、311と対応する位置に溝部212、312が形成され、突出部211、311および溝部212、312が嵌合して第1、2L字型フレーム200、300が結合する。
【0042】
従来の上下左右面で形成されたモノフレーム構造に電池セル積層体を挿入する場合には、モノフレーム内側面と電池セル積層体の間の干渉が発生する虞があった。また従来のU字型フレーム構造に電池セル積層体を挿入する場合には、U字型フレームの両側面部を広げてから縮める工程が必要となり、これによる累積応力が発生することがあるため、U字型フレームに挿入された電池セル積層体のスウェリング現象の発生時、U字型フレームの両側面上端部と上部プレートの間の溶接結合部に応力が集中してフレーム構造が破損する虞があった。
【0043】
そこで、本実施形態によると、二つの第1、2L字型フレーム200、300構造を通じて電池セル積層体100を収容することによって、電池セル積層体100の挿入時にフレームを広げる別途の工程を除去することができる。また電池セル積層体100を第2L字型フレーム300の第2側面300aに向かって簡単に組み立てることができるようになって従来の場合より組立性が向上することができる。
【0044】
また第1、2L字型フレーム200、300内部に電池セル積層体100が挿入された状態でスウェリング現象が発生するとしても、後述する隆起部溶接構造または突出部-溝部結合構造を通じてフレーム結合部の位置がフレームの側面部に位置するようにすることで、スウェリングによる応力集中構造を改善してフレーム構造の耐久性を確保することができる。
【0045】
また第1、2L字型フレーム200、300の場合、互いに対称形構造で形成されることによって、フレーム生産時に一つのフレーム構造のみで生産した後、互いに組み立てることができるようになるため、フレーム製品の共用化を実現することができる。
【0046】
本実施形態によると、図4に示されているように、第1L字型フレーム200の上面の側端縁部には第2L字型フレーム300の第2側面300a上端部と嵌合するように下側になだらかに突出した第1隆起部210が形成され得る。また第2L字型フレーム300の下面の側端縁部には第1L字型フレーム200の第1側面200a下端部と嵌合するように上側になだらかに突出した第2隆起部310が形成され得る。
【0047】
また本実施形態によると、第1、2隆起部210、310の隆起面には突出部211、311が形成され、第1側面200a下端部および第2側面300a上端部には溝部212、312が形成され、突出部211、311と溝部212、312が結合して第1、2L字型フレーム200、300が結合することができる。
【0048】
より詳しくは、第2L字型フレーム300に形成された第2隆起部310の隆起面に形成された突出部311は、第1L字型フレーム200に形成された第1側面200a下端部に形成された溝部212と結合することができる。また第1L字型フレーム200に形成された第1隆起部210の隆起面に形成された突出部211は、第2L字型フレーム300に形成された第2側面300a上端部に形成された溝部312と結合することができる。
【0049】
図4を参照すると、突出部211、311は第1、2隆起部210、310の中間および第1、2隆起部210、310両側にそれぞれ形成され、溝部212、312はそれぞれの突出部211、311と対応する位置に形成され得る。
【0050】
ただし、突出部211、311と溝部212、312は、図4に示された構造に限定されず、各隆起部に形成された突出部211、311は4個以上の複数個でも形成され得る。また複数個で形成された突出部211、311の突出位置とそれぞれ対応するように複数個の溝部212、312が形成され得る。この時、突出部211、311と溝部212、312の位置は個数と関係なしにフレーム間結合面の中間部分を中心に対称形成され得る。
【0051】
本実施形態によると、突出部211、311は、第1、2隆起部210、310の隆起面の外側縁部から突出形成され得る。これによって、挿入された電池セル積層体100のスウェリング現象の発生時、突出部211、311が形成された部分には、突出部211、311と第1、2側面200a、300aがそれぞれ重なるように結合された二重レイヤー構造が形成されることによって、スウェリングによりフレーム側面部にフレーム側面と垂直な方向に作用する力に効果的に対応することができる。
【0052】
また突出部211、311が隆起面の外側縁に位置することによって、第1、2L字型フレーム200、300間の組立時、突出部211、311を通じて第1、2L字型フレーム200、300間の組立位置をガイドすることができ、第1、2L字型フレーム200、300が正確な位置で互いに結合できるように補助することができる。
【0053】
図4および図7を参照すると、第1隆起部210の下面と第2側面300aの上端面、第2隆起部310の上面と第1側面200aの下端面は、それぞれ溶接で結合され得る。したがって、突出部211、311と溝部212、312の間の突出部-溝部結合構造以外に、フレームの隆起面と上下端面の間の溶接結合構造を採用することによって、第1、2L字型フレーム200、300間の二重結合構造が形成され得る。これによって、第1、2L字型フレーム200、300間の結合力を強化し、フレーム構造の耐久性を一層強化することができる。
【0054】
一方、以上では電池モジュールが第1、2L字型フレーム200、300を含み、第1、2L字型フレーム200、300に第1、2隆起部210、310が形成され、突出部211、311および溝部212、312の嵌合を通じて二つのL字型フレーム200、300が結合することについて説明した。しかし、前述した二つのL字型フレーム200、300が結合する方式は他の形状のフレームにも適用され得る。
【0055】
例えば、電池セル積層体100の外面を囲むフレームは二つのサブフレームである第1フレームおよび第2フレームを含むことができる。ここで、第1フレームおよび第2フレームの形状は、板状型、U字型またはその他の形状で提供されることができ、言及されていない多様な形状で提供され得る。
【0056】
第1フレームは、電池セル積層体100の上部を覆う上面を含み、第2フレームは、電池セル積層体100の下部を覆う下面を含むことができる。第1フレームおよび第2フレームのうちの一方には突出部が形成され、他方には溝部が形成されることができ、突出部と溝部の嵌合を通じて第1、2フレームは結合することができる。
【0057】
また、第1フレームの上面の側端縁部には下側に突出した第1隆起部が形成され、第2フレームの下面の側端縁部には上側に突出した第2隆起部が形成され得る。ここで、第1隆起部および第2隆起部には突出部が形成され得る。第1隆起部と対応する第2フレームの一部および第2隆起部と対応する第1フレームの一部には溝部が形成されることができ、これによって突出部と溝部は互いに嵌合することができる。
【0058】
これによって、第1、2フレームの内部に電池セル積層体100が挿入された状態でスウェリング現象が発生するとしても、隆起部溶接構造または突出部-溝部結合構造を通じてフレーム結合部の位置がフレーム側面部に位置するようにすることで、スウェリングによる応力集中構造を改善してフレーム構造の耐久性を確保することができる。
【0059】
一方、第1隆起部、第2隆起部、突出部および溝部は、前述した図面などを通じて説明された第1隆起部210、第2隆起部310、突出部211、311および溝部212、312の内容を全て含むものであり、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。
【0060】
以下、図5乃至図7を参照して本発明の一実施形態による電池モジュールの製造方法について説明する。
【0061】
図5は本発明の一実施形態により電池セル積層体が第2L字型フレームの内部に組み立てられる様子を示した図面である。図6図5の状態で第1L字型フレームが組み立てられる様子を示した図面である。図7図6の状態で溶接を通じて第1、2L字型フレームが結合した様子を示した図面である。
【0062】
図5乃至図7を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュールの製造方法は、図5に示された電池セル積層体100を第2L字型フレーム300内部に第2側面300aに向かって挿入する段階、図6に示された第1L字型フレーム200を第2L字型フレーム300と結合させて電池セル積層体100を覆う段階、および第1L字型フレーム200と第2L字型フレーム300を溶接で結合させる段階を含む。
【0063】
前述のように、電池セル積層体100を第2L字型フレーム300の第2側面300aに向かって挿入した後、第1L字型フレーム200を覆いさえすればよいため、電池セル積層体とフレームの間の結合を簡単に行うことができる。
【0064】
本実施形態によると、電池セル積層体100を第2L字型フレーム300の内部に挿入する段階の前に、電池セル積層体100の両側面に圧縮パッド110を付着する段階をさらに含むことができる。圧縮パッド110を通じて電池セル積層体100のスウェリングを吸収してフレーム構造の耐久性確保に役立てる。
【0065】
また本実施形態によると、電池セル積層体100を第2L字型フレーム300の内部に挿入する段階において、圧縮パッド110が第2側面300aにより加圧されながら電池セル積層体100が第2L字型フレーム300の内部に挿入され得る。電池セル積層体100をフレームに挿入する時、電池セル積層体100とフレームの間に衝突による損傷が発生することがあるところ、本実施形態によると圧縮パッド110が付着された電池セル積層体100を第2L字型フレーム300の内部に第2側面300aに向かって挿入することによって、第2側面300aと電池セル積層体100の側面の間に衝突による損傷を未然に防止することができる。つまり、圧縮パッド110は、電池セル積層体100と第2側面300aの間で組立時、バッファリング(buffering)機能を行うことができる。
【0066】
前述した電池モジュールは、電池パックに含まれ得る。電池パックは、本実施形態による電池モジュールを一つ以上集めて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であり得る。
【0067】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0068】
以上では本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱せずに当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0069】
100:電池セル積層体
110:圧縮パッド
200:第1L字型フレーム
200a:第1側面
210:第1隆起部
211:突出部
212:溝部
300:第2L字型フレーム
300a:第2側面
310:第2隆起部
311:突出部
312:溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7